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糖尿病による皮膚症状:赤い斑点について解説
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では「糖尿病による皮膚症状」について解説していきます。後半部分では「赤い斑点の治療法」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
糖尿病と皮膚の関係について
糖尿病による赤い斑点の原因
赤い斑点の症状とタイプ
赤い斑点の治療法
糖尿病患者のためのスキンケア
糖尿病のコントロール方法
まとめ:赤い斑点にはご注意ください
糖尿病と皮膚の関係について
糖尿病は血糖値の上昇にとどまらず、乾燥やかゆみ、感染症のリスク増加など、多様な皮膚トラブルを引き起こす可能性があります。ここでは、糖尿病が皮膚に与える影響や、早期発見・予防のポイントについて詳しく解説します。
<糖尿病の基本知識>
糖尿病は、体内で作られるインスリン(血糖値を抑えるホルモン)の働きが不足することにより、高血糖状態になる疾患です。糖尿病は血糖値の調節だけでなく、脂質やタンパク質など、ほぼ全ての体内代謝に異常を及ぼします。また、糖尿病は心筋梗塞や脳梗塞、失明、腎不全など、深刻な合併症を引き起こす可能性があります。そのため、糖尿病の症状が見られた際には、放置せずに速やかに専門医の診察を受けることが重要です。
<糖尿病と皮膚の関係>
糖尿病患者さんの多くは、さまざまな皮膚トラブルを経験します。血糖値の上昇により、体内の組織に多岐にわたる影響が生じるためです。具体的には、高血糖状態が続くと血管が損傷し、皮膚の血行不良を引き起こします。また、神経障害によって皮膚の感覚が鈍くなることで、傷や炎症に気づきにくくなる場合もあります。さらに、高血糖環境下では免疫機能が低下し、細菌や真菌(カビ)による感染症にかかりやすくなります。このように、糖尿病による皮膚への影響は多岐にわたります。
<皮膚に現れる症状の概要>
糖尿病に関連する皮膚症状は多岐にわたります。代表的なものに、皮膚の乾燥やそれに伴うかゆみが挙げられます。これは血糖値の上昇が原因で、皮膚の水分保持機能が低下するためです。また、血行不良により傷の治りが遅くなるのも特徴的な症状の一つです。さらに、足の皮膚が厚くなる、皮膚感染症を繰り返すといった症状が見られることもあります。中でも注意が必要なのは、糖尿病性壊疽と呼ばれる重篤な状態です。糖尿病性壊疽は、血流障害や感染症が原因で組織が壊死し、特に足に深刻な影響を及ぼす状態です。進行すると、最悪の場合、切断が必要になることもあります。このため、早期発見と適切な治療が極めて重要です。傷や炎症を放置せず、違和感がある場合はすぐに医療機関を受診してください。
<赤い斑点の意味と重要性>
糖尿病患者さんに見られる赤い斑点は、特に注意が必要な症状です。これらの斑点は、血管の損傷や炎症反応によって引き起こされることが多く、時として深刻な合併症の前兆となることがあります。特に下肢に現れる赤い斑点は、末梢血管障害の可能性を示唆します。また、突然現れる赤い発疹は、細菌感染症やカンジダ症などの真菌感染症のサインかもしれません。そのため、これらの症状を発見した際には、速やかに医療機関を受診することが重要です。なお、糖尿病による皮膚症状について詳しく知りたい方は「糖尿病による皮膚の症状について」をご覧ください。
糖尿病による赤い斑点の原因
ここでは、糖尿病による赤い斑点の原因について解説します。
<血糖値の影響と皮膚トラブル>
高血糖状態が続くことによって、血管系にさまざまな変化が生じます。特に、毛細血管の損傷は皮膚の表面に赤い斑点として現れることがあります。これは、血管内皮細胞が高血糖の影響を受けて機能が低下し、血管の透過性が亢進することが主な原因です。また、血液の粘度が上昇することで、微小循環が悪化し、皮膚表面に赤い斑点として現れることもあります。さらに、血糖値の変動が激しい場合、血管の収縮と拡張が繰り返されることで、皮膚表面に小さな出血斑が生じることもあります。これらの症状は、血糖値のコントロールを適切に行うことで改善する可能性があります。
<感染症のリスクとその原因>
糖尿病患者さんは、免疫機能の低下により、さまざまな感染症にかかりやすい状態にあります。特に、細菌感染症や真菌感染症は赤い斑点として現れることが多いです。また、高血糖状態では、白血球の機能が低下し、病原体への対処能力が弱まります。さらに、皮膚のバリア機能も低下するため、通常では問題にならない程度の細菌でも感染を引き起こすことがあります。特に多いのが、ブドウ球菌による毛包炎や蜂窩織炎、カンジダ菌による皮膚カンジダ症です。これらの感染症は適切な治療を行わないと重症化する可能性があるため、早期発見と治療が重要です。
<その他の皮膚疾患との関係>
糖尿病患者さんに見られる赤い斑点は、必ずしも糖尿病が直接の原因ではない場合もあります。例えば、糖尿病性脂質異常症による黄色腫の周囲に発赤が見られることがあります。また、糖尿病性末梢神経障害により、掻痒感が強くなり、掻破による発赤が生じることもあります。さらに、糖尿病患者さんは血管性の皮膚疾患を合併しやすく、結節性紅斑や環状肉芽腫などが見られることもあります。これらの皮膚疾患は、糖尿病の治療と並行して、皮膚科専門医による適切な治療が必要となることが多いです。
糖尿病による赤い斑点の出現は、さまざまな要因が複雑に絡み合って生じます。血糖値のコントロール不良による直接的な影響、感染症のリスク増加、そして他の皮膚疾患との関連など、その原因は多岐にわたります。重要なのは、これらの症状を早期に発見し、適切な対応を取ることです。したがって、日常的な皮膚の観察と、定期的な医療機関の受診が推奨されます。
赤い斑点の症状とタイプ
続きましては、赤い斑点の症状とタイプについて解説します。
<湿疹や乾癬の症状>
湿疹と乾癬は、見た目が似ていることがありますが、その性質は大きく異なります。湿疹は皮膚の表面に現れ、赤みを帯びた斑点として始まり、進行すると水疱を形成することがあります。特に急性期には強い痒みを伴い、掻くことで症状が悪化する傾向にあります。一方、乾癬は境界が明確な赤い斑点として現れ、表面には銀白色の鱗屑を伴うことが特徴です。乾癬の場合、痒みは湿疹ほど強くないことが多いですが、関節症状を伴うことがあります。両者とも慢性化すると皮膚が厚くなり、色素沈着を残すことがあります。
<かゆみや炎症について>
かゆみは炎症の重要なサインであり、体内でヒスタミンなどの化学物質が放出されることにより生じます。炎症部位は通常、発赤、腫れ、熱感を伴い、時には痛みが見られることもあります。特に夜間にかゆみが強くなることが多く、これは体内の炎症メディエーターが日内変動を起こすためです。また、ストレスや発汗がかゆみを増強させることがあり、これらが炎症を悪化させる原因になることもあります。
<ブツブツや皮膚炎の見分け方>
皮膚に現れるブツブツや発疹は、その形状や性状に基づいて原因を推測することが可能です。例えば、蕁麻疹は盛り上がった赤い斑点として現れ、数時間ごとに場所を移動するのが特徴です。一方、毛包炎は毛穴を中心とした小さな赤いブツブツとして現れ、場合によっては膿を伴います。また、接触性皮膚炎は、原因物質が触れた部分に一致して境界が明瞭な発赤や水疱が生じます。これらの症状は、発症部位や経過、随伴症状を総合的に評価することで、より正確な診断が可能です。
赤い斑点の症状とタイプは非常に多岐にわたります。その原因や性質に応じて適切な治療法が異なるため、症状を正確に観察し、早期に適切な診断を受けることが重要です。
赤い斑点の治療法
皮膚に現れる赤い斑点は、その原因や症状によって適切な治療法が異なります。ここでは、医学的な治療法から日常的なケアまで、赤い斑点への対処方法について詳しく解説します。
<薬物治療の選択肢>
赤い斑点の治療には、さまざまな薬物療法が用いられます。最も一般的なのはステロイド外用薬で、炎症を抑え、かゆみを和らげる効果があります。また、非ステロイド性抗炎症外用薬は、長期使用が必要な場合や副作用を抑えたい場合に用いられることがあります。感染を伴う場合は、抗生物質や抗真菌薬が処方されることもあります。特に重症例では、内服薬や注射薬が必要になることがあります。さらに、免疫抑制外用薬は慢性的な症状に対して効果的です。これらの薬物は、医師の診断と指示に基づいて適切に使用することが重要です。
<皮膚科での受診が必要な理由>
専門医は、症状を視診や触診、必要に応じた検査によって正確に診断します。また、赤い斑点が単なる皮膚の炎症によるものか、あるいは内臓疾患の症状であるかを見極めることも可能です。専門医は症状の重症度を適切に評価し、最適な治療法を選択することができるため、糖尿病に関連する皮膚症状が見られる場合は、皮膚科の受診を強くお勧めします。
<日常生活での対策と注意点>
日常生活における適切なスキンケアは、症状の改善と予防に欠かせません。まず、皮膚を清潔に保つことが基本ですが、過度な洗浄は避け、肌に優しい石鹸を使用します。また、入浴後には皮膚が乾燥しないうちに保湿剤を塗布することが推奨されます。さらに、ストレスや疲労が症状を悪化させる可能性があるため、十分な休息を取ることが大切です。なお、食生活では、バランスの取れた食事を心がけ、アレルギー反応を引き起こす可能性のある食品には注意してください。
赤い斑点の治療には、医学的な治療と日常的なケアの両方が重要です。皮膚科専門医による定期的な診察と生活習慣の改善を組み合わせることで、多くの場合、症状のコントロールが可能になります。
糖尿病患者のためのスキンケア
糖尿病患者さんにとって、適切なスキンケアは重要です。正しいケア方法を知ることで、健康的な肌を保つことができます。ここでは、糖尿病患者さんに最適なスキンケア方法について詳しく解説します。
<乾燥対策と保湿の重要性>
皮膚の乾燥はバリア機能の低下を引き起こし、さまざまな皮膚トラブルの原因となります。そのため、乾燥対策として保湿ケアを行うことが重要です。保湿ケアは、朝晩の洗顔後や入浴後、皮膚が少し湿っている状態で行うと最も効果的です。特に尿素やヒアルロン酸などの保湿成分を含む製品を選ぶことが推奨されます。なお、保湿剤はやさしく円を描くように塗布し、皮膚を刺激しないよう注意してください。
<刺激の少ないスキンケア製品>
糖尿病患者さんの肌は敏感になりやすいため、スキンケア製品の選択には特に注意が必要です。そのため、洗顔料は弱酸性で刺激の少ないものを選んでください。強い洗浄力を持つ製品は、必要な皮脂まで取り除く可能性があるため避けてください。また、保湿剤は無香料・無着色の製品が望ましく、アルコールなどの刺激性成分を含まないものを選ぶことが重要です。美白成分や抗酸化成分など、機能性を謳う製品を使用する際には、少量から試すことをお勧めします。
<アレルギーと注意が必要な成分>
糖尿病患者さんは皮膚のバリア機能が低下しているため、通常は問題のない成分でもアレルギー反応を起こすことがあります。特に注意が必要なのは香料、防腐剤、アルコール類です。新しい製品を使用する際は、必ず腕の内側など目立たない部分でパッチテストを行ってください。また、天然成分であってもアレルギー反応を引き起こす可能性があることを忘れないでください。なお、症状が出た場合は、直ちに使用を中止し、必要に応じて医療機関を受診することが重要です。
保湿を中心としたケアを継続的に行い、刺激の少ない製品を選択することで、健康的な肌を保つことができます。また、新しい製品の使用には慎重を期し、異常が見られた場合は早めに対処することが大切です。日々の丁寧なスキンケアは、皮膚トラブルの予防だけでなく、QOLの向上にもつながります。
糖尿病のコントロール方法
糖尿病の適切な管理は、合併症の予防と健康的な生活の維持に不可欠です。ここでは、効果的な糖尿病コントロールの方法について、医学的な観点から詳しく解説します。
<血糖値の管理とモニタリング>
血糖値の適切な管理は、糖尿病治療の基本です。具体的には、自己血糖測定器を用いた定期的なモニタリングにより、日々の血糖値の変動を把握することが重要です。測定は、空腹時、食後2時間、就寝前など、一日の中で決まった時間に行うことで、より正確な傾向を把握できます。また、継続的なグリコヘモグロビン(HbA1c)の測定により、長期的な血糖コントロールの状態を評価します。なお、血糖値が目標範囲を超えた場合は、医師に相談の上、投薬内容や生活習慣の見直しを検討する必要があります。
<食事療法と運動の役割>
食事療法と運動は、糖尿病治療の重要な柱です。食事については、総カロリーの管理だけでなく、炭水化物、タンパク質、脂質のバランスにも注意を払う必要があります。また、規則正しい食事時間の維持も血糖値の安定に重要な役割を果たします。なお、運動は、インスリンの働きを改善し、血糖値の低下に効果的です。ウォーキングなどの有酸素運動を中心に、自分の体力に合わせた運動を継続的に行うことが推奨されます。ただし、合併症のある方は、運動強度や種類について医師に相談してください。
<医療機関での定期検査>
定期的な医療機関での検査は、糖尿病の管理状態を評価する上で欠かせません。血液検査では、血糖値やHbA1cに加え、肝機能、腎機能、脂質代謝なども確認します。また、網膜症の早期発見のための眼底検査や、神経障害の評価、足の状態のチェックも重要です。これらの検査結果に基づき、治療方針の見直しや合併症の予防策を検討します。さらに、医師との定期的な面談を通じて、服薬状況や生活習慣の改善点について相談することができます。
糖尿病のコントロールには、血糖値の管理、適切な食事と運動、そして定期的な医療機関での検査が重要です。これらを総合的に取り入れることで、より効果的な治療が可能となります。
まとめ:赤い斑点にはご注意ください
高血糖状態が続くと、血管が傷つき、皮膚の微小循環に影響を及ぼすことで、体のさまざまな部位に赤い斑点が現れることがあります。特に下肢に多く見られ、かゆみを伴うこともあります。これらの症状は、放置すると潰瘍化や感染のリスクが高まるため、早期発見と適切な対応が不可欠です。日常生活においては、清潔な肌の状態を保ち、保湿を心がけてください。また、定期的な皮膚の観察を習慣化し、新しい斑点の出現や既存の斑点の変化に気づいたら、すぐに医療機関を受診することをお勧めします。なお、当院では、患者さん一人ひとりの状態に合わせた総合的な治療を提供しています。糖尿病の初期段階から進行した症例まで幅広く対応しておりますので、糖尿病の症状に心当たりのある方、もしくは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2025.02.25
糖尿病による皮膚の症状について
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、「糖尿病による皮膚の症状」について解説していきます。後半部分では「糖尿病が引き起こす皮膚の病気」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
糖尿病による皮膚への影響
なぜ糖尿病にかかると皮膚に症状が出るのか
糖尿病が引き起こす皮膚の病気
糖尿病による皮膚病の予防策
糖尿病による皮膚の痒みを防ぐために
まとめ
糖尿病による皮膚への影響
糖尿病はインスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖が増えてしまう病気です。血糖の濃度が何年間も高いままで放置されると血管が傷つき、将来的に心臓病や、失明、腎不全といった、より重い病気につながります。また、糖尿病は皮膚症状との関連性が高い病気の一つです。多くの糖尿病患者さんが、乾燥や痒み、痛みなどの肌のトラブルに悩まされています。糖尿病患者さんに現れる症状のうち、皮膚や肌に関係するものは以下の通りです。
・痒い
・乾燥する
・ちくちくと指すような痛みがある
・手足の感覚がない
・切り傷が治りにくい
なぜ糖尿病にかかると皮膚に症状が出るのか
多くの糖尿病患者さんが、乾燥や痒み、痛みなどの肌のトラブルに悩まされています。なぜ糖尿病にかかると皮膚症状が出るのでしょうか。
<高血糖による脱水症状>
血糖値が上がると、皮膚の水分が失われ乾燥肌になりやすくなります。乾燥した皮膚は傷つきやすいので、痒みが生じたり、痛みが走ったりします。
<多尿により体内が脱水傾向になる>
血糖値が高い状態が続くと、血液中のブドウ糖の多くが尿に排出されます。その際に体の中の水分も一緒に尿に排出されるため脱水気味となり、皮膚が乾燥しやすくなると考えられています。
<自律神経障害によって発汗作用が低下するため>
糖尿病で高血糖の状態が長く持続すると、自律神経に障害が及びます。自律神経の働きが障害されると汗をかきにくくなり、皮膚の水分量が低下するため、「乾燥」や「痒み」が生じやすいと考えれられています。
糖尿病が引き起こす皮膚の病気
糖尿病による「血管障害」や「神経障害」あるいは「脂質代謝異常増悪」により、下記のような皮膚病変が出現します。
【糖尿病が引き起こす皮膚の病気1】糖尿病性水疱
糖尿病性水疱とは、糖尿病による血管障害の影響で、突然手や脚の皮膚に水疱ができる病気です。高血糖状態が続くと細菌や真菌に対する抵抗力が低下し、血流が悪くなるため感染症を引き起こしやすくなることが原因と考えられています。なお、糖尿病性水疱はカビの一種である真菌に感染することで発症します。
【糖尿病が引き起こす皮膚の病気2】成年性浮腫性硬化症
成年性浮腫性硬化症とは、糖尿病や感染症などをきっかけとして引き起こされる皮膚変化のことを指します。顔や首、肩、上半身などを含めた全身各所の皮膚がむくみ、硬くなります。成年性浮腫性硬化症では、原因となっている疾患に対する治療が行われるほか、皮膚病変に対して光線療法や免疫抑制剤の使用などが検討されます。
【糖尿病が引き起こす皮膚の病気3】糖尿病性黄色腫
糖尿病性黄色腫は、重症糖尿病あるいは充分コントロールされない糖尿病にみられる稀な皮膚合併症です(糖尿病の家族歴を持つ20~30歳代に起こりやすい)。好発部位は四肢伸側で、特に肘頭、膝蓋、臀部で、米粒大から小豆大の黄色ないし赤褐色の丘疹または小結節が多発し、時に掻痒を伴います。
【糖尿病が引き起こす皮膚の病気4】リポイド類壊死症
リポイド類壊死症とは、肉芽腫性反応、血管壁の肥厚と脂肪沈殿とコラーゲンの変性疾患のことを言います。糖尿病性細小血管症に焦点を当てた原因説があげられています。なお、糖尿病患者さんにおいては、早期に発生すると言われています。
【糖尿病が引き起こす皮膚の病気5】糖尿病性皮膚潰瘍
糖尿病性潰瘍とは、糖尿病が進行すると起こる皮膚潰瘍のことです。症状としては足の指などに皮膚潰瘍ができるのですが、糖尿病による神経障害を併発していることが多く、無痛のため気付かないこともあります。なお、皮膚潰瘍を放置しますと“潰瘍部分”が壊死してしまいますので、注意が必要です。
糖尿病による皮膚病の予防策
糖尿病による皮膚病変は予防が重要です。糖尿病皮膚病変を予防するには以下のポイントを押さえて行うことが大切です。
・毎日皮膚をチェックする
・保湿して乾燥対策を行う
・低温やけどに注意する
糖尿病があるため、皮膚科的に特別な治療が必要になることはあまりないですが、一般的に病気が広がりやすく治りにくい傾向があるので、皮膚の小さな変化に気付いたらそのままにせず、早めに診察を受けてください。もちろん、血糖値をよく管理することも大切になります。
糖尿病による皮膚の痒みを防ぐために
皮膚の痒みを予防する上で大切なのは、肌のバリア機能を低下させないことです。こまめに保湿剤を使用し、スキンケアを行ってください。以下、痒さへの対策になりますので、ぜひ参考にしてくださいね。
【糖尿病による皮膚の痒みを防ぐために1】紫外線を防ぐ
紫外線は必要以上に浴びると皮膚の乾燥を起こしたり、皮膚の老化を早めたり、眼の病気や皮膚がんのリスクを高める可能性があります。また、長時間日光を浴びると皮膚が炎症を起こし(日焼け)、皮膚のバリア機能が低下します。ですので、紫外線が強い時期や時間帯に外出するときは、日焼け止めを塗ったり、腕や首などを覆う服を着たり、日傘をさしたりして肌を守ってください。
【糖尿病による皮膚の痒みを防ぐために2】肌の乾燥を防ぐ
バリア機能が低下して乾燥した肌は、痒みが発生しやすくなります。保湿剤を塗り、肌を乾燥から守るケアを心がけてください。保湿剤によるスキンケアは1年をとおして毎日続けるものなので、季節や時間帯、塗る場所に応じて、使いやすい剤形を選んでください。
【糖尿病による皮膚の痒みを防ぐために3】清潔の保持
この場合の清潔とは、皮膚の汚れや汗、アレルギーの原因物質、細菌(黄色ブドウ球菌)やウイルスなどを洗い落とすことをいいます。「汗をかいたら早めにシャワーで流す」「外出先では、こまめに汗を拭き取る」など、常に清潔さをキープしてください。
【糖尿病による皮膚の痒みを防ぐために4】バランスのとれた食事をする
たんぱく質、ビタミン・ミネラル、食物繊維などをバランスよくとってください。乾燥肌にはサバやイワシなどの青魚や、かぼちゃ、にんじんなどの緑黄色野菜がおすすめです。
まとめ
糖尿病になっても初期段階では自覚症状がありません。そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病かもしれない…」と感じている方は、早めに受診することをお勧めします。糖尿病にお心当たりのある方、あるいは健康的な食事について相談したい方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2023.03.17
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