糖尿病・代謝内科

ミトコンドリア糖尿病とは?症状や診断基準、治療法について解説

2025.02.05

この記事では、「ミトコンドリア糖尿病」について解説していきます。後半部分では、「ミトコンドリア糖尿病の治療方法」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。

【目次】
ミトコンドリア糖尿病とは?
ミトコンドリア糖尿病の特徴や症状
ミトコンドリア糖尿病の治療方法
ミトコンドリア糖尿病における食事療法と運動療法の重要性
ミトコンドリア糖尿病の早期発見と適切な管理を心がけましょう

 

ミトコンドリア糖尿病とは?

ミトコンドリア糖尿病とは?

ミトコンドリア糖尿病とは、ミトコンドリアDNAの変異によって発症する糖尿病です。ミトコンドリアは細胞内に存在する小さな器官で、エネルギー産生などに重要な役割を果たしています。このミトコンドリアDNAの変異が原因となる糖尿病をミトコンドリア糖尿病と呼びます。ミトコンドリア糖尿病は、日本の糖尿病患者さんの約1%に存在するとされており、単一遺伝子による糖尿病としては最多です。

また、ミトコンドリアDNAは後天的な変異を起こしやすい特徴があるため、加齢とともに変異が蓄積し、ミトコンドリア機能に障害を及ぼす可能性があります。そのため、ミトコンドリア糖尿病を放置してはいけません。ミトコンドリア糖尿病を放置すると、感音性難聴に加え、心筋症や脳症などの合併症リスクが高まるため、早期診断と適切な治療が重要です。なお、ミトコンドリアは16,569塩基対からなる独自のDNAを持っています。このDNAに変異が生じると、膵β細胞の機能が低下し、インスリン分泌が不十分となり糖尿病が発症します。

 

ミトコンドリア糖尿病の特徴や症状

ミトコンドリア糖尿病の特徴や症状

ミトコンドリア糖尿病は、1型糖尿病、SPIDDM、2型糖尿病と多様な病型を示すことが特徴です。症状としては、高頻度で感音性難聴を伴うのが特徴になります。また、心筋症や心刺激伝導障害、脳症の症状も他の糖尿病型より高頻度に認められます。

さらに、ミトコンドリア糖尿病の主な特徴として、著しいインスリン分泌能の低下、母系遺伝、若年発症、血管合併症の進行しやすさなどが挙げられます。なお、ミトコンドリア糖尿病で重要なのは、症状が徐々に進行することです。初期には軽微な症状しか示さないこともありますが、時間とともに多様な症状が顕在化します。

そのため、早期診断と適切な管理が極めて重要です。また、ミトコンドリア糖尿病は母系遺伝の形式をとるため、家族歴が重要な診断の手がかりとなります。つまり、母親がミトコンドリア糖尿病であった場合、その子供も発症する可能性があるため注意が必要です。母親がミトコンドリア糖尿病である方は、ミトコンドリア糖尿病の可能性を疑い、専門医による精査を検討してください。早期発見と適切な治療が、患者さんのQOL向上と合併症予防に重要な役割を果たします。

 

ミトコンドリア糖尿病の治療方法

ミトコンドリア糖尿病の治療方法

ミトコンドリア糖尿病の治療法としては、主にインスリン療法や薬物療法が行われます。

【ミトコンドリア糖尿病の治療方法1】インスリン療法

インスリン療法とは、体外からインスリンを投与して血糖値をコントロールする治療法です。ミトコンドリア糖尿病の場合、膵臓のβ細胞の機能低下が急速に進行するため、診断後早期からインスリン療法を開始することが多いです。

具体的には、患者さんの症状や進行度に応じて、速効型や持効型などの多様なインスリン製剤を組み合わせて使用します。そして、頻繁に血糖測定を行い、インスリン量を適切に調整します。なお、ミトコンドリア機能障害により低血糖のリスクが高まる可能性があるため、慎重な血糖管理が必要です。

【ミトコンドリア糖尿病の治療方法2】薬物療法

薬物療法とは、経口血糖降下薬を用いて血糖値をコントロールする方法です。ミトコンドリア糖尿病の治療では、以下の薬剤が考慮されます。

<メトホルミン>

メトホルミンは、2型糖尿病の治療に広く使用されるビグアナイド系薬剤です。メトホルミンの主な作用は、肝臓での糖新生抑制とインスリン感受性の改善です。

具体的には、AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化することで、肝臓での糖産生を抑制し、骨格筋でのグルコース取り込みを促進します。また、腸管からのグルコース吸収も抑制します。なお、ミトコンドリア糖尿病患者さんにおいては、メトホルミンの使用に関して以下の点に注意が必要です。

・低用量から開始し、徐々に増量する

・定期的な腎機能検査と肝機能検査の実施

・乳酸値のモニタリング

・ミトコンドリア機能に関連する症状(筋力低下、疲労感など)を注意深く観察する

・他の薬剤との相互作用を確認する

メトホルミンは、ミトコンドリア糖尿病の治療において慎重に扱うべき薬剤です。使用する場合は、個々の患者さんの状態を十分に評価し、綿密なモニタリングのもとで行う必要があります。また、他の治療選択肢との比較検討も重要です。

<イメグリミン>

イメグリミン(薬品名:ツイミーグ)は、ミトコンドリア糖尿病治療の新たな選択肢として注目されています。イメグリミンは、ミトコンドリア機能を改善し、インスリン分泌を促進する効果があります。

具体的には、イメグリミンは細胞内のミトコンドリアを介して、膵臓の膵β細胞に作用し、グルコース濃度に依存したインスリン分泌を促進します。また、肝臓での糖新生を抑制し、骨格筋での糖取り込みを改善することで血糖値を低下させます。

さらに、インスリン抵抗性の改善にも寄与します。イメグリミンは、ミトコンドリアの酸化ストレスを軽減し、ATP産生を増加させる特性があるため、ミトコンドリア糖尿病患者さんにとって有益な可能性があります。

<DPP-4阻害薬>

シタグリプチンやビルダグリプチンなどのDPP-4阻害薬は、インクレチンホルモンの分解を抑制することでインスリン分泌を促進し、血糖値を低下させます。ミトコンドリア機能への直接的な影響は少ないとされているため、比較的安全に使用できる可能性があります。

<GLP-1受容体作動薬>

リラグルチドやセマグルチドなどのGLP-1受容体作動薬は、インスリン分泌促進、グルカゴン分泌抑制、胃排出遅延などの作用により血糖値を改善します。また、食欲抑制効果もあり、体重管理にも有効です。ミトコンドリア機能への直接的な影響は少ないとされています。

<SGLT2阻害薬>

ダパグリフロジンやエンパグリフロジンなどのSGLT2阻害薬は、腎臓でのグルコース再吸収を抑制することで血糖値を低下させます。ただし、脱水リスクやケトアシドーシスのリスクがあるため、ミトコンドリア糖尿病患者さんでは慎重に使用する必要があります。

<チアゾリジン誘導体>

ピオグリタゾンなどのチアゾリジン誘導体は、インスリン感受性を改善する効果があります。しかし、ミトコンドリア機能への影響が懸念されるため、使用には慎重な判断が必要です。

<スルホニル尿素薬>

グリメピリドやグリクラジドなどのスルホニル尿素薬は、膵臓からのインスリン分泌を促進します。ただし、低血糖のリスクが高く、また長期的な膵臓への負担が懸念されるため、ミトコンドリア糖尿病患者さんでは使用に注意が必要です。

これらの薬剤の使用は、患者さんの状態、合併症の有無、ミトコンドリア機能障害の程度、そして薬剤の作用機序と副作用プロファイルを慎重に考慮して決定されます。また、治療効果と副作用のモニタリングを継続的に行い、必要に応じて薬剤の調整を行うことが極めて重要です。

 

ミトコンドリア糖尿病における食事療法と運動療法の重要性

ミトコンドリア糖尿病における食事療法と運動療法の重要性

ミトコンドリア糖尿病の治療では、薬物療法だけでなく、適切な食事療法や運動療法も重要です。

<食事療法>

食事療法とは、食事の量や成分を調整することで病気の改善を目指すものです。ミトコンドリア糖尿病における食事療法では、血糖コントロールを改善し、ミトコンドリア機能をサポートすることを目的とします。

また食物繊維の摂取や少量頻回の食事を心がけ、代謝負荷を軽減します。なお、食事療法において重要なのは、各患者さんの状態、合併症、ミトコンドリア機能障害の程度に応じて、医師と相談しながら個別の食事計画を立てることです。

<運動療法>

運動療法とは、疾患の治療や予防のために運動を活用することです。運動は、体内でのインスリンの効率的な利用を促進し、筋肉が血糖を取り込むのを助けます。

また、運動によって体重が減少し、肥満や過体重のリスクが低下するため、インスリン抵抗性が改善され、糖尿病の発症リスクが軽減されます。

ただし、ミトコンドリア糖尿病の場合、過度の運動はミトコンドリアに負担をかける可能性があるため、低強度の運動から始めることが大切です。

運動を行う際は無理をせず、個々の体力や健康状態に合わせたプランを立ててください。なお、糖尿病予防に効果的な運動には、「有酸素運動」と「レジスタンス運動」があります。

有酸素運動

有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに酸素を使う運動のことです。ウォーキング、ジョギング、サイクリングなどが一般的な有酸素運動の例になります。

有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。なお、一般的に「週150分以上」の有酸素運動が推奨されています。この目標に向かって努力することで、健康的な生活習慣を築くことができます。

レジスタンス運動

レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動のことです。ウエイトトレーニング、体幹トレーニング、ゴムチューブを使ったエクササイズなどがレジスタンス運動の例になります。

レジスタンス運動は血糖値の管理をサポートするのに役立ち、筋肉量の増加、筋力の向上、筋持久力の向上を促す筋力トレーニングとして、高齢者からアスリートまで広く行われています。

 

またその他にも筋力トレーニングは骨密度を向上させ、骨粗鬆症のリスクを減らすのにも効果的です。そのため、糖尿病予防に極めて効果的な運動だと考えられています。

 

ミトコンドリア糖尿病の早期発見と適切な管理を心がけましょう

ミトコンドリア糖尿病の早期発見と適切な管理を心がけましょう

ミトコンドリア糖尿病では、早期発見と適切な管理が患者さんの生活の質を維持し、合併症のリスクを軽減する上で非常に重要です。早期発見のポイントとしては、若年での糖尿病発症、難聴や視力低下などの感覚器障害、筋力低下や易疲労感、母系遺伝の家族歴(特に糖尿病と難聴の組み合わせ)に注意が必要です。

これらの症状がある場合、一般的な糖尿病検査に加えて、遺伝子検査や筋生検(筋肉組織の一部を採取して調べる検査)などの特殊検査を考慮する必要があります。なお、適切な管理においては、個別化された治療アプローチ、定期的なモニタリング、合併症の予防と早期発見、多職種連携(医師、看護師、栄養士など複数の専門家による協力)、患者さんの教育が重要です。

具体的には、薬物療法、食事療法、運動療法を患者さんの状態に合わせて慎重に設計し、血糖値だけでなくミトコンドリア機能に関連する様々な指標を定期的にチェックします。また、心臓、腎臓、神経系など多臓器に影響を及ぼす可能性があるため、定期的な検査も欠かせません。ミトコンドリア糖尿病の管理は複雑ですが、早期発見と適切な管理により、多くの患者さんが良好な生活の質を維持することができます。症状や家族歴に心当たりがある場合は、専門医への相談を躊躇せず、積極的に健康管理に取り組むことが大切です。

なお、当院では、患者さん一人ひとりの状態に合わせた総合的な治療を提供しています。糖尿病の初期段階から進行した症例まで幅広く対応しておりますので、糖尿病の症状に心当たりのある方、もしくは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。

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糖尿病と高血圧の関係

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
糖尿病患者さんにおける「高血圧」の頻度は非糖尿病者に比べて約2倍高く、高血圧患者さんにおいても糖尿病の合併頻度は2~3倍高いと報告されています。 この記事では、糖尿病患者さんに向けて「糖尿病と高血圧の関係」を解説していきます。後半部分では「糖尿病と高血圧の予防」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 糖尿病の方がなぜ高血圧になりやすいのか 【糖尿病と高血圧の関係1】高血糖で循環血液量が増えるからです 【糖尿病と高血圧の関係2】肥満 【糖尿病と高血圧の関係3】インスリン抵抗性があるからです 糖尿病の血圧値について 糖尿病と高血圧予防 【糖尿病と高血圧予防】食生活の改善 糖尿病と高血圧予防|食事のポイント 【糖尿病と高血圧予防】運動 糖尿病と高血圧予防|運動の頻度について   糖尿病の方がなぜ高血圧になりやすいのか 糖尿病患者さんは「高血圧になりやすい」といわれています。なぜ糖尿病の方は高血圧になりやすいのでしょうか。糖尿病患者さんが高血圧になりやすいのには、以下の理由があげられます。 【糖尿病と高血圧の関係1】高血糖で循環血液量が増えるからです 血糖値が高い状態では、血液の浸透圧が高くなっています。そのため、水分が細胞内から細胞外に出てきたり、腎臓からの水分の吸収が増えたりして、体液・血液量が増加し、血圧が上昇します。 【糖尿病と高血圧の関係2】肥満 2型糖尿病患者さんには肥満が多いのが特徴です。肥満になると交感神経が緊張し、血圧を上げるホルモンが多く分泌されるため、高血圧になります。このようなことから、糖尿病患者さんは高血圧になりやすいと考えられています。 【糖尿病と高血圧の関係3】インスリン抵抗性があるからです インスリン抵抗性とは、インスリンの作用を受ける細胞の感受性が低下している状態です。インスリン抵抗性は、インスリンが効きにくくなったのを補うためにインスリンが多量に分泌され「高インスリン血症」を招きます(インスリン抵抗性自体が糖尿病の原因にもなります)。高インスリン血症では、交感神経の緊張、腎臓でナトリウムが排泄されにくい、血管壁を構成している細胞の成長が促進されるといった現象が起きて、血管が広がりにくくなり、血液量も増え、血圧が高くなるのです。 <高血圧とは?> 高血圧とは、運動したときなどの一時的な血圧上昇とは違い、安静時でも慢性的に血圧が高い状態が続いていることを指します。具体的には「収縮期血圧が140mmHg以上」「拡張期血圧が90mmHg以上」の場合をいい、どちらか一方でもこの値を超えていると高血圧と診断されます。高血圧は自覚症状がほとんどありません。しかし放置してしまうと心疾患や脳卒中など生命を脅かす病気につながるため「サイレント・キラー」といわれています。高血圧が引き起こす合併症について知りたい方は「高血圧の症状にお困りの患者の方へ」をご覧ください。   糖尿病の血圧値について 日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2014」では、糖尿病患者さんの降圧目標を、130/80mmHg未満としています。ただし、高齢者では厳しい血圧コントロールは、ふらつきや起立性低血圧などの原因となる可能性があるため、やや高めに設定されています。高齢者では、それぞれの患者さんの病気の状態に合わせて慎重に血圧コントロールをしていきます。詳しくは「高血圧治療ガイドライン2014」に記載していますので、ご興味のある方はご覧ください。   糖尿病と高血圧予防 糖尿病と高血圧予防に有効な対策は「食生活の改善」と「運動」です。順番にご説明していきますね。 【糖尿病と高血圧予防】食生活の改善 食事は、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考えてさまざまな食品をまんべんなくとることが大切です。食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、朝食、昼食、夕食の3回ゆっくりよく噛んで、腹八分目で食べるよう心掛けてください。バランスのとれた栄養を1日の必要量のカロリーでとることで、すい臓の負担は軽くなり、すい臓の能力は回復されます。   糖尿病と高血圧予防|食事のポイント 糖尿病と高血圧を予防するためには「食べ方」も大切です。食事する際は以下のポイントに注意してください。 <糖尿病と高血圧予防|食事のポイント1>野菜類から食べる 野菜類から先に食べることで食後の血糖値の上昇が緩やかになります。また、野菜や豆類などで少しお腹をふくらませておくと、肉類やご飯の量を減らすこともできます。ですので、食事をする際は、野菜類から食べるようにしてください。 <糖尿病と高血圧予防|食事のポイント2>ゆっくり食べる 早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。 <糖尿病と高血圧予防|食事のポイント3>規則正しく3食を食べる 1日に2食や、間隔の空き過ぎた食事の取り方はよくありません。食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、規則正しく「3食」を食べることを心掛けてください。 <糖尿病と高血圧予防|食事のポイント4>腹八分目 慢性的な食べすぎは、余分なブドウ糖をつくり、糖尿病を発症させる最大の原因となります。いつもお腹いっぱいに食べないと満足できない人は、注意が必要です。とくに脂肪分の多い肉類の食べすぎは、カロリーの取りすぎにつながりやすいので、量を控えてください。   【糖尿病と高血圧予防】運動 運動をすることで、ブドウ糖や脂肪酸の利用が促進され、インスリンに頼らずに糖分が細胞や筋肉の中に吸収されるようになり、血糖値の低下が期待できます。また、長期的には、インスリン抵抗性を改善させ、血中のブドウ糖の量を良好にコントロールできるようにすることが期待されます。なお、おすすめの運動は「有酸素運動」と「レジスタンス運動」です。それぞれの運動については下記をご覧ください。 <糖尿病と高血圧予防|おすすめの運動1>有酸素運動 有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに、酸素を使う運動のことです。ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。 <糖尿病と高血圧予防|おすすめの運動2>レジスタンス運動 レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動です。スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操など、標的とする筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います(レジスタンス(Resistance)は和訳で「抵抗」を意味します)。レジスタンス運動は、筋肉量増加・筋力向上・筋持久力向上を促す筋力トレーニングとして高齢者からアスリートまで広く行われています。   糖尿病と高血圧予防|運動の頻度について 運動の頻度は「できれば毎日」少なくとも週に3~5回行うのが良いといわれています。しかし、普段から運動に親しんでいない方(または高齢の方)などでは、急激な運動はかえって体の負担となり、思いがけない事故を引き起こしてしまうこともあります。ですので、無理のない範囲で行なってください。運動は定期的に長く続けられることが秘訣です。自然の中で風景を堪能しながらの「ウォーキング」や楽しく続けられる「スポーツ」など、自分にあった運動の方法を探してみてくださいね。 当日の順番予約はこちらから

2022.10.05