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不眠症と糖尿病の関係性について
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、「不眠症と糖尿病の関係性」について解説していきます。後半部分では、「不眠症と糖尿病の併発リスク」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
不眠症と糖尿病の症状
睡眠障害が糖尿病に与える影響について
不眠が糖尿病に与える影響について
糖尿病症状が不眠症に与える影響とは
糖尿病患者さんに起こり得る眠気のメカニズム
体内時計の乱れがもたらす影響
不眠症と糖尿病の併発リスク
不眠症、糖尿病についていつでもご相談ください
不眠症と糖尿病の症状
不眠症と糖尿病の症状の症状は、次の通りです。
<不眠症の症状>
不眠症とは、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害によって、その人にとって必要な睡眠時間が十分に取れないことや“睡眠の質”が低下することで、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。不眠は、眠気、倦怠感、集中力低下、抑うつや不安などの精神症状を引き起こし、その結果として生産性の低下、交通事故の増加など、様々な人的及び社会経済的損失をもたらすと考えられております。したがって、「睡眠が浅い」「寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。なお、日本においては約5人に1人が不眠の症状で悩んでいると言われております。詳しくは「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」をご覧ください。
<糖尿病の症状>
糖尿病はインスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖が増えてしまう病気です。血糖の濃度が何年間も高いままで放置されると血管が傷つきます。そして将来的に心臓病や、失明、腎不全といった、より重い病気につながります。そのため糖尿病の症状が見られた際には放置せず、速やかに糖尿病専門医による診察を受けることが大切です。なお糖尿病は、症状の自覚が難しい病気です。血糖値が少し高い段階では、自覚する症状はほぼありません。しかし高血糖のままある程度の時間が経過すると、次のような症状が現れてきます。
糖尿病の初期症状
・立ちくらみ
・全身の倦怠感、疲労感
・喉が渇いて沢山の水がほしくなる
・手足のしびれ、冷え、むくみ
・皮膚のかゆみ、乾燥
・目がかすむ
・視力の低下
・やけどの痛みを感じにくい
・食べているのに痩せる
・残尿感がある
・尿の臭いが気になる
睡眠障害が糖尿病に与える影響について
睡眠障害は、糖尿病と密接な関係があることが研究で示されています。「不眠症」や「睡眠時無呼吸症候群」などの睡眠障害は、「血糖コントロールの悪化」や「インスリン抵抗性の増加」を引き起こす可能性があります。また、睡眠障害はストレスホルモンの分泌を増加させ、炎症反応を促進することもあります。炎症反応の亢進は、インスリンの効果を妨げ、血糖値の上昇に寄与する可能性があるため、注意が必要です。なお、睡眠障害は様々な要因が組み合わさることで糖尿病の発症や進行を加速させる可能性があります。したがって、睡眠の質と量を適切に管理することは、糖尿病管理の重要な要素と言えます。
不眠が糖尿病に与える影響について
不眠は糖尿病に多様な影響を及ぼします。糖尿病のない人々においても、睡眠不足になると交感神経が刺激され、コルチゾールの分泌が増えてインスリン抵抗性が高まると報告されています。また、不眠により、食欲を抑制するホルモンであるレプチンが減少し、食欲を刺激するホルモンであるグレリンが増加するという研究結果もあります。これにより生じる食欲増進は血糖コントロールに当然不利に働きますので、これにより生じる食欲増進は血糖コントロールに当然不利に働きますので、適切な睡眠を確保することは糖尿病予防や管理において重要な要素と言えます。
糖尿病症状が不眠症に与える影響とは
糖尿病は不眠症に様々な影響を与える可能性があります。まず、高血糖状態が持続すると、夜間の頻尿や喉の渇きが生じ、眠りを妨げることがあります。また、糖尿病に伴う神経障害(神経症状)は、足のしびれや痛みを引き起こし、就寝時の快適さや眠りの質に悪影響を及ぼすことがあります。さらに、糖尿病患者さんは血糖コントロールのためにインスリンや薬物を使用することがありますが、これらの治療は低血糖(低血糖症)を引き起こす可能性があります。低血糖症は夜間に起こることがあり、悪夢や夜間覚醒を引き起こすことがありますので、注意が必要です。糖尿病が不眠症に与える影響は、生活の質を低下させるだけでなく、血糖コントロールの悪化や合併症のリスクを増加させる可能性があります。そのため、糖尿病患者さんは睡眠の問題に真剣に取り組み、適切な治療やライフスタイルの改善を検討することが重要です。
糖尿病患者さんに起こり得る眠気のメカニズム
糖尿病患者さんは、血糖値を下げる薬や「インスリン注射薬」を使って血糖値をコントロールするわけですが、インスリン注射薬や飲み薬が効きすぎてしまって、必要以上に血糖値が下がってしまうことがあります。低血糖状態になると脳に供給されるブドウ糖が不足してしまい、眠気が起こります。これが、糖尿病患者さんに起こり得る眠気のメカニズムになります。なお、日中の強い眠気は、糖尿病だけでなく、そのほかの病気や「生活習慣」によっても引き起こされます。例えば、睡眠時に無呼吸になり睡眠の質が低下する「睡眠時無呼吸症候群」や突然強い眠気に襲われてしまう「ナルコレプシー」といった病気です。また、寝る直前までパソコンやスマートフォンをいじっていたり、そもそも睡眠時間が少ないといった生活習慣なども眠気の原因になります。ですので、「糖尿病だから眠気が強いのだろう…」と考えるのではなく、眠気に強い悩みがあれば医師にしっかりと相談してください。
体内時計の乱れがもたらす影響
人間の体には、ほぼ24時間周期の体内時計があり、体温や血圧、ホルモン分泌などを調整しています。しかし、睡眠障害が起きると体内時計が乱れ、様々な機能に影響が及びます。まず、睡眠障害によって体と脳が十分に休まらず、糖分を細胞に取り込むためのインスリンへの反応が低下します。また、ホルモンバランスも変化し、交感神経に働きかけるコルチゾールやノルアドレナリンなどのホルモンが増加します。これにより、高血圧や高血糖といった症状が引き起こされます。一方で、食欲を制御するレプチンというホルモンは睡眠不足によって分泌が低下し、空腹感が増すため、食事のコントロールが難しくなります。つまり、糖尿病によって睡眠障害が起きると、血圧や血糖値が上昇し、糖尿病の症状が悪化するという悪循環に陥ってしまうのです。
不眠症と糖尿病の併発リスク
不眠症と糖尿病は密接な関係があり、互いに影響し合うことが知られています。そのため、糖尿病専門外来を受診している患者さんのうち、約40%が不眠に悩んでいると報告されています。糖尿病では、合併症による神経障害や高血糖による多飲・多尿などの身体的要素が不眠を引き起こすことがあります。一方、睡眠時間が不足している場合には、耐糖能異常が多いことも報告されております。このようなことから血糖コントロール不良の糖尿病では、睡眠障害と高血糖が負のサイクルを形成する可能性が考えられています。
不眠症、糖尿病についていつでもご相談ください
糖尿病は自覚症状のないままに進行し、将来的に心臓病や失明、腎不全など、より重篤な合併症を引き起こす可能性があります。そのため、決して放置してはなりません。糖尿病の可能性が指摘された方や、日常生活の乱れにより「糖尿病の症状かもしれない…」と感じている方は、できるだけ早く医療機関を受診してください。また、不眠症にも注意が必要です。不眠症と糖尿病は密接に関連しており、互いに影響し合うことが知られています。睡眠障害がある場合、血糖コントロールが難しくなり、糖尿病の管理に悪影響を及ぼす可能性がありますので、不眠症に悩んでいる方も積極的に医療機関を受診してください。なお、当院では「糖尿病」や「不眠症」の診療を行っております。糖尿病の症状について悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
当日の順番予約はこちらから
2023.05.24
不眠症と運動の関係性について
内科に関する記事です。
この記事では、「不眠症と運動の関係性」について解説していきます。後半部分では「運動のタイミングと不眠症への影響」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
運動と睡眠の関係性
運動の不眠症への効果
運動のタイミングと不眠症への影響
運動の種類について
運動をする際の注意点について
運動による心身のリラックス効果と不眠症に対する効果的な利用法
個人差と注意点
運動と睡眠の関係性
運動と睡眠には密接な関係があります。運動には睡眠を促進する効果があり、一方、睡眠をとることで、さらに効果的に体を動かすことができます。また、睡眠は脳と体にかかる「ストレス」や「疲労」を取り除く働きがあるため、睡眠の質を向上させることで体を健康な状態に保つことはもちろん、メンタルヘルスの向上にもつながります。このような理由から、スポーツパフォーマンスの向上や家事・仕事の効率を高めたい場合には、睡眠と運動のバランスを意識することが重要です。
運動の不眠症への効果
適度な運動は不眠症に対して効果的な手段とされています。運動によって体温が上昇し、その後の体温低下が入眠を促進します。さらに、適切な運動は睡眠の質を向上させ、深い眠りやREM睡眠の量を増やすと報告されています。習慣的に運動を行うことで、寝つきが良くなり、より良質な睡眠を得ることができますので、不眠症にお悩みの方は積極的に運動を行ってください。ただし、激しい運動は逆効果となる場合もあるため、適度な運動を心掛けてください。「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」でも同様のことを伝えております。
運動のタイミングと不眠症への影響
運動のタイミングは睡眠に影響を与える重要な要素です。一般的には、夕方から夜の時間帯(就寝の3時間前程度)に運動することが効果的だと言われています。このタイミングでの運動により、一時的に脳の温度が上昇し、就寝時に脳温が下がる量が増えます。これによって、脳の温度低下が睡眠の確立を促進し、より質の高い睡眠を得ることができます。ただし、就寝直前の運動は体を興奮させる可能性があるため、避けるべきです。適切なタイミングでの運動を選び、睡眠の質を向上させるためには、個々人の生活リズムや体調に合わせて調整することが重要です。不眠症の方は、医師や専門家と相談し、適切な運動スケジュールを確立することをお勧めします。
運動の種類について
不眠症に対して効果的な運動は個人によって異なる場合がありますが、一般的には以下のような運動が効果的とされています。
【不眠症に対して効果的な運動1】軽いジョギングやサイクリング
軽いジョギング、ウォーキング、サイクリングなどの有酸素運動は心拍数を上げ、体温を上昇させる効果があります。これにより、身体をリラックスさせるための条件を整え、入眠を促進することが期待されます。なお、有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに酸素を使う運動のことです。
【不眠症に対して効果的な運動2】ヨガ
ヨガは、リラックスやストレス軽減に効果があります。ヨガは、不眠症の原因の一つにストレスや緊張が関与している場合、特に効果的です。
【不眠症に対して効果的な運動3】水泳
水中での運動は体を軽く感じさせ、筋肉をリラックスさせる効果があります。また、水中の環境が落ち着きを与え、リラックス効果を高めることができます。
運動をする際の注意点について
運動をする際の注意点は、次の通りです。
【運動をする際の注意点1】こまめに水分補給をする
運動中は、こまめに水分補給をし、脱水にならないようにすることも大切です。運動中は想像以上に汗をかいておりますので、こまめに水分補給を行ってください。
【運動をする際の注意点2】準備体操をする
急に運動を始めるとケガをする可能性があります。特に運動習慣がない方は注意が必要です。ケガをしないためにも、運動する前はしっかりと準備体操を行なってください。
【運動をする際の注意点3】血圧
運動をすると、一時的に血圧は上がります。ですので、重症の高血圧の方、労作性狭心症や心不全、腎不全、重症の眼底網膜病変などを合併している方は運動に注意が必要です。運動をはじめるにあたっては、主治医とよく相談してから行ってください。
運動による心身のリラックス効果と不眠症に対する効果的な利用法
運動は心身にリラックス効果をもたらす有効な手段です。運動による身体の動きや筋肉の収縮は、日中の緊張やストレスを解放し、心をリフレッシュさせます。また、運動によって身体の代謝が活性化し、ストレスホルモンの分泌が抑制されることも知られています。なお、「疲れているのになかなか寝つけない」という方には、ストレッチをお勧めします。なぜならストレッチは身体の緊張を緩め、リラックス効果をもたらすことができるからです。以下、不眠症に対してストレッチを行う“利点”と“注意点”について説明します。
ストレッチを行う利点
【ストレッチを行う利点1】緊張緩和
ストレッチは筋肉の緊張をほぐすため、日中のストレスや緊張を軽減することができます。これにより、心身のリラックス状態を促進し、睡眠への移行をスムーズにします。
【ストレッチを行う利点2】入眠準備を整えることができる
就寝前にストレッチを行うことで、身体をリラックスさせ、入眠準備を整えることができます。深い呼吸やストレッチによって心拍数が落ち睡眠の質を向上させることが期待されます。
ストレッチを行う際の注意点
【ストレッチを行う際の注意点1】適度な強度と時間
ストレッチは無理なく、筋肉を適度に伸ばす程度の強度で行うことが重要です。過度な強さで行うと身体に負担をかける恐れがありますので、無理せず行ってください。
【ストレッチを行う際の注意点2】タイミング
ストレッチを就寝直前に行うと、体温やエネルギーレベルが上昇し、眠りにくくなる可能性があります。ストレッチは就寝の数時間前に行うことが望ましいです。
個人差と注意点
運動は睡眠の質を改善し、入眠を促進する効果があります。そのため、運動は不眠症に対して有効な手段の一つと言えます。ただし、個人によって運動の効果は異なる場合がありますので、注意が必要です。例えば、不眠症の原因や症状、身体的な状態などによっては、運動が効果を発揮しづらい場合があります。また、運動によって疲労感が増し、逆に眠りにくくなることもありますので、十分に気をつけなくてはいけません。もし運動を行っても不眠症の症状が改善されない場合や、逆に悪化する場合は、クリニックや専門家に相談することをお勧めします。当院では“不眠症の診療”や“薬の処方”だけでなく、診断書の発行も行っております。不眠で悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方など、お気軽にご相談ください。
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2023.05.23
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