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【医師監修】糖尿病とがんの意外な関係性について
2025.02.04
この記事では「糖尿病とがんの関係性」について解説していきます。後半部分では「糖尿病患者さんが注意すべきがんの症状」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
糖尿病とがんの意外な関係性
なぜ糖尿病患者さんはがんになりやすいのか?
糖尿病患者さんが注意すべきがんの症状
がん予防のための糖尿病管理
糖尿病患者さんのがん治療
がんと診断された糖尿病患者さんの生活管理
糖尿病とがんは早期発見と治療が重要です
糖尿病とがんの意外な関係性
糖尿病とがんは、一見すると全く別の病気のように思えます。しかし実際には、両者に密接な関係があることが近年の研究で明らかになっています。日本糖尿病学会と日本癌学会が合同で設立した委員会の報告では、糖尿病患者さんは非糖尿病者と比較して、がんになるリスクが約1.2倍高いことが示されています。また、日本での研究結果によれば、糖尿病は男性において、胃がんのリスクを1.23倍、大腸がんを1.36倍、肝臓がんを2.24倍、膵臓がんを1.85倍、腎臓がんを1.92倍上昇させることが分かっています。そして女性においても、胃がんのリスクが1.61倍、肝臓がんが1.94倍上昇するという結果が得られています。さらに、国内外の多くの研究をまとめた解析では、これらのがん以外にも、乳がんが1.20倍、子宮体がんが2.10倍、膀胱がんが1.24倍のリスク上昇と関連があることが報告されています。なお、糖尿病患者さんが「がん」になった場合、非糖尿病者と比較して、生存に関する予後が悪いことも示されています。したがって、糖尿病は生命に関わる深刻な疾患であるといえます。糖尿病の適切な管理が、がんリスクの低減にも寄与する可能性があることから、両疾患を統合的に捉えたアプローチが今後の医療において重要です。
なぜ糖尿病患者さんはがんになりやすいのか?
糖尿病の既往があると、がんにかかりやすくなる理由は、現在でも完全には解明されていません。また、がんの種類によっても、その理由は様々であると考えられています。しかし、主要な要因の一つとして注目されているのは、糖尿病に伴う体内の変化です。具体的には、膵臓から分泌されるインスリンの作用が不足すると、それを補うために高インスリン血症やIGF-I(インスリン様成長因子1)の増加が生じます。これらの変化が、肝臓や膵臓などの臓器における腫瘍細胞の増殖を刺激し、がん化に関与すると考えられています。さらに、肥満や運動不足も高インスリン血症を引き起こし、これらの要因と関連が深いがんでは、同様のメカニズムが働く可能性があります。次に、糖尿病患者さんに特徴的な高血糖状態は、体内の酸化ストレスを増加させます。これにより、細胞のDNAが損傷され、遺伝子変異が引き起こされる可能性があります。この遺伝子変異の蓄積が、がん発症のリスクを高める一因となっています。また、慢性炎症も糖尿病患者さんのがんリスク上昇に関与していると考えられています。さらに、肝炎ウイルスやピロリ菌感染がインスリン分泌に影響を与え、慢性肝炎や肝硬変が糖尿病状態を引き起こし、肝がんのリスクを上昇させる可能性も指摘されています。これらの複雑な要因が相互に作用し合うことで、糖尿病患者さんのがんリスクが上昇していると考えられますが、その詳細なメカニズムについては、さらなる研究が必要です。糖尿病とがんの関連性の解明は、両疾患の予防と治療戦略の改善に大きく貢献する可能性があるため、今後の研究の進展が期待されています。
糖尿病患者さんが注意すべきがんの症状
がんの早期発見は治療の成功率を高めるため、次のような症状に気をつけることが重要です。まず、急激な体重減少は糖尿病患者さんにとって重要な警告サインとなります。通常、糖尿病の治療により体重は安定するか、緩やかに減少していく傾向がありますが、意図せず短期間で著しい体重減少が見られる場合は、がんの可能性を考慮する必要があります。特に、食事療法や運動療法に変更がないにもかかわらず急激な体重減少が起こる場合は要注意です。次に、説明のつかない血糖コントロールの悪化も重要なサインです。これまで安定していた血糖値が突然乱れ始めたり、インスリンや経口薬の効果が急に弱まったりする場合、がんの存在が疑われることがあります(がんによるストレスや代謝の変化が血糖値に影響を与えるためです)。さらに、がん特有の症状にも注意が必要です。例えば、持続する咳や痰、血痰(肺がん)、便通の変化や血便(大腸がん)、黄疸や右上腹部の痛み(膵臓がん、胆道がん)、排尿時の痛みや血尿(膀胱がん、前立腺がん)などが挙げられます。また、原因不明の発熱、倦怠感、食欲不振が続く場合も要警戒です。これらの症状は必ずしもがんを意味するわけではありませんが、糖尿病患者さんは通常よりも注意深く自分の体調変化を観察し、気になる症状があれば速やかに医療機関を受診することが大切です。
がん予防のための糖尿病管理
糖尿病患者さんにおけるがん予防は、適切な糖尿病管理と健康的な生活習慣の維持が鍵となります。以下に、どのような取り組みが効果的かについて解説していきます。
<生活習慣の改善(食事、運動、禁煙)>
糖尿病とがんの予防には、生活習慣の改善が非常に重要です。まず食事面では、バランスの取れた食生活を心がけることが大切です。特に、野菜や果物、全粒穀物など食物繊維を多く含む食品を積極的に摂取し、加工肉や精製糖の摂取を控えることが推奨されます。これにより血糖値が安定し、がんリスクの低減にもつながります。次に運動面では、適度な有酸素運動を定期的に行うことが推奨されます。週に150分程度の中強度の運動、または75分の高強度の運動を目標にしてください。運動は血糖コントロールを改善し、体重管理に役立つだけでなく、肥満関連のがんリスクを低減させる効果があります。なお、喫煙は糖尿病の合併症リスクを高めるだけでなく、多くのがんの主要な危険因子でもあります。禁煙することで、両疾患のリスクを大幅に減らすことができるため、早期の禁煙を強く推奨します。
<適切な血糖コントロールの重要性>
血糖値を適切に管理するためには、医師の指示に従った薬物療法や自己血糖測定を定期的に実施することが不可欠です。目標として、HbA1c値を7%未満に保つよう心がけ、必要に応じて治療法の調整を行ってください。インスリン抵抗性の改善は、特に肥満関連のがんリスク低減に効果的です。なお、適切な血糖コントロールは、糖尿病の合併症予防だけでなく、がん予防の面でも重要な役割を果たします。慢性的な高血糖状態は、体内で炎症を引き起こし、細胞の異常増殖を促進することで、がん発生のリスクを高めるため、十分な注意が必要です。
<定期的ながん検診の必要性>
糖尿病患者さんは、一般的にがんリスクが高いとされているため、定期的ながん検診が非常に重要です。特に膵臓がん、大腸がん、肝臓がん、乳がんなどは糖尿病との関連性が指摘されています。そのため、年齢や性別、家族歴などのリスク要因に応じた検診を定期的に受けることが推奨されます。例えば、50歳以上の方は大腸がん検診を、喫煙歴のある方は肺がん検診も考慮すべきです。
定期的ながん検診は、早期発見・早期治療の可能性を高め、がんの予後を大きく改善します。したがって、糖尿病の定期検診に加えて、がん検診も計画的に受けることが推奨されます。がんに対する不安や疑問がある場合は、担当医と相談して検診計画を立ててください。
糖尿病患者さんのがん治療
がん治療には、手術療法、薬物療法、放射線療法などがあり、糖尿病がある方の場合は、がん治療と同時に血糖コントロールを行うことが重要です。以下に、糖尿病のある方が各治療を受ける際に気をつけるべき点を説明します。
手術療法
手術を行う際、血糖値が高すぎると手術後の傷が治りにくく、細菌感染しやすくなります。そのため、事前に血糖値を整える治療が必要です。具体的には、インスリン治療を新たに開始したり、既存の治療を調整したりすることがあります。さらに、手術前の血糖コントロール目標としては、尿ケトン体陰性、空腹時血糖値110~140mg/dL、または食後血糖値160~200mg/dL程度が推奨されます。また、手術中には、点滴による糖分補給とインスリン投与で血糖管理を行います。しかし手術後、特に消化管、膵臓、肝臓の手術では、食事摂取量や臓器機能の変化により血糖コントロールが難しくなることがあります。したがって、食事内容や回数、薬の種類や量を適切に調整する必要があります。
<手術で入院するとき>
手術中に食事がとれない期間には、糖分を多く含む点滴が行われることがあります。これは、点滴からの糖分が口から摂取する場合と比べて血糖値が上がりやすいことが知られているためです。そのため、血糖値をコントロールするために、インスリンを皮下または静脈内に投与することがあります。
<自宅の療養で気をつけること>
手術後に糖尿病の専門的な調整が必要になるのは、特に消化管、膵臓、肝臓の手術の場合です。まず、消化管の手術では、一度に食べられる量が少なくなるため、食事に加えて間食で栄養を補うことが重要です。また、膵臓を切除した場合には、その機能を補うために、これまで注射薬を使用していなかった方でもインスリン治療が必要になることがあります。さらに、肝臓を切除すると、食後の肝臓への糖の取り込みが減少し、その結果、食後血糖が高くなることがあります。このように、食事回数や食事内容によって血糖値のコントロールが変化することが予測されますので、糖尿病の薬を使用している方は、主治医にインスリンや飲み薬の量や飲み方について確認しておいてください。加えて、体調によっては食事が普段どおりに摂れない場合もあるかもしれません。このような状況でいつもと同じインスリンの量を注射したり、飲み薬を飲んだりすると、低血糖になるリスクがあるため、その場合の対応についても主治医に確認しておくことが大切です。
薬物療法
抗がん剤治療では、吐き気・嘔吐、発熱、口内炎、味覚変化、便秘、下痢などの副作用が出ることがあります。これらの症状によって食事摂取が困難になると、通常の糖尿病薬の服用で低血糖のリスクが高まります。一方で、症状を和らげるために摂取する食品が糖質の多いものであれば、血糖値が上昇することもあるため、注意が必要です。また、治療の一環としてステロイドを使用する場合があります。ステロイドは血糖値を上昇させる作用があるため、一時的にインスリン治療が必要になったり、既存のインスリン量を増やしたりする必要が生じることがあります。したがって、症状や血糖値の変動に応じて糖尿病治療薬の調整が必要となるため、がん治療と糖尿病治療の両方の主治医と相談しながら進めていくことが重要です。
放射線療法
放射線治療では、全身的な副作用として倦怠感や食欲不振が現れることがあります。また、放射線の照射部位に応じて皮膚炎、口内炎、腸炎などの局所的な副作用が生じる可能性もあります。これらの副作用により食事摂取が困難になると、通常の糖尿病薬の使用で低血糖のリスクが高まります。さらに、高血糖状態で皮膚のトラブルがあると感染のリスクが高まるため、適切な血糖コントロールが重要です。なお、食事摂取量の変化や皮膚のトラブルなど、体調の変化があった場合には速やかに主治医や看護師に相談し、必要に応じて糖尿病治療薬の調整を行うことが大切です。
いずれの治療法においても、糖尿病とがんの両方の専門家と連携しながら、症状や血糖値の変動に応じて適切に治療を調整していくことが、合併症のリスクを低減し、より良い治療成果につながります。
がんと診断された糖尿病患者さんの生活管理
がんと診断された糖尿病患者さんにとって、適切な生活管理は治療効果を高め、生活の質を維持する上で非常に重要です。健康的な食事、適度な運動、適正体重の維持、禁煙、節酒といった基本的な生活習慣の改善は、がんの予防だけでなく、治療中の患者さんの全身状態の改善にも大きく寄与します。そのため、普段から基本的な生活習慣の改善を意識することが大切です。なお、食事療法については、がん治療の影響で食欲不振や嚥下困難などの症状が現れることがあるため、個々の状況に応じた調整が必要です。栄養バランスを保ちつつ、血糖値の急激な上昇を避けるために、複数回の少量摂取や食物繊維を多く含む食品の摂取を心がけてください。また、運動療法に関しては、がんの種類や進行度、治療内容によって適切な運動量や種類が異なるため、過度な運動は避けるべきです。まずは体調に合わせて軽い散歩やストレッチから始めてください。さらに、メンタルヘルスケアも非常に重要です。がんと糖尿病の両方の診断を受けることで、患者さんは大きな不安やストレスを感じる可能性があるため、家族や友人との対話を大切にし、必要に応じて心理カウンセリングを受けることも検討してください。また、同じ境遇の患者さん同士のサポートグループへの参加も、精神的な支えとなることがありますので、ぜひご検討ください。なお、がんと診断された糖尿病患者さんは、定期的な血糖測定と主治医への報告を忘れずに行い、がん治療と糖尿病管理のバランスを取ることが重要です。個々の状況に応じた適切な生活管理を行うことで、より良い治療成果と生活の質の向上を目指してください。
糖尿病とがんは早期発見と治療が重要です
糖尿病とがんは体全体に影響を与える疾患であるため、総合的な健康管理が必要です。栄養バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠など、ライフスタイル全般を見直すことで、両疾患の進行を抑え、健康を維持することができます。特に糖尿病の場合、血糖値の管理が直接的に体の他の部分にも影響を与えるため、継続的なモニタリングが重要です。また、糖尿病患者さんはがんの発症リスクが高まるとされており、特に肝臓や膵臓などの臓器でのリスクが指摘されています。このため、これらの疾患を適切に管理するためには、定期的な健康チェックが欠かせません。血糖値の管理だけでなく、がん検診も同時に行うことで、早期に異常を発見できる可能性が高まりますので、定期的に医療機関を受診してください。なお、当院では、患者さん一人ひとりの状態に合わせた総合的な治療を提供しています。糖尿病の初期段階から進行した症例まで幅広く対応しておりますので、糖尿病の症状に心当たりのある方、もしくは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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糖尿病予備群(境界型糖尿病)の症状や対策について解説
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
厚生労働省が発表した平成28年「国民健康・栄養調査」の結果では、糖尿病が強く疑われる者(糖尿病有病者)、糖尿病の可能性を否定できない者(糖尿病予備群)はいずれも約1,000万人(合わせて約2,000万人)と推計されています。
この記事では、糖尿病の可能性を否定できない者「糖尿病予備群」について解説していきます。
後半部分では「糖尿病予備群にならないための予防法」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
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【目次】
糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは
糖尿病予備群の主な症状
糖尿病予備群と診断された方へ
糖尿病予備群にならないための予防法
【糖尿病予備群にならないための予防法1】運動
【糖尿病予備群にならないための予防法2】食生活の見直し
【糖尿病予備群にならないための予防法3】禁煙
糖尿病予備群の疑いがある方、医師の診断を受けたい方へ
糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは
糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは、糖尿病と診断されるほどの高血糖ではないものの、血糖値が正常より高い状態にあることを指します。
「HbA1c 6.5%未満」「空腹時血糖が110 mg/dl以上126 mg/dl未満」「75g経口ブドウ糖負荷試験2時間の血糖値が140 mg/dl以上200 mg/dl未満」のいずれかを満たす人が該当します。
糖尿病予備群の主な症状
糖尿病予備群(境界型糖尿病)では、自覚症状がありません。
しかし体内では、既に血糖値を下げるホルモンである「インスリン」が出にくくなったり、効きづらくなったりする変化が起きています。
また糖尿病に特有の合併症である、網膜症、神経障害、腎機能障害も少しずつ進行するとも言われています。
さらに高血圧や脂質異常症なども併発しやすくなり、全体として、血糖値が正常な状態に比べ、動脈硬化の進行は加速されます。
なお、動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な疾患が引き起こされる危険性が高くなります。
糖尿病予備群と診断された方へ
糖尿病予備群の方は、食事、運動、喫煙、飲酒などの生活習慣を見直し、肥満や高血圧、ストレスなどに対する健康管理に取り組むことで、糖尿病へ進行するリスクを減らすことができます。
ですので、糖尿病予備群と診断された方は、まずは生活習慣の見直しから始めてください。
なお上述した通り、糖尿病予備群でも、既に血糖値を下げるホルモンであるインスリンが出にくくなったり、効きづらくなったりする変化が起きています。
また糖尿病に特有の合併症である、網膜症、神経障害、腎機能障害も少しずつ進行するとも言われています。
ですので、糖尿病予備群と診断された方は、絶対に放置してないでください。
糖尿病予備群にならないための予防法
糖尿病予備群では、生活習慣の改善により「糖尿病の発症のリスク」を減らすことができます。
では、具体的には何をすればいいのでしょうか。順番にご紹介していきます。
【糖尿病予備群にならないための予防法1】運動
糖尿病を予防するためには「運動」が効果的です。運動をすることで、ブドウ糖や脂肪酸の利用が促進。インスリンに頼らずに糖分が細胞や筋肉の中に吸収されるようになり、血糖値の低下が期待できます。
また長期的には、インスリン抵抗性を改善させ、血中のブドウ糖の量を良好にコントロールできるようにすることが期待されます。
ですので、糖尿病予備群と診断された方は、できれば毎日、少なくとも週に3~5回は体を動かしてください。
なお、糖尿病を予防するための運動としては「有酸素運動」と「レジスタンス運動」が推奨されております。
<有酸素運動>
有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに、酸素を使う運動のことです。
ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。
有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。
<レジスタンス運動>
レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動です。
スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操など、標的とする筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います(レジスタンス(Resistance)は和訳で「抵抗」を意味します)。
レジスタンス運動は、筋肉量増加・筋力向上・筋持久力向上を促す筋力トレーニングとして高齢者からアスリートまで広く行われています。
【糖尿病予備群にならないための予防法2】食生活の見直し
糖尿病予防の基本は「食生活を見直すこと」です。
食事は、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考えてさまざまな食品をまんべんなくとることが大切です。
食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、朝食、昼食、夕食の3回ゆっくりよく噛んで、腹八分目で食べるよう心掛けてください。
バランスのとれた栄養を1日の必要量のカロリーでとることで、膵臓の負担は軽くなり、膵臓の能力は回復されます。
なお、食事のポイントについては以下をご覧ください。
<ゆっくり食べる>
早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。
食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。
<野菜類から食べる>
早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。
食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。
<アルコールは適量にする>
アルコールには一時的にはインスリンの働きを改善する効果があります。
しかし長期間飲んでいると逆にインスリンの分泌量が低下することがわかっていますので、アルコールは、ほどほどにしてください。
<腹八分目でストップ>
慢性的な食べすぎは、余分なブドウ糖をつくり、糖尿病を発症させる最大の原因となります。
いつもお腹いっぱいに食べないと満足できない人は、注意が必要です。
とくに脂肪分の多い肉類の食べすぎは、カロリーの取りすぎにつながりやすいので、量を控えてください。
<間食をしない>
間食をすると血糖値の高い状態が続き、インスリンを分泌する膵臓に大きな負担がかかります。
また、その状態のままで次の食事をすると、食後高血糖の原因にもなります。糖尿病を予防するためにも間食はできる限り控えてください。
【糖尿病予備群にならないための予防法3】禁煙
喫煙は交感神経を刺激して血糖を上昇させるだけでなく、体内のインスリンの働きを妨げる作用があります。
そのため、たばこを吸うと「糖尿病にかかりやすくなる」といえます。
日本人を対象とした研究データによると、喫煙者は非喫煙者と比べ糖尿病を発症するリスクが38%高くなると言われています。
ですので、糖尿病予備群の方は喫煙を控えてください。
糖尿病予備群の疑いがある方、医師の診断を受けたい方へ
糖尿病予備群の方は、自覚症状がありません。
そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。
健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。
糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
また糖尿病予備群の方の“適切な対策”を知りたい方も、いつでもご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2023.01.21
糖尿病治療法の一つ、インスリン療法を解説
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、糖尿病の代表的な治療法である「インスリン療法」について解説していきます。
後半部分では「インスリン療法のメリット・デメリット」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
インスリンとは何か
インスリン療法とは
インスリン療法のしくみ
インスリン注射を行う前に血糖自己測定
インスリン療法の具体的な手法
インスリン療法のメリット
インスリン療法のデメリット
インスリン注射はほとんど痛くありません
インスリン療法は早期に始めることが効果的です
インスリン療法についてご相談したい方はいつでもご相談下さい
インスリンとは何か
インスリンとは、膵臓から分泌されるホルモンの一種です。
糖の代謝を調節し、血糖値を一定に保つ働きを持っております。
なお、インスリンの働きが悪くなったり分泌される量が少なくなったりすることで、血糖値が高い状態が続いてしまうのが「糖尿病」です。
糖尿病について詳しく知りたい方は「糖尿病情報センター」をご覧ください。
インスリン療法とは
インスリン療法とは、患者さん自身がインスリン製剤を継続的に投与して血糖をコントロールする治療法のことです。
インスリン製剤を投与する方法として、「頻回インスリン注射療法」と「持続皮下インスリン注入療法」があります。
頻回インスリン注射療法は、一般的にペン型の注射器を用いて1日に数回インスリン注射を行う方法です。お腹、太もも、上腕、お尻に注射することが推奨されています(これらの部位を少しずつ、ずらしながら注射します)。
一方、持続皮下インスリン注入療法は、携帯型のインスリンポンプを使用して皮下に留置した挿入した「カニューレ」からインスリンを持続的に注入する方法です。
インスリンの注入量や注入速度を細かく調整できるため、頻回インスリン注射療法で血糖コントロールが困難な人や低血糖を頻発する人、食事や勤務時間が不規則な人、妊娠中あるいは妊娠の予定がある人などに向いています。
なお、インスリン療法については「インスリンとは?特徴・種類・注意点」でも同様のことを伝えています。
インスリン療法のしくみ
インスリンの自己注射を行うのは「1型糖尿病」の方、または「2型糖尿病」のうち内服治療が難しい方です。
不足したインスリンを注射で補うことで、健康な人のインスリン分泌に近づけます。
なおインスリンの自己注射では、効果が長時間持続するインスリン製剤を1日に1,2回と、即効性のあるものを毎食前に打つなどして、この2つの分泌を再現します(どのインスリン製剤を使うか、どのタイミングで注射するかは体格や生活様式などに合わせて調整します)。
インスリン注射を行う前に血糖自己測定
インスリン注射を行う前に、自分で血糖値を測定する「血糖自己測定」を行うことがあります。
なぜなら日々の血糖値を記録することで、血糖コントロールを良好に行えるからです。
また直前に測定することで、「血糖値が低いにも関わらず自己注射を行い、さらに低血糖になる」といったことを防ぐことができます。
血糖自己測定の方法は以下の通りです。
⑴ 血糖測定器、測定用チップ、消毒用アルコール綿、穿刺器、穿刺針、自己管理ノート、針捨て容器を準備し、手を洗ってください。
⑵ 血糖測定器に測定用チップを、穿刺器に針をセットします。
⑶ 指先などを消毒します。そして針を消毒した場所に押し当て、穿刺器のボタンを押して針を刺してください。
⑷ 血液を測定用チップに染み込ませて、血糖値を測定します。
⑸ 残った血液を拭き取り、血糖値を自己管理ノートに記録してください。
インスリン療法の具体的な手法
インスリン注射の具体的な方法は以下の通りです。
⑴ 注入器、製剤カートリッジ、消毒綿など必要な物品を準備します。インスリン製剤が混濁している場合は均一になるようにカートリッジを振ってください。
⑵ インスリン製剤に注射針をセットします(針が曲がらないように真っすぐ刺してください)。
⑶ インスリン製剤の空打ちをして針先まで薬液を満たします。
⑷ ダイヤルを回転させて注射する単位数を医師の指示した値にセットしてください。
⑸ 注射する部位を消毒します。そして皮膚を軽くつまんで直角に注射針を刺してください。
⑹ ダイヤルが0になるまで、しっかりと薬液を注入します。そして10秒程度数え、注入ボタンを押したままで針を抜きます。
⑺ 針はキャップをかぶせてから取り外します。なお、針は1回きりの使用になりますので、ご注意ください。
※インスリン注射をする場所はお腹、太もも、おしり、腕です。
それぞれ薬の吸収速度が異なるため、注射部位を医師から指示される場合があります。
また、同じところに針を刺し続けると皮膚が硬くなり、痛みの原因になったり、薬の効きが悪くなります。
ですので毎回2〜3cmずらすようにしてください。
「糖尿病のインスリン注射器の使い方と副作用の対処法」でも同様のことを伝えています。
インスリン療法のメリット
インスリンを体外から補充することによって、無理にインスリンを出そうとする膵臓の働きすぎを防ぎ、疲れた膵臓を一時的に休めることができます。
インスリン治療によって膵臓の働きが回復したら、インスリン注射の回数を減らせたり、経口血糖降下薬だけの治療に戻せる可能性があります(インスリン療法により、膵臓のインスリン分泌機能が回復することもあります)。
インスリン療法のデメリット
残念ながら、インスリンには副作用があります。インスリン療法における主な副作用は、「低血糖症状」です。インスリンには、血糖値を下げ、良好な血糖コントロールが期待できる分、その裏返しで「低血糖症状」という副作用があります。
低血糖症状は、インスリン療法に限らず、糖尿病の治療に用いられる飲み薬全般でも起こりうる副作用です。
そのため、低血糖症状に対する適切な処置方法を把握し、血糖の自己測定などで自身を管理することが大切になってきます。
インスリン療法における副作用について詳しく知りたい方は「糖尿病ネットワーク」をご覧ください。
インスリン注射はほとんど痛くありません
インスリン注射は予防接種や採血などでイメージする注射とは異なり、痛みはそれほどありません。
なぜならインスリン注射で使う専用の注射針は、採血用の注射針とは違い、痛みが少なくなるようデザインされているからです(採血で使う注射針の3分の1ぐらいの細さで針の先も特殊なカットがしてあり、痛みが少ないように工夫されています)。
インスリン療法は早期に始めることが効果的です
上述した通り、インスリンを体外から補充することによって、無理にインスリンを出そうとする膵臓の働きすぎを防ぎ、疲れた膵臓を一時的に休めることができます。
そのため、インスリン療法は早期に始めることが効果的です。近年では、高血糖毒性をとり除くために、早期からインスリン注射薬を使ったり、また比較的軽症の糖尿病にもインスリン注射薬を用いる場合があります。
ですので、主治医にインスリン療法を勧められたら積極的に受け入れるようにしてください。
日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会が発表した「糖尿病標準診療マニュアル」でも、いくつかの経口薬を併用しても血糖コントロールが改善せず,HbA1c 9%以上が持続するなら、インスリン療法を積極的に始める必要があると伝えています。
インスリン療法についてご相談したい方はいつでもご相談下さい
糖尿病になっても、初期段階では自覚症状がありません。
そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。
糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2023.01.21
糖尿病と高血圧の関係
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
糖尿病患者さんにおける「高血圧」の頻度は非糖尿病者に比べて約2倍高く、高血圧患者さんにおいても糖尿病の合併頻度は2~3倍高いと報告されています。
この記事では、糖尿病患者さんに向けて「糖尿病と高血圧の関係」を解説していきます。後半部分では「糖尿病と高血圧の予防」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
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【目次】
糖尿病の方がなぜ高血圧になりやすいのか
【糖尿病と高血圧の関係1】高血糖で循環血液量が増えるからです
【糖尿病と高血圧の関係2】肥満
【糖尿病と高血圧の関係3】インスリン抵抗性があるからです
糖尿病の血圧値について
糖尿病と高血圧予防
【糖尿病と高血圧予防】食生活の改善
糖尿病と高血圧予防|食事のポイント
【糖尿病と高血圧予防】運動
糖尿病と高血圧予防|運動の頻度について
糖尿病の方がなぜ高血圧になりやすいのか
糖尿病患者さんは「高血圧になりやすい」といわれています。なぜ糖尿病の方は高血圧になりやすいのでしょうか。糖尿病患者さんが高血圧になりやすいのには、以下の理由があげられます。
【糖尿病と高血圧の関係1】高血糖で循環血液量が増えるからです
血糖値が高い状態では、血液の浸透圧が高くなっています。そのため、水分が細胞内から細胞外に出てきたり、腎臓からの水分の吸収が増えたりして、体液・血液量が増加し、血圧が上昇します。
【糖尿病と高血圧の関係2】肥満
2型糖尿病患者さんには肥満が多いのが特徴です。肥満になると交感神経が緊張し、血圧を上げるホルモンが多く分泌されるため、高血圧になります。このようなことから、糖尿病患者さんは高血圧になりやすいと考えられています。
【糖尿病と高血圧の関係3】インスリン抵抗性があるからです
インスリン抵抗性とは、インスリンの作用を受ける細胞の感受性が低下している状態です。インスリン抵抗性は、インスリンが効きにくくなったのを補うためにインスリンが多量に分泌され「高インスリン血症」を招きます(インスリン抵抗性自体が糖尿病の原因にもなります)。高インスリン血症では、交感神経の緊張、腎臓でナトリウムが排泄されにくい、血管壁を構成している細胞の成長が促進されるといった現象が起きて、血管が広がりにくくなり、血液量も増え、血圧が高くなるのです。
<高血圧とは?>
高血圧とは、運動したときなどの一時的な血圧上昇とは違い、安静時でも慢性的に血圧が高い状態が続いていることを指します。具体的には「収縮期血圧が140mmHg以上」「拡張期血圧が90mmHg以上」の場合をいい、どちらか一方でもこの値を超えていると高血圧と診断されます。高血圧は自覚症状がほとんどありません。しかし放置してしまうと心疾患や脳卒中など生命を脅かす病気につながるため「サイレント・キラー」といわれています。高血圧が引き起こす合併症について知りたい方は「高血圧の症状にお困りの患者の方へ」をご覧ください。
糖尿病の血圧値について
日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2014」では、糖尿病患者さんの降圧目標を、130/80mmHg未満としています。ただし、高齢者では厳しい血圧コントロールは、ふらつきや起立性低血圧などの原因となる可能性があるため、やや高めに設定されています。高齢者では、それぞれの患者さんの病気の状態に合わせて慎重に血圧コントロールをしていきます。詳しくは「高血圧治療ガイドライン2014」に記載していますので、ご興味のある方はご覧ください。
糖尿病と高血圧予防
糖尿病と高血圧予防に有効な対策は「食生活の改善」と「運動」です。順番にご説明していきますね。
【糖尿病と高血圧予防】食生活の改善
食事は、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考えてさまざまな食品をまんべんなくとることが大切です。食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、朝食、昼食、夕食の3回ゆっくりよく噛んで、腹八分目で食べるよう心掛けてください。バランスのとれた栄養を1日の必要量のカロリーでとることで、すい臓の負担は軽くなり、すい臓の能力は回復されます。
糖尿病と高血圧予防|食事のポイント
糖尿病と高血圧を予防するためには「食べ方」も大切です。食事する際は以下のポイントに注意してください。
<糖尿病と高血圧予防|食事のポイント1>野菜類から食べる
野菜類から先に食べることで食後の血糖値の上昇が緩やかになります。また、野菜や豆類などで少しお腹をふくらませておくと、肉類やご飯の量を減らすこともできます。ですので、食事をする際は、野菜類から食べるようにしてください。
<糖尿病と高血圧予防|食事のポイント2>ゆっくり食べる
早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。
<糖尿病と高血圧予防|食事のポイント3>規則正しく3食を食べる
1日に2食や、間隔の空き過ぎた食事の取り方はよくありません。食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、規則正しく「3食」を食べることを心掛けてください。
<糖尿病と高血圧予防|食事のポイント4>腹八分目
慢性的な食べすぎは、余分なブドウ糖をつくり、糖尿病を発症させる最大の原因となります。いつもお腹いっぱいに食べないと満足できない人は、注意が必要です。とくに脂肪分の多い肉類の食べすぎは、カロリーの取りすぎにつながりやすいので、量を控えてください。
【糖尿病と高血圧予防】運動
運動をすることで、ブドウ糖や脂肪酸の利用が促進され、インスリンに頼らずに糖分が細胞や筋肉の中に吸収されるようになり、血糖値の低下が期待できます。また、長期的には、インスリン抵抗性を改善させ、血中のブドウ糖の量を良好にコントロールできるようにすることが期待されます。なお、おすすめの運動は「有酸素運動」と「レジスタンス運動」です。それぞれの運動については下記をご覧ください。
<糖尿病と高血圧予防|おすすめの運動1>有酸素運動
有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに、酸素を使う運動のことです。ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。
<糖尿病と高血圧予防|おすすめの運動2>レジスタンス運動
レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動です。スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操など、標的とする筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います(レジスタンス(Resistance)は和訳で「抵抗」を意味します)。レジスタンス運動は、筋肉量増加・筋力向上・筋持久力向上を促す筋力トレーニングとして高齢者からアスリートまで広く行われています。
糖尿病と高血圧予防|運動の頻度について
運動の頻度は「できれば毎日」少なくとも週に3~5回行うのが良いといわれています。しかし、普段から運動に親しんでいない方(または高齢の方)などでは、急激な運動はかえって体の負担となり、思いがけない事故を引き起こしてしまうこともあります。ですので、無理のない範囲で行なってください。運動は定期的に長く続けられることが秘訣です。自然の中で風景を堪能しながらの「ウォーキング」や楽しく続けられる「スポーツ」など、自分にあった運動の方法を探してみてくださいね。
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2022.10.05
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