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糖尿病のインスリンポンプ療法とは:費用やメリット・デメリットを解説
2025.02.25
この記事では「インスリンポンプ療法」について解説していきます。後半部分では、「インスリンポンプ使用時の注意点」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
インスリンポンプ療法とは?
インスリンポンプ療法のメリット
インスリンポンプの基本的な使い方
小児糖尿病患者におけるインスリンポンプの使い方
インスリンポンプ使用時の注意点
インスリンポンプを使うための手続きと保険適用について
インスリンポンプのデメリット
特殊な状況でのインスリンポンプ使用
まとめ
インスリンポンプ療法とは?
インスリンポンプ療法は、体内で不足しているインスリンを24時間体制で持続的に補充する先進的な治療法です。この治療法では、携帯電話くらいの大きさの小型ポンプ装置を使用し、細いチューブを通じて皮下に持続的にインスリンを注入します。以下に、インスリンポンプの仕組み、従来のインスリン注射療法との比較、および導入時の注意点について解説します。
<インスリンポンプの仕組み>
インスリンポンプは、体内の膵臓の働きを模倣するように設計されています。ポンプ内部には超速効型インスリンが充填され、あらかじめプログラムされた設定に従って少量ずつ自動的に注入されます。これを基礎インスリンと呼び、生活リズムに合わせて時間帯ごとの注入量を細かく調整することが可能です。また、食事の際には患者自身がボタン操作で追加のインスリンを注入することができます。なお、食事量や運動量に応じて、柔軟に投与量を調整できる点も大きな特徴です。
<インスリン注射療法との比較>
従来のインスリン注射療法と比較すると、インスリンポンプ療法には複数の利点があります。まず注射回数が大幅に減少し、より自然な形でインスリン補充ができることから血糖値の変動を抑えやすくなります。また、夜間の低血糖のリスクも軽減され、きめ細かな血糖コントロールが可能になります。実際の臨床データでは、HbA1c値の改善や重症低血糖の減少が報告されています。
<導入にあたっての注意点>
1型糖尿病患者さんの場合、インスリンポンプ療法により生活の質が大きく向上することが期待できます。ただし、機器の操作方法の習得や定期的なメンテナンスが必要なため、導入時には医療チームによる十分な指導とサポートが不可欠です。また、保険適用の条件もありますので、主治医との詳しい相談が推奨されます。
インスリンポンプ療法のメリット
インスリンポンプ療法は、従来のインスリン注射療法と比較して、血糖コントロールの質を大きく向上させる可能性を持つ治療法です。24時間持続的なインスリン投与により、より生理的なインスリン補充が実現可能となります。以下に、インスリンポンプ療法のメリットを詳しく紹介します。
<血糖コントロールの改善と合併症予防>
最も重要なメリットは、血糖値の変動幅が小さくなることです。従来の注射療法では避けられなかった急激な血糖値の上昇や低下が抑えられ、より安定した血糖コントロールを実現できます。これにより、網膜症や腎症、神経障害といった糖尿病性合併症のリスクを低減させることが期待できます。臨床研究では、HbA1c値の改善や重症低血糖の発生頻度の減少が報告されています。
<生活の質(QOL)の向上>
インスリンポンプ療法では、従来の多数回の注射が不要となるため、外出先での注射の心配もなくなります。また、運動時や食事量の変更時にも、インスリン量を細かく調整できるため、より柔軟な生活が可能になります。
<最新技術との連携による利点>
最新のインスリンポンプは、連続血糖測定器(CGM)と連動することで、より精密な血糖管理が可能です。血糖値の傾向をリアルタイムで確認でき、それに応じてインスリン投与量を最適化できることは、患者さんの自己管理能力の向上にもつながります。また、データ管理機能により、医療チームとより効果的な治療方針の相談が可能となります。
このように、インスリンポンプ療法は血糖コントロールの改善だけでなく、患者さんの日常生活の質を総合的に向上させる可能性を持つ、画期的な治療法といえます。
インスリンポンプの基本的な使い方
インスリンポンプ療法を安全かつ効果的に実施するためには、機器の基本的な操作方法を正しく理解することが重要です。ここでは、インスリンポンプの基本的な使用方法と、日常生活での注意点について解説します。
<インスリンポンプの準備と装着>
インスリンポンプの使用を開始する際は、まず清潔な環境でポンプへのインスリンの充填を行います。具体的には、専用のカートリッジに超速効型インスリンを充填し、気泡がないことを確認します。その後、インフュージョンセットを腹部や上腕部などの皮下に装着します。初期設定では、医師の指示に基づき、基礎インスリン量やボーラス計算の設定を行います。また、装着部位は定期的に変更し、同じ部位の繰り返し使用を避けることが重要です。
<基礎インスリンの設定>
基礎インスリンは24時間にわたって少量ずつ持続的に投与されるインスリンです。患者さんの生活リズムに合わせて、時間帯ごとに異なる投与量を設定することが可能です。例えば、早朝に血糖値が上昇しやすい「暁現象」がある場合は、その時間帯の基礎インスリン量を増やすなどの調整を行います。なお、運動時や体調不良時には、一時的に基礎インスリン量を増減させることもできます。
<食事時のボーラス投与>
食事の際には、摂取する炭水化物量に応じてボーラスインスリンを投与します。ポンプには炭水化物量から必要なインスリン量を計算する機能が搭載されており、食前の血糖値や予定している運動量なども考慮して投与量を決定します。なお、ポンプのボタン操作のみで簡単に追加できるため、食事の席でも周囲を気にすることなく投与が可能です。また、おやつや夜食などの間食時も同様に対応できます。さらに食欲不振時や体調不良時など、食事量が不規則な場合でも、その場で柔軟に投与量を調整することができます。
<日常的なメンテナンス>
インスリンポンプの安全な使用には、定期的なメンテナンスが欠かせません。インスリンの残量と電池残量は毎日確認し、インフュージョンセットは2~3日ごとに交換します。なお、交換の際は必ず清潔な手技で行い、装着部位に発赤や腫れがないかも確認してください。また、ポンプの設定値や投与履歴は定期的にバックアップを取っておくことをお勧めします。
インスリンポンプの使用には、基本的な知識と技術の習得が不可欠です。医療チームによる指導のもと、準備から日常的なメンテナンス、トラブル対応まで、段階的に操作方法を身につけていくことで、安全で効果的な血糖コントロールが実現できます。
小児糖尿病患者におけるインスリンポンプの使い方
インスリンポンプ療法は小児1型糖尿病患者の血糖コントロールを改善し、生活の質を向上させる有効な治療法です。ここでは、お子様と保護者の方々に向けて、安全で効果的なインスリンポンプの使用方法について解説します。
<日常生活に寄り添うインスリンポンプの装着方法>
インスリンポンプの装着には、お子様の年齢や生活スタイルに応じた工夫が必要です。幼児期では腹部や上腕部への装着が一般的ですが、活発に動き回る子どもの場合は、チューブの引っ掛かりを防ぐため、専用のポーチやベルトを使用することをお勧めします。また、入浴時には防水機能のないポンプは取り外す必要がありますが、この際は必ず保護者が管理してください。なお、就寝時は寝返りで外れないよう、パジャマの内側にポケットを付けるなどの工夫が効果的です。また、季節に応じた装着部位の選択も重要で、夏場は汗による粘着力の低下を考慮し、防水テープで補強することが望ましいです。
<学校生活での適切な管理と対応>
学校生活においては、教職員との密接な連携が不可欠です。担任の先生に対して、インスリンポンプの基本的な仕組みと緊急時の対応方法を説明してください。また、体育の授業や運動会などの行事の際は、低血糖のリスクを考慮し、一時的な基礎インスリン量の調整が必要となる場合があります。さらに、給食時の炭水化物カウントについては、栄養教諭とも情報共有を行い、正確な投与量の計算ができるよう支援体制を整えてください。なお、友人からの質問に対しては、お子様自身が自信を持って説明できるよう、年齢に応じた説明の仕方を練習しておくことも大切です。
<保護者に求められる役割と必須の注意事項>
保護者の方々には、日常的なメンテナンスと緊急時対応の準備が求められます。具体的には、インスリンの残量確認、注入セットの定期的な交換、電池残量のチェックなど、基本的な管理を習慣化することが重要です。また、低血糖や高血糖の症状に関する知識を深め、適切な対応ができるよう準備してください。さらに、予備のインスリンや注入セット、血糖測定器具は常に携帯し、災害時や機器トラブル時にも対応できるようにしてください。なお、お子様の成長に伴う基礎インスリン量の調整についても、主治医と相談しながら適切に管理していく必要があります。
インスリンポンプ療法の成功には、医療チーム、学校、そして家族の連携が不可欠です。定期的な血糖値の記録と分析を行い、生活パターンに合わせた細やかな調整を心がけてください。
インスリンポンプ使用時の注意点
インスリンポンプは、糖尿病の治療において優れた血糖コントロールをもたらす一方で、適切な使用と管理が求められる医療機器です。ここでは、日常生活における具体的な注意点と対処法について解説します。
<運動時における安全な使用>
運動時の血糖管理には特別な配慮が必要です。運動を始める1~2時間前から基礎インスリン量を20~50%程度減量することで、運動による低血糖のリスクを軽減できます。また、運動強度や継続時間によって調整幅は異なりますので、運動前後の血糖値を測定し、個人に適した減量率を見つけることも重要です。さらに、長時間の運動や競技スポーツの場合は、一時的なポンプの取り外しも検討してください。この際は必ず主治医と相談の上、運動中の代替インスリン投与計画を立てておく必要があります。なお、運動中は15分から30分ごとに血糖値をチェックし、必要に応じて糖質を補給することをお勧めします。
<入浴・水泳時の適切な対応手順>
防水機能のないインスリンポンプは、入浴や水泳時に一時的な取り外しが必要となります。ポンプの取り外し時間は原則として2時間以内とし、それ以上となる場合は代替インスリン投与を検討してください。具体的には、入浴前には血糖値を測定し、やや高めの値を維持しておくことで、入浴中の低血糖を予防できます。また、水泳の場合は、事前に血糖値が200mg/dL程度あることを確認し、30分ごとに休憩を取って血糖値をチェックすることをお勧めします。なお、ポンプを外している間も注入セットの針刺入部は防水テープで保護し、水が入り込まないよう注意が必要です。
<機器トラブル時の対応と予防策>
インスリンポンプの故障や不具合に備えて、常に代替手段を用意しておくことが重要です。注入セットの閉塞、電池切れ、システムエラーなどの機器トラブルに対応するため、予備の注入セット、インスリン、注射器、電池を携帯してください。また、トラブル発生時の一時的な対応として、インスリン注射への切り替え方法を習得しておく必要があります。定期的なアラーム確認や注入セットの交換、インスリンの充填作業を確実に行うことで、多くのトラブルを未然に防ぐことができます。なお、緊急時の連絡先リストを作成し、24時間対応可能な医療機関の情報も把握しておくことも大切です。
インスリンポンプ療法を安全に継続するためには、日常的な注意点を理解し、適切な対応を心がけることが不可欠です。運動や入浴などの場面では、事前の血糖値確認と必要な調整を行い、機器トラブルへの備えも怠らないようにしてください。
インスリンポンプを使うための手続きと保険適用について
インスリンポンプ療法は、保険診療として実施できる治療法です。ここでは、インスリンポンプを使用する際の手続きについて詳しく解説します。
<医療機関での導入検討と相談プロセス>
インスリンポンプ療法の導入を希望する場合、まずは専門医のいる医療機関での相談が必要です。初回相談では、現在の血糖コントロール状態、生活習慣、自己管理能力などについて詳しい評価が行われます。また、医療機関では、糖尿病療養指導士や看護師を含む医療チームが、患者さんの生活スタイルや治療目標に合わせた機種選定のアドバイスを行います。さらに導入前には、機器の使用方法や基本的な管理について十分な指導を受けることになります。この際、家族の協力体制や緊急時の対応についても確認が行われ、必要に応じて複数回の説明会や練習セッションが設けられます。
<保険適用の要件と申請手続き>
インスリンポンプ療法の保険適用には、特定の条件を満たす必要があります。基本的な要件として、頻回な注射療法を行っているにもかかわらず血糖コントロールが不十分な場合や、重症低血糖を繰り返す場合などが該当します。そして保険適用の申請には、専門医による詳細な診断書や治療経過の記録が必要となります。また、指定難病としての申請も可能な場合があり、この場合はさらなる医療費の軽減が期待できます。なお、申請手続きは医療機関のソーシャルワーカーや医事課のスタッフがサポートしてくれますので、必要書類や申請手順について相談することができます。
<継続的なサポート体制の構築>
インスリンポンプ導入後は、定期的なフォローアップが重要です。通常、導入直後は週1回程度の外来通院が必要となり、その後は月1回程度の定期診察に移行していきます。なお、フォローアップでは、血糖値データの解析や基礎インスリン量の調整、合併症のチェックなどが行われます。また、多くの医療機関では24時間対応の相談窓口を設置しており、機器トラブルや緊急時の対応について相談することができます。さらに、同じインスリンポンプを使用している患者さん同士の交流会や勉強会なども定期的に開催されており、実践的な使用のコツや日常生活での工夫について情報交換を行うことができます。
インスリンポンプ療法の導入には、医療機関での十分な相談と適切な手続きが必要です。保険適用により経済的負担を軽減できる可能性がありますので、早めに専門医に相談することをお勧めします。
インスリンポンプのデメリット
インスリンポンプ療法は優れた血糖コントロール方法ですが、いくつかの課題や注意点も存在します。ここでは、治療を検討される方々に向けて、想定されるデメリットとその対策について詳しく解説します。
<機器トラブルのリスクと安全対策>
インスリンポンプは精密な医療機器であり、様々な理由で故障や不具合が発生する可能性があります。最も一般的なトラブルは注入セットの閉塞で、これによりインスリンが適切に投与されず、高血糖を引き起こす危険があります。また、電池切れやシステムエラーなどの機器的な問題も起こり得ます。これらのトラブルに備えて、常に予備の注入セットやインスリン、注射器を携帯する必要があるため、日常生活における負担となります。さらに、機器の誤作動により過剰なインスリンが投与されるリスクもあるため、定期的な血糖値チェックと機器の動作確認が欠かせません。このような管理の必要性は、特に旅行や長時間の外出時に大きな課題となります。
<皮膚トラブルの予防と管理>
インスリンポンプの使用に伴う皮膚トラブルは、多くの患者さんが経験する問題です。注入セットの刺入部位では、発赤や炎症、かゆみなどが発生することがあります。また、長期間の使用により、皮膚の硬化や脂肪組織の変性が起こる可能性もあります。これらの問題を予防するためには、注入部位の定期的な変更と適切なローテーションが必要です。さらに、テープかぶれやアレルギー反応を引き起こすリスクもあるため、個人に適した粘着テープの選択や皮膚の清潔管理が重要となります。特に夏場は汗による皮膚トラブルが増加するため、より慎重な管理が求められます。
<心理的負担と生活への影響>
インスリンポンプを常時装着することによる心理的負担は、見過ごすことのできない重要な問題です。機器を身につけていることへの違和感や、他人の目を気にする不安感は、特に若年層や社会活動が活発な方々にとって大きなストレスとなることがあります。また、24時間体制での機器管理の必要性は、精神的な疲労を引き起こす可能性があります。さらに、アラーム音が鳴ることへの懸念や、入浴や運動時の取り外しの手間など、日常生活のあらゆる場面で制約を感じることがあります。これらの心理的負担に対しては、同じ治療を受けている患者さんとの交流や、専門家によるカウンセリングが有効な支援となります。
インスリンポンプ療法には確かにいくつかの課題がありますが、これらは適切な対策と準備により軽減することが可能です。機器トラブルへの備え、皮膚トラブルの予防、心理的サポートなど、それぞれの課題に対する対策を十分に理解した上で治療を開始することが重要です。また、医療チームによる定期的なフォローアップを受けることで、これらの問題に適切に対応することができます。デメリットを理解した上で、個々の生活スタイルや治療目標に照らし合わせて、インスリンポンプ療法の導入を検討することをお勧めします。
特殊な状況でのインスリンポンプ使用
インスリンポンプ療法は、個々の患者さんの状況に応じて柔軟な対応が可能な治療法です。ここでは、妊娠期や高齢期、特殊な職業環境など、特別な配慮が必要な状況での使用方法について解説します。
<妊娠期における最適な血糖管理>
インスリンポンプは、妊娠中の急激なホルモン変動に対応した細やかなインスリン量の調整が可能です。妊娠初期は低血糖のリスクが高まるため、基礎インスリン量を通常より10~20%減量することがあります。一方、妊娠中期から後期にかけては、インスリン必要量が増加するため、段階的な増量が必要となります。また、つわりの時期には食事量や時間が不規則になりやすいため、一時基礎レートの機能を活用することで柔軟な対応が可能です。なお、分娩時には医療チームと連携し、陣痛の状況に応じたインスリン投与量の調整を行います。
<高齢者に適したインスリンポンプ管理>
高齢者のインスリンポンプ使用では、認知機能や視力、手先の器用さなどを考慮した対応が必要です。具体的には、機器の操作を単純化し、大きな文字表示や音声ガイダンス機能を活用することで、より安全な使用が可能となります。また、低血糖のリスクを軽減するため、やや高めの血糖値を維持する設定とし、急激な血糖値の変動を避けることが重要です。さらに、転倒時の機器破損を防ぐため、専用のケースや保護カバーの使用も検討します。
<多様な職業環境での使用>
職業や生活スタイルに応じたインスリンポンプの使用方法は、治療の成功に大きく影響します。例えば、工場での重労働や建設現場での作業では、機器の保護と汗対策が重要です。このような場合には、防水・防塵機能付きのケースを使用し、注入セットの固定を強化することで、安全な作業が可能となります。また、交代勤務の場合には、勤務シフトに合わせて基礎インスリン量のパターンを設定することで、不規則な生活リズムに対応できます。さらに、頻繁な海外出張がある場合には、時差への対応や予備機器の携帯方法について、事前に医療チームと相談することが推奨されます。
特殊な状況でのインスリンポンプ使用には、それぞれの状況に応じた細やかな調整と対策が必要です。妊娠期、高齢期、特殊な職業環境など、様々な状況において、医療チームとの密接な連携のもと、個々の生活スタイルに合わせた最適な使用方法を見出すことが重要です。
まとめ
インスリンポンプ療法は、体内で不足しているインスリンを24時間体制で持続的に補充する先進的な治療法です。近年の技術革新により、より使いやすく安全性の高い機器が開発され、連続血糖測定システムとの連携による自動制御機能なども実用化されつつあります。一方で、機器の管理や携帯の負担、皮膚トラブルなどの課題も存在します。これらの課題に対しては、医療チームによる継続的なサポートと、患者さん一人ひとりの生活スタイルに合わせた細やかな対応が重要となります。したがって、インスリンポンプ療法に興味をお持ちの方は、医療機関での相談をお勧めします。なお、当院では、患者さん一人ひとりの状態に合わせた総合的な治療を提供しています。糖尿病の初期段階から進行した症例まで幅広く対応しておりますので、糖尿病の症状に心当たりのある方、もしくは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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糖尿病予備群(境界型糖尿病)の症状や対策について解説
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
厚生労働省が発表した平成28年「国民健康・栄養調査」の結果では、糖尿病が強く疑われる者(糖尿病有病者)、糖尿病の可能性を否定できない者(糖尿病予備群)はいずれも約1,000万人(合わせて約2,000万人)と推計されています。
この記事では、糖尿病の可能性を否定できない者「糖尿病予備群」について解説していきます。
後半部分では「糖尿病予備群にならないための予防法」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
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【目次】
糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは
糖尿病予備群の主な症状
糖尿病予備群と診断された方へ
糖尿病予備群にならないための予防法
【糖尿病予備群にならないための予防法1】運動
【糖尿病予備群にならないための予防法2】食生活の見直し
【糖尿病予備群にならないための予防法3】禁煙
糖尿病予備群の疑いがある方、医師の診断を受けたい方へ
糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは
糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは、糖尿病と診断されるほどの高血糖ではないものの、血糖値が正常より高い状態にあることを指します。
「HbA1c 6.5%未満」「空腹時血糖が110 mg/dl以上126 mg/dl未満」「75g経口ブドウ糖負荷試験2時間の血糖値が140 mg/dl以上200 mg/dl未満」のいずれかを満たす人が該当します。
糖尿病予備群の主な症状
糖尿病予備群(境界型糖尿病)では、自覚症状がありません。
しかし体内では、既に血糖値を下げるホルモンである「インスリン」が出にくくなったり、効きづらくなったりする変化が起きています。
また糖尿病に特有の合併症である、網膜症、神経障害、腎機能障害も少しずつ進行するとも言われています。
さらに高血圧や脂質異常症なども併発しやすくなり、全体として、血糖値が正常な状態に比べ、動脈硬化の進行は加速されます。
なお、動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な疾患が引き起こされる危険性が高くなります。
糖尿病予備群と診断された方へ
糖尿病予備群の方は、食事、運動、喫煙、飲酒などの生活習慣を見直し、肥満や高血圧、ストレスなどに対する健康管理に取り組むことで、糖尿病へ進行するリスクを減らすことができます。
ですので、糖尿病予備群と診断された方は、まずは生活習慣の見直しから始めてください。
なお上述した通り、糖尿病予備群でも、既に血糖値を下げるホルモンであるインスリンが出にくくなったり、効きづらくなったりする変化が起きています。
また糖尿病に特有の合併症である、網膜症、神経障害、腎機能障害も少しずつ進行するとも言われています。
ですので、糖尿病予備群と診断された方は、絶対に放置してないでください。
糖尿病予備群にならないための予防法
糖尿病予備群では、生活習慣の改善により「糖尿病の発症のリスク」を減らすことができます。
では、具体的には何をすればいいのでしょうか。順番にご紹介していきます。
【糖尿病予備群にならないための予防法1】運動
糖尿病を予防するためには「運動」が効果的です。運動をすることで、ブドウ糖や脂肪酸の利用が促進。インスリンに頼らずに糖分が細胞や筋肉の中に吸収されるようになり、血糖値の低下が期待できます。
また長期的には、インスリン抵抗性を改善させ、血中のブドウ糖の量を良好にコントロールできるようにすることが期待されます。
ですので、糖尿病予備群と診断された方は、できれば毎日、少なくとも週に3~5回は体を動かしてください。
なお、糖尿病を予防するための運動としては「有酸素運動」と「レジスタンス運動」が推奨されております。
<有酸素運動>
有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに、酸素を使う運動のことです。
ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。
有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。
<レジスタンス運動>
レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動です。
スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操など、標的とする筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います(レジスタンス(Resistance)は和訳で「抵抗」を意味します)。
レジスタンス運動は、筋肉量増加・筋力向上・筋持久力向上を促す筋力トレーニングとして高齢者からアスリートまで広く行われています。
【糖尿病予備群にならないための予防法2】食生活の見直し
糖尿病予防の基本は「食生活を見直すこと」です。
食事は、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考えてさまざまな食品をまんべんなくとることが大切です。
食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、朝食、昼食、夕食の3回ゆっくりよく噛んで、腹八分目で食べるよう心掛けてください。
バランスのとれた栄養を1日の必要量のカロリーでとることで、膵臓の負担は軽くなり、膵臓の能力は回復されます。
なお、食事のポイントについては以下をご覧ください。
<ゆっくり食べる>
早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。
食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。
<野菜類から食べる>
早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。
食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。
<アルコールは適量にする>
アルコールには一時的にはインスリンの働きを改善する効果があります。
しかし長期間飲んでいると逆にインスリンの分泌量が低下することがわかっていますので、アルコールは、ほどほどにしてください。
<腹八分目でストップ>
慢性的な食べすぎは、余分なブドウ糖をつくり、糖尿病を発症させる最大の原因となります。
いつもお腹いっぱいに食べないと満足できない人は、注意が必要です。
とくに脂肪分の多い肉類の食べすぎは、カロリーの取りすぎにつながりやすいので、量を控えてください。
<間食をしない>
間食をすると血糖値の高い状態が続き、インスリンを分泌する膵臓に大きな負担がかかります。
また、その状態のままで次の食事をすると、食後高血糖の原因にもなります。糖尿病を予防するためにも間食はできる限り控えてください。
【糖尿病予備群にならないための予防法3】禁煙
喫煙は交感神経を刺激して血糖を上昇させるだけでなく、体内のインスリンの働きを妨げる作用があります。
そのため、たばこを吸うと「糖尿病にかかりやすくなる」といえます。
日本人を対象とした研究データによると、喫煙者は非喫煙者と比べ糖尿病を発症するリスクが38%高くなると言われています。
ですので、糖尿病予備群の方は喫煙を控えてください。
糖尿病予備群の疑いがある方、医師の診断を受けたい方へ
糖尿病予備群の方は、自覚症状がありません。
そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。
健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。
糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
また糖尿病予備群の方の“適切な対策”を知りたい方も、いつでもご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2023.01.21
糖尿病治療法の一つ、インスリン療法を解説
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、糖尿病の代表的な治療法である「インスリン療法」について解説していきます。
後半部分では「インスリン療法のメリット・デメリット」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インスリンとは何か
インスリン療法とは
インスリン療法のしくみ
インスリン注射を行う前に血糖自己測定
インスリン療法の具体的な手法
インスリン療法のメリット
インスリン療法のデメリット
インスリン注射はほとんど痛くありません
インスリン療法は早期に始めることが効果的です
インスリン療法についてご相談したい方はいつでもご相談下さい
インスリンとは何か
インスリンとは、膵臓から分泌されるホルモンの一種です。
糖の代謝を調節し、血糖値を一定に保つ働きを持っております。
なお、インスリンの働きが悪くなったり分泌される量が少なくなったりすることで、血糖値が高い状態が続いてしまうのが「糖尿病」です。
糖尿病について詳しく知りたい方は「糖尿病情報センター」をご覧ください。
インスリン療法とは
インスリン療法とは、患者さん自身がインスリン製剤を継続的に投与して血糖をコントロールする治療法のことです。
インスリン製剤を投与する方法として、「頻回インスリン注射療法」と「持続皮下インスリン注入療法」があります。
頻回インスリン注射療法は、一般的にペン型の注射器を用いて1日に数回インスリン注射を行う方法です。お腹、太もも、上腕、お尻に注射することが推奨されています(これらの部位を少しずつ、ずらしながら注射します)。
一方、持続皮下インスリン注入療法は、携帯型のインスリンポンプを使用して皮下に留置した挿入した「カニューレ」からインスリンを持続的に注入する方法です。
インスリンの注入量や注入速度を細かく調整できるため、頻回インスリン注射療法で血糖コントロールが困難な人や低血糖を頻発する人、食事や勤務時間が不規則な人、妊娠中あるいは妊娠の予定がある人などに向いています。
なお、インスリン療法については「インスリンとは?特徴・種類・注意点」でも同様のことを伝えています。
インスリン療法のしくみ
インスリンの自己注射を行うのは「1型糖尿病」の方、または「2型糖尿病」のうち内服治療が難しい方です。
不足したインスリンを注射で補うことで、健康な人のインスリン分泌に近づけます。
なおインスリンの自己注射では、効果が長時間持続するインスリン製剤を1日に1,2回と、即効性のあるものを毎食前に打つなどして、この2つの分泌を再現します(どのインスリン製剤を使うか、どのタイミングで注射するかは体格や生活様式などに合わせて調整します)。
インスリン注射を行う前に血糖自己測定
インスリン注射を行う前に、自分で血糖値を測定する「血糖自己測定」を行うことがあります。
なぜなら日々の血糖値を記録することで、血糖コントロールを良好に行えるからです。
また直前に測定することで、「血糖値が低いにも関わらず自己注射を行い、さらに低血糖になる」といったことを防ぐことができます。
血糖自己測定の方法は以下の通りです。
⑴ 血糖測定器、測定用チップ、消毒用アルコール綿、穿刺器、穿刺針、自己管理ノート、針捨て容器を準備し、手を洗ってください。
⑵ 血糖測定器に測定用チップを、穿刺器に針をセットします。
⑶ 指先などを消毒します。そして針を消毒した場所に押し当て、穿刺器のボタンを押して針を刺してください。
⑷ 血液を測定用チップに染み込ませて、血糖値を測定します。
⑸ 残った血液を拭き取り、血糖値を自己管理ノートに記録してください。
インスリン療法の具体的な手法
インスリン注射の具体的な方法は以下の通りです。
⑴ 注入器、製剤カートリッジ、消毒綿など必要な物品を準備します。インスリン製剤が混濁している場合は均一になるようにカートリッジを振ってください。
⑵ インスリン製剤に注射針をセットします(針が曲がらないように真っすぐ刺してください)。
⑶ インスリン製剤の空打ちをして針先まで薬液を満たします。
⑷ ダイヤルを回転させて注射する単位数を医師の指示した値にセットしてください。
⑸ 注射する部位を消毒します。そして皮膚を軽くつまんで直角に注射針を刺してください。
⑹ ダイヤルが0になるまで、しっかりと薬液を注入します。そして10秒程度数え、注入ボタンを押したままで針を抜きます。
⑺ 針はキャップをかぶせてから取り外します。なお、針は1回きりの使用になりますので、ご注意ください。
※インスリン注射をする場所はお腹、太もも、おしり、腕です。
それぞれ薬の吸収速度が異なるため、注射部位を医師から指示される場合があります。
また、同じところに針を刺し続けると皮膚が硬くなり、痛みの原因になったり、薬の効きが悪くなります。
ですので毎回2〜3cmずらすようにしてください。
「糖尿病のインスリン注射器の使い方と副作用の対処法」でも同様のことを伝えています。
インスリン療法のメリット
インスリンを体外から補充することによって、無理にインスリンを出そうとする膵臓の働きすぎを防ぎ、疲れた膵臓を一時的に休めることができます。
インスリン治療によって膵臓の働きが回復したら、インスリン注射の回数を減らせたり、経口血糖降下薬だけの治療に戻せる可能性があります(インスリン療法により、膵臓のインスリン分泌機能が回復することもあります)。
インスリン療法のデメリット
残念ながら、インスリンには副作用があります。インスリン療法における主な副作用は、「低血糖症状」です。インスリンには、血糖値を下げ、良好な血糖コントロールが期待できる分、その裏返しで「低血糖症状」という副作用があります。
低血糖症状は、インスリン療法に限らず、糖尿病の治療に用いられる飲み薬全般でも起こりうる副作用です。
そのため、低血糖症状に対する適切な処置方法を把握し、血糖の自己測定などで自身を管理することが大切になってきます。
インスリン療法における副作用について詳しく知りたい方は「糖尿病ネットワーク」をご覧ください。
インスリン注射はほとんど痛くありません
インスリン注射は予防接種や採血などでイメージする注射とは異なり、痛みはそれほどありません。
なぜならインスリン注射で使う専用の注射針は、採血用の注射針とは違い、痛みが少なくなるようデザインされているからです(採血で使う注射針の3分の1ぐらいの細さで針の先も特殊なカットがしてあり、痛みが少ないように工夫されています)。
インスリン療法は早期に始めることが効果的です
上述した通り、インスリンを体外から補充することによって、無理にインスリンを出そうとする膵臓の働きすぎを防ぎ、疲れた膵臓を一時的に休めることができます。
そのため、インスリン療法は早期に始めることが効果的です。近年では、高血糖毒性をとり除くために、早期からインスリン注射薬を使ったり、また比較的軽症の糖尿病にもインスリン注射薬を用いる場合があります。
ですので、主治医にインスリン療法を勧められたら積極的に受け入れるようにしてください。
日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会が発表した「糖尿病標準診療マニュアル」でも、いくつかの経口薬を併用しても血糖コントロールが改善せず,HbA1c 9%以上が持続するなら、インスリン療法を積極的に始める必要があると伝えています。
インスリン療法についてご相談したい方はいつでもご相談下さい
糖尿病になっても、初期段階では自覚症状がありません。
そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。
糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2023.01.21
糖尿病と高血圧の関係
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
糖尿病患者さんにおける「高血圧」の頻度は非糖尿病者に比べて約2倍高く、高血圧患者さんにおいても糖尿病の合併頻度は2~3倍高いと報告されています。
この記事では、糖尿病患者さんに向けて「糖尿病と高血圧の関係」を解説していきます。後半部分では「糖尿病と高血圧の予防」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
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【目次】
糖尿病の方がなぜ高血圧になりやすいのか
【糖尿病と高血圧の関係1】高血糖で循環血液量が増えるからです
【糖尿病と高血圧の関係2】肥満
【糖尿病と高血圧の関係3】インスリン抵抗性があるからです
糖尿病の血圧値について
糖尿病と高血圧予防
【糖尿病と高血圧予防】食生活の改善
糖尿病と高血圧予防|食事のポイント
【糖尿病と高血圧予防】運動
糖尿病と高血圧予防|運動の頻度について
糖尿病の方がなぜ高血圧になりやすいのか
糖尿病患者さんは「高血圧になりやすい」といわれています。なぜ糖尿病の方は高血圧になりやすいのでしょうか。糖尿病患者さんが高血圧になりやすいのには、以下の理由があげられます。
【糖尿病と高血圧の関係1】高血糖で循環血液量が増えるからです
血糖値が高い状態では、血液の浸透圧が高くなっています。そのため、水分が細胞内から細胞外に出てきたり、腎臓からの水分の吸収が増えたりして、体液・血液量が増加し、血圧が上昇します。
【糖尿病と高血圧の関係2】肥満
2型糖尿病患者さんには肥満が多いのが特徴です。肥満になると交感神経が緊張し、血圧を上げるホルモンが多く分泌されるため、高血圧になります。このようなことから、糖尿病患者さんは高血圧になりやすいと考えられています。
【糖尿病と高血圧の関係3】インスリン抵抗性があるからです
インスリン抵抗性とは、インスリンの作用を受ける細胞の感受性が低下している状態です。インスリン抵抗性は、インスリンが効きにくくなったのを補うためにインスリンが多量に分泌され「高インスリン血症」を招きます(インスリン抵抗性自体が糖尿病の原因にもなります)。高インスリン血症では、交感神経の緊張、腎臓でナトリウムが排泄されにくい、血管壁を構成している細胞の成長が促進されるといった現象が起きて、血管が広がりにくくなり、血液量も増え、血圧が高くなるのです。
<高血圧とは?>
高血圧とは、運動したときなどの一時的な血圧上昇とは違い、安静時でも慢性的に血圧が高い状態が続いていることを指します。具体的には「収縮期血圧が140mmHg以上」「拡張期血圧が90mmHg以上」の場合をいい、どちらか一方でもこの値を超えていると高血圧と診断されます。高血圧は自覚症状がほとんどありません。しかし放置してしまうと心疾患や脳卒中など生命を脅かす病気につながるため「サイレント・キラー」といわれています。高血圧が引き起こす合併症について知りたい方は「高血圧の症状にお困りの患者の方へ」をご覧ください。
糖尿病の血圧値について
日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2014」では、糖尿病患者さんの降圧目標を、130/80mmHg未満としています。ただし、高齢者では厳しい血圧コントロールは、ふらつきや起立性低血圧などの原因となる可能性があるため、やや高めに設定されています。高齢者では、それぞれの患者さんの病気の状態に合わせて慎重に血圧コントロールをしていきます。詳しくは「高血圧治療ガイドライン2014」に記載していますので、ご興味のある方はご覧ください。
糖尿病と高血圧予防
糖尿病と高血圧予防に有効な対策は「食生活の改善」と「運動」です。順番にご説明していきますね。
【糖尿病と高血圧予防】食生活の改善
食事は、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考えてさまざまな食品をまんべんなくとることが大切です。食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、朝食、昼食、夕食の3回ゆっくりよく噛んで、腹八分目で食べるよう心掛けてください。バランスのとれた栄養を1日の必要量のカロリーでとることで、すい臓の負担は軽くなり、すい臓の能力は回復されます。
糖尿病と高血圧予防|食事のポイント
糖尿病と高血圧を予防するためには「食べ方」も大切です。食事する際は以下のポイントに注意してください。
<糖尿病と高血圧予防|食事のポイント1>野菜類から食べる
野菜類から先に食べることで食後の血糖値の上昇が緩やかになります。また、野菜や豆類などで少しお腹をふくらませておくと、肉類やご飯の量を減らすこともできます。ですので、食事をする際は、野菜類から食べるようにしてください。
<糖尿病と高血圧予防|食事のポイント2>ゆっくり食べる
早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。
<糖尿病と高血圧予防|食事のポイント3>規則正しく3食を食べる
1日に2食や、間隔の空き過ぎた食事の取り方はよくありません。食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、規則正しく「3食」を食べることを心掛けてください。
<糖尿病と高血圧予防|食事のポイント4>腹八分目
慢性的な食べすぎは、余分なブドウ糖をつくり、糖尿病を発症させる最大の原因となります。いつもお腹いっぱいに食べないと満足できない人は、注意が必要です。とくに脂肪分の多い肉類の食べすぎは、カロリーの取りすぎにつながりやすいので、量を控えてください。
【糖尿病と高血圧予防】運動
運動をすることで、ブドウ糖や脂肪酸の利用が促進され、インスリンに頼らずに糖分が細胞や筋肉の中に吸収されるようになり、血糖値の低下が期待できます。また、長期的には、インスリン抵抗性を改善させ、血中のブドウ糖の量を良好にコントロールできるようにすることが期待されます。なお、おすすめの運動は「有酸素運動」と「レジスタンス運動」です。それぞれの運動については下記をご覧ください。
<糖尿病と高血圧予防|おすすめの運動1>有酸素運動
有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに、酸素を使う運動のことです。ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。
<糖尿病と高血圧予防|おすすめの運動2>レジスタンス運動
レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動です。スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操など、標的とする筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います(レジスタンス(Resistance)は和訳で「抵抗」を意味します)。レジスタンス運動は、筋肉量増加・筋力向上・筋持久力向上を促す筋力トレーニングとして高齢者からアスリートまで広く行われています。
糖尿病と高血圧予防|運動の頻度について
運動の頻度は「できれば毎日」少なくとも週に3~5回行うのが良いといわれています。しかし、普段から運動に親しんでいない方(または高齢の方)などでは、急激な運動はかえって体の負担となり、思いがけない事故を引き起こしてしまうこともあります。ですので、無理のない範囲で行なってください。運動は定期的に長く続けられることが秘訣です。自然の中で風景を堪能しながらの「ウォーキング」や楽しく続けられる「スポーツ」など、自分にあった運動の方法を探してみてくださいね。
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2022.10.05
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