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千葉市都賀で糖尿病の定期検査を受けたい方へ|検査の流れや重要性、メリットを解説
2025.09.16
この記事では、千葉市都賀で糖尿病の定期検査をお考えの方に向けて、定期検査の内容や流れ、受けるメリットを詳しく紹介します。後半部分では、「糖尿病の定期検査が重要な理由」について解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
千葉市都賀で糖尿病の定期検査を受けたい方へ|糖尿病の定期検査とは?
千葉市都賀で糖尿病の定期検査を受けたい方へ|糖尿病定期検査の種類
千葉市都賀で糖尿病の定期検査を受けたい方へ|糖尿病の定期検査を受けるメリットと
千葉市都賀で糖尿病の定期検査を受けたい方へ|糖尿病の定期検査の流れは?
千葉市都賀で糖尿病の定期検査を受けたい方へ|糖尿病の定期検査が重要な理由
まとめ|板谷内科クリニックでも糖尿病の定期検査が可能です
千葉市都賀で糖尿病の定期検査を受けたい方へ|糖尿病の定期検査とは?
糖尿病は血液中の糖分(ブドウ糖)の濃度が慢性的に高い状態が続く代謝疾患です。健康な方では、食事により血糖値が上昇しても、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きにより血糖値は正常範囲に調整されます。しかし糖尿病の方はインスリンの分泌不足や作用不全により、この血糖調節機能が適切に働かないため高血糖状態が持続します。なお、糖尿病の特徴として、初期段階では目立った自覚症状がほとんどないことが挙げられます。そのため、多くの患者が病気の進行に気づかず、合併症が現れてから初めて糖尿病と診断されるケースも少なくありません。このような状況を避けるためには、定期的な検査によって現在の血糖コントロール状態を客観的に把握することが極めて重要です。定期検査では、血糖値やヘモグロビンA1cの測定によって治療効果を評価し、必要に応じて薬物療法や生活習慣の見直しを行います。また、眼底検査や腎機能検査を通じて、糖尿病性網膜症や糖尿病性腎症などの合併症を早期に発見することが可能となるため、適切な時期に専門的な治療を開始できます。
千葉市都賀で糖尿病の定期検査を受けたい方へ|糖尿病定期検査の種類
糖尿病の適切な管理には、様々な検査を組み合わせて患者の状態を多角的に評価することが重要です。ここでは、糖尿病の定期検査で実施される主要な検査の種類と、それぞれの目的・内容についてご紹介します。
血糖値検査
血糖値検査は、糖尿病管理の基本となる検査で、血液中のブドウ糖濃度を測定します。空腹時血糖値は、食事を摂取せずに8時間以上経過した状態で採血し、正常値は110mg/dL未満とされています。随時血糖値は、食事のタイミングに関係なく測定され、200mg/dL以上で糖尿病の診断基準となります。また、食後2時間血糖値は、食事開始から2時間後に測定し、血糖値の上昇パターンを把握するのに役立ちます。これらの検査により、現在の血糖コントロール状態を即座に評価でき、治療方針の調整や薬物療法の効果判定に活用されます。なお、血糖値は日々変動するため、定期的な測定によって長期的な血糖管理の傾向を把握することが可能です。
ヘモグロビンA1c検査
ヘモグロビンA1c(HbA1c)検査は、過去1から3か月間の平均血糖値を反映する重要な指標です。赤血球中のヘモグロビンにブドウ糖が結合した糖化ヘモグロビンの割合を測定します。正常値は6.2%未満で、糖尿病の診断基準は6.5%以上となっています。治療目標は一般的に7.0%未満とされていますが、患者の年齢や合併症の有無により個別に設定されます。この検査により長期的な血糖コントロールの状態を客観的に評価でき、治療効果の判定や合併症リスクの予測に極めて有用です。なお、定期的な測定により治療方針の適切性を確認し、必要に応じて薬物療法や生活習慣の調整を行います。
インスリン分泌能検査
インスリン分泌能検査は膵臓のβ細胞がどの程度インスリンを分泌する能力を保持しているかを評価する検査です。血中インスリン値の測定では空腹時と食後のインスリン濃度を測定し、インスリン分泌のパターンを把握します。またCペプチド検査はインスリンと同時に分泌される物質を測定することで、内因性インスリン分泌能をより正確に評価できます。さらに、グルカゴン負荷試験では薬剤を投与してインスリン分泌を刺激し、膵β細胞の予備能力を調べます。これらの検査により1型糖尿病と2型糖尿病の鑑別診断が可能となり、患者に最適な治療法の選択に重要な情報を提供します。なお、インスリン治療の必要性や治療開始時期の判断にも活用されます。
尿検査
尿検査は糖尿病の合併症や治療効果を評価する重要な検査です。尿糖検査では腎臓での糖の再吸収能力を評価し、血糖値が約170mg/dLを超えると尿中に糖が検出されます。尿中微量アルブミン検査は糖尿病性腎症の早期発見に極めて重要で、腎機能低下の初期段階を検出できます。正常値は30mg/g・クレアチニン未満で、30から299mg/g・クレアチニンで微量アルブミン尿、300mg/g・クレアチニン以上で顕性蛋白尿と判定されます。また、尿中ケトン体検査はインスリン不足による脂肪分解の亢進を示し、糖尿病性ケトアシドーシスの早期発見に重要です。これらの検査により腎機能の変化を継続的に監視し、合併症の進行を予防するための適切な治療介入を行います。
脂質検査
脂質検査は糖尿病患者の動脈硬化リスクを評価する重要な検査です。総コレステロール、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)、HDLコレステロール(善玉コレステロール)、中性脂肪(トリグリセライド)を測定します(糖尿病患者は動脈硬化性疾患のリスクが健常者の2倍から4倍高いとされ、脂質異常症の合併が多く見られます)。治療目標はLDLコレステロール120mg/dL未満、HDLコレステロール40mg/dL以上、中性脂肪150mg/dL未満とされています。ただし、冠動脈疾患の既往がある場合はより厳格な管理が必要となり、LDLコレステロール100mg/dL未満が推奨されます。定期的な脂質検査により心血管疾患のリスクを評価し、必要に応じてスタチン系薬剤などの脂質異常症治療薬の導入や生活習慣の改善を行います。
千葉市都賀で糖尿病の定期検査を受けたい方へ|糖尿病の定期検査を受けるメリットとは?
ここでは、糖尿病の定期検査を受けることで得られる「具体的なメリット」について解説します。
血糖値やHbA1c、尿検査などで早期に異常を発見
定期検査の最大のメリットは、病状の変化や合併症の兆候を早期に発見できることです。血糖値やヘモグロビンA1cの測定により血糖コントロールの悪化を素早く察知し、適切な対応を取ることができます。特にヘモグロビンA1cは過去2から3か月の血糖値の平均を反映するため、日々の血糖値変動に惑わされることなく治療効果を客観的に評価できます。なお、尿中微量アルブミン検査では、糖尿病性腎症の初期段階を検出でき、腎機能が著しく低下する前に治療を開始することが可能です。また眼底検査により糖尿病性網膜症の進行を早期に発見し、失明リスクを大幅に軽減できます。これらの検査を定期的に実施することで、自覚症状が現れる前に異常を発見し、重篤な合併症への進行を防ぐことができるのです。
治療方針を見直して合併症のリスクを軽減
定期検査の結果に基づいて治療方針を適切に調整することで、合併症のリスクを大幅に軽減できます。血糖コントロールが不十分な場合は薬物療法の変更や追加を検討し、患者の生活スタイルに合わせた最適な治療法を選択します。また、血圧や脂質の管理状況も併せて評価し、動脈硬化の進行を予防するための包括的な治療を行います。さらに、腎機能の低下が認められた場合は腎保護作用のある薬剤への変更を検討し、糖尿病性腎症の進行を抑制します。なお、眼底検査で網膜症の進行が確認された場合は眼科専門医との連携を図り、レーザー治療などの専門的な介入を適切なタイミングで実施できます。このように、定期検査により得られた客観的なデータに基づいて治療方針を継続的に見直すことで、合併症の発症や進行を効果的に予防することができます。
生活習慣改善の効果を確認できることでモチベーションが上がる
定期検査によって食事療法や運動療法の効果を数値で確認できることは、患者のモチベーション維持に極めて重要です。ヘモグロビンA1cの改善や体重減少、血圧や脂質の正常化など、具体的な数値の変化によって努力の成果を実感できます。特に、生活習慣の改善は継続が困難な場合も多く、目に見える効果を確認できることで、治療への取り組み意欲が向上します。また、医師からの具体的なデータに基づいた評価やアドバイスにより、現在の取り組みが適切であることを確認できるため、さらなる改善への意欲を高めることができます。なお、検査結果が良好でない場合でも、具体的な問題点を明確にすることで、改善すべきポイントが把握でき、より効果的な生活習慣の修正が可能となります。このように、定期検査は治療効果の客観的評価にとどまらず、患者の治療継続への重要な動機づけとなります。
安心して日常生活を送ることができる
定期検査によって現在の病状を客観的に把握できることで、漠然とした不安が軽減され、安心して日常生活を送ることができます。例えば、検査結果が良好であれば、現在の治療が適切であることを確認できるため、精神的な安定につながります。また、異常が発見された場合でも、早期対応によって深刻な状態への進行を防げることを理解することで、過度な心配をせずに治療に専念できます。さらに、家族にとっても患者の状態を客観的に把握できることで安心感が得られ、家族全体で治療をサポートする体制を構築できます。このように、定期検査は医学的な意義だけでなく、患者とご家族の心理的な支えとしても重要な役割を果たします。
千葉市都賀で糖尿病の定期検査を受けたい方へ|糖尿病の定期検査の流れは?
糖尿病の定期検査は患者の状態を総合的に評価し、適切な治療を継続するために体系的な流れで実施されます。ここでは、糖尿病の定期検査の「具体的な流れ」について詳しくご紹介します。
1. 来院して問診・体調確認
定期検査は受付での手続き後、看護師による問診から始まります。まずは、前回受診からの体調変化、自覚症状の有無、血糖値の自己測定結果、服薬状況の確認を行います。特に低血糖症状の経験、体重変化、食欲の変化、のどの渇きや多尿などの典型的な糖尿病症状について詳しく聞き取ります。また、生活習慣の変化として食事内容や運動習慣、睡眠状況、ストレスの有無についても確認します。さらに、血圧測定と体重測定を実施し、前回との比較を行います。なお、薬の飲み忘れや副作用の有無、他科受診の状況や処方薬の変更についても確認します。この問診により患者の全体的な状態を把握し、検査項目の選択や結果解釈の参考とします。
2. 採血・尿検査で血糖値や腎機能のチェック
問診終了後、採血と尿検査を実施します。
<採血>
採血では血糖値、ヘモグロビンA1c、脂質(総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪)、肝機能、腎機能(クレアチニン、尿素窒素)を測定します。また必要に応じてインスリン値やCペプチド、甲状腺機能なども検査します。採血は通常肘の静脈から行い、空腹時採血の場合は10時間以上の絶食が必要です。随時採血の場合は食事時間との関係を記録します。
<尿検査>
尿検査では尿糖、尿蛋白、尿中微量アルブミン、尿沈渣を調べ、腎機能の評価と尿路感染の有無を確認します。尿検査は中間尿を採取し、女性の場合は生理中を避けて実施します。
検査結果は院内検査の場合は30分から1時間程度で判明し、外部委託検査の場合は数日を要することがあります。
3. 必要に応じて眼底検査や心電図などを追加
基本検査に加えて、患者の状態や前回検査からの経過に応じて追加検査を実施します。例えば、眼底検査は糖尿病性網膜症の早期発見のために年1から2回実施し、散瞳薬を使用してより詳細な観察を行う場合があります。また、心電図検査は動脈硬化や心疾患の評価のために定期的に実施し、不整脈や虚血性変化の有無を確認します。さらに、頸動脈エコー検査により動脈硬化の程度を直接観察し、心血管疾患のリスク評価を行うこともあります。これらの検査は患者の合併症リスクや病歴に基づいて医師が必要性を判断し、年1から2回の頻度で実施します。
4. 医師から結果の説明と今後の治療方針の提案
全ての検査結果が揃った後、医師による診察と結果説明を行います。具体的には、血糖コントロール状態、合併症の有無や進行度、治療効果について詳しく説明し、患者が理解しやすいよう図表やグラフを用いて視覚的に示します。また、ヘモグロビンA1cの推移や目標値との比較、他の検査値の意味と正常範囲からの逸脱について丁寧に解説します。さらに、現在の治療方針の評価を行い、必要に応じて薬物療法の調整、食事療法や運動療法の見直しを提案します。そして最後に次回受診日を決定し、必要に応じて栄養士や薬剤師との面談予約を取ります。なお、合併症が発見された場合は専門医への紹介や追加治療の必要性について説明します。
千葉市都賀で糖尿病の定期検査を受けたい方へ|糖尿病の定期検査が重要な理由
糖尿病は適切な管理により健康な生活を送ることができる疾患ですが、定期的な検査を怠ると深刻な合併症を引き起こす可能性があります。なぜ定期検査が糖尿病治療において欠かせないのか、その重要な理由について説明します。
糖尿病の怖いところは合併症
糖尿病の最も深刻な問題は、長期間の高血糖状態により全身の血管や神経に障害を与える合併症です。例えば、糖尿病性腎症は腎臓の血管が損傷を受けることで発症し、進行すると腎機能が著しく低下し、最終的には人工透析が必要となります。また、糖尿病性網膜症は眼底の血管が障害されることで起こり、進行すると失明に至る可能性があります。さらに、糖尿病性神経障害は末梢神経の機能低下により手足のしびれや痛み、感覚鈍麻を引き起こし、足潰瘍や壊疽のリスクを高めます。これらの合併症は初期段階では自覚症状がほとんどなく、症状が現れた時点では既に進行している場合が多いため、定期的な検査による早期発見が極めて重要となります。
定期検査で早期に発見すれば進行を防ぐことができる
合併症の早期発見と適切な治療介入により、その進行を大幅に遅らせることや停止させることが可能です。例えば、糖尿病性腎症では尿中微量アルブミン検査により初期段階で発見し、ACE阻害薬やARBなどの腎保護作用のある薬剤を導入することで腎機能の悪化を防げます。また、糖尿病性網膜症は眼底検査により早期発見し、レーザー光凝固術などの治療により失明を予防できます。さらに、神経障害では足の観察と適切なフットケアにより潰瘍形成を予防し、重篤な感染や切断を回避できます。このように、定期検査による早期発見と適切な治療により、合併症の進行を効果的に防ぐことができるのです。
血糖値が安定していても定期的に診てもらうことで安心
糖尿病は慢性進行性の疾患であり、生活環境の変化、加齢、他の疾患の併発などにより病状が変化する可能性があります。また、薬剤の効果が経時的に減弱することもあるため、定期的な評価によって適切な治療調整が必要となります。さらに、血糖値が安定していても合併症が徐々に進行する場合があるため、定期的なスクリーニング検査によって早期発見に努める必要があります。このように、糖尿病患者にとって定期検査は現在の良好な状態を客観的に確認できる機会となり、治療継続への安心感につながります。なお、定期検査を継続することは医師との信頼関係を深める機会でもあります。医師との定期的なコミュニケーションにより、日常生活での疑問や不安を解消し、適切な自己管理方法について継続的な指導を受けることができます。さらに、新しい治療法や薬剤に関する情報提供を受けることで、より良い治療選択肢について相談することも可能となります。
まとめ|板谷内科クリニックでも糖尿病の定期検査が可能です
糖尿病は自覚症状が少ない疾患であるため、定期検査によって現在の状態を把握することが、健康管理の第一歩となります。血糖値やヘモグロビンA1cの測定、尿検査などの包括的な検査により、糖尿病性腎症や網膜症、神経障害などの重篤な合併症を早期に発見することが可能です。したがって、少しでも体調に異常を感じた際には、速やかに専門医にご相談されることを強くお勧めします。なお、当院では、患者一人ひとりの状態に合わせた総合的な治療を提供しております。糖尿病の初期段階から進行した症例まで幅広く対応しておりますので、糖尿病の症状に心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方は、まずはお気軽にご相談ください。
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糖尿病予備群(境界型糖尿病)の症状や対策について解説
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
厚生労働省が発表した平成28年「国民健康・栄養調査」の結果では、糖尿病が強く疑われる者(糖尿病有病者)、糖尿病の可能性を否定できない者(糖尿病予備群)はいずれも約1,000万人(合わせて約2,000万人)と推計されています。
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【目次】
糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは
糖尿病予備群の主な症状
糖尿病予備群と診断された方へ
糖尿病予備群にならないための予防法
【糖尿病予備群にならないための予防法1】運動
【糖尿病予備群にならないための予防法2】食生活の見直し
【糖尿病予備群にならないための予防法3】禁煙
糖尿病予備群の疑いがある方、医師の診断を受けたい方へ
糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは
糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは、糖尿病と診断されるほどの高血糖ではないものの、血糖値が正常より高い状態にあることを指します。
「HbA1c 6.5%未満」「空腹時血糖が110 mg/dl以上126 mg/dl未満」「75g経口ブドウ糖負荷試験2時間の血糖値が140 mg/dl以上200 mg/dl未満」のいずれかを満たす人が該当します。
糖尿病予備群の主な症状
糖尿病予備群(境界型糖尿病)では、自覚症状がありません。
しかし体内では、既に血糖値を下げるホルモンである「インスリン」が出にくくなったり、効きづらくなったりする変化が起きています。
また糖尿病に特有の合併症である、網膜症、神経障害、腎機能障害も少しずつ進行するとも言われています。
さらに高血圧や脂質異常症なども併発しやすくなり、全体として、血糖値が正常な状態に比べ、動脈硬化の進行は加速されます。
なお、動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な疾患が引き起こされる危険性が高くなります。
糖尿病予備群と診断された方へ
糖尿病予備群の方は、食事、運動、喫煙、飲酒などの生活習慣を見直し、肥満や高血圧、ストレスなどに対する健康管理に取り組むことで、糖尿病へ進行するリスクを減らすことができます。
ですので、糖尿病予備群と診断された方は、まずは生活習慣の見直しから始めてください。
なお上述した通り、糖尿病予備群でも、既に血糖値を下げるホルモンであるインスリンが出にくくなったり、効きづらくなったりする変化が起きています。
また糖尿病に特有の合併症である、網膜症、神経障害、腎機能障害も少しずつ進行するとも言われています。
ですので、糖尿病予備群と診断された方は、絶対に放置してないでください。
糖尿病予備群にならないための予防法
糖尿病予備群では、生活習慣の改善により「糖尿病の発症のリスク」を減らすことができます。
では、具体的には何をすればいいのでしょうか。順番にご紹介していきます。
【糖尿病予備群にならないための予防法1】運動
糖尿病を予防するためには「運動」が効果的です。運動をすることで、ブドウ糖や脂肪酸の利用が促進。インスリンに頼らずに糖分が細胞や筋肉の中に吸収されるようになり、血糖値の低下が期待できます。
また長期的には、インスリン抵抗性を改善させ、血中のブドウ糖の量を良好にコントロールできるようにすることが期待されます。
ですので、糖尿病予備群と診断された方は、できれば毎日、少なくとも週に3~5回は体を動かしてください。
なお、糖尿病を予防するための運動としては「有酸素運動」と「レジスタンス運動」が推奨されております。
<有酸素運動>
有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに、酸素を使う運動のことです。
ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。
有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。
<レジスタンス運動>
レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動です。
スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操など、標的とする筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います(レジスタンス(Resistance)は和訳で「抵抗」を意味します)。
レジスタンス運動は、筋肉量増加・筋力向上・筋持久力向上を促す筋力トレーニングとして高齢者からアスリートまで広く行われています。
【糖尿病予備群にならないための予防法2】食生活の見直し
糖尿病予防の基本は「食生活を見直すこと」です。
食事は、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考えてさまざまな食品をまんべんなくとることが大切です。
食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、朝食、昼食、夕食の3回ゆっくりよく噛んで、腹八分目で食べるよう心掛けてください。
バランスのとれた栄養を1日の必要量のカロリーでとることで、膵臓の負担は軽くなり、膵臓の能力は回復されます。
なお、食事のポイントについては以下をご覧ください。
<ゆっくり食べる>
早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。
食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。
<野菜類から食べる>
早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。
食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。
<アルコールは適量にする>
アルコールには一時的にはインスリンの働きを改善する効果があります。
しかし長期間飲んでいると逆にインスリンの分泌量が低下することがわかっていますので、アルコールは、ほどほどにしてください。
<腹八分目でストップ>
慢性的な食べすぎは、余分なブドウ糖をつくり、糖尿病を発症させる最大の原因となります。
いつもお腹いっぱいに食べないと満足できない人は、注意が必要です。
とくに脂肪分の多い肉類の食べすぎは、カロリーの取りすぎにつながりやすいので、量を控えてください。
<間食をしない>
間食をすると血糖値の高い状態が続き、インスリンを分泌する膵臓に大きな負担がかかります。
また、その状態のままで次の食事をすると、食後高血糖の原因にもなります。糖尿病を予防するためにも間食はできる限り控えてください。
【糖尿病予備群にならないための予防法3】禁煙
喫煙は交感神経を刺激して血糖を上昇させるだけでなく、体内のインスリンの働きを妨げる作用があります。
そのため、たばこを吸うと「糖尿病にかかりやすくなる」といえます。
日本人を対象とした研究データによると、喫煙者は非喫煙者と比べ糖尿病を発症するリスクが38%高くなると言われています。
ですので、糖尿病予備群の方は喫煙を控えてください。
糖尿病予備群の疑いがある方、医師の診断を受けたい方へ
糖尿病予備群の方は、自覚症状がありません。
そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。
健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。
糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
また糖尿病予備群の方の“適切な対策”を知りたい方も、いつでもご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2023.01.21
糖尿病治療法の一つ、インスリン療法を解説
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、糖尿病の代表的な治療法である「インスリン療法」について解説していきます。
後半部分では「インスリン療法のメリット・デメリット」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インスリンとは何か
インスリン療法とは
インスリン療法のしくみ
インスリン注射を行う前に血糖自己測定
インスリン療法の具体的な手法
インスリン療法のメリット
インスリン療法のデメリット
インスリン注射はほとんど痛くありません
インスリン療法は早期に始めることが効果的です
インスリン療法についてご相談したい方はいつでもご相談下さい
インスリンとは何か
インスリンとは、膵臓から分泌されるホルモンの一種です。
糖の代謝を調節し、血糖値を一定に保つ働きを持っております。
なお、インスリンの働きが悪くなったり分泌される量が少なくなったりすることで、血糖値が高い状態が続いてしまうのが「糖尿病」です。
糖尿病について詳しく知りたい方は「糖尿病情報センター」をご覧ください。
インスリン療法とは
インスリン療法とは、患者さん自身がインスリン製剤を継続的に投与して血糖をコントロールする治療法のことです。
インスリン製剤を投与する方法として、「頻回インスリン注射療法」と「持続皮下インスリン注入療法」があります。
頻回インスリン注射療法は、一般的にペン型の注射器を用いて1日に数回インスリン注射を行う方法です。お腹、太もも、上腕、お尻に注射することが推奨されています(これらの部位を少しずつ、ずらしながら注射します)。
一方、持続皮下インスリン注入療法は、携帯型のインスリンポンプを使用して皮下に留置した挿入した「カニューレ」からインスリンを持続的に注入する方法です。
インスリンの注入量や注入速度を細かく調整できるため、頻回インスリン注射療法で血糖コントロールが困難な人や低血糖を頻発する人、食事や勤務時間が不規則な人、妊娠中あるいは妊娠の予定がある人などに向いています。
なお、インスリン療法については「インスリンとは?特徴・種類・注意点」でも同様のことを伝えています。
インスリン療法のしくみ
インスリンの自己注射を行うのは「1型糖尿病」の方、または「2型糖尿病」のうち内服治療が難しい方です。
不足したインスリンを注射で補うことで、健康な人のインスリン分泌に近づけます。
なおインスリンの自己注射では、効果が長時間持続するインスリン製剤を1日に1,2回と、即効性のあるものを毎食前に打つなどして、この2つの分泌を再現します(どのインスリン製剤を使うか、どのタイミングで注射するかは体格や生活様式などに合わせて調整します)。
インスリン注射を行う前に血糖自己測定
インスリン注射を行う前に、自分で血糖値を測定する「血糖自己測定」を行うことがあります。
なぜなら日々の血糖値を記録することで、血糖コントロールを良好に行えるからです。
また直前に測定することで、「血糖値が低いにも関わらず自己注射を行い、さらに低血糖になる」といったことを防ぐことができます。
血糖自己測定の方法は以下の通りです。
⑴ 血糖測定器、測定用チップ、消毒用アルコール綿、穿刺器、穿刺針、自己管理ノート、針捨て容器を準備し、手を洗ってください。
⑵ 血糖測定器に測定用チップを、穿刺器に針をセットします。
⑶ 指先などを消毒します。そして針を消毒した場所に押し当て、穿刺器のボタンを押して針を刺してください。
⑷ 血液を測定用チップに染み込ませて、血糖値を測定します。
⑸ 残った血液を拭き取り、血糖値を自己管理ノートに記録してください。
インスリン療法の具体的な手法
インスリン注射の具体的な方法は以下の通りです。
⑴ 注入器、製剤カートリッジ、消毒綿など必要な物品を準備します。インスリン製剤が混濁している場合は均一になるようにカートリッジを振ってください。
⑵ インスリン製剤に注射針をセットします(針が曲がらないように真っすぐ刺してください)。
⑶ インスリン製剤の空打ちをして針先まで薬液を満たします。
⑷ ダイヤルを回転させて注射する単位数を医師の指示した値にセットしてください。
⑸ 注射する部位を消毒します。そして皮膚を軽くつまんで直角に注射針を刺してください。
⑹ ダイヤルが0になるまで、しっかりと薬液を注入します。そして10秒程度数え、注入ボタンを押したままで針を抜きます。
⑺ 針はキャップをかぶせてから取り外します。なお、針は1回きりの使用になりますので、ご注意ください。
※インスリン注射をする場所はお腹、太もも、おしり、腕です。
それぞれ薬の吸収速度が異なるため、注射部位を医師から指示される場合があります。
また、同じところに針を刺し続けると皮膚が硬くなり、痛みの原因になったり、薬の効きが悪くなります。
ですので毎回2〜3cmずらすようにしてください。
「糖尿病のインスリン注射器の使い方と副作用の対処法」でも同様のことを伝えています。
インスリン療法のメリット
インスリンを体外から補充することによって、無理にインスリンを出そうとする膵臓の働きすぎを防ぎ、疲れた膵臓を一時的に休めることができます。
インスリン治療によって膵臓の働きが回復したら、インスリン注射の回数を減らせたり、経口血糖降下薬だけの治療に戻せる可能性があります(インスリン療法により、膵臓のインスリン分泌機能が回復することもあります)。
インスリン療法のデメリット
残念ながら、インスリンには副作用があります。インスリン療法における主な副作用は、「低血糖症状」です。インスリンには、血糖値を下げ、良好な血糖コントロールが期待できる分、その裏返しで「低血糖症状」という副作用があります。
低血糖症状は、インスリン療法に限らず、糖尿病の治療に用いられる飲み薬全般でも起こりうる副作用です。
そのため、低血糖症状に対する適切な処置方法を把握し、血糖の自己測定などで自身を管理することが大切になってきます。
インスリン療法における副作用について詳しく知りたい方は「糖尿病ネットワーク」をご覧ください。
インスリン注射はほとんど痛くありません
インスリン注射は予防接種や採血などでイメージする注射とは異なり、痛みはそれほどありません。
なぜならインスリン注射で使う専用の注射針は、採血用の注射針とは違い、痛みが少なくなるようデザインされているからです(採血で使う注射針の3分の1ぐらいの細さで針の先も特殊なカットがしてあり、痛みが少ないように工夫されています)。
インスリン療法は早期に始めることが効果的です
上述した通り、インスリンを体外から補充することによって、無理にインスリンを出そうとする膵臓の働きすぎを防ぎ、疲れた膵臓を一時的に休めることができます。
そのため、インスリン療法は早期に始めることが効果的です。近年では、高血糖毒性をとり除くために、早期からインスリン注射薬を使ったり、また比較的軽症の糖尿病にもインスリン注射薬を用いる場合があります。
ですので、主治医にインスリン療法を勧められたら積極的に受け入れるようにしてください。
日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会が発表した「糖尿病標準診療マニュアル」でも、いくつかの経口薬を併用しても血糖コントロールが改善せず,HbA1c 9%以上が持続するなら、インスリン療法を積極的に始める必要があると伝えています。
インスリン療法についてご相談したい方はいつでもご相談下さい
糖尿病になっても、初期段階では自覚症状がありません。
そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。
糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2023.01.21
糖尿病と高血圧の関係
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
糖尿病患者さんにおける「高血圧」の頻度は非糖尿病者に比べて約2倍高く、高血圧患者さんにおいても糖尿病の合併頻度は2~3倍高いと報告されています。
この記事では、糖尿病患者さんに向けて「糖尿病と高血圧の関係」を解説していきます。後半部分では「糖尿病と高血圧の予防」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
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【目次】
糖尿病の方がなぜ高血圧になりやすいのか
【糖尿病と高血圧の関係1】高血糖で循環血液量が増えるからです
【糖尿病と高血圧の関係2】肥満
【糖尿病と高血圧の関係3】インスリン抵抗性があるからです
糖尿病の血圧値について
糖尿病と高血圧予防
【糖尿病と高血圧予防】食生活の改善
糖尿病と高血圧予防|食事のポイント
【糖尿病と高血圧予防】運動
糖尿病と高血圧予防|運動の頻度について
糖尿病の方がなぜ高血圧になりやすいのか
糖尿病患者さんは「高血圧になりやすい」といわれています。なぜ糖尿病の方は高血圧になりやすいのでしょうか。糖尿病患者さんが高血圧になりやすいのには、以下の理由があげられます。
【糖尿病と高血圧の関係1】高血糖で循環血液量が増えるからです
血糖値が高い状態では、血液の浸透圧が高くなっています。そのため、水分が細胞内から細胞外に出てきたり、腎臓からの水分の吸収が増えたりして、体液・血液量が増加し、血圧が上昇します。
【糖尿病と高血圧の関係2】肥満
2型糖尿病患者さんには肥満が多いのが特徴です。肥満になると交感神経が緊張し、血圧を上げるホルモンが多く分泌されるため、高血圧になります。このようなことから、糖尿病患者さんは高血圧になりやすいと考えられています。
【糖尿病と高血圧の関係3】インスリン抵抗性があるからです
インスリン抵抗性とは、インスリンの作用を受ける細胞の感受性が低下している状態です。インスリン抵抗性は、インスリンが効きにくくなったのを補うためにインスリンが多量に分泌され「高インスリン血症」を招きます(インスリン抵抗性自体が糖尿病の原因にもなります)。高インスリン血症では、交感神経の緊張、腎臓でナトリウムが排泄されにくい、血管壁を構成している細胞の成長が促進されるといった現象が起きて、血管が広がりにくくなり、血液量も増え、血圧が高くなるのです。
<高血圧とは?>
高血圧とは、運動したときなどの一時的な血圧上昇とは違い、安静時でも慢性的に血圧が高い状態が続いていることを指します。具体的には「収縮期血圧が140mmHg以上」「拡張期血圧が90mmHg以上」の場合をいい、どちらか一方でもこの値を超えていると高血圧と診断されます。高血圧は自覚症状がほとんどありません。しかし放置してしまうと心疾患や脳卒中など生命を脅かす病気につながるため「サイレント・キラー」といわれています。高血圧が引き起こす合併症について知りたい方は「高血圧の症状にお困りの患者の方へ」をご覧ください。
糖尿病の血圧値について
日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2014」では、糖尿病患者さんの降圧目標を、130/80mmHg未満としています。ただし、高齢者では厳しい血圧コントロールは、ふらつきや起立性低血圧などの原因となる可能性があるため、やや高めに設定されています。高齢者では、それぞれの患者さんの病気の状態に合わせて慎重に血圧コントロールをしていきます。詳しくは「高血圧治療ガイドライン2014」に記載していますので、ご興味のある方はご覧ください。
糖尿病と高血圧予防
糖尿病と高血圧予防に有効な対策は「食生活の改善」と「運動」です。順番にご説明していきますね。
【糖尿病と高血圧予防】食生活の改善
食事は、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考えてさまざまな食品をまんべんなくとることが大切です。食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、朝食、昼食、夕食の3回ゆっくりよく噛んで、腹八分目で食べるよう心掛けてください。バランスのとれた栄養を1日の必要量のカロリーでとることで、すい臓の負担は軽くなり、すい臓の能力は回復されます。
糖尿病と高血圧予防|食事のポイント
糖尿病と高血圧を予防するためには「食べ方」も大切です。食事する際は以下のポイントに注意してください。
<糖尿病と高血圧予防|食事のポイント1>野菜類から食べる
野菜類から先に食べることで食後の血糖値の上昇が緩やかになります。また、野菜や豆類などで少しお腹をふくらませておくと、肉類やご飯の量を減らすこともできます。ですので、食事をする際は、野菜類から食べるようにしてください。
<糖尿病と高血圧予防|食事のポイント2>ゆっくり食べる
早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。
<糖尿病と高血圧予防|食事のポイント3>規則正しく3食を食べる
1日に2食や、間隔の空き過ぎた食事の取り方はよくありません。食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、規則正しく「3食」を食べることを心掛けてください。
<糖尿病と高血圧予防|食事のポイント4>腹八分目
慢性的な食べすぎは、余分なブドウ糖をつくり、糖尿病を発症させる最大の原因となります。いつもお腹いっぱいに食べないと満足できない人は、注意が必要です。とくに脂肪分の多い肉類の食べすぎは、カロリーの取りすぎにつながりやすいので、量を控えてください。
【糖尿病と高血圧予防】運動
運動をすることで、ブドウ糖や脂肪酸の利用が促進され、インスリンに頼らずに糖分が細胞や筋肉の中に吸収されるようになり、血糖値の低下が期待できます。また、長期的には、インスリン抵抗性を改善させ、血中のブドウ糖の量を良好にコントロールできるようにすることが期待されます。なお、おすすめの運動は「有酸素運動」と「レジスタンス運動」です。それぞれの運動については下記をご覧ください。
<糖尿病と高血圧予防|おすすめの運動1>有酸素運動
有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに、酸素を使う運動のことです。ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。
<糖尿病と高血圧予防|おすすめの運動2>レジスタンス運動
レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動です。スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操など、標的とする筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います(レジスタンス(Resistance)は和訳で「抵抗」を意味します)。レジスタンス運動は、筋肉量増加・筋力向上・筋持久力向上を促す筋力トレーニングとして高齢者からアスリートまで広く行われています。
糖尿病と高血圧予防|運動の頻度について
運動の頻度は「できれば毎日」少なくとも週に3~5回行うのが良いといわれています。しかし、普段から運動に親しんでいない方(または高齢の方)などでは、急激な運動はかえって体の負担となり、思いがけない事故を引き起こしてしまうこともあります。ですので、無理のない範囲で行なってください。運動は定期的に長く続けられることが秘訣です。自然の中で風景を堪能しながらの「ウォーキング」や楽しく続けられる「スポーツ」など、自分にあった運動の方法を探してみてくださいね。
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2022.10.05
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