板谷内科クリニックブログ

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新型コロナウイルスについての記事一覧

内科

新型コロナウイルス「エリス」(EG5株)についての最新情報と影響

内科に関する記事です。
この記事では、新型コロナウイルスの変異株「EG.5(通称エリス)」について解説していきます。後半部分では、「エリスの最新情報」をご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。 【目次】 「エリス」とは何か? エリスの特徴・従来のコロナとの違い エリスの症状について エリスの感染力について エリス(EG.5株)のワクチンについて エリスの最新情報について 当院でも新型コロナウイルスの予防接種が可能です(令和6年3月31日に終了)   「エリス」とは何か? EG.5(通称エリス)とは、新型コロナウイルスの新変異株です。エリスは、オミクロン株の派生株「XBB株」から、さらに枝分かれした株の一つになります。エリスは、これまでに中国、アメリカ、韓国、日本、カナダ、オーストラリア、シンガポール、イギリス、フランス、ポルトガル、スペインなど51カ国で感染が報告されています。したがって、世界保健機関(WHO)は、感染者数が増えている新型コロナウイルスの変異株「EG.5」を「注目すべき変異株(VOI)」に指定し、各国にモニタリングを呼びかけております。詳しくは「国立感染症研究所の発表データ」をご覧ください。   エリスの特徴・従来のコロナとの違い 世界保健機関(WHO)は、エリスが他の「注目すべき変異株(VOI)」と比べて重症化するという示唆はなく、リスクも同程度だと正式に述べています。ただし、注目すべき変異株に指定するということは、感染力や「重症化率」が他の変異株より高い可能性があるため、警戒が必要なことを意味しています。したがって、十分注意しなくてはなりません。「公益社団法人日本WHO協会」でも同様のことを伝えています。   エリスの症状について 新型コロナウイルスの変異株「エリス」の主な症状は、以下の通りです。 ・発熱 ・継続的なせき ・味覚・嗅覚の変化 ・倦怠感 ・鼻水 ・のどの痛み ※エリスの症状は、これまでのコロナと似たような症状となっています。ただし、初感染の方やワクチン未接種の方は、症状が重く、高熱、強い喉の痛み、咳、頭痛、関節痛、筋肉痛がでます。また、嘔吐、下痢などの消化器症状がでる方もいますので、注意が必要です。   エリスの感染力について エリスは、他の変異株よりも感染力が高いことが示唆されています。米疾病対策センター(CDC)の推計に基づくと、現在の新型コロナウイルス感染者に占めるEG.5感染者の割合は約17%となっており、米国内の派生型としては最も感染者が多いと伝えています(2023年8月地点) 。なお、東京都保険医療局が報告した病原体サーベイランス(ゲノム解析)では、9/18~9/24の期間におけるEG.5感染者の割合は44.0%、9/25~10/1の期間におけるEG.5感染者の割合は47.5%と発表しております。詳しくは「東京都保険医療局:最新のモニタリング項目の分析について」をご覧ください。   エリス(EG.5株)のワクチンについて 現在、オミクロン株の派生型「XBB・1・5」に対応したワクチン接種を実施しております。このワクチンは、感染の主流になっているXBB系統の『EG.5(エリス)』にも効果があると言われております。そのため、東京都の保健医療局では、市民に対して「ワクチン接種の検討をしてください」と呼びかけています。   エリスの最新情報について 2023年10月20日現在、オミクロン株から派生した新たな変異株EG.5(通称エリス)が流行しています。静岡県が県内の新型コロナ感染者の変異株の比率を調べた結果、「感染力が強い」とされるEG.5(通称エリス)は35%で、2週間前の前回調査に比べ11ポイント増加しております。また、9月に県所管地域(静岡市・浜松市以外)で確認されたXBB系統139人のうち、EG.5系統は49人(35.3%)となっており、2週間前の調査の23.9%に比べて11.4ポイント増加しています。新型コロナウイルスに関する最新情報をお探しの方は、「新型コロナと感染症・医療情報」や「新型コロナウイルス感染症対策」や「厚生労働省のホームページ」をご覧ください。   当院でも新型コロナウイルスの予防接種が可能です 当院では、新型コロナワクチンの接種を実施しております。当院の接種対象者は、「12歳以上かつ前回接種から3ヵ月以上経過されている方」、「接種当日に接種券を持参できる方」となっております。接種費用は無料となっておりますので、新型コロナワクチンの接種をしたい方は、「新型コロナワクチン接種予約」からご予約ください。 コロナワクチン予防接種終了のお知らせ この度、当クリニックにおける新型コロナウイルスワクチンの予防接種について、令和6年3月31日をもちましてすべての接種を終了いたしましたのでお知らせいたします。 今後の接種に関するお問い合わせは不要ですので、ご了承ください。 引き続き、皆様の健康を第一に考えた医療サービスの提供に努めてまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

2023.10.20

糖尿病・代謝内科

糖尿病が高める感染症リスクと予防について

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
糖尿病の方は様々な感染症にかかりやすく、また重症化しやすいと言われています。この記事では、「糖尿病と感染症の関係」について解説していきます。後半部分では「糖尿病と新型コロナウイルスの関係」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 糖尿病はなぜ感染症リスクを高めるのか 糖尿病の方がかかりやすい感染症 糖尿病と新型コロナウイルスの関係 糖尿病の方が感染症にかかったら 糖尿病の方は自己判断で薬物療法を中止しないこと 感染症予防について不安な方はお気軽にご相談ください   糖尿病はなぜ感染症リスクを高めるのか 糖尿病をお持ちの方は様々な感染症にかかりやすく、また重症化しやすいと言われています。では、なぜ糖尿病をお持ちの方は感染症にかかりやすいのでしょうか。主な理由は以下の5つです。 【糖尿病の人が感染症にかかりやすい理由1】免疫反応の低下 免疫反応とは、一度感染した病原体に対し、体内でそれに対する抗体が作られ、次に同じ病原体が体内に侵入しようとしたときに、それを防ぐように働く仕組みのことです。高血糖では、この免疫反応が弱くなっています。ですので、糖尿病をお持ちの方は感染症にかかりやすいと言われています。 【糖尿病の人が感染症にかかりやすい理由2】免疫機能の低下 白血球の一種である好中球は、体内に入り込んだウイルスや細菌を食べる働きがあります。しかし、高血糖時はこの機能が低下してしまいます。 【糖尿病の人が感染症にかかりやすい理由3】血流が悪くなる 高血糖では、細い血管の血液の流れが悪くなります。このような状態では、酸素や栄養が十分に行き渡らず、細胞の働きが低下したり、白血球が感染部位に到達しにくくなって、感染しやすくなります。また、感染で受けたダメージの回復にも時間がかかります。 【糖尿病の人が感染症にかかりやすい理由4】神経障害 糖尿病に特有な合併症の一つに神経障害があります。神経障害があると、内臓の活動が乱れやすく、膀胱炎や胆嚢炎の原因になります。また、痛みを感じる神経も障害されるので、症状が現れにくく感染症に気づくのが遅れ、その間に病気が進行してしまいます。 【糖尿病の人が感染症にかかりやすい理由5】血糖値がいつもより上昇する 細菌類に感染すると、インスリンを効きにくくする物質が多くなり、血糖値はいつもより上昇します。このことが、糖尿病の状態をより悪くし、感染症をさらに進行させてしまうという悪循環が生まれます。   糖尿病の方がかかりやすい感染症 糖尿病の方は、どのような感染症にかかりやすいのでしょうか。ここでは、「糖尿病の方がかかりやすい感染症」をいくつかご紹介します。 【糖尿病の方がかかりやすい感染症1】歯周病 歯周病は、口の中の細菌による歯茎の慢性感染症です。炎症が歯茎に限定されているときは歯肉炎、それ以上に進行すると歯周炎(歯槽膿漏)と呼ばれます。歯周病はある日突然、重度の症状が出るのではなく、徐々に進行する病気です。したがって初期の段階では、痛みがほとんどないため症状に気がつかなかったり、放置したりする人も多いようです。しかし、放っておけば症状はどんどん進んでしまうので、そうなる前にしっかりケアすることが大切です。糖尿病の方は歯周病になりやすいばかりでなく、歯周病のために血糖コントロールが改善しにくくなってしまいますので、ご注意ください。 【糖尿病の方がかかりやすい感染症2】尿路感染症 尿路感染症とは、尿の通る経路で起こる感染症です。尿路感染症は頻度が一番多く、膀胱炎、急性腎盂腎炎がその代表です。糖尿病の神経障害をお持ちの方では、「神経因性膀胱」といって排尿がうまくいかず尿が滞る場合があり、尿路感染にかかりやすいと言われています。 【糖尿病の方がかかりやすい感染症3】皮膚感染症 糖尿病患者さんの中には、皮膚に病原体が入り込み「皮膚感染症になる人」がいます。単に皮膚感染症といっても、「足白癬(水虫)」や「カンジダ症」など様々なものがあります。皮膚感染症については「糖尿病情報センターのホームページ」で詳しくご説明しておりますので、ご興味のある方はご覧ください。 【糖尿病の方がかかりやすい感染症4】呼吸器感染症 呼吸器感染症とは、鼻やのど、気管支や肺など、空気の通り道に関連した臓器に生じる感染症を指します。風邪やインフルエンザといった身近な病気だけではなく、結核なども呼吸器感染症に含まれます。呼吸器感染症は、どの年齢層の誰にでも発症し得る病気であり、重症度も軽症から重症まで様々であることから、病気の原因や重症度に合わせて治療を行なうことが重要となります。なお、糖尿病の方は結核にかかる割合が高いと言われており、結核と診断がついた人の約15%が糖尿病だったと言われています。   糖尿病と新型コロナウイルスの関係 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第8.1版」によると、コロナウイルスに感染して重症化するリスクが高い基礎疾患のひとつとして、糖尿病が挙げられています。糖尿病が新型コロナウイルスに感染すると、糖尿病がない患者さんと比較して、重症化や死亡のリスクが2 倍程度まで上昇することが明らかになっています。また血糖コントロールが不良の場合、死亡率が高いことも報告されています。   糖尿病の方が感染症にかかったら 糖尿病の方が感染症にかかった際は、重症化する前に適切な治療を行うことが重要です。症状が軽いからといって決して侮ることなく、早めに医療機関を受診してください。なお、糖尿病の方が感染症にかかり、熱が出る・下痢をする・吐く、また食欲不振によって、食事ができないときのことを「シックデイ(体調の悪い日)」と言います。このような状態では、血糖コントロールが日頃は良好な方でも、著しい高血糖になり、たいへん重い状態になることがあります。また、体調が悪いことで食事ができずに低血糖になる可能性もあるため、血糖値の確認が大切です。糖尿病の方はシックデイの対処を予め主治医に聞いておくこと、実際シックデイでどうしたらよいか迷った場合は、「主治医に連絡をして相談すること」が重要です。   糖尿病の方は自己判断で薬物療法を中止しないこと 感染症にかかり、食事の量がいつもより少なくなったからといって、糖尿病の経口薬の服用やインスリン注射を、患者さん自身の判断で中止するのはとても危険です。病気により血糖値が高くなっているのに加え、薬を中止することで血糖値が極端に高くなり、ケトーシス(血液の酸性化)が起き、昏睡に陥ることもあります。薬の量をどう調節するかは、あらかじめ主治医の指示「シックデイルール」を受けて、それに沿って判断してください。 ※シックデイの時の家庭での対応の基本を「シックデイルール」と言います。   感染症予防について不安な方はお気軽にご相談ください 糖尿病の方が、「新型コロナウイルスに感染しやすい」ということはないようですが、他の感染症と同じく“重症化の危険”は指摘されています。ですので、まずは感染予防のための「マスク着用」や「手洗い」、「三密を避ける」などの対策をしっかりと行い、普段から血糖値を良好に保って“重症化を防ぐこと”が何より重要です。感染症予防について不安な方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2022.12.11