板谷内科クリニックブログ

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症状についての記事一覧

内科

インフルエンザの症状について知ろう

内科に関する記事です。
この記事では「インフルエンザの症状」について解説していきます。後半部分では「子供のインフルエンザ」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 インフルエンザの基本的な症状 インフルエンザの発症期間について 発熱のないインフルエンザの症状について インフルエンザで下痢の症状がある場合 子供のインフルエンザについて インフルエンザの症状をチェックするためのポイント 当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です   インフルエンザの基本的な症状 インフルエンザは、鼻や口から侵入した「インフルエンザウイルス」が肺や気道で感染・増殖することで引き起こされる疾患です。感染してから約1~3日間程度の潜伏期間の後に、38℃以上の高熱、関節痛、頭痛、全身倦怠感などが突然あらわれます。以下、インフルエンザの主な症状です。 ・発熱 ・全身倦怠感 ・喉の痛み ・悪寒 ・関節痛・筋肉痛 ・頭痛 ・食欲不振  ・嘔吐 ・下痢 ・咳・痰 ・鼻水 通常の風邪と比較して、インフルエンザは「高熱」と「全身症状」が特徴です。インフルエンザの症状について詳しく知りたい方は「インフルエンザかな?症状がある方へ」や「インフルエンザQ&A」をご覧ください。   インフルエンザの発症期間について インフルエンザウイルスに感染しても、すぐに症状は出ません。通常はインフルエンザウイルスに感染してから1~3日間程度の潜伏期間の後に、38℃以上の高熱、関節痛、頭痛、全身倦怠感などが突然あらわれます。そして、その後に鼻水・咳などの症状が出現し、約1週間程度で軽快するのが典型的なインフルエンザの症状です。ただし、実際には個人差が大きいため、潜伏期間や症状の重さは個々に異なります。したがって、発症前に手洗いやマスクの着用などの感染対策を徹底し、万一症状が出た場合は速やかな医療受診が重要です。特に、高齢者や基礎疾患のある方は重症化しやすいため、十分な注意が必要になります   発熱のないインフルエンザの症状について インフルエンザは通常の風邪に比べ、「高熱」と「全身症状」が特徴です。ただし、全てのインフルエンザウイルスが重篤な症状をもたらすわけではありません。風邪とほぼ同様のケースもあり、なかには自分がインフルエンザに感染したことに気づかない方もいます(熱なし)。インフルエンザに感染していることに気づかないままでいると、自分でも気づかないうちに周囲にウイルスを広げてしまう可能性があります。そのため、早い段階で自分がインフルエンザに感染していることに気づき、適切な対処をすることが非常に重要です。また、隠れインフルの場合、通常のインフルエンザと比べて症状が軽いことが挙げられますので、「少しでもおかしい」と感じたら、早めに病院へ行くことが大切になります。「厚生労働省のサイト」でも同様の見解を述べております。   インフルエンザで下痢の症状がある場合 下痢の症状がある場合、「インフルエンザB型」の可能性が比較的高いと考えられます。インフルエンザB型に罹患すると、38度以下の微熱が出るなど、A型よりも比較的穏やかな症状が現れることがあります。ただし、A型よりも症状が長引くことがあり、長期間微熱や腹痛、下痢などが続くこともあります。下痢は体内の水分を失いやすくなり、脱水症状を引き起こす可能性があります。したがって、インフルエンザで下痢の症状がある場合は、水分補給が重要です。下痢が続くと脱水症状になる恐れがあるため、水分補給をこまめに行ってください。また、医師に相談して適切な抗ウイルス薬や対症療法を検討することも大切です。なお、インフルエンザA型に感染したときでも、熱が引いた後に下痢の症状が出ることはあります。そのため、下痢があるからといって「インフルエンザB型」と自己判断せず、下痢の症状がある場合は早めに医療機関を受診してください。   子供のインフルエンザについて 子供のインフルエンザでよく見られる症状として、頭痛、関節痛、咳、鼻水、および38℃以上の急な発熱が挙げられます。子供が発熱した時は、氷枕を使用するほか、首筋や脇の下、太股のつけ根など、太い血管がある部位に氷を当てて冷やしてください。また、冬は暖房を強くしないように、夏はクーラーの風が直接当たらないように気をつけてください。なお、子供が熱を出すと、一時的に「理解できない言動」や「異常な行動」をとることがあります(これを「熱せん妄」と呼びます)。ほとんどの場合は短時間で収まりますが、場合によってはそれが長時間続いたり、けいれんを引き起こしたりする可能性があるため、早めに医療機関を受診してください。子供のインフルエンザは、症状が重篤になる可能性があるため、早めに医療機関で診断を受けることをお勧めします。「厚生労働省のサイト」でも同様の見解を述べております。   インフルエンザの症状をチェックするためのポイント インフルエンザウイルスに感染した可能性がある場合は、以下の症状を確認してください。 <インフルエンザの初期症状> ・38度以上の高熱 ・悪寒 ・強い倦怠感 ・筋肉痛や関節痛 ・激しい頭痛 これらの症状に加えて、咳や喉の痛み、鼻水などの呼吸器症状が現れることもありますので、慎重に確認してください。また、「地域内でインフルエンザが流行しているのか」「家庭内にインフルエンザ陽性者はいるのか」なども重要な情報です。医師への報告の際には、具体的な情報収集が大切になります。症状の発生時期や進行具合、体温の変動、服薬歴、そして近くで同様の症状が見られる人がいるかなど、症状に関する詳細な情報を医師に提供してくださいね。   当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし、「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。なお、当院では、予約なしでインフルエンザ予防接種を実施しております。現在、診察時間内であれば当日の接種も可能ですので、突然の接種希望にも柔軟に対応できます。インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2024.01.18

内科

不眠症の原因にトラウマが影響する可能性

内科に関する記事です。
この記事では、「不眠症とトラウマの関係」について解説していきます。後半部分では「トラウマによる不眠症の症状」をご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 不眠症とトラウマとは 不眠症とトラウマの関係性 トラウマによる不眠症の症状 トラウマ以外の不眠症の原因について 不眠症改善についてはいつでも当院にご相談ください   不眠症とトラウマとは まずは、「不眠症」と「トラウマ」について解説いたします。 <不眠症とは?> 不眠症とは、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害によって、その人にとって必要な睡眠時間が十分に取れないことや「睡眠の質」が低下することで、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。不眠は、眠気、倦怠感、集中力低下、抑うつや不安などの精神症状を引き起こし、その結果として生産性の低下、交通事故の増加など、様々な人的および社会経済的損失をもたらすと考えられております。したがって、「睡眠が浅い」「寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」でも同様のことを伝えておりますので、ご興味のある方はご覧ください。 <トラウマとは?> トラウマとは、精神的または身体的なショックや「恐怖体験」によって引き起こされる心の傷です。その人の生命、存在に強い衝撃をもたらす事象を外傷性ストレッサーと呼び、その体験をトラウマ体験と呼びます。具体的にトラウマとなる体験としては、地震、津波、台風などの自然災害や虐待、犯罪、性暴力、交通事故などによるものが挙げられます。また、日々の生活においては、重い病気やけが、家族や友人の死、別離、いじめなどによってトラウマとなる場合があります。なお、トラウマは、不眠、不安、うつ病、フラッシュバック、過度の興奮など、様々な症状を引き起こします。したがって、トラウマに悩んでいる方は放置せず、専門家のアドバイスを受けることが重要です。   不眠症とトラウマの関係性 トラウマを体験した後は、身体や心に様々な反応が生じます。例えば、PTSD(心的外傷後ストレス障害)です。PTSDとは、トラウマになるような圧倒的な出来事を経験し、強い衝撃を受けた後で生じる精神疾患です。PTSDでは、過去のトラウマ体験を頻繁に思い出すため、緊張と不安感が高まっている状況が続きます。したがって、PTSDがある方の約90%に不眠がみられます。眠れない理由としては、リラックスできない過覚醒のためです。PTSDがある方は自律神経の調節がうまくいかないため、安定した睡眠がとれません。つまり、夜間にも警戒する気持ちが高まっているので、浅い眠りになるのです。このような理由から「不眠症」と「トラウマ」には、密接な関係があると言われています。   トラウマによる不眠症の症状 トラウマによる不眠症では、様々な症状が引き起こされます。まず、入眠困難が顕著で、心が落ち着かずにベッドで寝返りを打つ時間が長くなることがあります。また、夜間に何度も目が覚めたり、早朝に目が覚めてしまう早朝覚醒も見られます。これにより、睡眠が断片化され、熟睡感が得られないことがあります。さらに、不眠症のストレスによって、日中の眠気や集中力の低下、イライラ、不安感が増加することもあります。これらの症状はストレスと密接に関連しているため、「ストレスの軽減」や「リラクゼーション法の実践」が大切です。ただし、症状が長期間続く場合は、医師の診断と指導を受けることが重要です。長期間にわたる不眠は「うつ病」や「不安障害」などの精神症状を引き起こす可能性があるため、ご留意ください。   トラウマ以外の不眠症の原因について 不眠症の原因は人によって様々です。ここでは不眠症を引き起こす「主な原因」をご紹介します。 【不眠症の原因1】心理的原因 何らかのストレスに関連して起こる不眠です。 【不眠症の原因2】身体的原因 身体の病気や症状が原因で起こる不眠です。 【不眠症の原因3】薬理学的原因 服用している薬や、アルコール、カフェイン、ニコチンなどが原因で起こる不眠です。 【不眠症の原因4】精神医学的原因 精神や神経の病に伴って起こる不眠です。精神や神経の病には、不眠を伴うことが少なくありません。なかでも不眠になりやすいのは、不安と抑うつになります。   不眠症改善についてはいつでも当院にご相談ください 不眠症の改善には、適度な運動、睡眠環境の整備、規則正しい生活リズムの維持などのアプローチが有効です。したがって、継続的に不眠症対策に取り組むことで、不眠症の症状は改善します。ただし、不眠症が重度の場合には注意が必要です。自己治療に励むのではなく、医師への相談と早期の治療を推奨します。なぜなら不眠症は、他の疾患との関連性が高い疾患だからです。身体的な病気や精神的な健康状態が不眠症の原因となることがあり、また、不眠症自体も他の病態を悪化させる可能性があります。そのため、重度の不眠症は放置せずに、適切な治療を受ける必要があります。睡眠が浅い、なかなか寝つけないなど、日常生活に支障を感じている方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。なお、当院では、不眠症に対する診断と治療を行っております。不眠の症状や原因について悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2023.10.30

糖尿病・代謝内科

【医師監修】目に現れる糖尿病の症状について解説

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では「目に現れる糖尿病の症状」について解説していきます。後半部分では「糖尿病性網膜症」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 糖尿病とは 糖尿病と目の関係 糖尿病網膜症とは 糖尿病性白内障 目に関する症状は早期発見が極めて重要です 不安な方はいつでもご相談ください   糖尿病とは 糖尿病はインスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖が増えてしまう病気です。血糖の濃度が何年間も高いままで放置されると血管が傷つきます。そして将来的に心臓病や、失明、腎不全といった、より重い病気につながります。そのため糖尿病の症状が見られた際には放置せず、速やかに糖尿病専門医による診察を受けることが大切です。なお糖尿病は、症状の自覚が難しい病気です。血糖値が少し高い段階では、自覚する症状はほぼありません。しかし高血糖のままある程度の時間が経過すると、次のような症状が現れてきます。 <糖尿病の初期症状> ・立ちくらみ ・全身の倦怠感、疲労感 ・喉が渇いて沢山の水がほしくなる ・手足のしびれ、冷え、むくみ ・皮膚のかゆみ、乾燥 ・目がかすむ ・視力の低下 ・やけどの痛みを感じにくい ・食べているのに痩せる ・残尿感がある ・尿の臭いが気になる ※糖尿病の症状について詳しく知りたい方は「糖尿病情報センター」をご覧ください。   糖尿病と目の関係 糖尿病になると、高血糖の影響で網膜の毛細血管が損傷し、「末梢神経障害」や「代謝異常」が生じることがあります。これにより、様々な目の合併症が発生します。合併症の中には、初期段階では症状が現れないこともありますので、注意が必要です。なお、糖尿病網膜症は最もよく知られた合併症です。糖尿病網膜症は、高血糖が網膜血管に損傷を引き起こし、視力の喪失につながる可能性があるため、早期に眼科検査を受けることが重要です。   糖尿病網膜症とは 糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)とは、糖尿病が原因で目の中の網膜という組織が障害を受け、視力が低下する病気です。「糖尿病腎症」「糖尿病神経症」と並んで糖尿病の三大合併症と言われております。糖尿病網膜症は、他の糖尿病合併症と同様、初期段階では自覚症状がありません。しかし気づかずに放置していると症状が悪化して様々な視覚障害が起こり、最終的には失明に至ることもあります。なお、糖尿病網膜症は、進行の度合いにより大きく三段階に分類されます。 【糖尿病網膜症の病期1】単純糖尿病網膜症 単純糖尿病網膜症(たんじゅんとうにょうびょうもうまくしょう)は、初期の糖尿病網膜症です。最初に出現する異常は、細い血管の壁が盛り上がってできる血管瘤や、小さな出血です。蛋白質や脂肪が血管から漏れ出て網膜にシミ(硬性白斑)を形成することもあります。なお、これらは血糖値のコントロールが良くなれば改善することもあります。 【糖尿病網膜症の病期2】前増殖糖尿病網膜症 前増殖糖尿病網膜症(ぜんぞうしょくとうにょうびょうもうまくしょう)は、単純網膜症より一歩進行した状態です。細い網膜血管が広い範囲で閉塞すると、網膜に十分な酸素が行き渡らなくなり、足りなくなった酸素を供給するために新しい血管(新生血管)を作り出す準備を始めます。この時期になると「かすみ」などの症状を自覚することが多いのですが、全く自覚症状がないこともあります。 【糖尿病網膜症の病期3】増殖糖尿病網膜症 増殖糖尿病網膜症(ぞうしょくとうにょうびょうもうまくしょう)は、糖尿病網膜症の重篤な状態です。この疾患は、高血糖の長期間の影響により、網膜の血管に損傷が生じ、異常な新生血管の増殖が引き起こされます。これらの新生血管は脆弱で、網膜内出血や網膜浮腫を引き起こす可能性があり、視力に深刻な損傷をもたらすことがあります。また、出血量が多い場合には視力低下を引き起こすこともあります。さらに、疾患が進行し、状態が悪化すると、線維性の増殖組織が形成され、網膜剥離のリスクが高まります。 ※糖尿病網膜症について詳しく知りたい方は「糖尿病網膜症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」をご覧ください。   糖尿病性白内障 糖尿病性白内障(とうにょうびょうはくないしょう)とは、水晶体と呼ばれるレンズの部分が濁ってしまって見えにくくなる病気です。糖尿病患者さんに見られる特定の白内障の形態になります。残念ながら、糖尿病性白内障の具体的な原因は、まだはっきりとは分かっていません。主に高血糖が続くことにより、糖アルコールが蓄積して水晶体の混濁が起こると考えられています。また、糖化や酸化などの反応が関係しているとも言われています。なお、一般的に白内障は、加齢によって症状が発生しやすくなる病気です。しかし糖尿病性白内障の場合には20~30代の若年者であっても罹ることがありますので、注意が必要です。白内障の症状や白内障発症のリスクを高める危険因子については、「白内障 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」をご覧ください。   目に関する症状は早期発見が極めて重要です 「糖尿病網膜症」や「糖尿病性白内障」など、糖尿病による目の合併症は視力を脅かす重要な問題です。これらの合併症は初期段階では症状が現れにくく、進行すると視力の喪失につながります。ですから、決して放置せず、積極的に定期的な眼科検査を受けてください。特に、「糖尿病にお心当たりのある方」や「健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方」は、目の健康に対する高い意識を持つべきです。定期的な眼科検査を受け、早期発見に努めてください。これにより、合併症が進行する前に適切な治療や介入が可能となり、視力の喪失を予防できます。   不安な方はいつでもご相談ください 糖尿病による目の合併症は、自覚症状がないまま進みます。自覚症状が出たころには、症状がかなり進んでいて、失明を覚悟しなくてはなりません。ですので、糖尿病やその予備軍と診断されたら、医師の指示どおり血糖のコントロールを行い、自覚症状がなくても眼科での定期的な眼底検査を行ってください。なお、糖尿病の指標のひとつに、ヘモグロビンA1c(HbA1c…正常値4.3~5.8)というのがあり、この数値が7.5以上になると、5倍以上失明する危険が高まるといわれています。ご自身の「ヘモグロビンA1c」について気になる方、あるいは糖尿病網膜症の症状について気になる方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2023.09.28

内科

不眠症の症状と種類:自身の睡眠の悩みを理解しよう

内科に関する記事です。
この記事では、「不眠症の症状と種類」をご紹介していきます。後半部分では「不眠症のセルフチェック方法」を紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 不眠症とは? 不眠症の主な症状 不眠症症状の種類と特徴 不眠症のセルフチェック方法 不眠症の種類を知って症状を理解することが大切です 不眠症の症状についてはいつでもご相談ください   不眠症とは? 不眠症とは、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害などの睡眠問題があり、そのために日中に様々な不調が現れる睡眠障害の一種です。近年、不眠症の発生率は増加傾向にあり、多くの方々が睡眠障害を抱えています。日本では、一般成人の30〜40%が何らかの不眠症状を有しており、特に女性に多いことが知られています。なお、不眠症状は加齢とともに増加し、60歳以上では半数以上の方で認められます。「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」でも同様のことを伝えておりますので、ご興味のある方はご覧ください。   不眠症の主な症状 不眠症は、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害などの睡眠問題によって、眠気や倦怠感、意欲低下、集中力低下、食欲低下などの身体的な症状を引き起こす可能性があります。さらに、長期間にわたる不眠は「うつ病」や「不安障害」などの精神症状も引き起こす可能性があります。十分な睡眠を得られない状態が続くと、神経系やホルモンバランスに影響を及ぼし、精神的な安定に悪影響を及ぼすことがありますので、ご留意ください。なお、不眠症を放置すると日常生活にも影響を及ぼす場合があります。そのため、早めに医師の診断を受け、適切なケアを行うことが大切です。   不眠症症状の種類と特徴 不眠症には、大きく分けて以下4つのタイプがあります。 【不眠症症状の種類と特徴1】入眠障害 入眠障害は、睡眠に入ることが困難な状態を指します。主な原因としては、ストレス、不規則な生活リズム、不安やうつ症状などが挙げられます。入眠障害の対策としては、リラックスした環境を作り、規則正しい睡眠スケジュールを確保することが重要です。具体的な方法としては、「ストレス管理」や「就寝前のリラックス法」を取り入れることが効果的になります。また入眠障害の治療法としては、睡眠薬や認知行動療法などがあります。入眠障害の治療には、専門家のアドバイスを受けながら、睡眠環境や睡眠習慣の改善に取り組むことが大切です。 【不眠症症状の種類と特徴2】中途覚醒 中途覚醒は、夜間に何度も目が覚める状態を指します。主な原因としては、睡眠時無呼吸症候群やストレス、心理的な要因が挙げられます。中途覚醒の対策としては、睡眠環境の改善や規則正しい生活リズムの確保が重要です。具体的な方法としては「リラックス法」や「睡眠前の刺激物の制限」が有効になります。また、病院での治療法としては、睡眠時無呼吸症候群の治療や認知行動療法があります。中途覚醒の治療では、専門家のアドバイスを受けながら、適切な治療法や改善策を見つけることが大切です 【不眠症症状の種類と特徴3】早朝覚醒 早朝覚醒は、早朝に目が覚めてしまい、再び眠りに戻れない状態を指します。主な原因としては、うつ病や不安、睡眠時無呼吸症候群などが挙げられます。早朝覚醒の対策としては、より良い睡眠を促すために、規則正しい睡眠スケジュールを守り、快適な睡眠環境を整えることが重要です。具体的なアプローチとしては、「リラックス法」や「睡眠前の刺激物の制限」が有効になります。また、病院での治療法としては、うつ病や睡眠時無呼吸症候群の治療があります。早朝覚醒の治療には、専門家のアドバイスを受けながら、適切な治療法や習慣の改善を行うことが大切です。 【不眠症症状の種類と特徴4】熟睡障害 熟睡障害は、夜間に断続的な目覚めや浅い眠りが続く状態を指します。主な原因としては、睡眠時無呼吸症候群や不快な環境、身体的な不快感が挙げられます。熟睡障害の対策としては、快適な睡眠環境の整備や睡眠前のリラックス法が効果的です。具体的な方法としては、「寝室の静かな環境づくり」や「身体をリラックスさせる習慣」を取り入れることが挙げられます。また、病院での治療法には、睡眠時無呼吸症候群の治療や認知行動療法があります。熟睡障害の治療では、専門家のアドバイスを受けながら、適切な治療法や改善策を見つけることが重要です。   不眠症のセルフチェック方法 自分の不眠の度合いをはかる目安として、世界共通で使われているチェックシートがあります。下記のチェックシートが全てではありませんが、自分の状態を客観的に見るのにお役立ていただければと思います。過去1ヶ月間に、少なくとも週3回以上経験したものに当てはまるものにチェックを入れてください。 <寝つきは?(布団に入ってから眠るまで要する時間)> いつも寝つきはよい                  0点 いつもより少し時間がかかった             1点 いつもよりかなり時間がかかった            2点 いつもより非常に時間がかかったか、全く眠れなかった  3点 <夜間、睡眠途中に目が覚めることは?> 問題になるほどではなかった              0点 少し困ることがあった                 1点 かなり困っている                   2点 深刻な状態か、全く眠れなかった            3点 <希望する起床時間より早く目覚め、それ以上眠れなかったか?> そのようなことはなかった               0点 少し早かった                     1点 かなり早かった                    2点 非常に早かったか、全く眠れなかった          3点 <総睡眠時間は?> 十分である                      0点 少し足りない                     1点 かなり足りない                    2点 全く足りないか、全く眠れなかった           3点 <全体的な睡眠の質は?> 満足している                     0点 少し不満                       1点 かなり不満                      2点 非常に不満か、全く眠れなかった            3点 <日中の気分は?> いつも通り                      0点 少しめいった                     1点 かなりめいった                    2点 非常にめいった                    3点 <日中の活動は?(身体的および精神的)> いつも通り                      0点 少し低下                       1点 かなり低下                      2点 非常に低下                      3点 <日中の眠気について> 全くない                       0点 少しある                       1点 かなりある                      2点 激しい                        3点 【合計点数】 4点未満        不眠症の疑いは少ないです。  4~5点   不眠症の疑いが少しあります。できれば医師に相談してください。 6点以上        不眠症の疑いがあります。医師に相談することをお勧めします。 ※不眠症のセルフチェック方法について詳しく知りたい方は「不眠症の症状、チェック方法の紹介」をご覧ください。   不眠症の種類を知って症状を理解することが大切です 不眠症の種類を理解し、それぞれの症状を把握することは、病態を正確に評価し、適切なアプローチを見つける上で非常に重要です。したがって、不眠症の症状に心当たりのある方は、医師に相談することをお勧めします。クリニック医師や不眠症の専門医は、適切な診断と治療法を提供し、健康な睡眠を取り戻すお手伝いをしてくれます。不眠症が生活に影響を与える前に、早めに医師のアドバイスを受けてくださいね。   不眠症の症状についてはいつでもご相談ください 「睡眠が浅い」「なかなか寝付けない」など、睡眠に関して問題があることで「日常生活に支障が出ている」と感じている方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。睡眠不足は単に身体の疲れが残りやすくなるだけでなく、体の病気や心の病気の原因となります。また睡眠障害自体が“心の病気”の前兆の可能性もあります。ですので、「睡眠が浅い」「なかなか寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は放っておかずに、お近くの医療機関に足を運んでください。なお、当院では“不眠症の診療”や“薬の処方”だけでなく、診断書の発行も行っております。医師の診断を受けたい方、あるいは自分が不眠症なのか気になる方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2023.08.10

糖尿病・代謝内科

血糖値スパイクとは?症状や原因、糖尿病との関係を解説

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、「血糖値スパイク」について解説していきます。後半部分では「血糖値スパイクを予防するための生活習慣」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 血糖値スパイクとは何か? 血糖値スパイクの原因 血糖値スパイクの症状 血糖値スパイクを起こしやすい人の特徴 血糖値スパイクの対策・予防するための生活習慣 血糖値スパイク、糖尿病についてはお早めに相談ください   血糖値スパイクとは何か? 血糖値スパイクとは、普段の血糖値は正常なのにもかかわらず、食後に限って血糖値が急上昇、急降下する現象のことです。この現象は、血糖値のグラフがまるで突出した「スパイク」のように上昇することから「血糖値スパイク」と呼ばれています。通常の場合、食後2時間経過時の血糖値は140mg/dL未満であるべきですが、血糖値スパイクの場合はこの基準値を超えて140mg/dL以上になることがあります。「糖尿病ネットワーク」でも同様の見解を述べています。   血糖値スパイクの原因 血糖値スパイクは、インスリンの分泌が正常に行なわれないことが原因です。老化や肥満などの影響でインスリンを分泌する膵臓の機能が衰えると、適切な量のインスリンを分泌できなかったり、インスリンを分泌するタイミングが遅れたりします。その結果、ブドウ糖を細胞内に取り込めず、血液中のブドウ糖の濃度が急激に上昇し、食後高血糖と呼ばれる状態になるのです。 <食後高血糖とは> 食後高血糖とは、食後2時間が過ぎても血糖値が高い状態のことを言います。食事をすると血糖値は高くなり、2~3時間以内に正常値(110mg/dl未満)に戻るのが一般的です。しかし、血糖値が低下せず長い時間140mg/dl以上の値が続く場合には「食後高血糖」と判断されます。食後血糖値が高い状態が続くと、糖尿病の発症リスクが高くなります。ですので、食後高血糖は糖尿病だけでなく糖尿病予備群においても重要な指標の一つとして注目されています。   血糖値スパイクの症状 血糖値スパイクの症状は、食後に急激な血糖値上昇が起こることから、眠気、頭痛、だるさなどを感じることがあります。血糖値スパイクの主な症状は次の通りです。 【血糖値スパイクの症状1】眠気・だるさ 急な血糖上昇に対応して過剰に分泌されたインスリンにより、「眠気」や「だるさ」を感じることがあります。食後の眠気については「食後の強い眠気は糖尿病症状の可能性があります」をご覧ください。 【血糖値スパイクの症状2】頭痛 食後血糖値と関連する頭痛には二種類あると言われています。一つ目は低血糖から引き起こされる頭痛です。二つ目は血糖値スパイクによる慢性的な動脈硬化により引き起こされる頭痛です。 【血糖値スパイクの症状3】気絶 過剰に分泌されたインスリンによって血糖値が急降下し、低血糖状態に陥ることがあります。低血糖状態では意識が朦朧とし、時には気絶することもあります。特に糖尿病患者さんにとっては、過剰なインスリンの効果による低血糖は注意が必要であり、適切な管理が求められます。 ※血糖値スパイクは、自覚症状がほぼないと言われています。その理由は、時間が経つと血糖値が下がり、正常な範囲に戻るため、その間に特別な症状を感じにくいことが挙げられます。また、定期的な健康診断の空腹時血糖値測定では、食後の高血糖を検出しにくいという要因も影響しています。血糖値スパイクの症状に気づいた場合、糖尿病の進行が考えられます。したがって、「食後に急激に眠くなる」「頭痛がする」などの自覚症状がある場合は、放置せず、速やかに医療機関に相談してください。   血糖値スパイクを起こしやすい人の特徴 血糖値スパイクを起こしやすい人の特徴は、次の通りです。 ・運動不足 ・血縁者に糖尿病の人がいる ・満腹になるまで食べる ・炭水化物中心の食事をたくさん食べる ・朝食をとる習慣がない ・食べる速度が早い   血糖値スパイクの対策・予防するための生活習慣 血糖値スパイクを避ける上で大事なのは“食事”と“運動”です。血糖値スパイクを防ぐために、次のような生活習慣を心掛けてください。 【血糖値スパイクの対策・予防するための生活習慣1】ゆっくり食べる 早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。 【血糖値スパイクの対策・予防するための生活習慣2】規則正しく3食を食べる 1日に2食や、間隔の空き過ぎた食事の取り方はよくありません。食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、規則正しく3食を食べることを心掛けてください。 【血糖値スパイクの対策・予防するための生活習慣3】間食をしない 間食をすると血糖値の高い状態が続き、インスリンを分泌するすい臓に大きな負担がかかります。また、その状態のままで次の食事をすると、食後高血糖の原因にもなります。糖尿病を予防するためにも間食はできる限り控えてください。 【血糖値スパイクの対策・予防するための生活習慣4】野菜類から食べる 野菜類から先に食べることで食後の血糖値の上昇が緩やかになります。また、野菜や豆類などで少しお腹をふくらませておくと、肉類やご飯の量を減らすこともできます。ですので、食事をする際は野菜類から食べてください。 【血糖値スパイクの対策・予防するための生活習慣5】炭水化物・糖質の摂りすぎを避ける 炭水化物や糖質の摂り過ぎは、血糖値を急激に上昇させる要因です。したがって、炭水化物や糖質の摂りすぎにはご注意ください。なお、炭水化物や糖質の摂り過ぎに加え、果汁飲料の摂取にも注意が必要です。果汁には自然の糖分が多く含まれ、飲用することで血糖値が急上昇する可能性があります。特に加工された果汁飲料は糖分が濃く、大量の糖質摂取を招く恐れがあります。血糖値のコントロールを目指す方は、果汁飲料の代わりに水や無糖の飲料を選ぶことをお勧めします。 【血糖値スパイクの対策・予防するための生活習慣6】食物繊維が含まれる食品を摂る 食物繊維には、食後の血糖値上昇を抑え、便通を改善させる効果があります。さらに、水に溶ける食物繊維(水溶性食物繊維)には、血中コレステロールの上昇を抑える効果があります。ですので、食物繊維が含まれる食品を多く摂るように心掛けてください。なお、食物繊維を多く含む食べ物には、野菜、海藻、きのこなどが挙げられます。 <野菜> 野菜は低カロリーで食物繊維が多く、糖質や脂質の代謝に必要なビタミン・ミネラルが含まれています。特にブロッコリーや小松菜などの緑黄色野菜には食物繊維以外にも、糖の代謝を促進する葉酸も多く含まれています。ですので、野菜を選ぶ際は緑黄色野菜を中心に食べてください。なお、南瓜やれんこん、芋類は糖質が多い野菜なので、食べ過ぎに注意してくださいね。 <海藻> 海藻は低カロリーで食物繊維、ビタミン、ミネラルを多く含みます。中でも「めかぶ」はおすすめです。 <きのこ> きのこは低カロリーで食物繊維が多く含まれています。食物繊維は、糖の吸収を邪魔するため、血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。さらに、きのこに含まれるβ-グルカンは胃や腸で膨らむので満腹感も得られ、お通じの調子も整います。 【血糖値スパイクの対策・予防するための生活習慣7】たんぱく質を積極的に摂る 肉や魚、卵、豆類などのたんぱく質が血糖値の急激な上昇を緩和し、食後の血糖値を安定させる助けになります。したがって、積極的にたんぱく質は摂ってください。高齢の方は、食事の量が減ってたんぱく質が不足しやすく、加齢も影響して筋肉が衰えやすいので、特に注意してくださいね。 【血糖値スパイクの対策・予防するための生活習慣8】運動をする 運動は血糖値スパイクの予防に有効です。定期的な有酸素運動や筋力トレーニングは、インスリンの効果を向上させ、血糖値の急上昇を緩和します。さらに、運動によってブドウ糖や脂肪酸の利用が促進され、細胞や筋肉が糖分を効果的に吸収することができるようになり、血糖値の低下が期待されます。したがって、血糖値スパイクを予防するためには積極的に運動を取り入れることが大切です。医師の指導を受けながら、適切な運動方法を選択してください。なお、有酸素運動については以下をご覧ください。 <有酸素運動> 有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに、酸素を使う運動のことです。ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。 【血糖値スパイクの対策・予防するための生活習慣9】ストレスを解消する ストレスを感じると、血糖値を上昇させるホルモンが分泌されたり、インスリン抵抗性が強くなったりします。したがってストレスと上手く付き合うことも、血糖値スパイクを予防するためには大切です。   血糖値スパイク、糖尿病についてはお早めに相談ください 血糖値スパイクは自覚症状がほとんどありません。また、糖尿病になっても初期段階では自覚症状がありません。そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということは多々あります。糖尿病を放置していると、神経や血管にダメージを与え、重篤な合併症に繋がる可能性がありますので、健康診断で糖尿病の可能性が指摘された方や、食後の眠気・だるさを感じている方は、早めに受診することをお勧めします。なお、当院では予約不要で診察を行っております。糖尿病にお心当たりのある方、あるいは血糖値について相談したい方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2023.08.09

内科

不眠症の種類とその対策・治療法について

内科に関する記事です。
この記事では、「不眠症の種類」をご紹介していきます。後半部分では不眠症の種類に適した「対策」と「治療法」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 不眠症とは 不眠症の種類について 不眠症の種類に適した対策と治療法 不眠症の種類を理解し、適切な診断を受けましょう   不眠症とは 不眠症とは、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害などの睡眠問題があり、そのために日中に様々な不調が現れる病気です。倦怠感や意欲低下、集中力低下、食欲低下などの症状の他、精神症状も引き起こす可能性があります。不眠症は、個人的な健康に影響を及ぼすだけでなく、「生産性の低下」や「交通事故の増加」など、社会経済的な損失をもたらす可能性があります。したがって早い段階で、医師の診断や適切なケア、適切な治療を受ける必要があります。また、不眠症には入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害などのさまざまな種類があり、それぞれの種類によって症状や原因が異なります。そのため、不眠症の種類を理解することは非常に重要です。「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」や「不眠症の種類を紹介しているサイト」でも同様のことを伝えています。   不眠症の種類について 不眠症には、大きく分けて以下4つのタイプがあります。 【不眠症の種類1】入眠障害 入眠障害は、睡眠に入ることが困難な状態を指します。主な原因としては、ストレス、不規則な生活リズム、不安やうつ症状などが挙げられます。入眠障害の対策としては、リラックスした環境を作り、規則正しい睡眠スケジュールを確保することが重要です。具体的な方法としては、「ストレス管理」や「就寝前のリラックス法」を取り入れることが効果的になります。また、入眠障害の治療法としては、睡眠薬や認知行動療法などがあります。入眠障害の治療には、専門家のアドバイスを受けながら、睡眠環境や睡眠習慣の改善に取り組むことが大切です。 【不眠症の種類2】中途覚醒 中途覚醒は、夜間に何度も目が覚める状態を指します。主な原因としては、睡眠時無呼吸症候群やストレス、心理的な要因が挙げられます。中途覚醒の対策としては、睡眠環境の改善や規則正しい生活リズムの確保が重要です。具体的な方法としては、「リラックス法」や「睡眠前の刺激物の制限」が有効になります。また、病院での治療法としては、睡眠時無呼吸症候群の治療や認知行動療法があります。中途覚醒の治療では、専門家のアドバイスを受けながら、適切な治療法や改善策を見つけることが大切です 【不眠症の種類3】早朝覚醒 早朝覚醒は、早朝に目が覚めてしまい、再び眠りに戻れない状態を指します。主な原因としては、うつ病や不安、睡眠時無呼吸症候群などが挙げられます。早朝覚醒の対策としては、より良い睡眠を促すために、規則正しい睡眠スケジュールを守り、快適な睡眠環境を整えることが重要です。具体的なアプローチとしては、「リラックス法」や「睡眠前の刺激物の制限」が有効になります。また、病院での治療法としては、うつ病や睡眠時無呼吸症候群の治療があります。早朝覚醒の治療には、専門家のアドバイスを受けながら、適切な治療法や習慣の改善を行うことが大切です 【不眠症の種類4】熟睡障害 熟睡障害は、夜間に断続的な目覚めや浅い眠りが続く状態を指します。主な原因としては、睡眠時無呼吸症候群や不快な環境、身体的な不快感が挙げられます。熟睡障害の対策としては、快適な睡眠環境の整備や睡眠前のリラックス法が効果的です。具体的な方法としては、「寝室の静かな環境づくり」や「身体をリラックスさせる習慣」を取り入れることが挙げられます。また、病院での治療法には、睡眠時無呼吸症候群の治療や認知行動療法があります。熟睡障害の治療では、専門家のアドバイスを受けながら、適切な治療法や改善策を見つけることが重要です。   不眠症の種類に適した対策と治療法 不眠症の種類に適した対策と治療法は以下の通りです。 【不眠症のタイプ1】入眠障害 入眠障害には、リラックス法や睡眠環境の改善が有効です。リラックス法としては、入眠前にゆったりとした入浴やストレッチ、深呼吸などを行うことが挙げられます。また、寝室の環境を整えるためには、明かりを消し、外部の騒音を遮断するなど、暗い・静かな空間を作ることが重要です。なお、自分に合った寝具や枕を選ぶことも大切になります。 【不眠症のタイプ2】中途覚醒 中途覚醒に悩んでいる場合、ストレス管理や規則正しい生活リズムを意識することが重要です。日中のストレスを軽減するためには、「リラクゼーション法」や「ストレス解消の方法」を積極的に取り入れてください。また、規則正しい睡眠スケジュールを作り、毎日同じ時間に寝て同じ時間に起きることで、体内時計を整えることができます。これにより、睡眠の質と量が向上し、中途覚醒の問題を緩和することが期待できます。 【不眠症のタイプ3】早朝覚醒 早朝覚醒の対策としては、睡眠前の刺激物の制限が効果的です。過度の飲食やアルコール、カフェインの摂取は避けてください。なお、リラックス法や深呼吸、瞑想などを行うことで、心身を落ち着かせることができます。 【不眠症のタイプ4】熟睡障害 熟睡障害に悩んでいる場合、「快適な睡眠環境づくり」や「認知行動療法」が役立ちます。具体的には、寝室の温度を適切に設定し、湿度を調整することが重要です。騒音を軽減するためには、イヤープラグやホワイトノイズマシンを活用することも有効になります。なお、認知行動療法では、睡眠に関する誤った思考や行動パターンを見直し、良質な睡眠につながる習慣を身につけることができます。具体的な方法としては、寝る前のリラックス法や規則正しい睡眠スケジュールの確保が挙げられます。 不眠症の改善には、自己ケアだけでは限界がある場合もあります。そのため、症状が継続する場合は、医師の診察が重要です。医師は症状の原因を評価し、適切な治療法を提案してくれますので、一人で悩まずに相談してください。なお、不眠症の治療法には、薬物療法と非薬物療法の2つのアプローチが一般的に用いられます。 <非薬物療法> 非薬物療法では、生活習慣の改善や睡眠衛生指導が行われます。生活習慣の改善には、規則正しい睡眠スケジュールの確立、快適な寝室環境の整備、ストレス管理、規則的な運動などが含まれます。また、睡眠衛生指導では、「睡眠に関する良い習慣の獲得」や「睡眠に影響を及ぼす要素の改善」が促されます。 不眠症の治療においては、個別の状況に応じて最適な治療プランが立案されます。そのため、医師の指導を受けながら、薬物療法や非薬物療法、またはそれらの組み合わせを適切に活用することが重要です。医師の指導を受けながら、適切な対策を行ってください。 <薬物療法> 薬物療法では、医師が処方する睡眠薬を使用して治療を行います。睡眠薬は不眠症の症状を軽減する効果がありますが、長期間の使用や誤った使い方は問題を引き起こす可能性があるため、医師の指示に従うことが重要です。 不眠症の種類を理解し、適切な診断を受けましょう 前述した通り、不眠症は種類によって症状や原因が異なります。そのため、不眠症の種類を理解することは非常に重要です。不眠症の種類を正しく理解することは、適切な対策を選ぶ上で重要な要素になりますので、しっかりと把握してください。なお、不眠症の種類を正確に把握するためには、医師の診察やアドバイスを受けることが重要です。医師は症状や原因を評価し、適切な診断を行ってくれます。また、診断結果に基づいて、個々に合った対策や治療法を提案してもらえるため、一人で悩まずに医師のアドバイスを受けてください。当院では、不眠症に対する診断と治療を行っております。不眠の症状や原因について悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2023.06.09

糖尿病・代謝内科

不眠症と糖尿病の関係性について

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、「不眠症と糖尿病の関係性」について解説していきます。後半部分では、「不眠症と糖尿病の併発リスク」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 不眠症と糖尿病の症状 睡眠障害が糖尿病に与える影響について 不眠が糖尿病に与える影響について 糖尿病症状が不眠症に与える影響とは 糖尿病患者さんに起こり得る眠気のメカニズム 体内時計の乱れがもたらす影響 不眠症と糖尿病の併発リスク 不眠症、糖尿病についていつでもご相談ください   不眠症と糖尿病の症状 不眠症と糖尿病の症状の症状は、次の通りです。 <不眠症の症状> 不眠症とは、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害によって、その人にとって必要な睡眠時間が十分に取れないことや“睡眠の質”が低下することで、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。不眠は、眠気、倦怠感、集中力低下、抑うつや不安などの精神症状を引き起こし、その結果として生産性の低下、交通事故の増加など、様々な人的及び社会経済的損失をもたらすと考えられております。したがって、「睡眠が浅い」「寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。なお、日本においては約5人に1人が不眠の症状で悩んでいると言われております。詳しくは「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」をご覧ください。 <糖尿病の症状> 糖尿病はインスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖が増えてしまう病気です。血糖の濃度が何年間も高いままで放置されると血管が傷つきます。そして将来的に心臓病や、失明、腎不全といった、より重い病気につながります。そのため糖尿病の症状が見られた際には放置せず、速やかに糖尿病専門医による診察を受けることが大切です。なお糖尿病は、症状の自覚が難しい病気です。血糖値が少し高い段階では、自覚する症状はほぼありません。しかし高血糖のままある程度の時間が経過すると、次のような症状が現れてきます。 糖尿病の初期症状 ・立ちくらみ ・全身の倦怠感、疲労感 ・喉が渇いて沢山の水がほしくなる ・手足のしびれ、冷え、むくみ ・皮膚のかゆみ、乾燥 ・目がかすむ ・視力の低下 ・やけどの痛みを感じにくい ・食べているのに痩せる ・残尿感がある ・尿の臭いが気になる   睡眠障害が糖尿病に与える影響について 睡眠障害は、糖尿病と密接な関係があることが研究で示されています。「不眠症」や「睡眠時無呼吸症候群」などの睡眠障害は、「血糖コントロールの悪化」や「インスリン抵抗性の増加」を引き起こす可能性があります。また、睡眠障害はストレスホルモンの分泌を増加させ、炎症反応を促進することもあります。炎症反応の亢進は、インスリンの効果を妨げ、血糖値の上昇に寄与する可能性があるため、注意が必要です。なお、睡眠障害は様々な要因が組み合わさることで糖尿病の発症や進行を加速させる可能性があります。したがって、睡眠の質と量を適切に管理することは、糖尿病管理の重要な要素と言えます。   不眠が糖尿病に与える影響について 不眠は糖尿病に多様な影響を及ぼします。糖尿病のない人々においても、睡眠不足になると交感神経が刺激され、コルチゾールの分泌が増えてインスリン抵抗性が高まると報告されています。また、不眠により、食欲を抑制するホルモンであるレプチンが減少し、食欲を刺激するホルモンであるグレリンが増加するという研究結果もあります。これにより生じる食欲増進は血糖コントロールに当然不利に働きますので、これにより生じる食欲増進は血糖コントロールに当然不利に働きますので、適切な睡眠を確保することは糖尿病予防や管理において重要な要素と言えます。   糖尿病症状が不眠症に与える影響とは 糖尿病は不眠症に様々な影響を与える可能性があります。まず、高血糖状態が持続すると、夜間の頻尿や喉の渇きが生じ、眠りを妨げることがあります。また、糖尿病に伴う神経障害(神経症状)は、足のしびれや痛みを引き起こし、就寝時の快適さや眠りの質に悪影響を及ぼすことがあります。さらに、糖尿病患者さんは血糖コントロールのためにインスリンや薬物を使用することがありますが、これらの治療は低血糖(低血糖症)を引き起こす可能性があります。低血糖症は夜間に起こることがあり、悪夢や夜間覚醒を引き起こすことがありますので、注意が必要です。糖尿病が不眠症に与える影響は、生活の質を低下させるだけでなく、血糖コントロールの悪化や合併症のリスクを増加させる可能性があります。そのため、糖尿病患者さんは睡眠の問題に真剣に取り組み、適切な治療やライフスタイルの改善を検討することが重要です。   糖尿病患者さんに起こり得る眠気のメカニズム 糖尿病患者さんは、血糖値を下げる薬や「インスリン注射薬」を使って血糖値をコントロールするわけですが、インスリン注射薬や飲み薬が効きすぎてしまって、必要以上に血糖値が下がってしまうことがあります。低血糖状態になると脳に供給されるブドウ糖が不足してしまい、眠気が起こります。これが、糖尿病患者さんに起こり得る眠気のメカニズムになります。なお、日中の強い眠気は、糖尿病だけでなく、そのほかの病気や「生活習慣」によっても引き起こされます。例えば、睡眠時に無呼吸になり睡眠の質が低下する「睡眠時無呼吸症候群」や突然強い眠気に襲われてしまう「ナルコレプシー」といった病気です。また、寝る直前までパソコンやスマートフォンをいじっていたり、そもそも睡眠時間が少ないといった生活習慣なども眠気の原因になります。ですので、「糖尿病だから眠気が強いのだろう…」と考えるのではなく、眠気に強い悩みがあれば医師にしっかりと相談してください。   体内時計の乱れがもたらす影響 人間の体には、ほぼ24時間周期の体内時計があり、体温や血圧、ホルモン分泌などを調整しています。しかし、睡眠障害が起きると体内時計が乱れ、様々な機能に影響が及びます。まず、睡眠障害によって体と脳が十分に休まらず、糖分を細胞に取り込むためのインスリンへの反応が低下します。また、ホルモンバランスも変化し、交感神経に働きかけるコルチゾールやノルアドレナリンなどのホルモンが増加します。これにより、高血圧や高血糖といった症状が引き起こされます。一方で、食欲を制御するレプチンというホルモンは睡眠不足によって分泌が低下し、空腹感が増すため、食事のコントロールが難しくなります。つまり、糖尿病によって睡眠障害が起きると、血圧や血糖値が上昇し、糖尿病の症状が悪化するという悪循環に陥ってしまうのです。   不眠症と糖尿病の併発リスク 不眠症と糖尿病は密接な関係があり、互いに影響し合うことが知られています。そのため、糖尿病専門外来を受診している患者さんのうち、約40%が不眠に悩んでいると報告されています。糖尿病では、合併症による神経障害や高血糖による多飲・多尿などの身体的要素が不眠を引き起こすことがあります。一方、睡眠時間が不足している場合には、耐糖能異常が多いことも報告されております。このようなことから血糖コントロール不良の糖尿病では、睡眠障害と高血糖が負のサイクルを形成する可能性が考えられています。   不眠症、糖尿病についていつでもご相談ください 糖尿病は自覚症状のないままに進行し、将来的に心臓病や失明、腎不全など、より重篤な合併症を引き起こす可能性があります。そのため、決して放置してはなりません。糖尿病の可能性が指摘された方や、日常生活の乱れにより「糖尿病の症状かもしれない…」と感じている方は、できるだけ早く医療機関を受診してください。また、不眠症にも注意が必要です。不眠症と糖尿病は密接に関連しており、互いに影響し合うことが知られています。睡眠障害がある場合、血糖コントロールが難しくなり、糖尿病の管理に悪影響を及ぼす可能性がありますので、不眠症に悩んでいる方も積極的に医療機関を受診してください。なお、当院では「糖尿病」や「不眠症」の診療を行っております。糖尿病の症状について悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2023.05.24

内科

男性に多い不眠症の原因について

内科に関する記事です。
この記事では、男性に向けて不眠症の「症状」や「原因」をご紹介していきます。後半部分では「不眠症の改善策」を紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 不眠症とは 男性の不眠症の割合 不眠症の原因 男性に多い不眠症の原因 不眠症の改善策 不眠症にお困りの男性はいつでもご相談ください   不眠症とは 不眠症とは、入眠困難(寝つきが悪い)、中途覚醒(夜中に何度も目を覚ます)、早朝覚醒(早朝に目覚めて二度寝ができない)、熟睡障害(睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られない)によって、その人にとって必要な睡眠時間が十分に取れないことや“睡眠の質”が低下することで、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。日本においては約5人に1人が、不眠の症状で悩んでいると言われております。不眠は、眠気、倦怠感、集中力低下、抑うつや不安などの精神症状を引き起こし、その結果として生産性の低下、交通事故の増加など、様々な人的及び社会経済的損失をもたらすと考えられております。したがって、「睡眠が浅い」「寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。なお、不眠症は慢性不眠症(慢性不眠障害)と短期不眠症(短期不眠障害)の二つに分けられます。詳しくは「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」をご覧ください。   男性の不眠症の割合 一般成人の30〜40%が何らかの不眠症状を有しており、特に“女性に多いこと”が知られています。実際に、厚生労働省が令和元年に行なった「国民健康・栄養調査報告」では、睡眠時間が6時間未満の方の割合は男性で37.5%、女性で40.6%となっております。また、「睡眠全体の質に満足できなかった」と答えた人の割合は男性で 21.6%、女性で22.0%と発表しております。詳しくは「令和元年国民健康・栄養調査の結果」をご覧ください。   不眠症の原因 不眠症の原因はストレス・心や身体の病気・薬の副作用など様々です。ここでは不眠症を引き起こす主な原因をご紹介します。 【不眠症の原因1】心理的原因 何らかのストレスに関連して起こる不眠です。 【不眠症の原因2】身体的原因 身体の病気や症状が原因で起こる不眠です。 【不眠症の原因3】薬理学的原因 服用している薬や、アルコール、カフェイン、ニコチンなどが原因で起こる不眠です。 【不眠症の原因4】精神医学的原因 精神や神経の病に伴って起こる不眠です。精神や神経の病には、不眠を伴うことが少なくありません。なかでも不眠になりやすいのは、不安と抑うつになります。 ※不眠症の原因について詳しく知りたい方は「不眠症の症状や原因について解説しているサイト」をご覧ください。   男性に多い不眠症の原因 働き盛りの中高年男性を襲う、不眠や疲労感、倦怠感などの症状は「男性更年期障害」かもしれません。 <男性更年期障害> 男性更年期障害とは、男性ホルモンである“テストステロン”の低下により、不眠や集中力の低、全身の倦怠感など、様々な症状が引き起こされる病気のことを言います。(「LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)」とも呼ばれています)。女性の更年期障害は閉経前後の10年間に発症しますが、男性更年期障害では、主に40歳代以降に目立ち始めます。ただしホルモンが低下する期間や程度、その時期に個人差があるため、中には60歳、70歳になってから症状を訴える方もいます。なお、男性更年期障害を放っておけば、症状が悪化するだけではなく「性機能障害」や「その他の病気」を引き起こす可能性もあります。したがって、身体や精神面の不調が続くような場合には「男性更年期障害」の可能性も考えて、早期に医療機関に相談することをお勧めします。   不眠症の改善策 不眠症を改善するためには「不眠の原因」を診断し、取り除くことです。そして、それに加えて「自己流の安眠法」を工夫することが効果的です。以下、安眠のためのコツです。 【不眠症の改善策1】適度な運動 適度な運動は夜間の睡眠を安定させ、睡眠の質を改善することが分かっています。習慣的に運動をしている人は寝つきがよいだけでなく、深く眠れるようになって睡眠の質が高くなりますので、積極的に運動を行ってください。ただし、激しい運動は逆効果となるので注意してくださいね。 【不眠症の改善策2】太陽の光を浴びる 太陽光には体内時計を調整する働きがありますので、毎朝一定の時刻に起き、カーテンを開けるなどして太陽の光を浴びてください。早朝に光を浴びると、夜寝つく時間が早くなり、朝も早く起きられるようになります。 【不眠症の改善策3】就寝環境を整える 安眠するためには、就寝環境を整えることも大切です。ベッド・布団・枕・照明などは自分に合ったものを選んでください。なお、寝るときの照明が明るすぎると睡眠の質が低下しますので、フットライトを使うなどして工夫してください。 【不眠症の改善策4】就寝と起床時間を一定にする 睡眠覚醒は体内時計で調整されています。週末の夜ふかしや休日の寝坊は体内時計を乱すので注意してください。安眠するためには、「平日」や「週末」にかかわらず同じ時刻に起床・就床する習慣を身につけることが大切です。 【不眠症の改善策5】睡眠時間は決めない 睡眠時間には個人差があります。ですので、「最低でも6時間眠りたい」と無理な目標を立てないでください。眠れずに悶々としたまま寝床にいると、不安や緊張が増して目が冴えてしまいますので、注意してくださいね。 【不眠症の改善策6】規則正しい食生活 三食規則正しく食べることは生活リズムを整えることにつながり、睡眠の質が高まります。 ですので、食事を抜いたり、まとめ食いしたりせず、規則正しい食生活を心掛けてください。なお、寝る直前の飲食は消化活動が活発になって睡眠を妨げるため、控えてくださいね。 【不眠症の改善策7】入浴 入浴は、就寝前に体温を一時的に上げ、夜間の脳の温度との差が明確になるので、眠気が得られやすくなります。特に38~41℃程度のお湯に入ると、副交感神経が優位になり、睡眠の質を向上させてくれますので、お勧めです。   不眠症にお困りの男性はいつでもご相談ください 「睡眠が浅い」「なかなか寝付けない」など、睡眠に関して問題があることで「日常生活に支障が出ている」と感じている方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。睡眠不足は単に身体の疲れが残りやすくなるだけでなく、体の病気や心の病気の原因となります。また睡眠障害自体が“心の病気”の前兆の可能性もあります。ですので、「睡眠が浅い」「なかなか寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は放っておかずに、お近くの医療機関に足を運んでください。なお、当院では“不眠症の診療”や“薬の処方”だけでなく、診断書の発行も行っております。不眠で悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2023.03.30

内科

不眠症の症状、チェック方法の紹介

内科に関する記事です。
この記事では、「不眠症の症状」について解説していきます。後半部分では「不眠症のセルフチェック方法」を紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 不眠症とは 不眠症の原因 不眠症のタイプについて 不眠症のセルフチェック方法 不眠症とうつ病(抑うつ)の違い・関係について 自分が不眠症かもしれないと感じた方へ   不眠症とは 不眠症とは、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害によって、その人にとって必要な睡眠時間が十分に取れないことや“睡眠の質”が低下することで、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。日本においては約5人に1人が、不眠の症状で悩んでいるとされています。なお、不眠症は慢性不眠症(慢性不眠障害)と短期不眠症(短期不眠障害)の二つに分けられます。詳しくは「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」をご覧ください。   不眠症の原因 不眠症の原因はストレス・心や身体の病気・薬の副作用など様々です。ここでは不眠症を引き起こす主な原因をご紹介します。 【不眠症の原因1】心理的原因 何らかのストレスに関連して起こる不眠です。 【不眠症の原因2】身体的原因 身体の病気や症状が原因で起こる不眠です。 【不眠症の原因3】薬理学的原因 服用している薬や、アルコール、カフェイン、ニコチンなどが原因で起こる不眠です。 【不眠症の原因4】精神医学的原因 精神や神経の病に伴って起こる不眠です。精神や神経の病には、不眠を伴うことが少なくありません。なかでも不眠になりやすいのは、不安と抑うつになります。   不眠症のタイプについて 不眠症には、大きく分けて以下4つのパターンがあります。 【不眠症のタイプ1】入眠困難 床についてもなかなか(30分~1時間以上)眠りにつけない。 【不眠症のタイプ2】中途覚醒 いったん眠りについても、翌朝起床するまでの間、夜中に何度も目が覚める。 【不眠症のタイプ3】早朝覚醒 希望する時刻、あるいは通常の2時間以上前に目が覚め、その後眠れない。 【不眠症のタイプ4】熟睡障害 眠りが浅く、睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られない。   不眠症のセルフチェック方法 自分の不眠の度合いをはかる目安として、世界共通で使われているチェックシートがあります。下記のチェックシートが全てではありませんが、自分の状態を客観的に見るのにお役立ていただければと思います。過去1ヶ月間に、少なくとも週3回以上経験したものに当てはまるものにチェックを入れてください。 <寝つきは?(布団に入ってから眠るまで要する時間)> いつも寝つきはよい                   0点 いつもより少し時間がかかった              1点 いつもよりかなり時間がかかった             2点 いつもより非常に時間がかかったか、全く眠れなかった   3点 <夜間、睡眠途中に目が覚めることは?> 問題になるほどではなかった               0点 少し困ることがあった                  1点 かなり困っている                    2点 深刻な状態か、全く眠れなかった             3点 <希望する起床時間より早く目覚め、それ以上眠れなかったか?> そのようなことはなかった                0点 少し早かった                      1点 かなり早かった                     2点 非常に早かったか、全く眠れなかった           3点 <総睡眠時間は?> 十分である                       0点 少し足りない                      1点 かなり足りない                     2点 全く足りないか、全く眠れなかった            3点 <全体的な睡眠の質は?> 満足している                      0点 少し不満                        1点 かなり不満                       2点 非常に不満か、全く眠れなかった             3点 <日中の気分は?> いつも通り                       0点 少しめいった                      1点 かなりめいった                     2点 非常にめいった                     3点 <日中の活動は?(身体的および精神的)> いつも通り                       0点 少し低下                        1点 かなり低下                       2点 非常に低下                       3点 <日中の眠気について> 全くない                        0点 少しある                        1点 かなりある                       2点 激しい                         3点 【合計点数】 4点未満    不眠症の疑いは少ないです。  4~5点     不眠症の疑いが少しあります。できれば医師に相談してください。 6点以上    不眠症の疑いがあります。医師に相談することをお勧めします。   不眠症とうつ病(抑うつ)の違い・関係について 睡眠障害に深く関係する病気は多数ありますが、中でも「うつ病(抑うつ状態)」の場合は9割近くの人が、「寝ようとしても眠れない」「朝早くに目が覚める」などといった、なんらかの不眠症状を伴っていると言われています。つまり裏を返せば、不眠症状がある人はうつ病(抑うつ状態)にかかりやすいと言えます。うつ病(抑うつ状態)と不眠症は密接に関係しているため、思うように眠れない日々が続いたり、熟睡感を得られていなかったりするのであれば、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。なお、うつ病(抑うつ状態)とは憂うつな気持ちになり、気持ちが落ち込んだ状態が続く病気(気分障害)です。詳しくは「うつ病(抑うつ状態)|こころの病気を知る|メンタルヘルス」に記載しておりますので、ご興味のある方はご覧ください。   睡眠が十分にとれていないと感じた方へ 睡眠が浅い、寝付けないなど、睡眠に関して問題があることで「日常生活に支障が出ている」と感じている方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。睡眠不足は上述した通り、体の病気、心の病気の原因となります。また睡眠障害自体が“心の病気”の前兆の可能性もあります。ですので、「睡眠が浅い」「寝付けない」「睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は放置せず、お近くの医療機関に足を運んでください。なお、当院では“不眠症の診療”や“薬の処方”だけでなく、診断書の発行も行っております。不眠で悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2023.03.30

糖尿病・代謝内科

食後にひどい眠気がくるのはなぜ?糖尿病症状の可能性も

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、「糖尿病と眠気の関係」について解説していきます。後半部分では「食後の眠気を予防するための対策」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 食後にひどい眠気がくるのはなぜ?糖尿病の症状? 食後にひどい眠気がくるのはなぜ?糖尿病の疑いについて 糖尿病とひどい眠気の関係性 糖尿病によるその他の症状 低血糖による中枢神経症状 糖尿病による食後のひどい眠気を予防するために 糖尿病が不安な方はいつでもご相談ください   食後にひどい眠気がくるのはなぜ?糖尿病の症状? 食後に眠くなるのは体内時計の「生体リズム」が働くためとか、消化吸収を促すことから「副交感神経」が優位になり、心身がリラックスモードに切り替わるからなど、いろいろな説があります。確かに少しくらいの眠気なら健康な人にもある自然な現象と言えるため、それほど心配することはありません。しかし強い眠気が長時間続いてしまうときは注意が必要です。もしかしたら糖尿病の初期症状かもしれません。   食後にひどい眠気がくるのはなぜ?糖尿病の疑いも なぜ、食後に強い眠気を感じる方は「糖尿病の疑い」があるのでしょうか。 糖尿病を疑う理由として、血糖値が下がりにくくなっている可能性が挙げられます。 食後は誰でも血糖値が一時的に上がります(健康な人でも食後の血糖値は上昇します)。食後に上昇した血糖値は、時間の経過と共にゆっくり下降するのが一般的です。しかし糖尿病の方は、血糖値を下げるホルモン(インスリン)の働きが悪くなっているため、食後の高血糖状態が長く続きます。そのため、食後に強い眠気を感じやすいのです。なお、高血糖状態のときに眠気を感じやすいのは、覚醒を促す「オレキシン」というホルモンの分泌が止まるためです。オレキシンについては、以下をご覧ください。 <オレキシンについて> 睡眠と脳の覚醒にはオレキシンという物質が深く関わっています。脊椎動物のほとんどは、オレキシンが活発に働いているときに覚醒し、働きが鈍ると睡眠状態に入るといわれています。空腹になると血糖値が低くなるため「オレキシン作動性ニューロン」の活動が活発になり、オレキシンを刺激して活性化するため覚醒します。しかし、満腹になると血糖値が高くなり、オレキシン作動性ニューロンの活動が低下するため、オレキシンの活動が鈍くなり、眠くなってしまうと考えられています。つまり糖尿病の方は、オレキシンの分泌が長い時間抑制されるため、健康な方よりも「眠気を強く感じやすい」ということです。   糖尿病と眠気の関係性 糖尿病患者さんは、血糖値を下げる薬や「インスリン注射薬」を使って血糖値をコントロールするわけですが、インスリン注射薬や飲み薬が効きすぎてしまって、必要以上に血糖値が下がってしまうことがあります。低血糖状態になると脳に供給されるブドウ糖が不足してしまい、眠気が起こります。これが、糖尿病患者さんに起こり得る眠気のメカニズムになります。なお、日中の強い眠気は、糖尿病だけでなく、そのほかの病気や「生活習慣」によっても引き起こされます。例えば、睡眠時に無呼吸になり睡眠の質が低下する「睡眠時無呼吸症候群」や突然強い眠気に襲われてしまう「ナルコレプシー」といった病気です。また、寝る直前までパソコンやスマートフォンをいじっていたり、そもそも睡眠時間が少ないといった生活習慣なども眠気の原因になります。ですので、「糖尿病だから眠気が強いのだろう…」と考えるのではなく、眠気に強い悩みがあれば医師にしっかりと相談してください。   糖尿病によるその他の症状 糖尿病は症状の自覚が難しい病気です。血糖値が少し高い段階では、自覚する症状はほぼありません。しかし高血糖のままある程度の時間が経過すると、次のような症状が現れてきます。 <糖尿病によるその他の症状> ・立ちくらみ ・めまい ・頭痛 ・全身の倦怠感、疲労感 ・喉が渇いて沢山の水がほしくなる ・手足のしびれ、冷え、むくみ ・皮膚のかゆみ、乾燥 ・目がかすむ ・視力の低下 ・やけどの痛みを感じにくい ・食べているのに痩せる ・残尿感がある ・尿の臭いが気になる   低血糖による中枢神経症状 血糖値が50mg/dl程度の状態が続くと「中枢神経症状」が現れます。具体的には、頭痛、眠気、めまい、目のかすみ、ろれつが回らない、ぎこちない動作、強い疲労感などです。さらに血糖値が50mg/dlを下回ってくると「異常行動」や「痙攣」、「意識が朦朧とする」、さらに昏睡状態に陥るケースも考えられるため早期の対処が不可欠です。普段から血糖値が低い場合は、無意識のうちに低血糖状態となっている可能性も考えられます。中枢神経症状が突然発症する恐れもありますので、十分に注意してください。   糖尿病による食後の眠気を予防するために 普段の血糖値は正常でも、食後に血糖値が異常に高くなる症状を食後高血糖といいます。食後に血糖値が急激に上がり過ぎると、糖をエネルギーに変えるインスリンが大量に分泌され、反動で血糖値が急降下します。そして今度は低血糖状態になり、食後に強い眠気や倦怠感を感じたり、イライラしやすくなったりします。そのため食事をする際は、血糖値の急上昇を起こさないように気を配る必要があります。以下、血糖値の急上昇を起こさないための対策です(血糖値が急上昇したのち急降下する現象は「血糖値スパイク」と呼ばれています)。 【糖尿病による食後の眠気を予防するために1】ゆっくり時間をかけて食べる 早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。食べるスピードは非常に重要なのです。食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。 【糖尿病による食後の眠気を予防するために2】野菜類から食べること 野菜類から先に食べることで食後の血糖値の上昇が緩やかになります。また、野菜や豆類などで少しお腹をふくらませておくと、肉類やご飯の量を減らすこともできます。ですので、食事をする際は野菜類から食べてください。 【糖尿病による食後の眠気を予防するために3】脂質を味方につける 脂質はカロリーが高いので敬遠されがちですが、実は消化吸収に時間がかかるため、最も血糖値を上昇させにくい栄養素です。パスタなどの洋食と相性のいい”オリーブオイル”をふりかけて食べれば、炭水化物単体で食べるより血糖値の上昇を抑えることができます。 【糖尿病による食後の眠気を予防するために4】規則正しく3食を食べる 1日3食を規則正しく食べているときには「血糖値スパイク」が生じなかった人でも、朝食を抜くと昼食のあとに「血糖値スパイク」が発生するという研究結果が出ています。ですので、食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、規則正しく3食を食べることを心掛けてください。 ※「日中の居眠り」や「食後の眠気」を予防するためには、睡眠の質を上げることも大切です。睡眠の質を上げる方法については「糖尿病ネットワーク」をご覧ください。   糖尿病が不安な方はいつでもご相談ください 糖尿病になっても初期段階では自覚症状がありません。そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病かもしれない…」と感じている方は、早めに受診することをお勧めします。糖尿病にお心当たりのある方、あるいは健康的な食事について相談したい方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2023.03.18

糖尿病・代謝内科

糖尿病による皮膚の症状について

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、「糖尿病による皮膚の症状」について解説していきます。後半部分では「糖尿病が引き起こす皮膚の病気」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 糖尿病による皮膚への影響 なぜ糖尿病にかかると皮膚に症状が出るのか 糖尿病が引き起こす皮膚の病気 糖尿病による皮膚病の予防策 糖尿病による皮膚の痒みを防ぐために まとめ   糖尿病による皮膚への影響 糖尿病はインスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖が増えてしまう病気です。血糖の濃度が何年間も高いままで放置されると血管が傷つき、将来的に心臓病や、失明、腎不全といった、より重い病気につながります。また、糖尿病は皮膚症状との関連性が高い病気の一つです。多くの糖尿病患者さんが、乾燥や痒み、痛みなどの肌のトラブルに悩まされています。糖尿病患者さんに現れる症状のうち、皮膚や肌に関係するものは以下の通りです。 ・痒い ・乾燥する ・ちくちくと指すような痛みがある ・手足の感覚がない ・切り傷が治りにくい   なぜ糖尿病にかかると皮膚に症状が出るのか 多くの糖尿病患者さんが、乾燥や痒み、痛みなどの肌のトラブルに悩まされています。なぜ糖尿病にかかると皮膚症状が出るのでしょうか。 <高血糖による脱水症状> 血糖値が上がると、皮膚の水分が失われ乾燥肌になりやすくなります。乾燥した皮膚は傷つきやすいので、痒みが生じたり、痛みが走ったりします。 <多尿により体内が脱水傾向になる> 血糖値が高い状態が続くと、血液中のブドウ糖の多くが尿に排出されます。その際に体の中の水分も一緒に尿に排出されるため脱水気味となり、皮膚が乾燥しやすくなると考えられています。 <自律神経障害によって発汗作用が低下するため> 糖尿病で高血糖の状態が長く持続すると、自律神経に障害が及びます。自律神経の働きが障害されると汗をかきにくくなり、皮膚の水分量が低下するため、「乾燥」や「痒み」が生じやすいと考えれられています。   糖尿病が引き起こす皮膚の病気 糖尿病による「血管障害」や「神経障害」あるいは「脂質代謝異常増悪」により、下記のような皮膚病変が出現します。 【糖尿病が引き起こす皮膚の病気1】糖尿病性水疱 糖尿病性水疱とは、糖尿病による血管障害の影響で、突然手や脚の皮膚に水疱ができる病気です。高血糖状態が続くと細菌や真菌に対する抵抗力が低下し、血流が悪くなるため感染症を引き起こしやすくなることが原因と考えられています。なお、糖尿病性水疱はカビの一種である真菌に感染することで発症します。 【糖尿病が引き起こす皮膚の病気2】成年性浮腫性硬化症 成年性浮腫性硬化症とは、糖尿病や感染症などをきっかけとして引き起こされる皮膚変化のことを指します。顔や首、肩、上半身などを含めた全身各所の皮膚がむくみ、硬くなります。成年性浮腫性硬化症では、原因となっている疾患に対する治療が行われるほか、皮膚病変に対して光線療法や免疫抑制剤の使用などが検討されます。 【糖尿病が引き起こす皮膚の病気3】糖尿病性黄色腫 糖尿病性黄色腫は、重症糖尿病あるいは充分コントロールされない糖尿病にみられる稀な皮膚合併症です(糖尿病の家族歴を持つ20~30歳代に起こりやすい)。好発部位は四肢伸側で、特に肘頭、膝蓋、臀部で、米粒大から小豆大の黄色ないし赤褐色の丘疹または小結節が多発し、時に掻痒を伴います。 【糖尿病が引き起こす皮膚の病気4】リポイド類壊死症 リポイド類壊死症とは、肉芽腫性反応、血管壁の肥厚と脂肪沈殿とコラーゲンの変性疾患のことを言います。糖尿病性細小血管症に焦点を当てた原因説があげられています。なお、糖尿病患者さんにおいては、早期に発生すると言われています。 【糖尿病が引き起こす皮膚の病気5】糖尿病性皮膚潰瘍 糖尿病性潰瘍とは、糖尿病が進行すると起こる皮膚潰瘍のことです。症状としては足の指などに皮膚潰瘍ができるのですが、糖尿病による神経障害を併発していることが多く、無痛のため気付かないこともあります。なお、皮膚潰瘍を放置しますと“潰瘍部分”が壊死してしまいますので、注意が必要です。   糖尿病による皮膚病の予防策 糖尿病による皮膚病変は予防が重要です。糖尿病皮膚病変を予防するには以下のポイントを押さえて行うことが大切です。 ・毎日皮膚をチェックする ・保湿して乾燥対策を行う ・低温やけどに注意する 糖尿病があるため、皮膚科的に特別な治療が必要になることはあまりないですが、一般的に病気が広がりやすく治りにくい傾向があるので、皮膚の小さな変化に気付いたらそのままにせず、早めに診察を受けてください。もちろん、血糖値をよく管理することも大切になります。   糖尿病による皮膚の痒みを防ぐために 皮膚の痒みを予防する上で大切なのは、肌のバリア機能を低下させないことです。こまめに保湿剤を使用し、スキンケアを行ってください。以下、痒さへの対策になりますので、ぜひ参考にしてくださいね。 【糖尿病による皮膚の痒みを防ぐために1】紫外線を防ぐ 紫外線は必要以上に浴びると皮膚の乾燥を起こしたり、皮膚の老化を早めたり、眼の病気や皮膚がんのリスクを高める可能性があります。また、長時間日光を浴びると皮膚が炎症を起こし(日焼け)、皮膚のバリア機能が低下します。ですので、紫外線が強い時期や時間帯に外出するときは、日焼け止めを塗ったり、腕や首などを覆う服を着たり、日傘をさしたりして肌を守ってください。 【糖尿病による皮膚の痒みを防ぐために2】肌の乾燥を防ぐ バリア機能が低下して乾燥した肌は、痒みが発生しやすくなります。保湿剤を塗り、肌を乾燥から守るケアを心がけてください。保湿剤によるスキンケアは1年をとおして毎日続けるものなので、季節や時間帯、塗る場所に応じて、使いやすい剤形を選んでください。 【糖尿病による皮膚の痒みを防ぐために3】清潔の保持 この場合の清潔とは、皮膚の汚れや汗、アレルギーの原因物質、細菌(黄色ブドウ球菌)やウイルスなどを洗い落とすことをいいます。「汗をかいたら早めにシャワーで流す」「外出先では、こまめに汗を拭き取る」など、常に清潔さをキープしてください。 【糖尿病による皮膚の痒みを防ぐために4】バランスのとれた食事をする たんぱく質、ビタミン・ミネラル、食物繊維などをバランスよくとってください。乾燥肌にはサバやイワシなどの青魚や、かぼちゃ、にんじんなどの緑黄色野菜がおすすめです。   まとめ 糖尿病になっても初期段階では自覚症状がありません。そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病かもしれない…」と感じている方は、早めに受診することをお勧めします。糖尿病にお心当たりのある方、あるいは健康的な食事について相談したい方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2023.03.17

糖尿病・代謝内科

糖尿病による目の症状

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、「糖尿病が目に及ぼす影響」について解説していきます。後半部分では「糖尿病網膜症の治療法」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 糖尿病が目に及ぼす影響 糖尿病で視力が低下する仕組み 糖尿病網膜症とは 糖尿病網膜症の病期 糖尿病網膜症の特徴と原因 糖尿病網膜症の治療法について 糖尿病網膜症の予防策 糖尿病網膜症は早期発見が非常に重要です   糖尿病が目に及ぼす影響 糖尿病になると、目の網膜の毛細血管が詰まったり、高血糖による“末梢神経障害”や“代謝異常”などが発生したりするため、様々な目の合併症が起こります。 合併症の中には、初期段階では自覚症状がないものもあり、また末梢神経障害を起こした糖尿病患者さんでは、痛みを感じない場合があるため注意が必要です。 糖尿病になったら目が悪くなる可能性があることを知っておいてください。   糖尿病で視力が低下する仕組み 糖尿病で視力が低下する仕組みは「眼球の透明な組織が混濁してしまうこと」と「網膜という光を感じる神経が破壊されること」の二つです。 “眼球の透明性が低下する原因”としては、水晶体が混濁する白内障、角膜が白濁する水泡性角膜症があります(さらに硝子体に出血が生じて血液がたまると、硝子体が混濁して見えにくくなります)。 一方、光を感じる神経である“網膜の機能が失われる原因”としては、網膜剥離や血管新生緑内障などがあります(糖尿病による直接的な 2 大失明原因です)。 なお、どちらも糖尿病によって網膜の血管が損傷される、「糖尿病網膜症糖」によって引き起こされます。   糖尿病網膜症とは 糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)とは、糖尿病が原因で目の中の網膜という組織が障害を受け、視力が低下する病気です。 「糖尿病腎症」「糖尿病神経症」と並んで糖尿病の三大合併症といわれてます。 糖尿病網膜症は、他の糖尿病合併症と同様、初期段階では自覚症状がありません。 しかし気づかずに放置していると症状が悪化して様々な視覚障害が起こり、最終的には失明に至ることもあります。   <網膜とは> 網膜は、瞳から入った光の明暗や色を感知する役割をもっていて、物を見るために大変重要な器官です。 網膜症とは、なんらかの理由でこの網膜が傷められ、カメラでいうと、フィルムの感度が低くなったり、フィルム自体が破損してしまった状態になる病気のことです。 程度の差はありますが、糖尿病の患者さんの約3分の1に、網膜症が起きているといわれます。   糖尿病網膜症の病期 糖尿病網膜症は、進行の度合いにより大きく三段階に分類されます。 【糖尿病網膜症の病期1】単純糖尿病網膜症(たんじゅんとうにょうびょうもうまくしょう) 初期の糖尿病網膜症です。最初に出現する異常は、細い血管の壁が盛り上がってできる血管瘤や、小さな出血です。 蛋白質や脂肪が血管から漏れ出て網膜にシミ(硬性白斑)を形成することもあります。 なお、これらは血糖値のコントロールが良くなれば改善することもあります。   【糖尿病網膜症の病期2】前増殖糖尿病網膜症(ぜんぞうしょくとうにょうびょうもうまくしょう) 前増殖糖尿病網膜症は、単純網膜症より一歩進行した状態です。 細い網膜血管が広い範囲で閉塞すると、網膜に十分な酸素が行き渡らなくなり、足りなくなった酸素を供給するために新しい血管(新生血管)を作り出す準備を始めます。 この時期になると“かすみ”などの症状を自覚することが多いのですが、全く自覚症状がないこともあります。   【糖尿病網膜症の病期3】増殖糖尿病網膜症(ぞうしょくとうにょうびょうもうまくしょう) 増殖糖尿病網膜症は、糖尿病網膜症の重症な状態です。 新生血管が網膜や硝子体に向かって伸びてきます。 新生血管は破れやすく、網膜や硝子体に出血することがあります。 硝子体に出血すると、少量なら視野に黒い影やゴミの様なものが見える飛蚊症がおこります。 また出血量が多いと視力低下をおこします。硝子体中に出血すると、よく墨を流したようなものが見えるといわれます。 何度も出血や状態の悪い期間が続くと増殖組織といわれる線維性の膜が出現し、網膜剥離を起こすことがあります。   糖尿病網膜症の特徴と原因 糖尿病にかかると、血液中の糖分を細胞がうまく吸収できなくなります。 血液中の糖分が多い状態が続くと、やがて糖が血管に障害を与えるようになります。 目の網膜にある血管は細いので特に障害を受けやすく、血管がつまったり、出血したりするようになります。 もともとある血管が障害を受けて機能しなくなってくると、栄養分などを届けられなくなるため、新しい血管(新生血管)が作られます。この血管はとてももろく、出血や成分の漏れをたびたび起こします。 この状態が、視界がかすむ、視力の低下などの症状の原因になります。 そして、さらに病気が進行すると「網膜剥離」や「緑内障」といった病気を併発し、失明に至ることもあります。   糖尿病網膜症の治療法について 糖尿病網膜症の治療法には、「薬物による治療法」と「外科的な治療法」があります。 進行の度合いによって治療法は異なり、早期に治療を始めるほど負担の小さな方法で視力障害や失明を防ぐことができます。 なお、糖尿病網膜症は完全に治すことのできない病気です。 そのため治療は、症状の悪化を防ぐために行われます。具体的な治療法については以下をご覧ください。   【糖尿病網膜症の治療法1】初期 初期の場合は血糖コントロールや、高血圧の治療など内科的治療を行います。   【糖尿病網膜症の治療法2】中期 新生血管の発生を防ぐために、レーザーで眼底を焼く「レーザー光凝固術」が行われます。   <レーザー光凝固術> レーザー光凝固術とは、網膜をはじめとする眼底(眼球の奥)の病変部にレーザー光線を照射して焼き固めることによって、病気の進行を阻止するために行われる治療法です。 この治療法で視力を改善することはできませんが、今現在の視力をほぼ維持しながら病気がそれ以上悪化することを予防するという意味では、特に網膜に発生するさまざまな病気に対して非常に有効とされています。   【糖尿病網膜症の治療法3】末期 糖尿病網膜症が進行して「網膜剥離」や「硝子体出血」が起きている場合は、硝子体手術が行われます。 <硝子体手術> 硝子体手術とは眼の硝子体と呼ばれる組織を除去し、網膜硝子体の病気を治す手術です。 とても繊細で難しい手術に分類されます。   糖尿病網膜症の予防策 糖尿病網膜症を予防するための基本は、定期検診です。 一度検査を受け、異常がないとわかると安心してしまう人が多いのですが、それではいけません。 糖尿病に関係する目の病気は網膜症だけでなく、白内障や緑内障など沢山あります。 ですので毎年、眼底検査を受けてください。 なお、糖尿病網膜症を予防するためには「血糖」「血圧」「コレステロール」に注意を払うことも大切です。   <血糖> 1~2ヵ月の血糖の平均を反映し、血糖コントロールの指標となっているHbA1cを、7.0%未満に維持してください(可能であれば6.0%未満を目指してください)。   <血圧> 糖尿病患者さんの降圧目標は、診察室血圧が130/80mmHgで、家庭血圧が125/75mmHgとなっております。 糖尿病の人は高血圧を併発していることが多いです。 両方を併発すると、心臓病や脳卒中、腎臓病などのリスクがさらに高まりますので、積極的な血圧コントロールが大切です。   <コレステロール> 現在ガイドラインで推奨されている糖尿病の患者さんにおける血液中の脂質の管理目標値は、LDLコレステロール120mg/dl未満(冠動脈疾患がある場合は100mg/dl未満)、HDLコレステロール40mg/dl以上、中性脂肪150mg/dl未満です。   糖尿病網膜症は早期発見が非常に重要です 糖尿病網膜症は、自覚症状がないまま進みます。 自覚症状が出たころには、症状がかなり進んでいて、失明を覚悟しなくてはなりません。 ですので、糖尿病やその予備軍と診断されたら、医師の指示どおり血糖のコントロールを行い、自覚症状がなくても眼科での定期的な眼底検査を行ってください。 なお、糖尿病の指標のひとつに、ヘモグロビンA1c(HbA1c…正常値4.3~5.8)というのがあり、この数値が7.5以上になると、5倍以上失明する危険が高まるといわれています。 ご自身の「ヘモグロビンA1c」について気になる方、あるいは糖尿病網膜症の症状について気になる方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。   当日の順番予約はこちらから

2023.01.26

糖尿病・代謝内科

糖尿病ケトアシドーシスの症状や原因、治療法について

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、糖尿病ケトアシドーシスの「症状」や「原因」について解説していきます。後半部分では「糖尿病ケトアシドーシスの治療法」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 糖尿病ケトアシドーシスの特徴・初期症状 糖尿病ケトアシドーシスの原因 糖尿病ケトアシドーシスの主な症状 糖尿病ケトアシドーシスは糖尿病妊婦さんに起きる最も重篤な合併症 糖尿病ケトアシドーシスの治療法 糖尿病ケトアシドーシスの予防策 まとめ   糖尿病ケトアシドーシスの特徴・初期症状 糖尿病ケトアシドーシスとは、糖尿病急性合併症である「糖尿病昏睡」の一つです。 血糖値を下げる働きをするインスリンが不足し、十分に血糖値が下がらないことで起こります。 糖尿病ケトアシドーシスの初期症状は、強い喉の渇きと頻尿、体重減少、吐き気、嘔吐、疲労などが起こり、小児の場合は腹痛がみられることもあります。 なお、糖尿病ケトアシドーシスは主に“1型糖尿病の方”に起こります(2型糖尿病の場合であっても引き起こされることはあります)。1型糖尿病と2型糖尿病については以下をご覧ください。   <1型糖尿病> 1型糖尿病とは、インスリンを分泌する膵臓の「β細胞:べーたさいぼう」が壊れ、高血糖状態になる病気です。 世界的には糖尿病全体の約5%が1型糖尿病と言われています。 糖尿病には大きく分けて1型と2型がありますが、1型はβ細胞の破壊によって生じるもので、運動不足や過食などの生活習慣によって起こる「2型糖尿病」とは性質が異なります。   <2型糖尿病> 2型糖尿病は、遺伝的素因によるインスリン分泌能の低下に、環境的素因としての生活習慣の悪化に伴うインスリン抵抗性が加わり、インスリンの相対的不足に陥った場合に発症する糖尿病です。 一般的に生活習慣病と称されるタイプの糖尿病が2型糖尿病ですが、インスリン分泌能の低下が不可欠です。 生活習慣の乱れだけではなく、2型糖尿病患者さんは大なり小なり糖尿病になりやすい体質を持っているとも言えます。 なお、一般的に"糖尿病"と表現した場合は「2型糖尿病」を示すことが多いです。   糖尿病ケトアシドーシスの原因 糖尿病ケトアシドーシスの主な原因は、1型糖尿病の発症時やインスリン注射を中断したとき、あるいは感染症や外傷などによって、極端にインスリンの必要性が増加したときに起こります。 2型糖尿病でも同じように感染症や外傷などの強いストレスがあったとき、また清涼飲料水を多量に飲んだとき等で糖尿病ケトアシドーシスを起こすことがあります。 なお、2型糖尿病では、ある程度インスリンが分泌されている時期から病期が進み、インスリンの分泌量がさらに減少、あるいはインスリンへの抵抗性が高くなることで血糖が異常に高くなってしまうことがあります。 インスリンの相対的不足状態に加えて、風邪などの感染症や暴飲暴食、さらにはストレスなどが重なり、血糖が著しく高くなると(500mg/dl以上)意識障害をきたします。 なお、意識障害に至る前駆症状として高血糖による著しい口渇、多尿がみられます。   糖尿病ケトアシドーシスの主な症状 糖尿病ケトアシドーシスでは、口渇、多飲、多尿、体重減少、全身倦怠感などの糖尿病に典型的な症状が急激に起こります。 さらに悪化すると、呼吸困難、速くて深い呼吸(クスマウル大呼吸と呼びます)、あるいは悪心、嘔吐、腹痛、意識障害などが起こります。   糖尿病ケトアシドーシスは糖尿病妊婦さんに起きる最も重篤な合併症 糖尿病ケトアシドーシスは、糖尿病の妊婦さんに起きる“最も重篤な合併症”だと言われております。 妊娠中、母親のからだは血糖を胎児に優先的に送ろうとするので、自分自身のエネルギーを補うため、脂肪を分解して“遊離脂肪酸”を作る働きが普段よりも活発になり、ケトン体が増えます(ケトン体は、からだの中で脂肪が変化して作られる物質でエネルギー源として利用されています)。 このケトン体が多く作られてしまった場合、「糖尿病ケトアシドーシス」の誘因となるため、妊娠中は糖尿病ケトアシドーシスのリスクが高くなります。   <妊娠糖尿病> 妊娠糖尿病とは、妊娠中にはじめて発見された糖代謝異常です(糖代謝異常とは、血液に含まれる糖の量を示す“血糖値”が上がった状態です)。 今まで糖尿病と言われた事がないにもかかわらず、妊娠中に始めて指摘された糖代謝異常で、糖尿病の診断基準をみたさない人を妊娠糖尿病といいます。 具体的には、糖負荷試験をした際に、空腹時血糖92mg/dL以上、1時間値180mg/dL以上、2時間値153mg/dL以上のいずれか1点以上を満たした場合に「妊娠糖尿病」と診断されます。   糖尿病ケトアシドーシスの治療法 糖尿病ケトアシドーシスの治療は、一刻も早く生理食塩水を中心とした“輸液”によって、水分とナトリウムを補充する必要があります。 そのほかには電解質の補正、適切なインスリンの投与によって高血糖とアシドーシスを是正することが重要です。 糖尿病ケトアシドーシスは、適切な処置が遅れると死に至ることもあります。 ですので、気になる症状があったときには、早めにかかりつけ医に相談してください。   糖尿病ケトアシドーシスの予防策 糖尿病ケトアシドーシスは、口渇、多飲、多尿、全身倦怠感、体重減少といった典型的な症状に続いて起こります。 そのため、これらの症状をよく覚えておき、症状があったときには血糖自己測定、尿ケトン体の測定をおこない、予防・早期発見することが重要です。   まとめ 糖尿病ケトアシドーシスは生命の危険を伴う合併症です。 そのため早く気づき、速やかに治療を受けることが大切です。 糖尿病ケトアシドーシスの症状にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。   当日の順番予約はこちらから

2023.01.25

糖尿病・代謝内科

糖尿病かもしれないと感じた方は、まずは糖尿病内科のある病院にご相談を

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
糖尿病は自覚症状のないままに進行し、重篤な合併症を引き起こします。そのため、絶対に放置してはいけません。糖尿病にお心当たりのある方は、速やかに「糖尿病内科のある病院」を受診してください。 この記事では、糖尿病にお心当たりのある方に向けて「糖尿病の初期症状」や「糖尿病になりやすい人の特徴」をご紹介します。後半部分では「糖尿病の治療法」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 【目次】 糖尿病の初期症状 糖尿病になりやすい食事 早食いの方は糖尿病になりやすい 間食の習慣がある方は糖尿病になりやすい 糖尿病の診断基準 食後高血糖とは 糖尿病の症状を放置するリスク 2型糖尿病の治療法について 糖尿病の薬物療法について 経口血糖降下薬について 自分が糖尿病かもしれないと思った方へ   糖尿病の初期症状 糖尿病は症状の自覚が難しい疾患です。 血糖値が少し高い段階では、自覚する症状はほぼありません。 しかし、高血糖のままある程度の時間が経過すると、次のような症状が現れてきます。 <糖尿病の初期症状> ・立ちくらみ ・全身の倦怠感、疲労感 ・喉が渇いて沢山の水がほしくなる ・手足のしびれ、冷え、むくみ ・皮膚のかゆみ、乾燥 ・目がかすむ ・視力の低下 ・やけどの痛みを感じにくい ・食べているのに痩せる ・残尿感がある ・尿の臭いが気になる   糖尿病になりやすい食事 糖質の多い食品を多く摂取すると、血糖は上がりやすくなります。 特に甘いものなど単純糖質を含む食品は急激な血糖上昇の原因になりますので、注意が必要です。 以下、糖尿病の原因となりやすい食品です。 ・白米 ・食パン、菓子パン ・うどん、焼きそば、スパゲティなどの麺類 ・かぼちゃ、じゃがいも、さつまいも、とうもろこし ・ホットケーキ、ケーキ ・饅頭 ・スナック菓子、クッキー、せんべい ・ようかん、饅頭 ・ジュース   早食いの方は糖尿病になりやすい 早食いは血糖値を急激に上昇させるため、血糖値を調整するホルモンの「インスリン」を分泌する膵臓の機能が低下してしまい、糖尿病を発症しやすくなります。 早食いの方は、「一口食べるごとにお箸を置く」「野菜から食べる」など、血糖値の上昇を緩やかにする食事習慣を身につけることが大切です。 早食いは糖尿病のリスクを高めますので、十分に注意してください。   間食の習慣がある方は糖尿病になりやすい 間食をすると血糖値の高い状態が続き、インスリンを分泌する膵臓に大きな負担がかかります。 また、その状態のままで次の食事をすると、食後高血糖の原因にもなります。 ですので、間食はできる限り控えてください。   糖尿病の診断基準 糖尿病は簡単に述べると、HbA1cが6.5%を超えると診断に至ります。 基準となる正常値は4%~5.5%です。 しかし血糖値やHbA1cといった検査数値は、貧血など合併する疾患で値が変わることが知られています。 一般内科の先生方でも診断を誤らないように、複雑な診断チャートが容易されています。 HbA1c、空腹時血糖値、随時血糖値、75gOGTT値のいずれかが基準値を超えている場合を「糖尿病型」といいます。 空腹時血糖値、随時血糖値、75gOGTT値のいずれかとHbA1c値の両方が糖尿病型である場合、もしくは口渇、多飲、多尿、体重減少などの典型的な糖尿病の症状が出たり、糖尿病網膜症がある場合は、1回の検査で「糖尿病」と診断されます。   食後高血糖とは 食後高血糖とは、食後2時間が過ぎても血糖値が高い状態のことを言います。 食事をすると血糖値は高くなり、2~3時間以内に正常値(110mg/dl未満)に戻るのが一般的です。 しかし、血糖値が低下せず長い時間140mg/dl以上の値が続く場合には「食後高血糖」と判断されます。 食後血糖値が高い状態が続くと、糖尿病の発症リスクが高くなります。 ですので、食後高血糖は糖尿病だけでなく糖尿病予備群においても重要な指標の一つとして注目されています。 なお、食後高血糖の多くは、時間がたつと次第に下がり、正常な数値に戻ります。 そのため、通常の健診で行われる空腹時血糖値では異常なしと判断され、食後高血糖を見逃してしまうことがあります。 このようなことから食後高血糖は「隠れ糖尿病」と呼ばれています。   糖尿病の症状を放置するリスク 血糖値が高い状態が続くと、全身で様々な合併症が起こります。 糖尿病の恐さは、自覚症状のないままに進行し、重篤な合併症を引き起こすことです。血糖値が高い状態が持続すると、神経や目や腎臓などに様々な障害を起こすことが知られています。 ここでは、糖尿病が引き起こす3大合併症をご紹介します。   【糖尿病の症状を放置するリスク|合併症の種類1】糖尿病網膜症 糖尿病網膜症とは、糖尿病が原因で目の中の網膜という組織が障害を受け、視力が低下する合併症です。 糖尿病網膜症は、他の糖尿病合併症と同様、初期には自覚症状はありません。 しかし気づかずに放置していると疾患の進行に伴って、様々な視覚障害が起こり、最終的には失明に至ることもあります。 【糖尿病の症状を放置するリスク|合併症の種類2】糖尿病腎症 糖尿病腎症は、高血糖により、腎臓にある非常に細い血管がむしばまれていく合併症です。 進行すると、老廃物を尿として排泄する腎臓の機能が失われてしまうため、最終的に透析治療を要することになります。 この合併症も自覚症状がないまま進行していきますので、早期発見のためには、定期的に腎臓の機能を検査する必要があります。 【糖尿病の症状を放置するリスク|合併症の種類3】糖尿病神経障害 糖尿病神経障害は、高血糖により手足の神経に異常をきたし、足の先や裏、手の指に痛みやしびれなどの感覚異常があらわれる合併症です。 糖尿病神経障害は、手袋や靴下で覆われる部分に「左右対称」にあらわれる特徴があります。 糖尿病神経障害の患者さんのなかには、痛みが慢性化したり、進行して知覚が低下した結果、足潰瘍や足壊疽となったりする場合もあります。   2型糖尿病の治療法について 2型糖尿病の治療の基本は食事療法と運動療法により、適正に体重をコントロールし、インスリンの効きをよくすることです。 【糖尿病の治療法1】食事療法 食事療法とは、医師や管理栄養士の指示に基づいて献立を組み立て、食事の量や成分を増減させることで疾患の改善を目指すものです。 食事療法では、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考えてさまざまな食品をまんべんなくとることが大切です。 食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、朝食、昼食、夕食の3回ゆっくりよく噛んで、腹八分目で食べるよう心掛けてください。 バランスのとれた栄養を1日の必要量のカロリーでとることで、膵臓の負担は軽くなり、膵臓の能力は回復されます。   【糖尿病の治療法2】運動療法 運動療法とは、運動を行うことで障害や疾患の治療を行う療法です。運動により血糖コントロール・インスリン抵抗性・脂質代謝の改善が得られ、糖尿病は改善します。 また長期的には、インスリン抵抗性を改善させ、血中のブドウ糖の量を良好にコントロールできるようにすることが期待されます。 ですので、糖尿病にお心当たりのある方は、できれば毎日、少なくとも週に3~5回は体を動かしてください。   糖尿病の薬物療法について 食事療法や運動療法を行っていても血糖値の改善がされない場合は「薬物療法」を行います。 薬物療法で使用される薬剤には、大きく分けて「経口血糖降下薬」と「インスリン注射薬」があります。 どの薬剤を使用するかは、年齢や肥満の程度、合併症の程度などを含め、医師と相談の上で決めます。   経口血糖降下薬について 経口血糖降下薬は、その作用から大きく分けて3つに分類することができます。以下をご覧ください。 【経口血糖降下薬1】インスリン分泌促進系 インスリン分泌促進系は、膵臓のβ細胞に作用してインスリンの分泌を促進し、血糖値を下げる薬です。平たく言うと「インスリンを出しやすくする薬」になります。 以下、インスリン分泌促進系の薬で代表的なものです。   <GLP-1(ジーエルピーワン)受容体作動薬> GLP-1受容体作動薬は、インスリン分泌を促して血糖値を下げる薬です。 膵臓のβ細胞(べーたさいぼう)のGLP-1受容体に結合し、血糖値が高いときにインスリンの分泌を促します。 そして、血糖値を上げるホルモンのひとつであるグルカゴン分泌を抑制し、血糖を下げます。   <速効型インスリン分泌促進薬> 速効型インスリン分泌促進薬は、スルホニル尿素薬と同じように、膵臓のβ細胞に働きかけ、インスリン分泌を促します。 速効型インスリン分泌促進薬は、食事をする直前に内服していただくことで、インスリンが短時間だけ出るので食後の血糖のみを下げてくれます。   【経口血糖降下薬2】インスリン抵抗性改善系 インスリン抵抗性改善系は、インスリンの働きが悪くなっているのを改善し、効きめを良くする薬です。平たく言うと「インスリンを効きやすくする薬」になります。 以下、インスリン抵抗性改善系の薬で代表的なものです。   <チアゾリジン薬> チアゾリジン薬は、肝臓や筋肉に作用し、インスリンの効きを良くする薬です。 インスリンに対するからだの感受性を高めることで血糖値を下げます。   <グリミン薬> グリミン薬は、血糖値に応じて膵臓からインスリンを分泌させ血糖値を下げます。 また、肝臓で糖が作られるのを抑えたり、筋肉で糖が取り込まれるのを改善してインスリンの効果を高めたりします。   【経口血糖降下薬3】糖吸収・排泄調節系 糖吸収・排泄調節系は、糖の腸管からの吸収、腎臓からの排泄を調節する薬です。 平たく言うと「糖の吸収をゆっくりにして血糖の急な上昇を抑える薬」になります。 なお、糖吸収・排泄調節系のお薬には、からだに取り込んだ糖を尿中に出させる効果もあります。   <α-グルコシダーゼ阻害薬> α-グルコシダーゼ阻害薬は、小腸でのブドウ糖の分解・吸収を遅らせて、食後の急激な血糖値の上昇を抑える薬です。 食前の血糖値はそれほど高くないけれども、食後の血糖値があがりやすい患者さんに適しています。   <SGLT2(エスジーエルティーツー)阻害薬> SGLT2阻害薬は、腎臓の近位尿細管でのブドウ糖再吸収を抑制し、尿からの糖分の排泄を促進するユニークなお薬です(尿から糖が出るので体重も減少します)。 SGLT2阻害薬は、血糖を下げるだけではなく、心臓や腎臓にも良い効果が得られることが分かってきております。 そのため近年は、SGLT2阻害薬の一部の薬が「心不全」や「慢性腎臓病」の治療薬としても使用することが認められております。   自分が糖尿病かもしれないと思った方へ 糖尿病は自覚症状のないままに進行し、神経や目や腎臓などに様々な障害を引き起こします。 そのため絶対に放置してはいけません。 速やかに「糖尿病内科のある病院」を受診してください。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、できるだけ早く受診することをお勧めします。 糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。

2023.01.22

糖尿病・代謝内科

糖尿病予備群(境界型糖尿病)の症状や対策について解説

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
厚生労働省が発表した平成28年「国民健康・栄養調査」の結果では、糖尿病が強く疑われる者(糖尿病有病者)、糖尿病の可能性を否定できない者(糖尿病予備群)はいずれも約1,000万人(合わせて約2,000万人)と推計されています。 この記事では、糖尿病の可能性を否定できない者「糖尿病予備群」について解説していきます。 後半部分では「糖尿病予備群にならないための予防法」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは 糖尿病予備群の主な症状 糖尿病予備群と診断された方へ 糖尿病予備群にならないための予防法 【糖尿病予備群にならないための予防法1】運動 【糖尿病予備群にならないための予防法2】食生活の見直し 【糖尿病予備群にならないための予防法3】禁煙 糖尿病予備群の疑いがある方、医師の診断を受けたい方へ   糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは 糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは、糖尿病と診断されるほどの高血糖ではないものの、血糖値が正常より高い状態にあることを指します。 「HbA1c 6.5%未満」「空腹時血糖が110 mg/dl以上126 mg/dl未満」「75g経口ブドウ糖負荷試験2時間の血糖値が140 mg/dl以上200 mg/dl未満」のいずれかを満たす人が該当します。   糖尿病予備群の主な症状 糖尿病予備群(境界型糖尿病)では、自覚症状がありません。 しかし体内では、既に血糖値を下げるホルモンである「インスリン」が出にくくなったり、効きづらくなったりする変化が起きています。 また糖尿病に特有の合併症である、網膜症、神経障害、腎機能障害も少しずつ進行するとも言われています。 さらに高血圧や脂質異常症なども併発しやすくなり、全体として、血糖値が正常な状態に比べ、動脈硬化の進行は加速されます。 なお、動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な疾患が引き起こされる危険性が高くなります。   糖尿病予備群と診断された方へ 糖尿病予備群の方は、食事、運動、喫煙、飲酒などの生活習慣を見直し、肥満や高血圧、ストレスなどに対する健康管理に取り組むことで、糖尿病へ進行するリスクを減らすことができます。 ですので、糖尿病予備群と診断された方は、まずは生活習慣の見直しから始めてください。 なお上述した通り、糖尿病予備群でも、既に血糖値を下げるホルモンであるインスリンが出にくくなったり、効きづらくなったりする変化が起きています。 また糖尿病に特有の合併症である、網膜症、神経障害、腎機能障害も少しずつ進行するとも言われています。 ですので、糖尿病予備群と診断された方は、絶対に放置してないでください。   糖尿病予備群にならないための予防法 糖尿病予備群では、生活習慣の改善により「糖尿病の発症のリスク」を減らすことができます。 では、具体的には何をすればいいのでしょうか。順番にご紹介していきます。   【糖尿病予備群にならないための予防法1】運動 糖尿病を予防するためには「運動」が効果的です。運動をすることで、ブドウ糖や脂肪酸の利用が促進。インスリンに頼らずに糖分が細胞や筋肉の中に吸収されるようになり、血糖値の低下が期待できます。 また長期的には、インスリン抵抗性を改善させ、血中のブドウ糖の量を良好にコントロールできるようにすることが期待されます。 ですので、糖尿病予備群と診断された方は、できれば毎日、少なくとも週に3~5回は体を動かしてください。 なお、糖尿病を予防するための運動としては「有酸素運動」と「レジスタンス運動」が推奨されております。   <有酸素運動> 有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに、酸素を使う運動のことです。 ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。 有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。   <レジスタンス運動> レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動です。 スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操など、標的とする筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います(レジスタンス(Resistance)は和訳で「抵抗」を意味します)。 レジスタンス運動は、筋肉量増加・筋力向上・筋持久力向上を促す筋力トレーニングとして高齢者からアスリートまで広く行われています。   【糖尿病予備群にならないための予防法2】食生活の見直し 糖尿病予防の基本は「食生活を見直すこと」です。 食事は、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考えてさまざまな食品をまんべんなくとることが大切です。 食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、朝食、昼食、夕食の3回ゆっくりよく噛んで、腹八分目で食べるよう心掛けてください。 バランスのとれた栄養を1日の必要量のカロリーでとることで、膵臓の負担は軽くなり、膵臓の能力は回復されます。 なお、食事のポイントについては以下をご覧ください。   <ゆっくり食べる> 早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。 食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。   <野菜類から食べる> 早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。 食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。   <アルコールは適量にする> アルコールには一時的にはインスリンの働きを改善する効果があります。 しかし長期間飲んでいると逆にインスリンの分泌量が低下することがわかっていますので、アルコールは、ほどほどにしてください。   <腹八分目でストップ> 慢性的な食べすぎは、余分なブドウ糖をつくり、糖尿病を発症させる最大の原因となります。 いつもお腹いっぱいに食べないと満足できない人は、注意が必要です。 とくに脂肪分の多い肉類の食べすぎは、カロリーの取りすぎにつながりやすいので、量を控えてください。   <間食をしない> 間食をすると血糖値の高い状態が続き、インスリンを分泌する膵臓に大きな負担がかかります。 また、その状態のままで次の食事をすると、食後高血糖の原因にもなります。糖尿病を予防するためにも間食はできる限り控えてください。   【糖尿病予備群にならないための予防法3】禁煙 喫煙は交感神経を刺激して血糖を上昇させるだけでなく、体内のインスリンの働きを妨げる作用があります。 そのため、たばこを吸うと「糖尿病にかかりやすくなる」といえます。 日本人を対象とした研究データによると、喫煙者は非喫煙者と比べ糖尿病を発症するリスクが38%高くなると言われています。 ですので、糖尿病予備群の方は喫煙を控えてください。   糖尿病予備群の疑いがある方、医師の診断を受けたい方へ 糖尿病予備群の方は、自覚症状がありません。 そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。 健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。 糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 また糖尿病予備群の方の“適切な対策”を知りたい方も、いつでもご相談ください。   当日の順番予約はこちらから

2023.01.21