糖尿病・代謝内科

糖尿病による足のかゆみの原因と対処法

2025.02.25

この記事では「糖尿病による足のかゆみ」について解説していきます。後半部分では、「効果的な予防とケアの方法」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。

【目次】
糖尿病と足のかゆみの関係
血糖値コントロールと皮膚の健康について
糖尿病による足のかゆみの症状と部位
かゆみを放置するリスク
効果的な予防とケアの方法
かゆみの初期症状と注意点
生活習慣の改善と自己管理のポイント
まとめ:糖尿病による足のかゆみへの対処法

 

糖尿病と足のかゆみの関係

糖尿病と足のかゆみの関係

糖尿病患者さんの多くが悩まされる足のかゆみは、血糖値の変動や合併症と密接な関係があります。ここでは「糖尿病と足のかゆみの関係」について解説します。

<糖尿病患者の足のかゆみの特徴と原因>

糖尿病患者さんの足のかゆみには、特徴的なパターンがあります。多くの場合、夜間に症状が悪化し、両足の甲やふくらはぎにかゆみを感じることが多いのが特徴です。この症状の背景には、主に三つの要因が関係しています。一つ目は血糖値の上昇による末梢神経への影響、二つ目は皮膚の乾燥、そして三つ目は血行不良です。特に血糖値が高い状態が続くと、皮膚の水分保持機能が低下し、かゆみを引き起こす原因となります。また、糖尿病性末梢神経障害により、知覚異常としてかゆみを感じることもあります。

<皮膚乾燥と神経障害の関連性>

糖尿病による神経障害は、皮膚の状態に大きな影響を及ぼします。具体的には、自律神経障害により汗腺の機能が低下すると、皮膚の保湿機能が損なわれ、乾燥が進行します。また、末梢神経障害によって皮膚の感覚が鈍くなると、無意識のうちに掻きすぎて皮膚を傷つけてしまうことがあります。これらの要因が重なり合い、皮膚の乾燥とかゆみの悪循環に陥ることがあります。なお、神経障害と皮膚乾燥は密接に関連しており、一方が悪化すると他方も悪化する傾向があります。

<高血糖が皮膚に与える影響>

血糖値が高い状態が続くと、皮膚のコラーゲン(タンパク質)が糖化され、皮膚の弾力性が低下します。また、高血糖は血液循環を悪化させ、皮膚への酸素や栄養の供給が不足します。さらに、高血糖状態では免疫機能も低下するため、細菌やカビなどの感染症にかかりやすくなります。これらの要因が複合的に作用し、皮膚のバリア機能が低下して、かゆみやその他の皮膚トラブルを引き起こします。糖尿病による足のかゆみは単なる皮膚の症状ではなく、血糖コントロールや神経障害と密接に関連しています。そのため、適切な血糖コントロールを行うことに加えて、保湿ケアや清潔保持といったスキンケアを継続的に行うことが重要です。また、かゆみが強い場合や長期間続く場合には、合併症の可能性も考慮し、必ず医師に相談することをお勧めします。

 

血糖値コントロールと皮膚の健康について

血糖値コントロールと皮膚の健康について

血糖値の管理は、糖尿病治療の基本となるだけでなく、皮膚の健康維持にも重要な役割を果たしています。ここでは、「血糖値コントロール」と「皮膚の健康」について解説します。

<血糖コントロールの重要性>

血糖値の適切なコントロールは、全身の健康を支える基盤であり、皮膚の健康維持においても重要です。血糖値が高い状態が続くと、皮膚細胞が必要とする栄養素の代謝に悪影響を及ぼし、細胞の修復や再生が遅延する可能性があります。一方で、正常な血糖値を維持することで、皮膚細胞は十分な栄養を取り込み、新陳代謝が正常に行われます。なお、血糖値の適切なコントロールは、皮膚の免疫機能を保つ上でも欠かせません。血糖値が安定することで、皮膚のバリア機能が強化され、外部からの刺激や感染から身体を守ることができます。また、適切な血糖コントロールは、皮膚の水分保持機能も向上させ、健康的な肌状態の維持に貢献します。

<高血糖が引き起こす皮膚トラブル>

持続的な高血糖状態は、さまざまな皮膚トラブルの原因となります。例えば、血液中の過剰な糖が皮膚のコラーゲンと結合することで、皮膚の弾力性が低下し、乾燥やかゆみが生じやすくなります。また、高血糖による血行不良は、皮膚への酸素や栄養の供給を妨げ、傷の治りを遅らせる要因となります。さらに、高血糖状態では免疫機能が低下し、細菌感染や真菌感染のリスクが増大します。特に足の皮膚トラブルは重症化しやすいため、早期の適切な治療が必要です。

<血糖値改善による皮膚症状の軽減>

血糖値を適切な範囲内にコントロールすることで、多くの皮膚症状が改善することが分かっています。例えば、血糖値が安定すると皮膚の水分保持機能が回復し、乾燥やかゆみが軽減します。また、血行が改善されることで、皮膚への酸素や栄養の供給が正常化し、傷の治りも早くなります。さらに、免疫機能の回復により、感染症のリスクも低下します。ただし、皮膚症状の改善には一定の時間を要することがあるため、継続的な血糖コントロールが重要です。血糖値の適切なコントロールは、皮膚の健康維持に欠かせない要素です。高血糖による皮膚トラブルを防ぐためには、日々の血糖管理を徹底することが必要です。また、皮膚に異常を感じた場合には、早めに医師に相談することをお勧めします。

 

糖尿病による足のかゆみの症状と部位

糖尿病による足のかゆみの症状と部位

糖尿病患者さんの多くが経験する足のかゆみには、発症部位や症状に特徴的なパターンがあります。かゆみの部位や症状を正しく理解することで、早期発見と適切な治療につながります。深刻な合併症を防ぐためにも、症状の把握が重要です。

<足全体に現れるかゆみの特徴>

糖尿病による足のかゆみは、一般的なかゆみとは異なる特徴を持っています。多くの場合、両足に左右対称的に症状が現れ、夜間に悪化する傾向があります。かゆみの性質としては、じわじわと持続する深いかゆみが特徴的で、掻いても一時的にしか症状が軽減しないことがあります。また、皮膚が乾燥してカサカサした状態になりやすく、この乾燥感とかゆみが足全体に広がることもあります。特に血糖値が高い状態が続くと、症状が顕著になる傾向があります。

<よくかゆみが生じる部位とその理由>

糖尿病による足のかゆみは、特定の部位に集中して現れることが多いです。最も多いのが足の甲とくるぶし周辺で、これは皮膚が薄く乾燥しやすいためです。次によく見られるのがふくらはぎや足首の後ろ側で、この部分は血行が悪くなりやすく、靴下などによる摩擦の影響を受けやすい場所です。また、足の指の間もかゆみが生じやすい部位で、湿気がたまりやすく真菌感染を起こしやすいためです。さらに、足底部にもかゆみが出現することがありますが、これは圧力がかかる部分で神経障害の影響を受けやすいためです。

<赤い斑点や水ぶくれなどの関連症状>

かゆみに伴い、さまざまな皮膚の変化が現れることがあります。最も一般的なのは赤い斑点で、かゆみの強い部分に出現しやすく、掻くことでさらに悪化することがあります。また、小さな水疱や水ぶくれが形成されることもあり、これは皮膚のバリア機能の低下や感染症が原因となる場合があります。さらに、皮膚が厚くなったり、色素沈着が起こったりすることもあり、これらは長期間のかゆみや掻爬による二次的な変化です。これらの症状を放置すると悪化する可能性があるため、早期の対応が重要です。

 

かゆみを放置するリスク

かゆみを放置するリスク

糖尿病による足のかゆみは、軽症に見える症状でも放置すると重大な合併症につながる可能性があります。そのため、早期発見と適切な治療が、深刻な足病変の予防において重要です。ここでは、「糖尿病による足のかゆみを放置するリスク」について解説します。

<皮膚感染症の危険性>

糖尿病による足のかゆみを放置すると、皮膚感染症を引き起こすリスクが高まります。具体的には、掻きすぎによって皮膚が傷つき、そこから細菌や真菌が侵入しやすくなります。特に血糖値が高い状態では免疫機能が低下しているため、感染症にかかりやすく、治りにくい状態にあります。また、軽い感染症でも糖尿病患者さんの場合は重症化しやすく、蜂窩織炎などの深部感染症に進展する可能性もあります。さらに、水虫などの真菌感染症は通常より悪化しやすく、爪真菌症に進行することもありますので、ご注意ください。

<糖尿病性足病変への進行>

糖尿病患者さんに生じる足のトラブルを総称して「糖尿病性足病変(とうにょうびょうせいあしびょうへん)」といいます。放置されたかゆみは、糖尿病性足病変の引き金となることがありますので注意が必要です。具体的には、掻爬による傷が潰瘍化し、その状態が持続すると、深い組織まで感染が広がる可能性があります。特に神経障害がある場合、痛みを感じにくいため、傷の存在に気づかないまま悪化することがあります。また、血行障害を合併していると、傷の治りが遅れ、壊疽に進行するリスクがあります。このような重症化は、最悪の場合、足の切断が必要になることもあり、日常生活に重大な影響を及ぼします。したがって、こうした事態を避けるためにも、糖尿病自体の治療をしっかり行って血糖を適切な状態に保つことはもちろん、毎日足の状態をよく観察して早く異常を見つけることが大切です。

<かゆみを放置することの危険性>

持続的なかゆみは睡眠障害を引き起こし、日中の活動にも支障をきたす可能性があります。また、繰り返し掻くことで皮膚が肥厚し、さらなるかゆみを誘発する悪循環に陥ることも少なくありません。さらに、持続的なかゆみは血糖コントロールに悪影響を及ぼすリスクがあり、ストレスによる血糖値の上昇や、傷に伴う炎症反応が血糖管理を一層困難にする場合もあります。このような事態を防ぐためにも注意が必要です。

足のかゆみを放置することは、さまざまな合併症のリスクを高めます。特に糖尿病患者さんの場合、軽微な症状でも重症化しやすいため、早めの対応が重要です。日々の足のケアと観察を怠らず、かゆみが出現した際は速やかに医療機関を受診することをお勧めします。

 

効果的な予防とケアの方法

効果的な予防とケアの方法

糖尿病による足のかゆみは、適切な予防とケアで症状を軽減することができます。ここでは、「効果的な予防」と「ケアの方法」について、具体的に解説していきます。

<適切な保湿剤の選び方と使用方法>

糖尿病患者さんの足のケアには、適切な保湿剤の選択が重要です。保湿剤は無香料・無着色のものを選び、刺激の少ないものを使用することをお勧めします。また、尿素やヒアルロン酸を含む製品は、皮膚の保湿効果が高く、長時間潤いを保つことができますので、お勧めです。使用方法としては、入浴後や足を洗った後の皮膚がまだ湿っているうちに塗布するのが効果的です。特に足の甲やくるぶしなど、乾燥しやすい部分には丁寧に塗り込んでください。ただし、指の間には保湿剤を付けすぎないよう注意が必要です。皮膚の状態に応じて使用量を調整し、べたつきが気になる場合は、清潔なタオルで軽く押さえて余分な保湿剤を取り除いてください。

<フットケアの重要性と具体的な方法>

毎日のフットケアは、かゆみの予防に欠かせません。まず、ぬるめのお湯でやさしく足を洗い、特に指の間は丁寧に洗いながらも、ゴシゴシと強く擦らないようにします。洗った後は、清潔なタオルで水分をしっかりと拭き取り、特に指の間は完全に乾かすことが重要です。そして爪切りは、まっすぐに切ることを心がけ、深爪を避けてください。なお、足の観察も重要で、傷や変色、腫れなどがないか毎日チェックしてください。必要に応じて、足専門の医療機関でケアを受けることもお勧めです。

<靴選びと足の清潔保持のコツ>

適切な靴の選択は、足の健康維持に重要な役割を果たします。靴は足に合ったサイズで、歩いたときにつま先に1センチ程度の余裕があり、通気性の良い素材のものがお勧めです。また、靴底のクッション性も確認し、歩行時の衝撃を和らげられるものを選んでください。そして、靴下は綿やウールなどの天然素材で吸湿性の高いものを選び、毎日清潔なものに履き替えることが大切です。さらに、靴の中が蒸れないよう、一日の途中で靴を履き替えたり、夜間は靴の中を乾燥させたりすることもお勧めです。なお、足が汗をかきやすい場合は、除菌効果のある足用パウダーを使用するのも効果的です。

糖尿病による足のかゆみを予防するためには、日々の丁寧なケアが欠かせません。適切な保湿剤の使用、毎日のフットケア、そして快適な靴の選択という三つの要素を組み合わせることで、効果的な予防が可能です。また、早期発見・早期治療が重要なため、気になる症状がある場合は、すぐに医師に相談することをお勧めします。定期的な診察時には、些細な変化でも医師に報告し、必要に応じて専門的なアドバイスを受けることで、より効果的な予防とケアが実現できます。

 

かゆみの初期症状と注意点

かゆみの初期症状と注意点

糖尿病による足のかゆみは、早期発見と適切な対応が重要です。ここでは、かゆみの初期症状を見逃さないためのセルフチェック方法と、深刻な合併症を防ぐための注意点について解説します。

<早期発見のためのセルフチェック方法>

足の状態を毎日観察することは、かゆみの早期発見に重要です。したがって、入浴後や就寝前に足全体を確認する習慣をつけてください。特に注意が必要なのは、足の甲、くるぶし周り、指の間、そして足の裏です。鏡を使用して足の裏を確認したり、見えにくい部分は家族に協力してもらってください。また、皮膚の乾燥、発赤、腫れ、温度変化などの異常がないかもチェックしてください。さらに、爪の変形や変色、皮膚の硬化なども要注意です。これらの変化に気づいたら、早めに記録を取り、経過を観察することが大切です。

<要注意の症状と即座に受診すべき状態>

即座に医療機関を受診すべき症状がいくつかあります。まず、強い発赤や腫れを伴うかゆみは、感染症の可能性があるため、早急な受診が必要です。また、水疱や潰瘍の形成、皮膚の変色や硬化が急速に進行する場合も要注意です。特に発熱を伴う場合や、傷が治りにくい状態が続く場合は、重症化のリスクが高いため、すぐに専門医に相談してください。なお、掻きすぎによって皮膚が破れたり、出血したりする場合も、感染予防の観点から医師の診察を受けることが推奨されます。かゆみが睡眠を妨げるほど強い場合や、市販薬では改善が見られない場合も、専門医への相談が必要です。

<神経障害による痛覚低下への対処>

糖尿病性神経障害により、足の痛覚が低下している場合は特別な注意が必要です。糖尿病性神経障害では、痛みを感じにくいため、傷や炎症に気づきにくく、重症化するリスクが高まります。このような場合は視覚的な確認がより重要になります。具体的には、足の色や形の変化、腫れなどを注意深く観察し、わずかな変化も見逃さないようにしてください。また、温度感覚も低下していることがあるため、熱い湯での足浴や、温めすぎる暖房器具の使用は避けてください。なお、定期的な医療機関での検査も重要です。専門医による足の状態チェックを3ヶ月に1回程度は受けることをお勧めします。

糖尿病による足のかゆみは、早期発見と適切な対応が予後を大きく左右します。毎日のセルフチェックを習慣化し、異常を感じたら躊躇せずに医療機関を受診することが重要です。

 

生活習慣の改善と自己管理のポイント

生活習慣の改善と自己管理のポイント

足のかゆみの改善には、適切な血糖値コントロールと健康的な生活習慣が不可欠です。日々の自己管理と生活習慣の改善で、かゆみの症状を軽減し、よりよい生活を送ることができます。ここでは、「具体的な改善方法」をご紹介します。

<血糖値コントロールの具体的な方法>

まず重要なのは、規則正しい食事習慣です。一日三食を決まった時間に摂取し、間食は控えめにすることが基本となります。また、食事の内容も重要です。具体的には、炭水化物の量を適切に調整し、食物繊維を十分に摂取することで、食後の急激な血糖値の上昇を防ぐことができます。さらに、自己血糖測定を定期的に行い、その記録を取ることで、自分の生活パターンと血糖値の関係を理解することができます。なお、測定値は必ずノートに記録し、食事内容や運動量との関連も書き留めておくと、より効果的です。

<ストレス管理と睡眠の質の向上>

ストレスと睡眠の質は、血糖コントロールとかゆみの症状に大きく影響します。ストレス管理には、自分に合ったリラックス方法を見つけることが重要です。具体的には、軽い運動やストレッチ、深呼吸、趣味の時間を持つことなどが効果的です。また、良質な睡眠を確保することも重要です。さらに、寝室の環境も重要で、適切な温度と湿度を保ち、快適な睡眠環境を整えることも大切です。なお、かゆみで夜間に目が覚めてしまう場合は、寝る前の保湿ケアを丁寧に行い、必要に応じて医師に相談することをお勧めします。

<定期的な運動の重要性>

適度な運動は、血糖コントロールを改善し、血行を促進させる効果があります。ただし、運動の強度や時間は個人の状態に合わせて調整することが重要です。そのため、まずは、ウォーキングや水中運動など、足への負担が少ない運動から始めることをお勧めします。運動は1日30分程度を目安に、週3回以上行うことが理想的ですが、体調に応じて無理のない範囲で調整してください。また、運動前後には、必ず足のケアを行い、傷や異常がないか確認する習慣をつけてください。さらに、汗をかいた後は速やかに足を清潔にし、必要に応じて保湿ケアを行うことが大切です。運動は継続することで効果が得られるため、自分に合った方法で無理なく続けることを心がけてください。

足のかゆみを改善するためには、血糖値のコントロール、ストレス管理、適切な運動など、総合的な生活習慣の改善が必要です。これらの取り組みは、一時的なものではなく、継続的に行うことが重要です。また、定期的な医療機関での検査と相談を行い、専門家のアドバイスを受けながら自己管理を進めることをお勧めします。

 

まとめ:糖尿病による足のかゆみへの対処法

まとめ:糖尿病による足のかゆみへの対処法

糖尿病による足のかゆみは、血糖値の変動や末梢神経障害、皮膚の乾燥、さらには血行不良など、複数の要因が重なって発生する症状です。特に高血糖状態が続くと、皮膚の免疫機能が低下し、細菌やカビの感染リスクが高まることで、かゆみが悪化する可能性があります。このような足のかゆみに対しては、まず適切な血糖コントロールが基本となります。毎日の血糖値測定と記録、主治医との相談による投薬調整、そして規則正しい食事と運動習慣の維持が重要です。また、足の清潔を保つために、ぬるま湯でのやさしい洗浄と、洗浄後の十分な保湿ケアが必要です。さらに、かゆみが強い場合は、医師に相談の上で適切な外用薬を使用することも検討してください。専門医との連携は、糖尿病性の足のトラブル予防において非常に重要です。なお、当院では、患者さん一人ひとりの状態に合わせた総合的な治療を提供しています。糖尿病の初期段階から進行した症例まで幅広く対応しておりますので、糖尿病の症状に心当たりのある方、もしくは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。

同じカテゴリのブログ記事

糖尿病・代謝内科

糖尿病予備群(境界型糖尿病)の症状や対策について解説

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
厚生労働省が発表した平成28年「国民健康・栄養調査」の結果では、糖尿病が強く疑われる者(糖尿病有病者)、糖尿病の可能性を否定できない者(糖尿病予備群)はいずれも約1,000万人(合わせて約2,000万人)と推計されています。 この記事では、糖尿病の可能性を否定できない者「糖尿病予備群」について解説していきます。 後半部分では「糖尿病予備群にならないための予防法」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは 糖尿病予備群の主な症状 糖尿病予備群と診断された方へ 糖尿病予備群にならないための予防法 【糖尿病予備群にならないための予防法1】運動 【糖尿病予備群にならないための予防法2】食生活の見直し 【糖尿病予備群にならないための予防法3】禁煙 糖尿病予備群の疑いがある方、医師の診断を受けたい方へ   糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは 糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは、糖尿病と診断されるほどの高血糖ではないものの、血糖値が正常より高い状態にあることを指します。 「HbA1c 6.5%未満」「空腹時血糖が110 mg/dl以上126 mg/dl未満」「75g経口ブドウ糖負荷試験2時間の血糖値が140 mg/dl以上200 mg/dl未満」のいずれかを満たす人が該当します。   糖尿病予備群の主な症状 糖尿病予備群(境界型糖尿病)では、自覚症状がありません。 しかし体内では、既に血糖値を下げるホルモンである「インスリン」が出にくくなったり、効きづらくなったりする変化が起きています。 また糖尿病に特有の合併症である、網膜症、神経障害、腎機能障害も少しずつ進行するとも言われています。 さらに高血圧や脂質異常症なども併発しやすくなり、全体として、血糖値が正常な状態に比べ、動脈硬化の進行は加速されます。 なお、動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な疾患が引き起こされる危険性が高くなります。   糖尿病予備群と診断された方へ 糖尿病予備群の方は、食事、運動、喫煙、飲酒などの生活習慣を見直し、肥満や高血圧、ストレスなどに対する健康管理に取り組むことで、糖尿病へ進行するリスクを減らすことができます。 ですので、糖尿病予備群と診断された方は、まずは生活習慣の見直しから始めてください。 なお上述した通り、糖尿病予備群でも、既に血糖値を下げるホルモンであるインスリンが出にくくなったり、効きづらくなったりする変化が起きています。 また糖尿病に特有の合併症である、網膜症、神経障害、腎機能障害も少しずつ進行するとも言われています。 ですので、糖尿病予備群と診断された方は、絶対に放置してないでください。   糖尿病予備群にならないための予防法 糖尿病予備群では、生活習慣の改善により「糖尿病の発症のリスク」を減らすことができます。 では、具体的には何をすればいいのでしょうか。順番にご紹介していきます。   【糖尿病予備群にならないための予防法1】運動 糖尿病を予防するためには「運動」が効果的です。運動をすることで、ブドウ糖や脂肪酸の利用が促進。インスリンに頼らずに糖分が細胞や筋肉の中に吸収されるようになり、血糖値の低下が期待できます。 また長期的には、インスリン抵抗性を改善させ、血中のブドウ糖の量を良好にコントロールできるようにすることが期待されます。 ですので、糖尿病予備群と診断された方は、できれば毎日、少なくとも週に3~5回は体を動かしてください。 なお、糖尿病を予防するための運動としては「有酸素運動」と「レジスタンス運動」が推奨されております。   <有酸素運動> 有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに、酸素を使う運動のことです。 ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。 有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。   <レジスタンス運動> レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動です。 スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操など、標的とする筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います(レジスタンス(Resistance)は和訳で「抵抗」を意味します)。 レジスタンス運動は、筋肉量増加・筋力向上・筋持久力向上を促す筋力トレーニングとして高齢者からアスリートまで広く行われています。   【糖尿病予備群にならないための予防法2】食生活の見直し 糖尿病予防の基本は「食生活を見直すこと」です。 食事は、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考えてさまざまな食品をまんべんなくとることが大切です。 食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、朝食、昼食、夕食の3回ゆっくりよく噛んで、腹八分目で食べるよう心掛けてください。 バランスのとれた栄養を1日の必要量のカロリーでとることで、膵臓の負担は軽くなり、膵臓の能力は回復されます。 なお、食事のポイントについては以下をご覧ください。   <ゆっくり食べる> 早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。 食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。   <野菜類から食べる> 早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。 食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。   <アルコールは適量にする> アルコールには一時的にはインスリンの働きを改善する効果があります。 しかし長期間飲んでいると逆にインスリンの分泌量が低下することがわかっていますので、アルコールは、ほどほどにしてください。   <腹八分目でストップ> 慢性的な食べすぎは、余分なブドウ糖をつくり、糖尿病を発症させる最大の原因となります。 いつもお腹いっぱいに食べないと満足できない人は、注意が必要です。 とくに脂肪分の多い肉類の食べすぎは、カロリーの取りすぎにつながりやすいので、量を控えてください。   <間食をしない> 間食をすると血糖値の高い状態が続き、インスリンを分泌する膵臓に大きな負担がかかります。 また、その状態のままで次の食事をすると、食後高血糖の原因にもなります。糖尿病を予防するためにも間食はできる限り控えてください。   【糖尿病予備群にならないための予防法3】禁煙 喫煙は交感神経を刺激して血糖を上昇させるだけでなく、体内のインスリンの働きを妨げる作用があります。 そのため、たばこを吸うと「糖尿病にかかりやすくなる」といえます。 日本人を対象とした研究データによると、喫煙者は非喫煙者と比べ糖尿病を発症するリスクが38%高くなると言われています。 ですので、糖尿病予備群の方は喫煙を控えてください。   糖尿病予備群の疑いがある方、医師の診断を受けたい方へ 糖尿病予備群の方は、自覚症状がありません。 そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。 健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。 糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 また糖尿病予備群の方の“適切な対策”を知りたい方も、いつでもご相談ください。   当日の順番予約はこちらから

2023.01.21

糖尿病・代謝内科

糖尿病治療法の一つ、インスリン療法を解説

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、糖尿病の代表的な治療法である「インスリン療法」について解説していきます。 後半部分では「インスリン療法のメリット・デメリット」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 インスリンとは何か インスリン療法とは インスリン療法のしくみ インスリン注射を行う前に血糖自己測定 インスリン療法の具体的な手法 インスリン療法のメリット インスリン療法のデメリット インスリン注射はほとんど痛くありません インスリン療法は早期に始めることが効果的です インスリン療法についてご相談したい方はいつでもご相談下さい   インスリンとは何か インスリンとは、膵臓から分泌されるホルモンの一種です。 糖の代謝を調節し、血糖値を一定に保つ働きを持っております。 なお、インスリンの働きが悪くなったり分泌される量が少なくなったりすることで、血糖値が高い状態が続いてしまうのが「糖尿病」です。 糖尿病について詳しく知りたい方は「糖尿病情報センター」をご覧ください。   インスリン療法とは インスリン療法とは、患者さん自身がインスリン製剤を継続的に投与して血糖をコントロールする治療法のことです。 インスリン製剤を投与する方法として、「頻回インスリン注射療法」と「持続皮下インスリン注入療法」があります。 頻回インスリン注射療法は、一般的にペン型の注射器を用いて1日に数回インスリン注射を行う方法です。お腹、太もも、上腕、お尻に注射することが推奨されています(これらの部位を少しずつ、ずらしながら注射します)。 一方、持続皮下インスリン注入療法は、携帯型のインスリンポンプを使用して皮下に留置した挿入した「カニューレ」からインスリンを持続的に注入する方法です。 インスリンの注入量や注入速度を細かく調整できるため、頻回インスリン注射療法で血糖コントロールが困難な人や低血糖を頻発する人、食事や勤務時間が不規則な人、妊娠中あるいは妊娠の予定がある人などに向いています。 なお、インスリン療法については「インスリンとは?特徴・種類・注意点」でも同様のことを伝えています。   インスリン療法のしくみ インスリンの自己注射を行うのは「1型糖尿病」の方、または「2型糖尿病」のうち内服治療が難しい方です。 不足したインスリンを注射で補うことで、健康な人のインスリン分泌に近づけます。 なおインスリンの自己注射では、効果が長時間持続するインスリン製剤を1日に1,2回と、即効性のあるものを毎食前に打つなどして、この2つの分泌を再現します(どのインスリン製剤を使うか、どのタイミングで注射するかは体格や生活様式などに合わせて調整します)。   インスリン注射を行う前に血糖自己測定 インスリン注射を行う前に、自分で血糖値を測定する「血糖自己測定」を行うことがあります。 なぜなら日々の血糖値を記録することで、血糖コントロールを良好に行えるからです。 また直前に測定することで、「血糖値が低いにも関わらず自己注射を行い、さらに低血糖になる」といったことを防ぐことができます。 血糖自己測定の方法は以下の通りです。   ⑴    血糖測定器、測定用チップ、消毒用アルコール綿、穿刺器、穿刺針、自己管理ノート、針捨て容器を準備し、手を洗ってください。 ⑵    血糖測定器に測定用チップを、穿刺器に針をセットします。 ⑶    指先などを消毒します。そして針を消毒した場所に押し当て、穿刺器のボタンを押して針を刺してください。 ⑷    血液を測定用チップに染み込ませて、血糖値を測定します。 ⑸    残った血液を拭き取り、血糖値を自己管理ノートに記録してください。   インスリン療法の具体的な手法 インスリン注射の具体的な方法は以下の通りです。 ⑴    注入器、製剤カートリッジ、消毒綿など必要な物品を準備します。インスリン製剤が混濁している場合は均一になるようにカートリッジを振ってください。 ⑵    インスリン製剤に注射針をセットします(針が曲がらないように真っすぐ刺してください)。 ⑶    インスリン製剤の空打ちをして針先まで薬液を満たします。 ⑷    ダイヤルを回転させて注射する単位数を医師の指示した値にセットしてください。 ⑸    注射する部位を消毒します。そして皮膚を軽くつまんで直角に注射針を刺してください。 ⑹    ダイヤルが0になるまで、しっかりと薬液を注入します。そして10秒程度数え、注入ボタンを押したままで針を抜きます。 ⑺    針はキャップをかぶせてから取り外します。なお、針は1回きりの使用になりますので、ご注意ください。 ※インスリン注射をする場所はお腹、太もも、おしり、腕です。   それぞれ薬の吸収速度が異なるため、注射部位を医師から指示される場合があります。 また、同じところに針を刺し続けると皮膚が硬くなり、痛みの原因になったり、薬の効きが悪くなります。 ですので毎回2〜3cmずらすようにしてください。 「糖尿病のインスリン注射器の使い方と副作用の対処法」でも同様のことを伝えています。   インスリン療法のメリット インスリンを体外から補充することによって、無理にインスリンを出そうとする膵臓の働きすぎを防ぎ、疲れた膵臓を一時的に休めることができます。 インスリン治療によって膵臓の働きが回復したら、インスリン注射の回数を減らせたり、経口血糖降下薬だけの治療に戻せる可能性があります(インスリン療法により、膵臓のインスリン分泌機能が回復することもあります)。   インスリン療法のデメリット 残念ながら、インスリンには副作用があります。インスリン療法における主な副作用は、「低血糖症状」です。インスリンには、血糖値を下げ、良好な血糖コントロールが期待できる分、その裏返しで「低血糖症状」という副作用があります。 低血糖症状は、インスリン療法に限らず、糖尿病の治療に用いられる飲み薬全般でも起こりうる副作用です。 そのため、低血糖症状に対する適切な処置方法を把握し、血糖の自己測定などで自身を管理することが大切になってきます。 インスリン療法における副作用について詳しく知りたい方は「糖尿病ネットワーク」をご覧ください。   インスリン注射はほとんど痛くありません インスリン注射は予防接種や採血などでイメージする注射とは異なり、痛みはそれほどありません。 なぜならインスリン注射で使う専用の注射針は、採血用の注射針とは違い、痛みが少なくなるようデザインされているからです(採血で使う注射針の3分の1ぐらいの細さで針の先も特殊なカットがしてあり、痛みが少ないように工夫されています)。   インスリン療法は早期に始めることが効果的です 上述した通り、インスリンを体外から補充することによって、無理にインスリンを出そうとする膵臓の働きすぎを防ぎ、疲れた膵臓を一時的に休めることができます。 そのため、インスリン療法は早期に始めることが効果的です。近年では、高血糖毒性をとり除くために、早期からインスリン注射薬を使ったり、また比較的軽症の糖尿病にもインスリン注射薬を用いる場合があります。 ですので、主治医にインスリン療法を勧められたら積極的に受け入れるようにしてください。 日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会が発表した「糖尿病標準診療マニュアル」でも、いくつかの経口薬を併用しても血糖コントロールが改善せず,HbA1c 9%以上が持続するなら、インスリン療法を積極的に始める必要があると伝えています。   インスリン療法についてご相談したい方はいつでもご相談下さい 糖尿病になっても、初期段階では自覚症状がありません。 そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。 糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。   当日の順番予約はこちらから

2023.01.21

糖尿病・代謝内科

糖尿病と高血圧の関係

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
糖尿病患者さんにおける「高血圧」の頻度は非糖尿病者に比べて約2倍高く、高血圧患者さんにおいても糖尿病の合併頻度は2~3倍高いと報告されています。 この記事では、糖尿病患者さんに向けて「糖尿病と高血圧の関係」を解説していきます。後半部分では「糖尿病と高血圧の予防」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 糖尿病の方がなぜ高血圧になりやすいのか 【糖尿病と高血圧の関係1】高血糖で循環血液量が増えるからです 【糖尿病と高血圧の関係2】肥満 【糖尿病と高血圧の関係3】インスリン抵抗性があるからです 糖尿病の血圧値について 糖尿病と高血圧予防 【糖尿病と高血圧予防】食生活の改善 糖尿病と高血圧予防|食事のポイント 【糖尿病と高血圧予防】運動 糖尿病と高血圧予防|運動の頻度について   糖尿病の方がなぜ高血圧になりやすいのか 糖尿病患者さんは「高血圧になりやすい」といわれています。なぜ糖尿病の方は高血圧になりやすいのでしょうか。糖尿病患者さんが高血圧になりやすいのには、以下の理由があげられます。 【糖尿病と高血圧の関係1】高血糖で循環血液量が増えるからです 血糖値が高い状態では、血液の浸透圧が高くなっています。そのため、水分が細胞内から細胞外に出てきたり、腎臓からの水分の吸収が増えたりして、体液・血液量が増加し、血圧が上昇します。 【糖尿病と高血圧の関係2】肥満 2型糖尿病患者さんには肥満が多いのが特徴です。肥満になると交感神経が緊張し、血圧を上げるホルモンが多く分泌されるため、高血圧になります。このようなことから、糖尿病患者さんは高血圧になりやすいと考えられています。 【糖尿病と高血圧の関係3】インスリン抵抗性があるからです インスリン抵抗性とは、インスリンの作用を受ける細胞の感受性が低下している状態です。インスリン抵抗性は、インスリンが効きにくくなったのを補うためにインスリンが多量に分泌され「高インスリン血症」を招きます(インスリン抵抗性自体が糖尿病の原因にもなります)。高インスリン血症では、交感神経の緊張、腎臓でナトリウムが排泄されにくい、血管壁を構成している細胞の成長が促進されるといった現象が起きて、血管が広がりにくくなり、血液量も増え、血圧が高くなるのです。 <高血圧とは?> 高血圧とは、運動したときなどの一時的な血圧上昇とは違い、安静時でも慢性的に血圧が高い状態が続いていることを指します。具体的には「収縮期血圧が140mmHg以上」「拡張期血圧が90mmHg以上」の場合をいい、どちらか一方でもこの値を超えていると高血圧と診断されます。高血圧は自覚症状がほとんどありません。しかし放置してしまうと心疾患や脳卒中など生命を脅かす病気につながるため「サイレント・キラー」といわれています。高血圧が引き起こす合併症について知りたい方は「高血圧の症状にお困りの患者の方へ」をご覧ください。   糖尿病の血圧値について 日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2014」では、糖尿病患者さんの降圧目標を、130/80mmHg未満としています。ただし、高齢者では厳しい血圧コントロールは、ふらつきや起立性低血圧などの原因となる可能性があるため、やや高めに設定されています。高齢者では、それぞれの患者さんの病気の状態に合わせて慎重に血圧コントロールをしていきます。詳しくは「高血圧治療ガイドライン2014」に記載していますので、ご興味のある方はご覧ください。   糖尿病と高血圧予防 糖尿病と高血圧予防に有効な対策は「食生活の改善」と「運動」です。順番にご説明していきますね。 【糖尿病と高血圧予防】食生活の改善 食事は、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考えてさまざまな食品をまんべんなくとることが大切です。食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、朝食、昼食、夕食の3回ゆっくりよく噛んで、腹八分目で食べるよう心掛けてください。バランスのとれた栄養を1日の必要量のカロリーでとることで、すい臓の負担は軽くなり、すい臓の能力は回復されます。   糖尿病と高血圧予防|食事のポイント 糖尿病と高血圧を予防するためには「食べ方」も大切です。食事する際は以下のポイントに注意してください。 <糖尿病と高血圧予防|食事のポイント1>野菜類から食べる 野菜類から先に食べることで食後の血糖値の上昇が緩やかになります。また、野菜や豆類などで少しお腹をふくらませておくと、肉類やご飯の量を減らすこともできます。ですので、食事をする際は、野菜類から食べるようにしてください。 <糖尿病と高血圧予防|食事のポイント2>ゆっくり食べる 早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。 <糖尿病と高血圧予防|食事のポイント3>規則正しく3食を食べる 1日に2食や、間隔の空き過ぎた食事の取り方はよくありません。食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、規則正しく「3食」を食べることを心掛けてください。 <糖尿病と高血圧予防|食事のポイント4>腹八分目 慢性的な食べすぎは、余分なブドウ糖をつくり、糖尿病を発症させる最大の原因となります。いつもお腹いっぱいに食べないと満足できない人は、注意が必要です。とくに脂肪分の多い肉類の食べすぎは、カロリーの取りすぎにつながりやすいので、量を控えてください。   【糖尿病と高血圧予防】運動 運動をすることで、ブドウ糖や脂肪酸の利用が促進され、インスリンに頼らずに糖分が細胞や筋肉の中に吸収されるようになり、血糖値の低下が期待できます。また、長期的には、インスリン抵抗性を改善させ、血中のブドウ糖の量を良好にコントロールできるようにすることが期待されます。なお、おすすめの運動は「有酸素運動」と「レジスタンス運動」です。それぞれの運動については下記をご覧ください。 <糖尿病と高血圧予防|おすすめの運動1>有酸素運動 有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに、酸素を使う運動のことです。ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。 <糖尿病と高血圧予防|おすすめの運動2>レジスタンス運動 レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動です。スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操など、標的とする筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います(レジスタンス(Resistance)は和訳で「抵抗」を意味します)。レジスタンス運動は、筋肉量増加・筋力向上・筋持久力向上を促す筋力トレーニングとして高齢者からアスリートまで広く行われています。   糖尿病と高血圧予防|運動の頻度について 運動の頻度は「できれば毎日」少なくとも週に3~5回行うのが良いといわれています。しかし、普段から運動に親しんでいない方(または高齢の方)などでは、急激な運動はかえって体の負担となり、思いがけない事故を引き起こしてしまうこともあります。ですので、無理のない範囲で行なってください。運動は定期的に長く続けられることが秘訣です。自然の中で風景を堪能しながらの「ウォーキング」や楽しく続けられる「スポーツ」など、自分にあった運動の方法を探してみてくださいね。 当日の順番予約はこちらから

2022.10.05