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バナナと糖尿病の関係
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
バナナは栄養豊富な果物ですが、糖質も多く含まれています。血糖値を気にする糖尿病の方は、どのくらいバナナを食べても良いのでしょうか。
この記事では、「糖尿病とバナナの関係」について解説していきます。後半部分では「バナナの適切な摂取量」や「バナナを食べるタイミング」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
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【目次】
バナナは糖尿病に効果的か
糖尿病の方がバナナを食べるメリット
バナナに含まれる栄養素
バナナの適切な摂取量
バナナを食べるタイミング
まとめ
バナナは糖尿病に効果的か
糖尿病予防の基本は、急激な血糖値の上昇を抑えることです。では、バナナを食べると血糖値は急激に上昇するのでしょうか。実は、バナナは食後の血糖値の上昇が緩やかな食べ物だと言われています。その秘密はバナナに含まれている食物繊維です。糖質と一緒に食物繊維を摂取すると、糖質を少しずつエネルギー源として使うことができるため、血糖値の急激な上昇を抑えることが可能となっております。そのため糖尿病の方がバナナを食べても問題ありません。ただしバナナには、それほど高くないですが、しっかりと糖質が含まれているため食べ過ぎには注意が必要です。甘いものを制限している糖尿病患者さんにとって、バナナは程よい甘さがあり、満足できる食品ですが、たくさん食べるとカロリーオーバーになるので十分に注意してください。
糖尿病の方がバナナを食べるメリット
日本糖尿病学会の「糖尿病食事療法のための食品交換表」では、私たちが普段よく食べる食品をグループ分けし、糖尿病の患者がカロリー計算をしなくても、栄養バランスのよい献立が作れるよう工夫されています。この中でバナナを含む果物は1つのグループとして位置付けられ、果物は1日80kcal分摂るよう推奨されています。なぜなら果物はエネルギー量当たりのビタミンCやカリウム、食物繊維の含量が高く、制限された食事でも必要な栄養素が効率よく摂れる食品だからです。このようなことからバナナを含む果物は糖尿病食事療法でも血糖値を上げにくい食品であると見直されており、糖尿病の食事に欠かせない食品となっています。
バナナに含まれる栄養素
バナナには炭水化物やタンパク質の他、ビタミン、ミネラル、葉酸、食物繊維などがバランスよく含まれています。以下、バナナに含まれている栄養素です。
【バナナに含まれる栄養素1】食物繊維
食物繊維は、食事でとった栄養素の吸収速度を遅くしたり、有害物質を体外に排出する働きがあります。この2つの働きによって、便秘対策に効果が期待できます。なお、食物繊維には水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維があります。
【バナナに含まれる栄養素2】カリウム
カリウムにはナトリウム(塩分)を排泄する役割があり、高血圧やむくみの解消、運動中に筋肉がけいれんするのを防ぐ、などバナナを摂取することで様々な効果が期待できます。
【バナナに含まれる栄養素3】ビタミン
バナナにはビタミンB1、B2、ナイアシン(B3)、ビタミンB6、葉酸が含まれています。ビタミンには、たんぱく質・糖質・脂質の代謝を助けたり、皮膚や髪、爪などの健康をサポートする働きがあります。
【バナナに含まれる栄養素4】ポリフェノール
ポリフェノールは、赤ワインや緑茶に多く含まれている成分ですが、バナナにも含まれています。ポリフェノールは強い抗酸化作用があり、活性酸素を取り除く働きがあるため、生活習慣病の予防にも効果が期待できます。なお、ポリフェノールは、熟したバナナほど多く含んでいます。
【バナナに含まれる栄養素5】アミノ酸
バナナは必須アミノ酸のひとつであるトリプトファンを含むため、良質な睡眠が期待できます。トリプトファンは神経伝達物質であるセロトニンの材料です。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれており、その効果は睡眠の促進やリラックスを促す効果があります。なお、トリプトファンは、バナナに多く含まれていますが、他の果物にはほとんど含まれていません。
【バナナに含まれる栄養素6】マグネシウム
マグネシウムは、人の体に欠かせないミネラルの一つです。骨の正常な代謝を助けるマグネシウムは、カルシウムと並んで骨の健康にとって重要なミネラルです。神経の興奮をしずめ、体温や血圧を調整すると言われています。
バナナの適切な摂取量
厚生労働省や農林水産省では、1日の果物の摂取量として約200gが推奨されています。そのためバナナは1日1本程度、小ぶりなサイズなら2本程度を目安にすると良いでしょう(バナナだけではなく、他の果物もバランスよく食べることが大切です)。なお、バナナ1本は100gで約90キロカロリーと、果物の中でもトップクラスのカロリーの高さです。したがって1日に何本も食べていればカロリーオーバーになりかねませんので、バナナの食べ過ぎには注意してください。
バナナを食べるタイミング
栄養たっぷりのバナナは、朝、昼、夜、いつ食べてもメリットがあります。
【バナナを食べるタイミング1】朝
バナナには他のフルーツよりも多くの「ブドウ糖」が含まれているので、朝食バナナは、睡眠中に失われた栄養素を補給して、1日を元気に過ごすための原動力になります。そのため1日を元気に過ごしたい人には、朝食バナナをおすすめします。
【バナナを食べるタイミング2】昼
バナナにはブドウ糖以外にも、「果糖」や「ショ糖」が含まれています。糖分と聞くと避けたくなってしまいますが、疲れにくい体づくりに糖分は欠かせません。果糖は血糖を上げにくく緩やかに体内に吸収される性質があるので、昼に食べれば、午後の活動に向けてのよいエネルギーチャージとなります。
【バナナを食べるタイミング3】夜
夜バナナは、睡眠の質を上げる効果が期待でき、美肌や筋肉・骨づくりに役立ちます。なぜならバナナには、睡眠を促す「セロトニン」、セロトニンを作る「トリプトファン」、セロトニン生成を助ける「ビタミンB6」が含まれているからです。質のよい睡眠は疲労回復だけでなく、成長ホルモンの分泌を促し、美肌や筋肉、骨づくりにも役立ちますので、夜バナナにはメリットがあると言えます。ただしバナナに含まれる果糖は、夜食べると中性脂肪に変わりやすい傾向があるので、摂取量を調節してください。
まとめ
糖尿病になっても、初期段階では自覚症状がありません。そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2023.02.22
コーヒーと糖尿病の関係、予防効果や摂取量について
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、「糖尿病とコーヒーの関係」について解説していきます。後半部分では「糖尿病予防のための摂取量」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
コーヒーは糖尿病リスクを抑える?
コーヒーは死亡リスクも下げる
なぜコーヒーが糖尿病を予防するのか
コーヒーによる肝機能等への効果
糖尿病予防のための摂取量
コーヒーの適切な飲み方
ブラックコーヒーがおすすめ
まとめ
コーヒーは糖尿病リスクを抑える?
コーヒーは2型糖尿病の予防に効果的な飲料として注目を集めており、日本を含む世界各国から「コーヒーには2型糖尿病を予防する効果がある」という報告が発表されております。 国立国際医療研究センターが2009年に発表した“JPHC研究”では、コーヒーを飲む回数が1日3〜4杯の方人は、ほとんど飲まない人に比べて、2型糖尿病を発症するリスクが男性で17%、女性で38%低下することが分かっております(40〜69歳の日本人約5万6,000人を対象)。
コーヒーは死亡リスクも下げる
コーヒーをよく飲む人は糖尿病リスクが低下するだけでなく、死亡リスクも低下することが最近の研究で明らかになっております。英国バイオバンクの発表では、死亡リスクはコーヒーをまったく飲まない人に比べ、コーヒーを1日に2〜3杯飲む人は12%、4〜5杯飲む人は12%、6〜7杯飲む人は16%、6杯以上飲む人では14%低下したと伝えております。
なぜコーヒーが糖尿病を予防するのか
コーヒーが糖尿病の予防に効果がある理由として、コーヒーに含まれているカフェインやクロロゲン酸が代謝に関わっている可能性が指摘されております(コーヒーが2型糖尿病の発症を抑制するメカニズムは、まだ解明されておりません)。
<カフェイン>
カフェインを摂取すると基礎代謝率が3~11%上がり、摂取するカフェイン量が多いほど、その効果も上がることが分かっております。このようなことからカフェインの摂取は「運動時の脂肪燃焼を促進する可能性がある」と考えられております。
<クロロゲン酸>
クロロゲン酸とは“ポリフェノール”の一種で、主にコーヒー豆やじゃがいも等に含まれる成分です。クロロゲン酸には糖質の吸収を緩やかにする効果があるため、血糖値の急激な上昇が抑えられます。またクロロゲン酸には抗酸化作用のほか、脂肪の蓄積を抑える効果などが知られており、近年では糖尿病や肥満の予防のためのサプリメントなどに利用されています。
コーヒーによる肝機能等への効果
コーヒーに含まれるクロロゲン酸は抗酸化作用をもち、肝臓での「糖新生」を抑制する効果があります。またクロロゲン酸には、中性脂肪の蓄積による「脂肪肝」を予防する効果があります(脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪が溜まった状態を表します)。脂肪肝はメタボリックシンドロームにもつながると言われており、放置すると肝炎などを引き起こす可能性が高くなります。
糖尿病予防のための摂取量
国立国際医療研究センターが2009年に発表した“JPHC研究”では、コーヒーを飲む回数が1日3〜4杯の方人は、ほとんど飲まない人に比べて、2型糖尿病を発症するリスクが男性で17%、女性で38%低下することが分かっております。このようなことから、糖尿病予防のためのコーヒー摂取量は、1日3〜4杯が目安と言えます。ただし、コーヒーに含まれるカフェインを大量に摂取すると、不眠症や神経症、心拍数の増加、高血圧、不整脈が引き起こされる恐れがあります。また、コーヒーのカフェインは、血糖を下げるインスリンの産生と感受性にも影響すると考えられております。ですので、コーヒーの飲みすぎには注意してください。
コーヒーの適切な飲み方
コーヒーに含まれているカフェインは、インスリンが分泌していない空腹時に飲むと、血糖値を下げる“ミトコンドリア”を活性化させます。このようなことから糖尿病予防の効果を上げる飲み方としては満腹時よりも、「空腹時にコーヒーを飲むほうが良い」とされております。ただしコーヒーに含まれるクロロゲン酸には、胃腸の働きを抑制する働きがあります。そのため空腹時はよりダイレクトにその作用を感じやすく、胃の動きが弱まってしまう可能性があり、最悪のケースでは便秘による「腹痛」や「吐き気」を引き起こす可能性がありますので、注意してください。
ブラックコーヒーがおすすめ
糖尿病の方がコーヒーを飲む場合には、コーヒーに砂糖やミルクを入れると血糖コントロールを悪化させる可能性があるため、できるだけブラックコーヒーの形で飲んでください。甘くてまろやかなコーヒーは美味しいかもしれませんが、カフェインと砂糖が血糖値の急激な上昇を引き起こします。すると血糖コントロールが乱れ、血管が傷つきやすくなり、合併症のリスクにつながります。ですので、甘いコーヒーはできるだけ飲まないようにしてください。
まとめ
糖尿病になっても、初期段階では自覚症状がありません。そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2023.02.21
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