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糖尿病による自宅入院とは何か:メリットや費用も解説
2025.02.05
この記事では「糖尿病による自宅入院」について解説していきます。後半部分では「自宅入院中の食事療法」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
糖尿病による自宅入院とは
自宅入院が推奨される糖尿病患者
自宅入院の準備と環境整備
血糖自己測定について
自宅での血糖管理
自宅入院中の食事療法
運動療法と生活管理
自宅入院時の緊急時の対応と注意点
自宅入院の経済的側面
まとめ:専門医からの自宅入院アドバイス
糖尿病による自宅入院とは
糖尿病の治療方法には、患者が一定期間病院に入院し、食事療法、運動療法、薬物療法などについて専門家から集中的に指導を受ける「教育入院」というアプローチがあります。この教育入院に似た効果を、自宅にいながら得ることを目指したのが「自宅入院」です。自宅入院は従来の病院での教育入院とは異なり、患者が自宅で集中的な医療指導を受けられる革新的な取り組みです。
具体的には、患者が慣れ親しんだ自宅環境で、医療専門家からきめ細やかなサポートを受けられるため、心理的負担を軽減しつつ、効果的な治療を進めることが可能となります。
また、医療チームは遠隔指導や定期的なオンライン面談を通じて、患者の生活スタイルに合わせた個別支援を提供します。これにより、単なる医学的介入を超えた、包括的で持続可能な糖尿病管理が実現します。
自宅入院が推奨される糖尿病患者
糖尿病の自宅入院は、特定の条件を満たす患者にとって最適な治療アプローチとして注目されています。
では、どのような方が「自宅入院」の対象になるのでしょうか。主に、病状が軽症から中等症の患者が対象です。この範囲の患者は血糖値のコントロールが比較的安定しており、深刻な合併症のリスクが低い状態にあるからです。また、自己管理能力が高い患者も、自宅入院の最良の候補者となります。
自己管理能力が高い方は、日常的に自己血糖測定ができ、適切な食事管理や定期的な運動を実践できるからです。さらに、「オンライン面談」に積極的に参加でき、家族や周囲のサポート体制が整っている患者も適しています。
家族やサポート体制の充実は、治療に対する精神的な安心感をもたらし、継続的な管理と生活改善の重要な要素となるからです。このように、自宅入院は患者の状態や生活環境に応じた柔軟なアプローチを可能にしているため、新しい医療モデルとして注目されています。ただし、重症の糖尿病患者や急性期の合併症がある患者、自己管理が困難な患者には適していませんので、ご注意ください。
自宅入院の準備と環境整備
効果的な自宅入院を実現するためには、綿密な準備が不可欠です。以下に、自宅入院に向けた具体的な準備と注意点をご紹介します。
<必要な医療機器>
自宅入院を成功させるためには、以下の医療機器を事前に準備することが重要です。
・血糖測定器(正確な測定が可能な最新モデル)
・インスリン注入器またはインスリンペン
・血圧計
・体重計
・体温計
・パルスオキシメーター(酸素飽和度測定器)
・必要に応じて持続血糖測定システム
<血糖管理スペースの整備>
自宅内に血糖測定と記録のための専用スペースを確保することが重要です。専用スペースは、明るく清潔で、医療機器を安全に保管できる場所を選んでください。なお、測定結果を記録するノートやアプリを準備し、経過を正確に追跡できるようにしてください。また、測定時に必要な消毒綿や絆創膏なども常備しておくことをお勧めします。
<緊急時の連絡体制と対応>
自宅入院中は、迅速な緊急対応が可能な連絡体制を構築する必要があります。担当医の連絡先、最寄りの病院の情報、家族や介護者の緊急連絡先をわかりやすい場所に掲示してください。また、低血糖や高血糖時の対処法について、事前に医療チームから詳細な指示を受け、対応マニュアルを準備することが大切です。
自宅入院を成功させるには、医療機器の準備だけでなく、生活環境全体を整備することが重要です。バランスの取れた食事のための調理スペース、定期的な運動を行うためのエリア、十分な休息が取れる環境など、総合的な生活空間の最適化が求められます。
血糖自己測定について
血糖自己測定(SMBG:Self-Monitoring of Blood Glucose)は、患者自身が専用の測定器を使って指先から少量の血液を採取し、血糖値を測定する方法です。
この自己測定は、糖尿病治療において非常に重要な役割を果たしています。特にインスリン治療中の患者にとって、低血糖の早期発見や予防、インスリン量の調整に不可欠なツールとなっています。血糖値は食事、運動、ストレスなどの影響で日内変動が大きいため、定期的な医療機関での検査だけでは、日々の血糖値の変動を把握することが困難です。
そのため、自己測定によって血糖値を測定することが重要です。血糖自己測定により、食前・食後の血糖値の変化や、運動による影響を確認することができるため、より細やかな治療調整が可能となります。また、測定結果を記録することで、生活習慣と血糖値の関係性を理解し、自己管理能力の向上にもつながります。なお、測定頻度については治療内容や血糖コントロールの状態によって個人差がありますが、一般的な目安として、インスリン治療中の方は1日3-4回(毎食前と就寝前)の測定が推奨されます。
また、経口糖尿病薬を使用している方は、基本的には主治医の指示に従いますが、週に2-3回程度の測定で十分な場合も多いです。
定期的な測定により、より安全で効果的な糖尿病治療を実現することができます。
自宅での血糖管理
正確な測定値を得るためには、適切な手順で実施することが不可欠です。
ここでは、患者ご自身が安全かつ正確に血糖値を測定するための手順をわかりやすく説明します。まずは測定を始める前に、以下の物品をご準備ください。
<必要な物品>
・血糖測定器
・血糖測定用センサー
・穿刺器具
・穿刺針(ランセット)
・アルコール綿
・記録ノート
・使用済み針専用の廃棄容器
以下、正確に血糖値を測定するための手順です。
<測定手順>
1.必要物品を準備します
測定に必要な物品をすべて手の届く場所に用意します。そして測定器の電源を入れ、正常に作動することを確認します。なお、センサーの使用期限を確認し、期限切れのものは使用しないようにしてください。
2.流水で手を洗い、乾かす
微温湯でしっかりと手を洗います。手が冷たいと血液が出にくいため、必要に応じて少し温めてください。そして清潔なタオルでよく水分を拭き取ってください。
3.穿刺具に針をセットします
新しい穿刺針を取り出し、穿刺器具に正しくセットします。この時、針先に触れないよう注意してください。なお、深さ調整は自分の皮膚の厚さに合わせて設定してください。
4.測定器にセンサーをセットします
センサーを測定器に差し込みます。この時、測定器の表示を確認し、正しく認識されているか確認します。エラーが表示された場合は、センサーを差し直してください。
5.消毒綿で指先(手のひら)を消毒し、よく乾燥させます
アルコール綿で穿刺部位を丁寧に消毒します。アルコールが完全に乾いてから穿刺を行ってください。アルコールが残っていると、測定値に影響を与える可能性がありますので、ご注意ください。
6.穿刺します
中指か薬指の腹部の端から少し内側を穿刺します。同じ場所を繰り返し穿刺しないよう、部位をローテーションすることが大切です。
7.必要量の血液をセンサーに吸い取ります
十分な量の血液が出たら、センサーの先端を血液に軽く触れさせます。強く押しつけたり、こすりつけたりせず、自然に吸い上げられるのを待ちます。
8.数秒程度で結果が表示されます
測定器の表示画面に測定値が表示されるまで、静かに待ちます。エラーが表示された場合は、新しいセンサーで再測定を行ってください。
9.結果を記録します
測定値を記録ノートに記入します。日付、時間、食事との関係(食前・食後など)も併せて記録しておくと、血糖値の変動パターンを把握するのに役立ちます。
10.針を針捨てに捨てて片付けます
使用済みの穿刺針は、必ず専用の廃棄容器に入れます。決して家庭ごみとして捨てないでください。廃棄容器がいっぱいになったら、かかりつけの医療機関や薬局に相談するか、お住まいの自治体の指示に従って適切に処分してください。なお、自治体によって処分方法が異なりますので、事前に確認することをお勧めします。
自宅入院中の食事療法
糖尿病の自宅入院において、食事療法は最も重要な治療戦略の一つです。そのため、糖尿病患者は、医療チームと栄養士が作成した個別の食事プランに従い、慎重に食事を選択し、調理することが求められます。適切な栄養管理は、血糖コントロールと全身の健康維持に直接的な影響を与えますので、積極的に取り組むことが重要です。なお、近年は、糖尿病患者向けの宅配食サービスが大きな助けとなっています。これらのサービスは、栄養バランスが計算された専門的な食事を自宅に届けるため、患者の負担を大幅に軽減できます。ただし、宅配食に完全に頼るのではなく、自分で調理するスキルを身につけることも大切です。食事療法では、少量の炭水化物、適切なタンパク質、十分な野菜をバランスよく摂取し、血糖指数(GI値)の低い食品を選ぶことが鍵となります。また、食事プランは患者ごとに異なるため、医療チームと定期的に相談しながら、自分に合った食事療法を継続的に実践することが、自宅入院の成功につながります。
運動療法と生活管理
糖尿病の自宅入院において、運動療法は治療の重要な柱となります。適切な運動は血糖値の管理だけでなく、身体全体の健康に大きな影響を与える重要な治療戦略です。また、インスリンの感受性を高め、代謝機能を改善し、心血管系の健康を促進する効果があるため、医療チームと相談しながら継続的に取り組むことが大切です。以下に、自宅でできる運動プログラムをご紹介します。
<自宅でできる運動プログラム>
・スクワット(1日10〜15回、3セット)
・ストレッチング(朝晩各10分)
・椅子に座ってできる軽いレジスタンス運動
・やさしいヨガや太極拳の基本動作
・自転車エルゴメーター(体力に応じて15〜30分)
・軽いダンベル運動
運動療法は糖尿病管理において非常に重要な要素です。ただし、個人の体力や健康状態によって適切な運動強度は異なるため、必ず担当医師に相談し、安全で効果的な運動プログラムを設計することが重要です。無理をせず、徐々に運動習慣を身につけていくことが成功の鍵となります。
自宅入院時の緊急時の対応と注意点
糖尿病の自宅入院中には、予期せぬ事態が発生する可能性があります。そのため、不測の事態に備えて、事前に準備を整えることが極めて重要です。患者自身と家族が緊急時の対応方法を十分に理解し、冷静に行動できるようにすることが、安全で安心な自宅入院の鍵となります。以下に、具体的な対応方法と注意点について説明します。
【自宅入院時の緊急時の対応と注意点1】高血糖時の対処法
高血糖は深刻な合併症を引き起こす可能性があるため、迅速かつ適切な対応が求められます。
血糖値が300mg/dL以上に達した場合、まず主治医に連絡し、指示を仰いでください。また、水分を十分に摂取し、インスリン追加投与などの指示を受けることが重要です。なお、ケトアシドーシスの症状(吐き気、腹痛、呼吸困難など)がある場合は、直ちに救急医療機関への受診が必要となります。
【自宅入院時の緊急時の対応と注意点2】低血糖時の対処法
低血糖の症状が現れた際、まずは意識の有無を確認し、状況に応じて適切な対応をとる必要があります。ここでは、「意識がある場合」と「意識が朦朧としている場合」の2つのシナリオに分けて、具体的な対処法を紹介します。
<意識がある場合>
意識がある状態で低血糖症状が現れた場合、速やかに血糖値を上昇させることが重要です。まず、ブドウ糖10gまたは砂糖10g、あるいはブドウ糖を含むジュース150〜200mLを摂取します。これらの糖分は速やかに吸収され、血糖値の上昇を促します。ただし、ブドウ糖や砂糖以外の糖分は効果が現れるまでに時間がかかるため、避けるべきです。
そして次に、摂取後15分経過しても症状が改善しない、または血糖値が60mg/dL以下の場合は、同量の糖分を再度摂取します。それでも回復が見られない場合は、直ちに医療機関を受診する必要があります。
なお、特に注意が必要なのは、α-グルコシダーゼ阻害薬を服用している患者です。この薬剤は多糖類の分解・吸収を抑制するため、砂糖などでは低血糖への対処として効果がありません。
そのため、必ずブドウ糖を携帯しておくことが重要です。低血糖への対処を効果的に行うためには、日頃から準備をしておくことが大切です。ブドウ糖や砂糖を常に携帯し、定期的に血糖値をチェックする習慣をつけてください。
また、家族や周囲の人々にも低血糖の症状と対処法を理解してもらい、必要な際にサポートを受けられるようにしておくことが重要です。
<意識が朦朧としている場合>
意識が朦朧としている、または自分で対応できない重度の低血糖状態の場合は、周囲の人の助けが不可欠です。この状況では、患者自身がブドウ糖を摂取することが困難なため、家族や周囲の人が適切な対応をとる必要があります。まず、ブドウ糖や砂糖を患者の口に含ませたり、飲み込むことが難しい場合は、口唇や歯肉に塗りつけるなどの応急処置を行います。
これにより、少量でも糖分が吸収され、血糖値の上昇が期待できます。さらに、より効果的な対処法として、グルカゴン注射があります。
グルカゴンは血糖値を上昇させるホルモンです。1バイアル(1mg)を筋肉内または皮下に注射することで、速やかに血糖値を上昇させることができます。特に1型糖尿病患者や重篤な低血糖のリスクが高い患者には、医師からグルカゴン注射が処方され、使用方法が説明されます。なお、これらの応急処置を行った後は、速やかに主治医に連絡を取るか、または救急医療機関を受診することが重要です。
重度の低血糖は生命に関わる可能性があるため、専門的な医療処置が必要となる場合がありますので、ご注意ください。
低血糖状態に対処するためには、日頃から、家族や周囲の人々に低血糖の症状と対処法について理解してもらい、グルカゴン注射の使用方法やブドウ糖の保管場所を共有しておくことが大切です。また、患者自身も定期的に血糖値をチェックし、低血糖のリスクが高まる状況(食事の遅れ、激しい運動後など)に注意を払うことが重要です。
適切な準備と周囲の理解があれば、重度の低血糖にも迅速かつ効果的に対応することができます。
【自宅入院時の緊急時の対応と注意点3】救急医療機関への連絡基準
以下の症状が現れた場合は、即座に救急医療機関に連絡または受診してください。
・血糖値が400mg/dL以上で改善しない場合
・意識レベルの低下や、けいれんなどの神経学的症状がある場合
・呼吸困難や激しい腹痛がある場合
・高熱や severe な感染症の兆候がある場合
・インスリンショックの疑いがある場合
【自宅入院時の緊急時の対応と注意点4】家族の支援体制
自宅入院中の患者にとって、家族のサポートは非常に重要です。緊急時の連絡体制を事前に確立し、家族全員が対応手順を理解しておく必要があります。
患者の血糖測定器の使用方法、緊急連絡先、救急車の呼び方などを共有し、いつでも迅速に対応できるよう準備しておくことが大切です。
自宅入院中の緊急時対応は、事前の準備と冷静な判断が生命を守ります。定期的に主治医と相談し、最新の対応マニュアルを確認してください。患者本人と家族が協力し、リスクに備えることで、安全で効果的な自宅入院を実現できます。
自宅入院の経済的側面
通常の入院医療と比べると、自宅入院は医療費を大幅に削減できる可能性があります。病院での入院治療は、一日あたりの入院費用が高額になることが多く、経済的負担が大きくなりがちです。一方、自宅入院では医療資源を効率的に活用でき、入院に伴う間接的な費用も抑えられます。例えば、交通費、付き添いや面会の費用、仕事を休むことによる収入減少などが軽減される点は大きなメリットです。
さらに、近年では多くの健康保険会社が遠隔医療や自宅入院に対する保険適用範囲を拡大しています。このため、医療保険の観点からも自宅入院は費用削減の選択肢となり得ます。ただし、保険適用の条件や範囲は保険会社や地域によって異なるため、事前に自身の保険プランを確認することが重要です。自宅入院を検討する際は、保険適用範囲について十分に確認してください。
まとめ:専門医からの自宅入院アドバイス
自宅入院には、患者の生活環境を最大限に活用しながら、医療チームが継続的なサポートを提供できるという大きな利点があります。特に、日常生活の中で直接的な医療指導を受けられるため、個々の生活習慣に合わせたきめ細やかな治療が可能です。一方で、自宅入院にはいくつかの課題もあります。自宅入院では、患者自身が継続的に血糖値管理、食事コントロール、運動習慣の改善に取り組むことが求められます。
また、医療機関との緊密な連携も重要な鍵となります。自宅入院では、定期的なオンライン診察や遠隔での検査データ共有、必要に応じた迅速な対面診療の調整など、柔軟で持続可能な医療サポート体制が不可欠です。
したがって自宅入院では、高い意識と規律を持って実践することが求められます。なお、当院では、患者一人ひとりの状態に合わせた総合的な治療を提供しています。
糖尿病の初期段階から進行した症例まで幅広く対応しておりますので、糖尿病の症状に心当たりのある方、もしくは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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【目次】
糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは
糖尿病予備群の主な症状
糖尿病予備群と診断された方へ
糖尿病予備群にならないための予防法
【糖尿病予備群にならないための予防法1】運動
【糖尿病予備群にならないための予防法2】食生活の見直し
【糖尿病予備群にならないための予防法3】禁煙
糖尿病予備群の疑いがある方、医師の診断を受けたい方へ
糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは
糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは、糖尿病と診断されるほどの高血糖ではないものの、血糖値が正常より高い状態にあることを指します。
「HbA1c 6.5%未満」「空腹時血糖が110 mg/dl以上126 mg/dl未満」「75g経口ブドウ糖負荷試験2時間の血糖値が140 mg/dl以上200 mg/dl未満」のいずれかを満たす人が該当します。
糖尿病予備群の主な症状
糖尿病予備群(境界型糖尿病)では、自覚症状がありません。
しかし体内では、既に血糖値を下げるホルモンである「インスリン」が出にくくなったり、効きづらくなったりする変化が起きています。
また糖尿病に特有の合併症である、網膜症、神経障害、腎機能障害も少しずつ進行するとも言われています。
さらに高血圧や脂質異常症なども併発しやすくなり、全体として、血糖値が正常な状態に比べ、動脈硬化の進行は加速されます。
なお、動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な疾患が引き起こされる危険性が高くなります。
糖尿病予備群と診断された方へ
糖尿病予備群の方は、食事、運動、喫煙、飲酒などの生活習慣を見直し、肥満や高血圧、ストレスなどに対する健康管理に取り組むことで、糖尿病へ進行するリスクを減らすことができます。
ですので、糖尿病予備群と診断された方は、まずは生活習慣の見直しから始めてください。
なお上述した通り、糖尿病予備群でも、既に血糖値を下げるホルモンであるインスリンが出にくくなったり、効きづらくなったりする変化が起きています。
また糖尿病に特有の合併症である、網膜症、神経障害、腎機能障害も少しずつ進行するとも言われています。
ですので、糖尿病予備群と診断された方は、絶対に放置してないでください。
糖尿病予備群にならないための予防法
糖尿病予備群では、生活習慣の改善により「糖尿病の発症のリスク」を減らすことができます。
では、具体的には何をすればいいのでしょうか。順番にご紹介していきます。
【糖尿病予備群にならないための予防法1】運動
糖尿病を予防するためには「運動」が効果的です。運動をすることで、ブドウ糖や脂肪酸の利用が促進。インスリンに頼らずに糖分が細胞や筋肉の中に吸収されるようになり、血糖値の低下が期待できます。
また長期的には、インスリン抵抗性を改善させ、血中のブドウ糖の量を良好にコントロールできるようにすることが期待されます。
ですので、糖尿病予備群と診断された方は、できれば毎日、少なくとも週に3~5回は体を動かしてください。
なお、糖尿病を予防するための運動としては「有酸素運動」と「レジスタンス運動」が推奨されております。
<有酸素運動>
有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに、酸素を使う運動のことです。
ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。
有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。
<レジスタンス運動>
レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動です。
スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操など、標的とする筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います(レジスタンス(Resistance)は和訳で「抵抗」を意味します)。
レジスタンス運動は、筋肉量増加・筋力向上・筋持久力向上を促す筋力トレーニングとして高齢者からアスリートまで広く行われています。
【糖尿病予備群にならないための予防法2】食生活の見直し
糖尿病予防の基本は「食生活を見直すこと」です。
食事は、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考えてさまざまな食品をまんべんなくとることが大切です。
食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、朝食、昼食、夕食の3回ゆっくりよく噛んで、腹八分目で食べるよう心掛けてください。
バランスのとれた栄養を1日の必要量のカロリーでとることで、膵臓の負担は軽くなり、膵臓の能力は回復されます。
なお、食事のポイントについては以下をご覧ください。
<ゆっくり食べる>
早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。
食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。
<野菜類から食べる>
早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。
食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。
<アルコールは適量にする>
アルコールには一時的にはインスリンの働きを改善する効果があります。
しかし長期間飲んでいると逆にインスリンの分泌量が低下することがわかっていますので、アルコールは、ほどほどにしてください。
<腹八分目でストップ>
慢性的な食べすぎは、余分なブドウ糖をつくり、糖尿病を発症させる最大の原因となります。
いつもお腹いっぱいに食べないと満足できない人は、注意が必要です。
とくに脂肪分の多い肉類の食べすぎは、カロリーの取りすぎにつながりやすいので、量を控えてください。
<間食をしない>
間食をすると血糖値の高い状態が続き、インスリンを分泌する膵臓に大きな負担がかかります。
また、その状態のままで次の食事をすると、食後高血糖の原因にもなります。糖尿病を予防するためにも間食はできる限り控えてください。
【糖尿病予備群にならないための予防法3】禁煙
喫煙は交感神経を刺激して血糖を上昇させるだけでなく、体内のインスリンの働きを妨げる作用があります。
そのため、たばこを吸うと「糖尿病にかかりやすくなる」といえます。
日本人を対象とした研究データによると、喫煙者は非喫煙者と比べ糖尿病を発症するリスクが38%高くなると言われています。
ですので、糖尿病予備群の方は喫煙を控えてください。
糖尿病予備群の疑いがある方、医師の診断を受けたい方へ
糖尿病予備群の方は、自覚症状がありません。
そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。
健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。
糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
また糖尿病予備群の方の“適切な対策”を知りたい方も、いつでもご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2023.01.21
糖尿病治療法の一つ、インスリン療法を解説
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、糖尿病の代表的な治療法である「インスリン療法」について解説していきます。
後半部分では「インスリン療法のメリット・デメリット」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インスリンとは何か
インスリン療法とは
インスリン療法のしくみ
インスリン注射を行う前に血糖自己測定
インスリン療法の具体的な手法
インスリン療法のメリット
インスリン療法のデメリット
インスリン注射はほとんど痛くありません
インスリン療法は早期に始めることが効果的です
インスリン療法についてご相談したい方はいつでもご相談下さい
インスリンとは何か
インスリンとは、膵臓から分泌されるホルモンの一種です。
糖の代謝を調節し、血糖値を一定に保つ働きを持っております。
なお、インスリンの働きが悪くなったり分泌される量が少なくなったりすることで、血糖値が高い状態が続いてしまうのが「糖尿病」です。
糖尿病について詳しく知りたい方は「糖尿病情報センター」をご覧ください。
インスリン療法とは
インスリン療法とは、患者さん自身がインスリン製剤を継続的に投与して血糖をコントロールする治療法のことです。
インスリン製剤を投与する方法として、「頻回インスリン注射療法」と「持続皮下インスリン注入療法」があります。
頻回インスリン注射療法は、一般的にペン型の注射器を用いて1日に数回インスリン注射を行う方法です。お腹、太もも、上腕、お尻に注射することが推奨されています(これらの部位を少しずつ、ずらしながら注射します)。
一方、持続皮下インスリン注入療法は、携帯型のインスリンポンプを使用して皮下に留置した挿入した「カニューレ」からインスリンを持続的に注入する方法です。
インスリンの注入量や注入速度を細かく調整できるため、頻回インスリン注射療法で血糖コントロールが困難な人や低血糖を頻発する人、食事や勤務時間が不規則な人、妊娠中あるいは妊娠の予定がある人などに向いています。
なお、インスリン療法については「インスリンとは?特徴・種類・注意点」でも同様のことを伝えています。
インスリン療法のしくみ
インスリンの自己注射を行うのは「1型糖尿病」の方、または「2型糖尿病」のうち内服治療が難しい方です。
不足したインスリンを注射で補うことで、健康な人のインスリン分泌に近づけます。
なおインスリンの自己注射では、効果が長時間持続するインスリン製剤を1日に1,2回と、即効性のあるものを毎食前に打つなどして、この2つの分泌を再現します(どのインスリン製剤を使うか、どのタイミングで注射するかは体格や生活様式などに合わせて調整します)。
インスリン注射を行う前に血糖自己測定
インスリン注射を行う前に、自分で血糖値を測定する「血糖自己測定」を行うことがあります。
なぜなら日々の血糖値を記録することで、血糖コントロールを良好に行えるからです。
また直前に測定することで、「血糖値が低いにも関わらず自己注射を行い、さらに低血糖になる」といったことを防ぐことができます。
血糖自己測定の方法は以下の通りです。
⑴ 血糖測定器、測定用チップ、消毒用アルコール綿、穿刺器、穿刺針、自己管理ノート、針捨て容器を準備し、手を洗ってください。
⑵ 血糖測定器に測定用チップを、穿刺器に針をセットします。
⑶ 指先などを消毒します。そして針を消毒した場所に押し当て、穿刺器のボタンを押して針を刺してください。
⑷ 血液を測定用チップに染み込ませて、血糖値を測定します。
⑸ 残った血液を拭き取り、血糖値を自己管理ノートに記録してください。
インスリン療法の具体的な手法
インスリン注射の具体的な方法は以下の通りです。
⑴ 注入器、製剤カートリッジ、消毒綿など必要な物品を準備します。インスリン製剤が混濁している場合は均一になるようにカートリッジを振ってください。
⑵ インスリン製剤に注射針をセットします(針が曲がらないように真っすぐ刺してください)。
⑶ インスリン製剤の空打ちをして針先まで薬液を満たします。
⑷ ダイヤルを回転させて注射する単位数を医師の指示した値にセットしてください。
⑸ 注射する部位を消毒します。そして皮膚を軽くつまんで直角に注射針を刺してください。
⑹ ダイヤルが0になるまで、しっかりと薬液を注入します。そして10秒程度数え、注入ボタンを押したままで針を抜きます。
⑺ 針はキャップをかぶせてから取り外します。なお、針は1回きりの使用になりますので、ご注意ください。
※インスリン注射をする場所はお腹、太もも、おしり、腕です。
それぞれ薬の吸収速度が異なるため、注射部位を医師から指示される場合があります。
また、同じところに針を刺し続けると皮膚が硬くなり、痛みの原因になったり、薬の効きが悪くなります。
ですので毎回2〜3cmずらすようにしてください。
「糖尿病のインスリン注射器の使い方と副作用の対処法」でも同様のことを伝えています。
インスリン療法のメリット
インスリンを体外から補充することによって、無理にインスリンを出そうとする膵臓の働きすぎを防ぎ、疲れた膵臓を一時的に休めることができます。
インスリン治療によって膵臓の働きが回復したら、インスリン注射の回数を減らせたり、経口血糖降下薬だけの治療に戻せる可能性があります(インスリン療法により、膵臓のインスリン分泌機能が回復することもあります)。
インスリン療法のデメリット
残念ながら、インスリンには副作用があります。インスリン療法における主な副作用は、「低血糖症状」です。インスリンには、血糖値を下げ、良好な血糖コントロールが期待できる分、その裏返しで「低血糖症状」という副作用があります。
低血糖症状は、インスリン療法に限らず、糖尿病の治療に用いられる飲み薬全般でも起こりうる副作用です。
そのため、低血糖症状に対する適切な処置方法を把握し、血糖の自己測定などで自身を管理することが大切になってきます。
インスリン療法における副作用について詳しく知りたい方は「糖尿病ネットワーク」をご覧ください。
インスリン注射はほとんど痛くありません
インスリン注射は予防接種や採血などでイメージする注射とは異なり、痛みはそれほどありません。
なぜならインスリン注射で使う専用の注射針は、採血用の注射針とは違い、痛みが少なくなるようデザインされているからです(採血で使う注射針の3分の1ぐらいの細さで針の先も特殊なカットがしてあり、痛みが少ないように工夫されています)。
インスリン療法は早期に始めることが効果的です
上述した通り、インスリンを体外から補充することによって、無理にインスリンを出そうとする膵臓の働きすぎを防ぎ、疲れた膵臓を一時的に休めることができます。
そのため、インスリン療法は早期に始めることが効果的です。近年では、高血糖毒性をとり除くために、早期からインスリン注射薬を使ったり、また比較的軽症の糖尿病にもインスリン注射薬を用いる場合があります。
ですので、主治医にインスリン療法を勧められたら積極的に受け入れるようにしてください。
日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会が発表した「糖尿病標準診療マニュアル」でも、いくつかの経口薬を併用しても血糖コントロールが改善せず,HbA1c 9%以上が持続するなら、インスリン療法を積極的に始める必要があると伝えています。
インスリン療法についてご相談したい方はいつでもご相談下さい
糖尿病になっても、初期段階では自覚症状がありません。
そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。
糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2023.01.21
糖尿病と高血圧の関係
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
糖尿病患者さんにおける「高血圧」の頻度は非糖尿病者に比べて約2倍高く、高血圧患者さんにおいても糖尿病の合併頻度は2~3倍高いと報告されています。
この記事では、糖尿病患者さんに向けて「糖尿病と高血圧の関係」を解説していきます。後半部分では「糖尿病と高血圧の予防」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
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【目次】
糖尿病の方がなぜ高血圧になりやすいのか
【糖尿病と高血圧の関係1】高血糖で循環血液量が増えるからです
【糖尿病と高血圧の関係2】肥満
【糖尿病と高血圧の関係3】インスリン抵抗性があるからです
糖尿病の血圧値について
糖尿病と高血圧予防
【糖尿病と高血圧予防】食生活の改善
糖尿病と高血圧予防|食事のポイント
【糖尿病と高血圧予防】運動
糖尿病と高血圧予防|運動の頻度について
糖尿病の方がなぜ高血圧になりやすいのか
糖尿病患者さんは「高血圧になりやすい」といわれています。なぜ糖尿病の方は高血圧になりやすいのでしょうか。糖尿病患者さんが高血圧になりやすいのには、以下の理由があげられます。
【糖尿病と高血圧の関係1】高血糖で循環血液量が増えるからです
血糖値が高い状態では、血液の浸透圧が高くなっています。そのため、水分が細胞内から細胞外に出てきたり、腎臓からの水分の吸収が増えたりして、体液・血液量が増加し、血圧が上昇します。
【糖尿病と高血圧の関係2】肥満
2型糖尿病患者さんには肥満が多いのが特徴です。肥満になると交感神経が緊張し、血圧を上げるホルモンが多く分泌されるため、高血圧になります。このようなことから、糖尿病患者さんは高血圧になりやすいと考えられています。
【糖尿病と高血圧の関係3】インスリン抵抗性があるからです
インスリン抵抗性とは、インスリンの作用を受ける細胞の感受性が低下している状態です。インスリン抵抗性は、インスリンが効きにくくなったのを補うためにインスリンが多量に分泌され「高インスリン血症」を招きます(インスリン抵抗性自体が糖尿病の原因にもなります)。高インスリン血症では、交感神経の緊張、腎臓でナトリウムが排泄されにくい、血管壁を構成している細胞の成長が促進されるといった現象が起きて、血管が広がりにくくなり、血液量も増え、血圧が高くなるのです。
<高血圧とは?>
高血圧とは、運動したときなどの一時的な血圧上昇とは違い、安静時でも慢性的に血圧が高い状態が続いていることを指します。具体的には「収縮期血圧が140mmHg以上」「拡張期血圧が90mmHg以上」の場合をいい、どちらか一方でもこの値を超えていると高血圧と診断されます。高血圧は自覚症状がほとんどありません。しかし放置してしまうと心疾患や脳卒中など生命を脅かす病気につながるため「サイレント・キラー」といわれています。高血圧が引き起こす合併症について知りたい方は「高血圧の症状にお困りの患者の方へ」をご覧ください。
糖尿病の血圧値について
日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2014」では、糖尿病患者さんの降圧目標を、130/80mmHg未満としています。ただし、高齢者では厳しい血圧コントロールは、ふらつきや起立性低血圧などの原因となる可能性があるため、やや高めに設定されています。高齢者では、それぞれの患者さんの病気の状態に合わせて慎重に血圧コントロールをしていきます。詳しくは「高血圧治療ガイドライン2014」に記載していますので、ご興味のある方はご覧ください。
糖尿病と高血圧予防
糖尿病と高血圧予防に有効な対策は「食生活の改善」と「運動」です。順番にご説明していきますね。
【糖尿病と高血圧予防】食生活の改善
食事は、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考えてさまざまな食品をまんべんなくとることが大切です。食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、朝食、昼食、夕食の3回ゆっくりよく噛んで、腹八分目で食べるよう心掛けてください。バランスのとれた栄養を1日の必要量のカロリーでとることで、すい臓の負担は軽くなり、すい臓の能力は回復されます。
糖尿病と高血圧予防|食事のポイント
糖尿病と高血圧を予防するためには「食べ方」も大切です。食事する際は以下のポイントに注意してください。
<糖尿病と高血圧予防|食事のポイント1>野菜類から食べる
野菜類から先に食べることで食後の血糖値の上昇が緩やかになります。また、野菜や豆類などで少しお腹をふくらませておくと、肉類やご飯の量を減らすこともできます。ですので、食事をする際は、野菜類から食べるようにしてください。
<糖尿病と高血圧予防|食事のポイント2>ゆっくり食べる
早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。
<糖尿病と高血圧予防|食事のポイント3>規則正しく3食を食べる
1日に2食や、間隔の空き過ぎた食事の取り方はよくありません。食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、規則正しく「3食」を食べることを心掛けてください。
<糖尿病と高血圧予防|食事のポイント4>腹八分目
慢性的な食べすぎは、余分なブドウ糖をつくり、糖尿病を発症させる最大の原因となります。いつもお腹いっぱいに食べないと満足できない人は、注意が必要です。とくに脂肪分の多い肉類の食べすぎは、カロリーの取りすぎにつながりやすいので、量を控えてください。
【糖尿病と高血圧予防】運動
運動をすることで、ブドウ糖や脂肪酸の利用が促進され、インスリンに頼らずに糖分が細胞や筋肉の中に吸収されるようになり、血糖値の低下が期待できます。また、長期的には、インスリン抵抗性を改善させ、血中のブドウ糖の量を良好にコントロールできるようにすることが期待されます。なお、おすすめの運動は「有酸素運動」と「レジスタンス運動」です。それぞれの運動については下記をご覧ください。
<糖尿病と高血圧予防|おすすめの運動1>有酸素運動
有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに、酸素を使う運動のことです。ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。
<糖尿病と高血圧予防|おすすめの運動2>レジスタンス運動
レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動です。スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操など、標的とする筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います(レジスタンス(Resistance)は和訳で「抵抗」を意味します)。レジスタンス運動は、筋肉量増加・筋力向上・筋持久力向上を促す筋力トレーニングとして高齢者からアスリートまで広く行われています。
糖尿病と高血圧予防|運動の頻度について
運動の頻度は「できれば毎日」少なくとも週に3~5回行うのが良いといわれています。しかし、普段から運動に親しんでいない方(または高齢の方)などでは、急激な運動はかえって体の負担となり、思いがけない事故を引き起こしてしまうこともあります。ですので、無理のない範囲で行なってください。運動は定期的に長く続けられることが秘訣です。自然の中で風景を堪能しながらの「ウォーキング」や楽しく続けられる「スポーツ」など、自分にあった運動の方法を探してみてくださいね。
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2022.10.05
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