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インフルエンザの合併症としての中耳炎:原因と予防
内科に関する記事です。
この記事では、インフルエンザの合併症の一つ「中耳炎」について解説します。後半部分では、「インフルエンザ合併症の対策」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インフルエンザの合併症で中耳炎になる?
インフルエンザの合併症でかかりやすい急性中耳炎とは
インフルエンザ合併症:中耳炎の症状
インフルエンザ合併症:中耳炎の症状(子供の場合)
インフルエンザによる中耳炎:子供は特に注意してください
インフルエンザ合併症の対策
まずは入念にインフルエンザ予防
インフルエンザの合併症で中耳炎になる?
インフルエンザは、鼻や口から侵入した「インフルエンザウイルス」が肺や気道で感染・増殖することで引き起こされる疾患です。インフルエンザでは、高熱や関節痛などの辛い症状だけでなく、ウイルス感染により中耳の炎症が引き起こされ、中耳炎が発生することがあります。中耳炎は通常、鼻や喉についた細菌やウイルスが耳管を通って中耳に侵入し、炎症を引き起こす疾患です。中耳に炎症が発生すると、中耳内の粘液が溜まり、耳の感染部分が腫れます。そしてその結果、耳の痛みや耳が詰まった感じ、発熱や聴力の低下などの症状が現れることがあります。したがって、耳の痛みや耳が詰まった感じなどの症状を感じた方は、早めに医療機関を受診することが重要です。中耳炎は放置すると症状が悪化し、場合によっては聴力の低下が進行する恐れがありますので、ご注意ください。なお、中耳炎にはさまざまな種類があり、その中でインフルエンザによって併発する中耳炎は『急性中耳炎』と呼ばれるものが多いとされています。「中耳炎について解説しているサイト」でも同様の見解を述べています。
インフルエンザの合併症でかかりやすい急性中耳炎とは
急性中耳炎とは、鼓膜の奥に広がる中耳に細菌やウイルスなどの病原体が感染して炎症が生じる疾患です。急性中耳炎になると、中耳に膿が溜まり、激しい痛みや発熱、耳が詰まった感じや聴力の低下などの症状が起こります。さらに炎症が続き、膿の分泌が許容量を超えると、鼓膜が破けて耳漏(耳だれ)が生じることもあります。したがって、耳が詰まった感じや耳の痛みなどの症状を感じた方は、早めに医療機関を受診することが重要です。なお、急性中耳炎は、幼児期における代表的な感染症であるため、約8割の子供が3歳までに一度は経験すると言われています。そのため、お子様が風邪をひいた際には、急性中耳炎を疑うくらいの慎重さが必要です。乳幼児期の子供は、耳に異常があることを周囲にうまく伝えられないので、保護者が耳の状態をよく見ることが重要だと言えます。
インフルエンザ合併症:中耳炎の症状
中耳炎の典型的な症状は、次の通りです。
・発熱
・耳痛
・耳閉感(耳が詰まった感じ)
・耳漏(耳の穴から膿が出る)
・難聴
なお、中耳炎により、鼓膜穿孔(鼓膜に穴が開いた状態)を引き起こすこともあります。中耳炎の症状について詳しく知りたい方は「インフルエンザ中耳炎について」をご覧ください。
インフルエンザ合併症:中耳炎の症状(子供の場合)
小さなお子さんは、症状をうまく説明できません。したがって、発熱時に次のような症状があるときには中耳炎の可能性を疑ってください。
・機嫌が悪い
・耳をよく触る
・元気がない
・食欲がない
中耳炎は自然治癒することもありますが、症状が悪化する可能性もあるため、適切な治療を受けることが重要です。したがって、上記の症状が現れた場合は、早めに医療機関を受診してください。
インフルエンザによる中耳炎:子供は特に注意してください
子供の耳管は大人よりも太くて短い上に、咽頭まで水平に近い傾斜で伸びているため、細菌やウイルスが中耳に侵入しやすい状態になっています。そのため子供の耳は、大人と比べて中耳炎にかかりやすい構造になっていると言えます。さらに、子供が中耳炎にかかりやすい理由には、免疫系が未熟であることも挙げられます。子供は体内の抵抗力が弱いため、感染症に対する防御が不十分です。特に幼い子供は、免疫系がまだ発達途中であり、外部からの病原体に対する抵抗力が低い傾向にあります。したがって、風邪やウイルス感染などの身近な病原体が中耳に侵入しやすくなり、中耳炎の発症リスクが高まります。なお、低年齢の集団保育が増加していることや、抗菌剤が効きにくい「耐性菌」と呼ばれる菌が増えていることも、子供が急性中耳炎になるリスクを高めています。保育施設に耐性菌を持つ園児がいると、園内に耐性菌が広まる可能性があります。そしてその結果、耐性菌による中耳炎の発症が増加する可能性がありますので、ご注意ください。
インフルエンザ合併症の対策
インフルエンザの合併症を予防するためには、インフルエンザ予防接種が有効です。インフルエンザ予防接種は、インフルエンザに罹りにくくするとともに、感染した場合には「症状の重篤化」を防ぐとされています。したがって、インフルエンザ予防接種は「インフルエンザの合併症の発症リスク」を軽減する効果が期待されます。インフルエンザは悪化すると、気管支炎や肺炎、脳症などの重篤な合併症を引き起こす恐れがありますので、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします(インフルエンザ予防接種をしてもインフルエンザにかかる場合があります)。なお、インフルエンザウイルスへの感染を予防するためには、手洗い・消毒などの基本的な感染対策も重要です。以下、基本的な感染対策です。
<人混みに出ない>
インフルエンザが流行している時期は、不要な外出は避けたほうが安心です。「ショッピングセンター」や「繁華街」などの人混みでインフルエンザに感染することも多いため、インフルエンザが流行している時期は、ご注意ください。なお、やむを得ず外出する場合は、なるべく短時間で済ませることをお勧めします。
<適度な湿度を保つ>
空気が乾燥すると、のどの粘膜の“防御機能”が低下します。したがって、乾燥しやすい室内では加湿器の使用をお勧めします。免疫効果を正常に作用させるためには50~60%程度の湿度が必要になりますので、加湿器などで“室内の湿度”を適切に維持するよう心掛けてください。
<マスクを着用する>
マスクによるインフルエンザ予防は、効果が薄いことが示されています。ただし、全く効果がないわけではありません。近くにいる誰かが「くしゃみ」や「咳」をしたときには、マスクによって飛沫感染を防ぐことができます。また、「くしゃみ」や「咳」が出る人が周囲にウイルスを拡散しないためにもマスクは有効です。したがって、人混みに出る場合などにはマスクの着用をお勧めします。
<毎日の食事で免疫力を高める>
インフルエンザウイルスの感染を防ぐためには、毎日の食事で免疫力を高めて、「インフルエンザにかからない体づくり」をすることも大切です。具体的には、免疫システムに欠かせない「ビタミンC」と体のエネルギー産生に必要な「ビタミンB1群」、鼻やのどの粘膜を強化する働きのある「ビタミンB2」「ビタミンB6」を多くとることがポイントになります。なお、免疫力を高めるためには1日3食、規則正しく食べることも大切です。免疫力を高めるためにも、栄養バランスのとれた食事と良好な生活習慣を心掛けてください。
<手洗い・手の消毒>
手についたウイルスが口や鼻に入るというのが、インフルエンザウイルスの感染経路としてとても多いケースです。したがって、インフルエンザの予防として最もお勧めなのは、手洗い・手の消毒になります。手洗い・手の消毒をこまめに行えばウイルスを撃退し、インフルエンザウイルスの感染を防ぐことができますので、小まめに手洗い・手の消毒を行ってください。
<うがい>
うがいは、のどに付着したウイルスの数を減らしたり、洗い流したりするために有効と言われています。口の中をきれいに保てば、口からうつる「インフルエンザ」や「風邪」などの感染症を防ぐことができますので、外出先から戻ったら「うがい」を行ってください。
まずは入念にインフルエンザ予防
インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし、「中耳炎」や「ウイルス性肺炎」といった合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。なお、当院では、インフルエンザ予防接種を実施しております。インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご連絡ください。また、インフルエンザ予防の方法についてご相談したい方、あるいは自分がインフルエンザなのか気になる方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
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2024.04.25
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