板谷内科クリニックブログ

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栄養素についての記事一覧

糖尿病・代謝内科

バナナと糖尿病の関係

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
バナナは栄養豊富な果物ですが、糖質も多く含まれています。血糖値を気にする糖尿病の方は、どのくらいバナナを食べても良いのでしょうか。 この記事では、「糖尿病とバナナの関係」について解説していきます。後半部分では「バナナの適切な摂取量」や「バナナを食べるタイミング」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 バナナは糖尿病に効果的か 糖尿病の方がバナナを食べるメリット バナナに含まれる栄養素 バナナの適切な摂取量 バナナを食べるタイミング まとめ   バナナは糖尿病に効果的か 糖尿病予防の基本は、急激な血糖値の上昇を抑えることです。では、バナナを食べると血糖値は急激に上昇するのでしょうか。実は、バナナは食後の血糖値の上昇が緩やかな食べ物だと言われています。その秘密はバナナに含まれている食物繊維です。糖質と一緒に食物繊維を摂取すると、糖質を少しずつエネルギー源として使うことができるため、血糖値の急激な上昇を抑えることが可能となっております。そのため糖尿病の方がバナナを食べても問題ありません。ただしバナナには、それほど高くないですが、しっかりと糖質が含まれているため食べ過ぎには注意が必要です。甘いものを制限している糖尿病患者さんにとって、バナナは程よい甘さがあり、満足できる食品ですが、たくさん食べるとカロリーオーバーになるので十分に注意してください。   糖尿病の方がバナナを食べるメリット 日本糖尿病学会の「糖尿病食事療法のための食品交換表」では、私たちが普段よく食べる食品をグループ分けし、糖尿病の患者がカロリー計算をしなくても、栄養バランスのよい献立が作れるよう工夫されています。この中でバナナを含む果物は1つのグループとして位置付けられ、果物は1日80kcal分摂るよう推奨されています。なぜなら果物はエネルギー量当たりのビタミンCやカリウム、食物繊維の含量が高く、制限された食事でも必要な栄養素が効率よく摂れる食品だからです。このようなことからバナナを含む果物は糖尿病食事療法でも血糖値を上げにくい食品であると見直されており、糖尿病の食事に欠かせない食品となっています。   バナナに含まれる栄養素 バナナには炭水化物やタンパク質の他、ビタミン、ミネラル、葉酸、食物繊維などがバランスよく含まれています。以下、バナナに含まれている栄養素です。 【バナナに含まれる栄養素1】食物繊維 食物繊維は、食事でとった栄養素の吸収速度を遅くしたり、有害物質を体外に排出する働きがあります。この2つの働きによって、便秘対策に効果が期待できます。なお、食物繊維には水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維があります。 【バナナに含まれる栄養素2】カリウム カリウムにはナトリウム(塩分)を排泄する役割があり、高血圧やむくみの解消、運動中に筋肉がけいれんするのを防ぐ、などバナナを摂取することで様々な効果が期待できます。 【バナナに含まれる栄養素3】ビタミン バナナにはビタミンB1、B2、ナイアシン(B3)、ビタミンB6、葉酸が含まれています。ビタミンには、たんぱく質・糖質・脂質の代謝を助けたり、皮膚や髪、爪などの健康をサポートする働きがあります。 【バナナに含まれる栄養素4】ポリフェノール ポリフェノールは、赤ワインや緑茶に多く含まれている成分ですが、バナナにも含まれています。ポリフェノールは強い抗酸化作用があり、活性酸素を取り除く働きがあるため、生活習慣病の予防にも効果が期待できます。なお、ポリフェノールは、熟したバナナほど多く含んでいます。 【バナナに含まれる栄養素5】アミノ酸 バナナは必須アミノ酸のひとつであるトリプトファンを含むため、良質な睡眠が期待できます。トリプトファンは神経伝達物質であるセロトニンの材料です。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれており、その効果は睡眠の促進やリラックスを促す効果があります。なお、トリプトファンは、バナナに多く含まれていますが、他の果物にはほとんど含まれていません。 【バナナに含まれる栄養素6】マグネシウム マグネシウムは、人の体に欠かせないミネラルの一つです。骨の正常な代謝を助けるマグネシウムは、カルシウムと並んで骨の健康にとって重要なミネラルです。神経の興奮をしずめ、体温や血圧を調整すると言われています。   バナナの適切な摂取量 厚生労働省や農林水産省では、1日の果物の摂取量として約200gが推奨されています。そのためバナナは1日1本程度、小ぶりなサイズなら2本程度を目安にすると良いでしょう(バナナだけではなく、他の果物もバランスよく食べることが大切です)。なお、バナナ1本は100gで約90キロカロリーと、果物の中でもトップクラスのカロリーの高さです。したがって1日に何本も食べていればカロリーオーバーになりかねませんので、バナナの食べ過ぎには注意してください。   バナナを食べるタイミング 栄養たっぷりのバナナは、朝、昼、夜、いつ食べてもメリットがあります。 【バナナを食べるタイミング1】朝 バナナには他のフルーツよりも多くの「ブドウ糖」が含まれているので、朝食バナナは、睡眠中に失われた栄養素を補給して、1日を元気に過ごすための原動力になります。そのため1日を元気に過ごしたい人には、朝食バナナをおすすめします。 【バナナを食べるタイミング2】昼 バナナにはブドウ糖以外にも、「果糖」や「ショ糖」が含まれています。糖分と聞くと避けたくなってしまいますが、疲れにくい体づくりに糖分は欠かせません。果糖は血糖を上げにくく緩やかに体内に吸収される性質があるので、昼に食べれば、午後の活動に向けてのよいエネルギーチャージとなります。 【バナナを食べるタイミング3】夜 夜バナナは、睡眠の質を上げる効果が期待でき、美肌や筋肉・骨づくりに役立ちます。なぜならバナナには、睡眠を促す「セロトニン」、セロトニンを作る「トリプトファン」、セロトニン生成を助ける「ビタミンB6」が含まれているからです。質のよい睡眠は疲労回復だけでなく、成長ホルモンの分泌を促し、美肌や筋肉、骨づくりにも役立ちますので、夜バナナにはメリットがあると言えます。ただしバナナに含まれる果糖は、夜食べると中性脂肪に変わりやすい傾向があるので、摂取量を調節してください。   まとめ 糖尿病になっても、初期段階では自覚症状がありません。そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2023.02.22

循環器内科

高血圧や糖尿病に効果的なDASH食について解説

循環器内科に関する記事です。
現在、日本人の「3分の2」の方が生活習慣病で亡くなっていると言われております。生活習慣病は、生活習慣が原因で起こる疾患の総称。以前は「成人病」という名称で呼ばれており、加齢とともに発症・進行するものとされていました。しかし実際には、運動不足や不規則な生活など、子供のころからの生活習慣が原因で発症することが判明しました。そのため、生活習慣病を予防するには日頃から食生活に気を配り、適度に運動することが何より大切だと言えるでしょう。 この記事では近年、生活習慣病の食事療法として注目されている「DASH食」について解説していきたいと思います。生活習慣病にお心当たりのある方は、ぜひ最後までご覧ください。 【目次】 高血圧や糖尿病に効果的なDASH食とは何か 高血圧や糖尿病に効果的なDASH食の特徴につきまして DASH食が高血圧や糖尿病に与える効果 <DASH食が高血圧に与える効果> <DASH食が糖尿病に与える効果> 高血圧や糖尿病に効果的なDASH食のやり方につきまして 高血圧や糖尿病に効果的なDASH食のポイントとなる栄養素 【DASH食のポイントとなる栄養素1】カリウム <カリウムが多く含まれている食品> 【DASH食のポイントとなる栄養素2】タンパク質 <タンパク質が多く含まれている食品> 【DASH食のポイントとなる栄養素3】食物繊維 <食物繊維が多く含まれている食品> 【DASH食のポイントとなる栄養素4】カルシウム <カルシウムが多く含まれている食品> 【DASH食のポイントとなる栄養素5】マグネシウム <マグネシウムが多く含まれている食品> 高血圧や糖尿病に効果的なDASH食についてのまとめ     高血圧や糖尿病に効果的なDASH食とは何か DASH食とは「Dietary Approaches to Stop Hypertension」の略語で、高血圧を防ぐ食事法という意味になります。DASH食は心筋梗塞や心疾患で亡くなる人が多いアメリカで調査・研究された食事法。高血圧の改善に高い効果があると認められています。アメリカと日本では体質や食文化の違いはありますが、血圧によい食事には共通した面が数多くあります。ですから、DASH食は日本人に対しても効果があると認められております。     高血圧や糖尿病に効果的なDASH食の特徴につきまして DASH食の特徴は、食品の組み合わせを改善することで、血圧をコントロールできること。簡単に言いますと「今より体にいい食品を増やし、よくない食品を減らす」というのが、DASH食の実践方法になります。一般的に高血圧や糖尿病の患者様には、食事療法として食塩制限が勧められます。しかし、減塩すると薄味になり、味にメリハリがなくなります。そのため、患者様の多くは食事を楽しめなくなり継続することができません。ですから、ストレスが溜まる減塩ではなく、DASH食によって健康的に治療に励むことを推奨しております。(もちろんDASH食と減塩を組み合わせると、さらに効果が高まります)     DASH食が高血圧や糖尿病に与える効果     <DASH食が高血圧に与える効果> DASH食は高血圧に高い効果があると認められている食事療法。日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン」にも掲載され、降圧のための食事療法の1つとして臨床の現場でも利用されています。ですので、高血圧と診断された方はDASH食を実践し、高血圧の改善・予防に努めるとよいでしょう。尚、高血圧についてお困りの方は「こちらの記事」で詳しい内容をご紹介しておりますので、ご覧ください。       <DASH食が糖尿病に与える効果> DASH食は高血圧症だけでなく、糖尿病、高尿酸血症(痛風)の人にも有効な食事療法です。しかし、腎機能に障害がある糖尿病の人や合併症がある人には、この食事療法はあてはまりません。なぜなら、腎臓に疾患がある人がカリウムを摂り過ぎたり、また糖尿病の人が果物を多量に摂取するとカロリーオーバーになってしまうからです。糖尿病や合併症がある方がDASH食を実践する際は必ず医師と相談しましょう。尚、糖尿病については「こちらの記事」で詳しい内容をご紹介しております。     高血圧や糖尿病に効果的なDASH食のやり方につきまして DASH食は上述した通り「今より体にいい食品を増やし、よくない食品を減らす」というのが実践方法になります。DASH食で増やす栄養素は、主にカリウム、食物繊維、タンパク質、カルシウム、マグネシウム。一方、減らす栄養素は、コレステロールと飽和脂肪酸です。DASH食は、食品の組み合わせを改善する「シンプルな方法」のため、無理なく継続することができます。しかし、体によくない食品をただ減らしていくだけではストレスが多く、長く続けることは困難。ですから、DASH食を実践する際は「体によくない食品を減らす分、いい食品を増やす」という意識を強く持ち、無理のない範囲で取り組みましょう。     高血圧や糖尿病に効果的なDASH食のポイントとなる栄養素と食品 ここからはDASH食のポイントとなる栄養素と食品を順番にご紹介していきます。     【DASH食のポイントとなる栄養素1】カリウム カリウムは人の体に必要なミネラルの一種。体内では細胞内に多く含まれ、細胞外液に多いナトリウムとのバランスをとりながら、細胞の正常な働きをサポートします。体の中にナトリウムが増えると、カリウムが尿への排泄を促すよう働き、血圧を低下させます。ですので、カリウムは塩分の摂り過ぎを調節する上でとても重要だと言えるでしょう。   <カリウムが多く含まれている食品> 野菜(切り干し大根、ドライトマト、アボカド、ほうれん草、人参)  果物(ドライバナナ、ドライマンゴー、干し柿、バナナ、メロン、キウイ、さくらんぼ) 海藻類(刻み昆布、干しひじき、真昆布、乾燥わかめ、あおさ、焼きのり) きのこ類(エリンギ、松茸、ぶなしめじ、えのきだけ、まいたけ) いも類(長芋、里芋、さつまいも、じゃがいも) (※カリウムは水に溶ける性質があります。ですから、食材を水にさらしたり、茹でたりすると摂取量が減少します。カリウムを多く含む食材を調理する際はレンジで加熱したり、蒸したりして効率的にカリウムを摂取しましょう)   【DASH食のポイントとなる栄養素2】タンパク質 タンパク質はアミノ酸が多数結合した高分子化合物で、筋肉や臓器など体を構成する要素として非常に大切な栄養素です。タンパク質が不足すると血管の弾力性が失われて脆くなり、糖尿病、高血圧、高脂血症の人では脳血管障害を起こすリスクが高まります。生活習慣病になると、肉を食べてはいけないと勘違いしている人もいますが、たんぱく源である肉も適量に食べましょう。尚、お肉は脂肪の少ない部位を選んでくださいね。   <タンパク質が多く含まれている食品> 肉類(鶏ささみ、牛もも肉、生ハム、ローストビーフ)「牛肉や豚肉では赤身が良い」  魚介類(鮭、ぶり、まあじ、イワシ丸干し、いくら、焼きたらこ) 卵類(卵黄、ゆで卵、うずら卵生、生卵、ピータン) 大豆製品(豆腐、納豆、厚揚げ、豆乳、きな粉、がんもどき) 乳製品(牛乳、パルメザンチーズ、プロセスチーズ、カマンベールチーズ、ヨーグルト)     【DASH食のポイントとなる栄養素3】食物繊維 食物繊維とは人の消化酵素では消化することができない成分。昔は体に必要なものだと思われていませんでしたが、今では「第六の栄養素」として重要視されております。食物繊維は、水に溶けない「不溶性食物繊維」と水に溶ける「水溶性食物繊維」の2種類があり、これらをまとめて食物繊維と呼んでおります。   <食物繊維が多く含まれている食品> 野菜(ごぼう、ふき、セロリ、アスパラガス、キャベツ、白菜、ほうれん草、れんこん) 果物(みかん、グレープフルーツ、りんご、バナナ、なし、干し柿、干しいちじく) 海藻(乾燥ひじき、焼きのり、わかめ、昆布) きのこ類(きくらげ、干ししいたけ、しいたけ、なめこ、本しめじ) 大豆製品(あずき、納豆、きな粉、絹ごし豆腐、木綿豆腐) 穀類(ライ麦パン、葡萄パン、そば、うどん)     【DASH食のポイントとなる栄養素4】カルシウム カルシウムは人体に最も多く含まれるミネラル。骨や歯を形成しております。大人の場合、約1kgのカルシウムが存在するといわれ、そのうちの99%はリン酸と結合した「リン酸カルシウム」として骨や歯などの硬組織に存在。残りの1%は血液、筋肉、神経などの軟組織にイオンや種々の塩として存在しております。   <カルシウムが多く含まれている食品> 乳製品(牛乳、スキムミルク、ゴーダチーズ、プロセスチーズ、ヨーグルト) 魚介類(わかさぎ、干しエビ、あゆ、ししゃも、いわし、うなぎ、さば)  大豆製品(豆腐、納豆、厚揚げ、がんもどき) 野菜類(小松菜、モロヘイヤ、菜の花、チンゲンサイ、大根の葉、干し大根、水菜) 海藻(ひじき、わかめ)   【DASH食のポイントとなる栄養素5】マグネシウム マグネシウムは私たちの体に必要なミネラルで、主に骨や歯を作るのに役立つ栄養素です。成人では体内に20~28gほど存在し、その約6割は「リン酸マグネシウム」や「炭酸水素マグネシウム」として骨や歯に含まれ、残りは筋肉や脳・神経に存在しています。マグネシウムは300種類以上の酵素を活性化する働きがあり、筋肉の収縮や神経情報の伝達、体温・血圧の調整にも役立っています。   <マグネシウムが多く含まれている食品> 野菜(かぼちゃ、ごぼう、モロヘイヤ) 魚介類(干しエビ、しらす、あさり、はまぐり、金目鯛、さば)  果物(バナナ、ドリアン、パパイヤ、キンカン、ラズベリー) 海藻(乾燥ひじき、わかめ、てんぐさ、昆布、あおさ、青のり) きのこ類(きくらげ、干ししいたけ、しいたけ、なめこ、本しめじ) 大豆製品(納豆、油揚げ、きな粉、絹ごし豆腐、木綿豆腐、がんもどき) 穀類(ライ麦パン、葡萄パン、そば、マカロニ) ナッツ類(アーモンド、カシューナッツ)     高血圧や糖尿病に効果的なDASH食についてのまとめ これまでにお伝えした通り、DASH食は生活習慣病の食事療法として非常に高い効果があります。生活習慣病は一見すると軽い症状に思えます。しかし、放置してしまうと動脈硬化症が進行。その結果、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こし、生命を脅かす可能性があります。ですから、生活習慣が乱れている方は「DASH食」を実践し、バランスの良い食生活を心がけましょう。  

2021.11.09