板谷内科クリニックブログ

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糖尿病についての記事一覧

糖尿病・代謝内科

糖尿病と塩分の関係

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、「糖尿病と塩分の関係」について解説していきます。後半部分では「塩分摂取量を減らすコツ」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 糖尿病の方は塩分の摂りすぎにもご注意ください 塩分の摂りすぎは糖尿病を悪化させます なぜ塩分を摂ると高血圧になるのか 塩分を摂りすぎないために まとめ   糖尿病の方は塩分の摂りすぎにもご注意ください 糖尿病はインスリンが十分に働かないために、血液中を流れる“ブドウ糖”という糖が増えてしまう病気です。糖尿病では、「糖分の多い“炭水化物”や“甘いお菓子”の摂りすぎを控えなければいけない」というイメージがあるかと思いますが、実はそれだけではありません。糖尿病では塩分の摂りすぎも大敵となります。ですので、糖尿病の方は塩分の摂りすぎにもご注意ください。   塩分の摂りすぎは糖尿病を悪化させます 塩分は血糖値に直接的に影響しませんが、高塩分で濃い味の食事はつい食べ過ぎたり、飲みすぎたりするため、体重増加の原因になります。その結果、インスリンが聞きにくくなる“インスリン抵抗性”を引き起こし、2型糖尿病のリスクを上昇させると考えられております。また、血糖値が高いと高血圧の影響を受けやすく、血糖値と血圧がコントロール不良であれば「心疾患」や「慢性腎臓病」などの合併症リスクが上昇します。糖尿病が引き起こす合併症については以下をご覧ください。 【糖尿病の合併症1】心筋梗塞 心筋梗塞とは、心筋に血液と酸素を送る冠動脈が動脈硬化で硬くなり、心筋に血液を送ることができない状態になることです。これにより、心筋が酸素不足に陥り壊死を起こしてしまう状態を言います。心筋梗塞は日本人の死亡原因の上位に挙げられている疾患で突然死の原因にもなり得る、恐ろしい疾患の一つです。 【糖尿病の合併症2】脳卒中 脳卒中とは、急性期脳血管障害のことを指し、突然脳の血管が詰まったり、破れたりして引き起こされる病気の総称です。脳卒中は原因によって「脳の血管が詰まるタイプ(脳梗塞、一過性脳虚血発作)」と「脳の血管が破れるタイプ(脳出血、くも膜下出血)」の2つに分けられます。脳卒中は、障害を受けた脳が司っていた「身体機能」や「言語機能」が失われたり、場合によっては死に至ることもありますので、非常に危険な疾患です。 【糖尿病の合併症3】腎不全 腎不全とは、腎臓の働きが正常の30パーセント以下に低下した状態を言います。腎不全は初期の頃には無症状のことが多く、進行するにつれて様々な症状が出現してきます。 【糖尿病の合併症4】動脈硬化 動脈硬化とは、文字どおり動脈が硬くなる状態のことです。動脈硬化は、中高年の人に生じる病態と思われがちですが、実は小児期から徐々に進行し、様々な病気の原因となります。そのため、若い頃から動脈硬化の進行を予防することが大切です。動脈硬化は、糖尿病、高血圧、脂質異常などの生活習慣病によって進みますので、十分にご注意ください。 【糖尿病の合併症5】高血圧 高血圧とは、運動したときなどの一時的な血圧上昇とは違い、安静時でも慢性的に血圧が高い状態が続いていることを指します。具体的には「収縮期血圧が140mmHg以上」「拡張期血圧が90mmHg以上」の場合をいい、どちらか一方でもこの値を超えていると高血圧症と診断されます。高血圧症は自覚症状がほとんどありません。しかし放置してしまうと心疾患や脳卒中など生命を脅かす病気につながるため「サイレント・キラー」と言われております。   なぜ塩分を摂ると高血圧になるのか 人間の体の中では、水分と塩分が一定の濃度に保たれています。食塩をとり過ぎると、一時的に高くなった塩分濃度を下げるために、体内に水分がため込まれます。これによって、心臓に送り込まれる血液量が増え、血管にかかる圧力が増し、血圧が上がってしまうのです。   塩分を摂りすぎないために 糖尿病患者向けの治療ガイドラインでは、糖尿病の合併症の危険性を抑えるために、塩分摂取量を控えることが勧められております。日本食は健康的な食事として評価されておりますが、みそ・塩・しょうゆといった調味料から塩分を摂り過ぎる傾向がありますので、調理する際には工夫が必要です。なお、塩分摂取量を減らすコツについては、以下をご覧ください。 【塩分摂取量を減らすコツ1】食べる直前に味付けをする 食べる直前に味付けをすることで、少量の調味料でも味を感じやすくなります。ですので、味付けはなるべく食べる直前に行ってください。 【塩分摂取量を減らすコツ2】酸味や香辛料を積極的に用いる 酸味や、香辛料を用いると、味のアクセントとなるため、薄味でも気にならなくなります。 【塩分摂取量を減らすコツ3】練り製品や加工食品は茹でる 練り製品や加工食品(ハム・ソーセージなど)は塩分が多い食材です。これらの食材は、一度茹でることで、塩分を少し落とすことができます。 【塩分摂取量を減らすコツ4】低塩分のものを使う ハーブやスパイスといった塩分を含まないもの、もしくはマヨネーズやケチャップといった低塩分の調味料を使用してください。塩とは別の風味になるものの、料理次第で満足度の高いおかずになります。なお、どうしても醤油や塩を使いたい場合は「減塩タイプ」の商品を使ってください。 【塩分摂取量を減らすコツ5】カリウムを積極的に摂取する カリウムには体内の塩分を体外に排出する働きがあるため、塩分を控えたいと考えている方にとって重要な栄養素になります。ですので、摂取する塩分量をコントロールするためにも、カリウムの摂取を意識してください。なお、カリウムが多く含まれている食品としては、「ほうれん草」「わかめ」「アボカド」などが挙げられます。 【塩分摂取量を減らすコツ6】既製品や加工食品の使用をなるべく控える 既製品や加工食品には多くの塩分が含まれていることが多いため、使用を控えるようにしてください。たとえば、レトルトや加工肉、外食の食品などは意外にも多くの塩分が含まれています。薄味に感じても、塩分を大量に摂取している可能性がありますので注意してくださいね。     まとめ 糖尿病になっても初期段階では自覚症状がありません。そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病かもしれない…」と感じている方は、早めに受診することをお勧めします。糖尿病にお心当たりのある方、あるいは健康的な食事について相談したい方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2023.03.01

糖尿病・代謝内科

糖尿病の原因|糖尿病に関わるホルモンについて解説

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、「糖尿病に関わるホルモン」について解説していきます。後半部分では「ホルモンに関する病気」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 ホルモンの働きについて 糖尿病との関係 血糖値に関わるホルモンの種類 ホルモンに関する病気 まとめ   ホルモンの働きについて ホルモンとは、体のさまざまな働きを調節する化学物質です。ホルモンは、体の外側、内側で環境の変化が起きても、体の働きが常に同じになるように保つ働きをしています。現在、ホルモンとして確かめられているものは100種類ほどあり、さらに発見され続けています。したがってホルモンの種類は、まだ増えると考えられております。   糖尿病との関係 血糖値を上げる働きのあるホルモンが何らかの病気によって正常よりも大量に分泌されるとインスリンとのバランスが取れなくなり、血糖値が必要以上に上がってしまいます。その結果、糖尿病やその一歩手前の“耐糖能異常”を引き起こしてしまう可能性があります。なお、血糖は人間が生きていくために必要不可欠なものです。そのため体の中では、血糖値を下げる働きのあるホルモンよりも上昇させる働きのあるホルモンの方が多く存在します。   血糖値に関わるホルモンの種類 血糖値を低下させるホルモンは“インスリン”だけです。一方、血糖値を上昇させるホルモンは“インスリン”と拮抗するグルカゴンだけでなく、成長ホルモン、コルチゾール、アドレナリン、甲状腺ホルモンなど多数あります。血糖調節に関与するホルモンについては、以下をご覧ください。 【血糖調節に関与するホルモン1】インスリン インスリンとは、膵臓から分泌されるホルモンの一種です。糖の代謝を調節し、血糖値を一定に保つ働きを持っております。なお、インスリンの働きが悪くなったり分泌される量が少なくなったりすることで、血糖値が高い状態が続いてしまうのが「糖尿病」です。 【血糖調節に関与するホルモン2】グルカゴン グルカゴンは、血糖値を上昇させる作用を持つホルモンの一つです。膵臓のα(アルファ)細胞で作られます。グルカゴンは肝臓で貯蔵してあるブドウ糖のもとを分解したり、アミノ酸からブドウ糖を合成したりして、血糖値を上げる効果があります。また、同じ膵臓のβ(ベータ)細胞から作られるインスリンの分泌を促進したり、成長ホルモンの分泌を促進する効果もあります。 【血糖調節に関与するホルモン3】成長ホルモン 成長ホルモンとは、下垂体前葉から分泌されるホルモンです。成長という名前がついていますが、成長ホルモンは“成長”のためだけに働くものではありません。人間の一生にわたって、代謝調節に関与し、現在では免疫機能、認知機能などにも作用を持つことがわかってきております。なお、成長ホルモンには脂肪を分解する作用があるため、蓄えられた脂肪が遊離脂肪酸に分解されて、その遊離脂肪酸はインスリン作用をブロックします。つまり、成長ホルモンが多く出ると、インスリン作用が低下して血糖値が上がる仕組みになっているのです。 【血糖調節に関与するホルモン4】コルチゾール コルチゾールは、副腎皮質から分泌される、生命を維持するために欠かせないホルモンです。コルチゾールは,グルカゴンやアドレナリンの作用を高め、肝臓における糖新生を促進する一方、筋や脂肪組織における“インスリン抵抗性”を助長するため、高血糖となります。したがってのコルチゾールが必要以上にたくさん分泌されると血糖値が上昇します。なお、コルチゾールの主な働きは、肝臓での糖の新生、筋肉でのたんぱく質代謝、脂肪組織での脂肪の分解などの代謝の促進、抗炎症および免疫抑制などです。 【血糖調節に関与するホルモン5】アドレナリン(エピネフリン、エピペン) アドレナリンとは、腎臓の上にある副腎というところの中の髄質から分泌されるホルモンです。アドレナリンは、すい臓のβ細胞に作用してインスリンの分泌を抑制し、血糖値を上げる働きを持っています。またグルカゴンの分泌を促進したり、肝臓でグリコゲンからブドウ糖を作る事を促進したりすることによっても血糖値を上昇させます。 【血糖調節に関与するホルモン6】甲状腺ホルモン 甲状腺ホルモンとは、甲状腺で作られるホルモンです。甲状腺ホルモンは、血液の流れに乗って全身の細胞に働きかけ、新陳代謝を活発にする働きをしています。また骨や神経、精神状態にも関わり、子どもの成長や発育を促進するなど、人間が生きていくうえで必要なホルモンです。なお、甲状腺ホルモンの上昇により肝臓における糖新生が亢進するため、血糖値は増加するとされています。   ホルモンに関する病気 ホルモンが過剰に分泌してしまう病気には以下のようなものがあります。 【ホルモンに関する病気1】グルカゴノーマ グルカゴノーマは、グルカゴンというホルモンを分泌する膵臓の腫瘍です。グルカゴンの作用により血液中のグルコース濃度(血糖値)が上昇することで、非常に特徴的な発疹が現れます。なお、グルカゴノーマのおよそ80%は悪性腫瘍です。しかし腫瘍の増殖が遅いため、多くの人が診断後15年以上生存します。 【ホルモンに関する病気2】下垂体性巨人症(かすいたいせいきょじんしょう) 下垂体性巨人症とは、脳の下垂体という小さな臓器から成長ホルモンがたくさん分泌される病気です。お子さんの場合は、骨が伸びる最中に成長ホルモンがたくさん分泌されるため、身長がとても高くなる特徴があります。なお、大人になってから発症した場合は、身長は伸びずに、手足が大きくなる、口唇・鼻が大きくなる、おでこや顎が出っ張ってくるなどの特徴を持ち、先端巨大症(せんたんきょだいしょう)と呼ばれます。 【ホルモンに関する病気3】クッシング症候群 クッシング症候群とは、副腎から分泌されるコルチゾールの作用が過剰になることにより、特徴的な身体徴候を呈する病気です。主な症状として、赤ら顔になる、顔が丸くなる満月様顔貌(まんげつようがんぼう)や、体幹に脂肪の付きやすくなる中心性肥満など、見た目から分かる症状のほか、階段の上り下りが難しくなる筋力低下や高血圧、糖尿病や骨粗しょう症、月経の異常、気分の落ち込みなどが挙げられます。 【ホルモンに関する病気4】甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう) 甲状腺機能亢進症とは、甲状腺が活発に活動し、血中に甲状腺ホルモンが多く分泌される病気です。原因としては、健常な人には認められない甲状腺を刺激する異常な物質が「血中および組織の中に存在するため」と考えられております。なお、甲状腺機能亢進症の代表的なものについては「バセドウ病」が挙げられます。バセドウ病については「こちらのページ」で詳しくご説明しておりますので、ぜひご覧ください。   まとめ 糖尿病になっても、初期段階では自覚症状がありません。そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と感じている方は、早めに受診することをお勧めします。糖尿病にお心当たりのある方、あるいはホルモンバランスの乱れによって心身の不調を感じている方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2023.02.27

糖尿病・代謝内科

糖尿病と抜け毛の関係

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
糖尿病になると抜け毛のリスクが高まると考えられております。では、なぜ糖尿病になると抜け毛のリスクが高まるのでしょうか。 この記事では「糖尿病と抜け毛の関係」について解説していきます。後半部分では「AGA(男性型脱毛症)」や「円形脱毛症」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 なぜ糖尿病になると抜け毛のリスクが高まるのか 糖尿病と抜け毛の関係 糖尿病になると抜け毛のリスクが高まるのは糖質が原因かも 糖尿病により発症リスクが高まる脱毛症 糖尿病の疑いがある方で抜け毛の症状が見られた場合 まとめ   なぜ糖尿病になると抜け毛のリスクが高まるのか 糖尿病はインスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖が増えてしまう病気です。血液中の糖の濃度(血糖値)が何年間も高いままでいると、血管が傷ついたり詰まったりして、血流が滞ってしまい、その結果、育毛環境に悪影響を与える可能性があります。なぜなら健康な髪の毛を維持するためには、血液から運搬される栄養素が必要不可欠だからです。また、血液によって不要な老廃物などを排出することも大切です。このようなことから、良好な血液循環が阻害されてしまうと健やかな育毛環境の維持が困難になり、「脱毛症状につながってしまう可能性がある」と考えられております。   糖尿病と抜け毛の関係 糖尿病の症状の一つとして起こりうる「脱毛のメカニズム」を明確に解析している研究結果は、まだありません。しかしながら、毛細血管のような細血管の障害が育毛状態を悪化させる可能性は充分に考えられます。また糖尿病患者さんにおいて“脱毛症状”がみられたという症例は報告されているため、相関関係を窺い知ることはできます。   糖尿病になると抜け毛のリスクが高まるのは糖質が原因かも 「抜け毛」や「薄毛」の悩みは、実は糖質中心の食生活に原因があるかもしれません。以下、糖質が髪に与える悪影響です。 【糖質が髪に与える悪影響1】ホルモンバランスの乱れ 糖質の摂取により血糖値が上昇すると、交感神経が刺激されて自律神経が乱れます。自律神経が乱れるとホルモンバランスが崩れてしまうため、抜け毛や薄毛の原因になってしまうのです。なお、ホルモンバランスの乱れは、皮脂の過剰分泌のほか、炎症やフケ・かゆみなどのトラブルにもつながりますので、ご注意ください。 【糖質が髪に与える悪影響2】皮脂が毛穴に詰まる 糖質を摂取すると、エネルギーとして消費されず余ったブドウ糖が中性脂肪や体脂肪となって蓄積されてしまいます。体脂肪が増えると皮脂が出やすくなり、皮脂が毛穴に詰まって雑菌が増えます。そして雑脱毛症や枝毛・切れ毛などを引き起こしてしまうのです。なお、頭皮にフケやかゆみが出たり、炎症が起こったりするトラブルのほとんどは雑菌が原因になります。   糖尿病により発症リスクが高まる脱毛症 糖尿病患者さんの中には、上述した通り「脱毛症状」がみられるケースが報告されています。糖尿病で併発する可能性のある脱毛症には、「AGA」と「円形脱毛症」が挙げられます。 【糖尿病により発症リスクが高まる脱毛症1】AGA(男性型脱毛症) AGAとは「AndrogeneticAlopecia」の略で、男性ホルモン型脱毛症(男性型脱毛症)のことを指します。男性型脱毛症とは、成人男性特有の進行性の脱毛症です。生え際や頭頂部の毛髪が薄くなったりするのが特徴で、遺伝や男性ホルモンの影響が主な原因だと言われています。なお、AGAは治療せずに放置すると進行していきますので、早めの治療が大切です。 【糖尿病により発症リスクが高まる脱毛症2】円形脱毛症 円形脱毛症とは、その名の通り“円形”や“楕円形”の脱毛斑が突然生じる疾患です。一般的には10円玉くらいの脱毛と思われていますが、頭部全体に広がるものや、眉毛やまつ毛、体毛などに及ぶ重度のものまで、その症状はさまざまです。なお、円形脱毛症の発症原因は明らかにされていませんが、自己免疫疾患による免疫機能の異常が主な原因として考えられています。   休止期脱毛症とは 体や精神に過度なストレスがかかると、「休止期脱毛症」を起こすことがあります。休止期脱毛症とは、成長期の髪の毛が一時的に休止期に移行し、頭部全体の脱毛量が増える病気のことです。急に発症した場合には「急性休止期脱毛症」と診断され、少しずつ脱毛する場合には「慢性休止期脱毛症」と診断されることが特徴です。なお、休止期脱毛症は「貧血」や「栄養バランスが乱れた食事」、「ストレス」などが原因で発症するとされています。しかし、甲状腺機能の持病や糖尿病といった病気が原因で発症するケースも少なくありません。   糖尿病の疑いがある方で抜け毛の症状が見られた場合 糖尿病患者さんにおいて、AGAによる“脱毛症状の進行具合”は病状を知らせるサインともなります。したがって糖尿病患者さん、あるいは糖尿病の疑いがある方で「抜け毛」や「薄毛」の症状がみられる場合は、適切な治療法を検討するためにも「かかりつけ医」への“現状の報告”や“相談”を徹底してください。   まとめ 抜け毛の症状がみられるからといって、必ずしも糖尿病と関係しているわけではありません。しかし万が一の可能性を避けるためにも、気になる点がある方は“早めに医師に相談すること”をおすすめします。抜け毛の症状がみられる方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2023.02.24

糖尿病・代謝内科

バナナと糖尿病の関係

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
バナナは栄養豊富な果物ですが、糖質も多く含まれています。血糖値を気にする糖尿病の方は、どのくらいバナナを食べても良いのでしょうか。 この記事では、「糖尿病とバナナの関係」について解説していきます。後半部分では「バナナの適切な摂取量」や「バナナを食べるタイミング」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 バナナは糖尿病に効果的か 糖尿病の方がバナナを食べるメリット バナナに含まれる栄養素 バナナの適切な摂取量 バナナを食べるタイミング まとめ   バナナは糖尿病に効果的か 糖尿病予防の基本は、急激な血糖値の上昇を抑えることです。では、バナナを食べると血糖値は急激に上昇するのでしょうか。実は、バナナは食後の血糖値の上昇が緩やかな食べ物だと言われています。その秘密はバナナに含まれている食物繊維です。糖質と一緒に食物繊維を摂取すると、糖質を少しずつエネルギー源として使うことができるため、血糖値の急激な上昇を抑えることが可能となっております。そのため糖尿病の方がバナナを食べても問題ありません。ただしバナナには、それほど高くないですが、しっかりと糖質が含まれているため食べ過ぎには注意が必要です。甘いものを制限している糖尿病患者さんにとって、バナナは程よい甘さがあり、満足できる食品ですが、たくさん食べるとカロリーオーバーになるので十分に注意してください。   糖尿病の方がバナナを食べるメリット 日本糖尿病学会の「糖尿病食事療法のための食品交換表」では、私たちが普段よく食べる食品をグループ分けし、糖尿病の患者がカロリー計算をしなくても、栄養バランスのよい献立が作れるよう工夫されています。この中でバナナを含む果物は1つのグループとして位置付けられ、果物は1日80kcal分摂るよう推奨されています。なぜなら果物はエネルギー量当たりのビタミンCやカリウム、食物繊維の含量が高く、制限された食事でも必要な栄養素が効率よく摂れる食品だからです。このようなことからバナナを含む果物は糖尿病食事療法でも血糖値を上げにくい食品であると見直されており、糖尿病の食事に欠かせない食品となっています。   バナナに含まれる栄養素 バナナには炭水化物やタンパク質の他、ビタミン、ミネラル、葉酸、食物繊維などがバランスよく含まれています。以下、バナナに含まれている栄養素です。 【バナナに含まれる栄養素1】食物繊維 食物繊維は、食事でとった栄養素の吸収速度を遅くしたり、有害物質を体外に排出する働きがあります。この2つの働きによって、便秘対策に効果が期待できます。なお、食物繊維には水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維があります。 【バナナに含まれる栄養素2】カリウム カリウムにはナトリウム(塩分)を排泄する役割があり、高血圧やむくみの解消、運動中に筋肉がけいれんするのを防ぐ、などバナナを摂取することで様々な効果が期待できます。 【バナナに含まれる栄養素3】ビタミン バナナにはビタミンB1、B2、ナイアシン(B3)、ビタミンB6、葉酸が含まれています。ビタミンには、たんぱく質・糖質・脂質の代謝を助けたり、皮膚や髪、爪などの健康をサポートする働きがあります。 【バナナに含まれる栄養素4】ポリフェノール ポリフェノールは、赤ワインや緑茶に多く含まれている成分ですが、バナナにも含まれています。ポリフェノールは強い抗酸化作用があり、活性酸素を取り除く働きがあるため、生活習慣病の予防にも効果が期待できます。なお、ポリフェノールは、熟したバナナほど多く含んでいます。 【バナナに含まれる栄養素5】アミノ酸 バナナは必須アミノ酸のひとつであるトリプトファンを含むため、良質な睡眠が期待できます。トリプトファンは神経伝達物質であるセロトニンの材料です。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれており、その効果は睡眠の促進やリラックスを促す効果があります。なお、トリプトファンは、バナナに多く含まれていますが、他の果物にはほとんど含まれていません。 【バナナに含まれる栄養素6】マグネシウム マグネシウムは、人の体に欠かせないミネラルの一つです。骨の正常な代謝を助けるマグネシウムは、カルシウムと並んで骨の健康にとって重要なミネラルです。神経の興奮をしずめ、体温や血圧を調整すると言われています。   バナナの適切な摂取量 厚生労働省や農林水産省では、1日の果物の摂取量として約200gが推奨されています。そのためバナナは1日1本程度、小ぶりなサイズなら2本程度を目安にすると良いでしょう(バナナだけではなく、他の果物もバランスよく食べることが大切です)。なお、バナナ1本は100gで約90キロカロリーと、果物の中でもトップクラスのカロリーの高さです。したがって1日に何本も食べていればカロリーオーバーになりかねませんので、バナナの食べ過ぎには注意してください。   バナナを食べるタイミング 栄養たっぷりのバナナは、朝、昼、夜、いつ食べてもメリットがあります。 【バナナを食べるタイミング1】朝 バナナには他のフルーツよりも多くの「ブドウ糖」が含まれているので、朝食バナナは、睡眠中に失われた栄養素を補給して、1日を元気に過ごすための原動力になります。そのため1日を元気に過ごしたい人には、朝食バナナをおすすめします。 【バナナを食べるタイミング2】昼 バナナにはブドウ糖以外にも、「果糖」や「ショ糖」が含まれています。糖分と聞くと避けたくなってしまいますが、疲れにくい体づくりに糖分は欠かせません。果糖は血糖を上げにくく緩やかに体内に吸収される性質があるので、昼に食べれば、午後の活動に向けてのよいエネルギーチャージとなります。 【バナナを食べるタイミング3】夜 夜バナナは、睡眠の質を上げる効果が期待でき、美肌や筋肉・骨づくりに役立ちます。なぜならバナナには、睡眠を促す「セロトニン」、セロトニンを作る「トリプトファン」、セロトニン生成を助ける「ビタミンB6」が含まれているからです。質のよい睡眠は疲労回復だけでなく、成長ホルモンの分泌を促し、美肌や筋肉、骨づくりにも役立ちますので、夜バナナにはメリットがあると言えます。ただしバナナに含まれる果糖は、夜食べると中性脂肪に変わりやすい傾向があるので、摂取量を調節してください。   まとめ 糖尿病になっても、初期段階では自覚症状がありません。そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2023.02.22

糖尿病・代謝内科

コーヒーと糖尿病の関係、予防効果や摂取量について

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、「糖尿病とコーヒーの関係」について解説していきます。後半部分では「糖尿病予防のための摂取量」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 コーヒーは糖尿病リスクを抑える? コーヒーは死亡リスクも下げる なぜコーヒーが糖尿病を予防するのか コーヒーによる肝機能等への効果 糖尿病予防のための摂取量 コーヒーの適切な飲み方 ブラックコーヒーがおすすめ まとめ   コーヒーは糖尿病リスクを抑える? コーヒーは2型糖尿病の予防に効果的な飲料として注目を集めており、日本を含む世界各国から「コーヒーには2型糖尿病を予防する効果がある」という報告が発表されております。 国立国際医療研究センターが2009年に発表した“JPHC研究”では、コーヒーを飲む回数が1日3〜4杯の方人は、ほとんど飲まない人に比べて、2型糖尿病を発症するリスクが男性で17%、女性で38%低下することが分かっております(40〜69歳の日本人約5万6,000人を対象)。   コーヒーは死亡リスクも下げる コーヒーをよく飲む人は糖尿病リスクが低下するだけでなく、死亡リスクも低下することが最近の研究で明らかになっております。英国バイオバンクの発表では、死亡リスクはコーヒーをまったく飲まない人に比べ、コーヒーを1日に2〜3杯飲む人は12%、4〜5杯飲む人は12%、6〜7杯飲む人は16%、6杯以上飲む人では14%低下したと伝えております。   なぜコーヒーが糖尿病を予防するのか コーヒーが糖尿病の予防に効果がある理由として、コーヒーに含まれているカフェインやクロロゲン酸が代謝に関わっている可能性が指摘されております(コーヒーが2型糖尿病の発症を抑制するメカニズムは、まだ解明されておりません)。 <カフェイン> カフェインを摂取すると基礎代謝率が3~11%上がり、摂取するカフェイン量が多いほど、その効果も上がることが分かっております。このようなことからカフェインの摂取は「運動時の脂肪燃焼を促進する可能性がある」と考えられております。 <クロロゲン酸> クロロゲン酸とは“ポリフェノール”の一種で、主にコーヒー豆やじゃがいも等に含まれる成分です。クロロゲン酸には糖質の吸収を緩やかにする効果があるため、血糖値の急激な上昇が抑えられます。またクロロゲン酸には抗酸化作用のほか、脂肪の蓄積を抑える効果などが知られており、近年では糖尿病や肥満の予防のためのサプリメントなどに利用されています。   コーヒーによる肝機能等への効果 コーヒーに含まれるクロロゲン酸は抗酸化作用をもち、肝臓での「糖新生」を抑制する効果があります。またクロロゲン酸には、中性脂肪の蓄積による「脂肪肝」を予防する効果があります(脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪が溜まった状態を表します)。脂肪肝はメタボリックシンドロームにもつながると言われており、放置すると肝炎などを引き起こす可能性が高くなります。   糖尿病予防のための摂取量 国立国際医療研究センターが2009年に発表した“JPHC研究”では、コーヒーを飲む回数が1日3〜4杯の方人は、ほとんど飲まない人に比べて、2型糖尿病を発症するリスクが男性で17%、女性で38%低下することが分かっております。このようなことから、糖尿病予防のためのコーヒー摂取量は、1日3〜4杯が目安と言えます。ただし、コーヒーに含まれるカフェインを大量に摂取すると、不眠症や神経症、心拍数の増加、高血圧、不整脈が引き起こされる恐れがあります。また、コーヒーのカフェインは、血糖を下げるインスリンの産生と感受性にも影響すると考えられております。ですので、コーヒーの飲みすぎには注意してください。   コーヒーの適切な飲み方 コーヒーに含まれているカフェインは、インスリンが分泌していない空腹時に飲むと、血糖値を下げる“ミトコンドリア”を活性化させます。このようなことから糖尿病予防の効果を上げる飲み方としては満腹時よりも、「空腹時にコーヒーを飲むほうが良い」とされております。ただしコーヒーに含まれるクロロゲン酸には、胃腸の働きを抑制する働きがあります。そのため空腹時はよりダイレクトにその作用を感じやすく、胃の動きが弱まってしまう可能性があり、最悪のケースでは便秘による「腹痛」や「吐き気」を引き起こす可能性がありますので、注意してください。   ブラックコーヒーがおすすめ 糖尿病の方がコーヒーを飲む場合には、コーヒーに砂糖やミルクを入れると血糖コントロールを悪化させる可能性があるため、できるだけブラックコーヒーの形で飲んでください。甘くてまろやかなコーヒーは美味しいかもしれませんが、カフェインと砂糖が血糖値の急激な上昇を引き起こします。すると血糖コントロールが乱れ、血管が傷つきやすくなり、合併症のリスクにつながります。ですので、甘いコーヒーはできるだけ飲まないようにしてください。   まとめ 糖尿病になっても、初期段階では自覚症状がありません。そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2023.02.21

糖尿病・代謝内科

糖尿病とEDの関係や治療薬について

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、「糖尿病とEDの関係」について解説していきます。後半部分では「糖尿病性EDの治療方法」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 【目次】 糖尿病になるとEDリスクが高まる なぜ糖尿病になるとEDになりやすくなるのか 器質性EDとは 糖尿病性EDの治療方法 糖尿病性EDを改善するために 糖尿病性EDについてご相談したい方はいつでもご相談下さい   糖尿病になるとEDリスクが高まる 糖尿病はインスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖が増えてしまう病気です。血糖の濃度が何年間も高いままで放置されると血管が傷つき、将来的に心臓病や、失明、腎不全といった、より重い病気につながります。また糖尿病はED (勃起不全)との関連性が高い病気の一つです。米国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所(NIDDK)の調査では、糖尿病のある男性は糖尿病のない男性に比べ、ED (勃起不全)を発症する割合が2〜3倍高いと報告されております。 ※ED (勃起不全)とは、「勃起機能の低下」を意味する英語“Erectile Dysfunction”の略です。専門的には「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態が持続または再発すること」とされています。つまり、勃起が起こらないケースはもちろんのこと、硬さが不十分、勃起状態が維持できない等、満足な性交が行えるだけの勃起が得られない状態は、いずれもED(イーディー)となります。なお、正常な勃起のためには脳や神経、海綿体、血流などが問題なく機能する必要があります。   なぜ糖尿病になるとEDになりやすくなるのか 勃起をするには、自律神経と陰茎平滑筋の働きが非常に重要です。しかし糖尿病を患うと、つねに高血糖の状態が続くため、自律神経に悪影響が生じ、血管障害とともに勃起機能が低下します。また性的欲求や感度も弱まってしまいます。このようなことから糖尿病性EDは、以下に挙げるような複数の問題が組み合わさって発症すると考えられております。 【糖尿病とEDの関係1】神経障害 勃起は、脳で感じた性的刺激が陰茎に伝わることによって起こりますが、糖尿病によってその神経回路に障害が生じやすくなります。 【糖尿病とEDの関係2】海綿体の機能不全 平滑筋の弛緩も勃起に必要不可欠です。しかし糖尿病により、海綿体動脈などの内皮細胞において「内皮型一酸化窒素合成酵素」(eNOS)の活性が低下することで、弛緩が起こりにくくなります。 【糖尿病とEDの関係3】動脈硬化 動脈硬化とは、動脈の壁が厚くなったり、硬くなったりして本来の構造が壊れ、働きがわるくなる病変の総称です(正確に言うと病理学で使う呼び方であり、病名ではありません)。全身の血管に動脈硬化があらわれるのは、糖尿病の典型的な症状です。内腸骨動脈から陰茎動脈にかけて硬化が生じると、勃起機能の大幅な低下につながります。また性器海綿体の毛細血管は、体の中でも特に細い血管で、動脈硬化により、血流がもっとも低下しやすい血管です。なお、上記のような身体的な原因から生じるEDを「器質的(きしつてき)ED」と呼びます。   器質性EDとは 器質的(きしつてき)EDとは、体に何らかの原因があって、物理的に勃起が阻害されるEDのことを指します。この器質性EDを細かく分別すると『加齢や糖尿病・高血圧・高脂血症などの生活習慣病に起因する動脈硬化、前立腺がんや前立腺肥大の外科的手術による陰茎付近の神経や血管の損傷などの血管障害によるもの』、『不慮な事故による脊椎などの脳から陰茎までの伝達神経の損傷等による神経障害によるもの』、『加齢やストレス、喫煙、飲酒などによる男性ホルモンの1つであるテストステロンの低下等の内部分泌機能低下によるもの』が挙げられます。つまり器質性EDを細かく分けると『血管障害によるもの(血管性ED)』『神経障害によるもの(神経性ED)』『内部分泌機能低下によるもの』の三つに分けられるということです。 <血管性ED> 血管性EDとは、文字通り 血管系の異常により正常な勃起が得られないものを言います。糖尿病の初期の方は陰茎海綿体や内陰部動脈の血管内皮機能障害が起こります。血管内皮由来のNO(一酸化窒素)は勃起(ぼっき)をおこしたり、勃起を維持したりするのに重要です(血管内皮障害があるとNO産生が低下します)。NO産生の低下により、陰茎に血液を貯めること=勃起ができなくなります。 <神経性ED> 神経性ED は中枢ならびに末梢(自律および体性)神経いずれか の異常により起こるEDです。重症の糖尿病になると、微小な血管の障害から、自律神経障害が進み、副交感神経である海綿体神経の障害が発生し、神経性EDが生じます。 <内部分泌機能低下によるED> 内分泌機能の低下で代表的なのは、男性ホルモンの一つであるテストステロンの低下です。精巣で主に作られるテストステロンには、男らしい体つきを作るほか、闘争心や意欲、そして性欲や勃起力、精子の産生などの性機能を維持するための働きもあります。したがってテストステロンの低下は、勃起力を弱めるためEDにつながります。また性欲自体を減退させるため、性行為の回数が減ることで、EDを更に進行させる悪循環となることがあります。   糖尿病性EDの治療方法 糖尿病性EDにはバイアグラ・レビトラ等を含むシルデナフィル等の「ED治療薬」が治療の第一選択です(糖尿病治療薬やインスリンとシルデナフィルやシェアリス等のED治療薬は併用することが可能です)。治療薬は即効性がありすぐに効果を実感していただけるため、糖尿病治療中の方もED治療薬を服用する方が多いです。2020年以降、全てのED治療薬のジェネリック医薬品が販売(処方)されるようになり、当院でもED治療薬が処方可能で、患者さんに合わせたお薬を処方することができます。   糖尿病性EDを改善するために 糖尿病が原因でEDを発症した場合、まずは糖尿病の治療を考えます。糖尿病の治療は、血糖値のコントロールが基本となり、その手段としては食事療法、運動療法、薬物療法の三つが中心となります。 【糖尿病性EDの改善1】食事療法 食事療法は、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考えてさまざまな食品をまんべんなくとることが大切です。食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、朝食、昼食、夕食の3回ゆっくりよく噛んで、腹八分目で食べるよう心掛けてください。バランスのとれた栄養を1日の必要量のカロリーでとることで、すい臓の負担は軽くなり、すい臓の能力は回復されます。 【糖尿病性EDの改善2】運動療法 運動療法は、食事療法と並んで糖尿病治療の基本です。運動により血糖コントロール・インスリン抵抗性・脂質代謝の改善が得られ、糖尿病は改善します。生活習慣が原因で糖尿病になった2型糖尿病患者にとって、運動療法を行って体内の糖の利用率を高めることは、血糖値をコントロールする有効な手段の一つです。なお、運動療法は、これまで運動医学由来の整形外科的なアプローチが主体でしたが、近年では“生活習慣病改善”や“心臓リハビリテーション”のような内科的アプローチも臨床で活用されるようになってきています。 【糖尿病性EDの改善3】薬物治療 食事療法や運動療法を行っていても血糖値の改善がされない場合は「薬物治療」を行います。薬物療法で使用される薬剤には、大きく分けて「経口血糖降下薬」と「インスリン注射薬」があります。どの薬剤を使用するかは、年齢や肥満の程度、合併症の程度などを含め、医師と相談の上で決めます。薬物治療について詳しく知りたい方は「糖尿病情報サイト」をご覧ください。   糖尿病性EDについてご相談したい方はいつでもご相談下さい 糖尿病性EDは、残念ながら“今の医学の力”で完治させることはできません。しかし完治こそ難しいものの、治療することでEDの症状を改善することは可能です。糖尿病性EDにお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。

2023.02.16

糖尿病・代謝内科

糖尿病スティグマの種類や具体例の解説

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
近年、糖尿病にまつわる“スティグマ”が世界的なトピックとなっており、日本でも糖尿病における“スティグマ”を減らす運動が始まっています。 この記事では、「糖尿病スティグマ」について解説していきます。後半部分では「糖尿病スティグマの影響」や「アドボカシー活動」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 【目次】 糖尿病スティグマとは 糖尿病スティグマが生じる原因 糖尿病のスティグマの類型 糖尿病スティグマの影響 糖尿病スティグマが治療に与える影響 糖尿病スティグマの改善にはアドボカシー活動が効果的です   糖尿病スティグマとは 糖尿病スティグマとは、その名の通り糖尿病を持つ人に対する“スティグマ”のことを指します。スティグマとは、一般に「恥・不信用のしるし」「不名誉な烙印」を意味します。ある特定の属性により、いわれのない差別や偏見の対象となることです。では、糖尿病のスティグマにおいては、どのようなものが挙げられるのでしょうか。糖尿病におけるスティグマについては、以下の具体例をご覧ください。 <糖尿病スティグマの具体例> 糖尿病におけるスティグマでは、糖尿病になると失明や透析、脳梗塞になるなどと決めつけられることであったり、不摂生、だらしない、運動嫌い、自己管理ができていないとされたりすることで社会的に様々な不利益を被ることなどが挙げられます。また生命保険に加入できない、住宅ローンを組めない、結婚の障壁となる、就職に不利になる、なども糖尿病におけるスティグマだと言えます。   糖尿病スティグマが生じる原因 糖尿病スティグマは、不正確な情報・知識に起因する誤った認識(言葉)により生じることが多いです。また糖尿病の病態を正確に表していない病名や、糖尿病医療で使われる不適切な用語の使用によるマイナスイメージの拡散により、社会から負の烙印(スティグマ)を押されているとも考えられております(糖尿病は排泄物の「尿」という文字が入っていることもあり、その病名自体がスティグマではないかという考えが話題に上がっています)。糖尿病協会が行ったアンケート調査では半数以上の患者さんが糖尿病という病名に抵抗があると答え、「変えて欲しい」という意見も約半数に見られたとのことです。なお昨年、日本糖尿病協会は「糖尿病」という名称の変更を検討する方針を明らかにしております。患者の大半が不快感を抱いていることなどを踏まえたもので、今後1、2年のうちに新たな病名を提案したいと伝えております。   糖尿病のスティグマの類型 糖尿病のスティグマには一般社会から受けるもの(社会的スティグマ)、医療従事者からうけるもの(乖離的スティグマ)、自分自身で感じてしまうもの(セルフスティグマ)があります。 <社会的スティグマ> ・生命保険に加入できなかった ・住宅ローンを断られた ・糖尿病が原因で就職できなかった <乖離的スティグマ> ・間食を咎められた ・インスリンを拒否すると叱責された <セルフスティグマ> ・自己尊重の低減 ・自己効力感の低減など   糖尿病スティグマの影響 社会における糖尿病の知識不足、誤ったイメージの拡散により、糖尿病をもつ人は「特定の属性に対して刻まれる負の烙印=スティグマ」にさらされています。そのため糖尿病をもつ人は、「自己コントロールできない者」「親もそうだったから」「太っているから」と周囲から非難や差別をされたり、生命保険や住宅ローンに加入出来なかったりなど、社会的に様々な不利益を被ることがあります。このようなことから糖尿病スティグマは、就職や結婚にまで負の影響が出ると考えられております。   糖尿病スティグマが治療に与える影響 糖尿病をもつ人に対するスティグマを放置すると、糖尿病をもつ人が社会活動で不利益を被るのみならず、治療に向かわなくなるという弊害をもたらします(糖尿病であることを隠す→適切な治療の機会損失→重症化→という悪循環に陥る可能性があるからです)。ですので、糖尿病スティグマを軽く考えてはいけません。糖尿病を持つ方は、糖尿病スティグマをうけることにより、糖尿病の放置、通院治療の中断、ひいては糖尿病の重症化につながる恐れがあることを理解しておいてください。   糖尿病スティグマの改善にはアドボカシー活動が効果的です アドボカシー活動とは、社会的弱者やマイノリティの人権を擁護するために、NGOやNPOなどの非営利団体が中心となって実施する活動です(アドボカシーとは「擁護」や「支持をする」などの意味を持つ英語です)。アドボカシー活動は、糖尿病患者さんの権利を守り,社会的地位を回復させるために非常に有用です。学会、協会や医療機関だけでなく、個人のレベルで行うアドボカシー活動でも、糖尿病に関するスティグマの解消を目指すために有用と考えられます。ですので、糖尿病スティグマに苦しめられている方は積極的にアドボカシー活動を行ってください。なお、公益社団法人日本糖尿病協会は、糖尿病があっても安心して社会生活をおくり、いきいきと過ごすことができる社会形成を目指し、「アドボカシー活動」を展開しております。詳しくは「糖尿病ネットワーク」に記載しておりますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

2023.02.09

糖尿病・代謝内科

糖尿病とストレスの関係

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
糖尿病の約95%を占める2型糖尿病の発症要因は「運動不足」「高脂肪食」「体質(遺伝)」などが原因だと考えられています。しかし現在では、これらの要素に加えて「ストレス」の影響も大きいことが分かっております。 この記事では、「糖尿病とストレスの関係」について解説していきます。後半部分では「合併症リスク」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 ストレスがなぜ糖尿病リスクを高めるのか ストレス解消のための食べ過ぎに注意 ストレス解消のための喫煙に注意 ストレスは糖尿病の合併症リスクを上昇させる ストレスが関係している精神疾患 ストレスを和らげ、糖尿病リスクを軽減しましょう まとめ   ストレスがなぜ糖尿病リスクを高めるのか 糖尿病とストレスには深い関係があり、そこには“ホルモン”が関与しています。人がストレスを感じると、「アドレナリン」や「コルチゾール」というホルモンが分泌されます。 これらのホルモンは、「血圧」「心拍数」「血糖値」を上げます。コルチゾールは人がストレスに耐えるために必要なホルモンなので、そういった面では人を助けています。 しかし糖尿病の方の場合は、血糖値を上げる作用によって糖尿病の悪化を促します。またストレスを受け続けると、インスリンに対しての感受性が鈍くなり血糖値が下がりにくくなることが分かっています。 このように、ストレスを受け続けると高血糖の状態が続くため糖尿病を招いてしまうのです。   ストレス解消のための食べ過ぎに注意 ストレス解消の手段として、つい過食(食べ過ぎ)をしてしまうことがあります。 イライラしていたり精神的に不安定なときには、空腹でなくても、つい手近にあるものを口に運んでしまいます。 お酒を飲む人なら、その量も増えるでしょう。   このようなことが、血糖コントロールの悪化につながります。食生活の乱れは糖尿病の発症や悪化させる要因になりますので、十分に注意してください。   ストレス解消のための喫煙に注意 喫煙は交感神経を刺激して血糖を上昇させるだけでなく、体内のインスリンの働きを妨げる作用があります。 そのため、たばこを吸うと「糖尿病にかかりやすくなる」と言えます。 日本人を対象としたある研究では、喫煙者は、非喫煙者と比べて、2型糖尿病を発症するリスクが38%高くなることが分かっております。ですので、糖尿病の方は喫煙を控えてください。   ストレスは糖尿病の合併症リスクを上昇させる ストレスが強いと糖尿病リスクが上昇するだけでなく、「心臓病」や「脳卒中」のリスクも悪化することが分かっています。 ストレスを放置していると、重大な病気に進行するリスクがありますので、十分にご注意ください。 以下、糖尿病の合併症です。   【糖尿病の合併症1】心筋梗塞 心筋梗塞とは心臓が酸素不足になり壊死する病気です。 心筋を取り巻いている冠動脈は心臓に血液と酸素を送っています。 これが動脈硬化で硬くなり“コレステロール”などが沈着すると血液の通り道が塞がれ、心筋に血液を送ることができません。そのため心筋は酸素不足となり、心筋細胞が壊死を起こしてしまいます。 これが心筋梗塞です。なお、心筋梗塞は激しい痛みが特徴です。 しかし糖尿病になると神経障害のために痛みを感じにくくなり、心筋梗塞を起こしても胸の痛みを感じないことがありますので、注意が必要です。 【糖尿病の合併症2】脳卒中 脳卒中とは、急性期脳血管障害のことを指し、突然脳の血管が詰まったり、破れたりして引き起こされる病気の総称です。 脳卒中は原因によって「脳の血管が詰まるタイプ(脳梗塞、一過性脳虚血発作)」と「脳の血管が破れるタイプ(脳出血、くも膜下出血)」の2つに分けられます。 脳卒中は、障害を受けた脳が司っていた「身体機能」や「言語機能」が失われたり、場合によっては死に至ることもありますので、非常に危険な病気です。   【糖尿病の合併症3】狭心症 狭心症は、心臓の筋肉に供給される酸素が不足するため、胸部に一時的な痛みや圧迫感が起きる病気です。 狭心症になると、心筋を養う冠動脈の内腔が狭くなって、心臓の筋肉に十分な血液が流れなくなります。 その結果、心臓に必要なだけの栄養と酸素がなくなり、心筋は酸素と栄養不足に陥ってうまく働けなくなってしまいます。   【糖尿病の合併症4】脂質異常症 脂質異常症(高脂血症)とは、中性脂肪やコレステロールなどの脂質代謝に異常をきたした状態のことを言います。 脂質異常症は多くの場合、自覚症状がありません。 脂質異常症の状態が続くと動脈硬化症をきたし、狭心症や心筋梗塞といった合併症が生じるリスクが高まります。ですので、絶対に放置してはいけません。   【糖尿病の合併症5】大動脈瘤 大動脈瘤とは、心臓から始まる全身に血液を送る大動脈という臓器が拡大し破裂の恐れを呈する病気です。 発生する部位によって「胸部」「胸腹部」「腹部」に区別されます。   ストレスが関係している精神疾患 ストレスは、様々な精神疾患のリスク因子として知られており、最近では認知症との関係も注目されています。 以下、ストレスが関係している精神疾患です。   【ストレスが関係している精神疾患1】うつ病 うつ病とは、意欲の低下・無気力・気分の落ち込みなどが続き、日常生活に影響を及ぼす病気です。 症状が重度になると、自傷行為や自殺企図など、直接命に関わってくる場合もあります。   【ストレスが関係している精神疾患2】統合失調症 統合失調症は、考えや気持ちがまとまらなくなる状態が続く精神疾患で、その原因は脳機能にあると考えられています。約100 人に1 人がかかるといわれており、決して特殊な病気ではありません。 思春期から40歳くらいまでに発病しやすい病気です。   ストレスを和らげ、糖尿病リスクを軽減しましょう ストレスが強いと糖尿病リスクが上昇するだけでなく、心臓病や脳卒中のリスクも悪化することが分かっております。 そのため、普段からストレスを軽減させるように努めることが大切です。 代表的なストレス解消法については、以下をご覧ください。   【ストレス解消法1】適度な運動 運動はストレス解消に大きな効果があります。 加えて、脂肪を燃焼し、肥満を改善する効果が期待できます。 糖尿病の方は、習慣的に「ウォーキング」や「ジョギング」などの適度な運動を行ってください。   【ストレス解消法2】野菜を食べる オーストラリアの「エディスコーワン大学栄養健康イノベーション研究所」の研究では、野菜を十分に食べている人は、「ストレスレベルが低く抑えられている傾向がある」と発表されております。 特に女性では、野菜を毎日食べている人は、ほとんど食べない人に比べ、ストレスのリスクが18%低いことが判明しております。 ホウレンソウ・レタス・リーフレタス・キャベツ・ブロッコリーなどの葉物野菜を食べていると、心臓病や脳卒中の発症が少ないことも分かっておりますので、積極的に摂取してください。   【ストレス解消法3】日光浴 日光を浴びると、私たちの脳内ではセロトニンという神経伝達物質が分泌されます。 セロトニンが増えることで、ストレス発散や集中力アップ、気持ちが明るくなるなどの効果が期待できます。 ですので、ストレスを感じている方は積極的に日光浴を行ってください。   まとめ 糖尿病になっても、初期段階では自覚症状がありません。 そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。 健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。 糖尿病の症状や“ストレス”への対応について不安な方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。   当日の順番予約はこちらから

2023.01.27

糖尿病・代謝内科

喫煙が糖尿病に与える影響

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、「喫煙が糖尿病に与える影響」について解説していきます。後半部分では「合併症のリスク」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 喫煙すると糖尿病にかかりやすくなります 喫煙がなぜ糖尿病に影響するのか 喫煙は既に糖尿病にかかっている人においても悪影響 喫煙が引き起こす糖尿病・合併症のリスク     糖尿病の方には禁煙をおすすめします 禁煙後の体重増加を心配している方へ 喫煙についてご相談したい方はいつでもご相談下さい   喫煙すると糖尿病にかかりやすくなります 喫煙すると交感神経を刺激して血糖を上昇させるだけでなく、体内のインスリンの働きを妨げる作用があります。 そのため糖尿病にかかりやすくなります。 我が国の7つの研究を含めた25の追跡調査を統合した研究では、喫煙者は、糖尿病に関係する他の要因(BMI・身体活動・飲酒など)を調整しても、2型糖尿病に1.4倍かかりやすいことが報告されています。 また喫煙本数が多いほど糖尿病になりやすく、禁煙した人ではリスクの低下がみられています。 (グラフ引用:厚生労働省e-ヘルスネット)   喫煙がなぜ糖尿病に影響するのか 喫煙すると糖尿病になりやすいのは、喫煙が「交感神経を刺激して血糖を上昇させること」と「体内のインスリンの働きを妨げる」という2つの作用が関係していると考えられています(喫煙が糖尿病発症を高めるメカニズムは必ずしも明らかではありません)。 健康成人を対象に、喫煙による血糖やインスリン、Cペプチドに対する急性作用を検討した研究では,喫煙テストによって“非喫煙者”でも“喫煙者”でも血糖値の上昇が認められました。 しかし、その程度は非喫煙者に比べ、喫煙者でより顕著でした。 さらに、喫煙テストによるインスリン値やCペプチドの上昇が“喫煙者でのみ”認められました。 このことは慢性的に喫煙を行うことで、インスリン感受性が低下することを示していると推察されます。   喫煙は既に糖尿病にかかっている人においても悪影響 喫煙は既に糖尿病にかかっている人においても悪影響を及ぼします。 糖尿病患者さんがたばこを吸い続けると、治療の妨げとなるほか、脳梗塞や心筋梗塞などの合併症のリスクが高まることがわかっています。 また喫煙は腎機能を悪化させ、慢性腎臓病の発症と進行のリスクを高めます。 このようなことから日本腎臓学会発行の「CKD診療ガイド2009」では、「禁煙はCKDの進行抑制とCVD(心血管疾患)の発症抑制のために必須である」として、すべての病期ステージにおいて禁煙を推奨しております。   喫煙が引き起こす糖尿病・合併症のリスク 糖尿病患者さんが喫煙すると、脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病性腎症などの合併症のリスクが高まることがわかっています。 また糖尿病による神経障害や網膜症についても、喫煙により発症のリスクが高まることが報告されています。 糖尿病が引き起こす「三大合併症」については、以下をご覧ください。   【糖尿病が引き起こす合併症1】糖尿病神経障害 糖尿病神経障害は、高血糖により手足の神経に異常をきたし、足の先や裏、手の指に痛みやしびれなどの感覚異常があらわれる合併症です。 糖尿病神経障害は、手袋や靴下で覆われる部分に「左右対称」にあらわれる特徴があります。 なお、糖尿病神経障害の患者さんのなかには、痛みが慢性化したり、進行して知覚が低下した結果、足潰瘍や足壊疽となることもあります。   【糖尿病が引き起こす合併症2】糖尿病網膜症 糖尿病網膜症とは、糖尿病が原因で目の中の網膜という組織が障害を受け、視力が低下する合併症です。 糖尿病網膜症は、他の糖尿病合併症と同様、初期には自覚症状はありません。 しかし気づかずに放置していると病気の進行に伴って、様々な視覚障害が起こり、最終的には失明に至ることもあります。   【糖尿病が引き起こす合併症3】糖尿病腎症 糖尿病腎症は、高血糖により、腎臓にある非常に細い血管がむしばまれていく合併症です。 進行すると、老廃物を尿として排泄する腎臓の機能が失われてしまうため、最終的に透析治療を要することになります。 この合併症も自覚症状がないまま進行していきますので、早期発見のためには、定期的に腎臓の機能を検査する必要があります。 なお、腎臓の働きが低下し透析治療を必要とされる患者さんのうち、糖尿病による腎臓病を原因とする方が40%以上と最も頻度が高く、1年間に約1万6千人が糖尿病のため透析治療を開始されています。 糖尿病と腎障害の関係については「日本腎臓学会のホームページ」をご覧ください。   糖尿病の方には禁煙をおすすめします 糖尿病の方が喫煙することは大変危険です。 喫煙は動脈硬化の進展を促進し、心臓血管死のリスクが確実に高まります。 また上述した通り、喫煙は膵臓から分泌されたインスリンの効きを悪くすることが判明しています。 インスリン効きが悪いことで、膵臓は「さらに働くことを要求され」、徐々に疲れインスリン分泌能が低下していきます。 ですので、糖尿病の方には、できるだけ早期に禁煙することをお勧めします。 「禁煙する自信がない…」という方には禁煙外来をお勧めします。   <禁煙外来> 禁煙外来とは、たばこをやめたい方のため病院に設けられた専門外来のことをいいます。 カウンセリングや生活指導といった精神面での禁煙サポートや、ニコチンガム・ニコチンパッチを使用したニコチン置換療法などによる禁煙治療が行われます。 禁煙補助薬を用いた治療では、禁煙後の離脱症状が緩和されるため自力で禁煙するよりも、ラクに禁煙することが可能です。 ですので、「禁煙する自信がない…」という方には禁煙外来をお勧めします。   禁煙後の体重増加を心配している方へ たばこを止められない理由のひとつに「禁煙後の体重増加」が挙げられます。 確かに禁煙後は体重が増加することがありますが、たとえ体重が増えても禁煙によるメリットは大きいです。 たとえば、インスリン治療中の方では、治療に必要なインスリン量が禁煙によって減少するという報告があります。 また、糖尿病があり喫煙習慣のある方が禁煙すると、HbA1cが下がり、血糖コントロールを改善する最大の効果を得られるという研究も発表されております。   喫煙についてご相談したい方はいつでもご相談下さい 上述した通り、喫煙すると交感神経を刺激して血糖を上昇させるだけでなく、体内のインスリンの働きを妨げる作用があります。 そのため糖尿病にかかりやすくなります。 また既に糖尿病にかかっている人においても、喫煙は治療の妨げとなるほか、脳梗塞や心筋梗塞などの合併症のリスクが高まることがわかっています。 ですので、糖尿病の方には、できるだけ早期に禁煙することをお勧めします。 糖尿病の方で喫煙している方、あるいは喫煙している方で糖尿病かもしれないと思う方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。   当日の順番予約はこちらから

2023.01.24

糖尿病・代謝内科

糖尿病治療に使う薬の紹介

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、「糖尿病治療に使う薬」をご紹介していきます。後半部分では「薬による糖尿病治療で気をつけること」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 糖尿病治療薬の特徴 糖尿病治療薬について 糖尿病治療薬|経口血糖降下薬 経口血糖降下薬による糖尿病治療が適している人とは 糖尿病治療薬|インスリン注射 薬による糖尿病治療で気をつけること まとめ   糖尿病治療薬の特徴 糖尿病の治療薬は、大きく分けて「血糖値を下げる薬(経口血糖降下薬)」と「インスリン注射」の2種類に分けられます。 血糖値を下げる薬は、「食事療法」と「運動療法」を2~3ヵ月行っても血糖コントロールがうまくいかない2型糖尿病の患者さんに用いられます。 一方、インスリン注射は1型糖尿病の患者さんや、血糖降下薬を使用しても血糖コントロールがうまくいかない2型糖尿病の患者さんに用いられます。   糖尿病治療薬について ここからは、「経口血糖降下薬」と「インスリン注射」について解説していきます。   糖尿病治療薬|経口血糖降下薬 血糖値を下げる飲み薬のことを「経口血糖降下薬(けいこうけっとうこうかやく)」と呼びます。 経口血糖降下薬は、その作用から大きく分けて3種類に分類されます。以下をご覧ください。   【経口血糖降下薬の種類1】インスリン抵抗性改善系 インスリン抵抗性改善系は、主に脂肪組織に働きかけ、脂肪細胞から分泌されるインスリン抵抗性を引き起こす物質を減少させます。その名の通り「インスリン抵抗性」を改善することで血糖を下げる薬です。 以下、インスリン抵抗性改善系の薬です。   <チアゾリジン薬> チアゾリジン薬は、肝臓や筋肉に作用し、インスリンの効きを良くする薬です。 インスリンに対する体の感受性を高めることで血糖値を下げます。   <グリミン薬> グリミン薬は、血糖値に応じて膵臓からインスリンを分泌させ血糖値を下げます。 また、肝臓で糖が作られるのを抑えたり、筋肉で糖が取り込まれるのを改善してインスリンの効果を高めたりします。   【経口血糖降下薬の種類2】インスリン分泌促進系 インスリン分泌促進系は、膵臓の「β細胞(べーたさいぼう)」に作用してインスリンの分泌を促進し、血糖値を下げる薬です。簡単にご説明すると「インスリンを出しやすくする薬」になります。 以下、インスリン分泌促進系の薬です。   <GLP-1(ジーエルピーワン)受容体作動薬> GLP-1受容体作動薬は、インスリン分泌を促し血糖値を下げる薬です。 膵臓のβ細胞のGLP-1受容体に結合し、血糖値が高いときにインスリンの分泌を促します。 そして血糖値を上げるホルモンのひとつであるグルカゴン分泌を抑制し、血糖を下げます。   <スルホニル尿素薬> スルホニル尿素薬は、膵臓からのインスリンの分泌を増やし血糖を下げる飲み薬です。 膵臓のインスリンを作る働きがある程度、残っている患者さんで効果があります。   <速効型インスリン分泌促進薬> 速効型インスリン分泌促進薬は、インスリン分泌のスピードを早めて、食後の血糖の上昇を抑える働きがあります。 そのためインスリンをすばやく分泌させることで食後高血糖を改善することから、インスリン分泌パターンの改善薬ともいえます。 なお、食後のインスリン分泌量を増加させる作用は「スルホニル尿素薬」に比べて弱くなっています。   【経口血糖降下薬の種類3】糖吸収・排泄調節系 糖吸収・排泄調節系は、糖の腸管からの吸収、腎臓からの排泄を調節する薬です。 簡単にご説明すると「糖の吸収をゆっくりにして、血糖の急な上昇を抑える薬」になります。 なお、糖吸収・排泄調節系の薬には、体に取り込んだ糖を尿中に出させる効果もあります。 以下、糖吸収・排泄調節系の薬です。   <α-グルコシダーゼ阻害薬> α-グルコシダーゼ阻害薬は、小腸でのブドウ糖の分解・吸収を遅らせて、食後の急激な血糖値の上昇を抑える薬です。 食前の血糖値はそれほど高くないけれども、食後の血糖値があがりやすい患者さんに適しています。   <SGLT2(エスジーエルティーツー)阻害薬> SGLT2阻害薬は、尿から余分な糖を出すことで血糖値を下げる薬です。 単独で使用する場合には低血糖のリスクも低く、国内では2014年に糖尿病の新薬として使用が開始されました。 なお、SGLT2阻害薬は副次的な効果として、体重の減少が認められています(尿から糖が出るので体重が減少します)。   経口血糖降下薬による糖尿病治療が適している人とは 経口血糖降下薬はインスリン非依存状態にあり、食事療法・運動療法を十分に行っていても血糖コントロールがうまくいかない患者さんに使われます。 つまり、経口血糖降下薬で治療効果を望むことができるのは、自分の膵臓からインスリンを出す力が残っている、「インスリン非依存状態」にある患者さんです(多くは2型糖尿病の方です)。   糖尿病治療薬|インスリン注射 インスリン注射は、効果があらわれるまでのタイミングと、持続時間によって、超速効型、速効型、中間型、混合型、配合溶解、持効型溶解の6つに分類されます。 注射の回数も1日1~4回以上のもの以外にも、最近では1日1回の注射で効果が24時間持続するタイプもあります。   <超速効型インスリン製剤> 超速効型インスリン製剤は、健康な人の食後のインスリン追加分泌パターンの再現を目的につくられたインスリン製剤で、生理的なインスリン追加分泌パターンにかなり近づけることができます。 食事直前の自己注射で、食後の血糖値の上昇を抑えて食後高血糖を改善します。 超速効型インスリン製剤は、注射してから効果が出るまでの時間は10~20分と早いので、食事の直前に注射でき、仕事などで食事時間が不規則になった場合への対応が可能ですので、生活の質を高めることができます。   <速効型インスリン製剤> 速効型インスリン製剤は、健康な人の食後のインスリン追加分泌パターンの再現を目的につくられたインスリン製剤で、生理的なインスリン追加分泌パターンに近づけます。 食事の約30分前に自己注射して、食後の血糖値の上昇を抑制して食後高血糖を改善します。 速効型インスリン製剤は、注射してから効果が出るまでの時間は30分~1時間で、インスリンの作用が持続する時間は5~8時間です。 レギュラーインスリンとも呼ばれ、筋肉注射や静脈注射が唯一可能なインスリン製剤です。   <中間型インスリン製剤> 中間型インスリン製剤は健康な人の生理的インスリン基礎分泌パターンに近づけるために、基礎分泌を補うことを目的として、インスリンの効果が持続的に作用するようにつくられたインスリン製剤です。 不足しているインスリンの基礎分泌を補い、空腹時血糖の上昇を抑制します。 注射してから効果が出るまでの時間は1~3時間で、インスリンの作用が持続する時間は18~24時間です。   <混合型インスリン製剤> 混合型インスリン製剤は、超速効型や速効型インスリンと中間型インスリンを、いろいろな割合であらかじめ混合したインスリン製剤です。 インスリンの基礎分泌、追加分泌の補填を同時に行えるようにつくられた製剤です。 混合型インスリン製剤の効果の発現は、「超速効型」または「速効型インスリン製剤」「中間型インスリン製剤」のそれぞれの作用時間にみられますが、作用の持続時間は「中間型インスリン製剤」とほぼ同じになります。   <配合溶解インスリン製剤> 配合溶解インスリン製剤は、超速効型インスリン製剤と持効型溶解インスリン製剤を混ぜてある製剤です。 超速効型インスリンと持効型溶解インスリンのそれぞれの作用発現時間に効果が発現します。 なお、混合型インスリン製剤の作用時間は「持効型溶解インスリン」とほぼ同じになります。   <持効型溶解インスリン製剤> 持効型溶解インスリン製剤は、健康な人の生理的インスリン基礎分泌パターンに近づけるために、基礎分泌を補うことを目的につくられたインスリン製剤です。 不足しているインスリンの基礎分泌を補い、空腹時血糖の上昇を抑制して、1日中の血糖値を全体的に下げる働きがあります。 インスリンの作用が持続する時間はほぼ1日で、注射してから効果が出るまでの時間は1~2時間です。   糖尿病の薬物療法で気をつけること 糖尿病の薬物療法では、以下の点に注意してください。 【薬による糖尿病治療の注意点1】食事療法・運動療法をやめてしまう 経口血糖降下薬による治療を始めると、血糖コントロールの改善が認められ、食事療法・運動療法をやめてしまう患者さんがいらっしゃいます。 糖尿病の治療の基本は、食事療法・運動療法です。 薬物療法を開始しても、この二つは変わりません。食事療法・運動療法を継続することで体重の増加を防げます。 またお薬の量を抑えることもできますので、無理のない範囲で継続してください。   【薬による糖尿病治療の注意点2】副作用(副反応) 残念ながら、インスリンには副作用(副反応)があります。 インスリン療法における主な副作用(副反応)は、「低血糖症状」です。 インスリンには、血糖値を下げ、良好な血糖コントロールが期待できる分、その裏返しで「低血糖症状」という副作用があります。 低血糖症状は、インスリン療法に限らず、糖尿病の治療に用いられる飲み薬全般でも起こりうる副作用です。 そのため、低血糖症状に対する適切な処置方法を把握し、血糖の自己測定などで自身を管理することが大切になってきます。   まとめ 糖尿病になっても、初期段階では自覚症状がありません。 そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。 健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。 なお、糖尿病の治療薬は、患者さんの病状や合併症の有無、生活習慣などを考慮してから適したものを選びます。 糖尿病の治療薬についてご相談したい方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。   当日の順番予約はこちらから

2023.01.23

糖尿病・代謝内科

糖尿病治療法の一つ、インスリン療法を解説

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、糖尿病の代表的な治療法である「インスリン療法」について解説していきます。 後半部分では「インスリン療法のメリット・デメリット」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 インスリンとは何か インスリン療法とは インスリン療法のしくみ インスリン注射を行う前に血糖自己測定 インスリン療法の具体的な手法 インスリン療法のメリット インスリン療法のデメリット インスリン注射はほとんど痛くありません インスリン療法は早期に始めることが効果的です インスリン療法についてご相談したい方はいつでもご相談下さい   インスリンとは何か インスリンとは、膵臓から分泌されるホルモンの一種です。 糖の代謝を調節し、血糖値を一定に保つ働きを持っております。 なお、インスリンの働きが悪くなったり分泌される量が少なくなったりすることで、血糖値が高い状態が続いてしまうのが「糖尿病」です。 糖尿病について詳しく知りたい方は「糖尿病情報センター」をご覧ください。   インスリン療法とは インスリン療法とは、患者さん自身がインスリン製剤を継続的に投与して血糖をコントロールする治療法のことです。 インスリン製剤を投与する方法として、「頻回インスリン注射療法」と「持続皮下インスリン注入療法」があります。 頻回インスリン注射療法は、一般的にペン型の注射器を用いて1日に数回インスリン注射を行う方法です。お腹、太もも、上腕、お尻に注射することが推奨されています(これらの部位を少しずつ、ずらしながら注射します)。 一方、持続皮下インスリン注入療法は、携帯型のインスリンポンプを使用して皮下に留置した挿入した「カニューレ」からインスリンを持続的に注入する方法です。 インスリンの注入量や注入速度を細かく調整できるため、頻回インスリン注射療法で血糖コントロールが困難な人や低血糖を頻発する人、食事や勤務時間が不規則な人、妊娠中あるいは妊娠の予定がある人などに向いています。 なお、インスリン療法については「インスリンとは?特徴・種類・注意点」でも同様のことを伝えています。   インスリン療法のしくみ インスリンの自己注射を行うのは「1型糖尿病」の方、または「2型糖尿病」のうち内服治療が難しい方です。 不足したインスリンを注射で補うことで、健康な人のインスリン分泌に近づけます。 なおインスリンの自己注射では、効果が長時間持続するインスリン製剤を1日に1,2回と、即効性のあるものを毎食前に打つなどして、この2つの分泌を再現します(どのインスリン製剤を使うか、どのタイミングで注射するかは体格や生活様式などに合わせて調整します)。   インスリン注射を行う前に血糖自己測定 インスリン注射を行う前に、自分で血糖値を測定する「血糖自己測定」を行うことがあります。 なぜなら日々の血糖値を記録することで、血糖コントロールを良好に行えるからです。 また直前に測定することで、「血糖値が低いにも関わらず自己注射を行い、さらに低血糖になる」といったことを防ぐことができます。 血糖自己測定の方法は以下の通りです。   ⑴    血糖測定器、測定用チップ、消毒用アルコール綿、穿刺器、穿刺針、自己管理ノート、針捨て容器を準備し、手を洗ってください。 ⑵    血糖測定器に測定用チップを、穿刺器に針をセットします。 ⑶    指先などを消毒します。そして針を消毒した場所に押し当て、穿刺器のボタンを押して針を刺してください。 ⑷    血液を測定用チップに染み込ませて、血糖値を測定します。 ⑸    残った血液を拭き取り、血糖値を自己管理ノートに記録してください。   インスリン療法の具体的な手法 インスリン注射の具体的な方法は以下の通りです。 ⑴    注入器、製剤カートリッジ、消毒綿など必要な物品を準備します。インスリン製剤が混濁している場合は均一になるようにカートリッジを振ってください。 ⑵    インスリン製剤に注射針をセットします(針が曲がらないように真っすぐ刺してください)。 ⑶    インスリン製剤の空打ちをして針先まで薬液を満たします。 ⑷    ダイヤルを回転させて注射する単位数を医師の指示した値にセットしてください。 ⑸    注射する部位を消毒します。そして皮膚を軽くつまんで直角に注射針を刺してください。 ⑹    ダイヤルが0になるまで、しっかりと薬液を注入します。そして10秒程度数え、注入ボタンを押したままで針を抜きます。 ⑺    針はキャップをかぶせてから取り外します。なお、針は1回きりの使用になりますので、ご注意ください。 ※インスリン注射をする場所はお腹、太もも、おしり、腕です。   それぞれ薬の吸収速度が異なるため、注射部位を医師から指示される場合があります。 また、同じところに針を刺し続けると皮膚が硬くなり、痛みの原因になったり、薬の効きが悪くなります。 ですので毎回2〜3cmずらすようにしてください。 「糖尿病のインスリン注射器の使い方と副作用の対処法」でも同様のことを伝えています。   インスリン療法のメリット インスリンを体外から補充することによって、無理にインスリンを出そうとする膵臓の働きすぎを防ぎ、疲れた膵臓を一時的に休めることができます。 インスリン治療によって膵臓の働きが回復したら、インスリン注射の回数を減らせたり、経口血糖降下薬だけの治療に戻せる可能性があります(インスリン療法により、膵臓のインスリン分泌機能が回復することもあります)。   インスリン療法のデメリット 残念ながら、インスリンには副作用があります。インスリン療法における主な副作用は、「低血糖症状」です。インスリンには、血糖値を下げ、良好な血糖コントロールが期待できる分、その裏返しで「低血糖症状」という副作用があります。 低血糖症状は、インスリン療法に限らず、糖尿病の治療に用いられる飲み薬全般でも起こりうる副作用です。 そのため、低血糖症状に対する適切な処置方法を把握し、血糖の自己測定などで自身を管理することが大切になってきます。 インスリン療法における副作用について詳しく知りたい方は「糖尿病ネットワーク」をご覧ください。   インスリン注射はほとんど痛くありません インスリン注射は予防接種や採血などでイメージする注射とは異なり、痛みはそれほどありません。 なぜならインスリン注射で使う専用の注射針は、採血用の注射針とは違い、痛みが少なくなるようデザインされているからです(採血で使う注射針の3分の1ぐらいの細さで針の先も特殊なカットがしてあり、痛みが少ないように工夫されています)。   インスリン療法は早期に始めることが効果的です 上述した通り、インスリンを体外から補充することによって、無理にインスリンを出そうとする膵臓の働きすぎを防ぎ、疲れた膵臓を一時的に休めることができます。 そのため、インスリン療法は早期に始めることが効果的です。近年では、高血糖毒性をとり除くために、早期からインスリン注射薬を使ったり、また比較的軽症の糖尿病にもインスリン注射薬を用いる場合があります。 ですので、主治医にインスリン療法を勧められたら積極的に受け入れるようにしてください。 日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会が発表した「糖尿病標準診療マニュアル」でも、いくつかの経口薬を併用しても血糖コントロールが改善せず,HbA1c 9%以上が持続するなら、インスリン療法を積極的に始める必要があると伝えています。   インスリン療法についてご相談したい方はいつでもご相談下さい 糖尿病になっても、初期段階では自覚症状がありません。 そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。 糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。   当日の順番予約はこちらから

2023.01.21

糖尿病・代謝内科

糖尿病が高める骨粗鬆症のリスクについて

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
骨粗鬆症とは、骨に含まれるカルシウムなどが減り、骨がもろくなる病気です。骨粗鬆症は、がんや脳卒中のように「直接的に生命をおびやかす病気」ではありません。しかし骨粗鬆症による骨折から介護が必要になったり、寝たきりになったりしますので、注意が必要です。 この記事では、「糖尿病と骨粗鬆症の関係」について解説していきます。後半部分では「骨粗鬆症の予防」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 骨粗鬆症とは 骨粗鬆症の症状 糖尿病の方は骨折しやすい なぜ糖尿病が骨粗鬆症リスクを高めるのか 糖尿病患者が骨粗鬆症を予防するために 糖尿病や骨粗鬆症についてご相談したい方はいつでもご相談下さい   骨粗鬆症とは 骨粗鬆症とは、骨に含まれるカルシウムなどが減り、骨がもろくなる病気です。 骨粗しょう症になると、それだけでは痛みなどの症状はないものの、転んだり、尻もちをつくなど、ちょっとしたはずみで骨折を起こしやすくなります。 なお、日本には約1000万人以上の骨粗鬆症患者さんがいると言われており、高齢化に伴ってその数は増加傾向にあります。   骨粗鬆症の症状 骨粗鬆症になっても、基本的に「痛み」は発生しません。 骨粗鬆症は自覚症状が乏しく、「背中が丸くなる」「身長が縮む」といった症状が徐々に起こるため「病気」と気付かないことが多いのです。そして、気付いた時には病状がかなり進行していたということも少なくありません。 なお、骨粗鬆症になると、「軽く転んでしまった」「尻もちをついてしまった」「重い物を持ち上げた」程度で圧迫骨折が起こります。圧迫骨折を起こすと激しい痛みを感じます。 しかし場合によっては、痛みを伴わないこともあり、特に高齢者は痛みに気付きにくいこともあるため注意が必要です。   糖尿病の方は骨折しやすい 骨は毎日新しく作り替えられていますが、糖尿病になると新しい骨を作るのが下手になり、古い骨は「サビつき」が増えます。 そのため、糖尿病患者さんの骨は、「質」が悪くなって折れやすくなるのです(骨質の低下)。 また、糖尿病による神経障害で足底の感覚が鈍かったり、網膜症で視力が低下していたりすると転びやすくなりますので、これも骨折しやすい原因とされています。 糖尿病の方は非糖尿病者と比べて、同じ骨密度であっても骨折する危険性がより一層高くなりますので、十分にご注意ください。   なぜ糖尿病が骨粗鬆症リスクを高めるのか 糖尿病とは、インスリンの作用不足によって慢性高血糖をきたす病気です。 インスリンの役目はブドウ糖の利用を高め、血糖値を下げるだけではありません。 インスリンの作用が低下すると、骨代謝にさまざまな影響を与え、骨量減少が進行します。   【インスリン作用不足の骨代謝への影響1】骨芽細胞の減少 新しい骨を作り出す骨芽細胞にはインスリンを受けとる受容体があり、インスリンには骨芽細胞を増殖させる作用があります。 インスリンが足りないと骨芽細胞は増えず、骨形成が低下します。 実際に糖尿病の方では、検査で骨代謝マーカーである「オステオカルシンの低下」が確認され、低代謝回転の骨量減少が起きています。   【インスリン作用不足の骨代謝への影響2】活性型ビタミンDの不足 カルシウムは単独で食べても体内に取り入れられず、腸から吸収する際には「活性型ビタミンD」が必要です。 活性型ビタミンDは、ビタミンDを材料としてインスリンの働きにより、腎臓で作られています。 インスリンの作用が不足している糖尿病の方では、活性型ビタミンDが足りずに、せっかく食べたカルシウムが腸から吸収されにくくなっています。 また、活性型ビタミンDには、骨芽細胞の働きを高める作用もありますが、高血糖状態ではその作用が低下します。   【インスリン作用不足の骨代謝への影響3】尿中カルシウムやマグネシウムが増加 インスリンの作用不足により高血糖になると、それにつれて尿が多くなります。 結果的に尿とともに排泄されるカルシウムが増え、体内はカルシウム不足になります。 同じ理由でマグネシウムが不足すると、副甲状腺ホルモンの分泌が減って腎臓からカルシウムが排泄されやすくなり、また、骨代謝はさらに低代謝回転になります。   【インスリン作用不足の骨代謝への影響4】コラーゲンの減少 コラーゲンは骨の中にある蛋白成分で、骨の柔軟さを保つ役目を果たしています。 高血糖状態では蛋白質の糖化という現象が起きますが、それによって正常なコラーゲンが減り、骨がもろくなります。   糖尿病患者が骨粗鬆症を予防するために 骨粗鬆症を予防する方法には、カルシウムを多く含んだ食事を摂ることや、適度な運動、日光浴などがあります。 【糖尿病患者が骨粗鬆症を予防するために1】食事 骨に欠かせない栄養といえば、やはりカルシウムです。 しかし、カルシウムだけを摂取していれば骨粗鬆症を予防できるわけではありません。 骨粗鬆症を予防するためには、カルシウムの吸収を助けてくれる「ビタミンD」や、骨を丈夫に保つ働きがある「ビタミンK」なども取り入れたバランス良い食事を心がけることが大切です。 なお、カルシウムは乳製品、大豆製品、緑黄色野菜、海藻、魚、ナッツ類などに多く含まれております。   【糖尿病患者が骨粗鬆症を予防するために2】運動 骨粗鬆症を予防するためには、骨に重力負荷が加わる適度な運動をすることが良いといわれています。 なぜなら運動で骨に力がかかると、骨に弱いマイナスの電気が発生し、カルシウムを呼び寄せるからです。 また運動は骨の血液の流れをよくし、骨をつくる細胞の働きを活発にします。 適度な運動はエネルギーを消費するだけでなく、生活習慣病の改善につながりますので、積極的に行ってください。 ただし、突然激しい運動をするのはかえって危険です。まずは毎日30分程度の散歩や、それに相当する家事や庭仕事をお勧めします。   【糖尿病患者が骨粗鬆症を予防するために3】日光浴 ビタミンDは食事から摂る以外に、太陽光に当たることにより「皮膚」で作られます。 日焼けしない程度に戸外を歩き、適度な日光浴をすると効果的です。   糖尿病や骨粗鬆症についてご相談したい方はいつでもご相談下さい 骨粗鬆症とは、骨の量が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。 ほとんどの場合、自覚症状がないため、進行してから気づくことも珍しくありません。 骨の状態は検査で確認することが可能で、早期に病気を発見できれば、食事、運動などで骨に含まれるカルシウムなどの量を増やしていくことができます。 ですので、骨粗鬆症の症状にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。   当日の順番予約はこちらから

2022.12.15

糖尿病・代謝内科

糖尿病が高める心筋梗塞のリスクとは

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
心筋梗塞は突然起こり、命を奪うこともある恐ろしい病気です。糖尿病の方は、非糖尿病者に比べ、心筋梗塞を発症するリスクが高いと言われています。 この記事では、「心筋梗塞」について解説していきます。後半部分では「心筋梗塞を予防するために必要なこと」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 心筋梗塞とは 心筋梗塞の症状 心筋梗塞の原因 なぜ糖尿病が心筋梗塞のリスクを高めるのか 無痛性心筋梗塞とは 心筋梗塞は再発します 糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと 入浴時の注意 糖尿病や心筋梗塞についてご相談したい方はいつでもご相談下さい   心筋梗塞とは 心筋梗塞とは、心臓に酸素と栄養分を運ぶ冠動脈が詰まって血液が流れなくなり、心筋が死んでしまう病気です。突然死を起こしたり、心臓の機能を著しく落としたりします。心筋梗塞を発症する前には胸痛や圧迫感、背中の痛み、歯の痛みなどの前兆が起こる場合があります。しかし全ての患者さんに前兆が生じるわけではなく、半数程度の方は前兆なしに突然、心筋梗塞に至ると考えられています。   心筋梗塞の症状 心筋梗塞の主な症状は、突然の強い胸痛です。「押しつぶされる」「締め付けられる」「焼けるような」といった強い痛みを生じて、冷や汗、吐き気や嘔吐などを伴うこともあります。そして、その症状が20分から数時間続きます。心筋梗塞は、ニトログリセリンなどの薬は効果が乏しいことが多く、使用しても症状が続きます。ですので、痛みの長さに関わらず、締めつけられるような胸痛が突然起こり、冷や汗や吐き気がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。   心筋梗塞の原因 心筋梗塞の主な原因は動脈硬化です。動脈硬化とは、血管が硬くなって柔軟性が失われている状態です。冠動脈の壁にコレステロールなどが沈着すると、こぶのように盛り上がった「プラーク:粥腫(じゅくしゅ)」ができます。薄い膜で覆われている粥腫は破れやすく、傷付くとその回りに血栓ができ、さらに血栓が大きくなると冠動脈を塞いでしまい血液を堰き止めてしまいます。そのため酸素不足となった心筋細胞が壊死を起こすのです。なお、動脈硬化は、中高年の人に生じる病態と思われがちですが、実は小児期から徐々に進行し、様々な病気の原因となります。そのため、若い頃から動脈硬化の進行を予防することが大切です。   なぜ糖尿病が心筋梗塞のリスクを高めるのか 糖尿病は血糖値が高くなりすぎる病気です。高血糖状態が続くと血液が糖でドロドロになって、血流が悪くなり血管が傷つきやすくなります。この状態が続くと動脈硬化を促し、心筋梗塞の原因となるのです。そのため、糖尿病が心筋梗塞のリスクを高めると言われております。なお、国内外の研究では、糖尿病は動脈硬化性疾患の発症・死亡リスクを2~3倍上げると言われております。「糖尿病ネットワーク」でも同様のことを伝えています。   無痛性心筋梗塞とは 心筋梗塞には、痛みの症状がない無痛性心筋梗塞があります。これは心電図や核医学検査などで心筋梗塞の存在が認められているにもかかわらず、胸痛などの症状が無いものを指します。無痛性心筋梗塞は、糖尿病の方に起こりやすいとされています。なぜなら糖尿病では、合併症の神経障害により痛みを感じないことがあるからです。無痛性心筋虚血は、前兆なく心臓発作を起こして突然死したり、心筋の大部分を壊死させる心筋梗塞を起こしたりしますので、十分にご注意ください。   心筋梗塞は再発します 心筋梗塞を起こしたことがある人は、起こしたことがない人よりも、心筋梗塞を繰り返したり、心臓がだんだん悪くなり命を縮める「心不全」などを起こしたりするリスクが高いことがわかっています。そのため、一度心筋梗塞を起こした人は、さらに注意して再発を予防することが大切です。   糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと 心筋梗塞を繰り返さないためには、心筋梗塞で死亡するリスクを高める「糖尿病」「高血圧」「肥満」などをしっかりとコントロールし、運動、食事、喫煙などの生活習慣を改善する必要があります。心筋梗塞を予防するためにも、まずは生活習慣の改善から行ってください。 【糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと1】禁煙 心筋梗塞の要因となる生活習慣のなかで、極めてリスクが大きいのが喫煙です。喫煙をすると血管に傷ができたり、炎症が促進されるため動脈硬化が進行します。動脈硬化が進むと心筋梗塞は再発しやすくなりますので、ご注意ください。「厚生労働省」も同様のことを伝えています。 【糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと2】お酒はほどほどに 過度な飲酒は動脈硬化に繋がると言われています。また飲酒の際には塩分の高い食事をとりがちです。適量のアルコール摂取に努めてください。 【糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと3】ストレスを溜めない 過度のストレスや緊張状態は血圧を上昇させ、心筋梗塞を引き起こす原因となります。ストレスの上手な解消法を身につけ、リラックスする時間を持つようにしてください。 【糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと4】塩分を控える 食塩は1日8g未満が目標です。高血圧のある方は6g未満と言われています。漬物や梅干し、ラーメンの汁など塩分の高い食品を避けたり、量を少なくするなど工夫してください。 【糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと5】適度な運動 適度な運動はエネルギーを消費するだけでなく、生活習慣病の改善につながります。ウォーキングなどの軽い運動でも十分な効果が得られますので、まずは散歩から始めてください。 【糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと6】水分補給 体内の水分が不足して脱水症状になると血液が凝縮されて血栓ができやすくなり、血管が詰まる可能性が高まります。特に高齢の方は、体に蓄えられる水分量が減っているため普段から不足しがちです。1日に必要な水分量は1.5~2リットルになりますので、意識的に水分を摂取してください。   入浴時の注意 入浴は心筋梗塞の引き金になることがあるため注意が必要です。主な原因としては、入浴にともなう「急激な血圧の変化」や「脱水」などが挙げられます。血圧の変動により血管に負担がかかり、心筋梗塞を引き起こす可能性がありますので、注意してください。なお、入浴の時間は10分を目安とし、湯と温室の温度差を少なくしてください。また冬場は脱衣場にヒーターを置くようにする等の工夫も積極的に行ってください。   糖尿病や心筋梗塞についてご相談したい方はいつでもご相談下さい 糖尿病患者さんが心筋梗塞を繰り返さないためには、「血糖コントロール」が大切です。糖尿病の方は非糖尿病者に比べ、心筋梗塞を起こした後の1年以内の死亡率が高くなっています。また、血糖値がそれほど高くない糖尿病予備軍の人であっても、心筋梗塞を起こすリスクが高まることが知られています。そのため、心筋梗塞の再発を予防するにあたっては、糖尿病の方は「早期から血糖コントロールを行うこと」、糖尿病にかかっていない方では、「予備軍になっていないか検査でチェックしておくこと」が勧められています。「心筋梗塞の症状」や「糖尿病の症状」にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2022.12.15

糖尿病・代謝内科

糖尿病が高める脳梗塞のリスクとは

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
脳梗塞は脳の血管が詰まって、その先に栄養が届かなくなり、脳細胞が死んでしまう病気です。糖尿病の方は、非糖尿病者に比べると「脳梗塞発症リスク」が2〜4倍高いと言われています。 この記事では、「脳梗塞」について解説していきます。後半部分では「脳梗塞の再発率」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 脳梗塞とは 脳梗塞の症状 なぜ糖尿病が脳梗塞リスクを高めるのか 脳梗塞の再発率 糖尿病患者が脳梗塞を予防するために必要なこと 入浴時の注意 糖尿病や脳梗塞についてご相談したい方はいつでもご相談下さい   脳梗塞とは 脳梗塞とは、脳動脈が狭くなったり、塞がってしまったりして、必要な血液を得られない「脳組織細胞」が死んでしまう病気です。呂律が回らない、言葉が出てこない、視野が欠ける、など様々な症状が突然出現し、多くの方が後遺症を残します。そのため、脳梗塞後の後遺症を最小限に食い止めるためにも、少しでも早く体が出すサインを見つけて、早く治療を開始することが大切です。なお、厚生労働省発表の「人口動態統計の概況」では、平成29年「1年間」の死因別死亡総数のうち、脳血管疾患は10万9,880人で全体の8.2%を占めており、内訳をみると、「脳梗塞」が最も多く6万2,122人となっております。   脳梗塞の症状 脳梗塞の主な症状は「言語障害」「感覚障害」「視覚障害」「運動障害」です(これらの症状は複合して現れるケースもあります。もちろん1つだけ発症することもあります)。 【脳梗塞の症状1】言語障害 ・言葉が出てこない ・言葉の意味が分からない ・話し方がぎこちない ・呂律が回らない 【脳梗塞の症状2】感覚障害 ・片側の手足が突然しびれる ・片側の手などの感覚が鈍くなる 【脳梗塞の症状3】視覚障害 ・一瞬ものが見えなくなる ・ものが二重に見える ・視野が狭くなる ・視野が半分欠ける 【脳梗塞の症状4】運動障害 ・食事中に箸や茶碗を落とす ・身体の片側に力が入らない ・傾いてまっすぐ歩けない ・急に片側の手足が動かなくなる ・同じ側の顔に麻痺がある   なぜ糖尿病が脳梗塞リスクを高めるのか 糖尿病は血糖値が高くなりすぎる病気です。血糖値が上がりすぎると、血液がドロドロになるため血管が詰まりやすくなり、「脳梗塞のリスク」が高まることがわかっています。また血糖値が高い状態が続くと、細い動脈だけでなく太い動脈にもダメージを与えます。動脈は心臓から全身に酸素と栄養素を送り込む血管で、動脈硬化が進行すると内壁の弾力性がなくなったり詰まったりして脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こすことがあります。国内外の研究で、糖尿病は動脈硬化性疾患の発症・死亡リスクを2~3倍上げることが知られています。 <動脈硬化とは> 動脈硬化とは、文字どおり動脈が硬くなる状態のことです。動脈硬化は、中高年の人に生じる病態と思われがちですが、実は小児期から徐々に進行し、様々な病気の原因となります。そのため、若い頃から動脈硬化の進行を予防することが大切です。動脈硬化は、糖尿病、高血圧、脂質異常などの生活習慣病によって進みますので、十分にご注意ください。   脳梗塞の再発率 一度脳梗塞を起こした患者さんは再発しやすく、発症後1年で10%、5年で35%、10年で50%の人が再発すると言われています。また糖尿病があると、血管を傷めるため、さらに脳梗塞の再発率が高くなると言われています。脳梗塞の再発を予防するには、まず生活改善を行うことが大切です。医師や栄養士などの指導の下、規則正しい生活を送ってください。なお、合併症予防のためにはヘモグロビンA1c値7.0%未満、空腹時血糖値130m/dL未満、随時血糖値180mg/dL未満にするのが良いとされています。   糖尿病患者が脳梗塞を予防するために必要なこと 脳梗塞を引き起こす主な原因は動脈硬化です。その動脈硬化を招く要因としては、高血圧症、高脂血症、糖尿病、喫煙などが挙げられます。つまり、脳梗塞は生活習慣病が要因となっているのです。脳梗塞を予防するためにも、まずは生活習慣の改善から行ってください。 【糖尿病患者が脳梗塞を予防するために必要なこと1】塩分を控える 食塩は1日8g未満が目標です。高血圧のある方は6g未満と言われています。漬物や梅干し、ラーメンの汁など塩分の高い食品を避けたり、量を少なくするなど工夫してください。 【糖尿病患者が脳梗塞を予防するために必要なこと2】禁煙 脳梗塞の要因となる生活習慣のなかで、極めてリスクが大きいのが喫煙です。喫煙をすると血管に傷ができたり、炎症が促進されるため動脈硬化が進行します。動脈硬化が進むと脳梗塞は再発しやすくなりますので、ご注意ください。 【糖尿病患者が脳梗塞を予防するために必要なこと3】お酒はほどほどに 過度な飲酒は動脈硬化に繋がると言われています。また飲酒の際には塩分の高い食事をとりがちです。適量のアルコール摂取に努めてください。 【糖尿病患者が脳梗塞を予防するために必要なこと4】適度な運動 適度な運動はエネルギーを消費するだけでなく、生活習慣病の改善につながります。ウォーキングなどの軽い運動でも十分な効果が得られますので、まずは散歩から始めてください。 【糖尿病患者が脳梗塞を予防するために必要なこと5】水分補給 体内の水分が不足して脱水症状になると血液が凝縮されて血栓ができやすくなり、血管が詰まる可能性が高まります。特に高齢の方は、体に蓄えられる水分量が減っているため普段から不足しがちです。1日に必要な水分量は1.5~2リットルになりますので、意識的に水分を摂取してください。   入浴時の注意 入浴は脳梗塞の引き金になることがあるため注意が必要です。主な原因としては、入浴にともなう「急激な血圧の変化」や「脱水」などが挙げられます。血圧の変動により血管に負担がかかり、脳梗塞を引き起こす可能性がありますので、注意してください。なお、入浴の時間は10分を目安とし、湯と温室の温度差を少なくしてください。また冬場は脱衣場にヒーターを置くようにする等の工夫も積極的に行ってください。   糖尿病や脳梗塞についてご相談したい方はいつでもご相談下さい 脳梗塞は治療が早いほど、脳を救える可能性が高くなります。血栓を効果的に溶かす薬が登場してから、特に早期治療の重要性が高まっています。ですので、深刻な後遺症を残さないためにも、「おかしい」と思ったらすぐに受診してください。「脳梗塞の症状」や「糖尿病の症状」にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2022.12.14

糖尿病・代謝内科

糖尿病と歯周病の関係

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
歯周病は細菌感染による慢性の炎症です。歯周病が進行すれば膿が出たり、歯がグラグラして抜けてしまうことはよく知られていますが、近年では口の中だけに留まらず、様々な生活習慣病と関係があることがわかってきております。その一つが糖尿病です。 この記事では、「糖尿病と歯周病の関係」について解説していきます。後半部分では「糖尿病患者の歯周病治療」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 歯周病とは 糖尿病患者は歯周病になりやすい 糖尿病と歯周病がそれぞれに及ぼすリスク 糖尿病患者の歯周病治療 歯周病治療で血糖値が下がります 歯周病予防のために必要なこと 糖尿病患者で歯周病が不安な方はご相談ください   歯周病とは 歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯の周りの歯茎(歯肉)や、歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。炎症が歯茎に限定されているときは歯肉炎、それ以上に進行すると歯周炎(歯槽膿漏)と呼ばれます。歯周病は自覚症状に乏しいため、気がつかないうちに進行します。そして、さらに進行すると膿が出たり歯が動揺してきて、最後には歯を抜かなければならなくなってしまいます。このようなことから歯周病は、初期の段階でしっかりケアすることが何より大切だと言えます。   糖尿病患者は歯周病になりやすい 糖尿病を持つ人は、歯周病になりやすいことが知られています。また糖尿病のコントロールがよくない場合や罹病期間が長い場合には、歯周病の進行が速く、早期に重症化しやすいと言われています。これには「歯周病細菌が糖分を好むため、唾液中の糖によって増殖しやすいこと」「免疫力の低下」「唾液量の低下」「血液の循環が悪いこと」、さらに「歯肉の血管がもろくなり傷が治りにくいこと」など、様々な理由が関係しています。   糖尿病と歯周病がそれぞれに及ぼすリスク 近年、歯周病は「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」「糖尿病神経障害」などと並び、糖尿病の合併症の一つに数えられています。糖尿病は、血糖をコントロールするインスリンが不足したり、うまく作用しないために、血液中に糖分があふれてしまう病気です。歯周病により、炎症を引き起こすサイトカイン(細胞から分泌される生理活性物質の総称)の一種であるTNF-αという物質が作られ、血液中を巡りだすと、さらにインスリンの働きが低下します。その結果、高血糖が続いて糖尿病が悪化してしまいます。また、歯周病で歯を失ってしまうと、食べ物をよくかむことができなくなり、軟らかい物ばかりを食べてしまうなど、食生活の偏りを招き、糖尿病の要因となります。このように糖尿病が歯周病を悪化させ、歯周病が悪化すると糖尿病をさらに悪化させるという悪循環が起こります。そして糖尿病が悪化すると、歯周病以外の深刻な合併症を引き起こすリスクが高まることにつながってしまうのです。   糖尿病患者の歯周病治療 歯周病の治療は、早期発見、早期治療が重要です。炎症がまだ歯肉にとどまっている歯肉炎であれば、ほとんどの場合に正しい歯磨きや歯石除去で治ります。正しい歯の磨き方をぜひ歯科医にご相談ください。なお、炎症が歯肉を通り越して歯槽骨や歯根膜まで及んでいる歯周炎であれば、歯周ポケットの深部まで徹底的に感染源を除去するなど、専門的な治療が必要となります。歯周病の進行の程度によっては外科的な処置をすることもありますので、歯周病専門医や、日本糖尿病協会の歯科医師登録医に受診することをお勧めします。   歯周病治療で血糖値が下がります 歯周病の治療をすると「血糖コントロールが改善する」という研究成果が数多く報告されています。ここで言う「歯周病治療」とは、患者さん自身のブラッシングによるプラークコントロールをしっかり行い、歯科医院で炎症の原因となっている歯石を確実に取り除くことです。歯肉の炎症をコントロールできればインスリン抵抗性が改善し、血糖コントロールも改善するということが、日本での研究を含めた多くの臨床研究で報告されています。「糖尿病ネットワーク」でも同様のことを伝えています。   歯周病予防のために必要なこと 歯周病は感染症であるとともに、生活習慣が発症のきっかけになることから「生活習慣病」とも言われています。そのため、「正しい歯磨き」や「歯石除去」だけでなく、規則正しい生活リズムを心掛け、適切な食生活を送る必要があります。また、歯周病を防ぐには、毎日のブラッシングによるお家でのケアとともに、定期的な検診や歯石除去などの、専門家によるケアが必要です。ぜひ定期的な検診や予防処置を受けるよう心掛けてください。なお、歯磨きだけでは取り除くことができない歯石については、歯科医院でスケーリングやルートプレーニングという歯周病の治療があります。スケーリングとは、スケーラーという器具を用いて歯にこびりついた歯石を除去する歯周病の治療法です。ルートプレーニングとは、キュレットという器具を用いて歯茎の内部に入り込んだ歯石を除去する歯周病の治療法です。詳しくは「日本歯周病学会のホームページ」に記載していますので、ぜひご覧ください。   糖尿病患者で歯周病が不安な方はご相談ください 歯周病と糖尿病は、どちらも好ましくない生活習慣によって発症する生活習慣病であり、どちらも自覚症状がないまま進行します。そのため定期的な「歯科検診」や「健康診断」が大切です。どちらかの病気が見つかったら進行を止める治療をするとともに、歯周病なら糖尿病、糖尿病なら歯周病の「発症」や「兆候」がないか、こまめに確認するようにしてください。歯周病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2022.12.12