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インフルエンザの後遺症について
内科に関する記事です。
この記事では「インフルエンザの後遺症」について解説していきます。後半部分では「インフルエンザ後遺症の一般的な症状」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インフルエンザに後遺症はあるのか
後遺症と合併症の違い
インフルエンザ後遺症の一般的な症状
インフルエンザ潜伏期間の一般的な長さ
インフルエンザ後遺症の影響
コロナウイルスとの後遺症の違い
インフルエンザの後遺症については板谷内科クリニックに相談ください
インフルエンザに後遺症はあるのか
結論を申し上げますと、インフルエンザは後遺症を引き起こす可能性があります。インフルエンザは、鼻や口から侵入した「インフルエンザウイルス」が肺や気道で感染・増殖することで引き起こされる疾患です。通常、インフルエンザウイルスに感染してから1~3日間程度の潜伏期間の後に、38℃以上の高熱、関節痛、頭痛、全身倦怠感などが突然あらわれます。そして、その後に鼻水・咳などの症状が出現し、約1週間程度で軽快するのが典型的なインフルエンザの症状です。ただし、一部の患者さんでは、インフルエンザ後にさまざまな後遺症が発生することがあります。最も一般的な後遺症の一つは、肺炎や中耳炎などの二次感染症の発症です。また、心臓や脳に影響を及ぼすこともあるため、「ウイルス性肺炎」や「インフルエンザ脳炎」などの合併症が起こることがあります。さらに、インフルエンザがトリガーとなって免疫系が過剰に反応し、肺炎球菌や赤痢菌などの他の病原体による感染症が引き起こされることもあります。したがって、インフルエンザ感染後に体調に異常を感じたら、速やかに医療機関を受診することが重要です。
後遺症と合併症の違い
合併症は、病気や手術、検査の過程で関連して発生する症状や疾患を指します。例えば、インフルエンザの合併症は、インフルエンザに罹患したことが原因で、別の疾患や症状が発生することを意味します。一方、後遺症は、ケガや病気の急性期が終わった後に残る、あるいは長期間継続する症状を指します。合併症が発生すると、通常、治療期間が延長されるため、後遺症の発生リスクは高くなります。
インフルエンザ後遺症の一般的な症状
インフルエンザ後遺症の一般的な症状は、以下の通りです。
・喉が痛くて声が出ない
・熱や寒気、倦怠感が続き睡眠障害がある
・味覚障害や嗅覚異常、鼻水などの副鼻腔炎の症状がある
・咳や痰が長引き息苦しい
インフルエンザは、免疫力の弱い子供だけでなく、大人でも重篤な合併症を引き起こす可能性があります。高齢者や心疾患、呼吸器疾患を持つ方は、上記の症状に加えて「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」などの合併症を併発する可能性が高まります。重篤な合併症になった場合、後遺症が出現するだけでなく、死亡する可能性もありますので、ご注意ください。
インフルエンザ潜伏期間の一般的な長さ
インフルエンザウイルスの潜伏期間は、一般的に1~3日が平均とされています。ただし、潜伏期間は年齢や体質、体調によって個人差があり、この期間が長くなることもあります。例えば、子供や高齢者は通常、免疫系が未発達または衰えているため、潜伏期間が長くなることがあります。また、基礎疾患を抱えている方も同様です。インフルエンザウイルスの潜伏期間は個人差が大きいため「インフルエンザ陽性者」との接触があった場合は十分に注意してください。
インフルエンザ後遺症の影響
インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし一部の患者さんでは「咳や痰が長引いて息苦しい…」「喉が痛くて声が出ない…」などインフルエンザ後にさまざまな後遺症が発生することがあります。また、「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、早期の医療介入が重要です。速やかに医療機関を受診し、適切な治療を受けることで後遺症のリスクを軽減できます。また、予防接種を受けることでインフルエンザ感染のリスクを軽減し、後遺症の発症を予防することができます。特に高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、積極的にインフルエンザ予防接種を受けることをお勧めします。
コロナウイルスとの後遺症の違い
一般的に、新型コロナウイルスに感染した人は、インフルエンザ感染者よりも後遺症リスクが高いと考えられています。名古屋工業大学の調査では、インフルエンザに感染してから2カ月以内に「せき」や「頭痛」で受診するリスクは、感染していない人に比べて約1.8倍程度であり、倦怠感に関しては「ほぼ変わりなし」と報告されています。一方、新型コロナ感染者と感染していない人を比較すると、せきで受診するリスクは約8.20倍、呼吸困難は約7.92倍、味覚や嗅覚の障害は約5.97倍、倦怠感は約3.64倍、頭痛は約2.87倍と、インフルエンザの場合よりも高い傾向が示されています。このことから、一般的に新型コロナウイルスに感染した人は、インフルエンザ感染者よりも後遺症リスクが高いとされています。
インフルエンザの後遺症については板谷内科クリニックに相談ください
インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。なお、当院ではインフルエンザ予防接種を実施しております。診察時間内であれば当日の接種も可能ですので、突然の接種希望にも柔軟に対応できます。インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご連絡ください。また、インフルエンザ感染後から体調不良が続いている方、あるいはインフルエンザ感染後の後遺症についてご相談したい方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2024.04.10
インフルエンザの検査方法や費用、時間について
内科に関する記事です。
この記事では「インフルエンザの検査方法」について解説していきます。後半部分では「インフルエンザ検査の費用」や「インフルエンザ検査時の注意点」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インフルエンザとは
インフルエンザの検査の種類
一般的なインフルエンザの検査方法
インフルエンザの検査時期(タイミング)
インフルエンザ迅速検査について
発熱のないインフルエンザについて
インフルエンザ検査とPCR検査との違い
インフルエンザ検査の費用
インフルエンザ検査時の注意点
インフルエンザ検査についての相談は板谷内科クリニックへ
インフルエンザとは
インフルエンザは、鼻や口から侵入した「インフルエンザウイルス」が肺や気道で感染・増殖することで引き起こされる疾患です。感染してから約1~3日間程度の潜伏期間の後に、38℃以上の高熱、関節痛、頭痛、全身倦怠感などが突然あらわれます。以下、インフルエンザの主な症状です。
・発熱
・全身倦怠感
・喉の痛み
・悪寒
・関節痛・筋肉痛
・頭痛
・食欲不振
・嘔吐
・下痢
・咳・痰
・鼻水
通常の風邪と比較して、インフルエンザは「高熱」と「全身症状」が特徴です。インフルエンザの症状について詳しく知りたい方は「インフルエンザかな?症状がある方へ」をご覧ください。
インフルエンザの検査の種類
インフルエンザの検査には、次の4種類があります。
<迅速診断キットを使用した検査>
迅速診断キットによる検査は、綿棒でのどや鼻の奥の粘膜をこすり、そこについた組織や分泌物からウイルスを検出する検査です。迅速診断キットによる検査は、短時間(10分~15分)で簡便に診断できるだけでなく、A型とB型の鑑別も可能です。したがって現在、最も主流となっている検査になります。
<PCR検査>
PCR検査は、のどや鼻の奥を拭い採取した液を検体とし、インフルエンザウイルスの遺伝子を検出する検査です。PCR検査では、ウイルスの型や構造を詳細に調べることができます。そのため、「新型ウイルスであるかどうか」を判定することが可能です。
<ウイルス分離検査>
ウイルス分離検査は、のどや鼻の奥を拭って採取した液からウイルスを分離して判定する検査です。ウイルス分離検査は、結果が出るまでに「1週間程度」かかりますが、ウイルスの種類などまで詳しく分かります。したがって、非常に優れた検査と言われております。
<血清抗体検査>
血清抗体検査は、インフルエンザの発症後1週間以内と、症状が治まった頃にもう1回の計2回、採血を行って「インフルエンザウイルスに対する抗体ができているか」を調べます。ただし、結果が得られるまでに通常2週間程度かかるため、現在では、あまり行われていません。
一般的なインフルエンザの検査方法
インフルエンザの検査では、一般的には「迅速抗原検出キット」が使用されます。この検査では、鼻の粘膜から採取するために綿棒が使用されます。なぜなら、インフルエンザウイルスは鼻から咽頭にかけての上気道の粘膜に付着しやすいからです。もちろん、医療機関によっては喉から採取するケースもありますが、喉から採取する方法は「鼻の奥からの採取」と比べるとウイルスの検出率が低くなります。そのため、一般的には鼻の奥に綿棒を入れて採取します。なお、迅速抗原検出キットでは、採取した検体を含んだ綿棒を検査薬に浸し、その液体を検査キットに置くことでウイルスの有無を判定します。「インフルエンザの検査について解説しているサイト」でも同様の見解を述べております。
インフルエンザの検査時期(タイミング)
インフルエンザに感染すると、通常は感染後1日から3日程度で症状が現れます。しかし、感染初期の段階ではウイルス量が少ないため、検査で陰性となる可能性があります。そのため、正確な検査結果を得るためには、発熱してから12~24時間経過してから検査を受けることが推奨されています。正しい検査結果を得るためにも、発熱してから12~24時間経過して検査を受けることをお勧めします。
インフルエンザ迅速検査について
インフルエンザ迅速検査は、インフルエンザの抗原を迅速に検出する診断法です。この検査では、鼻腔からの検体採取を行い、約10分から15分で診断結果が得られます。インフルエンザ迅速検査は、通常のPCR検査よりも迅速に結果を得ることができるため、初期症状が現れた直後から感染の有無を迅速に確認できます。しかし、感染初期にはウイルス量が少ないため、偽陰性の可能性があることに留意する必要があります。また、インフルエンザ迅速検査では、インフルエンザに感染している場合に必ずしも陽性になるわけではありません。それに検査陰性であっても、インフルエンザに感染していないとも言い切れません。したがって、インフルエンザの流行期においてインフルエンザ様症状を呈して受診された場合、検査が陰性であっても臨床診断上、インフルエンザと診断されることがあります。
発熱のないインフルエンザについて
インフルエンザは通常の風邪に比べ、「高熱」と「全身症状」が特徴です。ただし、全てのインフルエンザウイルスが重篤な症状をもたらすわけではありません。風邪とほぼ同様のケースもあり、なかには自分がインフルエンザに感染したことに気づかない方もいます(熱なし)。インフルエンザに感染していることに気づかないままでいると、自分でも気づかないうちに周囲にウイルスを広げてしまう可能性があります。そのため、早い段階で自分がインフルエンザに感染していることに気づき、適切な対処をすることが非常に重要です。また、隠れインフルの場合、通常のインフルエンザと比べて症状が軽いことが挙げられますので、「少しでもおかしい」と感じたら、早めに病院へ行くことが大切になります。
インフルエンザ検査とPCR検査との違い
現在、実施されている検査には「抗原検査」と「PCR検査」があります。以下、「抗原検査」と「PCR検査」の違いです。
<抗原検査> <PCR検査>
感染症名 新型コロナウイルス感染症 新型コロナウイルス感染症
インフルエンザ
検出するもの ウイルスを特徴づけるタンパク質 ウイルスを特徴づける遺伝子配列
メリット 検査結果が早い 少ないウイルス量でも検出可能
デメリット ウイルス量が少ないと検出不可 検査結果が遅い
抗原検査は、PCR検査に比べて結果が出るのが早いという利点があります。しかし、一定のウイルス量がないと検出されないことがあります。したがって、可能であれば両方ともに「PCR検査」を行なうことをお勧めします。PCR検査を行うことで、より正確な結果を得ることが可能です。
インフルエンザ検査の費用
インフルエンザ検査の費用は、保険適用の場合は約2,000円程度が目安です。ただし、健康保険の種類によって異なります。検査自体が約2,000円程度かかりますので、診察料や薬代などを合わせると、1割負担で5,000円、2割負担で6,000円、3割負担で7,000円程度になります。なお、初診の場合は、初診料が若干加算されることがありますので、安く見積もらないように注意してくださいね。
インフルエンザ検査時の注意点
インフルエンザ検査は、感染の初期段階でも遅すぎるタイミングでも正しい結果を得ることができません。したがって、インフルエンザ検査は、発熱から12~24時間のタイミングで受けるように注意してください。なお、発熱していているのに陰性結果が出た場合、医師から翌日に再検査を勧められることがあります。その場合は翌日に再検査を受けるようにしてください。インフルエンザは、検査を受けるまでは感染の有無が分かりませんが、油断は禁物です。検査前からインフルエンザに感染している可能性を考慮して、周囲に感染を広げないように行動してください。インフルエンザの感染拡大を防ぐためには、手洗いやマスクの着用、密閉・密集・密接の回避が重要です。また、発症初期の段階で医療機関を受診し、専門医の指示に従うことも重要になります。
インフルエンザ検査についての相談は板谷内科クリニックへ
インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし、「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。なお、当院では、インフルエンザ検査を実施しております。インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご連絡ください。また、インフルエンザの症状についてご相談したい方、あるいは自分がインフルエンザなのか気になる方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2024.04.09
インフルエンザ脳症とは:症状や予防、治療法も解説
内科に関する記事です。
この記事では、「インフルエンザ脳症の症状」について解説していきます。後半部分では「インフルエンザ脳症の診断方法」や「インフルエンザ脳症の予防策」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インフルエンザ脳症とは
インフルエンザ脳症の主な症状
インフルエンザ脳症の年齢別症状
インフルエンザ脳症の原因と発症メカニズム
インフルエンザ脳症の診断方法
インフルエンザ脳症の治療方法
インフルエンザ脳症の予防策
インフルエンザ脳症についての相談は板谷内科クリニックへ
インフルエンザ脳症とは
インフルエンザ脳症とは、インフルエンザウイルスの感染後に「痙攣」や「意識障害」、「異常行動」や「異常言動」などの症状を引き起こす重篤な脳の疾患です。インフルエンザウイルス感染によって引き起こされる深刻な合併症の一つになります。インフルエンザ脳症は、主に5歳以下の幼児に発症する場合が多く、発症してから急速に意識障害などが進行するのが特徴です。また、予後が良好な軽症例もありますが、時には「後遺症が残ること」や「死に至ること」もあります。したがって、インフルエンザ脳症は極めて深刻な合併症とされています。なお、インフルエンザ脳症は、正式には一つの疾患ではなく、意識障害などを起こす複数の疾患を含む「症候群」のことを指します。具体的には次のようなものが挙げられます。
<ライ症候群>
ライ症候群は、インフルエンザなどのウイルスに感染後、激しい吐き気や嘔吐、痙攣や錯乱、さらには昏睡などの症状と共に脳の炎症や腫れ、肝機能の低下が見られる極めて稀な病気です。ライ症候群は、感染症に罹患中、アスピリンを使用した18歳以下の子供に見られることが多いのが特徴です。なお、急性期を乗り越えた患者さんの多くは回復しますが、症状が重かった場合には「障害」や「痙攣性」の疾患などが残ることもあります。
<急性壊死性脳症(ANE)>
急性壊死性脳症(ANE)は、瀰漫性脳浮腫に両側対称性の視床病変を伴うウイルス性の急性脳症です。急性壊死性脳症は、ウイルス感染後に急激な意識障害や痙攣などの症状が現れます。また、大脳側脳室周囲白質や上皮脳幹被蓋、小脳髄質、内包、被殻にも病変が見られることがあります。なお、急性壊死性脳症は、特に東アジアの幼児に多く見られます。
インフルエンザ脳症の主な症状
インフルエンザ脳症は、高熱など通常のインフルエンザの症状が出たのち、数時間から24時間以内で急激に症状が現れるケースが多いです。代表的な初期症状としては、痙攣、意識障害、異常言動や異常行動などが挙げられます。インフルエンザ脳症は進行のスピードが早いため、早期治療が何よりも大切です。早期治療により軽症化の可能性が高まります。したがって、痙攣、意識障害、異常言動や異常行動などの初期症状が現れた際は、速やかに医療機関を受診してください。
インフルエンザ脳症の年齢別症状
インフルエンザ脳症の症状は、年齢によって異なる傾向があります。0~4歳、5~19歳、20~59歳、60歳以上の4つの年齢群に分け、国立感染症研究所が調査した結果、発熱に関しては各年齢群で88.9~95.5%と高い割合で認められております。一方、痙攣に関しては、熱性痙攣を起こしやすい0~4歳で高い割合です。また、5~19歳、20~59歳では頭痛や嘔吐が比較的多く見られています。そして、20~59歳、60歳以上では小児と比較して、項部硬直、髄液細胞数の増加のみられる割合が多いです。なお、国立感染症研究所の発表では、届出時に死亡と届け出られていた症例に関しては、0~4歳では6.9%、5~19歳では4.9%、20~59歳では9.7%、60歳以上では15.2%であったと伝えています。このような結果から成人例は、小児例よりも少ないものの、症状ごとには小児例との差異もあり、重症度においては決して軽視はできないと考えられています。
インフルエンザ脳症の原因と発症メカニズム
インフルエンザ脳症の原因は、インフルエンザウイルス感染によるサイトカインストーム、高炎症性サイトカイン血症と考えられています。インフルエンザウイルスが体内に侵入すると、免疫系はそれに反応して「サイトカイン」と呼ばれる炎症性分子を放出します。通常、サイトカインはインフルエンザウイルスとの戦いに役立ちますが、時には免疫応答が過剰になり、身体全体に炎症を引き起こすことがあります。この状態をサイトカインストームと呼びます。なお、高炎症性サイトカイン血症の状態では、血液中のサイトカインのレベルが異常に上昇し、血管の通透性が増し、神経系にも影響を及ぼす可能性があります。これにより、脳組織が直接損傷を受け、炎症反応が起こり、さらに神経細胞の機能が影響を受けることで、インフルエンザ脳症が発症します。
インフルエンザ脳症の診断方法
インフルエンザ脳症が疑われる場合、通常は次の手順で診断が行われます。まず、問診と診察が行われ、その後に「インフルエンザ迅速検査キット」を使用して感染を確認します。そして症状や意識障害などの有無からインフルエンザ脳症が疑われるときには、血液検査で全身の状態、脳や腎臓、肝臓などの臓器の状態を調べ、さらに脳波検査により脳の機能、意識障害や痙攣の原因などを調べ、頭部MRI検査で脳の炎症の有無や炎症の広がりなどを確認します。また、熱性痙攣や脳腫瘍、脳出血といった他の疾患との鑑別を目的として、頭部CT検査も実施されます。さらに、免疫細胞の数や種類を調べるために脳脊髄液検査も行われることがあります。インフルエンザ脳症の診断方法について詳しく知りたい方は「インフルエンザ脳症ガイドライン」をご覧ください。
インフルエンザ脳症の治療方法
インフルエンザ脳症の治療法は、基本的には呼吸器や循環器などを管理して全身状態を保つ支持療法に加え、抗ウイルス薬の投与や、ガンマグロブリン大量療法などの特異的治療が行われます。そして、それでも期待された効果が得られない場合などには、脳低温療法や、血漿交換療法などの特殊治療が行われます。ただし、この治療法は実施例が限られており、費用や副作用の問題も考慮する必要があります。そのため、専門医との細かな相談が重要です。なお、上述した治療法は、特別な合併症(細菌性肺炎、呼吸不全、DIC、多臓器不全等)を伴わない場合の治療法になります。特別な合併症を伴った場合は、臨床症状、検査データ、重症度に応じて迅速に、できる限りの集中治療を施行する必要があります。インフルエンザ脳症の治療方法について詳しく知りたい方は「国立感染症研究所のホームページ」をご覧ください。
インフルエンザ脳症の予防策
インフルエンザ脳症の予防策としては、インフルエンザ予防接種が有効です。インフルエンザ予防接種は、インフルエンザに罹りにくくするとともに、感染した場合には「症状の重篤化」を防ぐとされています。したがって、インフルエンザ予防接種は「インフルエンザ脳症の発症リスク」を軽減する効果が期待されます。インフルエンザは悪化すると、気管支炎や肺炎、脳症などの重篤な合併症を引き起こす恐れがありますので、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします(インフルエンザ予防接種をしてもインフルエンザにかかる場合があります)。なお、インフルエンザウイルスへの感染を予防するためには、手洗い・消毒などの基本的な感染対策も重要です。以下、基本的な感染対策です。
<人混みに出ない>
インフルエンザが流行している時期は、不要な外出は避けたほうが安心です。「ショッピングセンター」や「繁華街」などの人混みでインフルエンザに感染することも多いため、インフルエンザが流行している時期は、ご注意ください。なお、やむを得ず外出する場合は、なるべく短時間で済ませることをお勧めします。
<適度な湿度を保つ>
空気が乾燥すると、のどの粘膜の“防御機能”が低下します。したがって、乾燥しやすい室内では加湿器の使用をお勧めします。免疫効果を正常に作用させるためには50~60%程度の湿度が必要になりますので、加湿器などで“室内の湿度”を適切に維持するよう心掛けてください。
<マスクを着用する>
マスクによるインフルエンザ予防は、効果が薄いことが示されています。ただし、全く効果がないわけではありません。近くにいる誰かが「くしゃみ」や「咳」をしたときには、マスクによって飛沫感染を防ぐことができます。また、「くしゃみ」や「咳」が出る人が周囲にウイルスを拡散しないためにもマスクは有効です。したがって、人混みに出る場合などにはマスクの着用をお勧めします。
<毎日の食事で免疫力を高める>
インフルエンザウイルスの感染を防ぐためには、毎日の食事で免疫力を高めて、「インフルエンザにかからない体づくり」をすることも大切です。具体的には、免疫システムに欠かせない「ビタミンC」と体のエネルギー産生に必要な「ビタミンB1群」、鼻やのどの粘膜を強化する働きのある「ビタミンB2」「ビタミンB6」を多くとることがポイントになります。なお、免疫力を高めるためには1日3食、規則正しく食べることも大切です。免疫力を高めるためにも、栄養バランスのとれた食事と良好な生活習慣を心掛けてください。
<手洗い・手の消毒>
手についたウイルスが口や鼻に入るというのが、インフルエンザウイルスの感染経路としてとても多いケースです。したがって、インフルエンザの予防として最もお勧めなのは、手洗い・手の消毒になります。手洗い・手の消毒をこまめに行えばウイルスを撃退し、インフルエンザウイルスの感染を防ぐことができますので、小まめに手洗い・手の消毒を行ってください。
<うがい>
うがいは、のどに付着したウイルスの数を減らしたり、洗い流したりするために有効と言われています。口の中をきれいに保てば、口からうつる「インフルエンザ」や「風邪」などの感染症を防ぐことができますので、外出先から戻ったら「うがい」を行ってください。
インフルエンザ脳症についての相談は板谷内科クリニックへ
インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし、「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。なお、当院では、予約なしでインフルエンザ予防接種を実施しております。現在、診察時間内であれば当日の接種も可能ですので、突然の接種希望にも柔軟に対応できます。インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご連絡ください。また、インフルエンザ脳症についてご相談したい方、あるいは自分がインフルエンザ脳症なのか気になる方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
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2024.04.08
保護者の方へ:子供の麻疹(はしか)の症状と対処法
内科に関する記事です。
この記事では、「子供の麻疹」について解説していきます。後半部分では、「麻疹の合併症」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
麻疹とは:子供における基本知識
麻疹の感染経路
麻疹の経過と症状
子供に見られる麻疹の初期症状
麻疹の合併症
子供の麻疹症状に対する家庭での対応策
子供の麻疹に対する治療方法について
子供の麻疹予防:ワクチン接種の重要性
子供の麻疹についてはいつでも板谷内科クリニックに相談ください
麻疹とは:子供における基本知識
麻しん(はしか)は、麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症です。麻しんウイルスの感染力は極めて強いため、感染者と同じ空間にいるだけで感染(空気感染)することがあります。そのため、しっかりとした予防策をとることが重要です。なお、麻しんウイルスは、免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症します。そして一度感染して発症すると「一生免疫が持続する」と言われています(一度感染した方が高齢になってから修飾麻疹を発症される例が報告されていますが、極めて稀と考えられています)。「麻疹について解説しているサイト」や「感染症情報センター」でも同様のことを伝えています。
麻疹の感染経路
麻しんウイルスは空気感染、飛沫感染、接触感染を経て感染します。そして、麻しんワクチンを接種せず麻しんウイルスに感染した場合は90%以上が発病します。不顕性感染はほとんどありません。なお、麻しんウイルスは伝搬性が非常に高いため、麻疹の免疫がないグループに1人の発症がいると、12人~14人の方が感染すると言われています。
麻疹の経過と症状
麻疹の経過は3つの期間に分類され、次のような流れで発症から回復にいたります。
<カタル期(2〜4日)>
・倦怠感、不機嫌
・38度前後の発熱があり、いったん下がる
・咳、鼻水、くしゃみ
・目の充血、目やに
・口の中の白い斑点
<発疹期(3〜4日)>
・全身の発疹
・倦怠感、不機嫌
・再び発熱し、高熱になる
<回復期(7〜9日)>
・熱が下がって発疹が消失するけれど色素沈着が残る
子供に見られる麻疹の初期症状
麻疹ウイルスに感染後、10~12日間の潜伏期を経て38℃前後の発熱が2~4日間続き、体のだるさ、喉の痛み、鼻水、咳、充血、目やになどの症状が現れます。そしてその後、熱は一度下がりますが、半日ほどで39℃前後の高熱が再び現れ、首、耳の後ろ、おでこなどに赤い発疹ができ、2日ほどで全身に広がっていきます。この時期には前述した「風邪症状」が悪化しますが、3~4日後には熱は下がり、様々な症状も改善します。ただし、油断してはいけません。麻疹が重症化すると肺炎や脳炎を引き起こす可能性がありますので、ご注意ください。「国立感染症研究所」でも同様のことを伝えています。
麻疹の合併症
麻疹の合併症としては、以下のものが挙げられます。
【麻疹の合併症1】肺炎
肺炎とは、肺の組織が炎症を起こす疾患です。麻疹に感染すると、免疫系が弱まり、肺炎を引き起こすリスクが高まります。麻疹によって呼吸器系の免疫が低下し、通常は対処可能な細菌やウイルスによる肺炎にかかりやすくなります。また、肺炎は重症化すると呼吸不全を引き起こし、命に関わる場合もあります。したがって早期に適切な治療を受けることが重要です。なお、麻疹の肺炎には「ウイルス性肺炎」「細菌性肺炎」「巨細胞性肺炎」の3種類があります。詳しくは「厚生労働省のホームページ」をご覧ください。
【麻疹の合併症2】中耳炎
中耳炎とは、中耳の組織に炎症が起こる疾患です。麻疹に感染すると、免疫系の影響で中耳の炎症が起こりやすくなります。特に子供の場合は、中耳炎のリスクが高まります。中耳炎は痛みや聴力の低下といった問題を引き起こすだけでなく、重症化すると膿がたまる膿瘍や乳様突起炎を合併することがあります。したがって、早期に医師の診察を受け、適切な治療を行うことが重要です。
【麻疹の合併症3】心筋炎
心筋炎とは、心筋(心臓の筋肉)に炎症が起こる疾患です。麻疹に感染すると、免疫系の影響で心筋炎が発生するリスクがあります。特に心臓が弱い人や免疫が低下している人は、麻疹による心筋炎のリスクが高まります。心筋炎は心臓の機能を低下させ、重篤な合併症を引き起こす可能性があります。したがって、心筋炎は早期に診断され、適切な治療が行われることが重要です。
【麻疹の合併症4】クループ症候群
クループ症候群は、気道の狭窄や閉塞を引き起こす呼吸器疾患の一つです。麻疹に感染すると、気管や気管支の炎症が悪化し、クループ症候群が発生するリスクが高まります。特にクループ症候群は子供に多く見られ、発熱、咳、声のしわがれ、呼吸困難などの症状を引き起こします。クループ症候群が重症化すると呼吸不全や窒息の危険性があります。したがって、早期の診断と適切な治療が必要です。
【麻疹の合併症5】脳炎
脳炎とは、脳の組織に炎症が生じる疾患です。麻疹に感染すると、ウイルスが中枢神経系に侵入し、脳炎を引き起こすリスクが高まります。特に幼い子供や免疫が低下している人は、麻疹による脳炎のリスクが高まりますので、注意が必要です。脳炎は重篤な合併症であり、発熱、頭痛、意識障害、けいれん、神経学的な症状などを引き起こすことがあります。したがって脳炎は早期に診断され、適切な治療が行われることが極めて重要です。
【麻疹の合併症6】亜急性硬化性全脳炎
亜急性硬化性全脳炎は、中枢神経系に影響を及ぼす重篤な合併症の一つです。麻疹に感染すると、ウイルスが脳組織に直接侵入し、亜急性硬化性全脳炎が発症するリスクが高まります。亜急性硬化性全脳炎は、進行性の神経学的症状を引き起こし、失語、運動失調、痙攣、認知機能の低下などが引き起こされる可能性があります。したがって、早期の診断が極めて重要です。
子供の麻疹症状に対する家庭での対応策
麻疹症状に対する家庭での対応策は、次の通りです。
【子供の麻疹症状に対する家庭での対応策1】熱を測って観察
熱があるときは、朝・昼・夕方と1日3回熱を測ってください。もし高熱が持続する場合は、速やかに医師の診察を受けることをお勧めします。なお、熱を測る際は熱だけでなく、前回測定した時からの熱の上がり方にも注意してみてくださいね。
【子供の麻疹症状に対する家庭での対応策2】水分補給
麻疹では高熱や発疹により体内の水分が失われやすくなります。したがって、水分補給が非常に重要です。子供に十分な水分を摂取させ、脱水症状を予防してください。
【子供の麻疹症状に対する家庭での対応策3】なるべく安静に
安静にしていることで免疫システムが活性化し、症状の軽減に役立ちます。しがたって体が楽になるまで抱っこしたり、添い寝をしたりして、お子さんが静かに休めるようにしてあげてください。
【子供の麻疹症状に対する家庭での対応策4】部屋の環境に気をつける
室温は暑すぎたり、寒すぎたりしないようにしてください。部屋を暖めすぎると室内が乾燥し、余計に辛くなることもあります。ですので、数時間おきに窓をあけて換気したり、ぬれタオルや洗濯物を部屋にかけて湿度を保つなどしてください。なお、加湿器を使う場合は、水をこまめに換えて清潔にしないと雑菌を部屋中にバラまいてしまうことになりますので、ご注意ください。
【子供の麻疹症状に対する家庭での対応策5】お風呂を控える
お風呂は体力を消耗するため、症状が悪化することもあります。したがって、高熱がある場合や体調がすぐれない時は、湯船に入るのを控え、シャワーで身体を洗う程度にとどめるようにしてください。体力を温存し、安静に過ごすことが症状の回復につながります。
【子供の麻疹症状に対する家庭での対応策6】衣類に気をつける
熱が高い時は、布団をかけすぎたり、厚着にしないように気をつけてください。熱があるからといって厚着をさせる必要はありません。普段、着ている枚数で大丈夫です。なお、熱が上がっている時は、軽い衣類で体を覆い、汗をかいたら着替えさせるよう心掛けてください(背中に手を入れて汗をかいていたら着せすぎです)。
子供の麻疹に対する治療方法について
残念ながら麻疹に有効な治療はなく、解熱剤や点滴などの対処療法しかありません。そのため、発熱に対しては解熱剤の投与が行われ、体温を下げることで患者の体力を温存します。また、栄養状態が悪い方にはビタミンAが有効との報告があります。なお、合併症の予防や治療のために抗生物質が使用されることもあります。ただし、抗生物質は細菌感染にのみ効果があり、麻疹ウイルス自体には効果がありません。このため、抗生物質の適切な使用が重要です。麻疹は合併症が生じやすい疾患であり、重篤な合併症を発症するリスクがあるため、早期の医療処置が重要です。
子供の麻疹予防:ワクチン接種の重要性
麻疹は感染力が非常に強く、空気感染もするため「手洗い」「マスク」だけでは予防できません。麻疹の予防接種が最も有効な予防法と言えます。麻疹ワクチンの接種により「麻しん」に対する抗体ができ、罹患しにくくなります。また、麻疹の患者さんに接触した場合、72時間以内に麻疹ワクチンを接種することで、麻疹の発症を予防できる可能性があります。したがって、麻疹ワクチンの接種を推奨いたします。なお、麻疹ワクチン接種によって、95%以上の人が麻しんウイルスに対する免疫を獲得することができるとされています。麻疹ワクチンについて詳しく知りたい方は「麻疹(麻しん)ワクチンの種類と特徴:効果や期間について」をご覧ください。
子供の麻疹についてはいつでも板谷内科クリニックに相談ください
麻しんウイルスに感染すると、約10日後には発熱や咳、鼻水などの風邪のような症状が現れます。そしてその後、2~3日間熱が続き、39℃以上の高熱と発疹が出現します。さらに、肺炎や中耳炎を併発しやすく、1,000人に1人の割合で脳炎が発症するとされています。また、稀にではありますが、脳炎や肺炎による死亡例も報告されています。したがって、麻疹(はしか)を放置してはいけません。発疹や高熱など、麻疹の症状がある場合は「麻しんの疑いがあること」を医療機関に伝え、受診の要否や注意点を確認してから、その指示に従ってください。なお、当院では、麻疹に関する相談や診察を行っています。麻疹についてご相談したい方、あるいは自分が麻疹なのか気になる方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2024.03.29
麻疹(麻しん)ワクチンの種類と特徴:効果や期間について
内科に関する記事です。
この記事では、「麻疹ワクチンの種類」について解説していきます。後半部分では、「麻疹ワクチン接種時の注意点」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
麻疹(麻しん、はしか)とは
麻疹ワクチンの種類と特徴
麻疹ワクチンの効果と期間
麻疹ワクチンの副作用(副反応)
日本で接種可能な麻疹ワクチン
麻疹ワクチン接種時の注意点
麻疹についての相談なら板谷内科クリニック
麻疹(麻しん、はしか)とは
麻しん(はしか)は、麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症です。麻しんウイルスの感染力は極めて強いため、感染者と同じ空間にいるだけで感染(空気感染)することがあります。そのため、しっかりとした予防策をとることが重要です。なお、麻しんウイルスは、免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症します。そして一度感染して発症すると「一生免疫が持続する」と言われています(一度感染した方が高齢になってから修飾麻疹を発症される例が報告されていますが、極めて稀と考えられています)。「厚生労働省のサイト」や「感染症情報」でも同様のことを伝えています。
麻疹ワクチンの種類と特徴
ここでは、麻疹ワクチンの種類と特徴をご紹介します。
【麻疹ワクチンの種類1】麻疹ワクチン
麻疹ワクチンは、麻疹(はしか)を予防するためのワクチンです。麻疹ワクチンの接種により「麻しん」に対する抗体ができ、罹患しにくくなります。麻しんは感染力が非常に強く、空気感染もするので、手洗い、マスクのみで予防はできません。したがって、麻しんの予防接種が最も有効な予防法と言えます。麻疹ワクチンの接種をすることで、麻しんの発症を予防できる可能性がありますので、どうかご検討ください。なお、麻しんウイルスの主な感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染になります。
【麻疹ワクチンの種類2】麻疹風疹混合ワクチン( MR)
麻疹風疹混合ワクチン MRは、「麻しん(はしか)」と「風しん」を予防するためのワクチンです。麻疹風疹混合ワクチンの接種により「麻しん(はしか)」と「風しん」に対する抗体ができ、罹患しにくくなります。近年、成人の麻しんや風しん感染者が増加しています。成人が感染すると、子供に比べて重症化する可能性が高いため注意が必要です。また、妊娠初期の妊婦が「風しん」に感染すると、赤ちゃんが先天性風しん症候群という重篤な病気を持って生まれる可能性があります。したがって、現在では成人への接種が推奨されています。
【麻疹ワクチンの種類3】麻疹おたふくかぜ風疹混合ワクチン(MMR)
麻疹おたふくかぜ風疹混合ワクチンは、「麻疹(はしか)」「おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)」「風しん」を予防するためのワクチンです。麻疹おたふくかぜ風疹混合ワクチンの接種により、3種類のウイルスに対する免疫を獲得できます。したがって、麻疹おたふくかぜ風疹混合ワクチンは、それぞれのワクチンを個別に接種するよりも簡便です。麻疹おたふくかぜ風疹混合ワクチンは、1回の接種により3種類のウイルス全てに対する免疫を獲得できるため、接種率の向上に役立つ有益なワクチンだと考えられています。
麻疹ワクチンの効果と期間
麻疹ワクチンを接種後、約2週間で麻しんウイルスに対する抗体が血液中に現れ、「麻しん」に対する免疫を獲得できます。そして一度抗体が獲得できれば一生涯免疫が続くと考えられています。ただし、1歳未満で接種した際には、血液中に残っている移行抗体の影響でワクチンの効果が十分に発揮されない恐れがあります。したがって、通常は2回の定期接種(1歳と小学校入学前1年間)が推奨されています。
麻疹ワクチンの副作用(副反応)
ここでは、麻疹ワクチンの副作用(副反応)について解説します。
【麻疹ワクチンの副作用(副反応)1】麻疹ワクチン
麻疹ワクチン接種後5日~14日後を中心として、接種者の約5%前後が「37.5度以上38.5度未満」の発熱があります。また、約8%前後が38.5度以上の発熱、および約6%前後が「麻しん様の発疹」を経験することがあります。ただし、発熱は通常1日~2日間で解熱します。そして発疹は、「少数の紅斑」や「自然麻しん」に近い場合があります。なお、その他にも、接種部位の発赤や腫れ、熱性痙攣、蕁麻疹などが見られます。しかし、それらの症状はほとんどが一過性のものになります(稀に生じる重い副反応としては「脳炎脳症」や「急性血小板減少性紫斑病」があります)。
【麻疹ワクチンの副作用(副反応)2】麻疹風疹混合ワクチン
麻疹風疹混合ワクチン接種後、5日~14日後に「発熱」や「発しん」が多くみられます。また、接種直後から数日の間に、過敏症状と考えられる発熱、発疹、掻痒(かゆみ)などが現れることもあります。ただし、これらの症状は通常1日~3日で収まります。なお、稀に生じる重い副反応としては、アナフィラキシー様症状(ショック症状、蕁麻疹、呼吸困難等)、血小板減少性紫斑病、脳炎及び痙攣等が挙げられます。
日本で接種可能な麻疹ワクチン
日本で接種可能な麻疹ワクチンは次の通りです。
・麻疹ワクチン
・麻疹風疹混合ワクチン( MR)
・麻疹おたふくかぜ風疹混合ワクチン(MMR)
※日本で接種可能なワクチンの種類について詳しく知りたい方は「国立感染症研究所のホームページ」や「感染症情報センターのホームページ」をご覧ください。
麻疹ワクチン接種時の注意点
麻疹ワクチン接種時の注意点については、以下をご覧ください。
【麻疹ワクチン接種時の注意点1】接種後30分位は安静に
麻疹ワクチンを接種した後、30分位は安静にしてください。もし、その間に体調の異常を感じましたら「医師」または「看護師」に申し出てください。
【麻疹ワクチン接種時の注意点2】飲酒や激しい運動
麻疹ワクチンの接種当日は、飲酒や激しい運動は避けてください。なお、入浴は問題ありませんが、注射部位をこすることはやめてください。
【麻疹ワクチン接種時の注意点3】注射部位を清潔に保つ
麻疹ワクチンを接種する際は、注射部位を清潔な状態に保つことが重要です。清潔な環境で接種を行うことで、感染症やその他の合併症のリスクを最小限に抑えることができます。接種前には、注射部位の周囲を適切に清拭し、接種後も清潔な状態を維持するように心掛けてください。
【麻疹ワクチン接種時の注意点4】発熱や発しん
麻疹ワクチンの接種後5日から14日後に「発熱」や「発しん」が多くみられます。これらの症状が酷い場合や、筋肉痛、頭痛、関節痛などが現れて辛い場合は、「医師」または「看護師」にご相談ください。
【麻疹ワクチン接種時の注意点5】妊娠
麻疹ワクチンは弱毒生ウイルスを含むため、接種後2ヶ月間は妊娠を避けるようにしてください。
【麻疹ワクチン接種時の注意点6】予防接種を受ける際の間隔
麻疹ワクチンの接種後、1ヶ月以内に医療機関を受診する際は、麻疹ワクチンの予防接種を受けたことを医師に伝えてください。麻疹ワクチンの予防接種を受けてから27日以上の間隔を置かないと、他の予防接種を受けることができない可能性がありますので、ご注意ください(他の予防接種を受ける際の間隔については医師の指示に従ってください)。
麻疹についての相談なら板谷内科クリニック
麻しんウイルスに感染すると、約10日後には発熱や咳、鼻水などの風邪のような症状が現れます。そしてその後、2~3日間熱が続き、39℃以上の高熱と発疹が出現します。さらに、肺炎や中耳炎を併発しやすく、1,000人に1人の割合で脳炎が発症するとされています。また、稀にではありますが、脳炎や肺炎による死亡例も報告されています。したがって、麻疹(はしか)を放置してはいけません。発疹や高熱など、麻疹の症状がある場合は「麻しんの疑いがあること」を医療機関に伝え、受診の要否や注意点を確認してから、その指示に従ってください。なお、当院では、麻疹に関する相談や診察を行っています。麻疹についてご相談したい方、あるいは自分が麻疹なのか気になる方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2024.03.28
インフルエンザの種類(A型 B型 C型 D型)とその違いについて
内科に関する記事です。
この記事では、「インフルエンザの種類」を紹介していきます。後半部分では、「インフルエンザの予防と対策」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インフルエンザウイルスのタイプ(種類)と特徴
インフルエンザA型の特徴や流行パターン
インフルエンザB型の特徴や症状について
インフルエンザC型の特徴や症状
インフルエンザD型の特徴や症状
インフルエンザの予防と対策
インフルエンザの診断
インフルエンザの治療法
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザウイルスのタイプ(種類)と特徴
インフルエンザは、鼻や口から侵入した「インフルエンザウイルス」が肺や気道で感染・増殖することで引き起こされる疾患です。ひと口に「インフルエンザウイルス」と言ってもウイルスの型によって流行時期や症状が異なります。したがって、インフルエンザの検査をする際は、ウイルスの型も特定します。なお、現在、インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型、D型の4種類があります。この中でヒトに感染するインフルエンザウイルスは、A型、B型、C型の3種類です。D型に関しては、ヒトに感染することはなく、家畜にのみ感染します。
インフルエンザA型の特徴や流行パターン
インフルエンザA型は、他の型に比べて症状が強く現れる傾向があります。具体的には、A型インフルエンザウイルスに感染後は、1〜3日の潜伏期間を経た後に、悪寒、のどの痛み、頭痛、筋肉痛、せき、鼻水、38度前後の高熱などの症状が急激に現れます。特に免疫力の低下している高齢者や小児、心疾患や呼吸器疾患を持っている場合は、「肺炎」や「脳症」などの合併症を併発する可能性が高く、重症化するケースもあるため注意が必要です。したがって、インフルエンザA型は、早い段階で自分がインフルエンザウイルスに感染していることに気づき、適切な対処をすることが重要です。例年、インフルエンザA型は12~3月頃に流行しますので、ご注意ください。なお、A型インフルエンザウイルスは、ウイルス表面のタンパク質である「ヘマグルチニン」と「ノイラミニダーゼ」の組み合わせにより、さらに亜型に分類されます。そのため、A型インフルエンザウイルスは144種類の型(亜型)に分けられます。現在、ヒトに感染するA型インフルエンザウイルスは、インフルエンザA(H1N1)とA(H3N2) の2種類です。これらのウイルスは、さらにそれぞれの中で毎年のように小さい変異を経て、進化し続けています。インフルエンザA型について詳しく知りたい方は「インフルエンザA型の特徴や症状、薬について」をご覧ください。
インフルエンザB型の特徴や症状について
インフルエンザB型の一般的な症状には、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、のどの痛み、鼻汁、咳などが挙げられます。これらの症状は通常、風邪よりも重度ですが、多くの場合は1週間ほどで改善する傾向があります。ただし、高齢者や乳幼児などでは重症化して、肺炎、気管支炎、中耳炎などの合併症を引き起こすことがあります。そのため、「自分がインフルエンザに感染している可能性がある」と感じた場合は、早めに医療機関を受診し、適切な対処をすることが重要です。例年、インフルエンザA型が12~3月頃に流行し、後を追うように2月頃から春先にかけて、インフルエンザB型が流行しますので、ご注意ください。なお、B型インフルエンザウイルスは、「山形型」と「ビクトリア型」の2つのタイプに分類されます。B型インフルエンザウイルスはA型とは異なり、毎年、突然変異を起こす可能性は低いため、何度も感染することは少ないとされています。しかしながら、稀に「インフルエンザに2回かかる」という状況が報告されます。これはインフルエンザA型とB型の両方に感染したためと考えられます。インフルエンザB型について詳しく知りたい方は「インフルエンザB型の特徴や症状、薬について」をご覧ください。
インフルエンザC型の特徴や症状
インフルエンザC型の症状は主に発熱、咳、鼻水とされています。一般的には、A型やB型よりも症状が軽い傾向にあります。ただし、ヒトによっては38度の高熱が出ることもあります。また、約1割の方には吐き気や下痢、嘔吐、発疹が見られることがあります。インフルエンザC型は、検査できる医療機関が少なく、通常のウイルス性の風邪と診断されることもあるため、実際にかかったとしても気付かないまま過ごしてしまう可能性があります。そのため、ほとんどの方は「6歳までに感染している」と言われております(年齢に関係なく感染する可能性はありますので、ご注意ください)。例年、インフルエンザC型は1月~6月が流行期となります。したがって、インフルエンザA型やインフルエンザB型とは時期がずれる傾向にあるうえ、流行時期がA型やB型よりも長いため、長期間の予防が必要になります。なお、インフルエンザC型は、一度感染すると免疫がつき、ほぼ一生かからないと言われております。インフルエンザC型について詳しく知りたい方は「インフルエンザC型とは - 特徴や症状について」をご覧ください。
インフルエンザD型の特徴や症状
D型インフルエンザウイルスは、ウシをはじめとする家畜にのみ感染します。したがって、ヒトに感染して病気を引き起こすことは知られていません。なお、D型インフルエンザウイルスは、最初に発見された米国をはじめとして、中国、フランス、イタリア、日本、アフリカ諸国など世界中の家畜から発見されております。また、D型インフルエンザウイルスは、ウシの呼吸器病症候群を引き起こす原因ウイルスの一つであることが明らかとなっております。
インフルエンザの予防と対策
インフルエンザウイルスへの感染を予防するためには、手洗い・消毒などの基本的な感染対策を徹底することが重要です。以下、インフルエンザウイルスの感染を防ぐためのポイントになります。
【インフルエンザの予防と対策1】マスクを着用する
マスクによるインフルエンザ予防は、効果が薄いことが示されています。ただし、全く効果がないわけではありません。近くにいる誰かが「くしゃみ」や「咳」をしたときには、マスクによって飛沫感染を防ぐことができます。また、「くしゃみ」や「咳」が出る人が周囲にウイルスを拡散しないためにもマスクは有効です。したがって、人混みに出る場合などにはマスクの着用をお勧めします。
【インフルエンザの予防と対策2】人混みに出ない
インフルエンザが流行している時期は、不要な外出は避けたほうが安心です。「ショッピングセンター」や「繁華街」などの人混みでインフルエンザに感染することも多いため、インフルエンザが流行している時期は、ご注意ください。なお、やむを得ず外出する場合は、なるべく短時間で済ませることをお勧めします。
【インフルエンザの予防と対策3】適度な湿度を保つ
空気が乾燥すると、のどの粘膜の“防御機能”が低下します。したがって、乾燥しやすい室内では加湿器の使用をお勧めします。免疫効果を正常に作用させるためには50~60%程度の湿度が必要になりますので、加湿器などで“室内の湿度”を適切に維持するよう心掛けてください。
【インフルエンザの予防と対策4】インフルエンザ予防接種
インフルエンザの重症化を予防するためにも「インフルエンザ予防接種」を推奨します。インフルエンザ予防接種は、インフルエンザの重症化を防ぐ効果があります。インフルエンザは悪化すると、気管支炎や肺炎、脳症などの重篤な合併症を引き起こす恐れがありますので、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします(インフルエンザ予防接種をしてもインフルエンザにかかる場合があります)。「日本呼吸器学会」や「厚生労働省」でも同様の見解を述べております。
【インフルエンザの予防と対策5】毎日の食事で免疫力を高める
インフルエンザウイルスの感染を防ぐためには、毎日の食事で免疫力を高めて、「インフルエンザにかからない体づくり」をすることも大切です。具体的には、免疫システムに欠かせない「ビタミンC」と体のエネルギー産生に必要な「ビタミンB1群」、鼻やのどの粘膜を強化する働きのある「ビタミンB2」「ビタミンB6」を多くとることがポイントになります。なお、免疫力を高めるためには1日3食、規則正しく食べることも大切です。免疫力を高めるためにも、栄養バランスのとれた食事と良好な生活習慣を心掛けてください。
【インフルエンザの予防と対策6】手洗い・手の消毒
手についたウイルスが口や鼻に入るというのが、インフルエンザウイルスの感染経路としてとても多いケースです。したがって、インフルエンザの予防として最もお勧めなのは、手洗い・手の消毒になります。手洗い・手の消毒をこまめに行えばウイルスを撃退し、インフルエンザウイルスの感染を防ぐことができますので、小まめに手洗い・手の消毒を行ってください。
【インフルエンザの予防と対策7】うがい
うがいは、のどに付着したウイルスの数を減らしたり、洗い流したりするために有効と言われています。口の中をきれいに保てば、口からうつる「インフルエンザ」や「風邪」などの感染症を防ぐことができますので、外出先から戻ったら「うがい」を行ってください。
インフルエンザの診断
インフルエンザには、診断基準(インフルエンザ診断マニュアル)が設けられております。インフルエンザの診断基準では、インフルエンザの流行期間中(11~4月)に以下の4つの項目をすべて満たす場合、インフルエンザと診断されます。
・突然の発症
・高熱
・上気道炎症状
・全身倦怠感等の全身症状
近年、インフルエンザの流行期間以外でも「インフルエンザ」を発症することがあったり、症状が軽度だったりするケースも多いです。したがって現在は、検査によって診断確定を行うのが一般的です。インフルエンザの検査には、次の4種類があります。
<迅速診断キットを使用した検査>
迅速診断キットによる検査は、綿棒でのどや鼻の奥の粘膜をこすり、そこについた組織や分泌物からウイルスを検出する検査です。迅速診断キットによる検査は、短時間(10分~15分)で簡便に診断できるだけでなく、A型とB型の鑑別も可能です。したがって現在、最も主流となっている検査になります。
<PCR検査>
PCR検査は、のどや鼻の奥を拭い採取した液を検体とし、インフルエンザウイルスの遺伝子を検出する検査です。PCR検査では、ウイルスの型や構造を詳細に調べることができます。そのため、「新型ウイルスであるかどうか」を判定することが可能です。
<ウイルス分離検査>
ウイルス分離検査は、のどや鼻の奥を拭って採取した液からウイルスを分離して判定する検査です。ウイルス分離検査は、結果が出るまでに「1週間程度」かかりますが、ウイルスの種類などまで詳しく分かります。したがって、非常に優れた検査と言われております。
<血清抗体検査>
血清抗体検査は、インフルエンザの発症後1週間以内と、症状が治まった頃にもう1回の計2回、採血を行って「インフルエンザウイルスに対する抗体ができているか」を調べます。ただし、結果が得られるまでに通常2週間程度かかるため、現在では、あまり行われていません。
インフルエンザの治療法
インフルエンザの治療では、抗インフルエンザ薬を用いた「薬物療法」のほか、症状を緩和するための「対症療法」が行われます。
<抗インフルエンザ薬を用いた薬物療法>
抗インフルエンザ薬は、インフルエンザウイルスの増殖を抑制し、症状の軽減や回復を促進します。ただし、抗インフルエンザ薬は、症状が出てから2日以内に投与を開始する必要があるため、診断が遅れると効果が薄れることがあります。なお、残念ながらインフルエンザの治療薬として使用される「抗インフルエンザ薬」は、市販薬では販売されていません。そして、市販の風邪薬はインフルエンザを完治させるほどの効果は期待できません。したがって、インフルエンザが疑われる場合は医療機関を受診してください。抗インフルエンザ薬について詳しく知りたい方は「インフルエンザ治療薬の種類や効果、副作用について」をご覧ください。
<対症療法>
対症療法とは、直接の原因を治すのではなく、今みられる症状に対して一時的に症状を和らげる治療法です。例えば、高熱の場合は解熱鎮痛薬を使用し、黄色い痰など細菌の二次感染が疑われる場合には、抗生物質を使用します(抗生物質はウイルス感染に対して効果がないことに留意する必要があります)。なお、水分補給や栄養摂取が困難な場合には、点滴による補液が必要となる場合があります。
インフルエンザの治療は、ウイルスの型だけでなく、年齢、全身状態などの症状や状況に応じて、医師の判断のもと選択していきます。
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし、「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。なお、当院では、予約なしでインフルエンザ予防接種を実施しております。現在、診察時間内であれば当日の接種も可能ですので、突然の接種希望にも柔軟に対応できます。インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
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2024.02.25
インフルエンザC型とは - 特徴や症状について
内科に関する記事です。
この記事では「インフルエンザC型の特徴」について解説していきます。後半部分では「インフルエンザC型の予防と対策」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インフルエンザC型とは
インフルエンザC型の症状
インフルエンザC型の特徴
インフルエンザC型の流行時期について
インフルエンザC型の予防と対策
インフルエンザC型の診断
インフルエンザC型の治療法
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザC型とは
インフルエンザは、鼻や口から侵入した「インフルエンザウイルス」が肺や気道で感染・増殖することで引き起こされる疾患です。現在、ヒトに感染するウイルスは大きく分けてA型・B型・C型の3種があり、その中で一度感染すると免疫がつき、ほぼ一生かからないと言われているのがC型です。インフルエンザC型は、通常のウイルス性の風邪と診断されることもあるため、「気がついたら治っていた」ということもあります。そのため、ほとんどの方は「6歳までに感染している」と言われております(年齢に関係なく感染する可能性はありますので、ご注意ください)。
インフルエンザC型の症状
インフルエンザC型の症状は主に発熱、咳、鼻水とされています。ただし、ヒトによっては38度の高熱が出ることもあります。また、約1割の方には吐き気や下痢、嘔吐、発疹が見られることがあります。インフルエンザC型は、大人の患者数が少ないため、A型・B型との比較が難しいですが、一般的には、A型やB型よりも症状が軽い傾向にあります。
インフルエンザC型の特徴
インフルエンザC型は検査できる医療機関が少なく、通常のウイルス性の風邪と診断されることもあるため、実際にかかったとしても気付かないまま過ごしてしまう可能性があります。また、多くの大人はC型インフルエンザウイルスの免疫を持っているので、感染者のほとんどは子供になります。しかしながら油断は禁物です。免疫を持つ大人でもC型インフルエンザウイルスに感染する可能性はありますので、ご注意ください。
インフルエンザC型の流行時期について
例年、インフルエンザA型は12~3月頃に流行し、後を追うように2月頃から春先にかけて、インフルエンザB型が流行します。一方で、インフルエンザC型は1月~6月が流行期となります。したがって、インフルエンザA型やインフルエンザB型とは時期がずれる傾向にあります。また、インフルエンザC型の流行時期は、A型やB型よりも長いため、長期間の予防が必要です。インフルエンザC型に感染している場合、自覚症状がないことが多いため、自分でも気づかないうちに周囲にウイルスを広げてしまう可能性があります。そのため、早い段階で自分がC型インフルエンザウイルスに感染していることに気づき、適切な対処をすることが非常に重要です。C型インフルエンザウイルスの感染が疑わしいときは、すぐに医療機関を受診してください。「国立感染症研究所」や「厚生労働省」でも同様の見解を述べております。
インフルエンザC型の予防と対策
C型インフルエンザウイルスへの感染を予防するためには、手洗い・消毒などの基本的な感染対策を徹底することが重要です。以下、インフルエンザウイルスの感染を防ぐためのポイントになります。
【インフルエンザC型の予防と対策1】マスクを着用する
マスクによるインフルエンザ予防は、効果が薄いことが示されています。ただし、全く効果がないわけではありません。近くにいる誰かが「くしゃみ」や「咳」をしたときには、マスクによって飛沫感染を防ぐことができます。また、「くしゃみ」や「咳」が出る人が周囲にウイルスを拡散しないためにもマスクは有効です。したがって、人混みに出る場合などにはマスクの着用をお勧めします。
【インフルエンザC型の予防と対策2】人混みに出ない
インフルエンザが流行している時期は、不要な外出は避けたほうが安心です。「ショッピングセンター」や「繁華街」などの人混みでインフルエンザに感染することも多いため、インフルエンザが流行している時期は、ご注意ください。なお、やむを得ず外出する場合は、なるべく短時間で済ませることをお勧めします。
【インフルエンザC型の予防と対策3】適度な湿度を保つ
空気が乾燥すると、のどの粘膜の“防御機能”が低下します。したがって、乾燥しやすい室内では加湿器の使用をお勧めします。免疫効果を正常に作用させるためには50~60%程度の湿度が必要になりますので、加湿器などで“室内の湿度”を適切に維持するよう心掛けてください。
【インフルエンザC型の予防と対策4】インフルエンザ予防接種
インフルエンザの重症化を予防するためにも「インフルエンザ予防接種」を推奨します。インフルエンザ予防接種は、インフルエンザの重症化を防ぐ効果があります。インフルエンザは悪化すると、気管支炎や肺炎、脳症などの重篤な合併症を引き起こす恐れがありますので、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします(インフルエンザ予防接種をしてもインフルエンザにかかる場合があります)。「日本呼吸器学会」でも同様の見解を述べております。
【インフルエンザC型の予防と対策5】毎日の食事で免疫力を高める
インフルエンザウイルスの感染を防ぐためには、毎日の食事で免疫力を高めて、「インフルエンザにかからない体づくり」をすることも大切です。具体的には、免疫システムに欠かせない「ビタミンC」と体のエネルギー産生に必要な「ビタミンB1群」、鼻やのどの粘膜を強化する働きのある「ビタミンB2」「ビタミンB6」を多くとることがポイントになります。なお、免疫力を高めるためには1日3食、規則正しく食べることも大切です。免疫力を高めるためにも、栄養バランスのとれた食事と良好な生活習慣を心掛けてください。
【インフルエンザC型の予防と対策6】手洗い・手の消毒
手についたウイルスが口や鼻に入るというのが、インフルエンザウイルスの感染経路としてとても多いケースです。したがって、インフルエンザの予防として最もお勧めなのは、手洗い・手の消毒になります。手洗い・手の消毒をこまめに行えばウイルスを撃退し、インフルエンザウイルスの感染を防ぐことができますので、小まめに手洗い・手の消毒を行ってください。「首相官邸のホームページ」でも同様のことを伝えております。
【インフルエンザC型の予防と対策7】うがい
うがいは、のどに付着したウイルスの数を減らしたり、洗い流したりするために有効と言われています。口の中をきれいに保てば、口からうつる「インフルエンザ」や「風邪」などの感染症を防ぐことができますので、外出先から戻ったら「うがい」を行ってください。
インフルエンザC型の診断
インフルエンザには、診断基準(インフルエンザ診断マニュアル)が設けられております。インフルエンザの診断基準では、インフルエンザの流行期間中(11~4月)に以下の4つの項目をすべて満たす場合、インフルエンザと診断されます。
・突然の発症
・高熱
・上気道炎症状
・全身倦怠感等の全身症状
近年、インフルエンザの流行期間以外でも「インフルエンザ」を発症することがあったり、症状が軽度だったりするケースも多いです。したがって現在は、検査によって診断確定を行うのが一般的です。インフルエンザの検査には、次の4種類があります。
<迅速診断キットを使用した検査>
迅速診断キットによる検査は、綿棒でのどや鼻の奥の粘膜をこすり、そこについた組織や分泌物からウイルスを検出する検査です。迅速診断キットによる検査は、短時間(10分~15分)で簡便に診断できるだけでなく、A型とB型の鑑別も可能です。したがって現在、最も主流となっている検査になります。
<PCR検査>
PCR検査は、のどや鼻の奥を拭い採取した液を検体とし、インフルエンザウイルスの遺伝子を検出する検査です。PCR検査では、ウイルスの型や構造を詳細に調べることができます。そのため、「新型ウイルスであるかどうか」を判定することが可能です。
<ウイルス分離検査>
ウイルス分離検査は、のどや鼻の奥を拭って採取した液からウイルスを分離して判定する検査です。ウイルス分離検査は、結果が出るまでに「1週間程度」かかりますが、ウイルスの種類などまで詳しく分かります。したがって、非常に優れた検査と言われております。
<血清抗体検査>
血清抗体検査は、インフルエンザの発症後1週間以内と、症状が治まった頃にもう1回の計2回、採血を行って「インフルエンザウイルスに対する抗体ができているか」を調べます。ただし、結果が得られるまでに通常2週間程度かかるため、現在では、あまり行われていません。
インフルエンザC型の治療法
インフルエンザC型の治療では、一般的に症状を緩和するための「対症療法」が行われます。
<対症療法>
対症療法とは、直接の原因を治すのではなく、今みられる症状に対して一時的に症状を和らげる治療法です。例えば、高熱の場合は解熱鎮痛薬を使用し、黄色い痰など細菌の二次感染が疑われる場合には、抗生物質を使用します(抗生物質はウイルス感染に対して効果がないことに留意する必要があります)。なお、水分補給や栄養摂取が困難な場合には、点滴による補液が必要となる場合があります。
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし、「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。なお、当院では、予約なしでインフルエンザ予防接種を実施しております。現在、診察時間内であれば当日の接種も可能ですので、突然の接種希望にも柔軟に対応できます。インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
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2024.02.24
インフルエンザB型の特徴や症状、薬について
内科に関する記事です。
この記事では「インフルエンザB型の特徴」について解説していきます。後半部分では、「インフルエンザB型の予防と対策」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インフルエンザB型とは
インフルエンザB型の症状と重症化のリスク
インフルエンザB型の種類について
インフルエンザB型とA型の違いとは
インフルエンザB型とA型は亜型の多さが異なる
インフルエンザB型は下痢の症状を伴いやすい
インフルエンザB型の予防と対策
インフルエンザB型の診断
インフルエンザB型の治療法
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザB型とは
インフルエンザB型とは、鼻や口から侵入した「B型インフルエンザウイルス」が肺や気道で感染・増殖することで引き起こされる疾患です。インフルエンザB型は感染してから約1~3日間程度の潜伏期間の後に、38℃以上の高熱、関節痛、頭痛、全身倦怠感、のどの痛み、鼻汁、咳の症状があらわれます。ただし、「熱が上がらない場合」や「症状が軽い場合」もあります。したがって、風邪と勘違いしてしまうことも珍しくありません。なお、現在、ヒトに感染するインフルエンザウイルスは、A型、B型、C型の3種類に分類されます。このうち大きな流行の原因となるのは「A型」と「B型」です。例年、インフルエンザA型は12~3月頃に流行し、後を追うように2月頃から春先にかけて、インフルエンザB型が流行します。
インフルエンザB型の症状と重症化のリスク
インフルエンザB型の一般的な症状には、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、のどの痛み、鼻汁、咳などが挙げられます。これらの症状は通常、風邪よりも重度ですが、多くの場合は1週間ほどで改善する傾向があります。ただし、高齢者や乳幼児などでは重症化して、肺炎、気管支炎、中耳炎などの合併症を引き起こすことがあります。そのため、「自分がインフルエンザに感染している可能性がある」と感じた場合は、早めに医療機関を受診し、適切な対処をすることが重要です。なお、インフルエンザB型とA型は異なるウイルスですが、一般的には「症状に大きな違いはない」と考えられています。
インフルエンザB型の種類について
B型インフルエンザウイルスは、「山形型」と「ビクトリア型」の2つのタイプに分類されます。B型インフルエンザウイルスはA型とは異なり、毎年、突然変異を起こす可能性は低いため、何度も感染することは少ないとされています。しかしながら、稀に「インフルエンザに2回かかる」という状況が報告されます。これはインフルエンザA型とB型の両方に感染したためと考えられます。なお、B型インフルエンザウイルスはA型インフルエンザウイルスのように多くのタイプはなく、突然変異しにくいため、「世界的な大流行を引き起こすことは少ない」と考えられております。
インフルエンザB型とA型の違いとは
インフルエンザB型とA型の大きな違いは、B型は「人にしか感染しない」という点です。インフルエンザB型は、ヒトにのみ感染します。一方でインフルエンザA型は、ヒトだけでなく、鳥やブタなどヒト以外の動物にも感染します。
インフルエンザB型とA型は亜型の多さが異なる
インフルエンザB型とA型は、亜型の数が異なります。インフルエンザウイルスはウイルスの表面には、「HA」と「NA」という2つのたんぱく質を持っており、同じ型のインフルエンザウイルスの中でも、「保有するたんぱく質の組み合わせ」が異なるものがあります。このような同じ型の中の違いをインフルエンザウイルスの“亜型”と呼びます。A型インフルエンザウイルスはB型と比べて「HA」と「NA」の種類が多いため、亜型の種類も多くなります。したがって、インフルエンザB型とA型は、亜型の多さが異なると言えます。なお、流行する亜型は数年から数十年おきに変化すると言われており、2019年時点で流行しているインフルエンザウイルスは、A型の亜型である「H1N1型」および「H3N2型」と「B型」の3種類になります。
インフルエンザB型は下痢の症状を伴いやすい
下痢の症状がある場合、「インフルエンザB型」の可能性が比較的高いと考えられます。インフルエンザB型に罹患すると、38度以下の微熱が出るなど、A型よりも比較的穏やかな症状が現れることがあります。ただし、A型よりも症状が長引くことがあり、長期間微熱や腹痛、下痢などが続くこともあります。下痢は体内の水分を失いやすくなり、脱水症状を引き起こす可能性があります。したがって、インフルエンザで下痢の症状がある場合は、水分補給が重要です。下痢が続くと脱水症状になる恐れがあるため、水分補給をこまめに行ってください。また、医師に相談して適切な抗ウイルス薬や対症療法を検討することも大切です。「国立感染症研究所」や「厚生労働省」でも同様のことを伝えております。
インフルエンザB型の予防と対策
B型インフルエンザウイルスへの感染を予防するためには、手洗い・消毒などの基本的な感染対策を徹底することが重要です。以下、インフルエンザウイルスの感染を防ぐためのポイントになります。
【インフルエンザB型の予防と対策1】人混みに出ない
インフルエンザが流行している時期は、不要な外出は避けたほうが安心です。「ショッピングセンター」や「繁華街」などの人混みでインフルエンザに感染することも多いため、インフルエンザが流行している時期は、ご注意ください。なお、やむを得ず外出する場合は、なるべく短時間で済ませることをお勧めします。
【インフルエンザB型の予防と対策2】マスクを着用する
マスクによるインフルエンザ予防は、効果が薄いことが示されています。ただし、全く効果がないわけではありません。近くにいる誰かが「くしゃみ」や「咳」をしたときには、マスクによって飛沫感染を防ぐことができます。また、「くしゃみ」や「咳」が出る人が周囲にウイルスを拡散しないためにもマスクは有効です。したがって、人混みに出る場合などにはマスクの着用をお勧めします。
【インフルエンザB型の予防と対策3】毎日の食事で免疫力を高める
インフルエンザウイルスの感染を防ぐためには、毎日の食事で免疫力を高めて、「インフルエンザにかからない体づくり」をすることも大切です。具体的には、免疫システムに欠かせない「ビタミンC」と体のエネルギー産生に必要な「ビタミンB1群」、鼻やのどの粘膜を強化する働きのある「ビタミンB2」「ビタミンB6」を多くとることがポイントになります。なお、免疫力を高めるためには1日3食、規則正しく食べることも大切です。免疫力を高めるためにも、栄養バランスのとれた食事と良好な生活習慣を心掛けてください。
【インフルエンザB型の予防と対策4】適度な湿度を保つ
空気が乾燥すると、のどの粘膜の“防御機能”が低下します。したがって、乾燥しやすい室内では加湿器の使用をお勧めします。免疫効果を正常に作用させるためには50~60%程度の湿度が必要になりますので、加湿器などで“室内の湿度”を適切に維持するよう心掛けてください。
【インフルエンザB型の予防と対策5】インフルエンザ予防接種
インフルエンザの重症化を予防するためにも「インフルエンザ予防接種」を推奨します。インフルエンザ予防接種は、イフルエンザの重症化を防ぐ効果があります。インフルエンザは悪化すると、気管支炎や肺炎、脳症などの重篤な合併症を引き起こす恐れがありますので、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします(インフルエンザ予防接種をしてもインフルエンザにかかる場合があります)。「日本呼吸器学会」でも同様の見解を述べております。
【インフルエンザB型の予防と対策6】手洗い・手の消毒
手についたウイルスが口や鼻に入るというのが、インフルエンザウイルスの感染経路としてとても多いケースです。したがって、インフルエンザの予防として最もお勧めなのは、手洗い・手の消毒になります。手洗い・手の消毒をこまめに行えばウイルスを撃退し、インフルエンザウイルスの感染を防ぐことができますので、小まめに手洗い・手の消毒を行ってください。
【インフルエンザB型の予防と対策7】うがい
うがいは、のどに付着したウイルスの数を減らしたり、洗い流したりするために有効と言われています。口の中をきれいに保てば、口からうつる「インフルエンザ」や「風邪」などの感染症を防ぐことができますので、外出先から戻ったら「うがい」を行ってください。
インフルエンザB型の診断
インフルエンザには、診断基準(インフルエンザ診断マニュアル)が設けられております。インフルエンザの診断基準では、インフルエンザの流行期間中(11~4月)に以下の4つの項目をすべて満たす場合、インフルエンザと診断されます。
・突然の発症
・高熱
・上気道炎症状
・全身倦怠感等の全身症状
近年、インフルエンザの流行期間以外でも「インフルエンザ」を発症することがあったり、症状が軽度だったりするケースも多いです。したがって現在は、検査によって診断確定を行うのが一般的です。インフルエンザの検査には、次の4種類があります。
<迅速診断キットを使用した検査>
迅速診断キットによる検査は、綿棒でのどや鼻の奥の粘膜をこすり、そこについた組織や分泌物からウイルスを検出する検査です。迅速診断キットによる検査は、短時間(10分~15分)で簡便に診断できるだけでなく、A型とB型の鑑別も可能です。したがって現在、最も主流となっている検査になります。
<PCR検査>
PCR検査は、のどや鼻の奥を拭い採取した液を検体とし、インフルエンザウイルスの遺伝子を検出する検査です。PCR検査では、ウイルスの型や構造を詳細に調べることができます。そのため、「新型ウイルスであるかどうか」を判定することが可能です。
<ウイルス分離検査>
ウイルス分離検査は、のどや鼻の奥を拭って採取した液からウイルスを分離して判定する検査です。ウイルス分離検査は、結果が出るまでに「1週間程度」かかりますが、ウイルスの種類などまで詳しく分かります。したがって、非常に優れた検査と言われております。
<血清抗体検査>
血清抗体検査は、インフルエンザの発症後1週間以内と、症状が治まった頃にもう1回の計2回、採血を行って「インフルエンザウイルスに対する抗体ができているか」を調べます。ただし、結果が得られるまでに通常2週間程度かかるため、現在では、あまり行われていません。
インフルエンザB型の治療法
インフルエンザB型の治療では、抗インフルエンザ薬を用いた「薬物療法」のほか、症状を緩和するための「対症療法」が行われます。
<抗インフルエンザ薬を用いた薬物療法>
抗インフルエンザ薬は、インフルエンザウイルスの増殖を抑制し、症状の軽減や回復を促進します。ただし、抗インフルエンザ薬は、症状が出てから2日以内に投与を開始する必要があるため、診断が遅れると効果が薄れることがあります。なお、残念ながらインフルエンザの治療薬として使用される「抗インフルエンザ薬」は、市販薬では販売されていません。そして、市販の風邪薬はインフルエンザを完治させるほどの効果は期待できません。したがって、インフルエンザが疑われる場合は医療機関を受診してください。
<対症療法>
対症療法とは、直接の原因を治すのではなく、今みられる症状に対して一時的に症状を和らげる治療法です。例えば、高熱の場合は解熱鎮痛薬を使用し、黄色い痰など細菌の二次感染が疑われる場合には、抗生物質を使用します(抗生物質はウイルス感染に対して効果がないことに留意する必要があります)。なお、水分補給や栄養摂取が困難な場合には、点滴による補液が必要となる場合があります。
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし、「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。なお、当院では、予約なしでインフルエンザ予防接種を実施しております。現在、診察時間内であれば当日の接種も可能ですので、突然の接種希望にも柔軟に対応できます。インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2024.02.24
インフルエンザA型の特徴や症状、薬について
内科に関する記事です。
この記事では、「インフルエンザA型の特徴」について解説していきます。後半部分では、「インフルエンザA型の予防と対策」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インフルエンザA型とは
インフルエンザA型の症状と重症化のリスク
インフルエンザA型の種類について
インフルエンザA型の予防と対策
インフルエンザA型の診断
インフルエンザA型の治療法
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザA型とは
インフルエンザは、鼻や口から侵入した「インフルエンザウイルス」が肺や気道で感染・増殖することで引き起こされる疾患です。現在、ヒトに感染するインフルエンザウイルスには、A型、B型、C型の3種類があり、その中で最も流行しやすく、厄介なのがA型と言われています。A型インフルエンザウイルスは、他と比べて症状が激しく、強烈な症状が出やすいのが特徴です。また、A型インフルエンザウイルスの型は140種類以上もあるうえ、感染した人や動物の体内でどんどん進化していくため、新型のウイルスが次々に現れます。そのため、免疫を持っている人が少なく、ワクチンが有効でないウイルスが現れることもあります。このような理由から、A型インフルエンザウイルスは「世界的な大流行を起こす可能性がある」と考えられております。「国立感染症研究所」や「厚生労働省」でも同様の見解を述べております。
インフルエンザA型の症状と重症化のリスク
インフルエンザA型は、他の型に比べて症状が強く現れる傾向があります。具体的には、A型インフルエンザウイルスに感染後は、1〜3日の潜伏期間を経た後に、悪寒、のどの痛み、頭痛、筋肉痛、せき、鼻水、38度前後の高熱などの症状が急激に現れます。特に免疫力の低下している高齢者や小児、心疾患や呼吸器疾患を持っている場合は、「肺炎」や「脳症」などの合併症を併発する可能性が高く、重症化するケースもあるため注意が必要です。したがって、インフルエンザA型は、早い段階で自分がインフルエンザウイルスに感染していることに気づき、適切な対処をすることが重要になります。
インフルエンザA型の種類について
A型インフルエンザウイルスは、ウイルス表面のタンパク質である「ヘマグルチニン」と「ノイラミニダーゼ」の組み合わせにより、さらに亜型に分類されます。そのため、A型インフルエンザウイルスは144種類の型(亜型)に分けられます。なお現在、ヒトに感染するインフルエンザウイルスは、インフルエンザA(H1N1)とA(H3N2) の2種類です。これらのウイルスは、さらにそれぞれの中で毎年のように小さい変異を経て、進化し続けています。
インフルエンザA型の予防と対策
A型インフルエンザウイルスへの感染を予防するためには、手洗い・消毒などの基本的な感染対策を徹底することが重要です。以下、インフルエンザウイルスの感染を防ぐためのポイントになります。
【インフルエンザA型の予防と対策1】マスクを着用する
マスクによるインフルエンザ予防は、効果が薄いことが示されています。ただし、全く効果がないわけではありません。近くにいる誰かが「くしゃみ」や「咳」をしたときには、マスクによって飛沫感染を防ぐことができます。また、「くしゃみ」や「咳」が出る人が周囲にウイルスを拡散しないためにもマスクは有効です。したがって、人混みに出る場合などにはマスクの着用をお勧めします。
【インフルエンザA型の予防と対策2】人混みに出ない
インフルエンザが流行している時期は、不要な外出は避けたほうが安心です。「ショッピングセンター」や「繁華街」などの人混みでインフルエンザに感染することも多いため、インフルエンザが流行している時期は、ご注意ください。なお、やむを得ず外出する場合は、なるべく短時間で済ませることをお勧めします。
【インフルエンザA型の予防と対策3】適度な湿度を保つ
空気が乾燥すると、のどの粘膜の“防御機能”が低下します。したがって、乾燥しやすい室内では加湿器の使用をお勧めします。免疫効果を正常に作用させるためには50~60%程度の湿度が必要になりますので、加湿器などで“室内の湿度”を適切に維持するよう心掛けてください。
【インフルエンザA型の予防と対策4】インフルエンザ予防接種
インフルエンザの重症化を予防するためにも「インフルエンザ予防接種」を推奨します。インフルエンザ予防接種は、インフルエンザの重症化を防ぐ効果があります。インフルエンザは悪化すると、気管支炎や肺炎、脳症などの重篤な合併症を引き起こす恐れがありますので、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします(インフルエンザ予防接種をしてもインフルエンザにかかる場合があります)。「日本呼吸器学会」でも同様の見解を述べております。
【インフルエンザA型の予防と対策5】毎日の食事で免疫力を高める
インフルエンザウイルスの感染を防ぐためには、毎日の食事で免疫力を高めて、「インフルエンザにかからない体づくり」をすることも大切です。具体的には、免疫システムに欠かせない「ビタミンC」と体のエネルギー産生に必要な「ビタミンB1群」、鼻やのどの粘膜を強化する働きのある「ビタミンB2」「ビタミンB6」を多くとることがポイントになります。なお、免疫力を高めるためには1日3食、規則正しく食べることも大切です。免疫力を高めるためにも、栄養バランスのとれた食事と良好な生活習慣を心掛けてください。
【インフルエンザA型の予防と対策6】手洗い・手の消毒
手についたウイルスが口や鼻に入るというのが、インフルエンザウイルスの感染経路としてとても多いケースです。したがって、インフルエンザの予防として最もお勧めなのは、手洗い・手の消毒になります。手洗い・手の消毒をこまめに行えばウイルスを撃退し、インフルエンザウイルスの感染を防ぐことができますので、小まめに手洗い・手の消毒を行ってください。
【インフルエンザA型の予防と対策7】うがい
うがいは、のどに付着したウイルスの数を減らしたり、洗い流したりするために有効と言われています。口の中をきれいに保てば、口からうつる「インフルエンザ」や「風邪」などの感染症を防ぐことができますので、外出先から戻ったら「うがい」を行ってください。
インフルエンザA型の診断
インフルエンザには、診断基準(インフルエンザ診断マニュアル)が設けられております。インフルエンザの診断基準では、インフルエンザの流行期間中(11~4月)に以下の4つの項目をすべて満たす場合、インフルエンザと診断されます。
・突然の発症
・高熱
・上気道炎症状
・全身倦怠感等の全身症状
近年、インフルエンザの流行期間以外でも「インフルエンザ」を発症することがあったり、症状が軽度だったりするケースも多いです。したがって現在は、検査によって診断確定を行うのが一般的です。インフルエンザの検査には、次の4種類があります。
<迅速診断キットを使用した検査>
迅速診断キットによる検査は、綿棒でのどや鼻の奥の粘膜をこすり、そこについた組織や分泌物からウイルスを検出する検査です。迅速診断キットによる検査は、短時間(10分~15分)で簡便に診断できるだけでなく、A型とB型の鑑別も可能です。したがって現在、最も主流となっている検査になります。
<PCR検査>
PCR検査は、のどや鼻の奥を拭い採取した液を検体とし、インフルエンザウイルスの遺伝子を検出する検査です。PCR検査では、ウイルスの型や構造を詳細に調べることができます。そのため、「新型ウイルスであるかどうか」を判定することが可能です。
<ウイルス分離検査>
ウイルス分離検査は、のどや鼻の奥を拭って採取した液からウイルスを分離して判定する検査です。ウイルス分離検査は、結果が出るまでに「1週間程度」かかりますが、ウイルスの種類などまで詳しく分かります。したがって、非常に優れた検査と言われております。
<血清抗体検査>
血清抗体検査は、インフルエンザの発症後1週間以内と、症状が治まった頃にもう1回の計2回、採血を行って「インフルエンザウイルスに対する抗体ができているか」を調べます。ただし、結果が得られるまでに通常2週間程度かかるため、現在では、あまり行われていません。
インフルエンザA型の治療法
インフルエンザA型の治療では、抗インフルエンザ薬を用いた「薬物療法」のほか、症状を緩和するための「対症療法」が行われます。
<抗インフルエンザ薬を用いた薬物療法>
抗インフルエンザ薬は、インフルエンザウイルスの増殖を抑制し、症状の軽減や回復を促進します。ただし、抗インフルエンザ薬は、症状が出てから2日以内に投与を開始する必要があるため、診断が遅れると効果が薄れることがあります。なお、残念ながらインフルエンザの治療薬として使用される「抗インフルエンザ薬」は、市販薬では販売されていません。そして、市販の風邪薬はインフルエンザを完治させるほどの効果は期待できません。したがって、インフルエンザが疑われる場合は医療機関を受診してください。
<対症療法>
対症療法とは、直接の原因を治すのではなく、今みられる症状に対して一時的に症状を和らげる治療法です。例えば、高熱の場合は解熱鎮痛薬を使用し、黄色い痰など細菌の二次感染が疑われる場合には、抗生物質を使用します(抗生物質はウイルス感染に対して効果がないことに留意する必要があります)。なお、水分補給や栄養摂取が困難な場合には、点滴による補液が必要となる場合があります。
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし、「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。なお、当院では、予約なしでインフルエンザ予防接種を実施しております。現在、診察時間内であれば当日の接種も可能ですので、突然の接種希望にも柔軟に対応できます。インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2024.02.24
インフルエンザの待機期間について
内科に関する記事です。
この記事では「インフルエンザの感染から発症までの待機期間」について解説していきます。後半部分では「インフルエンザの感染を防ぐポイント」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インフルエンザの感染から発症までの待機期間について
学校保健安全法におけるインフルエンザの待機期間
インフルエンザ潜伏期間中の注意点
インフルエンザに感染したかもと思ったら
インフルエンザに感染した疑いがある場合に医療機関を受診する方法
インフルエンザの感染を防ぐポイント
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザの感染から発症までの待機期間について
厚生労働省が発表している「インフルエンザ Q&A」では、インフルエンザの発症前日から発症後5日間は外出を控えることが推奨されています。なぜなら、この期間中は“鼻”や“喉”からウイルスが排出されるためです。したがって、基本的には発症前日から発症後5日間は外出を控える必要があります。なお、インフルエンザウイルスの排出期間には個人差がありますので、“咳”や“くしゃみ”などの症状が続く場合には、不織布製マスクを着用するなど周りの方へうつさないよう配慮してください。排出されるウイルス量は解熱とともに減少しますが、解熱後もウイルスを排出しておりますので、引き続きご注意ください。「厚生労働省」でも同様の見解を述べております。
学校保健安全法におけるインフルエンザの待機期間
学校保健安全法では「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで」を、インフルエンザによる出席停止期間として定めています。したがって、お子さんがインフルエンザに感染した際の休みの期間としては5日間程度が妥当です。ただし、病状により「学校医」や「その他の医師」において感染のおそれがないと認められた場合は、この限りではありません。
インフルエンザ潜伏期間中の注意点
インフルエンザは、潜伏期間中にも感染力があり、他者にウイルスを広げる可能性があるため注意が必要です。インフルエンザウイルスの潜伏期間は一般的に1~3日とされています。ただし、潜伏期間は年齢や体質、体調によって個人差があり、この期間が長くなることもあります。例えば、子供や高齢者は通常、免疫系が未発達または衰えているため、潜伏期間が長くなることがあります。また、基礎疾患を抱えている方も同様です。インフルエンザウイルスの潜伏期間は個人差が大きいため、「インフルエンザ陽性者」との接触があった場合は十分に注意してください。なお、インフルエンザ発症直後に「インフルエンザ迅速検査」を行っても陽性となりづらい傾向があります。また、インフルエンザ迅速検査は、本当にインフルエンザに感染していても、必ずしも陽性になるわけではありません。それに検査陰性であっても、インフルエンザに感染していないとも言い切れません。したがって、インフルエンザの流行期において“インフルエンザ陽性者”との接触があった場合に、発熱・咽頭痛・関節痛といったインフルエンザ様症状を呈して受診された場合、検査が陰性でも「インフルエンザ」と臨床診断することがあります。インフルエンザの潜伏期間について詳しく知りたい方は「インフルエンザ潜伏期間の症状・感染について|患者・家族の方へ」をご覧ください。
インフルエンザに感染したかもと思ったら
インフルエンザは「飛沫感染」や「接触感染」により感染が広がります。したがって、インフルエンザに罹患した可能性がある場合は、会社内・家庭内での感染リスクに注意してください。具体的には、会社内・家庭内での感染リスクは密なコミュニケーションや共有する空間によって高まりますので、なるべく3密(密閉・密集・密接)を避けてください。また、共用の食器やタオルに触れることにより、会社内・家庭内でのウイルスの拡散が生じますので、感染者が触れたものに触れないように気を付けてください。会社内・家庭内にインフルエンザ患者が発生すると、家族にインフルエンザが蔓延することが危惧されますので、十分に注意してください。なお、会社内・家庭内の感染対策としては、以下が有用です。
・換気は積極的に行う
・タオルなどの共有はしない
・接触が必要な場合にはマスクを装着
・マスクを外す際には2m以上離れる
・インフルエンザ患者の衣類などに触れた際には必ず手洗いをする
インフルエンザに感染した疑いがある場合に医療機関を受診する方法
インフルエンザに感染した疑いがある場合、まずはお近くの医療機関に電話して、受診方法について相談してください。発熱患者の診療を行っている医療機関がどこにあるか分からない方は、保健所などに設置されている発熱相談センターに電話して、「どの医療機関に行けばよいか」相談してください。また、「呼吸が苦しい」「意識が朦朧としている」など症状が重い方については、できるだけ早く入院設備のある医療機関を受診することをお勧めします。そして必要ならば我慢せず、救急車(119番)を呼んでください (必ずインフルエンザの症状があることを伝えてください)。なお、当院では発熱外来を設置し、インフルエンザに関する診察を行っております。インフルエンザに感染した疑いがある方は、お気軽にご相談ください。
インフルエンザの感染を防ぐポイント
インフルエンザは、鼻や口から侵入した「インフルエンザウイルス」が肺や気道で感染・増殖することで引き起こされる疾患です。インフルエンザの感染を予防するためには、「インフルエンザが流行しているときは人混みを避ける」、「マスクを着用する」などの対策により、感染ルートを断つことが大切になります。以下、インフルエンザウイルスの感染を防ぐためのポイントです。
【インフルエンザ対策1】人混みに出ない
インフルエンザが流行している時期は、不要な外出は避けたほうが安心です。「ショッピングセンター」や「繁華街」などの人混みでインフルエンザに感染することも多いため、インフルエンザが流行している時期は、ご注意ください。なお、やむを得ず外出する場合は、なるべく短時間で済ませることをお勧めします。
【インフルエンザ対策2】マスクを着用する
マスクによるインフルエンザ予防は、効果が薄いことが示されています。ただし、全く効果がないわけではありません。近くにいる誰かが“くしゃみ”や“咳”をしたときには、マスクによって飛沫感染を防ぐことができます。また、“くしゃみ”や“咳”が出る人が周囲にウイルスを拡散しないためにもマスクは有効です。したがって、人混みに出る場合などにはマスクの着用をお勧めします。
【インフルエンザ対策3】手洗い・手の消毒
手についたウイルスが口や鼻に入るというのが、インフルエンザウイルスの感染経路としてとても多いケースです。したがって、インフルエンザの予防として最もお勧めなのは、手洗い・手の消毒になります。手洗い・手の消毒をこまめに行えばウイルスを撃退し、インフルエンザウイルスの感染を防ぐことができますので、小まめに手洗い・手の消毒を行ってください。
【インフルエンザ対策4】毎日の食事で免疫力を高める
インフルエンザウイルスの感染を防ぐためには、毎日の食事で免疫力を高めて、「インフルエンザにかからない体づくり」をすることも大切です。具体的には、免疫システムに欠かせない「ビタミンC」と体のエネルギー産生に必要な「ビタミンB1群」、鼻やのどの粘膜を強化する働きのある「ビタミンB2」「ビタミンB6」を多くとることがポイントになります。なお、免疫力を高めるためには1日3食、規則正しく食べることも大切です。免疫力を高めるためにも、栄養バランスのとれた食事と良好な生活習慣を心掛けてください。
【インフルエンザ対策5】適度な湿度を保つ
空気が乾燥すると、のどの粘膜の“防御機能”が低下します。したがって、乾燥しやすい室内では加湿器の使用をお勧めします。免疫効果を正常に作用させるためには50~60%程度の湿度が必要になりますので、加湿器などで“室内の湿度”を適切に維持するよう心掛けてください。
【インフルエンザ対策6】インフルエンザ予防接種
インフルエンザの発症を予防するためにも「インフルエンザ予防接種」を推奨します。インフルエンザ予防接種は感染を防ぐだけでなく、症状の重症化を防ぐ効果もあります。インフルエンザは悪化すると、気管支炎や肺炎、脳症などの重篤な合併症を引き起こす恐れがありますので、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします(インフルエンザ予防接種をしてもインフルエンザにかかる場合があります)。
【インフルエンザ対策7】うがい
うがいは、のどに付着したウイルスの数を減らしたり、洗い流したりするために有効と言われています。口の中をきれいに保てば、口からうつる「インフルエンザ」や「風邪」などの感染症を防ぐことができますので、外出先から戻ったら「うがい」を行ってください。
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし、「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。なお、当院では、予約なしでインフルエンザ予防接種を実施しております。現在、診察時間内であれば当日の接種も可能ですので、突然の接種希望にも柔軟に対応できます。インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2024.01.20
インフルエンザ治療薬の種類や効果、副作用について
内科に関する記事です。
この記事では「インフルエンザの治療薬」について解説していきます。後半部分では「インフルエンザの治療薬の副作用」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インフルエンザの薬の基本知識
市販でインフルエンザに有効な治療薬
抗インフルエンザ薬の副作用
インフルエンザの初期症状に適した薬の選び方
インフルエンザ市販薬を服用される際の注意点
インフルエンザ治療薬と予防接種の併用について
インフルエンザの治療薬の適切な使い方と管理方法
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザの薬の基本知識
インフルエンザの治療薬は、大きく分けて飲み薬・吸入薬・点滴の3種類があります。飲み薬は、タミフル・ゾフルーザ・シンメトレル、吸入薬はリレンザ・イナビル、点滴はラピアクタという薬です。これらの薬は、体内でインフルエンザウイルスが増殖するのを抑える作用があります。
【インフルエンザの薬1】タミフル®︎
タミフルは、A型・B型両方のインフルエンザに有効と言われている抗インフルエンザ薬です。インフルエンザウイルスが増えるときに必要な酵素・ノイラミニダーゼの働きを妨げて、症状を緩和したり、予防したりします。ただし、インフルエンザウイルスが増えてしまってからタミフルを服用しても効果はないため、発熱などの症状が出てから48時間以内に服用を開始する必要があります。なお、タミフルは基本的に、成人は錠剤1錠を1日2回、計5日間服用します。
【インフルエンザの薬2】ゾフルーザ®︎
ゾフルーザは2018年2月に登場した「抗インフルエンザ薬」の新薬です。1回服用するだけでよいというのが最大の特徴になります。これまで、抗インフルエンザ薬は「ノイラミニダーゼ阻害薬」のみでしたが、ゾフルーザは「エンドヌクレアーゼ」と呼ばれる別の作用機序で効果を発揮します。インフルエンザウイルスを消失させる速度が速いと言われており、周囲の人への感染を減らせるのではないかとの期待がされています。ただし、薬剤相互作用や副作用については未知であり、その安全性は確定されていません。そのため、日本小児科学会は12歳未満の服用については推奨しないとしています。
【インフルエンザの薬3】リレンザ®︎
リレンザはA型・B型両方のインフルエンザに有効と言われている吸入薬です。リレンザは、インフルエンザウイルスの表面に存在する酵素を阻害するだけでなく、ウイルスが感染細胞から遊離するのも阻害し、インフルエンザウイルスの感染拡大を阻止します。なお、リレンザは、粉薬を直接気道に届けることで、ウイルスの増殖を抑えることが期待できる吸入薬です。したがって、気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患など呼吸器に病気のある方は、気道に対する刺激になって「喘息発作」を誘発する可能性があるため注意が必要になります。
【インフルエンザの薬4】イナビル®︎
イナビルは、A型・B型両方のインフルエンザに有効と言われている吸入薬です。イナビルは、インフルエンザウイルスの増殖を防ぐ働きがあり、症状の緩和や感染予防に役立ちます。イナビルはリレンザと同様、気道に粉薬を入れるため慎重に使用する必要があります。気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患などがある方は、必ず医師に相談してから使用してください。なお、イナビルは長時間作用型のため、処方された分を1回吸入するだけでよいというのが最大の特徴になります。
【インフルエンザの薬5】ラピアクタ®︎
ラピアクタは、A型・B型両方のインフルエンザに有効と言われている点滴薬です。ラピアクタは、インフルエンザウイルスの「ノイラミニダーゼ」というウイルス増殖に関与する酵素を阻害し、ウイルス増殖を抑える効果があります。したがって、インフルエンザウイルスが増殖してしまった後では薬の効果は発揮できず、発症後48時間以内に使用する必要があります。
【インフルエンザの薬6】シンメトレル®︎
シンメトレルはA型インフルエンザに対して効果のある飲み薬です。シンメトレルは、ノイラミニダーゼ阻害薬ではなく、A型インフルエンザウイルスに存在する「蛋白構造」に作用し、脱殻というウイルスの増殖工程を阻害することでウイルスの増殖を防ぎます。なお、シンメトレルは、感染初期に使用することで発熱の期間が1~2日短くなり、治りが早くなる効果が期待できます。
市販でインフルエンザに有効な治療薬
残念ながらインフルエンザの治療薬として使用される「抗インフルエンザ薬」は、市販薬では販売されていません。そして、市販の風邪薬はインフルエンザを完治させるほどの効果は期待できません。したがって、インフルエンザが疑われる場合は医療機関を受診してください。なお、インフルエンザと普通の風邪の違いについて知りたい方は「令和5年度インフルエンザQ&A」をご覧ください。
抗インフルエンザ薬の副作用
抗インフルエンザウイルス薬は、適切な時期(発症から48時間以内)から使用を開始すると、発熱期間は通常1~2日間短縮され、ウイルス排出量も減少します。しかし残念なことに「抗インフルエンザウイルス薬」には、吐き気、下痢、口内炎、めまい、頭痛、不眠などさまざまな副作用が報告されています。副作用については以下をご覧ください。
【抗インフルエンザ薬の副作用1】タミフル®︎
タミフルを服用した際の副作用としては、下痢、腹痛、吐き気などが報告されています。
【抗インフルエンザ薬の副作用2】ゾフルーザ®︎
ゾフルーザを服用した際の副作用としては、下痢、吐き気、頭痛、嘔吐などが報告されています。
【抗インフルエンザ薬の副作用3】リレンザ®︎
リレンザを服用した際に考えられる副作用は、血圧低下、呼吸困難、咽頭・喉頭浮腫などがあげられます。他にも、発作的な息切れ、下痢、発疹、吐き気、嘔吐、嗅覚障害、顔面浮腫、蕁麻疹なども報告されていますが、これらの可能性は低いです。
【抗インフルエンザ薬の副作用4】イナビル®︎
イナビルを服用した際に考えられる副作用は、失神、呼吸困難、蕁麻疹、血圧低下、顔面蒼白、冷汗などが挙げられます。また、発作的な息切れなどの症状も確認されていますが、どの副作用も発現する確率は低いです。
【抗インフルエンザ薬の副作用5】ラピアクタ®︎
ラピアクタを服用した際の副作用としては、下痢、吐き気、嘔吐などが報告されています。
【抗インフルエンザ薬の副作用6】シンメトレル®︎
シンメトレルを服用した際の副作用としては、めまい、ふらつき、立ちくらみ、不眠、幻覚、興奮、頭痛、便秘、食欲不振、吐き気、口の渇き、浮腫などが報告されています。
インフルエンザの初期症状に適した薬の選び方
インフルエンザは、感染してから約1~3日間程度の潜伏期間の後に、38℃以上の高熱、関節痛、頭痛、全身倦怠感などが突然あらわれます。インフルエンザの薬は市販されていないため、感染が疑わしい症状が出た場合は、速やかに医療機関で検査を受けてください。インフルエンザウイルスは初期ほど急激に増えるため、発症後48時間以内に投与することが重要です。したがって、市販の風邪薬で対処するようなことは絶対に避けてください。インフルエンザの治療薬を発症後48時間以内に投与することで、症状の軽減や合併症のリスクを低減することが期待されます。
インフルエンザ市販薬を服用される際の注意点
インフルエンザにかかっている場合、市販の解熱剤を安易に使うことは望ましくありません。なぜなら解熱剤の成分のなかには、インフルエンザの合併症を引き起こす原因となりうるものがあるからです。具体的には、アスピリン、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸の3種です。これらが含まれる解熱剤をインフルエンザ感染時に服用すると、インフルエンザ脳炎・脳症の発症リスクを高めたり、重症化したりする危険性があります。またアスピリンには、肝機能障害や精神神経症状をきたす「ライ症候群」という合併症を引き起こす可能性も指摘されています。この合併症は主に乳幼児が発症しやすいとされていますが、成人でもまれに発症することがあるため、インフルエンザ感染時に服用することは避けてください。なお、こういった成分は市販の風邪薬にも含まれているケースが多いです。したがって、風邪かインフルエンザか判断できない場合は、安易に市販薬を使うことはやめてください。インフルエンザウイルスの感染が疑わしい症状が出た場合には、速やかに医療機関を受診することをお勧めします。
インフルエンザ治療薬と予防接種の併用について
インフルエンザ予防接種は、インフルエンザの重症化を防ぐ上で極めて有効な方法です。したがって、インフルエンザの重症化を予防するためにもインフルエンザ予防接種を推奨します。しかし、インフルエンザ予防接種をしても、手洗い・うがいをしっかりしても、完全にインフルエンザの感染を防ぐことはできません。そのため、インフルエンザウイルスの感染が不安な方は、抗インフルエンザ薬の予防投与をご検討ください。抗インフルエンザ薬の予防投与は、「インフルエンザに絶対かかりたくない」と考えている方にお勧めです。抗インフルエンザ薬を予防内服することによって、7~8割の方がインフルエンザの発症を防げると言われています。したがって、「大事なプレゼンが迫っている」「入学受験がある」など、人生の中で「どうしても今だけはインフルエンザにかかりたくない」という局面がある方は、抗インフルエンザ薬の予防投与をご検討ください。
インフルエンザの治療薬の適切な使い方と管理方法
インフルエンザの治療薬を適切に使用し、安全に管理をするためには医師の指示に従うことが大切です。用法・用量を正確に守り、予定通り服用を続けることが治療の鍵となります。また、薬物の保管は涼しい場所で湿気や直射日光を避け、小児の手の届かない場所に保管することが重要です。そして治療期間が終了したら、残った薬剤は処分し、再度使用しないように注意してください。なお、インフルエンザの治療薬を使用する際は、副作用やアレルギー反応に留意し、異常な症状が見られれば直ちに医師に報告するよう心掛けてください。
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし、「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。なお、当院では、予約なしでインフルエンザ予防接種を実施しております。現在、診察時間内であれば当日の接種も可能ですので、突然の接種希望にも柔軟に対応できます。インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2024.01.19
インフルエンザの症状について知ろう
内科に関する記事です。
この記事では「インフルエンザの症状」について解説していきます。後半部分では「子供のインフルエンザ」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インフルエンザの基本的な症状
インフルエンザの発症期間について
発熱のないインフルエンザの症状について
インフルエンザで下痢の症状がある場合
子供のインフルエンザについて
インフルエンザの症状をチェックするためのポイント
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザの基本的な症状
インフルエンザは、鼻や口から侵入した「インフルエンザウイルス」が肺や気道で感染・増殖することで引き起こされる疾患です。感染してから約1~3日間程度の潜伏期間の後に、38℃以上の高熱、関節痛、頭痛、全身倦怠感などが突然あらわれます。以下、インフルエンザの主な症状です。
・発熱
・全身倦怠感
・喉の痛み
・悪寒
・関節痛・筋肉痛
・頭痛
・食欲不振
・嘔吐
・下痢
・咳・痰
・鼻水
通常の風邪と比較して、インフルエンザは「高熱」と「全身症状」が特徴です。インフルエンザの症状について詳しく知りたい方は「インフルエンザかな?症状がある方へ」や「インフルエンザQ&A」をご覧ください。
インフルエンザの発症期間について
インフルエンザウイルスに感染しても、すぐに症状は出ません。通常はインフルエンザウイルスに感染してから1~3日間程度の潜伏期間の後に、38℃以上の高熱、関節痛、頭痛、全身倦怠感などが突然あらわれます。そして、その後に鼻水・咳などの症状が出現し、約1週間程度で軽快するのが典型的なインフルエンザの症状です。ただし、実際には個人差が大きいため、潜伏期間や症状の重さは個々に異なります。したがって、発症前に手洗いやマスクの着用などの感染対策を徹底し、万一症状が出た場合は速やかな医療受診が重要です。特に、高齢者や基礎疾患のある方は重症化しやすいため、十分な注意が必要になります
発熱のないインフルエンザの症状について
インフルエンザは通常の風邪に比べ、「高熱」と「全身症状」が特徴です。ただし、全てのインフルエンザウイルスが重篤な症状をもたらすわけではありません。風邪とほぼ同様のケースもあり、なかには自分がインフルエンザに感染したことに気づかない方もいます(熱なし)。インフルエンザに感染していることに気づかないままでいると、自分でも気づかないうちに周囲にウイルスを広げてしまう可能性があります。そのため、早い段階で自分がインフルエンザに感染していることに気づき、適切な対処をすることが非常に重要です。また、隠れインフルの場合、通常のインフルエンザと比べて症状が軽いことが挙げられますので、「少しでもおかしい」と感じたら、早めに病院へ行くことが大切になります。「厚生労働省のサイト」でも同様の見解を述べております。
インフルエンザで下痢の症状がある場合
下痢の症状がある場合、「インフルエンザB型」の可能性が比較的高いと考えられます。インフルエンザB型に罹患すると、38度以下の微熱が出るなど、A型よりも比較的穏やかな症状が現れることがあります。ただし、A型よりも症状が長引くことがあり、長期間微熱や腹痛、下痢などが続くこともあります。下痢は体内の水分を失いやすくなり、脱水症状を引き起こす可能性があります。したがって、インフルエンザで下痢の症状がある場合は、水分補給が重要です。下痢が続くと脱水症状になる恐れがあるため、水分補給をこまめに行ってください。また、医師に相談して適切な抗ウイルス薬や対症療法を検討することも大切です。なお、インフルエンザA型に感染したときでも、熱が引いた後に下痢の症状が出ることはあります。そのため、下痢があるからといって「インフルエンザB型」と自己判断せず、下痢の症状がある場合は早めに医療機関を受診してください。
子供のインフルエンザについて
子供のインフルエンザでよく見られる症状として、頭痛、関節痛、咳、鼻水、および38℃以上の急な発熱が挙げられます。子供が発熱した時は、氷枕を使用するほか、首筋や脇の下、太股のつけ根など、太い血管がある部位に氷を当てて冷やしてください。また、冬は暖房を強くしないように、夏はクーラーの風が直接当たらないように気をつけてください。なお、子供が熱を出すと、一時的に「理解できない言動」や「異常な行動」をとることがあります(これを「熱せん妄」と呼びます)。ほとんどの場合は短時間で収まりますが、場合によってはそれが長時間続いたり、けいれんを引き起こしたりする可能性があるため、早めに医療機関を受診してください。子供のインフルエンザは、症状が重篤になる可能性があるため、早めに医療機関で診断を受けることをお勧めします。「厚生労働省のサイト」でも同様の見解を述べております。
インフルエンザの症状をチェックするためのポイント
インフルエンザウイルスに感染した可能性がある場合は、以下の症状を確認してください。
<インフルエンザの初期症状>
・38度以上の高熱
・悪寒
・強い倦怠感
・筋肉痛や関節痛
・激しい頭痛
これらの症状に加えて、咳や喉の痛み、鼻水などの呼吸器症状が現れることもありますので、慎重に確認してください。また、「地域内でインフルエンザが流行しているのか」「家庭内にインフルエンザ陽性者はいるのか」なども重要な情報です。医師への報告の際には、具体的な情報収集が大切になります。症状の発生時期や進行具合、体温の変動、服薬歴、そして近くで同様の症状が見られる人がいるかなど、症状に関する詳細な情報を医師に提供してくださいね。
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし、「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。なお、当院では、予約なしでインフルエンザ予防接種を実施しております。現在、診察時間内であれば当日の接種も可能ですので、突然の接種希望にも柔軟に対応できます。インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
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2024.01.18
インフルエンザ潜伏期間の症状・感染について|患者・家族の方へ
内科に関する記事です。
この記事では「インフルエンザウイルスの潜伏期間」について解説していきます。後半部分では「インフルエンザの初期症状」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インフルエンザ潜伏期間とは
インフルエンザ潜伏期間の一般的な長さ
インフルエンザ潜伏期間の家族との関わり
インフルエンザ潜伏期間中にうつるのか?
インフルエンザ潜伏期間の主な症状
インフルエンザの予防接種、予防策について
インフルエンザの予防接種の時期について
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザ潜伏期間とは
インフルエンザウイルスの潜伏期間とは、インフルエンザウイルスに感染してから症状が現れるまでの時間を指します。通常は1~3日の潜伏期間が経過すると、発熱や倦怠感などの症状が現れます。ただし、潜伏期間中にも感染力があり、他者にウイルスを広げる可能性があるため注意が必要です。なお、発症直後に「インフルエンザ迅速検査」を行っても陽性となりづらい傾向があります。また、インフルエンザ迅速検査は、本当にインフルエンザに感染していても、必ずしも陽性になるわけではありません。それに検査陰性であっても、インフルエンザに感染していないとも言い切れません。したがって、インフルエンザの流行期において“インフルエンザ陽性者”との接触があった場合に、発熱・咽頭痛・関節痛といったインフルエンザ様症状を呈して受診された場合、検査が陰性でも「インフルエンザ」と臨床診断することがあります。インフルエンザの流行状況について知りたい方は「インフルエンザの流行状況(東京都2023-2024年シーズン)」をご覧ください。
インフルエンザ潜伏期間の一般的な長さ
インフルエンザウイルスの潜伏期間は一般的に1~3日とされています。ただし、潜伏期間は年齢や体質、体調によって個人差があり、この期間が長くなることもあります。例えば、子供や高齢者は通常、免疫系が未発達または衰えているため、潜伏期間が長くなることがあります。また、基礎疾患を抱えている方も同様です。インフルエンザウイルスの潜伏期間は個人差が大きいため、「インフルエンザ陽性者」との接触があった場合は十分に注意してください。
インフルエンザ潜伏期間の家族との関わり
インフルエンザは「飛沫感染」や「接触感染」により感染が広がります。したがって、インフルエンザに罹患した可能性がある場合は、家庭内での感染リスクに注意してください。具体的には、家庭内での感染リスクは密なコミュニケーションや共有する空間によって高まりますので、なるべく3密(密閉・密集・密接)を避けてください。また、共用の食器やタオルに触れることにより、家族内でのウイルスの拡散が生じますので、感染者が触れたものに触れないように気を付けてください。家族内にインフルエンザ患者が発生すると、家族にインフルエンザが蔓延することが危惧されますので、十分に注意してくださいね。なお、家庭内感染への対策としては、以下が有用です。
・換気は積極的に行う
・タオルなどの共有はしない
・接触が必要な場合にはマスクを装着
・マスクを外す際には2m以上離れる
・インフルエンザ患者の入浴は最後に行うか
・インフルエンザ患者の衣類などに触れた際には必ず手洗いをする
インフルエンザ潜伏期間中にうつるのか?
インフルエンザウイルスは、症状をはっきりと感じることのない潜伏期間中から感染力を持っています。したがって、潜伏期間中でも十分に感染力はあります。特に、インフルエンザの発症前24時間から発病後3日程度までが最も感染力が強いと言われております。ですので、インフルエンザの症状が出てから気を付けるのではなく、インフルエンザの発症前から注意する必要があります。なお、インフルエンザの感染拡大を防ぐためには、手洗いやマスクの着用、密閉・密集・密接の回避が重要です。また、発症初期の段階で医療機関を受診し、専門医の指示に従うことも重要になります。
インフルエンザ潜伏期間の主な症状
インフルエンザウイルスに感染してから1~3日間程度の潜伏期間の後に、38℃以上の高熱、関節痛、頭痛、全身倦怠感などが突然あらわれます。そして、その後に鼻水・咳などの症状が出現し、約1週間程度で軽快するのが典型的なインフルエンザの症状になります。インフルエンザは「通常の風邪」と比較すると全身症状が強いことが特徴です。なお、全てのインフルエンザウイルスが重い症状をもたらすわけではありません。風邪とほぼ変わらないケースもあり、なかには自分がインフルエンザに感染したことに気づかない方もいます。インフルエンザに感染していることに気づかないままでいると、自分でも気づかないうちに周囲にウイルスを広げてしまう可能性があります。そのため、早い段階で自分がインフルエンザに感染していることに気づき、適切な対処をすることが非常に重要です。また、隠れインフルの場合、通常のインフルエンザと比べて症状が軽い点が挙げられますので、「少しでもおかしい」と感じたら、早めに病院へ行くことが大切になります。以下、インフルエンザの初期症状です。
・発熱
・全身倦怠感
・関節痛・筋肉痛
・頭痛
・食欲不振
インフルエンザの初期症状について詳しく知りたい方は「厚生労働省のサイト」をご覧ください。
インフルエンザの予防接種、予防策について
インフルエンザ予防接種は、インフルエンザの重症化を防ぐ上で極めて有効な方法です。したがって、インフルエンザの重症化を予防するためにもインフルエンザ予防接種を推奨します。インフルエンザは悪化すると、気管支炎や肺炎、脳症などの重篤な合併症を引き起こす恐れがありますので、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。
インフルエンザの予防接種の時期について
インフルエンザ予防接種は、接種してから効果が現れるまで約2週間程度かかります。そのため、インフルエンザ予防接種は、インフルエンザが流行する前に受けておくことが望ましいとされています。なお例年、日本では12月~4月頃にインフルエンザが流行し、1月末~3月上旬に流行のピークを迎えます。したがって、12月中旬までにインフルエンザ予防接種を終えることが望ましいと考えられます。「厚生労働省」「文部科学省」「環境省」でも同様の見解を述べております。
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし、「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。なお、当院では、予約なしでインフルエンザ予防接種を実施しております。現在、診察時間内であれば当日の接種も可能ですので、突然の接種希望にも柔軟に対応できます。インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
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2024.01.17
不眠症と睡眠時無呼吸症候群(SAS)の違い
内科に関する記事です。
この記事では、「不眠症と睡眠時無呼吸症候群(SAS)の違い」について解説していきます。後半部分では、「生活習慣病と睡眠障害の関係」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
不眠症(睡眠障害)とは
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
不眠症と睡眠時無呼吸症候群(SAS)の違い
生活習慣が睡眠障害に影響することも
不眠症や睡眠時無呼吸症候群にお悩みの方はいつでも相談ください
不眠症(睡眠障害)とは
不眠症とは、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害によって、その人にとって必要な睡眠時間が十分に取れないことや「睡眠の質」が低下することで、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。不眠は、眠気、倦怠感、集中力低下、抑うつや不安などの精神症状を引き起こし、その結果として生産性の低下、交通事故の増加など、様々な人的および社会経済的損失をもたらすと考えられております。したがって、「睡眠が浅い」「寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。「一般社団法人千葉市医師会」や「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」でも同様のことを伝えておりますので、ご興味のある方はご覧ください。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、眠り出すと呼吸が止まってしまう病気です。医学的な定義では、10秒以上呼吸が止まる「無呼吸」や、呼吸が弱くなる「低呼吸」が、1時間あたり5回以上繰り返される状態を言います。睡眠中に無呼吸が発生すると、十分な酸素が体に供給されないため、深い睡眠がまったくとれなくなり、日中に強い眠気が出現します。また、無呼吸に伴う低酸素状態が毎晩、しかも年単位で起きれば、「心臓・血管系の病気」や「多くの生活習慣病」を引き起こします。したがって、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を放置してはいけません。睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、早期の診断と適切な治療が不可欠です。医師の診療を受け、個別に合わせた対策を始めると、健康な生活を取り戻せますので、専門医への相談をお勧めします。「睡眠時無呼吸症候群 / SAS」や「日本呼吸器学会のサイト」でも同様のことを伝えておりますので、ご興味のある方はご覧ください。
※睡眠時無呼吸症候群は(Sleep Apnea Syndrome)の頭文字を取ってSAS(サス)とも呼ばれております。
不眠症と睡眠時無呼吸症候群(SAS)の違い
不眠症と睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、両者ともに睡眠障害の一形態ですが、異なる症状とメカニズムを有しています。そのため、不眠症は「睡眠障害」に分類されていますが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)は「睡眠呼吸障害」に分類されています。不眠症は、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害によって「睡眠の質」が低下し、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。一方、睡眠時無呼吸症候群は、眠り出すと呼吸が止まってしまう病気で、睡眠中に一時的な呼吸停止が繰り返されて酸素供給が減少し、その結果、日中の眠気や集中力低下が生じます。このような理由から、不眠症と睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、異なる症状とメカニズムを有していると言えます。なお、不眠症は主に心理的な要因に起因し、入眠や寝つきに関する問題が中心です。一方で睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中の呼吸障害が主な原因です。したがって、両者の治療方法は異なります。
生活習慣が睡眠障害に影響することも
生活習慣が睡眠障害に与える影響は非常に大きいです。不規則な睡眠スケジュールや長時間のスマートフォンの使用は、「入眠困難」や「中途覚醒」を引き起こす可能性があります。また、「過度なカフェイン摂取」や「過度なアルコール摂取」も睡眠を妨げる要因となります。さらに、「喫煙」や「運動不足」も睡眠パターンに悪影響を及ぼすことがあります。これらの生活習慣が蓄積すると、慢性的な睡眠障害が発生しやすくなりますので、ご注意ください。なお、質の高い睡眠を確保するためには、「規則正しい生活習慣の確立」が重要です。睡眠障害に対する対策と予防法は、次の通りです。
【睡眠障害に対する対策と予防法1】適切な食習慣
快適な睡眠を得るためには、適切な食習慣が重要です。朝食は心と身体の目覚めに欠かせません。栄養バランスの取れた朝食を摂ってエネルギーを補給し、一日のスタートを切ってください。なお、夜食については、軽めのものを選ぶことがポイントです。胃腸を過度に刺激しないようにし、就寝前には十分な時間を置いて消化を促してください。適切な食習慣を心掛けることで、良質な睡眠への道が開かれます。
【睡眠障害に対する対策と予防法2】睡眠のルーティン化
睡眠のリズムを整えるために、毎晩同じ時間に寝る習慣を作ってください。また、朝起きたらすぐに起きることも大切です。
【睡眠障害に対する対策と予防法3】スマートフォンを長時間使用しないこと
スマートフォンの画面から発せられるブルーライトは、眠りを誘うメラトニンの分泌を抑制し、眠りの質を低下させます。また、SNSやメッセージアプリの利用は興奮状態を引き起こし、リラックスを妨げます。ですので、就寝前のスマートフォンの使用はできる限り控えてください。なお、就寝前のスマートフォンの使用を抑制するためには「寝室からスマートフォンを遠ざける」「寝る1時間前からスマートフォンの使用を控える」「ブルーライトカットフィルターを使用する」などの対策が効果的です。
【睡眠障害に対する対策と予防法4】睡眠環境の整備
快適な寝室環境を作ってください。暗い部屋、静かな環境、快適な温度、適切なマットレスや枕などが重要です。
【睡眠障害に対する対策と予防法5】午後の眠気はうまくやり過ごす
長い昼寝はかえって夜間の睡眠を妨げます。昼寝をするなら、午後3時前の20~30分にしてください。
【睡眠障害に対する対策と予防法6】カフェインやアルコールの摂取制限
カフェインやアルコールは睡眠を妨げることがありますので、摂取量を制限する、または避けるようにしてください。
【睡眠障害に対する対策と予防法7】ストレス管理
ストレスは睡眠の質の悪化を引き起こすことがあります。リラクゼーション法やストレス解消の方法を取り入れて、日常的なストレスを軽減してください。
【睡眠障害に対する対策と予防法8】目が覚めたら日光を浴びる
目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計を刺激してください。早起きは早寝に通じます。なお、睡眠のリズムを整えるために、週末などの休みの日も、平日と同じ時刻で起床するよう心掛けてくださいね。
【睡眠障害に対する対策と予防法9】適度な運動
適度な運動は睡眠障害に対して効果的な手段とされています。運動によって体温が上昇し、その後の体温低下が入眠を促進します。さらに、適切な運動は睡眠の質を向上させ、深い眠りやREM睡眠の量を増やすと報告されています。習慣的に運動を行うことで、寝つきが良くなり、より良質な睡眠を得ることができますので、不眠症や睡眠時無呼吸症候群にお悩みの方は積極的に運動を行ってください。なお、一般的には以下のような運動が効果的とされています。
<軽いジョギングやサイクリング>
軽いジョギング、ウォーキング、サイクリングなどの有酸素運動は心拍数を上げ、体温を上昇させる効果があります。これにより、身体をリラックスさせるための条件を整え、入眠を促進することが期待されます。なお、有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに酸素を使う運動のことです。
<ヨガ>
ヨガは、リラックスやストレス軽減に効果があります。ヨガは、睡眠障害の原因の一つにストレスや緊張が関与している場合、特に効果的です。
<水泳>
水中での運動は体を軽く感じさせ、筋肉をリラックスさせる効果があります。また、水中の環境が落ち着きを与え、リラックス効果を高めることができます。
不眠症や睡眠時無呼吸症候群(SAS)にお悩みの方はいつでも相談ください
不眠症や睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、他の病気との関連性が高い病気です。したがって、不眠症や睡眠時無呼吸症候群(SAS)は放置せず、適切な治療を受けることが重要です。睡眠が浅い、寝付けないなど、睡眠に関して問題があることで、「日常生活に支障が出ている」と感じている方は、早めに医師に相談することをお勧めします。なお、当院では、不眠症や睡眠時無呼吸症候群(SAS)に対する診断を行っております。不眠症や睡眠時無呼吸症候群(SAS)について悩んでいる方、あるいは不眠症や睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2023.12.13
不眠症は内科で受診できます
内科に関する記事です。
この記事では「不眠症の診療科」について解説していきます。後半部分では、「不眠症の診察を受けるタイミング」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
不眠症(睡眠障害)とは
不眠症(睡眠障害)の主な症状
不眠症が内科で受診できる理由
不眠症と他の病気との関連性
不眠症の診察を受けるタイミング
不眠症(睡眠障害)にお悩みの方はいつでも相談ください
不眠症(睡眠障害)とは
不眠症とは、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害によって、その人にとって必要な睡眠時間が十分に取れないことや「睡眠の質」が低下することで、日中に「倦怠感」や「意欲低下」などの不調が出現する病気です。不眠は、眠気、倦怠感、抑うつや不安などの精神症状を引き起こし、その結果として生産性の低下、交通事故の増加など、様々な人的および社会経済的損失をもたらすと考えられております。したがって、「睡眠が浅い」「寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。「一般社団法人千葉市医師会」や「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」でも同様のことを伝えておりますので、ご興味のある方はご覧ください。
不眠症(睡眠障害)の主な症状
不眠症は、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害などの睡眠問題によって、眠気や倦怠感、意欲低下、集中力低下、食欲低下などの身体的な症状を引き起こす可能性があります。さらに、長期間にわたる不眠は「うつ病」や「不安障害」などの精神症状も引き起こす可能性があります。十分な睡眠を得られない状態が続くと、神経系やホルモンバランスに影響を及ぼし、精神的な安定に悪影響を及ぼすことがありますので、ご留意ください。なお、不眠症を放置すると日常生活にも影響を及ぼす場合があります。そのため、早めに医師の診断を受け、適切なケアを行うことが大切です。
不眠症が内科で受診できる理由
不眠症の治療では、基本的に内科を受診します。内科医は患者さんの健康状態や生活習慣を考慮し、不眠の原因を明らかにする手助けをしてくれます。また、慢性的な疾患や薬物の影響も確認し、必要に応じて「適切な治療」や「アドバイス」を提供してくれます。したがって、不眠症が疑われる場合は、まず内科を受診してください。なお、不眠の要因は様々で、症状によっては他の専門科目が必要な場合もあります。しかし、「自分がどの症状かを判断すること」は難しい場合があります。そのため、まずは内科で相談を受けることが大切です。睡眠に対して不安を感じたら、まずは内科で相談してくださいね。
不眠症と他の病気との関連性
不眠症は他の病気との関連性が高い疾患です。大きく分けて、「からだの病気」と「こころの病気」との関連性が見られます。
<からだの病気>
慢性疼痛や心臓病、呼吸器疾患、消化器疾患などは、不眠症のリスクを高める要因となります。また、これらの病気は睡眠の質や量に影響を及ぼし、不眠症の症状を悪化させることがあります。
<こころの病気>
不眠症は、こころの病気との関連性も高いです。なかでも「うつ病」や「不安障害」との関連が顕著であり、相互に影響し合うことが多いです。そのため、うつ病や不安障害の治療が不十分な場合、不眠症の症状が悪化することもあります。
このように、不眠症は「からだの病気」と「こころの病気」と密接に関連しており、それぞれが互いに影響し合うことがあるため、不眠症の治療においては「総合的なアプローチ」が重要です。不眠症の症状について気になる点がある方は、早めに医師の診断を受け、適切な治療を受けることをお勧めします。
不眠症の診察を受けるタイミング
睡眠障害が続く場合、早めに医師の診察を受けることが重要です。具体的には、不眠症などの睡眠の問題で、1ヶ月以上にわたって「だるさ」や「頭痛」などの身体症状が現れている場合は、一度、医療機関を受診してください。また、1ヶ月以内であっても、「日中の眠気」や「集中力の低下」が仕事や学業に支障をきたしている場合は、早めの受診がお勧めです。早期の診断と適切な治療で、良質な睡眠を取り戻すことが可能です。早めに医師の診断を受け、適切な治療を行ってくださいね。
不眠症(睡眠障害)にお悩みの方はいつでも相談ください
「睡眠が浅い」「なかなか寝付けない」など、睡眠に関して問題があることで「日常生活に支障が出ている」と感じている方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。睡眠不足は、単に身体の疲れが残りやすくなるだけでなく、「体の病気」や「心の病気」の原因となります。また睡眠障害自体が“心の病気”の前兆の可能性もあります。ですので、「睡眠が浅い」「なかなか寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は放っておかずに、お近くの医療機関に足を運んでください。なお、当院では“不眠症の診療”や“薬の処方”だけでなく、診断書の発行も行っております。医師の診断を受けたい方、あるいは自分が不眠症なのか気になる方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2023.12.13
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