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【医師監修】食後の眠気はなぜ起こるのか?原因と対策を解説
内科に関する記事です。
この記事では、「食後の眠気はなぜ起こるのか」について解説していきます。後半部分では、「食後の眠気対策」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
食後に眠くなるのはなぜか
眠気の原因となる血糖値スパイクとは
食後の眠気対策について
食後に強い眠気が続く場合、病気の恐れがあります
不安な方はいつでもご相談ください
食後に眠くなるのはなぜか
食後に眠気を感じる原因として、主に二つの理由が挙げられます。一つは、消化を促すために脳から胃腸に血液が集中するからです。もう一つは、食事をすることで血糖値が上がるからです。詳細については、以下をご覧ください。
【食後の眠気はなぜ起こるのか】消化に関する理由
食事を摂ると、胃や小腸などの消化器官が食べ物を分解して「栄養素」を吸収するために、多くのエネルギーを必要とします。このため、食事後には消化器官に血液が集中します。血液が胃腸に集中すると、他の部位への血液供給が一時的に減少し、それに伴い脳にも酸素や栄養素が少なく供給されることがあります。この状態が、眠気を感じる一因とされています。
【食後の眠気はなぜ起こるのか】血糖値に関する理由
食事を摂ることで、血糖値が上昇します。特に、炭水化物を多く含む食事を摂ると、急激な血糖値の上昇が起こります。この急激な血糖値の変動は、一時的にエネルギー供給を増加させる反面、その後の急激な下降につながります。この血糖値の急激な変化が、食後に眠気を感じる一因となります。
眠気の原因となる血糖値スパイクとは
血糖値スパイクとは、普段の血糖値は正常なのにもかかわらず、食後に限って血糖値が急上昇、急降下する現象のことです。この現象は、血糖値のグラフがまるで突出した「スパイク」のように上昇することから「血糖値スパイク」と呼ばれています。通常の場合、食後2時間経過時の血糖値は140mg/dL未満であるべきですが、血糖値スパイクの場合はこの基準値を超えて140mg/dL以上になることがあります。血糖値スパイクについて詳しく知りたい方は「血糖値スパイクとは?症状や原因、糖尿病との関係を解説」をご覧ください。
食後の眠気対策について
身体にちょっとした刺激や緊張を与えることで、人間が活動的になるときに働く「交感神経が優位になり、眠気の解消につながります。ここでは、どのような対策が「食後の眠気解消」につながるのか、いくつかご紹介します。
【食後のひどい眠気を解消するための対策1】散歩
食事後に軽い散歩をすることで、血液の循環が促進され、消化プロセスがスムーズに進行します。また、新鮮な空気を吸い込むことでリフレッシュし、眠気を和らげることができます。さらに、食事後の散歩は健康にもプラスなため、適度な運動として取り入れることがおすすめです。ただし、食事直後に激しい運動をすると、胃腸に負担をかける可能性があるため、ご注意ください。
【食後のひどい眠気を解消するための対策2】カフェイン入りのコーヒーを飲む
カフェインは中枢神経系を刺激し、覚醒感を高めます。そのため、食後にカフェイン入りのコーヒーを飲むことで、眠気を軽減し、集中力を保つことができます。ただし、適切な摂取量を守ることが大切です。過剰なカフェイン摂取は不快感や不眠症の原因となる可能性があるため、注意が必要です。
【食後のひどい眠気を解消するための対策3】ストレッチ
食事後に軽いストレッチを行うことで、血液の循環を促進し、消化をサポートします。また、ストレッチは筋肉の緊張をほぐし、眠気を感じにくくするのに役立ちます。食後10〜15分の軽いストレッチを習慣にすることで、食後の眠気を軽減し、エネルギーを保ちやすくなりますので、ぜひ試してみてください。
【食後のひどい眠気を解消するための対策4】ガムを噛む
噛む行為は唾液の分泌を刺激し、消化をサポートします。また、噛むことによって口腔内の血液循環が促進されるため、脳への酸素供給が増え、覚醒感が高まることがあります。これにより、眠気を和らげる助けとなります。ただし、過度なガムの噛み過ぎには注意が必要です。ガムを日常的に何回も強く噛みすぎると筋肉が痛み、顎関節症の症状が出てくる可能性があります。ですので、過度なガムの噛み過ぎには注意してください。
【食後のひどい眠気を解消するための対策5】食べる順番に注意する
血糖値が上がりやすい「パン」や「ご飯」などの炭水化物から食べるのではなく、まずは野菜やキノコ、大豆食品などから食べることで、血糖値の急激な上昇を防げます。炭水化物や甘いものを最初に摂ると、血糖値が急上昇し、その後の急降下が眠気を引き起こす原因となりますので、ご注意ください。
【食後のひどい眠気を解消するための対策6】腹八分目に抑える
過度な食べ過ぎは、血糖値の上昇につながります。したがって食事をする際は、食後の眠気を軽減するために、食事量を腹八分目に抑えることが重要です。腹八分目で食事を終えることは、胃の負担を軽減し、消化プロセスを円滑に進めるのに役立ちます。また、適切な食事量を意識的にコントロールすることで、食後の眠気を和らげ、日常の活動に集中しやすくなります。
【食後のひどい眠気を解消するための対策7】ゆっくり食べる
早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。血糖値の急激な変化は、食後に眠気を感じる一因となりますので、ご注意ください。食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてくださいね。
食後に強い眠気が続く場合、病気の恐れがあります
食後に強い眠気を感じる方は、糖尿病の疑いがあります。糖尿病を疑う理由としては、血糖値が下がりにくくなっている可能性が挙げられます。食後は誰でも血糖値が一時的に上がります(健康な人でも食後の血糖値は上昇します)。食後に上昇した血糖値は、時間の経過と共にゆっくり下降するのが一般的です。しかし糖尿病の方は、血糖値を下げるホルモン(インスリン)の働きが悪くなっているため、食後の高血糖状態が長く続きます。そのため、食後に強い眠気を感じやすいのです。なお、高血糖状態のときに眠気を感じやすいのは、覚醒を促す「オレキシン」というホルモンの分泌が止まるためです。詳しくは「食後の強い眠気は糖尿病症状の可能性があります」をご覧ください。
不安な方はいつでもご相談ください
「慢性的な眠気が続いている」「睡眠薬を飲んでも眠れない」など、睡眠に関して問題があることで「日常生活に支障が出ている」と感じている方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。睡眠不足は単に身体の疲れが残りやすくなるだけでなく、体の病気や心の病気の原因となります。また睡眠障害自体が“心の病気”の前兆の可能性もあります。ですので、「睡眠が浅い」「なかなか寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は放っておかずに、お近くの医療機関に足を運んでください。なお、当院では“不眠症の診療”や“薬の処方”だけでなく、診断書の発行も行っております。医師の診断を受けたい方、あるいは自分が不眠症なのか気になる方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2023.09.28
40代から50代の方にありがちな不眠症の原因と対策
内科に関する記事です。
この記事では、40代から50代の方にありがちな「不眠症の原因」をご紹介していきます。後半部分では「40代から50代の方のための不眠症対策」をご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
40代から50代の方にありがちな不眠症の原因とは
40代から50代の方にありがちな睡眠パターンの変化と不眠症の関係
40代から50代の方の不眠症と生活習慣の関係
40代、50代の女性の訴えで多いのは中途覚醒
40代から50代の方に起こりやすい身体の変化と睡眠障害
40代から50代の方のための不眠症対策
40代から50代の不眠症改善と予防的アプローチ
不眠症は医師への早めの相談が大切です
40代から50代の方にありがちな不眠症の原因とは
40代から50代の方にありがちな不眠症の原因は様々ですが、一般的な要因として以下のようなものが挙げられます。
・ストレスや不安
・身体の不快感
・ホルモンの変動
・睡眠環境の変化
・持病や薬物の副作用
これらの要因が組み合わさることで、睡眠の質が低下し、不眠症の症状が現れることがあります。ただし、不眠症の原因は個人によって異なる場合もありますので、具体的な原因を特定するには医師の診察が必要不可欠です。
40代から50代の方にありがちな睡眠パターンの変化と不眠症の関係
40代から50代にかけて、ほとんどの方が睡眠パターンの変化を経験します。これは年齢と共に起こる自然な変化であり、不眠症の原因となることもあります。以下に、睡眠パターンの変化と不眠症の関係について説明します。
【更年期の不眠:睡眠パターンの変化と不眠症の関係1】早期覚醒
40代から50代にかけて、多くの人が早朝に目が覚めてしまう「早期覚醒」の問題を抱えることが増えます。これは、睡眠の浅さや睡眠構造の変化によるものです。早期覚醒は不眠症の一形態であり、十分な睡眠時間を確保できないことがストレスや不眠症の悪化につながる場合があります。
【更年期の不眠:睡眠パターンの変化と不眠症の関係2】睡眠量の減少
年齢と共に、一晩の睡眠時間が減少する傾向があります。これは、深い睡眠やREM睡眠の時間が減少するため、睡眠の質が低下する要因となります。なお、睡眠量の減少は、不眠症の発症リスクを高める要因となります。
【更年期の不眠:睡眠パターンの変化と不眠症の関係3】睡眠の断片化
年齢と共に、「夜間に何度も目が覚める頻度」が増加します。これにより、睡眠の連続性が損なわれ、不眠症の症状が現れることがあります。また、睡眠中の呼吸障害や運動障害が原因で睡眠が断片化することもあります。
【更年期の不眠:睡眠パターンの変化と不眠症の関係4】睡眠の質の低下
年齢と共に、眠りの質が低下する傾向があります。「深い睡眠」や「回復力のある睡眠」の時間が減少し、代わりに「浅い眠り」や「目覚めやすさ」が増えることがあります。なお、睡眠の質の低下は不眠症のリスクを高め、日中の疲労感や集中力の低下などを引き起こす可能性があります。
40代から50代の方は、これらの睡眠パターンの変化に注意を払う必要があります。もし不眠症の症状が現れた場合は、放置せずに早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けてください。不眠症は重要な疾患であり、放置すると健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。そのため、適切な専門医やクリニックを選び、早期に診断と治療を受けることが重要です。
40代から50代の方の不眠症と生活習慣の関係
40代から50代の方の不眠症の原因の一つは、生活習慣の影響です。仕事や家庭のストレスは睡眠に大きな影響を与えることがあります。具体的には、日中のプレッシャーや心配事が夜の眠りに反映され、入眠や中途覚醒の問題を引き起こすことがあります。特に、長時間の勤務や家事、育児による疲労感や時間の制約は、良い睡眠を妨げる要因となり得ます。また、心理的な変化も睡眠の質と関連しています。40代から50代では、人生の変化や役割の変動による不安やストレスが増えることがあります。例えば、子育ての終了、親の介護、キャリアの転換などが心理的な負担をもたらし、睡眠の質に影響を及ぼす可能性があります。このような理由から、不眠症の方は生活習慣の見直しやストレス管理が重要です。まずは、日中のストレスを軽減するために、仕事とプライベートのバランスを考慮するようにしてください。
40代、50代の女性の訴えで多いのは中途覚醒
40代から50代の女性の中には、不眠症の主な症状として「中途覚醒」を訴える方が多く見られます。中途覚醒は、夜間に目が覚めてしまい、その後なかなか眠りに戻れないという状態を指します。中途覚醒の原因は個人によって異なりますが、ホルモンの変動が関与していることが多いです。更年期の女性では、卵巣機能の低下によるホルモンバランスの変化が中途覚醒を引き起こす可能性があります。また、ストレスや心理的な要因、身体的な不快感、持病の影響なども関与することがあります。
40代から50代の方に起こりやすい身体の変化と睡眠障害
更年期に入ると、多くの女性が不眠に悩まされます。この不眠の主な原因は、自律神経の乱れです。更年期は女性の「ホルモンバランス」が変化する時期であり、特にエストロゲンの減少が影響を与えます。加えて、加齢によって自律神経の機能が衰えることも原因として挙げられます。このホルモンの変動と自律神経の乱れが睡眠の質を低下させ、入眠や中途覚醒が生じる可能性があります。自律神経は交感神経と副交感神経からなり、バランスが崩れると興奮状態が続き、入眠や中途覚醒が生じる可能性がありますので、ご注意ください。なお、40代から50代では、身体の不調もより顕著に現れることがあります。関節の痛み、筋肉のこわばり、背中や肩のこりなどが睡眠に及ぼす影響は大きいため、放置してはいけません。身体の痛みや不快感があると、入眠困難や熟睡の妨げになります。さらに、これらの身体の不調が睡眠の質を低下させ、不眠症を引き起こす可能性がありますので、身体の痛みや不調が気になる方は、速やかに医師に相談することをお勧めします。
40代から50代の方のための不眠症対策
良質な睡眠を確保するためには、次のポイントに注意することが重要です。まずは、睡眠環境を整えてください。寝室は静かで暗く、快適な温度に保つことが大切です。ベッドや枕は体に合ったものを選び、寝具の清潔さにも気を配ってください。また、寝る前のスマートフォンやパソコンの使用は避け、リラックスできる環境を作ってください。なお、ストレス管理も不眠症対策の一環です。日中のストレスを適切に管理することで、夜の眠りに影響を及ぼす可能性を減らせますので、意識してください。なお、ストレス解消法としては、深呼吸や瞑想、ヨガなどのリラクゼーション法を取り入れると効果的です。さらに、就寝前のルーティンを作ることもお勧めです。入浴や軽いストレッチ、読書など、リラックスできる活動を行うことで、心身を眠りのモードに導きます。規則正しい睡眠時間を確保し、毎日の生活リズムを整えてくださいね。
※不眠症に悩んでいる方は、これらの対策を試してみてください。しかし、症状が長期間続く場合や日常生活に大きな影響を及ぼす場合は、医師や専門家に相談することが重要です。
40代から50代の不眠症改善と予防的アプローチ
不眠症を改善し、予防するためには、以下のアプローチを取り入れることが重要です。
【更年期の不眠対策:不眠症改善と予防的アプローチ1】規則正しい生活リズムの維持
規則正しい生活リズムの維持は、不眠症の改善に非常に重要です。毎日同じ時間に起床し、就寝することで体内時計を調整し、睡眠の質を向上させることができます。また、規則正しい生活リズムを守ることで、体内の睡眠・覚醒サイクルが正常化し、不眠症の症状の改善につながります。不眠症の方は、睡眠リズムの調整に意識を向け、生活のリズムを整えることを心掛けてください。
【更年期の不眠対策:不眠症改善と予防的アプローチ2】適度な運動
適度な運動は不眠症に対して効果的な手段とされています。運動によって体温が上昇し、その後の体温低下が入眠を促進します。さらに、適切な運動は睡眠の質を向上させ、深い眠りやREM睡眠の量を増やすと報告されています。習慣的に運動を行うことで、寝つきが良くなり、より良質な睡眠を得ることができますので、不眠症にお悩みの方は積極的に運動を行ってください。
【更年期の不眠対策:不眠症改善と予防的アプローチ3】午後の眠気はうまくやり過ごす
長い昼寝はかえって夜間の睡眠を妨げます。昼寝をするなら、午後3時前の20~30分にしてください。
【更年期の不眠対策:不眠症改善と予防的アプローチ4】目が覚めたら日光を浴びる
目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計を刺激してください。早起きは早寝に通じます。なお、睡眠のリズムを整えるために、週末などの休みの日も、平日と同じ時刻で起床するよう心掛けてくださいね。
【更年期の不眠対策:不眠症改善と予防的アプローチ5】寝室からスマホを遠ざける
スマホの画面から発せられるブルーライトは、眠りを誘うメラトニンの分泌を抑制し、眠りの質を低下させます。また、SNSやメッセージアプリの利用は興奮状態を引き起こし、リラックスを妨げます。ですので、就寝前のスマホ操作はできる限り控えてください。なお、就寝前のスマホ操作を抑制するためには「寝室からスマホを遠ざける」「寝る1時間前からスマホ使用を控える」「ブルーライトカットフィルターを使用する」などの対策が効果的です。
【更年期の不眠対策:不眠症改善と予防的アプローチ6】適正な食習慣
快適な睡眠を得るためには、適正な食習慣が重要です。朝食は心と身体の目覚めに欠かせません。栄養バランスの取れた朝食を摂ってエネルギーを補給し、一日のスタートを切ってください。なお、夜食については、軽めのものを選ぶことがポイントです。胃腸を過度に刺激しないようにし、就寝前には十分な時間を置いて消化を促してください。適正な食習慣を心掛けることで、良質な睡眠への道が開かれます。
【更年期の不眠対策:不眠症改善と予防的アプローチ7】リラックス法を取り入れる
深呼吸や瞑想、ストレッチなどのリラックス法を取り入れることは、不眠症の改善に効果的です。深呼吸によっては、深い呼吸によってリラックス状態に入ることができ、瞑想によっては、心を静め、不安やストレスを軽減する助けとなります。また、ストレッチや軽い運動は体の緊張をほぐし、心地よい疲労感をもたらします。これらのリラックス法を日常に取り入れることで、心と体の緊張を解き放ち、良質な睡眠を迎えることができますので、積極的に取り組んでください。
【更年期の不眠対策:不眠症改善と予防的アプローチ8】カフェインやアルコールの制限
カフェインやアルコールは睡眠を妨げることがありますので、摂取量を制限する、または避けるようにしてください。
不眠症は医師への早めの相談が大切です
不眠症は他の病気との関連性が高い疾患です。「からだの病気」や「こころの病気」との関連が不眠症の原因となり、また、不眠症自体も他の病状を悪化させる可能性があります。そのため、不眠症は医師への早めの相談が大切です。医師は症状や生活状況を詳しく聞き取り、必要な検査を行います。また、睡眠環境や睡眠習慣の改善のアドバイスも提供してくれます。したがって、早期に医師との協力を始めることで、睡眠問題を克服する可能性が高まります。医師との連携によって的確な診断と適切な治療が行われ、睡眠の質の向上につながりますので、早めに医師に相談してください。なお、当院では不眠症に対する診断と治療を行っております。不眠の症状や原因について悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2023.06.10
20代の不眠症の原因と対策|医師が教える睡眠トラブルの解決法
内科に関する記事です。
この記事では、「20代の不眠症の原因」をご紹介していきます。後半部分では「不眠症の対策と予防法」をご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
不眠症は日本の国民病
不眠症の一般的な症状と原因
20代に特有の不眠症の原因
不眠症の対策と予防法
不眠症は医師の診察に基づく早期治療が重要です
不眠症は日本の国民病
不眠症は、日本において「国民病」とされています。近年、不眠症の発生率は増加傾向にあり、多くの方々が睡眠障害を抱えています。日本では、一般成人の30〜40%が何らかの不眠症状を有しており、特に女性に多いことが知られています。なお、不眠症状は加齢とともに増加し、60歳以上では半数以上の方で認められます。「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」でも同様のことを伝えておりますので、ご興味のある方はご覧ください。
不眠症の一般的な症状と原因
不眠症とは、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害によって、その人にとって必要な睡眠時間が十分に取れないことや“睡眠の質”が低下することで、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。不眠は、眠気、倦怠感、集中力低下、抑うつや不安などの精神症状を引き起こし、その結果として生産性の低下、交通事故の増加など、様々な人的及び社会経済的損失をもたらすと考えられております。したがって、「睡眠が浅い」「寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。なお、不眠症の原因はストレス・心や身体の病気・薬の副作用など様々です。以下、不眠症を引き起こす主な原因になります。
【不眠症の原因1】心理的原因
何らかのストレスに関連して起こる不眠です。
【不眠症の原因1】身体的原因
身体の病気や症状が原因で起こる不眠です。
【不眠症の原因3】薬理学的原因
服用している薬や、アルコール、カフェイン、ニコチンなどが原因で起こる不眠です。
【不眠症の原因4】精神医学的原因
精神や神経の病に伴って起こる不眠です。精神や神経の病には、不眠を伴うことが少なくありません。なかでも不眠になりやすいのは、不安と抑うつになります。
20代に特有の不眠症の原因
20代における不眠症の原因は多岐にわたります。主な原因としては、以下のような要素が挙げられます。
【20代に特有の不眠症の原因1】就寝前のスマホ操作
就寝前のスマホ操作が不眠症の原因になっている場合があります。スマホの画面から発せられるブルーライトは、眠りを誘うメラトニンの分泌を抑制し、眠りの質を低下させます。また、SNSやメッセージアプリの利用は興奮状態を引き起こし、リラックスを妨げます。ですので、就寝前のスマホ操作はできる限り控えてください。なお、就寝前のスマホ操作を抑制するためには「寝室からスマホを遠ざける」「寝る1時間前からスマホ使用を控える」「ブルーライトカットフィルターを使用する」などの対策が効果的です。
【20代に特有の不眠症の原因2】ストレス
20代は、学生から社会人になる方が多くいる年代です。そのため、学業や就職活動に伴うプレッシャーがストレスとなり、睡眠に影響を与えることがあります。また、20代は自己実現や将来の目標達成に向けて様々なプレッシャーを感じる時期でもあり、これらのストレスが睡眠の質に悪影響を与えることがあります。さらに、学校内での人間関係や恋愛、家庭環境の変化などもストレスの要因となり得ると言えます。
【20代に特有の不眠症の原因3】うつ病(抑うつ状態も含む)
うつ病(抑うつ状態も含む)は不眠症の一因となり得ます。睡眠障害に深く関係する病気は多数ありますが、なかでも「うつ病(抑うつ状態も含む)」の場合は9割近くの人が、「寝ようとしても眠れない」「朝早くに目が覚める」といった、なんらかの不眠症状を伴っていると言われています。つまり裏を返せば、不眠症状がある人はうつ病(抑うつ状態も含む)にかかりやすいと言えます。うつ病(抑うつ状態も含む)と不眠症は密接に関係しているため、思うように眠れない日々が続いたり、熟睡感を得られていなかったりするのであれば、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。
【20代に特有の不眠症の原因4】飲酒
飲酒は不眠症の原因となることがあります。アルコールは一時的に眠りを誘う効果がありますが、その後の「睡眠の質」や「リズム」を乱す可能性があります。特に、過度の飲酒や頻繁な飲酒は深い眠りを妨げ、「中途覚醒」や「夜間の目覚め」を引き起こすことがあります。また、アルコールの摂取が睡眠を浅くし、REM睡眠(夢を見る段階)を削減することも知られています。
【20代に特有の不眠症の原因5】不安定な生活リズム
夜更かしや朝寝坊、不規則な食事などが生活リズムの乱れを引き起こし、睡眠の質や量に悪影響を及ぼします。また、仕事や学業の忙しさにより睡眠時間が犠牲になることで、生活リズムが乱れ、睡眠の質を低下させている場合があります。生活リズムの乱れは、体内時計や睡眠ホルモンのバランスに影響を与え、不眠症を引き起こす原因となりますので、くれぐれもご注意ください。なお、生活リズムを整えるためには、規則正しい睡眠スケジュールを作り、毎日同じ時間に寝たり起きたりすることが重要です。
不眠症の対策と予防法
不眠症に対する対策と予防法は、次の通りです。
【不眠症の対策と予防法1】適度な運動
適度な運動は睡眠の質を向上させる助けとなります。日中に適度な運動を取り入れることで、夜の眠りを深くすることができます。
【不眠症の対策と予防法2】睡眠のルーティン化
睡眠のリズムを整えるために、毎晩同じ時間に寝る習慣を作ってください。また、朝起きたらすぐに起きることも大切です。
【不眠症の対策と予防法3】ストレス管理
ストレスは不眠症の悪化を引き起こすことがあります。リラクゼーション法やストレス解消の方法を取り入れて、日常的なストレスを軽減してください。
【不眠症の対策と予防法4】カフェインやアルコールの摂取制限
カフェインやアルコールは睡眠を妨げることがありますので、摂取量を制限する、または避けるようにしてください。「千葉県のホームページ」でも同様のことを伝えています。
【不眠症の対策と予防法5】睡眠環境の整備
快適な寝室環境を作ってください。暗い部屋、静かな環境、快適な温度、適切なマットレスや枕などが重要です。睡眠環境の整備について詳しく知りたい方は「快眠のための環境作り」をご覧ください。
【不眠症の対策と予防法6】目が覚めたら日光を浴びる
目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計を刺激してください。早起きは早寝に通じます。なお、睡眠のリズムを整えるために、週末などの休みの日も、平日と同じ時刻で起床するよう心掛けてくださいね。
【不眠症の対策と予防法7】午後の眠気はうまくやり過ごす
長い昼寝はかえって夜間の睡眠を妨げます。昼寝をするなら、午後3時前の20~30分にしてください。
【不眠症の対策と予防法8】適正な食習慣
快適な睡眠を得るためには、適正な食習慣が重要です。朝食は心と身体の目覚めに欠かせません。栄養バランスの取れた朝食を摂ってエネルギーを補給し、一日のスタートを切ってください。なお、夜食については、軽めのものを選ぶことがポイントです。胃腸を過度に刺激しないようにし、就寝前には十分な時間を置いて消化を促してください。適正な食習慣を心掛けることで、良質な睡眠への道が開かれます。
不眠症は医師の診察に基づく早期治療が重要です
睡眠が浅い、寝付けないなど、睡眠に関して問題があることで「日常生活に支障が出ている」と感じている方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。前述した通り、睡眠不足は体の病気、心の病気の原因となります。また睡眠障害自体が“心の病気”の前兆の可能性もあります。ですので、不眠症を放置してはいけません。「睡眠が浅い」「寝付けない」「睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は放置せず、お近くの医療機関に足を運んでください。なお、当院では“不眠症の診療”や“薬の処方”だけでなく、診断書の発行も行っております。不眠の症状や原因について悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2023.06.05
糖尿病予備群(境界型糖尿病)の症状や対策について解説
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
厚生労働省が発表した平成28年「国民健康・栄養調査」の結果では、糖尿病が強く疑われる者(糖尿病有病者)、糖尿病の可能性を否定できない者(糖尿病予備群)はいずれも約1,000万人(合わせて約2,000万人)と推計されています。
この記事では、糖尿病の可能性を否定できない者「糖尿病予備群」について解説していきます。
後半部分では「糖尿病予備群にならないための予防法」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
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【目次】
糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは
糖尿病予備群の主な症状
糖尿病予備群と診断された方へ
糖尿病予備群にならないための予防法
【糖尿病予備群にならないための予防法1】運動
【糖尿病予備群にならないための予防法2】食生活の見直し
【糖尿病予備群にならないための予防法3】禁煙
糖尿病予備群の疑いがある方、医師の診断を受けたい方へ
糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは
糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは、糖尿病と診断されるほどの高血糖ではないものの、血糖値が正常より高い状態にあることを指します。
「HbA1c 6.5%未満」「空腹時血糖が110 mg/dl以上126 mg/dl未満」「75g経口ブドウ糖負荷試験2時間の血糖値が140 mg/dl以上200 mg/dl未満」のいずれかを満たす人が該当します。
糖尿病予備群の主な症状
糖尿病予備群(境界型糖尿病)では、自覚症状がありません。
しかし体内では、既に血糖値を下げるホルモンである「インスリン」が出にくくなったり、効きづらくなったりする変化が起きています。
また糖尿病に特有の合併症である、網膜症、神経障害、腎機能障害も少しずつ進行するとも言われています。
さらに高血圧や脂質異常症なども併発しやすくなり、全体として、血糖値が正常な状態に比べ、動脈硬化の進行は加速されます。
なお、動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な疾患が引き起こされる危険性が高くなります。
糖尿病予備群と診断された方へ
糖尿病予備群の方は、食事、運動、喫煙、飲酒などの生活習慣を見直し、肥満や高血圧、ストレスなどに対する健康管理に取り組むことで、糖尿病へ進行するリスクを減らすことができます。
ですので、糖尿病予備群と診断された方は、まずは生活習慣の見直しから始めてください。
なお上述した通り、糖尿病予備群でも、既に血糖値を下げるホルモンであるインスリンが出にくくなったり、効きづらくなったりする変化が起きています。
また糖尿病に特有の合併症である、網膜症、神経障害、腎機能障害も少しずつ進行するとも言われています。
ですので、糖尿病予備群と診断された方は、絶対に放置してないでください。
糖尿病予備群にならないための予防法
糖尿病予備群では、生活習慣の改善により「糖尿病の発症のリスク」を減らすことができます。
では、具体的には何をすればいいのでしょうか。順番にご紹介していきます。
【糖尿病予備群にならないための予防法1】運動
糖尿病を予防するためには「運動」が効果的です。運動をすることで、ブドウ糖や脂肪酸の利用が促進。インスリンに頼らずに糖分が細胞や筋肉の中に吸収されるようになり、血糖値の低下が期待できます。
また長期的には、インスリン抵抗性を改善させ、血中のブドウ糖の量を良好にコントロールできるようにすることが期待されます。
ですので、糖尿病予備群と診断された方は、できれば毎日、少なくとも週に3~5回は体を動かしてください。
なお、糖尿病を予防するための運動としては「有酸素運動」と「レジスタンス運動」が推奨されております。
<有酸素運動>
有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに、酸素を使う運動のことです。
ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。
有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。
<レジスタンス運動>
レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動です。
スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操など、標的とする筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います(レジスタンス(Resistance)は和訳で「抵抗」を意味します)。
レジスタンス運動は、筋肉量増加・筋力向上・筋持久力向上を促す筋力トレーニングとして高齢者からアスリートまで広く行われています。
【糖尿病予備群にならないための予防法2】食生活の見直し
糖尿病予防の基本は「食生活を見直すこと」です。
食事は、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考えてさまざまな食品をまんべんなくとることが大切です。
食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、朝食、昼食、夕食の3回ゆっくりよく噛んで、腹八分目で食べるよう心掛けてください。
バランスのとれた栄養を1日の必要量のカロリーでとることで、膵臓の負担は軽くなり、膵臓の能力は回復されます。
なお、食事のポイントについては以下をご覧ください。
<ゆっくり食べる>
早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。
食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。
<野菜類から食べる>
早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。
食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。
<アルコールは適量にする>
アルコールには一時的にはインスリンの働きを改善する効果があります。
しかし長期間飲んでいると逆にインスリンの分泌量が低下することがわかっていますので、アルコールは、ほどほどにしてください。
<腹八分目でストップ>
慢性的な食べすぎは、余分なブドウ糖をつくり、糖尿病を発症させる最大の原因となります。
いつもお腹いっぱいに食べないと満足できない人は、注意が必要です。
とくに脂肪分の多い肉類の食べすぎは、カロリーの取りすぎにつながりやすいので、量を控えてください。
<間食をしない>
間食をすると血糖値の高い状態が続き、インスリンを分泌する膵臓に大きな負担がかかります。
また、その状態のままで次の食事をすると、食後高血糖の原因にもなります。糖尿病を予防するためにも間食はできる限り控えてください。
【糖尿病予備群にならないための予防法3】禁煙
喫煙は交感神経を刺激して血糖を上昇させるだけでなく、体内のインスリンの働きを妨げる作用があります。
そのため、たばこを吸うと「糖尿病にかかりやすくなる」といえます。
日本人を対象とした研究データによると、喫煙者は非喫煙者と比べ糖尿病を発症するリスクが38%高くなると言われています。
ですので、糖尿病予備群の方は喫煙を控えてください。
糖尿病予備群の疑いがある方、医師の診断を受けたい方へ
糖尿病予備群の方は、自覚症状がありません。
そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。
健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。
糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
また糖尿病予備群の方の“適切な対策”を知りたい方も、いつでもご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2023.01.21
腎臓が原因でおこる痒みの特徴と場所
腎臓内科に関する記事です。
腎臓病とは、腎臓の系球体や尿細管が冒されることで、腎臓の働きが悪くなる病気です。
腎臓病の患者さんの中には、皮膚の乾燥や痒みといった皮膚症状がみられることがあります。
この記事では「腎臓が原因でおこる痒みの特徴」をご紹介していきます。後半部分では「痒さへの対策」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
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【目次】
腎臓が原因で痒くなる理由
腎臓が原因で痒くなる理由には皮膚の乾燥もあります
痒みの応急手当
腎臓病による痒みの場所と特徴
痒さへの対策
【痒さへの対策1】肌の乾燥を防ぐ
【痒さへの対策2】清潔の保持
【痒さへの対策3】紫外線を防ぐ
【痒さへの対策4】入浴習慣を見直す
【痒さへの対策5】質の良い睡眠をとる
【痒さへの対策6】皮膚への刺激が少ない衣類を選ぶ
【痒さへの対策7】バランスのとれた食事をする
腎臓が原因で痒くなる理由
腎臓は体の中や血液の“老廃物”を尿へ捨てる臓器ですので、腎臓が悪くなると“老廃物”が血中や皮膚にたまってしまいます。それら“老廃物”は皮膚の中にある痒み受容体のミュー・ペプチド受容体を刺激し、その電気信号が脳へ伝わって痒みを感じます。この現象は腎機能が高度の低下した透析患者で多く見られ、半数は強い痒みを感じます。
<腎臓とは?>
腎臓とはソラマメの形をした縦12cm、横5~6cm、重さ150gほどの臓器です。腰の少し上(背中側)に左右1つずつあり、毎日休むことなく大量の血液が送り込まれています。腎臓の主な機能は「老廃物の排泄」「体液の恒常性の維持」「ホルモンの産生」です。
腎臓が原因で痒くなる理由には皮膚の乾燥もあります
腎臓が悪くなると皮膚が乾燥します。これも痒みの原因となります。腎臓の働きが悪くて痒い方は、まめにお風呂に入ったり、皮膚に湿気を与えるぬり薬を塗ったりすることが痒み対策になります。皮膚の防御作用をこわさないために、お風呂で皮膚をこすりすぎないことも大切です。
痒みの応急手当
痒いのを、かかずに我慢するのはつらいものです。痒みが強いときは、肌を冷やすのがおすすめです。冷たいおしぼりや、氷を入れたビニール袋や保冷剤をタオルでくるみ、痒みのある部分に当ててください。なお、冷やしすぎて低温やけどしないように注意してくださいね。
腎臓病による痒みの場所と特徴
慢性腎臓病の患者さんでは、皮膚の乾燥、色素沈着、痒み、爪の異常といった皮膚の症状がみられ、特に、多くの患者さんで乾燥や痒みがみられます。乾燥や痒みは一般的に、すねから始まり、太もも、背中、わき腹、肩から腕へと広がっていきます。特に夜間に痒みが強くなるのが特徴です。なお、腎臓病について詳しく知りたい方は「腎臓について解説している記事」をご覧ください。
痒みに有効な薬について
ここでは、皮膚の痒みに有効な薬をご紹介します。
<飲み薬>
抗ヒスタミン薬
抗ヒスタミン薬は、体内でアレルギー症状を引き起こす「ヒスタミン」という化学伝達物質の作用を抑えることにより、症状を改善する薬です。花粉症をはじめとするアレルギー性鼻炎の他、医療機関では食べ物によるアレルギー、じんま疹、気管支ぜんそくなどの治療にも使用されます。
抗アレルギー薬
抗アレルギー薬は、くしゃみや鼻水、鼻づまり、湿疹、目や皮膚のかゆみなどに代表されるようなアレルギー症状が出るのを予防するための薬です。すでに発症してしまった症状を急激に緩和してくれるような薬ではなく、通常は2週間ほど続けて服用することで効果を発揮します。比較的副作用が少なく、アレルギー予防のために中長期にわたって服用することができるのが特徴です。
塩酸ナルフラフィン(レミッチ)
塩酸ナルフラフィンとは、痒みを抑えるお薬です。透析療法中または慢性肝疾患にともなう痒みに用います。
<塗り薬>
ステロイド外用剤
ステロイド外用薬は、ステロイド系抗炎症薬の軟膏剤であり、皮膚外用治療で一般的に使われる医薬品です。薬効成分として糖質コルチコイドあるいはその誘導体が使用されています。ステロイド外用剤にはたくさんの種類があり、作用の強さによって5段階に分類されます。詳しくは「ステロイド外用剤の使い方を紹介しているサイト」に記載していますので、ご興味のある方はご覧ください。
痒さへの対策
痒みを予防する上で大切なのは、肌のバリア機能を低下させないことです。こまめに保湿剤を使用し、スキンケアを行ってください。以下、痒さへの対策になりますので、ぜひ参考にしてくださいね。
【痒さへの対策1】肌の乾燥を防ぐ
バリア機能が低下して乾燥した肌は、痒みが発生しやすくなります。保湿剤を塗り、肌を乾燥から守るケアを心がけてください。保湿剤によるスキンケアは1年をとおして毎日続けるものなので、季節や時間帯、塗る場所に応じて、使いやすい剤形を選んでくださいね。
保湿剤の剤形については以下をご覧ください。
<保湿剤の剤形1>軟膏
皮膚への刺激が他の剤形と比べて少なく、皮膚を保護する力が強いです。しかし、塗った部分がテカったりベタベタしたりすることがありますので、塗りすぎには注意が必要です。
<保湿剤の剤形2>ローション
さっぱりした使い心地でベタつかないため、衣服から出ている部分にも使いやすいです。広い範囲や、髪の毛のある頭皮に使う場合も塗りやすいです。
<保湿剤の剤形3>クリーム
軟膏と比べてベタつき、テカリが少なく、衣服から出ている部分にも使いやすいです。皮膚を保護する力は軟膏とローションの中間程度になります。
<保湿剤の剤形4>フォーム
泡となって出てくるため、広い範囲に素早く塗ることができます。また、さっぱりとした使い心地でベタつかない点も特徴です。
【痒さへの対策2】清潔の保持
この場合の清潔とは、皮膚の汚れや汗、アレルギーの原因物質、細菌(黄色ブドウ球菌)やウイルスなどを洗い落とすことをいいます。「汗をかいたら早めにシャワーで流す」「外出先では、こまめに汗を拭き取る」など、常に清潔さをキープしてください。
【痒さへの対策3】紫外線を防ぐ
紫外線は必要以上に浴びると皮膚の乾燥を起こしたり、皮膚の老化を早めたり、眼の病気や皮膚がんのリスクを高める可能性があります。また、長時間日光を浴びると皮膚が炎症を起こし(日焼け)、皮膚のバリア機能が低下します。ですので、紫外線が強い時期や時間帯に外出するときは、日焼け止めを塗ったり、腕や首などを覆う服を着たり、日傘をさしたりして肌を守ってください。
【痒さへの対策4】入浴習慣を見直す
体を洗う時はタオルなどを使わずに、なるべく少量の石けんやボディソープを充分に泡立てて、優しく洗ってください。お風呂は40℃以下の熱すぎない温度に設定してくださいね。なお、その他で入浴時に気をつける点は以下の通りです。
<目の粗いタオルは使わない>
目の粗いタオルやナイロンタオル、スポンジなどを使ってゴシゴシ洗わないようにしてください。綿などの刺激になりにくいタオルや素手でやさしく洗うことをおすすめします。
<石けんは十分に泡立てる>
汚れを落とすのは泡です。ホイップ状になるまで泡立ててください。うまく泡立てられないときは、最初から泡で出てくるタイプの石けんを選んでください。
【痒さへの対策5】質の良い睡眠をとる
睡眠不足は、それ自体がストレスとなります。質の良い睡眠をとるよう心がけてください。
【痒さへの対策6】皮膚への刺激が少ない衣類を選ぶ
「締め付け感がある」「縫い目がかたい 」「ちくちくする」など、肌に刺激を与える衣類は避けてください。
【痒さへの対策7】バランスのとれた食事をする
たんぱく質、ビタミン・ミネラル、食物繊維などをバランスよくとってください。乾燥肌にはサバやイワシなどの青魚や、かぼちゃ、にんじんなどの緑黄色野菜がおすすめです
当日の順番予約はこちらから
2022.10.06
糖尿病患者の足にみられる症状について
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
糖尿病はインスリンの分泌不全もしくは、インスリンが作用する臓器が十分にインスリンの効果を受けられない状態(インスリン抵抗性)、あるいはその両方がきっかけで血糖値が慢性的に高くなってしまった代謝異常の状態を指します。
血糖値が何年間も高いままでいると、将来的に心臓病や、失明、腎不全といったより重い病気につながります。
そのため、糖尿病の症状が見られた際には放置せず、速やかに糖尿病専門医による診察を受けることが大切です。
この記事では、糖尿病患者の足にみられる症状について解説していきます。
後半では「足の症状のチェックポイント」を説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
糖尿病の主な合併症について
糖尿病足病変とは?
足の症状が悪化した時のリスクについて
糖尿病患者の足に出る症状一覧
糖尿病に対するフットケアについて
糖尿病についてすぐ相談したい方はこちら
糖尿病の主な合併症について
糖尿病の合併症の中でも「糖尿病性神経障害」「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」は3大合併症と言われております。
中でも「糖尿病性神経障害」は多くの糖尿病患者に起こりやすく、立ちくらみや下痢、便秘といった自律神経障害や手足の痺れ、冷えやこりといった感覚・運動神経障害といった症状が現れます。
神経障害が進行してしまうと、通常より感覚が鈍くなるため小さな傷をつくりやすいです。
糖尿病足病変とは?
糖尿病の患者に生じる足のトラブルの総称を「糖尿病足病変(とうにょうびょうあしびょうへん)」といいます。
病変には、足に生じる水虫や細菌感染による病変、たこやうおのめ、足の潰瘍や変形などがあります。
さらに重症になると壊疽(えそ)という組織が死んでしまった状態になり、最悪の場合は足を切断することもあります。
これらを避けるためには、血糖を適切な状態に保つことはもちろん、毎日足の状態をよく観察し異常をすぐに見つけることが大切です。
このような状態で外傷、靴ずれ、低温やけどなどによりキズができると潰瘍や壊疽へと悪化する恐れがあるため、注意が必要です。
自分の症状が糖尿病足病変の症状かどうか気になるという方は、いつでも気兼ねなくご相談ください。
症状が気になる方はこちらをクリック
足の症状が悪化した時のリスクについて
糖尿病患者にとって、もっとも怖い足の問題は「足を失うこと」です。
糖尿病で足を失うことは珍しい話ではなく、糖尿病の合併症である神経障害や血管障害などは、足の壊疽(組織が腐ってしまうこと)を引き起こします。
壊疽は大変治りにくい病気で、足を切断することも少なくありません。
糖尿病の症状が見られた方はすぐにでもご相談ください。
すぐに相談したい方はこちらをクリック
糖尿病患者の足に出る症状一覧
糖尿病性足病変の予防には、日頃からのセルフチェックが大切です。
以下の症状がある方は糖尿病の疑いがありますので、速やかに糖尿病専門医による診察をご検討ください。
<糖尿病患者の足に出る症状>
1. 足の先がしびれる
2. 足の先に痛みがある
3. 足の先がジンジン(ピリピリ)する
4. 足の感覚に異常がある(痛みを感じにくい、感覚が鈍いなど)
5. 足がつる
6. うおのめ、たこ、まめ、靴ずれがよくできる
7. 小さな傷でも治らない
8. 足に感染症がある(水虫など)
9. 皮膚が赤くなったり、腫れたりしている部分がある
10. 皮膚が乾燥したり、ひび割れしている部分がある
11. 爪が変形したり、変色したりしている
糖尿病に対するフットケアについて
糖尿病性足病変を予防するためには、日頃から自分の足を気にかけて、フットケアすることが大切です。
毎日足の隅々まで見て触ってよく観察しましょう。具体的な足の糖尿病対策については以下をご覧ください。
【糖尿病対策1】見えないところは鏡を使って観察しましょう
毎日明るい場所で足の裏側を鏡にうつしてみたり、目の悪い方は、周りの人にみてもらいましょう。
長時間歩いた後や運動後は特に念入りに観察してください。
【糖尿病対策2】爪は切り過ぎないようにしましょう
神経障害が進んでいると「違和感」や「痛み」を感じません。
伸びた爪はケガのもとになりますので、こまめに手入れをしてください。なお、硬くて切りにくい爪は無理に自分で切らずに医師や看護師に処置してもらいましょう。
【糖尿病対策3】足を清潔に保ちましょう
感染を防ぐためには、足を清潔に保つことが重要です。足は石けんをよく泡立てて、柔らかいタオルやスポンジで優しく洗ってください。指の間も忘れずに洗いましょう。
【糖尿病対策4】自分の足に合った靴をはきましょう
靴が足に合っていないと、靴ずれを起こしたり、血管を圧迫したりします。
そのため、足の糖尿病対策として靴選びは重要なポイントです。靴を選ぶ際は以下のポイントに注意して選びましょう。
<靴選びのポイント>
1. つま先に1センチ程度の余裕があり、足の形に合っている
2. 革や内張りが柔らかく、靴の内部に硬い縫い目がない
3. クッション性がよく、靴底が安定している
4. ハイヒールなど、一カ所に体重がかかるものは避ける
5. 一日の中で最も足が大きくなる夕方を基準にサイズを選ぶ
6. 通気性のよい綿かウールのものを選ぶ
<靴を履く時のポイント>
1. 新しい靴は最初から長時間履かずに少しずつ慣らしていく
2. 毎日履きかえて清潔に保つ
3. 靴の中に異物がないか、よく確認してから履く
4. 運動や散歩をする時は足首が固定されるよう、紐やマジックテープが付いた運動靴を履く
【糖尿病対策5】必ず靴下を履きましょう
足のケガの防止のため、靴下を必ず履くようにしましょう。
靴下を履くことでケガだけでなく、水虫の予防にもなります。
靴下の選び方については「糖尿病ネットワーク」をご覧ください。
【糖尿病対策6】やけどに注意しましょう
神経障害により足が冷えることはよくありますが、そんなときは熱さに対しても鈍くなっています。
湯たんぽやこたつ、電気カーペットなどでは低温ヤケドに十分注意しましょう。
これまで紹介してきたように糖尿病は放っておくと深刻な症状が出てまいります。
早期発見、治療が何よりも大切ですが、糖尿病は患者本人が気付きにくいという厄介な病気でもあります。
例え身体がどこもおかしくなかったとしても、ほんの少しでも気になることがありましたらまずは相談だけでもご検討ください。
当院ではどんな些細なことでも気軽にご相談いただけるようなクリニックを目指しております。
ちょっとした変化でも気がかりな方は、いつでも当院にお越しください。
相談されたい方はこちらをクリック
2022.05.25
千葉市で花粉症にお困りの方へ|症状の特徴とコロナウイルス感染症との違い
アレルギー科に関する記事です。
花粉症は春先が憂鬱になってしまう原因のひとつ。目のかゆみ、くしゃみ、鼻水など、主に「目と鼻の症状」を引き起こします。しかしながらアレルギー反応を起こす花粉の種類によっては、のどや皮膚のかゆみ、咳やたん、下痢や食欲の減退といった症状を引き起こすこともあります。ですから、花粉症に苦しめられ、頭を抱えている人もいるのではないでしょうか。
この記事では、千葉市で花粉症にお困りの方に向けて「花粉症の主な症状」をご紹介していきます。記事の後半では「花粉症と新型コロナウイルス感染症の違い」についてもご紹介しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
花粉症とはどのような病気か?
アレルギー性鼻炎には季節性と通年性があります
<季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)>
<通年性アレルギー性鼻炎>
花粉症が起きる原因について
花粉症の主な症状について
【花粉症の症状】鼻
【花粉症の症状】目
【花粉症の症状】のど
【花粉症の症状】皮膚
【花粉症の症状】頭
【花粉症の症状】下気道
【花粉症の症状】口腔
【花粉症の症状】その他
花粉症と新型コロナウイルス感染症の違いについて
【花粉症と新型コロナウイルス感染症の違い】鼻の症状
【花粉症と新型コロナウイルス感染症の違い】鼻の症状以外
新型コロナウイルス感染症が疑われる場合は検査をしましょう
花粉症を根本から治療したい方には舌下免疫療法をおすすめします
花粉症とはどのような病気か?
花粉症とは、花粉を吸い込んだりすることで鼻水、鼻づまり、くしゃみ、などのアレルギー症状を起こす病気。季節性アレルギー性鼻炎とも言われております。花粉症は様々な花粉で発症しますが、その代表的なものが「スギ花粉症」です。現在、日本人の「約38.8%」がスギ花粉症であると言われております(スギ花粉症は日本固有のものになります)。花粉の種類と飛散時期については「ヘルスケア情報」に詳しく記載しておりますので、ご興味のある方はご覧ください。
アレルギー性鼻炎には季節性と通年性があります
アレルギー性鼻炎は原因物質(アレルゲン)の種類によって以下の2つに分類されます。
<季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)>
季節性アレルギー性鼻炎は、原因となる花粉の飛散時期だけに「鼻炎症状」や「目の症状」などが認められるアレルギー性鼻炎。日本では、約60種類の植物が花粉症を引き起こすと報告されています。ですから、複数の花粉に反応する季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)では、ほぼ1年中症状に悩まされるという人も少なくありません。なお、当院では様々な方法で「アレルギー検査」をしております。ですから「自分は何のアレルギーなのか?」と気になっている方は、ぜひご来院ください。
<通年性アレルギー性鼻炎>
通年性アレルギー性鼻炎は、ダニやホコリなどが原因で1年を通して鼻炎症状が認められるアレルギー性鼻炎。アレルゲンが一年中あるため、症状も1年中あります。近年は「通年性アレルギー性鼻炎」と「季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)」の両方に悩む人や、複数の花粉に反応する人が増えております。ですから、人によっては1年中「鼻水・鼻づまり」や「目のかゆみ・異物感」に悩まされるという人も少なくありません。通年性アレルギー性鼻炎の主な症状については「花粉症ナビ」に記載しておりますので、気になる方はご覧ください。
花粉症が起きる原因について
花粉症の主な原因は、抗原抗体反応によるものです。空気中を浮遊している原因物質(アレルゲン)が目や鼻の細胞の表面に付着すると、体内に抗体が作られ、マスト細胞という名の細胞とくっつきます。その後、再びアレルゲンが侵入すると、マスト細胞からヒスタミンなどのアレルギー誘発物質が放出され、ヒスタミン受容体(ヒスタミンを受ける鍵穴)と結合し、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ等のアレルギー反応が引き起こされるのです。
花粉症の主な症状について
花粉症の三大症状はくしゃみ、鼻水、鼻づまり。その他にも人によっては、咳がでたり、のどや皮膚のかゆみがあったりします。詳しくは下記をご覧ください。
【花粉症の症状】鼻
くしゃみ、鼻水、鼻づまり、かゆみ、嗅覚障害、鼻内乾燥感、鼻出血
【花粉症の症状】目
かゆみ、異物感、結膜の充血、流涙、めやに、まぶたの腫れ
【花粉症の症状】のど
かゆみ、痛み、異常感、乾燥感、から咳
【花粉症の症状】皮膚
かゆみ、皮膚炎、じんましんのような疾患
【花粉症の症状】頭
頭痛、発熱、頭がボーっとする、頭重感
【花粉症の症状】下気道
咳、痰、ゼイゼイする
【花粉症の症状】口腔
かゆみ、浮腫
【花粉症の症状】その他
耳のかゆみ、全身の倦怠感、悪寒、熱感
花粉症と新型コロナウイルス感染症の違いについて
花粉症と新型コロナウイルス感染症では、似た症状が出る場合があります。しかし、よく比較するとそれぞれに特徴があります。たとえば、鼻の症状では以下のような点が違います。
【花粉症と新型コロナウイルス感染症との違い】鼻の症状
<花粉症> <新型コロナウイルス>
鼻水 よくある(透明でサラッとした鼻水) まれ
くしゃみ よくある(発作的で連続する) まれ
鼻づまり よくある(においを感じにくい) まれ
<鼻の症状の特徴>
花粉症の鼻症状は「特定時期(花粉飛散期)のみに起きる」「朝方の強い症状(モーニングアタック)」という特徴があります。一方、新型コロナウイルス感染症の鼻症状は「鼻水を認めても少量でサラサラしている」という特徴があります。
<嗅覚>
花粉症では鼻づまりによって、においが分かりにくくなります。一方、新型コロナウイルス感染症では鼻づまりがないのにも関わらず、においがわからなくなります。いわゆる嗅覚障害です。
【花粉症と新型コロナウイルス感染症の違い】鼻の症状以外
鼻の症状以外の違いでは、以下のような点が異なります。
<目のかゆみ>
花粉症では「目のかゆみ」があります(涙が出ることもあるくらいです)。一方、新型コロナウイルス感染症では目のかゆみが主症状になるのは稀です。
<皮膚のかゆみ>
花粉症では目と同様に「皮膚のかゆみ」があります(人によってはない場合もあります)。一方、新型コロナウイルス感染症では皮膚のかゆみが主体になることは、ほぼありません。
<のどの痛み>
花粉症では「のどのかゆみ」はありますが、痛くなることは滅多にありません。一方、新型コロナウイルス感染症では、のどの痛みがあります。特に今年に入ってから流行しているオミクロン株では「のどの痛み」を訴える患者様が非常に多くいます。
<味覚>
花粉症では鼻づまりによって、味が分かりにくくなります。一方、新型コロナウイルス感染症では鼻づまりがないのにも関わらず、匂いがわからなくなります。いわゆる味覚障害です。
<発熱>
花粉症の場合は「発熱」することは稀。発熱してもごく微熱です。一方、新型コロナウイルス感染症では、発熱は主要な症状のひとつになります。なお、新型コロナウイルス感染症では、発熱とともに関節痛や筋肉痛になったり、吐き気や悪寒がしたりといった特徴もございます。
新型コロナウイルス感染症が疑われる場合は検査をしましょう
花粉症と新型コロナウイルスは、よく比較するとそれぞれに特徴があります。しかし一概には言えません。場合によっては非常に見分けがつきにくい可能性があります。ですので、新型コロナウイルス感染症が疑われる場合には「検査キットを利用する」、あるいは速やかに「かかりつけ医」に相談しましょう。
花粉症を根本から治療したい方には舌下免疫療法をおすすめします
花粉症の治療法には舌下免疫療法をおすすめします。なぜなら、舌下免疫療法は根治療法。花粉症を根本から治すことができる唯一の治療法とされています(個人差はあります)。もちろん花粉症の根治療法の中には「皮下免疫療法」もございますが、こちらは注射が必要です。そのため、毎回痛みが伴います。それに月1回〜数回程度の通院が必要になりますので、毎月、時間を確保しなくてはいけません。ですから、花粉症の治療をお考えの方には、舌下免疫療法を強くおすすめしております。当院での舌下免疫療法のご予約については「アイチケット広場」から行えます。お手数をおかけしますが、受診をご検討中の方はこちらからご予約ください。
2022.03.29
千葉市で花粉症にお困りの方にお伝えしたい薬について
アレルギー科に関する記事です。
花粉症は春先が憂鬱になってしまう原因のひとつ。目のかゆみ、くしゃみ、鼻水など、主に「目と鼻の症状」を引き起こします。しかしながらアレルギー反応を起こす花粉の種類によっては、のどや皮膚のかゆみ、咳やたん、下痢や食欲の減退といった症状を引き起こすこともあります。ですから、花粉症に苦しめられ、頭を抱えている人もいるのではないでしょうか。
この記事では、千葉市で花粉症にお困りの方に向けて「花粉症に有効な薬」をご紹介していきます。花粉症に苦しんでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
千葉市で花粉症にお困りの方にお伝えしたい薬について
花粉症とはどのような症状か?
花粉症に有効な薬の種類について
花粉症に有効な内服薬の種類
【内服薬の種類1】第1世代抗ヒスタミン薬
【内服薬の種類2】第2世代抗ヒスタミン薬
【内服薬の種類3】抗ロイコトリエン薬
【内服薬の種類4】ステロイド内服薬
【内服薬の種類5】サイトカイン阻害
抗ヒスタミン薬を服用するとなぜ眠くなるのか?
花粉症に有効な点鼻薬の種類
【点鼻薬の種類1】血管収縮点鼻薬
【点鼻薬の種類2】ステロイド点鼻薬
【点鼻薬の種類3】ケミカルメディエーター遊離抑制点鼻薬
【点鼻薬の種類4】抗ヒスタミン薬点鼻薬
花粉症に有効な点眼薬の種類
【点眼薬の種類1】抗アレルギー点眼薬
【点眼薬の種類2】ステロイド点眼薬
【点眼薬の種類3】免疫抑制剤点眼薬
【点眼薬の種類4】眼軟膏
スギ花粉症にはシダキュアを用いた舌下免疫療法がおすすめです
舌下免疫療法とは?
花粉症の治療薬を使う時の注意
花粉症を根本から治療したい方には舌下免疫療法をおすすめします
花粉症とはどのような症状か?
花粉症とは、花粉によって生じるアレルギー疾患の総称。主に「アレルギー性鼻炎」と「アレルギー性結膜炎」が生じます。花粉が鼻に入ると、直後にくしゃみ、鼻汁が生じ、少し遅れてから鼻づまりの「即時相(そくじそう)反応」が生じます。ですから、初めて花粉症になったときには、検査をしなければ「かぜ」と間違う場合もございます。なお、花粉症の治療法については「千葉市で花粉症にお困りの方に効果的な治療法を紹介します」で解説しております。花粉症の治療法が知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
花粉症に有効な薬の種類について
花粉症に有効な薬には、主に「内服薬」「点鼻薬」「点眼薬」があります。花粉症では、つらい症状の部位や程度に合わせて適切な薬を選びましょう。花粉症に有効な「内服薬」「点鼻薬」「点眼薬」については下記をご覧ください。
花粉症に有効な内服薬の種類
内服薬は有効成分が血管をめぐり「体のすみずみ」に送り届けられます。ですので、目、鼻、のど、など「体全体のアレルギー反応」を抑えることができます。代表的な内服薬の種類は以下の通りです。
【内服薬の種類1】第1世代抗ヒスタミン薬
第1世代抗ヒスタミン薬は、鼻炎症状を引き起こすヒスタミンの働きを抑え、鼻水、くしゃみ、鼻づまりを改善します。第1世代抗ヒスタミン薬の多くは「抗コリン成分」「血管収縮成分」が配合されているため、鼻水や鼻づまりを総合的に抑えてくれることが特徴です。
【内服薬の種類2】第2世代抗ヒスタミン薬
第2世代抗ヒスタミン薬は「抗ヒスタミン作用」だけではなく、抗アレルギー作用(アレルギー症状の発生を抑える)も併せ持ちます。そのため、花粉飛散シーズンに「花粉症の初期症状」が出始めたタイミングから使用すると効果的です。なお、第2世代抗ヒスタミン薬は、眠気などの副作用が第1世代抗ヒスタミン薬に比べて少ないことが特徴として挙げまれます。
【内服薬の種類3】抗ロイコトリエン薬
抗ロイコトリエン薬、特に鼻閉に有効性のある薬です。ロイコトリエンは、血管を拡張させ鼻粘膜の腫脹をおこす化学伝達物質です。眠気などの症状も少なく、喘息でも使用されることの多い薬剤です。なお、抗ロイコトリエン薬は「抗ヒスタミン薬」にあわせて使用されることが多いです。
【内服薬の種類4】ステロイド内服薬
ステロイド内服薬とは、ステロイドの飲み薬です。内服のステロイドはいろいろな種類があります。ステロイド内服薬は、血糖上昇のおそれ、むくみ、月経異常など様々な副作用が心配されますので、安易に使わないように注意する必要があります。
【内服薬の種類5】サイトカイン阻害薬
サイトカイン阻害薬は、ヘルパーT細胞のTh2細胞からのサイトカイン(具体的には「インターロイキン4」と「インターロイキン5」)がつくられるのを抑える作用をあらわします。これにより、免疫グロブリンであるIgE抗体の産生が抑えられたり、白血球の一つである好酸球の組織浸潤が抑えられる結果、抗アレルギー作用をあらわすとされます。なお、サイトカイン阻害薬は、鼻閉に効果が高いと言われています。
抗ヒスタミン薬を服用するとなぜ眠くなるのか?
抗ヒスタミン薬は名前の通り「ヒスタミンの作用」をブロックする働きを持つ薬です(ヒスタミンは、脳内で覚醒状態を維持したり、学習能力を高めたりする働きをしています)。抗ヒスタミン薬を服用すると、アレルギー反応を抑えてくれる力がありますが、脳に移行すると、脳内でのヒスタミンの働きを抑えてしまいます。そのため、気づかないうちに眠気に襲われたり、集中力が低下したりといった「インペアード・パフォーマンス」を引き起こすのです(インペアードは英語で「正常に機能しない」という意味です)。インペアード・パフォーマンスについては「日本予防医学協会のサイト」に詳しく記載しておりますので、気になる方はご覧ください。
花粉症に有効な点鼻薬の種類
点鼻薬は、くしゃみ、鼻みず、鼻づまりなどの症状に有効。特に鼻づまりがつらい方に効果的です。点鼻薬は内服薬に比べて「早く効果を実感できる」「眠気などの副作用が起こりにくい」といった利点がございます。
【点鼻薬の種類1】血管収縮点鼻薬
血管収縮点鼻薬は、鼻粘膜の血管を収縮し、鼻づまりを解消します。速効性があり、鼻づまりが比較的早く解消されますが、効果は一時的。さらに、長期間連用してしまうと逆に鼻づまりになりやすくなるといった副作用もあるため注意が必要です。
【点鼻薬の種類2】ステロイド点鼻薬
ステロイド点鼻薬は、花粉症の元となるアレルギー反応を抑えるため、鼻づまりだけではなく、鼻水・くしゃみにも効果をあらわします。血管収縮点鼻薬と比べると、鼻づまりへの効きの速さは劣りますが、継続的に使用すると症状が出にくくなる「抗アレルギー作用」も併せ持つことが特徴です。
【点鼻薬の種類3】ケミカルメディエーター遊離抑制点鼻薬
ケミカルメディエーター遊離抑制点鼻薬は、花粉が体内に入ったとき、アレルギー症状を引き起こす体内物質(ヒスタミンやメディエーター)が出るのを抑える薬。点鼻薬の他に、経口薬、点眼薬があります。ケミカルメディエーター遊離抑制点鼻薬は、アレルギー性鼻炎にともなう「くしゃみ」や「鼻水」を軽減します。しかしながら比較的強くないため、現在はほとんど使用されておりません。
【点鼻薬の種類4】抗ヒスタミン薬点鼻薬
抗ヒスタミン薬点鼻薬は、もともと内服薬としても使われている成分を点鼻薬にしたものです。抗ヒスタミン薬点鼻薬は「ステロイド点鼻薬」の登場する前は、点鼻薬の主流を担っていました。しかしながら最近では、補助的な位置づけにあり、抗ヒスタミン薬点鼻薬はほとんど使われなくなりました。なお、抗ヒスタミン薬点鼻薬は点鼻でありながら、飲み薬のように多少眠くなるため、使用する際は十分に注意してください。
花粉症に有効な点眼薬の種類
点眼薬は、目のかゆみ、充血、異物感などの症状に有効。花粉症の症状が軽度であれば「市販で購入できる目薬」でも対応できます。しかし症状がひどい場合や「花粉症なのか、他の原因による症状なのか」がはっきりしない場合は、病院を受診し、症状に適した薬を処方してもらうようにしましょう。
【点眼薬の種類1】抗アレルギー点眼薬
抗アレルギー点眼薬は、花粉によるアレルギー反応の元を抑えます。そのため、花粉による目のかゆみの発生を起こりにくくします。抗アレルギー点眼薬の中には、花粉飛散の「1〜2週間前」から使用できる点眼もあります。ですので、毎年、花粉飛散シーズンになると「目が痒くなってつらい」という方はマスクやメガネなどと共に、抗アレルギー点眼薬で対策をとるといいでしょう。
【点眼薬の種類2】ステロイド点眼薬
ステロイド点眼薬は、ステロイドに炎症をとる強い作用がありますので、炎症を抑えたい場面で使われます。ステロイド点眼薬は炎症による「腫れ」や「赤み」を抑える上、かゆみや痛みも和らげます。ですので、非常に効果的な点眼薬と言えます。しかしステロイド点眼薬には「眼圧上昇」や「異物が体内に侵入する時におこる防御反応を抑制する」といった副作用があります。ですから、ステロイド点眼薬は、効果と副作用のバランスを考えて、医師の指示のもと慎重に使用しましょう。
【点眼薬の種類3】免疫抑制剤点眼薬
免疫抑制剤点眼薬は、免疫反応を抑えることで、アレルギー性結膜疾患の中で症状が重い「春季カタル」による目の腫れなどの症状を改善する薬。一般的に「抗アレルギー点眼薬」や「ステロイド点眼薬」の治療では安定しない患者様に対して処方されます。
【点眼薬の種類4】眼軟膏
眼軟膏には「炎症や痛みを抑制する軟膏」「細菌を殺す軟膏」など様々な種類があります。眼軟膏は普通の軟膏と違い、無菌的に調製しております。ですから、目の中(結膜内)に入れても心配いりません。なお、眼軟膏は患部へ塗って使用するため、点眼薬よりも長い間効き目を持続させることが可能です。
スギ花粉症にはシダキュアを用いた舌下免疫療法がおすすめです
スギ花粉症の患者様には「シダキュア(分類名: 減感作療法(アレルゲン免疫療法)薬, 標準化スギ花粉エキス)」を用いた舌下免疫療法がおすすめです。シダキュアとは、スギ花粉症のアレルゲン免疫療法のお薬。スギ花粉を原料とするエキスから作られています。シダキュアを用いた舌下免疫療法は、長期にわたり正しく治療が行われると、アレルギー症状を治したり、症状をおさえる効果が期待できます。
※舌下錠(ぜっかじょう)とは、舌の下に薬を入れ,急速に有効成分を口腔粘膜から吸収させる錠剤。舌の下にくすりを入れて、飲み込んだり、かみ砕いたりせず、唾液で自然に溶かします。
舌下免疫療法とは?
舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)とは、アレルギーの原因(アレルゲン)となる物質を少しずつ長い間(3〜5年)投与することでアレルゲンに身体を慣らしていき、アレルギー症状を改善させる治療法。スギ花粉症とダニのアレルギー症状を根本的に治すことができる唯一の治療法になります。2014年に舌下免疫療法が開始されるまで、減感作療法(げんかんさりょうほう)といえば「皮下免疫療法(ひかめんえきりょうほう)」が主流でした。しかし舌下免疫療法のほうが「簡便で続けやすい」「アナフィラキシーショックが少ない」など利点が多いため、現在では「舌下免疫療法」が主流となっております。なお、舌下免疫療法については「舌下免疫療法にお悩みの方へ」に詳しく記載しておりますので、ぜひご覧ください。
花粉症の治療薬を使う時の注意
花粉症の症状は飛散量で変化します。飛散量が少ない時に一時的に症状が良くなったからといって薬を止めてしまうと、飛散量が増えた時に症状が一気に悪化してしまいます。ですから、症状が軽くなっても継続して使用しましょう。なお、病気の治療は症状が出てから行うのが原則ですが、花粉症の場合は別。症状が出る前から治療を開始することが認められています。ですから、花粉飛散期の前(2週間程度前)から薬による治療を始めましょう。そうすることで「花粉症の症状を軽くする」「花粉症の症状が出る期間を短くする」などの効果が期待できます。
花粉症を根本から治療したい方には舌下免疫療法をおすすめします
花粉症の治療法には舌下免疫療法をおすすめします。なぜなら、舌下免疫療法は根治療法。上述した通り「スギ花粉症」と「ダニのアレルギー症状」を根本から治すことができる唯一の治療法とされています(個人差はあります)。もちろん花粉症の根治療法の中には「皮下免疫療法」もございますが、こちらは注射が必要です。そのため、毎回痛みが伴います。それに月1回〜数回程度の通院が必要になりますので、毎月、時間を確保しなくてはいけません。ですから、花粉症の治療をお考えの方には、舌下免疫療法を強くおすすめしております。当院での診察をご希望の方はいつでもお越しください。なお、来院後にスムーズに受診されたい方は「アイチケット」から順番をお取りください
2022.03.24
千葉市で花粉症にお困りの方に効果的な対策を紹介します
アレルギー科に関する記事です。
花粉症は春先が憂鬱になってしまう原因のひとつ。目のかゆみ、くしゃみ、鼻水など、主に「目と鼻の症状」を引き起こします。しかしながらアレルギー反応を起こす花粉の種類によっては、のどや皮膚のかゆみ、咳やたん、下痢や食欲の減退といった症状を引き起こすこともあります。ですから、花粉症に苦しめられ、頭を抱えている人もいるのではないでしょうか。
この記事では、千葉市で花粉症にお困りの方に向けて「効果的な対策」をご紹介していきます。花粉症に苦しんでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
花粉症とはどのような症状か
花粉症対策として規則正しい生活をしましょう
【花粉症対策1】適度な運動をする
【花粉症対策2】しっかりと睡眠をとる
【花粉症対策3】ストレスをためない
【花粉症対策4】体を冷やさない
【花粉症対策5】高蛋白、高脂肪の食事は控える
【花粉症対策6】食事は腹八分目を心掛ける
【花粉症対策7】ゆったりとした呼吸をする
【花粉症対策8】禁煙する
日常で花粉症対策
【日常でできる花粉症対策1】眼鏡をかける
【普段からできる花粉症対策2】手洗いをする
【日常からできる花粉症対策3】うがいをする
【日常からできる花粉症対策4】洗顔をする
【日常からできる花粉症対策5】こまめに保湿をする
【日常からできる花粉症対策6】マスクをする
【日常からできる花粉症対策7】外出を控える
【日常からできる花粉症対策8】花粉が付着しにくい服装を心掛ける
【日常からできる花粉症対策9】帽子をかぶる
【日常からできる花粉症対策10】花粉をよく払ってから室内へ入る
【日常からできる花粉症対策11】掃除はこまめに行う
千葉市の花粉飛散情報も逐一確認することをおすすめ
花粉等を含む健康食品の摂取は控える
花粉症の対策で症状が治らない方には早めの治療をおすすめします
舌下免疫療法のご予約について
花粉症とはどのような症状か
花粉症とは、花粉によって生じるアレルギー疾患の総称。主に「アレルギー性鼻炎」と「アレルギー性結膜炎」が生じます。花粉が鼻に入ると、直後にくしゃみ、鼻汁が生じ、少し遅れてから鼻づまりの「即時相(そくじそう)反応」が生じます。ですから、初めて花粉症になったときには、検査をしなければ「かぜ」と間違う場合もございます。なお、花粉症の治療法については「千葉市で花粉症にお困りの方へ効果的な治療法を紹介します」で解説しております。花粉症の治療法が知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
花粉症対策として規則正しい生活をしましょう
花粉の時期の健康のためには、規則正しい生活が重要。不規則な生活習慣は、花粉症を悪化させる恐れがあります。ですので、普段から正常な免疫機能を維持するための「生活習慣」を心掛けましょう。以下、生活習慣の改善におすすめの対策です。
【花粉症対策1】適度な運動をする
適度な運動は、体の抵抗力を高めます。継続して運動することで、鼻やのど、呼吸器などの粘膜をきたえる効果も期待できます。
【花粉症対策2】しっかりと睡眠をとる
体調が悪いとアレルギーの症状はひどくなります。しっかり睡眠をとり、体調を整えましょう。
【花粉症対策3】ストレスをためない
ストレスは、自律神経をとおして内分泌系に影響し、免疫システムに異常をもたらします。アレルギーの症状を悪化させますので、早めにストレスを解消しましょう。
【花粉症対策4】体を冷やさない
冷えは免疫力を低下させるため、花粉症の原因になると言われております。服装の調節や入浴などで体を冷やさない工夫をしましょう。
【花粉症対策5】高蛋白、高脂肪の食事は控える
高蛋白、高脂肪の食事はアレルギー反応を起こしやすくする可能性があります。魚、野菜、海藻類などバランスよく食べましょう。
【花粉症対策6】食事は腹八分目を心掛ける
食べ過ぎは、アレルギーによる炎症を起こしやすくすると言われています。ですから、食事は腹八分目を心掛けましょう。
【花粉症対策7】ゆったりとした呼吸をする
ゆったりした呼吸をすると「心身の緊張」がほぐされ、アレルギーにも強くなります。ですので、なるべくゆったりとした呼吸をするように意識してください。
【花粉症対策8】禁煙する
たばこの煙は呼吸器粘膜を傷つけます。花粉症を予防したい方は禁煙を心がけましょう。
日常からできる花粉症対策
ここからは、日常からできる花粉症対策をご紹介します。花粉症は早めに適切な対策を行えば、症状をかなり軽減できます。ですから、今からしっかりと手を打って、少しでも楽にシーズンを過ごしましょう。
【日常からできる花粉症対策1】眼鏡をかける
花粉は目の表面に付着すると、目のかゆみ、充血を引き起こします(いわゆるアレルギー性結膜炎です)。ですから、花粉を目に付着させないために「眼鏡」をかけましょう。眼鏡については「通常の眼鏡」でも花粉の量は40%減少しますので問題ありません。なお、防御カバーのついた花粉症用のメガネではおおよそ65%減少すると言われております。
【日常からできる花粉症対策2】手洗いをする
手洗いは花粉対策に効果的。手洗いをすることで、手のひらに付着した花粉を落とすことができます。花粉の付着した手で目をこすると、目のかゆみ、充血を引き起こす可能性がありますので、帰宅後は必ず手洗いをしましょう(手洗いは花粉対策だけでなく、新型コロナウイルス対策としても非常に有効です)。
【日常からできる花粉症対策3】うがいをする
うがいは、のどに流れた花粉を除去するのに効果があります。ですので、外出から帰ってきたら、うがいをしましょう(手洗いと同様、うがいは新型コロナウイルス対策としても非常に有効です)。なお、鼻の粘膜についた花粉は、生理食塩水で鼻うがいをする方法があります。しかし「冷たい水」や「水道水」で行うと刺激になって鼻炎が悪化することがありますので注意が必要です。十分に気をつけましょう。
【日常からできる花粉症対策4】洗顔をする
花粉が人間に付着しやすいのは表面に出ている「頭」と「顔」になります。外出から帰ってきたら洗顔して花粉を落としましょう。
【日常からできる花粉症対策5】こまめに保湿をする
乾燥肌で肌のバリアが弱まっていると、花粉が体の中に侵入しやすくなります。ですから、こまめに保湿して「皮膚の状態を整えておくこと」が花粉症を悪化させない上で重要です。なお、保湿に関しては花粉飛散期に行うというより、普段から行い「良い皮膚の状態」をキープするように心掛けましょう。
【日常からできる花粉症対策6】マスクをする
マスクは、花粉対策として効果的。飛散の多いときには吸い込む花粉をおよそ3分の1から6分の1に減らし、鼻の症状を少なくさせる効果が期待されています。ですから、花粉飛散期にはマスクをつけるように心掛けましょう(現在はコロナ禍のため花粉の有無に関係なく、必ずマスクを着用してください。新型コロナウイルス感染拡大防止へのご協力をお願いします)。
【日常からできる花粉症対策7】外出を控える
花粉飛散期には、なるべく外出を控えましょう。特に「晴れて気温が高い日」「空気が乾燥して風が強い日」などの花粉が多い日は控えるようにしてください。なお、外出を控えることは新型コロナウイルス対策としても非常に有効です。新型コロナウイルス感染拡大防止へのご協力をお願いします。
【日常からできる花粉症対策8】花粉が付着しにくい服装を心掛ける
一般的にウール製の衣服は「木綿」や「化繊」と比較して花粉が付着しやすいと言われております。ですから、特に一番外側に着る上着は「ウール素材」の衣服は避け、表面がすべすべした「綿」か「ポリエステル」にするといいでしょう。服装の素材については「逓信病院」でも紹介されています。
【日常からできる花粉症対策9】帽子をかぶる
花粉が人間に付着しやすいのは表面に出ている「頭」と「顔」になります。頭の花粉は、帽子などで避けるといいでしょう。
【日常からできる花粉症対策10】花粉をよく払ってから室内へ入る
花粉飛散期に外出すると、たくさんの花粉が衣類や髪の毛に付着しております。ですので、帰宅時は衣類や髪の毛の花粉をよく払ってから室内へ入りましょう。
【日常からできる花粉症対策11】掃除はこまめに行う
花粉をよく払っても完全に落とすことはできません。ですから、室内に花粉が入り込んでいる可能性があります。花粉に触れる機会を減らすために、日頃からこまめに掃除を行い、室内を清潔に保ちましょう。
千葉市の花粉飛散情報も逐一確認することをおすすめ
花粉症対策として1日中家にいることは極めて有効です。しかしながら、そういう生活は現実的に困難です。ですから、外出する際は花粉飛散情報の確認をおすすめします。千葉市の花粉飛散情報については「日本気象協会のサイト」から確認できますので、ぜひご覧ください。
花粉等を含む健康食品の摂取は控える
スギ花粉症の方が「スギ花粉を含む食品」を摂取すると、花粉症の症状が悪化したり、重篤なアレルギー症状を起こす可能性があると報告されております(厚生労働省:スギ花粉を含む食品に関する注意喚起について)。ですから、花粉症の方は、花粉等を含む健康食品の摂取は控えるようにしてください。なお、アレルギーは、ごく微量のアレルギー物質によっても発症することがあります。以前、その食品を食べて特段の異常がみられなくても、体調不良など、条件により重篤なアレルギー症状を起こすこともありますので、十分に注意してください。
花粉症の対策で症状が治らない方には早めの治療をおすすめします
一度発症した花粉症の自然治癒はごく稀と言われております。ですので、つらい花粉症に悩まされている方には、早めの治療をおすすめします。なお現在、完治の可能な花粉症の治療法は減感作療法(げんかんさりょうほう)だけになります(こちらは「厚生労働省の花粉症QAサイト」でも同様です)。減感作療法といえば、2014年に「舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)」が開始されるまで「皮下免疫療法(ひかめんえきりょうほう)」が主流でした。しかし現在では、舌下免疫療法のほうが「簡便で続けやすい」「アナフィラキシーショックが少ない」など利点が多いため、主流となっております。ですから、花粉症の治療をお考えの方には、舌下免疫療法を強くおすすめしております。舌下免疫療法については「舌下免疫療法にお悩みの方へ」に詳しく記載しておりますので、ぜひご覧ください。
舌下免疫療法のご予約について
当院ではアレルギー治療の一つとして「舌下免疫療法」を取り入れています。当院での診察をご希望の方はいつでもお越しください。なお、来院後にスムーズに受診されたい方は「アイチケット」から順番をお取りください
2022.03.23
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