板谷内科クリニックブログ

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運動療法についての記事一覧

糖尿病・代謝内科

【糖尿病改善と予防】運動療法の効果や注意点について

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、糖尿病治療の基本である「運動療法」について解説していきます。後半部分では、「運動療法の注意点」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 運動がなぜ糖尿病に効果的なのか 運動療法とは 運動療法の目安:どの程度の運動が良いのか 運動療法の注意点 運動療法についてお気軽にご相談ください   運動がなぜ糖尿病に効果的なのか 日本人の糖尿病患者さんの約95%が「2型糖尿病」と言われています。2型糖尿病の原因には色々とありますが、主に「太り過ぎ」「運動不足」「ストレス」などの生活習慣によって引き起こされやすくなることが知られています。そのため運動を習慣づけ、規則正しい食生活を送ることが糖尿病予防の大きな一歩となります。なお、運動には血液中のブドウ糖を消費して血糖値を下げたり、肥満を解消して筋肉などでのインスリンの働きを高めたりなど様々な効果があります。また、「ストレス性疾患の改善」にも効果が期待されています。   運動療法とは 運動療法は糖尿病治療の基本の1つです。食後の運動により食後高血糖を抑えて血糖コントロールをよくすることや、運動を継続することでインスリンの働きをよくすることが重要な目的です。また、2型糖尿病患者さんでは、脳卒中の発症率や死亡リスクが運動療法により半減することが明らかになっています。運動療法は、これまで運動医学由来の整形外科的なアプローチが主体でしたが、近年では“生活習慣病改善”や“心臓リハビリテーション”のような内科的アプローチも臨床で活用されるようになってきています。運動療法について「厚生労働省のホームページ」に詳しく記載していますので、ご興味のある方はご覧ください。   運動療法の目安:どの程度の運動が良いのか 運動の頻度は「できれば毎日」、少なくとも“週に3~5回行うのが良い”とされています。運動強度については、中等度の全身を使った有酸素運動、運動時間については各20~60分間行い、計150分以上が一般的に勧められています。また、週に2~3回のレジスタンス運動を同時に行うことが勧められています。「有酸素運動」と「レジスタンス運動」については、以下をご覧ください。 【糖尿病を改善するための運動1】有酸素運動 有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに酸素を使う運動のことです。ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。有酸素運動について詳しく知りたい方は「糖尿病を改善するための運動を紹介しているサイト」をご覧ください。 【糖尿病を改善するための運動2】レジスタンス運動 レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動のことです。スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操など、標的とする筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います(レジスタンス(Resistance)は和訳で「抵抗」を意味します)。レジスタンス運動は、筋肉量増加・筋力向上・筋持久力向上を促す筋力トレーニングとして高齢者からアスリートまで広く行われています。   運動療法の注意点 その日の体調や血糖コントロールの状態のほか、合併症の有無などによって、運動を行ってはいけない場合があります。運動療法を始める前に必ずメディカルチェックを受け、主治医のアドバイスを受けるようにしてください。以下、運動療法の主な注意点です。 【運動療法の注意点1】準備体操 急に運動を始めるとケガをする可能性があります。特に運動習慣がない方は注意が必要です。ケガをしないためにも、運動する前はしっかりと準備体操を行なってください。 【運動療法の注意点2】水分補給 運動中は、こまめに水分補給をし、脱水にならないようにすることも大切です。運動中は想像以上に汗をかいておりますので、こまめに水分補給を行ってください。 【運動療法の注意点3】血圧 運動をすると、一時的に血圧は上がります。ですので、重症の高血圧の方、労作性狭心症や心不全、腎不全、重症の眼底網膜病変などを合併している方は運動に注意が必要です。運動をはじめるにあたっては、主治医とよく相談してから行ってください。 【運動療法の注意点4】軽い運動 気合を入れて運動することはいいことですが、ケガをする可能性があります。特に運動習慣がない方は危険です。運動する際は無理せず、軽い運動から始めてください。 【運動療法の注意点5】高血糖 血糖がコントロールされていないⅠ型糖尿病患者さん、空腹時血糖250mg/dL以上または尿ケトン体陽性者では、運動中に高血糖になることがあります。ですので、運動療法を始める前に必ずメディカルチェックを受け、主治医のアドバイスを受けるようにしてください。 【運動療法の注意点6】低血糖 運動を行う時間に決まりはありませんが、空腹時は低血糖になる可能性があるので避けてください。また、インスリンや内服薬で治療している患者さんでは、運動中だけでなく、運動したのち、しばらく時間が過ぎた後でも低血糖が起こることがあるので注意してください。   運動療法についてお気軽にご相談ください 糖尿病になっても初期段階では自覚症状がありません。そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。運動療法に取り組みたいと考えている方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2022.12.01

糖尿病・代謝内科

小児糖尿病の子供にみられる症状と治療法について

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、お子様が小児糖尿病かをどうかチェックする際のポイントを紹介していきます。 記事の後半では「合併症のリスク」や「糖尿病の治療方法」についても解説します。 小児糖尿病についてすぐ相談したい方はこちら 【目次】 子供が発症しやすい小児1型糖尿病について 1型糖尿病の2型糖尿病との違いについて 小児糖尿病にみられる症状とは? 糖尿病性ケトアシドーシスとは? 合併症のリスク・症状について 子供の糖尿病治療方法について 糖尿病の治療方法①インスリン療法 糖尿病の治療方法②食事療法 糖尿病の治療方法③運動療法   子供が発症しやすい小児1型糖尿病について そもそも糖尿病とは、すい臓で作られるインスリンの分泌不全またはインスリンが作用する臓器が十分にインスリンの効果を受けられない状態(インスリン抵抗性)、もしくは両方がきっかけで血糖値が慢性的に高くなってしまった代謝異常の状態を指します。 そのうち1型糖尿病とは前者のインスリン分泌不全に該当します。 すい臓にはランゲルハンス島という細胞の集合体があり、その中にあるβ(ベータ)細胞がインスリンを分泌しています。 小児1型糖尿病とはそのβ細胞が壊れてしまうことで生じるインスリンが原因で引き起こされる症状なのです。 なぜβ細胞が破壊されてしまうのか、その原因についてはウイルス感染の関与も疑われておりますが、詳しい原因は完全に解明されていません。 1型糖尿病は小児期に発症することが多く、小児1型糖尿病と呼ばれるのはそのためです。 日本内分泌学会の公式HPでも小児1型糖尿病について紹介されています。   1型糖尿病の2型糖尿病との違いについて インスリンは骨格筋や肝臓などの(標的)臓器に作用し、糖の吸収を促します。 肥満などでインスリンの効果を調整する物質(アディポサイトカインと呼ばれます)の分泌異常が起こると、インスリンが標的臓器に対して効果を十分に発揮できなくなります。 つまり2型糖尿病とは、標的臓器のインスリンに対する感受性が下がり、(分泌量は十分でも)インスリンの作用が十分になされないことが原因で起こる症状です。 前段の通り、1型糖尿病との違いとしては血糖値が高まる原因が異なります。 糖尿病の子供の大半は1型の小児糖尿病ですが、近年2型糖尿病の子供も増加傾向にあります。 糖尿病かどうか診察したい方はこちら   小児糖尿病にみられる症状とは? 子供が小児糖尿病を発症した場合、どのような症状があらわれるのでしょうか? 以下の症状が見られた場合は、小児糖尿病の疑いがあります。 お子様に当てはまる症状があれば、速やかに診察を受けてください。 <糖尿病の子供によくみられる症状> 1. 何度もトイレにいく 2. 喉が渇いて沢山の水がほしくなる 3. 食べているのに痩せる 4. お腹が痛くなる 5. だるい、疲れやすい 6. 意識を失う   子どもの年齢が幼いほど自分から身体の異変を訴えることは難しく、その分小児糖尿病は通常の糖尿病よりも気付きにくいという厄介な病気です。 ただ大人の方でも子どもが本当に小児糖尿病なのかどうかを判断することは難しいでしょう。 些細な変化でも気になることがあったら、すぐに医師にご相談ください。 当院では予約を取らずに受診いただけます。 以下のボタンから当日の順番をお取りいただければスムーズに診察ができますので、ご活用ください。 小児糖尿病について相談したい方はこちら 糖尿病ケトアシドーシスについて インスリン不足がさらに進むと「糖尿病ケトアシドーシス」という合併症を引き起こす恐れがあります。 糖尿病性ケトアシドーシスになるとだるさ、頭痛や痙攣といった症状になり、最後には昏睡状態になってしまう状態で、最悪の場合死に至ることもあります。 糖尿病性ケトアシドーシスは1型糖尿病がきっかけで起こることがほとんどで、インスリンが不足することで脂肪がエネルギーとして使われるような状態です。   糖尿病合併症のリスク・症状について 糖尿病の恐さは、自覚症状のないままに重篤な合併症が進展することです。血糖値が高い状態が持続すると「数年~十数年」の経過で合併症が生じます。 小児1型糖尿病では、失明したり、腎不全となり透析をしなければならなくなったり、痛みを感じにくくなったりします。 また大人になると、脳梗塞、心筋梗塞、狭心症、歯周病、感染症などになりやすくなることもあります。 ですので、お子様に糖尿病の症状が見られた際には絶対に放置してはいけません。 糖尿病の合併症のリスク・症状については「MSDマニュアル」に記載しておりますので、より詳しく知りたい方はご覧ください。   小児糖尿病の治療方法について 小児糖尿病の治療は、健康な子供と同じ発育と生活の質(クオリティ・オブ・ライフ:QOL)の確保が前提となります。 本人や家族はもちろん、学校の先生やまわりの友達にも、糖尿病の病気への理解と、きちんとした治療が必要であるという意識をもってもらうことが大切です。 以下、糖尿病の治療方法になります。   小児糖尿病の治療方法①インスリン療法 インスリンが不足した状態になっているときに、インスリン注射等で外部からインスリンを補うことによって血糖を下げます。 これにより健常な子供と同等の血糖値変動パターンに近づけることが可能となり、日常生活における支障を和らげることができます。   小児糖尿病の治療方法②食事療法 食事療法は糖尿病治療の基本です。 1. 食べすぎず、腹八分目に抑える 2. 朝昼晩、規則正しく食べる 3. バランスよく食べ、食事中はゆっくりよく噛んで食べる 4. 寝る間際に食べすぎない これらのことをきちんと守り、3大栄養素(脂質、糖質、タンパク質)をバランスよく摂取してください。 千葉県の公式HPでも「子供の糖尿病治療と管理について」にて糖尿病の子供に関する治療法を紹介しています。   小児糖尿病の治療方法③運動療法 運動療法の基本は、運動によるエネルギー消費・肥満の解消や抑制です。 運動療法により血糖コントロール・インスリン抵抗性・脂質代謝の改善が得られ、糖尿病の症状が改善に近づきます。 子供にとってはストレス解消や筋力の増加にも役立つので、積極的に取り入れてほしいです。 運動療法については「糖尿病を改善するための運動」にも記載があります。 小児糖尿病は早期発見・早期治療が何よりも肝心です。 どんな小さなことでも気になる方は気兼ねなく当院にご相談ください、糖尿病専門医の医師が丁寧に診察致します。 小児糖尿病について相談したい方はこちら

2022.05.24