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インフルエンザに感染してしまう原因について

2024.04.11

この記事では「インフルエンザの原因」について解説していきます。前半部分では「インフルエンザの感染経路」について解説しておりますので、ぜひご覧ください。

【目次】
インフルエンザとは
インフルエンザウイルスの種類
インフルエンザの感染経路
なぜインフルエンザに感染するのか
季節性インフルエンザの原因
新型インフルエンザがパンデミックになる原因
インフルエンザの原因については板谷内科クリニックに相談ください

 

インフルエンザとは

インフルエンザとは

インフルエンザは、鼻や口から侵入した「インフルエンザウイルス」が肺や気道で感染・増殖することで引き起こされる疾患です。感染してから約1~3日間程度の潜伏期間の後に38℃以上の高熱、関節痛、頭痛、全身倦怠感などが突然あらわれます。以下、インフルエンザの主な症状です。

・発熱
・全身倦怠感
・喉の痛み
・悪寒
・関節痛・筋肉痛
・頭痛
・食欲不振 
・吐き気
・下痢
・咳・痰
・鼻水

通常の風邪と比較して、インフルエンザは「高熱」と「全身症状」が特徴です。インフルエンザの症状について詳しく知りたい方は「インフルエンザかな?症状がある方へ」をご覧ください。

 

インフルエンザウイルスの種類

現在、インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型、D型の4種類があります。この中でヒトに感染するインフルエンザウイルスは、A型、B型、C型の3種類になります。D型に関しては、ヒトに感染することはなく、家畜にのみ感染します。順番にご説明していきます。

<インフルエンザA型>

インフルエンザA型は、他の型に比べて症状が強く現れる傾向があります。具体的には、A型インフルエンザウイルスに感染後は、1〜3日の潜伏期間を経た後に、悪寒、のどの痛み、頭痛、筋肉痛、せき、鼻水、38度前後の高熱などの症状が急激に現れます。特に免疫力の低下している高齢者や小児、心疾患や呼吸器疾患を持っている場合は、「肺炎」や「脳症」などの合併症を併発する可能性が高く、重症化するケースもあるため注意が必要です。したがって、インフルエンザA型は、早い段階で自分がインフルエンザウイルスに感染していることに気づき、適切な対処をすることが重要です。例年、インフルエンザA型は12~3月頃に流行しますので、ご注意ください。なお、A型インフルエンザウイルスは、ウイルス表面のタンパク質である「ヘマグルチニン」と「ノイラミニダーゼ」の組み合わせにより、さらに亜型に分類されます。そのため、A型インフルエンザウイルスは144種類の型(亜型)に分けられます。現在、ヒトに感染するA型インフルエンザウイルスは、インフルエンザA(H1N1)とA(H3N2) の2種類です。これらのウイルスは、さらにそれぞれの中で毎年のように小さい変異を経て、進化し続けています。インフルエンザA型について詳しく知りたい方は「インフルエンザA型の特徴や症状、薬について」や「国立感染症研究所のホームページ」をご覧ください。

<インフルエンザB型>

インフルエンザB型の一般的な症状には、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、のどの痛み、鼻汁、咳などが挙げられます。これらの症状は通常、風邪よりも重度ですが、多くの場合は1週間ほどで改善する傾向があります。ただし、高齢者や乳幼児などでは重症化して、肺炎、気管支炎、中耳炎などの合併症を引き起こすことがあります。そのため、「自分がインフルエンザに感染している可能性がある」と感じた場合は、早めに医療機関を受診し、適切な対処をすることが重要です。例年、インフルエンザA型が12~3月頃に流行し、後を追うように2月頃から春先にかけて、インフルエンザB型が流行しますので、ご注意ください。なお、B型インフルエンザウイルスは、「山形型」と「ビクトリア型」の2つのタイプに分類されます。B型インフルエンザウイルスはA型とは異なり、毎年、突然変異を起こす可能性は低いため、何度も感染することは少ないとされています。しかしながら、稀に「インフルエンザに2回かかる」という状況が報告されます。これはインフルエンザA型とB型の両方に感染したためと考えられます。インフルエンザB型について詳しく知りたい方は「インフルエンザB型の特徴や症状、薬について」をご覧ください。

<インフルエンザC型>

インフルエンザC型の症状は主に発熱、咳、鼻水とされています。一般的には、A型やB型よりも症状が軽い傾向にあります。ただし、ヒトによっては38度の高熱が出ることもあります。また、約1割の方には吐き気や下痢、嘔吐、発疹が見られることがあります。インフルエンザC型は、検査できる医療機関が少なく、通常のウイルス性の風邪と診断されることもあるため、実際にかかったとしても気付かないまま過ごしてしまう可能性があります。そのため、ほとんどの方は「6歳までに感染している」と言われています(年齢に関係なく感染する可能性はありますので、ご注意ください)。例年、インフルエンザC型は1月~6月が流行期となります。したがって、インフルエンザA型やインフルエンザB型とは時期がずれる傾向にある上、流行時期がA型やB型よりも長いため、長期間の予防が必要になります。なお、インフルエンザC型に一度感染すると免疫がつき、ほぼ一生かかることはないと言われています。インフルエンザC型について詳しく知りたい方は「インフルエンザC型とは - 特徴や症状について」をご覧ください。

<インフルエンザD型>

D型インフルエンザウイルスは、ウシをはじめとする家畜にのみ感染します。したがって、ヒトに感染して病気を引き起こすことは知られていません。なお、D型インフルエンザウイルスは、最初に発見された米国をはじめとして、中国、フランス、イタリア、日本、アフリカ諸国など世界中の家畜から発見されております。また、D型インフルエンザウイルスは、ウシの呼吸器病症候群を引き起こす原因ウイルスの一つであることが明らかとなっております。D型インフルエンザウイルスについて詳しく知りたい方は「厚生労働省のサイト」や「国立感染症研究所のホームページ」をご覧ください。

 

インフルエンザの感染経路

インフルエンザの感染経路

インフルエンザの感染経路は、主に2つあります。

<接触感染>

接触感染とは、感染者から出る病原体を含む体液に触れた後、目や鼻などの粘膜を触ることで病原体が体内に侵入する感染経路のことです。例えば、感染者が鼻水を拭くティッシュや咳をした手で触れたドアノブなどに触れた後に、その手で自分の目や鼻を触ることで病原体が体内に入ります。

<飛沫感染>

飛沫感染とは、病原体を含んだ大きな粒子(5ミクロンより大きい飛沫)が飛散し、他の人の鼻や口の粘膜、あるいは結膜に接触することにより、病原体が体内に侵入する感染経路のことです。

 

なぜインフルエンザに感染するのか

なぜインフルエンザに感染するのか

インフルエンザウイルスに感染する主な理由は、上述した通り「接触感染」と「飛沫感染」です。接触感染では、感染者の手が触れた「ドアノブ」や「共有物品」などにウイルスが付着し、他のヒトがそれに触れることで感染します。一方、飛沫感染は、感染者が咳やくしゃみをすることでウイルスが空気中に放出され、近くのヒトがそれらの微小な飛沫を吸い込むことで感染します。特に、密閉された空間や人が密集する場所では、ウイルスが広がりやすいため注意が必要です。なお、インフルエンザでは、空気感染による感染も否定できません。空気感染とは、飛沫の水分が蒸発して乾燥し、さらに小さな粒子である飛沫核となって空気中を漂い、離れた場所にいるヒトがこれを吸い込むことによって病原体が体内に侵入する感染経路のことです。

 

季節性インフルエンザの原因

季節性インフルエンザの原因

季節性インフルエンザの原因となるインフルエンザウイルスは、主にA型とB型です。A型とB型のウイルスが感染者の「咳」や「くしゃみなど」の呼吸器分泌物を介して、空気中に放出され、他のヒトが吸い込むことで感染が広がります。特に、密閉された空間ではウイルスが長時間空中に滞在しやすいため、感染リスクが高まります。また、冬季はインフルエンザ感染が特に増える傾向があります。寒冷な気候下では、人々が室内に集まることが増えるため、密閉された空間でのウイルスの拡散が容易になります。また、寒冷な気候は人々の免疫機能を低下させる可能性がありますので、ウイルスに感染しやすくなる要因となります。さらに、冬季は空気が乾燥しているため、ウイルスが空中を漂う時間が長くなります。したがって、冬季は夏季と比べて「飛沫感染」が起こりやすい状態と言えます。

 

新型インフルエンザがパンデミックになる原因

もし新型インフルエンザが発生した場合、そのウイルスに対する免疫が存在しないため、急速かつ広範囲に感染が広がると考えられています。また、人口の増加や都市部への人口集中、高速交通機関(飛行機)の普及などが、短期間に世界中にウイルスを広げる要因となり得ます。これらの理由から、新型インフルエンザはパンデミックに至りやすいとされています。

 

インフルエンザの原因については板谷内科クリニックに相談ください

インフルエンザの原因については板谷内科クリニックに相談ください

インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし、「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。なお、当院では、予約なしでインフルエンザ予防接種を実施しております。インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご連絡ください。また、インフルエンザの原因についてご相談したい方、あるいは自分がインフルエンザなのか気になる方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。