板谷内科クリニックブログ

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減感作療法についての記事一覧

アレルギー科

舌下免疫療法(減感作療法)とは|効果やメリット・デメリット、費用を紹介

アレルギー科に関する記事です。
この記事では、「舌下免疫療法」について解説していきます。後半部分では「舌下免疫療法のメリットやデメリット」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 舌下免疫療法とは 舌下免疫療法のメカニズム 舌下免疫療法のメリット 舌下免疫療法のデメリット 舌下免疫療法のリスク 舌下免疫療法の治療期間と費用 舌下免疫療法のまとめ   舌下免疫療法とは 舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)とは、アレルギーの原因(アレルゲン)となる物質を少しずつ長い間(3〜5年)投与することでアレルゲンに身体を慣らしていき、アレルギー症状を改善させる治療法です。スギ花粉症とダニのアレルギー症状を根本的に治すことができる唯一の治療法になります。2014年に舌下免疫療法が開始されるまで、減感作療法(げんかんさりょうほう)といえば、注射による「皮下免疫療法」が主流でした。しかし舌下免疫療法のほうが「簡便で続けやすい」「アナフィラキシーショックが少ない」など、利点が多いため現在では「舌下免疫療法」が主流となっております。 <舌下免疫療法の効果> 舌下免疫療法では、アレルゲンを含む薬を毎日投与して、少しずつアレルゲンに対する免疫をつくっていきます。免疫ができてくると「アレルギー反応を起こさなくなる」、または「アレルギー反応が微少になる」という効果が現れます。このようなことから舌下免疫療法は、花粉飛散時期の一時的な治療とは異なり、治療期間は長くかかるものの、継続すればアレルギー症状の緩和を期待できます。つまり、「終わりのあるアレルギー治療」とも言えます。「アレルギー鼻炎に対する舌下免疫療法」や「日本アレルギー学会のサイト」でも同様のことを伝えておりますので、ご興味のある方はご覧ください。   舌下免疫療法のメカニズム 舌下免疫療法の効果発現メカニズムは十分には解明されていませんが、以下のように考えられております。 舌下免疫療法の実施により、日常生活で取り込まれる量より多い量のアレルゲンが体内に入ると ・制御性T細胞(過剰な免疫反応をおさえる細胞)が活性化する ・Th1細胞(アレルギー反応をおさえる細胞)が増加する ・Th2細胞(アレルギー反応を促進する細胞)の増加をおさえる ・IgEとアレルゲンの結合を妨げるIgGなど(抗体)が増加する などの反応が引き起こされると考えられています。このように免疫反応が変化することで、効果を発現すると推測されています。   舌下免疫療法のメリット 舌下免疫療法のメリットは以下の通りです。 【舌下免疫療法のメリット1】副作用が少ない 舌下免疫療法は、注射によるアレルゲン免疫療法(皮下免疫療法)に比べて、副作用が少なく、治療中に重篤なアレルギー反応が発生する可能性が低いとされています。 【舌下免疫療法のメリット2】手軽に自宅で行える 舌下免疫療法は舌の下に薬を置いて「しばらくそのままにしてから飲み込む」という治療法のため、誰でも簡単にできます。したがって、初回の服用の際は“医師の監督下”で行うため通院が必要ですが、二回目からの服用は自宅で行うことができます。 【舌下免疫療法のメリット3】アレルゲン耐性の向上 舌下免疫療法は、徐々にアレルゲンに慣れさせることで、アレルギー反応を抑制する効果が期待されます。そのため、次第にアレルゲンに対する耐性が向上し、アレルギー症状の軽減や再発率の低下が期待できます。ただし、アレルゲン免疫療法は、アレルゲンに対する免疫反応を改善するため、完全に治癒するわけではありません。また、効果の出方や期間には個人差がありますので、治療前には必ず医師の指導を受け、治療の適否を慎重に判断する必要があります。 【舌下免疫療法のメリット4】長期的な効果が期待される 舌下免疫療法は、アレルゲンに対する耐性を徐々に高めることで、アレルギー反応を抑制する効果が期待されます。そのため、治療後も長期的に効果が継続するとされています。 【舌下免疫療法のメリット5】保険適用 舌下免疫療法は保険適用の治療です。そのため、自己負担金を少なく抑えることができます。ただし、保険が適用される条件や範囲には制限があるため、治療前には医師や保険会社に確認することが必要です。 【舌下免疫療法のメリット6】幅広いアレルギーに有効 舌下免疫療法は、花粉症やアレルギー性鼻炎、アレルギー性喘息、食物アレルギーなど、幅広い種類のアレルギー疾患に対して有効であるとされています。 【舌下免疫療法のメリット7】小児にも適用可能 舌下免疫療法は、小児にも適用可能です。そのため、小さいお子さんでもスギ花粉症・ダニアレルギー性鼻炎を治療できます。   舌下免疫療法のデメリット 舌下免疫療法のデメリットは以下の通りです。 【舌下免疫療法のデメリット1】治療期間が長い 舌下免疫療法は、効果を期待するためには治療期間が必要であり、通常は数か月から数年にわたって治療を受ける必要があります。そのため、患者さんにとっては長期にわたる治療負担が発生することがあります。 【舌下免疫療法のデメリット2】利用できない方がいる 残念ながら、舌下免疫療法を利用できない方がいます。次に該当する方は、舌下免疫療法の治療を受けることができません。 ・重い気管支喘息の方 ・がんや免疫についての病気がある方 ・対象のアレルギー(スギ花粉症またはダニ)ではない方 【舌下免疫療法のデメリット3】副作用が起こる可能性がある 舌下免疫療法によって、稀にアレルギー症状を悪化させるだけでなく、吐き気、じんましんなどの副作用が起こることがあります。しかし、注射によるアレルゲン免疫療法に比べ、副作用の発生率は低いとされています。   舌下免疫療法のリスク 舌下免疫療法に伴うリスクとして危険なものは、アナフィラキシーショックです。アナフィラキシーショックとは医薬品などに対する急性の過敏反応により、蕁麻疹や嘔吐、息苦しさ、突然のショック症状などがみられることです。アナフィラキシーショックが生じる頻度は非常にまれですが、症状が悪化すると、呼吸困難、血圧低下、意識障害などを引き起こし、救急治療が必要となる場合があります。したがって注意が必要です。アナフィラキシーショックや舌下免疫療法の安全性については「日本アレルギー学会の資料」をご覧ください。   舌下免疫療法の治療期間と費用 舌下免疫療法の治療期間と費用は、次の通りです。 <舌下免疫療法の治療期間> 舌下免疫療法の治療期間は、通常3年から5年程度です。ただし、個人差があり、治療期間は患者の症状や反応によって異なる場合があります。なお、治療期間後は、アレルゲンに対する耐性が維持される期間があるため、定期的なアレルギー検査や医師の診察を受けることが推奨されます。 <舌下免疫療法の費用> クリニックでの治療費と院外薬局での薬代と合わせて、スギ舌下免疫療法は1ヶ月2000円程度、ダニ舌下免疫療法は1ヶ月3500円程度になります(3割負担の場合)。 なお、上述した通り、舌下免疫療法の治療は各種の医療保険、介護保険が適用可能です。したがって同じ分量でもお支払額は保険負担割合(1割ー3割)に応じ変化します。当院の料金についてはこちらに詳しく記載しておりますので、ぜひご覧ください。   舌下免疫療法における注意点とその他の治療法 舌下免疫療法を行うにあたっての注意点は、以下の通りです。 【舌下免疫療法における注意点1】対象年齢 上述した通り、舌下免疫療法は小児にも適用可能です。ただし、小さなお子さんの場合は薬を舌下に一定時間保持しておくことが難しく、治療を効果的かつ円滑に進めることができないケースがあります。そのため一般的に、舌下免疫療法は5歳以上の患者さんを対象としています。なお、対象年齢については、治療を行う医療機関や患者さんの状況によって異なるため、医師に相談することをお勧めします。 【舌下免疫療法における注意点2】開始時期 アレルゲンの種類によっては、最初に検査を行い、その結果に基づいて治療を開始することが推奨されます。ですので、治療を開始するタイミングが遅れることがあります。 【舌下免疫療法における注意点3】アナフィラキシーが発生する可能性 舌下免疫療法によって重篤なアナフィラキシーが発生する可能性があります。そのため治療を行う患者さんは、治療前に必ず医師の指導を受け、アナフィラキシーの症状や対処法について理解を深める必要があります。なお当院では、アナフィラキシー予防のため、初日はクリニックにてお薬を内服していただきます(2日目からはご自分で利用いただけます)。 【舌下免疫療法における注意点4】効果が出るのに時間がかかります 舌下免疫療法は、効果が現れるまでに数ヶ月から1年程度かかることがあります。そのため、治療を始める前に、患者さんやご家族が長期的な治療に対して理解を深め、継続的な治療を行うことが必要です。 【舌下免疫療法における注意点5】定期的に治療を受けることが必要 舌下免疫療法は、定期的に治療を受けることが必要です。治療を途中で中断すると、アレルゲンに対する耐性が低下する可能性があるため、医師の指導に従い、定期的に治療を受けてください。 <その他の治療法:皮下免疫療法について> 皮下免疫療法(ひかめんえきりょうほう)とは、アレルゲンを皮下に注射して、免疫系を強化し、アレルギー症状を緩和する治療法です。舌下免疫療法と同様、アレルゲンに対する免疫応答を正常化することで、アレルギー症状を改善することを目的としています。なお、舌下免疫療法が「スギ」と「ダニ」の2種類に限定されるのに対し、皮下免疫療法では「ブタクサ」をはじめ幅広いアレルゲンに対応できます。皮下免疫療法について詳しく知りたい方は「」をご覧ください。   舌下免疫療法のまとめ 舌下免疫療法はアレルギー症状を軽減したり、予防したりする有効な治療法ですが、治療期間が長く、副作用の可能性があるため、その点について理解しておく必要があります。また、治療期間は数か月から数年にわたる場合があり、定期的な通院や検査が必要になるため、生活スタイルに合わせて計画することも重要です。舌下免疫療法の治療を検討する際は、ご家族やかかりつけの医師とよく相談し、慎重に決断することをお勧めします。なお、当院ではアレルギー治療の一つとして舌下免疫療法を取り入れています。舌下免疫療法に関するご相談やご質問があれば、いつでもお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2023.04.05