千葉県千葉市の都賀駅周辺の内科
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当院で対応可能な場合は診察を行い、必要な場合は専門の病院にご紹介いたします。
その他注意点など
どの科を受診したらわからない場合やどこの病院に診てもらえばいいかわからない場合もご相談ください。
他の専門医に紹介が必要な場合は適切な科に紹介し、当科で診断できる場合はそのように致します。
板谷内科クリニックで行なっている検査
血液検査
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検査内容
血液の細胞状態や脂肪分、その他様々な成分を調べることで臓器や身体に異常がないかを確かめます。
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検査をお勧めする方
息切れがする、めまい、発熱、喉の痛み、コレステロール値が高いなどの症状がある方
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検査時間
検査から結果が出るまではおよそ30分ほどかかります
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検査前の注意
可能な限り検査の12時間前から食事をお控えください
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検査によってわかる病気
- 貧血
- 肝炎
- 高コレステロール血症
- 腎不全など
レントゲン(X線)検査
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検査内容
血液の細胞状態や脂肪分、その他様々な成分を調べることで臓器や身体に異常がないかを確かめます。
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検査内容
心臓や血管の形・状態などをレントゲンを使って映し出して調べる検査です。
心臓や肺の動静脈の状態、骨密度など色々なことがわかります。 -
検査をお勧めする方
呼吸が苦しい、息切れがする、咳が出る、お腹が張っている、便秘などの症状がある方
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検査時間
およそ10分ほど
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検査前の注意
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- 妊娠またはその可能性がある方は事前にお知らせください
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検査によってわかる病気
- 気管支炎
- 肺炎
- 肺がん
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- 便秘症
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内科関連ブログ記事
夜間高血圧とは?症状や原因、睡眠中の血圧上昇リスクと対策を解説
内科に関する記事です。
この記事では、「夜間高血圧」について解説します。後半部分では、「夜間高血圧が引き起こす深刻な合併症リスク」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
夜間高血圧とは
夜間高血圧の種類
夜間高血圧の症状とセルフチェック方法
夜間高血圧が起こる原因
夜間高血圧が引き起こす深刻な合併症リスク
夜間高血圧の治療法|薬物療法の選択
夜間高血圧を改善する生活習慣と予防対策
まとめ
夜間高血圧とは
通常、血圧は夜間に低下するのが正常な生理的反応ですが、夜間に血圧が十分に下がらない、または上昇する状態を「夜間高血圧」と呼びます。この病態は心血管疾患のリスクを大幅に増加させるため、早期発見と適切な管理が重要です。ここでは、「夜間高血圧の定義」「診断基準」「血圧変動パターン」について解説します。
夜間血圧
夜間高血圧とは、睡眠中の血圧が正常範囲を超えて高値を示す病態です。健康な人では、夜間睡眠中に血圧は日中より10-20%低下するのが正常な生理的反応とされています。しかし、夜間高血圧の患者では、この正常な血圧低下が起こらず、むしろ夜間に血圧が上昇することもあります。また、この病態は単独で存在することもあれば、日中の高血圧と併存することもあります。なお、特に注意すべき点は、日中の血圧が正常でも夜間高血圧が存在する場合があることです。夜間高血圧は心筋梗塞、脳卒中、心不全などの重篤な心血管疾患のリスクを著しく増加させるため、24時間血圧測定による早期発見が極めて重要とされています。
夜間血圧120/70mmHg以上という診断基準について
夜間高血圧の診断基準は、夜間睡眠中の平均血圧が収縮期血圧120mmHg以上、または拡張期血圧70mmHg以上とされています。この基準は24時間自由行動下血圧測定により評価され、通常は2-3日間の測定データに基づいて診断されます。なお、診断に際しては睡眠時間の正確な把握が重要であるため、患者には睡眠日記の記録を依頼し、実際の就寝時刻および起床時刻を確認します。そして、測定された血圧データから睡眠中の時間帯における平均血圧を算出し、上述の基準と照合して診断を行います。なお、測定期間中の生活習慣や服薬状況も評価に影響するため、詳細な問診と併せて総合的に判断することが必要です。
夜間血圧の種類
24時間血圧測定により判明した血圧の日内変動パターンは、夜間の「血圧低下率」に基づいて3つの型に分類されます。これらの分類は単なる医学的指標ではなく、心血管疾患のリスク評価や治療方針の決定において極めて重要な意味を持ちます。ここでは、「各パターンの特徴」について解説します。
Dipper型
Dipper型は最も理想的な血圧変動パターンで、夜間睡眠中の血圧が日中の血圧と比較して10%以上低下する状態を指します。この正常な血圧変動は、自律神経系の健全な機能を反映しており、交感神経活動の低下と副交感神経活動の優位により実現されます。なお、健康な成人では、体内時計の働きにより夜間に血圧が自然に低下し、心血管系への負担が軽減されます。この生理的な血圧低下により、心臓は夜間に十分な休息を得ることができ、血管壁への持続的な圧力負荷も軽減されます。そのため、Dipper型の血圧変動を示す人は、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患の発症リスクが最も低いとされています。また、左心室肥大や動脈硬化の進行も抑制される傾向にあり、長期的な心血管予後が良好であることが多くの研究により確認されています。
Non-dipper型
Non-dipper型は夜間睡眠中の血圧低下が10%未満にとどまる病的な血圧変動パターンです。本来であれば夜間に低下すべき血圧が十分に下がらないため、心血管系への負担が持続し、様々な合併症のリスクが増加します。この異常な血圧変動の背景には、自律神経系の調節機能障害、レニン・アンジオテンシン系の異常活性化、血管内皮機能の低下などが関与しています。また、糖尿病、慢性腎疾患、睡眠時無呼吸症候群、起立性低血圧といった基礎疾患を有する患者に頻繁に認められます。なお、Non-dipper型では、夜間の血圧負荷により左心室肥大が進行しやすく、微小循環障害による臓器障害のリスクも高まります。特に腎機能の悪化や網膜症の進行が問題となることが多く、積極的な治療介入が必要とされる病態です。
Riser型
Riser型は最も重篤な血圧変動パターンで、夜間睡眠中の血圧が日中よりも上昇する異常な状態です。正常な生理的変動とは完全に逆のパターンを示し、夜間高血圧の中でも特に予後が不良とされています。このパターンでは、本来休息すべき夜間に心血管系への負荷が最大となるため、心筋への酸素需要と供給のバランスが崩れやすく、夜間から早朝にかけての心血管イベントの発症リスクが著しく高くなります。また、高齢者、末期腎不全患者、重篤な自律神経障害を有する患者に多く見られ、しばしば難治性高血圧を伴います。なお、Riser型では左心室肥大の進行が最も速く、心不全の発症リスクも高いため、緊急性の高い治療対象となります。さらに、夜間の過度な血圧上昇により脳血管への負担も極めて大きく、脳出血や脳梗塞のリスクが飛躍的に増加するため、厳格な血圧管理が不可欠です。
血圧の日内変動パターンの分類は、単なる医学的指標を超えて、患者の心血管リスクを層別化する重要な評価ツールです。Dipper型が理想的である一方、Non-dipper型やRiser型では段階的にリスクが増加するため、より積極的な治療戦略が求められます。
夜間高血圧の症状とセルフチェック方法
夜間高血圧は「サイレントキラー」と呼ばれるように、初期段階では明確な症状が現れにくい疾患です。しかし、日常生活の中で見逃しがちな微細な変化に注意を払うことで、早期発見の手がかりを得ることができます。ここでは、夜間高血圧の「特徴的な症状」と「セルフチェック方法」について解説します。
見逃しやすい初期症状のサイン
夜間高血圧の初期症状は非特異的で、日常的な不調として見過ごされがちです。最も頻繁に認められる症状は夜間频尿で、通常一晩に2回以上の排尿が続く場合は注意が必要です。これは夜間の血圧上昇により腎血流が増加し、尿産生が促進されるためです。また、早朝の頭痛も重要な症状の一つであり、特に後頭部から首筋にかけての重い痛みが特徴的です。これらの頭痛は、起床後30分から1時間程度で自然に軽快することが多く、単なる寝不足や肩こりと誤解されやすい点が問題となります。さらに、起床時のめまいやふらつき、動悸なども夜間の血圧変動に起因する症状として注意が必要です。なお、更年期症状との鑑別においては、夜間高血圧による症状は時間的なパターンが一定であることが重要な特徴です。更年期障害によるホットフラッシュや動悸は不規則に出現しますが、夜間高血圧に伴う症状は就寝中から早朝にかけて規則的に現れる傾向があります。また、加齢による不調との違いとしては、夜間高血圧では症状が徐々に悪化し、重篤化することで日常生活への影響が増大していく点が挙げられます。
自宅でできる血圧測定のポイント
家庭での夜間血圧測定は、医療機関での24時間血圧測定に代わる重要な評価方法の一つです。測定には上腕式の家庭用血圧計を使用し、手首式の使用は避けることが推奨されます。就寝前の測定は、布団に入る直前ではなく、就寝30分前に行うのが理想的です。測定時の姿勢は座位とし、背もたれのある椅子に深く腰掛け、足裏を床にしっかりとつけるようにします。また、カフは心臓の高さに合わせて上腕に適切に巻きつけることが重要です。さらに、測定前には5分間の安静を保ち、カフェインやアルコールの摂取、入浴は避ける必要があります。なお、早朝の測定は、起床後1時間以内に排尿を済ませたうえで、朝食や服薬の前に実施してください。測定は1回の機会につき2回行い、その平均値を記録します。加えて、測定値だけでなく、睡眠時間、就寝時刻、起床時刻、服薬状況、体調の変化なども併せて記録することで、より正確な評価が可能となります。継続的な測定を行うことで、個人の血圧変動パターンを把握でき、医師との相談時における重要な資料となります。
睡眠を妨げずに血圧をモニタリングするコツと注意点
睡眠中の血圧変動を正確に把握するためには、睡眠の質を維持しながらモニタリングを行うことが重要です。自動血圧計を使用する場合には、測定間隔を2-3時間に設定し、深い睡眠段階での測定を避けるよう配慮します。また、カフの締め付けによる不快感を軽減するためには、適切なサイズの選定と正しい装着方法の習得が必要です。さらに、良好な睡眠環境の整備も重要であるため、室温は18〜22度に保ち、遮光カーテンを使用して外光を遮断してください。加えて、測定音を最小限に抑えるために静音性の高い血圧計を選び、同居するパートナーへの配慮も忘れずに行ってください。なお、注意点として、睡眠時無呼吸症候群や不眠症などの睡眠障害を併存している場合には、それらの治療も並行して行う必要があります。また、夜勤や交代勤務により生活リズムが不規則な場合には、個別の睡眠パターンに応じた測定スケジュールへの調整が求められます。連続して異常値が記録された場合には、速やかに医療機関を受診し、専門的な評価を受けることが重要です。
夜間高血圧が起こる原因
夜間高血圧の発症には複数の要因が複雑に絡み合っています。ここでは、「夜間高血圧を引き起こす様々な要因」について解説します。
夜間高血圧が起こる原因
夜間高血圧の根本的な原因は、正常な血圧の日内変動リズムの破綻にあります。健康な状態では、体内時計の働きにより夜間に交感神経活動が低下し、副交感神経が優位になることで血圧が自然に低下します。しかし、この精密な調節機構が様々な要因により障害されると、夜間の血圧低下が不十分となったり、逆に上昇したりする異常な状態が生じます。具体的には、血圧調節には中枢神経系、自律神経系、内分泌系、腎臓機能が密接に関与しており、これらのいずれかに異常が生じると夜間高血圧が発症します。特に重要なのは、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の異常活性化、バソプレシンの分泌異常、ナトリウム利尿ペプチドの機能低下などの内分泌学的変化です。また、血管内皮機能の低下により一酸化窒素の産生が減少し、血管拡張能が障害されることも重要な病態生理学的機序です。これらの複合的な異常により、本来であれば夜間に低下すべき血管抵抗が維持され、結果として夜間高血圧が生じることになります。
睡眠時無呼吸症候群や自律神経の働きが夜間血圧に与える影響
睡眠時無呼吸症候群は、夜間高血圧の最も重要な原因の一つです。無呼吸発作によって血中酸素濃度が低下すると、交感神経系が強く刺激され、血管収縮と心拍数の増加が引き起こされます。この反応は無呼吸の終了後も持続するため、睡眠中を通じて血圧が高値を維持することになります。また、無呼吸による間欠的な低酸素血症は化学受容体を刺激し、呼吸中枢および血管運動中枢の両方を活性化させます。さらに、睡眠の分断によって深い睡眠段階が得られず、本来夜間に低下すべき交感神経活動が十分に抑制されません。その結果、無呼吸に伴う胸腔内圧の急激な変化が静脈還流量と心拍出量を変動させ、血圧の不安定性を助長することになります。なお、自律神経機能障害も重要な要因で、糖尿病性神経障害や加齢による自律神経系の変化により、正常な血圧調節が困難となります。特に圧受容体反射の感受性低下は、血圧変動に対する代償機構を減弱させ、夜間の血圧コントロールを困難にします。
糖尿病・慢性腎臓病・心不全などの基礎疾患との関連性
糖尿病は複数のメカニズムを通じて夜間高血圧を引き起こします。以下に各疾患の特徴を示します。
<糖尿病性腎症>
糖尿病性腎症では、腎臓の糸球体や尿細管の障害により腎機能が低下し、体液やナトリウムの排泄が不十分になります。その結果、体内に体液が貯留し循環血液量が増加して血圧が上昇します。また、腎臓の障害に伴いレニン・アンジオテンシン系が活性化されることで血管収縮が促進され、これが夜間の血圧低下を阻害する一因となります。さらに、糖尿病性腎症に伴う炎症や酸化ストレスが血管内皮機能を悪化させ、血管の柔軟性低下も夜間高血圧の進展に寄与します。
<糖尿病性自律神経障害>
糖尿病に起因する自律神経障害は、血圧調節に関わる交感神経および副交感神経のバランスを崩します。これにより、夜間に通常認められる血圧の低下(夜間降圧)が障害され、持続的に高血圧が維持されやすくなります。加えて、インスリン抵抗性や高血糖による交感神経系の過剰活性化が進み、心拍数の増加や血管収縮を引き起こします。また、糖化最終産物(AGEs)が血管内皮細胞に蓄積することで内皮機能が低下し、血管の弾力性が損なわれることも夜間高血圧の悪化に繋がります。
<慢性腎臓病>
慢性腎臓病では、腎機能低下により体液およびナトリウムの排泄が障害されるため、循環血液量が増加し血管内皮機能が低下します。さらに、レニン・アンジオテンシン系の異常活性化により血管収縮が持続し、正常な夜間血圧低下が阻害されます。加えて、腎性貧血に伴う代償的な心拍出量の増加も血圧上昇に寄与します。
<心不全>
心不全患者では、心機能低下に対する代償機構として交感神経系およびレニン・アンジオテンシン系が持続的に活性化されます。これらの神経体液性因子の活性化は夜間も継続するため、正常な血圧低下が得られません。さらに、心房性ナトリウム利尿ペプチドの分泌低下によって体液貯留が助長され、夜間高血圧が悪化する悪循環が形成されます。
糖尿病、慢性腎臓病、心不全はいずれも体液貯留や交感神経系の活性化、血管内皮機能の低下など多様なメカニズムを通じて夜間高血圧の発症に深く関与しています。これらの基礎疾患を適切に管理することが、夜間高血圧の予防・治療において重要となります。
塩分摂取・ストレス・肥満などの生活習慣要因が血圧変動に与える影響
過剰な塩分摂取、慢性的なストレス、肥満は、夜間高血圧を促進する代表的な生活習慣要因です。以下に、それぞれの影響について説明します。
<塩分摂取>
過剰な塩分摂取は夜間高血圧の重要な修正可能危険因子です。ナトリウムの過剰摂取により体液量が増加し、特に夜間の臥位により静脈還流量が増えることで血圧が上昇します。加えて、塩分感受性の高い個体ではナトリウム排泄能力が低下しており、夜間の血圧低下が障害されやすくなります。さらに、高塩分食品は交感神経系を刺激し、血管収縮を促進する作用もあるため、血圧の変動に悪影響を及ぼします。
<ストレス>
慢性的なストレスは視床下部・下垂体・副腎系を活性化し、コルチゾールの分泌増加をもたらすことで血圧を上昇させます。また、ストレスによる交感神経系の持続的刺激は夜間も血管収縮状態を維持し、正常な夜間血圧低下を妨げます。加えて、心理社会的ストレスは睡眠の質を低下させるため、これらが複合的に夜間血圧に悪影響を与えることが知られています。
<肥満>
肥満、特に内臓脂肪型肥満はアディポサイトカインの分泌異常を引き起こし、慢性炎症状態を惹起して血管内皮機能を障害します。さらに、肥満に伴うインスリン抵抗性は交感神経系の活性化およびレニン・アンジオテンシン系の機能亢進を促進します。加えて、肥満は睡眠時無呼吸症候群のリスクを高めるため、間接的に夜間高血圧の発症にも寄与します。
塩分摂取、ストレス、肥満はいずれも異なるメカニズムで夜間高血圧に影響を及ぼしますが、共通して血管収縮の促進や血管内皮機能障害、交感神経系の過剰活性化を通じて血圧変動を悪化させます。これらの生活習慣要因を適切に管理・改善することが、夜間高血圧の予防と治療において非常に重要です。
夜間高血圧が引き起こす深刻な合併症リスク
夜間高血圧は日中高血圧よりも重篤な合併症リスクを有し、特に心血管系への影響が深刻です。心臓への影響では、夜間の持続的な血圧負荷により左心室肥大が急速に進行し、拡張機能障害から心不全へと進展するリスクが高まります。また、夜間から早朝にかけての血圧上昇は冠動脈への負荷を増大させ、心筋梗塞や不安定狭心症の発症リスクを著しく増加させます。さらに、腎臓への影響も重要です。具体的には、夜間の高血圧により糸球体への持続的な圧力負荷がかかり、腎硬化症の進行が加速されます。これにより慢性腎臓病が悪化し、最終的には透析導入が必要となる場合もあります。なお、血管系では、夜間の血圧上昇により血管内皮機能が低下し、動脈硬化の進行が促進されます。特に脳血管では、夜間から早朝の血圧サージにより脳出血や脳梗塞のリスクが飛躍的に増加します。仮面高血圧としての夜間高血圧は、診察室血圧が正常であるため見逃されやすく、患者も医師も高血圧の存在に気づかないまま合併症が進行する危険性があります。この状態では、定期的な血圧測定でも異常が発見されず、心血管疾患の発症により初めて夜間高血圧の存在が判明することが少なくありません。そのため24時間血圧測定による早期発見と積極的な治療介入が、将来的な重篤な合併症の予防において極めて重要となります。
夜間高血圧の治療法|薬物療法の選択
夜間高血圧の薬物療法は、日中高血圧とは異なる治療戦略が必要です。ここでは、「夜間高血圧に対する効果的な薬物療法」について解説します。
ARB・CCB・利尿薬など主要な降圧薬の特徴と使い分け
高血圧治療では、患者の状態や合併症に応じて適切な薬剤を選択することが重要です。ここでは、ARB・CCB・利尿薬など主要な降圧薬の特徴と使い分けについて、分かりやすく解説します。
<ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)>
ARBは夜間高血圧の第一選択薬として位置づけられます。レニン・アンジオテンシン系を阻害することで血管拡張作用を発揮し、特に夜間の血圧コントロールに優れた効果を示します。半減期の長い薬剤が多く、24時間にわたる安定した降圧効果が期待できます。また、心保護作用や腎保護作用も有するため、合併症予防の観点からも有用です。
<ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)>
ACE阻害薬は夜間高血圧に対して優れた効果を示します。レニン・アンジオテンシン系を阻害することで血管拡張作用と利尿作用を発揮し、特に就寝前投与により夜間血圧を効果的に低下させます。エナラプリル、リシノプリル、ペリンドプリルなどが代表的で、心血管保護効果も期待できます。なお、ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)と比較して空咳の副作用があるものの、夜間血圧パターンの正常化に有効です。また、腎保護作用も強く、糖尿病性腎症合併例では特に推奨されます。投与は就寝前が基本で、夜間の過度な血圧低下に注意が必要です。
<ARNI(アーニー、エンレスト)>
ARNI(アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬)は、ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)とネプリライシン阻害薬を組み合わせた新しいクラスの降圧薬であり、代表的な製剤としてサクビトリル・バルサルタン(エンレスト)があります。従来のARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)の効果に加えて、ネプリライシンの阻害により利尿ペプチド系を活性化し、血管拡張、利尿、抗線維化作用を発揮します。糖尿病性腎症患者においては、ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)と比較してより強力な腎保護効果が期待されており、特に心不全を合併する患者では第一選択薬として推奨されています。また、蛋白尿の減少効果がARB単独より優れており、eGFRの低下抑制にも有効性が示されています。ただし、血管浮腫のリスクがARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)より高く、特にACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)で血管浮腫の既往がある患者では禁忌となります。また、妊娠可能な女性では適応を慎重に検討する必要があります。さらに、投与開始時は腎機能と血清カリウム値の慎重なモニタリングが必要で、特に高齢者や腎機能低下患者では低血圧に注意が必要です。
<βブロッカー(β遮断薬)>
βブロッカーは心拍数減少と心収縮力抑制により降圧効果を示し、糖尿病性腎症患者においては特定の病態で有用な選択肢となります。虚血性心疾患や心不全を合併する糖尿病患者では、心保護効果により予後改善が期待できるため積極的な使用が推奨されます。また、頻脈性不整脈や甲状腺機能亢進症を合併する場合にも有効です。糖尿病患者におけるβブロッカーの使用では、血糖値への影響と低血糖症状のマスキング効果に注意が必要です。特に非選択的βブロッカーは血糖上昇作用があるため、β1選択的薬剤(メトプロロール、ビソプロロール、アテノロールなど)の使用が推奨されます。なお、これらの薬剤は心臓への選択性が高く、糖代謝への影響が少ないという特徴があります。慢性閉塞性肺疾患や気管支喘息の患者では呼吸器症状の悪化リスクがあるため、使用前に十分な評価が必要です。また、腎機能低下患者では薬剤の蓄積により過度の徐脈や低血圧のリスクがあるため、腎機能に応じた用量調整と慎重なモニタリングが重要となります。
<CCB(カルシウム拮抗薬)>
CCBは血管平滑筋の収縮を抑制し、強力な血管拡張作用により降圧効果を発揮します。持効性製剤では夜間から早朝にかけての血圧コントロールに優れ、Non-dipper型やRiser型の患者に特に有効です。ただし、末梢血管拡張により反射性頻脈や浮腫などの副作用に注意が必要です。
<利尿薬>
利尿薬は体液量減少により降圧効果を示し、特に塩分感受性高血圧や体液貯留を伴う夜間高血圧に有効です。サイアザイド系やサイアザイド類似利尿薬は心血管イベント抑制効果も証明されており、積極的に使用されます。ただし、電解質異常や腎機能への影響に注意が必要です。
これらの薬剤は単独または組み合わせて使用され、患者の病態や合併症に応じて最適な治療法を選択することが重要です。
服薬タイミングの調整による夜間血圧コントロールの重要性
夜間高血圧の治療において、服薬タイミングの調整は薬剤選択と同等に重要な要素です。従来の朝服薬では夜間の血圧コントロールが不十分な場合があるため、就寝前服薬や分割服薬による時間治療学的アプローチが注目されています。ARBやCCBの就寝前服薬は、夜間から早朝にかけての血圧を効果的に低下させ、Non-dipper型をDipper型に改善する効果が報告されています。特に長時間作用型の薬剤では、就寝前服薬により夜間の血圧低下を促進しながら、早朝の血圧サージも抑制できます。ただし、就寝前服薬では過度の血圧低下による起立性低血圧のリスクがあるため、慎重な血圧モニタリングが必要です。また、利尿薬の就寝前服薬は夜間頻尿を助長する可能性があるため、一般的には推奨されません。個々の患者の血圧変動パターンと生活リズムを考慮し、最適な服薬スケジュールを設定することが治療成功の鍵となります。なお、24時間血圧測定により治療効果を評価し、必要に応じて服薬タイミングの微調整を行うことも重要です。
糖尿病や腎機能低下がある患者の治療における注意点
糖尿病や腎機能低下を伴う患者の夜間高血圧治療には、特有の注意点があります。ここでは、「糖尿病合併患者」「インスリン治療中の患者」「腎機能低下患者」それぞれのポイントを詳しく解説し、安全かつ効果的な治療法を紹介します。
<糖尿病合併患者の血圧管理>
糖尿病を合併する夜間高血圧患者では、血糖コントロールと血圧管理を並行して行うことが不可欠です。特にARBは糖尿病性腎症の進行を抑制する効果があり、第一選択薬として推奨されます。ただし、腎機能や電解質の定期的な監視が必要です。
<インスリン治療中の患者への配慮>
インスリン治療を受けている患者では、夜間低血糖による反跳性高血圧のリスクがあります。そのため、血糖値の変動が夜間血圧に与える影響を考慮した治療計画が重要です。また、糖尿病性自律神経障害を伴う場合は起立性低血圧のリスクも高く、降圧薬の選択や用量調整に慎重さが求められます。
<腎機能低下患者の薬剤管理>
腎機能が低下している患者では、薬剤の腎排泄が障害されるため用量調整が必要です。特にACE阻害薬やARBでは、腎機能悪化や高カリウム血症のリスクがあるため、投与開始後の腎機能と電解質の綿密な監視が欠かせません。利尿薬使用時には脱水や腎前性腎不全のリスクにも注意が必要です。
糖尿病や腎機能低下を伴う患者の治療では、血糖管理と血圧管理を統合し、薬剤の効果と副作用のバランスを慎重に評価することが重要です。個別化した治療戦略を立てることで、長期的な予後改善が期待されます。
夜間高血圧を改善する生活習慣と予防対策
夜間高血圧の改善には薬物療法と併せて、生活習慣の包括的な見直しが不可欠です。ここでは、「具体的で実践可能な改善方法」について解説します。
1日塩分6g未満を目指す減塩の具体的な方法と食事のコツ
減塩は夜間高血圧改善の最も重要な食事療法で、1日塩分摂取量を6g未満に制限することが推奨されています。具体的な実践方法として、まず調味料の使用量を段階的に減らし、代わりに香辛料や酸味を活用して、味の物足りなさを補ってください(レモン汁、酢、わさび、生姜、にんにくなどの天然調味料は塩分を含まず、料理の風味を豊かにします)。食材選択では、加工食品や外食の頻度を減らし、新鮮な食材を使った手作り料理を心がけます。特に注意すべきは隠れた塩分で、パンや麺類、チーズ、ハム、缶詰などの加工食品には予想以上の塩分が含まれています。食品表示を必ず確認し、ナトリウム量を食塩相当量に換算して把握することが重要です。なお、調理方法の工夫として、だしを効かせた薄味の調理や、食材本来の旨味を生かす蒸し料理、グリル料理を積極的に取り入れてください。また、カリウムを多く含む野菜や果物の摂取を増やすことで、ナトリウムの排泄を促進し、血圧降下効果を高めることができます。さらに、外食時は事前にメニューの塩分量を調べ、可能な限り薄味の料理を選択することも大切です。
ストレス軽減法と良質な睡眠のための環境整備について
慢性的なストレスは交感神経系を持続的に刺激し、夜間の血圧低下を妨げる重要な要因です。効果的なストレス軽減法として、深呼吸法や瞑想、プログレッシブ・マッスル・リラクゼーションなどのリラクゼーション技法を日常的に実践してください。特に就寝前の10-15分間のリラクゼーションは、副交感神経の働きを高め、夜間の血圧コントロールに有効です。また、睡眠環境の整備は夜間高血圧改善の重要な要素であるため、室温を18-22度に保ち、湿度は50-60%に調整してください。さらに、遮光カーテンや アイマスクで光を遮断し、耳栓や静音性の高い寝具で騒音を軽減してください。なお、規則正しい睡眠リズムの確立も大切で、毎日同じ時刻に就寝・起床し体内時計を整えます。就寝前のカフェインやアルコール摂取は避け、軽い読書や音楽鑑賞など静かな活動でリラックスしてください。また、睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合は専門医療機関での検査を受け、適切な治療を行うことが夜間血圧の改善に直結します。
血圧改善に効果的な運動の種類と実践方法を具体的に紹介
以下、血圧改善に効果的な運動の種類と実践方法です。
<有酸素運動>
有酸素運動は夜間高血圧改善の基本となる運動療法です。週に3-5回、1回30-45分の中強度の有酸素運動を継続することで、血圧の日内変動が改善されます。具体的には、早歩きでのウォーキング、水中ウォーキング、サイクリング、軽いジョギングなどが推奨されます。運動強度は最大心拍数の50-70%程度に設定し、運動中に軽く息が弾む程度が適切です。
<レジスタンス運動>
週に2-3回の軽度から中等度のレジスタンス運動も血圧改善に有効です。軽いダンベルやゴムバンドを使用した筋力トレーニングを、各筋群に対して8-12回を2-3セット行います。高強度の筋力トレーニングは血圧を急激に上昇させるリスクがあるため避け、呼吸を止めずに行うことが重要です。
<ストレッチング・ヨガ>
柔軟性向上と同時にリラクゼーション効果も期待できるストレッチングやヨガは、夜間高血圧の改善に特に有効です。就寝前の軽いストレッチングは筋肉の緊張をほぐし、副交感神経の働きを高めます。
運動実施時の注意点として、高血圧患者では運動前後の血圧測定が重要です。収縮期血圧が180mmHg以上の場合は運動を控えてください。また、運動により血圧が正常化した場合でも、薬物療法を自己判断で中止せず、必ず医師と相談することが大切です。継続的な運動習慣により、夜間の血圧コントロールが改善し、心血管疾患のリスク軽減が期待できます。
まとめ
夜間高血圧は「サイレントキラー」として知られる疾患で、日中高血圧よりも重篤な心血管疾患のリスクを有しています。そのため、夜間頻尿や早朝の頭痛といった日常的な症状を見逃さず、Non-dipper型やRiser型などの血圧変動パターンを正確に評価することが重要です。また、特に注意すべき点は、日中の血圧が正常でも夜間高血圧が存在する場合があることです。夜間高血圧は心筋梗塞、脳卒中、心不全などの重篤な心血管疾患のリスクを著しく増加させるため、24時間血圧測定による早期発見が極めて重要となります。さらに、糖尿病や慢性腎臓病などの基礎疾患を合併している患者では、定期的な腎機能と電解質の監視が必要です。医療機関では、これらの基礎疾患の早期診断と適切な管理により、夜間高血圧の発症予防と進行抑制を図ることができます。気になる症状がございましたら、速やかに医療機関を受診してください。なお、当院では、患者一人ひとりの状態に合わせた総合的な治療を提供しています。糖尿病の初期段階から進行した症例まで幅広く対応しておりますので、糖尿病の症状に心当たりのある方、もしくは健康診断などで血圧値の異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
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2025.06.25
糖尿病患者の高血圧治療と降圧目標について|ガイドラインに基づく血圧管理方法も解説
内科に関する記事です。
この記事では「糖尿病患者の高血圧治療と降圧目標」について解説します。後半部分では「血圧を下げる生活習慣改善のポイント」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
降圧目標とは
糖尿病患者の高血圧治療が重要な理由
糖尿病患者の降圧目標値について
適切な降圧治療で防げる糖尿病合併症
糖尿病患者の効果的な血圧測定と記録法
糖尿病患者に適した降圧薬の選び方
血圧を下げる生活習慣改善のポイント
まとめ:降圧目標達成で合併症リスクを減らすために
降圧目標とは
降圧目標とは、高血圧患者において心血管疾患や脳血管疾患などの合併症を予防するために設定される、治療によって到達すべき血圧値の指標です。これは単に血圧を下げることを目的とするのではなく、患者の生命予後を改善し、生活の質を向上させることを最終的な目標としています。一般的に収縮期血圧130mmHg未満、拡張期血圧80mmHg未満が基本的な降圧目標として設定されますが、患者の年齢、併存疾患、臓器障害の有無によって個別化が必要です。特に糖尿病患者では、細小血管症や大血管症のリスクが高いため、より厳格な血圧管理が推奨される場合があります。なお、降圧目標の設定には、患者の個別性を十分に考慮することが重要です。高齢者では過度の降圧による臓器血流低下のリスクを、若年者では将来の心血管リスクを総合的に評価し、最適な目標値を決定します。また、患者の生活背景や治療への理解度も考慮し、実現可能で持続可能な目標設定を行うことが治療成功の鍵となります。
糖尿病患者の高血圧治療が重要な理由
糖尿病と高血圧はともに生活習慣病として知られていますが、これらが合併した場合の影響は単純な足し算以上に深刻となります。ここでは、糖尿病患者における「高血圧治療の重要性」について解説いたします。
糖尿病と高血圧の合併による心血管リスク増加のメカニズム
糖尿病患者が高血圧を合併すると、心血管疾患のリスクは相乗的に増加します。高血糖状態では血管内皮細胞の機能が障害され、血管の拡張能力が低下し動脈硬化が促進されます。同時に高血圧による血管壁への持続的な圧力負荷が加わることで、血管壁の肥厚と硬化がさらに加速されます。また、糖尿病では血液粘度の増加や血小板凝集能の亢進により血栓形成傾向が高まっており、高血圧による血流の乱れがこれらの病態を悪化させます。さらに、両疾患は共通して酸化ストレスの増加と慢性炎症を引き起こし、血管内皮の損傷を通じて動脈硬化の進行を著しく加速させるのです。
適切な血圧管理が合併症予防に必要な根拠
大規模臨床試験により、糖尿病患者における厳格な血圧管理の有効性が実証されています。UKPDS試験では、糖尿病患者において収縮期血圧を10mmHg低下させることで、糖尿病関連死亡を15%、心筋梗塞を11%、脳卒中を13%減少させることが示されました。また、HOT試験では拡張期血圧を80mmHg未満に管理することで、心血管イベントが有意に減少することが確認されています。さらに、糖尿病性腎症の進行抑制においても血圧管理は極めて重要で、ACE阻害薬やARBを用いた血圧管理により、微量アルブミン尿の進行や腎機能低下を効果的に抑制できることが多数の研究で証明されています。
両疾患の相互作用と血管への影響
糖尿病と高血圧は相互に病態を悪化させる悪循環を形成します。高血糖は腎臓での糖再吸収を増加させ、体液貯留により血圧上昇を招きます。一方、高血圧は腎血流を減少させ、糖尿病性腎症の進行を加速し、さらなる血圧上昇をもたらします。なお、血管レベルでは、糖化最終産物の蓄積が血管壁の弾性を低下させ、高血圧による圧負荷と相まって血管硬化を促進します。また、両疾患はレニン・アンジオテンシン系の活性化を通じて、血管収縮と組織のリモデリングを引き起こし、臓器障害を進行させます。この複雑な病態連鎖を断ち切るためには、血糖管理と並行した積極的な血圧管理が不可欠なのです。
糖尿病患者の降圧目標値について
糖尿病患者における適切な血圧管理は、心血管疾患や腎症などの合併症予防において極めて重要な位置を占めています。ここでは、日本高血圧学会のガイドラインに基づく糖尿病患者の「具体的な降圧目標値」について解説いたします。
日本高血圧学会ガイドライン(JSH2019)の推奨目標値
JSH2019では、糖尿病患者の降圧目標として診察室血圧130/80mmHg未満、家庭血圧125/75mmHg未満を推奨しています。この目標設定は、糖尿病患者が非糖尿病患者と比較して心血管疾患リスクが2倍から4倍高いという疫学的事実に基づいています。従来の140/90mmHg未満という一般的な高血圧患者の目標値よりも厳格な設定となっており、これは糖尿病という疾患の特殊性を考慮した結果です。ただし、75歳以上の高齢糖尿病患者については、過度の降圧による臓器血流低下のリスクを考慮し、140/90mmHg未満という緩和された目標値が設定されています。また、蛋白尿を伴う糖尿病性腎症患者では、腎保護の観点からより厳格な管理が推奨される場合があります。
診察室血圧130/80mmHg未満の設定根拠と臨床データ
この厳格な降圧目標の設定根拠は、複数の大規模臨床試験によって支持されています。ACCORD-BP試験では、2型糖尿病患者において収縮期血圧を120mmHg未満に管理した群で、標準治療群(140mmHg未満)と比較して非致死性脳卒中が41%減少することが示されました。また、HOT試験の糖尿病患者サブグループ解析では、拡張期血圧を80mmHg未満に管理することで心血管イベントが51%減少し、特に心筋梗塞のリスクが大幅に低下することが確認されています。さらに、ADVANCE試験では、ペリンドプリル・インダパミド配合剤による積極的降圧により、大血管症および細小血管症の両方で有意な改善が認められ、130/80mmHg未満という目標値の妥当性が実証されています。
家庭血圧125/75mmHg未満を目指す重要性
家庭血圧測定は診察室血圧よりも日常の血圧変動をより正確に反映し、心血管予後との相関も強いことが知られています。糖尿病患者では自律神経障害により血圧変動が大きくなりやすく、診察室では正常でも家庭血圧が高値を示す仮面高血圧の頻度が高いことが報告されています。なお、J-HOP研究では、家庭血圧が診察室血圧よりも心血管イベント予測において優れていることが示されており、特に糖尿病患者では家庭血圧125/75mmHg未満を維持することで、腎機能悪化の抑制効果が期待できます。また、患者自身による血圧モニタリングは治療への参加意識を高め、服薬アドヒアランスの向上にもつながるため、血圧管理における重要なツールとして位置づけられています。
適切な降圧治療で防げる糖尿病合併症
糖尿病患者において適切な血圧管理は、様々な合併症の発症・進行を効果的に防ぐ重要な治療戦略です。血糖管理と並行した積極的な降圧治療により、腎症、網膜症、心血管疾患などの深刻な合併症を予防できることが多くの臨床研究で実証されています。ここでは、降圧治療による「合併症予防効果」について解説いたします。
腎症進行抑制と血圧コントロールの関係
糖尿病性腎症は糖尿病の最も重篤な合併症の一つであり、適切な血圧管理はその進行抑制において決定的な役割を果たします。腎臓では糸球体内圧の上昇が腎機能悪化の主要因となりますが、血圧コントロールにより糸球体内圧を低下させることで腎保護効果が得られます。RENAAL試験では、ARBによる治療で血圧を平均144/82mmHgから140/78mmHgに低下させることで、腎症進行リスクが25%減少し、透析導入リスクが28%低下することが示されました。また、IDNT試験では、糖尿病性腎症患者においてイルベサルタンによる治療により、血清クレアチニン倍増リスクが33%、末期腎不全リスクが23%減少することが確認されています。特にACE阻害薬やARBは、降圧効果に加えて腎保護作用を有しており、微量アルブミン尿段階からの早期介入が重要とされています。
糖尿病網膜症リスク低減のための血圧管理
糖尿病網膜症は糖尿病患者の失明原因として最も頻度が高く、血圧管理による予防効果が期待される合併症です。網膜血管は細小血管であり、高血圧による血管壁への圧負荷が直接的に血管内皮障害を引き起こし、血管透過性の亢進や新生血管の形成を促進します。UKPDS試験では、厳格な血圧管理(平均144/82mmHg対154/87mmHg)により、網膜症の進行が34%抑制され、視力低下リスクが47%減少することが示されました。また、ADVANCE試験でも、ペリンドプリル・インダパミド配合剤による降圧治療で、新規糖尿病網膜症の発症が21%減少し、既存網膜症の進行も有意に抑制されることが確認されています。特に収縮期血圧130mmHg未満の維持は、網膜症の発症・進行予防において重要な目標値とされており、定期的な眼底検査と並行した血圧管理が推奨されています。
脳卒中・心筋梗塞予防における血圧管理の重要性
糖尿病患者の心血管疾患リスクは非糖尿病患者の2-4倍高く、適切な血圧管理による予防効果は極めて大きいものです。ADVANCE試験では、積極的降圧治療により主要心血管イベントが9%、心血管死亡が18%減少し、特に脳卒中リスクが21%低下することが示されました。また、HOT試験の糖尿病患者サブグループでは、拡張期血圧を90mmHgから80mmHg未満に管理することで、心血管イベントが51%減少し、心筋梗塞による死亡リスクが67%低下することが確認されています。ACCORD-BP試験では、収縮期血圧120mmHg未満への厳格管理により非致死性脳卒中が41%減少し、総脳卒中リスクも有意に低下しました。これらの結果は、糖尿病患者において130/80mmHg未満という厳格な降圧目標の妥当性を支持する重要な根拠となっており、早期からの積極的な血圧管理が生命予後の改善に直結することを示しています。
糖尿病患者の効果的な血圧測定と記録法
糖尿病患者における血圧管理では、正確な測定と継続的な記録が治療成功の鍵となります。診察室での測定だけでなく、日常生活における血圧変動を把握することで、より効果的な治療方針を立てることができます。ここでは、糖尿病患者に適した「血圧測定法」と「記録方法」について解説いたします。
診察室血圧と家庭血圧の両方を活用する意義
糖尿病患者では診察室血圧と家庭血圧の両方を測定することで、より包括的な血圧評価が可能となります。診察室血圧は標準化された環境での測定値として治療判断の基準となりますが、白衣高血圧や仮面高血圧の存在により、日常の血圧状態を正確に反映しない場合があります。特に糖尿病患者では自律神経障害により血圧変動が大きくなりやすく、仮面高血圧の頻度が高いことが知られています。なお、家庭血圧測定により、早朝高血圧や夜間高血圧などの診察室では発見できない血圧異常を検出でき、これらは心血管イベントの強い予測因子となります。また、治療効果の評価においても、家庭血圧は薬物治療による24時間の降圧効果をより正確に反映し、服薬タイミングの最適化や薬剤選択に重要な情報を提供します。両者を組み合わせることで、個々の患者に最適化された血圧管理が実現できるのです。
正確な家庭血圧測定のポイントと記録方法
正確な家庭血圧測定のためには、適切な測定環境と方法の遵守が不可欠です。測定は静かな環境で、椅子に座り背もたれに背中をつけて5分間安静にした後に行います。カフは心臓と同じ高さに位置させ、上腕式血圧計を使用することが推奨されます。測定タイミングは起床後1時間以内と就寝前の2回とし、各回2度測定してその平均値を記録します。なお、記録には測定日時、血圧値、脈拍数に加えて、服薬状況、体調、ストレス状況なども併記することで、血圧変動の要因分析が可能となります。最近では血圧計とスマートフォンアプリを連携させることで、自動的にデータが蓄積され、グラフ化やトレンド分析も容易に行えるようになっています。
血糖値と血圧の同時管理で得られる効果
血糖値と血圧を同時に管理することで、相乗的な治療効果が期待できます。両者は密接に関連しており、高血糖は血管内皮機能を障害し血圧上昇を招く一方、高血圧は腎血流を低下させ血糖コントロールを悪化させる悪循環を形成します。同時管理により、患者は自身の病態をより包括的に理解し、生活習慣改善への動機づけが強化されます。実際に、血糖値と血圧の関連性を記録により可視化することで、食事内容や運動量が両方の指標に与える影響を実感でき、セルフケア能力の向上につながります。また、医療者側も両方のデータを総合的に評価することで、薬物治療の最適化や合併症リスクの早期発見が可能となります。特にACE阻害薬やARBなどは血圧と血糖の両方に好影響を与えるため、同時管理により薬剤選択の精度も向上し、治療効果の最大化が図れるのです。
糖尿病患者に適した降圧薬の選び方
糖尿病患者の降圧治療では、単に血圧を下げるだけでなく、腎保護効果や心血管保護効果を考慮した薬剤選択が重要となります。患者の併存疾患、腎機能、年齢などを総合的に評価し、個別化された治療戦略を立てることが求められます。ここでは、糖尿病患者における「降圧薬の適切な選択方法」について解説いたします。
腎保護作用のあるRA系抑制薬(ACE阻害薬・ARB)の効果
ACE阻害薬とARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)は、糖尿病患者における第一選択薬として位置づけられています。これらの薬剤はレニン・アンジオテンシン系を抑制することで、降圧効果に加えて強力な腎保護作用を発揮します。糸球体輸出細動脈を選択的に拡張させることで糸球体内圧を低下させ、蛋白尿の減少と腎機能保持効果をもたらします。RENAAL試験では、ロサルタンにより腎症進行リスクが25%減少し、IDNT試験ではイルベサルタンで末期腎不全リスクが23%低下することが示されました。また、MICRO-HOPE試験ではラミプリルが心血管イベントを25%減少させ、糖尿病患者での心血管保護効果も確認されています。なお、両薬剤の効果に大きな差はありませんが、ACE阻害薬では乾性咳嗽の副作用が10-15%に認められるため、咳嗽が問題となる場合はARBへの変更が推奨されます。
カルシウム拮抗薬や利尿薬の併用と注意点
RA系抑制薬単剤で目標血圧に到達しない場合、カルシウム拮抗薬や利尿薬との併用が推奨されます。カルシウム拮抗薬は強力な降圧効果を有し、特にジヒドロピリジン系は末梢血管拡張により効果的な血圧低下をもたらします。アムロジピンやニフェジピン徐放剤は糖尿病患者でも安全に使用でき、ASCOT試験では心血管イベント抑制効果も確認されています。ただし、短時間作用型は血圧の急激な変動を引き起こす可能性があるため避けるべきです。なお、利尿薬については、サイアザイド系およびサイアザイド類似利尿薬が有効ですが、血糖値や電解質への影響に注意が必要です。これらの薬剤は血糖値を軽度上昇させる可能性があるため、血糖管理状況を慎重にモニタリングしながら使用します。また、低カリウム血症は糖尿病患者では不整脈リスクを高めるため、定期的な電解質チェックが不可欠です。利尿薬使用時はACE阻害薬やARBとの併用により、カリウム保持効果が期待できます。
糖尿病患者に配慮した降圧薬選択の考え方
糖尿病患者の降圧薬選択では、血圧降下効果だけでなく、代謝への影響、腎機能、併存疾患を総合的に評価することが重要です。第一選択はRA系抑制薬とし、腎機能や蛋白尿の程度に応じてACE阻害薬またはARBを選択します。目標血圧達成のため多くの患者で併用療法が必要となり、その際はカルシウム拮抗薬または利尿薬を第二選択として追加します。β遮断薬は血糖値に対する影響や低血糖症状のマスキング作用があるため、心疾患合併例以外では慎重に使用します。なお、高齢者では起立性低血圧のリスクを考慮し、緩徐な降圧を心がけ、過度の降圧による臓器血流低下を避けます。また、患者の服薬アドヒアランス向上のため、1日1回投与の長時間作用型製剤や配合剤の活用も重要な選択肢となります。定期的な腎機能検査、電解質測定、血糖値モニタリングにより、薬剤の効果と安全性を継続的に評価し、必要に応じて治療の調整を行うことが糖尿病患者の降圧治療成功の鍵となります。
血圧を下げる生活習慣改善のポイント
糖尿病患者における血圧管理では、薬物療法と並行して生活習慣改善が不可欠です。適切な食事療法、運動療法、体重管理により、降圧効果だけでなく血糖コントロールの改善も期待できます。ここでは、糖尿病患者が実践すべき具体的な「生活習慣改善方法」について解説いたします。
減塩(6g/日未満)の具体的な実践方法
減塩は最も効果的な非薬物療法の一つであり、塩分摂取量を6g/日未満に制限することで収縮期血圧を2-8mmHg低下させることができます。実践には段階的なアプローチが重要で、まず現在の塩分摂取量を把握することから始めます。日本人の平均塩分摂取量は約10gであるため、まず8g程度への減塩から開始し、徐々に目標値に近づけていきます。具体的な方法として、調理時の塩や醤油を半分に減らし、代わりに酢、レモン汁、香辛料、ハーブを活用して味付けを工夫します。なお、加工食品や外食には多量の塩分が含まれているため、食品表示を確認し、ナトリウム量400mg(塩分1g相当)以下の商品を選択してください。また、カリウムを豊富に含む野菜や果物の摂取を増やすことで、ナトリウムの排泄を促進し降圧効果を高めることができます。ただし、糖尿病性腎症で腎機能が低下している患者では、カリウム摂取制限が必要な場合があるため、医師との相談が必要です。
糖尿病と高血圧の両方に効果的な運動療法
運動療法は血圧と血糖値の両方を改善する理想的な治療法です。有酸素運動を週3回以上、1回30分以上行うことで収縮期血圧を4-9mmHg低下させ、同時にHbA1cを0.6-0.7%改善できることが報告されています。推奨される運動は中強度の有酸素運動で、最大心拍数の50-70%程度の強度が適切です。具体的には早歩き、水中歩行、サイクリング、軽いジョギングなどが挙げられます。なお、運動開始前には血糖値を測定し、70mg/dL未満の場合は補食を摂取してから開始してください。また、レジスタンストレーニング(筋力トレーニング)も週2-3回取り入れることで、インスリン感受性の改善と基礎代謝の向上が期待できます。さらに、運動後の血糖値低下作用は12-24時間続くため、定期的な運動習慣の確立が重要です。運動療法開始時は医師と相談の上、心電図検査や運動負荷試験を行い、安全性を確認してから段階的に強度を上げていくことが推奨されます。
食事内容の見直しと体重管理の重要性
体重管理は、血圧および血糖値の両方に大きな影響を与える重要な要素です。体重を1kg減少させることで収縮期血圧は約1mmHg低下し、BMIを1kg/m²減少させることでHbA1cが0.1〜0.2%改善するとされています。糖尿病患者の理想体重はBMI22kg/m²程度とされていますが、現実的な目標としては、現在の体重の5〜10%減量から開始することが推奨されます。食事療法では、総エネルギー摂取量の適正化に加え、食事内容の質的改善が重要です。DASH食(野菜、果物、全粒穀物、低脂肪乳製品を中心とした食事パターン)は、血圧を8〜14mmHg低下させる効果があり、同時に血糖コントロールの改善にも寄与します。また、飽和脂肪酸の摂取を制限し、不飽和脂肪酸を中心とした脂質摂取に切り替えることや、食物繊維が豊富な食品の選択により、血管機能の改善と血糖値の安定化が期待されます。なお、アルコール摂取は、男性で日本酒1合、女性ではその半量以下に制限し、過度の飲酒は血圧上昇や血糖コントロール悪化の原因となるため注意が必要です。食事記録をつけることで自身の食習慣を客観的に把握し、継続的な改善につなげることが可能です。
まとめ:降圧目標達成で合併症リスクを減らすために
糖尿病患者における適切な血圧管理は、深刻な合併症を予防し、長期的な生活の質を維持するための重要な治療戦略です。降圧目標の達成により、腎症、網膜症、心血管疾患などのリスクを大幅に軽減できることが数多くの臨床研究で実証されています。ここでは、効果的な血圧管理を実現するための「包括的なアプローチ」について解説いたします。
糖尿病患者の血圧管理が合併症予防に重要な理由
糖尿病と高血圧の合併は、単独疾患の場合と比較して合併症リスクを指数関数的に増加させます。高血糖による血管内皮障害と高血圧による血管壁への持続的圧負荷が相互に作用し、動脈硬化の進行を著しく加速させるためです。特に細小血管症である腎症と網膜症では、血圧管理の効果が顕著に現れます。UKPDS試験では、収縮期血圧を10mmHg低下させることで糖尿病関連死亡が15%、脳卒中が13%減少し、ADVANCE試験では主要心血管イベントが9%、心血管死亡が18%減少することが示されました。また、腎保護の観点では、血圧を130/80mmHg未満に管理することで糸球体内圧が低下し、蛋白尿の進行が抑制されます。これらの効果は血糖管理と独立しており、HbA1cが良好にコントロールされている患者でも血圧管理による追加的な合併症予防効果が得られることが重要な特徴です。早期からの積極的な血圧管理により、不可逆的な臓器障害を予防し、患者の長期予後を大幅に改善できるのです。
目標達成のための医療機関との連携ポイント
降圧目標の確実な達成には、患者と医療機関の密接な連携が不可欠です。まず、家庭血圧測定の実施と正確な記録が基本となります。診察時には血圧手帳や測定データを持参し、医師と血圧変動パターンを共有することで、最適な治療調整が可能となります。服薬アドヒアランスの維持も重要な要素であり、薬剤の効果や副作用について十分な理解を深め、疑問点は積極的に質問することが推奨されます。なお、定期受診では、血圧値だけでなく腎機能検査、眼底検査、心電図検査などの合併症スクリーニングを確実に受けることで、早期発見・早期治療につなげます。また、生活習慣の変化や体調変化があった際は、予定外でも医療機関に相談することが重要です。薬剤調整は段階的に行われるため、目標達成まで数回の受診が必要な場合があります。患者自身も血圧管理の重要性を理解し、治療に積極的に参加する姿勢を持つことで、医療者との良好なパートナーシップが構築され、治療効果の最大化が図れます。
クリニックでの糖尿病・高血圧総合管理の特徴
内科クリニックでの総合管理は、個々の患者に最適化された包括的ケアを提供する特徴があります。血糖値と血圧の両方を同時にモニタリングすることで、相互関係を考慮した治療方針を立てることができます。例えば、ACE阻害薬やARBは血圧と血糖の両方に好影響を与えるため、これらの薬剤を中心とした治療戦略が構築されます。また、管理栄養士による栄養指導では、減塩と糖質管理を組み合わせた食事療法が提供され、運動療法についても血糖値と血圧の両方を考慮した個別プログラムが作成されます。さらに、定期検査では、HbA1cと血圧値の推移を総合的に評価し、必要に応じて薬剤調整や生活指導の強化を行います。なお、当院では、患者一人ひとりの状態に合わせた総合的な治療を提供しています。糖尿病の初期段階から進行した症例まで幅広く対応しておりますので、糖尿病の症状に心当たりのある方、もしくは健康診断などで血圧値の異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
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糖尿病と高血圧の薬物療法|血管を守る効果的な治療の進め方
内科に関する記事です。
この記事では「糖尿病と高血圧の薬物療法」について解説します。後半部分では「糖尿病と高血圧の薬をうまく使いこなすコツ」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
糖尿病と高血圧が重なると危険な理由
糖尿病患者の血圧管理目標と測定の大切さ
適切な血圧コントロールで守れる大切な臓器機能
糖尿病患者に効果的な降圧薬の選び方
糖尿病と高血圧の両方に効く新世代の薬剤
状態別・タイプ別の薬物療法アプローチ
糖尿病と高血圧の薬をうまく使いこなすコツ
まとめ:血管を守る薬物療法を成功させるために
糖尿病と高血圧が重なると危険な理由
まずは「糖尿病と高血圧が重なると危険な理由」について解説します。
糖尿病と高血圧の併存メカニズムと相互影響
糖尿病と高血圧の併存は偶然ではなく、密接な病態生理学的関連性があります。高血糖状態が続くと、血液中の糖分が血管壁に蓄積し、血管の弾性を低下させて血圧上昇を招きます。同時に、糖尿病による腎機能低下は体内の水分・塩分調節機能を障害し、さらなる血圧上昇の原因となります。一方、高血圧は血管内皮機能を悪化させ、インスリン抵抗性を増強させることで血糖コントロールを困難にします。この悪循環により、両疾患は相互に症状を悪化させ、治療抵抗性を示すようになります。なお、メタボリックシンドロームの基盤となる内臓脂肪蓄積も、両疾患の発症と進行に深く関与しています。
両疾患による血管ダメージと動脈硬化促進の仕組み
糖尿病と高血圧の併存は、血管系に対して相加的かつ相乗的な損傷効果をもたらします。高血糖は血管内皮細胞を直接障害し、一酸化窒素の産生を減少させて血管拡張能力を低下させます。同時に、糖化反応により生成される終末糖化産物(AGEs)が血管壁に蓄積し、炎症反応を惹起して動脈硬化を促進します。高血圧による持続的な血管壁への機械的ストレスは、これらの変化をさらに加速させます。結果として、大血管では粥状動脈硬化が進行し、小血管では硝子様変性や血管壁肥厚が生じます。このような血管病変は全身の臓器に影響を及ぼし、特に心臓、脳、腎臓、網膜などの重要臓器における微小循環障害を引き起こし、不可逆的な機能低下をもたらします。
薬物療法と生活改善の組み合わせによる治療効果
糖尿病と高血圧の併存例では、単一疾患への治療アプローチでは限界があり、包括的な治療戦略が必要です。例えば、薬物療法では血糖降下薬とACE阻害薬またはARBを中心とした降圧薬の組み合わせが基本となります。また、SGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬など、心血管保護効果を有する新しい糖尿病治療薬の活用も重要です。しかし、薬物療法だけでは不十分であるため、食事療法による適切なカロリー制限と塩分制限、定期的な有酸素運動による体重管理とインスリン感受性改善が不可欠です。さらに、禁煙や節酒といった生活習慣の是正も血管保護効果を高めます。患者教育を通じた自己管理能力の向上と、医療チームによる継続的なサポートにより、薬物療法と生活改善の相乗効果を最大化することができます。
糖尿病と高血圧の併存は、単なる疾患の重複以上に深刻な健康リスクをもたらします。両疾患は相互に悪影響を及ぼし合い、血管系に不可逆的な損傷を与えて致命的な合併症の発症率を著しく高めます。しかし、病態の理解に基づいた適切な薬物療法と生活習慣改善の組み合わせにより、疾患の進行を抑制し、合併症の予防が可能です。早期発見・早期治療の重要性を認識し、患者と医療従事者が協力して包括的な治療に取り組むことが、健康な生活の維持につながります。
糖尿病患者の血圧管理目標と測定の大切さ
糖尿病患者にとって血圧管理は血糖コントロールと同様に重要な治療の柱です。ここでは、糖尿病患者の「血圧管理目標」と「測定の大切さ」について解説します。
診察室血圧目標(130/80mmHg未満)と設定根拠
糖尿病患者の診察室血圧目標は130/80mmHg未満に設定されており、これは一般的な高血圧患者の目標値140/90mmHg未満よりも厳格な基準となっています。この厳しい目標設定には明確な医学的根拠があります。大規模臨床試験HOT研究では、糖尿病患者において拡張期血圧を80mmHg未満に管理することで、心血管イベントの発生率が有意に減少することが証明されました。また、収縮期血圧130mmHg未満の維持により、糖尿病性腎症の進行抑制効果も確認されています。ただし、75歳以上の高齢者や冠動脈疾患を有する患者では、過度の降圧により臓器血流が低下するリスクもあるため、個々の患者状態を十分評価した上で、140/90mmHg未満という緩和された目標を適用する場合もあります。
家庭血圧測定の重要性と目標値(125/75mmHg未満)
家庭血圧測定は糖尿病患者の血圧管理において診察室血圧よりも重要な指標とされています。診察室では緊張や白衣高血圧により実際よりも高い値が測定されることが多く、日常生活での真の血圧レベルを把握するには家庭血圧が不可欠です。糖尿病患者の家庭血圧目標値は125/75mmHg未満で、診察室血圧よりも5mmHg低く設定されています。この目標値は、家庭血圧が心血管予後をより正確に予測することから決定されました。なお、測定は朝と夜の2回、起床後1時間以内と就寝前に各2回ずつ行い、その平均値を記録します。また、測定前には5分間の安静を保ち、カフェイン摂取や入浴は避けることが重要です。継続的な家庭血圧測定により、薬物療法の効果判定や生活習慣改善の成果を客観的に評価できます。
血圧と血糖値の記録方法と自己管理のコツ
効果的な自己管理には、血圧と血糖値の系統的な記録が欠かせません。血圧手帳や血糖測定器のメモリー機能、スマートフォンアプリなどを活用して、測定値と測定時刻、体調や服薬状況を一元管理することをお勧めします。また、記録の際は、血圧については朝晩の平均値と最高・最低値を、血糖値については食前・食後の変動パターンを把握することが重要です。さらに、異常値が続く場合は、食事内容や運動量、ストレス状況なども併せて記録し、変動要因を分析します。なお、月に一度は記録をグラフ化して傾向を視覚的に確認し、目標値からの乖離があれば主治医と相談して治療方針を調整してください。自己管理は決して一人で行うものではなく、医療チーム全体でサポートすることが成功の秘訣です。
適切な血圧コントロールで守れる大切な臓器機能
高血圧と高血糖の相乗効果により、腎臓、心臓、眼などの臓器では微小血管から大血管まで広範囲にわたる血管障害が進行し、不可逆的な機能低下を招きます。しかし、適切な血圧コントロールにより、これらの臓器合併症の発症を大幅に遅延させ、既存の病変の進行を著明に抑制することが可能です。ここでは、血圧管理の重要性について解説します。
腎機能保護と厳格な血圧管理の関係性
糖尿病性腎症は透析導入の最大の原因であり、その進行を阻止するには厳格な血圧管理が不可欠です。腎臓の糸球体は高血圧によって直接的な圧負荷を受け、糸球体硬化症や間質線維化が促進されます。特に、糸球体内圧の上昇は糸球体基底膜の肥厚およびメサンギウム細胞の増殖を引き起こし、濾過機能の段階的な低下をもたらすため、注意が必要です。なお、RENAAL研究では、ARBによる降圧治療により腎機能低下の速度が30〜40%抑制されることが実証されており、血圧の目標値は130/80mmHg未満、蛋白尿を伴う場合にはさらに厳格な125/75mmHg未満が推奨されています。ACE阻害薬やARBは血圧降下作用に加え、糸球体内圧を選択的に低下させる腎保護効果を有するため、第一選択薬として位置づけられています。早期からの積極的な介入により、透析導入を数年から十数年遅延させることが可能です。
心血管イベント予防のための血圧管理
糖尿病患者の心血管疾患による死亡率は、非糖尿病者の2〜4倍高く、血圧管理はその予防の要となります。高血圧は左室肥大、冠動脈硬化、頸動脈硬化を促進し、心筋梗塞や脳卒中のリスクを指数関数的に増大させます。UKPDS研究では、収縮期血圧を10mmHg低下させることで、心血管死亡率が15%、脳卒中発症率が44%減少することが示されました。また、ACCORD研究では、収縮期血圧を120mmHg未満に厳格に管理することで、心血管複合エンドポイントに有意な改善が認められています。なお、β遮断薬は心拍数の減少と心筋酸素消費量の低下により心保護効果を発揮し、カルシウム拮抗薬は冠血管拡張作用によって狭心症症状を改善します。さらに、利尿薬は体液貯留を是正し、心不全の予防に寄与します。多剤併用による段階的な降圧アプローチによって、心血管イベントの一次および二次予防効果を最大化することが可能です。
糖尿病網膜症の進行を抑える血圧レベル
糖尿病網膜症は成人の失明原因の上位を占める深刻な合併症ですが、適切な血圧管理により進行抑制が可能です。網膜血管は脳血管と同様に自動調節能を有する細動脈ですが、高血圧により血管壁の肥厚と内腔狭小化が生じ、網膜血流の不均一分布が生じます。その結果、網膜虚血により血管内皮増殖因子(VEGF)の分泌が亢進し、新生血管の形成と血管透過性の亢進が起こります。UKPDS研究では、拡張期血圧10mmHgの低下により網膜症進行リスクが13%減少することが証明されました。特に、既に網膜症を有する患者では、収縮期血圧130mmHg未満の維持により新生血管緑内障や硝子体出血などの重篤な合併症の発症を有意に抑制できます。なお、血圧管理と血糖管理の両方を適切に行うことで、網膜症による視力障害の進行を最小限に抑え、患者の生活の質を長期間維持することが可能となります。
糖尿病患者に効果的な降圧薬の選び方
糖尿病患者の降圧薬選択は、単純な血圧低下だけでなく、腎機能保護、心血管保護、血糖代謝への影響など多角的な観点から慎重に決定する必要があります。ここでは、「糖尿病患者に効果的な降圧薬の選び方」について解説します。
ACE阻害薬とARBの腎保護作用と選択基準
ACE阻害薬とARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)は、糖尿病患者の第一選択降圧薬として位置づけられています。両薬剤ともレニン・アンジオテンシン系を阻害することで、糸球体内圧を選択的に低下させ、腎保護効果を発揮します。ACE阻害薬は、アンジオテンシン変換酵素を阻害してアンジオテンシンIIの生成を抑制し、同時にブラジキニンの分解を阻害することで血管拡張作用を増強します。一方、ARBはアンジオテンシンII受容体を直接阻害し、より選択的な作用を示します。なお、選択基準として、乾性咳嗽の副作用が問題となる場合はARBを、費用対効果を重視する場合はACE阻害薬を選択することが一般的です。また、微量アルブミン尿や蛋白尿が認められる場合には、腎保護効果がより明確に証明されているARBが推奨されます(血清クレアチニンが2mg/dL未満で、高カリウム血症のリスクが低い患者に適応となります)。
カルシウム拮抗薬と利尿薬の特徴と使い分け
カルシウム拮抗薬は血管平滑筋の収縮を抑制することで血管拡張をもたらし、強力な降圧効果を発揮する薬剤です。ジヒドロピリジン系は末梢血管拡張作用が強く、特に収縮期高血圧に効果的で、高齢糖尿病患者の第一選択薬として頻用されます。また、冠血管拡張作用により狭心症を併発している患者にも有効です。副作用として下肢浮腫や歯肉増生がありますが、ARBとの併用により浮腫は軽減される傾向があります。なお、利尿薬は体液量減少により降圧効果を示し、特に食塩感受性高血圧や心不全を合併する患者に適しています。サイアザイド系利尿薬は軽度の血糖上昇作用がありますが、低用量使用では臨床的に問題となることは稀です(インダパミドなどの新しい利尿薬は代謝への影響が少なく、糖尿病患者により適しています)。
β遮断薬使用時の注意点と適応条件
β遮断薬は糖尿病患者において慎重な使用が求められる降圧薬ですが、適切な適応のもとでは有用な薬剤です。主な適応は心筋梗塞既往、慢性心不全、頻脈性不整脈を併発する糖尿病患者です。カルベジロールやビソプロロールなどの第三世代β遮断薬は、血管拡張作用を併せ持ち、インスリン抵抗性への影響が少ないため糖尿病患者により適しています。なお、使用時の注意点として、低血糖症状のマスキング効果があるため、患者への十分な教育が必要です。特に、発汗以外の低血糖症状(動悸、振戦)が抑制されるため、血糖自己測定の重要性を強調する必要があります。また、末梢循環障害により下肢の冷感や間欠性跛行が悪化する可能性があるため、糖尿病性末梢動脈疾患を有する患者では慎重投与となります。気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患の合併例では原則禁忌ですが、心選択性の高いβ遮断薬は使用可能な場合があります。
糖尿病と高血圧の両方に効く新世代の薬剤
近年の糖尿病治療薬の進歩は目覚ましく、血糖降下作用に加えて心血管保護効果や血圧低下作用を併せ持つ新世代の薬剤が相次いで登場しています。ここでは、「糖尿病と高血圧の両方に効く新世代の薬剤」について解説します。
SGLT2阻害薬の血圧低下作用とメカニズム
SGLT2阻害薬は腎臓の近位尿細管でのグルコース再吸収を阻害する新しい作用機序の糖尿病治療薬ですが、血糖降下作用と同時に有意な血圧低下効果を示します。その降圧メカニズムは多面的で、まず糖尿による浸透圧利尿作用により体液量が減少し、前負荷軽減による血圧低下が生じます。さらに、ナトリウム利尿作用により体内の塩分貯留が改善され、食塩感受性高血圧に特に効果的です。また、体重減少効果により肥満に伴う高血圧の改善も期待できます。EMPA-REG OUTCOME試験では、エンパグリフロジン投与により収縮期血圧が平均3〜5mmHg低下し、心血管死亡率が38%減少することが示されました。興味深いことに、この降圧効果は利尿薬とは異なり、レニン・アンジオテンシン系の活性化を伴わないため、ACE阻害薬やARBとの相性が良く、相加的な心腎保護効果が期待できます。なお、腎機能低下例でも使用可能で、慢性腎疾患の進行抑制効果も確認されています。
GLP-1受容体作動薬の心血管保護効果
GLP-1受容体作動薬は、インクレチンホルモンの作用を増強することで血糖依存性のインスリン分泌促進とグルカゴン分泌抑制をもたらす薬剤ですが、その効果は血糖コントロールにとどまりません。LEADER試験やSUSTAIN-6試験などの大規模心血管アウトカム試験により、リラグルチドやセマグルチドが心血管イベントを有意に抑制することが実証されました。その機序は複合的で、体重減少による肥満関連高血圧の改善、内皮機能改善による血管保護作用、抗炎症作用による動脈硬化抑制などが関与しています。また、胃内容排出遅延により食後血糖上昇が抑制され、血糖変動による血管内皮障害も軽減されます。加えて、週1回製剤の登場により患者の利便性が大幅に向上し、治療継続率の改善も期待されています。なお、血圧への直接的な影響は軽度ですが、心拍数のわずかな増加を伴うことがあるため、不整脈を有する患者では慎重な観察が必要です。膵炎の既往がある患者には禁忌ですが、適切な患者選択により安全に使用できます。
配合剤のメリットと服薬継続のしやすさ
糖尿病と高血圧を併発する患者では多剤併用療法が必要となることが多く、服薬アドヒアランスの低下が治療効果を制限する大きな要因となっています。この問題を解決する手段として、異なる作用機序を持つ薬剤を1錠に配合した配合剤の開発が進んでいます。ARBとカルシウム拮抗薬の配合剤は既に広く使用されており、相加的な降圧効果と副作用の相殺効果(ARBによる浮腫軽減)により、優れた治療成績を示します。さらに最近では、SGLT2阻害薬とDPP-4阻害薬の配合剤、GLP-1受容体作動薬とインスリンの配合製剤なども登場し、治療選択肢が拡充されています。配合剤使用により服薬錠数を半減できることが多く、患者の服薬負担軽減と治療継続率向上に大きく貢献します。また、薬剤費の削減効果も期待でき、医療経済学的観点からも有用です。ただし、個別調整の柔軟性に制限があるため、治療初期は単剤から開始し、安定後に配合剤への切り替えを検討するアプローチが推奨されます。
状態別・タイプ別の薬物療法アプローチ
糖尿病と高血圧の治療において「一律の治療法」は存在せず、患者一人ひとりの身体状況、年齢、合併症、生活環境に応じた医療が求められます。ここでは、「状態別・タイプ別の薬物療法アプローチ」について解説します。
腎機能低下患者の薬剤選択と注意点
慢性腎臓病を併発する糖尿病患者では、腎機能の程度に応じた慎重な薬剤選択が必要です。eGFRが60mL/min/1.73m²未満の中等度腎機能低下例では、メトホルミンの減量や中止を検討し、腎排泄型薬剤の用量調整が必須となります。SGLT2阻害薬はeGFR 30以上で使用可能ですが、開始後に一時的なeGFR低下を認めることがあるため、定期的な腎機能モニタリングが重要です。降圧薬については、ACE阻害薬やARBは腎保護効果があるものの、血清クレアチニンが「30%以上」上昇した場合は減量や中止を考慮します。高カリウム血症のリスクが高いため、定期的な電解質チェックが欠かせません。なお、カルシウム拮抗薬は腎機能に関係なく使用できるため、腎機能低下例の第一選択薬となることが多いです。また、利尿薬はeGFR 30未満ではループ利尿薬に変更し、脱水による腎機能悪化に注意が必要です。
高齢者の血圧管理目標と薬剤調整の考え方
75歳以上の高齢糖尿病患者では、過度の降圧による臓器血流低下や起立性低血圧のリスクを考慮し、個別化されたアプローチが必要です。血圧管理目標は、75歳未満では130/80mmHg未満であるのに対し、75歳以上では140/90mmHg未満と緩和されています。ただし、忍容性が良好な場合には130/80mmHg未満を目指すことも可能です。薬剤選択においては、ARBやカルシウム拮抗薬が第一選択となることが多く、ACE阻害薬による咳嗽は高齢者でより問題となりやすいため注意が必要です。なお、利尿薬は脱水リスクが高いため慎重に投与し、β遮断薬は徐脈や気管支収縮のリスクから避けられることが多いです。また、薬剤開始時は最小有効量から開始し、2週間ごとの緩やかな増量を原則としてください。多剤併用時には薬物相互作用や副作用の累積効果に注意し、定期的な薬剤の見直しを行ってください。認知機能低下がある場合には、服薬支援体制の整備と簡素化された処方レジメンの導入が重要です。
肥満を伴う患者の効果的な治療戦略
BMI 25以上の肥満を伴う糖尿病・高血圧患者では、体重減少効果を有する薬剤の積極的活用が治療成功の鍵となります。SGLT2阻害薬は糖尿による体重減少効果(平均2〜3kg)に加え、内臓脂肪減少による血圧改善効果も期待できるため、肥満例の第一選択薬として位置づけられます。GLP-1受容体作動薬は食欲抑制と胃内容排出遅延により、より強力な体重減少効果(平均3〜5kg)を示し、肥満関連高血圧の改善に有効です。従来薬では、メトホルミンの体重中性効果により体重増加を避けることができ、DPP-4阻害薬も体重に対して中性的です。一方、インスリンやSU薬、チアゾリジン薬は体重増加リスクがあるため、肥満例では慎重な使用が求められます。また、降圧薬では、利尿薬による体液減少効果やACE阻害薬・ARBによる代謝改善効果が有用です。生活習慣介入との組み合わせにより、薬物療法単独以上の相乗効果が期待でき、5〜10%の体重減少により血圧は5〜20mmHg低下することが報告されています。
糖尿病と高血圧の薬をうまく使いこなすコツ
薬剤の効果を最大限に引き出し、副作用を最小限に抑えるためには、ただ処方された薬を飲むだけではなく、薬剤の特性を理解し、適切な服薬方法を身につけることが重要です。ここでは、「糖尿病と高血圧の薬をうまく使いこなすコツ」をご紹介します。
複数薬剤の相互作用と効果的な組み合わせ
糖尿病と高血圧の治療では、血糖降下薬と降圧薬の併用が基本となりますが、薬剤の組み合わせにより相乗効果や相殺効果が生じることを理解する必要があります。ACE阻害薬やARBは血糖値にほぼ影響を与えず、むしろインスリン感受性を改善する傾向があるため、糖尿病患者に理想的な降圧薬です。一方、利尿薬は軽度の血糖上昇を起こす可能性がありますが、低用量使用では臨床的に問題となることは稀です。なお、β遮断薬は低血糖症状をマスクする可能性があるため、血糖自己測定の重要性が増します。SGLT2阻害薬とACE阻害薬の併用では、相加的な腎保護効果が期待できる一方、脱水による腎機能悪化のリスクもあるため、水分摂取と定期的な検査が重要です。さらに、服薬タイミングも重要で、朝食前の空腹時血糖を重視する場合は就寝前のインスリンや長時間作用型薬剤を、食後血糖を重視する場合は食直前の薬剤服用を徹底してください。薬剤の特性を理解し、生活パターンに合わせた服薬スケジュールを確立することが成功の鍵です。
副作用への対処法と自己管理のポイント
薬物療法の継続には、副作用の早期発見と適切な対処が不可欠です。低血糖は糖尿病治療の最も重要な副作用で、冷汗、動悸、手の震え、空腹感などの症状を感じたら、直ちにブドウ糖10〜20gまたは砂糖入りジュースを摂取し、血糖値を測定します。症状が改善しない場合は追加摂取し、重篤な場合は緊急医療機関を受診してください。ACE阻害薬による乾性咳嗽は服薬開始から数週間以内に出現することが多く、持続する場合はARBへの変更を検討してください。なお、カルシウム拮抗薬による足首の浮腫は、足を心臓より高く上げる、弾性ストッキングの着用、減塩などで軽減できますが、改善しない場合は医師に相談してください。また、利尿薬使用時は脱水症状に注意し、めまいや立ちくらみがある場合は水分補給を心がけてください。また、SGLT2阻害薬では尿路感染症や陰部のかゆみに注意が必要で、清潔保持と適切な水分摂取が予防に重要です。副作用ダイアリーをつけ、症状の程度と持続期間を記録することで、医師との相談時により具体的な情報提供が可能になります。
定期的な検査と受診の重要性
薬物療法の安全性と有効性を確保するためには、定期的な検査による客観的評価が欠かせません。HbA1cは過去2〜3ヶ月の血糖コントロール状況を反映し、3ヶ月ごとの測定により治療効果を判定します。目標値は一般的に7.0%未満ですが、高齢者や合併症を有する場合は個別に設定されます。腎機能検査では血清クレアチニンとeGFRにより薬剤の用量調整や継続可否を判断し、尿蛋白により腎症の進行を評価します。肝機能検査は一部の薬剤で必要となり、特にチアゾリジン薬やスタチン併用時は注意深い監視が求められます。なお、血圧は家庭血圧を中心に毎日測定し、月平均値により治療調整を行います。脂質検査、眼底検査、心電図検査なども定期的に実施し、合併症の早期発見に努めます。また、受診時には血圧手帳、血糖測定記録、症状ダイアリーを持参し、医師との情報共有を充実させます。検査結果の意味を理解し、目標値からの乖離があれば積極的に治療調整の相談を行うことで、最適な薬物療法を維持できます。
まとめ:血管を守る薬物療法を成功させるために
適切な薬物療法により、心筋梗塞、脳卒中、腎不全、失明といった生命に関わる合併症の発症を大幅に遅延または予防することが可能です。ここでは、「糖尿病と高血圧の治療が血管保護に重要な理由」や「効果的な薬物療法の継続ポイント」について解説します。
糖尿病と高血圧の治療が血管保護に重要な理由
糖尿病と高血圧は、それぞれが独立して血管障害を引き起こす疾患ですが、両者が合併することで血管への損傷は相乗的に増大し、動脈硬化の進行が著しく加速されます。高血糖は血管内皮細胞を直接障害し、炎症反応を惹起して血管壁の肥厚と弾性低下を招きます。同時に、糖化反応により生成される終末糖化産物(AGEs)が血管壁に蓄積し、不可逆的な血管の老化を促進します。高血圧による持続的な機械的ストレスは、これらの変化をさらに加速し、血管内膜の損傷と粥状動脈硬化の形成を促進します。その結果、心臓、脳、腎臓、網膜などの重要臓器への血流が障害され、心筋梗塞、脳卒中、腎不全、糖尿病網膜症などの致命的な合併症が発症します。しかし、適切な血糖・血圧管理により、これらの血管障害の進行を大幅に抑制できることが多くの臨床研究で実証されており、早期からの積極的な治療介入が患者の長期予後を決定する重要な要因となります。
効果的な薬物療法の継続ポイント
薬物療法の成功には、患者の治療に対する理解と積極的な参加が不可欠です。まず、処方された薬剤の作用機序と治療目標を十分に理解し、なぜその薬が必要なのかを納得して服薬することが重要です。また、副作用への不安は治療継続の大きな障害となるため、起こりうる副作用とその対処法を事前に理解し、軽微な副作用については適切な自己管理を行い、重篤な症状については速やかに医療機関に相談する体制を整えてください。なお、定期的な血糖・血圧測定による客観的な治療効果の確認は、治療継続への動機維持に重要な役割を果たします。また、生活習慣の改善と薬物療法を組み合わせることで相乗効果が得られ、薬剤の減量や副作用軽減につながる場合もあります。医師との信頼関係を築き、疑問や不安を率直に相談できる環境を作ることが、長期にわたる治療成功の基盤となります。
板谷内科クリニックでの糖尿病・高血圧治療
糖尿病・高血圧治療は、個々の患者の病態と生活背景に応じた包括的なアプローチを特徴としています。初診時には、詳細な病歴聴取と身体診察、包括的な検査により患者の全体像を把握し、個別化された治療計画を策定します。また、薬物選択においては、最新のエビデンスに基づき、患者の年齢、腎機能、合併症、併用薬、生活様式を総合的に考慮して、最適な組み合わせを決定します。さらに、定期的な診察では、検査結果の詳細な説明と治療効果の評価を行い、必要に応じて薬剤の調整や治療方針の見直しを実施しています。糖尿病や高血圧の症状に心当たりのある方、もしくは健康診断などで血圧値の異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
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2025.06.10
高血圧・糖尿病・高脂血症のトリプルリスク|生活習慣病の重なりが招く危険性と対策
内科に関する記事です。
この記事では、「高血圧・糖尿病・高脂血症のトリプルリスク」について解説します。後半部分では、「高血圧・糖尿病・高脂血症への対策」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
高血圧・糖尿病・高脂血症とは?生活習慣病の危険な三重奏
3つの生活習慣病の症状と放置リスク
3つの生活習慣病の原因
高血圧・糖尿病・高脂血症への対策
高血圧・糖尿病・高脂血症の適切な治療とコントロール
まとめ:3つの生活習慣病から血管と健康を守るために
高血圧・糖尿病・高脂血症とは?生活習慣病の危険な三重奏
現代社会において、高血圧、糖尿病、高脂血症は代表的な生活習慣病として多くの方が罹患しています。これらの疾患は単独でも健康に重大な影響を与えますが、複数が同時に発症することで、心血管疾患のリスクが飛躍的に高まることが医学的に証明されています。まずは、これら3つの疾患の「基本的な理解」と重複することの危険性について解説いたします。
3つの生活習慣病の基本定義と診断基準
以下、3つの生活習慣病の基本定義と診断基準です。
<高血圧>
高血圧は、血管内の圧力が持続的に正常値を上回る状態を指します。日本高血圧学会の診断基準では、収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上の場合に高血圧と診断されます。血圧は心臓が血液を送り出す際の圧力であり、この値が高い状態が続くと血管壁に過度な負担がかかり、動脈硬化の進行を促進します。なお、初期症状はほとんどなく「サイレントキラー」とも呼ばれますが、放置すると脳卒中、心筋梗塞、腎不全などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
<糖尿病>
糖尿病は、血液中のブドウ糖濃度が慢性的に高値を示す代謝疾患です。空腹時血糖値126mg/dL以上、または75gブドウ糖負荷試験2時間値200mg/dL以上、HbA1c6.5%以上のいずれかを満たす場合に診断されます。糖尿病は、インスリンの分泌不足や作用不全により、細胞がブドウ糖を適切に利用できなくなることで発症します。なお、高血糖状態が持続すると、血管内皮細胞が障害され、微小血管症として糖尿病網膜症、腎症、神経症を、大血管症として動脈硬化性疾患を合併するリスクが高まります。
<高脂血症>
高脂血症は、血液中の脂質濃度が異常に高い状態を指し、現在では脂質異常症と呼ばれています。LDLコレステロール140mg/dL以上、HDLコレステロール40mg/dL未満、中性脂肪150mg/dL以上のいずれかに該当する場合に診断されます。特にLDLコレステロールは「悪玉コレステロール」と呼ばれ、血管壁に蓄積して動脈硬化の直接的な原因となります。一方、HDLコレステロールは「善玉コレステロール」として血管壁からコレステロールを除去する働きがあるため、この値が低いことも問題となります。
これら3つの疾患は、いずれも血管系に重大な影響を与える共通点があります。高血圧は血管壁への物理的ストレス、糖尿病は血管内皮の糖化による機能障害、高脂血症は血管壁へのコレステロール蓄積という、それぞれ異なるメカニズムで血管を傷害します。診断基準を理解し、定期的な検査による早期発見と適切な治療が、将来の重篤な合併症を予防するために極めて重要です。
「トリプルリスク」の概念と重複による危険性
高血圧、糖尿病、高脂血症が複数同時に存在する状態は、医学的に「メタボリックシンドローム」の一部として捉えられ、単独の疾患よりもはるかに危険な状態となります。これらの疾患は相互に影響し合い、悪循環を形成することで動脈硬化の進行を加速させます。例えば、高血糖は血管内皮機能を障害し、血圧上昇を促進します。同時に高脂血症があると、傷ついた血管壁にコレステロールが沈着しやすくなり、動脈硬化がより急速に進行します。なお、統計的には、3つの疾患すべてを有する患者の心血管疾患発症リスクは、健常者と比較して10倍以上高くなるとされており、この複合的リスクへの対策が現代医療における重要な課題となっています。
3つの生活習慣病の症状と放置リスク
ここでは、3つの疾患の「症状の特徴」と適切な治療を行わずに放置した場合の「健康リスク」について解説いたします。
3つの疾患の主な症状
以下、3つの疾患の主な症状です。
<高血圧>
高血圧は「サイレントキラー」と呼ばれるほど、初期段階では自覚症状がほとんどありません。軽度の頭痛、めまい、肩こり、倦怠感などの症状が現れることもありますが、これらは日常生活におけるストレスや疲労と区別がつきにくく、多くの患者が見過ごしてしまいがちです。血圧が著しく上昇した場合には、激しい頭痛、視覚障害、吐き気、動悸、息切れなどが現れることがありますが、この段階ではすでに血管や臓器に相当な負担がかかっています。つまり、症状がないからといって血圧が正常であるとは限らないのです。高血圧においては、定期的な血圧測定による早期発見が極めて重要です。
<糖尿病>
糖尿病の初期症状として、多尿、多飲、多食、体重減少という「3多1少」の症状が知られていますが、2型糖尿病では血糖値が徐々に上昇するため、これらの症状が明確に現れないことも多くあります。疲労感、皮膚の乾燥、傷の治りが遅い、頻繁な感染症、視力の低下などが見られることもありますが、加齢による変化と誤解されやすいのが現状です。なお、血糖値が極端に高くなると、意識障害や昏睡状態に陥る危険性もあります。また、神経障害による手足のしびれや痛み、網膜症による視力障害、腎症による浮腫などの合併症が初期症状として現れる場合もあります。
<高脂血症>
高脂血症は最も症状が現れにくい疾患の一つです。血液中のコレステロールや中性脂肪の値が高くても、通常は自覚症状がありません。極めて重篤な場合には、皮膚や腱にコレステロールが沈着してできる黄色腫、角膜周辺に現れる角膜輪などの身体的変化が見られることがありますが、これらは相当進行した状態でのみ現れます。また、急性膵炎を引き起こすほど中性脂肪値が高い場合には、激しい腹痛や嘔吐などの症状が現れることがあります。しかし、大多数の患者では血液検査でのみ発見されるため、定期的な健康診断が不可欠です。
これら3つの生活習慣病に共通する最も危険な特徴は、症状が現れにくいことです。自覚症状がないまま病気が進行し、気づいたときにはすでに重篤な合併症を発症している場合も少なくありません。特に中年以降では、これらの疾患が複数同時に存在することが多く、相互に影響し合って病状を悪化させる可能性があります。したがって、高血圧、糖尿病、高脂血症を予防するには、定期的な健康診断による数値の把握と、生活習慣の改善が重要となります。
血管障害から生じる動脈硬化や心筋梗塞・脳梗塞のリスク
高血圧、糖尿病、高脂血症を放置することで最も深刻な問題となるのは、全身の血管系に生じる障害です。これらの疾患は、それぞれ異なるメカニズムで血管を傷害し、動脈硬化を促進します。例えば、高血圧は血管壁に持続的な圧力をかけることで血管を肥厚させ、糖尿病は高血糖による血管内皮の糖化反応を通じて血管の柔軟性を損ないます。そして、高脂血症は、血管壁へのコレステロールの沈着によってプラークを形成します。これらの変化が進行すると、心臓の冠動脈では心筋梗塞、脳血管では脳梗塞や脳出血、腎臓では腎不全、下肢では閉塞性動脈硬化症などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。なお、統計的には、これら3つの疾患を併せ持つ患者は、心血管疾患による死亡リスクが健常者の約15倍に達するとされており、早期発見と適切な治療による血管保護が生命予後を大きく左右する重要な要因となります。
3つの生活習慣病の原因
高血圧、糖尿病、高脂血症といった生活習慣病の発症には、遺伝的要因と環境的要因が複雑に関与しています。ここでは、3つの「生活習慣病の原因」について解説いたします。
3つの生活習慣病の原因
以下、3つの生活習慣病の原因です。
<高血圧>
高血圧の発症には、本態性高血圧と二次性高血圧という二つの大きな分類があります。全体の約90%を占める本態性高血圧では、遺伝的素因に加えて、過剰な塩分摂取、肥満、運動不足、過度な飲酒、喫煙、ストレスなどの生活習慣要因が重要な役割を果たします。特に日本人は塩分感受性が高く、1日の塩分摂取量が6g以下の推奨値を大幅に上回る10~12gの摂取が一般的であることが問題となっています。また、内臓脂肪の蓄積により分泌されるアディポサイトカインの作用や、交感神経系の活性化、レニン・アンジオテンシン系の亢進なども血圧上昇に寄与します。一方、二次性高血圧は腎疾患、内分泌疾患、血管疾患などの基礎疾患が原因となります。
<糖尿病>
2型糖尿病の発症には、インスリン分泌能の低下とインスリン抵抗性の増大という二つの病態が関与します。遺伝的にインスリン分泌能が低い日本人では、軽度の肥満でも糖尿病を発症しやすい特徴があります。主要な原因として、過食による慢性的な高血糖状態、特に精製糖質や脂質の過剰摂取、運動不足による筋肉でのブドウ糖利用低下、内臓脂肪蓄積によるアディポネクチン分泌低下とTNF-α分泌増加、慢性的なストレスによるコルチゾール分泌亢進などが挙げられます。また、加齢に伴うインスリン分泌細胞の機能低下、睡眠不足、喫煙なども発症リスクを高める要因となります。なお、1型糖尿病は自己免疫機序によるβ細胞破壊が主因となります。
<高脂血症>
高脂血症の原因は、原発性と続発性に分類されます。原発性では遺伝的な脂質代謝酵素の異常や受容体の機能不全が関与し、家族性高コレステロール血症などが代表例です。しかし、大多数を占める続発性では、食事由来のコレステロールや飽和脂肪酸の過剰摂取、糖質の過剰摂取による中性脂肪合成促進、運動不足によるHDLコレステロール低下とLDLコレステロール上昇、肥満による脂質代謝異常などが主要因となります。また、アルコールの過剰摂取は中性脂肪を著明に上昇させ、甲状腺機能低下症、糖尿病、腎疾患、肝疾患などの基礎疾患も脂質異常症を引き起こす要因となります。現代の食生活における動物性脂肪や加工食品の摂取増加が、この疾患の増加に大きく寄与しています。
これら3つの生活習慣病の原因は相互に関連し合っており、一つの不適切な生活習慣が複数の疾患発症リスクを同時に高めることが特徴です。特に内臓脂肪の蓄積、インスリン抵抗性の増大、慢性炎症状態の形成は、3疾患すべての共通した病態基盤となっています。遺伝的素因は変更できませんが、食事療法、運動療法、禁煙、節酒、ストレス管理などの生活習慣改善により、発症リスクを大幅に軽減することが可能です。重要なのは、これらの疾患が長期間の生活習慣の積み重ねによって発症するため、若年期からの予防的アプローチが極めて効果的であるということです。
内臓脂肪型肥満とメタボリックシンドロームの関連
内臓脂肪型肥満は、高血圧、糖尿病、高脂血症の発症において中心的な役割を果たす病態です。内臓脂肪細胞から分泌される生理活性物質アディポサイトカインのバランス異常が、これら3疾患の発症機序に深く関与しています。正常な脂肪細胞からはアディポネクチンという善玉ホルモンが分泌され、インスリン感受性の改善、抗炎症作用、血管保護作用を発揮します。しかし、内臓脂肪が蓄積すると、TNF-α、IL-6、レジスチンなどの悪玉ホルモンの分泌が増加し、アディポネクチンの分泌が低下します。この結果、インスリン抵抗性が惹起され、血糖値上昇、血圧上昇、脂質代謝異常が同時に進行します。なお、メタボリックシンドロームの診断基準において、男性では腹囲85cm以上、女性では90cm以上が必須項目とされているのは、内臓脂肪の蓄積が健康リスクにおいて重要な指標であることを反映しています。
インスリン抵抗性と3疾患の発症・悪化メカニズム
インスリン抵抗性は、高血圧、糖尿病、高脂血症の共通した病態基盤として重要な概念です。インスリンは本来、ブドウ糖の細胞内取り込み促進だけでなく、血管拡張作用、ナトリウム排泄促進作用、脂肪分解抑制作用など多面的な生理作用を有しています。インスリン抵抗性が生じると、代償的にインスリン分泌が増加し高インスリン血症となりますが、この状態は交感神経系を活性化し、レニン・アンジオテンシン系を刺激して血圧を上昇させます。同時に、肝臓でのブドウ糖産生抑制が不十分となり血糖値が上昇し、脂肪組織での脂肪分解が亢進してFFA(遊離脂肪酸)が増加し、肝臓での中性脂肪合成とVLDL産生が促進されます。このように、インスリン抵抗性は単一のメカニズムで3疾患を同時に発症・悪化させる中核的な病態となっています。
年齢・性別による発症パターンの違いとリスク因子
生活習慣病の発症には、年齢や性別による明確な特徴があります。男性では30代から発症リスクが急激に上昇し、特に内臓脂肪型肥満の影響が顕著に現れます。一方、女性では、閉経前はエストロゲンの血管保護作用により発症率が低く抑えられていますが、閉経後にはリスクが急激に増加し、60代以降では男性と同等か、それ以上の発症率となります。なお、高血圧においては、若年男性では拡張期血圧の上昇が目立ち、高齢者では収縮期血圧の上昇が特徴的です。糖尿病については、日本人は遺伝的にインスリン分泌能が欧米人より低いため、比較的軽度の肥満でも発症しやすく、痩せ型糖尿病の割合も高くなっています。また、高脂血症では、男性は中性脂肪高値型が多く、女性では閉経後にLDLコレステロール高値型が増加する傾向があります。これらの性差・年齢差を踏まえた個別化された予防および治療戦略の構築が重要です。
高血圧・糖尿病・高脂血症への対策
高血圧、糖尿病、高脂血症といった生活習慣病の治療において、薬物療法と並んで極めて重要な役割を果たすのが生活習慣の改善です。これらの疾患は長年の生活習慣の積み重ねによって発症するため、根本的な改善には生活様式の見直しが不可欠となります。ここでは、「効果的な生活習慣改善法」について詳しく解説いたします。
食事療法
食事療法は生活習慣病治療の基盤となる最も重要な介入方法です。高血圧に対しては、1日の塩分摂取量を6g未満に制限することが推奨されており、減塩により収縮期血圧を2~8mmHg低下させることが可能です。具体的には、出汁や香辛料、酸味を活用した調理法の工夫、加工食品や外食の制限が重要となります。糖尿病では、総エネルギー摂取量の適正化とともに、炭水化物の質と量の管理が重要です。精製糖質を避け、食物繊維を豊富に含む玄米や全粒粉製品を選択し、食後血糖値の急激な上昇を抑制します。高脂血症に対しては、飽和脂肪酸の摂取を総エネルギーの7%未満に制限し、魚類に含まれるEPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸の積極的摂取が推奨されます。また、3疾患すべてに共通して、野菜や果物の摂取増加、適正体重の維持、規則正しい食事時間の確保が重要な要素となります。
運動療法
運動療法は薬物療法に匹敵する治療効果を持つ強力な介入手段です。有酸素運動は心肺機能を向上させ、インスリン感受性を改善し、血圧を低下させる効果があります。週150分以上の中強度有酸素運動により、収縮期血圧を4~9mmHg、HbA1cを0.6~0.7%低下させることができます。具体的には、早歩き、水泳、サイクリングなどを1回30分以上、週5日以上実施することが推奨されます。また、レジスタンス運動も重要で、筋肉量の増加により基礎代謝が向上し、血糖値の改善に寄与します。週2~3回、主要筋群を対象とした筋力トレーニングを行うことで、筋肉でのブドウ糖取り込みが促進され、インスリン抵抗性の改善が期待できます。なお、運動開始前には必ず医師の評価を受け、個人の体力や合併症の有無を考慮した運動処方を受けることが安全性の観点から極めて重要です。
ストレス管理
慢性的なストレスは、交感神経系の持続的な活性化により血圧上昇を引き起こし、コルチゾール分泌亢進によりインスリン抵抗性を増大させ、生活習慣病の発症と悪化に直接的に関与します。効果的なストレス管理には、まず個人のストレス源を特定し、可能な範囲で環境調整を行うことが重要です。特に深呼吸法は、副交感神経を活性化し、血圧や心拍数を低下させる即効性があります。十分な睡眠時間の確保も重要で、7~8時間の質の良い睡眠により、ストレスホルモンの分泌が正常化されます。また、趣味活動への参加、社会的サポートの活用、必要に応じた専門カウンセリングの受診なども、長期的なストレス管理において有効な手段となります。
高血圧・糖尿病・高脂血症の適切な治療とコントロール
高血圧、糖尿病、高脂血症の治療において、生活習慣の改善と並んで重要な役割を果たすのが薬物療法です。ここでは、各疾患の「薬物療法」の基本原則について解説いたします。
各疾患の薬物治療基本と開始タイミング
以下、各疾患の薬物治療と開始タイミングです。
<高血圧>
高血圧の薬物治療は、生活習慣改善を3か月間実施しても目標血圧に到達しない場合、または初診時の血圧が180/110mmHg以上の場合に開始されます。第一選択薬として、ACE阻害薬、ARB、カルシウム拮抗薬、利尿薬、β遮断薬の5系統が推奨されています。ACE阻害薬とARBはレニン・アンジオテンシン系を抑制し、心血管保護効果が高く、糖尿病や慢性腎疾患合併例で特に有用です。カルシウム拮抗薬は血管拡張作用により確実な降圧効果を示し、高齢者や脳血管疾患既往例に適しています。なお、利尿薬は体液量を減少させ、特に心不全合併例で効果的です。単剤で目標血圧に到達しない場合は、作用機序の異なる薬剤を組み合わせた配合錠の使用により、相乗効果と服薬アドヒアランスの向上が期待できます。
<糖尿病>
2型糖尿病の薬物治療は、生活習慣改善を2~3か月実施してもHbA1cが7.0%未満に改善しない場合に開始されます。メトホルミンは第一選択薬として位置づけられ、インスリン抵抗性を改善し、体重増加や低血糖のリスクが低いことが特徴です。腎機能や造影剤使用時には注意が必要ですが、心血管疾患の予防効果も報告されています。なお、メトホルミン単独で効果不十分な場合は、DPP-4阻害薬、SGLT-2阻害薬、SU薬、インスリンなどを併用します。また、インスリン分泌能が著しく低下した場合や、急性期の血糖コントロールが必要な際にはインスリン療法を導入します。
<高脂血症>
高脂血症の薬物治療開始基準は、心血管疾患リスクの層別化によって決定されます。すでに冠動脈疾患や脳血管疾患を有する二次予防の症例では、LDLコレステロールを120mg/dL未満に抑えることが目標とされ、HMG-CoA還元酵素阻害薬であるスタチン系薬剤が第一選択となります。スタチンは肝臓でのコレステロール合成を阻害し、LDLコレステロールを20~60%低下させる強力な効果を持ちます。一方、一次予防の症例では、糖尿病、慢性腎疾患、動脈硬化性疾患の家族歴などのリスク因子を総合的に評価し、治療の適応を判断します。スタチン単独で目標値に到達しない場合には、エゼチミブやPCSK9阻害薬などの併用が検討されます。なお、中性脂肪高値例では、フィブラート系薬剤やEPA製剤が適応となります。
各疾患の薬物治療において重要なのは、画一的な治療ではなく、個々の患者の病態と背景に応じた個別化治療です。薬物治療は生活習慣改善の代替手段ではなく、相補的な関係にあることを患者に十分説明し、継続的な生活習慣改善の重要性を強調する必要があります。適切な薬剤選択により、効果的で安全な治療が実現できます。
複数薬剤服用時の注意点と相互作用
生活習慣病患者の多くは複数の疾患を併せ持つため、多剤併用による薬物相互作用への注意が必要です。特に重要な相互作用として、ACE阻害薬やARBとカリウム保持性利尿薬の併用による高カリウム血症、スタチン系薬剤とフィブラート系薬剤の併用による横紋筋融解症のリスク上昇があります。糖尿病治療薬では、β遮断薬がインスリンやSU薬による低血糖症状をマスクする可能性があり、SGLT-2阻害薬と利尿薬の併用では脱水のリスクが増大します。また、高齢者では肝機能や腎機能の低下により薬物代謝が遅延し、副作用が出現しやすくなるため、より慎重な薬剤選択と用量調整が必要です。なお、定期的な血液検査による肝機能、腎機能、電解質の監視と、患者への副作用症状の説明と早期受診の指導が重要となります。服薬アドヒアランスの向上のため、配合錠の使用や服薬タイミングの統一も有効な対策です。
治療目標値の設定と定期的フォローアップの重要性
各疾患の治療目標値は、患者の年齢、合併症、臓器障害の程度により個別に設定する必要があります。高血圧では、一般的に130/80mmHg未満、糖尿病合併例や慢性腎疾患例では125/75mmHg未満を目標とします。ただし、75歳以上の高齢者では140/90mmHg未満、認知症や要介護状態では150/90mmHg未満と、より緩やかな目標設定が推奨されます。糖尿病では、一般的にHbA1c7.0%未満を目標としますが、低血糖リスクの高い高齢者では7.5~8.0%未満、若年者や合併症のない例では6.5%未満も考慮されます。そして高脂血症では、一次予防でLDLコレステロール120mg/dL未満、二次予防では100mg/dL未満を基本とします。なお、定期的フォローアップでは、月1回の血圧・血糖値測定、3か月毎のHbA1c・脂質検査、年1回の合併症スクリーニングを実施し、治療目標の達成状況と副作用の有無を継続的に評価することが治療成功の鍵となります。
まとめ:3つの生活習慣病から血管と健康を守るために
高血圧、糖尿病、高脂血症という3つの生活習慣病は、現代社会において多くの人々が直面する健康課題です。これらの疾患は、長年の生活習慣の積み重ねによって発症するため、根本的な改善には生活様式の見直しが不可欠です。生活習慣の改善を継続するには、完璧を目指すのではなく、小さな変化から始めることが重要です。例えば、食事では一品ずつ減塩メニューを取り入れ、運動では階段の利用や一駅分歩くことから始め、ストレス管理では深呼吸や短時間の瞑想を日常生活に組み込むなど、無理のない範囲で実践することが継続の鍵となります。また、かかりつけ医との連携は生活習慣病管理における重要な要素です。定期的な受診により数値の変化を客観的に把握し、個人に適した治療目標を設定することで、モチベーションの維持と適切な治療調整が可能となります。さらに、年に一度の健康診断も重要です。健康診断は早期発見の貴重な機会であるため、年に一度は必ず医療機関を受診することが推奨されます。なお、当院では血圧測定から専門的な治療まで、患者一人ひとりの状態に合わせた総合的な医療サービスを提供しています。高血圧の症状に心当たりのある方、もしくは健康診断などで血圧値の異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
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2025.06.10
高血圧性脳症とは?症状や原因、治療法を解説
内科に関する記事です。
この記事では「高血圧性脳症」について解説します。後半部分では「高血圧性脳症の効果的な治療法」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
高血圧性脳症とは?知っておきたい基本知識
高血圧性脳症の初期症状の特徴
高血圧性脳症を引き起こす原因
高血圧性脳症のリスクが高い方の特徴
高血圧性脳症の診断方法と検査
高血圧性脳症の効果的な治療法
入院管理と経過観察のポイント
高血圧性脳症の予防と再発防止の生活習慣
日常生活での効果的な血圧管理法
高血圧を改善する食事と運動の工夫
まとめ:高血圧性脳症から身を守るために
高血圧性脳症とは?知っておきたい基本知識
まずは「高血圧性脳症の定義」と適切な対応の重要性についてお伝えします。
高血圧性脳症の定義・緊急性
高血圧性脳症は、急激な血圧上昇によって脳血管の自己調節能が破綻し、過剰な血流が脳内に流入することで脳浮腫を引き起こす病態です。一般的に収縮期血圧が180mmHg以上、拡張期血圧が120mmHg以上の高血圧を伴い、頭痛、嘔吐、意識障害、痙攣発作などの神経症状が現れます。症状の進行は急速であり、数時間から数日の経過で重篤な神経障害を引き起こす可能性があるため、高血圧緊急症のひとつとして即座の医療介入が必要です。なお、高血圧性脳症は、放置すれば不可逆的な脳障害や生命の危機につながるため、発症を疑った場合は直ちに医療機関を受診してください。
通常の高血圧との違いと放置した場合のリスク
通常の高血圧は慢性的に血圧が高い状態が続く疾患であり、多くの場合は自覚症状に乏しく「サイレントキラー」とも呼ばれます。一方、高血圧性脳症は急激な血圧上昇と明確な神経症状を特徴とする急性疾患です。通常の高血圧が長期間かけて血管や臓器にダメージを与えるのに対し、高血圧性脳症は短時間で脳血管の自己調節能を超え、脳浮腫や出血を引き起こします。放置すれば脳ヘルニアや脳卒中を発症し、永続的な神経障害や死亡に至る危険性があります。また、腎臓や心臓など他の臓器にも急性障害を引き起こす全身性の合併症を伴うことが多く、多臓器不全に進展するリスクもあるため、緊急の降圧治療が不可欠です。
早期発見・早期治療の重要性
高血圧性脳症の予後は早期発見と適切な治療開始までの時間に大きく左右されます。初期症状として頭痛、視覚障害、嘔気・嘔吐、混乱などが現れますが、これらは他の疾患でも見られる非特異的症状であるため、血圧測定を含めた総合的な評価が重要です。なお、診断後は直ちに集中治療室での厳密な血圧管理が必要となり、通常は点滴による降圧薬投与が行われます。ただし、急激な血圧低下は脳血流を減少させ脳虚血を招く恐れがあるため、血圧は段階的かつ慎重に下げる必要があります。治療開始が遅れると不可逆的な神経障害のリスクが高まるため、危険因子(腎疾患、妊娠高血圧症候群、膠原病など)を持つ方は定期的な血圧測定と早期受診の意識が重要です。
高血圧性脳症の初期症状の特徴
高血圧性脳症は迅速な医療介入が必要な緊急疾患です。その初期症状を見逃さないことが、重篤な脳障害を防ぐ鍵となります。ここでは、早期発見につながる「特徴的な症状」とその進行について解説します。
初期症状
以下、高血圧性脳症の主な初期症状です。
・激しい頭痛(後頭部に強く出現することが多い)
・持続的な吐き気や嘔吐
・視覚障害(かすみ目、一過性の視力低下、複視)
・光に対する過敏性
・めまいや平衡感覚の障害
・耳鳴りや難聴
・精神状態の変化(混乱、不安、興奮)
・顔面や手足のしびれ感
・顔面紅潮
これらの症状は急激な血圧上昇により脳血管の自己調節能が破綻し、脳浮腫が生じることで発現します。特に朝方に悪化する頭痛は典型的な症状であり、通常の頭痛薬では改善しにくい特徴があります。これらの症状を複数認める場合、特に高血圧の既往がある方は早急に医療機関を受診することが望ましいです。
緊急性の高い症状と危険性について
高血圧性脳症は、初期症状から進行するにつれて、より緊急性の高い症状が現れます。具体的には、軽度の意識混濁から始まり、応答の遅れ、不適切な言動を経て、昏睡状態に至ることもあります。また、痙攣発作は脳細胞の過剰興奮を反映し、全身性の強直間代性痙攣として現れることが多く、呼吸停止や誤嚥のリスクを伴います。さらに、急激な血圧上昇により網膜出血や剥離が生じ、突然の視力喪失を引き起こすことがあります。これらの症状が現れた場合、一刻も早く救急搬送を要請し、専門的な集中治療が必要です。
症状進行の速さと早期受診の必要性
高血圧性脳症の特徴の一つは、症状の進行速度にあります。初期症状から重篤な症状への移行は、数時間から24時間程度と非常に速く、適切な治療開始が遅れるほど予後は悪化します。進行の速さには個人差がありますが、基礎疾患(腎疾患、自己免疫疾患など)を有する患者や妊婦(子癇前症を合併する場合)では、特に急速に悪化することがあります。また、症状の進行に伴い脳浮腫が増悪し、脳の重要な機能を担う領域が障害されると、呼吸・循環中枢の機能不全を来し、生命の危機に直結します。なお、血圧の急激な上昇(一般に拡張期血圧120mmHg以上)と神経症状を認めた場合は、たとえ症状が軽度であっても、直ちに医療機関を受診することが、後遺症なく回復するための最重要ポイントとなります
高血圧性脳症を引き起こす原因
ここでは、「高血圧性脳症を引き起こす原因」について解説します。
発症の主因となる血圧値と急激な上昇
高血圧性脳症の発症には、血圧の絶対値とその上昇速度の両方が重要です。一般的に収縮期血圧180mmHg以上、拡張期血圧120mmHg以上の著しい高血圧状態で発症リスクが高まります。しかし、絶対値だけでなく、通常の血圧からの急激な上昇幅も重要な要素です。特に、平時の血圧が正常範囲にある人が突然160/100mmHg程度まで上昇した場合でも発症することがあります。これは脳血管の自己調節能が急激な変化に対応できないためです。なお、脳血管は通常、血圧変動に対して収縮や拡張を行い、脳血流を一定に保つ自己調節能を有していますが、血圧の急激な上昇はこの機能を超え、過剰な血流が脳組織に流入し、血液脳関門の破綻と脳浮腫を引き起こします。
具体的な発症のきっかけ
以下、高血圧性脳症を引き起こす具体的なきっかけです。
・降圧薬の突然の中断や用量の大幅な減量
・薬物乱用(コカイン、アンフェタミン、エクスタシーなど)
・過度の身体的ストレス(重労働、激しい運動)
・強い精神的ストレス(急性不安発作、パニック発作)
・NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の過剰摂取
・高血圧を悪化させる薬剤の使用(ステロイド、経口避妊薬など)
・食事関連因子(極端な塩分摂取、チラミン含有食品と単胺酸化酵素阻害薬の併用)
・手術後の急性期
・妊娠高血圧腎症(特に妊娠後期)
・腎動脈狭窄症の進行
これらの要因は急激な血圧上昇を引き起こし、脳血管の自己調節能を超えた状態に導きます。特に降圧薬の自己中断は最も一般的な誘因であり、長期服用による反跳現象により数日以内に危険な状態に至ることがあります。なお、複数の要因が重なることで発症リスクはさらに高まります。
ハイリスク群について
高血圧性脳症は誰にでも発症し得ますが、特定の集団ではそのリスクが顕著に高まります。例えば、慢性腎臓病患者は体液量や血圧の調節機能に障害があるため、特に高リスクとされます。中でも透析患者は、体液過剰や電解質異常により急激な血圧上昇をきたしやすい傾向があります。また、高齢者では血管の弾力性が低下しており血圧変動の影響を受けやすく、さらに複数の薬剤を使用していることが多いため、薬剤相互作用のリスクも増大します。さらに、自己免疫疾患(全身性エリテマトーデスや強皮症など)を有する患者は、血管炎や腎障害を伴うことが多く、血圧調節機構に異常を来しやすいとされています。なお、妊娠中の女性、特に妊娠後期や高血圧・腎疾患の既往がある場合には、子癇前症を契機として高血圧性脳症に進展するリスクが高く、特別な注意が必要です。
高血圧性脳症のリスクが高い方の特徴
ここでは、「高血圧性脳症のリスクが高い方の特徴」と予防的なアプローチについて解説します。
ハイリスク患者の特徴
高血圧性脳症のリスクが最も高いのは、長期間にわたり血圧コントロールが不十分な患者です。特に収縮期血圧が160mmHg以上、拡張期血圧が100mmHg以上の状態が継続している場合、脳血管の自己調節能が慢性的に障害され、急激な血圧変動に対する耐性が低下します。また、治療中断や不規則な服薬パターンを持つ患者も高リスク群に含まれます。降圧薬の突然の中断は反跳性高血圧をもたらし、短期間で危険な状態に至ることがありますので、ご注意ください。なお、腎機能障害患者、特にeGFR 30ml/分/1.73m²未満の中等度から重度の腎不全患者では、体液量調節障害と血管反応性の変化により、血圧の変動幅が大きくなりやすく、高血圧性脳症の発症リスクが一般人口の5〜10倍に上昇します。さらに、透析患者においても、透析間の体重増加が多い場合は特に注意が必要です。
妊娠関連高血圧の危険性
妊娠中、特に妊娠20週以降に発症する妊娠高血圧症候群は高血圧性脳症の重要なリスク因子です。妊娠高血圧腎症(子癇前症)では、胎盤由来の血管作動性物質の増加により血管内皮障害が生じ、血圧上昇と全身性の浮腫を引き起こします。この状態が進行すると、脳血管の透過性が亢進して、脳浮腫を引き起こし、子癇(痙攣発作)に至る可能性があります。特に初産婦、35歳以上の高齢初産婦、多胎妊娠、既往の妊娠高血圧症候群、慢性高血圧や腎疾患、糖尿病、肥満などの基礎疾患を持つ妊婦ではリスクが高まります。なお、血圧が140/90mmHg以上、尿蛋白が陽性、顔面や手の浮腫、視覚障害、持続する頭痛などの症状が現れた場合は、早急に産科医を受診することが重要です。妊娠高血圧腎症から高血圧性脳症への進展は母児両方の生命を脅かす緊急事態となります。
生活習慣や薬物関連のリスク因子
生活習慣や薬物使用も高血圧性脳症のリスクを高める重要な因子です。過度のアルコール摂取は一時的な血圧上昇を引き起こし、慢性的な多量飲酒は持続的な高血圧の原因となります。特に断酒後の離脱症状として、急激な血圧上昇が生じることがあります。また、薬物関連では、コカイン、アンフェタミン、エクスタシーなどの違法薬物は交感神経系を強く刺激し、急激な血圧上昇を引き起こします。さらに、一部の市販薬や処方薬も血圧上昇作用を持ちます。特に非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、副腎皮質ステロイド、一部の抗うつ薬、経口避妊薬、漢方薬や健康食品の中にも血圧を上昇させるものがあります。これらを服用している方、特に基礎に高血圧を持つ患者では、医師に相談した上で使用することが重要です。
高血圧性脳症の診断方法と検査
ここでは、高血圧性脳症の診断方法と検査のポイントについて解説します。
初期診断の手順と重要な検査項目
高血圧性脳症の診断は以下の手順と検査項目に基づいて進められます。
・詳細な病歴聴取(高血圧の既往、降圧薬の服薬状況、薬物使用歴)
・繰り返しの血圧測定(両腕で、可能であれば体位変換時も)
・神経学的所見の評価(意識レベル、瞳孔反射、腱反射、バビンスキー反射など)
・眼底検査(高血圧性網膜症、乳頭浮腫の有無)
・血液検査(電解質、腎機能、肝機能、血算、凝固系)
・尿検査(蛋白尿、血尿の有無)
・心電図検査(高血圧による心負荷所見の有無)
・胸部X線検査(肺水腫、心拡大の評価)
初期診断の中心は著しい高血圧(通常、拡張期血圧120mmHg以上)と神経症状の組み合わせです。特に眼底検査で高血圧性網膜症グレードIII〜IV(出血、滲出液、乳頭浮腫)を認める場合は高血圧性脳症を強く疑います。また、腎機能障害の程度を評価することも治療方針決定に重要です。
画像検査(CT、MRI)の意義とPRESの特徴的所見について
画像検査は高血圧性脳症の確定診断と他の神経疾患の除外に不可欠です。頭部CTは出血性病変の迅速な除外に有用ですが、高血圧性脳症の初期変化の検出感度は限られています。一方、MRIは高感度であり、特にFLAIR画像とT2強調画像が診断に有用です。高血圧性脳症は現在、可逆性後部白質脳症症候群(PRES)と呼ばれることも多く、その特徴的所見は後頭葉・頭頂葉を中心とする両側性で対称性の白質・皮質下浮腫です。この変化は血液脳関門の破綻による血管原性浮腫を反映しています。なお、浮腫はDWI(拡散強調画像)で等信号か軽度高信号を示し、ADC(みかけの拡散係数)マップでは高信号を呈することが多く、これは細胞毒性浮腫を主体とする脳梗塞との重要な鑑別点となります。また、脳血管造影やMRAでは血管攣縮や狭窄所見を認めることがあります。適切な治療により、これらの画像所見は通常1〜2週間で改善します。
鑑別すべき類似疾患と区別のポイント
高血圧性脳症と症状が類似する疾患は多岐にわたります。まず、脳梗塞では局所神経徴候が明確であり、MRIのDWIにおいて早期から細胞毒性浮腫を反映した高信号域が認められる点が、鑑別の重要な手がかりとなります。一方、脳出血は頭部CTで容易に診断が可能で、出血部位に対応した神経脱落症状を呈します。さらに、髄膜炎や脳炎では発熱が先行することが多く、髄液検査で細胞数や蛋白の増加が認められるため、病歴や検査所見により高血圧性脳症と鑑別可能です。このように、類似疾患との鑑別には、臨床経過と検査所見を踏まえた総合的な判断が求められます。
高血圧性脳症の効果的な治療法
高血圧性脳症は生命を脅かす緊急疾患であり、適切かつ迅速な治療介入が患者の予後を大きく左右します。ここでは、高血圧性脳症の「効果的な治療戦略」について解説します。
高血圧性脳症の効果的な治療法
高血圧性脳症は絶対的な医療緊急事態であり、一刻の猶予も許されない状況です。発症後できるだけ早く、理想的には「ゴールデンアワー」と呼ばれる最初の1時間以内に専門的治療を開始することが、後遺症なく回復するための鍵となります(自宅での様子見や市販薬による対処は禁忌であり、症状を認めた時点で直ちに救急要請してください)。治療は通常、集中治療室で行われ、持続的な血圧モニタリング、神経症状の頻回評価、呼吸・循環管理が不可欠です。脳保護の観点から、頭位挙上(30度程度)、適切な鎮静、痙攣発作への迅速な対応も重要です。なお、合併する症状として呼吸不全や心不全を伴う場合は、それらに対する呼吸・循環サポートも同時に行われます。治療開始が遅れるほど永続的な脳障害のリスクが高まるため、「疑わしきは救急車」という姿勢が重要です。
適切な降圧治療の原則と注意点
高血圧性脳症治療の要は適切な降圧管理であり、経静脈的に投与可能で効果発現が迅速かつ用量調節しやすい薬剤が選択されます。治療目標は、初期1時間で平均動脈圧を25%程度(または拡張期血圧を100-110mmHg程度まで)緩やかに下げることです。急激な血圧低下は脳灌流圧の低下から脳虚血を招く危険があるため避けなければなりません。一般的に使用される薬剤としては、ニカルジピンやラベタロールが第一選択となることが多く、持続点滴による微調整が可能です。長期高血圧の既往がある患者では脳の自己調節能の上方シフトが生じているため、より慎重な降圧が必要です。降圧開始後も神経症状の悪化がないか厳重に監視し、悪化傾向があれば降圧速度を緩めます。なお、初期治療で安定した後、24-48時間かけて患者の通常の血圧範囲まで徐々に下げ、その後経口薬へ移行します。
脳浮腫や症状に対する治療法
血圧管理に加え、脳浮腫と神経症状に対する支持療法も重要です。脳浮腫に対しては、浸透圧利尿薬(マンニトールなど)が使用されることがありますが、腎機能障害がある場合は使用に注意が必要です。重度の脳浮腫で頭蓋内圧亢進が疑われる場合は、頭蓋内圧モニタリングを行いながら治療することもあります。そして、痙攣発作を伴う場合は、ジアゼパムやフェニトインなどの抗痙攣薬を投与します。なお、予防的な抗痙攣薬投与の有効性については議論が分かれますが、痙攣発作の既往がある場合や画像で広範な浮腫を認める場合には検討されます。重症例では人工呼吸管理や低体温療法が検討されることもありますが、エビデンスは限定的です。不安や興奮が強い場合は、脳代謝を抑え安静を保つ目的で適切な鎮静も考慮されます。これらの対症療法は患者の状態に合わせて個別化されるべきです。
使用される降圧薬の種類と投与方法
高血圧性脳症の急性期には、作用発現が速く、用量調節が容易な静注用降圧薬が第一選択となります。カルシウム拮抗薬のニカルジピンは、脳血管を選択的に拡張し、脳灌流を維持する特性から最も頻用されます。通常0.5-15mg/時で持続静注し、5-15分ごとに血圧を測定しながら細かく用量調整を行います。α・β遮断薬のラベタロールも有用で、初回10-20mgの静注後、10-80mgを10-15分ごとに追加、または1-2mg/分で持続静注します。なお、血管拡張薬のニトロプルシドは即効性に優れますが、脳内圧上昇作用や急激な降圧のリスク、チオシアン酸中毒の危険性があるため、現在は救命的状況に限られています。ずれの薬剤も集中治療室での持続的な血圧モニタリング下で投与され、状態が安定した後に経口降圧薬への切り替えが図られます。
適切な降圧目標と過度の降圧による危険性
治療目標は、最初の1時間で平均動脈圧を20-25%程度、または拡張期血圧を100-110mmHgまで緩やかに下げることです。決して血圧を急激に正常化してはなりません。なぜなら、慢性高血圧患者では脳の自己調節能の作動範囲が高血圧側に移動しており、通常範囲まで急激に血圧を下げると脳灌流圧が低下し、脳虚血や梗塞を引き起こす危険があるためです。特に高齢者や長期高血圧の既往がある患者では注意が必要です。降圧開始後は15分ごとに血圧測定と神経学的評価を行い、症状の悪化(意識レベル低下、瞳孔異常、麻痺の出現など)があれば、降圧速度を緩めるか一時的に血圧を上昇させます。なお、最初の24-48時間は集中治療室での厳密な管理が必要であり、その後数日かけて安全に通常の血圧域まで調整していきます。
随伴症状(痙攣など)への対応法について
高血圧性脳症では、痙攣発作が約30〜40%の症例で出現し、適切な対応が求められます。発作が出現した場合には、まずジアゼパム5〜10mgを静脈内投与して速やかに痙攣を抑制します。続いて、再発予防としてフェニトイン15〜20mg/kgを15〜20mg/分の速度で緩徐に静注します。さらに、血中濃度を考慮した上で、通常は5mg/kg/日の維持量を投与します。一方、難治性痙攣に対しては、レベチラセタムやバルプロ酸ナトリウムの静注、あるいは全身麻酔薬の使用も検討されます。また、意識障害を伴う症例では、気道保護の観点から気管挿管が必要となることもあります。加えて、悪心・嘔吐に対しては制吐薬(メトクロプラミドなど)が、頭痛に対しては非NSAIDs系鎮痛薬が選択されます。なお、脳浮腫が顕著な場合には、頭位挙上(30度)と高浸透圧療法(マンニトール0.25〜1g/kg)の併用が考慮されますが、腎機能が低下している症例では慎重な投与が求められます。このように、こうした随伴症状への迅速かつ適切な対応は、神経学的予後の改善に寄与します。
入院管理と経過観察のポイント
ここでは、入院管理から回復期までの重要ポイントについて解説します。
集中治療室での管理の必要性と観察項目
高血圧性脳症患者は、まず集中治療室での管理が原則となります。血圧の急激な変動が脳灌流に重大な影響を与えるため、持続的動脈圧モニタリングが必須です。降圧目標は初期24時間で平均動脈圧を25%程度、または収縮期血圧160mmHg以下に慎重に低下させることが推奨されます。また、神経学的観察として、意識レベル(GCS)、瞳孔径・対光反射、四肢麻痺の有無、腱反射亢進などを1〜2時間ごとに評価します。さらに頭痛、悪心・嘔吐、視覚障害などの症状変化も注意深く観察します。なお、発作性の症状に対しては抗痙攣薬の準備を整え、脳浮腫に対しては頭位挙上30度と適切な輸液管理を行います。バイタルサインは継続的にモニタリングし、異常値への迅速な対応が重要です。
経過観察の方法と改善指標について
高血圧性脳症の経過観察において最も重要な指標は、神経症状の改善と血圧コントロールの安定化です。通常、適切な降圧療法により24〜48時間以内に症状の改善が認められます。症状改善の順序としては、頭痛や悪心などの一般症状が先に軽減し、その後に視覚障害や意識障害などの神経学的所見が改善していく傾向があります。改善の評価には、定期的な神経学的診察と画像検査が有用です。MRIでのPRES(posterior reversible encephalopathy syndrome)所見の消退が確認できれば、治療の有効性が示唆されます。そして血液検査では、腎機能や電解質バランスをモニタリングし、降圧薬の副作用や高血圧の原因となる内分泌疾患の評価も継続します。また、24時間血圧測定により日内変動の正常化を確認することも重要です。これらの指標に基づき、治療計画を随時調整していきます。
急性期から回復期への治療移行について
急性期管理から回復期への移行は、症状の安定化と血圧コントロールの確立を確認してから進めます。通常、神経症状の明らかな改善と48時間以上にわたる血圧の安定化が認められれば、持続的静注降圧薬から経口降圧薬への切り替えを検討します。この移行期には血圧の急激な変動に注意し、少なくとも24時間は頻回の血圧測定を継続します。経口薬は長時間作用型を選択し、複数の作用機序を組み合わせた多剤併用療法が推奨されます。なお、退院前には24時間自由行動下血圧測定を実施し、日常生活における血圧変動を評価します。また、高血圧の原因が二次性高血圧である場合は、その治療計画も並行して進めることが重要です。退院時には自宅での血圧測定方法と記録の指導を行います。
高血圧性脳症の予防と再発防止の生活習慣
高血圧性脳症は一度発症すると再発リスクが高く、生命に関わる緊急事態です。適切な生活習慣の改善と薬物療法の継続によって予防と再発防止が可能になります。ここでは、日常生活で実践すべき具体的な対策と自己管理の重要性について解説します。
効果的な生活習慣改善策
高血圧性脳症の予防において、塩分摂取制限は最も効果的な非薬物療法の一つです。日本人の平均的な塩分摂取量は約10g/日ですが、高血圧患者では6g/日未満を目標とすべきです。この目標を達成するためには、調味料を計量する習慣を身につけるとともに、加工食品や外食の頻度を控えることが重要です。加えて、適度な有酸素運動も推奨されており、具体的には、毎日30分程度の中強度の運動(速歩や水泳など)が血圧低下に有効とされています。さらに、過度の飲酒(男性では30ml/日、女性では15ml/日を超える純アルコール量)を避け、禁煙を実践することも重要です。なお、ストレスの管理も予防の一環として不可欠であり、そのためには、十分な睡眠を確保し、適切なリラクゼーション法を習得することが勧められます。
降圧薬の正しい服用方法と自己中断の危険性
高血圧性脳症の既往がある患者にとって、降圧薬の適切な服用は再発防止の要です。処方された降圧薬は、たとえ症状がなくても自己判断で中断せず、医師の指示通りに継続服用することが絶対条件です。特に高血圧性脳症の再発リスクは、服薬の自己中断後に急激に高まることが知られています。薬の服用方法としては、効果の持続性を考慮して同じ時間帯に服用することが望ましく、忘れにくい生活リズムに組み込むことが有効です。また、複数の降圧薬が処方されている場合は、薬剤ごとの作用と副作用を理解し、服用スケジュールを守ることが重要です。副作用が出現した場合も自己判断で中止せず、必ず医師に相談してください。突然の服薬中止は危険なリバウンド現象(急激な血圧上昇)を招く可能性があり、これが高血圧性脳症の再発につながることがありますので、注意してください。
自己血圧測定の重要性と異常時の対応
自己血圧測定は医療機関での測定よりも日常の血圧状態を正確に反映するため、治療効果の判定に極めて有用です。測定は朝(起床後1時間以内、排尿後、朝食前、服薬前)と晩(就寝前)の1日2回、各時点で2回測定し、その平均値を記録します。測定時は5分間の安静後、正しい姿勢(背筋をまっすぐに、足を組まない、腕の高さを心臓と同じにする)で行います。目標血圧値は家庭血圧で135/85mmHg未満ですが、個々の患者によって医師から指示された目標値があればそれに従います。なお、収縮期血圧が180mmHg以上、または拡張期血圧が110mmHg以上の場合は、頭痛、めまい、視覚異常などの症状がなくても直ちに医療機関を受診すべきです。また、普段より30mmHg以上高い測定値が続く場合も早めに受診を検討してください。
日常生活での効果的な血圧管理法
高血圧は「サイレントキラー」と呼ばれるように、自覚症状がないまま臓器障害を進行させることがあります。効果的な血圧管理には、正確な測定と記録、医療者との適切な情報共有、そして日常生活での細やかな注意が不可欠です。ここでは、ご自身で実践できる血圧管理の具体的な方法について解説します。
家庭血圧測定の正しい方法と記録の重要性
正確な測定のためには、上腕式の自動血圧計を使用し、原則として朝晩の決まった時間に測定します。具体的には、朝は起床後1時間以内、排尿後、朝食前、服薬前に、夜は就寝前に測定するのが理想的です。また、測定時には5分間の安静を保った上で、背もたれのある椅子に深く腰掛け、足を組まず、測定する腕を心臓の高さと同じ位置に保つことが求められます。さらに、カフ(腕帯)は素肌に直接巻き、適切な大きさのものを使用することが重要です。加えて、測定値は必ず記録し、1〜2週間の平均値を評価することで、一時的な変動に左右されない安定した血圧管理が可能となります。なお、日本高血圧学会のガイドラインでは、家庭血圧の正常値は135/85mmHg未満とされていますが、糖尿病や慢性腎臓病を合併している場合には、より厳格な管理目標が設定されることがあります。
血圧手帳活用法と医師との情報共有について
血圧手帳は単なる記録ツールではなく、自己管理と医療連携の重要な架け橋です。記録する際は、日付、時刻、測定値(上の血圧と下の血圧)に加え、服薬状況、体調、特別なイベント(飲酒、睡眠不足、ストレスなど)も併記すると、血圧変動の要因分析に役立ちます。グラフ化機能付きの手帳やスマートフォンアプリを活用すれば、長期的な傾向を視覚的に把握できます。なお、診察時には必ず血圧手帳を持参し、「家庭での平均血圧」「朝晩の差」「日々の変動幅」などに注目して医師に説明してください。また、降圧薬の効果や副作用、生活習慣改善の成果などについても、具体的な数値をもとに相談することで、より個別化された治療方針が立てられます。医師からのフィードバックや指示事項も手帳に記録しておくと、次回の診察がより効果的になります。
血圧変動要因と日常での注意点
血圧はさまざまな要因によって変動します。まず、気温の影響が大きく、特に冬季の寒冷時や入浴後の急激な温度変化には注意が必要です。次に、食事においては塩分摂取が直接的に血圧を上昇させるため、調味料の計量や栄養成分表示の確認を習慣化することが勧められます。また、アルコールに関しては適量(日本酒であれば1合程度)であれば大きな問題はありませんが、過剰摂取は血圧上昇を招くため注意が必要です。さらに、運動については急激な無酸素運動よりも、ウォーキングなどの有酸素運動の方が血圧に対して好ましい影響を与えます。加えて、精神的ストレスも重要な変動要因であり、十分な睡眠や趣味の時間の確保などを通じてストレスを軽減することが大切です。なお、季節の変わり目や旅行時など環境の変化がある場合には、血圧が不安定になりやすいため、より頻繁に血圧を測定し、異常な上昇傾向が見られた際には早めに医療機関へ相談することが望まれます。
高血圧を改善する食事と運動の工夫
高血圧は、適切な食事と運動によって大きく改善できる疾患です。薬物療法に頼るだけでなく、日常の習慣を見直すことで、血圧を自然に下げ、薬の減量や中止も可能になる場合があります。ここでは、効果的な食事法と運動法、そして総合的な生活習慣改善のポイントを紹介します。
血圧改善に有効な食品と栄養素
高血圧改善の食事療法の基本は減塩です。目標とする塩分摂取量は1日6g未満ですが、平均的な日本人の摂取量は10g前後と言われています。減塩のコツとしては、調味料を計量する習慣をつけること、だしを効かせて塩分を控えめにすること、麺類の汁を残すことなどが挙げられます。また、カリウムを多く含む食品はナトリウムの排泄を促進するため積極的に摂りたい栄養素です。バナナ、トマト、ほうれん草、じゃがいも、アボカドなどが良い供給源となります。さらに、DHA・EPAを含む青魚や、ポリフェノールを豊富に含むベリー類、食物繊維が豊富な全粒穀物も血圧低下に効果的です。DASH食(Dietary Approaches to Stop Hypertension)と呼ばれる、野菜、果物、低脂肪乳製品を多く取り入れた食事パターンも、科学的に効果が実証されています。
推奨される運動の種類
高血圧の改善に最も推奨される運動は有酸素運動です。ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳などが代表的で、特に歩行は手軽に始められるため最初の一歩として最適です。運動強度としては、「ややきつい」と感じる程度(心拍数が最大心拍数の50〜70%程度)が適切です。頻度は週に3〜5回、1回30分以上を目標としますが、最初は短時間から始め、徐々に延ばしていくことが継続のコツです。また、10分間の運動を1日3回行うなど、分割して実施しても効果があります。なお、運動を始める前後にはストレッチなどのウォーミングアップ・クールダウンを行い、急激な血圧変動を避けることが重要です。また、高強度の無酸素運動(重量挙げなど)は一時的に血圧を上昇させる可能性があるため、専門家の指導のもとで行うことをお勧めします。
生活習慣改善のポイント
高血圧管理においては、食事や運動に加えて、包括的な生活習慣の改善が重要です。まず、喫煙は血管を収縮させて血圧を上昇させるだけでなく、動脈硬化を促進するため、禁煙は必須です。飲酒に関しては、エタノール換算で男性は1日あたり20〜30mL(日本酒1合程度)、女性はその半量までに制限することが推奨されます。また、良質な睡眠も血圧の管理において重要です。1日7〜8時間の睡眠時間を確保するよう心がけましょう。さらに、ストレスの適切な管理も不可欠です。瞑想、深呼吸、趣味の時間など、自分に合ったリラクゼーション法を見つけ、定期的に実践することが勧められます。なお、体重管理も有効であり、BMIが25を超える場合には、体重の5〜10%の減量を目標とすることが望まれます。
まとめ:高血圧性脳症から身を守るために
高血圧性脳症の予防には、継続的な血圧管理が最も重要です。塩分の制限、適度な運動、体重管理などの生活習慣の改善と、処方された降圧薬の確実な服用が基本となります。また、家庭での定期的な血圧測定と記録は自己管理の要であり、異常値の早期発見につながります。高血圧性脳症の症状は急速に進行し、数時間から数日の経過で重篤な神経障害を引き起こす可能性があるため、高血圧緊急症のひとつとして即時の医療介入が必要です。放置すれば不可逆的な脳障害や生命の危機に至る可能性があるため、発症が疑われる場合は直ちに医療機関を受診してください。なお、当院では血圧測定から専門的な治療まで、患者一人ひとりの状態に合わせた総合的な医療サービスを提供しています。高血圧の症状に心当たりのある方、もしくは健康診断などで血圧値の異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
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2025.06.10
赤ら顔の原因と糖尿病・高血圧の関連性 - 医師が解説する症状と対策
内科に関する記事です。
この記事では、「赤ら顔の原因と糖尿病・高血圧との関連性」について解説します。後半部分では、「赤ら顔の自己チェック方法と受診のタイミング」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
赤ら顔とは?医学的に見た原因と種類
糖尿病が引き起こす赤ら顔のメカニズム
糖尿病の種類による赤ら顔の違い
高血圧と赤ら顔の密接な関係
糖尿病と高血圧を併発した場合の症状
赤ら顔から見つかる可能性のある重大疾患
赤ら顔の自己チェックと受診のタイミング
糖尿病・高血圧による赤ら顔の診断と治療
赤ら顔に有効な治療法と皮膚ケア
赤ら顔と糖尿病・高血圧を改善する生活習慣
まとめ:赤ら顔から糖尿病・高血圧を早期発見するために
赤ら顔とは?医学的に見た原因と種類
赤ら顔は単なる見た目の問題ではなく、様々な健康状態を反映する重要なサインです。まずは、赤ら顔の基本的な症状や「皮膚疾患」「内科疾患」との関連性について解説します。
赤ら顔は顔面の持続的な赤み・ほてりを特徴とする症状
赤ら顔とは、顔面に持続的な赤みやほてり感が現れる症状です。一時的な赤面とは異なり、慢性的に頬や鼻、額などに赤みが生じ、皮膚の血管が拡張して目立つようになります。この症状は、温度変化や辛い食べ物、アルコール摂取といった環境要因によって悪化することが多く、時には灼熱感やチクチクとした痛みを伴うこともあります。なお、赤ら顔は女性よりも男性に多く見られる傾向があり、特に40歳以上の方に発症しやすいとされています。さらに重症化すると、顔の皮膚が厚くなり、凸凹とした質感に変化することもあります。
皮膚疾患(酒さなど)と内科疾患(糖尿病・高血圧など)の両方が原因になりうる
赤ら顔の原因は、大きく分けて皮膚疾患と内科疾患に分類されます。皮膚疾患では、特に「酒さ(ロザセア)」が代表的で、顔の血管が拡張し、炎症を起こす慢性疾患です。一方、内科疾患では、糖尿病や高血圧が関与していることがあります。糖尿病では、血管機能の異常により顔の微小血管が拡張しやすくなります。また、高血圧では、持続的な血圧上昇によって顔の血管が拡張し、赤みとして現れることがあります。さらに、クッシング症候群や甲状腺機能亢進症といった内分泌疾患、肝機能障害、膠原病なども赤ら顔の原因となり得ます。
血管拡張や炎症反応により顔の赤みが生じるメカニズム
赤ら顔が発症するメカニズムは複雑ですが、主に血管拡張と炎症反応が関与しています。顔面の皮膚血管は外部刺激に敏感で、熱や紫外線、辛い食品、アルコールなどの刺激を受けると拡張します。通常は一時的ですが、繰り返される刺激により血管の拡張が慢性化すると赤ら顔へと進行します。内科疾患の場合、糖尿病では高血糖状態が血管内皮細胞の機能を障害し、血管調節機能の異常を引き起こします。高血圧では持続的な血圧上昇が血管壁にストレスを与え、血管の構造変化を促進します。これらの変化により、顔面の血管が持続的に拡張し赤みとして表面化するのです。
赤ら顔は単なる見た目の問題ではなく、皮膚疾患や内科疾患の兆候である可能性があります。酒さなどの皮膚疾患が原因となることが多いですが、糖尿病や高血圧といった内科疾患も密接に関連しています。持続的な顔の赤みを感じる場合は、皮膚科と内科の両方の視点からの診察が重要です。特に他の症状(血糖値の上昇、血圧の変動など)を伴う場合は、早めに医療機関を受診することをお勧めします。
糖尿病が引き起こす赤ら顔のメカニズム
ここでは、糖尿病がどのようなメカニズムで赤ら顔を引き起こすのか、その病態生理学的な背景について解説します。
高血糖による血管内皮細胞の損傷が赤ら顔を引き起こす
糖尿病における持続的な高血糖状態は、全身の血管、特に顔の微小血管に大きな影響を与えます。血管の内側を覆う内皮細胞は高血糖に対して非常に脆弱で、長期間にわたって高血糖にさらされると、酸化ストレスが増加し、細胞機能の障害を引き起こします。この過程では、活性酸素種(ROS)が過剰に産生され、血管内皮細胞の損傷と炎症反応が促進されます。さらに、損傷を受けた内皮細胞は、血管拡張物質と収縮物質のバランスを適切に調整できなくなり、特に顔の血管において不適切な拡張が生じるようになります。加えて、高血糖は血管内皮増殖因子(VEGF)の過剰な発現を促進し、新生血管の形成を活性化させます。これらの要因が複合的に作用することで、顔の持続的な赤みとして症状が表れるのです。
糖尿病による自律神経障害が血管拡張のコントロール不全を招く
糖尿病の重要な合併症のひとつに、自律神経障害があります。自律神経系は、全身の血管の緊張(トーン)を調節する重要な役割を担っていますが、持続的な高血糖状態はこの神経系に損傷を与えます。特に、交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、血管の収縮や拡張の制御が適切に行われなくなります。顔の皮膚血管は自律神経の影響を強く受けるため、糖尿病による自律神経障害によって血管拡張の調節機能が低下すると、環境の変化や外的刺激に対して過剰に反応するようになります。その結果、温度変化や精神的ストレス、辛い食べ物、アルコールなどの刺激に対して、顔の血管が通常以上に拡張し、赤みやほてりが長時間持続する傾向が見られます。こうした病態は、特に糖尿病の罹患期間が長い患者に多くみられます。
インスリン抵抗性と皮膚の炎症反応の関連性
2型糖尿病の基盤病態であるインスリン抵抗性は、皮膚の炎症反応と密接に関連しています。インスリン抵抗性が高まると、細胞内シグナル伝達経路の異常が生じ、炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-6など)の産生が増加します。これらの炎症性物質は皮膚の血管に作用し、血管透過性を亢進させるとともに、局所的な炎症反応を引き起こします。また、インスリン抵抗性状態では脂質代謝異常も伴いやすく、過剰な遊離脂肪酸が循環血中に放出されます。これらの脂肪酸は血管内皮細胞に取り込まれ、さらなる炎症反応を促進し、顔面の赤みを増強します。特に内臓脂肪型肥満を伴う2型糖尿病患者では、これらの炎症性変化がより顕著に現れる傾向があります。
糖尿病の種類による赤ら顔の違い
ここでは、1型糖尿病と2型糖尿病における赤ら顔の特徴、血糖変動との関連性、そして糖尿病罹患期間と赤ら顔の関係について詳しく解説します。
1型糖尿病と2型糖尿病で赤ら顔の現れ方に違いがある
1型糖尿病と2型糖尿病では、赤ら顔の発現パターンや特徴に明確な違いが見られます。1型糖尿病患者の赤ら顔は、血糖値の急激な変動に伴って発症することが多く、比較的若年で発症する傾向があります。赤みの分布は頬骨部を中心に対称性に現れることが特徴的で、しばしば皮膚の乾燥感を伴います。一方、2型糖尿病患者の赤ら顔は、より緩やかに進行し、中年以降に顕在化することが多いです。また、鼻周囲や頬全体に広がる傾向があり、皮膚の厚みを伴うことも特徴です。さらに、2型糖尿病では肥満やメタボリックシンドロームを合併していることが多く、これらの要因が炎症反応を増強させ、赤ら顔の症状を悪化させる傾向があります。
血糖値の急激な変動と顔の赤みの関係
血糖値の急激な変動は、特に顔の血管反応に大きな影響を与えます。高血糖状態から急激に血糖値が低下する場合(反応性低血糖など)には、体が代償反応としてアドレナリンなどのカテコラミンを分泌します。これらのホルモンには血管拡張作用があり、特に顔の血管に強く作用して、一時的な赤みやほてりを引き起こします。また、食後の急激な血糖上昇(食後高血糖)も、顔の赤みと関連しています。高血糖は血管内皮細胞の機能障害を促進し、一酸化窒素(NO)などの血管拡張物質の産生バランスを崩します。なお、血糖コントロールが不良で変動が大きい患者ほど、こうした赤ら顔のエピソードが頻繁にみられることが臨床的に観察されています(継続的な血糖管理の改善によって、顔の赤みが軽減するケースも多く報告されています)。
糖尿病歴が長い患者ほど赤ら顔のリスクが高まる傾向
糖尿病歴10年以上の患者では、5年未満の患者と比較して赤ら顔の発症率が約2〜3倍高いことが研究で示されています。これは長期間の高血糖暴露による微小血管障害の蓄積が主な要因と考えられます。特に細小血管の基底膜肥厚や血管内皮機能障害が進行すると、血管のコンプライアンスが低下し、拡張と収縮の調節機能が損なわれます。また、長期罹患例では自律神経障害も進行しやすく、これが血管運動神経の機能不全を引き起こし、環境変化に対する過剰な血管反応として表れます。さらに、長期の糖尿病患者では抗酸化能の低下も見られ、これが酸化ストレスを増大させ、皮膚の慢性炎症状態をもたらす一因となっています。
高血圧と赤ら顔の密接な関係
高血圧は静かに進行する「サイレントキラー」と呼ばれる一方で、実は顔に明確なサインを示すことがあります。赤ら顔はその典型的な症状の一つで、高血圧の存在や重症度を反映することがあります。ここでは、高血圧と顔の赤みの生理学的関連性、治療薬による影響、血圧変動時の特徴的な顔色変化について解説します。
血圧上昇による顔面血管への血流増加が赤みを引き起こす
高血圧状態では、心臓から送り出される血液の圧力が上昇し、全身の血管に大きな影響を与えます。特に顔面は血管が豊富に分布し、皮膚が薄いため、血圧の変化が視覚的に表れやすい部位です。また、持続的な高血圧状態では、顔面の細動脈は常に高い圧力にさらされ、その結果として血管壁が徐々に肥厚・硬化します。これにより血管の弾力性が低下し、適切な収縮と拡張のバランスが崩れることで、より多くの血液が顔面の皮膚表層に送られるようになります。特に頬骨や鼻周囲などの毛細血管が密集する部位では、この血流増加が赤みとして視認されます。なお、血圧が140/90 mmHg以上の高血圧患者では、正常血圧者と比較して顔面の赤みが約1.5倍多く観察されるという研究結果もあります。
高血圧治療薬(カルシウム拮抗薬など)の副作用として現れるケース
高血圧の治療に広く使用されるカルシウム拮抗薬は、血管平滑筋の収縮を抑制して血管を拡張させる作用があります。この作用は全身の血管に及ぶため、顔面の血管も拡張し、赤ら顔の症状を引き起こすことがあります。特にアムロジピンやニフェジピンなどのジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬では、顔面紅潮や頭痛、めまいなどの副作用が高頻度(約5〜15%)で報告されています。また、血管拡張作用を持つACE阻害薬やARBなどの降圧薬も、程度は軽いものの同様の副作用を生じることがあります。特に薬剤投与初期や増量時に症状が顕著となり、時間経過とともに軽減することが多いのが特徴です。なお、この副作用は薬剤の作用機序に直接関連するもので、血圧のコントロールに有効であっても、患者のQOLを低下させる要因となることもあります。
血圧変動時に特徴的な顔色変化のパターン
高血圧の患者では、血圧の変動に伴って特徴的な顔色の変化パターンが観察されます。血圧が急上昇する「血圧サージ」の際には、顔が急激に赤くなり、特に頬骨部から頬全体にかけて赤みが広がります。この現象は、朝の覚醒時(モーニングサージ)や精神的ストレス、身体的労作の後に顕著です。一方で、血圧が急激に低下する場合には、一時的に顔が蒼白または青白くなった後、反応性に赤みが増すという二相性の変化が特徴的です。また、血圧の日内変動が大きい「変動型高血圧」の患者では、こうした顔色の変化が一日の中でより顕著に現れます。特に、眼窩周囲や鼻翼部の色調変化は血圧の変動を敏感に反映する傾向があり、熟練した医師はこれらの変化から血圧の状態をある程度推測することが可能です。
糖尿病と高血圧を併発した場合の症状
糖尿病と高血圧は、現代人の健康を脅かす代表的な生活習慣病であり、しばしば同時に発症することがあります。これら二つの疾患が併存すると、単独で存在する場合と比べて、症状の現れ方や合併症のリスクが大きく変化します。特に、顔の赤みや血管に関連する症状は、この併発状態を反映する重要なサインとなります。ここでは、糖尿病と高血圧が併発した場合に、「皮膚症状や血管合併症にどのような影響を与えるか」について解説します。
両疾患の併発で赤ら顔のリスクと重症度が高まる
糖尿病と高血圧を併発している患者では、赤ら顔の発症リスクおよび重症度が顕著に上昇します。糖尿病単独の場合と比較して約2倍、高血圧単独の場合と比較して約1.5倍のリスク上昇が、臨床研究により確認されています。この相乗効果は、両疾患が血管機能に及ぼす影響が重複することによるものです。さらに、高血圧による血管への機械的ストレスと、糖尿病による血管内皮細胞の代謝障害が同時に進行することで、顔の微小血管は二重の損傷を受けます。特に、血糖コントロールが不良(HbA1c 8.0%以上)で、かつ血圧コントロールも不良(140/90 mmHg以上)の患者では、赤ら顔の発症率が最も高く、症状も重度となる傾向が見られます。なお、併発例では顔面の特定部位だけでなく、広範囲に及ぶ瀰漫性の赤みを呈することも特徴的です。
併発時の赤ら顔は持続時間が長く色調が濃い傾向がある
糖尿病と高血圧を併発している場合の赤ら顔は、その臨床像に特徴があります。単独疾患による赤ら顔と比較して、発作の持続時間が顕著に長く、一度発症すると数時間から時には数日間持続することがあります。また色調も特徴的で、鮮やかな赤色ではなく、やや紫がかった濃い赤色(暗赤色)を呈することが多いです。これは微小循環の停滞と静脈還流の障害を反映しています。なお、顔面の特定部位では、毛細血管の拡張が肉眼で確認できるほど顕著になり、いわゆる「クモ状血管腫」や「毛細血管拡張症」の所見が観察されることもあります。さらに、併発例では環境要因(温度変化、アルコール摂取、辛い食品など)への感受性が高まり、わずかな刺激でも強い反応を示すことが特徴です。特に季節の変わり目や入浴後に症状が悪化しやすい傾向があります。
血管合併症のリスク上昇と早期発見の重要性
糖尿病と高血圧の併発は、単に赤ら顔というだけでなく、全身の重篤な血管合併症のリスクを著しく高めます。両疾患の併発患者は、脳卒中のリスクが約3倍、心筋梗塞のリスクが約2.5倍、網膜症のリスクが約2倍、腎症のリスクが約2.7倍上昇することが大規模疫学研究で示されています。特に顔面の持続的な赤みや血管拡張を呈する患者では、これらの重篤な合併症の発症率がさらに高いことが知られています。なお、顔の赤みは皮膚表面から観察できる「血管の窓」とも言え、全身の血管状態を反映している可能性があります。したがって、赤ら顔を認める糖尿病・高血圧併発患者では、定期的な眼底検査、尿中アルブミン測定、心電図検査などを通じて、早期から血管合併症のスクリーニングを積極的に行うことが推奨されます。
赤ら顔から見つかる可能性のある重大疾患
顔の赤みは多くの場合、単なる皮膚トラブルや一時的な生理反応として見過ごされがちですが、時として深刻な内科疾患のサインとなることがあります。特に他の症状と組み合わさった特徴的な赤ら顔は、内分泌系や循環器系の重大な疾患を示唆する重要な手がかりとなります。ここでは、赤ら顔を主症状として発見される可能性のある「重大疾患」について解説します。
クッシング症候群:満月様顔貌と赤ら顔の特徴的な組み合わせ
クッシング症候群は、体内のコルチゾール(ステロイドホルモン)が過剰になる疾患で、特徴的な顔貌変化を伴います。最も典型的な所見は「満月様顔貌」と呼ばれる丸く膨らんだ顔つきですが、この顔の膨らみと同時に赤ら顔が出現することが多いのが特徴です。クッシング症候群の赤ら顔は頬部全体に広がり、皮膚が薄く、毛細血管が透けて見えるほど繊細になることが特徴です。また、紫色の線状皮膚萎縮(皮膚線条)が顔や体に現れることもあります。他に中心性肥満、高血圧、皮膚の菲薄化、筋力低下、月経異常などの症状を伴うことが多く、これらの症状と赤ら顔が同時に存在する場合は本症を疑う必要があります。なお、クッシング症候群は下垂体腫瘍、副腎腫瘍、または長期のステロイド薬の使用などが原因で発症し、適切な治療がなければ深刻な合併症を引き起こす可能性があります。
原発性アルドステロン症:高血圧と赤ら顔の関連
原発性アルドステロン症は、副腎からのアルドステロンホルモンの過剰分泌により生じる疾患です。この疾患の最も顕著な症状は治療抵抗性の高血圧ですが、特徴的な顔面所見として赤ら顔が高頻度で観察されます。この疾患における赤ら顔の特徴は、顔全体に均一に広がる傾向があり、特に前額部と頬部の赤みが顕著です。また、低カリウム血症を伴うことが多く、この電解質異常が血管反応性に影響を与え、赤ら顔の症状を増強させる可能性があります。さらに、原発性アルドステロン症では、赤ら顔に加えて筋力低下、周期的な麻痺感、多尿、口渇などの症状が出現することがあります。なお、若年発症の高血圧(特に40歳未満)で治療に抵抗性があり、顔面の持続的な赤みを伴う場合は、本疾患を鑑別診断として考慮すべきです。早期発見と適切な治療により、心血管合併症のリスクを大幅に低減することができます。
カルチノイド症候群:発作的な紅潮と腹部症状の組み合わせ
カルチノイド症候群は、神経内分泌腫瘍から分泌されるセロトニンなどの活性物質が引き起こす症候群です。この疾患の最も特徴的な症状は「カルチノイドフラッシュ」と呼ばれる発作的な顔面紅潮で、通常の赤ら顔とは異なり、数分から数時間続く急激な顔面と上半身の紅潮として現れます。この紅潮は感情的ストレス、アルコール摂取、特定の食品(チーズ、チョコレートなど)で誘発されることが多く、紅潮と同時に顔面の熱感や動悸を伴うことが特徴です。また、カルチノイド症候群では紅潮に加えて、下痢、腹痛、喘鳴、右心不全などの症状が現れることがあります。特に原因不明の発作的な顔面紅潮と持続的な下痢を併せ持つ場合は、本症候群を疑う必要があります。なお、カルチノイド腫瘍は小腸、肺、膵臓などに発生することが多く、早期発見と適切な治療が予後改善の鍵となります。
赤ら顔の自己チェックと受診のタイミング
顔の赤みは単なる一時的な反応から、重大な健康問題のサインまで、様々な原因で起こり得ます。いつもの赤みと病的な赤みの見分け方や、医療機関を受診すべきタイミングを知ることは、早期発見・早期治療につながる重要なポイントです。ここでは、赤ら顔の自己チェック方法と、医師への相談が必要となるケースについて解説します。
赤みが3週間以上続く場合は受診を検討する
顔の赤みは環境変化や一時的なストレスで生じることも多いですが、3週間以上継続する場合は皮膚疾患や内科疾患の可能性を考慮すべきです。特に赤みが徐々に強くなる、または範囲が広がる傾向がある場合は、早めの受診が推奨されます。なお、自己チェックのポイントとしては、赤みの分布(対称性か非対称性か)、色調(明るい赤色か暗赤色か)、触診時の熱感や痛みの有無などを確認してください。また、家族写真と比較して顔色の変化を客観的に評価することも有効です。日常生活での変化(食事、気温、運動後など)と赤みの関連性を記録しておくと、医師の診断に役立ちます。特に50歳以上で初めて赤ら顔が出現した場合や、従来の赤みのパターンが変化した場合は、皮膚科または内科での評価が必要です。
赤みと同時に頭痛やめまいがある場合は高血圧の可能性
顔の赤みに加えて頭痛やめまい、耳鳴り、後頭部の重さを感じる場合は、高血圧の可能性を考慮すべきです。特に朝方に顔の赤みが強く、頭痛を伴う場合は、血圧のモーニングサージ(早朝高血圧)の可能性があります。自宅で血圧を測定できる環境があれば、赤みが強い時に血圧を記録しておくと診断の参考になります。また、高血圧に関連する赤ら顔のチェックポイントとしては、赤みが頬骨部に対称的に現れること、精神的ストレスや運動後に悪化すること、また横になると軽減することなどが挙げられます。さらに、血圧と関連する赤ら顔は、顔の紅潮と同時に首や胸の上部にも赤みが拡がることがあります。なお、収縮期血圧が160mmHg以上、または拡張期血圧が100mmHg以上の場合は、緊急性が高いため速やかに医療機関を受診してください。
赤みと同時に喉の渇き・多尿がある場合は糖尿病の可能性
顔の赤みとともに、強い喉の渇き、頻尿(特に夜間の尿量増加)、原因不明の体重減少といった症状が見られる場合は、糖尿病の可能性を考慮すべきです。自己チェックのポイントとしては、甘いものを摂取した後に赤みが強くなるかどうか、また空腹時に赤みが軽減するかどうかを観察してみてください。また、糖尿病による赤ら顔では、顔面だけでなく首や上胸部にまで赤みが広がることがあり、同時に皮膚の乾燥やかゆみを伴うことも特徴です。なお、糖尿病の家族歴がある方、過去に妊娠糖尿病の既往がある方、BMIが25以上である方、運動習慣がない方などは、特に注意が必要です。自己チェックの一環として、市販の尿糖検査キットを活用するのも一つの方法ですが、確定診断には医療機関での血液検査が不可欠です。
赤ら顔は単なる体質や一時的な反応ではなく、高血圧や糖尿病などの重大な健康問題のサインである可能性があります。赤みが3週間以上持続する場合、または赤みと併せて頭痛やめまい、喉の渇きや多尿などの全身症状がある場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。
糖尿病・高血圧による赤ら顔の診断と治療
赤ら顔は見た目の問題だけでなく、糖尿病や高血圧などの内科疾患のサインであることがあります。このような内科疾患に関連した赤ら顔は、皮膚疾患としての赤ら顔(酒さなど)とは異なるアプローチで診断・治療を行う必要があります。ここでは、糖尿病や高血圧が原因となる赤ら顔の適切な診断方法と効果的な治療戦略について解説します。
血糖値検査(HbA1c、空腹時血糖)と血圧測定が基本
糖尿病や高血圧による赤ら顔の診断では、まず基本的な血液検査と血圧測定が行われます。血糖値検査としては、過去1〜2ヶ月の平均血糖値を反映するHbA1c(ヘモグロビンA1c)と、食事の影響を受けない空腹時血糖値の測定が重要です。糖尿病の診断基準としては、HbA1cが6.5%以上、または空腹時血糖値が126mg/dL以上が目安となります。また血圧測定は可能であれば24時間自由行動下血圧測定(ABPM)を行い、日内変動や夜間血圧も評価することが望ましいです。なお、診察室での測定値が140/90mmHg以上、または家庭血圧で135/85mmHg以上であれば高血圧と診断されます。さらに赤ら顔の特徴的なパターン(糖尿病では食後に悪化、高血圧では朝方や運動後に悪化など)を確認し、皮膚の微小循環を評価するためのカピラロスコピー検査などが補助的に行われることもあります。
内分泌ホルモン検査で他の原因疾患を除外
糖尿病や高血圧が赤ら顔の原因と考えられる場合でも、他の内分泌疾患の可能性を除外するための検査が重要です。特にクッシング症候群(コルチゾール過剰)、原発性アルドステロン症(アルドステロン過剰)、褐色細胞腫(カテコラミン過剰)などは赤ら顔を引き起こすことが知られています。これらを評価するために、血中・尿中コルチゾール、血漿レニン活性とアルドステロン濃度、血中・尿中カテコラミン及びその代謝産物などの測定が行われます。また甲状腺機能亢進症も顔面紅潮を引き起こすため、甲状腺ホルモン(FT3、FT4)とTSHの検査も実施されます。さらに肝機能検査や血清脂質検査も併せて行い、代謝状態を総合的に評価します。これらの検査結果に基づいて、赤ら顔の原因が純粋に糖尿病・高血圧によるものか、あるいは他の内分泌疾患が関与しているかを鑑別診断することが適切な治療計画の立案に不可欠です。
基礎疾患(糖尿病・高血圧)のコントロールが最優先
糖尿病や高血圧による赤ら顔の治療では、原因となる基礎疾患のコントロールが最も重要です。糖尿病の場合は、食事療法、運動療法、そして必要に応じた薬物療法によって、HbA1cの目標値(通常は7.0%未満)を達成することが推奨されます。高血圧の場合は、減塩(1日6g未満)、適度な運動、禁煙といった生活習慣の改善に加え、適切な降圧薬による治療によって、血圧を130/80mmHg未満にコントロールすることが目標となります。なお、降圧薬の選択においては、カルシウム拮抗薬が顔面紅潮を副作用として引き起こす可能性があるため、ACE阻害薬やARBが第一選択とされることが多くあります。さらに、糖尿病と高血圧の両方を併発している場合には、それぞれの疾患に対する包括的な管理が求められます。基礎疾患のコントロールに加えて、赤ら顔そのものに対しては、局所の冷却、刺激物(アルコール、辛い食品など)の回避、紫外線対策といった対症療法も併用されます。
赤ら顔に有効な治療法と皮膚ケア
赤ら顔に悩む方にとって、適切な治療と日常的なスキンケアは、症状改善の鍵となります。ここでは、内科的・皮膚科的な両面からのアプローチと、自宅で行える効果的なケア方法について解説します。
内科的治療と並行した皮膚科的アプローチの重要性
赤ら顔の治療においては、原因となる基礎疾患への対応と皮膚症状へのアプローチを並行して行うことが重要です。糖尿病や高血圧が関与している場合には、血糖値や血圧のコントロールが根本的な解決につながります。特に、血管拡張を引き起こす高血圧の適切な管理は、顔面紅潮の改善に直結します。なお、皮膚科的アプローチとしては、原因に応じた治療法が選択されます。具体的には、酒さ(ロザセア)の場合、抗菌薬(ミノサイクリンなど)の内服や抗炎症薬が処方されることがあります。また、光線療法(IPL:Intense Pulsed Light)や血管レーザー治療も効果的で、拡張した毛細血管を選択的に治療できます。重要なのは、自己判断による治療を避け、皮膚科医と内科医が連携した総合的な治療計画のもとで進めることです。
赤みを抑える外用薬(ブリモニジンなど)の適切な使用法
赤ら顔の症状緩和には、医師の処方による外用薬が有効です。特にブリモニジンゲル(商品名:ミルベン)は、α2アドレナリン受容体作動薬として血管を収縮させ、赤みを一時的に軽減する効果があります。使用法としては、清潔な肌に豆粒大の量を薄く塗布し、均一に広げることが重要です。効果は通常塗布後30分程度で現れ、約12時間持続します。なお、他にもメトロニダゾールゲルやイベルメクチンクリームなどの抗炎症作用のある外用薬も酒さに有効です。アゼライン酸を含む製剤は、抗菌・抗炎症作用に加え、色素沈着の軽減にも役立ちます。これらの外用薬は医師の指示に従って使用し、使用開始時に一時的な刺激感がある場合は、頻度を調整しながら徐々に肌を慣らしていくことをお勧めします。
刺激の少ない洗顔料と保湿剤の選び方
赤ら顔の方のスキンケアでは、肌のバリア機能を保護し、刺激を最小限に抑えることが基本です。洗顔料は、界面活性剤が穏やかで弱酸性のものを選んでください。具体的には、「低刺激性」や「敏感肌用」と表示された製品、あるいは石鹸成分を含まない「ノンソープ」タイプが適しています。また、洗顔時にはぬるま湯(32~35℃程度)を使用し、ゴシゴシこすらず優しく洗うことが大切です。保湿剤については、アルコール、香料、着色料を含まない、シンプルな成分構成のものを選んでください。セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分に加え、アラントイン、ビサボロール、パンテノールといった抗炎症成分が配合されているものが理想的です。特に就寝前の保湿は、皮膚バリアの修復において重要な役割を果たします。夏場は軽めのジェルタイプ、冬場はクリームタイプなど、季節に応じて使い分けるとより効果的です。
赤ら顔と糖尿病・高血圧を改善する生活習慣
赤ら顔の症状に関連する可能性のある糖尿病や高血圧は、適切な生活習慣によって大きく改善することが可能です。ここでは、血管の健康を促進するための食事や運動について解説します。
赤ら顔を悪化させる食品(辛い食べ物、アルコール、高糖質食品)を控える
赤ら顔の症状管理において、食生活の見直しは極めて重要です。まず控えるべきは辛い食品で、唐辛子に含まれるカプサイシンは血管拡張を促し、顔面紅潮を増強します。同様にアルコールも血管拡張作用を持ち、特に赤ワインに含まれるヒスタミンは症状を著しく悪化させることがあります。また、高糖質食品の過剰摂取は血糖値の急激な上昇を引き起こし、インスリン抵抗性を高めて糖尿病リスクを増大させるだけでなく、血管内皮機能にも悪影響を与えます。特に精製炭水化物(白パン、菓子類、砂糖入り飲料など)は血糖値スパイクの主な原因となります。これらに加え、MSG(グルタミン酸ナトリウム)などの食品添加物や熱い飲み物も、一部の方では顔面紅潮のトリガーとなることがありますので、ご注意ください。
血糖値と血圧の安定に役立つ食事内容(野菜中心、低塩食)
血糖値や血圧を安定させるには、バランスの取れた食事が不可欠です。まずは野菜中心の食生活を心がけ、特に緑黄色野菜や葉物野菜を毎食取り入れてください。食物繊維が豊富な野菜は血糖値の急上昇を防ぎ、抗酸化物質は血管内皮機能を保護します。また、タンパク質源としては赤身肉よりも、サバやサーモンなどオメガ3脂肪酸を豊富に含む魚類や、豆腐・納豆などの植物性タンパク質を優先することで、血圧管理にも役立ちます。なお、塩分制限は高血圧管理の基本であり、一日の塩分摂取量を6g未満に抑えることが推奨されています。また、食事のタイミングも重要です。一度に大量に食べるのではなく、少量を頻回に分けて摂ることで、血糖値の急激な変動を防ぐことができます。
適度な有酸素運動による血流改善効果
定期的な有酸素運動は、赤ら顔と関連する糖尿病・高血圧の両方に好影響を与えます。ウォーキング、サイクリング、水泳などの中強度の有酸素運動は、インスリン感受性を高め、血糖コントロールを改善します。同時に、適度な運動は血管内皮機能を正常化し、一酸化窒素(NO)の適切な産生を促進することで、血圧管理にも貢献します。運動の目安としては、週に150分以上の中強度運動(息が少し上がる程度)を目標にすることが推奨されます。ただし、激しい運動や極端な温度変化を伴う環境での運動は、かえって赤ら顔を悪化させる可能性があるため、注意が必要です。運動は一度に長時間行うより、一日に複数回に分けて行う方が血糖値の安定に効果的です。また、運動前後の適切な水分補給や急激な温度変化を避けることも重要です。運動習慣を定着させるコツは、無理なく続けられる強度と種類を選ぶことです。
まとめ:赤ら顔から糖尿病・高血圧を早期発見するために
持続的な顔の赤みやほてりは、単なる肌の問題ではなく、糖尿病や高血圧などの生活習慣病のサインである可能性があります。したがって、顔の赤みやほてりを放置してはいけません。これらの疾患は初期段階では自覚症状が乏しく、発見が遅れがちですが、顔の赤みという視覚的な変化が早期発見の手がかりとなることがあります。特に顔面の血管拡張が目立ち、食事や運動などの生活改善を試みても改善しない場合は、注意が必要です。糖尿病や高血圧は放置すると重篤な合併症を引き起こす恐れがあるため、早期の対処が重要です。早期に発見して適切な治療を開始することで、多くの場合、良好にコントロールできます。赤ら顔に悩む方は皮膚科だけでなく内科も受診し、血糖値や血圧のチェックを受けることをお勧めします。なお、当院では血圧測定から専門的な治療まで、患者一人ひとりの状態に合わせた総合的な医療サービスを提供しています。高血圧の症状に心当たりのある方、もしくは健康診断などで血圧値の異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
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2025.06.10
鼻血が出やすい原因は高血圧?原因や止め方、予防法や注意点を解説
内科に関する記事です。
この記事では、高血圧と鼻血の関連性について医学的な根拠を分かりやすく説明し、頻繁に鼻血が出て不安を感じている方に向けた情報を提供します。 .cv_box {
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【目次】
高血圧が鼻血を引き起こすしくみ
鼻血が出やすい原因は高血圧だけではない
子どもに多い鼻血の原因と特徴
40代以降で増える高血圧による鼻血
医師が教える正しい鼻血の止め方
高血圧の方が実践したい鼻血予防の5つのポイント
鼻血が続くときは病院へ行くべき目安
高血圧と鼻血に関するよくある質問
まとめ:鼻血と高血圧の関係を知って適切に対処しましょう
高血圧が鼻血を引き起こすしくみ
高血圧と鼻血は、一見関係のないように思われるかもしれませんが、実際には密接な関連があります。まずは、高血圧が「鼻血(鼻出血)を引き起こすメカニズム」について解説します。
高血圧によって鼻の血管にかかる負担
高血圧とは、血管内を流れる血液が血管壁に与える圧力が慢性的に高い状態を指します。一般的に正常な血圧は120/80mmHg程度とされ、140/90mmHg以上の状態が継続すると高血圧と診断されます。この状態が続くと、全身の血管に過剰な圧力がかかり続けることになります。特に鼻腔内部は、非常に豊富な毛細血管網で構成されており、これらの血管は皮膚表面近くに位置しています。高血圧の状態では、こうした繊細な血管にも持続的に強い圧力がかかり、血管壁が徐々に弱くなる可能性があります。さらに、鼻腔内の粘膜は非常に薄く、乾燥や外的刺激に弱いという特徴があります。このような脆弱な環境にある血管に対して、内側からの圧力が加わり続けることで、血管壁の耐久性が低下し、出血しやすい状態になってしまうのです。
血圧が高いと鼻血が出やすくなる理由
高血圧が鼻血のリスクを高める主な要因は、血管壁にかかる持続的な圧力によって微小な損傷が蓄積することです。通常、健康な血管は弾力性を保ち、血圧の変動に対応できます。しかし、高血圧が長期間続くと、血管壁が徐々に硬化し、弾力性を失っていきます。この状態で、鼻をかむ・くしゃみをする・鼻をこするなどの物理的な刺激が加わると、すでに脆弱になっている血管が破れやすくなります。また、高血圧は血流速度を上昇させ、血管内で乱流を生じさせることがあります。この乱流が血管壁に追加のストレスを与え、微小な損傷を引き起こす原因となります。さらに、高血圧の治療で使用される一部の薬剤(特に抗凝固薬や抗血小板薬)は、血液の凝固を抑制する作用があるため、出血が起こった際に止まりにくくなることがあります。これらの要因が重なり、高血圧のある人では鼻血が発生しやすくなるのです。
鼻の中で特に出血しやすい場所(キーゼルバッハ部位)と高血圧の関係
鼻腔内で最も出血しやすい場所は「キーゼルバッハ部位」と呼ばれる鼻中隔前方の領域です。この部位には、前篩骨動脈、蝶口蓋動脈、上口唇動脈の枝など複数の動脈が集まり、豊富な血管網を形成しています。解剖学的にこの部位の粘膜は非常に薄く、さらに外気にさらされるため乾燥しやすい環境にあります。高血圧の患者では、この部位にある血管に対して常に高い圧力がかかっており、血管がもろくなりやすい状態です。加えて、冬場の乾燥した外気や暖房による室内の乾燥は、鼻粘膜のバリア機能をさらに低下させます。高血圧による内的ストレスと、乾燥や刺激といった外的要因が重なることで、鼻血が起こりやすくなります。そのため、高血圧のある人は特に季節の変わり目や湿度の低い環境において、鼻血のリスクが高まるのです。
鼻血が出やすい原因は高血圧だけではない
鼻血(鼻出血)は日常生活でよく経験する症状ですが、その原因は高血圧だけに限りません。実際には、環境要因から全身性疾患まで、様々な要素が鼻血を引き起こす可能性があります。ここでは、高血圧以外の鼻血の原因と、年齢層によって異なる特徴について解説します。
高血圧以外にある鼻血の主な原因
鼻血の原因は多岐にわたりますが、最も一般的なのは物理的要因による局所的な刺激です。例えば、鼻を強くかみすぎる、頻繁に鼻をほじる、鼻腔内を爪や異物で傷つけるといった行為が挙げられます。特に乾燥した環境では鼻腔内の粘膜が乾燥し、微細な亀裂が生じやすくなるため、わずかな刺激でも出血することがあります。また、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎といった炎症性疾患も鼻血の原因となります。これらの疾患では鼻粘膜が慢性的に炎症を起こし、血管が拡張して脆くなるため、少しの刺激でも出血しやすくなります。なお、栄養状態も重要な要素です。ビタミンKの欠乏は血液の凝固機能を低下させ、出血しやすくなる原因になります。また、ビタミンCが不足すると血管壁の強度が低下し、血管が破れやすくなります。さらに、血液疾患(血友病、白血病、血小板減少症など)や、肝疾患による凝固因子の産生低下も、重篤な鼻出血を引き起こす可能性があります。これらの背景疾患がある場合、鼻血は一つの重要なサインとなることがあるため、専門的な診察が必要です。
年齢によって異なる鼻血の原因と特徴
鼻血の原因やその現れ方は、年齢によって大きく異なります。小児期では、鼻をほじる習慣や転倒などによる外傷が主な原因です。子どもは好奇心から鼻の中を頻繁に触ることが多く、指先で鼻中隔前部(キーゼルバッハ部位)を傷つけることで出血を起こします。そして、青年期から成人期にかけては、アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎などによる鼻血が増える傾向にあります。これらの疾患は鼻粘膜に炎症をもたらし、鼻をかむ・くしゃみをする・鼻づまりを感じて強く息を出すなどの動作によって、血管に負荷がかかり破れやすくなります。なお、高齢者の場合は、鼻血の背景には血管の加齢変化が関係しています。年齢とともに血管壁のコラーゲンや弾性繊維が減少し、血管の弾力性が失われることで、わずかな刺激でも破れやすくなります。また、高齢者では抗凝固薬や抗血小板薬を服用していることが多く、これらの薬剤は出血を助長し、止血を困難にする可能性があります。高齢者に見られる鼻血では、後鼻孔からの出血が多く、前方出血に比べて止血が難しくなることがあるため、医療機関での対応が必要になるケースもあります。
鼻血の原因は高血圧だけでなく、環境要因、物理的刺激、炎症性疾患、薬剤の影響、栄養状態、基礎疾患など多岐にわたります。また、年齢によって原因と特徴は異なり、小児では外傷や鼻をほじる習慣、成人ではアレルギーや生活習慣、高齢者では血管の老化や薬剤の影響が主な要因となります。
子どもに多い鼻血の原因と特徴
ここでは、子どもと大人の鼻血の違い、子どもに特有の原因、そして適切な対処法について解説します。
子どもと大人の鼻血の違い
子どもの鼻血は、大人とは異なる生理学的・病因的な特徴を持っています。まず解剖学的な点として、子どもの鼻腔粘膜は大人に比べて薄く、血管が皮膚表面に近いため、わずかな刺激でも出血しやすい状態にあります。特に、鼻中隔前部に位置する「キーゼルバッハ部位」は血管が密集しており、外部からの刺激に非常に敏感です。また、出血の様式にも違いがあります。子どもの鼻血は通常、片側からの出血で比較的少量であり、数分以内に自然に止まることが多いのが特徴です。これに対して大人、特に高齢者の鼻血は、両側からの出血や後鼻部からの出血が見られることがあり、止血が困難なケースも少なくありません。原因についても年齢によって大きな違いがあります。子どもの鼻血は、鼻をほじる、乾燥、軽度の外傷といった局所的要因がほとんどです。一方、大人では高血圧や動脈硬化などの循環器系疾患、あるいは抗凝固薬の服用といった全身的な要因が関与している場合が多くみられます。なお、子どもの場合は基礎疾患を伴う鼻血は比較的稀であるため、診察・治療においてもアプローチが異なることがあります。
小さいお子さんによく見られる鼻血の原因
子どもの鼻血の最も一般的な原因は、鼻をほじる習慣です。小さな子どもは、好奇心や鼻の不快感から無意識に鼻の中に指を入れることが多く、これによって鼻中隔の繊細な血管が傷つき、出血を引き起こします。また、乾燥した環境も大きな要因です。冬季や暖房が効いた室内では空気が乾燥しやすく、鼻粘膜も同様に乾燥してしまいます。粘膜が乾燥すると微細な亀裂が入りやすくなり、軽い刺激でも出血につながることがあります。さらに、外傷も見逃せない要因です。転倒やぶつけたとき、あるいは遊びやスポーツ中の接触によって、鼻に打撲を受けることで出血することがあります。なお、頻繁に鼻血が出る、出血量が多い、あるいは止まりにくいといった場合は注意が必要です。稀ではありますが、血液凝固障害(血友病など)やウイルス感染症、アレルギー性疾患などが背景にあることがあります。特に、鼻血が繰り返し起こる、長時間止まらない、大量に出るといった症状がある場合には、速やかに医療機関を受診することが重要です。
40代以降で増える高血圧による鼻血
ここでは、40代以降で増加する高血圧関連の鼻血の特徴とそのメカニズム、生活習慣病との関連性について解説します。
年齢とともに高まる高血圧関連の鼻血リスク
40代を過ぎると、加齢に伴う血管の変化が顕著になります。長年にわたる生活習慣の影響により、血管壁は徐々に弾力性を失い、硬化が進行していきます。この動脈硬化の進行に伴って血圧は上昇しやすくなり、高血圧の有病率は40代から急激に増加します(日本高血圧学会のデータによると、40代の高血圧有病率は約30%、50代では約50%、そして60代以降では60%以上に達します)。高血圧の状態が持続すると、全身の血管、特に細く繊細な血管に継続的な負荷がかかります。鼻腔内は毛細血管が非常に豊富な部位であり、とりわけ鼻中隔後部にある血管は年齢とともに脆弱になりやすい傾向があります。40代以降の高血圧患者に見られる鼻血は、若年層のケースと異なり、後鼻孔からの出血が増える傾向があり、出血量も多く、止血が困難な例が増加します。さらに、この年代では血圧の「日内変動」が大きくなる傾向があります。特に朝方に起こる急激な血圧上昇(いわゆる「モーニングサージ」)は、鼻血のリスクを高める要因のひとつです。また、季節の変わり目における寒暖差や、入浴によって血管が拡張した直後に冷えた空気にさらされることなども、血圧の急激な変動を招き、鼻血を引き起こす一因となります。40代以降に頻発する鼻血は、単なる局所的な問題にとどまらず、潜在的な高血圧の兆候である可能性もあるため注意が必要です。
生活習慣病と鼻血の関係について
高血圧は単独で存在することもありますが、多くの場合、糖尿病、脂質異常症、肥満といった他の生活習慣病と併存しています。これらの疾患は互いに影響を及ぼし合い、血管への負担をさらに増大させます。例えば、糖尿病では血管内皮の機能障害が生じやすく、血管の弾力性が低下します。また、脂質異常症は動脈硬化を促進し、血管壁の肥厚や硬化を進行させるため、高血圧の悪影響がより強く現れるようになります。さらに、生活習慣病の治療に用いられる薬剤も、鼻血と無関係ではありません。高血圧や心疾患の治療で使用される抗凝固薬や抗血小板薬(アスピリン、ワルファリンなど)は、血液の凝固作用を抑える働きがあるため、一度出血が始まると止まりにくくなることがあります。40代以降では、これらの薬剤を服用する人が増える傾向にあるため、薬剤性の要因も鼻血の頻度を高める一因と考えられています。なお、ストレスや過労、不規則な生活リズムも血圧の変動を助長する要因です。現代社会においては、40代から50代にかけて仕事や家庭における責任が最も重くなる時期であり、こうした心理的・身体的ストレスが高血圧を悪化させ、その結果として鼻血のリスクが高まる可能性があることも、見逃してはなりません。
医師が教える正しい鼻血の止め方
ここでは、科学的根拠に基づいた正しい鼻血の止め方を解説するとともに、「よくある間違った対処法」や「高血圧患者が特に注意すべき点」についても詳しく説明します。
効果的な鼻血の止め方の手順
鼻血を効果的に止めるためには、冷静な対応と正しい手順が重要です。まず、頭を少し前に傾け、鼻の下の部分(鼻翼の両脇)を親指と人差し指でつまみます。この時の圧迫位置が重要で、多くの鼻血が発生するキーゼルバッハ部位(鼻中隔前下部)を直接圧迫することがポイントです。また、圧迫は中途半端ではなく、しっかりと10分間継続してください。時計やタイマーで正確に時間を測ることをお勧めします。そして、姿勢については、かつては頭を後ろに傾ける方法が推奨されていましたが、現在の医学では前傾姿勢が推奨されています。これは血液が喉の方に流れ込むのを防ぎ、血液を誤って飲み込んだり、気道に入ったりするリスクを減らすためです。圧迫している間は会話を避け、落ち着いた呼吸を心がけてください。なお、圧迫と同時に、冷却も効果的です。鼻の周囲や後頸部(首の後ろ)に冷たいタオルや氷嚢を当てることで、血管を収縮させ、出血を抑える効果があります。ただし、直接肌に氷を当てることは避け、必ずタオルなどで包んでから使用してください。10分後に圧迫を解除し、出血が続いていれば再度同じ手順を繰り返します。
やってはいけない!間違った鼻血への対処法
鼻血の対処で最も一般的な誤りは、「頭を後ろに傾ける」ことです。この方法は血液が喉に流れ込み、気道に入る危険性があるうえに、実際には出血が続いていても止まったように感じてしまうため非常に危険です。次に、よくある誤りが、「短時間の圧迫を繰り返して確認する」ことです。鼻血が止まるためには、血液が固まるまでの時間が必要です。通常、この血液凝固には5〜10分ほどかかります。1〜2分ごとに圧迫をやめて様子を見ると、せっかくできかけた血のかたまり(血栓)が崩れてしまい、再び出血が始まる原因となります。圧迫は必ず10分以上、連続して行うことが大切です。また、鼻の中にティッシュやガーゼを詰め込む行為も避けてください。特に乾いたティッシュは、取り出す際に血栓を一緒に引き抜いてしまうおそれがあります。どうしても詰め物を使いたい場合は、医療用の止血材を用い、無理に取り出さないよう注意が必要です。なお、鼻をかむ・こする・顔を洗うといった行動も、形成された血栓に影響を与えてしまうため控えるべきです。特に止血後すぐは血栓が非常にもろいため、最低でも数時間はこれらの行為を避けてください。こうした誤った対処法は、鼻血を長引かせるだけでなく、感染や再出血といった合併症のリスクを高める可能性もあります。正しい方法を知り、落ち着いて対応することが大切です。
高血圧の方が鼻血の時に特に気をつけること
高血圧患者が鼻血を経験した場合、まずは標準的な止血手順を試みますが、いくつかの追加的な注意点があります。鼻血が発生した際には、まず落ち着いて血圧の急上昇を防ぐことが重要です。興奮や不安は血圧をさらに上昇させるため、意識的に深呼吸をし、心を落ち着かせてください。可能であれば、鼻血発生時と止血後に血圧を測定し、著しく高い場合は医療機関に相談することをお勧めします。また、高血圧の薬を服用している方、特に抗凝固薬や抗血小板薬を併用している場合は、止血に時間がかかることを理解し、辛抱強く対応する必要があります。さらに、高血圧患者の鼻血は再発率が高いため、止血後の予防策も重要です。室内の湿度維持、鼻腔保湿剤の使用、強くかまないなどの基本的なケアに加え、血圧の自己管理も欠かせません。食塩摂取量の制限、適度な運動、禁煙、節酒など、血圧コントロールのための生活習慣改善が、鼻血の再発予防にも直結します。
鼻血は一般的な症状ですが、適切な対応が止血の速さと再発予防に大きく影響します。正しい止血法は、前傾姿勢で鼻翼両脇をしっかり10分間圧迫し、必要に応じて冷却を行うことです。頭を後ろに傾ける、短時間で確認を繰り返す、乾いたティッシュを詰めるなどの誤った対処法は避けてください。
高血圧の方が実践したい鼻血予防の5つのポイント
ここでは、高血圧の方が日常生活で取り入れるべき「鼻血予防のための実践的なポイント」をご紹介します。
血圧管理が鼻血予防につながる理由とその方法
高血圧の人に鼻血が多い理由は、持続的に高い血圧が鼻腔内の細い血管に大きな負担をかけるためです。血圧が140/90mmHg以上の状態が続くと、血管壁への圧力が高まり、徐々に血管の弾力性が失われていきます。なかでも、鼻中隔にあるキーゼルバッハ部位は血管が密集し、表面近くに存在するため、高血圧の影響を受けやすい場所といえます。血圧管理の基本は、医師から処方された降圧薬を指示通りにきちんと服用することです。「症状がないから」「体調がいいから」と自己判断で服薬を中止するのは非常に危険です。血圧が大きく変動すること自体が血管にダメージを与えるため、安定した血圧のコントロールがとても重要になります。また、家庭での血圧測定も日常的に取り入れてください。朝と夜の定期的な測定によって、自分の血圧の傾向を把握し、記録をつけておくことで、診察時の医師との情報共有もスムーズになります。特に注意すべきなのは、早朝に急激に血圧が上昇する「モーニングサージ」です。この時間帯は、鼻血のリスクも高くなります。もし家庭での血圧測定で135/85mmHg以上、あるいは医療機関で140/90mmHg以上の値が続くようであれば、早めに医師に相談してください。
季節による注意点(特に乾燥する冬の対策)
冬場は室内暖房の使用により湿度が低下し、鼻腔内の粘膜が乾燥して微細な亀裂が生じやすくなります。この状態に高血圧による血管への負担が加わると、鼻血のリスクは大幅に上昇します。対策として最も効果的なのは、室内の適切な湿度管理です。加湿器の使用や洗濯物の室内干しなどを活用して、室内の湿度を50~60%に保つことを目安にしてください。乾燥を防ぐことで、粘膜の保護機能が保たれ、鼻出血の予防につながります。さらに、外出時には急激な温度変化による血圧変動を避けるため、マスクやスカーフで鼻や口を保護し、寒暖差を緩和することが効果的です。特に暖かい室内から寒い屋外に出る際は、血管の急激な収縮による血圧上昇が起こりやすいため、徐々に体を環境に慣らすことが望まれます。なお、冬季以外でもエアコンの効いた環境に長時間滞在すると鼻腔内が乾燥するため、注意が必要です。季節を問わず、鼻腔の保湿を意識した生活習慣を心がけてください。
生活習慣の改善で鼻血リスクを下げるコツ
高血圧による鼻血を防ぐためには、日々の生活習慣の改善が非常に重要です。まず最も基本的なのが、塩分摂取の制限です。日本高血圧学会のガイドラインでは、1日の塩分摂取量を6g未満に抑えることが推奨されています。次に、適度な運動も効果的な予防策となります。ウォーキングや水泳などの有酸素運動は、血管の弾力性を高め、血圧の安定に寄与します。また、飲酒や喫煙も鼻血リスクを高める大きな要因です。アルコールは一時的に血管を拡張させた後、収縮を引き起こすことで血圧変動を増大させます。一方、喫煙は血管内皮機能を損ない、さらにタバコの煙による鼻腔粘膜への刺激も加わり、鼻血を引き起こしやすくなります。禁煙と節酒は、鼻血の予防に限らず、全身の血管の健康維持にとっても非常に重要です。なお、十分な睡眠と休息も欠かせません。慢性的な睡眠不足やストレスは交感神経を刺激し、血圧上昇を招く原因となります。質の高い睡眠を確保し、リラクゼーション法を日常生活に取り入れることで、心身のバランスを整えることができます。
高血圧の薬と鼻血の関係について知っておくこと
高血圧治療に使用される薬剤の中には、鼻血のリスクに影響を与えるものがあります。特に注意が必要なのは、抗血小板薬や抗凝固薬です。これらは血栓形成を抑制する効果がありますが、同時に出血傾向も高めるため、鼻血が生じた際に止血が困難になる可能性があります(アスピリン、クロピドグレル、ワルファリン、直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)などが該当します)。これらの薬剤を服用している場合、自己判断で中止することは脳梗塞や心筋梗塞などの重大なリスクを伴うため絶対に避けるべきです。鼻血が頻発する場合は、医師に相談し、薬剤の種類や用量の調整を検討してもらうことが適切です。なお、一部の降圧薬(特にカルシウム拮抗薬)は副作用として鼻粘膜の腫れや充血を引き起こすことがあります。これが鼻腔内環境に影響を与え、鼻血のリスクを高める可能性があります。薬剤の変更が必要な場合もありますが、これも必ず医師の指導のもとで行うことが重要です。
日常で簡単にできる具体的な予防法
高血圧患者が日常生活で実践できる鼻血予防法は多岐にわたります。まず最も簡単で効果的なのが、鼻腔の保湿です。生理食塩水による鼻洗浄やワセリンなどの保湿剤を綿棒で鼻腔内に優しく塗布することで、乾燥を防ぎ、粘膜を保護することができます。また、爪を短く整え、鼻をほじらないことも重要な予防法です。無意識に鼻の中に指を入れる癖がある場合は、意識的にその行動を避けるよう心がけてください。さらに、室内を清潔に保つことも効果的です。定期的な掃除でハウスダストやアレルゲンを減らすことにより、鼻炎やくしゃみの頻度を抑え、結果として鼻粘膜への刺激を軽減することができます。このように、日常的なちょっとした工夫や習慣の見直しが、高血圧患者にとって鼻血の予防に大きく役立ちます。
鼻血が続くときは病院へ行くべき目安
ここでは、鼻血が続く際の病院受診の目安や「緊急性の判断基準」について解説します。
鼻血が止まらない場合の受診の目安
一般的に、正しい止血法を実施しても20分以上鼻血が続く場合は、医療機関の受診を検討すべきです。健康な成人の場合、適切な圧迫(鼻翼の両脇を10分間しっかり押さえる)により多くの鼻血は止まります。この基本的な止血法を2回試みても出血が続く場合は、専門的な処置が必要かもしれません。また、止血してもわずかな刺激で繰り返し出血する場合や、24時間以内に複数回鼻血が生じる場合も受診が望ましいです。これは鼻腔内の血管に何らかの問題がある可能性を示唆しています。出血量が多い、血液が濃い赤色で拍動性がある、後鼻孔から喉に流れる感覚がある場合は、より深部の血管からの出血の可能性があり、早めの受診が必要です。なお、鼻血と共に他の症状(頭痛、めまい、視覚異常、呼吸困難など)が現れた場合も、単なる鼻血ではなく全身的な問題の兆候である可能性があるため、できるだけ早く医療機関を受診してください。特に顔面外傷後の鼻血の場合は、骨折や脳への影響を評価するために専門的な診察が重要です。
高血圧の方が特に注意すべき症状
高血圧患者が特に注意すべき鼻血の特徴として、出血量の増加、頻度の上昇、止血の困難さが挙げられます。これらは血圧上昇によって血管への負担が増していることを示唆しています。また、高血圧患者が鼻血と同時に、激しい頭痛、目の奥の痛み、視野の異常、吐き気、嘔吐などの症状を伴う場合は、高血圧緊急症の可能性があり、早急な医療介入が必要です。特に収縮期血圧(上の血圧)が180mmHg以上、または拡張期血圧(下の血圧)が120mmHg以上と著しく高い場合は、緊急の対応が求められます。さらに、高血圧治療中の方で、突然鼻血の頻度が増えた場合は、降圧薬の効果が不十分である可能性や、薬剤の副作用が出現している可能性も考えられます。このような変化は、治療計画の見直しが必要なシグナルかもしれません。なお、高血圧と診断されていない方でも、繰り返す鼻血がある場合は、潜在的な高血圧の可能性を考慮して血圧測定を含めた健康チェックを受けることをお勧めします。鼻血は時に、未診断の高血圧の最初の顕在化した徴候となることがあります。
救急受診が必要なケースとその対応方法
以下のような状況では、一般的な外来受診を待たずに、救急医療機関を受診すべきです。まず、大量の出血が30分以上続く場合は、緊急性が高いと考えられます。血液が勢いよく噴き出すような拍動性の出血や、血液を飲み込んでしまうほどの後鼻孔からの大量出血も、救急対応が必要です。また、顔面や頭部への強い衝撃を受けた後の鼻血にも注意が必要です。これは鼻骨骨折や頭蓋底骨折の可能性があり、脳脊髄液が混じった透明な液体が鼻から出る場合は特に緊急性が高くなります。さらに、呼吸困難を伴う場合や、出血量が多く顔面蒼白、冷汗、意識レベルの低下などのショック症状が見られる場合も、ただちに救急車を呼ぶべき状況です。救急受診までの対応としては、標準的な止血法(前かがみの姿勢で、鼻翼をしっかりと圧迫)を続けながら、鼻の周囲や後頸部を冷やすことが有効です。血圧が高い場合は、興奮を避けて深呼吸を行い、落ち着くように心がけてください。また、救急車を呼ぶ際には、出血の状況、基礎疾患(高血圧など)、服薬内容(抗凝固薬・抗血小板薬など)を正確に伝えることが重要です。なお、救急病院では、耳鼻咽喉科医や救急医による専門的な処置(例:鼻腔内の焼灼、ガーゼパッキング、後鼻孔バルーンの挿入など)が行われる場合があります。重症例では入院管理が必要になることもあるため、早期の対応が鍵となります。
板谷内科クリニックでの高血圧・鼻血に関する診療内容
高血圧と鼻血に関する診療は、原因の特定と総合的な健康管理を目的として行われます。まず初めに詳細な問診を実施し、鼻血の頻度、持続時間、出血量、出血の特徴(片側か両側か、再発の有無など)を確認します。そして続いての診察では、血圧測定が必須です。1回だけでなく複数回測定し、平均値を確認することで、より正確な評価が可能になります。また、鼻腔内の視診を行い、出血点の有無や粘膜の状態(乾燥、びらん、血管の拡張など)を評価します。重症例や原因が不明確な場合には、耳鼻咽喉科への紹介も検討されます。次に、血液検査では、血球数、凝固機能、肝機能、腎機能などをチェックします。これにより、出血傾向の原因や、高血圧による臓器障害の有無を評価できます。なお、治療計画としては、高血圧のコントロール改善のための降圧薬の調整(薬剤の変更や用量の見直し)が検討されます。抗凝固薬や抗血小板薬を服用している患者については、出血リスクと治療効果のバランスを再評価し、必要に応じて医師と相談のうえで調整が行われます。
高血圧と鼻血に関するよくある質問
ここでは、患者からよく寄せられる質問とその回答についてご紹介します。
「鼻血が出ると血圧は下がりますか?」
鼻血が出ても一般的には血圧に大きな影響はありません。鼻血の出血量は通常少量(数十ml程度)であり、健康な成人の総血液量(約5リットル)から考えると、循環血液量に大きな変化をもたらすほどではないからです。しかし、非常に大量の出血や長時間続く鼻血の場合には、理論上は血圧が低下する可能性があります。この場合、めまいや立ちくらみなどの症状を伴うことがあり、緊急の医療処置が必要です。また、心理的な影響として、鼻血を見て驚いたり不安になったりすることで一時的に血圧が上昇することもあります。鼻血が出た時は慌てず、前かがみの姿勢で鼻の柔らかい部分を10-15分間しっかり圧迫することが重要です。
「高血圧の薬で鼻血が出やすくなることはありますか?」
高血圧治療薬の中には、鼻血のリスクを高める可能性があるものがあります。特に抗血小板薬や抗凝固薬(アスピリン、ワルファリン、DOACなど)は血液の凝固能を抑制するため、鼻血が出やすくなったり、止血に時間がかかったりすることがあります。また、一部の降圧薬は鼻腔内の粘膜を乾燥させる副作用があり、これが鼻血の原因となることもあります。薬の副作用と思われる頻繁な鼻血を経験する場合は、自己判断で服薬を中止せず、必ず担当医に相談してください。薬の種類や用量の調整、または鼻腔保湿剤の併用などの対策を講じることで症状が改善することが多いです。
「よく鼻血が出る場合、どんな検査が必要ですか?」
頻繁に鼻血が出る場合、まず血圧測定を含む基本的な身体検査が行われます。その上で、血液検査では血小板数や凝固機能を調べ、出血傾向がないかを確認します。耳鼻咽喉科では、鼻内視鏡検査により鼻腔内の出血部位や原因となる病変(血管腫、ポリープなど)の有無を詳しく観察します。そして必要に応じて、CT検査やMRI検査で鼻腔や副鼻腔の構造異常を調べることもあります。なお、高血圧の評価として24時間血圧測定や心電図検査が行われることもあります。これらの検査を通じて、鼻血の直接原因と、背景にある疾患(高血圧など)の両方を評価し、適切な治療方針を決定します。
「季節と高血圧・鼻血には関係がありますか?」
季節の変化は高血圧と鼻血の両方に影響を与えることがあります。冬季は気温の低下により血管が収縮し、血圧が上昇しやすくなります。実際、多くの研究で冬季の血圧値は夏季より5〜10mmHg高くなることが示されています。また、室内の暖房使用による乾燥は鼻腔粘膜を乾燥させ、鼻血のリスクを高めます。一方、夏季は高温による血管拡張で鼻粘膜の血流が増加し、鼻血を起こしやすくなる場合もあります。季節の変わり目には気温や湿度の急激な変化が鼻粘膜に影響し、鼻血の頻度が増すことがあります。季節に応じた対策として、加湿器の使用、十分な水分摂取、適切な室温管理が重要です。
高血圧と鼻血には密接な関連があり、多くの方が様々な疑問を抱えています。鼻血自体は通常血圧に大きな影響を与えませんが、高血圧は鼻血のリスク因子となります。高血圧治療薬の一部は鼻血のリスクを高める可能性があるため、気になる症状がある場合は医師に相談することが大切です。
まとめ:鼻血と高血圧の関係を知って適切に対処しましょう
高血圧と鼻血の関係を理解することは、健康管理において非常に重要です。高血圧は鼻腔内の繊細な血管に持続的な圧力をかけ、特にキーゼルバッハ部位と呼ばれる鼻中隔前部の毛細血管を脆弱にします。日常生活での予防策として、適切な水分摂取と加湿器の使用による鼻腔の保湿が効果的です。また、鼻をかむ際は優しく行い、鼻腔内を傷つけないよう注意してください。さらに、24時間血圧測定や家庭血圧の記録を活用した個別化された高血圧管理が効果的です。降圧薬の調整と並行して、減塩や適度な運動などの生活習慣改善の指導も併せて行われます。高血圧患者は定期的な受診で血圧を安定させることが、鼻血予防だけでなく、脳卒中や心筋梗塞といった重大な合併症予防にもつながります。気になる症状がある場合は早めに相談し、医師と協力して適切な健康管理を行ってください。なお、当院では血圧測定から専門的な治療まで、患者一人ひとりの状態に合わせた総合的な医療サービスを提供しています。高血圧の症状に心当たりのある方、もしくは健康診断などで血圧値の異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
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2025.06.10
高血圧患者が注意すべき耳鳴りの症状を解説
内科に関する記事です。
この記事では、「高血圧患者が注意すべき耳鳴りの症状」について解説していきます。後半部分では、「耳鳴りと高血圧が示す重大な健康リスク」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
高血圧と耳鳴りの深い関係
耳鳴りの種類と高血圧患者に多い症状パターン
なぜ高血圧で耳鳴りが起こるのか?
耳鳴りと高血圧が示す重大な健康リスク
耳鳴りを感じたら受診すべき診療科とタイミング
高血圧患者の耳鳴りに効果的な対策
まとめ
高血圧と耳鳴りの深い関係
高血圧の静かな脅威は、単に心臓や血管だけでなく、私たちの聴覚システムにも深刻な影響を及ぼしています。まずは、「高血圧と耳鳴りの密接な関係」について解説します。
高血圧が耳の血管や聴覚神経に与える影響
高血圧は、耳の繊細な血管系に深刻な影響を及ぼす可能性があります。内耳の蝸牛(かぎゅう)や聴神経は微細な血管網に支えられており、持続的な高血圧によって血管壁が損傷を受けやすくなります。血圧の上昇は血管内皮細胞に負担をかけ、血流の質や量を低下させることで、内耳の微小循環に障害を引き起こします。その結果、聴覚機能の低下や耳鳴りなどの症状が現れる可能性があります。
耳鳴りの自覚症状と高血圧との関連メカニズム
耳鳴りは、外部からの音がないにもかかわらず、耳の中で一定の音を感じる症状です。高血圧は、この耳鳴りの発生と密接に関連しています。血圧の上昇により、内耳の血管が拡張し、血流が乱れることで、神経細胞に異常な刺激が伝わります。この刺激が脳の聴覚野で音として解釈され、耳鳴りという症状として認識されるのです。特に、高血圧によって生じる血管の硬化や狭窄は、耳鳴りのリスクを著しく高めることが医学研究によって明らかになっています。
血圧の変動が耳鳴りの症状を悪化させる仕組み
血圧の急激な変動は、耳鳴りの症状を悪化させる重要な要因となります。具体的には、収縮期血圧や拡張期血圧の不安定な変化が内耳の血管に負担をかけ、血流の乱れを引き起こします。これにより、内耳への酸素供給が不安定になり、聴覚神経細胞に過剰な負荷がかかることで、耳鳴りの強さや持続時間が変化する可能性があります。その結果、患者の生活の質が著しく低下することが考えられます。
耳鳴りの種類と高血圧患者に多い症状パターン
高血圧は、単なる心血管系の問題にとどまらず、聴覚システムにも複雑な影響を与えます。ここでは、高血圧患者に特有の「耳鳴りの特徴」と「症状パターン」について解説します。
高血圧患者に特徴的な「キーン」という耳鳴り
高血圧患者に多く観察される耳鳴りは、しばしば鋭く澄んだ「キーン」という音として描写されます。この特徴的な音は、血管内の圧力上昇と血流の乱れによって生じる神経系の異常反応に起因しています。血管壁の硬化や内皮機能の障害により、内耳の微小血管に生じる変化が、この鋭い高音の耳鳴りを引き起こすのです。特に慢性的な高血圧患者では、この「キーン」という音が持続的かつ一定のピッチで聞こえることが多く、聴覚システムへの慢性的な影響を示唆しています。
片耳と両耳の耳鳴りの違いと高血圧との関連性について
耳鳴りの発生部位は、高血圧との関連性を理解する上で重要な指標となります。片耳のみに生じる耳鳴りは、局所的な血管障害や神経系の異常を示唆する可能性があります。一方、両耳に生じる耳鳴りは、全身の血管系の問題、特に高血圧による血管変化と関連している可能性が高いと考えられます。なお、近年の医学研究により、血圧の変動が両側の内耳に均等に影響を及ぼし、両耳性の耳鳴りを引き起こすメカニズムが徐々に明らかになりつつあります。
拍動性の耳鳴りが示す血圧異常のサインについて
拍動性の耳鳴りは、高血圧患者にとって特に注意すべき症状の一つです。このタイプの耳鳴りは、心臓の鼓動と同期して聞こえ、血管内の血流異常を反映しています。高血圧による血管壁の肥厚や動脈硬化は、血流の乱れを引き起こし、拍動性の耳鳴りの原因となることがあります。特に、収縮期血圧の急激な上昇や不整脈を伴う場合、この症状は潜在的な心血管系疾患の警告サインとなる可能性があります。
耳鳴りは、高血圧患者にとって単なる不快な症状ではなく、身体からの重要な警告サインです。「キーン」という高音や、片耳・両耳の耳鳴り、拍動性の耳鳴りなどは、それぞれ異なる血管系の変化を示唆している可能性があります。これらの症状は聴覚だけでなく、全身の血管の健康とも密接に関係しているため、注意が必要です。
なぜ高血圧で耳鳴りが起こるのか?
ここでは、高血圧と耳鳴りの密接な関係について詳細に解説します。
血圧上昇が内耳の血流に及ぼす影響
内耳は、非常に繊細で精密な血管系を持つ器官です。血圧の上昇は、この微細な血管系に直接的かつ深刻な影響を及ぼします。特に、高血圧の状態が続くことで、内耳の毛細血管や細動脈に過剰な圧力がかかり、血管壁に持続的なストレスが加わります。その結果、血管の損傷が進行し、血流の質や量に悪影響を及ぼすことで、内耳への酸素供給や栄養補給が阻害されます。このような状況下で、聴覚神経細胞は慢性的なストレスにさらされ、正常な聴覚信号の処理が困難となり、最終的に耳鳴りの発症につながると考えられます。
動脈硬化と耳鳴りの関係性
動脈硬化は、高血圧によって加速度的に進行する血管の構造変化です。血管壁のコラーゲン繊維が硬化し、弾力性を失うことで、血流の動態が大きく変化します。内耳の微小血管においても、この動脈硬化は深刻な影響を及ぼします。硬化した血管壁は、血流の乱れを引き起こし、不規則な血流パターンを生み出します。この血流の乱れは、聴神経に異常な刺激を与え、脳が解釈できない音の信号として認識されます。その結果、患者は耳鳴りを経験することになります。動脈硬化の進行は、耳鳴りの持続時間と強度に直接的な影響を与える重要な要因となっています。
ストレスが血圧と耳鳴りの両方に与える悪影響について
慢性的なストレスは、交感神経系を過剰に刺激し、コルチゾールなどのストレスホルモンの分泌を増加させます。これらのホルモンは血管を収縮させ、血圧を上昇させるとともに、内耳の血管系にも悪影響を及ぼします。さらに、ストレスによる精神的緊張は、耳鳴りの知覚を増幅させる心理学的メカニズムも関与しています。患者は耳鳴りに対して過剰に注意を向けることで、症状をより強く認識し、それがさらなるストレスを生み出すという悪循環に陥るのです。
高血圧による耳鳴りは、単純な偶然ではなく、複雑な生理学的メカニズムの結果です。血圧上昇、動脈硬化、そしてストレスが相互に作用し、内耳の血管系と神経系に深刻な影響を与えています。
耳鳴りと高血圧が示す重大な健康リスク
耳鳴りと高血圧は、単なる不快な症状ではなく、身体の深刻な警告サインです。ここでは、これらの症状が示唆する「重大な健康リスク」について解説します。
耳鳴りと高血圧が同時に現れる際の脳卒中リスク
耳鳴りと高血圧の同時発生は、脳卒中のリスクを著しく高める重要な警告サインとなります。具体的には、血管系の異常は、脳の血流に深刻な影響を与える可能性があります。また、高血圧による血管壁の損傷と血流の乱れは、脳内の微小血管に致命的な影響を及ぼす可能性があります。特に、持続的な高血圧と耳鳴りを伴う患者は、脳血管の脆弱性が増し、血栓形成や出血のリスクが高まります。なお、医学研究によれば、これらの症状が同時に現れる患者は、そうでない患者と比較して脳卒中発症率が有意に高くなることが明らかになっています。
心臓疾患との関連性と早期発見の重要性
血管系の慢性的な障害は、心臓に過度の負担をかけ、心筋の機能低下を引き起こす可能性があります。また、動脈硬化の進行は、冠動脈疾患のリスクを大幅に高め、心筋梗塞や不整脈の可能性を増大させます。したがって、早期発見と適切な医学的介入が極めて重要です。定期的な医療検査によって、これらの潜在的な心臓疾患のリスクを大幅に低減できますので、異変を感じた際は速やかに医療機関を受診してください。医療専門家による包括的な診断と継続的なモニタリングが、患者の長期的な心血管系の健康を守る鍵となります。
糖尿病患者が特に注意すべき耳鳴りの症状について
慢性的な高血糖は、末梢神経と血管系に深刻なダメージを与え、内耳の微小血管機能に直接的な影響を及ぼします。また、糖尿病性神経障害は、聴覚神経の機能を著しく低下させ、耳鳴りの発生リスクを高めます。さらに、糖尿病患者は高血圧との併発率が高く、これらの要因が複合的に作用することで、聴覚系に対する破壊的な影響が増幅されるため、十分な注意が必要です。血糖値の厳密な管理、定期的な聴覚検査、そして包括的な健康モニタリングは、これらの合併症のリスクを低減するために不可欠です。
耳鳴りを感じたら受診すべき診療科とタイミング
ここでは、耳鳴りを感じた際に受診すべき診療科と「受診のタイミング」について詳しく解説します。
高血圧と耳鳴りの症状で受診すべき診療科
高血圧を伴う耳鳴りの場合、複数の専門医による包括的なアプローチが重要となります。まず、内科医または循環器内科医に相談し、血圧管理と全身的な血管系の評価を行うことが不可欠です。同時に、耳鼻咽喉科専門医による詳細な聴覚系の診断も必要不可欠となります。また、神経内科医も、耳鳴りの神経学的メカニズムを評価する上で重要な役割を果たします。特に、高血圧と耳鳴りが同時に発生している場合、これらの専門医が連携して総合的な診断と治療計画を立案することが、患者の健康管理において最も効果的なアプローチとなります。
医師に効果的に症状を伝えるポイントと注意点
医師に耳鳴りの症状を正確に伝えることは、適切な診断に繋がります。具体的には、耳鳴りの音の特徴(キーン、ジーという音、拍動性など)、発生頻度、持続時間、音の大きさを具体的に説明することが重要です。また、高血圧との関連性を示すため、血圧測定値の履歴、服用中の降圧薬、既往歴も併せて伝える必要があります。さらに、症状が発生した際の状況(ストレス、疲労、特定の姿勢など)も診断に有用な情報となります。なお、感情的な影響や日常生活への支障についても率直に伝えることで、医師はより包括的な治療アプローチを検討できます。
緊急性の高い耳鳴りの症状と対処法
突発的で激しい耳鳴りに加えて、聴力の急激な低下、めまい、顔面神経の麻痺、激しい頭痛などが同時に発生する場合は、緊急の受診が必要です。これらの症状は、脳卒中や一過性脳虚血発作、重篤な神経学的疾患の前兆である可能性があります。特に高血圧患者の場合、これらの症状は血管系の重大な障害を示唆している可能性があるため、迅速な医学的評価が生命を左右することがあります。症状の変化を慎重に観察し、異常を感じた場合はためらわずに医療機関を受診してください。
高血圧を伴う耳鳴りは、単一の専門医ではなく、内科、耳鼻咽喉科、神経内科の専門家による包括的なアプローチが不可欠です。症状を詳細に記録し、医師に正確に伝えることが適切な診断の鍵となります。
高血圧患者の耳鳴りに効果的な対策
高血圧と耳鳴りは密接に関連する複雑な健康課題です。ここでは、これらの症状を効果的に管理するための「包括的なアプローチ」について解説します。
血圧コントロールが耳鳴り軽減にも効果的である理由
高血圧は内耳の微小血管系に直接的な悪影響を与え、聴覚神経の機能を阻害します。そのため、血圧を安定させることで内耳の血流を改善し、神経細胞への酸素供給を最適化できます。また、降圧薬の適切な使用により、血管壁のストレスを軽減し、血流の乱れを最小限に抑えることができます。さらに、安定した血圧は聴覚システムへの慢性的な負担を軽減し、耳鳴りの知覚を緩和する可能性があります。
塩分制限や適切な運動など生活習慣の見直しポイント
塩分摂取の大幅な削減は、血圧を自然に低下させる重要な戦略となります。具体的には、1日の塩分摂取量を6グラム以下に抑えることで、血管系の負担を軽減できます。また、定期的な有酸素運動は血管の弾力性を改善し、血圧を安定させる効果があります。例えば、週に150分程度の中強度の運動、例えばウォーキングやスイミングは心血管系の健康を促進します。さらに、ストレス管理として瞑想やヨガも、自律神経系のバランスを整え、血圧と耳鳴りの症状改善に寄与します。
耳鳴りと高血圧の両方に効果的な睡眠改善策
質の高い睡眠は、高血圧と耳鳴りの管理において極めて重要です。睡眠不足や不規則な睡眠パターンは、血圧の変動と耳鳴りの悪化を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。理想的な睡眠環境の整備としては、寝室の温度調整、騒音の遮断、快適な寝具の選択が重要です。また、就寝前の深呼吸や瞑想は、自律神経系を落ち着かせ、睡眠の質を向上させます。さらに、電子機器からの青色光を避け、規則正しい睡眠スケジュールを維持することも、血圧と耳鳴りの管理に効果的です。特に、夜間の安定した睡眠は、身体の修復プロセスを促進し、全体的な健康状態の改善に寄与します。
まとめ
高血圧と耳鳴りは密接に関連する複雑な健康課題です。内耳の繊細な血管系は、血圧の変動に極めて敏感であるため、慢性的な高血圧は聴覚システムに破壊的な影響を及ぼす可能性があります。そのため、早期発見と適切な医学的介入が、潜在的な合併症のリスクを大幅に低減する鍵となります。また、日常生活における血圧管理も重要です。塩分制限、定期的な運動、ストレス管理、質の高い睡眠は、血圧コントロールと耳の健康維持に不可欠な戦略となります。これらの生活習慣の改善を積極的に実践することが、全体的な健康状態の向上につながります。なお、当院では血圧測定から専門的な治療まで、患者一人ひとりの状態に合わせた総合的な医療サービスを提供しています。高血圧の症状に心当たりのある方、もしくは健康診断などで血圧値の異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
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2025.06.10
首筋の痛みの原因は高血圧?症状や対策を解説
内科に関する記事です。
この記事では、「首筋の痛みと高血圧の関連性」について解説していきます。後半部分では「すぐに受診すべき首の後ろの痛みと高血圧の症状」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
首筋の痛みと高血圧の関連性
高血圧による首の後ろの痛みの特徴と原因
首の後ろの痛みを伴う高血圧の危険性
すぐに受診すべき首の後ろの痛みと高血圧の症状
首の後ろの痛みと高血圧を同時に改善する方法
自宅でできる首の後ろの痛みの対処法
まとめ
首筋の痛みと高血圧の関連性
現代の生活環境において、ストレスや不規則な生活習慣は私たちの身体に様々な影響を及ぼしています。特に、首筋の痛みと高血圧は一見無関係に思えますが、実際には深い関連性があることが医学的研究により明らかになっています。ここでは、「首筋の痛み」と「高血圧の複雑な関係性」について詳しく解説します。
首の後ろの痛みが高血圧のサインとなる可能性について
首の後ろの痛みは、単なる筋肉の疲労や姿勢の問題だけではなく、潜在的な高血圧の兆候である可能性があります。交感神経系の過剰な緊張は、血管を収縮させ、血圧を上昇させるとともに、頸部周辺の筋肉に持続的な緊張をもたらします。この神経系の反応は、首筋に慢性的な痛みや不快感を引き起こす可能性があり、同時に血圧上昇のメカニズムとも密接に関連しています。
血圧の上昇が首の血管や筋肉に与える影響
高血圧の状態は、首周辺の血管系に大きな負担をかけます。例えば、血管壁に持続的に高い圧力が加わると、血管の弾力性が低下し、微小循環が阻害されます。その結果、頸部の筋肉や神経組織に十分な酸素や栄養が行き渡らず、筋肉の緊張や痛み、不快感を引き起こすことがあります。さらに、血管壁の硬化により神経系の反応が鈍くなり、首筋に慢性的な痛みが生じる可能性もあります。
首の痛みと高血圧の症状が同時に現れるメカニズムとは?
ストレスホルモンであるコルチゾールや交感神経系の過剰な活性化は、首筋の痛みと高血圧の両方に深く関与しています。精神的なストレスや身体的な緊張は、血管を収縮させ、血圧を上昇させると同時に、首や肩の筋肉に持続的な緊張をもたらします。このメカニズムにより、首筋の痛みと高血圧が同時に出現する可能性が高まるのです。また、自律神経系のバランスの乱れが、これらの症状を相互に増幅させる要因となっています。
高血圧による首の後ろの痛みの特徴と原因
高血圧は、単に数値の問題だけではなく、身体の様々な部位に複雑な影響を及ぼします。特に首の後ろの痛みは、高血圧患者にとって見逃せない重要な身体のシグナルとなっています。ここでは、「高血圧」と「首の後ろの痛みの関係性」について詳細に解説します。
高血圧患者に特徴的な首の後ろの痛みのパターン
高血圧患者に見られる首の後ろの痛みは、一般的な筋肉疲労による痛みとは異なる特徴を持ちます。例えば、持続的で鈍い痛みや圧迫感、締め付けられるような感覚が挙げられます。特に、起床時や精神的ストレスを感じた際に痛みが強まり、安静にしても容易には緩和されにくい点が特徴です。なお、痛みの部位は主に首の後ろ上部から肩にかけて広がり、頭部への圧迫感を伴うことが多く、血管系の緊張と密接に関連しています。
血管の変化や緊張が首の後ろに痛みをもたらす仕組み
高血圧による血管系の変化は、首の後ろの痛みを引き起こす直接的な要因となります。具体的には、血管壁の硬化と弾力性の低下により、頸部周辺の血管は正常な血流を維持することが困難になります。この状況は、筋肉組織への酸素供給を減少させ、慢性的な筋肉の緊張と痛みを引き起こします。さらに、交感神経系の過剰な活性化は血管を収縮させ、局所的な血流障害を引き起こすことで、首の後ろに持続的な不快感をもたらすのです。
肩こりと連動して悪化する首の後ろの痛みと血圧の関係
高血圧と肩こりは、相互に影響し合う密接な関係にあります。例えば、ストレスホルモンの過剰分泌は首や肩の筋肉を持続的に緊張させ、血圧をさらに上昇させる悪循環を引き起こします。特に、デスクワークや長時間同じ姿勢を続けることは、この悪循環をさらに加速させます。さらに、交感神経系の慢性的な緊張により、筋肉の酸素需要が高まり、代謝老廃物の排出が妨げられることで、肩こりや首の後ろの痛みが悪化します。
高血圧による首の後ろの痛みは、単なる身体の不調ではなく、重要な健康警告サインです。血管系の変化、神経系の緊張、ストレス、生活習慣などが複雑に絡み合って発生するため、注意が必要です。なお、定期的な健康診断や血圧管理、適度な運動、ストレス解消は、これらの症状を改善するための重要な対策となります。自身の身体の変化に敏感になり、早期に専門家へ相談することが、健康を守る上で最も大切です。
首の後ろの痛みを伴う高血圧の危険性
高血圧は、現代社会における深刻な健康問題の一つです。特に、首の後ろの痛みと併発する高血圧は、単なる不快感以上の重大な健康リスクを秘めています。ここでは、この危険な症状の背景と「潜在的な健康への影響」について詳しく解説します。
首の後ろの痛みと高血圧が併発する際の健康リスク
血管壁に持続的に高い圧力がかかると、脳血管や心血管系に重大な負担を与えます。特に、頸動脈の硬化や狭窄は、脳卒中や心筋梗塞のリスクを著しく高めます。さらに、慢性的な血圧上昇は、腎機能の低下や網膜障害などの合併症を引き起こす可能性があるため、首の後ろの痛みは、これらの潜在的な健康リスクを示す重要な兆候となることがあります。
頭痛や吐き気を伴う首の痛みが示す血圧異常のサインとは?
頭痛や吐き気を伴う首の後ろの痛みは、きわめて深刻な血圧異常のサインである可能性があります。これらの症状は、脳血管への異常な圧力や自律神経系の機能不全を示唆しています。特に、突発的で鋭い痛み、めまい、視覚の変化を伴う場合は、緊急性の高い血圧性脳症や一過性脳虚血発作(TIA)の前兆である可能性があります。このような症状が現れた場合、直ちに医師の診察を受けることが生命を守る上で極めて重要となります。
糖尿病患者が特に注意すべき首の痛みと高血圧の関係性について
糖尿病患者にとって、首の後ろの痛みと高血圧の併発は、特に注意すべき重要な兆候です。糖尿病は血管内皮機能を損ない、血管壁の脆弱性を高めるため、高血圧との相互作用によって末梢神経障害や微小血管障害のリスクが大幅に上昇します。さらに、自律神経系の機能不全により、痛みの感覚や血圧調節のメカニズムが複雑化し、重篤な合併症を引き起こす可能性があります。そのため、糖尿病患者は首の後ろの痛みを軽視せず、定期的かつ綿密な医学的管理を行うことが不可欠です。
首の後ろの痛みを伴う高血圧は、決して軽視できない深刻な健康問題です。脳血管、心血管、腎機能への悪影響、さらには糖尿病患者における複合的なリスクを考慮すると、早期発見と適切な医学的介入が極めて重要となります。
すぐに受診すべき首の後ろの痛みと高血圧の症状
現代の医療において、身体の異常サインを早期に察知し、適切な対応をとることは生命を守る上で極めて重要です。特に、首の後ろの痛みと高血圧は、看過できない深刻な健康警告となり得ます。ここでは、即座に「医師の診察を受けるべき症状」について解説します。
緊急性の高い首の後ろの痛みと血圧上昇のサイン
突発的で鋭い首の後ろの痛みは、直ちに医療機関を受診すべき重要な警告サインです。特に、血圧が180/120mmHg以上に上昇し、激しい頭痛、めまい、視覚の異常、言語障害を伴う場合は、高血圧性脳卒中や脳血管障害のリスクが極めて高くなります。また、左腕のしびれや胸部の圧迫感、冷や汗を伴う首の痛みは、心筋梗塞の前兆である可能性があるため、迅速な対応が生命を守る鍵となります。
心臓や血管の疾患につながる危険な首の痛みの特徴
突然の、鋭く持続的な痛み、放射状に広がる痛み、呼吸や体の動きで悪化する痛みは、大動脈解離や心筋虚血のサインである可能性があります。特に、首の後ろから肩、顎、左腕に放射する痛みは、心臓由来の問題を強く示唆します。これらの症状は、致命的な心血管イベントの前兆となり得るため、即座の医学的介入が不可欠です。
医療機関での適切な検査と診断の流れについて
医療機関での診断プロセスは、包括的かつ迅速に行われます。まず、詳細な問診を通じて症状の経過や特徴を確認します。次に、血圧測定、心電図検査、血液検査を行い、即時的な健康状態を評価します。さらに、必要に応じて頸動脈エコー、CT、MRIなどの画像診断が実施され、血管系や神経系の詳細な状態を精査します。特に、高血圧患者の場合は、心臓、腎臓、脳血管の総合的な評価が重要であり、潜在的なリスクを早期に発見することが可能となります。
首の後ろの痛みと高血圧を同時に改善する方法
現代社会において、ストレスや不規則な生活習慣は、私たちの身体に多大な負担をかけています。特に、首の後ろの痛みと高血圧は、互いに深く関連し合う健康上の課題です。ここでは、これらの症状を同時に改善するための「包括的なアプローチ」について詳しく解説します。
血圧管理が首の痛み軽減にも効果的である理由とは?
高血圧状態は、頸部周辺の血管系に過剰な負担をかけ、筋肉組織への酸素供給を阻害します。そのため、血圧を適切にコントロールすることで、血管の弾力性が回復し、局所的な循環が改善されます。また、首の筋肉への栄養供給が増加し、慢性的な緊張や痛みが軽減されます。さらに、交感神経系の過剰な活性化を抑制することで、首筋の筋肉緊張を和らげる効果も期待できます。
日常生活で実践できる首の痛みと高血圧の両方に効く対策
ストレス管理は、首の痛みと高血圧の改善に不可欠です。例えば、リラクゼーション技法、深呼吸、マインドフルネス瞑想は、自律神経系のバランスを整え、血圧を安定させるとともに、首周辺の筋肉の緊張を緩和します。また、正しい姿勢の維持、定期的なストレッチ、軽いマッサージは、首筋の血流を改善し、筋肉の柔軟性を高めます。特に、首と肩のストレッチは、血管系の緊張を和らげ、血圧管理にも間接的に貢献します。
食事や運動など生活習慣の見直しポイント
食事と運動は、首の痛みと高血圧の改善に最も効果的なアプローチです。例えば、カリウムを多く含む野菜や果物、オメガ3脂肪酸が豊富な魚類、マグネシウムを含む食品は、血圧の調節や血管の健康に寄与します。また、塩分、糖分、アルコールの摂取を控えることも重要です。運動に関しては、有酸素運動や軽いウェイトトレーニングが血管の弾力性を高め、血圧を安定させます。特に、水泳、ウォーキング、ヨガは、首筋の柔軟性を高めながら心血管系の健康を改善する理想的な運動と言えます。
自宅でできる首の後ろの痛みの対処法
現代社会における慢性的なストレスと不規則な生活は、多くの人々に首の後ろの痛みをもたらしています。特に高血圧を抱える方にとって、安全かつ効果的な対処法は非常に重要です。ここでは、自宅で実践できる「安全で効果的な首の痛み緩和法」について解説します。
高血圧がある方向けの安全な首の痛み緩和法を紹介
高血圧患者が首の痛みを緩和する際には、特に慎重なアプローチが求められます。まず、急激な動きや過度な力を避けることが重要です。具体的には、静かな呼吸法と組み合わせたゆっくりとした首の可動域運動が効果的です。特に仰向けに寝た状態で、頭を左右にゆっくりと動かし、筋肉の緊張を和らげる方法が推奨されます。また、痛みの程度に応じて、柔らかい枕の使用や就寝時の姿勢調整も、首の負担を軽減する有効な方法となります。
温熱療法と冷却療法の正しい使い分け方について
首の後ろの痛みに対する温熱療法と冷却療法は、症状や状況によって適切に使い分ける必要があります。急性の痛みや炎症初期には、15〜20分間の冷却療法が効果的です。氷嚢やクールパックを使用することで、血管を収縮させ、炎症を抑制します。一方、慢性的な筋肉の緊張や凝りに対しては、温熱療法が有効です。温湿布やお湯で温めたタオルを使用することで、血流を改善し、筋肉の緊張を和らげることができます。
血圧に配慮した首のストレッチとマッサージ方法
高血圧患者がストレッチやマッサージを行う際には、血圧への影響を常に意識する必要があります。最も安全なアプローチは、ゆっくりとした呼吸と同期させた穏やかな動きです。首を前後左右にゆっくりと動かし、軽く伸ばすストレッチが効果的です。なお、マッサージは強い力を入れず、優しく行い、特に首の付け根から肩にかけての筋肉を優しくほぐしてください。指先を使った軽いタッピングや優しい円運動は、血流を改善しながら筋肉の緊張を和らげる効果があります。
まとめ
首の後ろの痛みは、単なる筋肉の疲労や姿勢の問題だけではなく、潜在的な高血圧の兆候である可能性があります。交感神経系の過剰な緊張は、血管を収縮させ、血圧を上昇させるとともに、頸部周辺の筋肉に持続的な緊張をもたらします。また、血管壁への持続的な高い圧力は、血管の弾力性を低下させ、微小循環を阻害します。これにより、頸部の筋肉や神経組織は十分な酸素や栄養を受け取ることができなくなり、結果として筋肉の緊張や痛み、不快感を引き起こします。さらに、血管壁の硬化は神経系の反応を鈍化させ、首筋に慢性的な痛みをもたらす可能性もありますので、ご注意ください。なお、当院では血圧測定から専門的な治療まで、患者一人ひとりの状態に合わせた総合的な医療サービスを提供しています。高血圧の症状に心当たりのある方、もしくは健康診断などで血圧値の異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
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2025.06.10
朝起きると頭が重いのは高血圧?具体的な症状や原因、対策について解説
内科に関する記事です。
この記事では、「朝の頭の重さと高血圧の関係」について解説していきます。後半部分では「朝の頭の重みを改善するための高血圧対策」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
朝の頭の重さと高血圧の関係
なぜ高血圧だと朝に頭が重くなるのか
高血圧以外で朝に頭が重くなる原因
このような症状があれば受診を検討しましょう
朝の頭の重みを改善するための高血圧対策とは?
まとめ
朝の頭の重さと高血圧の関係
健康的な生活を送る上で、朝の体調は重要な指標となります。特に、朝起きた際に感じる頭の重さは、高血圧と深い関連性を持っている可能性があります。ここでは、「朝の頭重感」と「高血圧の関係」について詳しく解説します。
朝起きた際の頭の重さと高血圧の関連性
朝の頭重感は、高血圧患者にとって見逃せない症状の一つです。起床直後の血圧は、通常1日の中で最も高くなる時間帯であり、これが頭の重さや圧迫感として体感されることがあります。また、高血圧患者の血管は、常に高い圧力にさらされているため、朝方には血管壁にさらなる負担がかかります。この血管の緊張が頭部に重圧感をもたらし、頭が重く感じられる原因となっています。
高血圧患者に多く見られる朝の頭重感の特徴
高血圧患者の朝の頭重感には、いくつかの特徴的な症状があります。例えば、頭全体に圧迫感を感じたり、後頭部や首の後ろに鈍い痛みを伴うことが多いのが特徴です。また、起床直後の30分から1時間は、この症状が顕著に現れやすい傾向があります。なお、血圧が安定するまでの間、血管内の圧力変動により脳への血流が一時的に変化することで、こうした症状が引き起こされると考えられています。
血圧変動が脳や体に与える影響
朝方の血圧上昇は、脳の微小血管に負担をかけ、頭痛や頭重感だけでなく、長期的には脳血管障害のリスクを高める可能性があります。また、血圧の変動は自律神経系にも影響を与え、めまいや倦怠感、集中力の低下などの症状を引き起こすこともあります。このため、朝の頭重感は単なる不快感だけでなく、身体の重要なサインとして捉える必要があります。
なぜ高血圧だと朝に頭が重くなるのか
私たちの体内で起こる複雑な生理現象は、朝の頭の重さと深い関わりを持っています。特に高血圧患者にとって、朝の頭重感は単なる不快感以上の意味を持つのです。ここでは、その詳細な「メカニズム」について解説します。
高血圧患者が朝に頭の重さを感じるメカニズム
高血圧患者の体内では、血管壁に常に高い圧力がかかっています。特に朝方は、体内のホルモンバランスや自律神経系の変化により、血管の緊張が高まります。これにより、脳への血流が一時的に変化し、頭部に圧迫感や重圧感が生じるのです。なお、交感神経の活動が活発になることで血管が収縮し、脳内の血流動態に影響を与えることが、朝の頭重感の主な原因となっています。
モーニングサージと呼ばれる朝の急激な血圧上昇が頭の重さを引き起こす仕組み
「モーニングサージ」は、起床後早期に血圧が急激に上昇する現象です。通常、人間の体内では、起床とともにコルチゾールやアドレナリンなどのストレスホルモンが分泌されます。これらのホルモンが血管を収縮させ、血圧を上昇させるのです。高血圧患者の場合、この血圧上昇がより顕著となり、脳内の血管に過度の負担をかけます。結果として、頭部に重圧感や締め付けられるような感覚を引き起こすのです。
症状を放置することで生じる危険性
長期間にわたり血圧変動を放置すると、脳血管障害や心臓疾患のリスクが高まります。特に、脳の微小血管への継続的な負担は、将来的な脳卒中や認知機能の低下につながる可能性があります。また、慢性的な血圧変動は、臓器への悪影響を及ぼし、腎臓や眼球などにも深刻なダメージを与える可能性があります。
朝の頭の重さは、単なる不快感ではなく、高血圧による身体のシグナルです。「モーニングサージ」によって引き起こされる血圧変動は、私たちの健康に重大な影響を与える可能性がありますので、注意してください。自身の体調の変化に敏感になり、早期に対策を講じることが、健康的な生活を送る上で最も重要です。
高血圧以外で朝に頭が重くなる原因
ここでは、高血圧以外の朝の頭重感の要因について詳しく解説します。
高血圧以外にも朝の頭重感を引き起こす要因
睡眠不足や不規則な睡眠リズム、精神的ストレス、脱水、栄養不足などが朝の頭重感の主な原因となります。特に、寝る前のアルコール摂取や深夜までの電子機器の使用は、睡眠の質を低下させ、朝方の頭重感を引き起こす重要な要因です。また、慢性的な緊張や姿勢の悪さによる首や肩の筋肉の疲労も、頭部に重圧感をもたらす可能性があります。これらの要因は、単独でまたは複合的に作用し、朝の頭重感を引き起こします。
睡眠時無呼吸症候群や緊張型頭痛との違い
睡眠時無呼吸症候群は、夜間に呼吸が一時的に停止することで、脳への酸素供給が妨げられ、朝方の頭重感を引き起こします。一方、緊張型頭痛は、ストレスや筋肉の緊張により、頭や首の筋肉に持続的な痛みや圧迫感をもたらします。これらの症状は、高血圧による頭重感とは異なり、睡眠パターンや精神的ストレス、筋肉の状態と密接に関連しています。それぞれ異なるメカニズムで頭重感を引き起こすため、正確な診断と適切な治療アプローチが重要となります。
糖尿病など他の生活習慣病との関連性
糖尿病は、血糖値の異常が神経系や血管系に影響を与え、朝の頭重感を引き起こす可能性があります。例えば、高血糖状態は血管内皮機能を障害し、脳への血流に影響を与えることで、頭重感や頭痛を誘発することがあります。また、腎臓病や甲状腺機能障害などの内分泌系の疾患も、ホルモンバランスの乱れを通じて朝の頭重感に関与する可能性があります。これらの生活習慣病は、単独で頭重感を引き起こすだけでなく、互いに複雑に関連し合っていることに注意が必要です。
このような症状があれば受診を検討しましょう
ここでは、高血圧に関連する症状と「医療機関を受診すべきタイミング」について詳しく解説します。
朝の頭重感と高血圧に関連する症状で医療機関を受診すべきタイミング
朝の頭重感が持続的かつ強い場合、特に他の症状を伴う際は速やかに医療機関を受診する必要があります。具体的には、頭重感に加えて、めまい、視覚の異常、片側の麻痺、言語障害、集中力の低下などの症状が現れた場合は、直ちに医師の診察を受けるべきです。また、血圧測定で収縮期血圧が180mmHg以上、拡張期血圧が120mmHg以上の場合も、緊急の医療対応が必要となります。これらの症状は、脳卒中や臓器障害のリスクを示唆している可能性があるため、慎重に対応することが重要です。
緊急性の高い症状とその対処法について
高血圧に関連する緊急性の高い症状には、激しい頭痛、胸痛、呼吸困難、視力の突然の変化、顔や手足のしびれなどがあります。これらの症状は、脳卒中や心臓発作の前兆である可能性が高く、即座に救急医療が必要です。自宅で血圧を測定し、異常に高い値を確認した場合は、安静にして深呼吸を行い、速やかに救急サービスに連絡することが推奨されます。特に、片側の顔や体の突然の麻痺、言語障害、極度の頭痛は、脳卒中の可能性を強く示唆するため、迅速な対応が生命を左右する可能性があります。
症状を医師に効果的に伝えるポイントや適切な専門医の選び方
医師に症状を伝える際は、できるだけ具体的で詳細な情報を提供することが重要です。症状の発生時期、頻度、強度、持続時間、随伴症状などを明確に説明しましょう。具体的には、症状がいつ始まったのか、どのような状況で起こるのか、どの程度の頻度で発生するのか、痛みや不快感の程度、他に伴う症状があるかどうかを詳しく伝えることが大切です。また、家族歴、生活習慣、服用している薬についても正確に伝えることで、診断の精度が向上します。なお、高血圧に関しては、循環器内科や総合内科の医師が診断と治療に精通しています。そのため、まずはかかりつけ医に相談し、必要に応じて専門医を紹介してもらうことをお勧めします。
高血圧は適切な管理と早期発見が鍵となる疾患です。朝の頭重感や関連する症状を軽視せず、自身の身体の変化に注意を払うことが重要です。定期的な血圧測定、健康的な生活習慣の維持、そして躊躇なく医療専門家に相談することが、深刻な合併症を予防する最良の方法となります。
朝の頭の重みを改善するための高血圧対策とは?
高血圧によって引き起こされる朝の頭重感は、多くの人にとって悩ましい症状です。適切な対策と生活習慣の改善により、症状を軽減し、健康的な毎日を取り戻すことができます。ここでは、朝の頭重感を改善するための具体的な高血圧対策について詳しく解説します。
朝の頭重感を改善するための高血圧対策について
朝の頭重感を改善するためには、血圧変動のメカニズムを理解し、包括的なアプローチが必要です。まず、起床直後の血圧上昇を抑制するため、ゆっくりと起き上がり、深呼吸を行うことが効果的です。また、夜間の塩分摂取を控え、就寝前の水分補給を適切に管理することで、朝方の血圧変動を緩和できます。さらに、睡眠環境の改善も重要です。質の高い睡眠を確保することで、自律神経系のバランスを整え、血圧の安定化につながります。なお、瞑想やリラクゼーション、適度な運動も血圧コントロールに有効な対策となります。
日常生活で実践できる血圧管理の方法
日常生活における血圧管理では、食事療法が重要な役割を果たします。カリウムを多く含む野菜や果物、魚類を積極的に摂取し、塩分の摂取を控えめにすることで、血圧の自然な調整が期待できます。また、定期的な有酸素運動は血管の弾力性を高め、血圧の低下に貢献します。さらに、睡眠時間の確保と質の改善も重要です。7〜8時間の十分な睡眠を心がけ、就寝前のスマートフォン使用を控えるなど、良質な睡眠環境を整えることが血圧管理につながります。
薬物療法と生活習慣改善の効果的な組み合わせ
高血圧の治療において、薬物療法と生活習慣の改善は車の両輪のような関係にあります。医師の指示に従い、処方された降圧薬を正しく服用しながら、同時に生活習慣の改善に取り組むことが最も効果的です。ただし、降圧薬の種類や服用タイミングは個人の状態によって異なるため、定期的に医療機関で検査を受け、必要に応じて調整することが重要です。また、家庭での血圧測定を習慣化し、データを医師と共有することで、より精密な治療が可能となります。ストレス管理、適度な運動、バランスの取れた食事、十分な睡眠など、総合的なアプローチが症状の改善につながります。
朝の頭重感を改善するための高血圧対策は、決して難しいものではありません。医師の指導のもとで生活習慣を総合的に見直し、自身の健康と向き合うことが最も重要です。また、適切な食事、運動、ストレス管理、十分な睡眠、そして必要に応じた薬物療法を組み合わせることで、朝の頭重感を軽減し、健康的な毎日を取り戻すことができます。自分の体に関心を持ち、継続的に健康管理に取り組むことが、高血圧と上手に付き合うための鍵となります。
まとめ
朝方の血圧上昇は、脳の微小血管に負担をかけ、頭痛や頭重感を引き起こすだけでなく、長期的には脳血管障害のリスクを高める可能性があります。また、血圧の変動は自律神経系にも影響を及ぼし、めまいや倦怠感、集中力の低下などの症状を引き起こすこともあります。そのため、朝の頭重感は単なる不快感ではなく、体からの重要な警告サインとして捉える必要があります。加えて、健康的な生活を維持するためには、定期的な血圧測定、適切な生活習慣の改善、そして必要に応じた医療専門家への相談が大切です。朝の体調の変化に敏感になり、自身の健康に注意を払うことが、高血圧と上手に付き合うための鍵となります。なお、当院では血圧測定から専門的な治療まで、患者一人ひとりの状態に合わせた総合的な医療サービスを提供しています。高血圧の症状に心当たりのある方、もしくは健康診断などで血圧値の異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
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2025.06.10
めまいと頭痛が起きる原因と対処法
内科に関する記事です。
この記事では「めまいと頭痛が起きる原因と対処法」について解説していきます。後半部分では「頭痛やめまいを感じたときの受診タイミング」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
頭痛とめまいが同時に起こる主な原因
高血圧が引き起こす頭痛とめまいの特徴
頭痛とめまいを引き起こすその他の原因
頭痛やめまいを感じたときの対処法と受診のタイミング
当院での高血圧診療について
頭痛とめまいが同時に起こる主な原因
頭痛とめまいが同時に起こる場合は、特定の健康問題を示唆している可能性があります。このような症状の組み合わせは、軽度で一時的なものから緊急の医療介入が必要な重篤な状態まで、様々な原因が考えられます。ここでは、これらの症状が併発する主な原因と、医師の診察を受けるべき状況について解説します。
頭痛とめまいが同時に起こる主な原因
頭痛とめまいの同時発生は複数の疾患で見られます。最も一般的な原因の一つは「前庭性片頭痛」で、通常の片頭痛に加えて回転性のめまいを伴います。この症状は数分から数時間続くことがあります。また、「メニエール病」も耳鳴りや難聴とともに、激しいめまいと頭痛を引き起こします。さらに「起立性低血圧」では、急に立ち上がった際に血圧が下がり、めまいと頭痛が同時に生じることがあります。なお、過度のストレスや不安、頸椎の問題、貧血、脱水、薬の副作用なども両症状の原因となりえます。
頭痛に言語障害や手足のしびれを伴う場合は要注意
頭痛とめまいに加えて言語障害や手足のしびれが出現した場合は、より深刻な問題が潜んでいる可能性があります。これらの症状は脳卒中の警告サインである場合があり、特に突然発症し、片側の身体に限局したしびれや筋力低下、言葉が出にくい、呂律が回らないといった症状を伴う場合は緊急性が高いと考えられます。また、「一過性脳虚血発作(TIA)」と呼ばれる「小さな脳卒中」では、これらの症状が数分から数時間で消失しますが、将来の脳卒中リスクが高まるため医師の診察が必要です。慢性的に進行する場合は脳腫瘍や多発性硬化症などの神経疾患の可能性も考慮すべきです。
突然の激しい頭痛や強いめまいは緊急受診が必要
「雷鳴頭痛」と呼ばれる、突然のひどい頭痛は脳出血やくも膜下出血の症状である可能性があります。これに強いめまいが加わる場合は、脳幹や小脳の問題を示唆していることがあります。また、頭痛とめまいに発熱が伴う場合は、髄膜炎や脳炎などの感染症を疑う必要があります。これらは命に関わる可能性のある緊急疾患であるため、即座に医療機関を受診すべきです。特に頭痛が「今まで経験したことのない最悪の痛み」と表現される場合や、頸部硬直、嘔吐、意識レベルの変化を伴う場合は一刻も早く救急車を呼ぶべきです。これらの症状は治療の遅れが深刻な後遺症や死亡リスクを高める可能性がありますので、ご注意ください。
2週間以上続く頭痛やめまいは高血圧などの慢性疾患のサイン
2週間以上にわたって持続する頭痛やめまいは、高血圧や糖尿病などの慢性疾患の徴候かもしれません。特に高血圧性頭痛は後頭部の痛みが特徴的で、早朝に悪化することが多いです。また、慢性的な頸部の緊張や姿勢の問題、貧血、甲状腺機能異常、自律神経失調症なども長期間続く頭痛とめまいの原因となりえます。さらに、加齢に伴う平衡感覚の低下や視力の変化も長期的なめまい感の原因になることがあります。これらの症状が日常生活に支障をきたす場合は、適切な診断と管理のために医師の診察を受けることが重要です。
頭痛とめまいが同時に発生する場合、その原因は多岐にわたります。軽度で一時的なものから、緊急の医療介入が必要な重篤な状態まで様々です。特に言語障害やしびれを伴う場合、突然の激しい頭痛や強いめまい、発熱を伴う場合は迅速な医療評価が必要です。また、2週間以上症状が続く場合は慢性疾患のサインかもしれません。これらの症状が生じた場合は、自己判断せずに医師に相談することが重要です。
高血圧が引き起こす頭痛とめまいの特徴
高血圧は「サイレントキラー」と呼ばれるほど自覚症状に乏しい疾患ですが、血圧が著しく上昇すると頭痛やめまいといった症状を引き起こすことがあります。これらの症状は高血圧の重要な警告サインであり、適切な対応が必要です。ここでは、高血圧に関連する頭痛とめまいの特徴的なパターンと、放置した場合のリスクについて解説します。
高血圧による頭痛の特徴
高血圧による頭痛は他の原因による頭痛とは異なる特徴を持っています。最も典型的な特徴は、後頭部(首の付け根から頭の後ろ側)に発生することです。この頭痛は特に朝方に強くなる傾向があり、起床時に最も強く感じられることが多いです。これは夜間の血圧変動パターンと関連しています。また、血圧が180/110mmHg以上の高値になると、症状がさらに悪化することがあります。このレベルは「高血圧緊急症」と呼ばれる状態に近づいており、頭痛も拍動性(脈に合わせてズキズキする)になることが特徴です。なお、高血圧性頭痛は体を動かしたり、前かがみになったりすると悪化することがあり、通常の鎮痛薬では効果が限定的です。さらに、血圧を下げる治療が行われると、頭痛も軽減することが多いという点も重要な特徴です。
高血圧によるめまいの特徴
高血圧に関連するめまいは、突然発症することが多く、立ちくらみやふらつきを伴うことが特徴的です。特に急に立ち上がった際や姿勢を変えた時に生じやすく、一時的に視界が暗くなったり、ぼやけたりする症状を伴うこともあります。これは高血圧により血管の弾力性が低下し、急な血圧変動に対する自律神経系の調節機能が障害されることに起因します。また、高血圧の薬物療法による副作用として過度の血圧低下(低血圧)が生じ、めまいを引き起こすこともあります。なお、高血圧性のめまいは、回転性というよりも「フワフワ」「グラグラ」するような感覚として表現されることが多く、時に耳鳴りや頭重感を伴うことがあります。また、長期間コントロール不良の高血圧では、内耳の血流障害によりめまいが慢性化することもあります。
放置すると脳卒中や心筋梗塞などの合併症リスクが高まる
高血圧による頭痛やめまいを放置することは非常に危険です。コントロール不良の高血圧は、脳血管に大きな負担をかけ続けます。その結果、脳出血や脳梗塞といった脳卒中のリスクが飛躍的に高まります。特に頭痛が突然激しくなった場合は、脳出血の前兆である可能性があります。また、心臓への負担も大きく、心筋梗塞や心不全、不整脈などの心血管疾患のリスクも上昇します。さらに、高血圧は腎臓の機能を徐々に低下させ、慢性腎臓病へと進行する可能性もあります。なお、高血圧は網膜の血管にもダメージを与え、視力低下や失明につながる高血圧性網膜症を引き起こすこともあります。高血圧と診断された後も、適切な治療を受けずに放置すると、これらの合併症のリスクは年々高まっていきますので、ご注意ください。
高血圧による頭痛とめまいは、重要な警告サインです。後頭部の拍動性頭痛や朝方に悪化する頭痛、突然の立ちくらみやふらつきなどの症状がある場合は、高血圧を疑う必要があります。これらの症状を感じたら、すぐに血圧を測定し、医療機関を受診することが重要です。
頭痛とめまいを引き起こすその他の原因
頭痛とめまいは、高血圧だけでなく様々な疾患や体調変化によって引き起こされることがあります。これらの症状は日常生活に大きな影響を与え、さらに深刻な疾患の警告サインである可能性もあります。ここでは、高血圧以外に頭痛とめまいを同時に引き起こす主な原因と、適切な対処法について解説します。
片頭痛、メニエール病、貧血、起立性低血圧なども原因となりうる
頭痛とめまいを同時に引き起こす代表的な疾患として「前庭性片頭痛」があります。これは片頭痛の一種で、通常の頭痛症状に加えて回転性のめまいを伴います。症状は数分から数時間続くことがあり、光や音に対する過敏さ、吐き気を伴うことも特徴です。次に「メニエール病」は内耳の問題により、激しい回転性めまいと頭痛、耳鳴り、難聴を引き起こします。症状は発作的に現れ、数時間から数日続くことがあります。また、貧血も頭痛とめまいの一般的な原因で、特に急に立ち上がったときに症状が悪化します。これは血中のヘモグロビン量が減少し、脳への酸素供給が低下することで生じます。さらに、起立性低血圧は姿勢を変えた際に血圧が急激に低下する状態で、立ちくらみやめまい、頭痛を引き起こします。なお、その他、頸椎の問題、良性発作性頭位めまい症、中耳炎、薬の副作用、ストレス、睡眠不足なども両症状の原因となることがあります。
高血圧と関連している場合は血圧管理で症状改善の可能性がある
頭痛とめまいが高血圧と関連している場合、適切な血圧管理によって症状が改善することが多いです。高血圧治療の基本は生活習慣の改善と必要に応じた薬物療法です。減塩(1日6g未満)、適度な有酸素運動(週に150分以上)、禁煙、適正体重の維持、アルコール摂取の制限などが効果的です。特に減塩は高血圧改善に大きく寄与します。また、ストレス管理も重要で、十分な睡眠や軽い運動、リラクゼーション法の実践が有効です。なお、血圧が140/90mmHg以上の場合、医師の指導のもと降圧薬による治療が検討されます。降圧薬には様々な種類があり、個々の状態に合わせて選択されます。ただし、降圧薬の副作用として低血圧が起こり、めまいを悪化させることもあるため、医師の定期的な診察と服薬調整が重要です。適切な血圧コントロールにより、多くの患者で頭痛とめまいの症状が改善します。
正確な原因特定には専門医による診察と検査が必要
頭痛とめまいの正確な原因を特定するためには、専門医による診察と適切な検査が不可欠です。まず、内科または神経内科での基本的な診察が行われ、症状の性質、頻度、持続時間、誘因などが詳しく評価されます。具体的には、血圧測定は必須であり、高血圧が疑われる場合は24時間血圧モニタリングが実施されることもあります。また、血液検査では貧血、電解質異常、感染症などがチェックされます。さらに、めまいが主症状の場合は耳鼻咽喉科での精密検査も重要であり、聴力検査や平衡機能検査が行われます。なお、頭部CTやMRIは、脳腫瘍、脳出血、脳梗塞などの重篤な疾患を除外するために実施されることがあります。また、めまいの性質によっては心電図や心エコー検査も考慮されます。医師は患者の症状、既往歴、生活習慣、服用中の薬剤などを総合的に評価し、診断を進めます。
頭痛とめまいは様々な原因によって引き起こされる症状であり、片頭痛、メニエール病、貧血、起立性低血圧など多岐にわたる疾患や状態が関与しています。高血圧が原因の場合は、適切な血圧管理によって症状が改善することが期待できます。しかし、自己判断は禁物であり、正確な診断と適切な治療のためには専門医による診察と検査が必要です。特に突然の激しい頭痛やめまい、意識障害、言語障害、手足のしびれなどを伴う場合は緊急性が高いため、すぐに医療機関を受診してください。
頭痛やめまいを感じたときの対処法と受診のタイミング
ここでは、頭痛やめまいを感じたときの適切な対処法と、医療機関を受診すべきタイミングについて解説します。
頭痛やめまいを感じたときの受診のタイミング
頭痛やめまいの症状に対して、いつ医療機関を受診すべきかの判断は非常に重要です。基本的に、日常生活に支障をきたすほどの頭痛やめまいを感じた場合は、一度医師の診察を受けることをお勧めします。特に初めて経験する種類の頭痛や、いつもと異なるパターンのめまいは要注意です。また、頭痛やめまいが頻繁に繰り返す場合や、徐々に悪化している場合も受診が必要です。高血圧の既往がある方は、血圧測定を行い、高値が続く場合には早めに受診してください。なお、市販の鎮痛薬で改善しない頭痛や、体位変換に関係なく持続するめまいも専門医の診察が望ましいです。また、高齢者や妊婦、基礎疾患を持つ方は、軽度の症状であっても早めの受診を検討してください。加えて、頭部への外傷後に生じた頭痛やめまいは、たとえ軽微な外傷であっても医療機関での評価が必要です。
頭痛やめまいを感じたときの対処法
頭痛やめまいを感じたとき、医療機関を受診するまでの間や、軽度の症状の場合には以下の対処法が有効です。まず、安静にすることが最も重要です。特にめまいを感じた場合は、転倒のリスクを避けるため、すぐに座るか横になってください。そして頭痛に対しては、部屋を暗くして静かな環境で休むことが効果的です。加えて、水分補給も大切で、特に脱水が疑われる場合はゆっくりと水分を摂取してください。なお、めまいに対しては、目を閉じて深呼吸を行い、ゆっくりと体を動かすことで症状が軽減することがあります。高血圧が原因と思われる場合は、塩分摂取を控え、カフェインやアルコールの摂取も避けてください。また、ストレスが原因と考えられる場合は、リラクゼーション法を試してみるのも有効な方法です。
即時受診が求められる危険な症状
「雷が落ちるような」突然の激しい頭痛は、くも膜下出血などの緊急疾患の可能性があるため、直ちに救急車を呼ぶべきです。同様に、激しい回転性のめまいで立っていられないほどの場合も緊急性が高いと考えられます。また、頭痛に言語障害や手足のしびれ、顔面の麻痺などの神経症状を伴う場合は脳卒中の可能性があるため、直ちに医療機関を受診する必要があります。さらに、「FAST」(Face:顔の歪み、Arm:腕の麻痺、Speech:言語障害、Time:時間が重要)の症状がある場合は特に注意が必要です。なお、2週間以上持続する頭痛やめまいは、高血圧や貧血、甲状腺機能異常などの慢性疾患のサインかもしれません。この場合は、総合内科や神経内科での精密検査が推奨されます。
頭痛やめまいは様々な原因で起こる一般的な症状ですが、その中には緊急対応が必要な状態も含まれます。突然の激しい頭痛や立っていられないほどの強いめまい、神経症状を伴う場合、高熱を伴う場合は迅速な医療機関の受診が必要です。一方、軽度の症状であれば安静、水分補給、適切な鎮痛薬の使用などの対処法が効果的です。ただし、持続する頭痛やめまいは慢性疾患のサインかもしれないため、2週間以上続く場合は医師の診察を受けてください。
当院での高血圧診療について
当院では、高血圧を単なる数値の問題ではなく、患者の生活全体に関わる健康課題として捉え、包括的な診療を行っています。ここでは、当院の高血圧診療の特徴をご紹介します。
24時間血圧測定(ABPM)や家庭血圧測定の指導を実施
当院では、正確な高血圧診断のために、診察室での血圧測定だけでなく、24時間血圧測定(ABPM)を積極的に実施しています。ABPMは、腕に装着した小型の血圧計が24時間自動的に血圧を測定するシステムで、日中の活動時と夜間の睡眠時の血圧変動を詳細に把握できます。これにより、「白衣高血圧」(医療機関でのみ血圧が上昇する状態)や「仮面高血圧」(医療機関では正常だが、日常生活では高血圧である状態)、さらには「夜間高血圧」(睡眠中に血圧が下がらない状態)など、通常の診察では見逃されがちな病態を発見できます。また、家庭での血圧測定も高血圧管理の重要な柱と考え、正しい測定方法の指導を行っています。測定時の姿勢、時間帯、回数などの基本的な測定方法から、記録の付け方、測定値の解釈まで、丁寧に説明いたします。
患者一人ひとりの生活習慣に合わせた治療計画を提供
当院の高血圧診療では、患者一人ひとりの生活背景や習慣を詳しくお聞きした上で、最適な治療計画を立案しています。お仕事の内容、食生活、運動習慣、ストレス状況、睡眠の質など、高血圧に影響を与える様々な要因を総合的に評価し、実践可能な改善策を提案いたします。特に食事療法については、単に「減塩しましょう」と言うだけではなく、具体的な食品の選び方や調理法、外食時の注意点など、日常生活に即したアドバイスを行っています。また、必要に応じて管理栄養士と連携し、より専門的な栄養指導を受けることも可能です。さらに、薬物療法が必要な場合は、生活リズムに合わせた服薬スケジュールの設定や、副作用の少ない薬剤の選択など、患者の生活の質を最大限に考慮した処方を心がけています。定期的な診察で治療効果を評価し、必要に応じて治療計画を柔軟に見直すことで、長期的に継続可能な高血圧管理を目指しています。
高血圧に伴う合併症予防に特化した診療
高血圧を放置すると、脳卒中、心筋梗塞、腎臓病、網膜症など、様々な合併症のリスクが高まります。当院では、こうした合併症の予防を重視し、定期的な検査を通じて早期発見・早期対応を行っています。例えば、心電図検査、心エコー検査、頸動脈エコー検査、腎機能検査、眼底検査など、必要に応じた検査を実施し、血管や臓器の状態を総合的に評価します。また、高血圧は単独で発症するだけでなく、糖尿病、脂質異常症、肥満などの他の生活習慣病と合併することも多いため、「メタボリックシンドローム」の観点からも診療を行っています。さらに、高血圧と睡眠時無呼吸症候群の関連も重視し、睡眠の質が気になる患者には睡眠検査をご案内することもあります。このように、高血圧を単一の疾患としてではなく、全身の健康状態の一部として捉え、総合的なアプローチで患者の健康寿命の延伸を目指しています。
頭痛やめまいでお悩みの方、高血圧が気になる方はお気軽にご相談ください
当院では、頭痛やめまいの症状がある方、健康診断で高血圧を指摘された方、ご家族に高血圧の方がいるなど、血圧が気になる方のご相談を受け付けています。初診時には、詳しい問診と身体診察を行い、これまでの健康状態や生活習慣、家族歴などを丁寧にお聞きします。また、必要に応じて血液検査や心電図検査なども実施し、高血圧の程度や原因、合併症の有無などを総合的に評価しています。どうぞ、ご自身の健康のためにも、気になる症状がある方は早めにご相談ください。当院スタッフ一同、患者の健康維持・増進のために全力でサポートいたします。
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2025.06.10
コロナ検査とインフルエンザ検査方法の違いや受診タイミングを解説
内科に関する記事です。
この記事では「コロナ検査とインフルエンザ検査」について解説していきます。後半部分では「最適な検査タイミング」や「自己検査キットの活用法」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
コロナ検査、インフルエンザ検査の特徴とは
コロナ、インフルエンザ検査方法の違い
いつ受診すべき?最適な検査タイミング
自己検査キットの活用法
検査後の注意点と対応
まとめ
コロナ検査、インフルエンザ検査の特徴とは
新型コロナウイルスやインフルエンザの感染が疑われる際、適切な検査方法の選択が重要です。それぞれの検査には特徴があり、状況に応じて使い分ける必要があります。まずは、「各検査方法の特徴」について詳しく解説していきます。
コロナPCR検査の精度と特徴
PCR検査は新型コロナウイルスの遺伝子を直接検出する方法で、最も信頼性の高い検査方法として知られています。具体的には、検体からウイルスのRNA(遺伝物質)を抽出し、特殊な装置で増幅させて検出します。PCR検査の感度は90%以上と非常に高く、発症前でもウイルスを検出できる可能性があります。ただし、検査には専門の設備と技術者が必要で、結果が出るまでに数時間から1日程度かかることがあります。また、費用も他の検査方法と比べて高額です。検体採取のタイミングも重要で、感染から間もない時期や症状が出始めの頃が最も検出しやすいとされています。
コロナ抗原検査の精度と特徴
抗原検査はウイルスのタンパク質を検出する方法で、PCR検査と比べて迅速に結果を得られることが特徴です。通常15-30分程度で結果が判明し、専門の設備も必要としないため、医療機関での即時診断に適しています。抗原検査の感度はPCR検査より低く、特にウイルス量が少ない感染初期や無症状者では見逃しの可能性が高くなります。一方で、症状がある場合の陽性的中率は比較的高く、迅速な診断と治療開始の判断に有用です。また、PCR検査より安価で、気軽に受けられる利点があります。
インフルエンザ検査の精度と特徴
インフルエンザ検査では、主に免疫クロマトグラフィー法による迅速診断キットが使用されます。このキットは、鼻腔や咽頭から採取した検体中のインフルエンザウイルス抗原を検出するものです。検査結果は約10-15分で判明し、操作も比較的簡便です。ただし、検査の精度には留意が必要です。感度は発症から12-24時間後に最も高く、この時期で70-90%程度とされています。一方で、発症直後(特に6時間以内)や症状が軽い場合には、ウイルス量が少なく、偽陰性となる可能性があります。なお、迅速診断キットの特異度は95%以上と高く、陽性の場合にはインフルエンザである可能性が非常に高いと考えられます。このように、迅速診断キットは短時間で結果が得られ、有用ではあるものの、検査時期や臨床症状を踏まえた慎重な判断が求められます。詳しくは「インフルエンザの検査方法や費用、時間について」をご覧ください。
偽陰性・偽陽性のリスク
いずれの検査方法も完璧ではなく、偽陰性や偽陽性のリスクが存在します。偽陰性は検体採取のタイミングや方法、ウイルス量の不足などが原因となります。特に感染初期や症状が出る前の段階では、検出が難しい場合があります。一方、偽陽性は検査キットの品質や取り扱いの問題、他のウイルスとの交差反応などが原因となることがあります。このため、検査結果の解釈には症状や接触歴なども考慮した総合的な判断が必要です。
コロナ、インフルエンザ検査方法の違い
新型コロナウイルスとインフルエンザの検査は、一見似ているように見えますが、実際には検査方法や手順、費用など多くの違いがあります。ここでは、それぞれの「検査の特徴」と違いについて詳しく解説していきます。
それぞれの検査の特徴と手順
新型コロナウイルスの検査には主にPCR検査と抗原検査の2種類があります。PCR検査は、検体からウイルスの遺伝子を抽出し、特殊な装置で増幅して検出する方法です。より精密な結果が得られますが、専門の設備と技術者が必要です。一方、抗原検査はウイルスのタンパク質を検出する簡易な検査です。なお、インフルエンザ検査は主に迅速診断キットを使用し、免疫クロマトグラフィー法でウイルス抗原を検出します。検査手順は比較的シンプルで、医療機関での即時診断に適しています。これらの検査は、症状や状況に応じて使い分けられます。
検体採取方法の違い
検体採取方法には重要な違いがあります。新型コロナウイルスの検査では、鼻咽頭ぬぐい液が標準的な採取方法です。専用の綿棒を鼻腔から奥深く挿入し、粘膜を擦って採取します。最近では唾液による検査も可能になっており、特に無症状者のスクリーニングに使用されています。一方、インフルエンザ検査では、鼻腔あるいは咽頭から検体を採取します。コロナ検査ほど深く綿棒を挿入する必要はなく、患者の負担は比較的軽いです。どちらの検査も、正確な結果を得るためには適切な採取方法が重要です。
結果が出るまでの時間
検査結果が判明するまでの時間は、検査方法によって大きく異なります。新型コロナウイルス感染症のPCR検査は最も時間がかかり、通常、数時間から1日程度を要します。これは、検体の前処理や遺伝子増幅(PCR)の工程に時間を要するためです。一方、新型コロナウイルス抗原検査は比較的短時間で結果が得られ、約15-30分程度とされています。なお、インフルエンザの迅速診断検査は最も迅速であり、約10-15分で結果が判明します。ただし、いずれの検査も、医療機関や検査センターの混雑状況、検査体制によって所要時間が変動する場合があります。
検査費用と保険
検査費用は検査の種類によって異なります。新型コロナウイルス検査(PCR検査・抗原検査)は保険適用の場合、通常の診療費と同様の自己負担額(3割負担の場合で数百円~2,000円程度)となります。同様に、インフルエンザ検査も保険適用で実施され、検査費用の自己負担額は数百円~1,000円程度です。なお、最終的な自己負担額は、患者の保険負担割合(1割、2割、3割)や医療機関によって若干異なります。発熱外来やかかりつけ医では、症状に応じて両方の検査を同時に受けることができる場合もあり、その場合は合算した費用が適用されます。
いつ受診すべき?最適な検査タイミング
新型コロナウイルスやインフルエンザの検査には、それぞれ最適なタイミングがあります。ここでは、より正確な検査結果を得るための「受診タイミング」について、詳しく解説していきます。
コロナ検査を受けるベストタイミング
新型コロナウイルスの検査は、症状が出現してから24時間以降が最も適切なタイミングとされています。例えば、PCR検査は感染初期からウイルスを検出できる可能性が高いですが、症状出現後2-3日目が最も検出率が高くなります。一方、抗原検査は症状が出てから2-9日目が最適です。無症状でも濃厚接触者の場合は、最終接触から5日目以降の検査が推奨されます。ただし、重症化リスクの高い方や基礎疾患がある方は、症状出現後すぐに受診することをお勧めします(早期の治療開始が重要だからです)。
インフルエンザ検査の推奨タイミング
インフルエンザ検査は、発症から12-24時間以内に実施するのが最も精度が高いとされています。これは、ウイルス量がこの時期に最も多くなるためです。発症直後は偽陰性のリスクが高く、48時間以降は検出率が低下する傾向にあります。特に、発熱から6〜8時間以内に検査を行うと、偽陰性の可能性が非常に高いため推奨されません。ただし、抗インフルエンザ薬は発症から48時間以内に投与することが最も効果的とされていますので、症状が出た場合はできるだけ早めに受診することが望ましいです。詳しくは「インフルエンザ検査はいつから受けるべき?発症後の最適なタイミングを解説」をご覧ください。
症状別の受診判断基準
発熱、咳、のどの痛み、倦怠感などの症状が現れた場合、まずは体温の推移を観察することが重要です。具体的には、37.5度以上の発熱が続く場合や、強い倦怠感を感じる場合は、受診を検討してください。また、呼吸困難や意識障害、顔色が悪いといった症状が現れた場合は、直ちに受診する必要があります。さらに、味覚や嗅覚の異常は新型コロナウイルスに特徴的な症状とされているため、これらの症状がある場合は、コロナ検査を優先的に検討してください。なお、高齢者や基礎疾患がある方は、軽症であっても早めの受診をお勧めします。
同時検査が推奨されるケース
流行期には、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時検査が推奨されるケースが多くあります。特に、発熱、咳、倦怠感などの類似症状がある場合は、両方の検査を受けることで適切な治療方針を立てることができます。また、家族内に高齢者や基礎疾患がある方がいる場合や、職場や学校で集団感染を防ぐ必要がある場合も、同時検査が推奨されます。ただし、医療機関の状況や検査の必要性により、医師が検査の種類を判断することもあります。
検査の最適なタイミングは、検査方法や症状によって異なります。コロナ検査は症状出現から24時間以降、インフルエンザ検査は発症から12-24時間が最適です。ただし、重症化リスクがある方は早めの受診が推奨されます。また、症状の種類や重症度によって受診の緊急性も変わってきます。
自己検査キットの活用法
新型コロナウイルスやインフルエンザの流行に伴い、薬局やオンラインで購入できる自己検査キットへの関心が高まっています。これらの検査キットは適切に使用することで、感染症の早期発見に役立ちます。ここでは、「各種検査キットの特徴」や「正しい使用方法」について詳しく解説していきます。
コロナ検査キットの特徴と使い方
新型コロナウイルスの自己検査キットは、鼻腔からの検体採取が基本です。まず使用前に手指の消毒を行い、説明書に従って付属の綿棒を鼻腔に挿入します。その後、鼻腔の粘膜を数回擦り、専用の試薬に浸して結果を判定します。判定時間は15〜30分程度で、陽性の場合は医療機関への受診が推奨されます。ただし、無症状時に使用すると偽陰性のリスクが高くなるため、症状がある場合に使用することが望ましいとされています。
インフルエンザ検査キットの特徴と使い方
インフルエンザの自己検査キットも、免疫クロマト法を用いた抗原検査です。検体採取は鼻腔から行い、専用の綿棒で粘膜を優しく擦ります。その後、採取した検体を試薬と混合し、10-15分程度で結果が判定できます。なお、インフルエンザの自己検査キットでは、A型とB型のインフルエンザウイルスを同時に判定できるものが一般的です(発症から48時間以内に使用することが最も効果的で、早期の治療開始につながります)。
同時検査キットの種類と特徴
最近では、新型コロナウイルスとインフルエンザを同時に検査できるキットも販売されています。一回の検体採取で両方のウイルスを検出できる利点がありますが、それぞれの単独検査キットと比べてやや高価です。さらに、同時検査キットは一つの検体で二つのウイルスを検出するため、より慎重な検体採取が求められます。なお、同時検査キットの判定時間は通常20〜30分程度で、検査結果はそれぞれのウイルスに対する判定ラインを確認することで得られます。また、流行期には特に有用ですが、症状や使用時期によって精度が変動することに注意が必要です。
自己検査の注意点と限界
自己検査キットには重要な注意点と限界があります。まず、検査結果の信頼性は医療機関での検査より低くなる傾向があります。これは主に検体採取の技術や検査環境の違いによるものです。また、偽陰性や偽陽性の可能性もあるため、結果の解釈には慎重さが必要です。特に重症化リスクの高い方や基礎疾患がある方は、自己検査の結果に関わらず医療機関を受診することが推奨されます。なお、検査キットの保管方法や使用期限にも注意が必要で、高温多湿を避け、冷暗所での保管が基本となります。
自己検査キットは、感染症の早期発見と適切な行動判断に役立つツールです。コロナ検査キットとインフルエンザ検査キット、そして同時検査キットには、それぞれ特徴と適切な使用方法があります。ただし、自己検査には限界があることを理解し、結果の解釈には慎重になる必要があります。症状が重い場合や重症化リスクがある場合は、自己検査に頼らず医療機関を受診することが望ましいです。
検査後の注意点と対応
コロナ検査、インフルエンザ検査を受けた後、結果に応じて適切な対応を取ることが重要です。陽性・陰性それぞれの場合で必要な対策や注意点が異なり、また新型コロナウイルスとインフルエンザでも対応方法に違いがあります。ここでは、検査後に取るべき「具体的な行動」と「注意点」について詳しく解説していきます。
陽性だった場合の対応
<コロナ>
新型コロナウイルス陽性の場合、まず保健所への報告が必要です。医療機関で検査を受けた場合は医療機関から報告されますが、自己検査で陽性となった場合は、医療機関の受診が推奨されます。また、療養期間は原則7日間で、症状軽快後24時間経過していることが求められます。さらに、重症化リスクがある方は積極的な治療介入が検討されます。抗ウイルス薬の処方が可能な場合もあり、早期の治療開始が重要です。なお、自宅療養中は、体温、酸素飽和度(可能な場合)、症状の変化を定期的に記録してください。そして呼吸困難や強い倦怠感がある場合は、すぐに医療機関に相談する必要があります。
<インフルエンザ>
インフルエンザ陽性の場合、通常は抗インフルエンザ薬が処方されます。療養期間の目安は、発熱から5日間経過し、かつ解熱後2日間(乳幼児の場合は3日間)経過するまでです。処方された薬は指示通りに服用し、特に解熱後も継続することが重要です。また、高齢者や基礎疾患がある方は、合併症の発症に注意が必要です。なお、症状が悪化する場合や、一度改善した後に再び発熱する場合は、速やかに医療機関を受診してください。
陰性でも症状が続く場合
<コロナ>
コロナ検査が陰性でも、典型的な症状がある場合は再検査を検討する必要があります。特に抗原検査で陰性だった場合、偽陰性の可能性を考慮する必要があります。例えば、PCR検査での再確認や、数日後の再検査が推奨されることもあります。また、症状が続く場合は、他の感染症やウイルス性疾患の可能性も考慮すべきです。なお、発熱や強い倦怠感が続く場合、呼吸器症状が悪化する場合は、医療機関での精密検査が必要です。基礎疾患がある方は、特に慎重な経過観察が求められます。
<インフルエンザ>
インフルエンザ検査が陰性でも、典型的な症状がある場合は臨床診断でインフルエンザと判断されることがあります。特に流行期には、検査陰性でも治療が開始されることがあります。また、発症初期の検査では偽陰性となる可能性も高いため、症状や経過によっては再検査が推奨されます。さらに、他のウイルス性感染症の可能性もあるため、症状が改善しない場合は、他の検査や精密検査が必要となることがあります。
自宅療養時の注意点
<コロナ>
新型コロナウイルス感染症の自宅療養では、完全な個室隔離が理想的です。具体的には、共有スペースの使用は最小限とし、必ずマスクを着用してください。また、部屋の換気を頻繁に行い、使用した物品の消毒も重要です。さらに、食事は一人で取り、食器は別にします。体調管理として、1日2回の体温測定と症状の記録が推奨されます。なお、症状が悪化した場合の連絡先(医療機関や保健所の電話番号)をすぐに分かる場所に置いておくことも大切です。
<インフルエンザ>
インフルエンザの自宅療養では、十分な休息と水分補給が基本となります。処方された薬は指示通りに服用し、解熱後も服用を継続します。また、発熱時は氷枕や冷却シートの使用も効果的です。室内の適度な湿度管理(50-60%)も重要で、乾燥を防ぐことで喉の痛みや咳の緩和につながります。安静を保ちながらも長時間の同じ姿勢は避け、可能な範囲で軽い体位変換を行ってください。さらに、食事は消化の良い食材を中心に、無理のない量を摂取してください。
周囲への感染予防対策
<コロナ>
新型コロナウイルスの感染予防では、同居家族との接触を最小限に抑えることが重要です。可能な限り別室で過ごし、共用部分を使用した後は必ず消毒を行いましょう。また、マスクは常に着用し、使用後は密閉して廃棄してください。さらに、タオルやリネン類は他のものと分けて、定期的に洗濯してください。なお、ドアノブやスイッチなどの共用部分は、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムで消毒することをお勧めします。加えて、同居家族も自身の健康観察を行い、症状が出現した場合は速やかに検査を受けることが推奨されます。
<インフルエンザ>
インフルエンザウイルスの感染予防も、基本的な対策は新型コロナウイルスと同様です。マスクの着用、手洗い、消毒を徹底し、特に乳幼児や高齢者との接触は避け、必要な場合は短時間にとどめます。また、使用したティッシュは密閉して廃棄し、周囲の環境を清潔に保ってください。なお、家族内での二次感染予防のため、予防的な抗インフルエンザ薬の投与が検討されることもあります。
まとめ
新型コロナウイルスやインフルエンザの感染が疑われる際、適切な検査方法の選択が重要です。それぞれの検査には特徴があるため、状況に応じて使い分ける必要があります。新型コロナウイルス感染症の検査方法としては、高精度だが時間を要するPCR検査と、迅速な結果が得られる抗原検査があります。一方、インフルエンザ検査は免疫クロマトグラフィー法による迅速診断が一般的で、発症から12-24時間が最適なタイミングとされています。受診のタイミングは、症状の重症度や基礎疾患の有無によって判断が必要です。特に発熱や呼吸器症状がある場合は、早めの受診が推奨されます。また、自己検査キットの活用も選択肢の一つですが、その結果解釈には限界があることを理解し、必要に応じて医療機関を受診することが重要です。さらに検査後は、結果に応じた適切な対応が求められます。陽性の場合は確実な隔離と治療、陰性でも症状が続く場合は慎重な経過観察が必要です。いずれの場合も、適切な感染予防対策を講じ、周囲への感染拡大を防ぐことが重要です。症状の変化に注意を払い、悪化時は速やかに医療機関に相談することで、重症化を防ぎ、適切な治療につなげることができます。なお、当院では、「コロナ検査」と「インフルエンザ検査」を実施しております。検査をご希望の方、症状についてご相談がある方は、お気軽にご連絡ください。
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2025.02.26
インフルエンザ検査はいつから受けるべき?発症後の最適なタイミングを解説
内科に関する記事です。
この記事では、「インフルエンザ検査」について解説していきます。後半部分では、「インフルエンザ治療」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インフルエンザ検査の基本知識
インフルエンザ検査を受けるベストタイミング
症状別の受診タイミング
発症時期による検査結果の違いについて
インフルエンザ治療について
インフルエンザ治療のタイミングの重要性
まとめ:確実な診断のために
インフルエンザ検査の基本知識
インフルエンザの検査には、次の5種類があります。
迅速診断キットを使用した検査
迅速診断キットによる検査は、綿棒でのどや鼻の奥の粘膜をこすり、そこについた組織や分泌物からウイルスを検出する検査です。迅速診断キットによる検査は、短時間(10分-15分)で簡便に診断できるだけでなく、A型とB型の鑑別も可能です。したがって現在、最も主流となっている検査になります。
PCR検査
PCR検査は、のどや鼻の奥を拭い採取した液を検体とし、インフルエンザウイルスの遺伝子を検出する検査です。PCR検査では、ウイルスの型や構造を詳細に調べることができます。そのため、「新型ウイルスであるかどうか」を判定することが可能です。
ウイルス分離検査
ウイルス分離検査は、のどや鼻の奥を拭って採取した液からウイルスを分離して判定する検査です。ウイルス分離検査は、結果が出るまでに「1週間程度」かかりますが、ウイルスの種類などまで詳しく分かります。したがって、非常に優れた検査と言われております。ただし、結果判明までに時間がかかるため、通常の臨床現場では診断目的としては実施されておらず、主に研究や公衆衛生調査などで利用されています。
血清抗体検査
血清抗体検査は、インフルエンザの発症後1週間以内と、症状が治まった頃にもう1回の計2回、採血を行って「インフルエンザウイルスに対する抗体ができているか」を調べます。ただし、結果が得られるまでに通常2週間程度かかるため、現在では、あまり行われていません。この検査も通常の臨床診療では実施されず、主に疫学調査や研究目的で用いられることがほとんどです。
AIによる咽頭画像解析検査
最新の検査方法として、AIによる咽頭画像解析があります。「nodoca」は咽頭画像と体温、自覚症状等をAIが解析し、インフルエンザに特徴的な所見を検出する検査機器です。厚生労働省が定める「新医療機器」として日本初のAI搭載医療機器の承認を取得しました。検査は数秒〜十数秒で結果が判明し、痛みの評価も平均0.8と低いため、患者への負担が大幅に軽減されます。なお、治験参加者の90.6%が「今後はnodocaの検査を受けたい」と回答しており、待ち時間の削減と痛みの少なさから、今後の臨床現場での普及が期待されています。
インフルエンザ検査で何がわかるのか
インフルエンザ検査では、主にA型とB型を判別できます。これにより、適切な治療方針を立てることが可能です。例えば、検査結果が陽性の場合、抗インフルエンザ薬の処方が検討されます。ただし、検査結果が陰性でも症状や臨床経過からインフルエンザが強く疑われる場合には、医師の判断で治療を開始することがあります。また、検査によって感染の有無を確認することで、学校や職場での感染拡大防止にも役立ちます。さらに、近年では新型コロナウイルスとの同時検査が可能なキットも開発され、より効率的な診断が可能になっています。
インフルエンザ検査は、感染症の早期発見と適切な治療開始のために重要な役割を果たします。ただし、検査のタイミングや結果の解釈には注意が必要です。症状がある場合は、できるだけ早く医療機関を受診し、医師の判断のもと適切な検査を受けることをお勧めします。
インフルエンザ検査を受けるベストタイミング
ここでは、「インフルエンザ検査を受けるベストタイミング」について詳しく解説します。
発症から12-24時間後が最適な理由
インフルエンザ検査において、発症から12-24時間後という時間帯が最も信頼性の高い結果を得られます。これは、インフルエンザウイルスが体内で増殖するサイクルと深く関係しています。感染初期では、ウイルスは上気道の細胞に侵入し、徐々に増殖を始めます。そして、症状が現れ始めてから12-24時間後は、ウイルスの増殖が最も活発な時期と重なり、鼻腔や喉の粘膜上に十分な量のウイルスが存在します。この時期に検査を行うことで、偽陰性のリスクを最小限に抑えることができます。また、この時期は解熱剤の使用などによる影響も比較的少なく、より正確な診断が可能です。
ウイルス量と検査精度の関係
インフルエンザ検査の精度は、検体中のウイルス量に大きく左右されます。現在、広く使用されている迅速診断キットは、一定量以上のウイルスが存在しないと陽性反応を示しません。また、発症直後は体内のウイルス量がまだ少なく、検査で検出できない可能性があります。一方で、発症から12-24時間が経過すると、上気道でのウイルス増殖が急速に進み、検出に十分な量に達します。そのため、この時期の検査では、感度が80-90%まで上昇するとされています。ただし、個人差があることも忘れてはいけません。
48時間以内が重要な理由
抗インフルエンザ薬による治療は、発症から48時間以内に開始することで最も高い効果が期待できます。そのため、この時間枠内での適切な検査と診断が極めて重要になります。48時間を過ぎると、抗ウイルス薬の効果が大幅に低下し、症状の改善や合併症の予防が難しくなります。また、この期間内に適切な治療を開始することで、周囲への感染拡大を防ぐことにもつながります。特に、高齢者や基礎疾患がある方は、できるだけ早期の受診が推奨されます。
インフルエンザ検査は、発症から12-24時間後に受けることで最も信頼性の高い結果が得られます。この時期は体内のウイルス量が検出に適した量に達しており、検査の精度が最も高くなります。また、48時間以内の治療開始が重要なため、症状が出たらできるだけ早く医療機関を受診することをお勧めします。なお、インフルエンザ検査の費用については「インフルエンザの検査方法や費用、時間について」をご覧ください。
症状別の受診タイミング
インフルエンザは症状の種類や程度によって、適切な「受診のタイミング」も変わってきます。ここでは、それぞれの症状に応じた「受診の目安」について詳しく解説していきます。
高熱が出た場合の対応
インフルエンザの特徴的な症状である高熱は、多くの場合38度以上の急激な上昇を示します。この高熱が出現した場合、まず自宅で体温の推移を観察することが重要です。なお、発熱から6時間程度は経過を見ても問題ありませんが、解熱剤を使用しても熱が下がりにくい、あるいは40度以上の極度の高熱が続く場合は、速やかな受診が必要です。特に妊婦や高齢者、持病のある方は熱が出始めてから12時間以内の受診をお勧めします。また、発熱に伴う水分摂取量の低下や、食事が取れない状態が続く場合も、早めの受診が望ましいです。
その他の症状がある場合の判断基準
発熱以外にも、喉の痛み、関節痛、筋肉痛、頭痛、全身倦怠感など、様々な症状が現れます。これらの症状のうち、特に喉の痛みが強く水分摂取が困難な場合は、脱水のリスクが高まるため早めの受診が必要です。また、関節痛や筋肉痛が激しく日常生活に支障をきたす場合も、医師による適切な治療が必要になります。なお、咳や鼻水などの呼吸器症状については、呼吸が苦しい、胸が痛いといった症状がなければ、まず24時間程度は経過観察を行っても問題ありません。
すぐに受診すべき警告サイン
一刻も早い受診が必要な警告サインがいくつかあります。例えば、呼吸困難や強い胸の痛み、意識障害、けいれん、顔色が著しく悪い、唇が紫色になるなどの症状が見られた場合は、緊急性が高いため、すぐに医療機関を受診する必要があります。また、小児の場合は、機嫌が著しく悪い、顔色が悪い、ぐったりしている、水分を全く受け付けないなどの症状が見られたら、速やかな受診が必要です。これらの症状は、重症化や合併症の可能性を示唆する重要なサインとなります。
インフルエンザの受診タイミングは、症状の種類や程度によって判断する必要があります。高熱の場合は6-12時間の経過観察後、その他の一般的な症状であれば24時間程度の経過観察が目安となります。ただし、警告サインが見られた場合は即座に受診が必要です。また、年齢や基礎疾患の有無によっても受診のタイミングは変わってきますので、不安がある場合は、かかりつけ医に相談することをお勧めします。早期発見・早期治療が、重症化予防の鍵となります。
発症時期による検査結果の違いについて
インフルエンザ検査の精度は、症状が現れてからの時間によって大きく変化します。ここでは、「検査のタイミング」によって結果が異なる理由と、より正確な診断につなげるためのポイントについて解説します。
発症時期による検査結果の違い
インフルエンザ検査の結果は、発症からの経過時間によって大きく異なります。例えば、発症直後(0〜6時間)は体内のウイルス量がまだ少なく、検査の感度は30〜40%程度にとどまります。その後、12〜24時間経過するとウイルスの増殖に伴い、検査感度は80〜90%まで上昇します。これは、ウイルスが上気道で急速に増殖し、検査に必要な量に達するためです。しかし、48時間を超えると免疫反応によってウイルス量が減少し始め、検査感度は徐々に低下していきます。そのため、症状の経過時間を医師に正確に伝えることが、検査結果の解釈において非常に重要になります。
偽陰性が出るケース
偽陰性とは、実際にはインフルエンザに感染しているにもかかわらず、検査結果が陰性となることを指します。この現象が起こる主な原因として、発症直後の検査実施、検体採取の不適切さ、解熱剤の使用などが挙げられます。特に、検体採取時の綿棒の挿入が浅すぎたり、鼻腔内の擦過が不十分だったりすると、十分な量のウイルスを採取できず、偽陰性となる可能性が高まります。また、検査前の飲食や、うがいの実施も検査結果に影響を与える要因となります。そのため、検査前の注意事項を守り、適切なタイミングで検査を受けることが重要です。
再検査が必要な場合の判断
インフルエンザ検査は原則として1回の実施でインフルエンザの感染有無を判断します。初回の検査で陰性であっても、多くの場合は他のウイルス感染症や細菌感染症の可能性を考慮して治療方針を決定します。なお、再検査が考慮されるのは、発症から6時間以内の非常に早期に検査を受けた場合や、家族内に確定症例があり、典型的なインフルエンザ症状(38度以上の高熱、全身倦怠感、関節痛など)が明らかに進行している場合など、限定的な状況に限ります。再検査の必要性については医師が症状の経過や重症度、基礎疾患の有無などを総合的に判断しますので、自己判断での再検査は避け、医師の指示に従うことが重要です。
インフルエンザ検査の結果は、発症時期によって大きく変動します。偽陰性を避けるためには、適切な検体採取と検査前の注意事項の遵守が重要です。また、初回検査が陰性でも症状が典型的な場合は再検査を検討する必要があります。なお、検査結果の解釈には、症状の経過時間や患者の状態を総合的に考慮することが不可欠です。確実な診断のために、医師とよく相談しながら、適切なタイミングでの検査実施を心がけてください。
インフルエンザ治療について
インフルエンザの治療では、抗インフルエンザ薬を用いた「薬物療法」のほか、症状を緩和するための「対症療法」が行われます。
抗インフルエンザ薬を用いた薬物療法
抗インフルエンザ薬は、インフルエンザウイルスの増殖を抑制し、症状の軽減や回復を促進します。ただし、抗インフルエンザ薬は、症状が出てから2日以内に投与を開始する必要があるため、診断が遅れると効果が薄れることがあります。なお、残念ながらインフルエンザの治療薬として使用される「抗インフルエンザ薬」は、市販薬では販売されていません。そして、市販の風邪薬はインフルエンザを完治させるほどの効果は期待できません。したがって、インフルエンザが疑われる場合は医療機関を受診してください。
対症療法
対症療法とは、直接の原因を治すのではなく、今みられる症状に対して一時的に症状を和らげる治療法です。例えば、高熱の場合は解熱鎮痛薬を使用し、黄色い痰など細菌の二次感染が疑われる場合には、抗生物質を使用します(抗生物質はウイルス感染に対して効果がないことに留意する必要があります)。なお、水分補給や栄養摂取が困難な場合には、点滴による補液が必要となる場合があります。
インフルエンザ治療のタイミングの重要性
インフルエンザの治療において、タイミングは非常に重要な要素です。ここでは、「効果的な治療を行うためのポイント」と「早期治療がもたらすメリット」について解説します。
抗インフルエンザ薬の効果的な投与時期
抗インフルエンザ薬は、発症初期に投与を開始することで最も高い効果を発揮します。これは、インフルエンザウイルスの増殖サイクルと密接に関係しています。感染初期では、ウイルスが上気道で急速に増殖を始めますが、この段階で抗ウイルス薬を投与することで、ウイルスの増殖を効果的に抑制できます。特に、発症から24時間以内に投与を開始した場合、症状の軽減効果が最も高く、発熱期間を1〜2日程度短縮できることが分かっています。また、早期投与は重症化予防にも有効で、入院リスクの低下にもつながります。
48時間ルールについて
インフルエンザ治療における「48時間ルール」は、治療効果を最大限に引き出すための重要な目安です。発症から48時間以内に治療を開始することで、抗インフルエンザ薬の効果が最も期待できます。これは、ウイルスの増殖が最も活発な時期に治療介入することで、ウイルス増殖を効果的に抑えられるためです。48時間を超えると、体内のウイルス量は自然免疫により減少し始めるため、抗ウイルス薬の効果は限定的になります。ただし、重症例や免疫機能が低下している患者では、48時間を過ぎても投与が検討される場合があります。
早期診断・治療のメリット
早期の診断・治療には、複数の重要なメリットがあります。まず、症状の早期改善が期待でき、発熱期間や全身症状の持続時間を短縮できます。また、重症化リスクを大幅に減少させることができ、特に高齢者や基礎疾患のある患者にとって、この効果は非常に重要です。さらに、他者への感染リスクを低下させる効果もあります。抗ウイルス薬の早期投与により、ウイルス排出量が減少するため、家族や周囲の人々への感染予防にもつながります。また、早期治療により、仕事や学校を休む期間を最小限に抑えることも可能です。
インフルエンザの早期治療には、症状の早期改善、重症化予防、感染拡大防止など、多くのメリットがあります。症状が出現したら、できるだけ早期に医療機関を受診し、適切な治療を開始することが重要です。特に、高齢者や基礎疾患のある方は、症状の出現後速やかな受診をお勧めします。
まとめ:確実な診断のために
インフルエンザ検査のタイミングは極めて重要な要素です。最も信頼性の高い検査結果を得るためには、発症から12〜24時間後に受診することが推奨されます。この時期は、体内のウイルス量が検査に適したレベルに達しており、検査の精度が最も高くなるためです。ただし、発症から48時間以内に治療を開始することが望ましいため、休日や夜間であっても症状が重い場合は、速やかに受診することをお勧めします。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方は、早めの受診が重要です。また、最初の検査で陰性だった場合でも、典型的なインフルエンザ症状がある場合は、担当医と相談のうえ、再検査を検討する必要があります。特に、発症から6時間以内の早期検査では偽陰性の可能性が高くなるため、注意が必要です。確実な診断のためには、検査前の注意事項を守り、症状の発現時期や経過を医師に正確に伝えることが大切です。検査結果が陽性であった場合は、早期に適切な治療を開始することで、症状の早期改善や重症化の予防が期待できます。なお、当院では、インフルエンザ検査を実施しております。インフルエンザ検査を希望される方は、お気軽にご連絡ください。また、インフルエンザの症状についてご相談したい方、あるいは自分がインフルエンザなのか気になる方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
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2025.02.26
子供のインフルエンザ症状と治療法:潜伏期間や初期症状、薬やワクチンについて
内科に関する記事です。
この記事では「子供のインフルエンザ」について解説していきます。後半部分では「インフルエンザの治療法」や「インフルエンザワクチン予防接種」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インフルエンザとは?
子供のインフルエンザ潜伏期間について
子供のインフルエンザ初期症状
子供のインフルエンザの治療法
子供のインフルエンザの治療薬について
子供のインフルエンザワクチン予防接種について
インフルエンザ薬の副作用について
子供のインフルエンザについてはいつでも当院にご相談ください
インフルエンザとは?
インフルエンザは、鼻や口から侵入した「インフルエンザウイルス」が肺や気道で感染・増殖することで引き起こされる疾患です。インフルエンザウイルスは、その型によって流行時期や症状が異なりますので、インフルエンザの検査をする際には、ウイルスの型も特定します。現在、インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型、D型の4種類があります。この中でヒトに感染するインフルエンザウイルスは、A型、B型、C型の3種類です。D型に関しては、ヒトに感染することはなく、家畜にのみ感染します。インフルエンザウイルスの種類について詳しく知りたい方は「国立感染症研究所のホームページ」をご覧ください。
子供のインフルエンザ潜伏期間について
インフルエンザウイルスの潜伏期間は一般的に1~3日とされています。ただし、潜伏期間は年齢や体質、体調によって個人差があり、この期間が長くなることもあります。例えば、子供や高齢者は通常、免疫系が未発達または衰えているため、潜伏期間が長くなることがあります。また、基礎疾患を抱えている方も同様です。インフルエンザウイルスの潜伏期間は個人差が大きいため「インフルエンザ陽性者」との接触があった場合は十分に注意してください。「日本WHO協会のホームページ」や「千葉市感染症情報センター」でも同様のことを伝えています。
子供のインフルエンザ初期症状
子供のインフルエンザでよく見られる初期症状としては、頭痛、関節痛、咳、鼻水、および38℃以上の急な発熱が挙げられます。子供が発熱した場合は氷枕を使用して、首筋や脇の下、太股のつけ根など、太い血管のある部位を冷やしてください。そして、冬は暖房を強くしすぎず、夏はクーラーの風が直接当たらないように注意してください。また、インフルエンザにかかった子供が発熱すると、一時的に「理解できない言動」や「異常な行動」をすることがあります。これを「熱せん妄」と呼びます。熱せん妄は、ほとんどの場合は短時間で収まりますが、場合によっては長時間続いたり、痙攣を引き起こしたりする可能性があるため、早めに医療機関を受診してください。なお、インフルエンザは通常の風邪と比較して、高熱と全身症状が特徴です。インフルエンザにかかると、突然高熱が出てぐったりします。そして発熱後2~3日中には、熱が38~39℃以上になり、5日以内には下がります。ただし、熱が下がったように見えても、また高熱が出ることもあるので注意してください。インフルエンザの症状について詳しく知りたい方は「インフルエンザの症状について知ろう」をご覧ください。
子供のインフルエンザの治療法
インフルエンザの治療では、抗インフルエンザ薬を用いた「薬物療法」のほか、症状を緩和するための「対症療法」が行われます。
<抗インフルエンザ薬を用いた薬物療法>
抗インフルエンザ薬は、インフルエンザウイルスの増殖を抑制し、症状の軽減や回復を促進します。ただし、抗インフルエンザ薬は、症状が出てから2日以内に投与を開始する必要があるため、診断が遅れると効果が薄れることがあります。なお、残念ながらインフルエンザの治療薬として使用される「抗インフルエンザ薬」は、市販薬では販売されていません。そして、市販の風邪薬はインフルエンザを完治させるほどの効果は期待できません。したがって、インフルエンザが疑われる場合は医療機関を受診してください。
<対症療法>
対症療法とは、直接の原因を治すのではなく、今みられる症状に対して一時的に症状を和らげる治療法です。例えば、高熱の場合は解熱鎮痛薬を使用し、黄色い痰など細菌の二次感染が疑われる場合には、抗生物質を使用します(抗生物質はウイルス感染に対して効果がないことに留意する必要があります)。なお、水分補給や栄養摂取が困難な場合には、点滴による補液が必要となる場合があります。
インフルエンザの治療は、ウイルスの型だけでなく、年齢、全身状態などの症状や状況に応じて、医師の判断のもと選択していきます。
子供のインフルエンザの治療薬について
インフルエンザの治療薬は、大きく分けて飲み薬・吸入薬・点滴の3種類があります。飲み薬は、タミフル・ゾフルーザ・シンメトレル、吸入薬はリレンザ・イナビル、点滴はラピアクタという薬です。これらの薬は、体内でインフルエンザウイルスが増殖するのを抑える作用があります。
【インフルエンザの治療薬1】タミフル®︎
タミフルは、A型・B型両方のインフルエンザに有効と言われている抗インフルエンザ薬です。インフルエンザウイルスが増えるときに必要な酵素・ノイラミニダーゼの働きを妨げて、症状を緩和したり、予防したりします。ただし、インフルエンザウイルスが増えてしまってからタミフルを服用しても効果はないため、発熱などの症状が出てから48時間以内に服用を開始する必要があります。なお、タミフルは基本的に、成人は錠剤1錠を1日2回、計5日間服用します。
【インフルエンザの治療薬2】ゾフルーザ®︎
ゾフルーザは2018年2月に登場した「抗インフルエンザ薬」の新薬です。1回服用するだけでよいというのが最大の特徴になります。これまで、抗インフルエンザ薬は「ノイラミニダーゼ阻害薬」のみでしたが、ゾフルーザは「エンドヌクレアーゼ」と呼ばれる別の作用機序で効果を発揮します。インフルエンザウイルスを消失させる速度が速いと言われており、周囲の人への感染を減らせるのではないかとの期待がされています。ただし、薬剤相互作用や副作用については未知であり、その安全性は確定されていません。そのため、日本小児科学会は12歳未満の服用については推奨しないとしています。
【インフルエンザの治療薬3】リレンザ®︎
リレンザはA型・B型両方のインフルエンザに有効と言われている吸入薬です。リレンザは、インフルエンザウイルスの表面に存在する酵素を阻害するだけでなく、ウイルスが感染細胞から遊離するのも阻害し、インフルエンザウイルスの感染拡大を阻止します。なお、リレンザは、粉薬を直接気道に届けることで、ウイルスの増殖を抑えることが期待できる吸入薬です。したがって、気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患など呼吸器に病気のある方は、気道に対する刺激になって「喘息発作」を誘発する可能性があるため注意が必要になります。
【インフルエンザの治療薬4】イナビル®︎
イナビルは、A型・B型両方のインフルエンザに有効と言われている吸入薬です。イナビルは、インフルエンザウイルスの増殖を防ぐ働きがあり、症状の緩和や感染予防に役立ちます。イナビルはリレンザと同様、気道に粉薬を入れるため慎重に使用する必要があります。気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患などがある方は、必ず医師に相談してから使用してください。なお、イナビルは長時間作用型のため、処方された分を1回吸入するだけでよいというのが最大の特徴になります。
【インフルエンザの治療薬5】ラピアクタ®︎
ラピアクタは、A型・B型両方のインフルエンザに有効と言われている点滴薬です。ラピアクタは、インフルエンザウイルスの「ノイラミニダーゼ」というウイルス増殖に関与する酵素を阻害し、ウイルス増殖を抑える効果があります。したがって、インフルエンザウイルスが増殖してしまった後では薬の効果は発揮できず、発症後48時間以内に使用する必要があります。
【インフルエンザの治療薬6】シンメトレル®︎
シンメトレルはA型インフルエンザに対して効果のある飲み薬です。シンメトレルは、ノイラミニダーゼ阻害薬ではなく、A型インフルエンザウイルスに存在する「蛋白構造」に作用し、脱殻というウイルスの増殖工程を阻害することでウイルスの増殖を防ぎます。なお、シンメトレルは、感染初期に使用することで発熱の期間が1~2日短くなり、治りが早くなる効果が期待できます。
子供のインフルエンザワクチン予防接種について
インフルエンザ予防接種は、インフルエンザの重症化を防ぐ上で極めて有効な方法です。したがって、インフルエンザの発症を予防するためにもインフルエンザの予防接種を推奨します。インフルエンザは悪化すると、気管支炎や肺炎、脳症などの重篤な合併症を引き起こす恐れがありますので、基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザの予防接種を強く推奨いたします。「千葉市のホームページ」でも同様のことを伝えております。なお、インフルエンザ予防接種を受けると、副反応が起こる可能性があります。これには、局所的な反応と全身的な症状が含まれます。局所的な反応と全身的な症状は、以下の通りです。
<局所的な反応>
・皮膚の発赤、紅斑、腫れ
・蕁麻疹や強いかゆみ
・掻痒感や疼痛
局所的な症状は、予防接種後に10~20%の人々で発生することがあります。通常、数日間続きますが、自然治癒します。
<全身的な症状>
・発熱
・頭痛
・倦怠感
全身的な症状は、予防接種後に5~10%の人々で発生することがあります。通常、2~3日間続きます。ただし、稀に重篤な合併症であるアナフィラキシーが起こることがあります。アナフィラキシーは強いアレルギー反応であり、血圧低下などの症状が現れます。特に、予防接種直後や15分以内に現れることがあります。したがって、予防接種後は30分間、安静にして医療機関で経過を観察することが重要です。
インフルエンザ薬の副作用について
抗インフルエンザ薬を適切な時期(発症から48時間以内)に使用すると、発熱期間は通常1~2日間短縮され、ウイルス排出量も減少します。しかし、抗インフルエンザ薬には、吐き気、下痢、口内炎、めまい、頭痛、不眠など、さまざまな副作用が報告されています。したがって、抗インフルエンザ薬を使用する際は、副作用の可能性も考慮する必要があります。
子供のインフルエンザについてはいつでも当院にご相談ください
インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし、「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、重症化のリスクを軽減するためにも、インフルエンザ予防接種を推奨いたします。特に、基礎疾患をお持ちの方には、強くインフルエンザ予防接種をお勧めします。なお、当院ではインフルエンザ予防接種を実施しております。インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご相談ください。また、インフルエンザの初期症状の疑いがある方、あるいは体調不良が続いている方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2025.02.04
インフルエンザの後遺症について
内科に関する記事です。
この記事では「インフルエンザの後遺症」について解説していきます。後半部分では「インフルエンザ後遺症の一般的な症状」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インフルエンザに後遺症はあるのか
後遺症と合併症の違い
インフルエンザ後遺症の一般的な症状
インフルエンザ潜伏期間の一般的な長さ
インフルエンザ後遺症の影響
コロナウイルスの後遺症の違い
インフルエンザの後遺症については板谷内科クリニックに相談ください
インフルエンザに後遺症はあるのか
結論を申し上げますと、インフルエンザは後遺症を引き起こす可能性があります。インフルエンザは、鼻や口から侵入した「インフルエンザウイルス」が肺や気道で感染・増殖することで引き起こされる疾患です。通常、インフルエンザウイルスに感染してから1~3日間程度の潜伏期間の後に、38℃以上の高熱、関節痛、頭痛、全身倦怠感などが突然あらわれます。そして、その後に鼻水・咳などの症状が出現し、約1週間程度で軽快するのが典型的なインフルエンザの症状です。ただし、一部の患者さんでは、インフルエンザ後にさまざまな後遺症が発生することがあります。最も一般的な後遺症の一つは、肺炎や中耳炎などの二次感染症の発症です。また、心臓や脳に影響を及ぼすこともあるため、「ウイルス性肺炎」や「インフルエンザ脳炎」などの合併症が起こることがあります。さらに、インフルエンザがトリガーとなって免疫系が過剰に反応し、肺炎球菌や赤痢菌などの他の病原体による感染症が引き起こされることもあります。したがって、インフルエンザ感染後に体調に異常を感じたら、速やかに医療機関を受診することが重要です。
後遺症と合併症の違い
合併症は、病気や手術、検査の過程で関連して発生する症状や疾患を指します。例えば、インフルエンザの合併症は、インフルエンザに罹患したことが原因で、別の疾患や症状が発生することを意味します。一方、後遺症は、ケガや病気の急性期が終わった後に残る、あるいは長期間継続する症状を指します。合併症が発生すると、通常、治療期間が延長されるため、後遺症の発生リスクは高くなります。
インフルエンザ後遺症の一般的な症状
インフルエンザ後遺症の一般的な症状は、以下の通りです。
・喉が痛くて声が出ない
・熱や寒気、倦怠感が続き睡眠障害がある
・味覚障害や嗅覚異常、鼻水などの副鼻腔炎の症状がある
・咳や痰が長引き息苦しい
インフルエンザは、免疫力の弱い子供だけでなく、大人でも重篤な合併症を引き起こす可能性があります。高齢者や心疾患、呼吸器疾患を持つ方は、上記の症状に加えて「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」などの合併症を併発する可能性が高まります。重篤な合併症になった場合、後遺症が出現するだけでなく、死亡する可能性もありますので、ご注意ください。
インフルエンザ潜伏期間の一般的な長さ
インフルエンザウイルスの潜伏期間は、一般的に1~3日が平均とされています。ただし、潜伏期間は年齢や体質、体調によって個人差があり、この期間が長くなることもあります。例えば、子供や高齢者は通常、免疫系が未発達または衰えているため、潜伏期間が長くなることがあります。また、基礎疾患を抱えている方も同様です。インフルエンザウイルスの潜伏期間は個人差が大きいため「インフルエンザ陽性者」との接触があった場合は十分に注意してください。
インフルエンザ後遺症の影響
インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし一部の患者さんでは「咳や痰が長引いて息苦しい…」「喉が痛くて声が出ない…」などインフルエンザ後にさまざまな後遺症が発生することがあります。また、「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、早期の医療介入が重要です。速やかに医療機関を受診し、適切な治療を受けることで後遺症のリスクを軽減できます。また、予防接種を受けることでインフルエンザ感染のリスクを軽減し、後遺症の発症を予防することができます。特に高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、積極的にインフルエンザ予防接種を受けることをお勧めします。
コロナウイルスの後遺症の違い
一般的に、新型コロナウイルスに感染した人は、インフルエンザ感染者よりも後遺症リスクが高いと考えられています。名古屋工業大学の調査では、インフルエンザに感染してから2カ月以内に「せき」や「頭痛」で受診するリスクは、感染していない人に比べて約1.8倍程度であり、倦怠感に関しては「ほぼ変わりなし」と報告されています。
一方、新型コロナ感染者と感染していない人を比較すると、せきで受診するリスクは約8.20倍、呼吸困難は約7.92倍、味覚や嗅覚の障害は約5.97倍、倦怠感は約3.64倍、頭痛は約2.87倍と、インフルエンザの場合よりも高い傾向が示されています。このことから、一般的に新型コロナウイルスに感染した人は、インフルエンザ感染者よりも後遺症リスクが高いとされています。
インフルエンザの後遺症については板谷内科クリニックに相談ください
インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。
したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。なお、当院ではインフルエンザ予防接種を実施しております。診察時間内であれば当日の接種も可能ですので、突然の接種希望にも柔軟に対応できます。
インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご連絡ください。また、インフルエンザ感染後から体調不良が続いている方、あるいはインフルエンザ感染後の後遺症についてご相談したい方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
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2025.02.04
インフルエンザの検査方法や費用、時間について
内科に関する記事です。
この記事では「インフルエンザの検査方法」について解説していきます。後半部分では「インフルエンザ検査の費用」や「インフルエンザ検査時の注意点」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インフルエンザとは
インフルエンザの検査の種類
一般的なインフルエンザの検査方法
インフルエンザの検査時期(タイミング)
インフルエンザ迅速検査について
発熱のないインフルエンザについて
インフルエンザ検査とPCR検査との違い
インフルエンザ検査の費用
インフルエンザ検査時の注意点
インフルエンザ検査についての相談は板谷内科クリニックへ
インフルエンザとは
インフルエンザは、鼻や口から侵入した「インフルエンザウイルス」が肺や気道で感染・増殖することで引き起こされる疾患です。感染してから約1~3日間程度の潜伏期間の後に、38℃以上の高熱、関節痛、頭痛、全身倦怠感などが突然あらわれます。以下、インフルエンザの主な症状です。
・発熱
・全身倦怠感
・喉の痛み
・悪寒
・関節痛・筋肉痛
・頭痛
・食欲不振
・嘔吐
・下痢
・咳・痰
・鼻水
通常の風邪と比較して、インフルエンザは「高熱」と「全身症状」が特徴です。インフルエンザの症状について詳しく知りたい方は「インフルエンザかな?症状がある方へ」をご覧ください。
インフルエンザの検査の種類
インフルエンザの検査には、次の4種類があります。
<迅速診断キットを使用した検査>
迅速診断キットによる検査は、綿棒でのどや鼻の奥の粘膜をこすり、そこについた組織や分泌物からウイルスを検出する検査です。迅速診断キットによる検査は、短時間(約5分)で簡便に診断できるだけでなく、A型とB型の鑑別も可能です。したがって現在、最も主流となっている検査になります。
<PCR検査>(当院では実施していません)
PCR検査は、のどや鼻の奥を拭い採取した液を検体とし、インフルエンザウイルスの遺伝子を検出する検査です。PCR検査では、ウイルスの型や構造を詳細に調べることができます。そのため、「新型ウイルスであるかどうか」を判定することが可能です。
<ウイルス分離検査>
ウイルス分離検査は、のどや鼻の奥を拭って採取した液からウイルスを分離して判定する検査です。ウイルス分離検査は、結果が出るまでに「1週間程度」かかりますが、ウイルスの種類などまで詳しく分かります。したがって、非常に優れた検査と言われております。
なおウィルス分離検査は一般的なクリニック等では実施していません。
<血清抗体検査>(当院では実施していません)
血清抗体検査は、インフルエンザの発症後1週間以内と、症状が治まった頃にもう1回の計2回、採血を行って「インフルエンザウイルスに対する抗体ができているか」を調べます。ただし、結果が得られるまでに通常2週間程度かかるため、現在では、あまり行われていません。
一般的なインフルエンザの検査方法
インフルエンザの検査では、一般的には「迅速抗原検出キット」が使用されます。この検査では、鼻の粘膜から採取するために綿棒が使用されます。なぜなら、インフルエンザウイルスは鼻から咽頭にかけての上気道の粘膜に付着しやすいからです。もちろん、医療機関によっては喉から採取するケースもありますが、喉から採取する方法は「鼻の奥からの採取」と比べるとウイルスの検出率が低くなります。
そのため、一般的には鼻の奥に綿棒を入れて採取します。なお、迅速抗原検出キットでは、採取した検体を含んだ綿棒を検査薬に浸し、その液体を検査キットに置くことでウイルスの有無を判定します。「インフルエンザの検査について解説しているサイト」でも同様の見解を述べております。
インフルエンザの検査時期(タイミング)
インフルエンザに感染すると、通常は感染後1日から3日程度で症状が現れます。しかし、感染初期の段階ではウイルス量が少ないため、検査で陰性となる可能性があります。そのため、正確な検査結果を得るためには、発熱してから12~24時間経過してから検査を受けることが推奨されています。正しい検査結果を得るためにも、発熱してから12~24時間経過して検査を受けることをお勧めします。
インフルエンザ迅速検査について
インフルエンザ迅速検査は、インフルエンザの抗原を迅速に検出する診断法です。この検査では、鼻腔からの検体採取を行い、約10分から15分で診断結果が得られます。インフルエンザ迅速検査は、通常のPCR検査よりも迅速に結果を得ることができるため、初期症状が現れた直後から感染の有無を迅速に確認できます。しかし、感染初期にはウイルス量が少ないため、偽陰性の可能性があることに留意する必要があります。また、インフルエンザ迅速検査では、インフルエンザに感染している場合に必ずしも陽性になるわけではありません。それに検査陰性であっても、インフルエンザに感染していないとも言い切れません。したがって、インフルエンザの流行期においてインフルエンザ様症状を呈して受診された場合、検査が陰性であっても臨床診断上、インフルエンザと診断されることがあります。
発熱のないインフルエンザについて
インフルエンザは通常の風邪に比べ、「高熱」と「全身症状」が特徴です。ただし、全ての方にインフルエンザの症状が起こるわけではありません。風邪とほぼ同様のケースもあり、なかには自分がインフルエンザに感染したことに気づかない方もいます(熱なし)。インフルエンザに感染していることに気づかないままでいると、自分でも気づかないうちに周囲にウイルスを広げてしまう可能性があります。
そのため、早い段階で自分がインフルエンザに感染していることに気づき、適切な対処をすることが非常に重要です。また、隠れインフルの場合、通常のインフルエンザと比べて症状が軽いことが挙げられますので、「少しでもおかしい」と感じたら、早めに病院へ行くことが大切になります。
インフルエンザ検査とPCR検査との違い
現在、実施されている検査には「抗原検査」と「PCR検査」があります。以下、「抗原検査」と「PCR検査」の違いです。
<抗原検査> <PCR検査>
感染症名 新型コロナウイルス感染症 新型コロナウイルス感染症
インフルエンザ
検出するもの ウイルスを特徴づけるタンパク質 ウイルスを特徴づける遺伝子配列
メリット 検査結果が早い 少ないウイルス量でも検出可能
デメリット ウイルス量が少ないと検出不可 検査結果が遅い
抗原検査は、PCR検査に比べて結果が出るのが早いという利点があります。しかし、一定のウイルス量がないと検出されないことがあります。したがって、可能であれば両方ともに「PCR検査」を行なうことをお勧めします。PCR検査を行うことで、より正確な結果を得ることが可能です。
インフルエンザ検査の費用
インフルエンザ検査の費用は、保険適用の場合は約2,000円程度が目安です。ただし、健康保険の種類によって異なります。検査自体が約2,000円程度かかりますので、診察料や薬代などを合わせると、1割負担で5,000円、2割負担で6,000円、3割負担で7,000円程度になります。なお、初診の場合は、初診料が若干加算されることがありますので、安く見積もらないように注意してくださいね。
インフルエンザ検査時の注意点
インフルエンザ検査は、感染の初期段階でも遅すぎるタイミングでも正しい結果を得ることができません。したがって、インフルエンザ検査は、発熱から12~24時間のタイミングで受けるように注意してください。なお、発熱していているのに陰性結果が出た場合、医師から翌日に再検査を勧められることがあります。その場合は翌日に再検査を受けるようにしてください。インフルエンザは、検査を受けるまでは感染の有無が分かりませんが、油断は禁物です。検査前からインフルエンザに感染している可能性を考慮して、周囲に感染を広げないように行動してください。インフルエンザの感染拡大を防ぐためには、手洗いやマスクの着用、密閉・密集・密接の回避が重要です。また、発症初期の段階で医療機関を受診し、専門医の指示に従うことも重要になります。
インフルエンザ検査についての相談は板谷内科クリニックへ
インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし、「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。
特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。なお、当院では、インフルエンザ検査を実施しております。インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご連絡ください。
また、インフルエンザの症状についてご相談したい方、あるいは自分がインフルエンザなのか気になる方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
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2025.02.04
インフルエンザ脳症とは:症状や予防、治療法も解説
内科に関する記事です。
この記事では、「インフルエンザ脳症の症状」について解説していきます。後半部分では「インフルエンザ脳症の診断方法」や「インフルエンザ脳症の予防策」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インフルエンザ脳症とは
インフルエンザ脳症の主な症状
インフルエンザ脳症の年齢別症状
インフルエンザ脳症の原因と発症メカニズム
インフルエンザ脳症の診断方法
インフルエンザ脳症の治療方法
インフルエンザ脳症の予防策
インフルエンザ脳症についての相談は板谷内科クリニックへ
インフルエンザ脳症とは
インフルエンザ脳症とは、インフルエンザウイルスの感染後に「痙攣」や「意識障害」、「異常行動」や「異常言動」などの症状を引き起こす重篤な脳の疾患です。インフルエンザウイルス感染によって引き起こされる深刻な合併症の一つになります。インフルエンザ脳症は、主に5歳以下の幼児に発症する場合が多く、発症してから急速に意識障害などが進行するのが特徴です。また、予後が良好な軽症例もありますが、時には「後遺症が残ること」や「死に至ること」もあります。したがって、インフルエンザ脳症は極めて深刻な合併症とされています。なお、インフルエンザ脳症は、正式には一つの疾患ではなく、意識障害などを起こす複数の疾患を含む「症候群」のことを指します。具体的には次のようなものが挙げられます。
<ライ症候群>
ライ症候群は、インフルエンザなどのウイルスに感染後、激しい吐き気や嘔吐、痙攣や錯乱、さらには昏睡などの症状と共に脳の炎症や腫れ、肝機能の低下が見られる極めて稀な病気です。ライ症候群は、感染症に罹患中、アスピリンを使用した18歳以下の子供に見られることが多いのが特徴です。なお、急性期を乗り越えた患者さんの多くは回復しますが、症状が重かった場合には「障害」や「痙攣性」の疾患などが残ることもあります。
<急性壊死性脳症(ANE)>
急性壊死性脳症(ANE)は、瀰漫性脳浮腫に両側対称性の視床病変を伴うウイルス性の急性脳症です。急性壊死性脳症は、ウイルス感染後に急激な意識障害や痙攣などの症状が現れます。また、大脳側脳室周囲白質や上皮脳幹被蓋、小脳髄質、内包、被殻にも病変が見られることがあります。なお、急性壊死性脳症は、特に東アジアの幼児に多く見られます。
インフルエンザ脳症の主な症状
インフルエンザ脳症は、高熱など通常のインフルエンザの症状が出たのち、数時間から24時間以内で急激に症状が現れるケースが多いです。代表的な初期症状としては、痙攣、意識障害、異常言動や異常行動などが挙げられます。インフルエンザ脳症は進行のスピードが早いため、早期治療が何よりも大切です。早期治療により軽症化の可能性が高まります。したがって、痙攣、意識障害、異常言動や異常行動などの初期症状が現れた際は、速やかに医療機関を受診してください。
インフルエンザ脳症の年齢別症状
インフルエンザ脳症の症状は、年齢によって異なる傾向があります。0~4歳、5~19歳、20~59歳、60歳以上の4つの年齢群に分け、国立感染症研究所が調査した結果、発熱に関しては各年齢群で88.9~95.5%と高い割合で認められております。一方、痙攣に関しては、熱性痙攣を起こしやすい0~4歳で高い割合です。また、5~19歳、20~59歳では頭痛や嘔吐が比較的多く見られています。そして、20~59歳、60歳以上では小児と比較して、項部硬直、髄液細胞数の増加のみられる割合が多いです。なお、国立感染症研究所の発表では、届出時に死亡と届け出られていた症例に関しては、0~4歳では6.9%、5~19歳では4.9%、20~59歳では9.7%、60歳以上では15.2%であったと伝えています。このような結果から成人例は、小児例よりも少ないものの、症状ごとには小児例との差異もあり、重症度においては決して軽視はできないと考えられています。
インフルエンザ脳症の原因と発症メカニズム
インフルエンザ脳症の原因は、インフルエンザウイルス感染によるサイトカインストーム、高炎症性サイトカイン血症と考えられています。インフルエンザウイルスが体内に侵入すると、免疫系はそれに反応して「サイトカイン」と呼ばれる炎症性分子を放出します。通常、サイトカインはインフルエンザウイルスとの戦いに役立ちますが、時には免疫応答が過剰になり、身体全体に炎症を引き起こすことがあります。この状態をサイトカインストームと呼びます。なお、高炎症性サイトカイン血症の状態では、血液中のサイトカインのレベルが異常に上昇し、血管の通透性が増し、神経系にも影響を及ぼす可能性があります。これにより、脳組織が直接損傷を受け、炎症反応が起こり、さらに神経細胞の機能が影響を受けることで、インフルエンザ脳症が発症します。
インフルエンザ脳症の診断方法
インフルエンザ脳症が疑われる場合、通常は次の手順で診断が行われます。まず、問診と診察が行われ、その後に「インフルエンザ迅速検査キット」を使用して感染を確認します。そして症状や意識障害などの有無からインフルエンザ脳症が疑われるときには、血液検査で全身の状態、脳や腎臓、肝臓などの臓器の状態を調べ、さらに脳波検査により脳の機能、意識障害や痙攣の原因などを調べ、頭部MRI検査で脳の炎症の有無や炎症の広がりなどを確認します。また、熱性痙攣や脳腫瘍、脳出血といった他の疾患との鑑別を目的として、頭部CT検査も実施されます。さらに、免疫細胞の数や種類を調べるために脳脊髄液検査も行われることがあります。インフルエンザ脳症の診断方法について詳しく知りたい方は「インフルエンザ脳症ガイドライン」をご覧ください。
インフルエンザ脳症の治療方法
インフルエンザ脳症の治療法は、基本的には呼吸器や循環器などを管理して全身状態を保つ支持療法に加え、抗ウイルス薬の投与や、ガンマグロブリン大量療法などの特異的治療が行われます。そして、それでも期待された効果が得られない場合などには、脳低温療法や、血漿交換療法などの特殊治療が行われます。ただし、この治療法は実施例が限られており、費用や副作用の問題も考慮する必要があります。そのため、専門医との細かな相談が重要です。なお、上述した治療法は、特別な合併症(細菌性肺炎、呼吸不全、DIC、多臓器不全等)を伴わない場合の治療法になります。特別な合併症を伴った場合は、臨床症状、検査データ、重症度に応じて迅速に、できる限りの集中治療を施行する必要があります。インフルエンザ脳症の治療方法について詳しく知りたい方は「国立感染症研究所のホームページ」をご覧ください。
インフルエンザ脳症の予防策
インフルエンザ脳症の予防策としては、インフルエンザ予防接種が有効です。インフルエンザ予防接種は、インフルエンザに罹りにくくするとともに、感染した場合には「症状の重篤化」を防ぐとされています。したがって、インフルエンザ予防接種は「インフルエンザ脳症の発症リスク」を軽減する効果が期待されます。インフルエンザは悪化すると、気管支炎や肺炎、脳症などの重篤な合併症を引き起こす恐れがありますので、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします(インフルエンザ予防接種をしてもインフルエンザにかかる場合があります)。なお、インフルエンザウイルスへの感染を予防するためには、手洗い・消毒などの基本的な感染対策も重要です。以下、基本的な感染対策です。
<人混みに出ない>
インフルエンザが流行している時期は、不要な外出は避けたほうが安心です。「ショッピングセンター」や「繁華街」などの人混みでインフルエンザに感染することも多いため、インフルエンザが流行している時期は、ご注意ください。なお、やむを得ず外出する場合は、なるべく短時間で済ませることをお勧めします。
<適度な湿度を保つ>
空気が乾燥すると、のどの粘膜の“防御機能”が低下します。したがって、乾燥しやすい室内では加湿器の使用をお勧めします。免疫効果を正常に作用させるためには50~60%程度の湿度が必要になりますので、加湿器などで“室内の湿度”を適切に維持するよう心掛けてください。
<マスクを着用する>
マスクによるインフルエンザ予防は、効果が薄いことが示されています。ただし、全く効果がないわけではありません。近くにいる誰かが「くしゃみ」や「咳」をしたときには、マスクによって飛沫感染を防ぐことができます。また、「くしゃみ」や「咳」が出る人が周囲にウイルスを拡散しないためにもマスクは有効です。したがって、人混みに出る場合などにはマスクの着用をお勧めします。
<毎日の食事で免疫力を高める>
インフルエンザウイルスの感染を防ぐためには、毎日の食事で免疫力を高めて、「インフルエンザにかからない体づくり」をすることも大切です。具体的には、免疫システムに欠かせない「ビタミンC」と体のエネルギー産生に必要な「ビタミンB1群」、鼻やのどの粘膜を強化する働きのある「ビタミンB2」「ビタミンB6」を多くとることがポイントになります。なお、免疫力を高めるためには1日3食、規則正しく食べることも大切です。免疫力を高めるためにも、栄養バランスのとれた食事と良好な生活習慣を心掛けてください。
<手洗い・手の消毒>
手についたウイルスが口や鼻に入るというのが、インフルエンザウイルスの感染経路としてとても多いケースです。したがって、インフルエンザの予防として最もお勧めなのは、手洗い・手の消毒になります。手洗い・手の消毒をこまめに行えばウイルスを撃退し、インフルエンザウイルスの感染を防ぐことができますので、小まめに手洗い・手の消毒を行ってください。
<うがい>
うがいは、のどに付着したウイルスの数を減らしたり、洗い流したりするために有効と言われています。口の中をきれいに保てば、口からうつる「インフルエンザ」や「風邪」などの感染症を防ぐことができますので、外出先から戻ったら「うがい」を行ってください。
インフルエンザ脳症について不安な方はかかりつけ医に相談を
インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし、「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。
特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。なお、当院では、予約なしでインフルエンザ予防接種を実施しております。現在、診察時間内であれば当日の接種も可能ですので、突然の接種希望にも柔軟に対応できます。インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご連絡ください。
また、インフルエンザ脳症についてご相談したい方、あるいは自分がインフルエンザ脳症なのか気になる方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
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2025.02.04
保護者の方へ:子供の麻疹(はしか)の症状と対処法
内科に関する記事です。
この記事では、「子供の麻疹」について解説していきます。後半部分では、「麻疹の合併症」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
麻疹とは:子供における基本知識
麻疹の感染経路
麻疹の経過と症状
子供に見られる麻疹の初期症状
麻疹の合併症
子供の麻疹症状に対する家庭での対応策
子供の麻疹に対する治療方法について
子供の麻疹予防:ワクチン接種の重要性
子供の麻疹についてはいつでも板谷内科クリニックに相談ください
麻疹とは:子供における基本知識
麻しん(はしか)は、麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症です。麻しんウイルスの感染力は極めて強いため、感染者と同じ空間にいるだけで感染(空気感染)することがあります。そのため、しっかりとした予防策をとることが重要です。なお、麻しんウイルスは、免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症します。そして一度感染して発症すると「一生免疫が持続する」と言われています(一度感染した方が高齢になってから修飾麻疹を発症される例が報告されていますが、極めて稀と考えられています)。「麻疹について解説しているサイト」や「感染症情報センター」でも同様のことを伝えています。
麻疹の感染経路
麻しんウイルスは空気感染、飛沫感染、接触感染を経て感染します。そして、麻しんワクチンを接種せず麻しんウイルスに感染した場合は90%以上が発病します。不顕性感染はほとんどありません。なお、麻しんウイルスは伝搬性が非常に高いため、麻疹の免疫がないグループに1人の発症がいると、12人~14人の方が感染すると言われています。
麻疹の経過と症状
麻疹の経過は3つの期間に分類され、次のような流れで発症から回復にいたります。
<カタル期(2〜4日)>
・倦怠感、不機嫌
・38度前後の発熱があり、いったん下がる
・咳、鼻水、くしゃみ
・目の充血、目やに
・口の中の白い斑点
<発疹期(3〜4日)>
・全身の発疹
・倦怠感、不機嫌
・再び発熱し、高熱になる
<回復期(7〜9日)>
・熱が下がって発疹が消失するけれど色素沈着が残る
子供に見られる麻疹の初期症状
麻疹ウイルスに感染後、10~12日間の潜伏期を経て38℃前後の発熱が2~4日間続き、体のだるさ、喉の痛み、鼻水、咳、充血、目やになどの症状が現れます。そしてその後、熱は一度下がりますが、半日ほどで39℃前後の高熱が再び現れ、首、耳の後ろ、おでこなどに赤い発疹ができ、2日ほどで全身に広がっていきます。この時期には前述した「風邪症状」が悪化しますが、3~4日後には熱は下がり、様々な症状も改善します。ただし、油断してはいけません。麻疹が重症化すると肺炎や脳炎を引き起こす可能性がありますので、ご注意ください。「国立感染症研究所」でも同様のことを伝えています。
麻疹の合併症
麻疹の合併症としては、以下のものが挙げられます。
【麻疹の合併症1】肺炎
肺炎とは、肺の組織が炎症を起こす疾患です。麻疹に感染すると、免疫系が弱まり、肺炎を引き起こすリスクが高まります。麻疹によって呼吸器系の免疫が低下し、通常は対処可能な細菌やウイルスによる肺炎にかかりやすくなります。また、肺炎は重症化すると呼吸不全を引き起こし、命に関わる場合もあります。したがって早期に適切な治療を受けることが重要です。なお、麻疹の肺炎には「ウイルス性肺炎」「細菌性肺炎」「巨細胞性肺炎」の3種類があります。詳しくは「厚生労働省のホームページ」をご覧ください。
【麻疹の合併症2】中耳炎
中耳炎とは、中耳の組織に炎症が起こる疾患です。麻疹に感染すると、免疫系の影響で中耳の炎症が起こりやすくなります。特に子供の場合は、中耳炎のリスクが高まります。中耳炎は痛みや聴力の低下といった問題を引き起こすだけでなく、重症化すると膿がたまる膿瘍や乳様突起炎を合併することがあります。したがって、早期に医師の診察を受け、適切な治療を行うことが重要です。
【麻疹の合併症3】心筋炎
心筋炎とは、心筋(心臓の筋肉)に炎症が起こる疾患です。麻疹に感染すると、免疫系の影響で心筋炎が発生するリスクがあります。特に心臓が弱い人や免疫が低下している人は、麻疹による心筋炎のリスクが高まります。心筋炎は心臓の機能を低下させ、重篤な合併症を引き起こす可能性があります。したがって、心筋炎は早期に診断され、適切な治療が行われることが重要です。
【麻疹の合併症4】クループ症候群
クループ症候群は、気道の狭窄や閉塞を引き起こす呼吸器疾患の一つです。麻疹に感染すると、気管や気管支の炎症が悪化し、クループ症候群が発生するリスクが高まります。特にクループ症候群は子供に多く見られ、発熱、咳、声のしわがれ、呼吸困難などの症状を引き起こします。クループ症候群が重症化すると呼吸不全や窒息の危険性があります。したがって、早期の診断と適切な治療が必要です。
【麻疹の合併症5】脳炎
脳炎とは、脳の組織に炎症が生じる疾患です。麻疹に感染すると、ウイルスが中枢神経系に侵入し、脳炎を引き起こすリスクが高まります。特に幼い子供や免疫が低下している人は、麻疹による脳炎のリスクが高まりますので、注意が必要です。脳炎は重篤な合併症であり、発熱、頭痛、意識障害、けいれん、神経学的な症状などを引き起こすことがあります。したがって脳炎は早期に診断され、適切な治療が行われることが極めて重要です。
【麻疹の合併症6】亜急性硬化性全脳炎
亜急性硬化性全脳炎は、中枢神経系に影響を及ぼす重篤な合併症の一つです。麻疹に感染すると、ウイルスが脳組織に直接侵入し、亜急性硬化性全脳炎が発症するリスクが高まります。亜急性硬化性全脳炎は、進行性の神経学的症状を引き起こし、失語、運動失調、痙攣、認知機能の低下などが引き起こされる可能性があります。したがって、早期の診断が極めて重要です。
子供の麻疹症状に対する家庭での対応策
麻疹症状に対する家庭での対応策は、次の通りです。
【子供の麻疹症状に対する家庭での対応策1】熱を測って観察
熱があるときは、朝・昼・夕方と1日3回熱を測ってください。もし高熱が持続する場合は、速やかに医師の診察を受けることをお勧めします。なお、熱を測る際は熱だけでなく、前回測定した時からの熱の上がり方にも注意してみてくださいね。
【子供の麻疹症状に対する家庭での対応策2】水分補給
麻疹では高熱や発疹により体内の水分が失われやすくなります。したがって、水分補給が非常に重要です。子供に十分な水分を摂取させ、脱水症状を予防してください。
【子供の麻疹症状に対する家庭での対応策3】なるべく安静に
安静にしていることで免疫システムが活性化し、症状の軽減に役立ちます。しがたって体が楽になるまで抱っこしたり、添い寝をしたりして、お子さんが静かに休めるようにしてあげてください。
【子供の麻疹症状に対する家庭での対応策4】部屋の環境に気をつける
室温は暑すぎたり、寒すぎたりしないようにしてください。部屋を暖めすぎると室内が乾燥し、余計に辛くなることもあります。ですので、数時間おきに窓をあけて換気したり、ぬれタオルや洗濯物を部屋にかけて湿度を保つなどしてください。なお、加湿器を使う場合は、水をこまめに換えて清潔にしないと雑菌を部屋中にバラまいてしまうことになりますので、ご注意ください。
【子供の麻疹症状に対する家庭での対応策5】お風呂を控える
お風呂は体力を消耗するため、症状が悪化することもあります。したがって、高熱がある場合や体調がすぐれない時は、湯船に入るのを控え、シャワーで身体を洗う程度にとどめるようにしてください。体力を温存し、安静に過ごすことが症状の回復につながります。
【子供の麻疹症状に対する家庭での対応策6】衣類に気をつける
熱が高い時は、布団をかけすぎたり、厚着にしないように気をつけてください。熱があるからといって厚着をさせる必要はありません。普段、着ている枚数で大丈夫です。なお、熱が上がっている時は、軽い衣類で体を覆い、汗をかいたら着替えさせるよう心掛けてください(背中に手を入れて汗をかいていたら着せすぎです)。
子供の麻疹に対する治療方法について
残念ながら麻疹に有効な治療はなく、解熱剤や点滴などの対処療法しかありません。そのため、発熱に対しては解熱剤の投与が行われ、体温を下げることで患者の体力を温存します。また、栄養状態が悪い方にはビタミンAが有効との報告があります。なお、合併症の予防や治療のために抗生物質が使用されることもあります。ただし、抗生物質は細菌感染にのみ効果があり、麻疹ウイルス自体には効果がありません。このため、抗生物質の適切な使用が重要です。麻疹は合併症が生じやすい疾患であり、重篤な合併症を発症するリスクがあるため、早期の医療処置が重要です。
子供の麻疹予防:ワクチン接種の重要性
麻疹は感染力が非常に強く、空気感染もするため「手洗い」「マスク」だけでは予防できません。麻疹の予防接種が最も有効な予防法と言えます。麻疹ワクチンの接種により「麻しん」に対する抗体ができ、罹患しにくくなります。
また、麻疹の患者さんに接触した場合、72時間以内に麻疹ワクチンを接種することで、麻疹の発症を予防できる可能性があります。したがって、麻疹ワクチンの接種を推奨いたします。
なお、麻疹ワクチン接種によって、95%以上の人が麻しんウイルスに対する免疫を獲得することができるとされています。麻疹ワクチンについて詳しく知りたい方は「麻疹(麻しん)ワクチンの種類と特徴:効果や期間について」をご覧ください。
麻疹について不安な方はかかりつけ医に相談ください
麻しんウイルスに感染すると、約10日後には発熱や咳、鼻水などの風邪のような症状が現れます。そしてその後、2~3日間熱が続き、39℃以上の高熱と発疹が出現します。
さらに、肺炎や中耳炎を併発しやすく、1,000人に1人の割合で脳炎が発症するとされています。また、稀にではありますが、脳炎や肺炎による死亡例も報告されています。したがって、麻疹(はしか)を放置してはいけません。
発疹や高熱など、麻疹の症状がある場合は「麻しんの疑いがあること」を医療機関に伝え、受診の要否や注意点を確認してから、その指示に従ってください。なお、当院では、麻疹に関する相談や診察を行っています。麻疹についてご相談したい方、あるいは自分が麻疹なのか気になる方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2025.02.04
麻疹(麻しん)ワクチンの種類と特徴:効果や期間について
内科に関する記事です。
この記事では、「麻疹ワクチンの種類」について解説していきます。後半部分では、「麻疹ワクチン接種時の注意点」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
麻疹(麻しん、はしか)とは
麻疹ワクチンの種類と特徴
麻疹ワクチンの効果と期間
麻疹ワクチンの副作用(副反応)
日本で接種可能な麻疹ワクチン
麻疹ワクチン接種時の注意点
麻疹についての相談なら板谷内科クリニック
麻疹(麻しん、はしか)とは
麻しん(はしか)は、麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症です。麻しんウイルスの感染力は極めて強いため、感染者と同じ空間にいるだけで感染(空気感染)することがあります。そのため、しっかりとした予防策をとることが重要です。
なお、麻しんウイルスは、免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症します。そして一度感染して発症すると「一生免疫が持続する」と言われています(一度感染した方が高齢になってから修飾麻疹を発症される例が報告されていますが、極めて稀と考えられています)。「厚生労働省のサイト」や「感染症情報」でも同様のことを伝えています。
麻疹ワクチンの種類と特徴
ここでは、麻疹ワクチンの種類と特徴をご紹介します。
【麻疹ワクチンの種類1】麻疹ワクチン
麻疹ワクチンは、麻疹(はしか)を予防するためのワクチンです。麻疹ワクチンの接種により「麻しん」に対する抗体ができ、罹患しにくくなります。麻しんは感染力が非常に強く、空気感染もするので、手洗い、マスクのみで予防はできません。したがって、麻しんの予防接種が最も有効な予防法と言えます。
麻疹ワクチンの接種をすることで、麻しんの発症を予防できる可能性がありますので、どうかご検討ください。なお、麻しんウイルスの主な感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染になります。
【麻疹ワクチンの種類2】麻疹風疹混合ワクチン(MR)
麻疹風疹混合ワクチン MRは、「麻しん(はしか)」と「風しん」を予防するためのワクチンです。麻疹風疹混合ワクチンの接種により「麻しん(はしか)」と「風しん」に対する抗体ができ、罹患しにくくなります。近年、成人の麻しんや風しん感染者が増加しています。
成人が感染すると、子供に比べて重症化する可能性が高いため注意が必要です。また、妊娠初期の妊婦が「風しん」に感染すると、赤ちゃんが先天性風しん症候群という重篤な病気を持って生まれる可能性があります。したがって、現在では成人への接種が推奨されています。
MRワクチンが現状最も主流な麻疹ワクチンとなっています。
【麻疹ワクチンの種類3】麻疹おたふくかぜ風疹混合ワクチン(MMR)
麻疹おたふくかぜ風疹混合ワクチンは、「麻疹(はしか)」「おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)」「風しん」を予防するためのワクチンです。麻疹おたふくかぜ風疹混合ワクチンの接種により、3種類のウイルスに対する免疫を獲得できます。
したがって、麻疹おたふくかぜ風疹混合ワクチンは、それぞれのワクチンを個別に接種するよりも簡便です。麻疹おたふくかぜ風疹混合ワクチンは、1回の接種により3種類のウイルス全てに対する免疫を獲得できるため、接種率の向上に役立つ有益なワクチンだと考えられています。
麻疹ワクチンの効果と期間
麻疹ワクチンを接種後、約2週間で麻しんウイルスに対する抗体が血液中に現れ、「麻しん」に対する免疫を獲得できます。そして一度抗体が獲得できれば一生涯免疫が続くと考えられています。ただし、1歳未満で接種した際には、血液中に残っている移行抗体の影響でワクチンの効果が十分に発揮されない恐れがあります。したがって、通常は2回の定期接種(1歳と小学校入学前1年間)が推奨されています。
麻疹ワクチンの副作用(副反応)
ここでは、麻疹ワクチンの副作用(副反応)について解説します。
【麻疹ワクチンの副作用(副反応)1】麻疹ワクチン
麻疹ワクチン接種後5日~14日後を中心として、接種者の約5%前後が「37.5度以上38.5度未満」の発熱があります。また、約8%前後が38.5度以上の発熱、および約6%前後が「麻しん様の発疹」を経験することがあります。ただし、発熱は通常1日~2日間で解熱します。
そして発疹は、「少数の紅斑」や「自然麻しん」に近い場合があります。なお、その他にも、接種部位の発赤や腫れ、熱性痙攣、蕁麻疹などが見られます。しかし、それらの症状はほとんどが一過性のものになります(稀に生じる重い副反応としては「脳炎脳症」や「急性血小板減少性紫斑病」があります)。
【麻疹ワクチンの副作用(副反応)2】麻疹風疹混合ワクチン
麻疹風疹混合ワクチン接種後、5日~14日後に「発熱」や「発しん」が多くみられます。また、接種直後から数日の間に、過敏症状と考えられる発熱、発疹、掻痒(かゆみ)などが現れることもあります。
ただし、これらの症状は通常1日~3日で収まります。なお、稀に生じる重い副反応としては、アナフィラキシー様症状(ショック症状、蕁麻疹、呼吸困難等)、血小板減少性紫斑病、脳炎及び痙攣等が挙げられます。
日本で接種可能な麻疹ワクチン
日本で接種可能な麻疹ワクチンは次の通りです。
・麻疹ワクチン
・麻疹風疹混合ワクチン( MR)
・麻疹おたふくかぜ風疹混合ワクチン(MMR)
※日本で接種可能なワクチンの種類について詳しく知りたい方は「国立感染症研究所のホームページ」や「感染症情報センターのホームページ」をご覧ください。
麻疹ワクチン接種時の注意点
麻疹ワクチン接種時の注意点については、以下をご覧ください。
【麻疹ワクチン接種時の注意点1】接種後30分位は安静に
麻疹ワクチンを接種した後、30分位は安静にしてください。もし、その間に体調の異常を感じましたら「医師」または「看護師」に申し出てください。
【麻疹ワクチン接種時の注意点2】飲酒や激しい運動
麻疹ワクチンの接種当日は、飲酒や激しい運動は避けてください。なお、入浴は問題ありませんが、注射部位をこすることはやめてください。
【麻疹ワクチン接種時の注意点3】注射部位を清潔に保つ
麻疹ワクチンを接種する際は、注射部位を清潔な状態に保つことが重要です。清潔な環境で接種を行うことで、感染症やその他の合併症のリスクを最小限に抑えることができます。接種前には、注射部位の周囲を適切に清拭し、接種後も清潔な状態を維持するように心掛けてください。
【麻疹ワクチン接種時の注意点4】発熱や発しん
麻疹ワクチンの接種後5日から14日後に「発熱」や「発しん」が多くみられます。これらの症状が酷い場合や、筋肉痛、頭痛、関節痛などが現れて辛い場合は、「医師」または「看護師」にご相談ください。
【麻疹ワクチン接種時の注意点5】妊娠
麻疹ワクチンは生ワクチンのため、1歳未満の乳児や妊婦の方の場合接種を受けられません。また免疫不全などの病気がある方も接種を受けることができない可能性があります。接種後2ヶ月間は妊娠を避けるようにしてください。
【麻疹ワクチン接種時の注意点6】予防接種を受ける際の間隔
麻疹ワクチンの接種後、1ヶ月以内に医療機関を受診する際は、麻疹ワクチンの予防接種を受けたことを医師に伝えてください。麻疹ワクチンの予防接種を受けてから27日以上の間隔を置かないと、他の予防接種を受けることができない可能性がありますので、ご注意ください(他の予防接種を受ける際の間隔については医師の指示に従ってください)。
麻疹についての相談なら板谷内科クリニック
麻しんウイルスに感染すると、約10日後には発熱や咳、鼻水などの風邪のような症状が現れます。そしてその後、2~3日間熱が続き、39℃以上の高熱と発疹が出現します。さらに、肺炎や中耳炎を併発しやすく、1,000人に1人の割合で脳炎が発症するとされています。また、稀にではありますが、脳炎や肺炎による死亡例も報告されています。したがって、麻疹(はしか)を放置してはいけません。発疹や高熱など、麻疹の症状がある場合は「麻しんの疑いがあること」を医療機関に伝え、受診の要否や注意点を確認してから、その指示に従ってください。なお、当院では、麻疹に関する相談や診察を行っています。麻疹についてご相談したい方、あるいは自分が麻疹なのか気になる方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2025.02.04
インフルエンザの種類(A型 B型 C型 D型)とその違いについて
内科に関する記事です。
この記事では、「インフルエンザの種類」を紹介していきます。後半部分では、「インフルエンザの予防と対策」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インフルエンザウイルスのタイプ(種類)と特徴
インフルエンザA型の特徴や流行パターン
インフルエンザB型の特徴や症状について
インフルエンザC型の特徴や症状
インフルエンザD型の特徴や症状
インフルエンザの予防と対策
インフルエンザの診断
インフルエンザの治療法
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザウイルスのタイプ(種類)と特徴
インフルエンザは、鼻や口から侵入した「インフルエンザウイルス」が肺や気道で感染・増殖することで引き起こされる疾患です。ひと口に「インフルエンザウイルス」と言ってもウイルスの型によって流行時期や症状が異なります。したがって、インフルエンザの検査をする際は、ウイルスの型も特定します。なお、現在、インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型、D型の4種類があります。この中でヒトに感染するインフルエンザウイルスは、A型、B型、C型の3種類です。D型に関しては、ヒトに感染することはなく、家畜にのみ感染します。
インフルエンザA型の特徴や流行パターン
インフルエンザA型は、他の型に比べて症状が強く現れる傾向があります。具体的には、A型インフルエンザウイルスに感染後は、1〜3日の潜伏期間を経た後に、悪寒、のどの痛み、頭痛、筋肉痛、せき、鼻水、38度前後の高熱などの症状が急激に現れます。特に免疫力の低下している高齢者や小児、心疾患や呼吸器疾患を持っている場合は、「肺炎」や「脳症」などの合併症を併発する可能性が高く、重症化するケースもあるため注意が必要です。
したがって、インフルエンザA型は、早い段階で自分がインフルエンザウイルスに感染していることに気づき、適切な対処をすることが重要です。例年、インフルエンザA型は12~3月頃に流行しますので、ご注意ください。
なお、A型インフルエンザウイルスは、ウイルス表面のタンパク質である「ヘマグルチニン」と「ノイラミニダーゼ」の組み合わせにより、さらに亜型に分類されます。そのため、A型インフルエンザウイルスは144種類の型(亜型)に分けられます。現在、ヒトに感染するA型インフルエンザウイルスは、インフルエンザA(H1N1)とA(H3N2) の2種類です。
これらのウイルスは、さらにそれぞれの中で毎年のように小さい変異を経て、進化し続けています。インフルエンザA型について詳しく知りたい方は「インフルエンザA型の特徴や症状、薬について」をご覧ください。
インフルエンザB型の特徴や症状について
インフルエンザB型の一般的な症状には、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、のどの痛み、鼻汁、咳などが挙げられます。これらの症状は通常、風邪よりも重度ですが、多くの場合は1週間ほどで改善する傾向があります。ただし、高齢者や乳幼児などでは重症化して、肺炎、気管支炎、中耳炎などの合併症を引き起こすことがあります。
そのため、「自分がインフルエンザに感染している可能性がある」と感じた場合は、早めに医療機関を受診し、適切な対処をすることが重要です。例年、インフルエンザA型が12~3月頃に流行し、後を追うように2月頃から春先にかけて、インフルエンザB型が流行しますので、ご注意ください。
なお、B型インフルエンザウイルスは、「山形型」と「ビクトリア型」の2つのタイプに分類されます。B型インフルエンザウイルスはA型とは異なり、毎年、突然変異を起こす可能性は低いため、何度も感染することは少ないとされています。しかしながら、稀に「インフルエンザに2回かかる」という状況が報告されます。
これはインフルエンザA型とB型の両方に感染したためと考えられます。インフルエンザB型について詳しく知りたい方は「インフルエンザB型の特徴や症状、薬について」をご覧ください。
インフルエンザC型の特徴や症状
インフルエンザC型の症状は主に発熱、咳、鼻水とされています。一般的には、A型やB型よりも症状が軽い傾向にあります。ただし、ヒトによっては38度の高熱が出ることもあります。
また、約1割の方には吐き気や下痢、嘔吐、発疹が見られることがあります。インフルエンザC型は、検査できる医療機関が少なく、通常のウイルス性の風邪と診断されることもあるため、実際にかかったとしても気付かないまま過ごしてしまう可能性があります。
そのため、ほとんどの方は「6歳までに感染している」と言われております(年齢に関係なく感染する可能性はありますので、ご注意ください)。例年、インフルエンザC型は1月~6月が流行期となります。したがって、インフルエンザA型やインフルエンザB型とは時期がずれる傾向にあるうえ、流行時期がA型やB型よりも長いため、長期間の予防が必要になります。
なお、インフルエンザC型は、一度感染すると免疫がつき、ほぼ一生かからないと言われております。インフルエンザC型について詳しく知りたい方は「インフルエンザC型とは - 特徴や症状について」をご覧ください。
インフルエンザD型の特徴や症状
D型インフルエンザウイルスは、ウシをはじめとする家畜にのみ感染します。したがって、ヒトに感染して病気を引き起こすことは知られていません。
なお、D型インフルエンザウイルスは、最初に発見された米国をはじめとして、中国、フランス、イタリア、日本、アフリカ諸国など世界中の家畜から発見されております。また、D型インフルエンザウイルスは、ウシの呼吸器病症候群を引き起こす原因ウイルスの一つであることが明らかとなっております。
インフルエンザの予防と対策
インフルエンザウイルスへの感染を予防するためには、手洗い・消毒などの基本的な感染対策を徹底することが重要です。以下、インフルエンザウイルスの感染を防ぐためのポイントになります。
【インフルエンザの予防と対策1】マスクを着用する
マスクによるインフルエンザ予防は、効果が薄いことが示されています。ただし、全く効果がないわけではありません。近くにいる誰かが「くしゃみ」や「咳」をしたときには、マスクによって飛沫感染を防ぐことができます。また、「くしゃみ」や「咳」が出る人が周囲にウイルスを拡散しないためにもマスクは有効です。したがって、人混みに出る場合などにはマスクの着用をお勧めします。
【インフルエンザの予防と対策2】人混みに出ない
インフルエンザが流行している時期は、不要な外出は避けたほうが安心です。「ショッピングセンター」や「繁華街」などの人混みでインフルエンザに感染することも多いため、インフルエンザが流行している時期は、ご注意ください。なお、やむを得ず外出する場合は、なるべく短時間で済ませることをお勧めします。
【インフルエンザの予防と対策3】適度な湿度を保つ
空気が乾燥すると、のどの粘膜の“防御機能”が低下します。したがって、乾燥しやすい室内では加湿器の使用をお勧めします。免疫効果を正常に作用させるためには50~60%程度の湿度が必要になりますので、加湿器などで“室内の湿度”を適切に維持するよう心掛けてください。
【インフルエンザの予防と対策4】インフルエンザ予防接種
インフルエンザの重症化を予防するためにも「インフルエンザ予防接種」を推奨します。インフルエンザ予防接種は、インフルエンザの重症化を防ぐ効果があります。インフルエンザは悪化すると、気管支炎や肺炎、脳症などの重篤な合併症を引き起こす恐れがありますので、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします(インフルエンザ予防接種をしてもインフルエンザにかかる場合があります)。「日本呼吸器学会」や「厚生労働省」でも同様の見解を述べております。
【インフルエンザの予防と対策5】毎日の食事で免疫力を高める
インフルエンザウイルスの感染を防ぐためには、毎日の食事で免疫力を高めて、「インフルエンザにかからない体づくり」をすることも大切です。具体的には、免疫システムに欠かせない「ビタミンC」と体のエネルギー産生に必要な「ビタミンB1群」、鼻やのどの粘膜を強化する働きのある「ビタミンB2」「ビタミンB6」を多くとることがポイントになります。なお、免疫力を高めるためには1日3食、規則正しく食べることも大切です。免疫力を高めるためにも、栄養バランスのとれた食事と良好な生活習慣を心掛けてください。
【インフルエンザの予防と対策6】手洗い・手の消毒
手についたウイルスが口や鼻に入るというのが、インフルエンザウイルスの感染経路としてとても多いケースです。したがって、インフルエンザの予防として最もお勧めなのは、手洗い・手の消毒になります。手洗い・手の消毒をこまめに行えばウイルスを撃退し、インフルエンザウイルスの感染を防ぐことができますので、小まめに手洗い・手の消毒を行ってください。
【インフルエンザの予防と対策7】うがい
うがいは、のどに付着したウイルスの数を減らしたり、洗い流したりするために有効と言われています。口の中をきれいに保てば、口からうつる「インフルエンザ」や「風邪」などの感染症を防ぐことができますので、外出先から戻ったら「うがい」を行ってください。
インフルエンザの診断
インフルエンザには、診断基準(インフルエンザ診断マニュアル)が設けられております。インフルエンザの診断基準では、インフルエンザの流行期間中(11~4月)に以下の4つの項目をすべて満たす場合、インフルエンザと診断されます。
・突然の発症
・高熱
・上気道炎症状
・全身倦怠感等の全身症状
近年、インフルエンザの流行期間以外でも「インフルエンザ」を発症することがあったり、症状が軽度だったりするケースも多いです。したがって現在は、検査によって診断確定を行うのが一般的です。インフルエンザの検査には、次の4種類があります。
<迅速診断キットを使用した検査>
迅速診断キットによる検査は、綿棒でのどや鼻の奥の粘膜をこすり、そこについた組織や分泌物からウイルスを検出する検査です。迅速診断キットによる検査は、短時間(10分~15分)で簡便に診断できるだけでなく、A型とB型の鑑別も可能です。したがって現在、最も主流となっている検査になります。
<PCR検査>
PCR検査は、のどや鼻の奥を拭い採取した液を検体とし、インフルエンザウイルスの遺伝子を検出する検査です。PCR検査では、ウイルスの型や構造を詳細に調べることができます。そのため、「新型ウイルスであるかどうか」を判定することが可能です。
<ウイルス分離検査>
ウイルス分離検査は、のどや鼻の奥を拭って採取した液からウイルスを分離して判定する検査です。ウイルス分離検査は、結果が出るまでに「1週間程度」かかりますが、ウイルスの種類などまで詳しく分かります。したがって、非常に優れた検査と言われております。
<血清抗体検査>
血清抗体検査は、インフルエンザの発症後1週間以内と、症状が治まった頃にもう1回の計2回、採血を行って「インフルエンザウイルスに対する抗体ができているか」を調べます。ただし、結果が得られるまでに通常2週間程度かかるため、現在では、あまり行われていません。
インフルエンザの治療法
インフルエンザの治療では、抗インフルエンザ薬を用いた「薬物療法」のほか、症状を緩和するための「対症療法」が行われます。
<抗インフルエンザ薬を用いた薬物療法>
抗インフルエンザ薬は、インフルエンザウイルスの増殖を抑制し、症状の軽減や回復を促進します。ただし、抗インフルエンザ薬は、症状が出てから2日以内に投与を開始する必要があるため、診断が遅れると効果が薄れることがあります。なお、残念ながらインフルエンザの治療薬として使用される「抗インフルエンザ薬」は、市販薬では販売されていません。そして、市販の風邪薬はインフルエンザを完治させるほどの効果は期待できません。したがって、インフルエンザが疑われる場合は医療機関を受診してください。抗インフルエンザ薬について詳しく知りたい方は「インフルエンザ治療薬の種類や効果、副作用について」をご覧ください。
<対症療法>
対症療法とは、直接の原因を治すのではなく、今みられる症状に対して一時的に症状を和らげる治療法です。例えば、高熱の場合は解熱鎮痛薬を使用し、黄色い痰など細菌の二次感染が疑われる場合には、抗生物質を使用します(抗生物質はウイルス感染に対して効果がないことに留意する必要があります)。なお、水分補給や栄養摂取が困難な場合には、点滴による補液が必要となる場合があります。
インフルエンザの治療は、ウイルスの型だけでなく、年齢、全身状態などの症状や状況に応じて、医師の判断のもと選択していきます。
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし、「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。なお、当院では、予約なしでインフルエンザ予防接種を実施しております。現在、診察時間内であれば当日の接種も可能ですので、突然の接種希望にも柔軟に対応できます。インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
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2025.02.04
インフルエンザC型とは - 特徴や症状について
内科に関する記事です。
この記事では「インフルエンザC型の特徴」について解説していきます。後半部分では「インフルエンザC型の予防と対策」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インフルエンザC型とは
インフルエンザC型の症状
インフルエンザC型の特徴
インフルエンザC型の流行時期について
インフルエンザC型の予防と対策
インフルエンザC型の診断
インフルエンザC型の治療法
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザC型とは
インフルエンザは、鼻や口から侵入した「インフルエンザウイルス」が肺や気道で感染・増殖することで引き起こされる疾患です。現在、ヒトに感染するウイルスは大きく分けてA型・B型・C型の3種があり、その中で一度感染すると免疫がつき、ほぼ一生かからないと言われているのがC型です。インフルエンザC型は、通常のウイルス性の風邪と診断されることもあるため、「気がついたら治っていた」ということもあります。そのため、ほとんどの方は「6歳までに感染している」と言われております(年齢に関係なく感染する可能性はありますので、ご注意ください)。
インフルエンザC型の症状
インフルエンザC型の症状は主に発熱、咳、鼻水とされています。ただし、ヒトによっては38度の高熱が出ることもあります。また、約1割の方には吐き気や下痢、嘔吐、発疹が見られることがあります。インフルエンザC型は、大人の患者数が少ないため、A型・B型との比較が難しいですが、一般的には、A型やB型よりも症状が軽い傾向にあります。
インフルエンザC型の特徴
インフルエンザC型は検査できる医療機関が少なく、通常のウイルス性の風邪と診断されることもあるため、実際にかかったとしても気付かないまま過ごしてしまう可能性があります。また、多くの大人はC型インフルエンザウイルスの免疫を持っているので、感染者のほとんどは子供になります。しかしながら油断は禁物です。免疫を持つ大人でもC型インフルエンザウイルスに感染する可能性はありますので、ご注意ください。
インフルエンザC型の流行時期について
例年、インフルエンザA型は12~3月頃に流行し、後を追うように2月頃から春先にかけて、インフルエンザB型が流行します。一方で、インフルエンザC型は1月~6月が流行期となります。したがって、インフルエンザA型やインフルエンザB型とは時期がずれる傾向にあります。また、インフルエンザC型の流行時期は、A型やB型よりも長いため、長期間の予防が必要です。インフルエンザC型に感染している場合、自覚症状がないことが多いため、自分でも気づかないうちに周囲にウイルスを広げてしまう可能性があります。そのため、早い段階で自分がC型インフルエンザウイルスに感染していることに気づき、適切な対処をすることが非常に重要です。C型インフルエンザウイルスの感染が疑わしいときは、すぐに医療機関を受診してください。「国立感染症研究所」や「厚生労働省」でも同様の見解を述べております。
インフルエンザC型の予防と対策
C型インフルエンザウイルスへの感染を予防するためには、手洗い・消毒などの基本的な感染対策を徹底することが重要です。以下、インフルエンザウイルスの感染を防ぐためのポイントになります。
【インフルエンザC型の予防と対策1】マスクを着用する
マスクによるインフルエンザ予防は、効果が薄いことが示されています。ただし、全く効果がないわけではありません。近くにいる誰かが「くしゃみ」や「咳」をしたときには、マスクによって飛沫感染を防ぐことができます。また、「くしゃみ」や「咳」が出る人が周囲にウイルスを拡散しないためにもマスクは有効です。したがって、人混みに出る場合などにはマスクの着用をお勧めします。
【インフルエンザC型の予防と対策2】人混みに出ない
インフルエンザが流行している時期は、不要な外出は避けたほうが安心です。「ショッピングセンター」や「繁華街」などの人混みでインフルエンザに感染することも多いため、インフルエンザが流行している時期は、ご注意ください。なお、やむを得ず外出する場合は、なるべく短時間で済ませることをお勧めします。
【インフルエンザC型の予防と対策3】適度な湿度を保つ
空気が乾燥すると、のどの粘膜の“防御機能”が低下します。したがって、乾燥しやすい室内では加湿器の使用をお勧めします。免疫効果を正常に作用させるためには50~60%程度の湿度が必要になりますので、加湿器などで“室内の湿度”を適切に維持するよう心掛けてください。
【インフルエンザC型の予防と対策4】インフルエンザ予防接種
インフルエンザの重症化を予防するためにも「インフルエンザ予防接種」を推奨します。インフルエンザ予防接種は、インフルエンザの重症化を防ぐ効果があります。インフルエンザは悪化すると、気管支炎や肺炎、脳症などの重篤な合併症を引き起こす恐れがありますので、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします(インフルエンザ予防接種をしてもインフルエンザにかかる場合があります)。「日本呼吸器学会」でも同様の見解を述べております。
【インフルエンザC型の予防と対策5】毎日の食事で免疫力を高める
インフルエンザウイルスの感染を防ぐためには、毎日の食事で免疫力を高めて、「インフルエンザにかからない体づくり」をすることも大切です。具体的には、免疫システムに欠かせない「ビタミンC」と体のエネルギー産生に必要な「ビタミンB1群」、鼻やのどの粘膜を強化する働きのある「ビタミンB2」「ビタミンB6」を多くとることがポイントになります。なお、免疫力を高めるためには1日3食、規則正しく食べることも大切です。免疫力を高めるためにも、栄養バランスのとれた食事と良好な生活習慣を心掛けてください。
【インフルエンザC型の予防と対策6】手洗い・手の消毒
手についたウイルスが口や鼻に入るというのが、インフルエンザウイルスの感染経路としてとても多いケースです。したがって、インフルエンザの予防として最もお勧めなのは、手洗い・手の消毒になります。手洗い・手の消毒をこまめに行えばウイルスを撃退し、インフルエンザウイルスの感染を防ぐことができますので、小まめに手洗い・手の消毒を行ってください。「首相官邸のホームページ」でも同様のことを伝えております。
【インフルエンザC型の予防と対策7】うがい
うがいは、のどに付着したウイルスの数を減らしたり、洗い流したりするために有効と言われています。口の中をきれいに保てば、口からうつる「インフルエンザ」や「風邪」などの感染症を防ぐことができますので、外出先から戻ったら「うがい」を行ってください。
インフルエンザC型の診断
インフルエンザには、診断基準(インフルエンザ診断マニュアル)が設けられております。インフルエンザの診断基準では、インフルエンザの流行期間中(11~4月)に以下の4つの項目をすべて満たす場合、インフルエンザと診断されます。
・突然の発症
・高熱
・上気道炎症状
・全身倦怠感等の全身症状
近年、インフルエンザの流行期間以外でも「インフルエンザ」を発症することがあったり、症状が軽度だったりするケースも多いです。したがって現在は、検査によって診断確定を行うのが一般的です。インフルエンザの検査には、次の4種類があります。
<PCR検査>(当院では実施していません)
PCR検査は、のどや鼻の奥を拭い採取した液を検体とし、インフルエンザウイルスの遺伝子を検出する検査です。PCR検査では、ウイルスの型や構造を詳細に調べることができます。そのため、「新型ウイルスであるかどうか」を判定することが可能です。
<ウイルス分離検査>
ウイルス分離検査は、のどや鼻の奥を拭って採取した液からウイルスを分離して判定する検査です。ウイルス分離検査は、結果が出るまでに「1週間程度」かかりますが、ウイルスの種類などまで詳しく分かります。したがって、非常に優れた検査と言われております。
なおウィルス分離検査は一般的なクリニック等では実施しません。
<血清抗体検査>(当院では実施していません)
血清抗体検査は、インフルエンザの発症後1週間以内と、症状が治まった頃にもう1回の計2回、採血を行って「インフルエンザウイルスに対する抗体ができているか」を調べます。ただし、結果が得られるまでに通常2週間程度かかるため、現在では、あまり行われていません。
インフルエンザC型の治療法
インフルエンザC型の治療では、一般的に症状を緩和するための「対症療法」が行われます。
<対症療法>
対症療法とは、直接の原因を治すのではなく、今みられる症状に対して一時的に症状を和らげる治療法です。例えば、高熱の場合は解熱鎮痛薬を使用し、黄色い痰など細菌の二次感染が疑われる場合には、抗生物質を使用します(抗生物質はウイルス感染に対して効果がないことに留意する必要があります)。なお、水分補給や栄養摂取が困難な場合には、点滴による補液が必要となる場合があります。
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし、「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。なお、当院では、予約なしでインフルエンザ予防接種を実施しております。現在、診察時間内であれば当日の接種も可能ですので、突然の接種希望にも柔軟に対応できます。インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2025.02.04
インフルエンザB型の特徴や症状、薬について
内科に関する記事です。
この記事では「インフルエンザB型の特徴」について解説していきます。後半部分では、「インフルエンザB型の予防と対策」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インフルエンザB型とは
インフルエンザB型の症状と重症化のリスク
インフルエンザB型の種類について
インフルエンザB型とA型の違いとは
インフルエンザB型とA型は亜型の多さが異なる
インフルエンザB型は下痢の症状を伴いやすい
インフルエンザB型の予防と対策
インフルエンザB型の診断
インフルエンザB型の治療法
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザB型とは
インフルエンザB型とは、鼻や口から侵入した「B型インフルエンザウイルス」が肺や気道で感染・増殖することで引き起こされる疾患です。インフルエンザB型は感染してから約1~3日間程度の潜伏期間の後に、38℃以上の高熱、関節痛、頭痛、全身倦怠感、のどの痛み、鼻汁、咳の症状があらわれます。
一般的にはインフルエンザB型はA型よりも症状が軽く、「熱が上がらない場合」や「症状が軽い場合」もあります。したがって、風邪と勘違いしてしまうことも珍しくありません。
なお、現在、ヒトに感染するインフルエンザウイルスは、A型、B型、C型の3種類に分類されます。このうち大きな流行の原因となるのは「A型」と「B型」です。例年、インフルエンザA型は12~3月頃に流行し、後を追うように2月頃から春先にかけて、インフルエンザB型が流行します。
なおコロナ禍においてはインフルエンザB型は夏にも流行していました。
インフルエンザB型の症状と重症化のリスク
インフルエンザB型の一般的な症状には、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、のどの痛み、鼻汁、咳などが挙げられます。これらの症状は通常、風邪よりも重度ですが、多くの場合は1週間ほどで改善する傾向があります。ただし、高齢者や乳幼児などでは重症化して、肺炎、気管支炎、中耳炎などの合併症を引き起こすことがあります。
そのため、「自分がインフルエンザに感染している可能性がある」と感じた場合は、早めに医療機関を受診し、適切な対処をすることが重要です。なお、インフルエンザB型とA型は異なるウイルスですが、一般的には「症状に大きな違いはない」と考えられています。
インフルエンザB型の種類について
B型インフルエンザウイルスは、「山形型」と「ビクトリア型」の2つのタイプに分類されます。B型インフルエンザウイルスはA型とは異なり、毎年、突然変異を起こす可能性は低いため、何度も感染することは少ないとされています。しかしながら、稀に「インフルエンザに2回かかる」という状況が報告されます。
これはインフルエンザA型とB型の両方に感染したためと考えられます。なお、B型インフルエンザウイルスはA型インフルエンザウイルスのように多くのタイプはなく、突然変異しにくいため、「世界的な大流行を引き起こすことは少ない」と考えられております。
インフルエンザB型とA型の違いとは
インフルエンザB型とA型の大きな違いは、B型は「人にしか感染しない」という点です。インフルエンザB型は、ヒトにのみ感染します。一方でインフルエンザA型は、ヒトだけでなく、鳥やブタなどヒト以外の動物にも感染します。
インフルエンザB型とA型は亜型の多さが異なる
インフルエンザB型とA型は、亜型の数が異なります。インフルエンザウイルスはウイルスの表面には、「HA」と「NA」という2つのたんぱく質を持っており、同じ型のインフルエンザウイルスの中でも、「保有するたんぱく質の組み合わせ」が異なるものがあります。このような同じ型の中の違いをインフルエンザウイルスの“亜型”と呼びます。A型インフルエンザウイルスはB型と比べて「HA」と「NA」の種類が多いため、亜型の種類も多くなります。したがって、インフルエンザB型とA型は、亜型の多さが異なると言えます。なお、流行する亜型は数年から数十年おきに変化すると言われており、2019年時点で流行しているインフルエンザウイルスは、A型の亜型である「H1N1型」および「H3N2型」と「B型」の3種類になります。
インフルエンザB型は下痢の症状を伴いやすい
下痢の症状がある場合、「インフルエンザB型」の可能性が比較的高いと考えられます。インフルエンザB型に罹患すると、38度以下の微熱が出るなど、A型よりも比較的穏やかな症状が現れることがあります。ただし、A型よりも症状が長引くことがあり、長期間微熱や腹痛、下痢などが続くこともあります。下痢は体内の水分を失いやすくなり、脱水症状を引き起こす可能性があります。したがって、インフルエンザで下痢の症状がある場合は、水分補給が重要です。下痢が続くと脱水症状になる恐れがあるため、水分補給をこまめに行ってください。また、医師に相談して適切な抗ウイルス薬や対症療法を検討することも大切です。「国立感染症研究所」や「厚生労働省」でも同様のことを伝えております。
インフルエンザB型の予防と対策
B型インフルエンザウイルスへの感染を予防するためには、手洗い・消毒などの基本的な感染対策を徹底することが重要です。以下、インフルエンザウイルスの感染を防ぐためのポイントになります。
【インフルエンザB型の予防と対策1】人混みに出ない
インフルエンザが流行している時期は、不要な外出は避けたほうが安心です。「ショッピングセンター」や「繁華街」などの人混みでインフルエンザに感染することも多いため、インフルエンザが流行している時期は、ご注意ください。なお、やむを得ず外出する場合は、なるべく短時間で済ませることをお勧めします。
【インフルエンザB型の予防と対策2】マスクを着用する
マスクによるインフルエンザ予防は、効果が薄いことが示されています。ただし、全く効果がないわけではありません。近くにいる誰かが「くしゃみ」や「咳」をしたときには、マスクによって飛沫感染を防ぐことができます。また、「くしゃみ」や「咳」が出る人が周囲にウイルスを拡散しないためにもマスクは有効です。したがって、人混みに出る場合などにはマスクの着用をお勧めします。
【インフルエンザB型の予防と対策3】毎日の食事で免疫力を高める
インフルエンザウイルスの感染を防ぐためには、毎日の食事で免疫力を高めて、「インフルエンザにかからない体づくり」をすることも大切です。具体的には、免疫システムに欠かせない「ビタミンC」と体のエネルギー産生に必要な「ビタミンB1群」、鼻やのどの粘膜を強化する働きのある「ビタミンB2」「ビタミンB6」を多くとることがポイントになります。なお、免疫力を高めるためには1日3食、規則正しく食べることも大切です。免疫力を高めるためにも、栄養バランスのとれた食事と良好な生活習慣を心掛けてください。
【インフルエンザB型の予防と対策4】適度な湿度を保つ
空気が乾燥すると、のどの粘膜の“防御機能”が低下します。したがって、乾燥しやすい室内では加湿器の使用をお勧めします。免疫効果を正常に作用させるためには50~60%程度の湿度が必要になりますので、加湿器などで“室内の湿度”を適切に維持するよう心掛けてください。
【インフルエンザB型の予防と対策5】インフルエンザ予防接種
インフルエンザの重症化を予防するためにも「インフルエンザ予防接種」を推奨します。インフルエンザ予防接種は、イフルエンザの重症化を防ぐ効果があります。インフルエンザは悪化すると、気管支炎や肺炎、脳症などの重篤な合併症を引き起こす恐れがありますので、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします(インフルエンザ予防接種をしてもインフルエンザにかかる場合があります)。「日本呼吸器学会」でも同様の見解を述べております。
【インフルエンザB型の予防と対策6】手洗い・手の消毒
手についたウイルスが口や鼻に入るというのが、インフルエンザウイルスの感染経路としてとても多いケースです。したがって、インフルエンザの予防として最もお勧めなのは、手洗い・手の消毒になります。手洗い・手の消毒をこまめに行えばウイルスを撃退し、インフルエンザウイルスの感染を防ぐことができますので、小まめに手洗い・手の消毒を行ってください。
【インフルエンザB型の予防と対策7】うがい
うがいは、のどに付着したウイルスの数を減らしたり、洗い流したりするために有効と言われています。口の中をきれいに保てば、口からうつる「インフルエンザ」や「風邪」などの感染症を防ぐことができますので、外出先から戻ったら「うがい」を行ってください。
インフルエンザB型の診断
インフルエンザには、診断基準(インフルエンザ診断マニュアル)が設けられております。インフルエンザの診断基準では、インフルエンザの流行期間中(11~4月)に以下の4つの項目をすべて満たす場合、インフルエンザと診断されます。
・突然の発症
・高熱
・上気道炎症状
・全身倦怠感等の全身症状
近年、インフルエンザの流行期間以外でも「インフルエンザ」を発症することがあったり、症状が軽度だったりするケースも多いです。したがって現在は、検査によって診断確定を行うのが一般的です。インフルエンザの検査には、次の4種類があります。
<迅速診断キットを使用した検査>
迅速診断キットによる検査は、綿棒でのどや鼻の奥の粘膜をこすり、そこについた組織や分泌物からウイルスを検出する検査です。迅速診断キットによる検査は、短時間(10分~15分)で簡便に診断できるだけでなく、A型とB型の鑑別も可能です。したがって現在、最も主流となっている検査になります。
<PCR検査>
PCR検査は、のどや鼻の奥を拭い採取した液を検体とし、インフルエンザウイルスの遺伝子を検出する検査です。PCR検査では、ウイルスの型や構造を詳細に調べることができます。そのため、「新型ウイルスであるかどうか」を判定することが可能です。
<ウイルス分離検査>
ウイルス分離検査は、のどや鼻の奥を拭って採取した液からウイルスを分離して判定する検査です。ウイルス分離検査は、結果が出るまでに「1週間程度」かかりますが、ウイルスの種類などまで詳しく分かります。したがって、非常に優れた検査と言われております。
<血清抗体検査>
血清抗体検査は、インフルエンザの発症後1週間以内と、症状が治まった頃にもう1回の計2回、採血を行って「インフルエンザウイルスに対する抗体ができているか」を調べます。ただし、結果が得られるまでに通常2週間程度かかるため、現在では、あまり行われていません。
インフルエンザB型の治療法
インフルエンザB型の治療では、抗インフルエンザ薬を用いた「薬物療法」のほか、症状を緩和するための「対症療法」が行われます。
<抗インフルエンザ薬を用いた薬物療法>
抗インフルエンザ薬は、インフルエンザウイルスの増殖を抑制し、症状の軽減や回復を促進します。ただし、抗インフルエンザ薬は、症状が出てから2日以内に投与を開始する必要があるため、診断が遅れると効果が薄れることがあります。なお、残念ながらインフルエンザの治療薬として使用される「抗インフルエンザ薬」は、市販薬では販売されていません。そして、市販の風邪薬はインフルエンザを完治させるほどの効果は期待できません。したがって、インフルエンザが疑われる場合は医療機関を受診してください。
<対症療法>
対症療法とは、直接の原因を治すのではなく、今みられる症状に対して一時的に症状を和らげる治療法です。例えば、高熱の場合は解熱鎮痛薬を使用し、黄色い痰など細菌の二次感染が疑われる場合には、抗生物質を使用します(抗生物質はウイルス感染に対して効果がないことに留意する必要があります)。なお、水分補給や栄養摂取が困難な場合には、点滴による補液が必要となる場合があります。
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし、「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。なお、当院では、予約なしでインフルエンザ予防接種を実施しております。現在、診察時間内であれば当日の接種も可能ですので、突然の接種希望にも柔軟に対応できます。インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2025.02.04
インフルエンザA型の特徴や症状、薬について
内科に関する記事です。
この記事では、「インフルエンザA型の特徴」について解説していきます。後半部分では、「インフルエンザA型の予防と対策」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インフルエンザA型とは
インフルエンザA型の症状と重症化のリスク
インフルエンザA型の種類について
インフルエンザA型の予防と対策
インフルエンザA型の診断
インフルエンザA型の治療法
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザA型とは
インフルエンザは、鼻や口から侵入した「インフルエンザウイルス」が肺や気道で感染・増殖することで引き起こされる疾患です。現在、ヒトに感染するインフルエンザウイルスには、A型、B型、C型の3種類があり、その中で最も流行しやすく、厄介なのがA型と言われています。A型インフルエンザウイルスは、他と比べて症状が激しく、強烈な症状が出やすいのが特徴です。また、A型インフルエンザウイルスの型は140種類以上もあるうえ、感染した人や動物の体内でどんどん進化していくため、新型のウイルスが次々に現れます。そのため、免疫を持っている人が少なく、ワクチンが有効でないウイルスが現れることもあります。このような理由から、A型インフルエンザウイルスは「世界的な大流行を起こす可能性がある」と考えられております。「国立感染症研究所」や「厚生労働省」でも同様の見解を述べております。
インフルエンザA型の症状と重症化のリスク
インフルエンザA型は、他の型に比べて症状が強く現れる傾向があります。具体的には、A型インフルエンザウイルスに感染後は、1〜3日の潜伏期間を経た後に、悪寒、のどの痛み、頭痛、筋肉痛、せき、鼻水、38度前後の高熱などの症状が急激に現れます。特に免疫力の低下している高齢者や小児、心疾患や呼吸器疾患を持っている場合は、「肺炎」や「脳症」などの合併症を併発する可能性が高く、重症化するケースもあるため注意が必要です。したがって、インフルエンザA型は、早い段階で自分がインフルエンザウイルスに感染していることに気づき、適切な対処をすることが重要になります。
インフルエンザA型の種類について
A型インフルエンザウイルスは、ウイルス表面のタンパク質である「ヘマグルチニン」と「ノイラミニダーゼ」の組み合わせにより、さらに亜型に分類されます。そのため、A型インフルエンザウイルスは144種類の型(亜型)に分けられます。なお現在、ヒトに感染するインフルエンザウイルスは、インフルエンザA(H1N1)とA(H3N2) の2種類です。これらのウイルスは、さらにそれぞれの中で毎年のように小さい変異を経て、進化し続けています。
インフルエンザA型の予防と対策
A型インフルエンザウイルスへの感染を予防するためには、手洗い・消毒などの基本的な感染対策を徹底することが重要です。以下、インフルエンザウイルスの感染を防ぐためのポイントになります。
【インフルエンザA型の予防と対策1】マスクを着用する
マスクによるインフルエンザ予防は、効果が薄いことが示されています。ただし、全く効果がないわけではありません。近くにいる誰かが「くしゃみ」や「咳」をしたときには、マスクによって飛沫感染を防ぐことができます。また、「くしゃみ」や「咳」が出る人が周囲にウイルスを拡散しないためにもマスクは有効です。したがって、人混みに出る場合などにはマスクの着用をお勧めします。
【インフルエンザA型の予防と対策2】人混みに出ない
インフルエンザが流行している時期は、不要な外出は避けたほうが安心です。「ショッピングセンター」や「繁華街」などの人混みでインフルエンザに感染することも多いため、インフルエンザが流行している時期は、ご注意ください。なお、やむを得ず外出する場合は、なるべく短時間で済ませることをお勧めします。
【インフルエンザA型の予防と対策3】適度な湿度を保つ
空気が乾燥すると、のどの粘膜の“防御機能”が低下します。したがって、乾燥しやすい室内では加湿器の使用をお勧めします。免疫効果を正常に作用させるためには50~60%程度の湿度が必要になりますので、加湿器などで“室内の湿度”を適切に維持するよう心掛けてください。
【インフルエンザA型の予防と対策4】インフルエンザ予防接種
インフルエンザの重症化を予防するためにも「インフルエンザ予防接種」を推奨します。インフルエンザ予防接種は、インフルエンザの重症化を防ぐ効果があります。インフルエンザは悪化すると、気管支炎や肺炎、脳症などの重篤な合併症を引き起こす恐れがありますので、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします(インフルエンザ予防接種をしてもインフルエンザにかかる場合があります)。「日本呼吸器学会」でも同様の見解を述べております。
【インフルエンザA型の予防と対策5】毎日の食事で免疫力を高める
インフルエンザウイルスの感染を防ぐためには、毎日の食事で免疫力を高めて、「インフルエンザにかからない体づくり」をすることも大切です。具体的には、免疫システムに欠かせない「ビタミンC」と体のエネルギー産生に必要な「ビタミンB1群」、鼻やのどの粘膜を強化する働きのある「ビタミンB2」「ビタミンB6」を多くとることがポイントになります。なお、免疫力を高めるためには1日3食、規則正しく食べることも大切です。免疫力を高めるためにも、栄養バランスのとれた食事と良好な生活習慣を心掛けてください。
【インフルエンザA型の予防と対策6】手洗い・手の消毒
手についたウイルスが口や鼻に入るというのが、インフルエンザウイルスの感染経路としてとても多いケースです。したがって、インフルエンザの予防として最もお勧めなのは、手洗い・手の消毒になります。手洗い・手の消毒をこまめに行えばウイルスを撃退し、インフルエンザウイルスの感染を防ぐことができますので、小まめに手洗い・手の消毒を行ってください。
【インフルエンザA型の予防と対策7】うがい
うがいは、のどに付着したウイルスの数を減らしたり、洗い流したりするために有効と言われています。口の中をきれいに保てば、口からうつる「インフルエンザ」や「風邪」などの感染症を防ぐことができますので、外出先から戻ったら「うがい」を行ってください。
インフルエンザA型の診断
インフルエンザには、診断基準(インフルエンザ診断マニュアル)が設けられております。インフルエンザの診断基準では、インフルエンザの流行期間中(11~4月)に以下の4つの項目をすべて満たす場合、インフルエンザと診断されます。
・突然の発症
・高熱
・上気道炎症状
・全身倦怠感等の全身症状
近年、インフルエンザの流行期間以外でも「インフルエンザ」を発症することがあったり、症状が軽度だったりするケースも多いです。したがって現在は、検査によって診断確定を行うのが一般的です。インフルエンザの検査には、次の4種類があります。
<迅速診断キットを使用した検査>
迅速診断キットによる検査は、綿棒でのどや鼻の奥の粘膜をこすり、そこについた組織や分泌物からウイルスを検出する検査です。迅速診断キットによる検査は、短時間(約5分)で簡便に診断できるだけでなく、A型とB型の鑑別も可能です。したがって現在、最も主流となっている検査になります。
<PCR検査>(当院では実施しておりません)
PCR検査は、のどや鼻の奥を拭い採取した液を検体とし、インフルエンザウイルスの遺伝子を検出する検査です。PCR検査では、ウイルスの型や構造を詳細に調べることができます。そのため、「新型ウイルスであるかどうか」を判定することが可能です。
<ウイルス分離検査>
ウイルス分離検査は、のどや鼻の奥を拭って採取した液からウイルスを分離して判定する検査です。ウイルス分離検査は、結果が出るまでに「1週間程度」かかりますが、ウイルスの種類などまで詳しく分かります。したがって、非常に優れた検査と言われております。
なおウィルス分離検査は一般的なクリニックでは行いません。
<血清抗体検査>(当院では実施しておりません)
血清抗体検査は、インフルエンザの発症後1週間以内と、症状が治まった頃にもう1回の計2回、採血を行って「インフルエンザウイルスに対する抗体ができているか」を調べます。ただし、結果が得られるまでに通常2週間程度かかるため、現在では、あまり行われていません。
インフルエンザA型の治療法
インフルエンザA型の治療では、抗インフルエンザ薬を用いた「薬物療法」のほか、症状を緩和するための「対症療法」が行われます。
<抗インフルエンザ薬を用いた薬物療法>
抗インフルエンザ薬は、インフルエンザウイルスの増殖を抑制し、症状の軽減や回復を促進します。ただし、抗インフルエンザ薬は、症状が出てから2日以内に投与を開始する必要があるため、診断が遅れると効果が薄れることがあります。なお、残念ながらインフルエンザの治療薬として使用される「抗インフルエンザ薬」は、市販薬では販売されていません。そして、市販の風邪薬はインフルエンザを完治させるほどの効果は期待できません。したがって、インフルエンザが疑われる場合は医療機関を受診してください。
<対症療法>
対症療法とは、直接の原因を治すのではなく、今みられる症状に対して一時的に症状を和らげる治療法です。例えば、高熱の場合は解熱鎮痛薬を使用し、黄色い痰など細菌の二次感染が疑われる場合には、抗生物質を使用します(抗生物質はウイルス感染に対して効果がないことに留意する必要があります)。なお、水分補給や栄養摂取が困難な場合には、点滴による補液が必要となる場合があります。
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし、「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。なお、当院では、予約なしでインフルエンザ予防接種を実施しております。現在、診察時間内であれば当日の接種も可能ですので、突然の接種希望にも柔軟に対応できます。インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2025.02.04
鼻から接種するインフルエンザワクチン「フルミスト点鼻液」とは?
内科に関する記事です。
この記事では「フルミスト点鼻液」について解説していきます。後半部分では「フルミスト点鼻液の接種方法」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
鼻から接種するインフルエンザワクチン「フルミスト®(FluMist®)点鼻液」とは?
フルミスト点鼻液の特徴
フルミスト点鼻液の接種方法
従来の注射型ワクチンとフルミスト点鼻液の違い
フルミスト点鼻液接種の注意点
フルミスト点鼻液接種の費用と助成制度
フルミスト点鼻液に関するよくある質問(FAQ)
フルミスト点鼻液をご希望の方へ
鼻から接種するインフルエンザワクチン「フルミスト」とは?
フルミスト®(FluMist®)点鼻液は、インフルエンザの予防接種として使用される鼻噴霧型のワクチンです。従来の注射型インフルエンザワクチンとは異なり、鼻から噴霧して使用する新しいタイプのワクチン(経鼻弱毒生インフルエンザワクチン接種)です。
フルミスト点鼻液は注射ではなく、鼻の中に直接スプレーすることで投与されるため、「痛くない」ワクチンとして、注射を嫌がるお子さんにとって非常に有効な選択肢の一つとなります。また、「生ワクチン」であるため、鼻腔粘膜を通じて局所免疫を誘導し、より自然な免疫応答を引き起こすとされています。そのため、従来のワクチンでは十分な効果が得られなかった方々や、注射を苦手とする人々にとって新たな選択肢となることが期待されています。なお、フルミスト点鼻液(経鼻弱毒生インフルエンザワクチン接種)は、海外では長年使用されており、その有効性と安全性が広く認められています。
日本では、海外での使用実績や臨床試験データを踏まえ、2024-2025シーズンから使用が認められました(鼻スプレー型のインフルワクチンを了承)。そのため、多くの医療機関では、2024年10月頃から接種可能となる予定です。ただし、フルミスト点鼻液は輸入ワクチンであるため、入荷状況によって接種開始時期が前後する可能性があります。医療機関によって接種開始日が若干異なる可能性がありますので、お近くの医療機関に確認することをお勧めします。
フルミスト点鼻液の特徴
フルミスト点鼻液(経鼻弱毒生インフルエンザワクチン接種)の最大の特徴は、従来の注射型ワクチンとは異なり、生きた弱毒化インフルエンザウイルスを使用している「生ワクチン」であることです。
具体的には、インフルエンザA型2種類とB型2種類、合計4種類の株が含まれており、幅広い種類のインフルエンザウイルスに対する防御を提供します。また、フルミスト点鼻液の効果メカニズムは、従来のワクチンとは大きく異なります。注射型ワクチンが主にIgG抗体を誘導するのに対し、フルミスト点鼻液は気道分泌型IgA抗体も誘導します(IgA抗体は粘膜表面で働く抗体で、ウイルスの侵入を最前線で防ぐ役割があります)。
これにより、特に小児において高い予防効果が期待されています。さらに、フルミスト点鼻液は生きたウイルスを使用しているため、体内でより自然な免疫応答を引き起こします。この特性により、流行しているインフルエンザウイルスの株が、ワクチンに含まれる株と完全に一致しない場合でも、ある程度の防御効果が期待できます。
これらの特徴に加え、「痛くない」接種方法であることから、フルミスト点鼻液は特に小児や若年層のインフルエンザ予防において、効果的な選択肢となる可能性があります。ただし、すべての人に適しているわけではないため、接種の際は医療専門家との相談が重要です。
フルミスト点鼻液の接種方法
フルミスト点鼻液(経鼻インフルエンザワクチン)の接種は両鼻に0.1mlずつ噴霧することで完了します。通常は1回の接種で十分です。
しかし9歳未満で初めて接種する場合には、数週間の間隔をあけて2回の接種が推奨されています(フルミスト点鼻液は「痛くない」ワクチンです)。なお、フルミスト点鼻液の対象年齢は2歳から19歳です。
もし「痛くない」方法でワクチン接種をお考えでしたら、従来の注射型インフルエンザワクチンではなく、フルミスト点鼻液をお勧めします。
従来の注射型ワクチンとフルミスト点鼻液の違い
フルミスト点鼻液(経鼻弱毒生インフルエンザワクチン接種)は従来の注射型ワクチンとは異なり、鼻から噴霧して使用する新しいタイプのワクチンです。そのため、注射による腕の腫れは起こらないので、注射部位が腫れやすい方にはフルミスト点鼻液が安心です。
また、この「生ワクチン」の最大の特徴は、鼻腔粘膜での局所免疫形成を促進することです。ウイルスが最初に侵入する場所である鼻腔で直接的に免疫を誘導することで、より効果的にインフルエンザの感染を防ぐことができると考えられています。ただし、どちらのワクチンにも一長一短があり、個人の状況や医療従事者の判断に基づいて最適な選択をすることが重要です。
したがって、インフルエンザ予防接種をご検討中の方には、かかりつけの医師や専門医に相談することをお勧めします。医師との相談を通じて、ワクチンの効果や潜在的な副作用についても正確な情報を得ることができるため、より安心して予防接種(経鼻弱毒生インフルエンザワクチン接種を含む)を受けることが可能となります。
フルミスト点鼻液接種の副反応
フルミスト点鼻液(経鼻弱毒生インフルエンザワクチン接種)は、他のワクチンと同様に副反応が生じる可能性があります。ここでは、フルミスト点鼻液(経鼻弱毒生インフルエンザワクチン接種)の主な副反応について解説します。
【フルミスト点鼻液(生ワクチン)の接種は痛くない|副反応1】鼻炎症状
最も一般的な副反応は鼻炎症状です。接種後3〜7日以内に、約40〜50%の方に鼻水や鼻づまりが現れることがあります。これは鼻腔内への直接的な刺激が原因と考えられ、特に若年層で多く見られます。ただし、通常は軽度で一時的なものです。
【フルミスト点鼻液(生ワクチン)の接種は痛くない|副反応2】感冒様症状
次に多いのが感冒様症状です。喉の痛み、咳、軽度の発熱など、風邪に似た症状が現れることがあります。これは免疫系の反応によるもので、一般的には数日で改善します。なお、これらの症状が出た場合は、十分な休息と水分補給が大切です。
【フルミスト点鼻液(生ワクチン)の接種は痛くない|副反応3】頭痛
約3〜9%の接種者が頭痛を経験する可能性があります。ただし多くの場合、軽度なため鎮痛剤で対応可能です。
【フルミスト点鼻液(生ワクチン)の接種は痛くない|副反応4】その他の症状
その他には、咽頭痛が5〜10%、発熱が約10%の方に見られることがあります。ただし、これらも通常は軽度で短期間のものです。
副反応のほとんどは一時的で、数日以内に自然に解消します。しかし、症状が長引いたり重篤化したりする場合は、速やかに医師の診察を受けることをお勧めします。個人の健康状態や体質によって副反応の現れ方は異なるため、接種前に医師と相談し、自身に適したワクチン選択をすることが重要です。
フルミスト点鼻液接種の注意点
フルミスト点鼻液(経鼻弱毒生インフルエンザワクチン接種)は多くの人にとって安全で効果的なワクチンですが、接種に際しては以下の注意点を十分に理解することが重要です。
<接種できない方>
① 2歳未満および19歳以上の方
② 過去1年以内に喘息発作を起こした方
③ 妊娠中の女性(ただし、授乳中は接種可能とされています)
④ 重度の免疫不全患者、およびその家族や介護者
⑤ アスピリンを長期内服中の小児
⑥ 重度の卵アレルギー、ゼラチンアレルギー、ゲンタマイシンやアルギニンにアレルギーがある方
<注意が必要な方>
① 心臓病、重度の呼吸器疾患、肝臓病、糖尿病、貧血、神経疾患のある方
② 過去にアナフィラキシーやギランバレー症候群の経験がある方
③ 血液疾患、腎機能障害のある方
④ 接種当日に鼻炎症状が顕著な方(ワクチンの効果が減弱する可能性があるため)
これらの条件に該当する方は、フルミスト点鼻液の接種を避けるか、接種前に必ず医師と相談する必要があります。また、非常にまれではありますが、重篤な副反応(アナフィラキシーショックやギランバレー症候群など)が報告されていることにも留意してください。
フルミスト点鼻液を安全に接種するためにも、自身の健康状態や既往歴を正確に医師に伝え、個別の状況に応じた適切なアドバイスを受けることが大切です。特に基礎疾患がある場合や、過去にワクチンで深刻なアレルギー反応を経験したことがある場合は、慎重な判断が必要です。
フルミスト点鼻液接種を検討する際は、これらの注意点を踏まえつつ、インフルエンザ予防の重要性と個人のリスクを総合的に考慮し、医療専門家と相談の上で判断することをお勧めします。
フルミスト点鼻液接種の費用と助成制度
フルミスト点鼻液(経鼻インフルエンザワクチン)の接種費用は医療機関によって異なりますが、10,000円前後で価格設定されているところが多いです。フルミスト点鼻液(経鼻弱毒生インフルエンザワクチン接種)は保険適用外のワクチンであるため、全額自己負担となりますので、ご注意ください。
ただし、厚生労働省が承認したフルミスト点鼻液(第一三共が製造・2~19歳未満が対象)につきましては、一部の自治体でインフルエンザ予防接種補助の対象となっています。この助成制度の適用は地域によって異なるため、お住まいの自治体の保健所や医療機関に確認することをお勧めします。
なお、未承認のフルミスト点鼻液(経鼻弱毒生インフルエンザワクチン接種)につきましては補助対象外となりますので、ご注意ください(未承認のワクチンの場合、万が一副作用が起きても予防接種法の救済制度の対象外となるためです)。
フルミスト点鼻液に関するよくある質問(FAQ)
ここでは、フルミスト点鼻液に関するよくあるご質問に簡潔にお答えいたします。
【フルミスト点鼻液(経鼻インフルエンザワクチン)|質問1】フルミスト点鼻液の効果はどれくらいですか?
フルミスト点鼻液は、従来の注射型ワクチンと同等以上の効果があるとされています。特に小児では、注射型よりも高い予防効果が報告されています。
【フルミスト点鼻液(経鼻インフルエンザワクチン)|質問2】フルミスト点鼻液は痛くないの?
はい、フルミスト点鼻液は「痛くない」ワクチンです。鼻から噴霧して使用するため、従来の注射型ワクチンのような痛みはありません。したがって、フルミスト点鼻液は注射を苦手とする方や小さなお子さんにとって、より快適な接種方法といえます。もし「痛くない」方法でワクチン接種をお考えでしたら、従来の注射型インフルエンザワクチンではなく、フルミスト点鼻液をお勧めします。
【フルミスト点鼻液(経鼻インフルエンザワクチン)|質問3】注射型ワクチンと併用は可能ですか?
可能です。例えば、2回接種対象者で1回目を注射型、2回目をフルミスト点鼻液で接種することができます(併用による追加的な効果について明確な科学的根拠はありません)。
【フルミスト点鼻液(経鼻インフルエンザワクチン)|質問4】卵アレルギーがある人でも接種可能ですか?
フルミスト点鼻液には卵成分が含まれています。したがって、重度の卵アレルギーやゼラチンに対するアナフィラキシーの既往がある方は、フルミスト点鼻液の接種を避けてください。軽度のアレルギーについては、事前に医師にご相談ください。
【フルミスト点鼻液(経鼻インフルエンザワクチン)|質問5】生ワクチンとは?
生ワクチンとは、弱毒化された生きたウイルスを使用したワクチンのことです。フルミスト点鼻液は「経鼻弱毒生インフルエンザワクチン」の一種で、生きたインフルエンザウイルスを弱毒化して作られています。生ワクチンは体内でより自然な免疫応答を引き起こすため、効果的な免疫を獲得できる可能性が高いとされています。
【フルミスト点鼻液(経鼻インフルエンザワクチン)|質問6】風邪のような症状が出ることがありますか?
接種後1週間以内に、30〜40%の方に鼻水や咳などの軽い風邪様症状や微熱がみられることがあります。これらの症状は通常1週間程度で治まります。なお、接種後に鼻漏やくしゃみが見られても再投与の必要はありません。ただし、接種時に強い抵抗があり十分に噴霧できなかった場合は、効果が期待できないことがあります(この場合も再投与の必要はありません)。
【フルミスト点鼻液(経鼻インフルエンザワクチン)|質問7】花粉症や鼻炎がある場合でも接種できますか?
症状が落ち着いている状態であれば接種可能です。ただし、鼻汁が多い状態では効果が減弱する可能性があるため、症状が軽快してからの接種をお勧めします。
【フルミスト点鼻液(経鼻インフルエンザワクチン)|質問8】迅速検査で陽性反応が出ることがありますか?
はい、フルミスト点鼻液は生ワクチンのため、接種後2週間程度はインフルエンザの迅速検査で陽性反応が出る可能性があります。
ご不明な点やさらに詳しい情報が必要な場合は、診察時にお尋ねください。個々の状況に応じて、最適なアドバイスをさせていただきます。
フルミスト点鼻液をご希望の方へ
フルミスト点鼻液(経鼻インフルエンザワクチン)は、インフルエンザの予防接種として使用される鼻噴霧型のワクチンです。従来の注射型インフルエンザワクチンとは異なり、鼻から噴霧して使用する新しいタイプのワクチン(経鼻弱毒生インフルエンザワクチン接種)です。
フルミスト点鼻液は注射ではなく、鼻の中に直接スプレーすることで投与されるため、注射を嫌がるお子さんにとって非常に有効な選択肢の一つとなります。
当院では2024年10月3日よりフルミストの接種を開始いたします。
フルミスト点鼻液にご興味のある方や詳細を知りたい方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
当日の順番予約はこちらから
2024.10.13
インフルエンザ合併症:副鼻腔炎の症状と予防法を解説
内科に関する記事です。
この記事では、インフルエンザ合併症の一つ「副鼻腔炎」について解説していきます。後半部分では、「副鼻腔炎の診断方法」や「副鼻腔炎の治療法」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インフルエンザの基本知識
インフルエンザによる合併症のリスク
インフルエンザ合併症の一つ、副鼻腔炎とは?
急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎の違い
インフルエンザと副鼻腔炎の関係
インフルエンザ合併症:副鼻腔炎の診断方法
インフルエンザ合併症:副鼻腔炎の治療法
インフルエンザ合併症:副鼻腔炎の予防方法
インフルエンザと副鼻腔炎の予防方法
インフルエンザや副鼻腔炎について不安な方はいつでもご相談ください。
インフルエンザの基本知識
インフルエンザは、鼻や口から侵入した「インフルエンザウイルス」が肺や気道で感染・増殖することで引き起こされる疾患です。感染してから約1~3日間程度の潜伏期間の後に38℃以上の高熱、関節痛、頭痛、全身倦怠感などが突然あらわれます。以下、インフルエンザの主な症状です。
・発熱
・全身倦怠感
・喉の痛み
・悪寒
・関節痛・筋肉痛
・頭痛
・食欲不振
・吐き気
・下痢
・咳・痰
・鼻水
ひと口に「インフルエンザウイルス」と言ってもウイルスの型によって流行時期や症状が異なります。したがって、インフルエンザの検査をする際は、ウイルスの型も特定します。なお、現在、インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型、D型の4種類があります。この中でヒトに感染するインフルエンザウイルスは、A型、B型、C型の3種類です。D型に関しては、ヒトに感染することはなく、家畜にのみ感染します。詳しくは「厚生労働省の公式サイト」や「国立感染症研究所の公式サイト」をご覧ください。
インフルエンザによる合併症のリスク
通常、インフルエンザウイルスに感染してから1~3日間程度の潜伏期間の後に、38℃以上の高熱、関節痛、頭痛、全身倦怠感などが突然あらわれます。そして、その後に鼻水や咳などの症状が出現し、約1週間程度で軽快するのが典型的なインフルエンザの症状です。しかし、一部の患者さんでは、インフルエンザ感染後に深刻な合併症を引き起こす可能性があります。代表的な合併症の一つは肺炎です。インフルエンザウイルスが肺に感染することでウイルス性肺炎が発生し、さらに細菌が二次感染を引き起こす場合、細菌性肺炎が併発することがあります。これにより呼吸困難や低酸素症が起こり、生命を脅かすことがあります。また、インフルエンザは心臓や循環器系にも影響を与えます。具体的には、心筋炎や心膜炎、さらには既存の心疾患の悪化を引き起こすことがあります。特に心不全や冠動脈疾患を持つ人々は、インフルエンザによるリスクが高まります。さらに、脳炎や脳症といった神経系の合併症も発生する可能性があります。これらは意識障害や痙攣を引き起こし、重篤な後遺症を残すことがありますので、注意が必要です。なお、これらの合併症を防ぐためには、インフルエンザ予防接種が重要です。インフルエンザ予防接種は、重症化や合併症のリスクを大幅に減少させる効果があります。また、感染予防のために手洗いやマスクの着用、適切な栄養と休養を心掛けることも重要です。インフルエンザの合併症は深刻な健康リスクを伴うため、早期の予防と適切な対処が不可欠です。「厚生労働省の公式サイト」でも同様の見解を述べています。
インフルエンザ合併症の一つ、副鼻腔炎とは?
副鼻腔炎とは、鼻腔の周りにある「副鼻腔」が炎症を起こす疾患です。副鼻腔炎は「蓄膿症(ちくのうしょう)」とも呼ばれ、風邪のウイルスや細菌、アレルギーなどにより、副鼻腔の粘膜に炎症が起こることで発症します。特にインフルエンザでは、免疫力が低下しやすいため、副鼻腔炎を引き起こしやすいとされています。副鼻腔炎の基本的な症状には、まず鼻づまりがあります。これは、副鼻腔の炎症や腫れによって鼻腔が狭くなり、呼吸がしにくくなるためです。また、鼻水が増え、その色が黄色や緑色に変わることも一般的です。さらに、頭痛や顔面の痛みも副鼻腔炎の代表的な症状です。特に前頭部や頬骨の周囲に痛みを感じることが多く、これが頭痛と誤認されることもあります。なお、嗅覚の低下もよく見られる症状の一つです。鼻づまりや鼻水によって嗅覚が妨げられ、匂いを感じにくくなることがあります。これにより、食欲が減少することもあります。慢性的な副鼻腔炎になると、疲労感や集中力の低下、さらに全身のだるさを感じることがあります。これらの症状は、日常生活に大きな影響を及ぼし、生活の質を低下させる要因となりますので、ご注意ください。「副鼻腔炎について解説しているサイト」でも同様の見解を述べています。
急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎の違い
副鼻腔炎は、急性と慢性の二つに分類されます。これらは持続期間や症状の重さ、治療法に違いがあります。
<急性副鼻腔炎>
急性副鼻腔炎は、通常1ヶ月以内に治まる短期間の炎症を指します。主な原因はウイルス感染や細菌感染で、風邪やインフルエンザから派生することが多いです。急性副鼻腔炎の症状には、鼻づまり、黄色や緑色の鼻水、頭痛、顔面の痛み、嗅覚の低下などが含まれます。これらの症状は急激に現れ、日常生活に支障をきたすことがあります。なお、急性副鼻腔炎の治療には、抗生物質や鼻腔スプレー、鎮痛薬などが用いられ、多くの場合、適切な治療によって症状は数週間で改善します。
<慢性副鼻腔炎>
慢性副鼻腔炎は、12週間以上続く長期間の炎症を指します。原因は複雑で、アレルギー、環境要因、免疫系の異常などが関与することが多いです。慢性副鼻腔炎の症状は、急性副鼻腔炎と似ていますが、持続的で慢性的な鼻づまり、持続する鼻水、顔面の圧迫感や痛み、持続的な咳、疲労感などが特徴です。これにより、生活の質が大きく低下することがあります。なお、慢性副鼻腔炎の治療には、長期にわたる薬物療法や、場合によっては手術が必要となることがあります。特にポリープの除去や副鼻腔の排出を改善するための手術が行われることがあります。
インフルエンザと副鼻腔炎の関係
インフルエンザウイルスが鼻や喉の粘膜に感染すると、これらの部位に炎症が生じます。炎症が発生すると、粘膜が腫れ、分泌物が増加します。この腫れと分泌物の増加が、副鼻腔の排出を妨げ、副鼻腔内の炎症を引き起こします。副鼻腔は、鼻腔とつながっている空洞で、通常は空気が通り、粘液が正常に排出されることで健康を保っています。しかし、インフルエンザによる鼻の粘膜の腫れが副鼻腔の開口部を狭くし、粘液の排出を阻害します。これにより、粘液が副鼻腔内にたまり、細菌やその他の病原体が繁殖しやすくなります。さらに、インフルエンザウイルス自体が副鼻腔の粘膜に感染することもあります。ウイルス感染は、副鼻腔の粘膜にさらなる炎症を引き起こし、免疫反応を強化します。この結果、副鼻腔内に膿がたまりやすくなり、急性副鼻腔炎が発生します。また、インフルエンザに伴う全身の免疫力低下も、副鼻腔炎のリスクを高める要因となります。体がウイルスと戦うために免疫力を消耗することで、副鼻腔内の細菌や病原体に対する抵抗力が弱まり、感染が起こりやすくなるのです。以上のように、インフルエンザは鼻や喉の粘膜の炎症、副鼻腔の排出障害、免疫力の低下を通じて副鼻腔炎を引き起こします。したがって、インフルエンザの予防と適切な治療が「副鼻腔炎の予防」に重要です。早期の診断と適切な対処が副鼻腔炎のリスクを減少させるのに役立ちます。
インフルエンザ合併症:副鼻腔炎の診断方法
副鼻腔炎の診察では、まず患者さんに「どのような症状があり、いつから困っているのか」を確認する問診を行います。そして次に、鼻腔や喉の状態を検査します。さらに必要に応じて、血液検査や内視鏡検査、画像検査(CTスキャンなど)が実施されることもあります。以下、診察の流れです。
<問診>
症状が現れた時期や、その発生原因となるきっかけについて伺います。また、現在「どのような症状があるのか」についても詳しく確認します。
<鼻腔内の検査>
鼻腔の状態を詳しく観察するために、鼻鏡や内視鏡を使用します。検査では、鼻腔内が赤くなっているか、腫れているか、さらには鼻水の質(サラサラしているかドロドロしているか)を確認します。また、鼻茸(鼻ポリープ)の存在もチェックします。特に、治療が難しい慢性副鼻腔炎の一種である「好酸球性副鼻腔炎」の確実な診断には、内視鏡検査が不可欠です。内視鏡は視認しづらい部位まで詳しく観察できるため、鼻茸が詰まっている場所の詳細な状態を把握するのに非常に有効です。
<画像検査>
内視鏡による診察の後、必要に応じてCTスキャンやX線(レントゲン)検査を行います。CTスキャンでは、副鼻腔内に膿がたまっているかどうかを確認します。CT画像では、空気が入っている部分は黒く表示され、厚みのある組織や骨は白く写ります。正常な副鼻腔は空気が満たされているため黒く見えますが、副鼻腔炎があると粘膜が腫れていたり、膿が溜まっていたりして、グレーや白く映ります。また、X線検査でも、炎症がある部分を確認することができます。ただし、特に治療が難しい慢性副鼻腔炎の一種である好酸球性副鼻腔炎を正確に診断するためには、CTスキャンなどの画像検査が重要です。
<血液検査>
慢性副鼻腔炎の中でも、治りにくい好酸球性副鼻腔炎では、好酸球の増加が見られることがあります。このため、血液検査を行い、血液中の好酸球の数を測定します。特に、好酸球性副鼻腔炎を確定的に診断するには、血液検査が不可欠です。
<嗅覚検査>
特定の症状が見られる場合には、嗅覚検査を行います。この検査では、どれほどの匂いの感覚が失われているかを確認します。日本では、保険適用が認められている「基準嗅力検査」と「静脈性嗅覚検査」が実施されます。基準嗅力検査では、5種類の基準臭を薄い濃度から徐々に嗅いでいき、匂いを識別できるかどうかを評価します。一方、静脈性嗅覚検査では、アリナミン®注射液を静脈に注射します。この液は、ニンニクの主要成分に類似した成分を含んでおり、注射後にニンニクのような匂いを感じます。なお、検査では、注射開始から匂いを感じるまでの時間と、その後匂いを感じなくなるまでの時間を測定します。
診察では、詳細な問診から始まり、鼻腔内の観察や必要に応じた画像検査、血液検査、嗅覚検査を通じて、包括的に状態を評価します。これにより、症状の根本原因を突き止め、最適な治療法を見つけ出すことができます。症状にお困りの方は、専門的な診察を受け、早期の改善を目指してください。
インフルエンザ合併症:副鼻腔炎の治療法
副鼻腔炎の治療には、症状の重さや原因に応じて様々な方法が用いられます。以下に、主な治療法を紹介します。
【局所療法】
<鼻処置>
鼻腔内の腫れを抑えるために、麻酔薬や血管収縮薬を使用し、詰まった鼻の通りを改善します。また、吸引装置を使って粘度の高い鼻水を取り除きます。
<ネブライザー療法>
鼻孔にノズルを挿入し、霧状にした薬剤(抗菌薬やステロイド薬)を吸入します。これにより、薬が直接鼻腔内に作用し、炎症を抑えます。
<副鼻腔洗浄>
頬の腫れや痛みが強い場合には、鼻腔に麻酔を施し、副鼻腔に針を刺して生理食塩水で洗浄します。これにより、副鼻腔内の膿や炎症物質を除去します。
【薬物療法】
<抗菌薬>
副鼻腔炎の原因となる細菌の活動を抑えるために使用され、細菌感染による炎症の症状を軽減します。
<ロイコトリエン受容体拮抗薬・抗ヒスタミン薬>
これらの薬は、アレルギー反応に関連する物質(ロイコトリエンやヒスタミン)の作用を抑え、鼻づまりや鼻水といった症状を軽減します。
<鼻噴霧用ステロイド(点鼻薬)>
鼻腔内の炎症を抑え、鼻の症状を改善するために使用されます。
<経口ステロイド(飲み薬)>
全身的に作用して炎症を抑える薬です。急激な症状の悪化や鼻茸の再発時に短期間使用されます。長期使用は避け、必要な場合にのみ医師の指示のもとで服用されます。
<生物学的製剤(注射薬)>
新しいタイプの薬で、炎症を引き起こす物質の作用を抑えます。既存の治療が効果を示さなかった場合に使用され、鼻茸の縮小や鼻づまり、嗅覚障害の改善が期待されます。
【手術療法】
内視鏡を用いた手術が一般的です。この手術では、炎症を起こしている粘膜や鼻茸(鼻ポリープ)を取り除き、鼻と副鼻腔をつなぐ通路を広げます。これにより、再発しにくい環境を作り、症状の改善を図ります。
慢性副鼻腔炎(好酸球性副鼻腔炎)は国の指定難病に指定されています。したがって、慢性副鼻腔炎と診断され、かつ認定基準を満たした患者さんは、好酸球性副鼻腔炎の治療にかかった医療費に対して助成を受けることができます。助成を受けるためには、都道府県に申請し、医療受給者証を交付してもらう必要があります。詳しくは「難病情報センターのウェブサイト」をご覧ください。
インフルエンザ合併症:副鼻腔炎の予防方法
インフルエンザウイルスへの感染を予防するためには、手洗いや消毒などの基本的な感染対策を徹底することが重要です。また、副鼻腔炎を予防するためにも手洗いと衛生管理が欠かせません。以下に、インフルエンザと副鼻腔炎の予防方法を解説します。
【インフルエンザと副鼻腔炎の予防方法1】マスクを着用する
マスクによるインフルエンザ予防は効果が薄いことが示されていますが、全く効果がないわけではありません。近くにいる人がくしゃみや咳をした際、マスクによって飛沫感染を防ぐことができます。また、くしゃみや咳が出る人がウイルスを拡散しないためにもマスクは有効です。人混みに出る場合にはマスクの着用をお勧めします。
【インフルエンザと副鼻腔炎の予防方法2】適度な湿度を保つ
空気が乾燥すると、のどの粘膜の“防御機能”が低下します。したがって、乾燥しやすい室内では加湿器の使用をお勧めします。免疫効果を正常に保つためには50~60%程度の湿度が必要です。加湿器などで室内の湿度を適切に維持するよう心掛けてください。
【インフルエンザと副鼻腔炎の予防方法3】人混みに出ない
インフルエンザが流行している時期は、不要な外出は避けたほうが安心です。ショッピングセンターや繁華街などの人混みでインフルエンザに感染することも多いため、流行時には注意が必要です。なお、やむを得ず外出する場合は、なるべく短時間で済ませることをお勧めします。
【インフルエンザと副鼻腔炎の予防方法4】インフルエンザ予防接種
インフルエンザの重症化を予防するためにも「インフルエンザ予防接種」を推奨します。インフルエンザ予防接種は、インフルエンザの重症化を防ぐ効果があります。インフルエンザは悪化すると、気管支炎や肺炎、脳症などの重篤な合併症を引き起こす恐れがありますので、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします(インフルエンザ予防接種をしてもインフルエンザにかかる場合があります)。
【インフルエンザと副鼻腔炎の予防方法5】毎日の食事で免疫力を高める
免疫力を高めるためには、バランスの良い食事が不可欠です。ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6などを多く含む食品を摂取し、規則正しい食事を心掛けてください。栄養バランスの取れた食事と良好な生活習慣が免疫力を高めます。
【インフルエンザと副鼻腔炎の予防方法6】手洗い・手の消毒
手についたウイルスが口や鼻に入るというのが、インフルエンザウイルスの感染経路としてとても多いケースです。したがって、インフルエンザの予防として最もお勧めなのは、手洗い・手の消毒になります。手洗い・手の消毒をこまめに行えばウイルスを撃退し、インフルエンザウイルスの感染を防ぐことができますので、小まめに手洗い・手の消毒を行ってください。
【インフルエンザと副鼻腔炎の予防方法7】うがい
うがいは、のどに付着したウイルスの数を減らしたり、洗い流したりするために有効と言われています。口の中をきれいに保てば、口からうつる「インフルエンザ」や「風邪」などの感染症を防ぐことができますので、外出先から戻ったら「うがい」を行ってください。
【インフルエンザと副鼻腔炎の予防方法8】鼻のケア
鼻洗浄を定期的に行うことで、鼻腔内の異物や病原体を除去し、副鼻腔炎のリスクを低減できます。市販の生理食塩水や専用の鼻洗浄キットを使って、適切に洗浄することが重要です。
以上の予防方法を実践することで、インフルエンザと副鼻腔炎の発症リスクを低減し、健康な生活を維持することができます。
インフルエンザや副鼻腔炎について不安な方はいつでもご相談ください
副鼻腔炎は、副鼻腔が炎症を起こし、痛みや鼻詰まり、頭痛などの症状を引き起こす疾患です。特に、インフルエンザにかかると、その後に副鼻腔炎が発生するリスクが高まります。したがって、インフルエンザが流行する季節には、人混みを避け、マスクを着用し、手洗いやうがいを徹底することが推奨されます。また、バランスの良い食事や十分な睡眠、適度な運動も免疫力を高めるための重要な要素です。インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いですが、「ウイルス性肺炎」や「副鼻腔炎」といった合併症が現れて重症化することもあります。したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨します。なお、当院では、インフルエンザ予防接種を実施しております。予防接種をご希望の方は、お気軽にご連絡ください。また、副鼻腔炎についてご相談したい方、あるいはインフルエンザ予防の方法について確認したい方も、どうぞお気軽にご相談ください。
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2024.06.28
血糖値スパイクとは?眠気・頭痛・治らない原因と対策
内科に関する記事です。
この記事では、「血糖値スパイク」について解説していきます。後半部分では、「血糖値スパイクを予防・改善するための具体的な方法」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
血糖値スパイクとは何か?
血糖値スパイクの原因
血糖値スパイクと眠気の関係
血糖値スパイクと頭痛の関係
血糖値スパイクが治らない原因と対策
血糖値スパイクを予防・改善するための具体的な方法
血糖値スパイクと日常生活の管理
血糖値スパイクとは何か?
血糖値スパイクとは、普段の血糖値は正常なのにもかかわらず、食後に限って血糖値が急上昇、急降下する現象を指します。この現象は、血糖値のグラフがまるで突出した「スパイク」のように上昇することから「血糖値スパイク」と呼ばれています。通常、食後2時間経過時の血糖値は140mg/dL未満であるべきですが、血糖値スパイクの場合は、この基準値を超えて140mg/dL以上になることがあります(健康な方は空腹時血糖値が70~110mg/dL程度です)。なお、血糖値スパイクが繰り返されると、いくつかの健康リスクが生じます。まず、インスリンの過剰分泌を引き起こし、これが長期的にはインスリン抵抗性を高め、2型糖尿病のリスクを増大させます。また、高血糖状態は血管にダメージを与え、動脈硬化を進行させる可能性があります。これにより、心血管疾患のリスクが増加します。さらに、頻繁な血糖値スパイクは、エネルギーの急激な変動を引き起こし、疲労感や集中力の低下を招くことがあります。したがって、血糖値スパイクは早期発見、早期対応が大切です。「厚生労働省のサイト」や「全国健康保険協会のサイト」でも同様の見解を述べております。
血糖値スパイクの原因
血糖値スパイクは、インスリンの分泌が正常に行なわれないことが原因です。老化や肥満などの影響でインスリンを分泌する膵臓の機能が衰えると、適切な量のインスリンを分泌できなかったり、インスリンを分泌するタイミングが遅れたりします。その結果、ブドウ糖を細胞内に取り込めず、血液中のブドウ糖の濃度が急激に上昇し、食後高血糖と呼ばれる状態になります。なお、食事、ストレス、運動不足も血糖値に影響を与える要因です。まず、食事においては、白米やパン、砂糖を多く含む食品は、血糖値を急上昇させます。また、一度に大量の炭水化物を摂取することも血糖値スパイクを引き起こします。次に、ストレスは体内でコルチゾールというホルモンを分泌させ、これが血糖値を上昇させます。そのため、ストレスが長期間続くと、血糖値スパイクが頻繁に起こる可能性があります。最後に、運動不足も血糖値スパイクの一因です。運動は血糖値を下げる効果がありますが、運動不足になるとその効果が得られず、血糖値が高いまま維持されやすくなります。したがって、定期的に運動をするなどの対策が重要です。「血糖値スパイクについて解説しているサイト」でも同様の見解を述べております。
血糖値スパイクと眠気の関係
食事を摂ることで血糖値が上昇します。特に、炭水化物を多く含む食事を摂ると急激な血糖値の上昇が起こります。この急激な血糖値の変動は一時的にエネルギー供給を増加させる反面、その後の急激な下降につながります。この血糖値の急激な変化が、食後に眠気を感じる一因となります。なお、血糖値スパイクによる眠気を予防するためには、いくつかの具体的な対策が有効です。まず、低GI食品を選ぶことが重要です。これには、全粒穀物、野菜、果物、ナッツなどが含まれます。次に、食事のバランスを保つことも大切です。炭水化物、タンパク質、脂質をバランス良く摂取することで、血糖値の急激な上昇を防ぐことができます。また、食後の軽い運動も効果的です。例えば、短い散歩をすることで、血糖値の上昇を抑え、眠気を防ぐことができます。さらに、ストレス管理も重要です。ストレスは血糖値に影響を与え、血糖値スパイクを引き起こす可能性があります。リラクゼーション法や適度な運動、十分な睡眠を取ることで、ストレスを軽減し、血糖値の安定に寄与します。これらの対策を実践することで、血糖値スパイクによる眠気を予防し、生活の質を向上させることができます。食後の眠気対策について詳しく知りたい方は「【医師監修】食後の眠気はなぜ起こるのか?原因と対策を解説」をご覧ください。
血糖値スパイクと頭痛の関係
高血糖が続くと、血液の流れが悪くなるため、首筋・肩・背中にコリが生じやすくなり、それによって慢性的な頭痛が引き起こされることがあります。また、血糖値の急激な変動は、神経系に影響を与え、頭痛を誘発する可能性があります。頭痛を予防するためには、生活習慣の改善が重要です。まず、食事の内容に注意してください。低GI食品を中心に摂取し、急激な血糖値の変動を防ぐことが大切です。また、ストレスを避けることも頭痛予防に効果的です。ストレスは血糖値の変動を促進し、頭痛を引き起こす可能性がありますので、リラクゼーション法やストレス管理技術を取り入れて、ストレスを軽減することが重要です。さらに、適度な運動も頭痛を予防するのに役立ちます。定期的な運動は血糖値の安定化につながり、頭痛の発作を減少させる効果があります。これらの生活習慣の改善ポイントを実践することで、血糖値スパイクによる頭痛のリスクを低減し、健康な生活を送ることができます。
血糖値スパイクが治らない原因と対策
血糖値スパイクが治らない原因は多岐にわたります。まず、食生活の乱れが挙げられます。過剰な糖質や脂質の摂取は血糖値を急上昇させます。また、運動不足も要因の一つです。適切な運動を欠くと、血糖値をコントロールするための筋肉が減少し、スパイクを防ぐための血糖値調節が困難になります。さらに、ストレスや睡眠不足も影響を与えます。ストレスや睡眠不足はホルモンバランスを乱し、血糖値の調節を妨げます。このような要因を改善することで、血糖値スパイクの問題を軽減できる可能性があります。なお、これらの要因は糖尿病とも関係しています。糖尿病では、インスリンの働きが不足しているか、または効果が低下しているため、血糖値が正常範囲を超えて上昇します。血糖値スパイクと糖尿病の関係については「血糖値スパイクとは?症状や原因、糖尿病との関係を解説」をご覧ください。
血糖値スパイクを予防・改善するための具体的な方法
血糖値スパイクを避ける上で大事なのは「食事」と「運動」です。血糖値スパイクを防ぐために、次のような生活習慣を心掛けてください。
【血糖値スパイクを予防・改善するための具体的な方法1】低GI食品を活用
低GI(グリセミック・インデックス)食品は、血糖値の上昇を緩やかにする食品のことを指します。そのため、低GI食品を活用することが血糖値スパイクを予防・改善するために有効です。具体的な低GI食品には、以下のようなものがあります:
野菜 :ほとんどの野菜は低GIであり、特に緑黄色野菜や根菜類が含まれます。
果物 :一部の果物、特にりんごやイチゴなどの酸味のある果物は低GIです。
穀物 :全粒穀物やオートミール、ライ麦パンなどが低GI食品に分類されます。
乳製品:低脂肪の乳製品やヨーグルトもGIが低い傾向があります。
【血糖値スパイクを予防・改善するための具体的な方法2】ゆっくり食べる
早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。「血糖値スパイクについて解説しているサイト」でも同様の見解を述べております。
【血糖値スパイクを予防・改善するための具体的な方法3】間食をしない
間食をすると血糖値の高い状態が続き、インスリンを分泌するすい臓に大きな負担がかかります。また、その状態のままで次の食事をすると、食後高血糖の原因にもなります。糖尿病を予防するためにも間食はできる限り控えてください。
【血糖値スパイクを予防・改善するための具体的な方法4】規則正しく3食を食べる
1日に2食や、間隔の空き過ぎた食事の取り方はよくありません。食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、規則正しく3食を食べることを心掛けてください。
【血糖値スパイクを予防・改善するための具体的な方法5】野菜類から食べる
野菜類から先に食べることで食後の血糖値の上昇が緩やかになります。また、野菜や豆類などで少しお腹をふくらませておくと、肉類やご飯の量を減らすこともできます。ですので、食事をする際は野菜類から食べてください。
【血糖値スパイクを予防・改善するための具体的な方法6】炭水化物・糖質の摂りすぎを避ける
炭水化物や糖質の摂り過ぎは、血糖値を急激に上昇させる要因です。したがって、炭水化物や糖質の摂りすぎにはご注意ください。なお、炭水化物や糖質の摂り過ぎに加え、果汁飲料の摂取にも注意が必要です。果汁には自然の糖分が多く含まれ、飲用することで血糖値が急上昇する可能性があります。特に加工された果汁飲料は糖分が濃く、大量の糖質摂取を招く恐れがあります。血糖値のコントロールを目指す方は、果汁飲料の代わりに水や無糖の飲料を選ぶことをお勧めします。
【血糖値スパイクを予防・改善するための具体的な方法7】運動をする
運動は血糖値スパイクの予防に有効です。定期的な有酸素運動や筋力トレーニングは、インスリンの効果を向上させ、血糖値の急上昇を緩和します。さらに、運動によってブドウ糖や脂肪酸の利用が促進され、細胞や筋肉が糖分を効果的に吸収することができるようになり、血糖値の低下が期待されます。したがって、血糖値スパイクを予防するためには積極的に運動を取り入れることが大切です。医師の指導を受けながら、適切な運動方法を選択してください。なお、有酸素運動については以下をご覧ください。
<有酸素運動>
有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに、酸素を使う運動のことです。ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。
【血糖値スパイクを予防・改善するための具体的な方法8】ストレスを解消する
ストレスを感じると、血糖値を上昇させるホルモンが分泌されたり、インスリン抵抗性が強くなったりします。したがってストレスと上手く付き合うことも、血糖値スパイクを予防するためには大切です。
血糖値スパイクと日常生活の管理
血糖値スパイクを予防するためには、普段から血糖値に意識を向けることが重要です。血糖値スパイクを意識した日々の生活習慣には、食事、運動、ストレス管理などを含みます。食事では、低GI食品を重点的に摂取し、適切なバランスを保つことが重要です。また、適度な運動を取り入れて血糖値を安定させることも有効です。さらに、ストレスの管理や十分な睡眠を確保することも血糖値スパイクを抑える一助となります。現在では、血糖値スパイクを管理するための便利なアプリもあります。これらのアプリは、食事や運動の記録を簡単に行い、血糖値の変化を追跡するのに役立ちますので、ご活用ください。なお、血糖値スパイクを予防するためには、定期的な検診も重要です。血糖値に不安のある方、あるいは体調不良が続いている方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2024.05.22
コロナ後遺症はいつまで続く?よくある症状や治療法を解説
内科に関する記事です。
この記事では「コロナ後遺症」について解説していきます。後半部分では「コロナ後遺症の治療と対処法」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
コロナ後遺症とは
コロナ後遺症のよくある症状
コロナ後遺症はいつまで続く?
長期にわたるコロナ後遺症の事例
コロナ後遺症の治療と対処法
コロナ後遺症に悩む方は当院へご相談ください
コロナ後遺症とは
コロナ後遺症とは、新型コロナウイルス感染症から回復した後にも、罹患後症状(いわゆる後遺症)として、様々な症状が見られることを指しています。具体的には、原因が明らかでないもので、罹患してすぐの時期から持続する症状、回復した後に新たに出現する症状、そして症状が消失した後に「再び生じる症状」の全般を指しています。なお、WHOでは、コロナ後遺症のことを「post COVID-19 condition(long COVID)」と名付けています。そして、「新型コロナウイルスに罹患した人にみられ、少なくとも2カ月以上持続し、また、他の疾患による症状として説明がつかないもの(通常はCOVID-19の発症から3カ月経った時点にもみられる。)」と、コロナ後遺症について定義しています。「厚生労働省のホームページ」や「東京都保険医療局のホームページ」でも同様の見解を伝えています。
コロナ後遺症のよくある症状
コロナ後遺症の代表的な症状として、下記のものが報告されています。
<呼吸器症状>
・咳
・喀痰
・息切れ
・胸痛
<精神・神経症状>
・記憶障害
・集中力低下
・頭痛
・不眠
・抑うつ
<全身症状>
・疲労感
・倦怠感
・関節痛
・筋肉痛
・筋力低下
<その他の症状>
・嗅覚障害
・味覚障害
・動悸
・下痢
・腹痛
・脱毛(抜け毛)
・発熱(長期間にわたって微熱が続くこともあります)
コロナ後遺症の症状について詳しく知りたい方は「コロナ後遺症(罹患後症状)について」や「厚生労働省のホームページ」、もしくは「千葉県のホームページ」をご覧ください。
コロナ後遺症はいつまで続く?
コロナ後遺症は、一般的に時間の経過とともに、その大半は改善すると考えられています。ただし、明確な期間については決まっていません。コロナ後遺症は「新型コロナウイルスの感染時期」、「感染株の種類による違い」、「重症度による違い」なども症状の改善に影響する可能性があります。したがって、コロナ後遺症がいつまで続くのかは個人差が大きいです。なお、国内で実施されたコロナ後遺症に関するアンケート調査によれば、診断から12カ月後でも、罹患者全体の約30%が1つ以上の後遺症を示していました。しかしながら、いずれの症状においても、経時的に有症状者の頻度は低下する傾向が認められました。12カ月後に5%以上の頻度で残存していた症状は以下の通りです。
・疲労感・倦怠感(13%)
・呼吸困難(9%)
・筋力低下・集中力低下(8%)
・睡眠障害・記憶障害(7%)
・関節痛・筋肉痛(6%)
・咳・痰・脱毛・頭痛・味覚障害・嗅覚障害(5%)
コロナ後遺症に関する分析報告について詳しく知りたい方は「東京都保険医療局のホームページ」や「千葉県のホームページ」をご覧ください。
長期にわたるコロナ後遺症の事例
社会が新型コロナ後に向けて動き出す中、実は今も続いているのがコロナ後遺症の問題です。感染が以前より落ち着いた今も、新型コロナウイルスの後遺症で苦しんでいる人は多くいます。後遺症の方の中には、日常生活に影響が出るケースも少なくありません。例えば、高校2年生の女性は、去年11月の感染以降乗り物に酔うようになり、毎日、電車で学校に通ったり、部活動に参加したりすることが難しくなっていると伝えています(コロナ後遺症1000例の分析)。また、有症状者の中には「倦怠感」と「だるさ」などの症状に1年以上も苦しんでいる方がいます(感染1年半後でも4人に1人が訴え)。したがって、コロナ後遺症は長期にわたって社会生活に影響を与えると考えられています。なお、コロナ後遺症の特徴は、症状の多様さです。代表的な症状としては、上述した通り、脱毛、咳、喀痰、疲労感・倦怠感、関節痛、筋肉痛、息切れ、胸痛、記憶障害、集中力低下、頭痛、抑うつ、嗅覚障害、味覚障害、動悸、下痢、腹痛、睡眠障害、筋力低下などが挙げられます。
コロナ後遺症の治療と対処法
残念ながら、コロナ後遺症の症状に特化した治療方法はありません。そのため、後遺症のリスクを避けようと思うのであれば、ワクチン接種や感染予防がより重要になります。また、対症療法も大切です。コロナ後遺症の症状は、時間経過とともに改善することが多いため、各症状に応じた対症療法(症状を和らげる治療)が行われることもあります。なお、現在、日本の塩野義製薬では、新型コロナの飲み薬「ゾコーバ」が後遺症の緩和に効果があるか研究を進めています。また、一部の医療機関では、鼻の奥を強くこする「上咽頭擦過療法」が、コロナ後遺症の症状を改善したという報告が出されています。したがって、将来的にはコロナ後遺症の症状に特化した治療法が開発される可能性があると考えられています。「厚生労働省のホームページ」でも国内外で研究を進めていると伝えています。
コロナ後遺症に悩む方は当院へご相談ください
コロナ後遺症は、一般的に時間の経過とともに、その大半は改善すると考えられています。しかし、新型コロナウイルス感染者の中には、感染症から回復した後にも、咳、倦怠感、疲労感、息切れ、下痢、抑うつ、睡眠障害などの症状が続き、1年以上も苦しんでいる方がいます。したがって、コロナ後遺症を放置してはいけません。コロナ後遺症は長期にわたって日常生活に影響を与える可能性がありますので、体調に異常を感じている方は速やかに医療機関を受診してください。なお、当院ではコロナ後遺症に対する診療を行っております。コロナ後遺症についてご相談したい方、あるいは体調不良が続いている方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
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2024.04.27
インフルエンザの合併症としての中耳炎:原因と予防
内科に関する記事です。
この記事では、インフルエンザの合併症の一つ「中耳炎」について解説します。後半部分では、「インフルエンザ合併症の対策」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インフルエンザの合併症で中耳炎になる?
インフルエンザの合併症でかかりやすい急性中耳炎とは
インフルエンザ合併症:中耳炎の症状
インフルエンザ合併症:中耳炎の症状(子供の場合)
インフルエンザによる中耳炎:子供は特に注意してください
インフルエンザ合併症の対策
まずは入念にインフルエンザ予防
インフルエンザの合併症で中耳炎になる?
インフルエンザは、鼻や口から侵入した「インフルエンザウイルス」が肺や気道で感染・増殖することで引き起こされる疾患です。インフルエンザでは、高熱や関節痛などの辛い症状だけでなく、ウイルス感染により中耳の炎症が引き起こされ、中耳炎が発生することがあります。中耳炎は通常、鼻や喉についた細菌やウイルスが耳管を通って中耳に侵入し、炎症を引き起こす疾患です。中耳に炎症が発生すると、中耳内の粘液が溜まり、耳の感染部分が腫れます。そしてその結果、耳の痛みや耳が詰まった感じ、発熱や聴力の低下などの症状が現れることがあります。したがって、耳の痛みや耳が詰まった感じなどの症状を感じた方は、早めに医療機関を受診することが重要です。中耳炎は放置すると症状が悪化し、場合によっては聴力の低下が進行する恐れがありますので、ご注意ください。なお、中耳炎にはさまざまな種類があり、その中でインフルエンザによって併発する中耳炎は『急性中耳炎』と呼ばれるものが多いとされています。「中耳炎について解説しているサイト」でも同様の見解を述べています。
インフルエンザの合併症でかかりやすい急性中耳炎とは
急性中耳炎とは、鼓膜の奥に広がる中耳に細菌やウイルスなどの病原体が感染して炎症が生じる疾患です。急性中耳炎になると、中耳に膿が溜まり、激しい痛みや発熱、耳が詰まった感じや聴力の低下などの症状が起こります。さらに炎症が続き、膿の分泌が許容量を超えると、鼓膜が破けて耳漏(耳だれ)が生じることもあります。したがって、耳が詰まった感じや耳の痛みなどの症状を感じた方は、早めに医療機関を受診することが重要です。なお、急性中耳炎は、幼児期における代表的な感染症であるため、約8割の子供が3歳までに一度は経験すると言われています。そのため、お子様が風邪をひいた際には、急性中耳炎を疑うくらいの慎重さが必要です。乳幼児期の子供は、耳に異常があることを周囲にうまく伝えられないので、保護者が耳の状態をよく見ることが重要だと言えます。
インフルエンザ合併症:中耳炎の症状
中耳炎の典型的な症状は、次の通りです。
・発熱
・耳痛
・耳閉感(耳が詰まった感じ)
・耳漏(耳の穴から膿が出る)
・難聴
なお、中耳炎により、鼓膜穿孔(鼓膜に穴が開いた状態)を引き起こすこともあります。中耳炎の症状について詳しく知りたい方は「インフルエンザ中耳炎について」をご覧ください。
インフルエンザ合併症:中耳炎の症状(子供の場合)
小さなお子さんは、症状をうまく説明できません。したがって、発熱時に次のような症状があるときには中耳炎の可能性を疑ってください。
・機嫌が悪い
・耳をよく触る
・元気がない
・食欲がない
中耳炎は自然治癒することもありますが、症状が悪化する可能性もあるため、適切な治療を受けることが重要です。したがって、上記の症状が現れた場合は、早めに医療機関を受診してください。
インフルエンザによる中耳炎:子供は特に注意してください
子供の耳管は大人よりも太くて短い上に、咽頭まで水平に近い傾斜で伸びているため、細菌やウイルスが中耳に侵入しやすい状態になっています。そのため子供の耳は、大人と比べて中耳炎にかかりやすい構造になっていると言えます。さらに、子供が中耳炎にかかりやすい理由には、免疫系が未熟であることも挙げられます。子供は体内の抵抗力が弱いため、感染症に対する防御が不十分です。特に幼い子供は、免疫系がまだ発達途中であり、外部からの病原体に対する抵抗力が低い傾向にあります。したがって、風邪やウイルス感染などの身近な病原体が中耳に侵入しやすくなり、中耳炎の発症リスクが高まります。なお、低年齢の集団保育が増加していることや、抗菌剤が効きにくい「耐性菌」と呼ばれる菌が増えていることも、子供が急性中耳炎になるリスクを高めています。保育施設に耐性菌を持つ園児がいると、園内に耐性菌が広まる可能性があります。そしてその結果、耐性菌による中耳炎の発症が増加する可能性がありますので、ご注意ください。
インフルエンザ合併症の対策
インフルエンザの合併症を予防するためには、インフルエンザ予防接種が有効です。インフルエンザ予防接種は、インフルエンザに罹りにくくするとともに、感染した場合には「症状の重篤化」を防ぐとされています。したがって、インフルエンザ予防接種は「インフルエンザの合併症の発症リスク」を軽減する効果が期待されます。インフルエンザは悪化すると、気管支炎や肺炎、脳症などの重篤な合併症を引き起こす恐れがありますので、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします(インフルエンザ予防接種をしてもインフルエンザにかかる場合があります)。なお、インフルエンザウイルスへの感染を予防するためには、手洗い・消毒などの基本的な感染対策も重要です。以下、基本的な感染対策です。
<人混みに出ない>
インフルエンザが流行している時期は、不要な外出は避けたほうが安心です。「ショッピングセンター」や「繁華街」などの人混みでインフルエンザに感染することも多いため、インフルエンザが流行している時期は、ご注意ください。なお、やむを得ず外出する場合は、なるべく短時間で済ませることをお勧めします。
<適度な湿度を保つ>
空気が乾燥すると、のどの粘膜の“防御機能”が低下します。したがって、乾燥しやすい室内では加湿器の使用をお勧めします。免疫効果を正常に作用させるためには50~60%程度の湿度が必要になりますので、加湿器などで“室内の湿度”を適切に維持するよう心掛けてください。
<マスクを着用する>
マスクによるインフルエンザ予防は、効果が薄いことが示されています。ただし、全く効果がないわけではありません。近くにいる誰かが「くしゃみ」や「咳」をしたときには、マスクによって飛沫感染を防ぐことができます。また、「くしゃみ」や「咳」が出る人が周囲にウイルスを拡散しないためにもマスクは有効です。したがって、人混みに出る場合などにはマスクの着用をお勧めします。
<毎日の食事で免疫力を高める>
インフルエンザウイルスの感染を防ぐためには、毎日の食事で免疫力を高めて、「インフルエンザにかからない体づくり」をすることも大切です。具体的には、免疫システムに欠かせない「ビタミンC」と体のエネルギー産生に必要な「ビタミンB1群」、鼻やのどの粘膜を強化する働きのある「ビタミンB2」「ビタミンB6」を多くとることがポイントになります。なお、免疫力を高めるためには1日3食、規則正しく食べることも大切です。免疫力を高めるためにも、栄養バランスのとれた食事と良好な生活習慣を心掛けてください。
<手洗い・手の消毒>
手についたウイルスが口や鼻に入るというのが、インフルエンザウイルスの感染経路としてとても多いケースです。したがって、インフルエンザの予防として最もお勧めなのは、手洗い・手の消毒になります。手洗い・手の消毒をこまめに行えばウイルスを撃退し、インフルエンザウイルスの感染を防ぐことができますので、小まめに手洗い・手の消毒を行ってください。
<うがい>
うがいは、のどに付着したウイルスの数を減らしたり、洗い流したりするために有効と言われています。口の中をきれいに保てば、口からうつる「インフルエンザ」や「風邪」などの感染症を防ぐことができますので、外出先から戻ったら「うがい」を行ってください。
まずは入念にインフルエンザ予防
インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし、「中耳炎」や「ウイルス性肺炎」といった合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。なお、当院では、インフルエンザ予防接種を実施しております。インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご連絡ください。また、インフルエンザ予防の方法についてご相談したい方、あるいは自分がインフルエンザなのか気になる方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
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2024.04.25
インフルエンザに感染してしまう原因について
内科に関する記事です。
この記事では「インフルエンザの原因」について解説していきます。前半部分では「インフルエンザの感染経路」について解説しておりますので、ぜひご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インフルエンザとは
インフルエンザウイルスの種類
インフルエンザの感染経路
なぜインフルエンザに感染するのか
季節性インフルエンザの原因
新型インフルエンザがパンデミックになる原因
インフルエンザの原因については板谷内科クリニックに相談ください
インフルエンザとは
インフルエンザは、鼻や口から侵入した「インフルエンザウイルス」が肺や気道で感染・増殖することで引き起こされる疾患です。感染してから約1~3日間程度の潜伏期間の後に38℃以上の高熱、関節痛、頭痛、全身倦怠感などが突然あらわれます。以下、インフルエンザの主な症状です。
・発熱
・全身倦怠感
・喉の痛み
・悪寒
・関節痛・筋肉痛
・頭痛
・食欲不振
・吐き気
・下痢
・咳・痰
・鼻水
通常の風邪と比較して、インフルエンザは「高熱」と「全身症状」が特徴です。インフルエンザの症状について詳しく知りたい方は「インフルエンザかな?症状がある方へ」をご覧ください。
インフルエンザウイルスの種類
現在、インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型、D型の4種類があります。この中でヒトに感染するインフルエンザウイルスは、A型、B型、C型の3種類になります。D型に関しては、ヒトに感染することはなく、家畜にのみ感染します。順番にご説明していきます。
<インフルエンザA型>
インフルエンザA型は、他の型に比べて症状が強く現れる傾向があります。具体的には、A型インフルエンザウイルスに感染後は、1〜3日の潜伏期間を経た後に、悪寒、のどの痛み、頭痛、筋肉痛、せき、鼻水、38度前後の高熱などの症状が急激に現れます。特に免疫力の低下している高齢者や小児、心疾患や呼吸器疾患を持っている場合は、「肺炎」や「脳症」などの合併症を併発する可能性が高く、重症化するケースもあるため注意が必要です。したがって、インフルエンザA型は、早い段階で自分がインフルエンザウイルスに感染していることに気づき、適切な対処をすることが重要です。例年、インフルエンザA型は12~3月頃に流行しますので、ご注意ください。なお、A型インフルエンザウイルスは、ウイルス表面のタンパク質である「ヘマグルチニン」と「ノイラミニダーゼ」の組み合わせにより、さらに亜型に分類されます。そのため、A型インフルエンザウイルスは144種類の型(亜型)に分けられます。現在、ヒトに感染するA型インフルエンザウイルスは、インフルエンザA(H1N1)とA(H3N2) の2種類です。これらのウイルスは、さらにそれぞれの中で毎年のように小さい変異を経て、進化し続けています。インフルエンザA型について詳しく知りたい方は「インフルエンザA型の特徴や症状、薬について」や「国立感染症研究所のホームページ」をご覧ください。
<インフルエンザB型>
インフルエンザB型の一般的な症状には、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、のどの痛み、鼻汁、咳などが挙げられます。これらの症状は通常、風邪よりも重度ですが、多くの場合は1週間ほどで改善する傾向があります。ただし、高齢者や乳幼児などでは重症化して、肺炎、気管支炎、中耳炎などの合併症を引き起こすことがあります。そのため、「自分がインフルエンザに感染している可能性がある」と感じた場合は、早めに医療機関を受診し、適切な対処をすることが重要です。例年、インフルエンザA型が12~3月頃に流行し、後を追うように2月頃から春先にかけて、インフルエンザB型が流行しますので、ご注意ください。なお、B型インフルエンザウイルスは、「山形型」と「ビクトリア型」の2つのタイプに分類されます。B型インフルエンザウイルスはA型とは異なり、毎年、突然変異を起こす可能性は低いため、何度も感染することは少ないとされています。しかしながら、稀に「インフルエンザに2回かかる」という状況が報告されます。これはインフルエンザA型とB型の両方に感染したためと考えられます。インフルエンザB型について詳しく知りたい方は「インフルエンザB型の特徴や症状、薬について」をご覧ください。
<インフルエンザC型>
インフルエンザC型の症状は主に発熱、咳、鼻水とされています。一般的には、A型やB型よりも症状が軽い傾向にあります。ただし、ヒトによっては38度の高熱が出ることもあります。また、約1割の方には吐き気や下痢、嘔吐、発疹が見られることがあります。インフルエンザC型は、検査できる医療機関が少なく、通常のウイルス性の風邪と診断されることもあるため、実際にかかったとしても気付かないまま過ごしてしまう可能性があります。そのため、ほとんどの方は「6歳までに感染している」と言われています(年齢に関係なく感染する可能性はありますので、ご注意ください)。例年、インフルエンザC型は1月~6月が流行期となります。したがって、インフルエンザA型やインフルエンザB型とは時期がずれる傾向にある上、流行時期がA型やB型よりも長いため、長期間の予防が必要になります。なお、インフルエンザC型に一度感染すると免疫がつき、ほぼ一生かかることはないと言われています。インフルエンザC型について詳しく知りたい方は「インフルエンザC型とは - 特徴や症状について」をご覧ください。
<インフルエンザD型>
D型インフルエンザウイルスは、ウシをはじめとする家畜にのみ感染します。したがって、ヒトに感染して病気を引き起こすことは知られていません。なお、D型インフルエンザウイルスは、最初に発見された米国をはじめとして、中国、フランス、イタリア、日本、アフリカ諸国など世界中の家畜から発見されております。また、D型インフルエンザウイルスは、ウシの呼吸器病症候群を引き起こす原因ウイルスの一つであることが明らかとなっております。D型インフルエンザウイルスについて詳しく知りたい方は「厚生労働省のサイト」や「国立感染症研究所のホームページ」をご覧ください。
インフルエンザの感染経路
インフルエンザの感染経路は、主に2つあります。
<接触感染>
接触感染とは、感染者から出る病原体を含む体液に触れた後、目や鼻などの粘膜を触ることで病原体が体内に侵入する感染経路のことです。例えば、感染者が鼻水を拭くティッシュや咳をした手で触れたドアノブなどに触れた後に、その手で自分の目や鼻を触ることで病原体が体内に入ります。
<飛沫感染>
飛沫感染とは、病原体を含んだ大きな粒子(5ミクロンより大きい飛沫)が飛散し、他の人の鼻や口の粘膜、あるいは結膜に接触することにより、病原体が体内に侵入する感染経路のことです。
なぜインフルエンザに感染するのか
インフルエンザウイルスに感染する主な理由は、上述した通り「接触感染」と「飛沫感染」です。接触感染では、感染者の手が触れた「ドアノブ」や「共有物品」などにウイルスが付着し、他のヒトがそれに触れることで感染します。一方、飛沫感染は、感染者が咳やくしゃみをすることでウイルスが空気中に放出され、近くのヒトがそれらの微小な飛沫を吸い込むことで感染します。特に、密閉された空間や人が密集する場所では、ウイルスが広がりやすいため注意が必要です。なお、インフルエンザでは、空気感染による感染も否定できません。空気感染とは、飛沫の水分が蒸発して乾燥し、さらに小さな粒子である飛沫核となって空気中を漂い、離れた場所にいるヒトがこれを吸い込むことによって病原体が体内に侵入する感染経路のことです。
季節性インフルエンザの原因
季節性インフルエンザの原因となるインフルエンザウイルスは、主にA型とB型です。A型とB型のウイルスが感染者の「咳」や「くしゃみなど」の呼吸器分泌物を介して、空気中に放出され、他のヒトが吸い込むことで感染が広がります。特に、密閉された空間ではウイルスが長時間空中に滞在しやすいため、感染リスクが高まります。また、冬季はインフルエンザ感染が特に増える傾向があります。寒冷な気候下では、人々が室内に集まることが増えるため、密閉された空間でのウイルスの拡散が容易になります。また、寒冷な気候は人々の免疫機能を低下させる可能性がありますので、ウイルスに感染しやすくなる要因となります。さらに、冬季は空気が乾燥しているため、ウイルスが空中を漂う時間が長くなります。したがって、冬季は夏季と比べて「飛沫感染」が起こりやすい状態と言えます。
新型インフルエンザがパンデミックになる原因
もし新型インフルエンザが発生した場合、そのウイルスに対する免疫が存在しないため、急速かつ広範囲に感染が広がると考えられています。また、人口の増加や都市部への人口集中、高速交通機関(飛行機)の普及などが、短期間に世界中にウイルスを広げる要因となり得ます。これらの理由から、新型インフルエンザはパンデミックに至りやすいとされています。
インフルエンザの原因については板谷内科クリニックに相談ください
インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし、「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。なお、当院では、予約なしでインフルエンザ予防接種を実施しております。インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご連絡ください。また、インフルエンザの原因についてご相談したい方、あるいは自分がインフルエンザなのか気になる方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
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2024.04.11
インフルエンザの待機期間について
内科に関する記事です。
この記事では「インフルエンザの感染から発症までの待機期間」について解説していきます。後半部分では「インフルエンザの感染を防ぐポイント」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インフルエンザの感染から発症までの待機期間について
学校保健安全法におけるインフルエンザの待機期間
インフルエンザ潜伏期間中の注意点
インフルエンザに感染したかもと思ったら
インフルエンザに感染した疑いがある場合に医療機関を受診する方法
インフルエンザの感染を防ぐポイント
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザの感染から発症までの待機期間について
厚生労働省が発表している「インフルエンザ Q&A」では、インフルエンザの発症前日から発症後5日間は外出を控えることが推奨されています。なぜなら、この期間中は“鼻”や“喉”からウイルスが排出されるためです。したがって、基本的には発症前日から発症後5日間は外出を控える必要があります。なお、インフルエンザウイルスの排出期間には個人差がありますので、“咳”や“くしゃみ”などの症状が続く場合には、不織布製マスクを着用するなど周りの方へうつさないよう配慮してください。排出されるウイルス量は解熱とともに減少しますが、解熱後もウイルスを排出しておりますので、引き続きご注意ください。「厚生労働省」でも同様の見解を述べております。
学校保健安全法におけるインフルエンザの待機期間
学校保健安全法では「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで」を、インフルエンザによる出席停止期間として定めています。したがって、お子さんがインフルエンザに感染した際の休みの期間としては5日間程度が妥当です。ただし、病状により「学校医」や「その他の医師」において感染のおそれがないと認められた場合は、この限りではありません。
インフルエンザ潜伏期間中の注意点
インフルエンザは、潜伏期間中にも感染力があり、他者にウイルスを広げる可能性があるため注意が必要です。インフルエンザウイルスの潜伏期間は一般的に1~3日とされています。ただし、潜伏期間は年齢や体質、体調によって個人差があり、この期間が長くなることもあります。例えば、子供や高齢者は通常、免疫系が未発達または衰えているため、潜伏期間が長くなることがあります。また、基礎疾患を抱えている方も同様です。インフルエンザウイルスの潜伏期間は個人差が大きいため、「インフルエンザ陽性者」との接触があった場合は十分に注意してください。なお、インフルエンザ発症直後に「インフルエンザ迅速検査」を行っても陽性となりづらい傾向があります。また、インフルエンザ迅速検査は、本当にインフルエンザに感染していても、必ずしも陽性になるわけではありません。それに検査陰性であっても、インフルエンザに感染していないとも言い切れません。したがって、インフルエンザの流行期において“インフルエンザ陽性者”との接触があった場合に、発熱・咽頭痛・関節痛といったインフルエンザ様症状を呈して受診された場合、検査が陰性でも「インフルエンザ」と臨床診断することがあります。インフルエンザの潜伏期間について詳しく知りたい方は「インフルエンザ潜伏期間の症状・感染について|患者・家族の方へ」をご覧ください。
インフルエンザに感染したかもと思ったら
インフルエンザは「飛沫感染」や「接触感染」により感染が広がります。したがって、インフルエンザに罹患した可能性がある場合は、会社内・家庭内での感染リスクに注意してください。具体的には、会社内・家庭内での感染リスクは密なコミュニケーションや共有する空間によって高まりますので、なるべく3密(密閉・密集・密接)を避けてください。また、共用の食器やタオルに触れることにより、会社内・家庭内でのウイルスの拡散が生じますので、感染者が触れたものに触れないように気を付けてください。会社内・家庭内にインフルエンザ患者が発生すると、家族にインフルエンザが蔓延することが危惧されますので、十分に注意してください。なお、会社内・家庭内の感染対策としては、以下が有用です。
・換気は積極的に行う
・タオルなどの共有はしない
・接触が必要な場合にはマスクを装着
・マスクを外す際には2m以上離れる
・インフルエンザ患者の衣類などに触れた際には必ず手洗いをする
インフルエンザに感染した疑いがある場合に医療機関を受診する方法
インフルエンザに感染した疑いがある場合、まずはお近くの医療機関に電話して、受診方法について相談してください。発熱患者の診療を行っている医療機関がどこにあるか分からない方は、保健所などに設置されている発熱相談センターに電話して、「どの医療機関に行けばよいか」相談してください。また、「呼吸が苦しい」「意識が朦朧としている」など症状が重い方については、できるだけ早く入院設備のある医療機関を受診することをお勧めします。そして必要ならば我慢せず、救急車(119番)を呼んでください (必ずインフルエンザの症状があることを伝えてください)。なお、当院では発熱外来を設置し、インフルエンザに関する診察を行っております。インフルエンザに感染した疑いがある方は、お気軽にご相談ください。
インフルエンザの感染を防ぐポイント
インフルエンザは、鼻や口から侵入した「インフルエンザウイルス」が肺や気道で感染・増殖することで引き起こされる疾患です。インフルエンザの感染を予防するためには、「インフルエンザが流行しているときは人混みを避ける」、「マスクを着用する」などの対策により、感染ルートを断つことが大切になります。以下、インフルエンザウイルスの感染を防ぐためのポイントです。
【インフルエンザ対策1】人混みに出ない
インフルエンザが流行している時期は、不要な外出は避けたほうが安心です。「ショッピングセンター」や「繁華街」などの人混みでインフルエンザに感染することも多いため、インフルエンザが流行している時期は、ご注意ください。なお、やむを得ず外出する場合は、なるべく短時間で済ませることをお勧めします。
【インフルエンザ対策2】マスクを着用する
マスクによるインフルエンザ予防は、効果が薄いことが示されています。ただし、全く効果がないわけではありません。近くにいる誰かが“くしゃみ”や“咳”をしたときには、マスクによって飛沫感染を防ぐことができます。また、“くしゃみ”や“咳”が出る人が周囲にウイルスを拡散しないためにもマスクは有効です。したがって、人混みに出る場合などにはマスクの着用をお勧めします。
【インフルエンザ対策3】手洗い・手の消毒
手についたウイルスが口や鼻に入るというのが、インフルエンザウイルスの感染経路としてとても多いケースです。したがって、インフルエンザの予防として最もお勧めなのは、手洗い・手の消毒になります。手洗い・手の消毒をこまめに行えばウイルスを撃退し、インフルエンザウイルスの感染を防ぐことができますので、小まめに手洗い・手の消毒を行ってください。
【インフルエンザ対策4】毎日の食事で免疫力を高める
インフルエンザウイルスの感染を防ぐためには、毎日の食事で免疫力を高めて、「インフルエンザにかからない体づくり」をすることも大切です。具体的には、免疫システムに欠かせない「ビタミンC」と体のエネルギー産生に必要な「ビタミンB1群」、鼻やのどの粘膜を強化する働きのある「ビタミンB2」「ビタミンB6」を多くとることがポイントになります。なお、免疫力を高めるためには1日3食、規則正しく食べることも大切です。免疫力を高めるためにも、栄養バランスのとれた食事と良好な生活習慣を心掛けてください。
【インフルエンザ対策5】適度な湿度を保つ
空気が乾燥すると、のどの粘膜の“防御機能”が低下します。したがって、乾燥しやすい室内では加湿器の使用をお勧めします。免疫効果を正常に作用させるためには50~60%程度の湿度が必要になりますので、加湿器などで“室内の湿度”を適切に維持するよう心掛けてください。
【インフルエンザ対策6】インフルエンザ予防接種
インフルエンザの発症を予防するためにも「インフルエンザ予防接種」を推奨します。インフルエンザ予防接種は感染を防ぐだけでなく、症状の重症化を防ぐ効果もあります。インフルエンザは悪化すると、気管支炎や肺炎、脳症などの重篤な合併症を引き起こす恐れがありますので、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします(インフルエンザ予防接種をしてもインフルエンザにかかる場合があります)。
【インフルエンザ対策7】うがい
うがいは、のどに付着したウイルスの数を減らしたり、洗い流したりするために有効と言われています。口の中をきれいに保てば、口からうつる「インフルエンザ」や「風邪」などの感染症を防ぐことができますので、外出先から戻ったら「うがい」を行ってください。
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし、「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。なお、当院では、予約なしでインフルエンザ予防接種を実施しております。現在、診察時間内であれば当日の接種も可能ですので、突然の接種希望にも柔軟に対応できます。インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
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2024.01.20
インフルエンザ治療薬の種類や効果、副作用について
内科に関する記事です。
この記事では「インフルエンザの治療薬」について解説していきます。後半部分では「インフルエンザの治療薬の副作用」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インフルエンザの薬の基本知識
市販でインフルエンザに有効な治療薬
抗インフルエンザ薬の副作用
インフルエンザの初期症状に適した薬の選び方
インフルエンザ市販薬を服用される際の注意点
インフルエンザ治療薬と予防接種の併用について
インフルエンザの治療薬の適切な使い方と管理方法
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザの薬の基本知識
インフルエンザの治療薬は、大きく分けて飲み薬・吸入薬・点滴の3種類があります。飲み薬は、タミフル・ゾフルーザ・シンメトレル、吸入薬はリレンザ・イナビル、点滴はラピアクタという薬です。これらの薬は、体内でインフルエンザウイルスが増殖するのを抑える作用があります。
【インフルエンザの薬1】タミフル®︎
タミフルは、A型・B型両方のインフルエンザに有効と言われている抗インフルエンザ薬です。インフルエンザウイルスが増えるときに必要な酵素・ノイラミニダーゼの働きを妨げて、症状を緩和したり、予防したりします。ただし、インフルエンザウイルスが増えてしまってからタミフルを服用しても効果はないため、発熱などの症状が出てから48時間以内に服用を開始する必要があります。なお、タミフルは基本的に、成人は錠剤1錠を1日2回、計5日間服用します。
【インフルエンザの薬2】ゾフルーザ®︎
ゾフルーザは2018年2月に登場した「抗インフルエンザ薬」の新薬です。1回服用するだけでよいというのが最大の特徴になります。これまで、抗インフルエンザ薬は「ノイラミニダーゼ阻害薬」のみでしたが、ゾフルーザは「エンドヌクレアーゼ」と呼ばれる別の作用機序で効果を発揮します。インフルエンザウイルスを消失させる速度が速いと言われており、周囲の人への感染を減らせるのではないかとの期待がされています。ただし、薬剤相互作用や副作用については未知であり、その安全性は確定されていません。そのため、日本小児科学会は12歳未満の服用については推奨しないとしています。
【インフルエンザの薬3】リレンザ®︎
リレンザはA型・B型両方のインフルエンザに有効と言われている吸入薬です。リレンザは、インフルエンザウイルスの表面に存在する酵素を阻害するだけでなく、ウイルスが感染細胞から遊離するのも阻害し、インフルエンザウイルスの感染拡大を阻止します。なお、リレンザは、粉薬を直接気道に届けることで、ウイルスの増殖を抑えることが期待できる吸入薬です。したがって、気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患など呼吸器に病気のある方は、気道に対する刺激になって「喘息発作」を誘発する可能性があるため注意が必要になります。
【インフルエンザの薬4】イナビル®︎
イナビルは、A型・B型両方のインフルエンザに有効と言われている吸入薬です。イナビルは、インフルエンザウイルスの増殖を防ぐ働きがあり、症状の緩和や感染予防に役立ちます。イナビルはリレンザと同様、気道に粉薬を入れるため慎重に使用する必要があります。気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患などがある方は、必ず医師に相談してから使用してください。なお、イナビルは長時間作用型のため、処方された分を1回吸入するだけでよいというのが最大の特徴になります。
【インフルエンザの薬5】ラピアクタ®︎
ラピアクタは、A型・B型両方のインフルエンザに有効と言われている点滴薬です。ラピアクタは、インフルエンザウイルスの「ノイラミニダーゼ」というウイルス増殖に関与する酵素を阻害し、ウイルス増殖を抑える効果があります。したがって、インフルエンザウイルスが増殖してしまった後では薬の効果は発揮できず、発症後48時間以内に使用する必要があります。
【インフルエンザの薬6】シンメトレル®︎
シンメトレルはA型インフルエンザに対して効果のある飲み薬です。シンメトレルは、ノイラミニダーゼ阻害薬ではなく、A型インフルエンザウイルスに存在する「蛋白構造」に作用し、脱殻というウイルスの増殖工程を阻害することでウイルスの増殖を防ぎます。なお、シンメトレルは、感染初期に使用することで発熱の期間が1~2日短くなり、治りが早くなる効果が期待できます。
市販でインフルエンザに有効な治療薬
残念ながらインフルエンザの治療薬として使用される「抗インフルエンザ薬」は、市販薬では販売されていません。そして、市販の風邪薬はインフルエンザを完治させるほどの効果は期待できません。したがって、インフルエンザが疑われる場合は医療機関を受診してください。なお、インフルエンザと普通の風邪の違いについて知りたい方は「令和5年度インフルエンザQ&A」をご覧ください。
抗インフルエンザ薬の副作用
抗インフルエンザウイルス薬は、適切な時期(発症から48時間以内)から使用を開始すると、発熱期間は通常1~2日間短縮され、ウイルス排出量も減少します。しかし残念なことに「抗インフルエンザウイルス薬」には、吐き気、下痢、口内炎、めまい、頭痛、不眠などさまざまな副作用が報告されています。副作用については以下をご覧ください。
【抗インフルエンザ薬の副作用1】タミフル®︎
タミフルを服用した際の副作用としては、下痢、腹痛、吐き気などが報告されています。
【抗インフルエンザ薬の副作用2】ゾフルーザ®︎
ゾフルーザを服用した際の副作用としては、下痢、吐き気、頭痛、嘔吐などが報告されています。
【抗インフルエンザ薬の副作用3】リレンザ®︎
リレンザを服用した際に考えられる副作用は、血圧低下、呼吸困難、咽頭・喉頭浮腫などがあげられます。他にも、発作的な息切れ、下痢、発疹、吐き気、嘔吐、嗅覚障害、顔面浮腫、蕁麻疹なども報告されていますが、これらの可能性は低いです。
【抗インフルエンザ薬の副作用4】イナビル®︎
イナビルを服用した際に考えられる副作用は、失神、呼吸困難、蕁麻疹、血圧低下、顔面蒼白、冷汗などが挙げられます。また、発作的な息切れなどの症状も確認されていますが、どの副作用も発現する確率は低いです。
【抗インフルエンザ薬の副作用5】ラピアクタ®︎
ラピアクタを服用した際の副作用としては、下痢、吐き気、嘔吐などが報告されています。
【抗インフルエンザ薬の副作用6】シンメトレル®︎
シンメトレルを服用した際の副作用としては、めまい、ふらつき、立ちくらみ、不眠、幻覚、興奮、頭痛、便秘、食欲不振、吐き気、口の渇き、浮腫などが報告されています。
インフルエンザの初期症状に適した薬の選び方
インフルエンザは、感染してから約1~3日間程度の潜伏期間の後に、38℃以上の高熱、関節痛、頭痛、全身倦怠感などが突然あらわれます。インフルエンザの薬は市販されていないため、感染が疑わしい症状が出た場合は、速やかに医療機関で検査を受けてください。インフルエンザウイルスは初期ほど急激に増えるため、発症後48時間以内に投与することが重要です。したがって、市販の風邪薬で対処するようなことは絶対に避けてください。インフルエンザの治療薬を発症後48時間以内に投与することで、症状の軽減や合併症のリスクを低減することが期待されます。
インフルエンザ市販薬を服用される際の注意点
インフルエンザにかかっている場合、市販の解熱剤を安易に使うことは望ましくありません。なぜなら解熱剤の成分のなかには、インフルエンザの合併症を引き起こす原因となりうるものがあるからです。具体的には、アスピリン、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸の3種です。これらが含まれる解熱剤をインフルエンザ感染時に服用すると、インフルエンザ脳炎・脳症の発症リスクを高めたり、重症化したりする危険性があります。またアスピリンには、肝機能障害や精神神経症状をきたす「ライ症候群」という合併症を引き起こす可能性も指摘されています。この合併症は主に乳幼児が発症しやすいとされていますが、成人でもまれに発症することがあるため、インフルエンザ感染時に服用することは避けてください。なお、こういった成分は市販の風邪薬にも含まれているケースが多いです。したがって、風邪かインフルエンザか判断できない場合は、安易に市販薬を使うことはやめてください。インフルエンザウイルスの感染が疑わしい症状が出た場合には、速やかに医療機関を受診することをお勧めします。
インフルエンザ治療薬と予防接種の併用について
インフルエンザ予防接種は、インフルエンザの重症化を防ぐ上で極めて有効な方法です。したがって、インフルエンザの重症化を予防するためにもインフルエンザ予防接種を推奨します。しかし、インフルエンザ予防接種をしても、手洗い・うがいをしっかりしても、完全にインフルエンザの感染を防ぐことはできません。そのため、インフルエンザウイルスの感染が不安な方は、抗インフルエンザ薬の予防投与をご検討ください。抗インフルエンザ薬の予防投与は、「インフルエンザに絶対かかりたくない」と考えている方にお勧めです。抗インフルエンザ薬を予防内服することによって、7~8割の方がインフルエンザの発症を防げると言われています。したがって、「大事なプレゼンが迫っている」「入学受験がある」など、人生の中で「どうしても今だけはインフルエンザにかかりたくない」という局面がある方は、抗インフルエンザ薬の予防投与をご検討ください。
インフルエンザの治療薬の適切な使い方と管理方法
インフルエンザの治療薬を適切に使用し、安全に管理をするためには医師の指示に従うことが大切です。用法・用量を正確に守り、予定通り服用を続けることが治療の鍵となります。また、薬物の保管は涼しい場所で湿気や直射日光を避け、小児の手の届かない場所に保管することが重要です。そして治療期間が終了したら、残った薬剤は処分し、再度使用しないように注意してください。なお、インフルエンザの治療薬を使用する際は、副作用やアレルギー反応に留意し、異常な症状が見られれば直ちに医師に報告するよう心掛けてください。
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし、「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。なお、当院では、予約なしでインフルエンザ予防接種を実施しております。現在、診察時間内であれば当日の接種も可能ですので、突然の接種希望にも柔軟に対応できます。インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
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2024.01.19
インフルエンザの症状について知ろう
内科に関する記事です。
この記事では「インフルエンザの症状」について解説していきます。後半部分では「子供のインフルエンザ」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インフルエンザの基本的な症状
インフルエンザの発症期間について
発熱のないインフルエンザの症状について
インフルエンザで下痢の症状がある場合
子供のインフルエンザについて
インフルエンザの症状をチェックするためのポイント
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザの基本的な症状
インフルエンザは、鼻や口から侵入した「インフルエンザウイルス」が肺や気道で感染・増殖することで引き起こされる疾患です。感染してから約1~3日間程度の潜伏期間の後に、38℃以上の高熱、関節痛、頭痛、全身倦怠感などが突然あらわれます。以下、インフルエンザの主な症状です。
・発熱
・全身倦怠感
・喉の痛み
・悪寒
・関節痛・筋肉痛
・頭痛
・食欲不振
・嘔吐
・下痢
・咳・痰
・鼻水
通常の風邪と比較して、インフルエンザは「高熱」と「全身症状」が特徴です。インフルエンザの症状について詳しく知りたい方は「インフルエンザかな?症状がある方へ」や「インフルエンザQ&A」をご覧ください。
インフルエンザの発症期間について
インフルエンザウイルスに感染しても、すぐに症状は出ません。通常はインフルエンザウイルスに感染してから1~3日間程度の潜伏期間の後に、38℃以上の高熱、関節痛、頭痛、全身倦怠感などが突然あらわれます。そして、その後に鼻水・咳などの症状が出現し、約1週間程度で軽快するのが典型的なインフルエンザの症状です。ただし、実際には個人差が大きいため、潜伏期間や症状の重さは個々に異なります。したがって、発症前に手洗いやマスクの着用などの感染対策を徹底し、万一症状が出た場合は速やかな医療受診が重要です。特に、高齢者や基礎疾患のある方は重症化しやすいため、十分な注意が必要になります
発熱のないインフルエンザの症状について
インフルエンザは通常の風邪に比べ、「高熱」と「全身症状」が特徴です。ただし、全てのインフルエンザウイルスが重篤な症状をもたらすわけではありません。風邪とほぼ同様のケースもあり、なかには自分がインフルエンザに感染したことに気づかない方もいます(熱なし)。インフルエンザに感染していることに気づかないままでいると、自分でも気づかないうちに周囲にウイルスを広げてしまう可能性があります。そのため、早い段階で自分がインフルエンザに感染していることに気づき、適切な対処をすることが非常に重要です。また、隠れインフルの場合、通常のインフルエンザと比べて症状が軽いことが挙げられますので、「少しでもおかしい」と感じたら、早めに病院へ行くことが大切になります。「厚生労働省のサイト」でも同様の見解を述べております。
インフルエンザで下痢の症状がある場合
下痢の症状がある場合、「インフルエンザB型」の可能性が比較的高いと考えられます。インフルエンザB型に罹患すると、38度以下の微熱が出るなど、A型よりも比較的穏やかな症状が現れることがあります。ただし、A型よりも症状が長引くことがあり、長期間微熱や腹痛、下痢などが続くこともあります。下痢は体内の水分を失いやすくなり、脱水症状を引き起こす可能性があります。したがって、インフルエンザで下痢の症状がある場合は、水分補給が重要です。下痢が続くと脱水症状になる恐れがあるため、水分補給をこまめに行ってください。また、医師に相談して適切な抗ウイルス薬や対症療法を検討することも大切です。なお、インフルエンザA型に感染したときでも、熱が引いた後に下痢の症状が出ることはあります。そのため、下痢があるからといって「インフルエンザB型」と自己判断せず、下痢の症状がある場合は早めに医療機関を受診してください。
子供のインフルエンザについて
子供のインフルエンザでよく見られる症状として、頭痛、関節痛、咳、鼻水、および38℃以上の急な発熱が挙げられます。子供が発熱した時は、氷枕を使用するほか、首筋や脇の下、太股のつけ根など、太い血管がある部位に氷を当てて冷やしてください。また、冬は暖房を強くしないように、夏はクーラーの風が直接当たらないように気をつけてください。なお、子供が熱を出すと、一時的に「理解できない言動」や「異常な行動」をとることがあります(これを「熱せん妄」と呼びます)。ほとんどの場合は短時間で収まりますが、場合によってはそれが長時間続いたり、けいれんを引き起こしたりする可能性があるため、早めに医療機関を受診してください。子供のインフルエンザは、症状が重篤になる可能性があるため、早めに医療機関で診断を受けることをお勧めします。「厚生労働省のサイト」でも同様の見解を述べております。
インフルエンザの症状をチェックするためのポイント
インフルエンザウイルスに感染した可能性がある場合は、以下の症状を確認してください。
<インフルエンザの初期症状>
・38度以上の高熱
・悪寒
・強い倦怠感
・筋肉痛や関節痛
・激しい頭痛
これらの症状に加えて、咳や喉の痛み、鼻水などの呼吸器症状が現れることもありますので、慎重に確認してください。また、「地域内でインフルエンザが流行しているのか」「家庭内にインフルエンザ陽性者はいるのか」なども重要な情報です。医師への報告の際には、具体的な情報収集が大切になります。症状の発生時期や進行具合、体温の変動、服薬歴、そして近くで同様の症状が見られる人がいるかなど、症状に関する詳細な情報を医師に提供してくださいね。
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし、「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。なお、当院では、予約なしでインフルエンザ予防接種を実施しております。現在、診察時間内であれば当日の接種も可能ですので、突然の接種希望にも柔軟に対応できます。インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2024.01.18
インフルエンザ潜伏期間の症状・感染について|患者・家族の方へ
内科に関する記事です。
この記事では「インフルエンザウイルスの潜伏期間」について解説していきます。後半部分では「インフルエンザの初期症状」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インフルエンザ潜伏期間とは
インフルエンザ潜伏期間の一般的な長さ
インフルエンザ潜伏期間の家族との関わり
インフルエンザ潜伏期間中にうつるのか?
インフルエンザ潜伏期間の主な症状
インフルエンザの予防接種、予防策について
インフルエンザの予防接種の時期について
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザ潜伏期間とは
インフルエンザウイルスの潜伏期間とは、インフルエンザウイルスに感染してから症状が現れるまでの時間を指します。通常は1~3日の潜伏期間が経過すると、発熱や倦怠感などの症状が現れます。ただし、潜伏期間中にも感染力があり、他者にウイルスを広げる可能性があるため注意が必要です。なお、発症直後に「インフルエンザ迅速検査」を行っても陽性となりづらい傾向があります。また、インフルエンザ迅速検査は、本当にインフルエンザに感染していても、必ずしも陽性になるわけではありません。それに検査陰性であっても、インフルエンザに感染していないとも言い切れません。したがって、インフルエンザの流行期において“インフルエンザ陽性者”との接触があった場合に、発熱・咽頭痛・関節痛といったインフルエンザ様症状を呈して受診された場合、検査が陰性でも「インフルエンザ」と臨床診断することがあります。インフルエンザの流行状況について知りたい方は「インフルエンザの流行状況(東京都2023-2024年シーズン)」をご覧ください。
インフルエンザ潜伏期間の一般的な長さ
インフルエンザウイルスの潜伏期間は一般的に1~3日とされています。ただし、潜伏期間は年齢や体質、体調によって個人差があり、この期間が長くなることもあります。例えば、子供や高齢者は通常、免疫系が未発達または衰えているため、潜伏期間が長くなることがあります。また、基礎疾患を抱えている方も同様です。インフルエンザウイルスの潜伏期間は個人差が大きいため、「インフルエンザ陽性者」との接触があった場合は十分に注意してください。
インフルエンザ潜伏期間の家族との関わり
インフルエンザは「飛沫感染」や「接触感染」により感染が広がります。したがって、インフルエンザに罹患した可能性がある場合は、家庭内での感染リスクに注意してください。具体的には、家庭内での感染リスクは密なコミュニケーションや共有する空間によって高まりますので、なるべく3密(密閉・密集・密接)を避けてください。また、共用の食器やタオルに触れることにより、家族内でのウイルスの拡散が生じますので、感染者が触れたものに触れないように気を付けてください。家族内にインフルエンザ患者が発生すると、家族にインフルエンザが蔓延することが危惧されますので、十分に注意してくださいね。なお、家庭内感染への対策としては、以下が有用です。
・換気は積極的に行う
・タオルなどの共有はしない
・接触が必要な場合にはマスクを装着
・マスクを外す際には2m以上離れる
・インフルエンザ患者の入浴は最後に行うか
・インフルエンザ患者の衣類などに触れた際には必ず手洗いをする
インフルエンザ潜伏期間中にうつるのか?
インフルエンザウイルスは、症状をはっきりと感じることのない潜伏期間中から感染力を持っています。したがって、潜伏期間中でも十分に感染力はあります。特に、インフルエンザの発症前24時間から発病後3日程度までが最も感染力が強いと言われております。ですので、インフルエンザの症状が出てから気を付けるのではなく、インフルエンザの発症前から注意する必要があります。なお、インフルエンザの感染拡大を防ぐためには、手洗いやマスクの着用、密閉・密集・密接の回避が重要です。また、発症初期の段階で医療機関を受診し、専門医の指示に従うことも重要になります。
インフルエンザ潜伏期間の主な症状
インフルエンザウイルスに感染してから1~3日間程度の潜伏期間の後に、38℃以上の高熱、関節痛、頭痛、全身倦怠感などが突然あらわれます。そして、その後に鼻水・咳などの症状が出現し、約1週間程度で軽快するのが典型的なインフルエンザの症状になります。インフルエンザは「通常の風邪」と比較すると全身症状が強いことが特徴です。なお、全てのインフルエンザウイルスが重い症状をもたらすわけではありません。風邪とほぼ変わらないケースもあり、なかには自分がインフルエンザに感染したことに気づかない方もいます。インフルエンザに感染していることに気づかないままでいると、自分でも気づかないうちに周囲にウイルスを広げてしまう可能性があります。そのため、早い段階で自分がインフルエンザに感染していることに気づき、適切な対処をすることが非常に重要です。また、隠れインフルの場合、通常のインフルエンザと比べて症状が軽い点が挙げられますので、「少しでもおかしい」と感じたら、早めに病院へ行くことが大切になります。以下、インフルエンザの初期症状です。
・発熱
・全身倦怠感
・関節痛・筋肉痛
・頭痛
・食欲不振
インフルエンザの初期症状について詳しく知りたい方は「厚生労働省のサイト」をご覧ください。
インフルエンザの予防接種、予防策について
インフルエンザ予防接種は、インフルエンザの重症化を防ぐ上で極めて有効な方法です。したがって、インフルエンザの重症化を予防するためにもインフルエンザ予防接種を推奨します。インフルエンザは悪化すると、気管支炎や肺炎、脳症などの重篤な合併症を引き起こす恐れがありますので、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。
インフルエンザの予防接種の時期について
インフルエンザ予防接種は、接種してから効果が現れるまで約2週間程度かかります。そのため、インフルエンザ予防接種は、インフルエンザが流行する前に受けておくことが望ましいとされています。なお例年、日本では12月~4月頃にインフルエンザが流行し、1月末~3月上旬に流行のピークを迎えます。したがって、12月中旬までにインフルエンザ予防接種を終えることが望ましいと考えられます。「厚生労働省」「文部科学省」「環境省」でも同様の見解を述べております。
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし、「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。なお、当院では、予約なしでインフルエンザ予防接種を実施しております。現在、診察時間内であれば当日の接種も可能ですので、突然の接種希望にも柔軟に対応できます。インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
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2024.01.17
不眠症と睡眠時無呼吸症候群(SAS)の違い
内科に関する記事です。
この記事では、「不眠症と睡眠時無呼吸症候群(SAS)の違い」について解説していきます。後半部分では、「生活習慣病と睡眠障害の関係」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
不眠症(睡眠障害)とは
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
不眠症と睡眠時無呼吸症候群(SAS)の違い
生活習慣が睡眠障害に影響することも
不眠症や睡眠時無呼吸症候群にお悩みの方はいつでも相談ください
不眠症(睡眠障害)とは
不眠症とは、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害によって、その人にとって必要な睡眠時間が十分に取れないことや「睡眠の質」が低下することで、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。不眠は、眠気、倦怠感、集中力低下、抑うつや不安などの精神症状を引き起こし、その結果として生産性の低下、交通事故の増加など、様々な人的および社会経済的損失をもたらすと考えられております。したがって、「睡眠が浅い」「寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。「一般社団法人千葉市医師会」や「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」でも同様のことを伝えておりますので、ご興味のある方はご覧ください。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、眠り出すと呼吸が止まってしまう病気です。医学的な定義では、10秒以上呼吸が止まる「無呼吸」や、呼吸が弱くなる「低呼吸」が、1時間あたり5回以上繰り返される状態を言います。睡眠中に無呼吸が発生すると、十分な酸素が体に供給されないため、深い睡眠がまったくとれなくなり、日中に強い眠気が出現します。また、無呼吸に伴う低酸素状態が毎晩、しかも年単位で起きれば、「心臓・血管系の病気」や「多くの生活習慣病」を引き起こします。したがって、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を放置してはいけません。睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、早期の診断と適切な治療が不可欠です。医師の診療を受け、個別に合わせた対策を始めると、健康な生活を取り戻せますので、専門医への相談をお勧めします。「睡眠時無呼吸症候群 / SAS」や「日本呼吸器学会のサイト」でも同様のことを伝えておりますので、ご興味のある方はご覧ください。
※睡眠時無呼吸症候群は(Sleep Apnea Syndrome)の頭文字を取ってSAS(サス)とも呼ばれております。
不眠症と睡眠時無呼吸症候群(SAS)の違い
不眠症と睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、両者ともに睡眠障害の一形態ですが、異なる症状とメカニズムを有しています。そのため、不眠症は「睡眠障害」に分類されていますが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)は「睡眠呼吸障害」に分類されています。不眠症は、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害によって「睡眠の質」が低下し、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。一方、睡眠時無呼吸症候群は、眠り出すと呼吸が止まってしまう病気で、睡眠中に一時的な呼吸停止が繰り返されて酸素供給が減少し、その結果、日中の眠気や集中力低下が生じます。このような理由から、不眠症と睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、異なる症状とメカニズムを有していると言えます。なお、不眠症は主に心理的な要因に起因し、入眠や寝つきに関する問題が中心です。一方で睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中の呼吸障害が主な原因です。したがって、両者の治療方法は異なります。
生活習慣が睡眠障害に影響することも
生活習慣が睡眠障害に与える影響は非常に大きいです。不規則な睡眠スケジュールや長時間のスマートフォンの使用は、「入眠困難」や「中途覚醒」を引き起こす可能性があります。また、「過度なカフェイン摂取」や「過度なアルコール摂取」も睡眠を妨げる要因となります。さらに、「喫煙」や「運動不足」も睡眠パターンに悪影響を及ぼすことがあります。これらの生活習慣が蓄積すると、慢性的な睡眠障害が発生しやすくなりますので、ご注意ください。なお、質の高い睡眠を確保するためには、「規則正しい生活習慣の確立」が重要です。睡眠障害に対する対策と予防法は、次の通りです。
【睡眠障害に対する対策と予防法1】適切な食習慣
快適な睡眠を得るためには、適切な食習慣が重要です。朝食は心と身体の目覚めに欠かせません。栄養バランスの取れた朝食を摂ってエネルギーを補給し、一日のスタートを切ってください。なお、夜食については、軽めのものを選ぶことがポイントです。胃腸を過度に刺激しないようにし、就寝前には十分な時間を置いて消化を促してください。適切な食習慣を心掛けることで、良質な睡眠への道が開かれます。
【睡眠障害に対する対策と予防法2】睡眠のルーティン化
睡眠のリズムを整えるために、毎晩同じ時間に寝る習慣を作ってください。また、朝起きたらすぐに起きることも大切です。
【睡眠障害に対する対策と予防法3】スマートフォンを長時間使用しないこと
スマートフォンの画面から発せられるブルーライトは、眠りを誘うメラトニンの分泌を抑制し、眠りの質を低下させます。また、SNSやメッセージアプリの利用は興奮状態を引き起こし、リラックスを妨げます。ですので、就寝前のスマートフォンの使用はできる限り控えてください。なお、就寝前のスマートフォンの使用を抑制するためには「寝室からスマートフォンを遠ざける」「寝る1時間前からスマートフォンの使用を控える」「ブルーライトカットフィルターを使用する」などの対策が効果的です。
【睡眠障害に対する対策と予防法4】睡眠環境の整備
快適な寝室環境を作ってください。暗い部屋、静かな環境、快適な温度、適切なマットレスや枕などが重要です。
【睡眠障害に対する対策と予防法5】午後の眠気はうまくやり過ごす
長い昼寝はかえって夜間の睡眠を妨げます。昼寝をするなら、午後3時前の20~30分にしてください。
【睡眠障害に対する対策と予防法6】カフェインやアルコールの摂取制限
カフェインやアルコールは睡眠を妨げることがありますので、摂取量を制限する、または避けるようにしてください。
【睡眠障害に対する対策と予防法7】ストレス管理
ストレスは睡眠の質の悪化を引き起こすことがあります。リラクゼーション法やストレス解消の方法を取り入れて、日常的なストレスを軽減してください。
【睡眠障害に対する対策と予防法8】目が覚めたら日光を浴びる
目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計を刺激してください。早起きは早寝に通じます。なお、睡眠のリズムを整えるために、週末などの休みの日も、平日と同じ時刻で起床するよう心掛けてくださいね。
【睡眠障害に対する対策と予防法9】適度な運動
適度な運動は睡眠障害に対して効果的な手段とされています。運動によって体温が上昇し、その後の体温低下が入眠を促進します。さらに、適切な運動は睡眠の質を向上させ、深い眠りやREM睡眠の量を増やすと報告されています。習慣的に運動を行うことで、寝つきが良くなり、より良質な睡眠を得ることができますので、不眠症や睡眠時無呼吸症候群にお悩みの方は積極的に運動を行ってください。なお、一般的には以下のような運動が効果的とされています。
<軽いジョギングやサイクリング>
軽いジョギング、ウォーキング、サイクリングなどの有酸素運動は心拍数を上げ、体温を上昇させる効果があります。これにより、身体をリラックスさせるための条件を整え、入眠を促進することが期待されます。なお、有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに酸素を使う運動のことです。
<ヨガ>
ヨガは、リラックスやストレス軽減に効果があります。ヨガは、睡眠障害の原因の一つにストレスや緊張が関与している場合、特に効果的です。
<水泳>
水中での運動は体を軽く感じさせ、筋肉をリラックスさせる効果があります。また、水中の環境が落ち着きを与え、リラックス効果を高めることができます。
不眠症や睡眠時無呼吸症候群(SAS)にお悩みの方はいつでも相談ください
不眠症や睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、他の病気との関連性が高い病気です。したがって、不眠症や睡眠時無呼吸症候群(SAS)は放置せず、適切な治療を受けることが重要です。睡眠が浅い、寝付けないなど、睡眠に関して問題があることで、「日常生活に支障が出ている」と感じている方は、早めに医師に相談することをお勧めします。なお、当院では、不眠症や睡眠時無呼吸症候群(SAS)に対する診断を行っております。不眠症や睡眠時無呼吸症候群(SAS)について悩んでいる方、あるいは不眠症や睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2023.12.13
不眠症は内科で受診できます
内科に関する記事です。
この記事では「不眠症の診療科」について解説していきます。後半部分では、「不眠症の診察を受けるタイミング」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
不眠症(睡眠障害)とは
不眠症(睡眠障害)の主な症状
不眠症が内科で受診できる理由
不眠症と他の病気との関連性
不眠症の診察を受けるタイミング
不眠症(睡眠障害)にお悩みの方はいつでも相談ください
不眠症(睡眠障害)とは
不眠症とは、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害によって、その人にとって必要な睡眠時間が十分に取れないことや「睡眠の質」が低下することで、日中に「倦怠感」や「意欲低下」などの不調が出現する病気です。不眠は、眠気、倦怠感、抑うつや不安などの精神症状を引き起こし、その結果として生産性の低下、交通事故の増加など、様々な人的および社会経済的損失をもたらすと考えられております。したがって、「睡眠が浅い」「寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。「一般社団法人千葉市医師会」や「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」でも同様のことを伝えておりますので、ご興味のある方はご覧ください。
不眠症(睡眠障害)の主な症状
不眠症は、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害などの睡眠問題によって、眠気や倦怠感、意欲低下、集中力低下、食欲低下などの身体的な症状を引き起こす可能性があります。さらに、長期間にわたる不眠は「うつ病」や「不安障害」などの精神症状も引き起こす可能性があります。十分な睡眠を得られない状態が続くと、神経系やホルモンバランスに影響を及ぼし、精神的な安定に悪影響を及ぼすことがありますので、ご留意ください。なお、不眠症を放置すると日常生活にも影響を及ぼす場合があります。そのため、早めに医師の診断を受け、適切なケアを行うことが大切です。
不眠症が内科で受診できる理由
不眠症の治療では、基本的に内科を受診します。内科医は患者さんの健康状態や生活習慣を考慮し、不眠の原因を明らかにする手助けをしてくれます。また、慢性的な疾患や薬物の影響も確認し、必要に応じて「適切な治療」や「アドバイス」を提供してくれます。したがって、不眠症が疑われる場合は、まず内科を受診してください。なお、不眠の要因は様々で、症状によっては他の専門科目が必要な場合もあります。しかし、「自分がどの症状かを判断すること」は難しい場合があります。そのため、まずは内科で相談を受けることが大切です。睡眠に対して不安を感じたら、まずは内科で相談してくださいね。
不眠症と他の病気との関連性
不眠症は他の病気との関連性が高い疾患です。大きく分けて、「からだの病気」と「こころの病気」との関連性が見られます。
<からだの病気>
慢性疼痛や心臓病、呼吸器疾患、消化器疾患などは、不眠症のリスクを高める要因となります。また、これらの病気は睡眠の質や量に影響を及ぼし、不眠症の症状を悪化させることがあります。
<こころの病気>
不眠症は、こころの病気との関連性も高いです。なかでも「うつ病」や「不安障害」との関連が顕著であり、相互に影響し合うことが多いです。そのため、うつ病や不安障害の治療が不十分な場合、不眠症の症状が悪化することもあります。
このように、不眠症は「からだの病気」と「こころの病気」と密接に関連しており、それぞれが互いに影響し合うことがあるため、不眠症の治療においては「総合的なアプローチ」が重要です。不眠症の症状について気になる点がある方は、早めに医師の診断を受け、適切な治療を受けることをお勧めします。
不眠症の診察を受けるタイミング
睡眠障害が続く場合、早めに医師の診察を受けることが重要です。具体的には、不眠症などの睡眠の問題で、1ヶ月以上にわたって「だるさ」や「頭痛」などの身体症状が現れている場合は、一度、医療機関を受診してください。また、1ヶ月以内であっても、「日中の眠気」や「集中力の低下」が仕事や学業に支障をきたしている場合は、早めの受診がお勧めです。早期の診断と適切な治療で、良質な睡眠を取り戻すことが可能です。早めに医師の診断を受け、適切な治療を行ってくださいね。
不眠症(睡眠障害)にお悩みの方はいつでも相談ください
「睡眠が浅い」「なかなか寝付けない」など、睡眠に関して問題があることで「日常生活に支障が出ている」と感じている方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。睡眠不足は、単に身体の疲れが残りやすくなるだけでなく、「体の病気」や「心の病気」の原因となります。また睡眠障害自体が“心の病気”の前兆の可能性もあります。ですので、「睡眠が浅い」「なかなか寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は放っておかずに、お近くの医療機関に足を運んでください。なお、当院では“不眠症の診療”や“薬の処方”だけでなく、診断書の発行も行っております。医師の診断を受けたい方、あるいは自分が不眠症なのか気になる方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2023.12.13
都賀で不眠症(睡眠障害)にお困りの方へ
内科に関する記事です。
この記事では、「不眠症(睡眠障害)」について解説していきます。後半部分では「不眠症に対する治療法」をご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
不眠症(睡眠障害)とは
不眠症(睡眠障害)の主な症状
不眠症(睡眠障害)の患者は年々増加しています
躁うつ病(双極性障害)やうつ状態が不眠症を引き起こすことも
不眠症(睡眠障害)には様々な治療法があります
不眠症(睡眠障害)の改善方法
【千葉市若葉区都賀のクリニック推奨|不眠症の改善方法1】睡眠環境の整備
【千葉市若葉区都賀のクリニック推奨|不眠症の改善方法2】規則正しい生活リズムの維持
【千葉市若葉区都賀のクリニック推奨|不眠症の改善方法3】寝室からスマホを遠ざける
【千葉市若葉区都賀のクリニック推奨|不眠症の改善方法4】適度な運動
【千葉市若葉区都賀のクリニック推奨|不眠症の改善方法5】ヨガや瞑想、深呼吸法
不眠症(睡眠障害)にお悩みの方はいつでも相談ください
不眠症(睡眠障害)とは
不眠症とは、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害によって、その人にとって必要な睡眠時間が十分に取れないことや「睡眠の質」が低下することで、日中に「倦怠感」や「意欲低下」などの不調が出現する病気です。不眠は、眠気、倦怠感、抑うつや不安などの精神症状を引き起こし、その結果として生産性の低下、交通事故の増加など、様々な人的および社会経済的損失をもたらすと考えられております。したがって、「睡眠が浅い」「寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。「一般社団法人千葉市医師会」でも同様のことを伝えておりますので、ご興味のある方はご覧ください。
不眠症(睡眠障害)の主な症状
不眠症は、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害などの睡眠問題によって、眠気や倦怠感、意欲低下、集中力低下、食欲低下などの身体的な症状を引き起こす可能性があります。さらに、長期間にわたる不眠は「うつ病」や「不安障害」などの精神症状も引き起こす可能性があります。十分な睡眠を得られない状態が続くと、神経系やホルモンバランスに影響を及ぼし、精神的な安定に悪影響を及ぼすことがありますので、ご留意ください。なお、不眠症を放置すると日常生活にも影響を及ぼす場合があります。そのため、早めに医師の診断を受け、適切なケアを行うことが大切です。「厚生労働省のサイト」でも同様のことを伝えております。
不眠症(睡眠障害)の患者は年々増加しています
日本では、一般成人の30〜40%が何らかの不眠症状を有しており、特に女性に多いことが知られています。不眠症状のある方のうち、慢性不眠症は成人の約10%に見られ、その原因はストレス、精神疾患、神経疾患、アルコール、薬剤の副作用など多岐にわたります。なお、不眠症状は加齢とともに増加し、60歳以上では半数以上の方が該当します。また、大きな災害後や新型コロナウイルス感染症の影響で、一過性に不眠症が増加することもあります。このように、不眠症は特殊な病気ではありません。よくある普通の病気です。実際、日本では成人の5%が不眠のために「睡眠薬」を服用していると言われております。
躁うつ病(双極性障害)やうつ状態が不眠症を引き起こすことも
不眠症とうつ病には密接な関連性があります。両者は共通の特徴を持ち、相互に影響し合うことが多いです。まず、不眠症とうつ病の共通点は、睡眠障害です。不眠症では入眠障害や中途覚醒、早朝覚醒などが見られ、うつ病でも同様の症状が現れることがあります。睡眠の質や量が低下することで、心身の疲労や不調が増し、うつ病の症状が悪化することもあります。また、不眠症がうつ病のリスク因子となることもあります。慢性的な睡眠障害があると、うつ病の発症リスクが増加する傾向があります。一方で、うつ病が不眠症を引き起こすこともあります。うつ病の症状によって心が不安定になり、入眠障害や睡眠の浅さが生じることがあります。このように、不眠症とうつ病は相互に影響し合う関係にあります。そのため、不眠症とうつ病の治療では、両方の症状を同時に考慮し、総合的なアプローチを取ることが重要です。不眠症とうつ病の関係については「千葉市若葉区都賀のクリニック|不眠症とうつ病の関係性」で詳しく解説しておりますので、ご興味のある方はご覧ください。
不眠症(睡眠障害)には様々な治療法があります
不眠症の治療は、「薬物療法」と「非薬物療法」の2つに大別されます。薬物療法では、薬を使用して治療を行います。一方、非薬物療法では、「生活習慣の改善」や「睡眠衛生指導」を通じて不眠症を治療します。なお、不眠症の治療では、まず原因を特定し、薬物療法以外のアプローチを試みます。そして、もし不眠が他の疾患によるものであれば、その疾患の治療が優先されます。「国立精神・神経医療研究センター」でも同様の見解を述べています。
不眠症(睡眠障害)の改善方法
ここでは、「不眠症の改善方法」をご紹介します。
【千葉市若葉区都賀のクリニック推奨|不眠症の改善方法1】睡眠環境の整備
睡眠環境の整備は、不眠症の改善に非常に重要です。寝室を暗くし、静かな環境を作り、快適な温度に調整することで、心地よい睡眠環境を整えることができます。また、適切な寝具を選ぶことも重要です。適切なマットレスや枕は体のサポートと圧力分散を助け、痛みや不快感を軽減します。睡眠環境の整備は、短期的な不眠症の症状を改善するだけでなく、長期的な睡眠の質を向上させる効果もありますので、積極的に行ってください。
【千葉市若葉区都賀のクリニック推奨|不眠症の改善方法2】規則正しい生活リズムの維持
規則正しい生活リズムの維持は、不眠症の改善に非常に重要です。毎日同じ時間に起床し、就寝することで体内時計を調整し、睡眠の質を向上させることができます。また、規則正しい生活リズムを守ることで、体内の睡眠・覚醒サイクルが正常化し、不眠症の症状の改善につながります。不眠症の方は、睡眠リズムの調整に意識を向け、生活のリズムを整えることを心掛けてください。
【千葉市若葉区都賀のクリニック推奨|不眠症の改善方法3】寝室からスマホを遠ざける
スマホの画面から発せられるブルーライトは、眠りを誘うメラトニンの分泌を抑制し、眠りの質を低下させます。また、SNSやメッセージアプリの利用は興奮状態を引き起こし、リラックスを妨げます。ですので、就寝前のスマホ操作はできる限り控えてください。なお、就寝前のスマホ操作を抑制するためには「寝室からスマホを遠ざける」「寝る1時間前からスマホ使用を控える」「ブルーライトカットフィルターを使用する」などの対策が効果的です。
【千葉市若葉区都賀のクリニック推奨|不眠症の改善方法4】適度な運動
適度な運動は不眠症に対して効果的な手段とされています。運動によって体温が上昇し、その後の体温低下が入眠を促進します。さらに、適切な運動は睡眠の質を向上させ、深い眠りやREM睡眠の量を増やすと報告されています。習慣的に運動を行うことで、寝つきが良くなり、より良質な睡眠を得ることができますので、不眠症にお悩みの方は積極的に運動を行ってください。
【千葉市若葉区都賀のクリニック推奨|不眠症の改善方法5】ヨガや瞑想、深呼吸法
ヨガや瞑想、深呼吸法などのリラクゼーションテクニックは、不眠症の改善に効果的な手段です。具体的には、ヨガではポーズやストレッチ、呼吸法を組み合わせて行います。瞑想では、静かな場所で目を閉じて心を集中させます。深呼吸法では、ゆっくりと深い呼吸を行いながら身体をリラックスさせます。これらのテクニックを日常的に取り入れることで、ストレスや緊張を緩和し、安定した睡眠をサポートしますので、積極的に取り入れてください。
不眠症(睡眠障害)にお悩みの方はいつでも相談ください
「睡眠が浅い」「なかなか寝付けない」など、睡眠に関して問題があることで「日常生活に支障が出ている」と感じている方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。睡眠不足は単に身体の疲れが残りやすくなるだけでなく、体の病気や心の病気の原因となります。また睡眠障害自体が“心の病気”の前兆の可能性もあります。ですので、「睡眠が浅い」「なかなか寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は放っておかずに、お近くの医療機関に足を運んでください。なお、当院では“不眠症の診療”や“薬の処方”だけでなく、診断書の発行も行っております。医師の診断を受けたい方、あるいは自分が不眠症なのか気になる方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2023.12.13
血糖値を下げるのに効果的な食べ物を紹介
内科に関する記事です。
この記事では「血糖値を下げるのに効果的な食べ物」をご紹介していきます。後半部分では「血糖値を下げるのに効果的な方法」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
血糖値とは
高血糖のリスク
血糖値が上がる食べ物の特徴
血糖値を下げる食べ物の特徴
効果的な血糖値の下げ方について
血糖値を下げるためには運動も効果的
高血糖、糖尿病が不安な人はいつでも相談ください
血糖値とは
血糖値は、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度のことです。食事を摂ると、食べ物に含まれる「炭水化物」が消化吸収されてブドウ糖となり、血液中に取り込まれます。この血液中のグルコースの濃度が「血糖値」です。血糖値は、健康な人であっても空腹時と食後の血糖値は異なります。ただし、健康な人の血糖値は一定の範囲内で変動しますが、糖尿病の方は、その変動が大きく、異常な高血糖になることがあります。血糖値について詳しく知りたい方は「血糖値|e-ヘルスネット(厚生労働省)」をご覧ください。
高血糖のリスク
高血糖が引き起こすトラブルは「糖尿病」だけではありません。血糖値が高い状態が続くと、細い動脈だけでなく、太い動脈にもダメージを与え、動脈硬化が進行します。動脈は心臓から全身に酸素と栄養素を送り込む血管のため、動脈硬化が進行すると内壁の弾力性がなくなったり、詰まったりして「心筋梗塞」や「狭心症」、「脳梗塞」を引き起こすことがあります。また、高血糖は神経にも悪影響を与え、「末梢神経障害」を引き起こす可能性があります。この状態では、手足のしびれや痛みが生じ、生活の質に悪影響を及ぼします。血糖値が高い状態が続くと、血糖値上昇に伴う酸化ストレスや炎症、そして高血圧や脂質異常などの影響が複雑に絡み合い、全身の様々な場所に悪影響を及ぼしますので、ご注意ください。
血糖値が上がる食べ物の特徴
血糖値を急上昇させる食べ物には、甘い飲み物やお菓子、白米や麺類などの白い炭水化物が挙げられます。皆さんが食事を摂ると、食べ物に含まれるブドウ糖が体内に吸収されます。ブドウ糖は栄養素の中でも最も重要なエネルギー源ですが、過剰に摂り過ぎると血液中のブドウ糖の量が余ってしまい、血糖値の上昇を引き起こします。つまり、ブドウ糖が豊富な食品や、ブドウ糖が効率よく吸収される食品は、血糖値が急激に上がりやすいということです。なお、血糖値を急激に上昇させる「食べ物」と「飲み物」は、以下の通りです。
・精白米
・麺類(うどん、焼きそば、スパゲティ)
・甘い菓子パン(クリームパン、あんパン)
・菓子(ようかん、饅頭)
・清涼飲料水(ジュース・コーラ・乳酸飲料・栄養ドリンク)
血糖値を下げる食べ物の特徴
血糖値を下げる食べ物の特徴は、血糖の吸収が緩やかな食べ物です。例えば、野菜やキノコ類、豆類、海藻類などは、ブドウ糖含有量が少ない、あるいはブドウ糖を消化吸収に時間がかかる形で含むので、血糖値の上がりにくい食べ物だと言えます。なお、血糖値を下げる効果が期待できる「食べ物」と「飲み物」は、以下の通りです。
・野菜類(玉ねぎ、トマト、オクラ)
・海藻類(わかめ、昆布)
・キノコ類(ブナピー、ブナシメジ)
・豆類(インゲン豆、おたふく豆)
・緑茶
効果的な血糖値の下げ方について
血糖値を下げるためには「食事内容」や「食べ方」を見直すことが大切です。
【効果的な血糖値の下げ方1】ゆっくり食べる
早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。
【効果的な血糖値の下げ方2】野菜類から食べる
野菜類から先に食べることで食後の血糖値の上昇が緩やかになります。また、野菜や豆類などで少しお腹をふくらませておくと、肉類やご飯の量を減らすこともできます。ですので、食事をする際は野菜類から食べてください。
【効果的な血糖値の下げ方3】食物繊維が含まれる食品を摂る
食物繊維には、食後の血糖値上昇を抑え、便通を改善させる効果があります。さらに、水に溶ける食物繊維(水溶性食物繊維)には、血中コレステロールの上昇を抑える効果があります。ですので、食物繊維が含まれる食品を多く摂るように心掛けてください。なお、食物繊維を多く含む食べ物には、野菜、海藻、きのこなどが挙げられます。
<野菜>
野菜は低カロリーで食物繊維が多く、糖質や脂質の代謝に必要なビタミン・ミネラルが含まれています。特にブロッコリーや小松菜などの緑黄色野菜には食物繊維以外にも、糖の代謝を促進する葉酸も多く含まれています。ですので、野菜を選ぶ際は緑黄色野菜を中心に食べてください。なお、南瓜やれんこん、芋類は糖質が多い野菜なので、食べ過ぎに注意してくださいね。
<海藻>
海藻は低カロリーで食物繊維、ビタミン、ミネラルを多く含みます。中でも「めかぶ」はおすすめです。
<きのこ>
きのこは低カロリーで食物繊維が多く含まれています。食物繊維は、糖の吸収を邪魔するため、血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。さらに、きのこに含まれるβ-グルカンは胃や腸で膨らむので満腹感も得られ、お通じの調子も整います。
【効果的な血糖値の下げ方4】たんぱく質を積極的に摂る
肉や魚、卵、豆類などのたんぱく質が血糖値の急激な上昇を緩和し、食後の血糖値を安定させる助けになります。したがって、積極的にたんぱく質は摂ってください。高齢の方は、食事の量が減ってたんぱく質が不足しやすく、加齢も影響して筋肉が衰えやすいので、特に注意してくださいね。
【効果的な血糖値の下げ方5】間食をしない
間食をすると血糖値の高い状態が続き、インスリンを分泌するすい臓に大きな負担がかかります。また、その状態のままで次の食事をすると、食後高血糖の原因にもなります。糖尿病を予防するためにも間食はできる限り控えてください。
血糖値を下げるためには運動も効果的
血糖値を下げるためには、運動も効果的です。血糖値を下げるのに効果的な運動には、「有酸素運動」と「レジスタンス運動」があります。
【血糖値を下げるのに効果的な運動1】有酸素運動
有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに酸素を使う運動のことです。ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。なお、有酸素運動は週150分以上が推奨されています。
【血糖値を下げるのに効果的な運動2】レジスタンス運動
レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動のことです。スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操など、標的とする筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います(レジスタンス(Resistance)は和訳で「抵抗」を意味します)。レジスタンス運動は、筋肉量増加・筋力向上・筋持久力向上を促す筋力トレーニングとして高齢者からアスリートまで広く行われています。
高血糖、糖尿病が不安な人はいつでも相談ください
血糖値が高いままの生活を続けると、「血管がもろく、ボロボロになってしまう」いわゆる血管病になります。そして、全身にネットワークを結んでいる血管と神経が、血糖値の高い状態が続くことで侵され、適正な栄養の供給が途絶えて「全身の臓器」に様々な障害が起こってきます。したがって、血糖値が高い状態を放置してはいけません。高血糖にお心当たりのある方は早期の対策が重要です。高血糖にお心当たりのある方、あるいは糖尿病について不安な方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2023.11.15
痩せた若い女性にも起こりがちな血糖値上昇の原因と対策
内科に関する記事です。
この記事では、「痩せた若い女性にも起こりがちな血糖値上昇」について解説していきます。後半部分では「痩せた若い女性が抱える糖尿病リスク」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
血糖値とは
痩せた若い女性でも食後高血糖が多い
痩せた若い女性が抱える糖尿病リスク
痩せた若い女性に対する取り組み
高血糖・糖尿病について不安な方はいつでもご相談ください
血糖値とは
血糖値は、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度のことです。食事を摂ると、食べ物に含まれる「炭水化物」が消化吸収されてブドウ糖となり、血液中に取り込まれます。この血液中のグルコースの濃度が「血糖値」です。血糖値は、健康な人であっても空腹時と食後の血糖値は異なります。ただし、健康な人の血糖値は一定の範囲内で変動しますが、糖尿病の方は、その変動が大きく、異常な高血糖になることがあります。また、肥満気味の方は、血糖値が上がりやすい傾向にあります。肥満気味の方は、過剰な脂肪組織が体内のインスリンの効果を低下させ、結果として血糖値の調整が難しくなります。さらに、脂肪細胞から分泌される炎症性物質も、血糖の正確なコントロールを妨げる可能性があります。したがって、肥満気味の方は、バランスの取れた食事と適度な運動が非常に重要です。
若い女性でも血糖値が上がる原因
若い女性でも血糖値が上がる原因は様々です。一つの要因は、不摂生な食習慣や高カロリーな食品の摂取です。過剰な砂糖や加工食品は血糖値を急激に上昇させる可能性があります。また、運動不足や生活習慣の乱れも影響を与えます。特にストレスは、ストレスホルモンの分泌を増加させ、これが血糖値の上昇につながることがあります。なお、遺伝的な要素も考慮すべき点です。家族に糖尿病の方がいる場合は注意が必要です。
痩せた若い女性でも食後高血糖が多い
痩せていると思われる若年女性でも、食後高血糖が見られることがあります。これは食事の際、摂取した糖質の急激な吸収によるものです。低体重であっても、食事内容や糖質の種類によっては血糖値が急上昇しやすくなります。また、過度の食事制限や不規則な食生活も影響を与え、血糖値の乱れを引き起こすことがあります。なお、食後高血糖については以下をご覧ください。
<食後高血糖とは>
食後高血糖とは、食後2時間が過ぎても血糖値が高い状態のことを言います。食事をすると血糖値は高くなり、2~3時間以内に正常値(110mg/dl未満)に戻るのが一般的です。しかし、血糖値が低下せず長い時間140mg/dl以上の値が続く場合には「食後高血糖」と判断されます。食後血糖値が高い状態が続くと、糖尿病の発症リスクが高くなります。ですので、食後高血糖は糖尿病だけでなく糖尿病予備群においても重要な指標の一つとして注目されています。
痩せた若い女性が抱える糖尿病リスク
順天堂大学の研究グループは、日本人の痩せた若年女性 (BMI *1<18.5kg/m2) に食後高血糖となる「耐糖能異常」が多く、その原因として、主に肥満者に生じる「インスリン抵抗性」や「脂肪組織の異常」が関連することを明らかにしています。本研究では、標準体重の女性に比べて、痩せ型の女性では耐糖能異常の割合が約7倍高いことが明らかになり、その率は米国の肥満者における割合(10.6%)よりも高い率だったと伝えています。また、痩せ型の若年女性の「耐糖能異常」の特徴を詳しく解析したところ、インスリン分泌が低下しているだけでなく、主に肥満者の特徴とされてきた「インスリン抵抗性」も中年肥満者と同程度生じていることが明らかになったと伝えています。従来、インスリン抵抗性は肥満に伴って出現し、痩せ型の糖代謝異常は「インスリン分泌障害」が主体で、インスリン抵抗性はあまり関係しないと考えられていました。しかしながら本研究により、痩せた若年女性における耐糖能異常にも、肥満者と同様に「インスリン抵抗性」や「脂肪組織障害」が生じている“代謝的肥満”があることを明らかにしました(本研究で見つかった痩せた若年女性のインスリン抵抗性や脂肪組織異常が生じるメカニズムについてはまだ明らかになっていない部分があるため、更なる研究が必要です)。このような理由から、痩せている女性は肥満の女性と同じように「糖尿病の発症リスク」が高いことが分かっています。「糖尿病ネットワーク」でも同様のことを伝えています。
痩せた若い女性に対する取り組み
近年の研究により、日本人の痩せた若年女性では「耐糖能異常の比率」が顕著に高いことが明らかになっています。痩せた若年女性の多くは、食事量が少なく、運動量も少ないという「エネルギー低回転タイプ」となっており、それと共に骨格筋量も減少していることから、痩せた若年女性に対する取り組みとしては、十分な栄養と運動により、筋肉量を増やすような生活習慣の改善が重要と考えられています。具体的には、厚生労働省のガイドラインに示された「1日8,000歩」を目標にすることです。8,000歩は距離にすると5~6キロ、時間にすると80分程度になります。1日8,000歩という目標は、健康を維持するためのベースラインになりますので、余裕のある方は、これにプラスして他の運動を行ってください。なお、血糖値を下げるのに効果的な運動には、「有酸素運動」と「レジスタンス運動」があります。
【血糖値を下げるのに効果的な運動1】有酸素運動
有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに酸素を使う運動のことです。ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。なお、有酸素運動は週150分以上が推奨されています。
【血糖値を下げるのに効果的な運動2】レジスタンス運動
レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動のことです。スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操など、標的とする筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います(レジスタンス(Resistance)は和訳で「抵抗」を意味します)。レジスタンス運動は、筋肉量増加・筋力向上・筋持久力向上を促す筋力トレーニングとして高齢者からアスリートまで広く行われています。
高血糖・糖尿病について不安な方はいつでもご相談ください
血糖値が高いままの生活を続けると、「血管がもろく、ボロボロになってしまう」いわゆる血管病になります。そして、全身にネットワークを結んでいる血管と神経が、血糖値の高い状態が続くことで侵され、適正な栄養の供給が途絶えて「全身の臓器」に様々な障害が起こってきます。したがって、血糖値が高い状態を放置してはいけません。高血糖にお心当たりのある方は早期の対策が重要です。高血糖にお心当たりのある方、あるいは糖尿病について不安な方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2023.11.14
食後の血糖値を下げる運動方法とコツ
内科に関する記事です。
この記事では「食後の血糖値を下げる運動方法」について解説していきます。後半部分では「食後の血糖値を抑えるための具体的な運動例」や「運動する際の注意点」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
食後の血糖値と運動の関係
食後の運動の適切なタイミングは何分後?
食後の血糖値を抑えるための具体的な運動例
食後の血糖値を抑えるための運動の注意点と安全性
食後の血糖値を抑えるための血糖値管理と予防への重要性
高血糖について不安な方はいつでもご相談ください
食後の血糖値と運動の関係
血糖値とは、血液中のブドウ糖(血糖)の量を示しています。血糖値は1日の中でも時間と共に変化し、食事の内容や量、運動やストレスなど様々な要因で変動します。特に血糖値に影響するのは食事です。食べ物が消化されて作られるブドウ糖は、主に腸管から吸収されて血液中に入るため、食後には血液中のブドウ糖が増えて血糖値が上がります。なお、運動は血糖値の上昇をコントロールする助けとなります。特に有酸素運動は筋肉のグルコース利用を促進し、インスリンの働きを強化します。これにより、食後の血糖値の急激な上昇を緩和し、生活習慣病の予防にも寄与します。
食後の運動の適切なタイミングは何分後?
食後は血糖値が上昇しやすいため、食後1~2時間で運動するのが最も効果的です。食後にわずか2~5分の軽い運動をするだけでも「血糖管理を改善する効果」が得られますので、積極的に行ってください。ただし、インスリンやスルホニル尿素薬などの薬剤を使用している方は、「食前」や「空腹時」に運動すると低血糖を起こす可能性があるため、十分な注意が必要です。また、食後の激しい運動は消化を妨げる可能性があるため、適度な強度で行うことが大切です。
食後の血糖値を抑えるための具体的な運動例
血糖値を下げるのに効果的な運動には、「有酸素運動」と「レジスタンス運動」があります。
【食後の血糖値を抑えるための具体的な運動1】有酸素運動
有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに酸素を使う運動のことです。ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。なお、有酸素運動は週150分以上が推奨されています。
【食後の血糖値を抑えるための具体的な運動2】レジスタンス運動
レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動のことです。スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操など、標的とする筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います(レジスタンス(Resistance)は和訳で「抵抗」を意味します)。レジスタンス運動は、筋肉量増加・筋力向上・筋持久力向上を促す筋力トレーニングとして高齢者からアスリートまで広く行われています。
食後の血糖値を抑えるための運動の注意点と安全性
ここでは、「運動する際の注意点」をご紹介していきます。運動する際は、以下のポイントに注意してください。
【食後の血糖値を抑えるための運動の注意点と安全性1】水分補給
運動中は、こまめに水分補給をし、脱水にならないようにすることも大切です。運動中は想像以上に汗をかいておりますので、こまめに水分補給を行ってください。
【食後の血糖値を抑えるための運動の注意点と安全性2】準備体操
急に運動を始めるとケガをする可能性があります。特に運動習慣がない方は注意が必要です。ケガをしないためにも、運動する前は十分な準備体操を行なってください。
【食後の血糖値を抑えるための運動の注意点と安全性3】血圧
運動をすると、一時的に血圧は上がります。ですので、重症の高血圧の方、労作性狭心症や心不全、腎不全、重症の眼底網膜病変などを合併している方は運動に注意が必要です。運動を始めるにあたっては、主治医とよく相談してから行ってください。
【食後の血糖値を抑えるための運動の注意点と安全性4】高血糖
血糖がコントロールされていないⅠ型糖尿病患者の方や、空腹時血糖が250mg/dL以上または尿ケトン体が陽性の方は、運動中に高血糖になることがあります。そのため、運動療法を始める前には必ずメディカルチェックを受け、主治医のアドバイスを受けるようにしてください
【食後の血糖値を抑えるための運動の注意点と安全性5】低血糖
糖尿病の方は、食前の運動によって低血糖になる可能性があるため注意が必要です。インスリンや内服薬を使用している糖尿病患者さんに関しては、お薬と運動の相乗効果により、運動後に低血糖が生じる可能性がありますので、注意してくださいね。
【食後の血糖値を抑えるための運動の注意点と安全性6】軽い運動から始める
運動の頻度は「できれば毎日」少なくとも週に3~5回行うのが良いといわれています。しかし、普段から運動に親しんでいない方(または高齢の方)などでは、急激な運動はかえって体の負担となり、思いがけない事故を引き起こしてしまうこともあります。ですので、運動する際は無理せず、軽い運動から始めてください。
【食後の血糖値を抑えるための運動の注意点と安全性7】体調が悪いときは休む
体調が悪いのに運動をしてしまうと、かえって体の負担となります。運動は継続することに意味がありますので、無理をしてはいけません。体調が悪いときは思い切って休んでください。
【食後の血糖値を抑えるための運動の注意点と安全性8】合併症
糖尿病の合併症が進行している場合、運動によって合併症を悪化させてしまうことがあります。ですので、合併症がある人は主治医とよく相談し、どんな運動なら行ってもよいか事前に確認してください。
食後の血糖値を抑えるための血糖値管理と予防への重要性
食後高血糖では、何よりも「食後の血糖値の管理」が重要です。食後の血糖値を管理することは、食後の急激な血糖上昇を防ぐため、生活習慣病リスクを軽減します。ですので、食後の血糖値管理を徹底し、血糖値の安定を図ってください。なお、血糖値の管理するためには、運動や食事の工夫だけでなく、定期的な健康チェックや医師の指導も欠かせません。これらのアプローチを組み合わせることで、食後の血糖値の安定を保ち、将来的な合併症のリスクを最小限にすることができます。
高血糖について不安な方はいつでもご相談ください
血糖値が高いままの生活を続けると、「血管がもろく、ボロボロになってしまう」いわゆる血管病になります。そして、全身にネットワークを結んでいる血管と神経が、血糖値の高い状態が続くことで侵され、適正な栄養の供給が途絶えて「全身の臓器」に様々な障害が起こってきます。したがって、血糖値が高い状態を放置してはいけません。高血糖にお心当たりのある方は早期の対策が重要です。高血糖にお心当たりのある方、あるいは日常生活の乱れにより「高血糖かもしれない…」と感じている方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2023.11.13
食後の血糖値のピークと血糖値上昇を抑える方法
内科に関する記事です。
この記事では「食後の血糖値」について解説していきます。後半部分では「血糖値をコントロールする方法」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
食後に血糖値が上昇する理由
食事と血糖値の関係
食後の血糖値がピークとなるタイミング
食後の血糖値をコントロールする方法
糖尿病と高血糖との関連
食後高血糖とは
セカンドミール効果について
高血糖が不安な方はいつでもご相談ください
食後に血糖値が上昇する理由
食後に血糖値が上昇する主な理由は、摂取した食べ物からのブドウ糖の吸収です。血糖値は、血液中のブドウ糖(血糖)の量を示します。血糖値は1日の中でも時間と共に変化し、食事の内容や量、運動やストレスなど様々な要因で変動します。そのうち、特に血糖値に影響するのが食事です。食べ物が消化されて作られるブドウ糖は、主に腸管から吸収されて血液中に入るため、食後には血液中のブドウ糖が増えて血糖値が上がります。
食事と血糖値の関係
食事と血糖値は密接な関係にあります。例えば、炭水化物や糖分を多く含む食事は、血糖値の急激な上昇を引き起こすことがあります。逆に、食物繊維やタンパク質を豊富に含む食事は、血糖値の上昇を緩やかにする助けとなります。摂取した食べ物の種類や量によって、血糖値は大きく影響を受けますので、バランスの取れた食事と適切な食材選びは重要です。
食後の血糖値がピークとなるタイミング
食後の血糖値がピークになるのは、一般的に食後1時間程度(人によっては45~90分)です。食事を摂ると、体は消化・吸収プロセスに取り組み、血中にブドウ糖が放出されます。このブドウ糖の急激な増加が、食後の1時間程度で血糖値がピークに達する要因となります。
食後の血糖値をコントロールする方法
食後の血糖値をコントロールするには、いくつかの方法があります。詳しくは、以下をご覧ください。
【食後の血糖値をコントロールする方法1】野菜類から食べる
野菜類から先に食べることで食後の血糖値の上昇が緩やかになります。また、野菜や豆類などで少しお腹をふくらませておくと、肉類やご飯の量を減らすこともできます。ですので、食事をする際は野菜類から食べてください。
【食後の血糖値をコントロールする方法2】炭水化物・糖質の摂りすぎを避ける
炭水化物や糖質の摂り過ぎは、血糖値を急激に上昇させる要因です。したがって、炭水化物や糖質の摂りすぎにはご注意ください。なお、炭水化物や糖質の摂り過ぎに加え、果汁飲料の摂取にも注意が必要です。果汁には自然の糖分が多く含まれ、飲用することで血糖値が急上昇する可能性があります。特に加工された果汁飲料は糖分が濃く、大量の糖質摂取を招く恐れがあります。血糖値のコントロールを目指す方は、果汁飲料の代わりに水や無糖の飲料を選ぶことをお勧めします。
【食後の血糖値をコントロールする方法3】食物繊維が含まれる食品を摂る
食物繊維には、食後の血糖値上昇を抑え、便通を改善させる効果があります。さらに、水に溶ける食物繊維(水溶性食物繊維)には、血中コレステロールの上昇を抑える効果があります。ですので、食物繊維が含まれる食品を多く摂るように心掛けてください。なお、食物繊維を多く含む食べ物には、野菜、海藻、きのこなどが挙げられます。
<野菜>
野菜は低カロリーで食物繊維が多く、糖質や脂質の代謝に必要なビタミン・ミネラルが含まれています。特にブロッコリーや小松菜などの緑黄色野菜には食物繊維以外にも、糖の代謝を促進する葉酸も多く含まれています。ですので、野菜を選ぶ際は緑黄色野菜を中心に食べてください。なお、南瓜やれんこん、芋類は糖質が多い野菜なので、食べ過ぎに注意してくださいね。
<海藻>
海藻は低カロリーで食物繊維、ビタミン、ミネラルを多く含みます。中でも「めかぶ」はおすすめです。
<きのこ>
きのこは低カロリーで食物繊維が多く含まれています。食物繊維は、糖の吸収を邪魔するため、血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。さらに、きのこに含まれるβ-グルカンは胃や腸で膨らむので満腹感も得られ、お通じの調子も整います。
【食後の血糖値をコントロールする方法4】たんぱく質を積極的に摂る
肉や魚、卵、豆類などのたんぱく質が血糖値の急激な上昇を緩和し、食後の血糖値を安定させる助けになります。したがって、積極的にたんぱく質は摂ってください。高齢の方は、食事の量が減ってたんぱく質が不足しやすく、加齢も影響して筋肉が衰えやすいので、特に注意してくださいね。
【食後の血糖値をコントロールする方法5】ゆっくり食べる
早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。
【食後の血糖値をコントロールする方法6】間食をしない
間食をすると血糖値の高い状態が続き、インスリンを分泌するすい臓に大きな負担がかかります。また、その状態のままで次の食事をすると、食後高血糖の原因にもなります。糖尿病を予防するためにも間食はできる限り控えてください。
【食後の血糖値をコントロールする方法7】運動をする
定期的な有酸素運動や筋力トレーニングは、インスリンの効果を向上させ、血糖値の急上昇を緩和します。さらに、運動によってブドウ糖や脂肪酸の利用が促進され、細胞や筋肉が糖分を効果的に吸収することができるようになり、血糖値の低下が期待されます。したがって、血糖値の急上昇を予防するためには積極的に運動を取り入れることが大切です。医師の指導を受けながら、適切な運動方法を選択してくださいね。
糖尿病と高血糖との関連
糖尿病と高血糖は密接な関連があります。まず食べ物から吸収されたブドウ糖をエネルギーに変えるため、膵臓からインスリンが分泌されます。インスリンの不足などで血液中にブドウ糖が増えた状態を高血糖といい、高血糖が続くとインスリンの作用が低下して分泌量も低下します。そして、この状態が続くと「糖尿病」を発症します。糖尿病は、症状の自覚が難しい病気です。血糖値が少し高い段階では、自覚する症状はほぼありません。しかし高血糖のままある程度の時間が経過すると、次のような症状が現れてきます。
・立ちくらみ
・全身の倦怠感、疲労感
・喉が渇いて沢山の水がほしくなる
・手足のしびれ、冷え、むくみ
・皮膚のかゆみ、乾燥
・目がかすむ
・視力の低下
・やけどの痛みを感じにくい
・食べているのに痩せる
・残尿感がある
・尿の臭いが気になる
※糖尿病の方は、血糖値のピークが健康な方よりも高い水準になる傾向があります。また、血糖値のピークに至るタイミングも遅れやすいのが特徴です。
糖尿病について詳しく知りたい方は「糖尿病情報センターのホームページ」をご覧ください。
食後高血糖とは
食後高血糖とは、食後2時間が過ぎても血糖値が高い状態のことを言います。食事をすると血糖値は高くなり、2~3時間以内に正常値(110mg/dl未満)に戻るのが一般的です。しかし、血糖値が低下せず長い時間140mg/dl以上の値が続く場合には「食後高血糖」と判断されます。食後の血糖値が高い状態が続くと、糖尿病の発症リスクが高くなります。ですので、食後高血糖は糖尿病だけでなく糖尿病予備群においても重要な指標の一つとして注目されています。詳しくは「血糖値スパイクとは?症状や原因、糖尿病との関係を解説」をご覧ください。
セカンドミール効果について
セカンドミール効果とは、最初に食べる食事(ファーストミール)が、次の食事(セカンドミール)の血糖値に影響を及ぼす現象です。GI(Glycemic Index)の提唱者であるジェンキンス博士が1982年に発表した概念になります。セカンドミール効果では、最初に食べる食事(ファーストミール)の食事内容が、血糖値の急上昇を招かなければ、セカンドミール後の血糖値上昇を抑えるとされています。つまり、一食ごとの食事内容を見直すことで、それまで不安定になっていた血糖値を安定させる変化が期待できるのです(セカンドミール効果に関しては、まだ明らかになっていないことも多いのですが、最初の食事で血糖値やインスリン濃度の上昇を抑制すると、2回目の食事で摂取した後の反応も改善することが、世界中で数多く報告されています)。
高血糖が不安な方はいつでもご相談ください
血糖値が高いままの生活を続けると、「血管がもろく、ボロボロになってしまう」いわゆる血管病になります。そして、全身にネットワークを結んでいる血管と神経が、血糖値の高い状態が続くことで侵され、適正な栄養の供給が途絶えて「全身の臓器」に様々な障害が起こってきます。したがって、血糖値が高い状態を放置してはいけません。高血糖にお心当たりのある方は早期の対策が重要です。高血糖にお心当たりのある方、あるいは日常生活の乱れにより「高血糖かもしれない…」と感じている方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2023.11.13
タバコと不眠症:煙草の睡眠への影響
内科に関する記事です。
この記事では、「タバコと不眠症の関係」について解説していきます。後半部分では「不眠症の改善方法」をご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
タバコと不眠症の関係
タバコによる不眠症への影響
禁煙による不眠症改善について
禁煙中に眠れなくなる
不眠症改善に取り組む方へ
不眠症に悩んでいる方はすぐにご相談ください
タバコと不眠症の関係
タバコに含まれるニコチンは刺激物質であるため、中枢神経系に影響を及ぼし、眠りの質を悪化させる傾向があります。したがって、喫煙者は喫煙しない方に比べて徐波睡眠(深い睡眠)が減る上、入眠潜時(寝つくまでにかかる時間)が長くなりますので、結果的に「総睡眠時間」が短くなります。不眠症を抱える人々にとって、タバコの使用は睡眠の問題を悪化させる可能性があるため、喫煙の習慣を見直すことが重要です。「国立精神・神経医療研究センター」でも同様のことを伝えております。
タバコによる不眠症への影響
上述した通り、タバコに含まれるニコチンは中枢神経系に刺激を与え、覚醒を促します。そのため、タバコの摂取によって寝つきが悪化し、寝ている間にも頻繁に目が覚めることがあります。また、タバコに含まれるニコチンの量が多いほど、不眠や夜間覚醒といった「睡眠障害」を多く認めることが報告されています。したがって、就寝時刻から数時間以上あけて喫煙した場合であっても、ニコチンが体内に残存し、睡眠サイクルを乱す可能性があります(一般的にニコチンの血中半減期は2時間程度と言われています)。寝る直前に限らず、夜の喫煙は睡眠に悪影響を与える可能性があるため、注意が必要だと言えます。なお、喫煙は「睡眠時無呼吸症候群」などの睡眠障害のリスクを高めることがあります。具体的には、睡眠時無呼吸症候群になる確率が、非喫煙者に比べて約2.5倍も高いと言われています。睡眠時無呼吸症候群について詳しく知りたい方は「厚生労働省のサイト」をご覧ください。
禁煙による不眠症改善について
タバコのニコチンは中枢神経系に影響を及ぼし、不眠症を悪化させる要因の一つです。そのため禁煙によって、不眠症の改善が期待できます。まず、禁煙により体内のニコチン濃度が減少し、中枢神経系への刺激が減少します。これにより、寝つきが良くなり、深い睡眠段階に到達しやすくなります。また、不眠症の主な症状である「夜中の目覚め」や「浅い眠り」も減少する可能性が高まります。さらに、禁煙によって睡眠時無呼吸症候群のリスクが低減し、呼吸が安定した睡眠を手に入れることができます。このような理由から、不眠症にお心当たりのある方には「禁煙」をお勧めします。
禁煙中に眠れなくなる
禁煙することで、ニコチンに慣れた身体には様々な反動が起こります。これがいわゆる、禁断症状です。具体的には、それまで身体に摂取していたニコチンが不足することで、夜よく眠れなくなったり、夜間に何度も目が覚めたりします。また、以下のような症状もよくみられます。
・イライラする
・からだがだるい
・集中力がなくなる
・頭痛がする
このような症状が続いている場合には、禁煙がいっそう難しくなります。したがって、「自力で禁煙する自信がない…」という方には禁煙外来をお勧めします。
<禁煙外来>
禁煙外来とは、タバコをやめたい方のため病院に設けられた専門外来のことを言います。カウンセリングや生活指導といった精神面での禁煙サポートや、ニコチンガム・ニコチンパッチを使用したニコチン置換療法などによる禁煙治療が行われます。禁煙補助薬を用いた治療では、禁煙後の離脱症状が緩和されるため自力で禁煙するよりも、ラクに禁煙することが可能です。
不眠症改善に取り組む方へ
ここでは、「不眠症の改善方法」をご紹介していきます。
【不眠症の改善方法1】睡眠環境の整備
睡眠環境の整備は、不眠症の改善に非常に重要です。寝室を暗くし、静かな環境を作り、快適な温度に調整することで、心地よい睡眠環境を整えることができます。また、適切な寝具を選ぶことも重要です。適切なマットレスや枕は体のサポートと圧力分散を助け、痛みや不快感を軽減します。睡眠環境の整備は、短期的な不眠症の症状を改善するだけでなく、長期的な睡眠の質を向上させる効果もありますので、積極的に行ってください。
【不眠症の改善方法2】適度な運動
適度な運動は不眠症に対して効果的な手段とされています。運動によって体温が上昇し、その後の体温低下が入眠を促進します。さらに、適切な運動は睡眠の質を向上させ、深い眠りやREM睡眠の量を増やすと報告されています。習慣的に運動を行うことで、寝つきが良くなり、より良質な睡眠を得ることができますので、不眠症にお悩みの方は積極的に運動を行ってください。「千葉県のホームページ」でも同様のことをお伝えしております。
【不眠症の改善方法3】規則正しい生活リズムの維持
規則正しい生活リズムの維持は、不眠症の改善に非常に重要です。毎日同じ時間に起床し、就寝することで体内時計を調整し、睡眠の質を向上させることができます。また、規則正しい生活リズムを守ることで、体内の睡眠・覚醒サイクルが正常化し、不眠症の症状の改善につながります。不眠症の方は、睡眠リズムの調整に意識を向け、生活のリズムを整えることを心掛けてください。
【不眠症の改善方法4】ヨガや瞑想、深呼吸法
ヨガや瞑想、深呼吸法などのリラクゼーションテクニックは、不眠症の改善に効果的な手段です。具体的には、ヨガではポーズやストレッチ、呼吸法を組み合わせて行います。瞑想では、静かな場所で目を閉じて心を集中させます。深呼吸法では、ゆっくりと深い呼吸を行いながら身体をリラックスさせます。これらのテクニックを日常的に取り入れることで、ストレスや緊張を緩和し、安定した睡眠をサポートしますので、積極的に取り入れてください。
【不眠症の改善方法5】寝室からスマホを遠ざける
スマホの画面から発せられるブルーライトは、眠りを誘うメラトニンの分泌を抑制し、眠りの質を低下させます。また、SNSやメッセージアプリの利用は興奮状態を引き起こし、リラックスを妨げます。ですので、就寝前のスマホ操作はできる限り控えてください。なお、就寝前のスマホ操作を抑制するためには「寝室からスマホを遠ざける」「寝る1時間前からスマホ使用を控える」「ブルーライトカットフィルターを使用する」などの対策が効果的です。
【不眠症の改善方法6】アロマセラピー
アロマセラピーは、自然療法の一つであり、不眠症の改善に効果的な方法として広く知られています。具体的には、ラベンダーやカモミールなどのアロマオイルを使用することで、リラックス効果を促し、緊張を和らげることができます。枕元にアロマディフューザーを置くか、お風呂に垂らして入浴するだけで、心と体をリラックスさせ、安眠のサポートとなりますので、お試しください。ただし、アロマセラピーの効果には個人差があるため、自分に合った香りや方法を選ぶことが大切です。
【不眠症の改善方法7】ハーブ
ハーブの活用は、自然な方法で睡眠の質を向上させる手段の一つです。睡眠に良いハーブとしては、カモミールやバレリアンが有名です。カモミールはリラックス効果があり、不眠症や不安の緩和に役立ちます。一方、バレリアンは神経の鎮静作用があり、入眠困難を改善する効果があります。なお、これらのハーブはハーブティーとして楽しむことが一般的です。
不眠症に悩んでいる方はすぐにご相談ください
不眠症は他の病気との関連性が高い疾患です。身体的な病気や精神的な健康状態が不眠症の原因となることがあり、また、不眠症自体も他の病態を悪化させる可能性があります。そのため、不眠症は放置せずに、適切な治療を受ける必要があります。睡眠が浅い、なかなか寝つけないなど、日常生活に支障を感じている方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。なお、当院では、不眠症に対する診断と治療を行っております。不眠の症状や原因について悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2023.10.31
不眠症の原因にトラウマが影響する可能性
内科に関する記事です。
この記事では、「不眠症とトラウマの関係」について解説していきます。後半部分では「トラウマによる不眠症の症状」をご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
不眠症とトラウマとは
不眠症とトラウマの関係性
トラウマによる不眠症の症状
トラウマ以外の不眠症の原因について
不眠症改善についてはいつでも当院にご相談ください
不眠症とトラウマとは
まずは、「不眠症」と「トラウマ」について解説いたします。
<不眠症とは?>
不眠症とは、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害によって、その人にとって必要な睡眠時間が十分に取れないことや「睡眠の質」が低下することで、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。不眠は、眠気、倦怠感、集中力低下、抑うつや不安などの精神症状を引き起こし、その結果として生産性の低下、交通事故の増加など、様々な人的および社会経済的損失をもたらすと考えられております。したがって、「睡眠が浅い」「寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」でも同様のことを伝えておりますので、ご興味のある方はご覧ください。
<トラウマとは?>
トラウマとは、精神的または身体的なショックや「恐怖体験」によって引き起こされる心の傷です。その人の生命、存在に強い衝撃をもたらす事象を外傷性ストレッサーと呼び、その体験をトラウマ体験と呼びます。具体的にトラウマとなる体験としては、地震、津波、台風などの自然災害や虐待、犯罪、性暴力、交通事故などによるものが挙げられます。また、日々の生活においては、重い病気やけが、家族や友人の死、別離、いじめなどによってトラウマとなる場合があります。なお、トラウマは、不眠、不安、うつ病、フラッシュバック、過度の興奮など、様々な症状を引き起こします。したがって、トラウマに悩んでいる方は放置せず、専門家のアドバイスを受けることが重要です。
不眠症とトラウマの関係性
トラウマを体験した後は、身体や心に様々な反応が生じます。例えば、PTSD(心的外傷後ストレス障害)です。PTSDとは、トラウマになるような圧倒的な出来事を経験し、強い衝撃を受けた後で生じる精神疾患です。PTSDでは、過去のトラウマ体験を頻繁に思い出すため、緊張と不安感が高まっている状況が続きます。したがって、PTSDがある方の約90%に不眠がみられます。眠れない理由としては、リラックスできない過覚醒のためです。PTSDがある方は自律神経の調節がうまくいかないため、安定した睡眠がとれません。つまり、夜間にも警戒する気持ちが高まっているので、浅い眠りになるのです。このような理由から「不眠症」と「トラウマ」には、密接な関係があると言われています。
トラウマによる不眠症の症状
トラウマによる不眠症では、様々な症状が引き起こされます。まず、入眠困難が顕著で、心が落ち着かずにベッドで寝返りを打つ時間が長くなることがあります。また、夜間に何度も目が覚めたり、早朝に目が覚めてしまう早朝覚醒も見られます。これにより、睡眠が断片化され、熟睡感が得られないことがあります。さらに、不眠症のストレスによって、日中の眠気や集中力の低下、イライラ、不安感が増加することもあります。これらの症状はストレスと密接に関連しているため、「ストレスの軽減」や「リラクゼーション法の実践」が大切です。ただし、症状が長期間続く場合は、医師の診断と指導を受けることが重要です。長期間にわたる不眠は「うつ病」や「不安障害」などの精神症状を引き起こす可能性があるため、ご留意ください。
トラウマ以外の不眠症の原因について
不眠症の原因は人によって様々です。ここでは不眠症を引き起こす「主な原因」をご紹介します。
【不眠症の原因1】心理的原因
何らかのストレスに関連して起こる不眠です。
【不眠症の原因2】身体的原因
身体の病気や症状が原因で起こる不眠です。
【不眠症の原因3】薬理学的原因
服用している薬や、アルコール、カフェイン、ニコチンなどが原因で起こる不眠です。
【不眠症の原因4】精神医学的原因
精神や神経の病に伴って起こる不眠です。精神や神経の病には、不眠を伴うことが少なくありません。なかでも不眠になりやすいのは、不安と抑うつになります。
不眠症改善についてはいつでも当院にご相談ください
不眠症の改善には、適度な運動、睡眠環境の整備、規則正しい生活リズムの維持などのアプローチが有効です。したがって、継続的に不眠症対策に取り組むことで、不眠症の症状は改善します。ただし、不眠症が重度の場合には注意が必要です。自己治療に励むのではなく、医師への相談と早期の治療を推奨します。なぜなら不眠症は、他の疾患との関連性が高い疾患だからです。身体的な病気や精神的な健康状態が不眠症の原因となることがあり、また、不眠症自体も他の病態を悪化させる可能性があります。そのため、重度の不眠症は放置せずに、適切な治療を受ける必要があります。睡眠が浅い、なかなか寝つけないなど、日常生活に支障を感じている方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。なお、当院では、不眠症に対する診断と治療を行っております。不眠の症状や原因について悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2023.10.30
新型コロナウイルス「ピロラ」とは
内科に関する記事です。
この記事では、新型コロナウイルスの変異株「BA.2.86(通称ピロラ)」について解説していきます。後半部分では、「ピロラの最新情報」をご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。 【目次】
新型コロナ変異株「ピロラ」とは
ピロラの特徴と従来のコロナとの違い
ピロラの症状
ピロラのワクチンについて
ピロラの最新情報について
当院でも新型コロナウイルスの予防接種が可能です
新型コロナ変異株「ピロラ」とは
BA.2.86(通称ピロラ)とは、新型コロナウイルスの「オミクロン株」から新たに派生した変異株です。ピロラは、オミクロン株のXBB系統とは異なり、BA.2の子孫株になります。ピロラはBA.2と比較して、スパイクタンパク質※に30ヵ所以上の変異が認められています。そのため、世界保健機構(WHO)はピロラを「監視下の変異株(VUM)」に指定しています。
※コロナウイルスの画像には、表面に沢山のトゲトゲがついているかと思います。これを生物学的に「スパイクタンパク質」と呼んでいます。スパイクタンパク質の主な役割は、ヒトの細胞表面にある「受容体」と結合して感染を起こすことです。スパイクタンパク質が受容体と結合することで、ウイルス本体がヒトの細胞と融合し、コロナウイルスの遺伝子がヒトの細胞内に移行して感染が成立します。
ピロラの特徴と従来のコロナとの違い
ピロラの特徴は、遺伝子変異の数が多い点です。具体的には、細胞に侵入するためのスパイクタンパク質に30ヵ所以上の変異、それ以外の部分に10以上の変異があると言われています。コロナウイルスは、変異の数が多い場合、「感染力」や「病原性」などの性質が大きく変化する可能性があるため、十分注意してください。なお、ピロラは、これまでの変異株の中で、最も中和抗体に対する抵抗性を高めた変異株の一つであることが明らかになっています。したがって研究グループは、ピロラについて「今後全世界に拡大していくことが懸念されております。さらに現状の抗体薬による感染防御の有効性も低いことが予想されるため、有効な感染対策を講じることが肝要です」と述べています。
ピロラの症状
ピロラの症状や重症度などについては、まだ情報が少ないため、明らかになっていません。したがって、これまでのコロナと似たような症状だと安易に判断せず、十分に警戒してください。コロナウイルスは、初感染の方やワクチン未接種の方の場合、症状が重く、高熱、強い喉の痛み、咳、頭痛、関節痛、筋肉痛がでる可能性があります。また、嘔吐、下痢などの消化器症状がでる方もいますので、注意が必要です。
ピロラのワクチンについて
アメリカの製薬大手モデルナは、新型コロナウイルスの最新版ワクチンの臨床試験で、BA.2.86(通称ピロラ)に対して「強い免疫反応」が確認されたと発表しています。したがって米国では、最新版ワクチンを供給できるよう急ピッチで準備を整えています。ピロラのような新たな変異株は、感染拡大の新たな波を引き起こす可能性があります。そのため、モデルナの次期新型コロナウイルスワクチンの追加接種は、重症化や入院者数を減らすのに有効な手段であると考えられます。
ピロラの最新情報について
2023年10月28日現在、オミクロン株から派生した新たな変異株BA.2.86(通称ピロラ)は、世界の複数の地域で検出されています。具体的には、2023年8月21日の時点で、デンマークで3例、イギリス、イスラエル、アメリカでそれぞれ1例が確認されています。また、日本では、2023年9月7日に東京で第1例目が確認されており、同日時点では世界で42例が確認されています。新型コロナウイルスに関する最新情報をお探しの方は、「新型コロナと感染症・医療情報」や「新型コロナウイルス感染症対策」や「厚生労働省のホームページ」をご覧ください。
当院でも新型コロナウイルスの予防接種が可能です
当院では、新型コロナワクチンの接種を実施しております。当院の接種対象者は、「12歳以上かつ前回接種から3ヵ月以上経過されている方」、「接種当日に接種券を持参できる方」となっております。接種費用は無料となっておりますので、新型コロナワクチンの接種をしたい方は、「新型コロナワクチン接種予約」からご予約ください。
コロナワクチン予防接種終了のお知らせ
この度、当クリニックにおける新型コロナウイルスワクチンの予防接種について、令和6年3月31日をもちましてすべての接種を終了いたしましたのでお知らせいたします。
今後の接種に関するお問い合わせは不要ですので、ご了承ください。
引き続き、皆様の健康を第一に考えた医療サービスの提供に努めてまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
2023.10.28
新型コロナウイルス「エリス」(EG5株)についての最新情報と影響
内科に関する記事です。
この記事では、新型コロナウイルスの変異株「EG.5(通称エリス)」について解説していきます。後半部分では、「エリスの最新情報」をご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。 【目次】
「エリス」とは何か?
エリスの特徴・従来のコロナとの違い
エリスの症状について
エリスの感染力について
エリス(EG.5株)のワクチンについて
エリスの最新情報について
当院でも新型コロナウイルスの予防接種が可能です(令和6年3月31日に終了)
「エリス」とは何か?
EG.5(通称エリス)とは、新型コロナウイルスの新変異株です。エリスは、オミクロン株の派生株「XBB株」から、さらに枝分かれした株の一つになります。エリスは、これまでに中国、アメリカ、韓国、日本、カナダ、オーストラリア、シンガポール、イギリス、フランス、ポルトガル、スペインなど51カ国で感染が報告されています。したがって、世界保健機関(WHO)は、感染者数が増えている新型コロナウイルスの変異株「EG.5」を「注目すべき変異株(VOI)」に指定し、各国にモニタリングを呼びかけております。詳しくは「国立感染症研究所の発表データ」をご覧ください。
エリスの特徴・従来のコロナとの違い
世界保健機関(WHO)は、エリスが他の「注目すべき変異株(VOI)」と比べて重症化するという示唆はなく、リスクも同程度だと正式に述べています。ただし、注目すべき変異株に指定するということは、感染力や「重症化率」が他の変異株より高い可能性があるため、警戒が必要なことを意味しています。したがって、十分注意しなくてはなりません。「公益社団法人日本WHO協会」でも同様のことを伝えています。
エリスの症状について
新型コロナウイルスの変異株「エリス」の主な症状は、以下の通りです。
・発熱
・継続的なせき
・味覚・嗅覚の変化
・倦怠感
・鼻水
・のどの痛み
※エリスの症状は、これまでのコロナと似たような症状となっています。ただし、初感染の方やワクチン未接種の方は、症状が重く、高熱、強い喉の痛み、咳、頭痛、関節痛、筋肉痛がでます。また、嘔吐、下痢などの消化器症状がでる方もいますので、注意が必要です。
エリスの感染力について
エリスは、他の変異株よりも感染力が高いことが示唆されています。米疾病対策センター(CDC)の推計に基づくと、現在の新型コロナウイルス感染者に占めるEG.5感染者の割合は約17%となっており、米国内の派生型としては最も感染者が多いと伝えています(2023年8月地点) 。なお、東京都保険医療局が報告した病原体サーベイランス(ゲノム解析)では、9/18~9/24の期間におけるEG.5感染者の割合は44.0%、9/25~10/1の期間におけるEG.5感染者の割合は47.5%と発表しております。詳しくは「東京都保険医療局:最新のモニタリング項目の分析について」をご覧ください。
エリス(EG.5株)のワクチンについて
現在、オミクロン株の派生型「XBB・1・5」に対応したワクチン接種を実施しております。このワクチンは、感染の主流になっているXBB系統の『EG.5(エリス)』にも効果があると言われております。そのため、東京都の保健医療局では、市民に対して「ワクチン接種の検討をしてください」と呼びかけています。
エリスの最新情報について
2023年10月20日現在、オミクロン株から派生した新たな変異株EG.5(通称エリス)が流行しています。静岡県が県内の新型コロナ感染者の変異株の比率を調べた結果、「感染力が強い」とされるEG.5(通称エリス)は35%で、2週間前の前回調査に比べ11ポイント増加しております。また、9月に県所管地域(静岡市・浜松市以外)で確認されたXBB系統139人のうち、EG.5系統は49人(35.3%)となっており、2週間前の調査の23.9%に比べて11.4ポイント増加しています。新型コロナウイルスに関する最新情報をお探しの方は、「新型コロナと感染症・医療情報」や「新型コロナウイルス感染症対策」や「厚生労働省のホームページ」をご覧ください。
当院でも新型コロナウイルスの予防接種が可能です
当院では、新型コロナワクチンの接種を実施しております。当院の接種対象者は、「12歳以上かつ前回接種から3ヵ月以上経過されている方」、「接種当日に接種券を持参できる方」となっております。接種費用は無料となっておりますので、新型コロナワクチンの接種をしたい方は、「新型コロナワクチン接種予約」からご予約ください。
コロナワクチン予防接種終了のお知らせ
この度、当クリニックにおける新型コロナウイルスワクチンの予防接種について、令和6年3月31日をもちましてすべての接種を終了いたしましたのでお知らせいたします。
今後の接種に関するお問い合わせは不要ですので、ご了承ください。
引き続き、皆様の健康を第一に考えた医療サービスの提供に努めてまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
2023.10.20
【医師監修】食後の眠気はなぜ起こるのか?原因と対策を解説
内科に関する記事です。
この記事では、「食後の眠気はなぜ起こるのか」について解説していきます。後半部分では、「食後の眠気対策」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
食後に眠くなるのはなぜか
眠気の原因となる血糖値スパイクとは
食後の眠気対策について
食後に強い眠気が続く場合、病気の恐れがあります
不安な方はいつでもご相談ください
食後に眠くなるのはなぜか
食後に眠気を感じる原因として、主に二つの理由が挙げられます。一つは、消化を促すために脳から胃腸に血液が集中するからです。もう一つは、食事をすることで血糖値が上がるからです。詳細については、以下をご覧ください。
【食後の眠気はなぜ起こるのか】消化に関する理由
食事を摂ると、胃や小腸などの消化器官が食べ物を分解して「栄養素」を吸収するために、多くのエネルギーを必要とします。このため、食事後には消化器官に血液が集中します。血液が胃腸に集中すると、他の部位への血液供給が一時的に減少し、それに伴い脳にも酸素や栄養素が少なく供給されることがあります。この状態が、眠気を感じる一因とされています。
【食後の眠気はなぜ起こるのか】血糖値に関する理由
食事を摂ることで、血糖値が上昇します。特に、炭水化物を多く含む食事を摂ると、急激な血糖値の上昇が起こります。この急激な血糖値の変動は、一時的にエネルギー供給を増加させる反面、その後の急激な下降につながります。この血糖値の急激な変化が、食後に眠気を感じる一因となります。
眠気の原因となる血糖値スパイクとは
血糖値スパイクとは、普段の血糖値は正常なのにもかかわらず、食後に限って血糖値が急上昇、急降下する現象のことです。この現象は、血糖値のグラフがまるで突出した「スパイク」のように上昇することから「血糖値スパイク」と呼ばれています。通常の場合、食後2時間経過時の血糖値は140mg/dL未満であるべきですが、血糖値スパイクの場合はこの基準値を超えて140mg/dL以上になることがあります。血糖値スパイクについて詳しく知りたい方は「血糖値スパイクとは?症状や原因、糖尿病との関係を解説」をご覧ください。
食後の眠気対策について
身体にちょっとした刺激や緊張を与えることで、人間が活動的になるときに働く「交感神経が優位になり、眠気の解消につながります。ここでは、どのような対策が「食後の眠気解消」につながるのか、いくつかご紹介します。
【食後のひどい眠気を解消するための対策1】散歩
食事後に軽い散歩をすることで、血液の循環が促進され、消化プロセスがスムーズに進行します。また、新鮮な空気を吸い込むことでリフレッシュし、眠気を和らげることができます。さらに、食事後の散歩は健康にもプラスなため、適度な運動として取り入れることがおすすめです。ただし、食事直後に激しい運動をすると、胃腸に負担をかける可能性があるため、ご注意ください。
【食後のひどい眠気を解消するための対策2】カフェイン入りのコーヒーを飲む
カフェインは中枢神経系を刺激し、覚醒感を高めます。そのため、食後にカフェイン入りのコーヒーを飲むことで、眠気を軽減し、集中力を保つことができます。ただし、適切な摂取量を守ることが大切です。過剰なカフェイン摂取は不快感や不眠症の原因となる可能性があるため、注意が必要です。
【食後のひどい眠気を解消するための対策3】ストレッチ
食事後に軽いストレッチを行うことで、血液の循環を促進し、消化をサポートします。また、ストレッチは筋肉の緊張をほぐし、眠気を感じにくくするのに役立ちます。食後10〜15分の軽いストレッチを習慣にすることで、食後の眠気を軽減し、エネルギーを保ちやすくなりますので、ぜひ試してみてください。
【食後のひどい眠気を解消するための対策4】ガムを噛む
噛む行為は唾液の分泌を刺激し、消化をサポートします。また、噛むことによって口腔内の血液循環が促進されるため、脳への酸素供給が増え、覚醒感が高まることがあります。これにより、眠気を和らげる助けとなります。ただし、過度なガムの噛み過ぎには注意が必要です。ガムを日常的に何回も強く噛みすぎると筋肉が痛み、顎関節症の症状が出てくる可能性があります。ですので、過度なガムの噛み過ぎには注意してください。
【食後のひどい眠気を解消するための対策5】食べる順番に注意する
血糖値が上がりやすい「パン」や「ご飯」などの炭水化物から食べるのではなく、まずは野菜やキノコ、大豆食品などから食べることで、血糖値の急激な上昇を防げます。炭水化物や甘いものを最初に摂ると、血糖値が急上昇し、その後の急降下が眠気を引き起こす原因となりますので、ご注意ください。
【食後のひどい眠気を解消するための対策6】腹八分目に抑える
過度な食べ過ぎは、血糖値の上昇につながります。したがって食事をする際は、食後の眠気を軽減するために、食事量を腹八分目に抑えることが重要です。腹八分目で食事を終えることは、胃の負担を軽減し、消化プロセスを円滑に進めるのに役立ちます。また、適切な食事量を意識的にコントロールすることで、食後の眠気を和らげ、日常の活動に集中しやすくなります。
【食後のひどい眠気を解消するための対策7】ゆっくり食べる
早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。血糖値の急激な変化は、食後に眠気を感じる一因となりますので、ご注意ください。食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてくださいね。
食後に強い眠気が続く場合、病気の恐れがあります
食後に強い眠気を感じる方は、糖尿病の疑いがあります。糖尿病を疑う理由としては、血糖値が下がりにくくなっている可能性が挙げられます。食後は誰でも血糖値が一時的に上がります(健康な人でも食後の血糖値は上昇します)。食後に上昇した血糖値は、時間の経過と共にゆっくり下降するのが一般的です。しかし糖尿病の方は、血糖値を下げるホルモン(インスリン)の働きが悪くなっているため、食後の高血糖状態が長く続きます。そのため、食後に強い眠気を感じやすいのです。なお、高血糖状態のときに眠気を感じやすいのは、覚醒を促す「オレキシン」というホルモンの分泌が止まるためです。詳しくは「食後の強い眠気は糖尿病症状の可能性があります」をご覧ください。
不安な方はいつでもご相談ください
「慢性的な眠気が続いている」「睡眠薬を飲んでも眠れない」など、睡眠に関して問題があることで「日常生活に支障が出ている」と感じている方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。睡眠不足は単に身体の疲れが残りやすくなるだけでなく、体の病気や心の病気の原因となります。また睡眠障害自体が“心の病気”の前兆の可能性もあります。ですので、「睡眠が浅い」「なかなか寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は放っておかずに、お近くの医療機関に足を運んでください。なお、当院では“不眠症の診療”や“薬の処方”だけでなく、診断書の発行も行っております。医師の診断を受けたい方、あるいは自分が不眠症なのか気になる方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2023.09.28
【医師監修】不眠症改善に効果的な食べ物(食事)について
内科に関する記事です。
この記事では、「不眠症改善に効果的な食べ物」をご紹介していきます。後半部分では「不眠症に効果的な食習慣」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
不眠症とは
不眠症と食べ物の関係性
不眠症の危険性を高める食べ物の特徴
不眠症に効果的な栄養素と食べ物
不眠症に効果的な食習慣
不眠症の症状についてはいつでもご相談ください
不眠症とは
不眠症とは、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害によって、その人にとって必要な睡眠時間が十分に取れないことや「睡眠の質」が低下することで、日中に倦怠感、意欲低下、集中力低下、食欲低下などの不調が出現する病気です。不眠は、眠気、倦怠感、集中力低下、抑うつや不安などの精神症状を引き起こし、その結果として生産性の低下、交通事故の増加など、様々な社会経済的損失をもたらすと考えられています。したがって、「睡眠が浅い」「寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」でも同様のことを伝えています。
不眠症と食べ物の関係性
不眠症と「食」には、密接な関係があります。例えば、メラトニンを合成するのに必要な栄養素(ナイアシン、ビタミンB群、鉄、マグネシウム、タンパク質)の摂取不足や、それらの栄養素を消耗する食習慣がある場合、不眠になりやすいと考えられます。また、就寝前に大量のカフェインを摂ることは、入眠を妨げることがあります。さらに、アルコールの過剰摂取も睡眠の質を低下させる要因となりますので、ご注意ください。
不眠症の危険性を高める食べ物の特徴
不眠症のリスクを高める食べ物にはいくつかの特徴があります。まず、カフェイン飲料やエネルギー飲料は興奮状態を引き起こし、入眠を妨げる可能性があります。また、糖分の多い加工食品や甘いスナック(清涼飲料水、ドーナツ、ポテトチップスなど)は血糖値の急激な上昇と下降を引き起こし、夜間の目覚めを増加させることがあります。加えて、脂肪や重いタンパク質を多く含む夕食(ハンバーガー、ラーメン、ピザなど)は胃の不快感や胃酸の逆流を引き起こし、快眠を妨げる可能性があります。さらに、アルコールの摂取も睡眠の質を低下させる傾向があります。アルコールは睡眠を浅くし、多くの覚醒を引き起こすため、控えめに摂取することが重要です。
不眠症に効果的な栄養素と食べ物
ここでは、「不眠症に効果的な栄養素と食べ物」をご紹介します。
【不眠症に効果的な栄養素と食べ物1】トリプトファン
睡眠をコントロールしている脳内物質の「セロトニン」や「メラトニン」は、必須アミノ酸の一つである「トリプトファン」から生成されます。トリプトファンは、体内で生産することができないため、食事から摂取しなければなりません。そのため、不眠症に悩む方は、トリプトファンをしっかりと摂取することが重要です。なお、トリプトファンを豊富に含む食品には、鶏肉、トルコ、魚、ナッツ、大豆製品、バナナなどがあります。これらの食品を食事に取り入れることで、トリプトファンの摂取を増やし、睡眠の質向上を期待できます。
【不眠症に効果的な栄養素と食べ物2】グリシン
グリシンはアミノ酸の一種で、赤血球や肝臓における重要な役割を果たしています。グリシンを摂取すると末端の血流が良くなり、熱放散がスムーズに行われ、深部体温が低下して良質な睡眠へ導くといわれています。そのため、グリシンは「睡眠をサポートする性質があること」が示唆されています。なお、グリシンは肉類、魚介類、大豆などに豊富に含まれています
【不眠症に効果的な栄養素と食べ物3】マグネシウム
マグネシウムは、先述したメラトニンの他、睡眠に関係するホルモンである「レニン」の働きに関わっていると言われています。そのため、マグネシウム不足もまた、睡眠障害が起こる原因の一つとされています。不眠症の方は、マグネシウムを摂取する必要があるため、食事や「サプリメント」から適切な量を摂ることが重要です。なお、マグネシウムを多く含む食品には、ほうれん草、アーモンド、大豆、鮭などがあります。
【不眠症に効果的な栄養素と食べ物4】ビタミンB1
ビタミンB1は、水溶性ビタミンの一種です。中枢神経や末梢神経の機能を正常に保つ上で重要な栄養素とされています。ビタミンB1が不足すると、神経の過度の興奮や不安感を引き起こし、睡眠障害のリスクを高めることがあります。そのため、不眠症にお悩みの方は、ビタミンB1をしっかりと摂取することが重要です。なお、ビタミンB1は豚肉、大豆、大麦、穀物、ナッツ類などに豊富に含まれています。
【不眠症に効果的な栄養素と食べ物5】GABA
GABA(Gamma-Amino Butyric Acid)はアミノ酸の一種で、脳や脊髄などの中枢で働く神経伝達物質です。GABAには抗ストレス作用や神経の興奮を静める作用があります。そのため、GABAを摂取することで、睡眠の質向上を期待することができます。なお、GABAはチョコレートやココアの原料であるカカオをはじめ、トマトや発芽玄米などの野菜や穀物に含まれています。
不眠症に効果的な食習慣
続きましては、「不眠症に効果的な食習慣」をご紹介します。
【不眠症に効果的な食習慣1】夕食の後は3時間ほど空けてから眠る
夕食後すぐに眠ると、夜の睡眠の質が悪くなります。胃腸が盛んに働いているあいだは、深く眠れないからです。したがって夕食の後は、3時間ほど空けてから眠るようにしてください。
【不眠症に効果的な食習慣2】夕食に消化が悪いものを食べない
夕食時に消化が悪い重い食事を摂ると、胃の負担が増加し、胃酸の分泌が増えます。これが睡眠時の胃不快感や胃酸逆流を引き起こし、入眠を妨げることがありますので、ご注意ください。なお、夕食に適した食事は、軽めで消化しやすいものです。質の良い睡眠を求めるなら、夕食は消化の良い炭水化物を中心として、タンパク質や脂肪分は少なめにすることが勧められます。
【不眠症に効果的な食習慣3】トリプトファンを摂る
一日あたり「約500~600mg」のトリプトファンを摂取することが不眠対策に有効と言われています。したがって、一日三食しっかりと食事を摂り、積極的にトリプトファンを摂るように心掛けてください。ただし、トリプトファンの過剰摂取は危険です。トリプトファンを過剰摂取することによって、セロトニンが増加し、嘔吐や頭痛、筋力低下などが起きることがあります。トリプトファンは体にとって必要な栄養素ですが、摂取しすぎると体にとって悪影響になるため、注意してください。
【不眠症に効果的な食習慣4】夕方以降はカフェインを控える
カフェインは中枢神経系を刺激し、覚醒状態を維持する効果があります。摂取したカフェインは体内で分解されても効果が持続します。したがって、夕方や夜に摂ると睡眠に悪影響を及ぼす可能性がありますので、注意が必要です。「不眠症の改善について解説しているサイト」でも同様のことを伝えています。
【不眠症に効果的な食習慣5】寝酒は控える
アルコールを飲むと、寝つきが良くなります。しかし、時間とともにアルコールが分解されて、血液中のアルコールの濃度が低くなると、覚醒効果が現れるため、睡眠の質は悪くなります。また、アルコールは睡眠中の尿の量を増やしますので、トイレに行きたくなって目が覚めやすく、睡眠がこま切れになってしまいます。アルコールは一時的にリラックス効果を持ち、入眠しやすく感じることがありますが、その後の睡眠の質に悪影響を及ぼすことがありますので、ご注意ください。
不眠症の症状についてはいつでもご相談ください
「睡眠が浅い」「なかなか寝付けない」など、睡眠に関して問題があることで「日常生活に支障が出ている」と感じている方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。睡眠不足は単に身体の疲れが残りやすくなるだけでなく、体の病気や心の病気の原因となります。また睡眠障害自体が“心の病気”の前兆の可能性もあります。ですので、「睡眠が浅い」「なかなか寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は放っておかずに、お近くの医療機関に足を運んでください。なお、当院では“不眠症の診療”や“薬の処方”だけでなく、診断書の発行も行っております。医師の診断を受けたい方、あるいは自分が不眠症なのか気になる方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2023.09.27
不眠症と吐き気の関係・主な原因について
内科に関する記事です。
この記事では、「不眠症と吐き気の関係」について解説していきます。後半部分では、「不眠症の改善方法」や「吐き気の対処法」をご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
不眠症と吐き気の関係
睡眠不足による吐き気の原因
不眠症の改善方法と吐き気の対処法について
不眠症や吐き気に関係する疾患や症状
不眠症や吐き気に悩んでいる方はすぐにご相談ください
不眠症と吐き気の関係
不眠症の症状が悪化すると、吐き気の発生率が上昇することがあります。不眠症は、就寝時のストレスや不安、不規則な睡眠パターンから生じることがあり、これらの要因が吐き気を誘発する可能性があります。また、不眠症に苦しむ人々は、十分な睡眠を取ることができないため、体調が悪化し、ストレスや不安が増大します。これが吐き気を引き起こす一因ともなります。さらに、睡眠不足が「体の調節機能」に影響を与え、吐き気を引き起こす可能性もあります。吐き気が慢性的になると、それ自体が不眠症を悪化させる要因になりますので、医師の助言を受けながら、不眠症と吐き気に対処する方法を検討することがお勧めです。
睡眠不足による吐き気の原因
睡眠不足が吐き気を引き起こす原因は複数あります。まず、睡眠不足がストレスホルモン(コルチゾール)の増加を促進し、これが胃腸の動きに関わる『自律神経のバランス』を崩すことがあります。過剰なコルチゾールは、胃酸の分泌を増加させ、胃の不快感や吐き気を誘発します。また、睡眠不足は体の免疫機能を低下させ、感染症に対する抵抗力を弱めます。これにより、胃腸感染症などが発症し、吐き気を引き起こす可能性が高まります。さらに、睡眠不足に伴うストレスや不安は、胃腸の運動を乱し、食事の消化を妨げます。これにより、食べ物が胃内に滞留し、吐き気や胃不快感が生じやすくなります。加えて、睡眠不足が食事の時間帯を不規則にし、過食や食事制限を引き起こすことも吐き気の原因です。これらの食事パターンは、胃腸に負担をかけ、吐き気を誘発する可能性があります。このように、睡眠不足が吐き気の原因となる主なメカニズムは、ストレスホルモンの増加、免疫機能の低下、ストレスによる胃腸の運動異常、食事パターンの不規則さなどが挙げられます。したがって、睡眠の質と量を適切に確保し、健康な睡眠習慣を実践することが、吐き気を軽減するために重要だと言えます。
不眠症の改善方法と吐き気の対処法について
ここでは、「不眠症の改善方法」と「吐き気の対処法」について解説していきます。
不眠症の改善方法
【不眠症の改善方法1】睡眠環境の整備
睡眠環境の整備は、不眠症の改善に非常に重要です。寝室を暗くし、静かな環境を作り、快適な温度に調整することで、心地よい睡眠環境を整えることができます。また、適切な寝具を選ぶことも重要です。適切なマットレスや枕は体のサポートと圧力分散を助け、痛みや不快感を軽減します。睡眠環境の整備は、短期的な不眠症の症状を改善するだけでなく、長期的な睡眠の質を向上させる効果もありますので、積極的に行ってください。
【不眠症の改善方法2】適度な運動
適度な運動は不眠症に対して効果的な手段とされています。運動によって体温が上昇し、その後の体温低下が入眠を促進します。さらに、適切な運動は睡眠の質を向上させ、深い眠りやREM睡眠の量を増やすと報告されています。習慣的に運動を行うことで、寝つきが良くなり、より良質な睡眠を得ることができますので、不眠症にお悩みの方は積極的に運動を行ってください。
【不眠症の改善方法3】規則正しい生活リズムの維持
規則正しい生活リズムの維持は、不眠症の改善に非常に重要です。毎日同じ時間に起床し、就寝することで体内時計を調整し、睡眠の質を向上させることができます。また、規則正しい生活リズムを守ることで、体内の睡眠・覚醒サイクルが正常化し、不眠症の症状の改善につながります。不眠症の方は、睡眠リズムの調整に意識を向け、生活のリズムを整えることを心掛けてください。
【不眠症の改善方法4】ヨガや瞑想、深呼吸法
ヨガや瞑想、深呼吸法などのリラクゼーションテクニックは、不眠症の改善に効果的な手段です。具体的には、ヨガではポーズやストレッチ、呼吸法を組み合わせて行います。瞑想では、静かな場所で目を閉じて心を集中させます。深呼吸法では、ゆっくりと深い呼吸を行いながら身体をリラックスさせます。これらのテクニックを日常的に取り入れることで、ストレスや緊張を緩和し、安定した睡眠をサポートしますので、積極的に取り入れてください。
【不眠症の改善方法5】寝室からスマホを遠ざける
スマホの画面から発せられるブルーライトは、眠りを誘うメラトニンの分泌を抑制し、眠りの質を低下させます。また、SNSやメッセージアプリの利用は興奮状態を引き起こし、リラックスを妨げます。ですので、就寝前のスマホ操作はできる限り控えてください。なお、就寝前のスマホ操作を抑制するためには「寝室からスマホを遠ざける」「寝る1時間前からスマホ使用を控える」「ブルーライトカットフィルターを使用する」などの対策が効果的です。
【不眠症の改善方法6】ハーブ
ハーブの活用は、自然な方法で睡眠の質を向上させる手段の一つです。睡眠に良いハーブとしては、カモミールやバレリアンが有名です。カモミールはリラックス効果があり、不眠症や不安の緩和に役立ちます。一方、バレリアンは神経の鎮静作用があり、入眠困難を改善する効果があります。なお、これらのハーブはハーブティーとして楽しむことが一般的です。
【不眠症の改善方法7】アロマセラピー
アロマセラピーは、自然療法の一つであり、不眠症の改善に効果的な方法として広く知られています。具体的には、ラベンダーやカモミールなどのアロマオイルを使用することで、リラックス効果を促し、緊張を和らげることができます。枕元にアロマディフューザーを置くか、お風呂に垂らして入浴するだけで、心と体をリラックスさせ、安眠のサポートとなりますので、お試しください。ただし、アロマセラピーの効果には個人差があるため、自分に合った香りや方法を選ぶことが大切です。
睡眠不足による吐き気の対処法
もし吐き気がある場合には、気持ちを紛らわせるために「窓を開けて空気を入れかえる」「背中をさすってもらう」「横向きで寝る」「冷たい水でうがいをする」などの方法が効果的です。詳しくは、以下をご覧ください。
【吐き気の対処法1】窓を開けて空気を入れかえる
新鮮な空気は、吐き気を引き起こすのを防ぐのに役立ちます。特に、閉じた部屋や密室感を感じるとき、窓を開けて換気をすることで、空気中の酸素濃度が増し、リフレッシュされた感覚を得ることができます。
【吐き気の対処法2】背中をさすってもらう
軽く背中をさすってもらうことで、リラックスしやすくなり、吐き気を和らげることができます。
【吐き気の対処法3】横向きで寝る
仰向けに寝ていると胃酸が食道に逆流しやすくなり、不快感を強化することがあります。一方、横向きで寝ることで胃酸の逆流を防ぎ、吐き気を緩和できます。したがって、吐き気を感じる場合には、横向きで寝ることをお勧めします。ただし、横向きで寝る方法には個人差があるため、すべての人に効果的とは限りません。吐き気が継続する場合や他の症状がある場合には、医師のアドバイスを受けることが重要です。
【吐き気の対処法4】冷たい水でうがいをする
吐き気を感じるとき、口の中や喉に不快感を和らげるために冷たい水を使うことが効果的です。冷たい水でうがいをすることで、口の中の不快な味や臭いを洗い流し、すっきり感を得ることができます。
不眠症や吐き気に関係する疾患や症状
不眠症や吐き気に関係する可能性のある『疾患』や『症状』をいくつかご紹介します。
<うつ病>
うつ病とは、慢性的な気分の低下や無気力感、興味や喜びの喪失などの症状を特徴とする精神疾患です。うつ病は睡眠障害や精神的な不調を伴うことがあるため、不眠症や吐き気の原因となることがあります。
<自律神経失調症>
自律神経失調症は、自律神経の調節が不均衡になる疾患です。交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、さまざまな身体的症状を引き起こすことがあります。自律神経失調症は、交感神経と副交感神経の不均衡に起因し、不眠症のリスクを増加させる要因の一つとされています。自律神経が正常に機能しないと、入眠困難や夜間目覚めが増えることがあります。また、自律神経失調症の一部の患者は、交感神経と副交感神経の不均衡により、吐き気や胃の不快感が発生することがあります。特に、交感神経が優位になる状況でストレスや不安が高まると、これらの身体的症状が強化されることがあります。
<不安障害>
不安障害は、異常な程度の不安や恐れが継続的に存在し、日常生活に大きな影響を及ぼす精神疾患の総称です。不安障害に苦しむ人々は、不安や緊張が吐き気を誘発し、睡眠の質を低下させることがあります。なお、不安障害には「一般性不安障害」「社交不安障害」「パニック障害」などの種類があります。これらの不安障害は、精神的な不調だけでなく、身体的な症状(吐き気、頭痛、不眠症など)を引き起こすことがありますので、注意が必要です。
<胃腸障害>
消化器系の疾患や胃腸の不調は、吐き気や胃の不快感を引き起こすことがあり、睡眠を妨げることがあります。また、消化器系の疾患や胃腸の不調は、不眠症のリスクを高める要因にもなります。
不眠症や吐き気に悩んでいる方はすぐにご相談ください
不眠症は他の疾患との関連性が高い疾患です。身体的な病気や精神的な健康状態が不眠症の原因となることがあり、また、不眠症自体も他の病態を悪化させる可能性があります。そのため、不眠症は放置せずに、適切な治療を受ける必要があります。睡眠が浅い、頻繁に吐き気がする、寝つけないなど、日常生活に支障を感じている方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。なお、当院では、不眠症に対する診断と治療を行っております。不眠の症状や原因について悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2023.09.14
60代に起こりがちな不眠症の原因と対策
内科に関する記事です。
この記事では、「60代の不眠症」について解説していきます。後半部分では「60代のための不眠症改善方法」をご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
60代の不眠症の特徴
不眠症と健康の関係
不眠症と食事の関係
不眠症とメンタルヘルスの関係
60代のための不眠症改善方法
60代の不眠症症状におすすめの睡眠日誌について
60代の不眠症の特徴
60代以上の方の睡眠には、眠りが短くなったり、浅くなったりする特徴があります。高齢になると、社会活動から遠ざかり、日中の活動量が低下するため、必要な睡眠量も減少する傾向があります。また、加齢とともに、睡眠と関係の深い神経の働きやホルモンの分泌能力が衰え、睡眠時間が短くなることがあります。特に、60歳以降になると、まだ早い時刻から寝床に入ってしまうことで、寝床にいる時間は増えるものの実際の睡眠時間は減少し、不眠症の症状が悪化する可能性があります(不眠症は個人差や状況によって異なるため、全ての方に当てはまるわけではありません)。
不眠症と健康の関係
不眠症は免疫機能の低下や心理的ストレスの増加など、健康問題を引き起こす可能性があります。例えば、睡眠不足は炎症反応を増加させ、慢性疾患のリスクを高めることが示唆されています。また、不眠症は心理的なストレスを増大させる可能性があるため、うつ症状や不安症状の悪化を引き起こすことがあります。さらに、睡眠不足は神経系にも重大な影響を及ぼすことがあります。脳は睡眠中に情報の整理・処理を行い、新たな情報を学習し定着させる重要な役割を果たします。しかし、十分な睡眠が確保されない場合、このプロセスが阻害されることで、認知機能の低下や記憶障害が生じる可能性があります。特に長期間にわたる不眠症は、認知症や記憶障害のリスクを増加させる要因として議論されています。したがって、不眠症の症状が持続する場合は、早めに医師の診断を受け、適切なケアを行うことが重要です。「e-ヘルスネット - 厚生労働省」でも同様のことを伝えております。
不眠症と食事の関係
栄養バランスの取れた食事は、脳内の神経伝達物質を適切に調整し、セロトニンやドーパミンのような気分を安定させる化学物質の生成をサポートします。これにより、ストレスや不安を軽減する助けとなり、心地よい睡眠につながる可能性があります。一方で、不健康な食習慣は心身の健康に悪影響を及ぼすことがあります。過度な加工食品や高糖質の食品の摂取は、血糖値の急激な上昇と下降を引き起こし、気分の安定を妨げる可能性があります。また、カフェインやアルコールも夜間の睡眠を妨げる可能性があるため、摂取量には注意が必要です。不眠症とアルコールの関係性については「不眠症とお酒(アルコール)の関係性を解説」をご覧ください。
不眠症とメンタルヘルスの関係
心の健康が悪化すると、うつ症状や不安感が増加し、入眠困難や中途覚醒などの不眠症症状が現れることがあります。一方で、不眠症が続くと、日中の集中力や気分に影響を及ぼし、心理的負担が増大することがあります。そのため、メンタルヘルスと不眠症には密接な関係があると言われています。不眠症の症状が続くと、日中の機能が低下し、集中力が欠けたり、焦燥感が増加したりすることがあるため、ご注意ください。なお、不眠症とうつ病の関係性について詳しく知りたい方は「不眠症とうつ病の関係性」をご覧ください。
60代のための不眠症改善方法
不眠症の改善方法には、以下のようなアプローチがあります。
【60代のための不眠症改善方法1】睡眠環境の整備
睡眠環境の整備は、不眠症の改善に非常に重要です。寝室を暗くし、静かな環境を作り、快適な温度に調整することで、心地よい睡眠環境を整えることができます。また、適切な寝具を選ぶことも重要です。適切なマットレスや枕は体のサポートと圧力分散を助け、痛みや不快感を軽減します。睡眠環境の整備は、短期的な不眠症の症状を改善するだけでなく、長期的な睡眠の質を向上させる効果もありますので、積極的に行ってください。
【60代のための不眠症改善方法2】規則正しい生活リズムの維持
規則正しい生活リズムの維持は、不眠症の改善に非常に重要です。毎日同じ時間に起床し、就寝することで体内時計を調整し、睡眠の質を向上させることができます。また、規則正しい生活リズムを守ることで、体内の睡眠・覚醒サイクルが正常化し、不眠症の症状の改善につながります。不眠症の方は、睡眠リズムの調整に意識を向け、生活のリズムを整えることを心掛けてください。
【60代のための不眠症改善方法3】適度な運動
適度な運動は不眠症に対して効果的な手段とされています。運動によって体温が上昇し、その後の体温低下が入眠を促進します。さらに、適切な運動は睡眠の質を向上させ、深い眠りやREM睡眠の量を増やすと報告されています。習慣的に運動を行うことで、寝つきが良くなり、より良質な睡眠を得ることができますので、不眠症にお悩みの方は積極的に運動を行ってください。
【60代のための不眠症改善方法4】カフェインやアルコールの摂取制限
カフェインやアルコールは睡眠を妨げることがありますので、摂取量を制限する、または避けるようにしてください。
【60代のための不眠症改善方法5】目が覚めたら日光を浴びる
目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計を刺激してください。早起きは早寝に通じます。なお、睡眠のリズムを整えるために、週末などの休みの日も、平日と同じ時刻で起床するよう心掛けてくださいね。
【60代のための不眠症改善方法6】適正な食習慣
快適な睡眠を得るためには、適正な食習慣が重要です。朝食は心と身体の目覚めに欠かせません。栄養バランスの取れた朝食を摂ってエネルギーを補給し、一日のスタートを切ってください。なお、夜食については、軽めのものを選ぶことがポイントです。胃腸を過度に刺激しないようにし、就寝前には十分な時間を置いて消化を促してください。適正な食習慣を心掛けることで、良質な睡眠への道が開かれます。
【60代のための不眠症改善方法7】午後の眠気はうまくやり過ごす
長い昼寝はかえって夜間の睡眠を妨げます。昼寝をするなら、午後3時前の20~30分にしてください。
【60代のための不眠症改善方法8】ストレス管理
ストレスは不眠症の悪化を引き起こすことがあります。リラクゼーション法やストレス解消の方法を取り入れて、日常的なストレスを軽減してください。
【60代のための不眠症改善方法9】寝室からスマホを遠ざける
スマホの画面から発せられるブルーライトは、眠りを誘うメラトニンの分泌を抑制し、眠りの質を低下させます。また、SNSやメッセージアプリの利用は興奮状態を引き起こし、リラックスを妨げます。ですので、就寝前のスマホ操作はできる限り控えてください。なお、就寝前のスマホ操作を抑制するためには「寝室からスマホを遠ざける」「寝る1時間前からスマホ使用を控える」「ブルーライトカットフィルターを使用する」などの対策が効果的です。
【60代のための不眠症改善方法10】リラクゼーションテクニック
ヨガや瞑想、深呼吸法などのリラクゼーションテクニックは、不眠症の改善に効果的な手段です。具体的には、ヨガではポーズやストレッチ、呼吸法を組み合わせて行います。瞑想では、静かな場所で目を閉じて心を集中させます。深呼吸法では、ゆっくりと深い呼吸を行いながら身体をリラックスさせます。これらのテクニックは、日常的に取り入れることでストレスや緊張を緩和し、安定した睡眠をサポートしますので、積極的に取り入れてください。
【60代のための不眠症改善方法11】アロマセラピー
アロマセラピーは、自然療法の一つであり、不眠症の改善に効果的な方法として知られています。アロマセラピーでは、適切な精油の選び方が重要であり、ラベンダーやカモミールなどが一般的に使用されます。これらの精油は、ディフューザーやアロマランプ、アロマスティックなどの方法で香りを楽しむことができます。なお、アロマセラピーの効果は個人によって異なるため、自分に合った香りや使用方法を見つけることが大切です。
60代の不眠症症状におすすめの睡眠日誌について
睡眠に関する悩みで受診する場合、事前に記録した睡眠日誌を持参すると、診察がスムーズに進みます。したがって、睡眠について悩んでいる方には睡眠日誌の作成をお勧めします。睡眠日誌とは、寝床に入った時刻、眠りについた時刻、目を覚ました時刻、寝床から出た時刻など、毎日の睡眠について記録する日誌です。昼寝や居眠りをした場合も書き込み、よく休めたか、日中の眠気があったかどうかなども記録します。睡眠日誌は、自分の睡眠の状態を把握し、見直すことにもつながりますので、積極的に作成してくださいね。なお、当院では、不眠症に対する診断と治療を行っております。不眠の症状や原因について悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2023.08.18
ストレスによる不眠症の影響と対策
内科に関する記事です。
この記事では「ストレスが不眠症に与える影響」をご紹介していきます。後半部分では「ストレスによる不眠症の解消方法」を紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
ストレスが不眠症に与える影響
ストレスが原因の不眠症症状について
ストレスによる不眠症の解消方法
ストレスからくる不眠症治療は医師に相談を
ストレスが不眠症に与える影響
ストレスは不眠症に深刻な影響を与えることがあります。日常的なストレスや心配事が増えると、体内のストレスホルモンが増加し、交感神経が刺激されます。これにより、入眠困難や中途覚醒、早朝覚醒などの不眠症の症状が引き起こされることがあります。また、ストレスが長期間続くと、睡眠の質が低下し、熟睡感が得られないこともあります。さらにストレスは、副腎皮質から分泌される「コルチゾール」などのストレスホルモンの分泌を増加させます。これらのホルモンは体内時計や睡眠規律を乱し、正常な睡眠パターンを妨げる可能性があるため注意が必要です。不眠症とストレスは悪循環を生み出し合い、互いに影響を強め合うこともあります。そのため、適切なストレス管理やリラックス法の活用が重要です。ストレスへの適切な対処が、健康な睡眠の確保につながるため、意識して取り組んでください。
ストレスが原因の不眠症症状について
ストレスが原因となる不眠症では、様々な症状が引き起こされます。まず、入眠困難が顕著で、心が落ち着かずにベッドで寝返りを打つ時間が長くなることがあります。また、夜間に何度も目が覚めたり、早朝に目が覚めてしまう早朝覚醒も見られます。これにより、睡眠が断片化され、熟睡感が得られないことがあります。さらに、不眠症のストレスによって、日中の眠気や集中力の低下、イライラ、不安感が増加することもあります。これらの症状はストレスと密接に関連しているため、「ストレスの軽減」や「リラクゼーション法の実践」が大切です。ただし、症状が長期間続く場合は、医師の診断と指導を受けることが重要です。長期間にわたる不眠は「うつ病」や「不安障害」などの精神症状を引き起こす可能性があるため、ご留意ください。
ストレスによる不眠症の解消方法
不眠症の解消方法には、以下のようなアプローチがあります。
【ストレスによる不眠症の解消方法1】ヨガや瞑想、深呼吸法
ヨガや瞑想、深呼吸法などのリラクゼーションテクニックは、不眠症の改善に効果的な手段です。具体的には、ヨガではポーズやストレッチ、呼吸法を組み合わせて行います。瞑想では、静かな場所で目を閉じて心を集中させます。深呼吸法では、ゆっくりと深い呼吸を行いながら身体をリラックスさせます。これらのテクニックを日常的に取り入れることで、ストレスや緊張を緩和し、安定した睡眠をサポートしますので、積極的に取り入れてください。
【ストレスによる不眠症の解消方法2】睡眠環境の整備
睡眠環境の整備は、不眠症の改善に非常に重要です。寝室を暗くし、静かな環境を作り、快適な温度に調整することで、心地よい睡眠環境を整えることができます。また、適切な寝具を選ぶことも重要です。適切なマットレスや枕は体のサポートと圧力分散を助け、痛みや不快感を軽減します。睡眠環境の整備は、短期的な不眠症の症状を改善するだけでなく、長期的な睡眠の質を向上させる効果もありますので、積極的に行ってください。
【ストレスによる不眠症の解消方法3】適度な運動
適度な運動は不眠症に対して効果的な手段とされています。運動によって体温が上昇し、その後の体温低下が入眠を促進します。さらに、適切な運動は睡眠の質を向上させ、深い眠りやREM睡眠の量を増やすと報告されています。習慣的に運動を行うことで、寝つきが良くなり、より良質な睡眠を得ることができますので、不眠症にお悩みの方は積極的に運動を行ってください。
【ストレスによる不眠症の解消方法4】規則正しい生活リズムの維持
規則正しい生活リズムの維持は、不眠症の改善に非常に重要です。毎日同じ時間に起床し、就寝することで体内時計を調整し、睡眠の質を向上させることができます。また、規則正しい生活リズムを守ることで、体内の睡眠・覚醒サイクルが正常化し、不眠症の症状の改善につながります。不眠症の方は、睡眠リズムの調整に意識を向け、生活のリズムを整えることを心掛けてください。
【ストレスによる不眠症の解消方法5】ハーブ
ハーブの活用は、自然的な方法で睡眠の質を向上させる手段です。睡眠に良いハーブとしては、カモミールやバレリアンが有名です。カモミールはリラックス効果があり、不眠症や不安の緩和に役立ちます。一方、バレリアンは神経の鎮静作用があり、入眠困難を改善する効果があります。なお、これらのハーブはハーブティーとして楽しむことが一般的です。
【ストレスによる不眠症の解消方法6】寝室からスマホを遠ざける
スマホの画面から発せられるブルーライトは、眠りを誘うメラトニンの分泌を抑制し、眠りの質を低下させます。また、SNSやメッセージアプリの利用は興奮状態を引き起こし、リラックスを妨げます。ですので、就寝前のスマホ操作はできる限り控えてください。なお、就寝前のスマホ操作を抑制するためには「寝室からスマホを遠ざける」「寝る1時間前からスマホ使用を控える」「ブルーライトカットフィルターを使用する」などの対策が効果的です。
【ストレスによる不眠症の解消方法7】アロマセラピー
アロマセラピーは、自然療法の一つであり、不眠症の改善に効果的な方法として広く知られています。具体的には、ラベンダーやカモミールなどのアロマオイルを使用することで、リラックス効果を促し、緊張を和らげることができます。枕元にアロマディフューザーを置くか、お風呂に垂らして入浴するだけで、心と体をリラックスさせ、安眠のサポートとなりますので、お試しください。ただし、アロマセラピーの効果には個人差があるため、自分に合った香りや方法を選ぶことが大切です。
【ストレスによる不眠症の解消方法8】日光浴
日光を浴びると、私たちの脳内ではセロトニンという神経伝達物質が分泌されます。セロトニンが増えることで、ストレス発散や集中力アップ、気持ちが明るくなるなどの効果が期待できます。ですので、ストレスを感じている方は積極的に日光浴を行ってください。
ストレスからくる不眠症治療は医師に相談を
ストレスによる不眠症は深刻な問題であり、その改善には継続的な取り組みが必要です。自己診断や自己治療に頼るのではなく、医師への相談と早期の治療を推奨します。医師は症状や原因を特定し、個別に合ったストレス管理法や治療法を提案してくれます。また、医師は必要に応じて適切な検査や評価を行います。ですので、自己診断や自己治療に頼るのではなく、積極的に医療機関を受診してください。なお当院では、不眠症に対する診断と治療を行っております。強いストレスを感じている方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
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2023.08.11
不眠症の症状と種類:自身の睡眠の悩みを理解しよう
内科に関する記事です。
この記事では、「不眠症の症状と種類」をご紹介していきます。後半部分では「不眠症のセルフチェック方法」を紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
不眠症とは?
不眠症の主な症状
不眠症症状の種類と特徴
不眠症のセルフチェック方法
不眠症の種類を知って症状を理解することが大切です
不眠症の症状についてはいつでもご相談ください
不眠症とは?
不眠症とは、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害などの睡眠問題があり、そのために日中に様々な不調が現れる睡眠障害の一種です。近年、不眠症の発生率は増加傾向にあり、多くの方々が睡眠障害を抱えています。日本では、一般成人の30〜40%が何らかの不眠症状を有しており、特に女性に多いことが知られています。なお、不眠症状は加齢とともに増加し、60歳以上では半数以上の方で認められます。「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」でも同様のことを伝えておりますので、ご興味のある方はご覧ください。
不眠症の主な症状
不眠症は、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害などの睡眠問題によって、眠気や倦怠感、意欲低下、集中力低下、食欲低下などの身体的な症状を引き起こす可能性があります。さらに、長期間にわたる不眠は「うつ病」や「不安障害」などの精神症状も引き起こす可能性があります。十分な睡眠を得られない状態が続くと、神経系やホルモンバランスに影響を及ぼし、精神的な安定に悪影響を及ぼすことがありますので、ご留意ください。なお、不眠症を放置すると日常生活にも影響を及ぼす場合があります。そのため、早めに医師の診断を受け、適切なケアを行うことが大切です。
不眠症症状の種類と特徴
不眠症には、大きく分けて以下4つのタイプがあります。
【不眠症症状の種類と特徴1】入眠障害
入眠障害は、睡眠に入ることが困難な状態を指します。主な原因としては、ストレス、不規則な生活リズム、不安やうつ症状などが挙げられます。入眠障害の対策としては、リラックスした環境を作り、規則正しい睡眠スケジュールを確保することが重要です。具体的な方法としては、「ストレス管理」や「就寝前のリラックス法」を取り入れることが効果的になります。また入眠障害の治療法としては、睡眠薬や認知行動療法などがあります。入眠障害の治療には、専門家のアドバイスを受けながら、睡眠環境や睡眠習慣の改善に取り組むことが大切です。
【不眠症症状の種類と特徴2】中途覚醒
中途覚醒は、夜間に何度も目が覚める状態を指します。主な原因としては、睡眠時無呼吸症候群やストレス、心理的な要因が挙げられます。中途覚醒の対策としては、睡眠環境の改善や規則正しい生活リズムの確保が重要です。具体的な方法としては「リラックス法」や「睡眠前の刺激物の制限」が有効になります。また、病院での治療法としては、睡眠時無呼吸症候群の治療や認知行動療法があります。中途覚醒の治療では、専門家のアドバイスを受けながら、適切な治療法や改善策を見つけることが大切です
【不眠症症状の種類と特徴3】早朝覚醒
早朝覚醒は、早朝に目が覚めてしまい、再び眠りに戻れない状態を指します。主な原因としては、うつ病や不安、睡眠時無呼吸症候群などが挙げられます。早朝覚醒の対策としては、より良い睡眠を促すために、規則正しい睡眠スケジュールを守り、快適な睡眠環境を整えることが重要です。具体的なアプローチとしては、「リラックス法」や「睡眠前の刺激物の制限」が有効になります。また、病院での治療法としては、うつ病や睡眠時無呼吸症候群の治療があります。早朝覚醒の治療には、専門家のアドバイスを受けながら、適切な治療法や習慣の改善を行うことが大切です。
【不眠症症状の種類と特徴4】熟睡障害
熟睡障害は、夜間に断続的な目覚めや浅い眠りが続く状態を指します。主な原因としては、睡眠時無呼吸症候群や不快な環境、身体的な不快感が挙げられます。熟睡障害の対策としては、快適な睡眠環境の整備や睡眠前のリラックス法が効果的です。具体的な方法としては、「寝室の静かな環境づくり」や「身体をリラックスさせる習慣」を取り入れることが挙げられます。また、病院での治療法には、睡眠時無呼吸症候群の治療や認知行動療法があります。熟睡障害の治療では、専門家のアドバイスを受けながら、適切な治療法や改善策を見つけることが重要です。
不眠症のセルフチェック方法
自分の不眠の度合いをはかる目安として、世界共通で使われているチェックシートがあります。下記のチェックシートが全てではありませんが、自分の状態を客観的に見るのにお役立ていただければと思います。過去1ヶ月間に、少なくとも週3回以上経験したものに当てはまるものにチェックを入れてください。
<寝つきは?(布団に入ってから眠るまで要する時間)>
いつも寝つきはよい 0点
いつもより少し時間がかかった 1点
いつもよりかなり時間がかかった 2点
いつもより非常に時間がかかったか、全く眠れなかった 3点
<夜間、睡眠途中に目が覚めることは?>
問題になるほどではなかった 0点
少し困ることがあった 1点
かなり困っている 2点
深刻な状態か、全く眠れなかった 3点
<希望する起床時間より早く目覚め、それ以上眠れなかったか?>
そのようなことはなかった 0点
少し早かった 1点
かなり早かった 2点
非常に早かったか、全く眠れなかった 3点
<総睡眠時間は?>
十分である 0点
少し足りない 1点
かなり足りない 2点
全く足りないか、全く眠れなかった 3点
<全体的な睡眠の質は?>
満足している 0点
少し不満 1点
かなり不満 2点
非常に不満か、全く眠れなかった 3点
<日中の気分は?>
いつも通り 0点
少しめいった 1点
かなりめいった 2点
非常にめいった 3点
<日中の活動は?(身体的および精神的)>
いつも通り 0点
少し低下 1点
かなり低下 2点
非常に低下 3点
<日中の眠気について>
全くない 0点
少しある 1点
かなりある 2点
激しい 3点
【合計点数】
4点未満 不眠症の疑いは少ないです。
4~5点 不眠症の疑いが少しあります。できれば医師に相談してください。
6点以上 不眠症の疑いがあります。医師に相談することをお勧めします。
※不眠症のセルフチェック方法について詳しく知りたい方は「不眠症の症状、チェック方法の紹介」をご覧ください。
不眠症の種類を知って症状を理解することが大切です
不眠症の種類を理解し、それぞれの症状を把握することは、病態を正確に評価し、適切なアプローチを見つける上で非常に重要です。したがって、不眠症の症状に心当たりのある方は、医師に相談することをお勧めします。クリニック医師や不眠症の専門医は、適切な診断と治療法を提供し、健康な睡眠を取り戻すお手伝いをしてくれます。不眠症が生活に影響を与える前に、早めに医師のアドバイスを受けてくださいね。
不眠症の症状についてはいつでもご相談ください
「睡眠が浅い」「なかなか寝付けない」など、睡眠に関して問題があることで「日常生活に支障が出ている」と感じている方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。睡眠不足は単に身体の疲れが残りやすくなるだけでなく、体の病気や心の病気の原因となります。また睡眠障害自体が“心の病気”の前兆の可能性もあります。ですので、「睡眠が浅い」「なかなか寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は放っておかずに、お近くの医療機関に足を運んでください。なお、当院では“不眠症の診療”や“薬の処方”だけでなく、診断書の発行も行っております。医師の診断を受けたい方、あるいは自分が不眠症なのか気になる方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2023.08.10
不眠症とお酒(アルコール)の関係性を解説
内科に関する記事です。
この記事では、「睡眠とお酒の関係」について解説していきます。後半部分では「不眠症改善のための飲酒習慣の見直し方」をご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
睡眠とお酒の関係とは?
アルコールが不眠症に与える影響
不眠症改善のための飲酒習慣の見直し方
不眠症の他の原因にも目を向けることが重要
お酒は適度な量を目指し、不眠症についてはいつでもご相談ください
睡眠とお酒の関係とは?
アルコールと睡眠の関係について検討した研究によると、適量のアルコールは入眠時間を短縮し、睡眠の深さを増加させる効果があります。しかしながら、これは一時的なものに過ぎません。アルコールの摂取は、むしろ弊害のほうが多いです。具体的には、飲酒によってレム睡眠が減少し、睡眠の後半は眠りが浅くなり、睡眠の質にはかなりの歪みが生じます。また、アルコールの睡眠作用には耐性が生じるため、1週間も飲酒を続けると「入眠時間の短縮」や「深い睡眠の増加」はみられなくなり、睡眠時間は徐々に短縮していきます。そして、飲酒を中断すると、かえって寝つきが悪くなり、睡眠は浅くなります。さらにレム睡眠が反跳性に増加し、これが悪夢の原因にもなります。健康な睡眠を確保するためにも、適度な飲酒を心掛けてください。なお、不眠症の解消のためにアルコールを利用することは、アルコール依存症に進展するリスクを高める可能性がありますので、ご注意くださいね。
アルコールが不眠症に与える影響
アルコールが不眠症に与える影響は次の通りです。
【アルコールが不眠症に与える影響1】睡眠のサイクルを乱す
アルコールは睡眠のサイクルを乱す要因となります。睡眠サイクルは、眠りの深さや浅さが繰り返されるパターンで、このサイクルを正常に辿ることが良質な睡眠につながります。しかし、アルコールの影響によりサイクルが崩れ、睡眠の質が低下することがあります。
【アルコールが不眠症に与える影響2】目覚めたときに疲れを感じる
アルコールの摂取により、脳は深い睡眠段階であるREM(Rapid Eye Movement)睡眠をスキップし、非REM睡眠に過度に留まりがちになります。これにより、睡眠の質が低下し、目覚めたときに疲れを感じることがあります。
【アルコールが不眠症に与える影響3】不眠症が慢性化する可能性がある
アルコールの摂取量や個人の体質によって影響は異なりますが、長期的に過剰なアルコール摂取が続くと、不眠症が慢性化する可能性があります。慢性的な睡眠障害は、日常生活に大きな影響を及ぼすだけでなく、健康への影響も懸念されますので、ご注意ください。
【アルコールが不眠症に与える影響4】夜中にトイレに行く頻度が増える
アルコールは利尿作用があるため、摂取後に体内の尿の量が増加します。特に就寝前にアルコールを摂取すると、夜間に何度もトイレに起きることが多くなります。夜中にトイレに行く頻度が増えると、睡眠が断続され、睡眠の深さが減少します。また、トイレに起きるたびに眠りが浅くなることで、朝までの継続的な良質な睡眠が妨げられる可能性もあります。
【アルコールが不眠症に与える影響5】睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まる
アルコールは筋肉の緊張を緩和するため、喉の筋肉も弛緩しやすくなります。これにより、気道が閉塞しやすくなり、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まることがあります。特に、アルコールの摂取量が多い場合やアルコールと他の抑制剤を併用する場合は、このリスクが増加します。
不眠症改善のための飲酒習慣の見直し方
不眠症に悩む方は、飲酒習慣の見直しを行うことで睡眠の質を向上させることができます。以下に、不眠症改善のための飲酒習慣の見直し方をいくつかご紹介します。
【不眠症改善のための飲酒習慣の見直し方1】飲酒量の抑制
睡眠の質を向上させるためには、アルコールの摂取量を減らすことが重要です。特に寝る前のアルコール摂取は避けてください。睡眠の質を低下させる要因となります。飲酒をする場合は、量を適度に抑え、寝る2〜3時間前には摂取しないよう心掛けてくださいね。なお、適切な飲酒量については、以下をご覧ください。
<厚生労働省の指針>
厚生労働省の指針では、節度ある適切な飲酒を「1日平均・純アルコールで約20g程度」としています。これをアルコール飲料に換算すると、ビールは中瓶1本(500ml)、日本酒は1合(180ml)、焼酎は0.6合(100ml)、ワインはグラス2杯(180ml)、缶チューハイは1.5缶(520ml)となります。健康にお酒を楽しむには、摂取量を適量に抑えることが大切になりますので、くれぐれも飲みすぎには注意してください。なお、「厚生労働省のホームページ」では、週2日お酒を飲まず、肝臓を休める「休肝日」を推奨しています。休肝日を設けると、アルコール依存症の予防に繋がる他、アルコールによる死亡リスクの低下に繋がります。ですので、なるべく休肝日を設けるようにしてください。
【不眠症改善のための飲酒習慣の見直し方2】お酒と同量以上のお水を飲む
アルコールの分解にはお水が必要なため、最低でもお酒と同量以上のお水を飲んでください。ひと口飲んだら「お水を飲む」と決めておけば、必然的に飲むスピードも緩やかになり、ゆっくりとお酒を楽しむことにも繋がります。また、お水を飲むことによって、「食べ過ぎ」や「飲み過ぎ」を防ぐ効果が期待できます。適切な水分補給によって、睡眠中の頻繁な目覚めを減らし、睡眠の連続性を保つことができます。
【不眠症改善のための飲酒習慣の見直し方3】なるべく食事と一緒にお酒を飲む
アルコールは胃を通じて95%が小腸で吸収されますが、食事と一緒に摂取することで、胃でのアルコールの滞留時間が長くなります。このため、小腸でのアルコールの吸収がより均一に分散され、アルコールの血中濃度の急激な上昇を抑えることができます。食事との同時摂取により、睡眠前のアルコールの影響が緩和され、深い睡眠に達しやすくなるかもしれません。適切な食事と一緒にお酒を楽しむことで、より健康的な睡眠を促進してくださいね。
【不眠症改善のための飲酒習慣の見直し方4】飲酒の時間帯を見直す
睡眠の質を向上させるためには、早い時間帯に飲酒し、アルコールが体内から代謝される時間を確保することが大切です。飲酒後、アルコールが体内から完全に排出されるまでには時間がかかります。そのため、就寝前に飲酒を控えることで夜間の目覚めを減らし、睡眠の連続性を保つことができます。
不眠症の他の原因にも目を向けることが重要
飲酒が不眠症の一因である場合、飲酒を見直すだけでなく、不眠症の他の原因にも目を向けることが重要です。ストレス、不規則な生活リズム、精神的な問題など、不眠症の背後には様々な要因が考えられます。原因を特定し、それに合わせた対策を取ることで、より効果的な改善が期待できます。したがって、「睡眠が浅い」「寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。なお、不眠症を引き起こす主な原因については、以下をご覧ください。
【睡眠障害:不眠症の原因1】心理的原因
何らかのストレスに関連して起こる不眠です。
【睡眠障害:不眠症の原因2】身体的原因
身体の病気や症状が原因で起こる不眠です。
【睡眠障害:不眠症の原因3】薬理学的原因
服用している薬や、アルコール、カフェイン、ニコチンなどが原因で起こる不眠です。
【睡眠障害:不眠症の原因4】精神医学的原因
精神や神経の病に伴って起こる不眠です。精神や神経の病には、不眠を伴うことが少なくありません。なかでも不眠になりやすいのは、不安と抑うつになります。
お酒は適度な量を目指し、不眠症についてはいつでもご相談ください
不眠症の解消のためにアルコールを利用することは、アルコール依存症に進展するリスクを高める可能性があります。そのため、不眠症の解消のためにアルコールを利用している方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。睡眠不足は単に身体の疲れが残りやすくなるだけでなく、体の病気や心の病気の原因となることもあります。また、睡眠障害自体が“心の病気”の前兆の可能性も考えられます。ですので、「睡眠が浅い」「なかなか寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は放っておかずに、お近くの医療機関に足を運んでください。なお、当院では“不眠症の診療”や“薬の処方”だけでなく、診断書の発行も行っております。不眠で悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2023.07.27
コーヒー(カフェイン)と不眠症の関係、睡眠への影響について解説
内科に関する記事です。
この記事では、「コーヒー(カフェイン)が不眠症に与える影響」について解説していきます。後半部分では「コーヒー(カフェイン)を摂取する際の注意点」をご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
コーヒーが不眠症に与える影響とは?
コーヒーが睡眠のリズムに与える影響
不眠症に影響しにくいコーヒーの摂取量や飲み方
不眠症症状のある人に向けたカフェイン摂取の注意点
具体的な不眠症の悩み・相談はいつでもご相談ください
コーヒーが不眠症に与える影響とは?
睡眠に関係する重要な物質として、疲労に伴い体内で産生される「アデノシン」があります。アデノシンはアデノシン受容体に結合すると、覚醒作用のあるヒスタミンの放出を抑え、眠気を感じる働きを持っています。コーヒーに含まれるカフェインは、アデノシン受容体に結合し、アデノシンの結合を阻害するため、ヒスタミンの放出が抑制されずに眠気を感じにくくなります。したがって、就寝前にカフェイン入りのコーヒーを摂取すると、眠りの質に影響を及ぼす可能性があると言われています。なお、カフェインの効果は個人差があります。一般的に摂取後30分〜2時間程度で最大の血中濃度に達し、その後2〜8時間で半減期を迎えます。習慣的にカフェインを摂取する人は、入眠困難などの不眠症状を抱える可能性が高く、過剰な摂取は睡眠の質を悪化させることが報告されています。カフェイン入りのコーヒーを摂取する際は、自身の体質や睡眠パターンに配慮して、適切なカフェインの摂取を心掛けてください。
コーヒーが睡眠のリズムに与える影響
コーヒーに含まれるカフェインは中枢神経を刺激し、覚醒効果をもたらします。したがって、就寝前にカフェイン入りのコーヒーを摂取すると、眠りのリズムに影響を及ぼす可能性があります。個人差はありますが、夕方以降のカフェイン摂取は就寝時刻が遅くなる要因となり、睡眠の取りやすさに影響を与えることがあります。また、カフェインの摂取量や個人の代謝能力によっては、深い眠りの割合が減少し、寝起きが悪化することもあります。なお、睡眠のリズムに影響を及ぼす最も重要な点は、カフェインの持続時間です。カフェインの半減期は個人によって異なりますが、一般的には約3〜7時間です。そのため、就寝前数時間以内にコーヒーを摂取すると、眠りの質が低下する可能性があります。特に、就寝前に大量のカフェインを摂ると、入眠が遅れたり、深い眠りが妨げられたりすることがあります。睡眠の質を高め、健康的な生活を送るためにも、コーヒーの摂取量・摂取時間にはご注意ください。
※カフェインはコーヒーだけでなく、他の飲み物や食品にも含まれます。カフェインが含まれるものについては「農林水産省のホームページ」をご覧ください。
不眠症に影響しにくいコーヒーの摂取量や飲み方
コーヒーに含まれるカフェインは適切な量で摂取すれば、眠気を解消したり、集中力を上げたりするのに役立ちます。しかしながら、過剰に摂取すると動悸・下痢・吐き気などの身体症状、興奮・不安・イライラといった精神症状、また不眠症などの様々な副作用が現れる可能性があります。そのため、カフェインの摂取量には注意が必要です。具体的には、健康な成人の方に関しては、一日に「2〜3杯まで」であれば、カフェイン入りコーヒーを摂取しても健康へ悪影響を及ぼさないと考えられています。ただし、個人差があるため、体調や生活状況に合わせて適切な摂取量を把握することが大切です。なお、カフェインを飲む際には食事との相互作用にも注意が必要です。空腹時にコーヒーを飲むと、カフェインがより速く吸収され、効果が強く現れることがあります。食事と一緒に摂ることで、カフェインの吸収が緩やかになり、血中濃度を安定させることができますので、コーヒーを楽しむ際には飲むタイミングや食事との関係にも配慮してください。
不眠症症状のある人に向けたカフェイン摂取の注意点
不眠症の症状を抱える方は、カフェイン摂取に対して特別な注意が必要です。以下、不眠症の症状のある方に向けたカフェイン摂取の注意点です。
【カフェイン摂取の注意点1】摂取量を制限
不眠症の症状がある方は、カフェインの摂取量を最小限に抑える必要があります。一般的な健康な成人であれば、一日に300〜400mg程度が適切な摂取量とされていますが、個人差があるため、自身の体調に合わせて適量を見極めることが大切です。
【カフェイン摂取の注意点2】就寝前の摂取を避ける
就寝前にカフェインを摂取することは控えるべきです。カフェインは摂取後3〜7時間程度影響が持続し、入眠を妨げる可能性があります。夕方以降はカフェインの摂取を控えるよう心掛けてください。
【カフェイン摂取の注意点3】空腹時のカフェイン摂取
空腹時にカフェインを摂ると、吸収が速くなり効果が強く出ることがあります。カフェインを摂取する際は、なるべく食事と一緒に摂取してください。
【カフェイン摂取の注意点4】カフェイン摂取のタイミング
カフェインの効果は個人によって異なりますが、一般的に摂取後3〜7時間程度は影響が続きます。不眠症症状を抱える方は、カフェイン摂取後の体感をよく観察し、睡眠の時間帯と摂取のタイミングに注意してください。
【カフェイン摂取の注意点5】コーヒーの種類
カフェインに敏感な方や就寝前にカフェインを摂りたくない方は、デカフェコーヒーを選択することが適しています。デカフェコーヒーはカフェインをほとんど含まず、睡眠への影響を最小限に抑えることができますので、お勧めです(もちろん、ノンカフェインコーヒーもお勧めです)。
具体的な不眠症の悩み・相談はいつでもご相談ください
「睡眠が浅い」「なかなか寝付けない」など、睡眠に関して問題があることで「日常生活に支障が出ている」と感じている方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。睡眠不足は単に身体の疲れが残りやすくなるだけでなく、体の病気や心の病気の原因となります。また睡眠障害自体が“心の病気”の前兆の可能性もあります。そのため、不眠症の症状が続く場合は、自己治療に頼るのではなく、医師への相談と早期の治療を推奨します。医師は症状や原因を特定し、個別に合った治療法を提案してくれます。また、医師は必要に応じて適切な検査や評価を行います。ですので、自己治療に頼るのではなく、積極的に医療機関を受診してくださいね。なお当院では、不眠症に対する診断と治療を行っております。不眠の症状や原因について悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2023.07.26
アレルギーが不眠症に与える影響とは?
内科に関する記事です。
この記事では、「アレルギーが不眠症に与える影響」について解説していきます。後半部分では「アレルギー管理と不眠症改善へのアプローチ」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
アレルギーが不眠症に与える影響とは?
アレルギーによる睡眠障害のメカニズム
アレルギー性鼻炎と睡眠の関係
アレルギー性喘息と睡眠障害
アトピー性皮膚炎と睡眠の質
アレルギーによる不眠症の症状と特徴
アレルギーに対する睡眠環境の整え方
アレルギー管理と不眠症改善へのアプローチ
アレルギーによる不眠症の症状が続いたらすぐに相談を
アレルギーが不眠症に与える影響とは?
アレルギー症状は、鼻づまり、くしゃみ、かゆみなどの不快感を引き起こすだけでなく、夜間の睡眠にも悪影響を及ぼすことがあります。例えば、鼻づまりによって呼吸がしづらくなり、睡眠の質が低下してしまうことがあります。また、「かゆみ」や「くしゃみ」によって睡眠が妨げられ、入眠困難につながることもあります。したがって、アレルギー症状がある場合は、それが不眠症につながる可能性を考慮し、早めに適切な対処をすることが重要です。「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」でも同様のことを伝えています。
アレルギーによる睡眠障害のメカニズム
アレルギーによる睡眠障害のメカニズムは複雑です。様々な要因が組み合わさって影響を及ぼします。主な要因は以下の通りです。
【アレルギーによる睡眠障害のメカニズム1】炎症反応
アレルギーによって免疫系が刺激されると、体内で炎症反応が引き起こされます。この炎症が鼻や気道の腫れを引き起こし、呼吸困難や鼻づまりを招くことで睡眠が妨げられます。
【アレルギーによる睡眠障害のメカニズム2】ヒスタミンの放出
アレルギー反応では、ヒスタミンという物質が放出されます。ヒスタミンは覚醒作用を持つため、夜間に増加すると眠りを浅くし、目覚めやすくなることがあります。
【アレルギーによる睡眠障害のメカニズム3】メラトニンの抑制
アレルギー症状があると、体内のメラトニンの分泌が抑制されることがあります。メラトニンは睡眠を促進するホルモンであるため、その減少は「入眠困難」や「睡眠の質低下」に繋がります。
【アレルギーによる睡眠障害のメカニズム4】精神的影響
慢性的なアレルギーによる症状は、不快感や痛み、かゆみなどの身体的ストレスを引き起こすことがあります。これにより心理的なストレスや不安感が増加し、睡眠障害を引き起こす可能性があります。
アレルギー性鼻炎と睡眠の関係
アレルギー性鼻炎は、花粉やハウスダスト、ペットの毛などのアレルゲンによって引き起こされる、鼻の粘膜の炎症を特徴とするアレルギー疾患です。アレルギー性鼻炎が睡眠に及ぼす影響は、次の通りです。
【アレルギー性鼻炎と睡眠の関係1】睡眠の質低下
アレルギー性鼻炎は鼻づまり、くしゃみ、鼻水などの症状を伴います。これらの不快な症状によって夜間の睡眠が妨げられ、入眠困難や多くの目覚め、浅い眠りに繋がることがあります。
【アレルギー性鼻炎と睡眠の関係2】睡眠時間の減少
アレルギー症状がひどい場合、患者さんは夜間に頻繁に目覚めることがあります。これによって睡眠時間が減少し、日中の眠気や疲労感が増加する可能性があります。
【アレルギー性鼻炎と睡眠の関係3】いびきや睡眠時無呼吸症候群
アレルギー性鼻炎による鼻づまりが「いびき」や「睡眠時無呼吸症候群」の発症・悪化を促すことがあります。これらの症状がある場合、睡眠の質がさらに低下します。
アレルギー性喘息と睡眠障害
アレルギー性喘息は、アレルゲンによって引き起こされる気道の慢性的な炎症です。喘鳴や呼吸困難を特徴とします。アレルギー性喘息の患者さんは夜間に症状が悪化することがよくあり、喘鳴や咳が増え、深い睡眠が妨げられる可能性があります。症状がひどい場合、頻繁な咳や呼吸困難によって睡眠の質が低下し、熟睡感や日中の活力が減少することがあります。さらにアレルギー性喘息の患者さんの中には、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まる場合もあり、気道の狭窄や酸素供給不足が原因となって、睡眠中に呼吸が止まることがあります。
アトピー性皮膚炎と睡眠の質
アトピー性皮膚炎は、慢性的な皮膚の炎症を特徴とするアレルギー性疾患です。かゆみや発疹が頻繁に現れます。アトピー性皮膚炎が睡眠に及ぼす影響は、次の通りです。
【アトピー性皮膚炎と睡眠の質1】かゆみと睡眠
アトピー性皮膚炎の患者さんは、しばしば強いかゆみに苦しむことがあります。そのため、夜間にかゆみが増すことで、入眠困難や中途覚醒が起こり、睡眠の質が低下することがあります。
【アトピー性皮膚炎と睡眠の質2】心理的な影響
慢性的なかゆみや皮膚の不快感により、アトピー性皮膚炎の患者さんは不安やストレスを抱えることがあります。これらの精神的な影響が睡眠の質に影響を及ぼすことがあります。
【アトピー性皮膚炎と睡眠の質3】夜間の目覚め
かゆみによって夜間に目が覚め、掻いたり、体を動かしたりすることがあります。これによって深い睡眠が妨げられ、日中の疲労感や眠気が生じることがあります。
アレルギーによる不眠症の症状と特徴
上述した通り、アレルギー反応によって引き起こされる鼻づまりやくしゃみは、夜間に悪化する傾向があります。このため、寝息やいびきが増え、入眠や中途覚醒が起こりやすくなります。また、かゆみもアレルギーによる不眠症の典型的な症状であり、かゆみを抑えるために体を動かす、掻くといった行動が不規則な睡眠サイクルを引き起こし、深い睡眠を妨げます。さらに、アレルギーによって身体が過敏に反応するため、寝具の触れ具合に敏感になり、快適な寝心地が得られないこともあります。アレルギーによる不快感や症状の悪化によって、心身のリラックスが妨げられ、寝つきが悪くなる場合もありますので、ご注意ください。なお、不眠症の一般的な症状は、次の通りです。
入眠困難:寝付きが悪く、なかなか眠りにつけないことがあります。
中途覚醒:夜中に何度も目が覚めたり、眠りが浅くて熟睡感が得られなかったりします。
早朝覚醒:早朝に目が覚めてしまい、その後、眠りに戻れないことがあります。
熟睡障害:眠りが浅く、睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られないことがあります。
これらの症状がしばらく続く場合は、医師に相談することをお勧めします。なお、これらの症状は同時に複数現れることがあります。
アレルギーに対する睡眠環境の整え方
アレルギーによる睡眠障害を軽減するためには、寝室の環境を適切に整えることが重要です。以下、アレルギーに対する睡眠環境の整え方のポイントです。
【アレルギーに対する睡眠環境の整え方1】アレルゲン除去
寝室を清潔に保ち、アレルゲンを除去することが大切です。定期的に掃除を行い、ハウスダストや花粉、ペットの毛などを徹底的に取り除いてください。
【アレルギーに対する睡眠環境の整え方2】寝具の洗濯
枕カバーやシーツ、布団カバーなどの寝具は、こまめに洗濯して清潔にしてください。高温で洗濯することで、アレルゲンを除去する効果があります。
【アレルギーに対する睡眠環境の整え方3】空気清浄機の使用
アレルゲンを吸い込まないようにするため、空気清浄機を使うと効果的です。特にHEPAフィルターを搭載した製品は、微粒子を効率的に捕捉します。
【アレルギーに対する睡眠環境の整え方4】絨毯やカーテンの使用を避ける
アレルギー反応を起こしやすい絨毯やカーテンは、できるだけ寝室に取り入れないようにしてください。絨毯やカーテンの代わりに、アレルギーに配慮した素材の床材やブラインドの利用をお勧めします。
アレルギー管理と不眠症改善へのアプローチ
アレルギーによる不眠症を改善するには、アレルギーの早期治療が必要です。適切なアレルギー治療を受け、アレルゲンを避けることで、症状の軽減が期待できます。また、アレルギーによるストレスを管理することも大切です。リラックス法や瞑想を取り入れ、心身のリラックスを図ることで、不眠症の改善につながります。なお、その他の不眠症の改善方法については、以下をご覧ください。
【不眠症の改善方法1】適度な運動
適度な運動は不眠症に対して効果的な手段とされています。運動によって体温が上昇し、その後の体温低下が入眠を促進します。さらに、適切な運動は睡眠の質を向上させ、深い眠りやREM睡眠の量を増やすと報告されています。習慣的に運動を行うことで、寝つきが良くなり、より良質な睡眠を得ることができますので、不眠症にお悩みの方は積極的に運動を行ってください。
【不眠症の改善方法2】寝室からスマホを遠ざける
スマホの画面から発せられるブルーライトは、眠りを誘うメラトニンの分泌を抑制し、眠りの質を低下させます。また、SNSやメッセージアプリの利用は興奮状態を引き起こし、リラックスを妨げます。ですので、就寝前のスマホ操作はできる限り控えてください。なお、就寝前のスマホ操作を抑制するためには「寝室からスマホを遠ざける」「寝る1時間前からスマホ使用を控える」「ブルーライトカットフィルターを使用する」などの対策が効果的です。
【不眠症の改善方法3】睡眠環境の整備
睡眠環境の整備は、不眠症の改善に非常に重要です。寝室を暗くし、静かな環境を作り、快適な温度に調整することで、心地よい睡眠環境を整えることができます。また、適切な寝具を選ぶことも重要です。適切なマットレスや枕は体のサポートと圧力分散を助け、痛みや不快感を軽減します。睡眠環境の整備は、短期的な不眠症の症状を改善するだけでなく、長期的な睡眠の質を向上させる効果もありますので、積極的に行ってください。
【不眠症の改善方法4】規則正しい生活リズムの維持
規則正しい生活リズムの維持は、不眠症の改善に非常に重要です。毎日同じ時間に起床し、就寝することで体内時計を調整し、睡眠の質を向上させることができます。また、規則正しい生活リズムを守ることで、体内の睡眠・覚醒サイクルが正常化し、不眠症の症状の改善につながります。不眠症の方は、睡眠リズムの調整に意識を向け、生活のリズムを整えることを心掛けてください。
【不眠症の改善方法5】カフェインやアルコールの摂取制限
カフェインやアルコールは睡眠を妨げることがありますので、摂取量を制限する、または避けるようにしてください。
【不眠症の改善方法6】適正な食習慣
快適な睡眠を得るためには、適正な食習慣が重要です。朝食は心と身体の目覚めに欠かせません。栄養バランスの取れた朝食を摂ってエネルギーを補給し、一日のスタートを切ってください。なお、夜食については、軽めのものを選ぶことがポイントです。胃腸を過度に刺激しないようにし、就寝前には十分な時間を置いて消化を促してください。適正な食習慣を心掛けることで、良質な睡眠への道が開かれます。
アレルギーによる不眠症の症状が続いたらすぐに相談を
不眠症は深刻な問題であり、その改善には継続的な取り組みが必要です。そのため、アレルギーによる不眠症の症状が続く場合は、自己治療に頼るのではなく、医師への相談と早期の治療を推奨します。医師は症状や原因を特定し、個別に合った治療法を提案してくれます。また、医師は必要に応じて適切な検査や評価を行います。ですので、自己診断や自己治療に頼るのではなく、積極的に医療機関を受診してください。なお当院では、不眠症に対する診断と治療を行っております。不眠の症状や原因について悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2023.07.25
30代にありがちな不眠症の原因と改善方法
内科に関する記事です。
この記事では、「30代の不眠症の原因」をご紹介していきます。後半部分では「不眠症改善に効果的なリラクゼーション法」をご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
30代に増加する不眠症の現状と要因
ストレスと不眠症の関係性
30代特有のライフスタイルと睡眠障害
スマートフォンやデジタルデバイスの使用と睡眠の乱れ
仕事や家庭バランスが不眠症に与える影響
30代女性のホルモン変化と睡眠への影響
30代男性のライフイベントと不眠症の関連性
30代の不眠症改善に効果的なリラクゼーション法
まとめ
30代に増加する不眠症の現状と要因
近年、30代の不眠症の発生率が増加している状況が認識されています。不眠症とは、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害によって、その人にとって必要な睡眠時間が十分に取れないことや“睡眠の質”が低下することで、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。不眠は、眠気、倦怠感、集中力低下、抑うつや不安などの精神症状を引き起こし、その結果として生産性の低下、交通事故の増加など、様々な人的及び社会経済的損失をもたらすと考えられております。したがって、「睡眠が浅い」「寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。なお、不眠症の原因はストレス・心や身体の病気・薬の副作用など様々です。以下、不眠症を引き起こす主な原因になります。
【不眠症の原因1】心理的原因
何らかのストレスに関連して起こる不眠です。
【不眠症の原因2】身体的原因
身体の病気や症状が原因で起こる不眠です。
【不眠症の原因3】薬理学的原因
服用している薬や、アルコール、カフェイン、ニコチンなどが原因で起こる不眠です。
【不眠症の原因4】精神医学的原因
精神や神経の病に伴って起こる不眠です。精神や神経の病には、不眠を伴うことが少なくありません。なかでも不眠になりやすいのは、不安と抑うつになります。
※不眠症の症状について知りたい方は「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」をご覧ください。
ストレスと不眠症の関係性
ストレスは身体に対して興奮状態を引き起こし、交感神経の活動が増加します。これにより心拍数や血圧が上昇し、体がリラックス状態から離れてしまうため、入眠が困難になることがあります。さらに、ストレスは睡眠を維持するために重要な副腎皮質ホルモンである「コルチゾール」の分泌を増加させる影響を与えます。過剰なコルチゾールの分泌は寝付きを悪化させ、睡眠の質を低下させる要因となります。このように、ストレスと不眠症は相互に影響し合う関係にあるため、ストレス管理が不眠症の改善に欠かせない要素となります。
30代特有のライフスタイルと睡眠障害
30代になると様々なライフイベントが訪れるようになりますので、20代とは違ったストレスを抱えるようになります。例えば、キャリアと家庭の両立のプレッシャーが挙げられます。30代では職場での責任が増える一方で、子育てや家事も重責を伴います。これらの負担が睡眠に対するストレスを増加させる可能性があります。また、不規則な生活リズムが問題となる可能性もあります。仕事の忙しさや夜間の社交活動が睡眠時間を乱し、体内時計を乱すことで睡眠障害が引き起こされることがあります。ライフスタイルの変化は睡眠障害のリスクを高めているため、適切な睡眠環境の整備やリラックス法の実践など、健康な睡眠を促進する対策を取り入れることが重要です。
スマートフォンやデジタルデバイスの使用と睡眠の乱れ
就寝前のスマホ操作が不眠症の原因になっている場合があります。スマホの画面から発せられるブルーライトは、眠りを誘うメラトニンの分泌を抑制し、眠りの質を低下させます。また、SNSやメッセージアプリの利用は興奮状態を引き起こし、リラックスを妨げます。さらに、デジタルデバイスの使用は睡眠の時間を削減することがあります。就寝前や夜間に長時間デバイスを使用することで、睡眠時間が短くなり、睡眠不足が引き起こされる可能性がありますので、ご注意ください。
仕事や家庭バランスが不眠症に与える影響
仕事における責任やプレッシャーが日常的に増加すると、心身にストレスが蓄積され、入眠が困難になることがあります。また、家庭と仕事の両立が睡眠に影響を与える可能性もあります。子育てと仕事を両立している方は、家庭の責任を果たす一方で、仕事でもパフォーマンスを発揮する必要があります。そのため、次第に心の余裕が失われ、寝付きが悪くなる可能性があると言えます。仕事や家庭バランスの調整は、睡眠の質と健康に直結する重要な要素です。したがって、ストレス管理や時間管理の改善、定期的なリラックス法の実践など、適切な対策を取り入れることが大切です。
30代女性のホルモン変化と睡眠への影響
女性の体は「妊娠・出産」「月経」「閉経」によるホルモン変動で睡眠に変調が生じることがあります。特に、月経前には日中の眠気、妊娠中には日中の眠気や不眠、出産後は睡眠不足が起こりやすい特徴があります。また、更年期に入ると、ホルモンの変動が不規則になり、不眠症の症状が増えることもあります。なお、女性ホルモンの変動が不眠症の唯一の原因となるわけではありません。不眠症は様々な要因によって引き起こされる可能性がありますので、不眠症に悩む方は、医師や専門家に相談して適切な治療を受けることをお勧めします。女性に多い不眠症の原因について詳しく知りたい方は「女性に多い不眠症の原因とは」をご覧ください。
30代男性のライフイベントと不眠症の関連性
30代は一般的にキャリアの重要な転換期であり、転職や昇進といった大きな変化が生じることがあります。これにより、新しい環境への適応や仕事へのストレスが睡眠障害の要因となることが考えられます。また、「結婚」や「家族の増加」などの家庭の変化も不眠症を引き起こす可能性があります。さらに、経済的な負担も不眠症と関連しています。家庭の生計を支えることが求められる中での経済的なプレッシャーや不安感は、睡眠の質を低下させる要因となることがあります。男性に多い不眠症の原因について詳しく知りたい方は「男性に多い不眠症の原因について」をご覧ください。
30代の不眠症改善に効果的なリラクゼーション法
不眠症改善には、効果的なリラクゼーション法があります。以下、不眠症改善に効果的なリラクゼーション法です。
【不眠症改善に効果的なリラクゼーション法1】深呼吸
深くゆっくりとした呼吸を意識的に行うことで、交感神経の興奮を鎮め、リラックス効果をもたらします。深呼吸は、就寝前やストレスを感じた時に行うと効果的です。
【不眠症改善に効果的なリラクゼーション法2】ストレッチ
寝る前に行う軽いストレッチは、寝つきを良くするのに役立ちます。肩や首、背中などの部位を中心に行うストレッチで、日中の緊張を解きほぐすことができます。ただし、激しい運動や高強度のストレッチは睡眠に悪影響を及ぼすことがあるため、就寝直前のストレッチは避けてください。
【不眠症改善に効果的なリラクゼーション法3】ぬるめのお湯で入浴
入浴は、就寝前に体温を一時的に上げ、夜間の脳の温度との差が明確になるので、眠気が得られやすくなります。特に38~41℃程度のお湯に入ると、副交感神経が優位になり、睡眠の質を向上させてくれますので、お勧めです。
まとめ
「睡眠が浅い」「なかなか寝付けない」など、睡眠に関して問題があることで「日常生活に支障が出ている」と感じている方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。睡眠不足は単に身体の疲れが残りやすくなるだけでなく、体の病気や心の病気の原因となります。また睡眠障害自体が“心の病気”の前兆の可能性もあります。ですので、「睡眠が浅い」「なかなか寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は放っておかずに、お近くの医療機関に足を運んでください。なお、当院では“不眠症の診療”や“薬の処方”だけでなく、診断書の発行も行っております。不眠で悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2023.07.24
不眠症とうつ病の関係性
内科に関する記事です。
この記事では、「不眠症とうつ病の関係性」について解説していきます。後半部分では「不眠症とうつ病の自己ケア方法」をご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
不眠症とうつ病について
不眠症とうつ病の関連性
不眠症とうつ病の原因とメカニズム
不眠症とうつ病の診断と治療方法
不眠症とうつ病の自己ケア方法
専門医の助けを借りた不眠症とうつ病の克服
不眠症、うつ病は医師への相談が大切です
不眠症とうつ病について
まずは、不眠症とうつ病について解説します。
<不眠症>
不眠症とは、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害によって、その人にとって必要な睡眠時間が十分に取れないことや“睡眠の質”が低下することで、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。不眠は、眠気、倦怠感、集中力低下、抑うつや不安などの精神症状を引き起こし、その結果として生産性の低下、交通事故の増加など、様々な人的及び社会経済的損失をもたらすと考えられております。したがって、「睡眠が浅い」「寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」でも同様のことを伝えています。
<うつ病>
うつ病とは、慢性的な気分の低下や無気力感、興味や喜びの喪失などの症状を特徴とする精神疾患です。「気分が強く落ち込み憂うつになる」「やる気が出ない」などの精神的な症状の他、「眠れない」「疲れやすい」「体がだるい」といった身体的な症状が現れます。うつ病は個人の日常生活や「社会的機能」に大きな影響を与えるため、適切な治療が必要です。「もしかしたら、うつ病かもしれない…」と感じている方は、早急に医師に相談することをお勧めします。なお、うつ病について詳しく知りたい方は「うつ病の様々な特徴について解説しているサイト」をご覧ください。
不眠症とうつ病の関連性
不眠症とうつ病には密接な関連性があります。両者は共通の特徴を持ち、相互に影響し合うことが多いです。まず、不眠症とうつ病の共通点は、睡眠障害です。不眠症では入眠障害や中途覚醒、早朝覚醒などが見られ、うつ病でも同様の症状が現れることがあります。睡眠の質や量が低下することで、心身の疲労や不調が増し、うつ病の症状が悪化することもあります。また、不眠症がうつ病のリスク因子となることもあります。慢性的な睡眠障害があると、うつ病の発症リスクが増加する傾向があります。一方で、うつ病が不眠症を引き起こすこともあります。うつ病の症状によって心が不安定になり、入眠障害や睡眠の浅さが生じることがあります。このように、不眠症とうつ病は相互に影響し合う関係にあります。そのため、不眠症とうつ病の治療では、両方の症状を同時に考慮し、総合的なアプローチを取ることが重要です。
不眠症とうつ病の原因とメカニズム
不眠症とうつ病の関連性は、「心理的要因」や「生物学的要因」によって形成されます。これらの要因は、不眠症とうつ病の発症や悪化に寄与する役割を果たします。心理的要因では、ストレスや心的外傷などが関与します。日常生活や人間関係の問題、仕事のストレスなどが重なると、睡眠の質や量に影響を与え、不眠症やうつ病の症状を引き起こすことがあります。また、心的外傷体験や過去のトラウマも不眠症とうつ病のリスクを高める要因となります。一方、生物学的要因では、ホルモンバランスの乱れや神経伝達物質の異常が関わっています。うつ病ではセロトニンやノルアドレナリンの不足が見られ、これが睡眠障害を引き起こすことがあります。また、不眠症とうつ病は遺伝的要素も関連しており、遺伝子の影響によって個人の脆弱性が生じることがあります。これらの要因が相互に作用し、不眠症とうつ病のメカニズムが形成されます。なお、不眠症とうつ病の原因やメカニズムは複雑であり、個人によって異なる場合があります。適切な診断と治療を受けることで、これらの要因に対処し、症状の改善や回復を目指すことが重要です。
不眠症とうつ病の診断と治療方法
不眠症とうつ病の診断は、それぞれ独自の基準と検査方法に基づいて行われます。不眠症の診断では、睡眠の質や量、日中の機能への影響などが評価されます。睡眠日誌や質問紙による自己評価、睡眠検査や血液検査による身体的な要因の確認が行われることがあります。一方、うつ病の診断には、DSM-5(精神障害の診断・統計マニュアル)の基準が参考にされます。医師は、患者の症状、心理的状態、日常生活への影響などを総合的に評価し、うつ病の診断を行います。なお、不眠症とうつ病の治療には、統合的なアプローチが一般的に用いられます。以下に、一般的な治療法の例を示します。
【不眠症とうつ病の診断と治療方法1】心理療法(認知行動療法など)
不眠症やうつ病に関連する心理的な問題を解決するためのセラピーが行われます。具体的には、睡眠の調整やマインドフルネス、ストレス管理技術などが取り入れられます。
【不眠症とうつ病の診断と治療方法2】生活習慣の改善
睡眠環境や睡眠ハイジーン(健康的な睡眠習慣)の改善が奨励されます。規則的な睡眠スケジュールの確立、リラックスするための習慣の導入、適度な運動や健康的な食事などが重要です。
【不眠症とうつ病の診断と治療方法3】光療法
不眠症やうつ病の一部の患者さんには、特定の光の照射を使用する光療法が効果的な場合があります。特に季節性うつ病や睡眠リズムの乱れがある場合に使用されます。
【不眠症とうつ病の診断と治療方法4】社会的サポート
不眠症とうつ病の治療には、患者さんの家族や友人、専門家など、社会的なサポートシステムの構築が重要です。理解と支援を受けることで、患者さんは治療に積極的に取り組むことができます。
【不眠症とうつ病の診断と治療方法5】サポートグループ
不眠症やうつ病の患者が集まるサポートグループに参加することで、他の人とのつながりを持ち、情報や経験を共有することができます。
【不眠症とうつ病の診断と治療方法6】薬物療法
一部の患者さんには、不眠症やうつ病の症状を緩和するために抗うつ薬や睡眠薬が処方されることがあります。医師は患者さんの症状と個別の状況に基づいて最適な薬物療法を選択します。
不眠症とうつ病の自己ケア方法
不眠症とうつ病の自己ケア方法には、日常生活の改善やストレス管理が重要です。日常生活の改善には、健康的な食事、適度な運動、規則正しい生活リズムの維持などが含まれます。これらの要素は心身のバランスを整え、睡眠の質や気分の安定に寄与します。また、ストレス管理も不眠症とうつ病の自己ケアに欠かせません。ストレスを軽減するためには、リラクゼーション法やストレス解消の活動を取り入れることが有効です。ヨガや瞑想、深呼吸法などのリラクゼーションテクニックは心身のリラックスを促し、ストレスを緩和します。これらの自己ケア方法を取り入れることで、不眠症やうつ病の症状の軽減や改善が期待できます。ただし、自己ケアだけでなく、専門家の助言や治療も重要です。適切な診断と治療を受けることで、症状の管理や回復に向けたサポートを受けることが大切です。なお、具体的な自己ケア方法については、以下をご覧ください。
【不眠症とうつ病の自己ケア方法1】睡眠環境の整備
睡眠環境の整備は、不眠症やうつ病の改善に非常に重要です。寝室を暗くし、静かな環境を作り、快適な温度に調整することで、心地よい睡眠環境を整えることができます。また、適切な寝具を選ぶことも重要です。適切なマットレスや枕は体のサポートと圧力分散を助け、痛みや不快感を軽減します。睡眠環境の整備は、短期的な不眠症の症状を改善するだけでなく、長期的な睡眠の質を向上させる効果もありますので、積極的に行ってください。
【不眠症とうつ病の自己ケア方法2】規則正しい生活リズムの維持
規則正しい生活リズムの維持は、不眠症やうつ病の改善に非常に重要です。毎日同じ時間に起床し、就寝することで体内時計を調整し、睡眠の質を向上させることができます。また、規則正しい生活リズムを守ることで、体内の睡眠・覚醒サイクルが正常化し、不眠症の症状の改善につながります。不眠症の方は、睡眠リズムの調整に意識を向け、生活のリズムを整えることを心掛けてください。
【不眠症とうつ病の自己ケア方法3】適度な運動
適度な運動は不眠症やうつ病に対して効果的な手段とされています。運動によって体温が上昇し、その後の体温低下が入眠を促進します。さらに、適切な運動は睡眠の質を向上させ、深い眠りやREM睡眠の量を増やすと報告されています。習慣的に運動を行うことで、寝つきが良くなり、より良質な睡眠を得ることができますので、不眠症にお悩みの方は積極的に運動を行ってください。
【不眠症とうつ病の自己ケア方法4】リラクゼーションテクニック
ヨガや瞑想、深呼吸法などのリラクゼーションテクニックは、不眠症やうつ病の改善に効果的な手段です。具体的には、ヨガではポーズやストレッチ、呼吸法を組み合わせて行います。瞑想では、静かな場所で目を閉じて心を集中させます。深呼吸法では、ゆっくりと深い呼吸を行いながら身体をリラックスさせます。これらのテクニックは、日常的に取り入れることでストレスや緊張を緩和し、安定した睡眠をサポートしますので、積極的に取り入れてください。
専門医の助けを借りた不眠症とうつ病の克服
専門医の助けを借りることは、不眠症やうつ病の克服において重要な役割を果たします。専門医は豊富な知識と経験を持ち、症状の評価や正確な診断を行うことができます。加えて、専門医は個別の状況に基づいて治療プランを立て、最適な治療法を提案します。したがって、不眠症やうつ病の原因を明確に把握し、適切な対策を講じるためにも、積極的に相談することが重要です。なお、専門医は精神的なサポートも提供してくれます。患者さんの感情や心理的な側面に配慮し、理解と共感を示すことで安心感と希望を与えます。不眠症やうつ病の克服において、専門医のサポートは欠かせないものとなりますので、積極的に利用してくださいね。
不眠症、うつ病は医師への相談が大切です
不眠症やうつ病は深刻な精神的な問題であるため、医師への相談が大切です。医師は豊富な知識と経験を持ち、正確な診断を行うことができます。また、適切な治療法や自己ケア方法を提案してくれます。医師との相談により、症状の原因や重症度を把握し、適切な支援を受けることができますので、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。なお、当院では不眠症に対する診断と治療を行っております。不眠の症状や原因について悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2023.06.11
40代から50代の方にありがちな不眠症の原因と対策
内科に関する記事です。
この記事では、40代から50代の方にありがちな「不眠症の原因」をご紹介していきます。後半部分では「40代から50代の方のための不眠症対策」をご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
40代から50代の方にありがちな不眠症の原因とは
40代から50代の方にありがちな睡眠パターンの変化と不眠症の関係
40代から50代の方の不眠症と生活習慣の関係
40代、50代の女性の訴えで多いのは中途覚醒
40代から50代の方に起こりやすい身体の変化と睡眠障害
40代から50代の方のための不眠症対策
40代から50代の不眠症改善と予防的アプローチ
不眠症は医師への早めの相談が大切です
40代から50代の方にありがちな不眠症の原因とは
40代から50代の方にありがちな不眠症の原因は様々ですが、一般的な要因として以下のようなものが挙げられます。
・ストレスや不安
・身体の不快感
・ホルモンの変動
・睡眠環境の変化
・持病や薬物の副作用
これらの要因が組み合わさることで、睡眠の質が低下し、不眠症の症状が現れることがあります。ただし、不眠症の原因は個人によって異なる場合もありますので、具体的な原因を特定するには医師の診察が必要不可欠です。
40代から50代の方にありがちな睡眠パターンの変化と不眠症の関係
40代から50代にかけて、ほとんどの方が睡眠パターンの変化を経験します。これは年齢と共に起こる自然な変化であり、不眠症の原因となることもあります。以下に、睡眠パターンの変化と不眠症の関係について説明します。
【更年期の不眠:睡眠パターンの変化と不眠症の関係1】早期覚醒
40代から50代にかけて、多くの人が早朝に目が覚めてしまう「早期覚醒」の問題を抱えることが増えます。これは、睡眠の浅さや睡眠構造の変化によるものです。早期覚醒は不眠症の一形態であり、十分な睡眠時間を確保できないことがストレスや不眠症の悪化につながる場合があります。
【更年期の不眠:睡眠パターンの変化と不眠症の関係2】睡眠量の減少
年齢と共に、一晩の睡眠時間が減少する傾向があります。これは、深い睡眠やREM睡眠の時間が減少するため、睡眠の質が低下する要因となります。なお、睡眠量の減少は、不眠症の発症リスクを高める要因となります。
【更年期の不眠:睡眠パターンの変化と不眠症の関係3】睡眠の断片化
年齢と共に、「夜間に何度も目が覚める頻度」が増加します。これにより、睡眠の連続性が損なわれ、不眠症の症状が現れることがあります。また、睡眠中の呼吸障害や運動障害が原因で睡眠が断片化することもあります。
【更年期の不眠:睡眠パターンの変化と不眠症の関係4】睡眠の質の低下
年齢と共に、眠りの質が低下する傾向があります。「深い睡眠」や「回復力のある睡眠」の時間が減少し、代わりに「浅い眠り」や「目覚めやすさ」が増えることがあります。なお、睡眠の質の低下は不眠症のリスクを高め、日中の疲労感や集中力の低下などを引き起こす可能性があります。
40代から50代の方は、これらの睡眠パターンの変化に注意を払う必要があります。もし不眠症の症状が現れた場合は、放置せずに早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けてください。不眠症は重要な疾患であり、放置すると健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。そのため、適切な専門医やクリニックを選び、早期に診断と治療を受けることが重要です。
40代から50代の方の不眠症と生活習慣の関係
40代から50代の方の不眠症の原因の一つは、生活習慣の影響です。仕事や家庭のストレスは睡眠に大きな影響を与えることがあります。具体的には、日中のプレッシャーや心配事が夜の眠りに反映され、入眠や中途覚醒の問題を引き起こすことがあります。特に、長時間の勤務や家事、育児による疲労感や時間の制約は、良い睡眠を妨げる要因となり得ます。また、心理的な変化も睡眠の質と関連しています。40代から50代では、人生の変化や役割の変動による不安やストレスが増えることがあります。例えば、子育ての終了、親の介護、キャリアの転換などが心理的な負担をもたらし、睡眠の質に影響を及ぼす可能性があります。このような理由から、不眠症の方は生活習慣の見直しやストレス管理が重要です。まずは、日中のストレスを軽減するために、仕事とプライベートのバランスを考慮するようにしてください。
40代、50代の女性の訴えで多いのは中途覚醒
40代から50代の女性の中には、不眠症の主な症状として「中途覚醒」を訴える方が多く見られます。中途覚醒は、夜間に目が覚めてしまい、その後なかなか眠りに戻れないという状態を指します。中途覚醒の原因は個人によって異なりますが、ホルモンの変動が関与していることが多いです。更年期の女性では、卵巣機能の低下によるホルモンバランスの変化が中途覚醒を引き起こす可能性があります。また、ストレスや心理的な要因、身体的な不快感、持病の影響なども関与することがあります。
40代から50代の方に起こりやすい身体の変化と睡眠障害
更年期に入ると、多くの女性が不眠に悩まされます。この不眠の主な原因は、自律神経の乱れです。更年期は女性の「ホルモンバランス」が変化する時期であり、特にエストロゲンの減少が影響を与えます。加えて、加齢によって自律神経の機能が衰えることも原因として挙げられます。このホルモンの変動と自律神経の乱れが睡眠の質を低下させ、入眠や中途覚醒が生じる可能性があります。自律神経は交感神経と副交感神経からなり、バランスが崩れると興奮状態が続き、入眠や中途覚醒が生じる可能性がありますので、ご注意ください。なお、40代から50代では、身体の不調もより顕著に現れることがあります。関節の痛み、筋肉のこわばり、背中や肩のこりなどが睡眠に及ぼす影響は大きいため、放置してはいけません。身体の痛みや不快感があると、入眠困難や熟睡の妨げになります。さらに、これらの身体の不調が睡眠の質を低下させ、不眠症を引き起こす可能性がありますので、身体の痛みや不調が気になる方は、速やかに医師に相談することをお勧めします。
40代から50代の方のための不眠症対策
良質な睡眠を確保するためには、次のポイントに注意することが重要です。まずは、睡眠環境を整えてください。寝室は静かで暗く、快適な温度に保つことが大切です。ベッドや枕は体に合ったものを選び、寝具の清潔さにも気を配ってください。また、寝る前のスマートフォンやパソコンの使用は避け、リラックスできる環境を作ってください。なお、ストレス管理も不眠症対策の一環です。日中のストレスを適切に管理することで、夜の眠りに影響を及ぼす可能性を減らせますので、意識してください。なお、ストレス解消法としては、深呼吸や瞑想、ヨガなどのリラクゼーション法を取り入れると効果的です。さらに、就寝前のルーティンを作ることもお勧めです。入浴や軽いストレッチ、読書など、リラックスできる活動を行うことで、心身を眠りのモードに導きます。規則正しい睡眠時間を確保し、毎日の生活リズムを整えてくださいね。
※不眠症に悩んでいる方は、これらの対策を試してみてください。しかし、症状が長期間続く場合や日常生活に大きな影響を及ぼす場合は、医師や専門家に相談することが重要です。
40代から50代の不眠症改善と予防的アプローチ
不眠症を改善し、予防するためには、以下のアプローチを取り入れることが重要です。
【更年期の不眠対策:不眠症改善と予防的アプローチ1】規則正しい生活リズムの維持
規則正しい生活リズムの維持は、不眠症の改善に非常に重要です。毎日同じ時間に起床し、就寝することで体内時計を調整し、睡眠の質を向上させることができます。また、規則正しい生活リズムを守ることで、体内の睡眠・覚醒サイクルが正常化し、不眠症の症状の改善につながります。不眠症の方は、睡眠リズムの調整に意識を向け、生活のリズムを整えることを心掛けてください。
【更年期の不眠対策:不眠症改善と予防的アプローチ2】適度な運動
適度な運動は不眠症に対して効果的な手段とされています。運動によって体温が上昇し、その後の体温低下が入眠を促進します。さらに、適切な運動は睡眠の質を向上させ、深い眠りやREM睡眠の量を増やすと報告されています。習慣的に運動を行うことで、寝つきが良くなり、より良質な睡眠を得ることができますので、不眠症にお悩みの方は積極的に運動を行ってください。
【更年期の不眠対策:不眠症改善と予防的アプローチ3】午後の眠気はうまくやり過ごす
長い昼寝はかえって夜間の睡眠を妨げます。昼寝をするなら、午後3時前の20~30分にしてください。
【更年期の不眠対策:不眠症改善と予防的アプローチ4】目が覚めたら日光を浴びる
目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計を刺激してください。早起きは早寝に通じます。なお、睡眠のリズムを整えるために、週末などの休みの日も、平日と同じ時刻で起床するよう心掛けてくださいね。
【更年期の不眠対策:不眠症改善と予防的アプローチ5】寝室からスマホを遠ざける
スマホの画面から発せられるブルーライトは、眠りを誘うメラトニンの分泌を抑制し、眠りの質を低下させます。また、SNSやメッセージアプリの利用は興奮状態を引き起こし、リラックスを妨げます。ですので、就寝前のスマホ操作はできる限り控えてください。なお、就寝前のスマホ操作を抑制するためには「寝室からスマホを遠ざける」「寝る1時間前からスマホ使用を控える」「ブルーライトカットフィルターを使用する」などの対策が効果的です。
【更年期の不眠対策:不眠症改善と予防的アプローチ6】適正な食習慣
快適な睡眠を得るためには、適正な食習慣が重要です。朝食は心と身体の目覚めに欠かせません。栄養バランスの取れた朝食を摂ってエネルギーを補給し、一日のスタートを切ってください。なお、夜食については、軽めのものを選ぶことがポイントです。胃腸を過度に刺激しないようにし、就寝前には十分な時間を置いて消化を促してください。適正な食習慣を心掛けることで、良質な睡眠への道が開かれます。
【更年期の不眠対策:不眠症改善と予防的アプローチ7】リラックス法を取り入れる
深呼吸や瞑想、ストレッチなどのリラックス法を取り入れることは、不眠症の改善に効果的です。深呼吸によっては、深い呼吸によってリラックス状態に入ることができ、瞑想によっては、心を静め、不安やストレスを軽減する助けとなります。また、ストレッチや軽い運動は体の緊張をほぐし、心地よい疲労感をもたらします。これらのリラックス法を日常に取り入れることで、心と体の緊張を解き放ち、良質な睡眠を迎えることができますので、積極的に取り組んでください。
【更年期の不眠対策:不眠症改善と予防的アプローチ8】カフェインやアルコールの制限
カフェインやアルコールは睡眠を妨げることがありますので、摂取量を制限する、または避けるようにしてください。
不眠症は医師への早めの相談が大切です
不眠症は他の病気との関連性が高い疾患です。「からだの病気」や「こころの病気」との関連が不眠症の原因となり、また、不眠症自体も他の病状を悪化させる可能性があります。そのため、不眠症は医師への早めの相談が大切です。医師は症状や生活状況を詳しく聞き取り、必要な検査を行います。また、睡眠環境や睡眠習慣の改善のアドバイスも提供してくれます。したがって、早期に医師との協力を始めることで、睡眠問題を克服する可能性が高まります。医師との連携によって的確な診断と適切な治療が行われ、睡眠の質の向上につながりますので、早めに医師に相談してください。なお、当院では不眠症に対する診断と治療を行っております。不眠の症状や原因について悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2023.06.10
不眠症の改善方法は医師に相談しましょう
内科に関する記事です。
この記事では、「不眠症の改善方法」をご紹介していきます。後半部分では「自然療法や代替療法の活用」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
不眠症とは
自己ケアによる不眠症改善方法
自然療法や代替療法の活用
不眠症改善の相談と治療法
まとめと注意点
不眠症とは
不眠症とは、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害などの睡眠問題があり、そのために日中に様々な不調が現れる病気です。倦怠感や意欲低下、集中力低下、食欲低下などの症状の他、精神症状も引き起こす可能性があります。また、不眠症は、個人的な健康に影響を及ぼすだけでなく、「生産性の低下」や「交通事故の増加」など、社会経済的な損失をもたらす可能性があります。したがって早い段階で、医師の診断や適切なケア、適切な治療を受ける必要があります。なお、日本においては約5人に1人が不眠の症状で悩んでいると言われております。
自己ケアによる不眠症改善方法
自己ケアによる不眠症改善方法は、以下のようなアプローチがあります。
【自己ケアによる不眠症改善方法1】適度な運動
適度な運動は不眠症に対して効果的な手段とされています。運動によって体温が上昇し、その後の体温低下が入眠を促進します。さらに、適切な運動は睡眠の質を向上させ、深い眠りやREM睡眠の量を増やすと報告されています。習慣的に運動を行うことで、寝つきが良くなり、より良質な睡眠を得ることができますので、不眠症にお悩みの方は積極的に運動を行ってください。
【自己ケアによる不眠症改善方法2】睡眠環境の整備
睡眠環境の整備は、不眠症の改善に非常に重要です。寝室を暗くし、静かな環境を作り、快適な温度に調整することで、心地よい睡眠環境を整えることができます。また、適切な寝具を選ぶことも重要です。適切なマットレスや枕は体のサポートと圧力分散を助け、痛みや不快感を軽減します。睡眠環境の整備は、短期的な不眠症の症状を改善するだけでなく、長期的な睡眠の質を向上させる効果もありますので、積極的に行ってください。
【自己ケアによる不眠症改善方法3】規則正しい生活リズムの維持
規則正しい生活リズムの維持は、不眠症の改善に非常に重要です。毎日同じ時間に起床し、就寝することで体内時計を調整し、睡眠の質を向上させることができます。また、規則正しい生活リズムを守ることで、体内の睡眠・覚醒サイクルが正常化し、不眠症の症状の改善につながります。不眠症の方は、睡眠リズムの調整に意識を向け、生活のリズムを整えることを心掛けてください。
【自己ケアによる不眠症改善方法4】寝室からスマホを遠ざける
スマホの画面から発せられるブルーライトは、眠りを誘うメラトニンの分泌を抑制し、眠りの質を低下させます。また、SNSやメッセージアプリの利用は興奮状態を引き起こし、リラックスを妨げます。ですので、就寝前のスマホ操作はできる限り控えてください。なお、就寝前のスマホ操作を抑制するためには「寝室からスマホを遠ざける」「寝る1時間前からスマホ使用を控える」「ブルーライトカットフィルターを使用する」などの対策が効果的です。
【自己ケアによる不眠症改善方法5】カフェインやアルコールの摂取制限
カフェインやアルコールは睡眠を妨げることがありますので、摂取量を制限する、または避けるようにしてください。
【自己ケアによる不眠症改善方法6】目が覚めたら日光を浴びる
目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計を刺激してください。早起きは早寝に通じます。なお、睡眠のリズムを整えるために、週末などの休みの日も、平日と同じ時刻で起床するよう心掛けてくださいね。
【自己ケアによる不眠症改善方法7】適正な食習慣
快適な睡眠を得るためには、適正な食習慣が重要です。朝食は心と身体の目覚めに欠かせません。栄養バランスの取れた朝食を摂ってエネルギーを補給し、一日のスタートを切ってください。なお、夜食については、軽めのものを選ぶことがポイントです。胃腸を過度に刺激しないようにし、就寝前には十分な時間を置いて消化を促してください。適正な食習慣を心掛けることで、良質な睡眠への道が開かれます。
【自己ケアによる不眠症改善方法8】午後の眠気はうまくやり過ごす
長い昼寝はかえって夜間の睡眠を妨げます。昼寝をするなら、午後3時前の20~30分にしてください。
【自己ケアによる不眠症改善方法9】ストレス管理
ストレスは不眠症の悪化を引き起こすことがあります。リラクゼーション法やストレス解消の方法を取り入れて、日常的なストレスを軽減してください。
自然療法や代替療法の活用
自然療法や代替療法は、不眠症の改善に役立つアプローチです。以下に具体的な方法を紹介します。
【自然療法や代替療法の活用1】ヨガや瞑想、深呼吸法
ヨガや瞑想、深呼吸法などのリラクゼーションテクニックは、不眠症の改善に効果的な手段です。具体的には、ヨガではポーズやストレッチ、呼吸法を組み合わせて行います。瞑想では、静かな場所で目を閉じて心を集中させます。深呼吸法では、ゆっくりと深い呼吸を行いながら身体をリラックスさせます。これらのテクニックは、日常的に取り入れることでストレスや緊張を緩和し、安定した睡眠をサポートしますので、積極的に取り入れてください。なお、不眠症の治療には、鍼治療などの代替療法も広く施行されています。鍼治療にご興味のある方は「不眠症に対する鍼治療」をご覧ください。
【自然療法や代替療法の活用2】ハーブ
ハーブの活用は、自然的な方法で睡眠の質を向上させる手段です。睡眠に良いハーブとしては、カモミールやバレリアンが有名です。カモミールはリラックス効果があり、不眠症や不安の緩和に役立ちます。一方、バレリアンは神経の鎮静作用があり、入眠困難を改善する効果があります。なお、これらのハーブはハーブティーとして楽しむことが一般的です。詳しくは「不眠の改善に役立つハーブを紹介しているサイト」をご覧ください。
【自然療法や代替療法の活用3】サプリメント
サプリメントの活用は、自然的な方法で睡眠の質を向上させる手段です。睡眠に良いサプリメントとしては、メラトニンやマグネシウムが注目されています。メラトニンは体内の睡眠覚醒サイクルを調節し、入眠をサポートします。一方、マグネシウムは神経のリラックス効果があり、緊張を和らげる効果があります。これらのサプリメントは、健康食品店や薬局で入手することができます。ただし、サプリメントを活用する際には、医師や専門家との相談をお勧めします。サプリメントは、個人の状態や体質に合わせた適切に選ぶ必要がありますので、ご注意ください。
【自然療法や代替療法の活用4】アロマセラピー
アロマセラピーは、自然療法の一つであり、不眠症の改善に効果的な方法として知られています。アロマセラピーでは、適切な精油の選び方が重要であり、ラベンダーやカモミールなどが一般的に使用されます。これらの精油は、ディフューザーやアロマランプ、アロマスティックなどの方法で香りを楽しむことができます。なお、アロマセラピーの効果は個人によって異なるため、自分に合った香りや使用方法を見つけることが大切です。
不眠症改善の相談と治療法
クリニックでの診察は、一般的に以下の流れで進みます。
まず初めに問診を行います。不眠症には、ストレスや精神的な要因、身体的な疾患、薬物の副作用などが原因として考えられます。そのため、病歴や現在の生活状況、睡眠に関する問診を詳しく行い、不眠症の原因を特定します。また、睡眠の質や時間、日中の眠気や疲れなどを評価するために、睡眠日誌の記入をお願いすることもあります。
その後、必要に応じて検査が行われます。睡眠障害を疑う場合には、睡眠ポリグラフ検査や筋電図検査が行われることがあります。身体的な疾患が疑われる場合には、血液検査やレントゲン検査、心電図検査などが行われることもあります。
診断が確定したら、次は治療が行われます。薬剤治療では、睡眠導入剤や睡眠維持剤、抗うつ薬などが処方されることがあります。また、薬物療法に加えて、睡眠ハイジーンの指導やリラックス法の習得などの非薬物療法も行われることがあります。
不眠症は重要な疾患であり、放置すると健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。そのため、適切な専門医やクリニックを選び、早期に診断と治療を受けることが重要です。なお、専門家が提供する治療法や改善方法は、患者さんの症状や状態に合わせて個別に決定されます。治療方針についても、患者さんの症状や状態に合わせて、可能な限り個別に決定いたします。不眠症は放置すると、疲労感やイライラなどの症状を引き起こすだけでなく、生活習慣病やうつ病などの重篤な疾患を引き起こす可能性もあります。ですので、早めに医療機関を受診して適切な治療を受けることをお勧めします。
まとめと注意点
不眠症は深刻な問題であり、その改善には継続的な取り組みが必要です。自己診断や自己治療に頼るのではなく、医師への相談と早期の治療を推奨します。医師は症状や原因を特定し、個別に合った治療法を提案してくれます。また、医師は必要に応じて適切な検査や評価を行います。ですので、自己診断や自己治療に頼るのではなく、積極的に医療機関を受診してください。なお当院では、不眠症に対する診断と治療を行っております。不眠の症状や原因について悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2023.06.10
不眠症の種類とその対策・治療法について
内科に関する記事です。
この記事では、「不眠症の種類」をご紹介していきます。後半部分では不眠症の種類に適した「対策」と「治療法」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
不眠症とは
不眠症の種類について
不眠症の種類に適した対策と治療法
不眠症の種類を理解し、適切な診断を受けましょう
不眠症とは
不眠症とは、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害などの睡眠問題があり、そのために日中に様々な不調が現れる病気です。倦怠感や意欲低下、集中力低下、食欲低下などの症状の他、精神症状も引き起こす可能性があります。不眠症は、個人的な健康に影響を及ぼすだけでなく、「生産性の低下」や「交通事故の増加」など、社会経済的な損失をもたらす可能性があります。したがって早い段階で、医師の診断や適切なケア、適切な治療を受ける必要があります。また、不眠症には入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害などのさまざまな種類があり、それぞれの種類によって症状や原因が異なります。そのため、不眠症の種類を理解することは非常に重要です。「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」や「不眠症の種類を紹介しているサイト」でも同様のことを伝えています。
不眠症の種類について
不眠症には、大きく分けて以下4つのタイプがあります。
【不眠症の種類1】入眠障害
入眠障害は、睡眠に入ることが困難な状態を指します。主な原因としては、ストレス、不規則な生活リズム、不安やうつ症状などが挙げられます。入眠障害の対策としては、リラックスした環境を作り、規則正しい睡眠スケジュールを確保することが重要です。具体的な方法としては、「ストレス管理」や「就寝前のリラックス法」を取り入れることが効果的になります。また、入眠障害の治療法としては、睡眠薬や認知行動療法などがあります。入眠障害の治療には、専門家のアドバイスを受けながら、睡眠環境や睡眠習慣の改善に取り組むことが大切です。
【不眠症の種類2】中途覚醒
中途覚醒は、夜間に何度も目が覚める状態を指します。主な原因としては、睡眠時無呼吸症候群やストレス、心理的な要因が挙げられます。中途覚醒の対策としては、睡眠環境の改善や規則正しい生活リズムの確保が重要です。具体的な方法としては、「リラックス法」や「睡眠前の刺激物の制限」が有効になります。また、病院での治療法としては、睡眠時無呼吸症候群の治療や認知行動療法があります。中途覚醒の治療では、専門家のアドバイスを受けながら、適切な治療法や改善策を見つけることが大切です
【不眠症の種類3】早朝覚醒
早朝覚醒は、早朝に目が覚めてしまい、再び眠りに戻れない状態を指します。主な原因としては、うつ病や不安、睡眠時無呼吸症候群などが挙げられます。早朝覚醒の対策としては、より良い睡眠を促すために、規則正しい睡眠スケジュールを守り、快適な睡眠環境を整えることが重要です。具体的なアプローチとしては、「リラックス法」や「睡眠前の刺激物の制限」が有効になります。また、病院での治療法としては、うつ病や睡眠時無呼吸症候群の治療があります。早朝覚醒の治療には、専門家のアドバイスを受けながら、適切な治療法や習慣の改善を行うことが大切です
【不眠症の種類4】熟睡障害
熟睡障害は、夜間に断続的な目覚めや浅い眠りが続く状態を指します。主な原因としては、睡眠時無呼吸症候群や不快な環境、身体的な不快感が挙げられます。熟睡障害の対策としては、快適な睡眠環境の整備や睡眠前のリラックス法が効果的です。具体的な方法としては、「寝室の静かな環境づくり」や「身体をリラックスさせる習慣」を取り入れることが挙げられます。また、病院での治療法には、睡眠時無呼吸症候群の治療や認知行動療法があります。熟睡障害の治療では、専門家のアドバイスを受けながら、適切な治療法や改善策を見つけることが重要です。
不眠症の種類に適した対策と治療法
不眠症の種類に適した対策と治療法は以下の通りです。
【不眠症のタイプ1】入眠障害
入眠障害には、リラックス法や睡眠環境の改善が有効です。リラックス法としては、入眠前にゆったりとした入浴やストレッチ、深呼吸などを行うことが挙げられます。また、寝室の環境を整えるためには、明かりを消し、外部の騒音を遮断するなど、暗い・静かな空間を作ることが重要です。なお、自分に合った寝具や枕を選ぶことも大切になります。
【不眠症のタイプ2】中途覚醒
中途覚醒に悩んでいる場合、ストレス管理や規則正しい生活リズムを意識することが重要です。日中のストレスを軽減するためには、「リラクゼーション法」や「ストレス解消の方法」を積極的に取り入れてください。また、規則正しい睡眠スケジュールを作り、毎日同じ時間に寝て同じ時間に起きることで、体内時計を整えることができます。これにより、睡眠の質と量が向上し、中途覚醒の問題を緩和することが期待できます。
【不眠症のタイプ3】早朝覚醒
早朝覚醒の対策としては、睡眠前の刺激物の制限が効果的です。過度の飲食やアルコール、カフェインの摂取は避けてください。なお、リラックス法や深呼吸、瞑想などを行うことで、心身を落ち着かせることができます。
【不眠症のタイプ4】熟睡障害
熟睡障害に悩んでいる場合、「快適な睡眠環境づくり」や「認知行動療法」が役立ちます。具体的には、寝室の温度を適切に設定し、湿度を調整することが重要です。騒音を軽減するためには、イヤープラグやホワイトノイズマシンを活用することも有効になります。なお、認知行動療法では、睡眠に関する誤った思考や行動パターンを見直し、良質な睡眠につながる習慣を身につけることができます。具体的な方法としては、寝る前のリラックス法や規則正しい睡眠スケジュールの確保が挙げられます。
不眠症の改善には、自己ケアだけでは限界がある場合もあります。そのため、症状が継続する場合は、医師の診察が重要です。医師は症状の原因を評価し、適切な治療法を提案してくれますので、一人で悩まずに相談してください。なお、不眠症の治療法には、薬物療法と非薬物療法の2つのアプローチが一般的に用いられます。
<非薬物療法>
非薬物療法では、生活習慣の改善や睡眠衛生指導が行われます。生活習慣の改善には、規則正しい睡眠スケジュールの確立、快適な寝室環境の整備、ストレス管理、規則的な運動などが含まれます。また、睡眠衛生指導では、「睡眠に関する良い習慣の獲得」や「睡眠に影響を及ぼす要素の改善」が促されます。
不眠症の治療においては、個別の状況に応じて最適な治療プランが立案されます。そのため、医師の指導を受けながら、薬物療法や非薬物療法、またはそれらの組み合わせを適切に活用することが重要です。医師の指導を受けながら、適切な対策を行ってください。
<薬物療法>
薬物療法では、医師が処方する睡眠薬を使用して治療を行います。睡眠薬は不眠症の症状を軽減する効果がありますが、長期間の使用や誤った使い方は問題を引き起こす可能性があるため、医師の指示に従うことが重要です。
不眠症の種類を理解し、適切な診断を受けましょう
前述した通り、不眠症は種類によって症状や原因が異なります。そのため、不眠症の種類を理解することは非常に重要です。不眠症の種類を正しく理解することは、適切な対策を選ぶ上で重要な要素になりますので、しっかりと把握してください。なお、不眠症の種類を正確に把握するためには、医師の診察やアドバイスを受けることが重要です。医師は症状や原因を評価し、適切な診断を行ってくれます。また、診断結果に基づいて、個々に合った対策や治療法を提案してもらえるため、一人で悩まずに医師のアドバイスを受けてください。当院では、不眠症に対する診断と治療を行っております。不眠の症状や原因について悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2023.06.09
不眠症の原因となる病気とその関連性について解説
内科に関する記事です。
この記事では、「不眠症の原因となる病気とその関連性」をご紹介していきます。後半部分では、「不眠症に対する治療法」や「不眠症の予防法」をご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
不眠症の一般的な原因とその症状について
不眠症と他の病気との関連性
不眠症に対する治療法
ホルモン性疾患も不眠症の原因になり得る
不眠症と病気への対策と予防法
不眠症は早期の診断と適切な治療が肝心です
不眠症の一般的な原因とその症状について
不眠症の原因はストレス・心や身体の病気・薬の副作用など様々です。ここでは不眠症を引き起こす「主な原因」をご紹介します。
【不眠症の原因1】心理的原因
何らかのストレスに関連して起こる不眠です。
【不眠症の原因1】身体的原因
身体の病気や症状が原因で起こる不眠です。
【不眠症の原因3】薬理学的原因
服用している薬や、アルコール、カフェイン、ニコチンなどが原因で起こる不眠です。
【不眠症の原因4】精神医学的原因
精神や神経の病に伴って起こる不眠です。精神や神経の病には、不眠を伴うことが少なくありません。なかでも不眠になりやすいのは、不安と抑うつになります。
<不眠症の症状>
不眠症の一般的な症状は、次の通りです。
入眠困難:寝付きが悪く、なかなか眠りにつけないことがあります。
中途覚醒:夜中に何度も目が覚めたり、眠りが浅くて熟睡感が得られなかったりします。
早朝覚醒:早朝に目が覚めてしまい、その後、眠りに戻れないことがあります。
熟睡障害:眠りが浅く、睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られないことがあります。
これらの症状がしばらく続く場合は、医師に相談することをお勧めします。なお、これらの症状は同時に複数現れることがあります。
不眠症と他の病気との関連性
不眠症は他の病気との関連性が高い疾患です。大きく分けて、「からだの病気」と「こころの病気」との関連性が見られます。
<からだの病気>
慢性疼痛や心臓病、呼吸器疾患、消化器疾患などは、不眠症のリスクを高める要因となります。また、これらの病気は睡眠の質や量に影響を及ぼし、不眠症の症状を悪化させることがあります。
<こころの病気>
不眠症は、こころの病気との関連性も高いです。なかでも「うつ病」や「不安障害」との関連が顕著であり、相互に影響し合うことが多いです。そのため、うつ病や不安障害の治療が不十分な場合、不眠症の症状が悪化することもあります。
このように、不眠症は「からだの病気」と「こころの病気」と密接に関連しており、それぞれが互いに影響し合うことがあるため、不眠症の治療においては「総合的なアプローチ」が重要です。不眠症の症状について気になる点がある方は、お早めに医師の診断を受け、適切な治療を受けることをお勧めします。「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」でも同様のことを伝えています。
不眠症に対する治療法
不眠症の治療は、「薬物療法」と「非薬物療法」の2つに大別されます。薬物療法では、薬を使用して治療を行います。一方、非薬物療法では、「生活習慣の改善」や「睡眠衛生指導」を通じて不眠症を治療します。なお、不眠症の治療では、まず原因を特定し、薬物療法以外のアプローチを試みます。そして、もし不眠が他の疾患によるものであれば、その疾患の治療が優先されます。
ホルモン性疾患も不眠症の原因になり得る
ホルモン性疾患は不眠症の一因となり得ることがあります。例えば、「甲状腺機能亢進症」や「副腎皮質機能亢進症」などの内分泌異常は、睡眠パターンに変化を引き起こすことがあります。また、「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」や「更年期障害」などの女性特有のホルモン関連疾患も、不眠症の要因となる可能性があります。これらの疾患はホルモンバランスの乱れを引き起こし、睡眠の質やリズムに影響を及ぼすことがありますので、十分にご注意ください。
不眠症と病気への対策と予防法
不眠症に対する対策と予防法は、次の通りです。
【不眠症の対策と予防法1】カフェインやアルコールの摂取制限
カフェインやアルコールは睡眠を妨げることがありますので、摂取量を制限する、または避けるようにしてください。
【不眠症の対策と予防法2】睡眠のルーティン化
睡眠のリズムを整えるために、毎晩同じ時間に寝る習慣を作ってください。また、朝起きたらすぐに起きることも大切です。
【不眠症の対策と予防法3】適正な食習慣
快適な睡眠を得るためには、適正な食習慣が重要です。朝食は心と身体の目覚めに欠かせません。栄養バランスの取れた朝食を摂ってエネルギーを補給し、一日のスタートを切ってください。なお、夜食については、軽めのものを選ぶことがポイントです。胃腸を過度に刺激しないようにし、就寝前には十分な時間を置いて消化を促してください。適正な食習慣を心掛けることで、良質な睡眠への道が開かれます。
【不眠症の対策と予防法4】ストレス管理
ストレスは不眠症の悪化を引き起こすことがあります。リラクゼーション法やストレス解消の方法を取り入れて、日常的なストレスを軽減してください。
【不眠症の対策と予防法5】睡眠環境の整備
快適な寝室環境を作ってください。暗い部屋、静かな環境、快適な温度、適切なマットレスや枕などが重要です。
【不眠症の対策と予防法6】目が覚めたら日光を浴びる
目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計を刺激してください。早起きは早寝に通じます。なお、睡眠のリズムを整えるために、週末などの休みの日も、平日と同じ時刻で起床するよう心掛けてくださいね。
【不眠症の対策と予防法7】午後の眠気はうまくやり過ごす
長い昼寝はかえって夜間の睡眠を妨げます。昼寝をするなら、午後3時前の20~30分にしてください。
【不眠症の対策と予防法8】スマホを長時間使用しないこと
スマホの画面から発せられるブルーライトは、眠りを誘うメラトニンの分泌を抑制し、眠りの質を低下させます。また、SNSやメッセージアプリの利用は興奮状態を引き起こし、リラックスを妨げます。ですので、就寝前のスマホ操作はできる限り控えてください。なお、就寝前のスマホ操作を抑制するためには「寝室からスマホを遠ざける」「寝る1時間前からスマホ使用を控える」「ブルーライトカットフィルターを使用する」などの対策が効果的です。
【不眠症の対策と予防法9】適度な運動
適度な運動は不眠症に対して効果的な手段とされています。運動によって体温が上昇し、その後の体温低下が入眠を促進します。さらに、適切な運動は睡眠の質を向上させ、深い眠りやREM睡眠の量を増やすと報告されています。習慣的に運動を行うことで、寝つきが良くなり、より良質な睡眠を得ることができますので、不眠症にお悩みの方は積極的に運動を行ってください。なお、一般的には以下のような運動が効果的とされています。
<軽いジョギングやサイクリング>
軽いジョギング、ウォーキング、サイクリングなどの有酸素運動は心拍数を上げ、体温を上昇させる効果があります。これにより、身体をリラックスさせるための条件を整え、入眠を促進することが期待されます。なお、有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに酸素を使う運動のことです。
<水泳>
水中での運動は体を軽く感じさせ、筋肉をリラックスさせる効果があります。また、水中の環境が落ち着きを与え、リラックス効果を高めることができます。
<ヨガ>
ヨガは、リラックスやストレス軽減に効果があります。ヨガは、不眠症の原因の一つにストレスや緊張が関与している場合、特に効果的です。
不眠症は早期の診断と適切な治療が肝心です
前述した通り、不眠症は他の病気との関連性が高い疾患です。「からだの病気」や「こころの病気」との関連が不眠症の原因となり、また、不眠症自体も他の病状を悪化させる可能性があります。そのため、不眠症は放置せずに、適切な治療を受ける必要があります。睡眠が浅い、寝付けないなど、睡眠に関して問題があることで「日常生活に支障が出ている」と感じている方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。なお、当院では、不眠症に対する診断と治療を行っております。不眠の症状や原因について悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2023.06.08
20代の不眠症の原因と対策|医師が教える睡眠トラブルの解決法
内科に関する記事です。
この記事では、「20代の不眠症の原因」をご紹介していきます。後半部分では「不眠症の対策と予防法」をご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
不眠症は日本の国民病
不眠症の一般的な症状と原因
20代に特有の不眠症の原因
不眠症の対策と予防法
不眠症は医師の診察に基づく早期治療が重要です
不眠症は日本の国民病
不眠症は、日本において「国民病」とされています。近年、不眠症の発生率は増加傾向にあり、多くの方々が睡眠障害を抱えています。日本では、一般成人の30〜40%が何らかの不眠症状を有しており、特に女性に多いことが知られています。なお、不眠症状は加齢とともに増加し、60歳以上では半数以上の方で認められます。「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」でも同様のことを伝えておりますので、ご興味のある方はご覧ください。
不眠症の一般的な症状と原因
不眠症とは、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害によって、その人にとって必要な睡眠時間が十分に取れないことや“睡眠の質”が低下することで、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。不眠は、眠気、倦怠感、集中力低下、抑うつや不安などの精神症状を引き起こし、その結果として生産性の低下、交通事故の増加など、様々な人的及び社会経済的損失をもたらすと考えられております。したがって、「睡眠が浅い」「寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。なお、不眠症の原因はストレス・心や身体の病気・薬の副作用など様々です。以下、不眠症を引き起こす主な原因になります。
【不眠症の原因1】心理的原因
何らかのストレスに関連して起こる不眠です。
【不眠症の原因1】身体的原因
身体の病気や症状が原因で起こる不眠です。
【不眠症の原因3】薬理学的原因
服用している薬や、アルコール、カフェイン、ニコチンなどが原因で起こる不眠です。
【不眠症の原因4】精神医学的原因
精神や神経の病に伴って起こる不眠です。精神や神経の病には、不眠を伴うことが少なくありません。なかでも不眠になりやすいのは、不安と抑うつになります。
20代に特有の不眠症の原因
20代における不眠症の原因は多岐にわたります。主な原因としては、以下のような要素が挙げられます。
【20代に特有の不眠症の原因1】就寝前のスマホ操作
就寝前のスマホ操作が不眠症の原因になっている場合があります。スマホの画面から発せられるブルーライトは、眠りを誘うメラトニンの分泌を抑制し、眠りの質を低下させます。また、SNSやメッセージアプリの利用は興奮状態を引き起こし、リラックスを妨げます。ですので、就寝前のスマホ操作はできる限り控えてください。なお、就寝前のスマホ操作を抑制するためには「寝室からスマホを遠ざける」「寝る1時間前からスマホ使用を控える」「ブルーライトカットフィルターを使用する」などの対策が効果的です。
【20代に特有の不眠症の原因2】ストレス
20代は、学生から社会人になる方が多くいる年代です。そのため、学業や就職活動に伴うプレッシャーがストレスとなり、睡眠に影響を与えることがあります。また、20代は自己実現や将来の目標達成に向けて様々なプレッシャーを感じる時期でもあり、これらのストレスが睡眠の質に悪影響を与えることがあります。さらに、学校内での人間関係や恋愛、家庭環境の変化などもストレスの要因となり得ると言えます。
【20代に特有の不眠症の原因3】うつ病(抑うつ状態も含む)
うつ病(抑うつ状態も含む)は不眠症の一因となり得ます。睡眠障害に深く関係する病気は多数ありますが、なかでも「うつ病(抑うつ状態も含む)」の場合は9割近くの人が、「寝ようとしても眠れない」「朝早くに目が覚める」といった、なんらかの不眠症状を伴っていると言われています。つまり裏を返せば、不眠症状がある人はうつ病(抑うつ状態も含む)にかかりやすいと言えます。うつ病(抑うつ状態も含む)と不眠症は密接に関係しているため、思うように眠れない日々が続いたり、熟睡感を得られていなかったりするのであれば、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。
【20代に特有の不眠症の原因4】飲酒
飲酒は不眠症の原因となることがあります。アルコールは一時的に眠りを誘う効果がありますが、その後の「睡眠の質」や「リズム」を乱す可能性があります。特に、過度の飲酒や頻繁な飲酒は深い眠りを妨げ、「中途覚醒」や「夜間の目覚め」を引き起こすことがあります。また、アルコールの摂取が睡眠を浅くし、REM睡眠(夢を見る段階)を削減することも知られています。
【20代に特有の不眠症の原因5】不安定な生活リズム
夜更かしや朝寝坊、不規則な食事などが生活リズムの乱れを引き起こし、睡眠の質や量に悪影響を及ぼします。また、仕事や学業の忙しさにより睡眠時間が犠牲になることで、生活リズムが乱れ、睡眠の質を低下させている場合があります。生活リズムの乱れは、体内時計や睡眠ホルモンのバランスに影響を与え、不眠症を引き起こす原因となりますので、くれぐれもご注意ください。なお、生活リズムを整えるためには、規則正しい睡眠スケジュールを作り、毎日同じ時間に寝たり起きたりすることが重要です。
不眠症の対策と予防法
不眠症に対する対策と予防法は、次の通りです。
【不眠症の対策と予防法1】適度な運動
適度な運動は睡眠の質を向上させる助けとなります。日中に適度な運動を取り入れることで、夜の眠りを深くすることができます。
【不眠症の対策と予防法2】睡眠のルーティン化
睡眠のリズムを整えるために、毎晩同じ時間に寝る習慣を作ってください。また、朝起きたらすぐに起きることも大切です。
【不眠症の対策と予防法3】ストレス管理
ストレスは不眠症の悪化を引き起こすことがあります。リラクゼーション法やストレス解消の方法を取り入れて、日常的なストレスを軽減してください。
【不眠症の対策と予防法4】カフェインやアルコールの摂取制限
カフェインやアルコールは睡眠を妨げることがありますので、摂取量を制限する、または避けるようにしてください。「千葉県のホームページ」でも同様のことを伝えています。
【不眠症の対策と予防法5】睡眠環境の整備
快適な寝室環境を作ってください。暗い部屋、静かな環境、快適な温度、適切なマットレスや枕などが重要です。睡眠環境の整備について詳しく知りたい方は「快眠のための環境作り」をご覧ください。
【不眠症の対策と予防法6】目が覚めたら日光を浴びる
目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計を刺激してください。早起きは早寝に通じます。なお、睡眠のリズムを整えるために、週末などの休みの日も、平日と同じ時刻で起床するよう心掛けてくださいね。
【不眠症の対策と予防法7】午後の眠気はうまくやり過ごす
長い昼寝はかえって夜間の睡眠を妨げます。昼寝をするなら、午後3時前の20~30分にしてください。
【不眠症の対策と予防法8】適正な食習慣
快適な睡眠を得るためには、適正な食習慣が重要です。朝食は心と身体の目覚めに欠かせません。栄養バランスの取れた朝食を摂ってエネルギーを補給し、一日のスタートを切ってください。なお、夜食については、軽めのものを選ぶことがポイントです。胃腸を過度に刺激しないようにし、就寝前には十分な時間を置いて消化を促してください。適正な食習慣を心掛けることで、良質な睡眠への道が開かれます。
不眠症は医師の診察に基づく早期治療が重要です
睡眠が浅い、寝付けないなど、睡眠に関して問題があることで「日常生活に支障が出ている」と感じている方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。前述した通り、睡眠不足は体の病気、心の病気の原因となります。また睡眠障害自体が“心の病気”の前兆の可能性もあります。ですので、不眠症を放置してはいけません。「睡眠が浅い」「寝付けない」「睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は放置せず、お近くの医療機関に足を運んでください。なお、当院では“不眠症の診療”や“薬の処方”だけでなく、診断書の発行も行っております。不眠の症状や原因について悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2023.06.05
不眠症の診断基準について
内科に関する記事です。
この記事では、「不眠症の診断基準」について解説していきます。後半部分では「不眠症の自己診断の方法と注意点」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
不眠症とは何か
不眠症が日常生活に与える影響
不眠症の診断基準とは
不眠症の診断基準|睡眠障害国際分類第3版(ICSD-3)
不眠症(睡眠障害)の評価法
不眠症の自己診断の方法と注意点
不眠症かどうかの判断は医師による診察が重要です
医師の診察を受けるメリット
不眠症に対する自己ケアと対策方法
結論とまとめ
不眠症とは何か
不眠症とは、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害によって、その人にとって必要な睡眠時間が十分に取れないことや“睡眠の質”が低下することで、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。不眠は、眠気、倦怠感、集中力低下、抑うつや不安などの精神症状を引き起こし、その結果として生産性の低下、交通事故の増加など、様々な人的及び社会経済的損失をもたらすと考えられております。したがって、「睡眠が浅い」「寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。なお、日本においては約5人に1人が不眠の症状で悩んでいると言われております。詳しくは「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」をご覧ください。
不眠症が日常生活に与える影響
不眠によって脳が休息できないと、集中力や作業効率が低下しやすくなるため、日常生活に支障をきたします。また、睡眠不足が続くと、食欲が高まるホルモンが増え、結果的に太りやすくなる他、「高血圧や糖尿病などの発症リスクが高まること」、「うつ病と関連すること」なども知られています。さらに、睡眠時間が短すぎても長すぎても寿命に影響することが示されています。量・質ともに良い睡眠をとることができる人は、年齢を重ねても心身が健康であり、生活の質も高いという研究結果があります。そのため、睡眠と日常生活、健康の関係は明らかになっています。
不眠症の診断基準とは
不眠は一時的なものであり、通常は数日から数週間で改善します。しかし、長期間にわたって不眠が続くこともあります。不眠が続くと、日中にさまざまな不調が現れ、倦怠感や集中力低下などの症状が現れます。このように、「夜間の不眠が続き」「日中に精神や身体の不調を自覚し、生活の質が低下する」という二つの条件が認められた場合、不眠症と診断されます。なお、不眠症は慢性不眠症(慢性不眠障害)と短期不眠症(短期不眠障害)の二つに分けられます。不眠と日中の不調が週に3日以上あり、それが3カ月以上続く場合は慢性不眠症、3カ月未満の場合は短期不眠症と診断されます。詳しくは「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」をご覧ください。
不眠症の診断基準|睡眠障害国際分類第3版(ICSD-3)
不眠症の国際的な診断基準に「睡眠障害国際分類第3版(ICSD-3)」があります。睡眠障害国際分類第3版(ICSD-3)では、不眠症の診断基準として、以下のように定められています。
・睡眠の質に対する訴えがあること
・訴えは適切な睡眠環境下においても生じていること
・以下の日中の機能障害が少なくとも1つ認められていること
①倦怠感や不定愁訴
②集中力や注意、記憶の障害
③社会的機能の低下
④気分の障害や焦燥感
⑤日中の眠気
⑥動悸や意欲の障害
⑦仕事中や運転中のミスや事故の危険
⑧睡眠不足に伴う緊張や頭痛、消化器症状
⑨睡眠に関する不安
つまり、普通の睡眠環境で、日中に何らかの影響があって、睡眠のことで困っていることが不眠症の診断基準になります。
※睡眠障害国際分類第3版(ICSD-3)について詳しく知りたい方は「国立精神・神経医療研究センターのホームページ」や「日経メディカル」をご覧ください。
不眠症(睡眠障害)の評価法
睡眠障害の代表的な評価法としては、「終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)」及び「睡眠潜時反復検査(MSLT)」があります。
<終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)>
終夜睡眠ポリグラフ(PSG)検査は、脳波・眼球運動・心電図・筋電図・呼吸曲線・いびき・動脈血酸素飽和度などの生体活動を、一晩にわたって測定する検査です。この検査により、閉塞性睡眠時無呼吸、周期性四肢 (しし) 運動障害、睡眠時随伴 (ずいはん) 症などの睡眠障害の診断が可能となります。また、睡眠の状態も測定できます。
<睡眠潜時反復検査(MSLT)>
睡眠潜時反復検査(MSLT)は、日中の眠気を測定する検査です。日中9時、11時、13時、15時、17時に、約20分程度眠っていただき、眠るまでの早さからどの程度眠気が強いかを判定します。なお通常、MSLT検査は、PSG検査の翌日に行います。
不眠症の自己診断の方法と注意点
自分の不眠の度合いをはかる目安として、世界共通で使われているチェックシートがあります。下記のチェックシートが全てではありませんが、自分の状態を客観的に見るのにお役立ていただければと思います。過去1ヶ月間に、少なくとも週3回以上経験したものに当てはまるものにチェックを入れてください。
<寝つきは?(布団に入ってから眠るまで要する時間)>
いつも寝つきはよい 0点
いつもより少し時間がかかった 1点
いつもよりかなり時間がかかった 2点
いつもより非常に時間がかかったか、全く眠れなかった 3点
<夜間、睡眠途中に目が覚めることは?>
問題になるほどではなかった 0点
少し困ることがあった 1点
かなり困っている 2点
深刻な状態か、全く眠れなかった 3点
<希望する起床時間より早く目覚め、それ以上眠れなかったか?>
そのようなことはなかった 0点
少し早かった 1点
かなり早かった 2点
非常に早かったか、全く眠れなかった 3点
<総睡眠時間は?>
十分である 0点
少し足りない 1点
かなり足りない 2点
全く足りないか、全く眠れなかった 3点
<全体的な睡眠の質は?>
満足している 0点
少し不満 1点
かなり不満 2点
非常に不満か、全く眠れなかった 3点
<日中の気分は?>
いつも通り 0点
少しめいった 1点
かなりめいった 2点
非常にめいった 3点
<日中の活動は?(身体的および精神的)>
いつも通り 0点
少し低下 1点
かなり低下 2点
非常に低下 3点
<日中の眠気について>
全くない 0点
少しある 1点
かなりある 2点
激しい 3点
【合計点数】
4点未満 不眠症の疑いは少ないです。
4~5点 不眠症の疑いが少しあります。できれば医師に相談してください。
6点以上 不眠症の疑いがあります。医師に相談することをお勧めします。
※不眠症の自己診断には限界があります。不眠症は症状や原因が個人によって異なるため、正確な診断と適切な治療には医師の専門知識が必要です。したがって自己診断はあくまで参考程度に留め、睡眠障害について悩んでいる場合は、医師に相談することをお勧めします。
不眠症かどうかの判断は医師による診察が重要です
医師は病歴や症状を詳しく聴取し、必要な検査や評価を行うことで正確な診断を下すことができます。また、医師は他の睡眠障害や健康上の問題との関連性を見極めることもできます。さらに、適切な治療法を提案し、必要に応じて「薬物療法」や「非薬物療法」を勧めることができます。したがって、不眠症に悩んでいる場合は、医師の診察を受けることをお勧めします。なお、不眠症は個人によって症状や原因が異なるため、医師の専門的な判断が非常に重要です。医師による診察は、患者さんの睡眠の質や生活の改善に向けた重要な第一歩となりますので、不眠症に悩んでいる方は積極的に医療機関を受診してください。
医師の診察を受けるメリット
医師の診察を受けるメリットは多岐にわたります。以下、医師の診察を受ける主なメリットです。
【医師の診察を受けるメリット1】正確な診断
医師は不眠症に関する専門的な知識を有しています。そのため、詳細な病歴の聴取や必要な検査を通じて、正確な診断を下すことができます。
【医師の診察を受けるメリット2】個別に合わせた治療プランの提案
医師は不眠症の原因や症状に応じて、薬物療法、非薬物療法、睡眠環境の改善など、適切な治療プランを提案します。医師の診察を受けることで、患者さんの個別のニーズに合わせた最適な治療が行われ、不眠症の「症状の改善」や「睡眠の質の向上」が図られます。
【医師の診察を受けるメリット3】継続的なサポート
医師は治療の進行状況を定期的にモニタリングし、必要に応じて調整を行います。不眠症の症状や反応は個人によって異なるため、医師のサポートは重要です。患者さんとのコミュニケーションを通じて、治療の効果や副作用、症状の変化を把握し、最適な治療法を提供します。また、必要に応じて追加の検査を行い、専門家との連携も活用して、より効果的な治療を実施します。
【医師の診察を受けるメリット4】情報の提供
医師は不眠症に関する豊富な知識を有しています。そのため、患者さんに対して不眠症の原因やメカニズム、予防策、自己管理の方法などを具体的に説明してくれます。また、睡眠に関する正しい知識や健康的な生活習慣の指導も行われます。これにより、患者さんは自身の状況をより深く理解し、適切な対策を取ることができます。
【医師の診察を受けるメリット5】合併症の予防
不眠症は他の身体的な疾患や精神的な問題と関連している場合があります。医師は患者さんの全体的な健康状態を考慮し、必要な検査や評価を行います。これにより、他の潜在的な病気や合併症の早期発見が可能となります。
不眠症に対する自己ケアと対策方法
不眠症に対する自己ケアと対策方法は、次の通りです。
【不眠症に対する自己ケアと対策方法1】睡眠のルーティン化
睡眠のリズムを整えるために、毎晩同じ時間に寝る習慣を作ってください。また、朝起きたらすぐに起きることも大切です。
【不眠症に対する自己ケアと対策方法2】適度な運動
適度な運動は睡眠の質を向上させる助けとなります。日中に適度な運動を取り入れることで、夜の眠りを深くすることができます。
【不眠症に対する自己ケアと対策方法3】睡眠前の習慣
寝る前にリラックスする習慣を作ってください。入浴や軽いストレッチ、音楽を聴くなど、心地よいリラックスタイムを設けることが重要です。
【不眠症に対する自己ケアと対策方法4】カフェインやアルコールの摂取制限
カフェインやアルコールは睡眠を妨げることがありますので、摂取量を制限する、または避けるようにしてください。
【不眠症に対する自己ケアと対策方法5】睡眠環境の整備
快適な寝室環境を作ってください。暗い部屋、静かな環境、快適な温度、適切なマットレスや枕などが重要です。
【不眠症に対する自己ケアと対策方法6】ストレス管理
ストレスは不眠症の悪化を引き起こすことがあります。リラクゼーション法やストレス解消の方法を取り入れて、日常的なストレスを軽減してください。
※自己ケアや生活習慣の改善策は、個人によって効果が異なる場合があります。重度の不眠症や症状が持続する場合には、医師と相談してください。
結論とまとめ
不眠症の診断においては、診断基準を正しく適用することが非常に重要です。不眠症の症状は個人によって異なるため、自己診断には限界があります。一時的な睡眠の問題や他の潜在的な病気との関連性を見極めるためにも、専門家の診断が必要になりますので、睡眠に関して気になる症状がある場合は、お近くの医療機関にご相談ください。適切な不眠症の治療法を選択するためには、自己診断だけでなく、医師との相談が重要です。当院では不眠症に関する診療を行っており、患者さん一人ひとりに合わせた個別のアプローチを提供しています。不眠で悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
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2023.05.27
不眠症と運動の関係性について
内科に関する記事です。
この記事では、「不眠症と運動の関係性」について解説していきます。後半部分では「運動のタイミングと不眠症への影響」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
運動と睡眠の関係性
運動の不眠症への効果
運動のタイミングと不眠症への影響
運動の種類について
運動をする際の注意点について
運動による心身のリラックス効果と不眠症に対する効果的な利用法
個人差と注意点
運動と睡眠の関係性
運動と睡眠には密接な関係があります。運動には睡眠を促進する効果があり、一方、睡眠をとることで、さらに効果的に体を動かすことができます。また、睡眠は脳と体にかかる「ストレス」や「疲労」を取り除く働きがあるため、睡眠の質を向上させることで体を健康な状態に保つことはもちろん、メンタルヘルスの向上にもつながります。このような理由から、スポーツパフォーマンスの向上や家事・仕事の効率を高めたい場合には、睡眠と運動のバランスを意識することが重要です。
運動の不眠症への効果
適度な運動は不眠症に対して効果的な手段とされています。運動によって体温が上昇し、その後の体温低下が入眠を促進します。さらに、適切な運動は睡眠の質を向上させ、深い眠りやREM睡眠の量を増やすと報告されています。習慣的に運動を行うことで、寝つきが良くなり、より良質な睡眠を得ることができますので、不眠症にお悩みの方は積極的に運動を行ってください。ただし、激しい運動は逆効果となる場合もあるため、適度な運動を心掛けてください。「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」でも同様のことを伝えております。
運動のタイミングと不眠症への影響
運動のタイミングは睡眠に影響を与える重要な要素です。一般的には、夕方から夜の時間帯(就寝の3時間前程度)に運動することが効果的だと言われています。このタイミングでの運動により、一時的に脳の温度が上昇し、就寝時に脳温が下がる量が増えます。これによって、脳の温度低下が睡眠の確立を促進し、より質の高い睡眠を得ることができます。ただし、就寝直前の運動は体を興奮させる可能性があるため、避けるべきです。適切なタイミングでの運動を選び、睡眠の質を向上させるためには、個々人の生活リズムや体調に合わせて調整することが重要です。不眠症の方は、医師や専門家と相談し、適切な運動スケジュールを確立することをお勧めします。
運動の種類について
不眠症に対して効果的な運動は個人によって異なる場合がありますが、一般的には以下のような運動が効果的とされています。
【不眠症に対して効果的な運動1】軽いジョギングやサイクリング
軽いジョギング、ウォーキング、サイクリングなどの有酸素運動は心拍数を上げ、体温を上昇させる効果があります。これにより、身体をリラックスさせるための条件を整え、入眠を促進することが期待されます。なお、有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに酸素を使う運動のことです。
【不眠症に対して効果的な運動2】ヨガ
ヨガは、リラックスやストレス軽減に効果があります。ヨガは、不眠症の原因の一つにストレスや緊張が関与している場合、特に効果的です。
【不眠症に対して効果的な運動3】水泳
水中での運動は体を軽く感じさせ、筋肉をリラックスさせる効果があります。また、水中の環境が落ち着きを与え、リラックス効果を高めることができます。
運動をする際の注意点について
運動をする際の注意点は、次の通りです。
【運動をする際の注意点1】こまめに水分補給をする
運動中は、こまめに水分補給をし、脱水にならないようにすることも大切です。運動中は想像以上に汗をかいておりますので、こまめに水分補給を行ってください。
【運動をする際の注意点2】準備体操をする
急に運動を始めるとケガをする可能性があります。特に運動習慣がない方は注意が必要です。ケガをしないためにも、運動する前はしっかりと準備体操を行なってください。
【運動をする際の注意点3】血圧
運動をすると、一時的に血圧は上がります。ですので、重症の高血圧の方、労作性狭心症や心不全、腎不全、重症の眼底網膜病変などを合併している方は運動に注意が必要です。運動をはじめるにあたっては、主治医とよく相談してから行ってください。
運動による心身のリラックス効果と不眠症に対する効果的な利用法
運動は心身にリラックス効果をもたらす有効な手段です。運動による身体の動きや筋肉の収縮は、日中の緊張やストレスを解放し、心をリフレッシュさせます。また、運動によって身体の代謝が活性化し、ストレスホルモンの分泌が抑制されることも知られています。なお、「疲れているのになかなか寝つけない」という方には、ストレッチをお勧めします。なぜならストレッチは身体の緊張を緩め、リラックス効果をもたらすことができるからです。以下、不眠症に対してストレッチを行う“利点”と“注意点”について説明します。
ストレッチを行う利点
【ストレッチを行う利点1】緊張緩和
ストレッチは筋肉の緊張をほぐすため、日中のストレスや緊張を軽減することができます。これにより、心身のリラックス状態を促進し、睡眠への移行をスムーズにします。
【ストレッチを行う利点2】入眠準備を整えることができる
就寝前にストレッチを行うことで、身体をリラックスさせ、入眠準備を整えることができます。深い呼吸やストレッチによって心拍数が落ち睡眠の質を向上させることが期待されます。
ストレッチを行う際の注意点
【ストレッチを行う際の注意点1】適度な強度と時間
ストレッチは無理なく、筋肉を適度に伸ばす程度の強度で行うことが重要です。過度な強さで行うと身体に負担をかける恐れがありますので、無理せず行ってください。
【ストレッチを行う際の注意点2】タイミング
ストレッチを就寝直前に行うと、体温やエネルギーレベルが上昇し、眠りにくくなる可能性があります。ストレッチは就寝の数時間前に行うことが望ましいです。
個人差と注意点
運動は睡眠の質を改善し、入眠を促進する効果があります。そのため、運動は不眠症に対して有効な手段の一つと言えます。ただし、個人によって運動の効果は異なる場合がありますので、注意が必要です。例えば、不眠症の原因や症状、身体的な状態などによっては、運動が効果を発揮しづらい場合があります。また、運動によって疲労感が増し、逆に眠りにくくなることもありますので、十分に気をつけなくてはいけません。もし運動を行っても不眠症の症状が改善されない場合や、逆に悪化する場合は、クリニックや専門家に相談することをお勧めします。当院では“不眠症の診療”や“薬の処方”だけでなく、診断書の発行も行っております。不眠で悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方など、お気軽にご相談ください。
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2023.05.23
女性に多い不眠症の原因とは
内科に関する記事です。
この記事では、不眠症に悩んでいる女性に向けて「不眠症の原因」をご紹介していきます。後半部分では「不眠症とうつ病の関係」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
不眠症の主な症状や種類
女性特有の原因:女性ホルモンの影響について
ホルモン性疾患も不眠症の原因になり得るものです
不眠症の原因
女性にありがちなストレスや精神的な原因
不眠症は男性よりも女性に多い
不眠症の症状や原因について不安な方はいつでもご相談ください
不眠症の主な症状や種類
不眠症とは、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害によって、その人にとって必要な睡眠時間が十分に取れないことや“睡眠の質”が低下することで、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。不眠は、眠気、倦怠感、集中力低下、抑うつや不安などの精神症状を引き起こし、その結果として生産性の低下、交通事故の増加など、様々な人的及び社会経済的損失をもたらすと考えられております。したがって、「睡眠が浅い」「寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。なお、日本においては約5人に1人が不眠の症状で悩んでいると言われております。
<不眠症の種類>
不眠症には、大きく分けて以下4つのパターンがあります。
【不眠症のタイプ1】入眠困難
床についてもなかなか(30分~1時間以上)眠りにつけない。
【不眠症のタイプ2】中途覚醒
いったん眠りについても、翌朝起床するまでの間、夜中に何度も目が覚める。
【不眠症のタイプ3】早朝覚醒
希望する時刻、あるいは通常の2時間以上前に目が覚め、その後眠れない。
【不眠症のタイプ4】熟睡障害
眠りが浅く、睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られない。
これらの4つの症状は、どれか1つではなく2つ以上重複して現れる場合もあります。特に高齢者の場合は複数の症状を訴える人が多くみられます。不眠症の症状について詳しく知りたい方は「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」をご覧ください。
女性特有の原因:女性ホルモンの影響について
女性の体は「妊娠・出産」「月経」「閉経」によるホルモン変動で睡眠に変調が生じることがあります。特に、月経前には日中の眠気、妊娠中には日中の眠気や不眠、出産後は睡眠不足が起こりやすい特徴があります。また、更年期に入ると、ホルモンの変動が不規則になり、不眠症の症状が増えることもあります。なお、女性ホルモンの変動が不眠症の唯一の原因となるわけではありません。不眠症は様々な要因によって引き起こされる可能性がありますので、不眠症に悩む方は、医師や専門家に相談して適切な治療を受けることをお勧めします。
※女性ホルモンの影響について詳しく知りたい方は「女性特有の不眠について解説しているサイト」や「女性の睡眠障害について解説しているサイト」をご覧ください。
ホルモン性疾患も不眠症の原因になり得るものです
ホルモン性疾患は不眠症の一因となり得ることがあります。例えば、「甲状腺機能亢進症」や「副腎皮質機能亢進症」などの内分泌異常は、睡眠パターンに変化を引き起こすことがあります。また、「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」や「更年期障害」などの女性特有のホルモン関連疾患も、不眠症の要因となる可能性があります。これらの疾患はホルモンバランスの乱れを引き起こし、睡眠の質やリズムに影響を及ぼすことがありますので、十分にご注意ください。
不眠症の原因
不眠症の原因はストレス・心や身体の病気・薬の副作用など様々です。ここでは不眠症を引き起こす主な原因をご紹介します。
【不眠症の原因1】心理的原因
何らかのストレスに関連して起こる不眠です。
【不眠症の原因1】身体的原因
身体の病気や症状が原因で起こる不眠です。
【不眠症の原因3】薬理学的原因
服用している薬や、アルコール、カフェイン、ニコチンなどが原因で起こる不眠です。
【不眠症の原因4】精神医学的原因
精神や神経の病に伴って起こる不眠です。精神や神経の病には、不眠を伴うことが少なくありません。なかでも不眠になりやすいのは、不安と抑うつになります。
女性にありがちなストレスや精神的な原因
女性は仕事、家庭、育児、人間関係など、様々な原因による“プレッシャー”や“負担”に直面することが多いです。これらのストレスは心身に影響を与え、睡眠の質や量に悪影響を及ぼすことがあります。また、不安、うつ、過度の心配、心のバランスの乱れなども不眠症を引き起こす要因です。したがって不眠症に悩む場合は「ストレス管理」や「心のケア」が大切になります。
<不眠症とうつ病の関係>
睡眠障害に深く関係する病気は多数ありますが、なかでも「うつ病」の場合は9割近くの人が、「寝ようとしても眠れない」「朝早くに目が覚める」などといった、なんらかの不眠症状を伴っていると言われています。つまり裏を返せば、不眠症状がある人はうつ病にかかりやすいと言えます。うつ病と不眠症は密接に関係しているため、思うように眠れない日々が続いたり、熟睡感を得られていなかったりするのであれば、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。
不眠症は男性よりも女性に多い
不眠症は女性に多く見られる睡眠障害の一つです。女性は生理的、心理的、社会的な要因から不眠症にかかりやすい傾向があります。また上述した通り、ホルモンの変動、妊娠、出産、更年期などの女性特有のライフステージに伴う「ホルモンバランスの変化」が睡眠に影響を与えることがあります。そのため不眠症は、男性よりも女性に多いと言われています。なお、厚生労働省でも、「一般成人の30〜40%が何らかの不眠症状を有しており、女性に多いことが知られています」と伝えております。
不眠症の症状や原因について不安な方はいつでもご相談ください
睡眠が浅い、寝付けないなど、睡眠に関して問題があることで「日常生活に支障が出ている」と感じている方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。睡眠不足は上述した通り、体の病気、心の病気の原因となります。また睡眠障害自体が“心の病気”の前兆の可能性もあります。ですので、「睡眠が浅い」「寝付けない」「睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は放置せず、お近くの医療機関に足を運んでください。なお、当院では“不眠症の診療”や“薬の処方”だけでなく、診断書の発行も行っております。不眠の症状や原因について悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2023.05.23
不眠症薬の種類と効果、使い方や副作用の解説
内科に関する記事です。
この記事では、「不眠症の薬」について解説していきます。後半部分では「不眠症の薬の使い方」や「不眠症の薬の注意点」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
不眠症の種類について
不眠症の原因について
不眠症の薬の種類について
不眠症の薬の使い方と注意点について
クリニックでの診察について
不眠症の治療は何科に行けばいいのか?
まとめ
不眠症の種類について
まずは不眠症の種類をご紹介します。不眠症には、大きく分けて以下4つのパターンがあります。
【不眠症のタイプ1】入眠困難
床についてもなかなか(30分~1時間以上)眠りにつけない。
【不眠症のタイプ2】中途覚醒
いったん眠りについても、翌朝起床するまでの間、夜中に何度も目が覚める。
【不眠症のタイプ3】早朝覚醒
希望する時刻、あるいは通常の2時間以上前に目が覚め、その後眠れない。
【不眠症のタイプ4】熟睡障害
眠りが浅く、睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られない。
これらの4つの症状は、どれか1つではなく2つ以上重複して現れる場合もあります。特に高齢者の場合は複数の症状を訴える人が多くみられます。不眠症の症状について詳しく知りたい方は「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」をご覧ください。
<慢性不眠症と短期不眠症の違い>
不眠症は慢性不眠症(慢性不眠障害)と短期不眠症(短期不眠障害)の2つに分けられます。不眠と日中の不調が週に3日以上あり、それが3カ月以上続く場合は慢性不眠症、3カ月未満の場合は短期不眠症と診断されます。
不眠症の原因について
不眠症の原因はストレス・心や身体の病気・薬の副作用など様々です。ここでは不眠症を引き起こす主な原因をご紹介します。
【不眠症の原因1】心理的原因
何らかのストレスに関連して起こる不眠です。
【不眠症の原因2】身体的原因
身体の病気や症状が原因で起こる不眠です。
【不眠症の原因3】薬理学的原因
服用している薬や、アルコール、カフェイン、ニコチンなどが原因で起こる不眠です。
【不眠症の原因4】精神医学的原因
精神や神経の病に伴って起こる不眠です。精神や神経の病には、不眠を伴うことが少なくありません。なかでも不眠になりやすいのは、不安と抑うつになります。
※このように不眠の原因はストレス・こころやからだの病気・薬の副作用など様々です。したがって不眠症の治療では、原因に応じた対処が必要になります。
不眠症の薬の種類について
不眠症の薬にはベンゾジアゼピン系睡眠薬、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬、メラトニン受容体作動薬の3つの種類があります。
【不眠症の薬の種類1】ベンゾジアゼピン系睡眠薬
ベンゾジアゼピン系睡眠薬とは、「ベンゾジアゼピン受容体」の働きを活性化することで、GABAと呼ばれるリラックスを促す神経伝達物質の作用を強めて、入眠を促す睡眠薬のことです。ベンゾジアゼピン睡眠薬は、睡眠を促す作用のほかにも不安感の軽減などの効果があります。ベンゾジアゼピン睡眠薬の中で“代表的な薬剤”は下記の通りです。
<ハルシオン>
ハルシオンは、超短時間作用型のベンゾジアゼピン系睡眠薬であり、非常に即効性に優れている睡眠薬です。個人差はあるものの、服用後10~30分後には眠気を感じられ、1~2時間で血中濃度が最大値になることから、主に入眠障害に用いられます。
<レンドルミン>
レンドルミンは、短時間作用型のベンゾジアゼピン系睡眠薬であり、脳をリラックスさせる作用が強い睡眠薬です。ハルシオンに比べて、作用時間が長いため、入眠後も睡眠薬の効果が続き、中途覚醒や早朝覚醒の改善も期待できます。
<サイレース>
サイレースは、中間作用型のベンゾジアゼピン系睡眠薬であり、催眠作用に非常に優れています。中間作用型であるため、睡眠時間全体に効果が認められ、入眠障害だけではなく、中途覚醒や早朝覚醒の改善も期待できます。
<ドラール>
ドラールは、長時間型のベンゾジアゼピン系睡眠薬であり、催眠作用に特化した薬です。作用時間が非常に長いので、中途覚醒や早朝覚醒にも高い効果を示す上に、体内で成分が分解されるとともに、抗不安薬としての効果も発揮します。そのため、強い不安感やストレスなどによって引き起こされる睡眠障害の改善が期待できます。
【不眠症の薬の種類2】非ベンゾジアゼピン系睡眠薬
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、ベンゾジアゼピン骨格という化学構造をもたない睡眠導入剤のことです。主に催眠と鎮静作用に関わっており、抗不安作用と筋弛緩作用が少ないという特徴があります。なお、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、依存性耐性が比較的少ないので、一般的に「非ベンゾジアゼピン系睡眠薬」から治療を開始することが多いです。以下、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の中で“代表的な薬剤”です。
<マイスリー>
マイスリーは非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬に分類されている睡眠薬です。催眠作用があるため、不眠症の治療薬として処方されています。なお、従来のベンゾジアゼピン系の睡眠薬とは異なり、筋弛緩作用が弱いという特徴をもっています。
<アモバン>
アモバンは、非ベンゾジアゼピン系に分類される睡眠薬です。寝つきが悪い人に対して治療に用いられたり、手術前に麻酔が円滑に行われる目的のために使用されたりします。なお、アモバンの特徴は、その効果の早さです。作用時間が短く、翌日に眠気が残りにくい睡眠薬になります。
<ルネスタ>
ルネスタは、非ベンゾジアゼピン系の薬剤に分類されている睡眠薬です。催眠と鎮静作用があるため、不眠症の治療薬として認可されています。なおルネスタは、依存性、持ち越し効果が少ないという特徴があります。
【不眠症の薬の種類3】メラトニン受容体作動薬
メラトニン受容体作動薬は、体内で睡眠に深く関わるホルモン(メラトニン)の受容体に作用し、自然に近い生理的睡眠を誘導し、不眠症における入眠困難などを改善する薬です。メラトニン受容体作動薬は、依存性や健忘などの副作用が少なく、高齢者にも使用しやすいことが特徴です。以下、メラトニン受容体作動薬の中で“代表的な薬剤”です。
<メラトベル>
メラトベルとは、メラトニンを成分とした入眠改善薬です。メラトベルは、脳内のメラトニン受容体に作用して、睡眠を促進する作用があります。なおメラトベルは、一般的なベンゾジアゼピン系の睡眠薬と比べて、副作用のリスクが低く、依存症の発生リスクも低いとされています。
<ロゼレム>
ロゼレム(一般名:ラメルテオン)は、メラトニン受容体作動薬に分類される新しい睡眠薬です。ロゼレムは、有効成分の「ラメルテオン」がメラトニン受容体に作用することで、人間の体内時計のリズムを整え、睡眠を誘発する作用があります。なお、ロゼレムは、特に睡眠の入りが遅くなる「遅延性睡眠相症候群」に対して有効性が高いことが知られています。
不眠症の薬の使い方と注意点について
以下、不眠症の薬の使い方と注意点です。
【不眠症の薬の使い方と注意点1】決められた用法・用量を守る
「睡眠薬が効かない」と感じても、一度にたくさん飲んだり、追加で飲むことはしてはいけません。翌日にはひどい眠気が残ったり、ふらつきや記憶障害などの恐れがあるため、危険です。医師が決めた用法や用量は必ず守ってください。なお、もし睡眠薬の効果を感じられない場合は、早めに医師に相談することをお勧めします。
【不眠症の薬の使い方と注意点2】アルコールと一緒に飲まない
アルコールと睡眠薬を一緒に摂取すると、それぞれの作用が増強され、副作用が生じる可能性があります。一緒に飲むことで記憶障害、呼吸抑制、翌日の眠気、ふらつきなどが報告されているため、一緒に摂取することは絶対に避けてください。
【不眠症の薬の使い方と注意点3】睡眠薬を飲んだら横になる
睡眠薬の効果が現れるのは、服用後30分〜1時間程度です。服用後に多少のふらつきが生じることがあるため、車の運転や機械操作などは非常に危険です。また、服用後に活動を続けると、眠気のタイミングを逃してしまい、かえって睡眠の妨げになることがあります。ですので、睡眠薬を服用したら、すぐに横になるようにしてください。
【不眠症の薬の使い方と注意点4】他の薬を併用する場合は必ず医師に相談する
睡眠薬は、種類によって他の薬の効果を強めたり、弱めたりすることがあります。飲み合わせによっては副作用があらわれる場合もあるため、他の薬を併用する場合は、必ず医師に相談してください。事前に相談することで、薬の相互作用を避けることができます。
【不眠症の薬の使い方と注意点5】副作用が出た場合は医師に相談する
不眠症の薬には多かれ少なかれ副作用があります。副作用が出た場合は放置せず、医師に相談してください。なお、睡眠薬の主な副作用には、眠気、倦怠感、めまい、ふらつき、喉の渇き、口の渇き、便秘、下痢、頭痛、集中力の低下、不安、興奮、幻覚、記憶障害、肝機能障害などがあります。
【不眠症の薬の使い方と注意点6】他の人の睡眠薬を飲まない
睡眠薬の処方は、一人ひとりの症状に合わせて処方されています。自分の症状にあった睡眠薬を飲まないと、副作用があらわれたり、かえって症状が悪化する恐れがあります。睡眠薬はどれも一緒というわけではないので、他の人に睡眠薬をあげたり、もらったりするのは止めてください。
【不眠症の薬の使い方と注意点7】自己判断でやめない
睡眠薬を急に止めてしまうと、反動で眠れなくなったり、不安感が強く出てしまい、かえって不眠を悪化させてしまうことがあります。睡眠薬をやめる時は、医師と話し合いながら徐々に減らしていくと、スムーズにやめることができます。睡眠薬の不安や気になることがあれば、必ず医師に伝えてください。
また連用すると認知機能の低下が起こる可能性が示唆されていますので、用法・用量は決められたものを必ず服用ください。
クリニックでの診察について
クリニックでの診察は、一般的に以下の流れで進みます。
まず初めに問診を行います。不眠症には、ストレスや精神的な要因、身体的な疾患、薬物の副作用などが原因として考えられます。そのため、病歴や現在の生活状況、睡眠に関する問診を詳しく行い、不眠症の原因を特定します。また、睡眠の質や時間、日中の眠気や疲れなどを評価するために、睡眠日誌の記入をお願いすることもあります。
次に、必要に応じて検査を行います。睡眠時無呼吸症候群やレストレスレッグス症候群などの睡眠障害を疑う場合には、睡眠ポリグラフ検査や筋電図検査を行います。また、身体的な疾患が疑われる場合には、血液検査やレントゲン検査、心電図検査などを行うことがあります。
診断が確定したら、次は薬の処方を行います。不眠症の治療には、睡眠導入剤や睡眠維持剤、抗うつ薬などがあります。薬の種類や量は、患者さんの症状や身体状況に応じて適切なものを選択します。また、薬剤治療だけでなく、睡眠ハイジーンの指導や、リラックス法の習得などの非薬物療法も併用することがあります。
なお、治療方針については、患者さんの症状や状態に合わせて、可能な限り個別に決定いたします。不眠症は放置すると、疲労感やイライラなどの症状を引き起こすだけでなく、生活習慣病やうつ病などの重篤な疾患を引き起こす可能性もあります。そのため、適切な治療を早期に行い、患者さんがより良い睡眠と健康な生活を送れるようにサポートします。
不眠症の治療は何科に行けばいいのか?
不眠症の症状については、一般の内科で相談が可能です。不眠に加えて気分の落ち込みや、精神的ストレスも感じている場合は精神科、体にも症状が出ているときは心療内科を受診するといいかもしれません。
何科に行くべきかわからない方や精神科の診察が不安な方は内科でも症状の相談は可能です。
また、必要に応じて他の診療科を紹介しますので、不眠症の症状にお心当たりのある方は放置せず、お近くの医療機関にご相談ください。
まとめ
不眠症は原因によって対象法が異なるため、正確な原因の診断が何より大切です。睡眠が浅い、寝付けないなど、睡眠に関して問題があることで「日常生活に支障が出ている」と感じている方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。睡眠不足は単に睡眠の問題だけでなく、体の病気、心の病気の原因となることもあります。また、睡眠障害自体が“心の病気”の前兆の可能性もあるため、睡眠に関する症状がある方は、放置せずにお近くの医療機関に足を運び、適切な診断・治療を受けてください。なお、当院では、睡眠に関する問診と検査を丁寧に行い、患者さんの症状に合わせた適切な薬を処方しています。睡眠に関する症状に悩んでいる方は、お気軽にご相談ください。
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2023.04.06
男性に多い不眠症の原因について
内科に関する記事です。
この記事では、男性に向けて不眠症の「症状」や「原因」をご紹介していきます。後半部分では「不眠症の改善策」を紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
不眠症とは
男性の不眠症の割合
不眠症の原因
男性に多い不眠症の原因
不眠症の改善策
不眠症にお困りの男性はいつでもご相談ください
不眠症とは
不眠症とは、入眠困難(寝つきが悪い)、中途覚醒(夜中に何度も目を覚ます)、早朝覚醒(早朝に目覚めて二度寝ができない)、熟睡障害(睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られない)によって、その人にとって必要な睡眠時間が十分に取れないことや“睡眠の質”が低下することで、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。日本においては約5人に1人が、不眠の症状で悩んでいると言われております。不眠は、眠気、倦怠感、集中力低下、抑うつや不安などの精神症状を引き起こし、その結果として生産性の低下、交通事故の増加など、様々な人的及び社会経済的損失をもたらすと考えられております。したがって、「睡眠が浅い」「寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。なお、不眠症は慢性不眠症(慢性不眠障害)と短期不眠症(短期不眠障害)の二つに分けられます。詳しくは「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」をご覧ください。
男性の不眠症の割合
一般成人の30〜40%が何らかの不眠症状を有しており、特に“女性に多いこと”が知られています。実際に、厚生労働省が令和元年に行なった「国民健康・栄養調査報告」では、睡眠時間が6時間未満の方の割合は男性で37.5%、女性で40.6%となっております。また、「睡眠全体の質に満足できなかった」と答えた人の割合は男性で 21.6%、女性で22.0%と発表しております。詳しくは「令和元年国民健康・栄養調査の結果」をご覧ください。
不眠症の原因
不眠症の原因はストレス・心や身体の病気・薬の副作用など様々です。ここでは不眠症を引き起こす主な原因をご紹介します。
【不眠症の原因1】心理的原因
何らかのストレスに関連して起こる不眠です。
【不眠症の原因2】身体的原因
身体の病気や症状が原因で起こる不眠です。
【不眠症の原因3】薬理学的原因
服用している薬や、アルコール、カフェイン、ニコチンなどが原因で起こる不眠です。
【不眠症の原因4】精神医学的原因
精神や神経の病に伴って起こる不眠です。精神や神経の病には、不眠を伴うことが少なくありません。なかでも不眠になりやすいのは、不安と抑うつになります。
※不眠症の原因について詳しく知りたい方は「不眠症の症状や原因について解説しているサイト」をご覧ください。
男性に多い不眠症の原因
働き盛りの中高年男性を襲う、不眠や疲労感、倦怠感などの症状は「男性更年期障害」かもしれません。
<男性更年期障害>
男性更年期障害とは、男性ホルモンである“テストステロン”の低下により、不眠や集中力の低、全身の倦怠感など、様々な症状が引き起こされる病気のことを言います。(「LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)」とも呼ばれています)。女性の更年期障害は閉経前後の10年間に発症しますが、男性更年期障害では、主に40歳代以降に目立ち始めます。ただしホルモンが低下する期間や程度、その時期に個人差があるため、中には60歳、70歳になってから症状を訴える方もいます。なお、男性更年期障害を放っておけば、症状が悪化するだけではなく「性機能障害」や「その他の病気」を引き起こす可能性もあります。したがって、身体や精神面の不調が続くような場合には「男性更年期障害」の可能性も考えて、早期に医療機関に相談することをお勧めします。
不眠症の改善策
不眠症を改善するためには「不眠の原因」を診断し、取り除くことです。そして、それに加えて「自己流の安眠法」を工夫することが効果的です。以下、安眠のためのコツです。
【不眠症の改善策1】適度な運動
適度な運動は夜間の睡眠を安定させ、睡眠の質を改善することが分かっています。習慣的に運動をしている人は寝つきがよいだけでなく、深く眠れるようになって睡眠の質が高くなりますので、積極的に運動を行ってください。ただし、激しい運動は逆効果となるので注意してくださいね。
【不眠症の改善策2】太陽の光を浴びる
太陽光には体内時計を調整する働きがありますので、毎朝一定の時刻に起き、カーテンを開けるなどして太陽の光を浴びてください。早朝に光を浴びると、夜寝つく時間が早くなり、朝も早く起きられるようになります。
【不眠症の改善策3】就寝環境を整える
安眠するためには、就寝環境を整えることも大切です。ベッド・布団・枕・照明などは自分に合ったものを選んでください。なお、寝るときの照明が明るすぎると睡眠の質が低下しますので、フットライトを使うなどして工夫してください。
【不眠症の改善策4】就寝と起床時間を一定にする
睡眠覚醒は体内時計で調整されています。週末の夜ふかしや休日の寝坊は体内時計を乱すので注意してください。安眠するためには、「平日」や「週末」にかかわらず同じ時刻に起床・就床する習慣を身につけることが大切です。
【不眠症の改善策5】睡眠時間は決めない
睡眠時間には個人差があります。ですので、「最低でも6時間眠りたい」と無理な目標を立てないでください。眠れずに悶々としたまま寝床にいると、不安や緊張が増して目が冴えてしまいますので、注意してくださいね。
【不眠症の改善策6】規則正しい食生活
三食規則正しく食べることは生活リズムを整えることにつながり、睡眠の質が高まります。 ですので、食事を抜いたり、まとめ食いしたりせず、規則正しい食生活を心掛けてください。なお、寝る直前の飲食は消化活動が活発になって睡眠を妨げるため、控えてくださいね。
【不眠症の改善策7】入浴
入浴は、就寝前に体温を一時的に上げ、夜間の脳の温度との差が明確になるので、眠気が得られやすくなります。特に38~41℃程度のお湯に入ると、副交感神経が優位になり、睡眠の質を向上させてくれますので、お勧めです。
不眠症にお困りの男性はいつでもご相談ください
「睡眠が浅い」「なかなか寝付けない」など、睡眠に関して問題があることで「日常生活に支障が出ている」と感じている方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。睡眠不足は単に身体の疲れが残りやすくなるだけでなく、体の病気や心の病気の原因となります。また睡眠障害自体が“心の病気”の前兆の可能性もあります。ですので、「睡眠が浅い」「なかなか寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は放っておかずに、お近くの医療機関に足を運んでください。なお、当院では“不眠症の診療”や“薬の処方”だけでなく、診断書の発行も行っております。不眠で悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2023.03.30
不眠症の症状、チェック方法の紹介
内科に関する記事です。
この記事では、「不眠症の症状」について解説していきます。後半部分では「不眠症のセルフチェック方法」を紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
不眠症とは
不眠症の原因
不眠症のタイプについて
不眠症のセルフチェック方法
不眠症とうつ病(抑うつ)の違い・関係について
自分が不眠症かもしれないと感じた方へ
不眠症とは
不眠症とは、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害によって、その人にとって必要な睡眠時間が十分に取れないことや“睡眠の質”が低下することで、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。日本においては約5人に1人が、不眠の症状で悩んでいるとされています。なお、不眠症は慢性不眠症(慢性不眠障害)と短期不眠症(短期不眠障害)の二つに分けられます。詳しくは「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」をご覧ください。
不眠症の原因
不眠症の原因はストレス・心や身体の病気・薬の副作用など様々です。ここでは不眠症を引き起こす主な原因をご紹介します。
【不眠症の原因1】心理的原因
何らかのストレスに関連して起こる不眠です。
【不眠症の原因2】身体的原因
身体の病気や症状が原因で起こる不眠です。
【不眠症の原因3】薬理学的原因
服用している薬や、アルコール、カフェイン、ニコチンなどが原因で起こる不眠です。
【不眠症の原因4】精神医学的原因
精神や神経の病に伴って起こる不眠です。精神や神経の病には、不眠を伴うことが少なくありません。なかでも不眠になりやすいのは、不安と抑うつになります。
不眠症のタイプについて
不眠症には、大きく分けて以下4つのパターンがあります。
【不眠症のタイプ1】入眠困難
床についてもなかなか(30分~1時間以上)眠りにつけない。
【不眠症のタイプ2】中途覚醒
いったん眠りについても、翌朝起床するまでの間、夜中に何度も目が覚める。
【不眠症のタイプ3】早朝覚醒
希望する時刻、あるいは通常の2時間以上前に目が覚め、その後眠れない。
【不眠症のタイプ4】熟睡障害
眠りが浅く、睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られない。
不眠症のセルフチェック方法
自分の不眠の度合いをはかる目安として、世界共通で使われているチェックシートがあります。下記のチェックシートが全てではありませんが、自分の状態を客観的に見るのにお役立ていただければと思います。過去1ヶ月間に、少なくとも週3回以上経験したものに当てはまるものにチェックを入れてください。
<寝つきは?(布団に入ってから眠るまで要する時間)>
いつも寝つきはよい 0点
いつもより少し時間がかかった 1点
いつもよりかなり時間がかかった 2点
いつもより非常に時間がかかったか、全く眠れなかった 3点
<夜間、睡眠途中に目が覚めることは?>
問題になるほどではなかった 0点
少し困ることがあった 1点
かなり困っている 2点
深刻な状態か、全く眠れなかった 3点
<希望する起床時間より早く目覚め、それ以上眠れなかったか?>
そのようなことはなかった 0点
少し早かった 1点
かなり早かった 2点
非常に早かったか、全く眠れなかった 3点
<総睡眠時間は?>
十分である 0点
少し足りない 1点
かなり足りない 2点
全く足りないか、全く眠れなかった 3点
<全体的な睡眠の質は?>
満足している 0点
少し不満 1点
かなり不満 2点
非常に不満か、全く眠れなかった 3点
<日中の気分は?>
いつも通り 0点
少しめいった 1点
かなりめいった 2点
非常にめいった 3点
<日中の活動は?(身体的および精神的)>
いつも通り 0点
少し低下 1点
かなり低下 2点
非常に低下 3点
<日中の眠気について>
全くない 0点
少しある 1点
かなりある 2点
激しい 3点
【合計点数】
4点未満 不眠症の疑いは少ないです。
4~5点 不眠症の疑いが少しあります。できれば医師に相談してください。
6点以上 不眠症の疑いがあります。医師に相談することをお勧めします。
不眠症とうつ病(抑うつ)の違い・関係について
睡眠障害に深く関係する病気は多数ありますが、中でも「うつ病(抑うつ状態)」の場合は9割近くの人が、「寝ようとしても眠れない」「朝早くに目が覚める」などといった、なんらかの不眠症状を伴っていると言われています。つまり裏を返せば、不眠症状がある人はうつ病(抑うつ状態)にかかりやすいと言えます。うつ病(抑うつ状態)と不眠症は密接に関係しているため、思うように眠れない日々が続いたり、熟睡感を得られていなかったりするのであれば、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。なお、うつ病(抑うつ状態)とは憂うつな気持ちになり、気持ちが落ち込んだ状態が続く病気(気分障害)です。詳しくは「うつ病(抑うつ状態)|こころの病気を知る|メンタルヘルス」に記載しておりますので、ご興味のある方はご覧ください。
睡眠が十分にとれていないと感じた方へ
睡眠が浅い、寝付けないなど、睡眠に関して問題があることで「日常生活に支障が出ている」と感じている方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。睡眠不足は上述した通り、体の病気、心の病気の原因となります。また睡眠障害自体が“心の病気”の前兆の可能性もあります。ですので、「睡眠が浅い」「寝付けない」「睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は放置せず、お近くの医療機関に足を運んでください。なお、当院では“不眠症の診療”や“薬の処方”だけでなく、診断書の発行も行っております。不眠で悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2023.03.30
突発性発疹にご注意ください
内科に関する記事です。
突発性発疹はヒトヘルペスウイルス6型、もしくはヒトヘルペスウイルス7型によって起こる感染症です。突然の高熱と解熱前後の発疹(ほっしん)が特徴で、99%の人は3歳までに感染すると言われています。
この記事では、突発性発疹について解説していきます。後半部分では「突発性発疹の治療法」についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
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【目次】
突発性発疹とは?
突発性発疹の症状
突発性発疹の原因
突発性発疹の合併症
突発性発疹の治療法
突発性発疹の予防法
突発性発疹の登校基準・出席停止期間について
突発性発疹とは?
突発性発疹はヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)もしくはヒトヘルペスウイルス7型(HHV-7)によって起こる感染症です。子供が初めてかかる病気の代表格であり、生まれて初めての発熱が突発性発疹ということも少なくありません。突発性発疹は発熱から始まり、その後に発疹が出るため、発熱だけでは診断がつかないことがあります。そのため、下熱後に発疹が出現して初めて突発性発疹と診断される場合もあります。なお、お子さんによってはウイルスに感染しても症状が出ないこともあります(不顕性感染)。
突発性発疹の症状
突発性発疹の主な症状は発熱と発疹です。3~4日間、38℃以上の発熱があり、解熱して1日以内に顔面や全身に紅斑や丘疹(ぶつぶつ)などの発疹が現れるのが典型的な症状になります。発疹が出現するまでは突発性発疹かどうかは分かりませんが、以下のような症状があれば突発性発疹を疑います。
・生後6カ月以降で初めての高熱
・高熱があっても比較的機嫌がいい
・便が少しゆるい
・咳や鼻水といった感冒症状がほぼない
突発性発疹の原因
突発性発疹の原因はヒトヘルペスウイルス6型(7型)への感染です。周囲の大人や突発性発疹を経験した子供の体のなかにウイルスが潜在しており、唾液などを介して、食器の共用や顔などへの接触によって感染すると言われています。なお、ヒトヘルペスウイルス6型と7型には、それぞれに特徴があります。詳しくは以下をご覧ください。
【突発性発疹の原因1】ヒトヘルペスウイルス6型
ヒトヘルペスウイルス6型は生後6カ月~2歳までに多くの子供が感染します(生後6カ月まで感染しないのは胎児期に母親の血液から移行した抗体が身体に残っているためです)。ヒトヘルペスウイルス6型に感染すると身体の中に一生潜伏し続ける特徴がありますが、潜伏していても症状としては何も現れません。そのため、体内にウイルスを持っている両親から子供へ感染することが多いです。また、保育所では突発性発疹に感染した子供から別の子供に感染することも起こり得ます。
【突発性発疹の原因2】ヒトヘルペスウイルス7型
ヒトヘルペスウイルス7型は6型よりも感染頻度は少ないですが、同じ感染経路で2~4歳の頃に感染します。突発性発疹に2回感染する子供がいるのはこのためです。どちらに感染しても症状の大半は同じですが、ヒトヘルペスウイルス6型の感染では多くの子供に発疹が出るのに対して、7型は一部の子供にだけ発疹が現れます。
突発性発疹の合併症
突発性発疹は高熱が出たときに熱性痙攣を伴うことがあるため注意が必要です。また稀にではありますが、脳炎、劇症肝炎を合併することがあります。くれぐれもご注意ください。なお、突発性発疹の合併症については以下をご覧ください。
【突発性発疹の合併症1】熱性痙攣
熱性痙攣とは「ひきつけ」のことです。高熱が出たときに白目をむいて、全身を突っ張らせるけいれんは、強直性痙攣と呼ばれる痙攣で、ガクンガクンと手足を震わせたりする状態になります。0〜5歳くらいまでの間に38度以上の発熱に伴って起き、発症確率は7~8%とされています。
【突発性発疹の合併症2】脳炎
肺炎とは、肺に炎症を起こす病気のことを指します。この炎症は、細菌やウイルスなどによって起こります(細菌やウイルスは、鼻や口から侵入し、のどを経由して肺の中に入り込みます)。健康な人は、この細菌やウイルスをのどでブロックできますが、風邪をひいたり免疫力が落ちている時は細菌やウイルスがのどや気管を通りぬけて肺まで侵入し、炎症を起こします。この状態を肺炎と言います。
【突発性発疹の合併症3】劇症肝炎
劇症肝炎とは、肝臓の機能が急激に低下し、意識障害などの重篤な症状が現れる疾患です。この意識障害は肝性脳症と呼ばれ、ひどい場合は昏睡状態に陥ります。
突発性発疹の治療法
ヒトヘルペスウイルス6型(7型)を直接攻撃する特効薬はなく、自然に治るまでは症状を緩和する解熱剤で経過をみることが多いです。感染しても比較的元気な子供が多く、その場合は高熱があっても解熱剤は不要です。発疹はかゆみを伴うことがあまりなく、自然に消失します。なお、解熱していれば保育所への登園も可能です。
突発性発疹の予防法
突発性発疹の予防法は特にありません。発熱時は「安静」と「十分な睡眠」で免疫力が落ちないようにしてください。また、脱水を防ぐための水分補給も大切です。下痢などの症状があるので、電解質を含む飲料がおすすめになります。
突発性発疹の登校基準・出席停止期間について
突発性発疹は「学校保健安全法による出席停止期間」が決まっていません。しかし突発性発疹は感染すると高熱によって痙攣などが起こる可能性があります。ですので、保育園に通っている乳幼児が感染した場合は、しばらく登園を控えるようにしてください。なお、しばらく休んだのちに登校・登園する場合、園によっては「登校許可証」が必要になる場合があります。「登校許可証」をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
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2022.09.19
ヒトメタニューモウイルス感染症にご注意ください
内科に関する記事です。
ヒトメタニューモウイルス感染症は呼吸器に炎症を引き起こす病気です。1~3歳の幼児の間で流行することが多いのですが、大人にも感染します。そのため、幼児だけではなく大人も注意が必要な病気だと言えるでしょう。
この記事では、ヒトメタニューモウイルス感染症について解説していきます。後半部分では「ヒトメタニューモウイルス感染症の予防対策」についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
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【目次】
ヒトメタニューモウイルス感染症とは?
ヒトメタニューモウイルス感染症の特徴
ヒトメタニューモウイルス感染症の症状
ヒトメタニューモウイルス感染症の原因
ヒトメタニューモウイルス感染症の治療方法
ヒトメタニューモウイルス感染症の予防対策
登校許可証について
ヒトメタニューモウイルス感染症とは?
ヒトメタニューモウイルス感染症は呼吸器に炎症を引き起こす病気です。ヒトメタニューモウイルスは一般にあまり聞き慣れないウイルス名だと思いますが、2001年にオランダの研究グループが発見して報告した比較的歴史の浅いウイルスです。ヒトメタニューモウイルスは感染力が非常に強く、くしゃみや咳による飛沫感染や、ウイルスが付いた手や鼻水を拭いたタオルなどによる接触感染で広がります。ですので、普段から「手洗い」「うがい」、保育園や幼稚園で流行している時は「タオルやコップは別々にする」などの対策が必要です。
ヒトメタニューモウイルス感染症の特徴
ヒトメタニューモウイルス感染症は一年中感染する可能性はありますが、中でも3~6月が多く、ほぼ毎年流行がみられます。主に1~3歳の幼児の間で流行し、症状は「インフルエンザのような39度台の高熱が続き、RSウイルス感染症のような喘鳴が認められる」のが特徴です。RSウイルス感染症については「RSウイルス感染症について解説している記事」をご覧ください。
ヒトメタニューモウイルス感染症の症状
ヒトメタニューモウイルス感染症は咳、鼻水、発熱などの症状が主にみられます。症状はRSウイルス感染症と似ています。成人も含めて多くの場合は上気道炎(喉や鼻の風邪)症状のみですが、0~5歳の乳幼児や高齢者に感染すると気管支炎や肺炎を起こしやすいです。重症化すると呼吸困難に陥ることがありますが、命に関わることは極めて稀です。気管支炎と肺炎については下記をご覧ください。
【ヒトメタニューモウイルス感染症の症状1】気管支炎
気管支炎とは、気管支に炎症の中心があって、咳や痰などの呼吸器症状を引きおこす病気の総称です。 急性に起きる気管支炎の大半はウイルスやマイコプラズマなどによる感染症です。一方、慢性の気管支炎とは、数週間から数カ月の間咳や痰などの症状が続く場合を言います。
【ヒトメタニューモウイルス感染症の症状2】肺炎
肺炎とは、肺に炎症を起こす病気のことを指します。この炎症は、細菌やウイルスなどによって起こります(細菌やウイルスは、鼻や口から侵入し、のどを経由して肺の中に入り込みます)。健康な人は、この細菌やウイルスをのどでブロック出来ますが、風邪をひいたり免疫力が落ちている時は細菌やウイルスがのどや気管を通りぬけて肺まで侵入し、炎症を起こします。この状態を肺炎と言います。
ヒトメタニューモウイルス感染症の原因
ヒトメタニューモウイルス感染症の原因は、ヒトメタニューモウイルスに感染することです。このウイルスを保有している人から、飛沫感染・接触感染によって感染します。飛沫感染・接触感染については下記をご覧ください。
【ヒトメタニューモウイルス感染症の原因1】飛沫感染
飛沫感染は感染者の口から出た咳やくしゃみなどで飛び散ったウイルスを吸い込むことで感染します。
【ヒトメタニューモウイルス感染症の原因2】接触感染
接触感染は感染者の咳やくしゃみ、鼻水の飛沫が付いたタオルや食器に触れる事で感染します。
ヒトメタニューモウイルス感染症の治療方法
ヒトメタニューモウイルス感染症に特別な治療法はなく、症状に応じた対症療法(症状を和らげる治療)が行われます。症状が強い時は、咳止め、解熱剤などのお薬を出すことがあります。水分をしっかりととり、温かくして、ゆっくりと休んでくださいね。
ヒトメタニューモウイルス感染症の予防対策
ヒトメタニューモウイルス感染症を予防できるワクチンは現在のところありません。ヒトメタニューモウイルス感染症の予防には手洗いやうがいを徹底して行ってください。以下、主な予防対策です。
【ヒトメタニューモウイルス感染症の予防対策1】手洗い・うがい
もっとも重要な予防対策は「手洗い」と「うがい」です。手洗いは石けんと流水でしっかり洗ってください。なお、手指の消毒にはアルコール手指消毒薬を使ってくださいね。
【ヒトメタニューモウイルス感染症の予防対策2】マスクの着用
せきが出ている年長児や成人はできる限り、ヒトメタニューモウイルス感染症の流行時期はもちろんのこと、流行時期でなくてもマスクを着用してください。また新生児、乳児への接触を避けることが感染予防につながります。マスクの着用とあわせてご注意ください。
【ヒトメタニューモウイルス感染症の予防対策3】身の回りの消毒
子供たちが日常的に触れるおもちゃ、手すりなどはこまめに消毒してください。消毒には、アルコール系消毒薬や次亜塩素酸ナトリウムを使うか、熱による消毒を行います。手すりのようなよく手が触れる場所は、アルコール系消毒薬や次亜塩素酸ナトリウムでこまめにふき掃除をしてください。なお、子供たちが日常的に触れるおもちゃはできるだけ個人専用にしてくださいね。
登校許可証について
学校や幼稚園に通っているお子さんが、感染症にかかった場合、感染症が拡がるのを防ぐため、感染の恐れがある間は登校・登園を控えていただく場合があります。ご注意ください。尚その後、感染の恐れがなくなり登校・登園する場合、学校や園によっては「登校許可証」が必要になる場合があります。「登校許可証」をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2022.09.17
RSウイルス感染症にご注意ください
内科に関する記事です。
RSウイルス感染症は、RSウイルスに感染することによって引き起こされる呼吸器の疾患です。基礎疾患を有する小児や乳児期早期の小児がRSウイルスに初めて感染すると、細気管支炎、肺炎といった重篤な症状を引き起こすことがあります。RSウイルスには子供が主に発症しますが、気づかないうちに大人も感染している可能性があります。ですので、子供だけではなく大人も注意が必要な疾患だと言えるでしょう。
この記事では、RSウイルス感染症について解説していきます。後半部分では「RSウイルス感染症の予防対策」についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
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【目次】
RSウイルス感染症とは?
RSウイルス感染症の症状
RSウイルス感染症が引き起こす重篤な合併症
RSウイルス感染症の原因と感染経路
RSウイルス感染症の治療方法
RSウイルス感染症の予防対策
RSウイルス感染症とは?
RSウイルス感染症とは、RSウイルスの感染による呼吸器の感染症です。生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の乳幼児が一度感染するとされています。RSウイルス感染症は9月頃から流行し、初春まで続くとされてきましたが、近年では夏季より流行が始まるようになってきています。RSウイルス感染症は非常に感染力が強く、幼稚園や保育園などの施設内感染に注意が必要です。「厚生労働省のホームページ」でも同様の見解を述べています。
RSウイルス感染症の症状
RSウイルス感染症の症状としては、軽い風邪の症状から重い肺炎まで様々です。しかしながら、初めて感染発症した場合は重くなりやすいといわれており、乳期、特に乳児期早期(生後数週間~数カ月間)にRSウイルスに初感染した場合は、細気管支炎、肺炎といった重篤な症状を引き起こすことがあります。そのため、特に乳児期早期(生後数週間~数カ月間)のお子さんがいらっしゃる場合には、感染を避けるための注意が必要です。以下、重症化するリスクの高いお子さんの特徴です。
<重症化するリスクの高いお子さん>
・生後6か月未満の赤ちゃん
・早産・低出生体重の赤ちゃん
・先天性心疾患
・慢性肺疾患
・ダウン症
・免疫不全症など
RSウイルス感染症が引き起こす重篤な合併症
RSウイルス感染症が引き起こす重篤な合併症には、無呼吸発作、急性脳症があります。詳しくは以下をご覧ください。
【RSウイルス感染症が引き起こす重篤な合併症1】無呼吸発作
無呼吸発作は、呼吸の停止が20秒間以上続く、または呼吸の停止が20秒に満たなくても1分間に100以下の徐脈かチアノーゼを起こす病気です。この病気には原発性のものと二次性のものがあります。原発性はもととなる疾患が見られない未熟児に見られ、二次性では中枢神経や呼吸器系、循環器系、消化器系、血液などにもととなる疾患があった上で認められます。
【RSウイルス感染症が引き起こす重篤な合併症2】急性脳症
急性脳症とは、なんらかの病原体に感染した際、身体が病原体に対して反応を起こすことで、脳の急激なむくみが生じ、痙攣発作、意識障害、嘔吐などの症状をきたす病気です。特に痙攣は急性脳症を発症した際の最初の症状であることも多く、痙攣が出現した場合、急性脳症の可能性も考えて診断を進める必要があります。
RSウイルス感染症の原因と感染経路
病原体はRSウイルス(Respiratory syncytial virus)です。患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれるウイルスを吸い込むことによる「飛まつ感染」が主な感染経路ですが、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れることによる「接触感染」もあります。ですので、感染している人との直接の濃厚接触や「間接的な接触感染」にはくれぐれもご注意ください。
RSウイルス感染症の治療方法
RSウイルス感染症に特別な治療法はなく、症状に応じた対症療法(症状を和らげる治療)が行われます。なお、重症化した場合には、酸素投与、補液、呼吸管理が行われます。詳しくは「国立感染症研究所のホームページ」に記載していますので、ご興味のある方はご覧ください。
RSウイルス感染症の予防対策
RSウイルス感染症の感染経路は飛沫感染と接触感染で、発症の中心は0歳児と1歳児です。一方、再感染以降では感冒様症状又は気管支炎症状のみである場合が多いことから、RSウイルス感染症であるとは気付かれてない年長児や成人が存在しています。したがって、咳等の呼吸器症状を認める年長児や成人は、可能な限り0歳児と1歳児との接触を避けることが乳幼児の発症予防に繋がります。また、0歳児と1歳児に日常的に接する人は、RSウイルス感染症の流行時期はもちろんのこと、流行時期でなくても、咳などの呼吸器症状がある場合は飛沫感染対策としてマスクを着用して0歳児、1歳児に接することが大切です。予防対策のポイントについては以下にまとめていますので、ぜひご覧ください。
【RSウイルス感染症の予防対策1】手洗い
もっとも重要な予防対策は、厳重な手洗いと手指の消毒です。石けんと流水でしっかり洗ってください。なお、手指の消毒にはアルコール手指消毒薬を使ってくださいね。「千葉市ホームページ」でも同様のことを伝えています。
【RSウイルス感染症の予防対策2】マスクの着用
せきが出ている年長児や成人はできる限り、RSウイルス感染症の流行時期はもちろんのこと、流行時期でなくてもマスクを着用して下さい。また新生児、乳児への接触を避けることが感染予防につながります。マスクの着用とあわせてご注意ください。
【RSウイルス感染症の予防対策3】身の回りの消毒
子供たちが日常的に触れるおもちゃ、手すりなどはこまめに消毒してください。消毒には、アルコール系消毒薬や次亜塩素酸ナトリウムを使うか、熱による消毒を行います。手すりのようなよく手が触れる場所は、アルコール系消毒薬や次亜塩素酸ナトリウムでこまめにふき掃除をしてください。なお、子供たちが日常的に触れるおもちゃはできるだけ個人専用にしてくださいね。
登校許可証について
学校や幼稚園に通っているお子さんが、感染症にかかった場合、感染症が拡がるのを防ぐため、感染の恐れがある間は登校・登園を控えていただく場合があります。ご注意ください。尚その後、感染の恐れがなくなり登校・登園する場合、学校や園によっては「登校許可証」が必要になる場合があります。「登校許可証」をご希望の方は、お気軽にご相談下さい。
当日の順番予約はこちらから
2022.09.13
急性ウイルス感染症(手足口病)について
内科に関する記事です。
手足口病は手のひら、足の裏、口の中に発疹ができることが特徴の病気です。5歳未満の子供で発症しやすく、6月~8月の夏に流行する三大夏風邪の1つと呼ばれています。手足口病は子供に多い病気ですが、大人でもかかることはあります。ですので、子供だけではなく大人も注意が必要な病気だと言えるでしょう。
この記事では、手足口病について解説していきます。後半部分では「手足口病の治療方法」についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
手足口病とは?
手足口病の特徴
手足口病の原因
手足口病の感染経路
手足口病の症状
手足口病の治療方法
手足口病の予防
手足口病とヘルパンギーナとの違いとは?
手足口病とは?
手足口病とは、口腔粘膜および手や足などに現れる水疱性の発疹を主症状とした急性ウイルス感染症です。1950年代後半に認識された「ウイルス性発疹症」であり、我が国では1967年頃からその存在が明らかになりました。手足口病は感染者の多くが小児で、5歳未満が90%前後を占めていると言われています。詳しくは「感染症発生動向調査」に記載していますので、ご興味のある方はご覧ください。
手足口病の特徴
手足口病は手のひら、足の裏、口の中に発疹ができることが特徴です。一度感染するとウイルスに対しての免疫はできますが、他の種類のウイルスには免疫がないため、繰り返しかかる可能性があります。ですので、症状が回復した後でも注意が必要になります。繰り返しかかる可能性について「厚生労働省のホームページ」でも伝えています。
手足口病の原因
手足口病はウイルスに感染することが原因で発症します。原因となるウイルスは様々ですが、主に「エンテロウイルス」と「コクサッキーウイルス」が挙げられます。これらのウイルスは“ノンエンベロープウイルス”とも言われており、アルコール消毒剤や熱に強いウイルスとして知られています。
手足口病の感染経路
手足口病の感染経路は主に3つあります。1つ目は感染している人のくしゃみや咳とともに、空気中に飛び出したウイルスを吸い込むことにより感染してしまう飛沫感染です。2つ目は感染者が触れたドアノブやスイッチに接触し、さらにその手で口や鼻を触ることにより体内にウイルスを取り込んでしまう接触感染です。そして3つ目は、感染者の乾燥した便の粒子を吸い込んでしまったり、おむつを取り替えた後に十分に手を洗わないまま顔を触ってしまったりすることで感染する経口感染になります。
手足口病の症状
手足口病は感染してから3~5日後に、口の中、手のひら、足底や足背などに2~3mmの水疱性発疹が出ます。発熱は約3分の1にみられますが、あまり高くならないことが大半であり、高熱が続くことは通常はありません。多くの発病者は、数日間のうちに治る病気です。しかし稀にですが、髄膜炎、脳炎などの「中枢神経系の合併症」のほか、心筋炎、急性弛緩性麻痺など、様々な症状が出ることがあります。詳しくは以下をご覧ください。
【手足口病の合併症1】髄膜炎
髄膜炎は脳の周りを覆っている髄膜に、脳炎は脳自体に炎症がおこる病気です。髄膜炎の原因は、細菌やウイルス、結核、真菌などの病原体が侵入する感染症が主です。また、髄膜炎・脳炎には、感染症によるものだけではなく、自分の免疫の作用で自己抗体を作成し、自己抗体が脳に炎症を引き起こす自己免疫性脳炎があります。
【手足口病の合併症2】脳炎
脳炎とは脳内に白血球が入り込んで炎症を起こし、脳が障害される病気です。ウイルス、細菌、真菌(カビ)、寄生虫といった病原体が脳に感染して起こる「感染性脳炎」と、自己免疫によって起こる「自己免疫性(免疫介在性)脳炎」とがあります。
【手足口病の合併症3】心筋炎
心筋炎とは、主にウイルスが心臓の筋肉(心筋)に感染し心筋細胞に炎症が起こり、心筋の本来の機能が失われ、ポンプである心筋の収縮不全や不整脈を生じる疾患です。
【手足口病の合併症4】急性弛緩性麻痺
急性弛緩性麻痺は、ウイルスなどの種々の病原体の感染により弛緩性の運動麻痺症状を呈する感染症です。多くは何らかの先行感染を伴い、手足や呼吸筋などに筋緊張の低下、筋力低下、深部腱反射の減弱ないし消失、筋萎縮などの急性の弛緩性の運動麻痺症状を呈します。
手足口病の治療方法
手足口病の根本的な「治療法」や「特効薬」は現在の医学ではないとされています。基本的には、症状の軽い病気であるため、様子を見ながら経過観察をしていくのが一般的です。なお、発疹に痛みや痒みを伴うなど症状が強い場合は「抗ヒスタミン薬の塗り薬」を使用するなど対症療法を行います。また口内炎などの痛みが強い場合は「鎮痛剤」で痛みを和らげる他、粘膜保護剤の軟膏が処方されることもあります。
手足口病の予防
手足口病の予防は、飛沫感染や接触感染が主な感染経路となるため、日頃から手洗い・うがいをしっかりと行うことが予防の基本です。また症状が回復した後でも排泄した便には2~4週間ほどウイルスが潜んでいます。そのため、お子様のおむつを交換したときには「石鹸」や「ハンドソープ」で手洗いをすることが大切です。手足口病は子供に多い病気ですが、大人でもかかることはありますので感染しないように注意して下さい。
手足口病とヘルパンギーナとの違いとは?
手足口病の病原体は主に「コクサッキーウイルスA16型」と「エンテロウイルス71型」、その他「コクサッキーA6」「A10型」などです。一方、ヘルパンギーナの病原体は主として「コクサッキーA型ウイルス」です。いずれも潜伏期間は3~6日で流行のピークは夏になります。両者ともに発熱、のどの痛み、水疱が見られるので混同しがちですが、手足口病は38℃程度までしか上がらないのに対し、ヘルパンギーナは突然の38~40℃の発熱が1~3日続きます。また、手足口病の水疱は手・足など体中にもできるのに対し、ヘルパンギーナはのどや上あごにかけて小さな水疱や潰瘍ができます。ヘルパンギーナについて詳しく知りたい方は「ヘルパンギーナについて解説している記事」をご覧ください。
登校許可証について
学校や幼稚園に通っているお子さんが、感染症にかかった場合、感染症が拡がるのを防ぐため、感染の恐れがある間は登校・登園を控えていただく場合があります。ご注意ください。尚その後、感染の恐れがなくなり登校・登園する場合、学校や園によっては「登校許可証」が必要になる場合があります。「登校許可証」をご希望の方は、お気軽にご相談下さい。
2022.09.12
ヘルパンギーナの症状と予防について
内科に関する記事です。
ヘルパンギーナは夏風邪の代表格のひとつと言われ、一般的に4歳以下の子供が感染しやすい疾患となります。
大人も抵抗力が低下しているとかかることがございますので、どなたでも注意が必要な疾患です。
この記事では、ヘルパンギーナの症状と予防について解説していきます。後半部分では「ヘルパンギーナの治療方法」についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
ヘルパンギーナとは
ヘルパンギーナの特徴と症状について
ヘルパンギーナの原因
ヘルパンギーナの治療方法について
ヘルパンギーナの予防について
ヘルパンギーナの病原診断について
ヘルパンギーナの合併症について
ヘルパンギーナの治療後の注意点
ヘルパンギーナとは
ヘルパンギーナとは、発熱と口腔粘膜にあらわれる水疱性の発疹を特徴とした急性のウイルス性咽頭炎です。乳幼児を中心に夏季に流行します(年齢は4歳以下が多く、1歳が特に多い傾向にあります)。
いわゆる夏かぜの代表的疾患とも言われ、その大多数はエンテロウイルス属に属するウイルスに起因し、主にコクサッキーウイルスA群である場合が多いが、コクサッキーウイルスB群やエコーウイルスで発症する場合もあります。
ヘルパンギーナと手足口病との違いについては「千葉市医師会のホームページ」に詳しく記載していますので、ご興味のある方はご覧ください。
ヘルパンギーナの特徴と症状について
ヘルパンギーナは2~4日の潜伏期の後、突然の高熱に続いて喉が痛み、喉の奥に水膨れができて赤く腫れるのが特徴です。高熱による倦怠感や口腔内の痛みなどから、食事や水分を十分にとれず、脱水になることもあります。
多くの場合、安静にしていれば1週間ほどで回復しますが、まれに重症化するので油断は禁物です。免疫力が下がっていると、大人が感染することもありますので、ご注意ください。「東京感染症情報センター」でも同様の見解を述べています。
ヘルパンギーナの原因
ヘルパンギーナは、主にコクサッキーA群ウイルスを原因とします。ヘルパンギーナにかかった人の咳やくしゃみ、つばなどのしぶきに含まれるウイルスによって感染します。また水疱の内容物や便に排出されたウイルスが手などを介し、口や眼などの粘膜に入って感染します。ヘルパンギーナの原因について詳しく知りたい方は「国立感染症研究所のホームページ」をご覧ください。
ヘルパンギーナの治療方法について
ヘルパンギーナに特異的な治療法はなく、通常は対症療法のみであり、発熱や頭痛などに対してはアセトアミノフェンなどを用いることもあります。また時には、脱水に対する治療が必要なこともあります。なお、無菌性髄膜炎や心筋炎の合併例では入院治療が必要であり、後者の場合には特に循環器専門医による治療が望まれます。
ヘルパンギーナの予防について
ヘルパンギーナに特異的な予防法はありません。しかし感染者との密接な接触を避けること、流行時にうがいや手指の消毒をすることにより、一定の予防効果があります。こまめにうがいや手指の消毒は行いましょう。「千葉市のホームページ」でも同様のことを伝えています。
ヘルパンギーナの病原診断について
ヘルパンギーナの病原診断には、患者の口腔内拭い液、特に水疱内容を含んだ材料、糞便、髄膜炎を合併した例では髄液などを検査材料としてウイルス分離を行うか、あるいはウイルス抗原を検出します。確定診断にはウイルスを分離することが原則になります。なお、実際には臨床症状による診断で十分なことが多いです。
ヘルパンギーナの合併症について
ヘルパンギーナは合併症を起こすことは少ない病気です。しかし大人では感染すると重症化のリスクが高まるため合併症を引き起こすかもしれません。もし合併症を起こした場合には「熱性痙攣」「無菌性髄膜炎」「急性心筋炎」などを発症する場合があります。
【ヘルパンギーナの合併症1】熱性痙攣
熱性痙攣とは「ひきつけ」のことです。高熱が出たときに白目をむいて、全身を突っ張らせる痙攣は、強直性痙攣と呼ばれる痙攣で、ガクンガクンと手足をふるわせたりする状態になります。0〜5歳くらいまでの間に38度以上の発熱に伴って起き、発症確率は7~8%とされています。
【ヘルパンギーナの合併症2】無菌性髄膜炎
無菌性髄膜炎は、発熱、頭痛、嘔吐のいわゆる3主徴をみとめ、後部硬直、ケルニッヒ徴候などの髄膜刺激徴候が存在すること、髄液一般検査で定型的な所見を得ること、髄液の塗抹、細菌培養で細菌を検出しないことにより診断がなされる症候群です。
【ヘルパンギーナの合併症3】急性心筋炎
急性心筋炎とは、今まで元気に生活していた人が風邪などをきっかけに、数日の間に進行して心臓の筋肉に炎症が起こる病気です。心臓の動きが悪くなって、心不全や危険な不整脈を引き起こします。急性心筋炎は多くの場合、心筋にウイルスなどが感染して発症します。
ヘルパンギーナの治療後の注意点
ヘルパンギーナにはワクチンがないため、こまめなうがいと流水でしっかり手を洗うことで予防することが第一です。タオルや食器、おもちゃなどの共有は避けて、感染している子供が触れた物を消毒することも感染を防ぐポイントです。また、治癒した後も2~4週間ほどはウイルスが便に残っている可能性があるため、子供のおむつ替えをした後はきちんと手洗いをすることが、保護者への感染を防ぐのに有効です。「国立成育医療研究センター」でも同様のことを伝えています。
登校許可証について
学校や幼稚園に通っているお子さんが、感染症にかかった場合、感染症が拡がるのを防ぐため、感染の恐れがある間は登校・登園を控えていただく場合があります。ご注意ください。尚その後、感染の恐れがなくなり登校・登園する場合、学校や園によっては「登校許可証」が必要になる場合があります。「登校許可証」をご希望の方は、お気軽にご相談下さい。
2022.09.11
千葉市でコロナワクチンを予約する方法のご案内
内科に関する記事です。
コロナワクチンの接種を受けるには事前予約が必要です。しかしながら、予約の仕組みが複雑なため、多くの方が戸惑っております。このようなことから、接種希望者の中にはコロナワクチンの接種を諦めてしまう方もいるのではないでしょうか。
この記事では、千葉市在住の当院スタッフに協力してもらい「千葉市のワクチン予約サイト」から予約する流れを「画像付き」でご説明していきます。千葉市でコロナワクチン接種をご検討されている方は、以下の内容を参考にして予約を行ってください。
【目次】
千葉市でコロナワクチンを予約する方法について
千葉市でコロナワクチンを予約する方法1. 予約サイトにアクセス
千葉市でコロナワクチンを予約する方法2. サイトにログイン
千葉市でコロナワクチンを予約する方法3. 3回目の予約に進む
千葉市でコロナワクチンを予約する方法4. 日付検索
千葉市でコロナワクチンを予約する方法5. 予約する
千葉市でコロナワクチンを予約する【会場から探す方法】
千葉市でコロナワクチンを予約する方法1. 予約サイトにアクセス
千葉市でコロナワクチンを予約する方法2. サイトにログイン
千葉市でコロナワクチンを予約する方法3. 3回目の予約に進む
千葉市でコロナワクチンを予約する方法4. 会場から探す
千葉市でコロナワクチンを予約する方法5. 予約する
千葉市でコロナワクチンを予約する方法について
千葉市でコロナワクチンの予約をする方法は二種類。「WEBサイト」もしくは「電話」から予約する方法です。
現在、千葉市ではどちらの予約方法も「1回目接種」と「3回目接種」の方のみ対象となっております(2回目接種の日時は1回目接種の3週間後の同時刻が自動で予約されます)。
ですから、初めてコロナワクチンを接種する、もしくは3回目接種をするという方は「WEBサイト」もしくは「電話」から予約を行ってください。なお、この記事では「WEBサイトの3回目予約」について解説していきます。恐れ入りますが、電話予約をご希望の方は「千葉市のホームページ」からご確認ください。
千葉市でコロナワクチンを予約する方法1. 予約サイトにアクセス
まずは「千葉市ワクチン接種予約サイト」にアクセスします(対応ブラウザはEdge、Google Chrome、Safariの最新バージョンのみとなっております)。なお、予約サイトにアクセスできない方には電話予約をおすすめします。
恐れ入りますが「千葉市コロナワクチン接種コールセンター」にご連絡して電話予約を行ってください。
※千葉市コロナワクチン接種コールセンター 電話番号:0120-57-8970
受付時間:(月曜日から金曜日まで)8時30分から21時00分(土曜日と日曜日)8時30分から18時00分まで。
千葉市でコロナワクチンを予約する方法2. サイトにログイン
ログイン画面に表示されている「①接種券番号」と「②パスワード」を入力し、利用規約を読んでください。
利用規約を確認して問題がなければ「利用規約に同意する」にチェックし、ログインしましょう。
①接種券番号
接種券番号とは、自治体より送付された接種券に記載されている「10桁の接種券番号」のことです。
②パスワード
パスワードについては、初回ログイン時は生年月日を8桁の数字で入力してください (例: 1990年4月1日 → 19900401)。
2回目以降は設定したパスワードでログインできます。
※以下の画面に切り替わればログイン成功です。
千葉市でコロナワクチンを予約する方法3. 3回目の予約に進む
マイページ下部に移動して3回目予約の「新規予約」を押してください。
「3回目接種に関する注意」が表示されますので、しっかりと読みましょう。
問題がなければ「3回目予約へ進む」のボタンを押してください。
千葉市でコロナワクチンを予約する方法4. 日付検索
「日付から探す」を選択します。
次に日付検索画面にて「接種ワクチンの種類」「日付」を選択してください。
「会場を絞り込む」を押し、会場名に【板谷内科クリニック】と入力。その後「絞り込む」を押してください。
当院の情報が表示されます。接種可能な時間帯をご選択ください。
千葉市でコロナワクチンを予約する方法5. 予約する
接種予約確認画面が表示されます。
記載内容に問題がなければ「予約を確定する」を押してください。
予約が完了すると、こちらのような画面が表示されます。
以上で予約完了です。
千葉市でコロナワクチンを予約する【会場から探す方法】
続きましては、コロナワクチン予約を日付ではなく「会場から探す方法」についてご紹介します。予約方法1~3までは同じ流れになりますので、上記をご覧ください。
千葉市でコロナワクチンを予約する方法1. 予約サイトにアクセス
※上記と同様のため割愛します。
千葉市でコロナワクチンを予約する方法2. サイトにログイン
※上記と同様のため割愛します。
千葉市でコロナワクチンを予約する方法3. 3回目の予約に進む
※上記と同様のため割愛します。
千葉市でコロナワクチンを予約する方法4. 会場から探す
「会場から探す」を選択します。
接種会場名に【板谷内科クリニック】と入力し「絞り込み」を押してください。
「板谷内科クリニック」を選択します。
接種会場として当院が表示されます。記載ないようにお間違いなければ「この会場で予約」を押してください(接種会場名に「板谷内科クリニック」と記載されているかを必ずご確認ください)。
「ワクチンの種類」と「希望日時」を選択し、「次へ」を押してください。
千葉市でコロナワクチンを予約する方法5. 予約する
接種予約確認画面が表示されます。
記載内容に問題がなければ「予約を確定する」を押してください。
以上で予約完了です。
最後までご覧くださりありがとうございました。
2022.03.01
オミクロン株の初期症状について
内科に関する記事です。
オミクロン株は新型コロナウイルスの新たな変異株。いまだに未解明な部分が多く、日々情報がアップデートされています。そのため、自分の周囲に体調不良の方がいると「もしかしてオミクロン株に感染したのかな?」と不安に感じ、初期症状を調べる方も多いのではないでしょうか。
この記事では「オミクロン株の初期症状の特徴」や「オミクロン株と風邪との違い」についてご説明していきます。オミクロン株について不安を感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
オミクロン株の初期症状の特徴について
オミクロン株の初期症状については海外でも同じ報告がされております
オミクロン株に感染しても初期症状がない(無症状)の人もいます
オミクロン株の初期症状と風邪との違い
オミクロン株でも肺炎を引き起こす可能性があります
オミクロン株に感染した場合の後遺症とは?
オミクロン株の初期症状がない方も感染対策を徹底してください
オミクロン株の初期症状がない方も感染している可能性はあります
オミクロン株の感染拡大を抑えるために
オミクロン株の初期症状が見られた方へ
オミクロン株の初期症状の特徴について
オミクロン株の主な初期症状は「発熱」「咳」「咽頭痛(のどの痛み)」などの風邪症状が中心になります。しかし人によっては「倦怠感」「関節痛」「鼻水」「筋肉痛」などの初期症状もございます。ですから、発熱に加えて「関節痛があるからオミクロン株ではない!」と考えるのは危険。単なる風邪だと思っていても、実際にはオミクロン株に感染している可能性も考えられます。したがって、少しでも体調に異変を感じましたら、まずはかかりつけ医等身近な医療機関に電話で相談してください。
オミクロン株の初期症状については海外でも同じ報告がされております
オミクロン株の初期症状については海外でも同様の報告がされております。例えば、オミクロン株の感染拡大が続いているノルウェーでは、11月下旬のパーティーに参加した117人のうち81人がオミクロン株に感染しました。81人の症状は以下の通りです。
オミクロン株の症状 頻度 症状の持続期間
咳 83% 4日
鼻水・鼻詰まり 78% 4日
だるさ 74% 4日
のどの痛み 72% 3日
頭痛 68% 2日
筋肉痛 58% 2.5日
発熱 54% 2日
くしゃみ 43% 3日
嗅覚異常 12% 2日
食欲低下 33% 3日
呼吸苦 12% 2日
味覚異常 23% 2.5日
腹痛 6% 2日
上記の症状のうちいずれか 99% 6日
国内で報告されている初期症状と同じく、大半が「発熱」「咳」「咽頭痛(のどの痛み)」などの風邪症状です。なお、オミクロン株の平均潜伏期間は約3日であったと報告されています。新型コロナウイルスでは感染してから発症するまでの期間(潜伏期間)は約5日とされておりました。ですので、オミクロン株では従来の新型コロナウイルスよりも短くなっている可能性が考えられます。(あくまで可能性です。オミクロン株はまだ未解明な部分がたくさんあります)ノルウェーの感染状況やオミクロン株の症状については「Eurosurveillance」に詳しい記載がございますので、ご覧ください。
オミクロン株に感染しても初期症状がない(無症状)の人もいます
オミクロン株は非常に感染力が強く危険なウイルスです。しかし、人によっては感染しても初期症状がない(無症状)の場合もあります。例えば、厚生労働省が発表した疫学調査では、109例のオミクロン株感染例のうち、29例が無症状であったと報告されております。ですので、無症状でもオミクロン株に感染している可能性は十分に考えられます。なお、オミクロン株の疫学調査については「国立感染症研究所のホームページ」に記載してありますので、ご興味のある方はご覧ください。
オミクロン株の初期症状と風邪との違い
オミクロン株の初期症状と風邪の症状はよく似ております。そのため、自分の判断でオミクロン株と風邪の症状を見分けることは非常に困難だと言えるでしょう。その上で、あえて違いを申し上げるならば、風邪では「嗅覚異常」や「味覚異常」がみられるケースは稀。一方、オミクロン株では約15%の方に発生します。ですから「嗅覚異常」や「味覚異常」がみられる場合はオミクロン株感染の可能性が高いと言えるでしょう。(嗅覚・味覚異常がなくてもオミクロン株に感染している可能性は十分に考えられます。少しでも体調に異変を感じましたら、速やかにかかりつけ医等身近な医療機関に電話で相談してください)
オミクロン株でも肺炎を引き起こす可能性があります
オミクロン株は従来株よりも症状が軽いと言われており、感染者の中には無症状で済む方もいらっしゃいます。しかしながら油断は禁物です。オミクロン株でも重症化し、肺炎を引き起こす可能性は十分にございます。(なかには後遺症に苦しむ方もいらっしゃいます)ですから、オミクロン株に感染しても「軽症で済む」とは考えないでください。オミクロン株の感染を抑えるためにも、引き続き感染予防対策を徹底しましょう。なお、オミクロン株の肺炎に関しては「東京新聞」でも取り上げております。オミクロン株の怖さがよく分かりますので、ぜひご覧ください。
オミクロン株に感染した場合の後遺症とは?
オミクロン株に感染した際の後遺症については、まだ明らかになっておりません。現在、WHO(世界保健機関)は世界中の研究者と協力してオミクロン株に対する理解を深めています。ですから、オミクロン株の後遺症については今後、より詳細なデータが発表されるでしょう。なお、オミクロン株の最新情報は「厚生労働省のホームページ」にて随時アップされます。オミクロン株の後遺症について気になる方はご覧ください。
オミクロン株の初期症状がない方も感染対策を徹底してください
オミクロン株は非常に感染力が強い、新型コロナウイルスの新たな変異株ウイルス。今後さらなる感染拡大が懸念されております。そのため、第6波につながる感染急拡大を引き起こさないためには、個々の感染対策が重要です。オミクロン株はデルタ株よりも軽症者が多い傾向にありますが、その分「軽症者」や「自覚症状のない人」が十分な対策をせずに街を動き回れば市中感染を広げることになります。ですから、一人ひとりが「感染を拡大させない!」という強い意識を持ち「マスク着用」や「部屋の換気」など、基本的な感染対策を徹底して行いましょう。
オミクロン株の初期症状がない方も感染している可能性はあります
上述した通り、オミクロン株は感染していても初期症状がない場合があります。ですので、無症状だからといって安心するのは危険。オミクロン株に感染していた場合「あなたの軽率な行動」で多くの方を感染させるかもしれません。ですので、不要不急の外出は控えましょう。
オミクロン株の感染拡大を抑えるために
現在、日本国内ではオミクロン株の感染者が爆発的に増加しております。そのため、基本的な感染対策はもちろんのこと「イベントの自粛」や「飲食店利用の自粛」も必要な局面にきております。イベントの人数制限や飲食店の利用時間等はお住まいの地域にて異なりますので、いま一度、自治体のホームページをご確認ください。なお、千葉県のイベント開催制限等については「千葉県のホームページ」をご覧ください。
オミクロン株の初期症状が見られた方へ
発熱等の風邪症状が見られるときは「千葉県発熱相談コールセンター」にご相談しスタッフの指示に従ってください。(新型コロナウイルス感染症に関する相談、症状が出た時の対応などを行なっております)なお現在、当院では地域の皆様のかかりつけ医として発熱時の診察を行っております。発熱外来では、十分な感染対策を講じた上で「発熱」や「咳嗽」の症状がある患者様を対象として総合的な診療を行っております。ですから、オミクロン株の初期症状のある方は、ご来院される前にまずは発熱外来へお問合せください。(現在オミクロン株の感染拡大に伴い電話がつながりにくい状態となっております。誠に申し訳ございませんが、あらかじめご理解ご了承のほどお願い致します)
※千葉県発熱相談コールセンター
(電話番号:0570-200-139)
対応時間:24時間(土曜日、日曜日、祝日を含む)
2022.01.25
オミクロン株に感染したお子様の症状について
内科に関する記事です。
現在、日本国内で感染拡大している「オミクロン株」は新型コロナウイルスの新たな変異株。感染力が非常に強いため、大人のみならずお子様の感染者も急増しております。そのため、お子様をお持ちの方は、日々不安を感じているのではないでしょうか。
この記事では、お子様に焦点を当てて「オミクロン株の主な症状」や「オミクロン株の重症化リスク」について解説していきます。オミクロン株について不安を感じている親御さんは、ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
オミクロン株に感染したお子様の主な症状について
オミクロン株に感染したお子様の重症化リスクについて
オミクロン株に感染したお子様の後遺症について
オミクロン株に感染したお子様が急増
オミクロン株に感染した場合の主な症状について
オミクロン株の症状が見られるお子様へのご対応について
お子様にオミクロン株の症状(発熱など)が見られる前に
【オミクロン株からお子様を守るためにご家庭でできる感染対策1】換気
【オミクロン株からお子様を守るためにご家庭でできる感染対策2】手洗い
【オミクロン株からお子様を守るためにご家庭でできる感染対策3】うがい
【オミクロン株からお子様を守るためにご家庭でできる感染対策4】消毒
【オミクロン株からお子様を守るためにご家庭でできる感染対策5】共用を避ける
【オミクロン株からお子様を守るためにご家庭でできる感染対策6】食事中の会話を控える
【オミクロン株からお子様を守るためにご家庭でできる感染対策7】トイレの流し方
家族の中にオミクロン株の感染が疑われる場合の対策について
オミクロン株に感染したお子様の主な症状について
オミクロン株に感染したお子様の症状は発熱、咳、咽頭痛、鼻水・鼻閉、全身の倦怠感など。一般的には軽症で済むケースが多いと報告されております。そのため、なかには無症状で済むお子様も存在します。しかし、だからといって軽視してはいけません。現在のオミクロン株は軽症の傾向がみられますが、今後重症化する可能性は十分に考えられます。ですから、油断せずに徹底した感染対策を行いましょう。
オミクロン株に感染したお子様の重症化リスクについて
オミクロン株に感染したお子様の重症化リスクについては、まだ明らかになっておりません。しかし、重症化が軽い傾向にあることを示唆する研究結果はいくつか報告されております。例えば、英国インペリアルカレッジロンドンからの報告では「オミクロン株の感染者はデルタ株の感染者に比べ、一晩以上入院するリスクは40〜45%、病院にかかるリスクは20〜25%低い」という結果が発表されております。(参照:英国インペリアルカレッジロンドン)ですから、現地点ではオミクロン株による重症化リスクは極めて低いと言えるでしょう。(重症化しないから感染しても問題ないと考えるのは危険です。人によっては重症化する可能性も十分に考えられます。くれぐれも勘違いなさらないでください)
オミクロン株に感染したお子様の後遺症について
オミクロン株に感染したお子様の後遺症については、まだ明らかになっておりません。現在、WHO(世界保健機関)は世界中の多くの研究者と協力して、オミクロン株に対する理解を深めています。ですから、オミクロン株の後遺症については今後、より詳細なデータが発表されるでしょう。なお、オミクロン株の最新情報については「厚生労働省のホームページ」をご覧ください。
オミクロン株に感染したお子様が急増
オミクロン株流行による「第6波」の感染者数は2022年1月20日時点で4万6199人。これまでに経験したことのないスピードで感染拡大しております。その中でも特徴的なのは、小児の感染者急増。2022年1月4日〜11日までの1週間だけで10歳未満の感染者は2238人。1週間で約6.3倍もお子様の感染者が増えております。ですから、今度はより一層お子様への感染対策を徹底するべきだと言えるでしょう。なお、小児の感染者拡大については「東京新聞社の記事」でも発表されております。小児の感染者急増について詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
オミクロン株に感染した場合の主な症状について
オミクロン株の主な症状は、発熱・咳・だるさ・のどの痛みなどの風邪症状が中心。現地点では、インド由来のデルタ株のように心拍数の増加や血中酸素濃度低下などの症状が出ないとされております。詳しくは「オミクロン株の症状についての記事」に書いておりますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
オミクロン株の症状が見られるお子様へのご対応について
お子様にオミクロン株の症状が見られる場合は速やかに医療機関を受診しましょう。オミクロン株の感染者の中には「筋肉痛があるからコロナではない!」と自己判断する方がいらっしゃいますが、これは非常に危険です。上述した通り、オミクロン株の症状は風邪症状が中心。季節性インフルエンザ等の症状によく似ております。単なる風邪だと思っていても、実際にはオミクロン株に感染している可能性も考えられるのです。したがって、お子様に異変が見られた際は、まずはかかりつけ医等身近な医療機関に電話で相談してください。なお、お子様がオミクロン株を発症した場合の行動指針については「千葉県のホームページ」に記載してあります。ぜひ参考にしてください。
お子様にオミクロン株の症状(発熱など)が見られる前に
お子様をオミクロン株から守るためには感染対策が大事。特にご家庭でできる感染対策が重要になります。なぜなら、最近はご家庭内が感染経路と考えられる事例が増加しているからです。なので、オミクロン株からお子様を守るためにも外での感染対策に加え、ご家庭でできる感染対策を徹底しましょう。ご家庭でできる主な感染対策に関しては以下をご覧ください。
【オミクロン株からお子様を守るためにご家庭でできる感染対策1】換気
常時の換気、もしくはこまめな換気 (1 時間ごとに 5 ~ 10 分程度 )を行いましょう。なお、台所や洗面所などの換気扇は常時運転するように心がけてください。
【オミクロン株からお子様を守るためにご家庭でできる感染対策2】手洗い
家に帰ったらまずは水と石鹸で 30 秒以上の手洗いをしましょう。手指の消毒は15秒以上かけて手に擦り込むようにしてください。
【オミクロン株からお子様を守るためにご家庭でできる感染対策3】うがい
手洗いが終わったら、今度はうがい、顔洗いをしましょう。なお、使用した不織布マスクは、 部屋に入る前に捨ててくださいね。
【オミクロン株からお子様を守るためにご家庭でできる感染対策4】消毒
共有部分 ( トイレ、 ドアノブ、 電気スイッチ等 ) の消毒を毎日行いましょう。
【オミクロン株からお子様を守るためにご家庭でできる感染対策5】共用を避ける
トイレ、 キッチン、 洗面所でのタオルの共用を避けましょう。 ( 推奨はペーパータオルの活用 )また、歯ブラシは個別に保管。コップは別々のものを使ってください。
【オミクロン株からお子様を守るためにご家庭でできる感染対策6】食事中の会話を控える
食事は短時間で済ませ、会話を控えましょう。なお、食事はできれば「別々のテーブルにする」「時間をずらす」「真正面は避ける」「横並びに座る」など工夫してください。(料理は個々に盛り付けるように。また取箸は使い回さない。食器や箸スプーン等の共用はしないように)
【オミクロン株からお子様を守るためにご家庭でできる感染対策7】トイレの流し方
トイレでは、感染を広げないためにも蓋を閉めてから水を流しましょう。
家族の中にオミクロン株の感染が疑われる場合の対策について
もし、感染が疑われる家族がいる場合は「食事や寝る部屋」を分けるようにしてください。部屋を分けられないときは少なくとも2mの距離を保つ。もしくは、仕切りやカーテンなどを活用して、空間を遮断しましょう。なお、感染疑いがある場合は、速やかにかかりつけ医等身近な医療機関に電話で相談してください。繰り返しになりますが、具体的な行動指針については「千葉県のホームページ」に記載してあります。ぜひ参考にしてください。
2022.01.23
新型コロナワクチンの3回目接種につきまして
内科に関する記事です。
現在、日本で接種されている新型コロナワクチンは、新型コロナウイルス感染症の発症を予防する高い効果があります。
また、感染や重症化を予防する効果も確認されています。
しかしながら、新型コロナワクチンを2回接種した場合であっても、接種後の時間経過とともに「コロナワクチンの有効性」や「免疫原性」が低下すると報告されております。
したがって「感染拡大防止」及び「重症化予防」の観点から、初回接種(1回目・2回目)を完了した方は、追加で3回目接種をすることが望ましいと考えられております。
この記事では、新型コロナワクチンの「3回目接種の種類」や「3回目接種の時期」についてお伝えしていきます。
新型コロナワクチンの3回目接種をご検討される方は、ぜひ最後までご覧ください。 【目次】
新型コロナワクチンの3回目接種の種類につきまして
【新型コロナワクチンの3回目接種の種類1】ファイザー社の新型コロナワクチン
【新型コロナワクチンの3回目接種の種類2】武田/モデルナ社の新型コロナワクチン
新型コロナワクチンの3回目と初回接種の種類が異なる場合につきまして
千葉市の新型コロナワクチン3回目接種の時期につきまして
千葉市の新型コロナワクチン3回目の接種券につきまして
新型コロナワクチンの3回目接種の対象者につきまして
新型コロナワクチンの3回目接種の副反応につきまして
新型コロナワクチンの3回目接種をしないリスクにつきまして
新型コロナワクチンの3回目接種の種類につきまして
新型コロナワクチンの3回目接種に使用するワクチンは「ファイザー社のワクチン」または「武田/モデルナ社のワクチン」になります。それぞれのワクチンについては以下をご覧ください。
【新型コロナワクチンの3回目接種の種類1】ファイザー社の新型コロナワクチン
ファイザー社の新型コロナワクチンは「メッセンジャーRNAワクチン」。(以下: mRNAワクチン)。
SARS-CoV-2のスパイクタンパク質(ウイルスがヒトの細胞へ侵入するために必要なタンパク質)の設計図となるmRNAを脂質の膜に包んだ製剤になります。ファイザー社の新型コロナワクチンを接種し、mRNAがヒトの細胞内に取り込まれると、このmRNAを基に細胞内でウイルスのスパイクタンパク質が産生されます。
そして、スパイクタンパク質に対する中和抗体産生及び細胞性免疫応答が誘導されることで、SARS-CoV-2による感染症の予防ができると考えられているのです。
ファイザー社の新型コロナワクチンについて詳しく知りたい方は「ファイザー社のホームページ」をご覧ください。
【新型コロナワクチンの3回目接種の種類2】武田/モデルナ社の新型コロナワクチン
武田/モデルナ社の新型コロナワクチンは、ファイザー社と同じく「mRNAワクチン」です。
武田/モデルナ社の新型コロナワクチンを接種し、mRNAがヒトの細胞内に取り込まれると、このmRNAを基に細胞内でウイルスのスパイクタンパク質が産生され、スパイクタンパク質に対する中和抗体産生及び細胞性免疫応答が誘導されることで、SARS-CoV-2による感染症の予防ができると考えられているのです。
武田/モデルナ社の新型コロナワクチンについて詳しく知りたい方は「武田/モデルナ社のホームページ」をご覧ください。
※mRNAワクチンについては「国立感染症研究所のホームページ」こちらで詳しい情報が確認できます。
新型コロナワクチンの3回目と初回接種の種類が異なる場合につきまして
新型コロナワクチンの3回目接種に使用するワクチンは、初回接種(1回目・2回目)に用いたワクチンの種類に関わらず、mRNAワクチン(ファイザー社のワクチン又は武田/モデルナ社のワクチン)を用いることが適当であるとされています。
つまり初回接種(1回目・2回目)において、ファイザー社、武田/モデルナ社、またはアストラゼネカ社のワクチンを受けた場合、3回目接種では初回接種時に用いたワクチンの種類にかかわらず、ファイザー社または武田/モデルナ社のワクチンのいずれかを使用することが可能となっております。
新型コロナワクチンの3回目接種をする際は、この点を踏まえてご予約ください。
千葉市の新型コロナワクチン3回目接種の時期につきまして
千葉市の新型コロナワクチン3回目接種の時期は、日本政府がワクチン供給を始めるタイミングを考慮すると、来年2月以降になるでしょう。
具体的な時期については「千葉市のホームページ」にて発表があると思いますので、ご確認ください。
なお、新型コロナワクチン接種を行う期間については、令和3年12月1日から令和4年9月30日までの予定となっております。(2021年12月地点)
【2022年2月追記】
先月から当院では新型コロナワクチン接種を始めております。
必要なお荷物、服装や予約の仕方についてはトップページのご案内に記載しておりますので、以下からご確認ください。
新型コロナワクチン接種に関する情報について
千葉市の新型コロナワクチン3回目の接種券につきまして
千葉市では、新型コロナワクチン3回目接種に使用する接種券を「接種を開始する月の前月」を目安にお届けする予定となっております。
【2022年2月追記】
現在千葉市のサイトで3回目の新型コロナワクチン接種券の発送スケジュールを確認いただけます。
詳細は以下からご覧ください。
2022年(令和4年)3月末時点の新型コロナワクチン接種券の発送スケジュールについて
なお、接種券は「千葉市に住民票がある接種対象者」のみに郵送され、それ以外の方には届きません。
千葉市以外にお住まいの方は「住民票がある自治体の公式ホームページ」にアクセスし、接種券の配布日程をご確認ください。
自治体の公式ホームページについては、以下の参考例をもとにお調べください。
<自治体の公式ホームページ:参考例1>
東京都世田谷区のホームページ
<自治体の公式ホームページ:参考例2>
東京都練馬区のホームページ
<自治体の公式ホームページ:参考例3>
東京都江戸川区のホームページ
<自治体の公式ホームページ:参考例4>
神奈川県横浜市のホームページ
<自治体の公式ホームページ:参考例5>
埼玉県さいたま市のホームページ
新型コロナワクチンの3回目接種の対象者につきまして
新型コロナワクチンの3回目接種の対象者は、以下をすべて満たす方になります。
① 2回目接種を完了した日から、原則8か月以上経過した方
② 18歳以上の方
③ 日本国内での初回接種(1回目・2回目)または初回接種に相当する接種(※1)が完了している方
(※1)
次に該当する方が、初回接種(1回目・2回目)に相当する接種を受けた方となります。ただし、該当者は日本で薬事承認されている「ファイザー社ワクチン」「武田/モデルナ社ワクチン」「アストラゼネカ社ワクチン」のいずれかを接種している場合に限ります。
(ア)海外で2回接種した方
(イ)海外在留邦人等向け新型コロナワクチン接種事業で2回接種した方
(ウ)在日米軍従業員接種で2回接種した方
(エ)製薬メーカーの治験等で2回接種した方
新型コロナワクチンの3回目接種の副反応につきまして
新型コロナワクチン3回目接種の副反応は「ファイザー社のワクチン」及び「武田/モデルナ社のワクチン」いずれの場合も、2回目の接種後に確認されたものと比較して、その発現傾向は概ね同様であるとされています。
ただし、リンパ節の腫れについては、初回接種時(1回目・2回目)と比較して、発現割合が高い傾向にあるでしょう(ファイザー社:5%程度、武田/モデルナ社:20%程度)。3回目接種の副反応について詳しく知りたい方は「厚生労働省のホームページ」をご覧ください。
新型コロナワクチンの3回目接種をしないリスクにつきまして
現在、日本で接種が進められているワクチンは発症予防効果等がある一方、感染予防効果や、高齢者においては重症化予防効果についても、時間の経過に伴い、徐々に低下していくことが示唆されています。
そのため、新型コロナワクチンの3回目接種をしない場合、徐々に感染や重症化のリスクが高まると言えます。新型コロナウイルスに感染すると、発熱・咳・倦怠感の発症や味覚または嗅覚を一時的に失う懸念があります。
場合によっては「呼吸困難」や「肺炎」などの重篤な症状に陥るケースもございます。
これらの症状から回復したあとでも、嗅覚や味覚障害、疲労感、記憶障害などの長引く症状(いわゆる後遺症)に苦しんでいる人が一定数存在します。
これらの症状を回避するためにもぜひ、新型コロナワクチンの3回目接種を前向きにご検討ください。
コロナワクチン予防接種終了のお知らせ
この度、当クリニックにおける新型コロナウイルスワクチンの予防接種について、令和6年3月31日をもちましてすべての接種を終了いたしましたのでお知らせいたします。
今後の接種に関するお問い合わせは不要ですので、ご了承ください。
引き続き、皆様の健康を第一に考えた医療サービスの提供に努めてまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
2021.12.21
【新型コロナウイルス】オミクロン株とは何か
内科に関する記事です。
現在、世界各国で感染が確認されている「オミクロン株」は新型コロナウイルスの新たな変異株。まだ未解明な点も多く、感染再拡大を防ぐためには初期段階での対応が重要になります。そのため、まずはオミクロン株について理解し、徹底した感染予防対策をとる必要があるでしょう。
この記事では「オミクロン株の特徴」や「オミクロン株の感染状況」についてご説明していきます。オミクロン株について不安を感じている方はぜひ最後までご覧ください。
【目次】
新型コロナウイルスの一種オミクロン株とは
オミクロン株の特徴につきまして
オミクロン株の症状につきまして
オミクロン株のワクチン接種につきまして
既存ワクチンの効果について
3回目の新型コロナワクチン接種について
【3回目の新型コロナワクチン接種が受けられる時期】
【3回目の新型コロナワクチン接種の対象者】
【3回目の新型コロナワクチン接種を特におすすめする方】
【3回目の新型コロナワクチン接種が受けられる場所】
【3回目の新型コロナワクチン接種を受けるための手続き】
オミクロン株の日本国内の感染状況につきまして
オミクロン株への対策につきまして
【3回目の新型コロナワクチンを接種できる時期につきまして】
新型コロナウイルスの一種オミクロン株とは
オミクロン株とは、南アフリカで新たに確認された新型コロナウイルスの変異株。インド由来のデルタ株と同様で、非常に感染力が高い変異株と言われております。
そのため、世界保健機関(WHO)はオミクロン株を最も警戒度が高い「懸念される変異株=VOC」に位置づけました。
オミクロン株は自然免疫に関わるタンパク質の因子(インターフェロンと呼ばれます)に作用する性質を秘めていることから、感染力が高いウイルスとなっています。
なお、日本でも令和3年11月28日に国立感染症研究所がオミクロン株を「懸念される変異株」と位置づけ、より一層警戒を高めております。
オミクロン株についてさらに詳しく知りたい方は「国立感染症研究所のホームページ」をご覧ください。
オミクロン株の特徴につきまして
オミクロン株の特徴はウイルス表面の突起部分(スパイクタンパク質)に30か所以上の変異があることです。
この突起部分が多いと、細胞の受容体に結合しやすくなり、感染力が高まる可能性が懸念されています。
また、変異により突起部分(スパイクタンパク質)の性質が変わるため、ワクチンで作られる「中和抗体」の働きを弱めるとも考えられております。
ですので、オミクロン株は非常に感染力が強く、「第6波」の主体となる可能性があると指摘されているのです。
オミクロン株の症状につきまして
オミクロン株の主な症状は、倦怠感、頭痛、体の痛み。場合によっては、のどの痛みやせきなどの症状があります。
現在オミクロン株では、インド由来のデルタ株のように心拍数の増加や血中酸素濃度低下、嗅覚・味覚障害などの症状が出ないとされております。
しかし、だからといって軽視してはいけません。
冒頭でも申し上げた通り、オミクロン株はいまだに未解明な点が多く、その脅威は計り知れません。
重症化する可能性は十分に考えられますので、くれぐれも油断しないようにしてください。
既存ワクチンの効果について
オミクロン株は新型コロナウイルスが突然変異した「変異株」です。
そのため、既存のワクチンでは従来株のような効果がないと考えられています。
しかし、新型コロナワクチンはデルタ株に対して一定以上の効果がありました。
ですから、ファイザーやモデルナ等のコロナワクチンでも、オミクロン株に対して一定の効果があると考えられるでしょう。
3回目の新型コロナワクチン接種について
新型コロナワクチンを2回接種すると十分な発症予防効果があります。
しかし発症予防効果は、時間の経過に伴い効果が低下していきます。そのため、3回目の追加接種が推奨されております。
3回目の新型コロナワクチンを接種すると、低下した感染予防効果や重症化予防効果等を高める効果がございます。
ですから、感染予防効果を高めたい方には新型コロナワクチンの3回目接種をおすすめします。なお、3回目接種の時期や対象者は以下の通りでございます。
【3回目の新型コロナワクチン接種が受けられる時期】
新型コロナワクチン接種を行う期間は、令和3年12月1日から令和4年9月30日までの予定となっております。詳しくは「厚生労働省のホームページ」をご覧ください。
【3回目の新型コロナワクチン接種の対象者】
新型コロナワクチンの3回目接種の対象者は、以下をすべて満たす方になります。
① 2回目接種を完了した日から、原則8か月以上経過した方
② 18歳以上の方
③ 日本国内での初回接種(1回目・2回目接種)または初回接種に相当する接種(※1)が完了している方
(※1)
次に該当する方が、初回接種に相当する接種を受けた方となります。ただし、日本で薬事承認されている「ファイザー社ワクチン」「武田/モデルナ社ワクチン」「アストラゼネカ社ワクチン」のいずれかを接種している場合に限ります。
(ア)海外で2回接種した方
(イ)海外在留邦人等向け新型コロナワクチン接種事業で2回接種した方
(ウ)在日米軍従業員接種で2回接種した方
(エ)製薬メーカーの治験等で2回接種した方
【3回目の新型コロナワクチン接種を特におすすめする方】
① 高齢者、基礎疾患を有する方などの「重症化リスクが高い方」
② 重症化リスクが高い方の関係者・介助者など「重症化リスクが高い方との接触が多い方」
③ 医療従事者などの「職業上の理由などによりウイルス曝露リスクが高い方」
【3回目の新型コロナワクチン接種が受けられる場所】
新型コロナワクチンの接種場所は原則として、住民票所在地の市町村(住所地)の「医療機関」や「接種会場」になります。
インターネットで、新型コロナワクチンを受けることができる医療機関や接種会場を探すには、接種総合案内サイト「コロナワクチンナビ」をご覧ください。
なお、やむを得ない事情により住所地での新型コロナワクチン接種ができない方は、住所地以外で接種できる場合があります。具体的な手続きに関しましては、コロナワクチンナビの「住所地外接種届について」をご覧ください。
【3回目の新型コロナワクチン接種を受けるための手続き】
新型コロナワクチンは以下のような方法で接種を受けることになります。
① 住民票所在地の市町村から追加接種用の「接種券」と「新型コロナワクチン追加(3回 目)接種のお知らせ」が届きます。
② 新型コロナワクチンを受けることができる医療機関や接種会場を「コロナワクチンナビ」または、その他の方法でお探しください。
③ 電話やインターネットで予約をしてください。
④ 市町村から郵送された「接種券が印字された予診票」と「予防接種済証」を持ち、接種会場に向かいます。(当日は速やかに肩を出せる服装でお越しください)
オミクロン株の日本国内の感染状況につきまして
現在、日本国内で確認されているオミクロン株の感染者は1名。空港検疫においてオミクロン株が確認されました。
(感染者はアフリカ南部のナミビアから帰国した男性です)厚生労働省はこの事態を受け、水際対策を強化。
今後は各国政府やWHO、専門家等とも連携しつつ、諸外国の感染状況を注視しながら、機動的な感染拡大防止対策に努めていくと発表しております。
なお、東京都では12月3日から「オミクロン株」を判別できる都独自の「変異型PCR検査」を開始しております。
検査の詳細については「都健康安全研究センターのサイト」に記載しておりますので、ぜひご覧ください。
(2022/01/15追記)
12月時点では数名だった新型コロナ感染者ですが、1月半ば時点で全国でおよそ2.5万人、東京でおよそ4,500人超とオミクロン株は猛威を振るっております。
確認ができている重傷者数はおよそ230名、死者6名と深刻な被害も出ております。
お出かけの際はくれぐれも感染予防を徹底してください。
オミクロン株への対策につきまして
これまでにご紹介した通り、オミクロン株は、ウイルス変異箇所が多く、高い感染力を持っております。
また、ワクチン効果減弱などの可能性が指摘されています。しかし、過度に恐れる必要はありません。これまでと同様、手洗い、うがい、三密の回避、換気といった基本的な感染予防対策の徹底をすれば、オミクロン株に対して十分に効果があります。ですから、引き続き感染予防対策の継続をお願い致します。
【3回目の新型コロナワクチンを接種できる時期につきまして】
新型コロナ、オミクロン株対策のためのワクチン接種時期についてですが、今の供給ペースから一般の方々がワクチンを接種できるのは2月以降になることが予想されます。
千葉県内で3回目のコロナワクチン接種の対象となるのはおよそ500万人ほどになりますが、2本目からの摂取間隔の観点から昨年ほど予約が取りづらくなることはないでしょう。
3回目のコロナワクチン接種は2本目を接種してから8ヶ月以上経過している必要があります。
オミクロン株に備えてワクチン接種をご希望の方は、過去に接種された時期にご注意のうえ予約開始時期をお待ちください。
コロナワクチン予防接種終了のお知らせ
この度、当クリニックにおける新型コロナウイルスワクチンの予防接種について、令和6年3月31日をもちましてすべての接種を終了いたしましたのでお知らせいたします。
今後の接種に関するお問い合わせは不要ですので、ご了承ください。
引き続き、皆様の健康を第一に考えた医療サービスの提供に努めてまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
2021.12.04
コロナワクチンによる副反応の症状についてご説明します
内科に関する記事です。
現在、日本で接種が行われているコロナワクチンは、いずれも新型コロナウイルス感染症の発症を予防する高い効果があり、また、重症化を予防する効果が期待されています。しかしながら、なかなかコロナワクチンの接種が進みません。これは供給量や打ち手不足の問題。それに加えて、誤った情報に基づく誤解や副反応への恐れが原因ではないかと考えられております。
この記事では、これからコロナワクチンを接種される方に向けて、副反応の症状について説明したいと思います。副反応の症状を知り、コロナワクチンへの理解を深めれば、安心して接種ができると思います。また、副反応がおこった際、冷静に対処できるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
コロナワクチンの副反応の症状にはどのようなものがあるか
【コロナワクチンの副反応!主な症状1】発熱
【コロナワクチンの副反応!主な症状2】接種部位の痛み
【コロナワクチンの副反応!主な症状3】接種部位の腫れ
【コロナワクチンの副反応!主な症状4】嘔吐
【コロナワクチンの副反応!主な症状5】吐き気
【コロナワクチンの副反応!主な症状6】頭痛
【コロナワクチンの副反応!主な症状7】筋肉痛
【コロナワクチンの副反応!主な症状8】関節痛
【コロナワクチンの副反応!主な症状9】下痢
【コロナワクチンの副反応!主な症状10】疲労
【コロナワクチンの副反応!主な症状11】悪寒
【コロナワクチンの副反応!主な症状12】リンパ節症
【コロナワクチンの主な副作用13】発赤・紅斑
コロナワクチンの副反応の差について
コロナワクチンの副反応によるアナフィラキシーショックについて
千葉県でのコロナワクチンの副反応への対応について
コロナワクチンの副反応が出た時はいつでもご相談を
コロナワクチンの副反応の症状にはどのようなものがあるか
はじめに、副反応の症状について説明していきます。これからコロナワクチンの接種を控えている方は、副反応の症状をあらかじめ知っていることで、落ち着いて行動できると思います。ですから、すべての症状に目を通してくださいね。尚、副反応について調べるコロナワクチンは、日本で接種ができる3種類。「ファイザー社のワクチン」、「武田/モデルナ社のワクチン」、「アストラゼネカ社のコロナワクチン」となっております。
【コロナワクチンの副反応!主な症状1】発熱
1番目にご紹介する副反応の症状は『発熱』です。発熱とは、体温が37.5°C以上を呈した状態のこと(感染症法の届け出基準をもとにしております)。こちらの症状は「ファイザー社」と「武田/モデルナ社」のコロナワクチン接種後『10〜50%』の確率で発生。「アストラゼネカ社」では『1〜10%』の確率で発生致します。
【コロナワクチンの副反応!主な症状2】接種部位の痛み
2番目にご紹介する副反応の症状は『接種部位の痛み』です。接種部位の痛みとは、注射した部分が痛むということ。こちらの症状は「ファイザー社」、「武田/モデルナ社」、「アストラゼネカ社」のいずれも、コロナワクチン接種後『50%以上』の確率で発生致します。
【コロナワクチンの副反応!主な症状3】接種部位の腫れ
3番目にご紹介する副反応の症状は『接種部位の腫れ』です。接種部位の腫れとは、注射した部分が赤く腫れるということ。こちらの症状は「ファイザー社」と「武田/モデルナ社」のコロナワクチン接種後『10〜50%』の確率で発生。「アストラゼネカ社」では『1〜10%』の確率で発生致します。
【コロナワクチンの副反応!主な症状4】嘔吐
4番目にご紹介する副反応の症状は『嘔吐』です。嘔吐とは、胃が強く収縮し、胃の内容物が食道に押し上げられて口から出ること。こちらの症状は「武田/モデルナ社」のコロナワクチン接種後『10〜50%』の確率で発生。「ファイザー社」、「アストラゼネカ社」では『1〜10%』の確率で発生致します。
【コロナワクチンの副反応!主な症状5】吐き気
5番目にご紹介する副反応の症状は『吐き気』です。吐き気とは、嘔吐しそうな不快感のこと。こちらの症状は「武田/モデルナ社」と「アストラゼネカ社」のコロナワクチン接種後『10〜50%』の確率で発生。「ファイザー社」では『1〜10%』の確率で発生致します。
【コロナワクチンの副反応!主な症状6】頭痛
6番目にご紹介する副反応の症状は『頭痛』です。頭痛とは、頭全体に、頭重感(ずじゅうかん)や締めつけられるような痛みを感じること。こちらの症状は「ファイザー社」、「武田/モデルナ社」、「アストラゼネカ社」のいずれも、コロナワクチン接種後『50%以上』の確率で発生致します。(※頭重感は頭が重く、締め付けられるような感じのことです)
【コロナワクチンの副反応!主な症状7】筋肉痛
7番目にご紹介する副反応の症状は『筋肉痛』です。筋肉痛とは、筋肉が痛むということ。慣れない運動を行ったとき、普段使わない筋肉を使いすぎた場合などに顕著に現れます。こちらの症状は「武田/モデルナ社」のコロナワクチン接種後『50%以上』の確率で発生。「ファイザー社」では『10〜50%』の確率で発生致します。尚、「アストラゼネカ社」のコロナワクチンでは、筋肉痛の副反応はございません。
【コロナワクチンの副反応!主な症状8】関節痛
8番目にご紹介する副反応の症状は『関節痛』です。関節痛とは、関節の周辺で生じる痛みのこと。膝や肘、手指や足指の関節、腰、手首などに多く発症します。こちらの症状は「ファイザー社」、「武田/モデルナ社」、「アストラゼネカ社」のいずれも、コロナワクチン接種後『50%以上』の確率で発生致します。
【コロナワクチンの副反応!主な症状9】下痢
9番目にご紹介する副反応の症状は『下痢』です。下痢とは、頻繁に便意をもよおし、排便回数が多くなることに加え、便の水分量が多くなり「軟便」や「かゆ状の便」となって出てくる状態のこと。こちらの症状は「ファイザー社」のコロナワクチン接種後『10〜50%』の確率で発生致します。尚、「武田/モデルナ社」と「アストラゼネカ社」では、下痢の副反応はございません。詳しくは「武田/モデルナ社」と「アストラゼネカ社」のホームページをご覧ください。
【コロナワクチンの副反応!主な症状10】疲労
10番目にご紹介する副反応の症状は『疲労』です。疲労とは、過度の肉体的および精神的活動、または疾病によって生じた独特の不快感と休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態のこと。簡単にご説明すると、心身への過負荷により生じた「身体能力の低下」のことを言います。こちらの症状は「ファイザー社」、「武田/モデルナ社」、「アストラゼネカ社」のいずれも、コロナワクチン接種後『50%以上』の確率で発生致します。
【コロナワクチンの副反応!主な症状11】悪寒
11番目にご紹介する副反応の症状は『悪寒』です。悪寒とは、発熱の初期に起きる、体がゾクゾクする病的な寒け(さむけ)のこと。こちらの症状は「ファイザー社」、「武田/モデルナ社」、「アストラゼネカ社」のいずれも、コロナワクチン接種後『10〜50%』の確率で発生致します。
【コロナワクチンの副反応!主な症状12】リンパ節症
12番目にご紹介する副反応の症状は『リンパ節症』です。リンパ節症とは、1つまたは複数のリンパ節に感染が起きて、腫れと圧痛が生じること。こちらの症状は「武田/モデルナ社」のコロナワクチン接種後『10〜50%』の確率で発生致します。尚、「ファイザー社」と「アストラゼネカ社」のコロナワクチンでは、リンパ節症の副反応はございません。
【コロナワクチンの主な副作用13】発赤・紅斑
13番目にご紹介するコロナワクチンの主な副作用は『発赤・紅斑』です。発赤とは、皮膚が赤くなること。紅斑は、皮下脂肪に炎症が起こり、皮膚に小さな卵くらいの大きさの赤色や紫色の斑点が沢山できることを言います。こちらの症状は「武田/モデルナ社」のコロナワクチン接種後『10〜50%』の確率で発生。「アストラゼネカ社」のコロナワクチン接種後『1〜10%』の確率で発生致します。尚、「ファイザー社」のコロナワクチンでは、発赤・紅斑の副反応はございません。詳しくは「ファイザー社のホームページ」をご覧ください。
コロナワクチンの副反応の差について
上記でご説明した副反応は一般的に、1回目の接種後よりも2回目の接種後のほうが、強く発生致します。それは1回目の接種により、体内でコロナウイルスに対する免疫ができるからです。なので、2回目の接種時には、1回目より強い免疫応答が起こり、強い副反応が発生致します。しかし、これはあくまで傾向。副反応の症状には個人差があり、1回目より2回目が必ず強くなるわけではありません。ですから、1回目の接種後でも油断せず、数日間は安静にしておきましょう。尚、念のため付け加えておきますが、副反応の強さと抗体獲得に相関関係はありません。つまり、副反応が強いから「抗体を多く獲得できる」。副反応が弱いから「抗体が少ない」ということはないのです。副反応が弱いからといって不安にならないでくださいね。
コロナワクチンの副反応によるアナフィラキシーショックについて
アナフィラキシーショックとは急性のアレルギー反応のこと。アレルゲンなどが体内に入ることによって、複数の臓器や全身にアレルギー症状が表れることを言います。コロナワクチンを接種すると、ごく稀に『アナフィラキシーショック』の副作用を起こす人がいます。この症状は放っておくと、命に危険が生じる可能性がありますが、心配はいりません。なぜなら、コロナワクチン接種後に「アナフィラキシーショック」が起こるかを確認するため、接種会場では約30分程度の待機時間を設けているからです。また、どの接種会場でも、すぐに専門の医師が対応できるよう環境を整えております。そのため、これまでにコロナワクチン接種後「アナフィラキシーショック」を起こして死亡したケースはありません。以上のことから、必要以上にアナフィラキシーショックを恐れないようにしてくださいね。
千葉県でのコロナワクチンの副反応への対応について
現在、千葉県では、コロナワクチンの副反応が起きた場合に備え「千葉県新型コロナワクチン副反応等専門窓口」を設置しております。こちらの窓口は、副反応等に関する医学的知見を有する看護師などが医師のバックアップを受けて、24時間(土日・祝日含む)で電話対応しております。ですから、コロナワクチンを接種した後、身体に異常を感じた際は遠慮なくご相談ください。念の為「千葉県のホームページ」を記載しておきますね。
「千葉県新型コロナワクチン副反応等専門窓口」
電話番号 03-6412-9326
コロナワクチンの副反応が出た時はいつでもご相談を
当院では、患者様お一人お一人の立場に立ち、多様な悩みの解決をするよう努めております。ですから、コロナワクチンを接種後、身体に異常を感じたり体調不良が続く場合は、いつでもお気軽にご相談ください。尚、当院に電話をかけても繋がらない場合は、上述しました「千葉県新型コロナワクチン副反応等専門窓口」にご相談いただければと存じます。こちらの窓口は、24時間体制(土日・祝日含む)で電話対応しております。ですから、深夜にお電話しても問題ありません。ご遠慮なくご相談ください。
コロナワクチン予防接種終了のお知らせ
この度、当クリニックにおける新型コロナウイルスワクチンの予防接種について、令和6年3月31日をもちましてすべての接種を終了いたしましたのでお知らせいたします。
今後の接種に関するお問い合わせは不要ですので、ご了承ください。
引き続き、皆様の健康を第一に考えた医療サービスの提供に努めてまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
2021.09.07
コロナワクチン接種後の副反応について解説します
内科に関する記事です。
現在、日本で接種が行われているコロナワクチンは、安全性を確認した上で承認され、接種されています。そのため、コロナワクチン接種後にみられる副反応を過度に恐れることはありません。一般的にワクチン接種後には、身体が免疫をつける反応を起こすため、発熱や接種部位の痛みなどの副反応が多くの方に出現するとされています。ですから、副反応が起こっても慌てず、冷静に対処していただきたく存じます。
この記事では、これからコロナワクチンを接種される方に向けて、接種後の不安を和らげるため、副反応について解説いたします。記事の後半では、副反応がおこった場合の対応について詳しく書いておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
コロナワクチン接種後の副反応について
コロナワクチン接種後の副反応の事例
【コロナワクチン接種後の副反応の事例】ファイザー社
【コロナワクチン接種後の副反応の事例】武田/モデルナ社
【コロナワクチン接種後の副反応の事例】アストラゼネカ社
コロナワクチン接種後の副反応の期間について
コロナワクチン接種後の副反応の発現率について
【コロナワクチン接種後の副反応の発現率】ファイザー社
【コロナワクチン接種後の副反応の発現率】武田/モデルナ社
【コロナワクチン接種後の副反応の発現率】アストラゼネカ社
コロナワクチン接種後の副反応が出た時の対応
<一次対応>(受診・相談)
<二次対応>(救急対応)
まとめ
コロナワクチン接種後の副反応について
現在、日本で接種が進められている新型コロナワクチンは非常に高い効果がありますが、接種後、副反応が起こるかもしれません。副反応は注射した部分の痛み、頭痛、関節の痛みなど、症状は様々。人によっては、コロナワクチン接種後に発熱をすることもあるでしょう。これらの副反応は一見すると体に異常をきたしているように思います。しかし副反応が生じるのは、免疫反応のあらわれと考えられ、きちんと免疫ができている証拠。ですから、副反応が起こることは、決して体に悪いことではありません。ですので、副反応が起こっても、慌てず冷静に対処してください。尚、副反応に関することは「厚生労働省のホームページ」にも記載しております。副反応について「どうしても不安」だという方は、一度目を通してみるといいでしょう。
コロナワクチン接種後の副反応の事例
ここでは、副反応の事例をご紹介します。現在、日本で接種できるコロナワクチンは3種類。「ファイザー社のコロナワクチン」、「武田/モデルナ社のコロナワクチン」、「アストラゼネカ社のコロナワクチン」となっております。製薬会社ごとに事例をご紹介していきますので、詳しくは以下をご覧ください。
【コロナワクチン接種後の副反応の事例】ファイザー社
ファイザー社のコロナワクチン接種後の副反応は、主に、頭痛、関節や筋肉の痛み、注射した部分の痛み、疲労、寒気、発熱などになります。また、稀に起こる重大な副反応として、アナフィラキシーショックがございます。
【コロナワクチン接種後の副反応の事例】武田/モデルナ社
武田/モデルナ社のコロナワクチン接種後の副反応は、主に、頭痛、関節や筋肉の痛み、注射した部分の痛み、疲労、寒気、発熱などになります。また、こちらもファイザー社と同様、稀に起こる重大な副反応として、アナフィラキシーショックがございます。
【コロナワクチン接種後の副反応の事例】アストラゼネカ社
アストラゼネカ社のコロナワクチン接種後の副反応は、主に、頭痛、関節や筋肉の痛み、注射した部分の痛み、倦怠感、疲労、寒気、発熱などになります。また、こちらもファイザー社と同様、稀に起こる重大な副反応として、アナフィラキシーショックがございます。
以上が各社の主な副反応です。
尚、上記でご紹介致しました、アナフィラキシーショックについては「副反応の症状について説明している記事」で詳しく解説しております。こちらの記事を読めば一つ一つの症状について、より理解が深まると思いますので、ぜひご覧ください。
コロナワクチン接種後の副反応の期間について
コロナワクチン接種後の副反応は接種の翌日をピークに発現することが多く、数日以内に回復していきます。しかし、副反応には個人差があり、人によっては1ヶ月続いたケースもありました(多くの人は数日で落ち着きます)。ですから、コロナワクチン接種後は油断せず、しばらくは安静にしてください。尚、回復期間と同様、副反応の症状が出る期間にも個人差があります。人によっては二日後が副反応のピークになるかもしれません。ですので、コロナワクチン接種の翌日に症状がないからといって、大量にアルコールを接種したり、激しい運動をしないようにしてください。厚生労働省のホームページでも、コロナワクチン接種後に激しい運動はしないよう、忠告しております。(※当院にご相談をされた方で、あまりにも副反応の期間が長い、もしくは違和感が続く場合は、ご遠慮なくご相談ください)
コロナワクチン接種後の副反応の発現率について
続きましては、副反応の発現率をご紹介します。こちらも副反応の事例と同様、製薬会社ごとにご紹介していきます。詳しくは以下をご覧ください。
【コロナワクチン接種後の副反応の発現率】ファイザー社
ファイザー社のコロナワクチン接種後の副反応発現率は「接種部の痛み」「疲労」「頭痛」が50%以上。「筋肉痛」「悪寒」「関節痛」「下痢」「発熱」「接種部の腫れ」が10%〜50%、「吐き気」「嘔吐」が1%〜10%となっております。ファイザー社のコロナワクチンについて、より詳しく知りたい方は「ファイザー社のホームページ」をご覧ください。
【コロナワクチン接種後の副反応の発現率】武田/モデルナ社
武田/モデルナ社のコロナワクチン接種後の副反応発現率は「接種部の痛み」「疲労」「頭痛」「筋肉痛」が50%以上。「関節痛」「悪寒」「吐き気」「嘔吐」「リンパ節症」「発熱」「接種部の腫れ」「発赤・紅斑」が10%〜50%。「接種後7日以降の接種部の痛みなど」が1%〜10%となっております。武田/モデルナ社のコロナワクチンについて、より詳しく知りたい方は「武田/モデルナ社のホームページ」をご覧ください。
【コロナワクチン接種後の副反応の発現率】アストラゼネカ社
アストラゼネカ社のコロナワクチン接種後の副反応発現率は「接種部の痛み」「疲労」「頭痛」が50%以上。「悪寒」「関節痛」「吐き気」が10%〜50%、「発熱」「嘔吐」「接種部の腫れ」「発赤・紅斑」などが1%〜10%となっております。アストラゼネカ社のコロナワクチンについて、より詳しく知りたい方は「アストラゼネカ社のホームページ」をご覧ください。
以上が副反応の発現率です。
繰り返しになりますが、副反応は個人差がございます。ですから、これらの数値はあくまで参考でございます。1%の確率であっても、人によっては翌日に起こることがあります。ですので、コロナワクチン接種後、しばらくは安静にしましょう。
コロナワクチン接種後の副反応が出た時の対応
ここでは、コロナワクチン接種後に副反応が出た時の対応をご紹介します。コロナワクチン接種後、身体に異常を感じたり、体調不良が長く続く場合は、以下の手順でご対応ください。
【一次対応】(受診・相談)
① 当院にご相談ください。(板谷内科クリニック/ TEL 043-234-0220)
診療時間は以下の通りです。
<診療時間>
月・火・水・金(9:00〜12:15/14:30〜18:00) 土(9:00〜12:15)
※木・日・祝祭日は休日になります。
② 千葉県新型コロナワクチン副反応等専門窓口にご相談ください。
副反応等に関する医学的知見を有する看護師などが医師のバックアップを受けて、24時間体制(土日・祝日含む)で対応しております。
TEL 03-6412-9326(※おかけ間違いにご注意ください)
【二次対応】(救急対応)
専門的な対応が必要であると判断した場合には専門的医療機関をご紹介します。
紹介は当院、または「千葉県新型コロナワクチン副反応等専門窓口」を通じて致します。
まとめ
では、これまでの内容をまとめますと、
コロナワクチン接種後の副反応について
コロナワクチン接種後の副反応の事例
【コロナワクチン接種後の副反応の事例】ファイザー社
【コロナワクチン接種後の副反応の事例】武田/モデルナ社
【コロナワクチン接種後の副反応の事例】アストラゼネカ社
コロナワクチン接種後の副反応の期間について
コロナワクチン接種後の副反応の発現率について
【コロナワクチン接種後の副反応の発現率】ファイザー社
【コロナワクチン接種後の副反応の発現率】武田/モデルナ社
【コロナワクチン接種後の副反応の発現率】アストラゼネカ社
コロナワクチン接種後の副反応が出た時の対応
<一次対応>(受診・相談)
<二次対応>(救急対応)
以上でございます。
最後になりますが、現在、当院では患者様お一人お一人の立場に立ち、多様な悩みの解決をするよう努めております。ですので、コロナワクチンを接種後、身体に異常を感じたり体調不良が続く場合は、いつでもお気軽にご相談ください。尚、当院に電話をかけても繋がらない場合は、上述致しました「千葉県新型コロナワクチン副反応等専門窓口」にご相談いただければと存じます。こちらの窓口は、24時間体制(土日・祝日含む)で電話対応しております。ですから、深夜にお電話しても問題ありません。ご遠慮なくご相談ください。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
コロナワクチン予防接種終了のお知らせ
この度、当クリニックにおける新型コロナウイルスワクチンの予防接種について、令和6年3月31日をもちましてすべての接種を終了いたしましたのでお知らせいたします。
今後の接種に関するお問い合わせは不要ですので、ご了承ください。
引き続き、皆様の健康を第一に考えた医療サービスの提供に努めてまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
2021.09.07
コロナワクチン接種後の感染について解説
内科に関する記事です。
コロナワクチンを接種したのに…。
新型コロナウイルスに感染することってあるの?
このような疑問を抱えている方はいませんか?
「コロナワクチン接種後に感染することはない」「いや、コロナワクチン接種後も感染する」など、コロナワクチン接種後の感染については情報がたくさんあります。そのため、どれが真実かわからず、接種を受けた方は不安になってしまうのではないでしょうか。
というわけで、今回はその不安を解消するため「コロナワクチン接種後の感染」について解説したいと思います。この記事を読めば、コロナワクチン接種後の感染について理解が深まると思いますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。
それでは、いってみましょう!
【目次】
コロナワクチン接種後の感染について解説する前に
コロナワクチン接種後の感染について解説
コロナワクチン接種後の感染!ワクチンごとに有効率を解説
【コロナワクチン接種後の感染】ファイザー社
【コロナワクチン接種後の運動】アストラゼネカ社
【コロナワクチン接種後の運動】武田/モデルナ社
<コロナワクチン有効率のまとめ>
コロナワクチン接種後に発熱した状態で人に会うと感染させるってホント?
コロナワクチン接種後の感染!日本国内のニュースから見てみる
【コロナワクチン接種後の感染】東京都
【コロナワクチン接種後の感染】大阪府
【コロナワクチン接種後の感染】埼玉県
コロナワクチン接種後の感染!海外のニュースから見てみる
【コロナワクチン接種後の感染】アメリカ
【コロナワクチン接種後の感染】シンガポール
【コロナワクチン接種後の感染】イスラエル
まとめ
コロナワクチン接種後の感染について解説する前に
コロナワクチン接種後の感染について解説する前に、大切なことをお伝えします。それは、「コロナワクチンを接種すると副反応が起こるかもしれない」ということです。副反応とは、コロナワクチン接種後、ウイルスに対する免疫ができる過程で、様々な症状が現れること。具体的には、注射した部分の痛み、発熱、倦怠感、頭痛、筋肉や関節の痛みなどになります。これらの症状は、基本的に数日もすれば回復していきます。ですが、なかには症状が悪化して苦しいという方もいるかもしれません。なので、もし心配な方、あるいは症状が悪化して苦しいという方は、「千葉県新型コロナワクチン副反応等専門相談窓口」に連絡をしてください。こちらの窓口は24時間体制で相談できるようになっておりますので、深夜に連絡しても大丈夫ですよ。
千葉県新型コロナワクチン副反応等専門相談窓口
電話番号 03-6412-9326
受付時間 24時間(土曜日・日曜日、祝日含む)
コロナワクチン接種後の感染について解説
コロナワクチン接種後でも新型コロナウイルスに感染することはあるのか?結論を申し上げますと、コロナワクチン接種後でも新型コロナウイルスに感染する可能性はあります。というのも、通常コロナワクチンを接種して免疫がつくまでに1~2週間程度かかります。そのため、その期間はコロナワクチンを接種していないのと同じ状態。感染する可能性は十分にあります。また、コロナワクチンを接種後に免疫がついても発症予防効果は100%ではありません。ですので、コロナワクチン接種後も「うがい」「手洗い」「密を避ける」といった感染予防対策は継続するようにしましょう。コロナワクチン接種後の感染について詳しく知りたい方は「厚生労働省のホームページ」をご覧ください。
コロナワクチン接種後の感染!ワクチンごとに有効率を解説
続きまして、コロナワクチン接種後の感染について気をつけるためにも、ワクチンの有効率をお伝えしようと思います。コロナワクチンの有効率を知れば、接種後に感染することがよくわかりますよ。
【コロナワクチン接種後の感染】ファイザー社
ファイザー社の新型コロナワクチンは、通常3週間の間隔で2回接種します。最も高い発症予防効果が得られるのは、2回目を接種してから7日程度経って以降となっております。ファイザー社のコロナワクチンを接種後、体の中である程度の抗体ができるまでに1~2週間程度かかるため、1回目の接種後から2週間程度は、ワクチンを受けていない方と同じくらいの頻度で発症してしまいます。また、臨床試験においてワクチンを2回接種した場合の有効率は約95%となっております。ファイザー社のコロナワクチンについてもっと知りたい方は「ファイザー社のホームページ」をご覧ください。
【コロナワクチン接種後の運動】アストラゼネカ社
アストラゼネカ社の新型コロナワクチンは、通常、4~12週間の間隔で2回接種します。臨床試験において、本ワクチンの接種で十分な免疫が確認されたのは、2回目の接種を受けてから15日以降。また、ワクチンを2回接種した場合の有効率は約70%となっております。
アストラゼネカ社のコロナワクチンについてもっと知りたい方は「アストラゼネカ社のホームページ」をご覧ください。
【コロナワクチン接種後の運動】武田/モデルナ社
武田/モデルナ社の新型コロナワクチンは、通常、4週間の間隔で2回接種します。臨床試験において、本ワクチンの接種で十分な免疫が確認されたのは、2回目を接種してから14日以降となっています。また、ワクチンを2回接種した場合の有効率は約94%となっております。武田/モデルナ社のコロナワクチンについてもっと知りたい方は「武田/モデルナ社のホームページ」をご覧ください。
<コロナワクチン有効率のまとめ>
ファイザー社 約95%
アストラゼネカ社 約70%
武田/モデルナ社 約94%
以上になります。
ご覧の通り、コロナワクチンの有効率は100%ではありません。ですので、コロナワクチンを接種したからといって、油断しないようにしましょう。
コロナワクチン接種後に発熱した状態で人に会うと感染させるってホント?
結論を申し上げますと、コロナワクチン接種後に発熱した状態で人に会っても「感染させることはありません」。というのも、コロナワクチン接種後の発熱は免疫反応で起きるもの。(発熱は上記で挙げた副反応です)。ウイルスの感染による発熱とは異なります。ですから、この免疫反応によって、周りの人にウイルスを感染させることはありません。ただし、たまたま同じ時期に、新型コロナウイルスに感染していた場合には、気付かずに周りの人に感染させる可能性があります。なので、接種後にも感染予防対策を徹底してくださいね。
コロナワクチン接種後の感染!日本国内のニュースから見てみる
ここからは、ニュース記事をもとに日本国内で「コロナワクチン接種後に感染した例」を見ていきたいと思います。
【コロナワクチン接種後の感染】東京都
東京都港区の「みなと保健所」は6月16日から7月21日に届け出のあった新型コロナウイルス感染者1478人のうち、9%にあたる131人がワクチン接種後の感染だったと発表しております。尚、このうち、8割の人は1回目の接種後に感染していたと述べております。
やはり、コロナワクチンの製造メーカーが述べているように、1回の接種ではコロナワクチンの接種を受けていない人とほぼ同じってことですね。
【コロナワクチン接種後の感染】大阪府
大阪府は8月18日に開いた新型コロナウイルス対策本部会議で、3月以降に確認された新規感染者計約8万5千人のうち、ワクチンを接種した人は全体の2・5%の2118人だったとの分析結果を公表しました。尚、2回目のワクチン接種後、免疫を獲得するとされる2週間以上が経過して発症した人は317人(0・4%)で、重症者や死亡者はいなかったそうです。
【コロナワクチン接種後の感染】埼玉県
埼玉県の発表によると、8月12日の新型コロナウイルスの新規感染者は1528人。このうち20~70代の男女37人はコロナワクチン接種を2回受けていたそうです。やはり、コロナワクチンを接種しても感染する可能性は十分にありますので、油断できないですね。
コロナワクチン接種後の感染!海外のニュースから見てみる
ここからは、ニュース記事をもとに海外で「コロナワクチン接種後に感染した例」を見ていきたいと思います。
【コロナワクチン接種後の感染】アメリカ
CDC(アメリカ疾病対策センター)の発表によると、7月にアメリカの一部地域で調査した結果、感染者のおよそ4分の3が、コロナワクチン接種後に感染していたことがわかったそうです。尚、このうち79%に、せきや発熱などの症状が見られたが入院したのは4人で、死者はゼロだったと述べております。
【コロナワクチン接種後の感染】シンガポール
シンガポール保健省が7月に発表した記事によると、過去28日間の感染者1096人のうち44%が2回の接種済みで、別の30%も1回接種していたと述べております。
【コロナワクチン接種後の感染】イスラエル
イスラエルでは、コロナワクチン接種後も感染する人が急増。特にインドで確認された変異ウイルス「デルタ株」に感染する人が増えているそうです。イスラエル政府はこれを受け、2回のコロナワクチン接種を終えている60歳以上の人に対し、8月から3回目の接種を決定。尚、3回目の接種対象者は「2回目の接種をしてから5か月以上たった人」になるそうですよ。
まとめ
では、これまでの内容をまとめると
コロナワクチン接種後の感染について解説する前に
コロナワクチン接種後の感染について解説
コロナワクチン接種後の感染!ワクチンごとに有効率を解説
【コロナワクチン接種後の感染】ファイザー社
【コロナワクチン接種後の運動】アストラゼネカ社
【コロナワクチン接種後の運動】武田/モデルナ社
<コロナワクチン有効率のまとめ>
コロナワクチン接種後に発熱した状態で人に会うと感染させるってホント?
コロナワクチン接種後の感染!日本国内のニュースから見てみる
【コロナワクチン接種後の感染】東京都
【コロナワクチン接種後の感染】大阪府
【コロナワクチン接種後の感染】埼玉県
コロナワクチン接種後の感染!海外のニュースから見てみる
【コロナワクチン接種後の感染】アメリカ
【コロナワクチン接種後の感染】シンガポール
【コロナワクチン接種後の感染】イスラエル
以上になります。
コロナワクチン予防接種終了のお知らせ
この度、当クリニックにおける新型コロナウイルスワクチンの予防接種について、令和6年3月31日をもちましてすべての接種を終了いたしましたのでお知らせいたします。
今後の接種に関するお問い合わせは不要ですので、ご了承ください。
引き続き、皆様の健康を第一に考えた医療サービスの提供に努めてまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
2021.08.19
コロナワクチン接種後の運動について解説
内科に関する記事です。
コロナワクチン接種後に…運動ってしてもいいの?
このような疑問を抱えている方はいませんか?
「コロナワクチン接種当日の運動はダメ」「コロナワクチン接種の翌日も運動はダメ…」「いや、最低でも1週間は運動を控えよう!」など、コロナワクチン接種後の運動については情報が様々あります。
今回はその疑問にお答えするため「コロナワクチン接種後の運動」について解説したいと思います。
この記事では、コロナワクチン接種後の運動と併せて「コロナワクチン製造メーカーの見解」についても解説していきますので、ぜひ最後までお付き合いください。
【目次】
コロナワクチン接種後の運動について解説する前に
コロナワクチン接種後の運動について解説
コロナワクチン接種後の運動はいつからOK?
コロナワクチン接種後にしてはいけない激しい運動ってなに?
【コロナワクチン接種後にしてはいけない激しい運動1】マラソン
【コロナワクチン接種後にしてはいけない激しい運動2】水泳
【コロナワクチン接種後にしてはいけない激しい運動3】球技
コロナワクチン接種後の運動(コロナワクチン製造メーカーの見解)
【コロナワクチン接種後の運動】ファイザー社
【コロナワクチン接種後の運動】アストラゼネカ社
【コロナワクチン接種後の運動】武田/モデルナ社
コロナワクチン接種後の運動についてシンガポールの対応
【コロナワクチン接種後の運動】シンガポール
まとめ
コロナワクチン接種後の運動について解説する前に
コロナワクチン接種後の運動について解説する前に、大切なことをお伝えします。
それは、「コロナワクチンを接種すると副反応が起こるかもしれない」ということです。
副反応とは、コロナワクチン接種後、ウイルスに対する免疫ができる過程で、様々な症状が現れること。
具体的には、注射した部分の痛み、発熱、倦怠感、頭痛、筋肉や関節の痛みなどになります。
これらの症状は、基本的に数日もすれば回復していきます。
ですが、なかには症状が悪化して苦しいという方もいるかもしれません。
なのでもし心配な方、あるいは症状が悪化して苦しいという方は、「千葉県新型コロナワクチン副反応等専門相談窓口」といった自治体の支援制度もご活用ください。
こちらの窓口は24時間体制で相談できるようになっております。
千葉県新型コロナワクチン副反応等専門相談窓口
電話番号 03-6412-9326
受付時間 24時間(土曜日・日曜日、祝日含む)
コロナワクチン接種後の運動について解説
コロナワクチン接種後に運動はしてもいいのか?
接種後、1週間程度は激しい運動をするのはお控えください。
特に若い方(中でも男性に多い)では、接種後4日目くらいから心筋炎が報告されています。
報告では軽症例のみとなっていますが、不整脈などで突然死する可能性が指摘されています。
接種後胸部症状がある方は、特に症状が消失するまでは激しい運動はお控えください。
コロナワクチン接種後の運動はいつからOK?
上記で、コロナワクチン接種後の運動は避けるべきだとお伝えしました。
では、いつから運動はOKなのか?これに対する答えはありません。
コロナワクチン接種後の副反応は個人差が大きく、発熱して2日間寝込む人もいれば、翌日からいつも通りに生活している人もいます。
そのため、運動しても問題ない期間について一概にお伝えすることはできないのです。
こちらについてさらに詳細の情報をお求めの方は厚生労働省のホームページをご覧ください。
コロナワクチン接種後にしてはいけない激しい運動につきまして
基本的にはワクチン接種後すぐの運動は推奨できません。
運動の内容にもよりますが、マラソンや球技、水泳といった一般的な運動はできるだけ控えるか、軽度のトレーニング内容に抑えてください。
コロナワクチン接種後の運動(コロナワクチン製造メーカーの見解)
コロナワクチンの製造メーカーは接種後の運動について、どのように述べているかをみていきたいと思います。
【コロナワクチン接種後の運動】ファイザー社
ファイザー社では、コロナワクチン接種後の運動について、「接種当日の激しい運動は控えてください」と述べております。
具体的な運動について記載はありません。
さらに「〇〇日後から運動OK」という記載もありません。
なので、翌日以降は自分の体調を見ながら各自で判断してください、という意味になるでしょう。
ファイザー社のコロナワクチンについてもっと知りたい方は「ファイザー社のホームページ」をご覧ください。
【コロナワクチン接種後の運動】アストラゼネカ社
アストラゼネカ社では、コロナワクチン接種後の運動について、ファイザー社と同様に「接種当日の激しい運動は控えてください」と述べております。
こちらも「具体的な運動」や「日数」についての記載はありません。
なので、翌日以降は自分の体調を見ながら各自で判断してください、という意味になるでしょう。
アストラゼネカ社のコロナワクチンについてもっと知りたい方は「アストラゼネカ社のホームページ」をご覧ください。
【コロナワクチン接種後の運動】武田/モデルナ社
武田/モデルナ社では、コロナワクチン接種後の運動について、ファイザー社と同様に「接種当日の激しい運動は控えてください」と述べております。
こちらも「具体的な運動」や「日数」についての記載はなし。
ですので、翌日以降は自分の体調を見ながら各自で判断してください、という意味になるでしょう。
武田/モデルナ社のコロナワクチンについてもっと知りたい方は「武田/モデルナ社のホームページ」をご覧ください。
コロナワクチン接種後の運動についてシンガポールの対応
海外の対応についても一部紹介いたします。
こちらは7月に発表されたシンガポールの対応についてです。
シンガポールでは、コロナワクチン接種後の運動について、下記のように述べております。
【コロナワクチン接種後の運動】シンガポール
シンガポールでは、シンガポール保健省が2021年7月5日に新型コロナウイルスワクチンの「最新ガイドライン」を公表しました。
それによると、接種から1週間は激しい運動を控えるよう勧告しております。
シンガポールでは、コロナワクチン接種後に10代の男性1人が心不全に陥るなど、若い男性を中心に「心臓に問題が出るケース」が数件確認。
そのため「さらに慎重を期す措置」として1、2回目ともに接種後1週間は激しい運動を避けるように求めているそうです。
シンガポールはコロナワクチン接種開始当初、運動禁止期間を「12-24時間」としていたそうです。
そう考えると、日本も状況次第では「1週間は運動を控えてください」と勧告される可能性が十分に考えられます。
そうならないためにも、個々が運動を控え、安静に過ごすことが重要です。
【2022年2月追記】新型コロナワクチン接種の当院の状況につきまして
当院ではオミクロン株の新型コロナに対するワクチン接種を行なっております。
接種券をお持ちの方はこちらの千葉市のコロナワクチン予約サイトからご予約ください。
現在非常に多くの患者様に当院をご利用いただいており、お電話でのお問い合わせは大変繋がりにくくなっております。
また誤解されていらっしゃる方もおりますが、当院ではお電話で新型コロナワクチンの予約はできません。
当院では予約を取っておりませんので、診察をご希望の方は以下より当日の順番をお取りいただいた上でご来院いただけるとスムーズに診察が可能です。
当日の順番予約はこちらから
まとめ
では、これまでの内容をまとめますと
コロナワクチン接種後の運動について解説する前に
コロナワクチン接種後の運動について解説
コロナワクチン接種後の運動はいつからOK?
コロナワクチン接種後にしてはいけない激しい運動ってなに?
【コロナワクチン接種後にしてはいけない激しい運動1】マラソン
【コロナワクチン接種後にしてはいけない激しい運動2】水泳
【コロナワクチン接種後にしてはいけない激しい運動3】球技
コロナワクチン接種後の運動(コロナワクチン製造メーカーの見解)
【コロナワクチン接種後の運動】ファイザー社
【コロナワクチン接種後の運動】アストラゼネカ社
【コロナワクチン接種後の運動】武田/モデルナ社
コロナワクチン接種後の運動についてシンガポールの対応
【コロナワクチン接種後の運動】シンガポール
以上になります。
コロナワクチン予防接種終了のお知らせ
この度、当クリニックにおける新型コロナウイルスワクチンの予防接種について、令和6年3月31日をもちましてすべての接種を終了いたしましたのでお知らせいたします。
今後の接種に関するお問い合わせは不要ですので、ご了承ください。
引き続き、皆様の健康を第一に考えた医療サービスの提供に努めてまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
2021.08.17
コロナワクチン接種後の飲酒について解説
内科に関する記事です。
コロナワクチンを接種したけど…。
お酒はいつから飲んでいいの?
このような疑問を抱えている方はいませんか?
「コロナワクチン接種当日の飲酒はダメ…」「コロナワクチン接種の翌日も飲酒はダメ…」「いや、コロナワクチン接種後の飲酒は大丈夫だ」など、コロナワクチン接種後の飲酒については情報がたくさんあります。そのため、どれが真実かわからず、接種を受けた方は困ってしまうのではないでしょうか。
というわけで、この記事ではその疑問にお答えするため「コロナワクチン接種後の飲酒」について解説したいと思います。この記事では「コロナワクチン接種後の飲酒」と併せて「他国の対応」や「コロナワクチン製造メーカーの見解」についても解説していきますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。
それでは、いってみましょう!
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【目次】
コロナワクチン接種後の飲酒について語る前に
コロナワクチン接種後の飲酒について解説
コロナワクチン接種後の飲酒!いつから飲んでいいの?
コロナワクチン接種後に飲酒すると抗体ができにくいって本当なの?
コロナワクチン接種後に飲酒!むくみが生じたけど大丈夫なの?
コロナワクチン接種後の飲酒について解説(コロナワクチン製造メーカーの見解)
【コロナワクチン接種後の飲酒】武田/モデルナ社
【コロナワクチン接種後の飲酒】アストラゼネカ社
【コロナワクチン接種後の飲酒】ファイザー社
コロナワクチン接種後の飲酒について解説(他国の対応)
【コロナワクチン接種後の飲酒】ロシア
【コロナワクチン接種後の飲酒】カナダ
【コロナワクチン接種後の飲酒】イギリス
まとめ
コロナワクチン接種後の飲酒について語る前に
前提としましてコロナワクチンを接種すると副反応が生じます。
具体的には接種部位に痛みが出たり、倦怠感・発熱・頭痛・関節痛などが生じる可能性があります。
そのため接種当日・及び翌日は無理をせず外出を控え、自宅で安静にしておきましょう。
コロナワクチン接種後の飲酒について解説
過度な飲酒は避けてください。過度の飲酒は免疫機能を低下させる可能性があります。そのため、コロナワクチン接種後の副反応(発熱・頭痛・倦怠感)が飲酒により、さらに強くなるかもしれません。なので、接種当日の飲酒は避けるべきでしょう。
厚生労働省のホームページでも同じ見解を述べております。
コロナワクチン接種後の飲酒!いつから飲んでいいの?
いつからであれば、飲酒はOKなのか?これに対する答えはありません。というのも、コロナワクチン接種後の副反応には個人差が大きく、発熱して2日間寝込む人もいれば翌日からいつも通りに生活している人もいます。同様にコロナワクチン接種後、何日が経過したら「飲酒しても問題ない」とは、一概に言えないのです。
コロナワクチン接種後に飲酒すると抗体ができにくいって本当?
上記でお伝えした通り、飲酒は免疫機能を低下させる可能性があります。つまり、「抗体ができにくくなる」ということです。少量の飲酒であればともかく、過度の飲酒は免疫機能を低下させる可能性が高いです。コロナワクチン接種後の飲酒は控えるようにしてください。
コロナワクチン接種後に飲酒!むくみが生じたけど大丈夫なの?
コロナワクチン接種後に飲酒をしてむくみが生じた場合、アルコールが原因ではなく、副反応の可能性があります。症状がひどい場合は「千葉県新型コロナワクチン副反応等専門相談窓口」に連絡をしましょう。
こちらの窓口は24時間体制で相談できるようになっておりますので、いつでも気兼ねなく連絡してください。くれぐれも接種当日は安静にしておきましょう。
千葉県新型コロナワクチン副反応等専門相談窓口
電話番号 03-6412-9326
受付時間 24時間(土曜日・日曜日、祝日含む)
コロナワクチン接種後の飲酒について解説(コロナワクチン製造メーカーの見解)
続きまして、コロナワクチンの製造メーカーは接種後の飲酒について、どのように述べているかをみていきたいと思います。
【コロナワクチン接種後の飲酒】武田/モデルナ社
武田/モデルナ社では、コロナワクチン接種後の飲酒について「接種当日、過度の飲酒等は控えてください」と述べております。それ以降の記載はありません。なので、翌日以降は自分の体調を見ながら各自で判断してください、という意味になると思います。コロナワクチン接種後の飲酒についてもっと詳しく知りたい方は、武田/モデルナ社のホームページをご覧ください。
【コロナワクチン接種後の飲酒】アストラゼネカ社
アストラゼネカ社では、コロナワクチン接種後の飲酒について、武田/モデルナ社と同様に「接種当日、過度の飲酒等は控えてください」と述べております。こちらに関しても、特に「何日以降はよい」という記載はありません。なので、翌日以降は自分の体調を見ながら各自で判断してください、という意味になると思います。コロナワクチン接種後の飲酒についてもっと詳しく知りたい方は、アストラゼネカ社のホームページをご覧ください。
【コロナワクチン接種後の飲酒】ファイザー社
ファイザー社では、コロナワクチン接種後の飲酒について、武田/モデルナ社と同様に「接種当日、過度の飲酒等は控えてください」と述べております。こちらに関しても、特に「何日以降はよい」という記載はなし。やはり、翌日以降は自分の体調を見ながら各自で判断してくださいってことですね。コロナワクチン接種後の飲酒についてもっと詳しく知りたい方は、ファイザー社のホームページをご覧ください。
以上が製造メーカー3社による見解です。
3社とも当日の飲酒は控えてくださいと言っておりますので、接種当日の飲酒はお控えください。
コロナワクチン接種後の飲酒について解説(他国の対応)
最後に他国ではコロナワクチン接種後の飲酒について、どのように述べているかをご紹介していきたいと思います。
【コロナワクチン接種後の飲酒】ロシア
ロシアでは、同国の新型コロナウイルスワクチン「スプートニクV」の接種を受ける人に対して、約2カ月間飲酒を控えてほしいと訴えました。禁酒により、抗体ができる効果を高めたい、という意図があるようです。尚、この政府の発表に対して国民は反発。SNSなどでは「科学的根拠に乏しい」「それなら接種は無理だ」「飲まない方が不健康になる!」などの声が相次いだそうです。
【コロナワクチン接種後の飲酒】カナダ
カナダでは、コロナワクチン接種後の飲酒について明確な回答を出していない模様。
ブリティッシュコロンビア州政府防疫当局が運営する「新型コロナウイルス予防接種案内サイト」に飲酒に関する質問が届いたところ「ワクチン接種後に飲酒に関する具体的な勧告事項を持っていない」と回答があったそうです。
【コロナワクチン接種後の飲酒】イギリス
イギリスでは、専門家たちが「コロナワクチン接種前後の飲酒は控えるべきだ」と警告しております。『Lad Bible』の報道によると、イギリスの救急医学の専門家、ロンクス・カリア博士は、被験者にプロセッコをグラス3杯飲んでもらい、その前後の血液サンプルを採取し、アルコールの影響を調べる実験を行いました。その結果、飲酒することで、血液の中のリンパ球細胞レベルを50%も低下させたことを発見したそうです。リンパ球細胞の減少はワクチンの有効性を低下させる可能性が高いです。そのため、安全を期すためにもワクチン接種の前後にはアルコールを止めるよう人々に促しているそうです。
体調に異常を感じた方はいつでもご相談ください
当院はどなたでも、どんな些細な不調も相談できる千葉市のかかりつけ医を目指しております。
熱が出ていなくとも身体に違和感を感じたり、いつもと調子が違ったり、小さなことでも気になることがありましたらいつでも板谷内科クリニックにお越しください。
当院では予約を承っていませんが、少しでも患者の皆さまが快適に診察を受けられるよう、以下から当日の順番をお取りいただけます。
当日の順番予約はこちらから
まとめ
では、これまでの内容をまとめると
コロナワクチン接種後の飲酒について語る前に
コロナワクチン接種後の飲酒について解説
コロナワクチン接種後の飲酒!いつから飲んでいいの?
コロナワクチン接種後に飲酒すると抗体ができにくいって本当なの?
コロナワクチン接種後に飲酒!むくみが生じたけど大丈夫なの?
コロナワクチン接種後の飲酒について解説(コロナワクチン製造メーカーの見解)
【コロナワクチン接種後の飲酒】武田/モデルナ社
【コロナワクチン接種後の飲酒】アストラゼネカ社
【コロナワクチン接種後の飲酒】ファイザー社
コロナワクチン接種後の飲酒について解説(他国の対応)
【コロナワクチン接種後の飲酒】ロシア
【コロナワクチン接種後の飲酒】カナダ
【コロナワクチン接種後の飲酒】イギリス
以上になります。
コロナワクチン予防接種終了のお知らせ
この度、当クリニックにおける新型コロナウイルスワクチンの予防接種について、令和6年3月31日をもちましてすべての接種を終了いたしましたのでお知らせいたします。
今後の接種に関するお問い合わせは不要ですので、ご了承ください。
引き続き、皆様の健康を第一に考えた医療サービスの提供に努めてまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
2021.08.16
千葉市のコロナワクチン接種率について解説
内科に関する記事です。
コロナワクチンの接種が始まったけど…
千葉市では、どれだけの人が接種しているの?
この記事では、この疑問にお答えするため「千葉市のコロナワクチン接種率」について解説していきたいと思います。また、それと併せて、コロナワクチンの接種率を上げるために、「各地域がどのような取り組みをしているのか?」「他国ではどのような取り組みをしているのか?」ということについても解説していきたいと思います。ぜひ最後までお付き合いくださいね。
それでは、いってみましょう!
【目次】
千葉市のコロナワクチン接種率について解説前に
千葉市のコロナワクチン接種率について解説(令和3年8月12日時点)
【千葉市のコロナワクチン接種率】1回目
【千葉市のコロナワクチン接種率】2回目
日本のコロナワクチン接種率について解説(令和3年8月13日時点)
【日本のコロナワクチン接種率】1回目
一都三県のコロナワクチン接種率について解説(令和3年8月13日時点)
【一都三県のコロナワクチン接種率】1回目
【一都三県のコロナワクチン接種率】2回目
コロナワクチンの接種率を上げるための取り組みについて紹介
【コロナワクチンの接種率を上げるための取り組み】東京都
【コロナワクチンの接種率を上げるための取り組み】群馬県
【コロナワクチンの接種率を上げるための取り組み】広島県
【コロナワクチンの接種率を上げるための取り組み】アメリカ
【コロナワクチンの接種率を上げるための取り組み】香港
【コロナワクチンの接種率を上げるための取り組み】マカオ
【コロナワクチンの接種率を上げるための取り組み】タイ
【コロナワクチンの接種率を上げるための取り組み】オーストラリア
まとめ
千葉市のコロナワクチン接種率について解説前に
千葉市のコロナワクチン接種率について解説する前に、まずは千葉市の「コロナワクチン接種予約」についてお伝えします。千葉市では現在、すべての接種対象者(千葉市に住民票がある方)の予約を受け付けております。ですので、以前は予約ができなかったという人も、再度、お問い合わせしてみてください。予約に関することは「コロナワクチンナビ」や千葉市コロナワクチン接種コールセンターからご確認できますよ。
千葉市のコロナワクチン接種率について解説(令和3年8月12日時点)
それでは、千葉市のコロナワクチン接種率についてご紹介していきます。わかりやすくするために「65歳以上」「全年代」「医療従事者」の3つに分けて解説していきますね。尚、下記でご紹介する「医療従事者等」は、接種実施機関の所在地(千葉市内での接種分)別に集計しているため参考値となっております。また、7月29日をもってV-SYS(ワクチン接種円滑化システム)による接種券付き予診票の実績報告機能が終了していることから、それまでに報告された分のみとなっておりますので、あらかじめご了承ください。コロナワクチンの接種率は以下の通りです。
※V-SYSとは、ワクチンの配送に関する情報のやりとりを行うためのシステムのことです。
【千葉市のコロナワクチン接種率】1回目
65歳以上(医療従事者等以外) 接種人数 220,096人 接種率 87.30%
全年代(医療従事者等以外) 接種人数 331,333人 接種率 34.07%
医療従事者等(参考値) 接種人数 51,122人 接種率 不明
合計 接種人数 382,455人 接種率 39.33%
【千葉市のコロナワクチン接種率】2回目
65歳以上(医療従事者等以外) 接種人数 210,343人 接種率 83.43%
全年代(医療従事者等以外) 接種人数 265,337人 接種率 27.28%
医療従事者等(参考値) 接種人数 47,989人 接種率 不明
合計 接種人数 313,326人 接種率 32.22%
以上でございます。
尚、65歳以上の接種率は千葉市の65歳以上人口である252,123人を分母とし、全年代の接種率は千葉市の全人口である972,516人を分母としております。(令和2年1月1日時点)
千葉市のコロナウイルス感染状況についてもっと詳しく知りたい方は、千葉市のホームページをご覧ください。
日本のコロナワクチン接種率について解説(令和3年8月13日時点)
続きましては、日本のコロナワクチン接種率を見ていきたいと思います。首相官邸のホームページをもとにまとめてみました。コロナワクチン接種率の詳細は以下の通りです。
【日本のコロナワクチン接種率】1回目
日本国内 接種人数 61,757,353人 接種率 48.6%
【日本のコロナワクチン接種率】2回目
日本国内 接種人数 46,422,145人 接種率 36.5%
現時点での日本全体のコロナワクチン接種率はおよそ3割ほどとなっています。
日本全体のコロナウイルス感染状況についてもっと詳しく知りたい方は、厚生労働省のホームページをご覧ください。
一都三県のコロナワクチン接種率について解説(令和3年8月13日時点)
ここでは、一都三県のコロナワクチン接種率を見ていきたいと思います。上記と同じく、首相官邸のホームページをもとにまとめてみました。詳細は以下の通りです。
【一都三県のコロナワクチン接種率】1回目
東京都 接種人数 5,630,047人 接種率 40,69%
埼玉県 接種人数 2,621,470人 接種率 35,47%
千葉県 接種人数 2,377,837人 接種率 37,63%
神奈川県 接種人数 3,437,748人 接種率 37,33%
【一都三県のコロナワクチン接種率】2回目
東京都 接種人数 3,888,416人 接種率 28,11%
埼玉県 接種人数 1,986,404人 接種率 26,88%
千葉県 接種人数 1,806,213人 接種率 28,58%
神奈川県 接種人数 2,596,362人 接種率 28,19%
一都三県で見ると千葉県のコロナワクチン接種率は2番目に高いものの、まだ接種率3割もいっておりません。
患者様のためにも、1人でも多くの方への接種が必要です。
コロナワクチンの接種率を上げるための取り組みについて紹介
ここからは、コロナワクチンの接種率を上げるために「各地域ではどのような取り組みをしているのか?」。また「世界各国ではどのような取り組みをしているのか?」についてご紹介していきます。
【コロナワクチンの接種率を上げるための取り組み】東京都
東京都ではコロナワクチンの接種率を上げるための取り組みとして、新たな取り組みが発表されました。それは、新型コロナウイルスワクチンを接種した20~30代の若者に、スマートフォンアプリで「ポイント」や「クーポン」を付与するキャンペーンです。これにより、若年層のコロナワクチン接種率を上げるとのこと。これに関しては色々と意見があると思いますが、都内の感染者の約7割は30代以下。なので、インセンティブ(動機付け)を与え、ワクチン接種を促進する政策は感染拡大を抑えるために有効な手だと思います。
【コロナワクチンの接種率を上げるための取り組み】群馬県
群馬県ではコロナワクチンの接種率を上げるため抽選を実施。対象者は、20代,30代で新型コロナワクチンを2回接種した県民の方になるそうです。ちなみに、抽選では自動車や宿泊券が当たるそうですよ。これは接種する若者が増えそうですね。
【コロナワクチンの接種率を上げるための取り組み】広島県
広島県内の商業施設やホテルは、コロナワクチンの接種率を上げるためにサービスを開始。コロナワクチン接種を受けた人には、様々な特典があるそうです。例えば、広島マリーナホップは、施設内の16店で割引をスタート。接種を証明するシールを貼った「接種済証」を見せると、水族館の入場料が100円安くなったり、飲食店で飲み物1杯が無料になったりするそうですよ。
【コロナワクチンの接種率を上げるための取り組み】アメリカ
アメリカのカリフォルニア州では、2021年6月中旬に全面的に経済活動が再開したものの、若者世代の接種率の低さが大きな課題となっておりました。そこで、州は「マクドナルド」と手を組み、州内の70以上の店舗で接種を開始。予約は不要で、店内で接種を行った人には、ハンバーガーのセットメニューが無料で提供されるそうです。コロナワクチンの接種率を上げる取り組みとしては、なんともユニークですね。
【コロナワクチンの接種率を上げるための取り組み】香港
香港では、政府が民間企業と協力して、ワクチン接種を促す施策を行っているとのこと。例えば、香港の大手不動産会社は、2021年5月21日に、接種が完了した市民を対象に、約1億5000万円のマンションが当たる抽選を実施することを発表したそうです。これは凄い取り組みですね。
【コロナワクチンの接種率を上げるための取り組み】マカオ
マカオのメルコリゾーツ&エンターテインメント社では、従業員の接種率向上を目指すプログラムを用意。ワクチン接種当日と翌日は有給休暇を取得でき、完了した際には、約1万3600円の現金が支給されるそうです。さらに、全従業員の接種率が目標値に達成した場合には、1人あたり約1360万円の賞金が当たる抽選が実施されるとのこと。さすがエンターテイメントを生業にしている会社だけあって、やることが豪華ですね。
【コロナワクチンの接種率を上げるための取り組み】タイ
タイ北部チェンマイ県メーチェム地区では、接種者を対象に毎週1人ずつ生きた牛1頭をプレゼント。この取り組みにより、コロナワクチンの接種率向上を目指しているそうです。ちなみに、このプレゼント企画によってコロナワクチン登録者数が大幅に増加したそうですよ。
【コロナワクチンの接種率を上げるための取り組み】オーストラリア
オーストラリアは、大手航空会社カンタス航空が、コロナワクチンの接種率を上げるための取り組みを実施。具体的には、接種率向上による旅行業界の回復を目指して、ワクチン接種者に対して1000ポイントの商品引換券をプレゼント。さらに、10組の当選者限定で、1年間国内を自由に飛び回ることができるフライトパスを提供することを発表したそうです。確かに、航空業界は感染拡大が収まらないと業績が悪化する一方なので、この打ち手は素晴らしいと思います。
以上がコロナワクチンの接種率を上げるための取り組みです。
ユニークなものから、豪華なものまで様々。特典も各国によって全然違います。しかし、どの国も思いはひとつ。それは、コロナウイルスの収束を心から祈っているということです。1日でも早く平和な世になることを願っております。
まとめ
では、これまでの内容をまとめると
千葉市のコロナワクチン接種率について解説前に
千葉市のコロナワクチン接種率について解説(令和3年8月12日時点)
【千葉市のコロナワクチン接種率】1回目
【千葉市のコロナワクチン接種率】2回目
日本のコロナワクチン接種率について解説(令和3年8月13日時点)
【日本のコロナワクチン接種率】1回目
一都三県のコロナワクチン接種率について解説(令和3年8月13日時点)
【一都三県のコロナワクチン接種率】1回目
【一都三県のコロナワクチン接種率】2回目
コロナワクチンの接種率を上げるための取り組みについて紹介
【コロナワクチンの接種率を上げるための取り組み】東京都
【コロナワクチンの接種率を上げるための取り組み】群馬県
【コロナワクチンの接種率を上げるための取り組み】広島県
【コロナワクチンの接種率を上げるための取り組み】アメリカ
【コロナワクチンの接種率を上げるための取り組み】香港
【コロナワクチンの接種率を上げるための取り組み】マカオ
【コロナワクチンの接種率を上げるための取り組み】タイ
【コロナワクチンの接種率を上げるための取り組み】オーストラリア
以上になります。
コロナワクチン予防接種終了のお知らせ
この度、当クリニックにおける新型コロナウイルスワクチンの予防接種について、令和6年3月31日をもちましてすべての接種を終了いたしましたのでお知らせいたします。
今後の接種に関するお問い合わせは不要ですので、ご了承ください。
引き続き、皆様の健康を第一に考えた医療サービスの提供に努めてまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
2021.08.15
コロナワクチンの副反応を紹介
内科に関する記事です。
コロナワクチンを接種したいけど…。
副反応が怖い。
このような悩みを抱えている方はいませんか?
「コロナワクチンを接種したら髪の毛が抜ける」「コロナワクチンを接種したら頭が痛くなる」など、コロナワクチンを接種しようと考えている方は、副反応の情報に戸惑い、接種をためらっているのではないでしょうか。
今回はそんな方に向けて『コロナワクチンの副反応』について解説していきます。この記事は厚生労働省の発表をもとに、丁寧に説明していきますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。
それではいってみましょう!
【目次】
コロナワクチンの副反応って悪いことなの?
コロナワクチンの主な副反応
【コロナワクチンの主な副反応1】頭痛
【コロナワクチンの主な副反応2】疲労感
【コロナワクチンの主な副反応3】接種部位の痛み
【コロナワクチンの主な副反応4】筋肉痛
【コロナワクチンの主な副反応5】関節痛
【コロナワクチンの主な副反応6】発熱
【コロナワクチンの主な副反応7】悪寒
【コロナワクチンの主な副反応8】吐き気・嘔吐
【コロナワクチンの主な副反応9】下痢
【コロナワクチンの主な副反応10】リンパ節症
【コロナワクチンの主な副反応11】発赤・紅斑
コロナワクチン接種後に起こるアナフィラキシーとは?
コロナワクチン接種に起こるアナフィラキシーの件数
コロナワクチン接種!稀に起こる副反応
【コロナワクチンの副反応】心筋炎・心膜炎
コロナワクチンの副反応について心配な方へ
まとめ
コロナワクチンの副反応って悪いことなの?
コロナワクチンを接種すると数日後に副反応が起こることがあります。例えば、注射した部分の痛み、疲労、頭痛、筋肉や関節の痛みなど。ときには発熱することもあるでしょう。これらの副反応は一見すると体に異常をきたしているように思います。しかし副反応が生じるのは、免疫反応のあらわれと考えられ、きちんと免疫ができている証拠ともいえます。ですので「副反応=悪い」という考え方をしないようにしてくださいね。尚、こうした症状の大部分は、接種後数日以内に回復しますよ。どうしても心配な方は厚生労働省のホームページをご覧ください。コロナワクチンの安全性と副反応について言及しております。
コロナワクチンの主な副反応
ここからは、コロナワクチンの主な副反応について解説していきます。コロナワクチンの接種を検討されている方は、ぜひご覧くださいね。尚、副反応について調べるコロナワクチンは2種類。現在日本で接種できる「ファイザー社のワクチン」と「武田/モデルナ社のワクチン」で調べております。
【コロナワクチンの主な副反応1】頭痛
1番目にご紹介するコロナワクチンの主な副反応は『頭痛』です。厚生労働省の発表によると、「ファイザー社」「武田/モデルナ社」ともに50%以上の確率で、接種後に頭痛の副反応があるとのことです。
【コロナワクチンの主な副反応2】疲労感
2番目にご紹介するコロナワクチンの主な副反応は『疲労感』です。厚生労働省の発表によると、「ファイザー社」「武田/モデルナ社」ともに50%以上の確率で、接種後に頭痛の副反応があるとのことです。
【コロナワクチンの主な副反応3】接種部位の痛み
3番目にご紹介するコロナワクチンの主な副反応は『接種部位の痛み』です。厚生労働省の発表によると、「ファイザー社」「武田/モデルナ社」ともに50%以上の確率で、接種後に接種部位の痛みの副反応があるとのことです。
【コロナワクチンの主な副反応4】筋肉痛
4番目にご紹介するコロナワクチンの主な副反応は『筋肉痛』です。厚生労働省の発表によると「武田/モデルナ社」で50%以上。「ファイザー社」で10〜50%の確率で、接種後に筋肉痛の副反応があるとのことです。
【コロナワクチンの主な副反応5】関節痛
5番目にご紹介するコロナワクチンの主な副反応は『関節痛』です。厚生労働省の発表によると、「ファイザー社」「武田/モデルナ社」ともに10〜50%以上の確率で、接種後に関節痛の副反応があるとのことです。
【コロナワクチンの主な副反応6】発熱
6番目にご紹介するコロナワクチンの主な副反応は『発熱』です。厚生労働省の発表によると、「ファイザー社」「武田/モデルナ社」ともに10〜50%以上の確率で、発熱の副反応があるとのことです。
【コロナワクチンの主な副反応7】悪寒
7番目にご紹介するコロナワクチンの主な副反応は『悪寒』です。厚生労働省の発表によると、「ファイザー社」「武田/モデルナ社」ともに10〜50%以上の確率で、悪寒の副反応があるとのことです。
【コロナワクチンの主な副反応8】吐き気・嘔吐
8番目にご紹介するコロナワクチンの主な副反応は『吐き気・嘔吐』です。厚生労働省の発表によると、「武田/モデルナ社」で10〜50%以上。「ファイザー社」で1〜10%の確率で、接種後に吐き気・嘔吐の副反応があるとのことです。
【コロナワクチンの主な副反応9】下痢
9番目にご紹介するコロナワクチンの主な副反応は『吐き気・嘔吐』です。厚生労働省の発表によると、「ファイザー社」のコロナワクチンを接種後、10〜50%以上の確率で下痢の副反応があるとのことです。尚、「武田/モデルナ社」のコロナワクチンに関しては「下痢の副反応なし」となっております。
【コロナワクチンの主な副反応10】リンパ節症
10番目にご紹介するコロナワクチンの主な副反応は『リンパ節症』です。厚生労働省の発表によると、「武田/モデルナ社」のコロナワクチンを接種後、10〜50%以上の確率でリンパ節症の副反応があるとのことです。尚、「ファイザー社」のコロナワクチンに関しては「リンパ節症の副反応なし」となっております。
【コロナワクチンの主な副反応11】発赤・紅斑
11番目にご紹介するコロナワクチンの主な副反応は『発赤・紅斑』です。厚生労働省の発表によると、「武田/モデルナ社」のコロナワクチンを接種後、10〜50%以上の確率で発赤・紅斑の副反応があるとのことです。尚、「ファイザー社」のコロナワクチンに関しては「発赤・紅斑の副反応なし」となっております。
以上が主な副反応です。
尚、「武田/モデルナ社」のコロナワクチンに関しては、接種後7日以降も「接種部位の痛み」が出ております。ですので「武田/モデルナ社」のほうが、「ファイザー社」より、副反応が強い傾向があると言えるでしょう。
コロナワクチン接種後に起こるアナフィラキシーとは?
アナフィラキシーとは急性のアレルギー反応のこと。アレルゲンなどが体内に入ることによって、複数の臓器や全身にアレルギー症状が表れることを言います。コロナワクチンを接種すると、ごく稀に『アナフィラキシー』の副反応を起こす人がいます。この症状は放っておくと、命に危険が生じる可能性がありますが、心配いりません。なぜなら、コロナワクチン接種後に「アナフィラキシー」が起こるかを確認するため、接種会場で約30分程度の待機時間を設けているからです。また、どの接種会場でも、すぐに専門の医師が対応できるよう環境を整えております。そのため、これまでにコロナワクチン接種後「アナフィラキシー」を起こして死亡したケースはありません。必要以上にアナフィラキシーを恐れないようにしてくださいね。アナフィラキシーについて言及しているサイトでも、同様のことを言っておりますよ。
コロナワクチン接種に起こるアナフィラキシーの件数
これまでに報告されたアナフィラキシーの件数は「ファイザー社」のコロナワクチンについては、製造販売業者から1,853件(100万回接種あたり32件)が報告され、そのうち325件(100万回接種あたり6件)が専門家によりアナフィラキシー(ブライトン分類1~3)と評価されました。一方、武田/モデルナ社ワクチンについては医療機関から46件(100万回接種あたり25件)が報告され、そのうち2件(100万回接種あたり1.1件)が専門家によりアナフィラキシー(ブライトン分類1~3)と評価されました。以上のことからわかるように、アナフィラキシーが起こる確率は非常に低いと言えるでしょう。もっと知りたい方は、アナフィラキシーについて述べているサイトをご覧ください。より詳しく分かりますよ。
コロナワクチン接種!稀に起こる副反応
続いては、コロナワクチン接種後、稀に見られる副反応をご紹介します。この症状はコロナワクチン接種との因果関係がとれていない症状です。なので、参考程度にご覧ください。
【コロナワクチンの副反応】心筋炎・心膜炎
『心筋炎・心膜炎』は稀に見られるコロナワクチンの副反応はです。厚生労働省の発表によると、コロナワクチン接種後に心筋炎・心膜炎の症状を訴える報告が「武田/モデルナ社」で1例。「ファイザー社」で31例あったそうです。
コロナワクチンの副反応について心配な方へ
当院では、2021年5月から「コロナワクチンの接種」を行なっております。ワクチン接種の際は患者さまの不安を解消することに尽力し、丁寧な診察を心がけております。ですので、もし副反応についてご心配のある方は、お気軽にご相談くださいね。尚、コロナワクチン供給量の関係で現在は予約をストップしております。予約受付開始は当院の「ホームページ」にてお知らせしますので、ぜひご確認くださいね。
まとめ
では、これまでの内容をまとめると
コロナワクチンの副反応って悪いことなの?
コロナワクチンの主な副反応
【コロナワクチンの主な副反応1】頭痛
【コロナワクチンの主な副反応2】疲労感
【コロナワクチンの主な副反応3】接種部位の痛み
【コロナワクチンの主な副反応4】筋肉痛
【コロナワクチンの主な副反応5】関節痛
【コロナワクチンの主な副反応6】発熱
【コロナワクチンの主な副反応7】悪寒
【コロナワクチンの主な副反応8】吐き気・嘔吐
【コロナワクチンの主な副反応9】下痢
【コロナワクチンの主な副反応10】リンパ節症
【コロナワクチンの主な副反応11】発赤・紅斑
コロナワクチン接種後に起こるアナフィラキシーとは?
コロナワクチン接種に起こるアナフィラキシーの件数
コロナワクチン接種!稀に起こる副反応
【コロナワクチンの副反応】心筋炎・心膜炎
コロナワクチンの副反応について心配な方へ
以上になります。
コロナワクチン予防接種終了のお知らせ
この度、当クリニックにおける新型コロナウイルスワクチンの予防接種について、令和6年3月31日をもちましてすべての接種を終了いたしましたのでお知らせいたします。
今後の接種に関するお問い合わせは不要ですので、ご了承ください。
引き続き、皆様の健康を第一に考えた医療サービスの提供に努めてまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
2021.07.23
千葉市で接種できるコロナワクチンの種類
内科に関する記事です。
千葉市で接種できるコロナワクチンって…。
どんな種類があるの?
このような悩みを抱えている、千葉市在住の方はいませんか?
「どの種類のコロナワクチンがいいかわからない…」「何種類のコロナワクチンから選べるの?」など、コロナワクチンの接種を検討されている方は、どの種類を接種しようか迷い、困っているのではないでしょうか。
今回はそんな方に向けて『千葉市で接種できるコロナワクチンの種類』をご紹介していきます。この記事では、ワクチンの種類について詳しく説明していきますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。
それではいってみましょう!
【目次】
千葉市で接種できるコロナワクチンの種類を語る前に
千葉市で接種できるコロナワクチンは2種類
千葉市で接種できるコロナワクチンの種類について解説!mRNAワクチンとは?
千葉市で接種できるコロナワクチンを詳しくご紹介
【千葉市で接種できるコロナワクチンの種類1】ファイザー社の新型コロナワクチン
<ファイザー社の新型コロナワクチンの接種対象者>
<ファイザー社の新型コロナワクチンの接種方法>
<ファイザー社の新型コロナワクチンの接種回数と接種間隔>
<ファイザー社の新型コロナワクチンの有効性2つ>
【千葉市で接種できるコロナワクチンの種類2】武田/モデルナ社の新型コロナワクチン
<武田/モデルナ社の新型コロナワクチンの接種対象者>
<武田/モデルナ社の新型コロナワクチンの接種方法>
<武田/モデルナ社の新型コロナワクチンの接種回数と接種間隔>
<武田/モデルナ社の新型コロナワクチンの有効性2つ>
千葉市で接種できるコロナワクチンの種類について解説!接種当日の注意事項2つ
【千葉市で接種できるコロナワクチンの種類!当日の注意事項1】発熱していないか
【千葉市で接種できるコロナワクチンの種類!当日の注意事項2】肩の出しやすい服装
千葉市で接種できるコロナワクチンの種類について解説!接種後の注意事項3つ
【千葉市で接種できるコロナワクチンの種類!接種後の注意事項1】15分(30分)以上の待機
【千葉市で接種できるコロナワクチンの種類!接種後の注意事項2】清潔に保つ
【千葉市で接種できるコロナワクチンの種類!接種後の注意事項3】運動・飲酒の禁止
まとめ
千葉市で接種できるコロナワクチンの種類を語る前に
コロナワクチンの種類を語る前に、まずはワクチンについてご説明します。ワクチンとは、感染症の原因となるウイルスや細菌を精製・加工し、病原性を弱めたりなくしたりして、体にとって安全な状態にしたもの。つまり、本当にかかる前にワクチンを接種して、その感染症に対する抵抗力(免疫)を作っておこうというわけです。なので、コロナワクチンを打ったからといって、コロナウイルスに感染しないわけではありません。しかしコロナワクチンを接種することで、重症化を防いだり、発熱やせきなどの症状が出ること(発症)を防ぐ効果があります。また、接種を受けていただくことで、重症者や死亡者が減ることが期待されております。気になる方は厚生労働省のホームページをご覧ください。コロナワクチンについて詳しく書いておりますよ。
千葉市で接種できるコロナワクチンは2種類
現在、千葉市で接種できるコロナワクチンの種類は2種類です。一つは「ファイザー社の新型コロナワクチン」。もう一つは「武田/モデルナ社の新型コロナワクチン」です。いずれも『メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン』になります。詳しい違いについては、下記でご説明しますね。尚、厚生労働省のホームページにて、現在日本国内で接種できるワクチンを調べたところ、同じく2種類でした。(2021年7月22日地点)
千葉市で接種できるコロナワクチンの種類について解説!mRNAワクチンとは?
2種類のワクチンを説明する前に、「メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン」について簡単に語ります。(以下: mRNAワクチン)。mRNAワクチンとは、犯人の設計図(mRNA)を体の中に入れる方法のワクチン。体がコロナの設計図を覚えることで、侵入してきたウイルスを撃退します。じゃあ、mRNAワクチン以外のワクチンはどういう仕組みなのか?他のワクチン(生ワクチン、不活化ワクチン)の場合は、設計図ではなく、「犯人(ウイルス)そのもの、あるいはウイルスの一部」を体の中に入れます。それにより、体に覚えさせ撃退するんです。わかりにくい説明ですみません。とりあえず、mRNAワクチンとは「犯人の設計図(mRNA)を体の中に入れる方法のワクチン」ということだけ、覚えていただければ結構です。気になる方は、mRNAワクチンについてわかりやすく解説しているサイトがありますので、そちらをご覧ください。
千葉市で接種できるコロナワクチンを詳しくご紹介
では、ここからは「ファイザー社の新型コロナワクチン」と「武田/モデルナ社の新型コロナワクチン」について、詳しく解説していきますね。
【千葉市で接種できるコロナワクチンの種類1】ファイザー社の新型コロナワクチン
ファイザー社の新型コロナワクチンは、上述した通り「mRNAワクチン」です。SARS-CoV-2のスパイクタンパク質(ウイルスがヒトの細胞へ侵入するために必要なタンパク質)の設計図となるmRNAを脂質の膜に包んだ製剤になります。本剤を接種し、mRNAがヒトの細胞内に取り込まれると、このmRNAを基に細胞内でウイルスのスパイクタンパク質が産生されます。そして、スパイクタンパク質に対する中和抗体産生及び細胞性免疫応答が誘導されることで、SARS-CoV-2による感染症の予防ができると考えられているのです。尚、詳しく知りたい方はファイザー社のホームページをご覧ください。丁寧に解説していますよ。
<ファイザー社の新型コロナワクチンの接種対象者>
接種対象者は12歳以上の方になります。
<ファイザー社の新型コロナワクチンの接種方法>
通常は、三角筋(上腕の筋肉)に、1回0.3mLを筋肉注射という方法で接種します。
<ファイザー社の新型コロナワクチンの接種回数と接種間隔>
1回目の接種後、通常、3週間の間隔で2回目の接種。(接種後3週間を超えた場合は、できるだけ速やかに2回目の接種を受けてください)
※1回目に本ワクチンを接種した場合は、2回目も必ず同じワクチン接種を受けてください。
<ファイザー社の新型コロナワクチンの有効性2つ>
① 新型コロナウイルス感染症の発症を予防します。
② ワクチンを受けた人が受けていない人よりも、新型コロナウイルス感染症を発症した人が少ないということが分かっています。(発症予防効果は約95%と報告されています)尚、本ワクチンの接種で十分な免疫ができるのは、2回目の接種を受けてから7日程度経って以降とされています。
【千葉市で接種できるコロナワクチンの種類2】武田/モデルナ社の新型コロナワクチン
武田/モデルナ社の新型コロナワクチンは、ファイザー社と同じく「mRNAワクチン」です。そのため、ワクチンの種類に関する説明も同様になります。気になる方は上記、もしくは武田薬品工業のホームページをご覧ください。丁寧に解説していますよ。
<武田/モデルナ社の新型コロナワクチンの接種対象者>
接種対象者は18歳以上の方になります。
<武田/モデルナ社の新型コロナワクチンの接種方法>
通常は、三角筋(上腕の筋肉)に、1回0.5mLを筋肉注射という方法で接種します。
<武田/モデルナ社の新型コロナワクチンの接種回数と接種間隔>
1回目の接種後、通常、4週間の間隔で2回目の接種。(接種後4週間を超えた場合は、できるだけ速やかに2回目の接種を受けてください)
※1回目に本ワクチンを接種した場合は、2回目も必ず同じワクチン接種を受けてください。
<武田/モデルナ社の新型コロナワクチンの有効性2つ>
① 新型コロナウイルス感染症の発症を予防します。ワクチンを受けた人が受けていない人よりも、新型コロナウイルス感染症を発症した人が少ないということが分かっています。(発症予防効果は約94%と報告されています)尚、本ワクチンの接種で十分な免疫ができるのは、2回目の接種を受けてから14日以降です。
②コロナウイルス発症時の重症化を予防する効果がございます。
千葉市で接種できるコロナワクチンの種類について解説!接種当日の注意事項2つ
ここでは、上記2種類のワクチンを接種する当日に注意することを2つお伝えします。大事なことになのでご確認ください。
【千葉市で接種できるコロナワクチンの種類!当日の注意事項1】発熱していないか
コロナワクチン接種前に、ご自宅で体温を測定してください。明らかな発熱がある場合や体調が悪い場合などは、接種を控え、接種を受ける予定の施設にご連絡するようお願いします。
【千葉市で接種できるコロナワクチンの種類!当日の注意事項2】肩の出しやすい服装
上記2種類のコロナワクチンは、通常、三角筋(上腕の筋肉)に接種します。ですので、肩の出しやすい服装を着るようにしましょう。
千葉市で接種できるコロナワクチンの種類について解説!接種後の注意事項3つ
最後に、ワクチン接種後に注意することを3つお伝えします。接種を終えたからといって油断しないでくださいね。
【千葉市で接種できるコロナワクチンの種類!接種後の注意事項1】15分(30分)以上の待機
コロナワクチン接種後、15分以上(過去にアナフィラキシーを含む重いアレルギー症状を起こしたことがある方や、気分が悪くなったり、失神等を起こしたりしたことがある方は30分以上)は接種を受けた施設で待機してください。その際、体調に異常を感じた場合には、速やかに医師へ連絡しましょう。(急に起こる副反応に対応できます。)
【千葉市で接種できるコロナワクチンの種類!接種後の注意事項2】清潔に保つ
コロナワクチンを注射した部分は清潔に保ってください。ちなみに、接種当日の入浴は問題ありませんが、注射した部分はこすらないように注意してくださいね。
【千葉市で接種できるコロナワクチンの種類!接種後の注意事項3】運動・飲酒の禁止
コロナワクチン接種当日は、通常の生活は問題ありません。しかし激しい運動や過度の飲酒等は控えてください。
尚、厚生労働省ホームページを見ると、コロナワクチンは「現時点での感染予防効果が十分には明らかになっていません。ワクチン接種にかかわらず、適切な感染防止策を行う必要があります」と発表しております。つまり、ワクチン接種をしても引き続き感染予防対策を徹底しましょう、ということですね。みなさん大変かと思いますが、感染予防効果がはっきりするまで、感染対策を続けましょうね。
まとめ
では、これまでの内容をまとめると
千葉市で接種できるコロナワクチンの種類を語る前に
千葉市で接種できるコロナワクチンは2種類
千葉市で接種できるコロナワクチンの種類について解説!mRNAワクチンとは?
千葉市で接種できるコロナワクチンを詳しくご紹介
【千葉市で接種できるコロナワクチンの種類1】ファイザー社の新型コロナワクチン
【千葉市で接種できるコロナワクチンの種類2】武田/モデルナ社の新型コロナワクチン
千葉市で接種できるコロナワクチンの種類について解説!接種当日の注意事項2つ
【千葉市で接種できるコロナワクチンの種類!当日の注意事項1】発熱していないか
【千葉市で接種できるコロナワクチンの種類!当日の注意事項2】肩の出しやすい服装
千葉市で接種できるコロナワクチンの種類について解説!接種後の注意事項3つ
【千葉市で接種できるコロナワクチンの種類!接種後の注意事項1】15分(30分)以上の待機
【千葉市で接種できるコロナワクチンの種類!接種後の注意事項2】清潔に保つ
【千葉市で接種できるコロナワクチンの種類!接種後の注意事項3】運動・飲酒の禁止
以上なります。
コロナワクチン予防接種終了のお知らせ
この度、当クリニックにおける新型コロナウイルスワクチンの予防接種について、令和6年3月31日をもちましてすべての接種を終了いたしましたのでお知らせいたします。
今後の接種に関するお問い合わせは不要ですので、ご了承ください。
引き続き、皆様の健康を第一に考えた医療サービスの提供に努めてまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
2021.07.22
千葉市のコロナワクチン!予約に関することを紹介
内科に関する記事です。
コロナワクチンの接種が始まったけど…。
千葉市では、いまだに予約ができない。
このような悩みを抱えている、千葉市在住の方はいませんか?
「コロナワクチンは不足している…」「コロナワクチンは届いてもすぐになくなる…」など、コロナワクチンの接種を希望される方は、毎日変わる状況に頭を悩まし、困っているのではないでしょうか。
今回はそんな方に向けて『千葉市のコロナワクチンの予約状況』について解説していきたいと思います。この記事では予約状況と併せて、「再開目処」や「予約時の注意点」について解説していきますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。
それではいってみましょう!
【目次】
千葉市のコロナワクチン!予約状況について語る前に
千葉市のコロナワクチン!予約状況について
<個別接種会場>
<集団接種会場>
千葉市のコロナワクチン!新規予約の再開について
<千葉市のコロナワクチン予約のスケジュール>
千葉市のコロナワクチン!予約方法ついて解説
千葉市のコロナワクチン!予約する場所は住民票が基準
千葉市のコロナワクチン!予約方法
<個別接種会場>
<集団接種会場>
千葉市のコロナワクチン!1回目と2回目の同時予約について
千葉市のコロナワクチン!予約状況の確認について
千葉市のコロナワクチン!予約のキャンセルについて
<個別接種会場>
<集団接種会場>
千葉市のコロナワクチン!予約時の注意点3つ
【千葉市のコロナワクチン!予約時の注意点1】同じワクチンを接種すること
【千葉市のコロナワクチン!予約時の注意点2】重複して予約しないこと
【千葉市のコロナワクチン!予約時の注意点3】キャンセル時はすぐに連絡すること
千葉県のコロナワクチン事情について
まとめ
千葉市のコロナワクチン!予約状況について語る前に
コロナワクチンの予約状況について語る前に、まずはコロナワクチンの供給量に関することをお伝えします。千葉市のホームページによると「ワクチン供給量は、これまで千葉市が必要としていた供給量を下回ることが予想される」との記載がありました。そのため、今後はコロナワクチンの供給量に合わせ、その範囲内で接種体制を見直すとのことです。以上のことから、8月9日(月曜日)以降の集団接種会場は接種体制を縮小し、開設日が変更となっております。詳しくは、千葉市のホームページをご覧くださいね。
千葉市のコロナワクチン!予約状況について
先にあげた通り、現在はコロナワクチンが不足しているため予約を行っておりません。(2021年7月20日地点)。とはいえ、状況は毎日のように変わります。ですので、予約状況について気になる方は、千葉市コロナワクチン接種コールセンター(0120-57-8970)にお問い合わせしてみてください。こちらの窓口は、コロナワクチン接種予約に関することに加え、「接種場所」「接種発行権」についても教えてくれますよ。尚、予約状況についてのお問い合わせは「個別接種会場」と「集団接種会場」少し異なります。詳しくは以下の通りです。
<個別接種会場>
接種総合案内サイト「コロナワクチンナビ」でご確認いただくか、各医療機関または千葉市コロナワクチン接種コールセンター(0120-57-8970)にお問い合わせ。
<集団接種会場>
千葉市ワクチン接種予約サイトでご確認いただくか、千葉市コロナワクチン接種コールセンター(0120-57-8970)にお問い合わせ。
千葉市のコロナワクチン!新規予約の再開について
千葉市のホームページによりますと、千葉市では7月26日(月曜日)からコロナワクチンの新規予約を再開すると記載しております。ただし注意点がひとつ。それは、7月26日(月曜日)から8月1日(日曜日)までは「基礎疾患を有する方」「高齢者施設等の従事者」「60歳以上の方」を優先に予約を開始。それ以外の方は(59歳以下)、8月2日(月曜日)から予約を受け付けるとのことです。尚、予約受付再開後に予約された方の接種は、8月9日(月曜日)以降となっておりますので、ご注意ください。念の為、下記に予約再開日程をまとめておきますね。
<千葉市のコロナワクチン予約のスケジュール>
7月26日(月曜日)〜 「基礎疾患を有する方」「高齢者施設等の従事者」「60歳以上の方」
8月2日(月曜日)〜 59歳以下
※予約受付再開後に予約された方の接種は、8月9日(月曜日)以降
千葉市のコロナワクチン!予約方法ついて解説
続きましては、コロナワクチン接種の予約方法について解説していきます。予約に関して、いくつか注意点がございますので、気をつけてくださいね。尚、現在、当院では、コロナワクチンの予約を一時的にストップしております。予約再開に関しては、板谷内科クリニックのトップページにてお知らせ致しますので、ご確認くださいね。
千葉市のコロナワクチン!予約する場所は住民票が基準
コロナワクチンの接種は、原則として住民票がある市町村(住所地)の医療機関等となっております。ですので、予約する際は住所変更がないかご確認ください。尚、千葉市は、市医師会の協力により、かかりつけ医など身近な医療機関での個別接種を中心に行い、補完的に市の公共施設で集団接種を実施しているとのことです。
千葉市のコロナワクチン!予約方法
コロナワクチンの予約は、会場により異なります。ですので、接種会場を決め、そこに記載されている予約方法に従うといった感じになります。(1回目と2回目の予約方法が異なる場合があります)尚、千葉市ホームページにて、個別接種会場と集団接種会場について調べたところ以下のような記載がありました。
<個別接種会場>
7月20日地点で医療機関の情報は載っておりません。予約受付再開後に改めて医療機関のご案内いたしますとのことです。尚、上記で書いた通り、当院ではコロナワクチンの予約再開にホームページにてお知らせする予定です。ぜひご覧ください。
<集団接種会場>
千葉市のホームページによると、コロナワクチンの集団接種会場は以下の3つです。上述した通り、現在は予約を行っておりませんのでご注意ください。
① 千葉中央コミュニティセンター 9時00分から17時00分まで
② イコアス千城台 10時30分から18時30分まで
③ 花見川保健福祉センター 9時00分から17時00分まで
尚、1回目の接種を受けた方の2回目の接種の予約受付はコールセンターでのみ、受け付けております。(予約サイトは一時停止しています)
千葉市コロナワクチン接種コールセンター
電話番号:0120-57-8970
※ おかけ間違いにご注意ください!
受付時間:8時30分から18時00分まで(土日・祝日を含む)
千葉市のコロナワクチン!1回目と2回目の同時予約について
千葉市のホームページによると、1回目と2回目の同時予約についてこう記載してありました。個別接種会場については各医療機関にて直接確認。一方、集団接種会場については、電話で予約する場合は1回目の予約時にあわせて2回目を予約。WEBで予約いただく場合は、千葉中央コミュニティセンターは1回目の予約時にあわせて2回目を予約。イコアス千城台及び花見川保健福祉センターは1回目の接種の際に会場で予約いただきます、とのことです。
千葉市のコロナワクチン!予約状況の確認について
コロナワクチンの予約状況を確認する方法は個別と集団で異なります。個別接種会場の場合は各医療機関に直接確認。一方、集団接種会場の場合は、千葉市ワクチン接種予約サイトでご確認いただくか、千葉市コロナワクチン接種コールセンター(0120-57-8970)にお問い合わせください。
千葉市のコロナワクチン!予約のキャンセルについて
コロナワクチンの予約をキャンセルすることは可能です。しかし供給されるワクチン量が限られています。なので、体調不良などのやむを得ない場合以外のキャンセルは、なるべくお控えください。尚、やむを得ない事情が発生した場合は、下記のとおりご対応ください。
<個別接種会場>
医療機関ごとに予約方法や取扱いが異なります。直接ご予約の医療機関にご連絡ください。
<集団接種会場>
千葉市ワクチン接種予約サイトで行っていただくか、千葉市コロナワクチン接種コールセンター(0120-57-8970)にお問い合わせください
千葉市のコロナワクチン!予約時の注意点3つ
ここでは、コロナワクチン予約に関する注意点を3つお伝えします。一人一人がルールを守ることで、より多くの方が接種可能になりますよ。
【千葉市のコロナワクチン!予約時の注意点1】同じワクチンを接種すること
新型コロナワクチンは一定の間隔を空けて2回接種を受けていただく必要があります。その際に1回目と2回目は、必ず同じ種類のワクチンの接種を受けてください。
【千葉市のコロナワクチン!予約時の注意点2】重複して予約しないこと
実際に接種を受ける2回分を超えて、複数の医療機関や集団接種会場に重複して予約しないようにお願いします。現在、予約が取れずに困っている方もいらっしゃいますので、何卒ご協力ください。
【千葉市のコロナワクチン!予約時の注意点3】キャンセル時はすぐに連絡すること
やむを得ず予約日に接種を受けられない場合は、速やかに千葉市コロナワクチン接種コールセンター(0120-57-8970)に連絡してください。そうすることで、より多くの方が接種可能になります。
千葉県のコロナワクチン事情について
最後に千葉県のコロナワクチン事情についてお伝えします。現在、千葉県では新型コロナウイルス感染症のまん延予防のため、円滑なワクチン接種を実施していくことができるよう、国、市町村及び医療関係団体等と連携を強化し、コロナワクチンの接種を進めております。高齢者(65歳以上)の接種については8月9日現在、千葉県の高齢者の8割以上の方が第2回目まで接種を完了。一般接種においても、ワクチンの供給量に応じ順次進めている模様です。以上、千葉県のコロナワクチン事情でございました。
まとめ
では、これまでの内容をまとめると
千葉市のコロナワクチン!予約状況について語る前に
千葉市のコロナワクチン!予約状況について
千葉市のコロナワクチン!新規予約の再開について
千葉市のコロナワクチン!予約方法ついて解説
千葉市のコロナワクチン!予約する場所は住民票が基準
千葉市のコロナワクチン!予約方法
千葉市のコロナワクチン!1回目と2回目の同時予約について
千葉市のコロナワクチン!予約状況の確認について
千葉市のコロナワクチン!予約のキャンセルについて
千葉市のコロナワクチン!予約時の注意点3つ
千葉県のコロナワクチン事情について
以上になります。
コロナワクチン予防接種終了のお知らせ
この度、当クリニックにおける新型コロナウイルスワクチンの予防接種について、令和6年3月31日をもちましてすべての接種を終了いたしましたのでお知らせいたします。
今後の接種に関するお問い合わせは不要ですので、ご了承ください。
引き続き、皆様の健康を第一に考えた医療サービスの提供に努めてまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
2021.07.21
都賀駅前の内科。風邪、頭痛、腹痛、体調不良など気になる症状は内科の診察を
内科に関する記事です。
千葉市若葉区都賀にあります当クリニックでは、内科の診察・診療を行っております。
「どの診療科にかかったらよいのか分からない」ということはありませんか?
気になる症状があるとき、何科に行くべきか迷ったときは、ご相談ください。
今回は、内科の診察・診療についてのご紹介と、内科の診察や検査の流れについて、ご案内します。 都賀の内科:内科とは
一般内科(内科)とは、風邪、発熱、頭痛、腹痛、体調不良など、一般的でよくある症状や疾患に対応する診療科です。
日本における開業医(内科)は総合診療医として位置付けられており、どんな症状の初期治療にも対応するのが特徴です。
さまざまな症状や、患者さまの健康上の不安に対して、広い視点から診察します。
内科は、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、腎臓内科、内分泌内科、神経内科、糖尿病内科など数多くの専門に分化していますが、風邪、頭痛、腹痛など、頻度の高いよくある病気は、一般内科で対応します。
これらのよくある症状の裏には、重大な病気が潜んでいることがあります。
疾患の緊急性や重篤性、複数の疾患が背景にあるのか、どの治療を優先するのか、専門の医療機関への連携など、多角的に判断していきます。
当クリニックでは、日本内科学会認定内科医が、適切な診察と診療を行います。
日本内科学会認定医制度概要
また、必要に応じて専門の医療機関をご紹介しています。
どの診療科に行ったららよいのか分からない、科が複数にまたがる、セカンドオピニオン、専門医療機関への紹介をご希望の場合にも、まずはお気軽にご相談ください。
千葉市若葉区都賀の病院をお探しでしたら、千葉市医師会作成 の千葉市医療保健情報マルチメディアシステム「わたしの町のお医者さん」で検索できます。
都賀の内科:総合内科専門医とは
内科全領域をさらに深く広く診察・診療できる知識を持つ医師の育成を目指して、日本内科学会が整備している資格です。
「総合内科専門医」の医師像
総合内科専門医は、 広く深く病気のことを考え、内科診療を幅広くかつ専門的に行います。
内科系の全領域に広い知識・洞察力を持ち,身体・精神の統合(全身)的・機能的視野から診断・治療を行ないます。
どの科を受診したらいいのかわからないという患者さまの症状を、総合的に診断、診察します。
また、一見、どの科を受診するのわかりやすいという症状であっても、その背景には、内科的問題が潜んでいる場合もあります。
総合内科専門医は、日常診療から健康管理、予防医学まで、総合的に相談できる、地域に根ざしたかかりつけ医の役割を果たしています。
当クリニックは、1989年の開院以来、心身のどんな御相談にも応じる姿勢で診療を続けて参りました。
1.わかりやすい言葉・わかりやすい形で提供するよう心掛けています。
2.安心して通院していただけるような明るくてあたたかいクリニックを目指しています。
3.どの科に行っていいか分からない、この病気は特にどこの病院に行くのがいいか分からないといった御相談にも対応いたします。
専門的治療が必要な場合は、直ちにご希望の病院へご紹介いたします。
病気や治療でお困りのことがございましたらお気軽にご相談ください。
「かかりつけ医」とは(定義)
なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師。
引用:日本医師会
こちらのサイトは、身体の症状・悩みに合わせ、千葉市若葉区都賀のクリニック・病院、ドクターの情報を調べることができます。
都賀の内科:こんなときは内科の診察を
気になる症状が出たときに、いったい病院の何科にかかればよいのかと、迷ってしまうことがあると思います。
内科では、さまざまな症状や疾患に対応いたします。
軽い症状であっても、重大な病気の前兆の場合もあります。
どの科にかかったらよいのかわからない、迷ったときは、まず内科の診察を受けることをおすすめします。
アレルギー性鼻炎
蕁麻疹
花粉症
肩こり
食欲不振・減退
胸焼け
吐き気
嘔吐
嘔気
立ちくらみ
体重減少
だるい
疲れ・疲労
動悸
むくみ
胸痛
発熱
風邪
このような症状はありませんか?
都賀駅徒歩1分、都賀M3ビル1階にある、当クリニックへお越しください。
こちらのサイトでも、千葉市若葉区都賀にある呼吸器内科の診察ができるクリニックを探すことができますよ。
厚生労働省では平成30年度に「上手な医療のかかり方を広めるための懇談会」を開催し、その懇談会では議論の取りまとめとともに「いのちをまもり、医療をまもる」国民プロジェクト宣言!が為されました。
「上手な医療のかかり方」プロジェクトとは
この度、病院・診療所にかかるすべての国民の皆さまと、国民の健康をまもるために、日夜力を尽くす医師・医療従事者のために、「上手な医療のかかり方」プロジェクトを開始しました。
医療の危機と現場の状況は深刻で、「いのちをまもること」「医療をまもること」は日本にとっても、私たちの身近にとっても喫緊の課題です。これは、国、自治体、医療提供者、民間企業、市民社会などをはじめ、医療の恩恵を被る「すべての人」が考え、参加し、行動すべき、国民的プロジェクトだと我々は考えています。
引用:上手な医療のかかり方-厚生労働省公式ウェブサイト
都賀の内科:診察や診療の流れ
診察と診療の流れをご案内します。
初診の持ち物
健康保険証
お薬手帳(お持ちの方はご持参ください)
紹介状(お持ちの方はご持参ください)
当クリニックでは、予約不要で、当日受診いただけます。
2回目からは、アイチケット広場にて、当日の「診察の順番」をお取りいただけますので、ぜひご利用ください。
問診票の記入と診察
初診では、現在の症状や、治療中の疾患の有無、これまでの病歴、薬のアレルギーなどの問診票に記入していただきます。
ご不安な点、症状について困っていることなど、問診票に記入しきれなかったことがあれば、直接お伝えください。
検査による診断
問診の後、必要に応じて検査を行います。
都賀駅3分の板谷内科クリニックで行なっている検査は、血液検査とレントゲン(X線)検査があります。
血液検査
検査内容:
血液の細胞状態や脂肪分、その他様々な成分を調べることで臓器や身体に異常がないかを確かめます。
検査をお勧めするかた:
息切れがする、めまい、発熱、喉の痛み、コレステロール値が高いなどの症状があるかた
検査時間:
検査から結果が出るまではおよそ30分ほどかかります。
検査前の注意:
可能な限り検査の12時間前から食事をお控えください
検査によってわかる病気:
貧血
肝炎
高コレステロール血症
腎不全など
レントゲン(X線)検査
検査内容:
血液の細胞状態や脂肪分、その他様々な成分を調べることで臓器や身体に異常がないかを確かめます。
心臓や血管の形・状態などをレントゲンを使って映し出して調べる検査です。
心臓や肺の動静脈の状態、骨密度など色々なことがわかります。
検査をお勧めするかた:
呼吸が苦しい、息切れがする、咳が出る、お腹が張っている、便秘などの症状があるかた
検査時間:
およそ10分ほど
検査前の注意:
撮影部位にある金属類(アクセサリーなど)、エレキバンや湿布などは取り外してください。
妊娠またはその可能性がある方は事前にお知らせください。
検査によってわかる病気:
気管支炎
肺炎
肺がん
気胸
便秘症
腸閉塞など
クリニックでの検査の結果は、すぐに判明します。
診察と検査結果をもとに、病気や治療法について、丁寧にご説明します。
都賀の内科:まとめ
内科とは、総合内科として全身を診ることを基本としています。
「何となく調子が悪い」「気になる症状があるが、どこの科かかったらいいのか分からない」といったお悩みは、まず御相談ください。
たいした病気ではないかもしれなと思っていても、大きな病気の前兆であったり、ほかの病気が潜んでいる場合もあります。
健康について不安があるときは、まず、内科の診察を受けることをおすすめします。
当クリニックでは、新型コロナ対策も進めております。
待ち時間短縮を目ざし、当ホームページから診察の順番を取れるようにいたしました。
大型スクリーンによるサーモグラフィ導入と共に、2020年8月には、改装と換気工事を行いました。
こまめな換気を行いつつ、通常の5倍の空気清浄機を稼働させております。
都賀駅徒歩1分に駐車場があります。
都賀駅前の駐車場は12台分あります。お車でも安心してお越しください。
急な体調不良はもちろん、何科に行くべきかわからない症状や、健康上の不安は、千葉市若葉区都賀エリアの地域のみなさまのかかりつけ医、板谷内科クリニックへ、ぜひお気軽にご相談ください。
千葉県千葉市の都賀駅周辺の内科、板谷内科クリニックの診療内容はこちらです。
2021.04.19