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インフルエンザの種類(A型 B型 C型 D型)とその違いについて
2024.02.25
この記事では、「インフルエンザの種類」を紹介していきます。後半部分では、「インフルエンザの予防と対策」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
インフルエンザウイルスのタイプ(種類)と特徴
インフルエンザA型の特徴や流行パターン
インフルエンザB型の特徴や症状について
インフルエンザC型の特徴や症状
インフルエンザD型の特徴や症状
インフルエンザの予防と対策
インフルエンザの診断
インフルエンザの治療法
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザウイルスのタイプ(種類)と特徴
インフルエンザは、鼻や口から侵入した「インフルエンザウイルス」が肺や気道で感染・増殖することで引き起こされる疾患です。ひと口に「インフルエンザウイルス」と言ってもウイルスの型によって流行時期や症状が異なります。したがって、インフルエンザの検査をする際は、ウイルスの型も特定します。なお、現在、インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型、D型の4種類があります。この中でヒトに感染するインフルエンザウイルスは、A型、B型、C型の3種類です。D型に関しては、ヒトに感染することはなく、家畜にのみ感染します。
インフルエンザA型の特徴や流行パターン
インフルエンザA型は、他の型に比べて症状が強く現れる傾向があります。具体的には、A型インフルエンザウイルスに感染後は、1〜3日の潜伏期間を経た後に、悪寒、のどの痛み、頭痛、筋肉痛、せき、鼻水、38度前後の高熱などの症状が急激に現れます。特に免疫力の低下している高齢者や小児、心疾患や呼吸器疾患を持っている場合は、「肺炎」や「脳症」などの合併症を併発する可能性が高く、重症化するケースもあるため注意が必要です。したがって、インフルエンザA型は、早い段階で自分がインフルエンザウイルスに感染していることに気づき、適切な対処をすることが重要です。例年、インフルエンザA型は12~3月頃に流行しますので、ご注意ください。なお、A型インフルエンザウイルスは、ウイルス表面のタンパク質である「ヘマグルチニン」と「ノイラミニダーゼ」の組み合わせにより、さらに亜型に分類されます。そのため、A型インフルエンザウイルスは144種類の型(亜型)に分けられます。現在、ヒトに感染するA型インフルエンザウイルスは、インフルエンザA(H1N1)とA(H3N2) の2種類です。これらのウイルスは、さらにそれぞれの中で毎年のように小さい変異を経て、進化し続けています。インフルエンザA型について詳しく知りたい方は「インフルエンザA型の特徴や症状、薬について」をご覧ください。
インフルエンザB型の特徴や症状について
インフルエンザB型の一般的な症状には、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、のどの痛み、鼻汁、咳などが挙げられます。これらの症状は通常、風邪よりも重度ですが、多くの場合は1週間ほどで改善する傾向があります。ただし、高齢者や乳幼児などでは重症化して、肺炎、気管支炎、中耳炎などの合併症を引き起こすことがあります。そのため、「自分がインフルエンザに感染している可能性がある」と感じた場合は、早めに医療機関を受診し、適切な対処をすることが重要です。例年、インフルエンザA型が12~3月頃に流行し、後を追うように2月頃から春先にかけて、インフルエンザB型が流行しますので、ご注意ください。なお、B型インフルエンザウイルスは、「山形型」と「ビクトリア型」の2つのタイプに分類されます。B型インフルエンザウイルスはA型とは異なり、毎年、突然変異を起こす可能性は低いため、何度も感染することは少ないとされています。しかしながら、稀に「インフルエンザに2回かかる」という状況が報告されます。これはインフルエンザA型とB型の両方に感染したためと考えられます。インフルエンザB型について詳しく知りたい方は「インフルエンザB型の特徴や症状、薬について」をご覧ください。
インフルエンザC型の特徴や症状
インフルエンザC型の症状は主に発熱、咳、鼻水とされています。一般的には、A型やB型よりも症状が軽い傾向にあります。ただし、ヒトによっては38度の高熱が出ることもあります。また、約1割の方には吐き気や下痢、嘔吐、発疹が見られることがあります。インフルエンザC型は、検査できる医療機関が少なく、通常のウイルス性の風邪と診断されることもあるため、実際にかかったとしても気付かないまま過ごしてしまう可能性があります。そのため、ほとんどの方は「6歳までに感染している」と言われております(年齢に関係なく感染する可能性はありますので、ご注意ください)。例年、インフルエンザC型は1月~6月が流行期となります。したがって、インフルエンザA型やインフルエンザB型とは時期がずれる傾向にあるうえ、流行時期がA型やB型よりも長いため、長期間の予防が必要になります。なお、インフルエンザC型は、一度感染すると免疫がつき、ほぼ一生かからないと言われております。インフルエンザC型について詳しく知りたい方は「インフルエンザC型とは - 特徴や症状について」をご覧ください。
インフルエンザD型の特徴や症状
D型インフルエンザウイルスは、ウシをはじめとする家畜にのみ感染します。したがって、ヒトに感染して病気を引き起こすことは知られていません。なお、D型インフルエンザウイルスは、最初に発見された米国をはじめとして、中国、フランス、イタリア、日本、アフリカ諸国など世界中の家畜から発見されております。また、D型インフルエンザウイルスは、ウシの呼吸器病症候群を引き起こす原因ウイルスの一つであることが明らかとなっております。
インフルエンザの予防と対策
インフルエンザウイルスへの感染を予防するためには、手洗い・消毒などの基本的な感染対策を徹底することが重要です。以下、インフルエンザウイルスの感染を防ぐためのポイントになります。
【インフルエンザの予防と対策1】マスクを着用する
マスクによるインフルエンザ予防は、効果が薄いことが示されています。ただし、全く効果がないわけではありません。近くにいる誰かが「くしゃみ」や「咳」をしたときには、マスクによって飛沫感染を防ぐことができます。また、「くしゃみ」や「咳」が出る人が周囲にウイルスを拡散しないためにもマスクは有効です。したがって、人混みに出る場合などにはマスクの着用をお勧めします。
【インフルエンザの予防と対策2】人混みに出ない
インフルエンザが流行している時期は、不要な外出は避けたほうが安心です。「ショッピングセンター」や「繁華街」などの人混みでインフルエンザに感染することも多いため、インフルエンザが流行している時期は、ご注意ください。なお、やむを得ず外出する場合は、なるべく短時間で済ませることをお勧めします。
【インフルエンザの予防と対策3】適度な湿度を保つ
空気が乾燥すると、のどの粘膜の“防御機能”が低下します。したがって、乾燥しやすい室内では加湿器の使用をお勧めします。免疫効果を正常に作用させるためには50~60%程度の湿度が必要になりますので、加湿器などで“室内の湿度”を適切に維持するよう心掛けてください。
【インフルエンザの予防と対策4】インフルエンザ予防接種
インフルエンザの重症化を予防するためにも「インフルエンザ予防接種」を推奨します。インフルエンザ予防接種は、インフルエンザの重症化を防ぐ効果があります。インフルエンザは悪化すると、気管支炎や肺炎、脳症などの重篤な合併症を引き起こす恐れがありますので、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします(インフルエンザ予防接種をしてもインフルエンザにかかる場合があります)。「日本呼吸器学会」や「厚生労働省」でも同様の見解を述べております。
【インフルエンザの予防と対策5】毎日の食事で免疫力を高める
インフルエンザウイルスの感染を防ぐためには、毎日の食事で免疫力を高めて、「インフルエンザにかからない体づくり」をすることも大切です。具体的には、免疫システムに欠かせない「ビタミンC」と体のエネルギー産生に必要な「ビタミンB1群」、鼻やのどの粘膜を強化する働きのある「ビタミンB2」「ビタミンB6」を多くとることがポイントになります。なお、免疫力を高めるためには1日3食、規則正しく食べることも大切です。免疫力を高めるためにも、栄養バランスのとれた食事と良好な生活習慣を心掛けてください。
【インフルエンザの予防と対策6】手洗い・手の消毒
手についたウイルスが口や鼻に入るというのが、インフルエンザウイルスの感染経路としてとても多いケースです。したがって、インフルエンザの予防として最もお勧めなのは、手洗い・手の消毒になります。手洗い・手の消毒をこまめに行えばウイルスを撃退し、インフルエンザウイルスの感染を防ぐことができますので、小まめに手洗い・手の消毒を行ってください。
【インフルエンザの予防と対策7】うがい
うがいは、のどに付着したウイルスの数を減らしたり、洗い流したりするために有効と言われています。口の中をきれいに保てば、口からうつる「インフルエンザ」や「風邪」などの感染症を防ぐことができますので、外出先から戻ったら「うがい」を行ってください。
インフルエンザの診断
インフルエンザには、診断基準(インフルエンザ診断マニュアル)が設けられております。インフルエンザの診断基準では、インフルエンザの流行期間中(11~4月)に以下の4つの項目をすべて満たす場合、インフルエンザと診断されます。
・突然の発症
・高熱
・上気道炎症状
・全身倦怠感等の全身症状
近年、インフルエンザの流行期間以外でも「インフルエンザ」を発症することがあったり、症状が軽度だったりするケースも多いです。したがって現在は、検査によって診断確定を行うのが一般的です。インフルエンザの検査には、次の4種類があります。
<迅速診断キットを使用した検査>
迅速診断キットによる検査は、綿棒でのどや鼻の奥の粘膜をこすり、そこについた組織や分泌物からウイルスを検出する検査です。迅速診断キットによる検査は、短時間(10分~15分)で簡便に診断できるだけでなく、A型とB型の鑑別も可能です。したがって現在、最も主流となっている検査になります。
<PCR検査>
PCR検査は、のどや鼻の奥を拭い採取した液を検体とし、インフルエンザウイルスの遺伝子を検出する検査です。PCR検査では、ウイルスの型や構造を詳細に調べることができます。そのため、「新型ウイルスであるかどうか」を判定することが可能です。
<ウイルス分離検査>
ウイルス分離検査は、のどや鼻の奥を拭って採取した液からウイルスを分離して判定する検査です。ウイルス分離検査は、結果が出るまでに「1週間程度」かかりますが、ウイルスの種類などまで詳しく分かります。したがって、非常に優れた検査と言われております。
<血清抗体検査>
血清抗体検査は、インフルエンザの発症後1週間以内と、症状が治まった頃にもう1回の計2回、採血を行って「インフルエンザウイルスに対する抗体ができているか」を調べます。ただし、結果が得られるまでに通常2週間程度かかるため、現在では、あまり行われていません。
インフルエンザの治療法
インフルエンザの治療では、抗インフルエンザ薬を用いた「薬物療法」のほか、症状を緩和するための「対症療法」が行われます。
<抗インフルエンザ薬を用いた薬物療法>
抗インフルエンザ薬は、インフルエンザウイルスの増殖を抑制し、症状の軽減や回復を促進します。ただし、抗インフルエンザ薬は、症状が出てから2日以内に投与を開始する必要があるため、診断が遅れると効果が薄れることがあります。なお、残念ながらインフルエンザの治療薬として使用される「抗インフルエンザ薬」は、市販薬では販売されていません。そして、市販の風邪薬はインフルエンザを完治させるほどの効果は期待できません。したがって、インフルエンザが疑われる場合は医療機関を受診してください。抗インフルエンザ薬について詳しく知りたい方は「インフルエンザ治療薬の種類や効果、副作用について」をご覧ください。
<対症療法>
対症療法とは、直接の原因を治すのではなく、今みられる症状に対して一時的に症状を和らげる治療法です。例えば、高熱の場合は解熱鎮痛薬を使用し、黄色い痰など細菌の二次感染が疑われる場合には、抗生物質を使用します(抗生物質はウイルス感染に対して効果がないことに留意する必要があります)。なお、水分補給や栄養摂取が困難な場合には、点滴による補液が必要となる場合があります。
インフルエンザの治療は、ウイルスの型だけでなく、年齢、全身状態などの症状や状況に応じて、医師の判断のもと選択していきます。
当院では予約なしでインフルエンザ予防接種が可能です
インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし、「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。なお、当院では、予約なしでインフルエンザ予防接種を実施しております。現在、診察時間内であれば当日の接種も可能ですので、突然の接種希望にも柔軟に対応できます。インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
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