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健康診断で血圧が高いと言われたら何をすべき?受診タイミングと生活改善の進め方を医師が解説

2026.08.26

健康診断で血圧が高いと指摘されても、自覚症状がなければ「本当に問題があるのか」と疑問に思う方は多いはずです。たしかに、健診時の血圧の値が高かったというだけで、ただちに高血圧と診断されるわけではありません。しかし、自覚症状がないことと体に負担がかかっていないことは、必ずしもイコールではありませんので、放置するのは避けてください。この記事では、健診結果の正しい読み方や受診を検討すべき目安、さらに今日から始められる生活改善の方法について詳しく解説していきます。

【目次】
健診で血圧が高いと判定される基準
「一度高かっただけ」は過信禁物|白衣高血圧と仮面高血圧
すぐに受診すべき血圧の目安
受診前にできる生活改善(すぐに始めること)
内科を受診したら何をするか(検査・治療の流れ)
まとめ

 

健診で血圧が高いと判定される基準

健診で血圧が高いと判定される基準

健康診断における血圧測定は通常1回のみで、診察室血圧として収縮期140mmHg以上、または拡張期90mmHg以上であれば高血圧の判定目安となります(日本高血圧学会ガイドラインを参照)。一方で、収縮期130〜139mmHg、または拡張期85〜89mmHgの範囲は「正常高値血圧」に分類されます。これは高血圧そのものではありませんが、将来的に高血圧へ進行しやすい区分ですので、軽視せずに生活習慣を見直すきっかけにしてください。また、健診結果には判定区分が記載されており、内容を正しく理解しておくことも大切です。例えば「要経過観察」は今後の数値変化を定期的に確認すべき段階を、「要再検査」は同じ検査を改めて行い数値を再確認すべき段階を意味します。さらに、「要精密検査」は、より詳しい検査によって原因を調べる必要がある段階を示しています。なお、判定区分の表記(A〜Eなど)は健診機関によって異なる場合がありますので、結果に不明な点があれば、健診機関や医療機関へ確認してください。

 

「一度高かっただけ」は過信禁物|白衣高血圧と仮面高血圧

「一度高かっただけ」は過信禁物|白衣高血圧と仮面高血圧

血圧の数値は、測る場所やタイミングによって大きく変わることがあります。ここでは、診察室と自宅で結果が異なる「白衣高血圧」と「仮面高血圧」について解説します。

白衣高血圧

白衣高血圧とは、診察室や健診会場という緊張する環境でのみ血圧が上昇し、自宅で測ると正常な範囲に収まるケースを指します。緊張や不安によって一時的に交感神経が活発になり、血圧が上がることが主な原因です。したがって、健診で高い数値が出たからといって、ただちに高血圧と決めつける必要はありません。なお、白衣高血圧と判定された場合も、当面は薬物治療が不要とされるだけであり、完全に安心できるわけではない点には注意してください。なぜなら、白衣高血圧の方は将来的に本格的な高血圧へ移行するリスクが、正常な血圧の方に比べて高いことがわかっているためです。そのため、家庭血圧を定期的に記録し、経過観察を続けることが大切です。

仮面高血圧

仮面高血圧は、白衣高血圧とは逆の現象です。診察室で測定すると正常値であるにもかかわらず、職場にいるときや早朝、夜間など日常生活の中では血圧が高くなっているケースを指します。診察室では数値が隠れてしまうため、自分自身でも気づきにくいことが特徴です。さらに注意すべき点として、仮面高血圧による心血管リスクは、通常の高血圧(本態性高血圧)と同程度に高いことが指摘されています。つまり、健診結果が「正常」と出ていても、それだけで油断してよいとは限りません。仮面高血圧の多くは、家庭血圧測定によって初めて発見されますので、自覚症状がなくても一度測定してみてください。

診断確定に家庭血圧が重要な理由

診察室血圧は1回限りの測定であるため、緊張や体調の影響を受けやすく、実際の血圧を正確に反映しきれない場合があります。そこで、日本高血圧学会では家庭血圧(135/85mmHg以上)を高血圧判定における優先基準として位置づけています。具体的な測定方法としては、朝は起床後1時間以内かつ排尿後、朝食や服薬の前に1〜2回測定してください。続けて、夜は就寝前に同様に1〜2回測定し、これを5〜7日間継続して平均値を確認します。なお、1回だけ高い数値が出ても慌てる必要はありません。緊張や寝不足など一時的な要因も多いため、数日間の傾向で判断することを心がけてください。

健診で血圧が高いと言われても、それが白衣高血圧である可能性もありますし、反対に健診結果が正常でも仮面高血圧が隠れている可能性もあります。つまり、診察室での1回の測定だけでは、本当の血圧の状態を正確に把握できない場合があるということです。したがって、ご自身の血圧を正しく知るためには、家庭での継続的な測定が欠かせません。日々の記録を医療機関に持参すれば、より適切な診断や生活指導につながります。「一度高かっただけ」「一度正常だっただけ」という結果に一喜一憂せず、まずは家庭血圧を習慣として取り入れてみてください。

 

すぐに受診すべき血圧の目安

すぐに受診すべき血圧の目安

健診で血圧が高いと指摘された場合、数値によって対応の緊急度が大きく異なりますので、まずは目安を知っておいてください。特定健診における受診勧奨判定値は、令和6年度から収縮期160mmHg以上、または拡張期100mmHg以上に設定されており、この水準に達している場合は、できるだけ早く医療機関を受診してください。また、収縮期180mmHg以上という非常に高い数値に加えて、激しい頭痛や吐き気、視力の変化といった症状を伴う場合は、高血圧緊急症の可能性があります。この場合は様子を見るのではなく、直ちに救急外来を受診するか、救急車を呼んでください。なお、健診結果が140/90mmHg以上であった場合は、ただちに救急対応が必要というわけではありません。しかし、これは高血圧と診断される基準にあたる数値ですので、自覚症状がなくても軽視はできません。そのため、食事内容の見直しや適度な運動など生活改善を試みながら、なるべく早めに内科を受診し、医師に相談することを検討してください。緊急性の高い症状がない場合でも、数値が高い状態を放置すると血管への負担が蓄積していきますので、早期の対応を心がけてください。

 

受診前にできる生活改善(すぐに始めること)

受診前にできる生活改善(すぐに始めること)

医療機関を受診する前であっても、自分で取り組める対策は数多くあります。ここでは、受診前にできる生活改善について解説します。

減塩

血圧対策の中でも特に効果が大きいのが、塩分摂取量の見直しです。日本高血圧学会では1日6g未満を減塩の目標として推奨しています。日本人の食生活は塩分が多くなりやすい特徴があり、ラーメンの汁を全部飲んでしまうだけで、1日の目標量に近づいてしまうこともあります。そのため、まずは外食や加工食品に含まれる塩分量を意識してください。なお、醤油やソースは「かけ」ではなく「つけ」に変える、味噌汁は1日1杯までに減らすなど、小さな工夫を積み重ねていくことをおすすめします。

適度な運動

運動も、血圧を下げるうえで効果が期待できる習慣の一つです。具体的には、ウォーキングを1日30分程度行う有酸素運動によって、収縮期血圧が4〜9mmHg低下する効果が報告されています。さらに、定期的な運動は血管をしなやかに保つ働きや、自律神経のバランスを整える効果も期待できます。なお、運動習慣がない方は、いきなり長時間の運動を始めるのではなく、まずは「いつもより10分多く歩く」程度から始めてください。無理のない範囲で継続することが、結果的に血圧改善につながります。

節酒

飲酒も血圧に影響を与える要因の一つです。男性は1日あたり純アルコール換算で20g未満、具体的にはビール中瓶1本程度を目安に抑えてください。女性の場合は、その半量程度がおおむねの目安となります。なお、「休肝日を設ければ平日は多く飲んでよい」という考え方は誤解ですので、避けてください。大切なのは1日あたりの量を継続的に控えることです。また、飲酒量の適正化は血圧だけでなく、肝機能や生活習慣病全般の予防にもつながりますので、合わせて意識してください。

禁煙

喫煙は、ニコチンの作用によって血管が収縮し、血圧を一時的に上昇させます。さらに、喫煙を続けることで血管の動脈硬化が進みやすくなり、長期的には脳卒中や心筋梗塞といった心血管疾患のリスクが高まります。したがって、血圧改善の観点だけでなく、将来の心血管リスクを下げるためにも禁煙を強くおすすめします。なお、自分の意志だけでの禁煙が難しい場合は、禁煙外来など医療機関のサポートを利用する方法もありますので、検討してください。

体重管理

肥満は、高血圧の大きなリスク因子の一つとして知られています。体重を1kg減少させることで、収縮期血圧が約1mmHg低下する効果が期待できます。そのため、肥満傾向のある方は、まず無理のない範囲での減量を目標にしてください。なお、急激な減量は体への負担が大きいため、1か月あたり1〜3kg程度のペースを目安に進めることをおすすめします。また、食事制限と運動を組み合わせることで、減量の効果がより高まりますので、両方を意識して取り組んでください。

ここまで、減塩・運動・節酒・禁煙・体重管理という5つの生活改善について解説しました。いずれも、すぐに大きな効果が出るものではありませんが、継続することで着実に血圧へよい影響を与えていきます。したがって、一度にすべてを完璧に行う必要はなく、まずは取り組みやすいものから始めてください。なお、生活改善を続けても数値が改善しない場合や、もともと数値が高い場合は、自己判断のみで様子を見るのではなく、早めに内科を受診し、医師に相談することを心がけてください。

 

内科を受診したら何をするか(検査・治療の流れ)

内科を受診したら何をするか(検査・治療の流れ)

健診で指摘を受けたあと、実際に内科を受診すると何が行われるのか、見通しがつかないと不安に感じる方も多いはずです。ここでは、内科を受診したら何をするかについて解説します。

問診

受診時には、まず問診によって現在の状態を詳しく確認します。具体的には、家庭で測定した血圧の記録があれば必ず持参してください。診察室での1回の測定だけでなく、日常生活における血圧の傾向を把握することが、適切な診断につながります。また、頭痛やめまいといった自覚症状の有無、食事や運動などの生活習慣、現在服用している薬についても確認します。さらに、ご家族に高血圧や脳卒中、心疾患の方がいるかどうかという家族歴も、リスク評価のうえで重要な情報となりますので、合わせて伝えてください。

検査

問診に続いて、体への影響を確認するための検査を行います。血液検査では、腎機能や脂質、血糖の値を測定し、糖尿病や脂質異常症など高血圧と関連しやすい病気が隠れていないかを確認します。また、尿検査によってタンパク尿の有無を調べることで、腎臓への負担がかかっていないかを評価します。さらに、心電図検査を行い、心臓に負担がかかっていないか、不整脈が生じていないかを確認します。なお、すでに健診でこれらのデータを取得している場合は、重複した検査が省略されることもありますので、健診結果は受診時に持参してください。

治療方針の決定

問診と検査の結果をもとに、医師は治療方針を総合的に判断します。血圧の数値だけでなく、年齢や合併症の有無、検査で見つかったリスク因子の数なども踏まえて、生活習慣の改善のみで経過観察とするか、降圧薬による治療を開始するかを決定します。なお、降圧薬を開始した場合であっても、薬の効果だけに頼ってよいわけではありません。減塩や運動、節酒、禁煙といった生活改善は、薬物治療と並行して継続することが重要です。なぜなら、生活習慣の改善が進むことで、将来的に薬の減量が可能になる場合もあるためです。

内科を受診すると、問診と検査によって現在の血圧の状態や体への影響を総合的に評価し、その結果に基づいて治療方針が決定されます。すぐに薬物治療が始まるとは限らず、生活改善のみで経過を見る場合も少なくありません。また、降圧薬による治療が始まった場合でも、それは生活改善をやめてよいという意味ではありませんので、誤解しないようにしてください。受診を先延ばしにせず、早めに相談することが、今後の健康を守るための第一歩になります。

 

まとめ

健康診断で血圧が高いと言われたら何をすべき?受診タイミングと生活改善の進め方を医師が解説

健診で血圧が高いと指摘されても、自覚症状がないからといって放置するのは避けてください。健診時の数値はあくまで1回の測定にすぎません。もちろん、緊張による白衣高血圧の可能性もありますが、反対に診察室では正常でも「自宅では高くなる仮面高血圧」が隠れている場合もあります。したがって、まずは家庭血圧を測定し、朝晩それぞれ1〜2回、5〜7日間程度記録を続けて、ご自身の血圧の実態を正確に把握することが大切です。そのうえで、収縮期160mmHg以上である場合や、複数回の測定で140/90mmHg以上が続く場合は、自己判断のみで様子を見るのではなく、内科への受診を検討してください。特に収縮期180mmHg以上に加えて激しい頭痛や吐き気、視力の変化を伴う場合は、高血圧緊急症の可能性がありますので、直ちに医療機関を受診してください。なお、千葉市都賀周辺にお住まいの方は、当院にて血圧測定や血液検査、生活指導をご案内しております。健診結果について不安な点や疑問がある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。