板谷内科クリニックブログ

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治療についての記事一覧

内科

急性ウイルス感染症(手足口病)について

内科に関する記事です。
手足口病は手のひら、足の裏、口の中に発疹ができることが特徴の病気です。5歳未満の子供で発症しやすく、6月~8月の夏に流行する三大夏風邪の1つと呼ばれています。手足口病は子供に多い病気ですが、大人でもかかることはあります。ですので、子供だけではなく大人も注意が必要な病気だと言えるでしょう。 この記事では、手足口病について解説していきます。後半部分では「手足口病の治療方法」についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 【目次】 手足口病とは? 手足口病の特徴 手足口病の原因 手足口病の感染経路 手足口病の症状 手足口病の治療方法 手足口病の予防 手足口病とヘルパンギーナとの違いとは?   手足口病とは? 手足口病とは、口腔粘膜および手や足などに現れる水疱性の発疹を主症状とした急性ウイルス感染症です。1950年代後半に認識された「ウイルス性発疹症」であり、我が国では1967年頃からその存在が明らかになりました。手足口病は感染者の多くが小児で、5歳未満が90%前後を占めていると言われています。詳しくは「感染症発生動向調査」に記載していますので、ご興味のある方はご覧ください。   手足口病の特徴 手足口病は手のひら、足の裏、口の中に発疹ができることが特徴です。一度感染するとウイルスに対しての免疫はできますが、他の種類のウイルスには免疫がないため、繰り返しかかる可能性があります。ですので、症状が回復した後でも注意が必要になります。繰り返しかかる可能性について「厚生労働省のホームページ」でも伝えています。   手足口病の原因 手足口病はウイルスに感染することが原因で発症します。原因となるウイルスは様々ですが、主に「エンテロウイルス」と「コクサッキーウイルス」が挙げられます。これらのウイルスは“ノンエンベロープウイルス”とも言われており、アルコール消毒剤や熱に強いウイルスとして知られています。   手足口病の感染経路 手足口病の感染経路は主に3つあります。1つ目は感染している人のくしゃみや咳とともに、空気中に飛び出したウイルスを吸い込むことにより感染してしまう飛沫感染です。2つ目は感染者が触れたドアノブやスイッチに接触し、さらにその手で口や鼻を触ることにより体内にウイルスを取り込んでしまう接触感染です。そして3つ目は、感染者の乾燥した便の粒子を吸い込んでしまったり、おむつを取り替えた後に十分に手を洗わないまま顔を触ってしまったりすることで感染する経口感染になります。   手足口病の症状 手足口病は感染してから3~5日後に、口の中、手のひら、足底や足背などに2~3mmの水疱性発疹が出ます。発熱は約3分の1にみられますが、あまり高くならないことが大半であり、高熱が続くことは通常はありません。多くの発病者は、数日間のうちに治る病気です。しかし稀にですが、髄膜炎、脳炎などの「中枢神経系の合併症」のほか、心筋炎、急性弛緩性麻痺など、様々な症状が出ることがあります。詳しくは以下をご覧ください。 【手足口病の合併症1】髄膜炎 髄膜炎は脳の周りを覆っている髄膜に、脳炎は脳自体に炎症がおこる病気です。髄膜炎の原因は、細菌やウイルス、結核、真菌などの病原体が侵入する感染症が主です。また、髄膜炎・脳炎には、感染症によるものだけではなく、自分の免疫の作用で自己抗体を作成し、自己抗体が脳に炎症を引き起こす自己免疫性脳炎があります。 【手足口病の合併症2】脳炎 脳炎とは脳内に白血球が入り込んで炎症を起こし、脳が障害される病気です。ウイルス、細菌、真菌(カビ)、寄生虫といった病原体が脳に感染して起こる「感染性脳炎」と、自己免疫によって起こる「自己免疫性(免疫介在性)脳炎」とがあります。 【手足口病の合併症3】心筋炎 心筋炎とは、主にウイルスが心臓の筋肉(心筋)に感染し心筋細胞に炎症が起こり、心筋の本来の機能が失われ、ポンプである心筋の収縮不全や不整脈を生じる疾患です。 【手足口病の合併症4】急性弛緩性麻痺 急性弛緩性麻痺は、ウイルスなどの種々の病原体の感染により弛緩性の運動麻痺症状を呈する感染症です。多くは何らかの先行感染を伴い、手足や呼吸筋などに筋緊張の低下、筋力低下、深部腱反射の減弱ないし消失、筋萎縮などの急性の弛緩性の運動麻痺症状を呈します。   手足口病の治療方法 手足口病の根本的な「治療法」や「特効薬」は現在の医学ではないとされています。基本的には、症状の軽い病気であるため、様子を見ながら経過観察をしていくのが一般的です。なお、発疹に痛みや痒みを伴うなど症状が強い場合は「抗ヒスタミン薬の塗り薬」を使用するなど対症療法を行います。また口内炎などの痛みが強い場合は「鎮痛剤」で痛みを和らげる他、粘膜保護剤の軟膏が処方されることもあります。   手足口病の予防 手足口病の予防は、飛沫感染や接触感染が主な感染経路となるため、日頃から手洗い・うがいをしっかりと行うことが予防の基本です。また症状が回復した後でも排泄した便には2~4週間ほどウイルスが潜んでいます。そのため、お子様のおむつを交換したときには「石鹸」や「ハンドソープ」で手洗いをすることが大切です。手足口病は子供に多い病気ですが、大人でもかかることはありますので感染しないように注意して下さい。   手足口病とヘルパンギーナとの違いとは? 手足口病の病原体は主に「コクサッキーウイルスA16型」と「エンテロウイルス71型」、その他「コクサッキーA6」「A10型」などです。一方、ヘルパンギーナの病原体は主として「コクサッキーA型ウイルス」です。いずれも潜伏期間は3~6日で流行のピークは夏になります。両者ともに発熱、のどの痛み、水疱が見られるので混同しがちですが、手足口病は38℃程度までしか上がらないのに対し、ヘルパンギーナは突然の38~40℃の発熱が1~3日続きます。また、手足口病の水疱は手・足など体中にもできるのに対し、ヘルパンギーナはのどや上あごにかけて小さな水疱や潰瘍ができます。ヘルパンギーナについて詳しく知りたい方は「ヘルパンギーナについて解説している記事」をご覧ください。   登校許可証について 学校や幼稚園に通っているお子さんが、感染症にかかった場合、感染症が拡がるのを防ぐため、感染の恐れがある間は登校・登園を控えていただく場合があります。ご注意ください。尚その後、感染の恐れがなくなり登校・登園する場合、学校や園によっては「登校許可証」が必要になる場合があります。「登校許可証」をご希望の方は、お気軽にご相談下さい。  

2022.09.12

内科

ヘルパンギーナの症状と予防について

内科に関する記事です。
ヘルパンギーナは夏風邪の代表格のひとつと言われ、一般的に4歳以下の子供が感染しやすい疾患となります。 大人も抵抗力が低下しているとかかることがございますので、どなたでも注意が必要な疾患です。 この記事では、ヘルパンギーナの症状と予防について解説していきます。後半部分では「ヘルパンギーナの治療方法」についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 【目次】 ヘルパンギーナとは ヘルパンギーナの特徴と症状について ヘルパンギーナの原因 ヘルパンギーナの治療方法について ヘルパンギーナの予防について ヘルパンギーナの病原診断について ヘルパンギーナの合併症について ヘルパンギーナの治療後の注意点   ヘルパンギーナとは ヘルパンギーナとは、発熱と口腔粘膜にあらわれる水疱性の発疹を特徴とした急性のウイルス性咽頭炎です。乳幼児を中心に夏季に流行します(年齢は4歳以下が多く、1歳が特に多い傾向にあります)。 いわゆる夏かぜの代表的疾患とも言われ、その大多数はエンテロウイルス属に属するウイルスに起因し、主にコクサッキーウイルスA群である場合が多いが、コクサッキーウイルスB群やエコーウイルスで発症する場合もあります。 ヘルパンギーナと手足口病との違いについては「千葉市医師会のホームページ」に詳しく記載していますので、ご興味のある方はご覧ください。   ヘルパンギーナの特徴と症状について ヘルパンギーナは2~4日の潜伏期の後、突然の高熱に続いて喉が痛み、喉の奥に水膨れができて赤く腫れるのが特徴です。高熱による倦怠感や口腔内の痛みなどから、食事や水分を十分にとれず、脱水になることもあります。 多くの場合、安静にしていれば1週間ほどで回復しますが、まれに重症化するので油断は禁物です。免疫力が下がっていると、大人が感染することもありますので、ご注意ください。「東京感染症情報センター」でも同様の見解を述べています。   ヘルパンギーナの原因 ヘルパンギーナは、主にコクサッキーA群ウイルスを原因とします。ヘルパンギーナにかかった人の咳やくしゃみ、つばなどのしぶきに含まれるウイルスによって感染します。また水疱の内容物や便に排出されたウイルスが手などを介し、口や眼などの粘膜に入って感染します。ヘルパンギーナの原因について詳しく知りたい方は「国立感染症研究所のホームページ」をご覧ください。   ヘルパンギーナの治療方法について ヘルパンギーナに特異的な治療法はなく、通常は対症療法のみであり、発熱や頭痛などに対してはアセトアミノフェンなどを用いることもあります。また時には、脱水に対する治療が必要なこともあります。なお、無菌性髄膜炎や心筋炎の合併例では入院治療が必要であり、後者の場合には特に循環器専門医による治療が望まれます。   ヘルパンギーナの予防について ヘルパンギーナに特異的な予防法はありません。しかし感染者との密接な接触を避けること、流行時にうがいや手指の消毒をすることにより、一定の予防効果があります。こまめにうがいや手指の消毒は行いましょう。「千葉市のホームページ」でも同様のことを伝えています。   ヘルパンギーナの病原診断について ヘルパンギーナの病原診断には、患者の口腔内拭い液、特に水疱内容を含んだ材料、糞便、髄膜炎を合併した例では髄液などを検査材料としてウイルス分離を行うか、あるいはウイルス抗原を検出します。確定診断にはウイルスを分離することが原則になります。なお、実際には臨床症状による診断で十分なことが多いです。   ヘルパンギーナの合併症について ヘルパンギーナは合併症を起こすことは少ない病気です。しかし大人では感染すると重症化のリスクが高まるため合併症を引き起こすかもしれません。もし合併症を起こした場合には「熱性痙攣」「無菌性髄膜炎」「急性心筋炎」などを発症する場合があります。 【ヘルパンギーナの合併症1】熱性痙攣 熱性痙攣とは「ひきつけ」のことです。高熱が出たときに白目をむいて、全身を突っ張らせる痙攣は、強直性痙攣と呼ばれる痙攣で、ガクンガクンと手足をふるわせたりする状態になります。0〜5歳くらいまでの間に38度以上の発熱に伴って起き、発症確率は7~8%とされています。 【ヘルパンギーナの合併症2】無菌性髄膜炎 無菌性髄膜炎は、発熱、頭痛、嘔吐のいわゆる3主徴をみとめ、後部硬直、ケルニッヒ徴候などの髄膜刺激徴候が存在すること、髄液一般検査で定型的な所見を得ること、髄液の塗抹、細菌培養で細菌を検出しないことにより診断がなされる症候群です。 【ヘルパンギーナの合併症3】急性心筋炎 急性心筋炎とは、今まで元気に生活していた人が風邪などをきっかけに、数日の間に進行して心臓の筋肉に炎症が起こる病気です。心臓の動きが悪くなって、心不全や危険な不整脈を引き起こします。急性心筋炎は多くの場合、心筋にウイルスなどが感染して発症します。   ヘルパンギーナの治療後の注意点 ヘルパンギーナにはワクチンがないため、こまめなうがいと流水でしっかり手を洗うことで予防することが第一です。タオルや食器、おもちゃなどの共有は避けて、感染している子供が触れた物を消毒することも感染を防ぐポイントです。また、治癒した後も2~4週間ほどはウイルスが便に残っている可能性があるため、子供のおむつ替えをした後はきちんと手洗いをすることが、保護者への感染を防ぐのに有効です。「国立成育医療研究センター」でも同様のことを伝えています。   登校許可証について 学校や幼稚園に通っているお子さんが、感染症にかかった場合、感染症が拡がるのを防ぐため、感染の恐れがある間は登校・登園を控えていただく場合があります。ご注意ください。尚その後、感染の恐れがなくなり登校・登園する場合、学校や園によっては「登校許可証」が必要になる場合があります。「登校許可証」をご希望の方は、お気軽にご相談下さい。  

2022.09.11

糖尿病・代謝内科

糖尿病患者の足にみられる症状について

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
糖尿病はインスリンの分泌不全もしくは、インスリンが作用する臓器が十分にインスリンの効果を受けられない状態(インスリン抵抗性)、あるいはその両方がきっかけで血糖値が慢性的に高くなってしまった代謝異常の状態を指します。 血糖値が何年間も高いままでいると、将来的に心臓病や、失明、腎不全といったより重い病気につながります。 そのため、糖尿病の症状が見られた際には放置せず、速やかに糖尿病専門医による診察を受けることが大切です。 この記事では、糖尿病患者の足にみられる症状について解説していきます。 後半では「足の症状のチェックポイント」を説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。 【目次】 糖尿病の主な合併症について 糖尿病足病変とは? 足の症状が悪化した時のリスクについて 糖尿病患者の足に出る症状一覧 糖尿病に対するフットケアについて   糖尿病についてすぐ相談したい方はこちら 糖尿病の主な合併症について 糖尿病の合併症の中でも「糖尿病性神経障害」「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」は3大合併症と言われております。 中でも「糖尿病性神経障害」は多くの糖尿病患者に起こりやすく、立ちくらみや下痢、便秘といった自律神経障害や手足の痺れ、冷えやこりといった感覚・運動神経障害といった症状が現れます。 神経障害が進行してしまうと、通常より感覚が鈍くなるため小さな傷をつくりやすいです。   糖尿病足病変とは? 糖尿病の患者に生じる足のトラブルの総称を「糖尿病足病変(とうにょうびょうあしびょうへん)」といいます。 病変には、足に生じる水虫や細菌感染による病変、たこやうおのめ、足の潰瘍や変形などがあります。 さらに重症になると壊疽(えそ)という組織が死んでしまった状態になり、最悪の場合は足を切断することもあります。 これらを避けるためには、血糖を適切な状態に保つことはもちろん、毎日足の状態をよく観察し異常をすぐに見つけることが大切です。 このような状態で外傷、靴ずれ、低温やけどなどによりキズができると潰瘍や壊疽へと悪化する恐れがあるため、注意が必要です。 自分の症状が糖尿病足病変の症状かどうか気になるという方は、いつでも気兼ねなくご相談ください。   症状が気になる方はこちらをクリック 足の症状が悪化した時のリスクについて 糖尿病患者にとって、もっとも怖い足の問題は「足を失うこと」です。 糖尿病で足を失うことは珍しい話ではなく、糖尿病の合併症である神経障害や血管障害などは、足の壊疽(組織が腐ってしまうこと)を引き起こします。 壊疽は大変治りにくい病気で、足を切断することも少なくありません。 糖尿病の症状が見られた方はすぐにでもご相談ください。   すぐに相談したい方はこちらをクリック 糖尿病患者の足に出る症状一覧 糖尿病性足病変の予防には、日頃からのセルフチェックが大切です。 以下の症状がある方は糖尿病の疑いがありますので、速やかに糖尿病専門医による診察をご検討ください。 <糖尿病患者の足に出る症状> 1. 足の先がしびれる 2. 足の先に痛みがある 3. 足の先がジンジン(ピリピリ)する 4. 足の感覚に異常がある(痛みを感じにくい、感覚が鈍いなど) 5. 足がつる 6. うおのめ、たこ、まめ、靴ずれがよくできる 7. 小さな傷でも治らない 8. 足に感染症がある(水虫など) 9. 皮膚が赤くなったり、腫れたりしている部分がある 10. 皮膚が乾燥したり、ひび割れしている部分がある 11. 爪が変形したり、変色したりしている   糖尿病に対するフットケアについて 糖尿病性足病変を予防するためには、日頃から自分の足を気にかけて、フットケアすることが大切です。 毎日足の隅々まで見て触ってよく観察しましょう。具体的な足の糖尿病対策については以下をご覧ください。   【糖尿病対策1】見えないところは鏡を使って観察しましょう 毎日明るい場所で足の裏側を鏡にうつしてみたり、目の悪い方は、周りの人にみてもらいましょう。 長時間歩いた後や運動後は特に念入りに観察してください。   【糖尿病対策2】爪は切り過ぎないようにしましょう 神経障害が進んでいると「違和感」や「痛み」を感じません。 伸びた爪はケガのもとになりますので、こまめに手入れをしてください。なお、硬くて切りにくい爪は無理に自分で切らずに医師や看護師に処置してもらいましょう。   【糖尿病対策3】足を清潔に保ちましょう 感染を防ぐためには、足を清潔に保つことが重要です。足は石けんをよく泡立てて、柔らかいタオルやスポンジで優しく洗ってください。指の間も忘れずに洗いましょう。   【糖尿病対策4】自分の足に合った靴をはきましょう 靴が足に合っていないと、靴ずれを起こしたり、血管を圧迫したりします。 そのため、足の糖尿病対策として靴選びは重要なポイントです。靴を選ぶ際は以下のポイントに注意して選びましょう。   <靴選びのポイント> 1. つま先に1センチ程度の余裕があり、足の形に合っている 2. 革や内張りが柔らかく、靴の内部に硬い縫い目がない 3. クッション性がよく、靴底が安定している 4. ハイヒールなど、一カ所に体重がかかるものは避ける 5. 一日の中で最も足が大きくなる夕方を基準にサイズを選ぶ 6. 通気性のよい綿かウールのものを選ぶ   <靴を履く時のポイント> 1. 新しい靴は最初から長時間履かずに少しずつ慣らしていく 2. 毎日履きかえて清潔に保つ 3. 靴の中に異物がないか、よく確認してから履く 4. 運動や散歩をする時は足首が固定されるよう、紐やマジックテープが付いた運動靴を履く   【糖尿病対策5】必ず靴下を履きましょう 足のケガの防止のため、靴下を必ず履くようにしましょう。 靴下を履くことでケガだけでなく、水虫の予防にもなります。 靴下の選び方については「糖尿病ネットワーク」をご覧ください。   【糖尿病対策6】やけどに注意しましょう 神経障害により足が冷えることはよくありますが、そんなときは熱さに対しても鈍くなっています。 湯たんぽやこたつ、電気カーペットなどでは低温ヤケドに十分注意しましょう。 これまで紹介してきたように糖尿病は放っておくと深刻な症状が出てまいります。 早期発見、治療が何よりも大切ですが、糖尿病は患者本人が気付きにくいという厄介な病気でもあります。 例え身体がどこもおかしくなかったとしても、ほんの少しでも気になることがありましたらまずは相談だけでもご検討ください。 当院ではどんな些細なことでも気軽にご相談いただけるようなクリニックを目指しております。 ちょっとした変化でも気がかりな方は、いつでも当院にお越しください。 相談されたい方はこちらをクリック

2022.05.25

糖尿病・代謝内科

小児糖尿病の子供にみられる症状と治療法について

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、お子様が小児糖尿病かをどうかチェックする際のポイントを紹介していきます。 記事の後半では「合併症のリスク」や「糖尿病の治療方法」についても解説します。 小児糖尿病についてすぐ相談したい方はこちら 【目次】 子供が発症しやすい小児1型糖尿病について 1型糖尿病の2型糖尿病との違いについて 小児糖尿病にみられる症状とは? 糖尿病性ケトアシドーシスとは? 合併症のリスク・症状について 子供の糖尿病治療方法について 糖尿病の治療方法①インスリン療法 糖尿病の治療方法②食事療法 糖尿病の治療方法③運動療法   子供が発症しやすい小児1型糖尿病について そもそも糖尿病とは、すい臓で作られるインスリンの分泌不全またはインスリンが作用する臓器が十分にインスリンの効果を受けられない状態(インスリン抵抗性)、もしくは両方がきっかけで血糖値が慢性的に高くなってしまった代謝異常の状態を指します。 そのうち1型糖尿病とは前者のインスリン分泌不全に該当します。 すい臓にはランゲルハンス島という細胞の集合体があり、その中にあるβ(ベータ)細胞がインスリンを分泌しています。 小児1型糖尿病とはそのβ細胞が壊れてしまうことで生じるインスリンが原因で引き起こされる症状なのです。 なぜβ細胞が破壊されてしまうのか、その原因についてはウイルス感染の関与も疑われておりますが、詳しい原因は完全に解明されていません。 1型糖尿病は小児期に発症することが多く、小児1型糖尿病と呼ばれるのはそのためです。 日本内分泌学会の公式HPでも小児1型糖尿病について紹介されています。   1型糖尿病の2型糖尿病との違いについて インスリンは骨格筋や肝臓などの(標的)臓器に作用し、糖の吸収を促します。 肥満などでインスリンの効果を調整する物質(アディポサイトカインと呼ばれます)の分泌異常が起こると、インスリンが標的臓器に対して効果を十分に発揮できなくなります。 つまり2型糖尿病とは、標的臓器のインスリンに対する感受性が下がり、(分泌量は十分でも)インスリンの作用が十分になされないことが原因で起こる症状です。 前段の通り、1型糖尿病との違いとしては血糖値が高まる原因が異なります。 糖尿病の子供の大半は1型の小児糖尿病ですが、近年2型糖尿病の子供も増加傾向にあります。 糖尿病かどうか診察したい方はこちら   小児糖尿病にみられる症状とは? 子供が小児糖尿病を発症した場合、どのような症状があらわれるのでしょうか? 以下の症状が見られた場合は、小児糖尿病の疑いがあります。 お子様に当てはまる症状があれば、速やかに診察を受けてください。 <糖尿病の子供によくみられる症状> 1. 何度もトイレにいく 2. 喉が渇いて沢山の水がほしくなる 3. 食べているのに痩せる 4. お腹が痛くなる 5. だるい、疲れやすい 6. 意識を失う   子どもの年齢が幼いほど自分から身体の異変を訴えることは難しく、その分小児糖尿病は通常の糖尿病よりも気付きにくいという厄介な病気です。 ただ大人の方でも子どもが本当に小児糖尿病なのかどうかを判断することは難しいでしょう。 些細な変化でも気になることがあったら、すぐに医師にご相談ください。 当院では予約を取らずに受診いただけます。 以下のボタンから当日の順番をお取りいただければスムーズに診察ができますので、ご活用ください。 小児糖尿病について相談したい方はこちら 糖尿病ケトアシドーシスについて インスリン不足がさらに進むと「糖尿病ケトアシドーシス」という合併症を引き起こす恐れがあります。 糖尿病性ケトアシドーシスになるとだるさ、頭痛や痙攣といった症状になり、最後には昏睡状態になってしまう状態で、最悪の場合死に至ることもあります。 糖尿病性ケトアシドーシスは1型糖尿病がきっかけで起こることがほとんどで、インスリンが不足することで脂肪がエネルギーとして使われるような状態です。   糖尿病合併症のリスク・症状について 糖尿病の恐さは、自覚症状のないままに重篤な合併症が進展することです。血糖値が高い状態が持続すると「数年~十数年」の経過で合併症が生じます。 小児1型糖尿病では、失明したり、腎不全となり透析をしなければならなくなったり、痛みを感じにくくなったりします。 また大人になると、脳梗塞、心筋梗塞、狭心症、歯周病、感染症などになりやすくなることもあります。 ですので、お子様に糖尿病の症状が見られた際には絶対に放置してはいけません。 糖尿病の合併症のリスク・症状については「MSDマニュアル」に記載しておりますので、より詳しく知りたい方はご覧ください。   小児糖尿病の治療方法について 小児糖尿病の治療は、健康な子供と同じ発育と生活の質(クオリティ・オブ・ライフ:QOL)の確保が前提となります。 本人や家族はもちろん、学校の先生やまわりの友達にも、糖尿病の病気への理解と、きちんとした治療が必要であるという意識をもってもらうことが大切です。 以下、糖尿病の治療方法になります。   小児糖尿病の治療方法①インスリン療法 インスリンが不足した状態になっているときに、インスリン注射等で外部からインスリンを補うことによって血糖を下げます。 これにより健常な子供と同等の血糖値変動パターンに近づけることが可能となり、日常生活における支障を和らげることができます。   小児糖尿病の治療方法②食事療法 食事療法は糖尿病治療の基本です。 1. 食べすぎず、腹八分目に抑える 2. 朝昼晩、規則正しく食べる 3. バランスよく食べ、食事中はゆっくりよく噛んで食べる 4. 寝る間際に食べすぎない これらのことをきちんと守り、3大栄養素(脂質、糖質、タンパク質)をバランスよく摂取してください。 千葉県の公式HPでも「子供の糖尿病治療と管理について」にて糖尿病の子供に関する治療法を紹介しています。   小児糖尿病の治療方法③運動療法 運動療法の基本は、運動によるエネルギー消費・肥満の解消や抑制です。 運動療法により血糖コントロール・インスリン抵抗性・脂質代謝の改善が得られ、糖尿病の症状が改善に近づきます。 子供にとってはストレス解消や筋力の増加にも役立つので、積極的に取り入れてほしいです。 運動療法については「糖尿病を改善するための運動」にも記載があります。 小児糖尿病は早期発見・早期治療が何よりも肝心です。 どんな小さなことでも気になる方は気兼ねなく当院にご相談ください、糖尿病専門医の医師が丁寧に診察致します。 小児糖尿病について相談したい方はこちら

2022.05.24

アレルギー科

千葉市で花粉症にお困りの方に効果的な対策を紹介します

アレルギー科に関する記事です。
花粉症は春先が憂鬱になってしまう原因のひとつ。目のかゆみ、くしゃみ、鼻水など、主に「目と鼻の症状」を引き起こします。しかしながらアレルギー反応を起こす花粉の種類によっては、のどや皮膚のかゆみ、咳やたん、下痢や食欲の減退といった症状を引き起こすこともあります。ですから、花粉症に苦しめられ、頭を抱えている人もいるのではないでしょうか。 この記事では、千葉市で花粉症にお困りの方に向けて「効果的な対策」をご紹介していきます。花粉症に苦しんでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。 【目次】 花粉症とはどのような症状か 花粉症対策として規則正しい生活をしましょう 【花粉症対策1】適度な運動をする 【花粉症対策2】しっかりと睡眠をとる 【花粉症対策3】ストレスをためない 【花粉症対策4】体を冷やさない 【花粉症対策5】高蛋白、高脂肪の食事は控える 【花粉症対策6】食事は腹八分目を心掛ける 【花粉症対策7】ゆったりとした呼吸をする 【花粉症対策8】禁煙する 日常で花粉症対策 【日常でできる花粉症対策1】眼鏡をかける 【普段からできる花粉症対策2】手洗いをする 【日常からできる花粉症対策3】うがいをする 【日常からできる花粉症対策4】洗顔をする 【日常からできる花粉症対策5】こまめに保湿をする 【日常からできる花粉症対策6】マスクをする 【日常からできる花粉症対策7】外出を控える 【日常からできる花粉症対策8】花粉が付着しにくい服装を心掛ける 【日常からできる花粉症対策9】帽子をかぶる 【日常からできる花粉症対策10】花粉をよく払ってから室内へ入る 【日常からできる花粉症対策11】掃除はこまめに行う 千葉市の花粉飛散情報も逐一確認することをおすすめ 花粉等を含む健康食品の摂取は控える 花粉症の対策で症状が治らない方には早めの治療をおすすめします 舌下免疫療法のご予約について   花粉症とはどのような症状か 花粉症とは、花粉によって生じるアレルギー疾患の総称。主に「アレルギー性鼻炎」と「アレルギー性結膜炎」が生じます。花粉が鼻に入ると、直後にくしゃみ、鼻汁が生じ、少し遅れてから鼻づまりの「即時相(そくじそう)反応」が生じます。ですから、初めて花粉症になったときには、検査をしなければ「かぜ」と間違う場合もございます。なお、花粉症の治療法については「千葉市で花粉症にお困りの方へ効果的な治療法を紹介します」で解説しております。花粉症の治療法が知りたい方はこちらの記事をご覧ください。   花粉症対策として規則正しい生活をしましょう 花粉の時期の健康のためには、規則正しい生活が重要。不規則な生活習慣は、花粉症を悪化させる恐れがあります。ですので、普段から正常な免疫機能を維持するための「生活習慣」を心掛けましょう。以下、生活習慣の改善におすすめの対策です。 【花粉症対策1】適度な運動をする 適度な運動は、体の抵抗力を高めます。継続して運動することで、鼻やのど、呼吸器などの粘膜をきたえる効果も期待できます。 【花粉症対策2】しっかりと睡眠をとる 体調が悪いとアレルギーの症状はひどくなります。しっかり睡眠をとり、体調を整えましょう。 【花粉症対策3】ストレスをためない ストレスは、自律神経をとおして内分泌系に影響し、免疫システムに異常をもたらします。アレルギーの症状を悪化させますので、早めにストレスを解消しましょう。 【花粉症対策4】体を冷やさない 冷えは免疫力を低下させるため、花粉症の原因になると言われております。服装の調節や入浴などで体を冷やさない工夫をしましょう。 【花粉症対策5】高蛋白、高脂肪の食事は控える 高蛋白、高脂肪の食事はアレルギー反応を起こしやすくする可能性があります。魚、野菜、海藻類などバランスよく食べましょう。 【花粉症対策6】食事は腹八分目を心掛ける 食べ過ぎは、アレルギーによる炎症を起こしやすくすると言われています。ですから、食事は腹八分目を心掛けましょう。 【花粉症対策7】ゆったりとした呼吸をする ゆったりした呼吸をすると「心身の緊張」がほぐされ、アレルギーにも強くなります。ですので、なるべくゆったりとした呼吸をするように意識してください。 【花粉症対策8】禁煙する たばこの煙は呼吸器粘膜を傷つけます。花粉症を予防したい方は禁煙を心がけましょう。   日常からできる花粉症対策 ここからは、日常からできる花粉症対策をご紹介します。花粉症は早めに適切な対策を行えば、症状をかなり軽減できます。ですから、今からしっかりと手を打って、少しでも楽にシーズンを過ごしましょう。 【日常からできる花粉症対策1】眼鏡をかける 花粉は目の表面に付着すると、目のかゆみ、充血を引き起こします(いわゆるアレルギー性結膜炎です)。ですから、花粉を目に付着させないために「眼鏡」をかけましょう。眼鏡については「通常の眼鏡」でも花粉の量は40%減少しますので問題ありません。なお、防御カバーのついた花粉症用のメガネではおおよそ65%減少すると言われております。 【日常からできる花粉症対策2】手洗いをする 手洗いは花粉対策に効果的。手洗いをすることで、手のひらに付着した花粉を落とすことができます。花粉の付着した手で目をこすると、目のかゆみ、充血を引き起こす可能性がありますので、帰宅後は必ず手洗いをしましょう(手洗いは花粉対策だけでなく、新型コロナウイルス対策としても非常に有効です)。 【日常からできる花粉症対策3】うがいをする うがいは、のどに流れた花粉を除去するのに効果があります。ですので、外出から帰ってきたら、うがいをしましょう(手洗いと同様、うがいは新型コロナウイルス対策としても非常に有効です)。なお、鼻の粘膜についた花粉は、生理食塩水で鼻うがいをする方法があります。しかし「冷たい水」や「水道水」で行うと刺激になって鼻炎が悪化することがありますので注意が必要です。十分に気をつけましょう。 【日常からできる花粉症対策4】洗顔をする 花粉が人間に付着しやすいのは表面に出ている「頭」と「顔」になります。外出から帰ってきたら洗顔して花粉を落としましょう。 【日常からできる花粉症対策5】こまめに保湿をする 乾燥肌で肌のバリアが弱まっていると、花粉が体の中に侵入しやすくなります。ですから、こまめに保湿して「皮膚の状態を整えておくこと」が花粉症を悪化させない上で重要です。なお、保湿に関しては花粉飛散期に行うというより、普段から行い「良い皮膚の状態」をキープするように心掛けましょう。 【日常からできる花粉症対策6】マスクをする マスクは、花粉対策として効果的。飛散の多いときには吸い込む花粉をおよそ3分の1から6分の1に減らし、鼻の症状を少なくさせる効果が期待されています。ですから、花粉飛散期にはマスクをつけるように心掛けましょう(現在はコロナ禍のため花粉の有無に関係なく、必ずマスクを着用してください。新型コロナウイルス感染拡大防止へのご協力をお願いします)。 【日常からできる花粉症対策7】外出を控える 花粉飛散期には、なるべく外出を控えましょう。特に「晴れて気温が高い日」「空気が乾燥して風が強い日」などの花粉が多い日は控えるようにしてください。なお、外出を控えることは新型コロナウイルス対策としても非常に有効です。新型コロナウイルス感染拡大防止へのご協力をお願いします。 【日常からできる花粉症対策8】花粉が付着しにくい服装を心掛ける 一般的にウール製の衣服は「木綿」や「化繊」と比較して花粉が付着しやすいと言われております。ですから、特に一番外側に着る上着は「ウール素材」の衣服は避け、表面がすべすべした「綿」か「ポリエステル」にするといいでしょう。服装の素材については「逓信病院」でも紹介されています。 【日常からできる花粉症対策9】帽子をかぶる 花粉が人間に付着しやすいのは表面に出ている「頭」と「顔」になります。頭の花粉は、帽子などで避けるといいでしょう。 【日常からできる花粉症対策10】花粉をよく払ってから室内へ入る 花粉飛散期に外出すると、たくさんの花粉が衣類や髪の毛に付着しております。ですので、帰宅時は衣類や髪の毛の花粉をよく払ってから室内へ入りましょう。 【日常からできる花粉症対策11】掃除はこまめに行う 花粉をよく払っても完全に落とすことはできません。ですから、室内に花粉が入り込んでいる可能性があります。花粉に触れる機会を減らすために、日頃からこまめに掃除を行い、室内を清潔に保ちましょう。   千葉市の花粉飛散情報も逐一確認することをおすすめ 花粉症対策として1日中家にいることは極めて有効です。しかしながら、そういう生活は現実的に困難です。ですから、外出する際は花粉飛散情報の確認をおすすめします。千葉市の花粉飛散情報については「日本気象協会のサイト」から確認できますので、ぜひご覧ください。   花粉等を含む健康食品の摂取は控える スギ花粉症の方が「スギ花粉を含む食品」を摂取すると、花粉症の症状が悪化したり、重篤なアレルギー症状を起こす可能性があると報告されております(厚生労働省:スギ花粉を含む食品に関する注意喚起について)。ですから、花粉症の方は、花粉等を含む健康食品の摂取は控えるようにしてください。なお、アレルギーは、ごく微量のアレルギー物質によっても発症することがあります。以前、その食品を食べて特段の異常がみられなくても、体調不良など、条件により重篤なアレルギー症状を起こすこともありますので、十分に注意してください。   花粉症の対策で症状が治らない方には早めの治療をおすすめします 一度発症した花粉症の自然治癒はごく稀と言われております。ですので、つらい花粉症に悩まされている方には、早めの治療をおすすめします。なお現在、完治の可能な花粉症の治療法は減感作療法(げんかんさりょうほう)だけになります(こちらは「厚生労働省の花粉症QAサイト」でも同様です)。減感作療法といえば、2014年に「舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)」が開始されるまで「皮下免疫療法(ひかめんえきりょうほう)」が主流でした。しかし現在では、舌下免疫療法のほうが「簡便で続けやすい」「アナフィラキシーショックが少ない」など利点が多いため、主流となっております。ですから、花粉症の治療をお考えの方には、舌下免疫療法を強くおすすめしております。舌下免疫療法については「舌下免疫療法にお悩みの方へ」に詳しく記載しておりますので、ぜひご覧ください。   舌下免疫療法のご予約について 当院ではアレルギー治療の一つとして「舌下免疫療法」を取り入れています。当院での診察をご希望の方はいつでもお越しください。なお、来院後にスムーズに受診されたい方は「アイチケット」から順番をお取りください  

2022.03.23

循環器内科

千葉市若葉区の都賀で脂質異常症(高脂血症)の症状にお困りの患者様へ

循環器内科に関する記事です。
脂質異常症(高脂血症)は、それ自体に自覚症状もなく放置されがちです。しかし放っておくと確実に動脈硬化を進行させ、様々な合併症を引き起こします。ですから、脂質異常症(高脂血症)と診断された方は、医師のアドバイスのもと生活習慣を見直し、改善する必要があります。 この記事では「脂質異常症(高脂血症)の原因」や「脂質異常症(高脂血症)」について詳しくご説明していきます。お心当たりのある方は、ぜひ最後までご覧ください。 【目次】 脂質異常症(高脂血症)の症状につきまして <脂質異常症と高脂血症の違いとは?> <高脂血症が脂質異常症と呼ばれるようになった理由> 脂質異常症(高脂血症)が起こる原因につきまして non-HDLコレステロールの値にも注意が必要です 脂質異常症(高脂血症)を放置するリスクと合併症につきまして 【脂質異常症(高脂血症)の合併症1】狭心症 【脂質異常症(高脂血症)の合併症2】心筋梗塞 【脂質異常症(高脂血症)の合併症3】脳出血 【脂質異常症(高脂血症)の合併症4】脳梗塞 【脂質異常症(高脂血症)の合併症5】大動脈瘤 当院の脂質異常症(高脂血症)の診断につきまして 脂質異常症(高脂血症)の治療と日々の過ごし方につきまして 千葉市若葉区の都賀で脂質異常症(高脂血症)にお悩みの方へ     脂質異常症について相談したい方はこちら     脂質異常症(高脂血症)の症状につきまして 脂質異常症(高脂血症)とは、中性脂肪やコレステロールなどの脂質代謝に異常をきたした状態のことをいいます。上述した通り、脂質異常症自体では多くの場合、自覚症状はありません。しかし、その状態が続くことで動脈硬化症をきたし、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患(きょけつせいしんしっかん)や脳梗塞などの合併症を生じるリスクが高まります。ですから、脂質異常症を絶対に放置してはいけません。脂質異常症は「動脈硬化の主要な危険因子である」ということを覚えておいてください。     <脂質異常症と高脂血症の違いとは?> 脂質異常症とは「高コレステロール血症」と「高脂血症」を総称した呼び方。そのため、厳密に言うと、脂質異常症と高脂血症は少しずつ違います。まず「脂質異常症」ですが、次の3つのうち1つでも当てはまると、脂質異常症と診断されます。 ・LDLコレステロール(悪玉コレステロール):140mg/dL以上 ・トリグリセライド(中性脂肪):150mg/dL以上 ・HDLコレステロール(善玉コレステロール):40mg/dL未満 (※いずれも空腹時の血清中濃度) これらの脂質のうち、何が異常値となっているかにより「コレステロール血症」または「高脂血症」に分類されます。「高コレステロール血症」とは、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が140mg/dL以上の状態。「高脂血症」とは「高コレステロール血症」もしくは、トリグリセライドが150mg/dL以上(高トリグリセライド血症)のいずれか、または両方である状態を指します。このように、「脂質異常症」とは「高コレステロール血症」と「高脂血症」を含んだ病名で、2007年から使われるようになりました。ではなぜ、わざわざ病名を変える必要があったのでしょうか?       <高脂血症が脂質異常症と呼ばれるようになった理由> 「脂質異常症」という診断名が使用される以前は「高脂血症」という診断名がこれらすべての病態に対して使われていました。しかしながら、脂質値が高くなる場合(LDL-C、TG)のみならず、HDL-Cが低くなる場合も含めての診断名が「高脂血症」であったため、違和感がありました。それゆえ2007年の動脈硬化性疾患予防ガイドライン改訂に際し、診断名「高脂血症」を「脂質異常症」に改訂することになったのです。(改訂により、低HDL-C 血症も動脈硬化性疾患の危険因子として強く認識していただきたい、との意図も込められております)診断名の改訂ついては「日本動脈硬化学会のサイト」により詳しく記載されておりますので、ご興味のある方はご覧ください。       脂質異常症(高脂血症)が起こる原因につきまして 脂質異常症の発症には、過食、運動不足、肥満、喫煙、アルコールの飲みすぎ、ストレスなどが関係しているといわれています。特に、お腹の中に脂肪がたまる「内臓脂肪型肥満」の方はLDLコレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪が多くなり、HDLコレステロールが少なくなりやすい傾向があります。(HDLコレステロールとは、余分なコレステロールを回収して動脈硬化を抑える、善玉コレステロールです)尚、脂質異常症の原因の中には少数ですが「家族性高コレステロール血症」といって、遺伝的要因によるものがあります。この場合には動脈硬化への進行が早いので、食事などによる自己管理だけでなく、病院を受診し、医師による治療や指導が必要になります。家族など近親者に脂質異常症の人が多い場合には、早めに受診するようにしましょう。       non-HDLコレステロールの値にも注意が必要です   non-HDLコレステロールとは「総コレステロール」から善玉の「HDLコレステロール」を引いたものを指します。血液中にはLDLコレステロール(悪玉コレステロール)とは別の悪玉がひそんでおり、それらを含めたすべての悪玉の量をあらわすのが、non-HDLコレステロールの値です。通常、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)以外の悪玉はごくわずかです。しかし中性脂肪の値が高い人ではその量が増加。その結果、動脈硬化に悪影響を及ぼすことになります。なぜなら、別の悪玉は中性脂肪と一緒になって血液中に存在するからです。したがって、中性脂肪が高い人などの場合は、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)だけではなく、non-HDLコレステロールの値もチェックすることが望ましいと言えるでしょう。         脂質異常症(高脂血症)を放置するリスクと合併症につきまして 脂質異常症を長期間放置すると血中の脂質は増え続け、いわゆるドロドロ血液の状態になり、動脈硬化を引き起こしてしまいます。その結果、生命に関わる合併症を発症させるリスクを非常に高めてしまうのです。脂質異常症の合併症には以下のようなものが挙げられます。       【脂質異常症(高脂血症)の合併症1】狭心症 狭心症とは、心臓の筋肉(心筋)に供給される酸素が不足するために胸部に一時的な痛みや圧迫感が起きる病気です。     【脂質異常症(高脂血症)の合併症2】心筋梗塞 心筋梗塞とは、心筋に血液と酸素を送る冠動脈が動脈硬化で硬くなり、心筋に血液を送ることができない状態になることです。これにより、心筋が酸素不足に陥り壊死を起こしてしまう状態をいいます。心筋梗塞は日本人の死亡原因の上位に挙げられている疾患で、突然死の原因にもなり得る、恐ろしい疾患の一つです。     【脂質異常症(高脂血症)の合併症3】脳出血 脳出血とは、脳に張り巡らされた血管に障害が起こる病気で、多くの場合は激しい頭痛を伴い、半身の麻痺などが起こります。脳出血の直接の原因は、文字通り「出血」。脳の血管が破れて血液があふれ出し、固まって「血腫」となって周囲を圧迫。その結果、脳細胞を破壊して様々な症状を引き起こします。     【脂質異常症(高脂血症)の合併症4】脳梗塞 脳梗塞とは脳の血管が突然つまって血流が途絶え、脳の細胞が死んでしまう病気です。早期に適切な治療を受けないと後遺症をきたしたり、死亡してしまう可能性があります。脳梗塞には血管のつまり方によって、ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症の3種類に分けられます。     【脂質異常症(高脂血症)の合併症5】大動脈瘤 大動脈瘤とは、大動脈の血管壁の一部が正常な径の1.5〜2倍以上に拡張し、コブ状に膨れ上がった状態のことをいいます。大動脈瘤を治療せず放置していると、破裂し、死に至ることもあります。尚、日本糖尿病学会でも脂質異常症を放置するリスクについて同様の見解を述べております。ご興味のある方は「日本糖尿病学のホームページ」をご覧ください。         当院の脂質異常症(高脂血症)の診断につきまして   当院では脂質異常症に対する最新の医療基準に則った治療をご提供しております。患者さまによってはできるだけ薬を飲みたくない等のご要望をいただきます。その場合は患者さまのご希望に寄り添った診察を致しますので、ご安心ください。       脂質異常症(高脂血症)の治療と日々の過ごし方につきまして 脂質異常症の治療の目的は、コレステロールや中性脂肪を低下させることで、動脈硬化の進行を予防することにあります。そのため脂質異常症と診断されたら、まず食生活の改善をしましょう。具体的には脂身の多い肉類や、乳製品、臓物類、卵の過剰摂取は避け、コレステロールの蓄積を防ぐ食物繊維の多いものを摂取する。揚げ物を毎日食べているのなら3日に1回にしてみる、コンビニ食なら野菜や海藻、きのこが入っているサラダを取り入れてみる、などになります。また、1日30分だけでもウォーキングをしてみる、サイクリングをしてみるなど、食生活の改善と合わせて有酸素運動を取り入れるといいでしょう。長年の生活習慣が作ってきた脂質異常症は急には改善できません。ですから、自分のペースで生活習慣を改善しつつ、気長に治療しましょう。尚、脂質異常症の改善については「厚生労働省のサイト」でも同様の見解を述べております。         千葉市若葉区の都賀で脂質異常症(高脂血症)にお悩みの方へ   これまでにお伝えした通り、脂質異常症は生命に関わる危険な疾病。長期間、放置しておくと心筋梗塞や脳卒中、脳出血など、動脈硬化による様々な合併症の原因となります。そのため、日頃から健康に気を配り、食生活が乱れないようにする必要があります。また、定期的な健康診断も大切です。健康診断は、脂質異常症だけでなく、あらゆる疾病の早期発見・早期治療につながります。ご自身の健康を良好に保つためにも、健康診断を前向きに取り入れましょう。当院では健康診断の他に、特定健康診査(メタボ検診)も行っておりますので、ご遠慮なくお問い合わせ・ご来院ください。

2021.10.10

循環器内科

千葉市若葉区の都賀で高血圧の症状にお困りの患者の方へ

循環器内科に関する記事です。
現在、日本において高血圧の方は「約4300千万人」いると試算されております。高血圧はいわゆる生活習慣病のひとつ。ほとんどの方は自覚症状がありません。しかし放置しておくのは危険です。血圧が高い状態を放っておくと、徐々に動脈硬化が進行し、大血管、心臓、腎臓などが傷害を受け、重大な病気を引き起こすことになります。ですから、高血圧と診療された場合は放置せず、生活習慣を見直す。もしくは薬の服用により、血圧をコントロールする必要があるでしょう。 この記事では「高血圧の原因」や「高血圧の治療法」について、詳しくご説明していきます。高血圧症に心当たりのある方は、ぜひ最後までご覧ください。 【目次】 高血圧症の症状につきまして <ご自宅で血圧を計測する場合> 高血圧症が起こる原因につきまして <本態性高血圧> <二次性高血圧> 高血圧症を放置するリスクと合併症につきまして 【高血圧症の合併症1】閉塞性動脈硬化症 【高血圧症の合併症2】狭心症 【高血圧症の合併症3】心筋梗塞 【高血圧症の合併症4】脳出血 【高血圧症の合併症5】脳梗塞 【高血圧症の合併症6】くも膜下出血 【高血圧症の合併症7】大動脈瘤 【高血圧症の合併症8】腎不全 【高血圧症の合併症9】眼底出血 当院の高血圧症の診断につきまして 高血圧症の治療と日々の過ごし方につきまして <DASH食とは?> 千葉市若葉区の都賀で高血圧症にお悩みの方はすぐにご相談ください             高血圧症の症状につきまして 高血圧症とは、運動したときなどの一時的な血圧上昇とは違い、安静時でも慢性的に血圧が高い状態が続いていることを指します。具体的には「収縮期血圧が140mmHg以上」「拡張期血圧が90mmHg以上」の場合をいい、どちらか一方でもこの値を超えていると高血圧症と診断されます。高血圧症は自覚症状がほとんどありません。しかし放置してしまうと心疾患や脳卒中など生命を脅かす病気につながるため「サイレント・キラー」といわれております。 高血圧症の危険性については「日本高血圧協会」でも同様の見解を述べておりますので、一度ご覧ください。     <ご自宅で血圧を計測する場合> ご自宅で血圧を計測する場合は、「収縮期血圧が135 mmHg以上」「拡張期血圧が85 mmHg以上」を高血圧症とします。ご自宅での計測基準値が5mmHg低い理由は、自宅のほうが病院で計測するよりリラックスでき、その分、血圧が低めに出るからです。こちらに関しては厚生労働省の「e-ヘルスネット」でも同様のことを述べております。(※血圧とは、心臓から送り出された血液が動脈の血管壁の内側を押す力です)           高血圧症が起こる原因につきまして 高血圧症には「本態性高血圧」と「二次性高血圧」があり、それぞれで原因が異なります。 順番に原因を解説しますので、下記をご覧ください。     <本態性高血圧(ほんたいせいこうけつあつ)> 本態性高血圧とは高血圧となる基礎疾患をもたない、原因が明らかでない高血圧をいいます。高血圧症の85~90%は本態性高血圧といわれており、もともと高血圧になりやすい体質や、塩分の摂り過ぎ、肥満、過度の飲酒、運動不足、ストレス、喫煙などが原因で発症すると考えられております。     <二次性高血圧(にじせいこうけつあつ)> 二次性高血圧とは、体質・遺伝・環境・加齢によって発症する本態性高血圧とは異なり、ある特定の原因がある高血圧をいいます。二次性高血圧の原因としては、腎臓性、副腎からのホルモン分泌、甲状腺機能亢進、大動脈弁狭窄、睡眠時無呼吸症候群、薬剤副作用など様々な要因が考えられております。         高血圧症を放置するリスクと合併症につきまして 高血圧の状態が長く続くと、動脈の壁に負担がかかって確実に動脈硬化を進行させます。その結果、様々な合併症を起こしてしまい、命に関わる重篤な疾病の「罹患リスク」及び「死亡リスク」を高めてしまうのです。高血圧症の合併症には以下のようなものが挙げられます。     【高血圧症の合併症1】閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう) 閉塞性動脈硬化症とは、手足の血管に起こる動脈硬化です。重症化すると手や足が潰瘍・壊死に至り切断することもあります。この病気は、特に50歳以上の男性に多く、肥満・高血圧・糖尿病・などが原因といわれています。     【高血圧症の合併症2】狭心症 狭心症とは、心臓の筋肉(心筋)に供給される酸素が不足するために胸部に一時的な痛みや圧迫感が起きる病気です。     【高血圧症の合併症3】心筋梗塞 心筋梗塞とは、心筋に血液と酸素を送る冠動脈が動脈硬化で硬くなり、心筋に血液を送ることができない状態になることです。これにより、心筋が酸素不足に陥り壊死を起こしてしまう状態をいいます。心筋梗塞は日本人の死亡原因の上位に挙げられている疾患で、突然死の原因にもなり得る、恐ろしい疾患の一つです。     【高血圧症の合併症4】脳出血 脳出血とは、脳に張り巡らされた血管に障害が起こる病気で、多くの場合は激しい頭痛を伴い、半身の麻痺などが起こります。脳出血の直接の原因は、文字通り「出血」。脳の血管が破れて血液があふれ出し、固まって「血腫」となって周囲を圧迫。その結果、脳細胞を破壊して様々な症状を引き起こします。     【高血圧症の合併症5】脳梗塞 脳梗塞とは脳の血管が突然つまって血流が途絶え、脳の細胞が死んでしまう病気です。早期に適切な治療を受けないと後遺症をきたしたり、死亡してしまう可能性があります。脳梗塞には血管のつまり方によって、ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症の3種類に分けられます。     【高血圧症の合併症6】くも膜下出血 くも膜下出血とは、くも膜と呼ばれる「脳表面の膜」と脳の空間に存在する血管が切れて起こる出血です。くも膜下出血の症状は、突然激しい頭痛が起こるため「バットで殴られたような痛み」と形容されます。くも膜下出血は、約30パーセントの人は治療により後遺症なく社会復帰します。しかし約50パーセントは初回の出血で死亡するか、病院にきても治療対象とならず、残り20パーセントでは後遺障害を残します。     【高血圧症の合併症7】大動脈瘤 大動脈瘤とは、大動脈の血管壁の一部が正常な径の1.5〜2倍以上に拡張し、コブ状に膨れ上がった状態のことをいいます。大動脈瘤を治療せず放置していると、破裂し、死に至ることもあります。       【高血圧症の合併症8】腎不全 腎不全とは、腎臓の働きが正常の30パーセント以下に低下した状態をいいます。腎不全は初期の頃には無症状のことが多く、進行するにつれて様々な症状が出現してきます。     【高血圧症の合併症9】眼底出血 眼底出血とは目の奥にあり、光を感じ取る役割をもつ眼底:網膜の血管の障害から出血を起こす状態です。網膜の血管病変は脳の血管の状態を表しているともいわれ、眼底に病変があれば脳出血・脳梗塞に特に注意が必要です。       当院の高血圧症の診断につきまして 当院で高血圧症に対する最新の医療基準に則った治療をご提供しております。患者さまによってはできるだけ薬を飲みたくない等のご要望をいただきます。その場合は患者さまのご希望に寄り添った診察を致しますので、ご安心ください。         高血圧症の治療と日々の過ごし方につきまして   高血圧の治療には、非薬物療法と薬物療法があります。非薬物療法とは、食事(特に減塩)、運動など、生活習慣の改善による治療です。軽度の高血圧であれば、生活習慣の改善のみで治療します。しかし非薬物療法を行っても高血圧が続く場合は、薬物療法を行います。薬物療法の目的は、高血圧を改善して、臓器障害や合併症を予防することです。したがって患者の年齢、糖尿病などの合併症、臓器障害の有無などを考慮に入れ、医師が総合的に判断します。もちろん、薬物療法を行いながら、引き続き非薬物療法を継続することが重要です。上述した通り、高血圧症の85~90%は塩分の摂り過ぎ、過度の飲酒、運動不足、喫煙などが原因で発症します。ですので、日頃から食生活に気を配り、適度に運動することが何より大切だと言えるでしょう。尚、近年はDASH食による食事療法が注目されております。   <DASH食とは?> DASH食とは「Dietary Approaches to Stop Hypertension」の略で、高血圧を防ぐ食事法という意味です。もともと米国で高血圧改善のために推奨されていた食事法になります。DASH食の特徴は、食品の組み合わせを改善するということ。平たく言えば「今より体に良い食品を増やし、良くない食品を減らす」というのが、DASH食の実践法となります。DASH食のポイントとなる栄養素は、「日本成人予防協会」のホームページに詳しく書いておりますので、ご興味のある方はご覧ください。         千葉市若葉区の都賀で高血圧症にお悩みの方はすぐにご相談ください     これまでにお伝えした通り、高血圧症は生活習慣病のなかで最も多い症状。長期間高値のまま放置しておくと心臓病や脳卒中、下肢閉塞性動脈硬化症など、動脈硬化による様々な合併症の原因となります。したがって、定期的な血圧チェックが必要になります。高血圧に心当たりのある方、もしくは定期検診等で血圧が高いと指摘された方は、ご遠慮なくお問い合わせ・ご来院ください。

2021.10.10

呼吸器内科

呼吸器疾患の症状とは?治療法や改善策を解説

呼吸器内科に関する記事です。
咳が止まらなかったり、息苦しいと感じた際に、調べてみると「呼吸器疾患」という言葉を目にすると思います。 呼吸器疾患の症状はさまざまあり、主に喉や肺に原因がある病気です。この記事では呼吸器疾患の症状や原因、改善方法などを解説します。 この記事を読むことで早急に症状を和らげられる可能性もあるので、ぜひ最後までご覧ください。 呼吸器疾患とは? 呼吸器疾患の特徴として、腫瘍、感染症、アレルギー、自己免疫性疾患などの疾患の種類が多いということです。 また、呼吸器疾患は「気管支喘息」「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」「肺がん」の呼吸器感染症が呼吸器疾患の4大疾患と言われています。 呼吸器疾患の症状 上記でも記載したとおり、呼吸器疾患は複数の症状を指しています。 呼吸器疾患(呼吸器の病気)にかかることで、身体に様々な症状が出現します。 咳が止まらない 健康な身体でも1日に何回かは咳は出ます。しかし、何度も続く咳や、痰の絡みが激しい咳がある場合、呼吸器疾患の疑いがあると判断できます。 痰が異様に絡む 咳と同様に、健康な身体であっても痰はでますが、いつもよりも痰の量が増えたり、色(黄色や茶色)が付いたり、血液が混じる(血痰)などは異常のサインです。 息切れ(呼吸困難)がある 普段の生活を送っていて「呼吸が苦しい」などの症状がある場合、呼吸器疾患の疑いがあります。 通常、息切れ(呼吸困難)は、酸素が不足しているときなど、酸素消費量が多い運動後に出ることが多いですが、呼吸器疾患の進行によっては、運動をしていなくても息切れが起こるなど自覚するようになります。 喘鳴(ぜいめい)|変な呼吸音が鳴る 喘鳴とは、呼吸に伴って連続的に発生する異常な呼吸音のことです。診察に行かれる患者さんは自身の症状を説明するときに、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と表現することが多いです。 気管支喘息の発作や、異物の誤飲などがある際、気管や気管支が狭くなり、そこを無理やり通過する酸素が笛のようになって、喘鳴を出します。 胸の痛みを感じる 胸痛は、多くの疾患で出現するので、胸の痛みを訴えるだけでは疾患名(病気・症状の名前)を特定できないケースがほとんどです。 ただし、胸痛がある疾患には、狭心症・心筋梗塞などの緊急を要する病気があります。 胸痛を訴える患者さんを担当した医師は、急な発症かどうか、以前にも同じような胸痛を経験したか、他の既往症(持病)があるかなど、早急に問診します。仮に心臓の疾患であれば、循環器科もしくは呼吸器科が担当します。 嗄声(させい)|声が枯れている 声が枯れている(しゃがれ声)ということは、声帯に異常がある可能性が高いです。 こういった症状では、耳鼻咽喉科の医師が診療を担当します。 一方、声帯は大丈夫でも、それを担当する「反回神経」がマヒを起こしても声が枯れることもあります。 反回神経麻痺(=嗄声)の患者さんは声帯が正常に閉じないので、液体や麺類を食べるときむせやすくなるなどの症状が挙げられます。 参照:呼吸器の病気|一般社団法人日本呼吸器学会 ここからは上記で挙げた呼吸器疾患症状別の原因などを解説していきます。 咳喘息の原因 咳喘息は、慢性的に咳が続く気管支の病気です。風邪などに併発して起こることが多く、風邪を引いた後に2~3週間以上咳が続くことがあれば、この病気の可能性が高いです。 1日中激しめの咳が出る・タバコの煙・寒暖差・会話をする際に咳が出やすいのも特徴です。また、咳の発作が激しいと、胸に痛みが出てきます。 成人の中では、女性に多い傾向があり、咳喘息の再発を繰り返します。 こういった症状は、気管支喘息とは違い、呼吸困難や喘鳴はありません。さらに発熱や痰などの症状もないケースがほとんどです。 咳喘息の原因として、さまざまな刺激に対して気管支が過敏になり、気管の炎症・咳の発作が起こります。 原因として、たばこの煙(受動喫煙を含む)・室内外の温度差や天気(雨天等)・ストレスなど、さらにホコリやダニなどのハウスダストなども咳の発作の要因になると言われています。 慢性塞性肺疾患(COPD)になる原因 慢性閉塞性肺疾患(COPD) は 咳・たん・息切れが主な症状です。 頑固な咳やたんが続き気管支が狭くなる「慢性気管支炎」と肺の組織が破壊されて徐々に進行する息切れや呼吸困難を起こす「慢性肺気腫」のどちらか、もしくは両方の症状により、肺に送る空気(酸素)の流れが悪くなる病気です。 初期症状では自覚症状がほとんどないケースが多く、徐々に進行して気付けば重症となります。 慢性塞性肺疾患(COPD)は進行してから、患者さんが咳やたん・息切れなどの症状に気づく場合が多いです。 この症状を「年齢のせい」と思う方も多いので、必ず見逃さないように注意しましょう。 日本では40歳以上の8.5%(男性13.1%,女性4.4%)、COPDの潜在患者は530万人以上と推測されていて、治療を受けているのはそのうち5%未満と言われています。未治療の患者さんが多いのも特徴です。 また、慢性塞性肺疾患(COPD)は「別名タバコ病」とも言われています。この病気の最大の原因は喫煙で、患者さんの90%以上は喫煙者です。副流煙も含む喫煙が大きく影響し、タバコを吸わない人でも4.7%の人がCOPDにかかっています。 参照:慢性閉塞性肺疾患(COPD)の別名はタバコ病 気管支喘息になる原因 喘息は、呼吸するときに空気の通り道である気道(気管支など)に炎症が起きて、空気の流れが制限される病気です。 気道はいろいろな吸入刺激に反応して、発作的な咳が出たり・気管支が鳴る・たまに呼吸困難が起きます。 この症状は、治療により改善したり、自然と治ったりしますが、治療の継続を怠れば繰り返し症状が出てきます。 ※年に数回軽い喘息発作を起こすだけで、たとえ無症状でも気道では長い期間炎症が継続しています。 適正な治療を行わないと、炎症とその修復が繰り返される過程で気道の壁が厚くなり、空気の流れが元に戻らず、気道の過敏性も増します。 また、家の中など、室内のアレルギー物質として最も多いのがハウスダストやダニです。 ほかにも、花粉やカビ・薬物・排気ガスなどの大気汚染物質・呼吸器感染症(かぜやインフルエンザなど)・タバコ(副流煙)・ストレスなどが知られ、その原因は多くあります。 呼吸器疾患の治療方法 呼吸器疾患の治療方法は、症状や生活の質を改善し、病状や体力の悪化を予防することが重要です。 その治療の基本は禁煙で、病状の進行を遅らせたり合併症を予防することが見込めます。 そのほかには、運動療法(呼吸リハビリテーション)・薬物治療(気管支拡張薬や抗炎症薬の吸入、去痰剤など)・栄養療法などを組み合わせて治療を行います。 どの治療も、日常生活の中に取り入れて習慣化し継続することが、早期解決の秘訣になります。 呼吸器のリハビリもある 呼吸器官のリハビリも現代の医療では行われています。 息切れを和らげること・生活を見直すこと・運動習慣をつけることなどの私生活でも行える治療法です。 リハビリは患者全身の状態をあらゆる角度から診療し、状態を評価します。患者さんごとに、そのときの症状や状態に合う生活習慣の改善やリハビリの計画を考えます。 呼吸筋のストレッチやマッサージ、機器を使用する呼吸器の訓練、呼吸を整える歩行訓練、日常動作の工夫などを身に付けていく治療法です。 呼吸器疾患の予防や改善方法 呼吸器疾患は感染によるものが多いです。しかし、単なる感染ではなく生活習慣と深く関わりのある病気とも言われています。 上記でもお伝えした通り、たばこ病とも言われるほど患者の90%以上が喫煙者なのです。この事から分かるように呼吸器疾患最大の危険因子は喫煙であることは間違いありません。 喫煙での発症リスクは、喫煙を始めた年齢・タバコの本数・喫煙年数に比例し、喫煙量が多いほどリスクが高くなる傾向にあります。 また、喫煙者本人でなくても他の喫煙者から出る副流煙(受動喫煙)も危険因子になります。 呼吸器疾患を予防するにはまず禁煙から 上記でもお伝えしたようにCOPDなどの呼吸器疾患の原因は「喫煙」が多いです。 改善・予防方法として、「たばこを吸わないこと」に尽きます。発症リスクは喫煙年数などに比例しているので、1日でも早く禁煙に成功すれば予防効果が大きくなります。 また、COPDなどの呼吸器疾患が発症している方でも、すぐに禁煙を始られれば治療効果が上がり、症状の進行を止めることが可能です。 長い年月の間でたばこを吸っている人によっては、「今さら禁煙しても遅い」と考える人も多いのが現状です。 しかし、禁煙に「遅い」ということはなく、呼吸器疾患のリスクは格段に減少することができます。 喫煙は「喫煙者本人だけの問題」で終わらせるのではなく、受動喫煙が起こす被害を抑えるためにも、家族や職場内に喫煙者がいるなら、禁煙をサポートするか、分煙を徹底する必要があります。 参照:全国健康保険協会【呼吸器の病気】肺の生活習慣病といわれる「慢性閉塞性肺疾患(COPD)

2021.05.25