板谷内科クリニックブログ

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特徴についての記事一覧

糖尿病・代謝内科

糖尿病の初期症状が出た方はいつでも当院にご相談ください

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
糖尿病はインスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖が増えてしまう病気です。血糖の濃度が何年間も高いままで放置されると血管が傷つきます。そして将来的に心臓病や、失明、腎不全といった、より重い病気につながります。そのため糖尿病の症状が見られた際には放置せず、速やかに糖尿病専門医による診察を受けることが大切です。 この記事では、「糖尿病の初期症状」について解説していきます。後半部分では「尿に見られる糖尿病の初期症状」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 糖尿病の初期症状の特徴 女性に起こりがちな糖尿病の初期症状 尿に見られる糖尿病の初期症状 糖尿病患者さんの尿の特徴 糖尿病は自覚症状が現れにくい病気です   糖尿病の初期症状の特徴 糖尿病は症状の自覚が難しい病気です。血糖値が少し高い段階では、自覚する症状はほぼありません。しかし高血糖のままある程度の時間が経過すると、次のような症状が現れてきます。 <糖尿病の初期症状> ・立ちくらみ ・全身の倦怠感、疲労感 ・喉が渇いて沢山の水がほしくなる ・手足のしびれ、冷え、むくみ ・皮膚のかゆみ、乾燥 ・目がかすむ ・視力の低下 ・やけどの痛みを感じにくい ・食べているのに痩せる ・残尿感がある ・尿の臭いが気になる     女性に起こりがちな糖尿病の初期症状 糖尿病で出現する症状に男女差はありません。 ただし女性の場合、妊娠中に血糖が上がり、「妊娠糖尿病」と診断される場合があります。妊娠中は胎児へ多くのエネルギーを送るため、胎盤から出されるホルモンでインスリンの働きが抑えられます。 そのため妊娠中の女性は、通常時に比べると血糖値が上がりやすくなり、その中でも血糖のコントロールがうまくいかなくなってしまった方が「妊娠糖尿病」と診断されます。 妊娠糖尿病は、適切な治療を行わないと胎児への影響もありますので、妊婦検診などで指摘された場合は医療機関を受診して治療を行ってください。   当日の順番予約はこちらから   尿に見られる糖尿病の初期症状 糖尿病になると多尿や頻尿になることがあります。 なぜなら、糖尿病になると血液中のブドウ糖の濃度が上昇するため、その濃度を下げようとして身体が水を欲し、たくさん水を飲むようになるからです(多尿とは1日の尿量が3リットル以上のことを言います)。 一般的に糖尿病が進めば進むほど多尿になり、夜中も頻繁にトイレで起きるようになります。   糖尿病患者さんの尿の特徴 糖尿病患者さんの尿には、健康な方の尿と比べて様々な特徴があります。ここでは排尿時の尿の「泡立ち」や「色」について解説していきます。 【糖尿病患者さんの尿の特徴1】尿が泡立つ 糖尿病になると尿が泡立ちやすくなります。尿が泡立つのは尿中に「たんぱく質」や「ブドウ糖」が含まれるためです。腎臓には血液中の老廃物や塩分をろ過する役割がありますので、正常に機能していれば、尿中に「たんぱく質」や「ブドウ糖」が含まれることはありません。しかし糖尿病になると、腎臓のろ過機能がうまく働かなくなるため、「たんぱく質」や「ブドウ糖」が尿中に漏れ出るのです(たんぱく質やブドウ糖が尿中に増えると、尿が粘っこい状態になり、泡立ちやすくなります)。 【糖尿病患者さんの尿の特徴2】尿の色が濁る 糖尿病で腎臓に異常があると、尿が濁ったり、褐色のような濃い色味を帯びたりすることがあります。尿が濁っているのは、たんぱく質が尿中に含まれているからです。一方、尿が褐色を呈するのは、尿に赤血球が含まれるからです。   当日の順番予約はこちらから   糖尿病の初期症状は爪や足にも現れます 糖尿病の患者さんに生じる足のトラブルの総称を「糖尿病足病変(とうにょうびょうあしびょうへん)」と言います。病変には、足に生じる水虫や細菌感染による病変、たこやうおのめ、足の潰瘍や変形などがあります。さらに重症になると壊疽(えそ)という組織が死んでしまった状態になり、最悪の場合は足を切断することもあります。こうした状態になるのを避けるためには、糖尿病自体の治療をしっかり行って血糖を適切な状態に保つことはもちろん、毎日足の状態をよく観察して早く異常を見つけることが大切です。糖尿病の患者さんの足に出る症状については、以下をご覧ください。 <足に出る症状> ・足の先がしびれる ・足の先に痛みがある ・足の先がジンジン(ピリピリ)する ・足の感覚に異常がある(痛みを感じにくい、感覚が鈍いなど) ・足がつる <足の外観に出る変化> ・うおのめ、たこ、まめ、靴ずれがよくできる ・小さな傷でも治らない ・足に感染症がある(水虫など) ・皮膚が赤くなったり、腫れたりしている部分がある ・皮膚が乾燥したり、ひび割れしている部分がある ・爪が変形したり、変色したりしている ・爪が異常に厚くなっている ・爪が白く濁ったり、白い線が入ったりしている ※糖尿病の患者さんの足に出る症状について詳しく知りたい方は「糖尿病患者の足にみられる症状について」をご覧ください。   糖尿病は自覚症状が現れにくい病気です 糖尿病になっても、初期段階では自覚症状がありません。そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。   当日の順番予約はこちらから

2022.11.23

腎臓内科

腎臓が原因でおこる痒みの特徴と場所

腎臓内科に関する記事です。
腎臓病とは、腎臓の系球体や尿細管が冒されることで、腎臓の働きが悪くなる病気です。 腎臓病の患者さんの中には、皮膚の乾燥や痒みといった皮膚症状がみられることがあります。 この記事では「腎臓が原因でおこる痒みの特徴」をご紹介していきます。後半部分では「痒さへの対策」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 腎臓が原因で痒くなる理由 腎臓が原因で痒くなる理由には皮膚の乾燥もあります 痒みの応急手当 腎臓病による痒みの場所と特徴 痒さへの対策 【痒さへの対策1】肌の乾燥を防ぐ 【痒さへの対策2】清潔の保持 【痒さへの対策3】紫外線を防ぐ 【痒さへの対策4】入浴習慣を見直す 【痒さへの対策5】質の良い睡眠をとる 【痒さへの対策6】皮膚への刺激が少ない衣類を選ぶ 【痒さへの対策7】バランスのとれた食事をする   腎臓が原因で痒くなる理由 腎臓は体の中や血液の“老廃物”を尿へ捨てる臓器ですので、腎臓が悪くなると“老廃物”が血中や皮膚にたまってしまいます。それら“老廃物”は皮膚の中にある痒み受容体のミュー・ペプチド受容体を刺激し、その電気信号が脳へ伝わって痒みを感じます。この現象は腎機能が高度の低下した透析患者で多く見られ、半数は強い痒みを感じます。 <腎臓とは?> 腎臓とはソラマメの形をした縦12cm、横5~6cm、重さ150gほどの臓器です。腰の少し上(背中側)に左右1つずつあり、毎日休むことなく大量の血液が送り込まれています。腎臓の主な機能は「老廃物の排泄」「体液の恒常性の維持」「ホルモンの産生」です。   腎臓が原因で痒くなる理由には皮膚の乾燥もあります 腎臓が悪くなると皮膚が乾燥します。これも痒みの原因となります。腎臓の働きが悪くて痒い方は、まめにお風呂に入ったり、皮膚に湿気を与えるぬり薬を塗ったりすることが痒み対策になります。皮膚の防御作用をこわさないために、お風呂で皮膚をこすりすぎないことも大切です。   痒みの応急手当 痒いのを、かかずに我慢するのはつらいものです。痒みが強いときは、肌を冷やすのがおすすめです。冷たいおしぼりや、氷を入れたビニール袋や保冷剤をタオルでくるみ、痒みのある部分に当ててください。なお、冷やしすぎて低温やけどしないように注意してくださいね。   腎臓病による痒みの場所と特徴 慢性腎臓病の患者さんでは、皮膚の乾燥、色素沈着、痒み、爪の異常といった皮膚の症状がみられ、特に、多くの患者さんで乾燥や痒みがみられます。乾燥や痒みは一般的に、すねから始まり、太もも、背中、わき腹、肩から腕へと広がっていきます。特に夜間に痒みが強くなるのが特徴です。なお、腎臓病について詳しく知りたい方は「腎臓について解説している記事」をご覧ください。   痒みに有効な薬について ここでは、皮膚の痒みに有効な薬をご紹介します。 <飲み薬> 抗ヒスタミン薬 抗ヒスタミン薬は、体内でアレルギー症状を引き起こす「ヒスタミン」という化学伝達物質の作用を抑えることにより、症状を改善する薬です。花粉症をはじめとするアレルギー性鼻炎の他、医療機関では食べ物によるアレルギー、じんま疹、気管支ぜんそくなどの治療にも使用されます。 抗アレルギー薬 抗アレルギー薬は、くしゃみや鼻水、鼻づまり、湿疹、目や皮膚のかゆみなどに代表されるようなアレルギー症状が出るのを予防するための薬です。すでに発症してしまった症状を急激に緩和してくれるような薬ではなく、通常は2週間ほど続けて服用することで効果を発揮します。比較的副作用が少なく、アレルギー予防のために中長期にわたって服用することができるのが特徴です。 塩酸ナルフラフィン(レミッチ) 塩酸ナルフラフィンとは、痒みを抑えるお薬です。透析療法中または慢性肝疾患にともなう痒みに用います。 <塗り薬> ステロイド外用剤 ステロイド外用薬は、ステロイド系抗炎症薬の軟膏剤であり、皮膚外用治療で一般的に使われる医薬品です。薬効成分として糖質コルチコイドあるいはその誘導体が使用されています。ステロイド外用剤にはたくさんの種類があり、作用の強さによって5段階に分類されます。詳しくは「ステロイド外用剤の使い方を紹介しているサイト」に記載していますので、ご興味のある方はご覧ください。   痒さへの対策 痒みを予防する上で大切なのは、肌のバリア機能を低下させないことです。こまめに保湿剤を使用し、スキンケアを行ってください。以下、痒さへの対策になりますので、ぜひ参考にしてくださいね。 【痒さへの対策1】肌の乾燥を防ぐ バリア機能が低下して乾燥した肌は、痒みが発生しやすくなります。保湿剤を塗り、肌を乾燥から守るケアを心がけてください。保湿剤によるスキンケアは1年をとおして毎日続けるものなので、季節や時間帯、塗る場所に応じて、使いやすい剤形を選んでくださいね。 保湿剤の剤形については以下をご覧ください。 <保湿剤の剤形1>軟膏 皮膚への刺激が他の剤形と比べて少なく、皮膚を保護する力が強いです。しかし、塗った部分がテカったりベタベタしたりすることがありますので、塗りすぎには注意が必要です。 <保湿剤の剤形2>ローション さっぱりした使い心地でベタつかないため、衣服から出ている部分にも使いやすいです。広い範囲や、髪の毛のある頭皮に使う場合も塗りやすいです。 <保湿剤の剤形3>クリーム 軟膏と比べてベタつき、テカリが少なく、衣服から出ている部分にも使いやすいです。皮膚を保護する力は軟膏とローションの中間程度になります。 <保湿剤の剤形4>フォーム 泡となって出てくるため、広い範囲に素早く塗ることができます。また、さっぱりとした使い心地でベタつかない点も特徴です。 【痒さへの対策2】清潔の保持 この場合の清潔とは、皮膚の汚れや汗、アレルギーの原因物質、細菌(黄色ブドウ球菌)やウイルスなどを洗い落とすことをいいます。「汗をかいたら早めにシャワーで流す」「外出先では、こまめに汗を拭き取る」など、常に清潔さをキープしてください。 【痒さへの対策3】紫外線を防ぐ 紫外線は必要以上に浴びると皮膚の乾燥を起こしたり、皮膚の老化を早めたり、眼の病気や皮膚がんのリスクを高める可能性があります。また、長時間日光を浴びると皮膚が炎症を起こし(日焼け)、皮膚のバリア機能が低下します。ですので、紫外線が強い時期や時間帯に外出するときは、日焼け止めを塗ったり、腕や首などを覆う服を着たり、日傘をさしたりして肌を守ってください。 【痒さへの対策4】入浴習慣を見直す 体を洗う時はタオルなどを使わずに、なるべく少量の石けんやボディソープを充分に泡立てて、優しく洗ってください。お風呂は40℃以下の熱すぎない温度に設定してくださいね。なお、その他で入浴時に気をつける点は以下の通りです。 <目の粗いタオルは使わない> 目の粗いタオルやナイロンタオル、スポンジなどを使ってゴシゴシ洗わないようにしてください。綿などの刺激になりにくいタオルや素手でやさしく洗うことをおすすめします。 <石けんは十分に泡立てる> 汚れを落とすのは泡です。ホイップ状になるまで泡立ててください。うまく泡立てられないときは、最初から泡で出てくるタイプの石けんを選んでください。 【痒さへの対策5】質の良い睡眠をとる 睡眠不足は、それ自体がストレスとなります。質の良い睡眠をとるよう心がけてください。 【痒さへの対策6】皮膚への刺激が少ない衣類を選ぶ 「締め付け感がある」「縫い目がかたい 」「ちくちくする」など、肌に刺激を与える衣類は避けてください。 【痒さへの対策7】バランスのとれた食事をする たんぱく質、ビタミン・ミネラル、食物繊維などをバランスよくとってください。乾燥肌にはサバやイワシなどの青魚や、かぼちゃ、にんじんなどの緑黄色野菜がおすすめです   当日の順番予約はこちらから

2022.10.06

内科

急性ウイルス感染症(手足口病)について

内科に関する記事です。
手足口病は手のひら、足の裏、口の中に発疹ができることが特徴の病気です。5歳未満の子供で発症しやすく、6月~8月の夏に流行する三大夏風邪の1つと呼ばれています。手足口病は子供に多い病気ですが、大人でもかかることはあります。ですので、子供だけではなく大人も注意が必要な病気だと言えるでしょう。 この記事では、手足口病について解説していきます。後半部分では「手足口病の治療方法」についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 【目次】 手足口病とは? 手足口病の特徴 手足口病の原因 手足口病の感染経路 手足口病の症状 手足口病の治療方法 手足口病の予防 手足口病とヘルパンギーナとの違いとは?   手足口病とは? 手足口病とは、口腔粘膜および手や足などに現れる水疱性の発疹を主症状とした急性ウイルス感染症です。1950年代後半に認識された「ウイルス性発疹症」であり、我が国では1967年頃からその存在が明らかになりました。手足口病は感染者の多くが小児で、5歳未満が90%前後を占めていると言われています。詳しくは「感染症発生動向調査」に記載していますので、ご興味のある方はご覧ください。   手足口病の特徴 手足口病は手のひら、足の裏、口の中に発疹ができることが特徴です。一度感染するとウイルスに対しての免疫はできますが、他の種類のウイルスには免疫がないため、繰り返しかかる可能性があります。ですので、症状が回復した後でも注意が必要になります。繰り返しかかる可能性について「厚生労働省のホームページ」でも伝えています。   手足口病の原因 手足口病はウイルスに感染することが原因で発症します。原因となるウイルスは様々ですが、主に「エンテロウイルス」と「コクサッキーウイルス」が挙げられます。これらのウイルスは“ノンエンベロープウイルス”とも言われており、アルコール消毒剤や熱に強いウイルスとして知られています。   手足口病の感染経路 手足口病の感染経路は主に3つあります。1つ目は感染している人のくしゃみや咳とともに、空気中に飛び出したウイルスを吸い込むことにより感染してしまう飛沫感染です。2つ目は感染者が触れたドアノブやスイッチに接触し、さらにその手で口や鼻を触ることにより体内にウイルスを取り込んでしまう接触感染です。そして3つ目は、感染者の乾燥した便の粒子を吸い込んでしまったり、おむつを取り替えた後に十分に手を洗わないまま顔を触ってしまったりすることで感染する経口感染になります。   手足口病の症状 手足口病は感染してから3~5日後に、口の中、手のひら、足底や足背などに2~3mmの水疱性発疹が出ます。発熱は約3分の1にみられますが、あまり高くならないことが大半であり、高熱が続くことは通常はありません。多くの発病者は、数日間のうちに治る病気です。しかし稀にですが、髄膜炎、脳炎などの「中枢神経系の合併症」のほか、心筋炎、急性弛緩性麻痺など、様々な症状が出ることがあります。詳しくは以下をご覧ください。 【手足口病の合併症1】髄膜炎 髄膜炎は脳の周りを覆っている髄膜に、脳炎は脳自体に炎症がおこる病気です。髄膜炎の原因は、細菌やウイルス、結核、真菌などの病原体が侵入する感染症が主です。また、髄膜炎・脳炎には、感染症によるものだけではなく、自分の免疫の作用で自己抗体を作成し、自己抗体が脳に炎症を引き起こす自己免疫性脳炎があります。 【手足口病の合併症2】脳炎 脳炎とは脳内に白血球が入り込んで炎症を起こし、脳が障害される病気です。ウイルス、細菌、真菌(カビ)、寄生虫といった病原体が脳に感染して起こる「感染性脳炎」と、自己免疫によって起こる「自己免疫性(免疫介在性)脳炎」とがあります。 【手足口病の合併症3】心筋炎 心筋炎とは、主にウイルスが心臓の筋肉(心筋)に感染し心筋細胞に炎症が起こり、心筋の本来の機能が失われ、ポンプである心筋の収縮不全や不整脈を生じる疾患です。 【手足口病の合併症4】急性弛緩性麻痺 急性弛緩性麻痺は、ウイルスなどの種々の病原体の感染により弛緩性の運動麻痺症状を呈する感染症です。多くは何らかの先行感染を伴い、手足や呼吸筋などに筋緊張の低下、筋力低下、深部腱反射の減弱ないし消失、筋萎縮などの急性の弛緩性の運動麻痺症状を呈します。   手足口病の治療方法 手足口病の根本的な「治療法」や「特効薬」は現在の医学ではないとされています。基本的には、症状の軽い病気であるため、様子を見ながら経過観察をしていくのが一般的です。なお、発疹に痛みや痒みを伴うなど症状が強い場合は「抗ヒスタミン薬の塗り薬」を使用するなど対症療法を行います。また口内炎などの痛みが強い場合は「鎮痛剤」で痛みを和らげる他、粘膜保護剤の軟膏が処方されることもあります。   手足口病の予防 手足口病の予防は、飛沫感染や接触感染が主な感染経路となるため、日頃から手洗い・うがいをしっかりと行うことが予防の基本です。また症状が回復した後でも排泄した便には2~4週間ほどウイルスが潜んでいます。そのため、お子様のおむつを交換したときには「石鹸」や「ハンドソープ」で手洗いをすることが大切です。手足口病は子供に多い病気ですが、大人でもかかることはありますので感染しないように注意して下さい。   手足口病とヘルパンギーナとの違いとは? 手足口病の病原体は主に「コクサッキーウイルスA16型」と「エンテロウイルス71型」、その他「コクサッキーA6」「A10型」などです。一方、ヘルパンギーナの病原体は主として「コクサッキーA型ウイルス」です。いずれも潜伏期間は3~6日で流行のピークは夏になります。両者ともに発熱、のどの痛み、水疱が見られるので混同しがちですが、手足口病は38℃程度までしか上がらないのに対し、ヘルパンギーナは突然の38~40℃の発熱が1~3日続きます。また、手足口病の水疱は手・足など体中にもできるのに対し、ヘルパンギーナはのどや上あごにかけて小さな水疱や潰瘍ができます。ヘルパンギーナについて詳しく知りたい方は「ヘルパンギーナについて解説している記事」をご覧ください。   登校許可証について 学校や幼稚園に通っているお子さんが、感染症にかかった場合、感染症が拡がるのを防ぐため、感染の恐れがある間は登校・登園を控えていただく場合があります。ご注意ください。尚その後、感染の恐れがなくなり登校・登園する場合、学校や園によっては「登校許可証」が必要になる場合があります。「登校許可証」をご希望の方は、お気軽にご相談下さい。  

2022.09.12

内科

ヘルパンギーナの症状と予防について

内科に関する記事です。
ヘルパンギーナは夏風邪の代表格のひとつと言われ、一般的に4歳以下の子供が感染しやすい疾患となります。 大人も抵抗力が低下しているとかかることがございますので、どなたでも注意が必要な疾患です。 この記事では、ヘルパンギーナの症状と予防について解説していきます。後半部分では「ヘルパンギーナの治療方法」についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 【目次】 ヘルパンギーナとは ヘルパンギーナの特徴と症状について ヘルパンギーナの原因 ヘルパンギーナの治療方法について ヘルパンギーナの予防について ヘルパンギーナの病原診断について ヘルパンギーナの合併症について ヘルパンギーナの治療後の注意点   ヘルパンギーナとは ヘルパンギーナとは、発熱と口腔粘膜にあらわれる水疱性の発疹を特徴とした急性のウイルス性咽頭炎です。乳幼児を中心に夏季に流行します(年齢は4歳以下が多く、1歳が特に多い傾向にあります)。 いわゆる夏かぜの代表的疾患とも言われ、その大多数はエンテロウイルス属に属するウイルスに起因し、主にコクサッキーウイルスA群である場合が多いが、コクサッキーウイルスB群やエコーウイルスで発症する場合もあります。 ヘルパンギーナと手足口病との違いについては「千葉市医師会のホームページ」に詳しく記載していますので、ご興味のある方はご覧ください。   ヘルパンギーナの特徴と症状について ヘルパンギーナは2~4日の潜伏期の後、突然の高熱に続いて喉が痛み、喉の奥に水膨れができて赤く腫れるのが特徴です。高熱による倦怠感や口腔内の痛みなどから、食事や水分を十分にとれず、脱水になることもあります。 多くの場合、安静にしていれば1週間ほどで回復しますが、まれに重症化するので油断は禁物です。免疫力が下がっていると、大人が感染することもありますので、ご注意ください。「東京感染症情報センター」でも同様の見解を述べています。   ヘルパンギーナの原因 ヘルパンギーナは、主にコクサッキーA群ウイルスを原因とします。ヘルパンギーナにかかった人の咳やくしゃみ、つばなどのしぶきに含まれるウイルスによって感染します。また水疱の内容物や便に排出されたウイルスが手などを介し、口や眼などの粘膜に入って感染します。ヘルパンギーナの原因について詳しく知りたい方は「国立感染症研究所のホームページ」をご覧ください。   ヘルパンギーナの治療方法について ヘルパンギーナに特異的な治療法はなく、通常は対症療法のみであり、発熱や頭痛などに対してはアセトアミノフェンなどを用いることもあります。また時には、脱水に対する治療が必要なこともあります。なお、無菌性髄膜炎や心筋炎の合併例では入院治療が必要であり、後者の場合には特に循環器専門医による治療が望まれます。   ヘルパンギーナの予防について ヘルパンギーナに特異的な予防法はありません。しかし感染者との密接な接触を避けること、流行時にうがいや手指の消毒をすることにより、一定の予防効果があります。こまめにうがいや手指の消毒は行いましょう。「千葉市のホームページ」でも同様のことを伝えています。   ヘルパンギーナの病原診断について ヘルパンギーナの病原診断には、患者の口腔内拭い液、特に水疱内容を含んだ材料、糞便、髄膜炎を合併した例では髄液などを検査材料としてウイルス分離を行うか、あるいはウイルス抗原を検出します。確定診断にはウイルスを分離することが原則になります。なお、実際には臨床症状による診断で十分なことが多いです。   ヘルパンギーナの合併症について ヘルパンギーナは合併症を起こすことは少ない病気です。しかし大人では感染すると重症化のリスクが高まるため合併症を引き起こすかもしれません。もし合併症を起こした場合には「熱性痙攣」「無菌性髄膜炎」「急性心筋炎」などを発症する場合があります。 【ヘルパンギーナの合併症1】熱性痙攣 熱性痙攣とは「ひきつけ」のことです。高熱が出たときに白目をむいて、全身を突っ張らせる痙攣は、強直性痙攣と呼ばれる痙攣で、ガクンガクンと手足をふるわせたりする状態になります。0〜5歳くらいまでの間に38度以上の発熱に伴って起き、発症確率は7~8%とされています。 【ヘルパンギーナの合併症2】無菌性髄膜炎 無菌性髄膜炎は、発熱、頭痛、嘔吐のいわゆる3主徴をみとめ、後部硬直、ケルニッヒ徴候などの髄膜刺激徴候が存在すること、髄液一般検査で定型的な所見を得ること、髄液の塗抹、細菌培養で細菌を検出しないことにより診断がなされる症候群です。 【ヘルパンギーナの合併症3】急性心筋炎 急性心筋炎とは、今まで元気に生活していた人が風邪などをきっかけに、数日の間に進行して心臓の筋肉に炎症が起こる病気です。心臓の動きが悪くなって、心不全や危険な不整脈を引き起こします。急性心筋炎は多くの場合、心筋にウイルスなどが感染して発症します。   ヘルパンギーナの治療後の注意点 ヘルパンギーナにはワクチンがないため、こまめなうがいと流水でしっかり手を洗うことで予防することが第一です。タオルや食器、おもちゃなどの共有は避けて、感染している子供が触れた物を消毒することも感染を防ぐポイントです。また、治癒した後も2~4週間ほどはウイルスが便に残っている可能性があるため、子供のおむつ替えをした後はきちんと手洗いをすることが、保護者への感染を防ぐのに有効です。「国立成育医療研究センター」でも同様のことを伝えています。   登校許可証について 学校や幼稚園に通っているお子さんが、感染症にかかった場合、感染症が拡がるのを防ぐため、感染の恐れがある間は登校・登園を控えていただく場合があります。ご注意ください。尚その後、感染の恐れがなくなり登校・登園する場合、学校や園によっては「登校許可証」が必要になる場合があります。「登校許可証」をご希望の方は、お気軽にご相談下さい。  

2022.09.11