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【医師監修】糖尿病とうつ病の関係性を解説
2025.02.04
この記事では「糖尿病とうつ病の関係性」について解説していきます。後半部分では「糖尿病とうつ病の治療方法」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
糖尿病、うつ病それぞれの症状と診断
糖尿病とうつ病の意外な関係について
なぜ糖尿病患者さんがうつ病にかかるのか?
うつ病が糖尿病に与える影響
糖尿病とうつ病の総合的な治療アプローチ
糖尿病、うつ病の日常生活への影響と対策
糖尿病、うつ病予防と早期発見の重要性
糖尿病に関してはいつでも当院にご相談ください
糖尿病、うつ病それぞれの症状と診断
まずは「糖尿病」と「うつ病」について解説します。
【糖尿病とうつ病の関係性1】糖尿病
糖尿病は、体内で作られるインスリン(血糖値を抑えるホルモン)の働きが不足することにより、高血糖状態になる疾患です。糖尿病は血糖値の調節だけでなく、脂質やタンパク質など、ほぼ全ての体内代謝に異常を及ぼします。また、糖尿病は心筋梗塞や脳梗塞、失明、腎不全など、深刻な合併症を引き起こす可能性があります。そのため、糖尿病の症状が見られた際には、放置せずに速やかに専門医の診察を受けることが重要です。なお、糖尿病は大きく1型と2型に分けられ、それぞれ発症原因が異なります。以下に、1型糖尿病、2型糖尿病の違いについて説明します。
<1型糖尿病>
1型糖尿病は、インスリンを作る膵臓の「β細胞」に異常が起こることで発症する糖尿病で、インスリン依存型とも呼ばれます。1型糖尿病は、子供や青年などの若年層に多く見られますが、その割合は世界の糖尿病全体のうち「わずか5%」です。糖尿病は大きく分けて1型と2型がありますが、1型は自己免疫によるβ細胞の破壊が原因で発症します。一方、2型糖尿病は運動不足や過食などの生活習慣によって発症するため、性質が異なります。なお、1型糖尿病の主な治療方法は薬物療法で、インスリン製剤を注射することで症状の管理を行います。
<2型糖尿病>
2型糖尿病は、生活習慣や遺伝によって引き起こされる糖尿病です。2型糖尿病では、膵臓から分泌されるインスリン(ホルモン)が十分に働かなくなることで、血糖値が上昇します。なお、2型糖尿病の原因となるインスリン作用の低下には主に二つの理由があります。一つは、体内の組織がインスリンに対する抵抗性を増すことです。筋肉や肝臓などの組織がインスリンの作用に鈍感になり、インスリンが分泌されていても効果が発揮されにくくなります。そしてもう一つは、膵臓の機能低下によってインスリンの分泌量が減ることです。これらの要因は、遺伝に加えて、過食・過飲や運動不足などの生活習慣の乱れによっても引き起こされることがあります。したがって、糖尿病を予防するためには、健康的な食生活と適度な運動を続けることが重要です。
【糖尿病とうつ病の関係性2】うつ病
うつ病とは、慢性的な気分の低下や無気力感、興味や喜びの喪失などの症状を特徴とする精神疾患です。「気分が強く落ち込み憂うつになる」「やる気が出ない」などの精神的な症状の他、「眠れない」「疲れやすい」「体がだるい」といった身体的な症状が現れます。うつ病は個人の日常生活や「社会的機能」に大きな影響を与えるため、適切な治療が必要です。「もしかしたら、うつ病かもしれない…」と感じている方は、早急に医師に相談することをお勧めします。
糖尿病患者さんがうつ病を併発すると、自己管理が困難になり、血糖値の変動や合併症のリスクが高まります。一方で、うつ病患者さんが糖尿病を発症すると、治療への意欲が低下し、症状の改善が遅れることがあります。したがって、糖尿病やうつ病の症状にお心当たりのある方には、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。
糖尿病とうつ病の意外な関係について
糖尿病とうつ病は、一見すると全く異なる疾患に思えますが、実は深い関連性を持つことが近年の研究で明らかになってきました。国立精神・神経医療研究センターの調査では、糖尿病患者さんのうち、「うつ病」を併発している人の割合は約11%、うつ病を併発している疑いのある人は約31%にものぼります。この数字は、一般人口におけるうつ病の発症率と比較して驚くほど高く、両疾患の関連性を示唆しています。また、うつ病があると、運動不足になり、自己管理もむずかしくなるため、糖尿病になりやすくなるともいわれています。なお、両疾患には共通する生理学的メカニズムも存在します。例えば、体内での持続的な低レベルの炎症や、ストレス反応を制御する脳内システムの乱れは、糖尿病とうつ病の両方に関与していることが分かっています。また、糖尿病治療薬の中には、うつ症状を軽減する効果があるものも報告されており、逆にうつ病治療薬が血糖コントロールに影響を与える可能性も指摘されています。このような複雑な関係性を考慮すると、糖尿病患者さんの定期的なメンタルヘルスチェックや、うつ病患者さんの代謝機能モニタリングの重要性が浮き彫りになっています。したがって、医療従事者と患者さんがこの関係性を理解し、包括的なアプローチを取ることが、より効果的な治療に繋がると考えられています。
なぜ糖尿病患者さんがうつ病にかかるのか?
なぜ糖尿病患者さんがうつ病になりやすいのか、その理由はまだ明らかではありませんが、いくつかの要因が関連していると考えられています。まず糖尿病では、長期にわたる治療がストレスとなり、うつ病を併発するのではないかと考えられています。具体的には、長期間の食事制限です。カロリー摂取量の管理や特定の食品の制限は、食事を楽しむ機会を減少させ、社交の場面でも制約を感じさせることがあります。また、定期的な運動療法も求められますが、これを日々の生活に組み込むことは容易ではありません。特に、合併症による身体的制限がある場合、運動の実施はより困難になる可能性があります。さらに、薬物療法として、インスリン注射や経口血糖降下薬の服用が必要となることも多いため、これらの管理や副作用への対処も患者さんの負担となります。なお、血糖値の変動そのものが気分の起伏に影響を与える可能性も指摘されています。高血糖状態が続くと、疲労感や集中力の低下といった症状が現れ、これがうつ状態を引き起こす要因となることがあります。加えて、糖尿病の合併症への恐れや、実際に合併症が進行した場合の生活の質の低下も、うつ病発症のリスクを高める可能性があります。これらの複合的な要因が、糖尿病患者さんのうつ病発症リスクを高めていると考えられています。
うつ病が糖尿病に与える影響
糖尿病とうつ病を併発すると、生活の質が低下するだけでなく、生命にも深刻な影響を及ぼします。これまでの調査では、糖尿病患者さんがうつ病を併発すると、死亡率は1.6倍に上昇し、医療費は4.5倍に膨れ上がることが明らかになっています。また、糖尿病の主要な合併症である神経障害、腎症、網膜症の発症リスクが高まり、既存の合併症が急速に悪化する危険性も増加します。さらに、うつ病の併発は、糖尿病治療の効果を著しく低下させる要因となります。具体的には、患者さんの食事制限や運動療法への関心が薄れ、有効な療養行動の実施・継続が困難になります。そして喫煙量やアルコール摂取量が増加するなど、糖尿病の悪化を招く悪循環に陥りやすくなります。なお、うつ病自体が2型糖尿病の発症リスクを高めることも明らかになっています。英国のサリー大学などによる大規模研究では、72万人以上を対象としたゲノムワイド関連解析(GWAS)が実施されました。この研究では、メンデルランダム化と呼ばれる統計手法を用いて、遺伝情報と健康状態の関連を詳細に分析しました。その結果、うつ病が2型糖尿病の発症リスクを1.26倍に高めることが判明しています。さらに注目すべきは、3分の1以上の症例で、うつ病と糖尿病の関係に肥満が関与していることが明らかになったことです。これらの知見は、うつ病と糖尿病の関係が単純な因果関係ではなく、複雑な相互作用を持つことを示唆しています。したがって、両疾患の予防と管理においては、身体的な側面だけでなく、精神的な健康にも十分な注意を払う必要があります。
糖尿病とうつ病の総合的な治療アプローチ
ここでは、「糖尿病とうつ病の総合的な治療アプローチ」をご紹介します。
<薬物療法(糖尿病治療薬、抗うつ薬)>
糖尿病とうつ病の併存患者さんには、両疾患に対する適切な薬物療法が不可欠です。血糖コントロールの改善は、うつ症状の軽減にも寄与する可能性があります。そのため糖尿病治療では、患者さんの状態に応じてメトホルミンやSGLT2阻害薬、DPP-4阻害薬などが用いられます。一方、うつ病に対しては、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)や セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)などが主に使用されます。ただし、抗うつ薬の中には血糖値に影響を与えるものもあるため、慎重な選択と経過観察が必要です。両疾患の薬物療法を適切に組み合わせることで、相乗的な治療効果が期待できます。
<生活習慣の改善(食事、運動)>
糖尿病とうつ病の管理において、生活習慣の改善は極めて重要です。食事面では、バランスの取れた低糖質食を心がけ、食物繊維を十分に摂取することが推奨されます。これにより、血糖値の安定化とともに、腸内環境の改善を通じてメンタルヘルスにも好影響を与えます。運動に関しては、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせることが効果的です。定期的な運動は、インスリン感受性を高め、血糖コントロールを改善するだけでなく、セロトニンやエンドルフィンの分泌を促し、うつ症状の軽減にも寄与します。ただし、運動強度や頻度は個々の患者さんの状態に合わせて慎重に設定する必要があります。
<心理療法の重要性>
糖尿病とうつ病の併存患者さんにとって、心理療法は治療の重要な柱の一つです。特に認知行動療法(CBT)は、両疾患に対して効果的であることが示されています。CBTは、患者さんの否定的な思考パターンや行動を識別し、より適応的なものに置き換えることを目指します。これにより、うつ症状の改善だけでなく、糖尿病の自己管理能力の向上にも繋がります。また、対人関係療法や問題解決療法なども有効な選択肢となります。これらの心理療法は、患者さんの疾患受容を促進し、治療へのモチベーションを高める効果があります。
<マインドフルネスの効果>
近年、注目されているマインドフルネスの実践もストレス軽減と血糖コントロールの改善に効果があることが報告されています。マインドフルネスは、現在の瞬間に意識を向けることで、糖尿病管理に伴う不安やストレスを軽減し、同時にうつ症状の改善にも寄与します。また、マインドフルネス瞑想や呼吸法などの実践は、自己認識を高め、感情調整能力を向上させます。これにより、糖尿病の自己管理行動が改善し、うつ症状の再発予防にも繋がります。したがって、生活習慣の改善に加えて、マインドフルネスの実践もお勧めします。
これらの多面的なアプローチを個々の患者さんの状況に合わせて統合することで、糖尿病とうつ病の効果的な管理が可能になります。患者さんの生活の質を向上させ、両疾患の長期的な予後改善を目指すためには、医療従事者と患者さんが協力して、総合的な治療アプローチに取り組むことが重要です。
糖尿病、うつ病の日常生活への影響と対策
糖尿病とうつ病は日常生活に多大な影響を及ぼす慢性疾患です。具体的には、糖尿病患者さんは定期的な血糖測定や投薬、食事管理が必要となるため、業務中断や食事制限によるストレスを感じることがあります。一方、うつ病は集中力や意欲の低下をもたらし、職場でのパフォーマンスに影響を与えかねません。したがって両疾患を抱える患者さんは、疲労感や気分の変動により、人間関係の維持が困難になることもあります。なお、このような状況下では、家族のサポートが極めて重要です。家族の理解と協力は、患者さんの治療継続と精神的安定につながります。また、ストレス管理も両疾患の管理において重要です。瞑想やヨガ、深呼吸法などのリラクゼーション技術を日常に取り入れることで、ストレスレベルを下げ、血糖値の安定化とうつ症状の緩和につながります。さらに、自己管理も大切です。規則正しい睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動を習慣化することで、両疾患の症状改善と予防に効果があります。そのため、糖尿病やうつ病の症状にお心当たりのある方は、自己管理にも積極的に取り組んでください。糖尿病とうつ病は確かに大きな挑戦ですが、適切な対策と周囲のサポートにより、充実した日常生活を送ることは十分に可能です。一歩ずつ前進し、小さな成功を積み重ねていくことで、両疾患と共に生きる自信と希望を見出すことが可能となります。
糖尿病、うつ病予防と早期発見の重要性
糖尿病とうつ病は、互いに関連し合う疾患であり、一方の発症が他方のリスクを高める可能性があります。そのため、糖尿病とうつ病の予防と早期発見は極めて重要です。以下に、糖尿病患者さんのメンタルヘルスケア、うつ病患者さんの血糖管理、そして定期的な健康チェックの必要性について説明します。
<糖尿病患者さんのメンタルヘルスケア>
糖尿病の診断を受けた患者さんは、生活習慣の大幅な変更を余儀なくされることが多く、これがストレスや不安、さらにはうつ病につながる可能性があります。そのため、糖尿病の治療と並行して、患者さんの精神状態を定期的に評価し、必要に応じて心理カウンセリングや認知行動療法などの支援を提供することが重要です。なお、家族や友人など、周囲の協力も患者さんのメンタルヘルス維持に大きな役割を果たします。
<うつ病患者さんの血糖管理>
うつ病は食生活の乱れや運動不足を引き起こし、これが血糖値の上昇やインスリン抵抗性の増大につながる可能性があります。そのため、うつ病の治療中も、定期的な血糖検査やHbA1c検査を行い、糖尿病の早期発見に努めることが大切です。また、うつ病患者さんに対しては、気分の改善と同時に健康的な生活習慣の確立を支援し、糖尿病予防にも配慮した総合的なアプローチが求められます。抗うつ薬の中には血糖値に影響を与えるものもあるため、主治医と連携しながら慎重に薬物療法を進める必要があります。なお、運動療法や食事療法も、うつ症状の改善と血糖管理の両面で効果が期待できます。
<定期的な健康チェックの必要性>
糖尿病とうつ病は初期段階では症状が顕著でないことも多く、自覚症状がないまま進行することがあります。そのため、年に一度は総合的な健康診断を受け、血糖値やコレステロール値などの身体的指標と共に、メンタルヘルスの状態も評価することが推奨されます。特に、家族歴や生活習慣などからリスクが高いと考えられる人は、より頻繁なチェックが必要かもしれません。医療機関との継続的な関わりを持つことで、両疾患の早期発見・早期治療が可能となり、重症化を防ぐことができます。また、定期的な健康チェックは、自身の健康状態への意識を高め、予防的な生活習慣の維持にもつながります。
糖尿病に関してはいつでも当院にご相談ください
前述した通り、糖尿病患者さんはうつ病を発症するリスクが高く、逆にうつ病患者さんも糖尿病のリスクが上昇することが知られています。したがって、両疾患の予防と管理においては、身体的な側面だけでなく、精神的な側面にも十分な注意を払う必要があります。糖尿病とうつ病、どちらも早期診断・治療が極めて重要です。症状が軽微なうちに適切な介入を行うことで重症化を防ぎ、より良好な予後を期待できますので、気になる症状がある方は早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。なお、当院では、患者さん一人ひとりの状態に合わせた総合的な治療を提供しています。糖尿病の初期段階から進行した症例まで幅広く対応しておりますので、糖尿病の症状に心当たりのある方、もしくは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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糖尿病予備群(境界型糖尿病)の症状や対策について解説
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
厚生労働省が発表した平成28年「国民健康・栄養調査」の結果では、糖尿病が強く疑われる者(糖尿病有病者)、糖尿病の可能性を否定できない者(糖尿病予備群)はいずれも約1,000万人(合わせて約2,000万人)と推計されています。
この記事では、糖尿病の可能性を否定できない者「糖尿病予備群」について解説していきます。
後半部分では「糖尿病予備群にならないための予防法」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
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【目次】
糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは
糖尿病予備群の主な症状
糖尿病予備群と診断された方へ
糖尿病予備群にならないための予防法
【糖尿病予備群にならないための予防法1】運動
【糖尿病予備群にならないための予防法2】食生活の見直し
【糖尿病予備群にならないための予防法3】禁煙
糖尿病予備群の疑いがある方、医師の診断を受けたい方へ
糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは
糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは、糖尿病と診断されるほどの高血糖ではないものの、血糖値が正常より高い状態にあることを指します。
「HbA1c 6.5%未満」「空腹時血糖が110 mg/dl以上126 mg/dl未満」「75g経口ブドウ糖負荷試験2時間の血糖値が140 mg/dl以上200 mg/dl未満」のいずれかを満たす人が該当します。
糖尿病予備群の主な症状
糖尿病予備群(境界型糖尿病)では、自覚症状がありません。
しかし体内では、既に血糖値を下げるホルモンである「インスリン」が出にくくなったり、効きづらくなったりする変化が起きています。
また糖尿病に特有の合併症である、網膜症、神経障害、腎機能障害も少しずつ進行するとも言われています。
さらに高血圧や脂質異常症なども併発しやすくなり、全体として、血糖値が正常な状態に比べ、動脈硬化の進行は加速されます。
なお、動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な疾患が引き起こされる危険性が高くなります。
糖尿病予備群と診断された方へ
糖尿病予備群の方は、食事、運動、喫煙、飲酒などの生活習慣を見直し、肥満や高血圧、ストレスなどに対する健康管理に取り組むことで、糖尿病へ進行するリスクを減らすことができます。
ですので、糖尿病予備群と診断された方は、まずは生活習慣の見直しから始めてください。
なお上述した通り、糖尿病予備群でも、既に血糖値を下げるホルモンであるインスリンが出にくくなったり、効きづらくなったりする変化が起きています。
また糖尿病に特有の合併症である、網膜症、神経障害、腎機能障害も少しずつ進行するとも言われています。
ですので、糖尿病予備群と診断された方は、絶対に放置してないでください。
糖尿病予備群にならないための予防法
糖尿病予備群では、生活習慣の改善により「糖尿病の発症のリスク」を減らすことができます。
では、具体的には何をすればいいのでしょうか。順番にご紹介していきます。
【糖尿病予備群にならないための予防法1】運動
糖尿病を予防するためには「運動」が効果的です。運動をすることで、ブドウ糖や脂肪酸の利用が促進。インスリンに頼らずに糖分が細胞や筋肉の中に吸収されるようになり、血糖値の低下が期待できます。
また長期的には、インスリン抵抗性を改善させ、血中のブドウ糖の量を良好にコントロールできるようにすることが期待されます。
ですので、糖尿病予備群と診断された方は、できれば毎日、少なくとも週に3~5回は体を動かしてください。
なお、糖尿病を予防するための運動としては「有酸素運動」と「レジスタンス運動」が推奨されております。
<有酸素運動>
有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに、酸素を使う運動のことです。
ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。
有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。
<レジスタンス運動>
レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動です。
スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操など、標的とする筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います(レジスタンス(Resistance)は和訳で「抵抗」を意味します)。
レジスタンス運動は、筋肉量増加・筋力向上・筋持久力向上を促す筋力トレーニングとして高齢者からアスリートまで広く行われています。
【糖尿病予備群にならないための予防法2】食生活の見直し
糖尿病予防の基本は「食生活を見直すこと」です。
食事は、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考えてさまざまな食品をまんべんなくとることが大切です。
食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、朝食、昼食、夕食の3回ゆっくりよく噛んで、腹八分目で食べるよう心掛けてください。
バランスのとれた栄養を1日の必要量のカロリーでとることで、膵臓の負担は軽くなり、膵臓の能力は回復されます。
なお、食事のポイントについては以下をご覧ください。
<ゆっくり食べる>
早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。
食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。
<野菜類から食べる>
早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。
食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。
<アルコールは適量にする>
アルコールには一時的にはインスリンの働きを改善する効果があります。
しかし長期間飲んでいると逆にインスリンの分泌量が低下することがわかっていますので、アルコールは、ほどほどにしてください。
<腹八分目でストップ>
慢性的な食べすぎは、余分なブドウ糖をつくり、糖尿病を発症させる最大の原因となります。
いつもお腹いっぱいに食べないと満足できない人は、注意が必要です。
とくに脂肪分の多い肉類の食べすぎは、カロリーの取りすぎにつながりやすいので、量を控えてください。
<間食をしない>
間食をすると血糖値の高い状態が続き、インスリンを分泌する膵臓に大きな負担がかかります。
また、その状態のままで次の食事をすると、食後高血糖の原因にもなります。糖尿病を予防するためにも間食はできる限り控えてください。
【糖尿病予備群にならないための予防法3】禁煙
喫煙は交感神経を刺激して血糖を上昇させるだけでなく、体内のインスリンの働きを妨げる作用があります。
そのため、たばこを吸うと「糖尿病にかかりやすくなる」といえます。
日本人を対象とした研究データによると、喫煙者は非喫煙者と比べ糖尿病を発症するリスクが38%高くなると言われています。
ですので、糖尿病予備群の方は喫煙を控えてください。
糖尿病予備群の疑いがある方、医師の診断を受けたい方へ
糖尿病予備群の方は、自覚症状がありません。
そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。
健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。
糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
また糖尿病予備群の方の“適切な対策”を知りたい方も、いつでもご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2023.01.21
糖尿病治療法の一つ、インスリン療法を解説
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、糖尿病の代表的な治療法である「インスリン療法」について解説していきます。
後半部分では「インスリン療法のメリット・デメリット」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インスリンとは何か
インスリン療法とは
インスリン療法のしくみ
インスリン注射を行う前に血糖自己測定
インスリン療法の具体的な手法
インスリン療法のメリット
インスリン療法のデメリット
インスリン注射はほとんど痛くありません
インスリン療法は早期に始めることが効果的です
インスリン療法についてご相談したい方はいつでもご相談下さい
インスリンとは何か
インスリンとは、膵臓から分泌されるホルモンの一種です。
糖の代謝を調節し、血糖値を一定に保つ働きを持っております。
なお、インスリンの働きが悪くなったり分泌される量が少なくなったりすることで、血糖値が高い状態が続いてしまうのが「糖尿病」です。
糖尿病について詳しく知りたい方は「糖尿病情報センター」をご覧ください。
インスリン療法とは
インスリン療法とは、患者さん自身がインスリン製剤を継続的に投与して血糖をコントロールする治療法のことです。
インスリン製剤を投与する方法として、「頻回インスリン注射療法」と「持続皮下インスリン注入療法」があります。
頻回インスリン注射療法は、一般的にペン型の注射器を用いて1日に数回インスリン注射を行う方法です。お腹、太もも、上腕、お尻に注射することが推奨されています(これらの部位を少しずつ、ずらしながら注射します)。
一方、持続皮下インスリン注入療法は、携帯型のインスリンポンプを使用して皮下に留置した挿入した「カニューレ」からインスリンを持続的に注入する方法です。
インスリンの注入量や注入速度を細かく調整できるため、頻回インスリン注射療法で血糖コントロールが困難な人や低血糖を頻発する人、食事や勤務時間が不規則な人、妊娠中あるいは妊娠の予定がある人などに向いています。
なお、インスリン療法については「インスリンとは?特徴・種類・注意点」でも同様のことを伝えています。
インスリン療法のしくみ
インスリンの自己注射を行うのは「1型糖尿病」の方、または「2型糖尿病」のうち内服治療が難しい方です。
不足したインスリンを注射で補うことで、健康な人のインスリン分泌に近づけます。
なおインスリンの自己注射では、効果が長時間持続するインスリン製剤を1日に1,2回と、即効性のあるものを毎食前に打つなどして、この2つの分泌を再現します(どのインスリン製剤を使うか、どのタイミングで注射するかは体格や生活様式などに合わせて調整します)。
インスリン注射を行う前に血糖自己測定
インスリン注射を行う前に、自分で血糖値を測定する「血糖自己測定」を行うことがあります。
なぜなら日々の血糖値を記録することで、血糖コントロールを良好に行えるからです。
また直前に測定することで、「血糖値が低いにも関わらず自己注射を行い、さらに低血糖になる」といったことを防ぐことができます。
血糖自己測定の方法は以下の通りです。
⑴ 血糖測定器、測定用チップ、消毒用アルコール綿、穿刺器、穿刺針、自己管理ノート、針捨て容器を準備し、手を洗ってください。
⑵ 血糖測定器に測定用チップを、穿刺器に針をセットします。
⑶ 指先などを消毒します。そして針を消毒した場所に押し当て、穿刺器のボタンを押して針を刺してください。
⑷ 血液を測定用チップに染み込ませて、血糖値を測定します。
⑸ 残った血液を拭き取り、血糖値を自己管理ノートに記録してください。
インスリン療法の具体的な手法
インスリン注射の具体的な方法は以下の通りです。
⑴ 注入器、製剤カートリッジ、消毒綿など必要な物品を準備します。インスリン製剤が混濁している場合は均一になるようにカートリッジを振ってください。
⑵ インスリン製剤に注射針をセットします(針が曲がらないように真っすぐ刺してください)。
⑶ インスリン製剤の空打ちをして針先まで薬液を満たします。
⑷ ダイヤルを回転させて注射する単位数を医師の指示した値にセットしてください。
⑸ 注射する部位を消毒します。そして皮膚を軽くつまんで直角に注射針を刺してください。
⑹ ダイヤルが0になるまで、しっかりと薬液を注入します。そして10秒程度数え、注入ボタンを押したままで針を抜きます。
⑺ 針はキャップをかぶせてから取り外します。なお、針は1回きりの使用になりますので、ご注意ください。
※インスリン注射をする場所はお腹、太もも、おしり、腕です。
それぞれ薬の吸収速度が異なるため、注射部位を医師から指示される場合があります。
また、同じところに針を刺し続けると皮膚が硬くなり、痛みの原因になったり、薬の効きが悪くなります。
ですので毎回2〜3cmずらすようにしてください。
「糖尿病のインスリン注射器の使い方と副作用の対処法」でも同様のことを伝えています。
インスリン療法のメリット
インスリンを体外から補充することによって、無理にインスリンを出そうとする膵臓の働きすぎを防ぎ、疲れた膵臓を一時的に休めることができます。
インスリン治療によって膵臓の働きが回復したら、インスリン注射の回数を減らせたり、経口血糖降下薬だけの治療に戻せる可能性があります(インスリン療法により、膵臓のインスリン分泌機能が回復することもあります)。
インスリン療法のデメリット
残念ながら、インスリンには副作用があります。インスリン療法における主な副作用は、「低血糖症状」です。インスリンには、血糖値を下げ、良好な血糖コントロールが期待できる分、その裏返しで「低血糖症状」という副作用があります。
低血糖症状は、インスリン療法に限らず、糖尿病の治療に用いられる飲み薬全般でも起こりうる副作用です。
そのため、低血糖症状に対する適切な処置方法を把握し、血糖の自己測定などで自身を管理することが大切になってきます。
インスリン療法における副作用について詳しく知りたい方は「糖尿病ネットワーク」をご覧ください。
インスリン注射はほとんど痛くありません
インスリン注射は予防接種や採血などでイメージする注射とは異なり、痛みはそれほどありません。
なぜならインスリン注射で使う専用の注射針は、採血用の注射針とは違い、痛みが少なくなるようデザインされているからです(採血で使う注射針の3分の1ぐらいの細さで針の先も特殊なカットがしてあり、痛みが少ないように工夫されています)。
インスリン療法は早期に始めることが効果的です
上述した通り、インスリンを体外から補充することによって、無理にインスリンを出そうとする膵臓の働きすぎを防ぎ、疲れた膵臓を一時的に休めることができます。
そのため、インスリン療法は早期に始めることが効果的です。近年では、高血糖毒性をとり除くために、早期からインスリン注射薬を使ったり、また比較的軽症の糖尿病にもインスリン注射薬を用いる場合があります。
ですので、主治医にインスリン療法を勧められたら積極的に受け入れるようにしてください。
日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会が発表した「糖尿病標準診療マニュアル」でも、いくつかの経口薬を併用しても血糖コントロールが改善せず,HbA1c 9%以上が持続するなら、インスリン療法を積極的に始める必要があると伝えています。
インスリン療法についてご相談したい方はいつでもご相談下さい
糖尿病になっても、初期段階では自覚症状がありません。
そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。
糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2023.01.21
糖尿病と高血圧の関係
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
糖尿病患者さんにおける「高血圧」の頻度は非糖尿病者に比べて約2倍高く、高血圧患者さんにおいても糖尿病の合併頻度は2~3倍高いと報告されています。
この記事では、糖尿病患者さんに向けて「糖尿病と高血圧の関係」を解説していきます。後半部分では「糖尿病と高血圧の予防」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
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【目次】
糖尿病の方がなぜ高血圧になりやすいのか
【糖尿病と高血圧の関係1】高血糖で循環血液量が増えるからです
【糖尿病と高血圧の関係2】肥満
【糖尿病と高血圧の関係3】インスリン抵抗性があるからです
糖尿病の血圧値について
糖尿病と高血圧予防
【糖尿病と高血圧予防】食生活の改善
糖尿病と高血圧予防|食事のポイント
【糖尿病と高血圧予防】運動
糖尿病と高血圧予防|運動の頻度について
糖尿病の方がなぜ高血圧になりやすいのか
糖尿病患者さんは「高血圧になりやすい」といわれています。なぜ糖尿病の方は高血圧になりやすいのでしょうか。糖尿病患者さんが高血圧になりやすいのには、以下の理由があげられます。
【糖尿病と高血圧の関係1】高血糖で循環血液量が増えるからです
血糖値が高い状態では、血液の浸透圧が高くなっています。そのため、水分が細胞内から細胞外に出てきたり、腎臓からの水分の吸収が増えたりして、体液・血液量が増加し、血圧が上昇します。
【糖尿病と高血圧の関係2】肥満
2型糖尿病患者さんには肥満が多いのが特徴です。肥満になると交感神経が緊張し、血圧を上げるホルモンが多く分泌されるため、高血圧になります。このようなことから、糖尿病患者さんは高血圧になりやすいと考えられています。
【糖尿病と高血圧の関係3】インスリン抵抗性があるからです
インスリン抵抗性とは、インスリンの作用を受ける細胞の感受性が低下している状態です。インスリン抵抗性は、インスリンが効きにくくなったのを補うためにインスリンが多量に分泌され「高インスリン血症」を招きます(インスリン抵抗性自体が糖尿病の原因にもなります)。高インスリン血症では、交感神経の緊張、腎臓でナトリウムが排泄されにくい、血管壁を構成している細胞の成長が促進されるといった現象が起きて、血管が広がりにくくなり、血液量も増え、血圧が高くなるのです。
<高血圧とは?>
高血圧とは、運動したときなどの一時的な血圧上昇とは違い、安静時でも慢性的に血圧が高い状態が続いていることを指します。具体的には「収縮期血圧が140mmHg以上」「拡張期血圧が90mmHg以上」の場合をいい、どちらか一方でもこの値を超えていると高血圧と診断されます。高血圧は自覚症状がほとんどありません。しかし放置してしまうと心疾患や脳卒中など生命を脅かす病気につながるため「サイレント・キラー」といわれています。高血圧が引き起こす合併症について知りたい方は「高血圧の症状にお困りの患者の方へ」をご覧ください。
糖尿病の血圧値について
日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2014」では、糖尿病患者さんの降圧目標を、130/80mmHg未満としています。ただし、高齢者では厳しい血圧コントロールは、ふらつきや起立性低血圧などの原因となる可能性があるため、やや高めに設定されています。高齢者では、それぞれの患者さんの病気の状態に合わせて慎重に血圧コントロールをしていきます。詳しくは「高血圧治療ガイドライン2014」に記載していますので、ご興味のある方はご覧ください。
糖尿病と高血圧予防
糖尿病と高血圧予防に有効な対策は「食生活の改善」と「運動」です。順番にご説明していきますね。
【糖尿病と高血圧予防】食生活の改善
食事は、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考えてさまざまな食品をまんべんなくとることが大切です。食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、朝食、昼食、夕食の3回ゆっくりよく噛んで、腹八分目で食べるよう心掛けてください。バランスのとれた栄養を1日の必要量のカロリーでとることで、すい臓の負担は軽くなり、すい臓の能力は回復されます。
糖尿病と高血圧予防|食事のポイント
糖尿病と高血圧を予防するためには「食べ方」も大切です。食事する際は以下のポイントに注意してください。
<糖尿病と高血圧予防|食事のポイント1>野菜類から食べる
野菜類から先に食べることで食後の血糖値の上昇が緩やかになります。また、野菜や豆類などで少しお腹をふくらませておくと、肉類やご飯の量を減らすこともできます。ですので、食事をする際は、野菜類から食べるようにしてください。
<糖尿病と高血圧予防|食事のポイント2>ゆっくり食べる
早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。
<糖尿病と高血圧予防|食事のポイント3>規則正しく3食を食べる
1日に2食や、間隔の空き過ぎた食事の取り方はよくありません。食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、規則正しく「3食」を食べることを心掛けてください。
<糖尿病と高血圧予防|食事のポイント4>腹八分目
慢性的な食べすぎは、余分なブドウ糖をつくり、糖尿病を発症させる最大の原因となります。いつもお腹いっぱいに食べないと満足できない人は、注意が必要です。とくに脂肪分の多い肉類の食べすぎは、カロリーの取りすぎにつながりやすいので、量を控えてください。
【糖尿病と高血圧予防】運動
運動をすることで、ブドウ糖や脂肪酸の利用が促進され、インスリンに頼らずに糖分が細胞や筋肉の中に吸収されるようになり、血糖値の低下が期待できます。また、長期的には、インスリン抵抗性を改善させ、血中のブドウ糖の量を良好にコントロールできるようにすることが期待されます。なお、おすすめの運動は「有酸素運動」と「レジスタンス運動」です。それぞれの運動については下記をご覧ください。
<糖尿病と高血圧予防|おすすめの運動1>有酸素運動
有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに、酸素を使う運動のことです。ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。
<糖尿病と高血圧予防|おすすめの運動2>レジスタンス運動
レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動です。スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操など、標的とする筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います(レジスタンス(Resistance)は和訳で「抵抗」を意味します)。レジスタンス運動は、筋肉量増加・筋力向上・筋持久力向上を促す筋力トレーニングとして高齢者からアスリートまで広く行われています。
糖尿病と高血圧予防|運動の頻度について
運動の頻度は「できれば毎日」少なくとも週に3~5回行うのが良いといわれています。しかし、普段から運動に親しんでいない方(または高齢の方)などでは、急激な運動はかえって体の負担となり、思いがけない事故を引き起こしてしまうこともあります。ですので、無理のない範囲で行なってください。運動は定期的に長く続けられることが秘訣です。自然の中で風景を堪能しながらの「ウォーキング」や楽しく続けられる「スポーツ」など、自分にあった運動の方法を探してみてくださいね。
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2022.10.05
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