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都賀で尿路感染症にお悩みの方へ|症状や原因、糖尿病との関係を解説
2026.01.13
糖尿病のある方は、尿路感染症(膀胱炎や腎盂腎炎)を発症しやすく、重症化しやすいことが知られています。高血糖の状態が続くと免疫機能が低下し、細菌が増殖しやすい環境になるためです。また、症状が軽い場合でも放置すると治癒が遅れたり、重い感染症や合併症につながったりする恐れがあります。そのため、尿路感染症は軽視せず、適切な対応が必要です。排尿時の痛み、頻尿、発熱、腰や背中の痛みなどの症状に心当たりがある場合には、早めに医療機関での診察を受けてください。この記事では、糖尿病と尿路感染症の関係、症状の特徴、受診や治療の適切なタイミングについて分かりやすく解説します。
【目次】
尿路感染症の主な病気と症状
糖尿病があると尿路感染症になりやすい理由
尿路感染症と糖尿病を放置するリスク
尿路感染症の検査と治療方法
日常生活でできる予防と注意点
まとめ|尿路感染症が気になる方へ
尿路感染症の主な病気と症状

尿路感染症は、尿の通り道である尿路に細菌などが侵入して炎症を引き起こす病気の総称です。感染する部位によって症状や重症度が大きく異なります。膀胱、尿道、腎臓など、どこに感染が起きているかを正確に把握することが、適切な治療につながります。ここでは、代表的な尿路感染症の種類と、それぞれに特徴的な症状について詳しく解説します。
膀胱炎:下腹部痛、排尿時の痛み・違和感、頻尿、血尿
膀胱炎は尿路感染症の中で最も頻度の高い疾患です。特に女性に多くみられ、尿道が短いことから細菌が膀胱まで到達しやすい点が主な原因とされています。主な症状には、排尿時にしみるような痛みや灼熱感があり、下腹部に鈍い痛みや不快感を伴うことがあります。また、尿意を頻繁に感じるものの、実際には少量しか排尿できない頻尿も特徴的な症状です。さらに、尿が白濁したり、血尿がみられたりすることがあり、場合によっては尿に特有の臭いを感じることもあります。一般的に発熱は伴わないか、あっても微熱程度にとどまります。なお、膀胱炎は適切な抗菌薬治療により数日で改善するケースが多いものの、治療が遅れると感染が腎臓へ広がる可能性があるため、早期に診断を受けて治療を開始することが重要です。
尿道炎:排尿痛・不快感が強く、男女問わず起こる
尿道炎は尿道に炎症が生じる病態で、男女ともに発症します。排尿の開始時に特に強い痛みや灼熱感を感じるのが特徴です。男性では尿道分泌物が見られることも多く、下着に膿のような分泌物が付着することもあります。また、性感染症の原因菌による尿道炎も多く、淋菌やクラミジアなどが代表的です。これらの場合、パートナーへの感染リスクもあるため注意が必要です。
急性腎盂腎炎:発熱・背部痛・倦怠感・悪寒などを伴い重症化しやすい
急性腎盂腎炎は、細菌が膀胱から尿管を逆行して腎臓に到達し、腎盂や腎実質に感染を起こした状態を指します。膀胱炎とは異なり、全身症状がはっきり現れる点が特徴です。38度以上の高熱が急激に出現し、悪寒戦慄を伴うことも少なくありません。また、背中から腰にかけての痛みがみられ、片側に強く現れることが多いとされています(叩打痛と呼ばれる所見があり、背部を軽く叩くと強い痛みを感じます)。さらに、全身の倦怠感や吐き気、嘔吐などの消化器症状を伴うこともあります。腎盂腎炎は適切な治療を行わないと敗血症へ進行するリスクがあり、入院治療が必要となる場合も多い重篤な感染症です。特に高齢者や免疫力が低下している方では重症化しやすいため、早期に医療機関を受診することが重要です。
糖尿病が背景にある場合は症状が普通より重く出る・長引く傾向にあるため注意
糖尿病を患っている方は、尿路感染症にかかりやすく、かつ重症化しやすい傾向があります。高血糖状態では免疫機能が低下し、細菌に対する防御力が弱まるためです。また、糖尿病性神経障害により膀胱の知覚が鈍くなり、残尿が増えることで細菌が繁殖しやすい環境になります。糖尿病患者の尿路感染症では、通常より症状が強く現れることが多く、発熱が高くなったり、腎盂腎炎への進展が早かったりします。さらに、治療期間も長くなる傾向があり、再発率も高いことが知られています。場合によっては、腎周囲膿瘍や気腫性腎盂腎炎といった重篤な合併症を起こすリスクもあるため、糖尿病の方は排尿時の違和感など軽微な症状でも早めに医療機関を受診することが重要です。
糖尿病があると尿路感染症になりやすい理由

糖尿病を持つ方は、そうでない方と比べて尿路感染症を発症しやすく、また重症化しやすいことが知られています。これは単に偶然ではなく、糖尿病による体内環境の変化が複数の要因となって感染リスクを高めているためです。ここでは、糖尿病が尿路感染症のリスクを上昇させる具体的なメカニズムについて解説します。
高血糖状態は体の免疫機能を低下させ、細菌感染を起こしやすくする
高血糖状態が続くと、体の免疫システムに様々な悪影響が及びます。特に白血球の一種である好中球の機能が低下し、細菌を捕らえて排除する能力が弱まります。通常、私たちの体は侵入してきた細菌を免疫細胞が素早く認識し、攻撃することで感染を防いでいますが、高血糖環境下ではこの反応が鈍くなってしまうのです。また、血糖値が高いと細胞内のエネルギー代謝にも異常が生じ、免疫細胞が十分に活動できなくなります。さらに、糖尿病では微小血管障害が進行することで組織への血流が悪化し、感染部位に免疫細胞や抗菌薬が届きにくくなることも問題です。このように、高血糖状態そのものが全身の感染防御能力を低下させるため、尿路に細菌が侵入した際に排除しきれず、感染が成立しやすくなります。
糖尿病では尿糖が出ることがあるため尿路に細菌が増殖しやすい環境になりやすい
血糖値が一定以上高くなると、腎臓での糖の再吸収能力を超えて尿中に糖が漏れ出します。この尿糖は細菌にとって格好の栄養源となり、尿路内で細菌が急速に増殖する環境を作り出してしまいます。通常の尿は細菌の増殖には適さない環境ですが、糖が豊富に含まれることで細菌の培養液のような状態になってしまうのです。特に大腸菌をはじめとする尿路感染症の原因菌は、糖を利用して効率的にエネルギーを得て増殖します。
冷えや排尿の習慣(頻尿・残尿感)など糖尿病の周辺症状が尿路感染リスクを高める
糖尿病の合併症として神経障害が進行すると、膀胱の神経機能にも影響が及びます。膀胱の収縮力が低下する神経因性膀胱では、排尿後も尿が膀胱内に残りやすくなり、この残尿が細菌の温床となります。本来、定期的な排尿によって尿路内の細菌は洗い流されますが、残尿があると細菌が長時間留まり増殖する機会を与えてしまうのです。また、糖尿病による自律神経障害は血流調節機能も低下させ、手足の冷えや末梢循環不全を引き起こします。特に骨盤内の血流が悪くなると、膀胱や尿道の粘膜のバリア機能が弱まり、細菌が侵入しやすくなります。さらに、頻尿の症状があると水分摂取を控えがちになり、尿量が減少することで尿路の自浄作用が低下するという悪循環も生まれます。
尿路感染症と糖尿病を放置するリスク

尿路感染症と糖尿病は、いずれも適切な治療を受けずに放置すると深刻な健康被害をもたらす疾患です。特に両者が合併している場合、相互に悪影響を及ぼし合い、予想以上に重篤な状態へと進行するリスクが高まります。軽い症状だからと油断せず、早期に適切な対応をとることが、将来の健康を守るために極めて重要です。ここでは、これらの疾患を放置した際に起こりうる具体的なリスクについて詳しく解説します。
尿路感染症が悪化すると腎機能障害や膿瘍形成など重篤化する可能性
尿路感染症を適切に治療せず放置すると、感染が上部尿路へと広がり、急性腎盂腎炎を引き起こします。さらに炎症が進行すると、腎臓内に膿が溜まる腎膿瘍や、腎臓周囲に膿が広がる腎周囲膿瘍といった重篤な合併症を生じることがあります。これらは激しい痛みや高熱を伴い、ドレナージ手術や長期の入院治療が必要になる深刻な状態です。また、繰り返す腎盂腎炎は腎実質にダメージを蓄積させ、慢性腎臓病へと進行するリスクがあります。腎機能が低下すると、体内の老廃物を排泄できなくなり、最終的には透析療法が必要になる可能性もあります。さらに重症例では、細菌が血液中に入り込んで敗血症を起こし、多臓器不全に至ることもある命に関わる状態となります。特に高齢者や糖尿病患者ではこうした重症化のリスクが通常より高いため、初期段階での適切な対応が生命予後を左右します。
糖尿病があると血流や免疫の低下で回復が遅れる
糖尿病を有する方が尿路感染症を発症した場合、健常者と比べて治癒までに時間を要する傾向があります。これは、高血糖状態による免疫機能の低下に加え、糖尿病性血管障害によって感染部位への血流が不十分になることが主な要因です。血流が低下すると、抗菌薬が感染部位に十分に届きにくくなるほか、組織の修復に必要な酸素や栄養の供給も滞ります。さらに、糖尿病では創傷治癒能力そのものが低下しているため、炎症によって傷ついた尿路粘膜の回復も遅れやすくなります。その結果、通常であれば数日間の抗菌薬治療で改善する膀胱炎であっても、糖尿病のある方では1週間以上の治療を要することも少なくありません。また、一度症状が改善したように見えても、細菌が完全に排除されておらず、治療終了後に再燃するケースも見られます。血糖コントロールが不十分な場合ほど、こうした回復の遅れは顕著となり、治療期間の延長や入院が必要となる可能性も高まります。
再発尿路感染症は生活の質(QOL)を下げ、他の合併症リスクとも関連する
尿路感染症が頻繁に再発すると、日常生活に大きな支障をきたします。排尿時の痛みや頻尿、下腹部の不快感といった症状は、仕事や外出、睡眠の質を著しく低下させます。特に女性では性生活に影響を及ぼすこともあり、心理的なストレスが増大します。さらに、感染を繰り返すことで抗菌薬の使用回数が増え、薬剤耐性菌が出現するリスクが高まるため、将来的に治療が難しくなる可能性も否定できません。また、糖尿病を有する方における再発性尿路感染症は、血糖コントロールをさらに悪化させる要因となります。感染に伴う炎症や身体的ストレスは血糖値を上昇させやすく、体調不良によって食事管理や運動習慣が乱れやすくなるためです。このような悪循環が続くと、糖尿病の合併症である神経障害、網膜症、腎症などの進行を早める恐れがあります。加えて、慢性的な感染状態は全身の炎症レベルを高め、動脈硬化の進行にも関与すると考えられています。
尿路感染症と糖尿病を放置することは、単にその時の症状を我慢するだけの問題ではありません。感染の重症化による腎機能障害や敗血症、糖尿病による治癒遅延、そして再発による生活の質の低下と他の合併症リスクの増大など、将来の健康に深刻な影響を及ぼします。特に両者が合併している場合は相乗的にリスクが高まるため、より慎重な対応が求められます。早期発見と適切な治療、そして血糖コントロールの維持が、これらのリスクを回避する最も確実な方法です。少しでも異変を感じたら、決して自己判断せず、速やかに医療機関を受診してください。
尿路感染症の検査と治療方法

尿路感染症が疑われる場合、適切な診断と治療を行うために様々な検査が実施されます。ここでは、尿路感染症の診断に用いられる主な検査方法と、効果的な治療アプローチについて詳しく解説します。
尿検査:尿中の白血球・細菌の有無をチェック
尿検査は尿路感染症の診断において、最も基本的かつ重要な検査です。まず尿定性検査により、尿中の白血球、細菌、亜硝酸塩、血液などの有無を迅速に確認します。尿路に感染がある場合、白血球の増加や細菌の検出といった感染を示唆する所見が認められます。また、亜硝酸塩陽性は、尿中で細菌が増殖している可能性を示す間接的な指標となります。さらに詳細な評価として、尿沈渣検査を行い、顕微鏡下で白血球、細菌、赤血球などの数を直接確認します。確定診断および適切な抗菌薬の選択には、尿培養検査が不可欠です。尿を培地で培養することで原因菌を特定し、あわせて薬剤感受性試験を行い、どの抗菌薬が有効かを調べます。培養結果が判明するまでには数日を要しますが、この結果に基づいて最適な治療方針を立てることができます。なお、糖尿病を有する方では、尿糖の有無も併せて確認し、血糖コントロール状態を把握するための参考とします。
血液検査:炎症反応・腎機能・血糖値などを評価
血液検査では、全身の炎症状態や臓器機能を総合的に評価します。白血球数やCRP(C反応性蛋白)は炎症の程度を示す重要な指標で、特に急性腎盂腎炎などの上部尿路感染症では顕著に上昇することが多く見られます。これらの値が高い場合、感染が重症化している可能性があり、より慎重かつ積極的な治療が必要と判断されます。また、腎機能を評価する目的で血清クレアチニン値や尿素窒素を測定し、腎臓への影響の有無や、抗菌薬の用量調整が必要かどうかを確認します。糖尿病を有する方では、血糖値およびHbA1c(過去1〜2か月の平均的な血糖状態を反映)を測定し、血糖コントロールの状況を把握します。感染症の影響により血糖値が普段より上昇することも多く、治療期間中は継続的な血糖値のモニタリングが重要となります。さらに、敗血症が疑われる場合には血液培養検査を行い、血液中に細菌が侵入していないかを確認します。これらの検査結果を総合的に評価することで、治療の緊急性や入院の必要性を判断します。
抗生物質による治療が基本だが、糖尿病の管理とセットで行うことが重要
尿路感染症の治療は、抗菌薬の投与が基本となります。単純性膀胱炎では経口抗菌薬を3〜7日程度使用することが一般的ですが、糖尿病のある方や高齢者では、感染が長引きやすいため7日以上の投与が必要となる場合もあります。急性腎盂腎炎では、初期には静脈内投与による抗菌薬治療を行い、全身状態や症状の改善が確認できた段階で経口薬へ切り替えます。抗菌薬の選択は尿培養検査の結果に基づいて行われますが、結果が判明するまでは、想定される原因菌を広くカバーする抗菌薬を使用します。一方で、糖尿病を有する方では抗菌薬治療のみでは十分な効果が得られないことがあります。高血糖状態が続くと免疫機能が低下し、感染の治癒が遅れるため、血糖コントロールを同時に整えることが重要です。インスリンや血糖降下薬の調整、適切な食事管理によって血糖値を安定させることで、感染症の改善が促されます。さらに、十分な水分摂取により尿量を増やすことで、尿路内の細菌を洗い流す効果が期待できるため、治療期間中は水分補給も意識することが大切です。
尿路感染症は再発しやすいため、原因因子(高血糖・排尿習慣)への対応も必要
尿路感染症は、特に糖尿病を合併している場合に再発率が高いことが知られています。そのため、急性期の治療だけでなく、再発予防を目的とした包括的な対応が重要となります。最も基本となるのは血糖コントロールの改善です。HbA1cを7%未満に維持することで、免疫機能の回復や尿糖の減少が期待でき、感染リスクの低下につながります。また、排尿習慣の見直しも重要で、尿意を我慢せずこまめに排尿すること、特に性交渉後は速やかに排尿することが有効とされています。さらに、女性では排便後の拭き方を前から後ろへ統一し、外陰部を清潔に保つことが再発予防に役立ちます。十分な水分摂取によって尿量を増やし、尿路の自浄作用を高めることも効果的です。加えて、糖尿病性神経障害による残尿が疑われる場合には、泌尿器科での専門的な評価や治療が必要となることがあります。尿路感染症を頻回に繰り返す場合には、状況に応じて予防目的の低用量抗菌薬を一定期間使用することが検討される場合もあります。
日常生活でできる予防と注意点

尿路感染症は一度かかると再発しやすく、特に糖尿病を持つ方ではその傾向が顕著です。しかし、日常生活での適切な対策により、発症リスクを大幅に減らすことが可能です。ここでは、具体的な予防方法と日常で気をつけるべきポイントについて詳しく解説します。
血糖値のコントロール(HbA1cを適正に保つ)
尿路感染症の予防において最も重要なのは、血糖値を適正範囲にコントロールすることです。HbA1cは過去1〜2か月間の平均的な血糖状態を反映する指標で、一般的には7%未満を目標とします。高血糖状態が続くと免疫機能が低下し、さらに尿中に糖が排出されることで細菌が繁殖しやすい環境が形成されます。日々の血糖管理では、規則正しい食事時間の維持、糖質の適切な摂取量の把握、食物繊維を多く含む食品の積極的な選択が基本となります。また、処方された糖尿病治療薬を医師の指示通りに服用し、自己判断で中断しないことも重要です。血糖値の自己測定を習慣化することで、日々の変動パターンを把握しやすくなり、食事や運動内容の調整にも役立ちます。さらに、定期的に医療機関で検査を受け、HbA1cの推移を確認しながら必要に応じて治療内容を見直すことにより、長期的に安定した血糖コントロールを維持できます。適切な血糖管理は尿路感染症の予防だけでなく、糖尿病に伴う他の合併症を防ぐうえでも、極めて重要な対策です。
こまめな排尿と水分補給
膀胱内に尿を長時間ためておくと、細菌が増殖しやすくなるため、尿意を感じたら我慢せずに早めに排尿することが大切です。特に仕事中や外出時であっても、3〜4時間おきを目安に排尿する習慣を意識すると、尿路感染症の予防につながります。排尿には、尿路内の細菌を物理的に洗い流す自浄作用があり、感染予防の基本となります。また、十分な水分を摂取して尿量を確保することで、この洗浄効果はさらに高まります。1日あたり1.5〜2リットル程度の水分摂取を目安としますが、心臓や腎臓に持病のある方は、主治医に相談したうえで適切な量を決めることが重要です。水分は一度に大量に摂るのではなく、こまめに少量ずつ摂取することが望まれます。特に起床時、食事の際、就寝前など、飲むタイミングを決めて習慣化すると続けやすくなります。なお、カフェインやアルコールは利尿作用がある一方で脱水を招くこともあるため、日常的な水分補給は水や麦茶などを中心に行うことが適しています。
トイレ後の清潔保持・冷え対策
陰部を清潔に保つことは、尿路への細菌侵入を防ぐうえで非常に重要です。特に女性は尿道が短く肛門に近いため、排便後は必ず前から後ろに向かって拭き、肛門周囲の細菌が尿道口に付着しないよう注意が必要です。また、毎日の入浴やシャワーで陰部を優しく洗うことも大切ですが、洗いすぎや刺激の強い石鹸の使用は粘膜のバリア機能を低下させる可能性があります(ぬるま湯で軽く洗浄する程度で十分とされています)。さらに、性交渉後に速やかに排尿することで、性行為によって尿道内に入り込んだ可能性のある細菌を洗い流す効果が期待できます。加えて、冷え対策も尿路感染症の予防には欠かせません。体が冷えると骨盤内の血流が低下し、膀胱や尿道の粘膜機能が弱まり、細菌感染に対する抵抗力が低下します。下半身を冷やさないよう腹巻きや厚手の靴下を活用し、冷たい床に直接座らない工夫も有効です。なお、冬場だけでなく、夏場のエアコンによる冷えにも注意が必要です。
身体全体の免疫力を高める(適度な運動・睡眠・栄養)
尿路感染症に対する抵抗力は、全身の免疫機能の状態に大きく左右されます。適度な運動は血流を改善し、免疫細胞の働きを活性化させます。糖尿病を有する方にとって運動は血糖コントロールにも有効で、週に150分程度の中等度の有酸素運動(早歩き、水泳、サイクリングなど)が推奨されています。ただし、急激な運動は体への負担となり、かえって逆効果となる場合もあるため、自身の体力に合わせて無理なく継続できる運動を選ぶことが大切です。また、質の良い睡眠も免疫機能の維持に欠かせません。睡眠不足は免疫細胞の働きを低下させ、感染症にかかりやすくなります。毎日7〜8時間程度の睡眠時間を確保し、就寝前のスマートフォン使用を控えるなど、良好な睡眠環境を整えることが重要です。さらに、禁煙も重要な要素です。糖尿病を有する方が喫煙を続けると、治療効果が得られにくくなるだけでなく、脳梗塞や心筋梗塞などの合併症リスクが高まることが知られています。なお、栄養面では、たんぱく質、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂取することが免疫機能の維持につながります。特にビタミンCやビタミンDは免疫機能を支える栄養素として注目されています。野菜、果物、魚、大豆製品などを取り入れた食事を意識することで、全身の抵抗力を保ちやすくなります。
同時に他の生活習慣病(高血圧・脂質異常)にも配慮する
糖尿病患者の多くは、高血圧や脂質異常症といった他の生活習慣病も併せ持っていることが少なくありません。これらの疾患は相互に関連しており、血管障害を進行させることで全身の血流を悪化させ、結果として免疫機能や組織の修復能力を低下させます。特に腎臓への血流が低下すると、尿路感染症の発症リスクが高まるだけでなく、感染時に腎障害が進行しやすくなります。高血圧の管理においては減塩が重要で、一日の塩分摂取量を6グラム未満に抑えることが推奨されています。脂質異常症に対しては、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の摂取を控え、魚に含まれるオメガ3脂肪酸や食物繊維を多く含む食品を意識的に取り入れることが望まれます。これらの生活習慣病では薬物療法が必要となる場合もありますが、食事療法と運動療法が治療の基本となります。定期的に血圧測定や血液検査を受け、それぞれの疾患が適切にコントロールされているかを確認することが重要です。こうした総合的な健康管理が、尿路感染症の予防にもつながります。
まとめ|尿路感染症が気になる方へ

尿路感染症は誰にでも起こりうる疾患ですが、糖尿病を持つ方では特に注意が必要です。高血糖による免疫機能の低下、尿糖によって細菌が増殖しやすくなること、神経障害による残尿など、複数の要因が重なることで発症リスクが高まります。その結果、一度治癒しても再発しやすく、重症化のリスクも健常者より高くなります。排尿時の痛みや違和感、頻尿、下腹部痛といった膀胱炎を疑う症状や、発熱や背部痛を伴う急性腎盂腎炎の兆候が見られる場合は、放置せず早めに医療機関を受診することが重要です。適切な検査により感染の有無や重症度を評価し、抗菌薬治療と並行して血糖コントロールを適切に行うことで、感染症の治癒が促され、再発予防にもつながります。千葉市都賀周辺で糖尿病に合併した尿路感染症にお悩みの方、または予防や生活習慣病の総合的な管理をご希望の方は、当院までご相談ください。患者一人ひとりの状態に応じた丁寧な診療を行い、長期的な健康維持をサポートいたします。
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厚生労働省が発表した平成28年「国民健康・栄養調査」の結果では、糖尿病が強く疑われる者(糖尿病有病者)、糖尿病の可能性を否定できない者(糖尿病予備群)はいずれも約1,000万人(合わせて約2,000万人)と推計されています。
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【目次】
糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは
糖尿病予備群の主な症状
糖尿病予備群と診断された方へ
糖尿病予備群にならないための予防法
【糖尿病予備群にならないための予防法1】運動
【糖尿病予備群にならないための予防法2】食生活の見直し
【糖尿病予備群にならないための予防法3】禁煙
糖尿病予備群の疑いがある方、医師の診断を受けたい方へ
糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは
糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは、糖尿病と診断されるほどの高血糖ではないものの、血糖値が正常より高い状態にあることを指します。
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糖尿病予備群の主な症状
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しかし体内では、既に血糖値を下げるホルモンである「インスリン」が出にくくなったり、効きづらくなったりする変化が起きています。
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なお、動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な疾患が引き起こされる危険性が高くなります。
糖尿病予備群と診断された方へ
糖尿病予備群の方は、食事、運動、喫煙、飲酒などの生活習慣を見直し、肥満や高血圧、ストレスなどに対する健康管理に取り組むことで、糖尿病へ進行するリスクを減らすことができます。
ですので、糖尿病予備群と診断された方は、まずは生活習慣の見直しから始めてください。
なお上述した通り、糖尿病予備群でも、既に血糖値を下げるホルモンであるインスリンが出にくくなったり、効きづらくなったりする変化が起きています。
また糖尿病に特有の合併症である、網膜症、神経障害、腎機能障害も少しずつ進行するとも言われています。
ですので、糖尿病予備群と診断された方は、絶対に放置してないでください。
糖尿病予備群にならないための予防法
糖尿病予備群では、生活習慣の改善により「糖尿病の発症のリスク」を減らすことができます。
では、具体的には何をすればいいのでしょうか。順番にご紹介していきます。
【糖尿病予備群にならないための予防法1】運動
糖尿病を予防するためには「運動」が効果的です。運動をすることで、ブドウ糖や脂肪酸の利用が促進。インスリンに頼らずに糖分が細胞や筋肉の中に吸収されるようになり、血糖値の低下が期待できます。
また長期的には、インスリン抵抗性を改善させ、血中のブドウ糖の量を良好にコントロールできるようにすることが期待されます。
ですので、糖尿病予備群と診断された方は、できれば毎日、少なくとも週に3~5回は体を動かしてください。
なお、糖尿病を予防するための運動としては「有酸素運動」と「レジスタンス運動」が推奨されております。
<有酸素運動>
有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに、酸素を使う運動のことです。
ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。
有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。
<レジスタンス運動>
レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動です。
スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操など、標的とする筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います(レジスタンス(Resistance)は和訳で「抵抗」を意味します)。
レジスタンス運動は、筋肉量増加・筋力向上・筋持久力向上を促す筋力トレーニングとして高齢者からアスリートまで広く行われています。
【糖尿病予備群にならないための予防法2】食生活の見直し
糖尿病予防の基本は「食生活を見直すこと」です。
食事は、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考えてさまざまな食品をまんべんなくとることが大切です。
食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、朝食、昼食、夕食の3回ゆっくりよく噛んで、腹八分目で食べるよう心掛けてください。
バランスのとれた栄養を1日の必要量のカロリーでとることで、膵臓の負担は軽くなり、膵臓の能力は回復されます。
なお、食事のポイントについては以下をご覧ください。
<ゆっくり食べる>
早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。
食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。
<野菜類から食べる>
早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。
食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。
<アルコールは適量にする>
アルコールには一時的にはインスリンの働きを改善する効果があります。
しかし長期間飲んでいると逆にインスリンの分泌量が低下することがわかっていますので、アルコールは、ほどほどにしてください。
<腹八分目でストップ>
慢性的な食べすぎは、余分なブドウ糖をつくり、糖尿病を発症させる最大の原因となります。
いつもお腹いっぱいに食べないと満足できない人は、注意が必要です。
とくに脂肪分の多い肉類の食べすぎは、カロリーの取りすぎにつながりやすいので、量を控えてください。
<間食をしない>
間食をすると血糖値の高い状態が続き、インスリンを分泌する膵臓に大きな負担がかかります。
また、その状態のままで次の食事をすると、食後高血糖の原因にもなります。糖尿病を予防するためにも間食はできる限り控えてください。
【糖尿病予備群にならないための予防法3】禁煙
喫煙は交感神経を刺激して血糖を上昇させるだけでなく、体内のインスリンの働きを妨げる作用があります。
そのため、たばこを吸うと「糖尿病にかかりやすくなる」といえます。
日本人を対象とした研究データによると、喫煙者は非喫煙者と比べ糖尿病を発症するリスクが38%高くなると言われています。
ですので、糖尿病予備群の方は喫煙を控えてください。
糖尿病予備群の疑いがある方、医師の診断を受けたい方へ
糖尿病予備群の方は、自覚症状がありません。
そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。
健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。
糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
また糖尿病予備群の方の“適切な対策”を知りたい方も、いつでもご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2023.01.21
糖尿病治療法の一つ、インスリン療法を解説
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、糖尿病の代表的な治療法である「インスリン療法」について解説していきます。
後半部分では「インスリン療法のメリット・デメリット」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インスリンとは何か
インスリン療法とは
インスリン療法のしくみ
インスリン注射を行う前に血糖自己測定
インスリン療法の具体的な手法
インスリン療法のメリット
インスリン療法のデメリット
インスリン注射はほとんど痛くありません
インスリン療法は早期に始めることが効果的です
インスリン療法についてご相談したい方はいつでもご相談下さい
インスリンとは何か
インスリンとは、膵臓から分泌されるホルモンの一種です。
糖の代謝を調節し、血糖値を一定に保つ働きを持っております。
なお、インスリンの働きが悪くなったり分泌される量が少なくなったりすることで、血糖値が高い状態が続いてしまうのが「糖尿病」です。
糖尿病について詳しく知りたい方は「糖尿病情報センター」をご覧ください。
インスリン療法とは
インスリン療法とは、患者さん自身がインスリン製剤を継続的に投与して血糖をコントロールする治療法のことです。
インスリン製剤を投与する方法として、「頻回インスリン注射療法」と「持続皮下インスリン注入療法」があります。
頻回インスリン注射療法は、一般的にペン型の注射器を用いて1日に数回インスリン注射を行う方法です。お腹、太もも、上腕、お尻に注射することが推奨されています(これらの部位を少しずつ、ずらしながら注射します)。
一方、持続皮下インスリン注入療法は、携帯型のインスリンポンプを使用して皮下に留置した挿入した「カニューレ」からインスリンを持続的に注入する方法です。
インスリンの注入量や注入速度を細かく調整できるため、頻回インスリン注射療法で血糖コントロールが困難な人や低血糖を頻発する人、食事や勤務時間が不規則な人、妊娠中あるいは妊娠の予定がある人などに向いています。
なお、インスリン療法については「インスリンとは?特徴・種類・注意点」でも同様のことを伝えています。
インスリン療法のしくみ
インスリンの自己注射を行うのは「1型糖尿病」の方、または「2型糖尿病」のうち内服治療が難しい方です。
不足したインスリンを注射で補うことで、健康な人のインスリン分泌に近づけます。
なおインスリンの自己注射では、効果が長時間持続するインスリン製剤を1日に1,2回と、即効性のあるものを毎食前に打つなどして、この2つの分泌を再現します(どのインスリン製剤を使うか、どのタイミングで注射するかは体格や生活様式などに合わせて調整します)。
インスリン注射を行う前に血糖自己測定
インスリン注射を行う前に、自分で血糖値を測定する「血糖自己測定」を行うことがあります。
なぜなら日々の血糖値を記録することで、血糖コントロールを良好に行えるからです。
また直前に測定することで、「血糖値が低いにも関わらず自己注射を行い、さらに低血糖になる」といったことを防ぐことができます。
血糖自己測定の方法は以下の通りです。
⑴ 血糖測定器、測定用チップ、消毒用アルコール綿、穿刺器、穿刺針、自己管理ノート、針捨て容器を準備し、手を洗ってください。
⑵ 血糖測定器に測定用チップを、穿刺器に針をセットします。
⑶ 指先などを消毒します。そして針を消毒した場所に押し当て、穿刺器のボタンを押して針を刺してください。
⑷ 血液を測定用チップに染み込ませて、血糖値を測定します。
⑸ 残った血液を拭き取り、血糖値を自己管理ノートに記録してください。
インスリン療法の具体的な手法
インスリン注射の具体的な方法は以下の通りです。
⑴ 注入器、製剤カートリッジ、消毒綿など必要な物品を準備します。インスリン製剤が混濁している場合は均一になるようにカートリッジを振ってください。
⑵ インスリン製剤に注射針をセットします(針が曲がらないように真っすぐ刺してください)。
⑶ インスリン製剤の空打ちをして針先まで薬液を満たします。
⑷ ダイヤルを回転させて注射する単位数を医師の指示した値にセットしてください。
⑸ 注射する部位を消毒します。そして皮膚を軽くつまんで直角に注射針を刺してください。
⑹ ダイヤルが0になるまで、しっかりと薬液を注入します。そして10秒程度数え、注入ボタンを押したままで針を抜きます。
⑺ 針はキャップをかぶせてから取り外します。なお、針は1回きりの使用になりますので、ご注意ください。
※インスリン注射をする場所はお腹、太もも、おしり、腕です。
それぞれ薬の吸収速度が異なるため、注射部位を医師から指示される場合があります。
また、同じところに針を刺し続けると皮膚が硬くなり、痛みの原因になったり、薬の効きが悪くなります。
ですので毎回2〜3cmずらすようにしてください。
「糖尿病のインスリン注射器の使い方と副作用の対処法」でも同様のことを伝えています。
インスリン療法のメリット
インスリンを体外から補充することによって、無理にインスリンを出そうとする膵臓の働きすぎを防ぎ、疲れた膵臓を一時的に休めることができます。
インスリン治療によって膵臓の働きが回復したら、インスリン注射の回数を減らせたり、経口血糖降下薬だけの治療に戻せる可能性があります(インスリン療法により、膵臓のインスリン分泌機能が回復することもあります)。
インスリン療法のデメリット
残念ながら、インスリンには副作用があります。インスリン療法における主な副作用は、「低血糖症状」です。インスリンには、血糖値を下げ、良好な血糖コントロールが期待できる分、その裏返しで「低血糖症状」という副作用があります。
低血糖症状は、インスリン療法に限らず、糖尿病の治療に用いられる飲み薬全般でも起こりうる副作用です。
そのため、低血糖症状に対する適切な処置方法を把握し、血糖の自己測定などで自身を管理することが大切になってきます。
インスリン療法における副作用について詳しく知りたい方は「糖尿病ネットワーク」をご覧ください。
インスリン注射はほとんど痛くありません
インスリン注射は予防接種や採血などでイメージする注射とは異なり、痛みはそれほどありません。
なぜならインスリン注射で使う専用の注射針は、採血用の注射針とは違い、痛みが少なくなるようデザインされているからです(採血で使う注射針の3分の1ぐらいの細さで針の先も特殊なカットがしてあり、痛みが少ないように工夫されています)。
インスリン療法は早期に始めることが効果的です
上述した通り、インスリンを体外から補充することによって、無理にインスリンを出そうとする膵臓の働きすぎを防ぎ、疲れた膵臓を一時的に休めることができます。
そのため、インスリン療法は早期に始めることが効果的です。近年では、高血糖毒性をとり除くために、早期からインスリン注射薬を使ったり、また比較的軽症の糖尿病にもインスリン注射薬を用いる場合があります。
ですので、主治医にインスリン療法を勧められたら積極的に受け入れるようにしてください。
日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会が発表した「糖尿病標準診療マニュアル」でも、いくつかの経口薬を併用しても血糖コントロールが改善せず,HbA1c 9%以上が持続するなら、インスリン療法を積極的に始める必要があると伝えています。
インスリン療法についてご相談したい方はいつでもご相談下さい
糖尿病になっても、初期段階では自覚症状がありません。
そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。
糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2023.01.21
糖尿病と高血圧の関係
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
糖尿病患者さんにおける「高血圧」の頻度は非糖尿病者に比べて約2倍高く、高血圧患者さんにおいても糖尿病の合併頻度は2~3倍高いと報告されています。
この記事では、糖尿病患者さんに向けて「糖尿病と高血圧の関係」を解説していきます。後半部分では「糖尿病と高血圧の予防」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
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【目次】
糖尿病の方がなぜ高血圧になりやすいのか
【糖尿病と高血圧の関係1】高血糖で循環血液量が増えるからです
【糖尿病と高血圧の関係2】肥満
【糖尿病と高血圧の関係3】インスリン抵抗性があるからです
糖尿病の血圧値について
糖尿病と高血圧予防
【糖尿病と高血圧予防】食生活の改善
糖尿病と高血圧予防|食事のポイント
【糖尿病と高血圧予防】運動
糖尿病と高血圧予防|運動の頻度について
糖尿病の方がなぜ高血圧になりやすいのか
糖尿病患者さんは「高血圧になりやすい」といわれています。なぜ糖尿病の方は高血圧になりやすいのでしょうか。糖尿病患者さんが高血圧になりやすいのには、以下の理由があげられます。
【糖尿病と高血圧の関係1】高血糖で循環血液量が増えるからです
血糖値が高い状態では、血液の浸透圧が高くなっています。そのため、水分が細胞内から細胞外に出てきたり、腎臓からの水分の吸収が増えたりして、体液・血液量が増加し、血圧が上昇します。
【糖尿病と高血圧の関係2】肥満
2型糖尿病患者さんには肥満が多いのが特徴です。肥満になると交感神経が緊張し、血圧を上げるホルモンが多く分泌されるため、高血圧になります。このようなことから、糖尿病患者さんは高血圧になりやすいと考えられています。
【糖尿病と高血圧の関係3】インスリン抵抗性があるからです
インスリン抵抗性とは、インスリンの作用を受ける細胞の感受性が低下している状態です。インスリン抵抗性は、インスリンが効きにくくなったのを補うためにインスリンが多量に分泌され「高インスリン血症」を招きます(インスリン抵抗性自体が糖尿病の原因にもなります)。高インスリン血症では、交感神経の緊張、腎臓でナトリウムが排泄されにくい、血管壁を構成している細胞の成長が促進されるといった現象が起きて、血管が広がりにくくなり、血液量も増え、血圧が高くなるのです。
<高血圧とは?>
高血圧とは、運動したときなどの一時的な血圧上昇とは違い、安静時でも慢性的に血圧が高い状態が続いていることを指します。具体的には「収縮期血圧が140mmHg以上」「拡張期血圧が90mmHg以上」の場合をいい、どちらか一方でもこの値を超えていると高血圧と診断されます。高血圧は自覚症状がほとんどありません。しかし放置してしまうと心疾患や脳卒中など生命を脅かす病気につながるため「サイレント・キラー」といわれています。高血圧が引き起こす合併症について知りたい方は「高血圧の症状にお困りの患者の方へ」をご覧ください。
糖尿病の血圧値について
日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2014」では、糖尿病患者さんの降圧目標を、130/80mmHg未満としています。ただし、高齢者では厳しい血圧コントロールは、ふらつきや起立性低血圧などの原因となる可能性があるため、やや高めに設定されています。高齢者では、それぞれの患者さんの病気の状態に合わせて慎重に血圧コントロールをしていきます。詳しくは「高血圧治療ガイドライン2014」に記載していますので、ご興味のある方はご覧ください。
糖尿病と高血圧予防
糖尿病と高血圧予防に有効な対策は「食生活の改善」と「運動」です。順番にご説明していきますね。
【糖尿病と高血圧予防】食生活の改善
食事は、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考えてさまざまな食品をまんべんなくとることが大切です。食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、朝食、昼食、夕食の3回ゆっくりよく噛んで、腹八分目で食べるよう心掛けてください。バランスのとれた栄養を1日の必要量のカロリーでとることで、すい臓の負担は軽くなり、すい臓の能力は回復されます。
糖尿病と高血圧予防|食事のポイント
糖尿病と高血圧を予防するためには「食べ方」も大切です。食事する際は以下のポイントに注意してください。
<糖尿病と高血圧予防|食事のポイント1>野菜類から食べる
野菜類から先に食べることで食後の血糖値の上昇が緩やかになります。また、野菜や豆類などで少しお腹をふくらませておくと、肉類やご飯の量を減らすこともできます。ですので、食事をする際は、野菜類から食べるようにしてください。
<糖尿病と高血圧予防|食事のポイント2>ゆっくり食べる
早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。
<糖尿病と高血圧予防|食事のポイント3>規則正しく3食を食べる
1日に2食や、間隔の空き過ぎた食事の取り方はよくありません。食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、規則正しく「3食」を食べることを心掛けてください。
<糖尿病と高血圧予防|食事のポイント4>腹八分目
慢性的な食べすぎは、余分なブドウ糖をつくり、糖尿病を発症させる最大の原因となります。いつもお腹いっぱいに食べないと満足できない人は、注意が必要です。とくに脂肪分の多い肉類の食べすぎは、カロリーの取りすぎにつながりやすいので、量を控えてください。
【糖尿病と高血圧予防】運動
運動をすることで、ブドウ糖や脂肪酸の利用が促進され、インスリンに頼らずに糖分が細胞や筋肉の中に吸収されるようになり、血糖値の低下が期待できます。また、長期的には、インスリン抵抗性を改善させ、血中のブドウ糖の量を良好にコントロールできるようにすることが期待されます。なお、おすすめの運動は「有酸素運動」と「レジスタンス運動」です。それぞれの運動については下記をご覧ください。
<糖尿病と高血圧予防|おすすめの運動1>有酸素運動
有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに、酸素を使う運動のことです。ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。
<糖尿病と高血圧予防|おすすめの運動2>レジスタンス運動
レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動です。スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操など、標的とする筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います(レジスタンス(Resistance)は和訳で「抵抗」を意味します)。レジスタンス運動は、筋肉量増加・筋力向上・筋持久力向上を促す筋力トレーニングとして高齢者からアスリートまで広く行われています。
糖尿病と高血圧予防|運動の頻度について
運動の頻度は「できれば毎日」少なくとも週に3~5回行うのが良いといわれています。しかし、普段から運動に親しんでいない方(または高齢の方)などでは、急激な運動はかえって体の負担となり、思いがけない事故を引き起こしてしまうこともあります。ですので、無理のない範囲で行なってください。運動は定期的に長く続けられることが秘訣です。自然の中で風景を堪能しながらの「ウォーキング」や楽しく続けられる「スポーツ」など、自分にあった運動の方法を探してみてくださいね。
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2022.10.05
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