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不眠症の症状、チェック方法の紹介

2023.03.30

この記事では、「不眠症の症状」について解説していきます。後半部分では「不眠症のセルフチェック方法」を紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

【目次】
不眠症とは
不眠症の原因
不眠症のタイプについて
不眠症のセルフチェック方法
不眠症とうつ病(抑うつ)の違い・関係について
自分が不眠症かもしれないと感じた方へ

 

不眠症とは

不眠症とは

不眠症とは、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害によって、その人にとって必要な睡眠時間が十分に取れないことや“睡眠の質”が低下することで、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。日本においては約5人に1人が、不眠の症状で悩んでいるとされています。なお、不眠症は慢性不眠症(慢性不眠障害)と短期不眠症(短期不眠障害)の二つに分けられます。詳しくは「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」をご覧ください。

 

不眠症の原因

不眠症の原因

不眠症の原因はストレス・心や身体の病気・薬の副作用など様々です。ここでは不眠症を引き起こす主な原因をご紹介します。

【不眠症の原因1】心理的原因

何らかのストレスに関連して起こる不眠です。

【不眠症の原因2】身体的原因

身体の病気や症状が原因で起こる不眠です。

【不眠症の原因3】薬理学的原因

服用している薬や、アルコール、カフェイン、ニコチンなどが原因で起こる不眠です。

【不眠症の原因4】精神医学的原因

精神や神経の病に伴って起こる不眠です。精神や神経の病には、不眠を伴うことが少なくありません。なかでも不眠になりやすいのは、不安と抑うつになります。

 

不眠症のタイプについて

眠症のタイプについて

不眠症には、大きく分けて以下4つのパターンがあります。

【不眠症のタイプ1】入眠困難

床についてもなかなか(30分~1時間以上)眠りにつけない。

【不眠症のタイプ2】中途覚醒

いったん眠りについても、翌朝起床するまでの間、夜中に何度も目が覚める。

【不眠症のタイプ3】早朝覚醒

希望する時刻、あるいは通常の2時間以上前に目が覚め、その後眠れない。

【不眠症のタイプ4】熟睡障害

眠りが浅く、睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られない。

 

不眠症のセルフチェック方法

不眠症のセルフチェック方法

自分の不眠の度合いをはかる目安として、世界共通で使われているチェックシートがあります。下記のチェックシートが全てではありませんが、自分の状態を客観的に見るのにお役立ていただければと思います。過去1ヶ月間に、少なくとも週3回以上経験したものに当てはまるものにチェックを入れてください。

<寝つきは?(布団に入ってから眠るまで要する時間)>

いつも寝つきはよい                   0点
いつもより少し時間がかかった              1点
いつもよりかなり時間がかかった             2点
いつもより非常に時間がかかったか、全く眠れなかった   3点

<夜間、睡眠途中に目が覚めることは?>

問題になるほどではなかった               0点
少し困ることがあった                  1点
かなり困っている                    2点
深刻な状態か、全く眠れなかった             3点

<希望する起床時間より早く目覚め、それ以上眠れなかったか?>

そのようなことはなかった                0点
少し早かった                      1点
かなり早かった                     2点
非常に早かったか、全く眠れなかった           3点

<総睡眠時間は?>

十分である                       0点
少し足りない                      1点
かなり足りない                     2点
全く足りないか、全く眠れなかった            3点

<全体的な睡眠の質は?>

満足している                      0点
少し不満                        1点
かなり不満                       2点
非常に不満か、全く眠れなかった             3点

<日中の気分は?>

いつも通り                       0点
少しめいった                      1点
かなりめいった                     2点
非常にめいった                     3点

<日中の活動は?(身体的および精神的)>

いつも通り                       0点
少し低下                        1点
かなり低下                       2点
非常に低下                       3点

<日中の眠気について>

全くない                        0点
少しある                        1点
かなりある                       2点
激しい                         3点

【合計点数】

4点未満    不眠症の疑いは少ないです。 
4~5点     不眠症の疑いが少しあります。できれば医師に相談してください。
6点以上    不眠症の疑いがあります。医師に相談することをお勧めします。

 

不眠症とうつ病(抑うつ)の違い・関係について

不眠症とうつ病の違い・関係について

睡眠障害に深く関係する病気は多数ありますが、中でも「うつ病(抑うつ状態)」の場合は9割近くの人が、「寝ようとしても眠れない」「朝早くに目が覚める」などといった、なんらかの不眠症状を伴っていると言われています。つまり裏を返せば、不眠症状がある人はうつ病(抑うつ状態)にかかりやすいと言えます。うつ病(抑うつ状態)と不眠症は密接に関係しているため、思うように眠れない日々が続いたり、熟睡感を得られていなかったりするのであれば、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。なお、うつ病(抑うつ状態)とは憂うつな気持ちになり、気持ちが落ち込んだ状態が続く病気(気分障害)です。詳しくは「うつ病(抑うつ状態)|こころの病気を知る|メンタルヘルス」に記載しておりますので、ご興味のある方はご覧ください。

 

睡眠が十分にとれていないと感じた方へ

睡眠が浅い、寝付けないなど、睡眠に関して問題があることで「日常生活に支障が出ている」と感じている方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。睡眠不足は上述した通り、体の病気、心の病気の原因となります。また睡眠障害自体が“心の病気”の前兆の可能性もあります。ですので、「睡眠が浅い」「寝付けない」「睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は放置せず、お近くの医療機関に足を運んでください。なお、当院では“不眠症の診療”や“薬の処方”だけでなく、診断書の発行も行っております。不眠で悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。