板谷内科クリニックブログ

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糖尿病・代謝内科

糖尿病が高める骨粗鬆症のリスクについて

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
骨粗鬆症とは、骨に含まれるカルシウムなどが減り、骨がもろくなる病気です。骨粗鬆症は、がんや脳卒中のように「直接的に生命をおびやかす病気」ではありません。しかし骨粗鬆症による骨折から介護が必要になったり、寝たきりになったりしますので、注意が必要です。 この記事では、「糖尿病と骨粗鬆症の関係」について解説していきます。後半部分では「骨粗鬆症の予防」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 骨粗鬆症とは 骨粗鬆症の症状 糖尿病の方は骨折しやすい なぜ糖尿病が骨粗鬆症リスクを高めるのか 糖尿病患者が骨粗鬆症を予防するために 糖尿病や骨粗鬆症についてご相談したい方はいつでもご相談下さい   骨粗鬆症とは 骨粗鬆症とは、骨に含まれるカルシウムなどが減り、骨がもろくなる病気です。 骨粗しょう症になると、それだけでは痛みなどの症状はないものの、転んだり、尻もちをつくなど、ちょっとしたはずみで骨折を起こしやすくなります。 なお、日本には約1000万人以上の骨粗鬆症患者さんがいると言われており、高齢化に伴ってその数は増加傾向にあります。   骨粗鬆症の症状 骨粗鬆症になっても、基本的に「痛み」は発生しません。 骨粗鬆症は自覚症状が乏しく、「背中が丸くなる」「身長が縮む」といった症状が徐々に起こるため「病気」と気付かないことが多いのです。そして、気付いた時には病状がかなり進行していたということも少なくありません。 なお、骨粗鬆症になると、「軽く転んでしまった」「尻もちをついてしまった」「重い物を持ち上げた」程度で圧迫骨折が起こります。圧迫骨折を起こすと激しい痛みを感じます。 しかし場合によっては、痛みを伴わないこともあり、特に高齢者は痛みに気付きにくいこともあるため注意が必要です。   糖尿病の方は骨折しやすい 骨は毎日新しく作り替えられていますが、糖尿病になると新しい骨を作るのが下手になり、古い骨は「サビつき」が増えます。 そのため、糖尿病患者さんの骨は、「質」が悪くなって折れやすくなるのです(骨質の低下)。 また、糖尿病による神経障害で足底の感覚が鈍かったり、網膜症で視力が低下していたりすると転びやすくなりますので、これも骨折しやすい原因とされています。 糖尿病の方は非糖尿病者と比べて、同じ骨密度であっても骨折する危険性がより一層高くなりますので、十分にご注意ください。   なぜ糖尿病が骨粗鬆症リスクを高めるのか 糖尿病とは、インスリンの作用不足によって慢性高血糖をきたす病気です。 インスリンの役目はブドウ糖の利用を高め、血糖値を下げるだけではありません。 インスリンの作用が低下すると、骨代謝にさまざまな影響を与え、骨量減少が進行します。   【インスリン作用不足の骨代謝への影響1】骨芽細胞の減少 新しい骨を作り出す骨芽細胞にはインスリンを受けとる受容体があり、インスリンには骨芽細胞を増殖させる作用があります。 インスリンが足りないと骨芽細胞は増えず、骨形成が低下します。 実際に糖尿病の方では、検査で骨代謝マーカーである「オステオカルシンの低下」が確認され、低代謝回転の骨量減少が起きています。   【インスリン作用不足の骨代謝への影響2】活性型ビタミンDの不足 カルシウムは単独で食べても体内に取り入れられず、腸から吸収する際には「活性型ビタミンD」が必要です。 活性型ビタミンDは、ビタミンDを材料としてインスリンの働きにより、腎臓で作られています。 インスリンの作用が不足している糖尿病の方では、活性型ビタミンDが足りずに、せっかく食べたカルシウムが腸から吸収されにくくなっています。 また、活性型ビタミンDには、骨芽細胞の働きを高める作用もありますが、高血糖状態ではその作用が低下します。   【インスリン作用不足の骨代謝への影響3】尿中カルシウムやマグネシウムが増加 インスリンの作用不足により高血糖になると、それにつれて尿が多くなります。 結果的に尿とともに排泄されるカルシウムが増え、体内はカルシウム不足になります。 同じ理由でマグネシウムが不足すると、副甲状腺ホルモンの分泌が減って腎臓からカルシウムが排泄されやすくなり、また、骨代謝はさらに低代謝回転になります。   【インスリン作用不足の骨代謝への影響4】コラーゲンの減少 コラーゲンは骨の中にある蛋白成分で、骨の柔軟さを保つ役目を果たしています。 高血糖状態では蛋白質の糖化という現象が起きますが、それによって正常なコラーゲンが減り、骨がもろくなります。   糖尿病患者が骨粗鬆症を予防するために 骨粗鬆症を予防する方法には、カルシウムを多く含んだ食事を摂ることや、適度な運動、日光浴などがあります。 【糖尿病患者が骨粗鬆症を予防するために1】食事 骨に欠かせない栄養といえば、やはりカルシウムです。 しかし、カルシウムだけを摂取していれば骨粗鬆症を予防できるわけではありません。 骨粗鬆症を予防するためには、カルシウムの吸収を助けてくれる「ビタミンD」や、骨を丈夫に保つ働きがある「ビタミンK」なども取り入れたバランス良い食事を心がけることが大切です。 なお、カルシウムは乳製品、大豆製品、緑黄色野菜、海藻、魚、ナッツ類などに多く含まれております。   【糖尿病患者が骨粗鬆症を予防するために2】運動 骨粗鬆症を予防するためには、骨に重力負荷が加わる適度な運動をすることが良いといわれています。 なぜなら運動で骨に力がかかると、骨に弱いマイナスの電気が発生し、カルシウムを呼び寄せるからです。 また運動は骨の血液の流れをよくし、骨をつくる細胞の働きを活発にします。 適度な運動はエネルギーを消費するだけでなく、生活習慣病の改善につながりますので、積極的に行ってください。 ただし、突然激しい運動をするのはかえって危険です。まずは毎日30分程度の散歩や、それに相当する家事や庭仕事をお勧めします。   【糖尿病患者が骨粗鬆症を予防するために3】日光浴 ビタミンDは食事から摂る以外に、太陽光に当たることにより「皮膚」で作られます。 日焼けしない程度に戸外を歩き、適度な日光浴をすると効果的です。   糖尿病や骨粗鬆症についてご相談したい方はいつでもご相談下さい 骨粗鬆症とは、骨の量が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。 ほとんどの場合、自覚症状がないため、進行してから気づくことも珍しくありません。 骨の状態は検査で確認することが可能で、早期に病気を発見できれば、食事、運動などで骨に含まれるカルシウムなどの量を増やしていくことができます。 ですので、骨粗鬆症の症状にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。   当日の順番予約はこちらから

2022.12.15

糖尿病・代謝内科

糖尿病が高める心筋梗塞のリスクとは

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
心筋梗塞は突然起こり、命を奪うこともある恐ろしい病気です。糖尿病の方は、非糖尿病者に比べ、心筋梗塞を発症するリスクが高いと言われています。 この記事では、「心筋梗塞」について解説していきます。後半部分では「心筋梗塞を予防するために必要なこと」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 心筋梗塞とは 心筋梗塞の症状 心筋梗塞の原因 なぜ糖尿病が心筋梗塞のリスクを高めるのか 無痛性心筋梗塞とは 心筋梗塞は再発します 糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと 入浴時の注意 糖尿病や心筋梗塞についてご相談したい方はいつでもご相談下さい   心筋梗塞とは 心筋梗塞とは、心臓に酸素と栄養分を運ぶ冠動脈が詰まって血液が流れなくなり、心筋が死んでしまう病気です。突然死を起こしたり、心臓の機能を著しく落としたりします。心筋梗塞を発症する前には胸痛や圧迫感、背中の痛み、歯の痛みなどの前兆が起こる場合があります。しかし全ての患者さんに前兆が生じるわけではなく、半数程度の方は前兆なしに突然、心筋梗塞に至ると考えられています。   心筋梗塞の症状 心筋梗塞の主な症状は、突然の強い胸痛です。「押しつぶされる」「締め付けられる」「焼けるような」といった強い痛みを生じて、冷や汗、吐き気や嘔吐などを伴うこともあります。そして、その症状が20分から数時間続きます。心筋梗塞は、ニトログリセリンなどの薬は効果が乏しいことが多く、使用しても症状が続きます。ですので、痛みの長さに関わらず、締めつけられるような胸痛が突然起こり、冷や汗や吐き気がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。   心筋梗塞の原因 心筋梗塞の主な原因は動脈硬化です。動脈硬化とは、血管が硬くなって柔軟性が失われている状態です。冠動脈の壁にコレステロールなどが沈着すると、こぶのように盛り上がった「プラーク:粥腫(じゅくしゅ)」ができます。薄い膜で覆われている粥腫は破れやすく、傷付くとその回りに血栓ができ、さらに血栓が大きくなると冠動脈を塞いでしまい血液を堰き止めてしまいます。そのため酸素不足となった心筋細胞が壊死を起こすのです。なお、動脈硬化は、中高年の人に生じる病態と思われがちですが、実は小児期から徐々に進行し、様々な病気の原因となります。そのため、若い頃から動脈硬化の進行を予防することが大切です。   なぜ糖尿病が心筋梗塞のリスクを高めるのか 糖尿病は血糖値が高くなりすぎる病気です。高血糖状態が続くと血液が糖でドロドロになって、血流が悪くなり血管が傷つきやすくなります。この状態が続くと動脈硬化を促し、心筋梗塞の原因となるのです。そのため、糖尿病が心筋梗塞のリスクを高めると言われております。なお、国内外の研究では、糖尿病は動脈硬化性疾患の発症・死亡リスクを2~3倍上げると言われております。「糖尿病ネットワーク」でも同様のことを伝えています。   無痛性心筋梗塞とは 心筋梗塞には、痛みの症状がない無痛性心筋梗塞があります。これは心電図や核医学検査などで心筋梗塞の存在が認められているにもかかわらず、胸痛などの症状が無いものを指します。無痛性心筋梗塞は、糖尿病の方に起こりやすいとされています。なぜなら糖尿病では、合併症の神経障害により痛みを感じないことがあるからです。無痛性心筋虚血は、前兆なく心臓発作を起こして突然死したり、心筋の大部分を壊死させる心筋梗塞を起こしたりしますので、十分にご注意ください。   心筋梗塞は再発します 心筋梗塞を起こしたことがある人は、起こしたことがない人よりも、心筋梗塞を繰り返したり、心臓がだんだん悪くなり命を縮める「心不全」などを起こしたりするリスクが高いことがわかっています。そのため、一度心筋梗塞を起こした人は、さらに注意して再発を予防することが大切です。   糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと 心筋梗塞を繰り返さないためには、心筋梗塞で死亡するリスクを高める「糖尿病」「高血圧」「肥満」などをしっかりとコントロールし、運動、食事、喫煙などの生活習慣を改善する必要があります。心筋梗塞を予防するためにも、まずは生活習慣の改善から行ってください。 【糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと1】禁煙 心筋梗塞の要因となる生活習慣のなかで、極めてリスクが大きいのが喫煙です。喫煙をすると血管に傷ができたり、炎症が促進されるため動脈硬化が進行します。動脈硬化が進むと心筋梗塞は再発しやすくなりますので、ご注意ください。「厚生労働省」も同様のことを伝えています。 【糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと2】お酒はほどほどに 過度な飲酒は動脈硬化に繋がると言われています。また飲酒の際には塩分の高い食事をとりがちです。適量のアルコール摂取に努めてください。 【糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと3】ストレスを溜めない 過度のストレスや緊張状態は血圧を上昇させ、心筋梗塞を引き起こす原因となります。ストレスの上手な解消法を身につけ、リラックスする時間を持つようにしてください。 【糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと4】塩分を控える 食塩は1日8g未満が目標です。高血圧のある方は6g未満と言われています。漬物や梅干し、ラーメンの汁など塩分の高い食品を避けたり、量を少なくするなど工夫してください。 【糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと5】適度な運動 適度な運動はエネルギーを消費するだけでなく、生活習慣病の改善につながります。ウォーキングなどの軽い運動でも十分な効果が得られますので、まずは散歩から始めてください。 【糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと6】水分補給 体内の水分が不足して脱水症状になると血液が凝縮されて血栓ができやすくなり、血管が詰まる可能性が高まります。特に高齢の方は、体に蓄えられる水分量が減っているため普段から不足しがちです。1日に必要な水分量は1.5~2リットルになりますので、意識的に水分を摂取してください。   入浴時の注意 入浴は心筋梗塞の引き金になることがあるため注意が必要です。主な原因としては、入浴にともなう「急激な血圧の変化」や「脱水」などが挙げられます。血圧の変動により血管に負担がかかり、心筋梗塞を引き起こす可能性がありますので、注意してください。なお、入浴の時間は10分を目安とし、湯と温室の温度差を少なくしてください。また冬場は脱衣場にヒーターを置くようにする等の工夫も積極的に行ってください。   糖尿病や心筋梗塞についてご相談したい方はいつでもご相談下さい 糖尿病患者さんが心筋梗塞を繰り返さないためには、「血糖コントロール」が大切です。糖尿病の方は非糖尿病者に比べ、心筋梗塞を起こした後の1年以内の死亡率が高くなっています。また、血糖値がそれほど高くない糖尿病予備軍の人であっても、心筋梗塞を起こすリスクが高まることが知られています。そのため、心筋梗塞の再発を予防するにあたっては、糖尿病の方は「早期から血糖コントロールを行うこと」、糖尿病にかかっていない方では、「予備軍になっていないか検査でチェックしておくこと」が勧められています。「心筋梗塞の症状」や「糖尿病の症状」にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2022.12.15

糖尿病・代謝内科

糖尿病が高める脳梗塞のリスクとは

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
脳梗塞は脳の血管が詰まって、その先に栄養が届かなくなり、脳細胞が死んでしまう病気です。糖尿病の方は、非糖尿病者に比べると「脳梗塞発症リスク」が2〜4倍高いと言われています。 この記事では、「脳梗塞」について解説していきます。後半部分では「脳梗塞の再発率」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 脳梗塞とは 脳梗塞の症状 なぜ糖尿病が脳梗塞リスクを高めるのか 脳梗塞の再発率 糖尿病患者が脳梗塞を予防するために必要なこと 入浴時の注意 糖尿病や脳梗塞についてご相談したい方はいつでもご相談下さい   脳梗塞とは 脳梗塞とは、脳動脈が狭くなったり、塞がってしまったりして、必要な血液を得られない「脳組織細胞」が死んでしまう病気です。呂律が回らない、言葉が出てこない、視野が欠ける、など様々な症状が突然出現し、多くの方が後遺症を残します。そのため、脳梗塞後の後遺症を最小限に食い止めるためにも、少しでも早く体が出すサインを見つけて、早く治療を開始することが大切です。なお、厚生労働省発表の「人口動態統計の概況」では、平成29年「1年間」の死因別死亡総数のうち、脳血管疾患は10万9,880人で全体の8.2%を占めており、内訳をみると、「脳梗塞」が最も多く6万2,122人となっております。   脳梗塞の症状 脳梗塞の主な症状は「言語障害」「感覚障害」「視覚障害」「運動障害」です(これらの症状は複合して現れるケースもあります。もちろん1つだけ発症することもあります)。 【脳梗塞の症状1】言語障害 ・言葉が出てこない ・言葉の意味が分からない ・話し方がぎこちない ・呂律が回らない 【脳梗塞の症状2】感覚障害 ・片側の手足が突然しびれる ・片側の手などの感覚が鈍くなる 【脳梗塞の症状3】視覚障害 ・一瞬ものが見えなくなる ・ものが二重に見える ・視野が狭くなる ・視野が半分欠ける 【脳梗塞の症状4】運動障害 ・食事中に箸や茶碗を落とす ・身体の片側に力が入らない ・傾いてまっすぐ歩けない ・急に片側の手足が動かなくなる ・同じ側の顔に麻痺がある   なぜ糖尿病が脳梗塞リスクを高めるのか 糖尿病は血糖値が高くなりすぎる病気です。血糖値が上がりすぎると、血液がドロドロになるため血管が詰まりやすくなり、「脳梗塞のリスク」が高まることがわかっています。また血糖値が高い状態が続くと、細い動脈だけでなく太い動脈にもダメージを与えます。動脈は心臓から全身に酸素と栄養素を送り込む血管で、動脈硬化が進行すると内壁の弾力性がなくなったり詰まったりして脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こすことがあります。国内外の研究で、糖尿病は動脈硬化性疾患の発症・死亡リスクを2~3倍上げることが知られています。 <動脈硬化とは> 動脈硬化とは、文字どおり動脈が硬くなる状態のことです。動脈硬化は、中高年の人に生じる病態と思われがちですが、実は小児期から徐々に進行し、様々な病気の原因となります。そのため、若い頃から動脈硬化の進行を予防することが大切です。動脈硬化は、糖尿病、高血圧、脂質異常などの生活習慣病によって進みますので、十分にご注意ください。   脳梗塞の再発率 一度脳梗塞を起こした患者さんは再発しやすく、発症後1年で10%、5年で35%、10年で50%の人が再発すると言われています。また糖尿病があると、血管を傷めるため、さらに脳梗塞の再発率が高くなると言われています。脳梗塞の再発を予防するには、まず生活改善を行うことが大切です。医師や栄養士などの指導の下、規則正しい生活を送ってください。なお、合併症予防のためにはヘモグロビンA1c値7.0%未満、空腹時血糖値130m/dL未満、随時血糖値180mg/dL未満にするのが良いとされています。   糖尿病患者が脳梗塞を予防するために必要なこと 脳梗塞を引き起こす主な原因は動脈硬化です。その動脈硬化を招く要因としては、高血圧症、高脂血症、糖尿病、喫煙などが挙げられます。つまり、脳梗塞は生活習慣病が要因となっているのです。脳梗塞を予防するためにも、まずは生活習慣の改善から行ってください。 【糖尿病患者が脳梗塞を予防するために必要なこと1】塩分を控える 食塩は1日8g未満が目標です。高血圧のある方は6g未満と言われています。漬物や梅干し、ラーメンの汁など塩分の高い食品を避けたり、量を少なくするなど工夫してください。 【糖尿病患者が脳梗塞を予防するために必要なこと2】禁煙 脳梗塞の要因となる生活習慣のなかで、極めてリスクが大きいのが喫煙です。喫煙をすると血管に傷ができたり、炎症が促進されるため動脈硬化が進行します。動脈硬化が進むと脳梗塞は再発しやすくなりますので、ご注意ください。 【糖尿病患者が脳梗塞を予防するために必要なこと3】お酒はほどほどに 過度な飲酒は動脈硬化に繋がると言われています。また飲酒の際には塩分の高い食事をとりがちです。適量のアルコール摂取に努めてください。 【糖尿病患者が脳梗塞を予防するために必要なこと4】適度な運動 適度な運動はエネルギーを消費するだけでなく、生活習慣病の改善につながります。ウォーキングなどの軽い運動でも十分な効果が得られますので、まずは散歩から始めてください。 【糖尿病患者が脳梗塞を予防するために必要なこと5】水分補給 体内の水分が不足して脱水症状になると血液が凝縮されて血栓ができやすくなり、血管が詰まる可能性が高まります。特に高齢の方は、体に蓄えられる水分量が減っているため普段から不足しがちです。1日に必要な水分量は1.5~2リットルになりますので、意識的に水分を摂取してください。   入浴時の注意 入浴は脳梗塞の引き金になることがあるため注意が必要です。主な原因としては、入浴にともなう「急激な血圧の変化」や「脱水」などが挙げられます。血圧の変動により血管に負担がかかり、脳梗塞を引き起こす可能性がありますので、注意してください。なお、入浴の時間は10分を目安とし、湯と温室の温度差を少なくしてください。また冬場は脱衣場にヒーターを置くようにする等の工夫も積極的に行ってください。   糖尿病や脳梗塞についてご相談したい方はいつでもご相談下さい 脳梗塞は治療が早いほど、脳を救える可能性が高くなります。血栓を効果的に溶かす薬が登場してから、特に早期治療の重要性が高まっています。ですので、深刻な後遺症を残さないためにも、「おかしい」と思ったらすぐに受診してください。「脳梗塞の症状」や「糖尿病の症状」にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2022.12.14

糖尿病・代謝内科

1型糖尿病の原因や治療法について解説します

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
1型糖尿病はインスリンを作る膵臓に異常が起こることで発症する糖尿病で、「インスリン依存型」と呼ばれています。 この記事では、「1型糖尿病」について解説していきます。後半部分では「1型糖尿病の原因」や「治療法」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 1型糖尿病とは 1型糖尿病の症状 1型糖尿病の種類 1型糖尿病の原因 1型糖尿病の主な治療法 1型糖尿病のその他の治療法 1型糖尿病についてご相談したい方はいつでもご相談下さい   1型糖尿病とは 1型糖尿病とは、インスリンを分泌する膵臓の「β細胞:べーたさいぼう」が壊れ、高血糖状態になる病気です。世界的には糖尿病全体の約5%が1型糖尿病と言われています。糖尿病には大きく分けて1型と2型がありますが、1型はβ細胞の破壊によって生じるもので、運動不足や過食などの生活習慣によって起こる「2型糖尿病」とは性質が異なります。2型糖尿病について「糖尿病の方へ」でご説明していますので、ご興味のある方はご覧ください。   1型糖尿病の症状 1型糖尿病の典型的な症状は、口渇、多飲、多尿、体重減少です。インスリンが分泌されないと、血糖の上昇に伴い尿糖が排出され、浸透圧利尿が増えるため、脱水になります。またインスリンの不足はエネルギーの同化(蓄積)が出来なくなり痩せていきます。さらに、インスリンが全くなくなった状態ではケトン体が産生され、ケトーシスやケトアシドーシスという危機的状態となり、昏睡や死に至るケースもあります。ケトーシスやケトアシドーシスについては「日本糖尿病学会のホームページ」をご覧ください。   1型糖尿病の種類 1型糖尿病は、その破壊の進行のスピードによって以下の3タイプに分類されます。 【1型糖尿病の種類】劇症1型糖尿病 劇症1型糖尿病は、1型糖尿病の中で最も急激に発症し、数日間でβ細胞が破壊されてインスリン依存状態になるタイプです。1週間前後以内に糖尿病の急性合併症である「糖尿病ケトアシドーシス」になり危機的な状態に陥ることもあるため、速やかなインスリン投与が必要になります。 【1型糖尿病の種類】急性発症1型糖尿病 急性発症1型糖尿病は、1型糖尿病の中で最も頻度が高いタイプです。β細胞の破壊から数週間、数か月で症状が現れ、インスリン依存状態となります。 【1型糖尿病の種類】緩徐進行1型糖尿病 緩徐進行1型糖尿病は、発症から半年か数年をかけてインスリンの分泌が低下していき、最終的にインスリン依存状態に陥るタイプです。このタイプでは、すぐにインスリン依存状態になりませんが、早期に膵臓を保護する治療を行うことで進行を遅らせることができる場合があるため、早期治療が望まれます。   1型糖尿病の原因 1型糖尿病の原因はまだ不明な点もありますが、主に「自己免疫異常」と「ウイルス感染」が関わっていると考えられています。自己免疫とは、細菌やウイルスなどの外敵から体を守るための防御システムで、何らかの原因によって免疫に異常が生じると、正常な細胞を攻撃してしまいます。β細胞も例外ではなく、免疫異常がβ細胞を破壊することでインスリンの分泌が低下します。ウイルス感染においては、「レトロウイルス」「サイトメガロウイルス」「麻疹ウイルス」などが関連していると言われています。「日本内分泌学会」でも同様のことを伝えています。   1型糖尿病の主な治療法 1型糖尿病の治療はインスリン療法が基本です。 【1型糖尿病の主な治療法】インスリン療法 インスリン療法とは、患者さん自身がインスリン製剤を継続的に投与して血糖をコントロールする治療法のことです。インスリン製剤を投与する方法として、「頻回ひんかいインスリン注射療法」と「持続皮下インスリン注入療法」があります。頻回インスリン注射療法は、一般的にペン型の注射器を用いて1日に数回インスリン注射を行う方法です。お腹、太もも、上腕、お尻に注射することが推奨されています(これらの部位を少しずつ、ずらしながら注射します)。一方、持続皮下インスリン注入療法は、携帯型のインスリンポンプを使用して皮下に留置した挿入した「カニューレ」からインスリンを持続的に注入する方法です。インスリンの注入量や注入速度を細かく調整できるため、頻回インスリン注射療法で血糖コントロールが困難な人や低血糖を頻発する人、食事や勤務時間が不規則な人、妊娠中あるいは妊娠の予定がある人などに向いています。   1型糖尿病のその他の治療法 1型糖尿病の治療には、インスリン療法以外に「経口血糖降下薬による治療」や「移植手術」があります。また1型糖尿病は、生活習慣の乱れを原因としたものではありませんが、2型糖尿病と同様、食事・運動習慣に良くない点があれば、その改善が必要です。 ※経口血糖降下薬とは、血糖値を下げる飲み薬のことです。 【1型糖尿病の治療法】経口血糖降下薬による治療 1型糖尿病に対する主な経口血糖降下薬に「α(アルファ)グルコシダーゼ阻害薬」があります。この薬には食べ物に含まれる糖質の消化・吸収を遅らせ、食後の血糖値の上昇を緩やかにする作用があるため、食後過血糖がある場合に使用されます。 【1型糖尿病の治療法】移植手術 1型糖尿病が重症の場合には、「膵臓移植」や「膵島移植」が適応となる場合があります。ただし、根治を目指せる治療法であるものの、ドナー不足などの問題から日本ではまだあまり行われていません。しかし近年では、IPS細胞などからβ細胞をつくる研究が行われているため、今後はドナーの有無にかかわらず移植できることが期待されています。 【1型糖尿病の治療法】食事療法 食事療法とは、医師や管理栄養士の指示に基づいて献立を組み立て、食事の量や成分を増減させることで病気の改善を目指すものです。「食事療法=カロリー制限」の印象があるかもしれませんが、単に摂取カロリーを制限すればよいというものではなく、必要な栄養素を過不足なく摂取することが原則です。そのため、食品に含まれる栄養素やエネルギー量を知っておくことも大切です。なお、1型糖尿病の方が、血糖値の高くなりやすい食事を摂っていると、インスリンをたくさん打っても「血糖値の下がりが悪くなること」があります。ですので、インスリン療法と食事療法は同時に行ってください。 【1型糖尿病の治療法】運動療法 運動療法とは、運動を行うことで障害や疾患の治療を行う療法です。糖尿病の方に対しては、薬物療法・食事療法と並び、重要性の高い治療方法であると言われています。なお、運動の方法としては有酸素運動が効果的で、ウォーキングや水泳、自転車やラジオ体操などを無理なく続けることが大切です。近年は、短時間高負荷の無酸素運動による筋肉トレーニングの効果も注目されています。   1型糖尿病についてご相談したい方はいつでもご相談下さい 糖尿病になっても、初期段階では自覚症状がありません。そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。1型糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2022.12.13

糖尿病・代謝内科

糖尿病が引き起こす敗血症のリスク

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
敗血症は、あらゆる感染症に続いて起こりうる病態です。敗血症をより早期に察知するためにも、敗血症に関する基本的な知識をもっておく必要があります。 この記事では「敗血症」について解説していきます。後半部分では「敗血症予防のために気をつけること」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 敗血症とは 敗血症の症状 敗血症性ショックとは 敗血症と敗血症性ショックの違い 糖尿病の人はなぜ敗血症にかかりやすいのか 敗血症予防のために気をつけること 敗血症や糖尿病について不安な方はお気軽にご相談ください   敗血症とは 敗血症とは、何らかの細菌やウイルスに感染することによって全身に様々な影響が及び、心臓、肺など体の重要な臓器の機能が障害(臓器不全)される病気のことです。全身性炎症反応症候群(ぜんしんせいえんしょうはんのうしょうこうぐん)とも言います。 敗血症は組織障害や臓器障害をきたすため、敗血症と診断されたら、ただちに治療を開始することが重要です。治療が遅れると、全身のバランスが崩れ、低血圧による意識障害などを引き起こしてショック状態となります。 その結果、多数の臓器に障害が及ぶ「多臓器不全」となります(多臓器不全になると、数時間で死亡してしまう可能性が高くなります)。 敗血症は軽度な感染症から進行することもあるため、特に乳幼児や高齢の方、持病のある方などで発熱などの症状が長引く場合は、できるだけ早く医療機関を受診してください。 「敗血症について解説しているサイト」でも同様のことを伝えています。   敗血症の症状 敗血症では、何か1つの症状が出るというようなことは基本的にありません。 障害が起きている臓器によって、様々な症状が現れるのが特徴です。 初期の主な症状としては、悪寒を感じたり、全身のふるえや発熱、発汗などが見られたりすることが多く、症状が進行してくると、心拍数や呼吸数の増加、血圧低下、排尿困難、意識障害などが生じてきます。 なお、重症化してしまうと、腎不全や肝不全といった臓器不全、敗血性ショックを招き、命を落とす危険が高まります。   敗血症性ショックとは 敗血症性ショックとは、日本救急医学会の定義では「臓器障害または臓器灌流異常をともなう敗血症のうち、適切な輸液負荷を行っても低血圧が持続する状態」とされています。 臓器障害を伴う敗血症は一般に重症敗血症と言われますので、平たく言えば「血圧が下がった重症敗血症」となります。 敗血症性ショックでは、炎症性サイトカインと呼ばれる物質が放出され、人の血管の中の血管内皮細胞と呼ばれる細胞を傷つけます。 その結果、血管内に微小血栓を作り、DIC(播種性血管内凝固症候群)と呼ばれる状態などに落ち入り多臓器障害や多臓器不全を起こすことになります。 敗血症性ショックについて詳しく知りたい方は「敗血症および敗血症性ショックについて解説しているサイト」をご覧ください。   敗血症と敗血症性ショックの違い 敗血症は、 菌血症やほかの感染症に対する重篤な全身性の反応に加え、体の重要な器官の機能不全が起こる病態です。 一方、敗血症性ショックは、敗血症によって生命を脅かす低血圧(ショック)および臓器不全が引き起こされている病態です。 つまり、重症敗血症の病態のなかでショックを呈したものが「敗血症性ショック」になります。 敗血症性ショックは、放置することで命にかかわります。 そのため積極的な治療が必要になります。   糖尿病の人はなぜ敗血症にかかりやすいのか 糖尿病の方は感染症にかかりやすい状態です。 そのため、糖尿病をお持ちの方は敗血症を引き起こしやすいと言われています。 では、なぜ糖尿病をお持ちの方は感染症にかかりやすいのでしょうか。 主な理由は以下の5つです。 【糖尿病の人が感染症にかかりやすい理由1】血流が悪くなる 高血糖では、細い血管の血液の流れが悪くなります。 血液の流れが悪くなると、細胞の働きが低下し、白血球が感染部位に到達しにくくなり、感染しやすくなります。 また感染で受けたダメージの回復にも時間がかかります。   【糖尿病の人が感染症にかかりやすい理由2】免疫機能の低下 白血球の一種である好中球は、体内に入り込んだウイルスや細菌を食べる働きがあります。しかし、高血糖時はこの機能が低下してしまいます。   【糖尿病の人が感染症にかかりやすい理由3】免疫反応の低下 一度感染したことのある病原体には「抗体」が作られるため、次に体内に侵入しても感染しづらくなります。これを「免疫反応」といいます。 高血糖時の時は、この免疫反応が弱くなることがわかっています。   【糖尿病の人が感染症にかかりやすい理由4】神経障害 糖尿病に特有な合併症の一つに神経障害があります。 神経障害があると、内臓の活動が乱れやすく、膀胱炎や胆嚢炎の原因になります。 また、痛みを感じる神経も障害されるので、症状が現れにくく感染症に気づくのが遅れ、その間に病気が進行してしまいます。 糖尿病の神経障害については「糖尿病情報センターのホームページ」をご覧ください。 【糖尿病の人が感染症にかかりやすい理由5】血糖値がいつもより上昇する 細菌類に感染すると、インスリンを効きにくくする物質が多くなり、血糖値はいつもより上昇します。 このことが、糖尿病の状態をより悪くし、感染症をさらに進行させてしまうという悪循環が生まれます。   敗血症予防のために気をつけること 敗血症を予防するには感染症を予防することが大切であり、万が一感染症にかかったとしても悪化させないよう注意することで発症のリスクを下げることができます。そのためにも、日頃から手洗いや手指消毒、マスク着用などの基本的な感染対策をしっかり行い、規則正しい生活を心がけることが最も重要です。また、感染症が悪化して敗血症に進行するのを防ぐには、感染症が疑われる症状がある場合、できるだけ早く医療機関を受診して、適切な治療を受けることが大切です。   敗血症や糖尿病について不安な方はお気軽にご相談ください 上述した通り、敗血症は軽度な感染症から進行することもあるため、できるだけ早く治療することが大切です。持病がある人(糖尿病、呼吸器疾患、心疾患、透析を受けている人など)や免疫抑制剤などを内服している人は、体調が悪い際は我慢せず、早めに受診することをお勧めします。敗血症の症状にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2022.12.11

糖尿病・代謝内科

都賀で妊娠糖尿病にお悩みの方へ

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
妊娠糖尿病とは、妊娠中に血糖値のコントロールが上手くできなくなってしまう“糖代謝異常”を引き起こす病気のことです。 妊娠糖尿病になると血糖値が高くなり過ぎることで、様々な病気を引き起こします。 そのため、妊婦定期健診を指示された予定通りに受け、早期発見することが非常に重要です。 この記事では、「妊娠糖尿病」について解説していきます。 後半部分では「妊娠糖尿病の治療方法」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 妊娠糖尿病とは 妊婦の糖尿病は3種類に分類されます 妊娠糖尿病の症状 妊娠糖尿病の治療方法 妊娠中の運動について 糖尿病ケトアシドーシスについて 妊娠糖尿病になりやすい人の特徴 妊娠糖尿病が不安な方はいつでもご相談ください   妊娠糖尿病とは 妊娠糖尿病とは、妊娠中にはじめて発見された糖代謝異常です(糖代謝異常とは、血液に含まれる糖の量を示す“血糖値”が上がった状態です)。 今まで糖尿病と言われた事がないにもかかわらず、妊娠中に始めて指摘された糖代謝異常で、糖尿病の診断基準をみたさない人を妊娠糖尿病といいます。 具体的には、糖負荷試験をした際に、空腹時血糖92mg/dL以上、1時間値180mg/dL以上、2時間値153mg/dL以上のいずれか1点以上を満たした場合に「妊娠糖尿病」と診断されます。   妊婦の糖尿病は3種類に分類されます 糖代謝異常には、大きく分けて「妊娠糖尿病」「妊娠中の明らかな糖尿病」「糖尿病合併妊娠」の3種類があります。 「妊娠糖尿病」は前述した通り、妊娠中にはじめて発見された糖代謝異常です。 一方、「糖尿病合併妊娠」とは、糖尿病といわれていた方が妊娠した状態です。 そして最後の「妊娠中の明らかな糖尿病」は、妊娠前から“診断されていない糖尿病があったかもしれない”という糖代謝異常などが含まれます。 なお、妊娠前から既に糖尿病と診断されている場合や、妊娠中に「明らかな糖尿病」と診断された場合は、妊娠糖尿病より重度の状態ですので、血糖をより厳密に管理する必要があります。 「日本産婦人科学会」でも同様の見解を述べています。   妊娠糖尿病の症状 妊娠糖尿病の症状はほとんどありません。 気づかずうちに血糖値が高くなっていることがあります。 ですので、妊婦定期健診を指示された予定通りに受け、早期発見することが非常に重要です。 なお、お母さんが高血糖であると、おなかの中の赤ちゃんも高血糖になり、様々な合併症が起こり得ます。 合併症については以下をご覧ください。 <妊娠糖尿病が引き起こす“お母さん”に起こる病気> ・妊娠高血圧症候群 ・流産 ・早産 ・羊水過多 ・膀胱炎、腎盂炎などの感染症 ・血管障害 ・網膜症 ・脱水 ・意識障害 <妊娠糖尿病が引き起こす“赤ちゃん”に起こる病気> ・子宮内胎児脂肪 ・新生児ピルピリン血症 ・新生児低血糖 ・低カルシウム血症 ・呼吸窮迫症候群 ・先天奇形 ・発育遅延 ・心臓の肥大 ・多血症 ・電解質異常 ・黄疸   妊娠糖尿病の治療方法 糖尿病の治療には「食事療法」「運動療法」「薬物治療」の3つの柱があります。 しかし、妊娠中は積極的な運動療法はあまりできないため、まず食事療法を行います。 そして、それでもうまくいかない場合には、インスリン療法に移行します。 【妊娠糖尿病の治療方法1】食事療法 食事療法では、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考えて様々な食品をまんべんなくとることが大切です。 お母さんと赤ちゃんがともに健全に妊娠を継続でき、食後の高血糖を起こさず空腹時のケトン体産生を亢進させないよう配慮してください。 なお、1日3食、規則正しく適正量を食べても食後の血糖値が高い場合は、1日の食事を6回に分けて食べてください(この食事方法を分割食と言います。1回の食事量を減らすことで食後の血糖上昇を抑えます)。 <通常の糖尿病と妊娠糖尿病の食事療法の違いとは?> 通常の糖尿病と妊娠糖尿病の食事療法の違いは目標とする血糖値の範囲になります。妊娠糖尿病の場合、血糖値の目標値が食前100㎎/dl、食後2時間120㎎/dl未満となります。妊娠中は赤ちゃんのために必要なエネルギー、必要な栄養素を摂る必要がありますので、単に食事制限するのではなく、適切な栄養素を含み適切な量をバランスよく摂取しなければなりません。そのため、妊娠糖尿病食は通常の糖尿病食よりも食事量は多くなります。ただし妊娠糖尿病の状態や妊娠の時期によって目標摂取量は変わりますので、十分に注意してください。 【妊娠糖尿病の治療方法2】インスリン療法 食事療法のみでは健康な妊婦さんの“血糖値目標”に達成できないとき、インスリン療法が加わります。経口血糖降下薬は妊婦に使用できないため、強化インスリン療法による厳格な血糖管理が必要です。インスリンの中には妊娠時に使用可能なカテゴリーBとそうでないものがあるので注意してください。インスリンについては「糖尿病情報センターのホームページ」に記載しています。ご興味のある方はご覧ください。   妊娠中の運動について 妊娠中の運動は「血糖コントロールの改善」につながる効果がありますが、妊娠の状況によっては運動をできない場合があります。また不適切な運動は逆効果です。したがって妊娠中の運動は、必ず医師の許可を得て行ってください。   糖尿病ケトアシドーシスについて 妊娠中、母親のからだは血糖を胎児に優先的に送ろうとするので、自分自身のエネルギーを補うため、脂肪を分解して“遊離脂肪酸”を作る働きが普段よりも活発になります。その結果、ケトン体が増えます(ケトン体は、からだの中で脂肪が変化して作られる物質でエネルギー源として利用されています)。このケトン体が多く作られてしまった場合、「糖尿病ケトアシドーシス」という病気の誘因となり、妊娠中はその病気のリスクが高くなります。糖尿病ケトアシドーシス」は糖尿病昏睡の一種であり、糖尿病妊婦さんに起きる最も重篤な合併症です。糖尿病合併妊娠の1.2%に発症すると報告されています。糖尿病ケトアシドーシスについては「糖尿病ネットワーク」に詳しく記載していますので、気になる方はご覧ください。   妊娠糖尿病になりやすい人の特徴 下記の項目に一つでも当てはまる方は「妊娠糖尿病」になりやすいといえます。 ・家族に糖尿病の人がいる ・肥満(BMI 25kg/m2 以上) ・35歳以上の高齢出産である ・巨大児分娩歴がある ・妊娠高血圧症群、既往にある ・羊水過多 ・原因不明の習慣流早産歴がある ・先天奇形児の分娩歴がある ・強度の尿糖陽性もしくは2回以上反復する尿糖陽性   妊娠糖尿病が不安な方はいつでもご相談ください 妊娠糖尿病になっても、症状はほとんどありません。そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。妊娠糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2022.11.27

糖尿病・代謝内科

糖尿病の初期症状が出た方はいつでも当院にご相談ください

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
糖尿病はインスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖が増えてしまう病気です。血糖の濃度が何年間も高いままで放置されると血管が傷つきます。そして将来的に心臓病や、失明、腎不全といった、より重い病気につながります。そのため糖尿病の症状が見られた際には放置せず、速やかに糖尿病専門医による診察を受けることが大切です。 この記事では、「糖尿病の初期症状」について解説していきます。後半部分では「尿に見られる糖尿病の初期症状」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 糖尿病の初期症状の特徴 女性に起こりがちな糖尿病の初期症状 尿に見られる糖尿病の初期症状 糖尿病患者さんの尿の特徴 糖尿病は自覚症状が現れにくい病気です   糖尿病の初期症状の特徴 糖尿病は症状の自覚が難しい病気です。血糖値が少し高い段階では、自覚する症状はほぼありません。しかし高血糖のままある程度の時間が経過すると、次のような症状が現れてきます。 <糖尿病の初期症状> ・立ちくらみ ・全身の倦怠感、疲労感 ・喉が渇いて沢山の水がほしくなる ・手足のしびれ、冷え、むくみ ・皮膚のかゆみ、乾燥 ・目がかすむ ・視力の低下 ・やけどの痛みを感じにくい ・食べているのに痩せる ・残尿感がある ・尿の臭いが気になる     女性に起こりがちな糖尿病の初期症状 糖尿病で出現する症状に男女差はありません。 ただし女性の場合、妊娠中に血糖が上がり、「妊娠糖尿病」と診断される場合があります。妊娠中は胎児へ多くのエネルギーを送るため、胎盤から出されるホルモンでインスリンの働きが抑えられます。 そのため妊娠中の女性は、通常時に比べると血糖値が上がりやすくなり、その中でも血糖のコントロールがうまくいかなくなってしまった方が「妊娠糖尿病」と診断されます。 妊娠糖尿病は、適切な治療を行わないと胎児への影響もありますので、妊婦検診などで指摘された場合は医療機関を受診して治療を行ってください。   当日の順番予約はこちらから   尿に見られる糖尿病の初期症状 糖尿病になると多尿や頻尿になることがあります。 なぜなら、糖尿病になると血液中のブドウ糖の濃度が上昇するため、その濃度を下げようとして身体が水を欲し、たくさん水を飲むようになるからです(多尿とは1日の尿量が3リットル以上のことを言います)。 一般的に糖尿病が進めば進むほど多尿になり、夜中も頻繁にトイレで起きるようになります。   糖尿病患者さんの尿の特徴 糖尿病患者さんの尿には、健康な方の尿と比べて様々な特徴があります。ここでは排尿時の尿の「泡立ち」や「色」について解説していきます。 【糖尿病患者さんの尿の特徴1】尿が泡立つ 糖尿病になると尿が泡立ちやすくなります。尿が泡立つのは尿中に「たんぱく質」や「ブドウ糖」が含まれるためです。腎臓には血液中の老廃物や塩分をろ過する役割がありますので、正常に機能していれば、尿中に「たんぱく質」や「ブドウ糖」が含まれることはありません。しかし糖尿病になると、腎臓のろ過機能がうまく働かなくなるため、「たんぱく質」や「ブドウ糖」が尿中に漏れ出るのです(たんぱく質やブドウ糖が尿中に増えると、尿が粘っこい状態になり、泡立ちやすくなります)。 【糖尿病患者さんの尿の特徴2】尿の色が濁る 糖尿病で腎臓に異常があると、尿が濁ったり、褐色のような濃い色味を帯びたりすることがあります。尿が濁っているのは、たんぱく質が尿中に含まれているからです。一方、尿が褐色を呈するのは、尿に赤血球が含まれるからです。   当日の順番予約はこちらから   糖尿病の初期症状は爪や足にも現れます 糖尿病の患者さんに生じる足のトラブルの総称を「糖尿病足病変(とうにょうびょうあしびょうへん)」と言います。病変には、足に生じる水虫や細菌感染による病変、たこやうおのめ、足の潰瘍や変形などがあります。さらに重症になると壊疽(えそ)という組織が死んでしまった状態になり、最悪の場合は足を切断することもあります。こうした状態になるのを避けるためには、糖尿病自体の治療をしっかり行って血糖を適切な状態に保つことはもちろん、毎日足の状態をよく観察して早く異常を見つけることが大切です。糖尿病の患者さんの足に出る症状については、以下をご覧ください。 <足に出る症状> ・足の先がしびれる ・足の先に痛みがある ・足の先がジンジン(ピリピリ)する ・足の感覚に異常がある(痛みを感じにくい、感覚が鈍いなど) ・足がつる <足の外観に出る変化> ・うおのめ、たこ、まめ、靴ずれがよくできる ・小さな傷でも治らない ・足に感染症がある(水虫など) ・皮膚が赤くなったり、腫れたりしている部分がある ・皮膚が乾燥したり、ひび割れしている部分がある ・爪が変形したり、変色したりしている ・爪が異常に厚くなっている ・爪が白く濁ったり、白い線が入ったりしている ※糖尿病の患者さんの足に出る症状について詳しく知りたい方は「糖尿病患者の足にみられる症状について」をご覧ください。   糖尿病は自覚症状が現れにくい病気です 糖尿病になっても、初期段階では自覚症状がありません。そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。   当日の順番予約はこちらから

2022.11.23

糖尿病・代謝内科

都賀で糖尿病腎症にお悩みの方へ

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
糖尿病腎症とは、糖尿病三大合併症の一つとされている疾患です。糖尿病によって高血糖状態が持続し、腎臓の内部に張り巡らされている細小血管が障害を受けることで発症します。悪化すると腎不全に移行し、腎代替療法(血液透析など)が必要となります。ですので、早期から治療を開始することが何より重要です。 この記事では、糖尿病腎症について解説していきます。後半部分では「糖尿病腎症の治療方法」や「糖尿病腎症を放置するリスク」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 糖尿病腎症とは 糖尿病腎症の症状 糖尿病腎症の治療方法 【糖尿病腎症の治療方法1】食事療法 【糖尿病腎症の治療方法2】運動療法 【糖尿病腎症の治療方法3】血糖コントロール 糖尿病腎症を放置するリスク 糖尿病腎症が不安な方はいつでもご相談ください   糖尿病腎症とは 糖尿病腎症とは、糖尿病の合併症の一つで、上昇した血糖値が腎臓の機能を低下させる疾患です。 腎臓には約100万個の糸球体があり、私たちはその働きによって体内の老廃物を排泄しています。 しかし糖尿病のために血糖値が高い状態が続くと、糸球体のはたらきが低下します。そして本来は老廃物のみを濾過するはずの糸球体が、身体にとって必要なタンパク質なども濾過してしまい、尿にタンパクが出るようになるのです。 また病状が進行すると、糸球体がつぶれて濾過が行なわれなくなり、身体に老廃物や水分がたまってしまいます。 病状がさらに悪化すると、腎不全や尿毒症に陥ります。 こちらは「国立国際医療研究センター」でも同様のことが言われています。   糖尿病腎症の症状 糖尿病腎症の初期症状は微量のタンパクが尿中に排出されるのみで、気づかないことが多いです。 しかし症状が進行すると尿中にたんぱく質が大量に漏出し、浮腫が出現します。 また身体に老廃物がたまり、腎不全や尿毒症の状態になると、食欲の低下や強い疲労感が続くなど、様々な症状が出現し、透析治療が必要になります。   当日の順番予約はこちらから   糖尿病腎症の治療方法 糖尿病腎症では病期に応じた治療が行われます。 腎症の治療で大切なのは、食事療法・運動療法の他、血糖値を下げること、さらに血圧や脂質など他の合併症をきちんとコントロールすることです。 順番にご説明していきます。   【糖尿病腎症の治療方法1】食事療法 食事療法は、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考えて様々な食品をまんべんなくとることが大切です。   食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、朝食、昼食、夕食の3回ゆっくりよくかんで、腹八分目で食べるよう心掛けてください。なお、糖尿病腎症の段階によって食事療法のポイントがあるので、主治医や管理栄養士とよく相談してくださいね。 【糖尿病腎症の治療方法2】運動療法 運動療法は、食事療法と並んで糖尿病治療の基本です。運動療法により血糖コントロール・インスリン抵抗性・脂質代謝の改善が得られ、糖尿病が改善します。 なお、糖尿病を予防するための運動としては「有酸素運動」と「レジスタンス運動」が推奨されております。それぞれの運動については、以下をご覧ください。 <有酸素運動> 有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに、酸素を使う運動のことを指します。ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。 <レジスタンス運動> レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動です。スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操など、標的とする筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います(レジスタンス(Resistance)は和訳で「抵抗」を意味します)。レジスタンス運動は、筋肉量増加・筋力向上・筋持久力向上を促す筋力トレーニングとして高齢者からアスリートまで広く行われています。 【糖尿病腎症の治療方法3】血糖コントロール 経口血糖降下薬、DPP-IV阻害薬、グリニド系薬剤、αグルコシダーゼ阻害薬、SU剤、あるいは注射薬(インスリン、GLP1受容体作動薬)等を用いて血糖をコントロールします。糖尿病腎症が進行し腎機能が低下すると、多くの経口薬は副作用の面から、使用困難になる場合もあるため、インスリン療法への切り替えや併用が必要となる場合があります。 当日の順番予約はこちらから   糖尿病腎症を放置するリスク 糖尿病腎症の治療をしないまま高血糖状態が続くと、腎機能は悪化し続けます。最終的には、尿を作る能力が失われた「腎不全」の状態になります。 最近の報告では、糖尿病腎症が進行し、透析が必要となる患者さんの数が急増しています。ですので、糖尿病腎症を放置しないでください。 糖尿病腎症は早期から治療を開始することが何より重要です。   糖尿病腎症が不安な方はいつでもご相談ください 糖尿病腎症を発症した場合、進行を防ぐためには早期診断が重要です。 自覚症状がない頃から定期的に尿検査を受けることで、尿中に排泄されるタンパク質がごく微量にとどまっている初期の“微量アルブミン尿”の段階で、腎症を診断することができます。 また腎症の診断前から高血糖・高血圧をしっかりと治療しておくことも大切です。 糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。   当日の順番予約はこちらから

2022.11.13

内科

ヒトメタニューモウイルス感染症にご注意ください

内科に関する記事です。
ヒトメタニューモウイルス感染症は呼吸器に炎症を引き起こす病気です。1~3歳の幼児の間で流行することが多いのですが、大人にも感染します。そのため、幼児だけではなく大人も注意が必要な病気だと言えるでしょう。 この記事では、ヒトメタニューモウイルス感染症について解説していきます。後半部分では「ヒトメタニューモウイルス感染症の予防対策」についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 ヒトメタニューモウイルス感染症とは? ヒトメタニューモウイルス感染症の特徴 ヒトメタニューモウイルス感染症の症状 ヒトメタニューモウイルス感染症の原因 ヒトメタニューモウイルス感染症の治療方法 ヒトメタニューモウイルス感染症の予防対策 登校許可証について   ヒトメタニューモウイルス感染症とは? ヒトメタニューモウイルス感染症は呼吸器に炎症を引き起こす病気です。ヒトメタニューモウイルスは一般にあまり聞き慣れないウイルス名だと思いますが、2001年にオランダの研究グループが発見して報告した比較的歴史の浅いウイルスです。ヒトメタニューモウイルスは感染力が非常に強く、くしゃみや咳による飛沫感染や、ウイルスが付いた手や鼻水を拭いたタオルなどによる接触感染で広がります。ですので、普段から「手洗い」「うがい」、保育園や幼稚園で流行している時は「タオルやコップは別々にする」などの対策が必要です。   ヒトメタニューモウイルス感染症の特徴 ヒトメタニューモウイルス感染症は一年中感染する可能性はありますが、中でも3~6月が多く、ほぼ毎年流行がみられます。主に1~3歳の幼児の間で流行し、症状は「インフルエンザのような39度台の高熱が続き、RSウイルス感染症のような喘鳴が認められる」のが特徴です。RSウイルス感染症については「RSウイルス感染症について解説している記事」をご覧ください。   ヒトメタニューモウイルス感染症の症状 ヒトメタニューモウイルス感染症は咳、鼻水、発熱などの症状が主にみられます。症状はRSウイルス感染症と似ています。成人も含めて多くの場合は上気道炎(喉や鼻の風邪)症状のみですが、0~5歳の乳幼児や高齢者に感染すると気管支炎や肺炎を起こしやすいです。重症化すると呼吸困難に陥ることがありますが、命に関わることは極めて稀です。気管支炎と肺炎については下記をご覧ください。 【ヒトメタニューモウイルス感染症の症状1】気管支炎 気管支炎とは、気管支に炎症の中心があって、咳や痰などの呼吸器症状を引きおこす病気の総称です。 急性に起きる気管支炎の大半はウイルスやマイコプラズマなどによる感染症です。一方、慢性の気管支炎とは、数週間から数カ月の間咳や痰などの症状が続く場合を言います。 【ヒトメタニューモウイルス感染症の症状2】肺炎 肺炎とは、肺に炎症を起こす病気のことを指します。この炎症は、細菌やウイルスなどによって起こります(細菌やウイルスは、鼻や口から侵入し、のどを経由して肺の中に入り込みます)。健康な人は、この細菌やウイルスをのどでブロック出来ますが、風邪をひいたり免疫力が落ちている時は細菌やウイルスがのどや気管を通りぬけて肺まで侵入し、炎症を起こします。この状態を肺炎と言います。   ヒトメタニューモウイルス感染症の原因 ヒトメタニューモウイルス感染症の原因は、ヒトメタニューモウイルスに感染することです。このウイルスを保有している人から、飛沫感染・接触感染によって感染します。飛沫感染・接触感染については下記をご覧ください。 【ヒトメタニューモウイルス感染症の原因1】飛沫感染 飛沫感染は感染者の口から出た咳やくしゃみなどで飛び散ったウイルスを吸い込むことで感染します。 【ヒトメタニューモウイルス感染症の原因2】接触感染 接触感染は感染者の咳やくしゃみ、鼻水の飛沫が付いたタオルや食器に触れる事で感染します。   ヒトメタニューモウイルス感染症の治療方法 ヒトメタニューモウイルス感染症に特別な治療法はなく、症状に応じた対症療法(症状を和らげる治療)が行われます。症状が強い時は、咳止め、解熱剤などのお薬を出すことがあります。水分をしっかりととり、温かくして、ゆっくりと休んでくださいね。   ヒトメタニューモウイルス感染症の予防対策 ヒトメタニューモウイルス感染症を予防できるワクチンは現在のところありません。ヒトメタニューモウイルス感染症の予防には手洗いやうがいを徹底して行ってください。以下、主な予防対策です。 【ヒトメタニューモウイルス感染症の予防対策1】手洗い・うがい もっとも重要な予防対策は「手洗い」と「うがい」です。手洗いは石けんと流水でしっかり洗ってください。なお、手指の消毒にはアルコール手指消毒薬を使ってくださいね。 【ヒトメタニューモウイルス感染症の予防対策2】マスクの着用 せきが出ている年長児や成人はできる限り、ヒトメタニューモウイルス感染症の流行時期はもちろんのこと、流行時期でなくてもマスクを着用してください。また新生児、乳児への接触を避けることが感染予防につながります。マスクの着用とあわせてご注意ください。 【ヒトメタニューモウイルス感染症の予防対策3】身の回りの消毒 子供たちが日常的に触れるおもちゃ、手すりなどはこまめに消毒してください。消毒には、アルコール系消毒薬や次亜塩素酸ナトリウムを使うか、熱による消毒を行います。手すりのようなよく手が触れる場所は、アルコール系消毒薬や次亜塩素酸ナトリウムでこまめにふき掃除をしてください。なお、子供たちが日常的に触れるおもちゃはできるだけ個人専用にしてくださいね。   登校許可証について 学校や幼稚園に通っているお子さんが、感染症にかかった場合、感染症が拡がるのを防ぐため、感染の恐れがある間は登校・登園を控えていただく場合があります。ご注意ください。尚その後、感染の恐れがなくなり登校・登園する場合、学校や園によっては「登校許可証」が必要になる場合があります。「登校許可証」をご希望の方は、お気軽にご相談ください。   当日の順番予約はこちらから

2022.09.17

内科

RSウイルス感染症にご注意ください

内科に関する記事です。
RSウイルス感染症は、RSウイルスに感染することによって引き起こされる呼吸器の疾患です。基礎疾患を有する小児や乳児期早期の小児がRSウイルスに初めて感染すると、細気管支炎、肺炎といった重篤な症状を引き起こすことがあります。RSウイルスには子供が主に発症しますが、気づかないうちに大人も感染している可能性があります。ですので、子供だけではなく大人も注意が必要な疾患だと言えるでしょう。 この記事では、RSウイルス感染症について解説していきます。後半部分では「RSウイルス感染症の予防対策」についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 RSウイルス感染症とは? RSウイルス感染症の症状 RSウイルス感染症が引き起こす重篤な合併症 RSウイルス感染症の原因と感染経路 RSウイルス感染症の治療方法 RSウイルス感染症の予防対策   RSウイルス感染症とは? RSウイルス感染症とは、RSウイルスの感染による呼吸器の感染症です。生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の乳幼児が一度感染するとされています。RSウイルス感染症は9月頃から流行し、初春まで続くとされてきましたが、近年では夏季より流行が始まるようになってきています。RSウイルス感染症は非常に感染力が強く、幼稚園や保育園などの施設内感染に注意が必要です。「厚生労働省のホームページ」でも同様の見解を述べています。   RSウイルス感染症の症状 RSウイルス感染症の症状としては、軽い風邪の症状から重い肺炎まで様々です。しかしながら、初めて感染発症した場合は重くなりやすいといわれており、乳期、特に乳児期早期(生後数週間~数カ月間)にRSウイルスに初感染した場合は、細気管支炎、肺炎といった重篤な症状を引き起こすことがあります。そのため、特に乳児期早期(生後数週間~数カ月間)のお子さんがいらっしゃる場合には、感染を避けるための注意が必要です。以下、重症化するリスクの高いお子さんの特徴です。 <重症化するリスクの高いお子さん> ・生後6か月未満の赤ちゃん ・早産・低出生体重の赤ちゃん ・先天性心疾患 ・慢性肺疾患 ・ダウン症 ・免疫不全症など   RSウイルス感染症が引き起こす重篤な合併症 RSウイルス感染症が引き起こす重篤な合併症には、無呼吸発作、急性脳症があります。詳しくは以下をご覧ください。 【RSウイルス感染症が引き起こす重篤な合併症1】無呼吸発作 無呼吸発作は、呼吸の停止が20秒間以上続く、または呼吸の停止が20秒に満たなくても1分間に100以下の徐脈かチアノーゼを起こす病気です。この病気には原発性のものと二次性のものがあります。原発性はもととなる疾患が見られない未熟児に見られ、二次性では中枢神経や呼吸器系、循環器系、消化器系、血液などにもととなる疾患があった上で認められます。 【RSウイルス感染症が引き起こす重篤な合併症2】急性脳症 急性脳症とは、なんらかの病原体に感染した際、身体が病原体に対して反応を起こすことで、脳の急激なむくみが生じ、痙攣発作、意識障害、嘔吐などの症状をきたす病気です。特に痙攣は急性脳症を発症した際の最初の症状であることも多く、痙攣が出現した場合、急性脳症の可能性も考えて診断を進める必要があります。   RSウイルス感染症の原因と感染経路 病原体はRSウイルス(Respiratory syncytial virus)です。患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれるウイルスを吸い込むことによる「飛まつ感染」が主な感染経路ですが、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れることによる「接触感染」もあります。ですので、感染している人との直接の濃厚接触や「間接的な接触感染」にはくれぐれもご注意ください。   RSウイルス感染症の治療方法 RSウイルス感染症に特別な治療法はなく、症状に応じた対症療法(症状を和らげる治療)が行われます。なお、重症化した場合には、酸素投与、補液、呼吸管理が行われます。詳しくは「国立感染症研究所のホームページ」に記載していますので、ご興味のある方はご覧ください。   RSウイルス感染症の予防対策 RSウイルス感染症の感染経路は飛沫感染と接触感染で、発症の中心は0歳児と1歳児です。一方、再感染以降では感冒様症状又は気管支炎症状のみである場合が多いことから、RSウイルス感染症であるとは気付かれてない年長児や成人が存在しています。したがって、咳等の呼吸器症状を認める年長児や成人は、可能な限り0歳児と1歳児との接触を避けることが乳幼児の発症予防に繋がります。また、0歳児と1歳児に日常的に接する人は、RSウイルス感染症の流行時期はもちろんのこと、流行時期でなくても、咳などの呼吸器症状がある場合は飛沫感染対策としてマスクを着用して0歳児、1歳児に接することが大切です。予防対策のポイントについては以下にまとめていますので、ぜひご覧ください。 【RSウイルス感染症の予防対策1】手洗い もっとも重要な予防対策は、厳重な手洗いと手指の消毒です。石けんと流水でしっかり洗ってください。なお、手指の消毒にはアルコール手指消毒薬を使ってくださいね。「千葉市ホームページ」でも同様のことを伝えています。 【RSウイルス感染症の予防対策2】マスクの着用 せきが出ている年長児や成人はできる限り、RSウイルス感染症の流行時期はもちろんのこと、流行時期でなくてもマスクを着用して下さい。また新生児、乳児への接触を避けることが感染予防につながります。マスクの着用とあわせてご注意ください。 【RSウイルス感染症の予防対策3】身の回りの消毒 子供たちが日常的に触れるおもちゃ、手すりなどはこまめに消毒してください。消毒には、アルコール系消毒薬や次亜塩素酸ナトリウムを使うか、熱による消毒を行います。手すりのようなよく手が触れる場所は、アルコール系消毒薬や次亜塩素酸ナトリウムでこまめにふき掃除をしてください。なお、子供たちが日常的に触れるおもちゃはできるだけ個人専用にしてくださいね。   登校許可証について 学校や幼稚園に通っているお子さんが、感染症にかかった場合、感染症が拡がるのを防ぐため、感染の恐れがある間は登校・登園を控えていただく場合があります。ご注意ください。尚その後、感染の恐れがなくなり登校・登園する場合、学校や園によっては「登校許可証」が必要になる場合があります。「登校許可証」をご希望の方は、お気軽にご相談下さい。   当日の順番予約はこちらから

2022.09.13

内科

急性ウイルス感染症(手足口病)について

内科に関する記事です。
手足口病は手のひら、足の裏、口の中に発疹ができることが特徴の病気です。5歳未満の子供で発症しやすく、6月~8月の夏に流行する三大夏風邪の1つと呼ばれています。手足口病は子供に多い病気ですが、大人でもかかることはあります。ですので、子供だけではなく大人も注意が必要な病気だと言えるでしょう。 この記事では、手足口病について解説していきます。後半部分では「手足口病の治療方法」についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 【目次】 手足口病とは? 手足口病の特徴 手足口病の原因 手足口病の感染経路 手足口病の症状 手足口病の治療方法 手足口病の予防 手足口病とヘルパンギーナとの違いとは?   手足口病とは? 手足口病とは、口腔粘膜および手や足などに現れる水疱性の発疹を主症状とした急性ウイルス感染症です。1950年代後半に認識された「ウイルス性発疹症」であり、我が国では1967年頃からその存在が明らかになりました。手足口病は感染者の多くが小児で、5歳未満が90%前後を占めていると言われています。詳しくは「感染症発生動向調査」に記載していますので、ご興味のある方はご覧ください。   手足口病の特徴 手足口病は手のひら、足の裏、口の中に発疹ができることが特徴です。一度感染するとウイルスに対しての免疫はできますが、他の種類のウイルスには免疫がないため、繰り返しかかる可能性があります。ですので、症状が回復した後でも注意が必要になります。繰り返しかかる可能性について「厚生労働省のホームページ」でも伝えています。   手足口病の原因 手足口病はウイルスに感染することが原因で発症します。原因となるウイルスは様々ですが、主に「エンテロウイルス」と「コクサッキーウイルス」が挙げられます。これらのウイルスは“ノンエンベロープウイルス”とも言われており、アルコール消毒剤や熱に強いウイルスとして知られています。   手足口病の感染経路 手足口病の感染経路は主に3つあります。1つ目は感染している人のくしゃみや咳とともに、空気中に飛び出したウイルスを吸い込むことにより感染してしまう飛沫感染です。2つ目は感染者が触れたドアノブやスイッチに接触し、さらにその手で口や鼻を触ることにより体内にウイルスを取り込んでしまう接触感染です。そして3つ目は、感染者の乾燥した便の粒子を吸い込んでしまったり、おむつを取り替えた後に十分に手を洗わないまま顔を触ってしまったりすることで感染する経口感染になります。   手足口病の症状 手足口病は感染してから3~5日後に、口の中、手のひら、足底や足背などに2~3mmの水疱性発疹が出ます。発熱は約3分の1にみられますが、あまり高くならないことが大半であり、高熱が続くことは通常はありません。多くの発病者は、数日間のうちに治る病気です。しかし稀にですが、髄膜炎、脳炎などの「中枢神経系の合併症」のほか、心筋炎、急性弛緩性麻痺など、様々な症状が出ることがあります。詳しくは以下をご覧ください。 【手足口病の合併症1】髄膜炎 髄膜炎は脳の周りを覆っている髄膜に、脳炎は脳自体に炎症がおこる病気です。髄膜炎の原因は、細菌やウイルス、結核、真菌などの病原体が侵入する感染症が主です。また、髄膜炎・脳炎には、感染症によるものだけではなく、自分の免疫の作用で自己抗体を作成し、自己抗体が脳に炎症を引き起こす自己免疫性脳炎があります。 【手足口病の合併症2】脳炎 脳炎とは脳内に白血球が入り込んで炎症を起こし、脳が障害される病気です。ウイルス、細菌、真菌(カビ)、寄生虫といった病原体が脳に感染して起こる「感染性脳炎」と、自己免疫によって起こる「自己免疫性(免疫介在性)脳炎」とがあります。 【手足口病の合併症3】心筋炎 心筋炎とは、主にウイルスが心臓の筋肉(心筋)に感染し心筋細胞に炎症が起こり、心筋の本来の機能が失われ、ポンプである心筋の収縮不全や不整脈を生じる疾患です。 【手足口病の合併症4】急性弛緩性麻痺 急性弛緩性麻痺は、ウイルスなどの種々の病原体の感染により弛緩性の運動麻痺症状を呈する感染症です。多くは何らかの先行感染を伴い、手足や呼吸筋などに筋緊張の低下、筋力低下、深部腱反射の減弱ないし消失、筋萎縮などの急性の弛緩性の運動麻痺症状を呈します。   手足口病の治療方法 手足口病の根本的な「治療法」や「特効薬」は現在の医学ではないとされています。基本的には、症状の軽い病気であるため、様子を見ながら経過観察をしていくのが一般的です。なお、発疹に痛みや痒みを伴うなど症状が強い場合は「抗ヒスタミン薬の塗り薬」を使用するなど対症療法を行います。また口内炎などの痛みが強い場合は「鎮痛剤」で痛みを和らげる他、粘膜保護剤の軟膏が処方されることもあります。   手足口病の予防 手足口病の予防は、飛沫感染や接触感染が主な感染経路となるため、日頃から手洗い・うがいをしっかりと行うことが予防の基本です。また症状が回復した後でも排泄した便には2~4週間ほどウイルスが潜んでいます。そのため、お子様のおむつを交換したときには「石鹸」や「ハンドソープ」で手洗いをすることが大切です。手足口病は子供に多い病気ですが、大人でもかかることはありますので感染しないように注意して下さい。   手足口病とヘルパンギーナとの違いとは? 手足口病の病原体は主に「コクサッキーウイルスA16型」と「エンテロウイルス71型」、その他「コクサッキーA6」「A10型」などです。一方、ヘルパンギーナの病原体は主として「コクサッキーA型ウイルス」です。いずれも潜伏期間は3~6日で流行のピークは夏になります。両者ともに発熱、のどの痛み、水疱が見られるので混同しがちですが、手足口病は38℃程度までしか上がらないのに対し、ヘルパンギーナは突然の38~40℃の発熱が1~3日続きます。また、手足口病の水疱は手・足など体中にもできるのに対し、ヘルパンギーナはのどや上あごにかけて小さな水疱や潰瘍ができます。ヘルパンギーナについて詳しく知りたい方は「ヘルパンギーナについて解説している記事」をご覧ください。   登校許可証について 学校や幼稚園に通っているお子さんが、感染症にかかった場合、感染症が拡がるのを防ぐため、感染の恐れがある間は登校・登園を控えていただく場合があります。ご注意ください。尚その後、感染の恐れがなくなり登校・登園する場合、学校や園によっては「登校許可証」が必要になる場合があります。「登校許可証」をご希望の方は、お気軽にご相談下さい。  

2022.09.12

内科

ヘルパンギーナの症状と予防について

内科に関する記事です。
ヘルパンギーナは夏風邪の代表格のひとつと言われ、一般的に4歳以下の子供が感染しやすい疾患となります。 大人も抵抗力が低下しているとかかることがございますので、どなたでも注意が必要な疾患です。 この記事では、ヘルパンギーナの症状と予防について解説していきます。後半部分では「ヘルパンギーナの治療方法」についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 【目次】 ヘルパンギーナとは ヘルパンギーナの特徴と症状について ヘルパンギーナの原因 ヘルパンギーナの治療方法について ヘルパンギーナの予防について ヘルパンギーナの病原診断について ヘルパンギーナの合併症について ヘルパンギーナの治療後の注意点   ヘルパンギーナとは ヘルパンギーナとは、発熱と口腔粘膜にあらわれる水疱性の発疹を特徴とした急性のウイルス性咽頭炎です。乳幼児を中心に夏季に流行します(年齢は4歳以下が多く、1歳が特に多い傾向にあります)。 いわゆる夏かぜの代表的疾患とも言われ、その大多数はエンテロウイルス属に属するウイルスに起因し、主にコクサッキーウイルスA群である場合が多いが、コクサッキーウイルスB群やエコーウイルスで発症する場合もあります。 ヘルパンギーナと手足口病との違いについては「千葉市医師会のホームページ」に詳しく記載していますので、ご興味のある方はご覧ください。   ヘルパンギーナの特徴と症状について ヘルパンギーナは2~4日の潜伏期の後、突然の高熱に続いて喉が痛み、喉の奥に水膨れができて赤く腫れるのが特徴です。高熱による倦怠感や口腔内の痛みなどから、食事や水分を十分にとれず、脱水になることもあります。 多くの場合、安静にしていれば1週間ほどで回復しますが、まれに重症化するので油断は禁物です。免疫力が下がっていると、大人が感染することもありますので、ご注意ください。「東京感染症情報センター」でも同様の見解を述べています。   ヘルパンギーナの原因 ヘルパンギーナは、主にコクサッキーA群ウイルスを原因とします。ヘルパンギーナにかかった人の咳やくしゃみ、つばなどのしぶきに含まれるウイルスによって感染します。また水疱の内容物や便に排出されたウイルスが手などを介し、口や眼などの粘膜に入って感染します。ヘルパンギーナの原因について詳しく知りたい方は「国立感染症研究所のホームページ」をご覧ください。   ヘルパンギーナの治療方法について ヘルパンギーナに特異的な治療法はなく、通常は対症療法のみであり、発熱や頭痛などに対してはアセトアミノフェンなどを用いることもあります。また時には、脱水に対する治療が必要なこともあります。なお、無菌性髄膜炎や心筋炎の合併例では入院治療が必要であり、後者の場合には特に循環器専門医による治療が望まれます。   ヘルパンギーナの予防について ヘルパンギーナに特異的な予防法はありません。しかし感染者との密接な接触を避けること、流行時にうがいや手指の消毒をすることにより、一定の予防効果があります。こまめにうがいや手指の消毒は行いましょう。「千葉市のホームページ」でも同様のことを伝えています。   ヘルパンギーナの病原診断について ヘルパンギーナの病原診断には、患者の口腔内拭い液、特に水疱内容を含んだ材料、糞便、髄膜炎を合併した例では髄液などを検査材料としてウイルス分離を行うか、あるいはウイルス抗原を検出します。確定診断にはウイルスを分離することが原則になります。なお、実際には臨床症状による診断で十分なことが多いです。   ヘルパンギーナの合併症について ヘルパンギーナは合併症を起こすことは少ない病気です。しかし大人では感染すると重症化のリスクが高まるため合併症を引き起こすかもしれません。もし合併症を起こした場合には「熱性痙攣」「無菌性髄膜炎」「急性心筋炎」などを発症する場合があります。 【ヘルパンギーナの合併症1】熱性痙攣 熱性痙攣とは「ひきつけ」のことです。高熱が出たときに白目をむいて、全身を突っ張らせる痙攣は、強直性痙攣と呼ばれる痙攣で、ガクンガクンと手足をふるわせたりする状態になります。0〜5歳くらいまでの間に38度以上の発熱に伴って起き、発症確率は7~8%とされています。 【ヘルパンギーナの合併症2】無菌性髄膜炎 無菌性髄膜炎は、発熱、頭痛、嘔吐のいわゆる3主徴をみとめ、後部硬直、ケルニッヒ徴候などの髄膜刺激徴候が存在すること、髄液一般検査で定型的な所見を得ること、髄液の塗抹、細菌培養で細菌を検出しないことにより診断がなされる症候群です。 【ヘルパンギーナの合併症3】急性心筋炎 急性心筋炎とは、今まで元気に生活していた人が風邪などをきっかけに、数日の間に進行して心臓の筋肉に炎症が起こる病気です。心臓の動きが悪くなって、心不全や危険な不整脈を引き起こします。急性心筋炎は多くの場合、心筋にウイルスなどが感染して発症します。   ヘルパンギーナの治療後の注意点 ヘルパンギーナにはワクチンがないため、こまめなうがいと流水でしっかり手を洗うことで予防することが第一です。タオルや食器、おもちゃなどの共有は避けて、感染している子供が触れた物を消毒することも感染を防ぐポイントです。また、治癒した後も2~4週間ほどはウイルスが便に残っている可能性があるため、子供のおむつ替えをした後はきちんと手洗いをすることが、保護者への感染を防ぐのに有効です。「国立成育医療研究センター」でも同様のことを伝えています。   登校許可証について 学校や幼稚園に通っているお子さんが、感染症にかかった場合、感染症が拡がるのを防ぐため、感染の恐れがある間は登校・登園を控えていただく場合があります。ご注意ください。尚その後、感染の恐れがなくなり登校・登園する場合、学校や園によっては「登校許可証」が必要になる場合があります。「登校許可証」をご希望の方は、お気軽にご相談下さい。  

2022.09.11

糖尿病・代謝内科

糖尿病患者の足にみられる症状について

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
糖尿病はインスリンの分泌不全もしくは、インスリンが作用する臓器が十分にインスリンの効果を受けられない状態(インスリン抵抗性)、あるいはその両方がきっかけで血糖値が慢性的に高くなってしまった代謝異常の状態を指します。 血糖値が何年間も高いままでいると、将来的に心臓病や、失明、腎不全といったより重い病気につながります。 そのため、糖尿病の症状が見られた際には放置せず、速やかに糖尿病専門医による診察を受けることが大切です。 この記事では、糖尿病患者の足にみられる症状について解説していきます。 後半では「足の症状のチェックポイント」を説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。 【目次】 糖尿病の主な合併症について 糖尿病足病変とは? 足の症状が悪化した時のリスクについて 糖尿病患者の足に出る症状一覧 糖尿病に対するフットケアについて   糖尿病についてすぐ相談したい方はこちら 糖尿病の主な合併症について 糖尿病の合併症の中でも「糖尿病性神経障害」「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」は3大合併症と言われております。 中でも「糖尿病性神経障害」は多くの糖尿病患者に起こりやすく、立ちくらみや下痢、便秘といった自律神経障害や手足の痺れ、冷えやこりといった感覚・運動神経障害といった症状が現れます。 神経障害が進行してしまうと、通常より感覚が鈍くなるため小さな傷をつくりやすいです。   糖尿病足病変とは? 糖尿病の患者に生じる足のトラブルの総称を「糖尿病足病変(とうにょうびょうあしびょうへん)」といいます。 病変には、足に生じる水虫や細菌感染による病変、たこやうおのめ、足の潰瘍や変形などがあります。 さらに重症になると壊疽(えそ)という組織が死んでしまった状態になり、最悪の場合は足を切断することもあります。 これらを避けるためには、血糖を適切な状態に保つことはもちろん、毎日足の状態をよく観察し異常をすぐに見つけることが大切です。 このような状態で外傷、靴ずれ、低温やけどなどによりキズができると潰瘍や壊疽へと悪化する恐れがあるため、注意が必要です。 自分の症状が糖尿病足病変の症状かどうか気になるという方は、いつでも気兼ねなくご相談ください。   症状が気になる方はこちらをクリック 足の症状が悪化した時のリスクについて 糖尿病患者にとって、もっとも怖い足の問題は「足を失うこと」です。 糖尿病で足を失うことは珍しい話ではなく、糖尿病の合併症である神経障害や血管障害などは、足の壊疽(組織が腐ってしまうこと)を引き起こします。 壊疽は大変治りにくい病気で、足を切断することも少なくありません。 糖尿病の症状が見られた方はすぐにでもご相談ください。   すぐに相談したい方はこちらをクリック 糖尿病患者の足に出る症状一覧 糖尿病性足病変の予防には、日頃からのセルフチェックが大切です。 以下の症状がある方は糖尿病の疑いがありますので、速やかに糖尿病専門医による診察をご検討ください。 <糖尿病患者の足に出る症状> 1. 足の先がしびれる 2. 足の先に痛みがある 3. 足の先がジンジン(ピリピリ)する 4. 足の感覚に異常がある(痛みを感じにくい、感覚が鈍いなど) 5. 足がつる 6. うおのめ、たこ、まめ、靴ずれがよくできる 7. 小さな傷でも治らない 8. 足に感染症がある(水虫など) 9. 皮膚が赤くなったり、腫れたりしている部分がある 10. 皮膚が乾燥したり、ひび割れしている部分がある 11. 爪が変形したり、変色したりしている   糖尿病に対するフットケアについて 糖尿病性足病変を予防するためには、日頃から自分の足を気にかけて、フットケアすることが大切です。 毎日足の隅々まで見て触ってよく観察しましょう。具体的な足の糖尿病対策については以下をご覧ください。   【糖尿病対策1】見えないところは鏡を使って観察しましょう 毎日明るい場所で足の裏側を鏡にうつしてみたり、目の悪い方は、周りの人にみてもらいましょう。 長時間歩いた後や運動後は特に念入りに観察してください。   【糖尿病対策2】爪は切り過ぎないようにしましょう 神経障害が進んでいると「違和感」や「痛み」を感じません。 伸びた爪はケガのもとになりますので、こまめに手入れをしてください。なお、硬くて切りにくい爪は無理に自分で切らずに医師や看護師に処置してもらいましょう。   【糖尿病対策3】足を清潔に保ちましょう 感染を防ぐためには、足を清潔に保つことが重要です。足は石けんをよく泡立てて、柔らかいタオルやスポンジで優しく洗ってください。指の間も忘れずに洗いましょう。   【糖尿病対策4】自分の足に合った靴をはきましょう 靴が足に合っていないと、靴ずれを起こしたり、血管を圧迫したりします。 そのため、足の糖尿病対策として靴選びは重要なポイントです。靴を選ぶ際は以下のポイントに注意して選びましょう。   <靴選びのポイント> 1. つま先に1センチ程度の余裕があり、足の形に合っている 2. 革や内張りが柔らかく、靴の内部に硬い縫い目がない 3. クッション性がよく、靴底が安定している 4. ハイヒールなど、一カ所に体重がかかるものは避ける 5. 一日の中で最も足が大きくなる夕方を基準にサイズを選ぶ 6. 通気性のよい綿かウールのものを選ぶ   <靴を履く時のポイント> 1. 新しい靴は最初から長時間履かずに少しずつ慣らしていく 2. 毎日履きかえて清潔に保つ 3. 靴の中に異物がないか、よく確認してから履く 4. 運動や散歩をする時は足首が固定されるよう、紐やマジックテープが付いた運動靴を履く   【糖尿病対策5】必ず靴下を履きましょう 足のケガの防止のため、靴下を必ず履くようにしましょう。 靴下を履くことでケガだけでなく、水虫の予防にもなります。 靴下の選び方については「糖尿病ネットワーク」をご覧ください。   【糖尿病対策6】やけどに注意しましょう 神経障害により足が冷えることはよくありますが、そんなときは熱さに対しても鈍くなっています。 湯たんぽやこたつ、電気カーペットなどでは低温ヤケドに十分注意しましょう。 これまで紹介してきたように糖尿病は放っておくと深刻な症状が出てまいります。 早期発見、治療が何よりも大切ですが、糖尿病は患者本人が気付きにくいという厄介な病気でもあります。 例え身体がどこもおかしくなかったとしても、ほんの少しでも気になることがありましたらまずは相談だけでもご検討ください。 当院ではどんな些細なことでも気軽にご相談いただけるようなクリニックを目指しております。 ちょっとした変化でも気がかりな方は、いつでも当院にお越しください。 相談されたい方はこちらをクリック

2022.05.25

糖尿病・代謝内科

小児糖尿病の子供にみられる症状と治療法について

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、お子様が小児糖尿病かをどうかチェックする際のポイントを紹介していきます。 記事の後半では「合併症のリスク」や「糖尿病の治療方法」についても解説します。 小児糖尿病についてすぐ相談したい方はこちら 【目次】 子供が発症しやすい小児1型糖尿病について 1型糖尿病の2型糖尿病との違いについて 小児糖尿病にみられる症状とは? 糖尿病性ケトアシドーシスとは? 合併症のリスク・症状について 子供の糖尿病治療方法について 糖尿病の治療方法①インスリン療法 糖尿病の治療方法②食事療法 糖尿病の治療方法③運動療法   子供が発症しやすい小児1型糖尿病について そもそも糖尿病とは、すい臓で作られるインスリンの分泌不全またはインスリンが作用する臓器が十分にインスリンの効果を受けられない状態(インスリン抵抗性)、もしくは両方がきっかけで血糖値が慢性的に高くなってしまった代謝異常の状態を指します。 そのうち1型糖尿病とは前者のインスリン分泌不全に該当します。 すい臓にはランゲルハンス島という細胞の集合体があり、その中にあるβ(ベータ)細胞がインスリンを分泌しています。 小児1型糖尿病とはそのβ細胞が壊れてしまうことで生じるインスリンが原因で引き起こされる症状なのです。 なぜβ細胞が破壊されてしまうのか、その原因についてはウイルス感染の関与も疑われておりますが、詳しい原因は完全に解明されていません。 1型糖尿病は小児期に発症することが多く、小児1型糖尿病と呼ばれるのはそのためです。 日本内分泌学会の公式HPでも小児1型糖尿病について紹介されています。   1型糖尿病の2型糖尿病との違いについて インスリンは骨格筋や肝臓などの(標的)臓器に作用し、糖の吸収を促します。 肥満などでインスリンの効果を調整する物質(アディポサイトカインと呼ばれます)の分泌異常が起こると、インスリンが標的臓器に対して効果を十分に発揮できなくなります。 つまり2型糖尿病とは、標的臓器のインスリンに対する感受性が下がり、(分泌量は十分でも)インスリンの作用が十分になされないことが原因で起こる症状です。 前段の通り、1型糖尿病との違いとしては血糖値が高まる原因が異なります。 糖尿病の子供の大半は1型の小児糖尿病ですが、近年2型糖尿病の子供も増加傾向にあります。 糖尿病かどうか診察したい方はこちら   小児糖尿病にみられる症状とは? 子供が小児糖尿病を発症した場合、どのような症状があらわれるのでしょうか? 以下の症状が見られた場合は、小児糖尿病の疑いがあります。 お子様に当てはまる症状があれば、速やかに診察を受けてください。 <糖尿病の子供によくみられる症状> 1. 何度もトイレにいく 2. 喉が渇いて沢山の水がほしくなる 3. 食べているのに痩せる 4. お腹が痛くなる 5. だるい、疲れやすい 6. 意識を失う   子どもの年齢が幼いほど自分から身体の異変を訴えることは難しく、その分小児糖尿病は通常の糖尿病よりも気付きにくいという厄介な病気です。 ただ大人の方でも子どもが本当に小児糖尿病なのかどうかを判断することは難しいでしょう。 些細な変化でも気になることがあったら、すぐに医師にご相談ください。 当院では予約を取らずに受診いただけます。 以下のボタンから当日の順番をお取りいただければスムーズに診察ができますので、ご活用ください。 小児糖尿病について相談したい方はこちら 糖尿病ケトアシドーシスについて インスリン不足がさらに進むと「糖尿病ケトアシドーシス」という合併症を引き起こす恐れがあります。 糖尿病性ケトアシドーシスになるとだるさ、頭痛や痙攣といった症状になり、最後には昏睡状態になってしまう状態で、最悪の場合死に至ることもあります。 糖尿病性ケトアシドーシスは1型糖尿病がきっかけで起こることがほとんどで、インスリンが不足することで脂肪がエネルギーとして使われるような状態です。   糖尿病合併症のリスク・症状について 糖尿病の恐さは、自覚症状のないままに重篤な合併症が進展することです。血糖値が高い状態が持続すると「数年~十数年」の経過で合併症が生じます。 小児1型糖尿病では、失明したり、腎不全となり透析をしなければならなくなったり、痛みを感じにくくなったりします。 また大人になると、脳梗塞、心筋梗塞、狭心症、歯周病、感染症などになりやすくなることもあります。 ですので、お子様に糖尿病の症状が見られた際には絶対に放置してはいけません。 糖尿病の合併症のリスク・症状については「MSDマニュアル」に記載しておりますので、より詳しく知りたい方はご覧ください。   小児糖尿病の治療方法について 小児糖尿病の治療は、健康な子供と同じ発育と生活の質(クオリティ・オブ・ライフ:QOL)の確保が前提となります。 本人や家族はもちろん、学校の先生やまわりの友達にも、糖尿病の病気への理解と、きちんとした治療が必要であるという意識をもってもらうことが大切です。 以下、糖尿病の治療方法になります。   小児糖尿病の治療方法①インスリン療法 インスリンが不足した状態になっているときに、インスリン注射等で外部からインスリンを補うことによって血糖を下げます。 これにより健常な子供と同等の血糖値変動パターンに近づけることが可能となり、日常生活における支障を和らげることができます。   小児糖尿病の治療方法②食事療法 食事療法は糖尿病治療の基本です。 1. 食べすぎず、腹八分目に抑える 2. 朝昼晩、規則正しく食べる 3. バランスよく食べ、食事中はゆっくりよく噛んで食べる 4. 寝る間際に食べすぎない これらのことをきちんと守り、3大栄養素(脂質、糖質、タンパク質)をバランスよく摂取してください。 千葉県の公式HPでも「子供の糖尿病治療と管理について」にて糖尿病の子供に関する治療法を紹介しています。   小児糖尿病の治療方法③運動療法 運動療法の基本は、運動によるエネルギー消費・肥満の解消や抑制です。 運動療法により血糖コントロール・インスリン抵抗性・脂質代謝の改善が得られ、糖尿病の症状が改善に近づきます。 子供にとってはストレス解消や筋力の増加にも役立つので、積極的に取り入れてほしいです。 運動療法については「糖尿病を改善するための運動」にも記載があります。 小児糖尿病は早期発見・早期治療が何よりも肝心です。 どんな小さなことでも気になる方は気兼ねなく当院にご相談ください、糖尿病専門医の医師が丁寧に診察致します。 小児糖尿病について相談したい方はこちら

2022.05.24

アレルギー科

千葉市で花粉症にお困りの方へ|症状の特徴とコロナウイルス感染症との違い

アレルギー科に関する記事です。
花粉症は春先が憂鬱になってしまう原因のひとつ。目のかゆみ、くしゃみ、鼻水など、主に「目と鼻の症状」を引き起こします。しかしながらアレルギー反応を起こす花粉の種類によっては、のどや皮膚のかゆみ、咳やたん、下痢や食欲の減退といった症状を引き起こすこともあります。ですから、花粉症に苦しめられ、頭を抱えている人もいるのではないでしょうか。 この記事では、千葉市で花粉症にお困りの方に向けて「花粉症の主な症状」をご紹介していきます。記事の後半では「花粉症と新型コロナウイルス感染症の違い」についてもご紹介しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 【目次】 花粉症とはどのような病気か? アレルギー性鼻炎には季節性と通年性があります <季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)> <通年性アレルギー性鼻炎> 花粉症が起きる原因について 花粉症の主な症状について 【花粉症の症状】鼻 【花粉症の症状】目 【花粉症の症状】のど 【花粉症の症状】皮膚 【花粉症の症状】頭 【花粉症の症状】下気道 【花粉症の症状】口腔 【花粉症の症状】その他 花粉症と新型コロナウイルス感染症の違いについて 【花粉症と新型コロナウイルス感染症の違い】鼻の症状 【花粉症と新型コロナウイルス感染症の違い】鼻の症状以外 新型コロナウイルス感染症が疑われる場合は検査をしましょう 花粉症を根本から治療したい方には舌下免疫療法をおすすめします   花粉症とはどのような病気か? 花粉症とは、花粉を吸い込んだりすることで鼻水、鼻づまり、くしゃみ、などのアレルギー症状を起こす病気。季節性アレルギー性鼻炎とも言われております。花粉症は様々な花粉で発症しますが、その代表的なものが「スギ花粉症」です。現在、日本人の「約38.8%」がスギ花粉症であると言われております(スギ花粉症は日本固有のものになります)。花粉の種類と飛散時期については「ヘルスケア情報」に詳しく記載しておりますので、ご興味のある方はご覧ください。   アレルギー性鼻炎には季節性と通年性があります アレルギー性鼻炎は原因物質(アレルゲン)の種類によって以下の2つに分類されます。 <季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)> 季節性アレルギー性鼻炎は、原因となる花粉の飛散時期だけに「鼻炎症状」や「目の症状」などが認められるアレルギー性鼻炎。日本では、約60種類の植物が花粉症を引き起こすと報告されています。ですから、複数の花粉に反応する季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)では、ほぼ1年中症状に悩まされるという人も少なくありません。なお、当院では様々な方法で「アレルギー検査」をしております。ですから「自分は何のアレルギーなのか?」と気になっている方は、ぜひご来院ください。 <通年性アレルギー性鼻炎> 通年性アレルギー性鼻炎は、ダニやホコリなどが原因で1年を通して鼻炎症状が認められるアレルギー性鼻炎。アレルゲンが一年中あるため、症状も1年中あります。近年は「通年性アレルギー性鼻炎」と「季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)」の両方に悩む人や、複数の花粉に反応する人が増えております。ですから、人によっては1年中「鼻水・鼻づまり」や「目のかゆみ・異物感」に悩まされるという人も少なくありません。通年性アレルギー性鼻炎の主な症状については「花粉症ナビ」に記載しておりますので、気になる方はご覧ください。   花粉症が起きる原因について 花粉症の主な原因は、抗原抗体反応によるものです。空気中を浮遊している原因物質(アレルゲン)が目や鼻の細胞の表面に付着すると、体内に抗体が作られ、マスト細胞という名の細胞とくっつきます。その後、再びアレルゲンが侵入すると、マスト細胞からヒスタミンなどのアレルギー誘発物質が放出され、ヒスタミン受容体(ヒスタミンを受ける鍵穴)と結合し、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ等のアレルギー反応が引き起こされるのです。   花粉症の主な症状について 花粉症の三大症状はくしゃみ、鼻水、鼻づまり。その他にも人によっては、咳がでたり、のどや皮膚のかゆみがあったりします。詳しくは下記をご覧ください。 【花粉症の症状】鼻 くしゃみ、鼻水、鼻づまり、かゆみ、嗅覚障害、鼻内乾燥感、鼻出血 【花粉症の症状】目 かゆみ、異物感、結膜の充血、流涙、めやに、まぶたの腫れ 【花粉症の症状】のど かゆみ、痛み、異常感、乾燥感、から咳 【花粉症の症状】皮膚 かゆみ、皮膚炎、じんましんのような疾患 【花粉症の症状】頭 頭痛、発熱、頭がボーっとする、頭重感 【花粉症の症状】下気道 咳、痰、ゼイゼイする 【花粉症の症状】口腔 かゆみ、浮腫 【花粉症の症状】その他 耳のかゆみ、全身の倦怠感、悪寒、熱感   花粉症と新型コロナウイルス感染症の違いについて 花粉症と新型コロナウイルス感染症では、似た症状が出る場合があります。しかし、よく比較するとそれぞれに特徴があります。たとえば、鼻の症状では以下のような点が違います。 【花粉症と新型コロナウイルス感染症との違い】鼻の症状 <花粉症>           <​​​​​​新型コロナウイルス> 鼻水    よくある(透明でサラッとした鼻水)       まれ くしゃみ  よくある(発作的で連続する)          まれ 鼻づまり  よくある(においを感じにくい)         まれ <鼻の症状の特徴> 花粉症の鼻症状は「特定時期(花粉飛散期)のみに起きる」「朝方の強い症状(モーニングアタック)」という特徴があります。一方、新型コロナウイルス感染症の鼻症状は「鼻水を認めても少量でサラサラしている」という特徴があります。 <嗅覚> 花粉症では鼻づまりによって、においが分かりにくくなります。一方、新型コロナウイルス感染症では鼻づまりがないのにも関わらず、においがわからなくなります。いわゆる嗅覚障害です。 【花粉症と新型コロナウイルス感染症の違い】鼻の症状以外 鼻の症状以外の違いでは、以下のような点が異なります。 <目のかゆみ> 花粉症では「目のかゆみ」があります(涙が出ることもあるくらいです)。一方、新型コロナウイルス感染症では目のかゆみが主症状になるのは稀です。 <皮膚のかゆみ> 花粉症では目と同様に「皮膚のかゆみ」があります(人によってはない場合もあります)。一方、新型コロナウイルス感染症では皮膚のかゆみが主体になることは、ほぼありません。 <のどの痛み> 花粉症では「のどのかゆみ」はありますが、痛くなることは滅多にありません。一方、新型コロナウイルス感染症では、のどの痛みがあります。特に今年に入ってから流行しているオミクロン株では「のどの痛み」を訴える患者様が非常に多くいます。 <味覚> 花粉症では鼻づまりによって、味が分かりにくくなります。一方、新型コロナウイルス感染症では鼻づまりがないのにも関わらず、匂いがわからなくなります。いわゆる味覚障害です。 <発熱> 花粉症の場合は「発熱」することは稀。発熱してもごく微熱です。一方、新型コロナウイルス感染症では、発熱は主要な症状のひとつになります。なお、新型コロナウイルス感染症では、発熱とともに関節痛や筋肉痛になったり、吐き気や悪寒がしたりといった特徴もございます。   新型コロナウイルス感染症が疑われる場合は検査をしましょう 花粉症と新型コロナウイルスは、よく比較するとそれぞれに特徴があります。しかし一概には言えません。場合によっては非常に見分けがつきにくい可能性があります。ですので、新型コロナウイルス感染症が疑われる場合には「検査キットを利用する」、あるいは速やかに「かかりつけ医」に相談しましょう。   花粉症を根本から治療したい方には舌下免疫療法をおすすめします 花粉症の治療法には舌下免疫療法をおすすめします。なぜなら、舌下免疫療法は根治療法。花粉症を根本から治すことができる唯一の治療法とされています(個人差はあります)。もちろん花粉症の根治療法の中には「皮下免疫療法」もございますが、こちらは注射が必要です。そのため、毎回痛みが伴います。それに月1回〜数回程度の通院が必要になりますので、毎月、時間を確保しなくてはいけません。ですから、花粉症の治療をお考えの方には、舌下免疫療法を強くおすすめしております。当院での舌下免疫療法のご予約については「アイチケット広場」から行えます。お手数をおかけしますが、受診をご検討中の方はこちらからご予約ください。        

2022.03.29