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20代の不眠症の原因と対策|医師が教える睡眠トラブルの解決法
2023.06.05
この記事では、「20代の不眠症の原因」をご紹介していきます。後半部分では「不眠症の対策と予防法」をご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
不眠症は日本の国民病
不眠症の一般的な症状と原因
20代に特有の不眠症の原因
不眠症の対策と予防法
不眠症は医師の診察に基づく早期治療が重要です
不眠症は日本の国民病
不眠症は、日本において「国民病」とされています。近年、不眠症の発生率は増加傾向にあり、多くの方々が睡眠障害を抱えています。日本では、一般成人の30〜40%が何らかの不眠症状を有しており、特に女性に多いことが知られています。なお、不眠症状は加齢とともに増加し、60歳以上では半数以上の方で認められます。「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」でも同様のことを伝えておりますので、ご興味のある方はご覧ください。
不眠症の一般的な症状と原因
不眠症とは、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害によって、その人にとって必要な睡眠時間が十分に取れないことや“睡眠の質”が低下することで、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。不眠は、眠気、倦怠感、集中力低下、抑うつや不安などの精神症状を引き起こし、その結果として生産性の低下、交通事故の増加など、様々な人的及び社会経済的損失をもたらすと考えられております。したがって、「睡眠が浅い」「寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。なお、不眠症の原因はストレス・心や身体の病気・薬の副作用など様々です。以下、不眠症を引き起こす主な原因になります。
【不眠症の原因1】心理的原因
何らかのストレスに関連して起こる不眠です。
【不眠症の原因1】身体的原因
身体の病気や症状が原因で起こる不眠です。
【不眠症の原因3】薬理学的原因
服用している薬や、アルコール、カフェイン、ニコチンなどが原因で起こる不眠です。
【不眠症の原因4】精神医学的原因
精神や神経の病に伴って起こる不眠です。精神や神経の病には、不眠を伴うことが少なくありません。なかでも不眠になりやすいのは、不安と抑うつになります。
20代に特有の不眠症の原因
20代における不眠症の原因は多岐にわたります。主な原因としては、以下のような要素が挙げられます。
【20代に特有の不眠症の原因1】就寝前のスマホ操作
就寝前のスマホ操作が不眠症の原因になっている場合があります。スマホの画面から発せられるブルーライトは、眠りを誘うメラトニンの分泌を抑制し、眠りの質を低下させます。また、SNSやメッセージアプリの利用は興奮状態を引き起こし、リラックスを妨げます。ですので、就寝前のスマホ操作はできる限り控えてください。なお、就寝前のスマホ操作を抑制するためには「寝室からスマホを遠ざける」「寝る1時間前からスマホ使用を控える」「ブルーライトカットフィルターを使用する」などの対策が効果的です。
【20代に特有の不眠症の原因2】ストレス
20代は、学生から社会人になる方が多くいる年代です。そのため、学業や就職活動に伴うプレッシャーがストレスとなり、睡眠に影響を与えることがあります。また、20代は自己実現や将来の目標達成に向けて様々なプレッシャーを感じる時期でもあり、これらのストレスが睡眠の質に悪影響を与えることがあります。さらに、学校内での人間関係や恋愛、家庭環境の変化などもストレスの要因となり得ると言えます。
【20代に特有の不眠症の原因3】うつ病(抑うつ状態も含む)
うつ病(抑うつ状態も含む)は不眠症の一因となり得ます。睡眠障害に深く関係する病気は多数ありますが、なかでも「うつ病(抑うつ状態も含む)」の場合は9割近くの人が、「寝ようとしても眠れない」「朝早くに目が覚める」といった、なんらかの不眠症状を伴っていると言われています。つまり裏を返せば、不眠症状がある人はうつ病(抑うつ状態も含む)にかかりやすいと言えます。うつ病(抑うつ状態も含む)と不眠症は密接に関係しているため、思うように眠れない日々が続いたり、熟睡感を得られていなかったりするのであれば、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。
【20代に特有の不眠症の原因4】飲酒
飲酒は不眠症の原因となることがあります。アルコールは一時的に眠りを誘う効果がありますが、その後の「睡眠の質」や「リズム」を乱す可能性があります。特に、過度の飲酒や頻繁な飲酒は深い眠りを妨げ、「中途覚醒」や「夜間の目覚め」を引き起こすことがあります。また、アルコールの摂取が睡眠を浅くし、REM睡眠(夢を見る段階)を削減することも知られています。
【20代に特有の不眠症の原因5】不安定な生活リズム
夜更かしや朝寝坊、不規則な食事などが生活リズムの乱れを引き起こし、睡眠の質や量に悪影響を及ぼします。また、仕事や学業の忙しさにより睡眠時間が犠牲になることで、生活リズムが乱れ、睡眠の質を低下させている場合があります。生活リズムの乱れは、体内時計や睡眠ホルモンのバランスに影響を与え、不眠症を引き起こす原因となりますので、くれぐれもご注意ください。なお、生活リズムを整えるためには、規則正しい睡眠スケジュールを作り、毎日同じ時間に寝たり起きたりすることが重要です。
不眠症の対策と予防法
不眠症に対する対策と予防法は、次の通りです。
【不眠症の対策と予防法1】適度な運動
適度な運動は睡眠の質を向上させる助けとなります。日中に適度な運動を取り入れることで、夜の眠りを深くすることができます。
【不眠症の対策と予防法2】睡眠のルーティン化
睡眠のリズムを整えるために、毎晩同じ時間に寝る習慣を作ってください。また、朝起きたらすぐに起きることも大切です。
【不眠症の対策と予防法3】ストレス管理
ストレスは不眠症の悪化を引き起こすことがあります。リラクゼーション法やストレス解消の方法を取り入れて、日常的なストレスを軽減してください。
【不眠症の対策と予防法4】カフェインやアルコールの摂取制限
カフェインやアルコールは睡眠を妨げることがありますので、摂取量を制限する、または避けるようにしてください。「千葉県のホームページ」でも同様のことを伝えています。
【不眠症の対策と予防法5】睡眠環境の整備
快適な寝室環境を作ってください。暗い部屋、静かな環境、快適な温度、適切なマットレスや枕などが重要です。睡眠環境の整備について詳しく知りたい方は「快眠のための環境作り」をご覧ください。
【不眠症の対策と予防法6】目が覚めたら日光を浴びる
目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計を刺激してください。早起きは早寝に通じます。なお、睡眠のリズムを整えるために、週末などの休みの日も、平日と同じ時刻で起床するよう心掛けてくださいね。
【不眠症の対策と予防法7】午後の眠気はうまくやり過ごす
長い昼寝はかえって夜間の睡眠を妨げます。昼寝をするなら、午後3時前の20~30分にしてください。
【不眠症の対策と予防法8】適正な食習慣
快適な睡眠を得るためには、適正な食習慣が重要です。朝食は心と身体の目覚めに欠かせません。栄養バランスの取れた朝食を摂ってエネルギーを補給し、一日のスタートを切ってください。なお、夜食については、軽めのものを選ぶことがポイントです。胃腸を過度に刺激しないようにし、就寝前には十分な時間を置いて消化を促してください。適正な食習慣を心掛けることで、良質な睡眠への道が開かれます。
不眠症は医師の診察に基づく早期治療が重要です
睡眠が浅い、寝付けないなど、睡眠に関して問題があることで「日常生活に支障が出ている」と感じている方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。前述した通り、睡眠不足は体の病気、心の病気の原因となります。また睡眠障害自体が“心の病気”の前兆の可能性もあります。ですので、不眠症を放置してはいけません。「睡眠が浅い」「寝付けない」「睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は放置せず、お近くの医療機関に足を運んでください。なお、当院では“不眠症の診療”や“薬の処方”だけでなく、診断書の発行も行っております。不眠の症状や原因について悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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