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痩せた若い女性にも起こりがちな血糖値上昇の原因と対策
内科に関する記事です。
この記事では、「痩せた若い女性にも起こりがちな血糖値上昇」について解説していきます。後半部分では「痩せた若い女性が抱える糖尿病リスク」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
血糖値とは
痩せた若い女性でも食後高血糖が多い
痩せた若い女性が抱える糖尿病リスク
痩せた若い女性に対する取り組み
高血糖・糖尿病について不安な方はいつでもご相談ください
血糖値とは
血糖値は、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度のことです。食事を摂ると、食べ物に含まれる「炭水化物」が消化吸収されてブドウ糖となり、血液中に取り込まれます。この血液中のグルコースの濃度が「血糖値」です。血糖値は、健康な人であっても空腹時と食後の血糖値は異なります。ただし、健康な人の血糖値は一定の範囲内で変動しますが、糖尿病の方は、その変動が大きく、異常な高血糖になることがあります。また、肥満気味の方は、血糖値が上がりやすい傾向にあります。肥満気味の方は、過剰な脂肪組織が体内のインスリンの効果を低下させ、結果として血糖値の調整が難しくなります。さらに、脂肪細胞から分泌される炎症性物質も、血糖の正確なコントロールを妨げる可能性があります。したがって、肥満気味の方は、バランスの取れた食事と適度な運動が非常に重要です。
若い女性でも血糖値が上がる原因
若い女性でも血糖値が上がる原因は様々です。一つの要因は、不摂生な食習慣や高カロリーな食品の摂取です。過剰な砂糖や加工食品は血糖値を急激に上昇させる可能性があります。また、運動不足や生活習慣の乱れも影響を与えます。特にストレスは、ストレスホルモンの分泌を増加させ、これが血糖値の上昇につながることがあります。なお、遺伝的な要素も考慮すべき点です。家族に糖尿病の方がいる場合は注意が必要です。
痩せた若い女性でも食後高血糖が多い
痩せていると思われる若年女性でも、食後高血糖が見られることがあります。これは食事の際、摂取した糖質の急激な吸収によるものです。低体重であっても、食事内容や糖質の種類によっては血糖値が急上昇しやすくなります。また、過度の食事制限や不規則な食生活も影響を与え、血糖値の乱れを引き起こすことがあります。なお、食後高血糖については以下をご覧ください。
<食後高血糖とは>
食後高血糖とは、食後2時間が過ぎても血糖値が高い状態のことを言います。食事をすると血糖値は高くなり、2~3時間以内に正常値(110mg/dl未満)に戻るのが一般的です。しかし、血糖値が低下せず長い時間140mg/dl以上の値が続く場合には「食後高血糖」と判断されます。食後血糖値が高い状態が続くと、糖尿病の発症リスクが高くなります。ですので、食後高血糖は糖尿病だけでなく糖尿病予備群においても重要な指標の一つとして注目されています。
痩せた若い女性が抱える糖尿病リスク
順天堂大学の研究グループは、日本人の痩せた若年女性 (BMI *1<18.5kg/m2) に食後高血糖となる「耐糖能異常」が多く、その原因として、主に肥満者に生じる「インスリン抵抗性」や「脂肪組織の異常」が関連することを明らかにしています。本研究では、標準体重の女性に比べて、痩せ型の女性では耐糖能異常の割合が約7倍高いことが明らかになり、その率は米国の肥満者における割合(10.6%)よりも高い率だったと伝えています。また、痩せ型の若年女性の「耐糖能異常」の特徴を詳しく解析したところ、インスリン分泌が低下しているだけでなく、主に肥満者の特徴とされてきた「インスリン抵抗性」も中年肥満者と同程度生じていることが明らかになったと伝えています。従来、インスリン抵抗性は肥満に伴って出現し、痩せ型の糖代謝異常は「インスリン分泌障害」が主体で、インスリン抵抗性はあまり関係しないと考えられていました。しかしながら本研究により、痩せた若年女性における耐糖能異常にも、肥満者と同様に「インスリン抵抗性」や「脂肪組織障害」が生じている“代謝的肥満”があることを明らかにしました(本研究で見つかった痩せた若年女性のインスリン抵抗性や脂肪組織異常が生じるメカニズムについてはまだ明らかになっていない部分があるため、更なる研究が必要です)。このような理由から、痩せている女性は肥満の女性と同じように「糖尿病の発症リスク」が高いことが分かっています。「糖尿病ネットワーク」でも同様のことを伝えています。
痩せた若い女性に対する取り組み
近年の研究により、日本人の痩せた若年女性では「耐糖能異常の比率」が顕著に高いことが明らかになっています。痩せた若年女性の多くは、食事量が少なく、運動量も少ないという「エネルギー低回転タイプ」となっており、それと共に骨格筋量も減少していることから、痩せた若年女性に対する取り組みとしては、十分な栄養と運動により、筋肉量を増やすような生活習慣の改善が重要と考えられています。具体的には、厚生労働省のガイドラインに示された「1日8,000歩」を目標にすることです。8,000歩は距離にすると5~6キロ、時間にすると80分程度になります。1日8,000歩という目標は、健康を維持するためのベースラインになりますので、余裕のある方は、これにプラスして他の運動を行ってください。なお、血糖値を下げるのに効果的な運動には、「有酸素運動」と「レジスタンス運動」があります。
【血糖値を下げるのに効果的な運動1】有酸素運動
有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに酸素を使う運動のことです。ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。なお、有酸素運動は週150分以上が推奨されています。
【血糖値を下げるのに効果的な運動2】レジスタンス運動
レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動のことです。スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操など、標的とする筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います(レジスタンス(Resistance)は和訳で「抵抗」を意味します)。レジスタンス運動は、筋肉量増加・筋力向上・筋持久力向上を促す筋力トレーニングとして高齢者からアスリートまで広く行われています。
高血糖・糖尿病について不安な方はいつでもご相談ください
血糖値が高いままの生活を続けると、「血管がもろく、ボロボロになってしまう」いわゆる血管病になります。そして、全身にネットワークを結んでいる血管と神経が、血糖値の高い状態が続くことで侵され、適正な栄養の供給が途絶えて「全身の臓器」に様々な障害が起こってきます。したがって、血糖値が高い状態を放置してはいけません。高血糖にお心当たりのある方は早期の対策が重要です。高血糖にお心当たりのある方、あるいは糖尿病について不安な方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2023.11.14
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