糖尿病・代謝内科

痩せていても糖尿病になる?痩せ型糖尿病の原因・症状・改善策を医師が解説

2026.08.26

「体重は標準なのに、血糖値が高いと言われた…」、そんな経験はありませんか。糖尿病は肥満の人がなる病気というイメージが根強くありますが、それは誤りです。実は日本人は、痩せていても糖尿病を発症しやすい体質的な特性を持っています。本記事では、痩せているのに糖尿病になる原因から、見逃しやすい症状、男性特有のリスク、そして具体的な改善策まで詳しく解説します。

【目次】
痩せていても糖尿病になるのはなぜか
痩せ型糖尿病の主な原因
痩せ型糖尿病に現れやすい症状
痩せ型の男性が特に注意すべき理由
痩せ型糖尿病の改善・予防策
こんな方は早めに受診・血液検査を
まとめ

 

痩せていても糖尿病になるのはなぜか

痩せていても糖尿病になるのはなぜか

「糖尿病=肥満」というイメージは、主に欧米型の2型糖尿病から生まれたものです。欧米では過食や肥満によってインスリンの効きが悪くなる「インスリン抵抗性」が発症の主な原因となります。しかし、日本人の2型糖尿病は異なります。日本人はそもそも膵臓のβ細胞によるインスリン分泌能力が欧米人と比べて低く、同じ食事量・同じ体型であっても血糖値が上がりやすい体質的な背景を持っています。つまり、肥満がなくてもインスリン分泌が追いつかなくなることで、糖尿病を発症してしまうのです。実際、日本糖尿病学会の疫学データによると、糖尿病患者の多くはBMIが正常範囲(18.5〜25)に収まっており、「痩せているから安心」とは言い切れない実態が明らかになっています。さらに、糖尿病予備群まで範囲を広げると、標準体型の人が占める割合はより一層高くなります。そのため、体重だけを根拠に「自分は大丈夫」と過信することは非常に危険です。特に男性は、女性に比べて定期的な健康診断を受ける機会が少なく、症状が現れても受診を後回しにしがちな傾向があります。糖尿病は初期段階では自覚症状に乏しく、気づかないまま進行してしまうケースが少なくありません。原因を正しく理解し、早期に改善へ向けた行動を取ることが、将来の合併症予防につながります。

 

痩せ型糖尿病の主な原因

痩せ型糖尿病の主な原因

痩せていても糖尿病になる原因は、一つではありません。インスリンの分泌機能、筋肉量、そして遺伝的な体質など、複数の要因が絡み合っています。「自分は痩せているから関係ない」と考えている方こそ、以下の原因をしっかり確認してください。

インスリン分泌不全(膵β細胞の機能低下)

食事をすると血糖値が上昇しますが、健康な状態では膵臓のβ細胞がインスリンを速やかに分泌し、血糖値を正常範囲に戻します。しかし、このβ細胞の機能が低下していると、血糖値の上昇に見合うだけのインスリンを分泌できず、食後の高血糖が続くようになります。日本人はもともと欧米人に比べてβ細胞の数や機能が少ない傾向にあり、これが痩せ型でも糖尿病を発症しやすい根本的な原因の一つです。さらに、加齢とともにβ細胞の機能は徐々に低下します。加えて、慢性的なストレスや睡眠不足は血糖値を上昇させるホルモンの分泌を促し、β細胞への負担をさらに増大させます。過食や肥満がなくても、こうした日常的な負荷が積み重なることで、インスリン分泌不全は進行してしまいます。

筋肉量の少なさ(サルコペニア型インスリン抵抗性)

筋肉は、食後に上昇したブドウ糖を取り込む主要な臓器です。そのため、筋肉量が少ないと食後の血糖をうまく処理できず、血糖値が下がりにくい状態が続きます。体重が標準範囲内であっても、体脂肪率が高く筋肉量が少ない「隠れ肥満」や「低筋肉型」の体型の人は、このリスクが特に高くなります。なお、男性の場合、デスクワーク中心の生活や運動習慣のなさが筋肉量の低下を招きやすく、見た目の体型と実際の体組成が大きく異なるケースも珍しくありません。そして、運動不足や加齢によって筋肉量がさらに減少すると、血糖コントロールが悪化し、それがまた運動意欲の低下を招くという悪循環に陥りやすくなります。症状が出る前に、日頃から筋肉量を意識した生活習慣を心がけることが大切です。

遺伝的要因・家族歴

糖尿病の発症には、生活習慣だけでなく遺伝的な要因も深く関係しています。両親や兄弟に糖尿病の患者がいる場合、インスリン分泌能力の低さが遺伝的に引き継がれている可能性があり、発症リスクは明らかに高くなります。特に注意が必要なのは、痩せ型でなおかつ家族歴がある場合です。「体型的には問題ない」という安心感から検査を後回しにしがちですが、遺伝的リスクと体質的なインスリン分泌の低さが重なると、自覚症状がないまま血糖値の異常が進行することがあります。したがって、家族に糖尿病の患者がいる痩せ型の方は、自覚症状の有無にかかわらず、定期的な血糖検査を優先的に受けるようにしてください。

痩せ型糖尿病の原因は、インスリン分泌不全・筋肉量の不足・遺伝的要因の三つが主に挙げられます。これらは互いに影響し合い、体型だけでは判断できない形で発症リスクを高めます。大切なのは「痩せているから安心」という思い込みを捨て、早期に検査を受けることです。原因を正しく理解した上で、適切な改善策に取り組んでください。

 

痩せ型糖尿病に現れやすい症状

痩せ型糖尿病に現れやすい症状

糖尿病は、初期段階では自覚症状がほとんど現れません。特に痩せ型の場合、肥満による体のだるさや息切れといったサインが出にくいため、異常が進行していても気づかないまま過ごしてしまうケースが多くあります。症状が出たときにはすでに病状が進んでいることも珍しくありません。ここでは、痩せ型糖尿病に現れやすい代表的な症状について解説します。

口の渇き・多飲(高血糖による浸透圧の上昇)

血糖値が高い状態が続くと、血液中のブドウ糖濃度が上昇し、血液の浸透圧が高まります。体はこのバランスを戻そうとして細胞内の水分を血液中に引き出すため、細胞が脱水状態になり、強い口の渇きを感じるようになります。そのため、水やお茶を大量に飲むようになる「多飲」の症状が現れます。「最近やたらと喉が渇く」「水分を取っても渇きが収まらない」と感じる場合は、血糖値の異常を疑う一つのサインとして受診を検討してください。

頻尿・夜中のトイレ(浸透圧利尿)

血糖値が一定の閾値を超えると、腎臓がブドウ糖を尿として排出しようとします。この際、ブドウ糖が水分を一緒に引き連れて排泄されるため、尿の量と回数が増える「頻尿」が起こります。特に夜中に何度もトイレに起きるようになった場合は注意が必要です。男性であれば前立腺の問題と混同しやすいですが、口の渇きや倦怠感を伴う場合は、糖尿病による症状である可能性も視野に入れてください。

疲れやすい・倦怠感(細胞にエネルギーが届かない)

インスリンの分泌が不十分だと、血液中にブドウ糖が余っているにもかかわらず、細胞の中にエネルギーとして取り込まれません。その結果、体は慢性的なエネルギー不足の状態に陥り、強い倦怠感や疲れやすさとして症状が現れます。「十分寝ているのに疲れが取れない」「午後になると極端にだるくなる」といった状態が続く場合、原因の一つとして高血糖が関係している可能性があります。

食べているのにさらに体重が減る(筋肉・脂肪の分解)

インスリンが不足すると、体はブドウ糖をエネルギーとして利用できないため、代わりに筋肉や脂肪を分解してエネルギーを補おうとします。そのため、食事量が減っていないにもかかわらず体重が落ちていくという症状が現れます。痩せ型の人はもともと体重が少ないため、さらなる体重減少は体への負担が大きく、筋肉量の低下にもつながります。「食欲はあるのに痩せてきた」という変化は、見逃さないようにしてください。

傷が治りにくい・感染しやすい(免疫機能低下)

高血糖の状態が続くと、白血球の機能が低下し、免疫力が落ちます。その結果、小さな傷がなかなか治らない、皮膚の感染症を繰り返すといった症状が現れやすくなります。また、末梢神経や血流にも影響が及ぶため、足の傷に気づきにくくなり、悪化してしまうケースもあります。こうした症状は糖尿病の進行を示すサインである可能性があるため、改善が見られない場合は早めに受診してください。

ここまで紹介した口の渇き・頻尿・倦怠感・体重減少・傷の治りにくさは、いずれも糖尿病に現れやすい代表的な症状です。これらが複数重なって現れている場合は、糖尿病の可能性を意識して、できるだけ早く医療機関を受診してください。特に男性は症状を「疲れのせい」と片付けてしまいがちですが、放置すると合併症のリスクが高まります。なお、高血糖が長期間続いた場合に起こりうる合併症の種類や予防方法については、「糖尿病合併症の種類と予防方法」でより詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。早期発見・早期改善が、将来の健康を守る最大の手段です。

 

痩せ型の男性が特に注意すべき理由

痩せ型の男性が特に注意すべき理由

痩せ型の糖尿病リスクは、実は男性において特に見過ごされやすい問題です。その原因の一つが、内臓脂肪の蓄積しやすさにあります。男性は女性に比べて皮下脂肪よりも内臓脂肪がつきやすい傾向があり、見た目は細身であっても内臓脂肪型肥満、いわゆる「隠れ肥満」の状態になっているケースが少なくありません。体重や見た目だけで健康を判断することの危うさは、男性において特に当てはまります。さらに、男性ホルモンであるテストステロンの低下も見逃せない要因です。加齢とともにテストステロンが減少すると、筋肉量の低下やインスリン抵抗性の悪化につながり、血糖コントロールが難しくなります。加えて、男性は飲酒や喫煙の頻度が女性より高い傾向があります。アルコールの過剰摂取は膵臓への負担を増大させ、β細胞機能の低下を招きます。喫煙もまた、インスリンの効きを悪化させる原因となることが知られています。これらの生活習慣が重なることで、血糖コントロールの改善はさらに困難になります。そして最も懸念されるのが、男性の受診率の低さです。健康診断や医療機関への受診率は女性と比べて低く、症状が現れても「たいしたことはない」と後回しにしがちな傾向があります。糖尿病は初期に自覚症状が出にくいため、気づいたときにはすでに進行しているというケースも多くあります。「痩せている男性だから大丈夫」という思い込みは非常に危険です。年に一度の血液検査を習慣にして、早期発見・早期改善につなげてください。

 

痩せ型糖尿病の改善・予防策

痩せ型糖尿病の改善・予防策

痩せ型糖尿病の改善・予防において大切なのは、体重を落とすことではなく、血糖値のコントロールを整えることです。食事・運動・生活習慣の三つの柱を見直すことで、発症リスクを下げ、進行を抑えることができます。それぞれ具体的に解説します。

食事の改善

痩せ型の方に必要なのは、カロリーを極端に減らす「食事制限」ではなく、血糖値の上がり方を緩やかにする「食事の質の改善」です。まず取り入れてほしいのが、食べる順番の工夫です。食物繊維を多く含む野菜や海藻類を最初に食べ、次にタンパク質、最後に炭水化物を摂ることで、食後の血糖上昇を抑えることができます。また、白米や白いパンよりも低GI食品を選ぶことも効果的です。さらに、タンパク質を十分に摂ることは筋肉量の維持・増加にもつながり、インスリン感受性の改善にも役立ちます。なお、欠食やまとめ食いは一度に血糖値を急上昇させる「血糖スパイク」を招く原因になるため、三食規則正しく食べることを心がけてください。

運動の改善

運動は、血糖コントロールの改善において非常に重要な役割を果たします。ウォーキングや軽いジョギングといった有酸素運動は、筋肉がブドウ糖を消費するのを助け、血糖値を下げる効果があります。そして、痩せ型の方に特に意識してほしいのが筋力トレーニングです。筋肉量を増やすことでインスリン感受性が高まり、血糖を取り込む力が向上します。男性であれば週2〜3回のスクワットや体幹トレーニングから始めるのが取り組みやすいです。加えて、食後30分以内に軽く体を動かす習慣をつけることで、食後の血糖上昇を効果的に抑えることができます。なお、激しい運動でなくても、食後の散歩程度で十分な効果が期待できます。

生活習慣の見直し

食事や運動と同様に、日常の生活習慣も血糖コントロールに大きく影響します。睡眠不足や慢性的なストレスは、血糖値を上昇させるホルモンの分泌を促し、インスリンの効きを悪化させます。そのため、毎日7時間程度の質の高い睡眠を確保することを意識してください。また、喫煙はインスリンの分泌を抑制し、血糖を上げる原因の一つです。症状の有無にかかわらず、禁煙は糖尿病の予防・改善において最優先で取り組むべき課題です。なお、飲酒については、適量を守ることが基本ですが、空腹時の飲酒は低血糖を引き起こすリスクがあるため、必ず食事とともに摂るようにしてください。

痩せ型糖尿病の改善・予防は、食事の質の向上・適切な運動習慣・生活習慣の見直しの三つを継続することが基本です。特別なことを始めるよりも、毎日の小さな積み重ねが血糖コントロールの安定につながります。「痩せているから大丈夫」という思い込みを手放し、今日からできることを一つずつ実践してください。

 

こんな方は早めに受診・血液検査を

こんな方は早めに受診・血液検査を

糖尿病は「太っている人の病気」ではありません。痩せ型の方こそ、自覚症状がないまま血糖値の異常が進行しやすいという点を忘れないでください。「太っていないから健診を受けていない」という方は特に注意が必要です。以下に当てはまる項目がある方は、症状の有無にかかわらず、早めに血液検査を受けることを強くお勧めします。

健診で血糖値・HbA1cの異常を指摘された

健康診断で「要再検査」「要精密検査」と記載されていた場合、それは見逃してはいけないサインです。一度の検査で異常値が出た場合でも、「痩せているから大丈夫だろう」と放置してしまう方が少なくありません。しかし、血糖値やHbA1cの異常は、すでに膵臓のインスリン分泌機能が低下し始めているサインである可能性があります。早期に医療機関を受診し、精密検査を受けることで、糖尿病への移行を防ぐことができます。指摘を受けたまま放置せず、必ず受診してください。

親・兄弟に糖尿病患者がいる

家族に糖尿病の患者がいる場合、インスリン分泌能力の低さが遺伝的に受け継がれている可能性があります。特に痩せ型で家族歴がある方は、体質的なリスクと遺伝的なリスクが重なっている状態です。自覚症状がなくても、すでに血糖値の異常が始まっているケースがあります。そのため、家族歴がある方は定期的な血液検査を習慣にしてください。年に一度の検査で早期発見につなげることが、将来の合併症予防において最も効果的な改善策の一つです。

最近、口の渇き・倦怠感・体重減少が気になる

口の渇き、疲れやすさ、食べているのに体重が減るといった症状は、糖尿病のサインである可能性があります。これらの症状は「忙しいから」「年齢のせいだろう」と見過ごされがちですが、複数の症状が重なっている場合は特に注意が必要です。男性の場合、こうした体の変化を自覚していても受診をためらうケースが多く、発見が遅れる原因になっています。症状が軽いうちこそ、早めに血液検査を受けてください。放置すれば症状は進行し、治療がより困難になります。

痩せているが運動習慣がなく筋肉量に自信がない

体重が標準範囲内であっても、運動習慣がなく筋肉量が少ない方は、血糖を処理する力が低下しています。見た目では判断できない「隠れ肥満」や「低筋肉型」の状態は、血糖コントロールの悪化につながりやすい体質です。「痩せているから問題ない」という思い込みが、受診の遅れを招く最大の原因です。一度体組成計で筋肉量・体脂肪率を確認し、気になる場合は血液検査とあわせて医師に相談してください。

ここまで紹介した四つの項目に一つでも当てはまる方は、できるだけ早く血液検査を受けてください。痩せ型の糖尿病は自覚症状が出にくいからこそ、定期的な検査による早期発見が何よりも重要です。特に男性は受診をためらいがちですが、発見が遅れるほど改善は難しくなります。「太っていないから安心」という思い込みを今すぐ手放してください。なお、健診でHbA1cの異常を指摘された方は「HbA1cが高いと言われたら|正常値・危険な数値・下げ方と受診のタイミングを解説」を、血糖値の異常を指摘された方は「健康診断で血糖値が高いと言われたら|正常値・判断基準・次にすべき行動を解説」をあわせてご覧ください。いずれも、次に取るべき行動を具体的に解説していますので、ぜひ参考にしてください。

 

まとめ

痩せていても糖尿病になる?痩せ型糖尿病の原因・症状・改善策を医師が解説

痩せ型糖尿病は、インスリン分泌不全・筋肉量の少なさ・遺伝的要因という三つの原因が重なることで発症します。体重が標準範囲内であっても、日本人は膵臓のインスリン分泌能力が低いという体質的な特性を持っており、「痩せているから安心」とは決して言えません。さらに厄介なのは、初期段階では自覚症状がほとんど現れないという点です。口の渇きや倦怠感、体重減少といった症状が出たときには、すでに病状が進行していることもあります。特に男性は受診をためらいがちなため、気づかないまま悪化させてしまうリスクが高く、注意が必要です。家族に糖尿病の患者がいる方、疲れやすさや口の渇きが続いている方、運動習慣がなく筋肉量に不安がある方は、症状が軽いうちに血液検査を受けてください。早期に発見し、食事・運動・生活習慣の改善に取り組むことが、合併症を防ぐ最大の手段です。千葉市都賀周辺にお住まいの方は、ぜひ当院へお気軽にご相談ください。なお、当院では血液検査・診察・生活指導まで、一人ひとりの状態に合わせて丁寧に対応しています。「痩せているから大丈夫」と思っている方こそ、一度受診してみてください。

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糖尿病治療法の一つ、インスリン療法を解説

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、糖尿病の代表的な治療法である「インスリン療法」について解説していきます。 後半部分では「インスリン療法のメリット・デメリット」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 インスリンとは何か インスリン療法とは インスリン療法のしくみ インスリン注射を行う前に血糖自己測定 インスリン療法の具体的な手法 インスリン療法のメリット インスリン療法のデメリット インスリン注射はほとんど痛くありません インスリン療法は早期に始めることが効果的です インスリン療法についてご相談したい方はいつでもご相談下さい   インスリンとは何か インスリンとは、膵臓から分泌されるホルモンの一種です。 糖の代謝を調節し、血糖値を一定に保つ働きを持っております。 なお、インスリンの働きが悪くなったり分泌される量が少なくなったりすることで、血糖値が高い状態が続いてしまうのが「糖尿病」です。 糖尿病について詳しく知りたい方は「糖尿病情報センター」をご覧ください。   インスリン療法とは インスリン療法とは、患者さん自身がインスリン製剤を継続的に投与して血糖をコントロールする治療法のことです。 インスリン製剤を投与する方法として、「頻回インスリン注射療法」と「持続皮下インスリン注入療法」があります。 頻回インスリン注射療法は、一般的にペン型の注射器を用いて1日に数回インスリン注射を行う方法です。お腹、太もも、上腕、お尻に注射することが推奨されています(これらの部位を少しずつ、ずらしながら注射します)。 一方、持続皮下インスリン注入療法は、携帯型のインスリンポンプを使用して皮下に留置した挿入した「カニューレ」からインスリンを持続的に注入する方法です。 インスリンの注入量や注入速度を細かく調整できるため、頻回インスリン注射療法で血糖コントロールが困難な人や低血糖を頻発する人、食事や勤務時間が不規則な人、妊娠中あるいは妊娠の予定がある人などに向いています。 なお、インスリン療法については「インスリンとは?特徴・種類・注意点」でも同様のことを伝えています。   インスリン療法のしくみ インスリンの自己注射を行うのは「1型糖尿病」の方、または「2型糖尿病」のうち内服治療が難しい方です。 不足したインスリンを注射で補うことで、健康な人のインスリン分泌に近づけます。 なおインスリンの自己注射では、効果が長時間持続するインスリン製剤を1日に1,2回と、即効性のあるものを毎食前に打つなどして、この2つの分泌を再現します(どのインスリン製剤を使うか、どのタイミングで注射するかは体格や生活様式などに合わせて調整します)。   インスリン注射を行う前に血糖自己測定 インスリン注射を行う前に、自分で血糖値を測定する「血糖自己測定」を行うことがあります。 なぜなら日々の血糖値を記録することで、血糖コントロールを良好に行えるからです。 また直前に測定することで、「血糖値が低いにも関わらず自己注射を行い、さらに低血糖になる」といったことを防ぐことができます。 血糖自己測定の方法は以下の通りです。   ⑴    血糖測定器、測定用チップ、消毒用アルコール綿、穿刺器、穿刺針、自己管理ノート、針捨て容器を準備し、手を洗ってください。 ⑵    血糖測定器に測定用チップを、穿刺器に針をセットします。 ⑶    指先などを消毒します。そして針を消毒した場所に押し当て、穿刺器のボタンを押して針を刺してください。 ⑷    血液を測定用チップに染み込ませて、血糖値を測定します。 ⑸    残った血液を拭き取り、血糖値を自己管理ノートに記録してください。   インスリン療法の具体的な手法 インスリン注射の具体的な方法は以下の通りです。 ⑴    注入器、製剤カートリッジ、消毒綿など必要な物品を準備します。インスリン製剤が混濁している場合は均一になるようにカートリッジを振ってください。 ⑵    インスリン製剤に注射針をセットします(針が曲がらないように真っすぐ刺してください)。 ⑶    インスリン製剤の空打ちをして針先まで薬液を満たします。 ⑷    ダイヤルを回転させて注射する単位数を医師の指示した値にセットしてください。 ⑸    注射する部位を消毒します。そして皮膚を軽くつまんで直角に注射針を刺してください。 ⑹    ダイヤルが0になるまで、しっかりと薬液を注入します。そして10秒程度数え、注入ボタンを押したままで針を抜きます。 ⑺    針はキャップをかぶせてから取り外します。なお、針は1回きりの使用になりますので、ご注意ください。 ※インスリン注射をする場所はお腹、太もも、おしり、腕です。   それぞれ薬の吸収速度が異なるため、注射部位を医師から指示される場合があります。 また、同じところに針を刺し続けると皮膚が硬くなり、痛みの原因になったり、薬の効きが悪くなります。 ですので毎回2〜3cmずらすようにしてください。 「糖尿病のインスリン注射器の使い方と副作用の対処法」でも同様のことを伝えています。   インスリン療法のメリット インスリンを体外から補充することによって、無理にインスリンを出そうとする膵臓の働きすぎを防ぎ、疲れた膵臓を一時的に休めることができます。 インスリン治療によって膵臓の働きが回復したら、インスリン注射の回数を減らせたり、経口血糖降下薬だけの治療に戻せる可能性があります(インスリン療法により、膵臓のインスリン分泌機能が回復することもあります)。   インスリン療法のデメリット 残念ながら、インスリンには副作用があります。インスリン療法における主な副作用は、「低血糖症状」です。インスリンには、血糖値を下げ、良好な血糖コントロールが期待できる分、その裏返しで「低血糖症状」という副作用があります。 低血糖症状は、インスリン療法に限らず、糖尿病の治療に用いられる飲み薬全般でも起こりうる副作用です。 そのため、低血糖症状に対する適切な処置方法を把握し、血糖の自己測定などで自身を管理することが大切になってきます。 インスリン療法における副作用について詳しく知りたい方は「糖尿病ネットワーク」をご覧ください。   インスリン注射はほとんど痛くありません インスリン注射は予防接種や採血などでイメージする注射とは異なり、痛みはそれほどありません。 なぜならインスリン注射で使う専用の注射針は、採血用の注射針とは違い、痛みが少なくなるようデザインされているからです(採血で使う注射針の3分の1ぐらいの細さで針の先も特殊なカットがしてあり、痛みが少ないように工夫されています)。   インスリン療法は早期に始めることが効果的です 上述した通り、インスリンを体外から補充することによって、無理にインスリンを出そうとする膵臓の働きすぎを防ぎ、疲れた膵臓を一時的に休めることができます。 そのため、インスリン療法は早期に始めることが効果的です。近年では、高血糖毒性をとり除くために、早期からインスリン注射薬を使ったり、また比較的軽症の糖尿病にもインスリン注射薬を用いる場合があります。 ですので、主治医にインスリン療法を勧められたら積極的に受け入れるようにしてください。 日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会が発表した「糖尿病標準診療マニュアル」でも、いくつかの経口薬を併用しても血糖コントロールが改善せず,HbA1c 9%以上が持続するなら、インスリン療法を積極的に始める必要があると伝えています。   インスリン療法についてご相談したい方はいつでもご相談下さい 糖尿病になっても、初期段階では自覚症状がありません。 そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。 糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。   当日の順番予約はこちらから

2023.01.21

糖尿病・代謝内科

糖尿病と高血圧の関係

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
糖尿病患者さんにおける「高血圧」の頻度は非糖尿病者に比べて約2倍高く、高血圧患者さんにおいても糖尿病の合併頻度は2~3倍高いと報告されています。 この記事では、糖尿病患者さんに向けて「糖尿病と高血圧の関係」を解説していきます。後半部分では「糖尿病と高血圧の予防」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 糖尿病の方がなぜ高血圧になりやすいのか 【糖尿病と高血圧の関係1】高血糖で循環血液量が増えるからです 【糖尿病と高血圧の関係2】肥満 【糖尿病と高血圧の関係3】インスリン抵抗性があるからです 糖尿病の血圧値について 糖尿病と高血圧予防 【糖尿病と高血圧予防】食生活の改善 糖尿病と高血圧予防|食事のポイント 【糖尿病と高血圧予防】運動 糖尿病と高血圧予防|運動の頻度について   糖尿病の方がなぜ高血圧になりやすいのか 糖尿病患者さんは「高血圧になりやすい」といわれています。なぜ糖尿病の方は高血圧になりやすいのでしょうか。糖尿病患者さんが高血圧になりやすいのには、以下の理由があげられます。 【糖尿病と高血圧の関係1】高血糖で循環血液量が増えるからです 血糖値が高い状態では、血液の浸透圧が高くなっています。そのため、水分が細胞内から細胞外に出てきたり、腎臓からの水分の吸収が増えたりして、体液・血液量が増加し、血圧が上昇します。 【糖尿病と高血圧の関係2】肥満 2型糖尿病患者さんには肥満が多いのが特徴です。肥満になると交感神経が緊張し、血圧を上げるホルモンが多く分泌されるため、高血圧になります。このようなことから、糖尿病患者さんは高血圧になりやすいと考えられています。 【糖尿病と高血圧の関係3】インスリン抵抗性があるからです インスリン抵抗性とは、インスリンの作用を受ける細胞の感受性が低下している状態です。インスリン抵抗性は、インスリンが効きにくくなったのを補うためにインスリンが多量に分泌され「高インスリン血症」を招きます(インスリン抵抗性自体が糖尿病の原因にもなります)。高インスリン血症では、交感神経の緊張、腎臓でナトリウムが排泄されにくい、血管壁を構成している細胞の成長が促進されるといった現象が起きて、血管が広がりにくくなり、血液量も増え、血圧が高くなるのです。 <高血圧とは?> 高血圧とは、運動したときなどの一時的な血圧上昇とは違い、安静時でも慢性的に血圧が高い状態が続いていることを指します。具体的には「収縮期血圧が140mmHg以上」「拡張期血圧が90mmHg以上」の場合をいい、どちらか一方でもこの値を超えていると高血圧と診断されます。高血圧は自覚症状がほとんどありません。しかし放置してしまうと心疾患や脳卒中など生命を脅かす病気につながるため「サイレント・キラー」といわれています。高血圧が引き起こす合併症について知りたい方は「高血圧の症状にお困りの患者の方へ」をご覧ください。   糖尿病の血圧値について 日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2014」では、糖尿病患者さんの降圧目標を、130/80mmHg未満としています。ただし、高齢者では厳しい血圧コントロールは、ふらつきや起立性低血圧などの原因となる可能性があるため、やや高めに設定されています。高齢者では、それぞれの患者さんの病気の状態に合わせて慎重に血圧コントロールをしていきます。詳しくは「高血圧治療ガイドライン2014」に記載していますので、ご興味のある方はご覧ください。   糖尿病と高血圧予防 糖尿病と高血圧予防に有効な対策は「食生活の改善」と「運動」です。順番にご説明していきますね。 【糖尿病と高血圧予防】食生活の改善 食事は、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考えてさまざまな食品をまんべんなくとることが大切です。食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、朝食、昼食、夕食の3回ゆっくりよく噛んで、腹八分目で食べるよう心掛けてください。バランスのとれた栄養を1日の必要量のカロリーでとることで、すい臓の負担は軽くなり、すい臓の能力は回復されます。   糖尿病と高血圧予防|食事のポイント 糖尿病と高血圧を予防するためには「食べ方」も大切です。食事する際は以下のポイントに注意してください。 <糖尿病と高血圧予防|食事のポイント1>野菜類から食べる 野菜類から先に食べることで食後の血糖値の上昇が緩やかになります。また、野菜や豆類などで少しお腹をふくらませておくと、肉類やご飯の量を減らすこともできます。ですので、食事をする際は、野菜類から食べるようにしてください。 <糖尿病と高血圧予防|食事のポイント2>ゆっくり食べる 早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。 <糖尿病と高血圧予防|食事のポイント3>規則正しく3食を食べる 1日に2食や、間隔の空き過ぎた食事の取り方はよくありません。食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、規則正しく「3食」を食べることを心掛けてください。 <糖尿病と高血圧予防|食事のポイント4>腹八分目 慢性的な食べすぎは、余分なブドウ糖をつくり、糖尿病を発症させる最大の原因となります。いつもお腹いっぱいに食べないと満足できない人は、注意が必要です。とくに脂肪分の多い肉類の食べすぎは、カロリーの取りすぎにつながりやすいので、量を控えてください。   【糖尿病と高血圧予防】運動 運動をすることで、ブドウ糖や脂肪酸の利用が促進され、インスリンに頼らずに糖分が細胞や筋肉の中に吸収されるようになり、血糖値の低下が期待できます。また、長期的には、インスリン抵抗性を改善させ、血中のブドウ糖の量を良好にコントロールできるようにすることが期待されます。なお、おすすめの運動は「有酸素運動」と「レジスタンス運動」です。それぞれの運動については下記をご覧ください。 <糖尿病と高血圧予防|おすすめの運動1>有酸素運動 有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに、酸素を使う運動のことです。ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。 <糖尿病と高血圧予防|おすすめの運動2>レジスタンス運動 レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動です。スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操など、標的とする筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います(レジスタンス(Resistance)は和訳で「抵抗」を意味します)。レジスタンス運動は、筋肉量増加・筋力向上・筋持久力向上を促す筋力トレーニングとして高齢者からアスリートまで広く行われています。   糖尿病と高血圧予防|運動の頻度について 運動の頻度は「できれば毎日」少なくとも週に3~5回行うのが良いといわれています。しかし、普段から運動に親しんでいない方(または高齢の方)などでは、急激な運動はかえって体の負担となり、思いがけない事故を引き起こしてしまうこともあります。ですので、無理のない範囲で行なってください。運動は定期的に長く続けられることが秘訣です。自然の中で風景を堪能しながらの「ウォーキング」や楽しく続けられる「スポーツ」など、自分にあった運動の方法を探してみてくださいね。 当日の順番予約はこちらから

2022.10.05