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血糖コントロールについての記事一覧

糖尿病・代謝内科

血糖コントロールの基本と実践的な改善方法|糖尿病患者向けガイド

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では「血糖コントロール」について解説していきます。後半部分では「食事療法」と「運動療法」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 血糖コントロールとは? 血糖コントロール不良が引き起こす合併症リスク 食事療法と運動療法で実践する血糖コントロール インスリンと経口薬による薬物療法の基礎知識 血糖自己測定と定期検査で血糖を上手にコントロールしましょう   血糖コントロールとは? 血糖コントロールとは、高血糖を改善し、可能な限り正常な血糖値に近づけることを指します。血糖コントロールの柱となるのは、食事療法、運動療法、薬物療法の3つです。そして、血糖コントロールの大切な指標としてHbA1c(ヘモグロビンA1c)があります。日本糖尿病学会では2012年4月1日より、HbA1cの表記をHbA1c(JDS値)からHbA1c(NGSP値)に統一し、HbA1c(NGSP値)が6.5%以上であれば糖尿病型と診断する基準としています。なお、血糖コントロールの目標は、すべての患者さんに一律に設定されるものではありません。むしろ、個々の患者さんの状況に応じて、慎重に設定する必要があります。特に、以下の要因を考慮することが重要です。 <年齢> 若年者や中年者では、将来の合併症リスクを考慮して、より厳格な血糖コントロールが求められることがあります。一方、高齢者では低血糖のリスクを避けるため、やや緩やかな目標設定が適切な場合があります。 <合併症の有無> すでに重度の合併症(例:進行した網膜症や腎症)がある場合、急激な血糖改善によって症状が悪化する可能性があるため、緩やかな血糖コントロールが推奨されることがあります。なお、合併症がない、または軽度の場合は、より厳格なコントロールが望ましいです。 <罹病期間> 血糖コントロールでは、糖尿病と診断されてからの期間も考慮します。初期段階では厳格なコントロールが有効ですが、長期罹患者では個々の状況に応じた柔軟な対応が必要です。 <低血糖のリスク> 低血糖を起こしやすい患者さん(例:インスリン治療中、腎機能低下、高齢者)では、低血糖を避けるためにやや高めの目標設定が必要な場合があります。 具体的な数値目標としては、一般的にはHbA1c値7%未満を目指しますが、上記の要因を考慮して6.0%~8.0%の範囲で個別に設定されることが多いです。血糖コントロールは単に数値を下げることだけが目的ではなく、患者さん一人ひとりの状況に合わせた、きめ細やかな対応が求められます。   血糖コントロール不良が引き起こす合併症リスク 高血糖が持続すると、血管に障害を引き起こし、血液循環が悪化します。これにより、心臓病や脳卒中のリスクが増大します。また、高血糖は神経にも影響を及ぼし、末梢神経障害や神経痛を引き起こすことがあります。さらに、高血糖は眼にも悪影響を与え、網膜症や失明の原因となることがあります。このように、糖尿病は体内のさまざまな部位に悪影響を及ぼし、合併症を引き起こす要因となります。そのため、早期の血糖管理と定期的な健康チェックが重要です。糖尿病の症状に心当たりがある方、または検診などで血糖値に異常を指摘された方は、速やかに医療機関を受診してください。   食事療法と運動療法で実践する血糖コントロール 血糖コントロールにおいて、食事療法と運動療法は非常に重要な役割を果たします。以下で、食事療法と運動療法について具体的に説明します。 【食事療法と運動療法で実践する血糖コントロール1】食事療法 食事療法とは、食事の内容や摂取方法を調整することで、症状の改善を目指す治療法です。食事療法の主な目的は、血糖値の急激な上昇を防ぎ、体重を適正に保ち、必要な栄養素をバランスよく摂取することです。そのため、食事療法では個々の患者さんの状態に応じて、適切なカロリー摂取量と栄養バランスを設定します。栄養バランスを考えた食材には、以下のものがあります。 <きのこ類> きのこは低カロリーで食物繊維が豊富です。食物繊維は糖の吸収を遅らせるため、血糖値の上昇を抑制します。さらに、きのこに含まれるβ-グルカンは胃や腸で膨らみ、満腹感を得やすくし、お通じの調子も整えます。したがって糖尿病予防には、きのこ類を積極的に摂取することがお勧めです。 <緑黄色野菜> 緑黄色野菜は低カロリーで食物繊維が豊富なうえ、糖質や脂質の代謝に必要なビタミンやミネラルも多く含んでいます。特にブロッコリーや小松菜には、糖の代謝を促進する葉酸が豊富です。したがって野菜を選ぶ際は、緑黄色野菜を中心に摂取してください。ただし、南瓜やれんこん、芋類は糖質が多いため食べ過ぎには注意が必要です。 <大豆製品(高野豆腐)> 高野豆腐にはレジスタントプロテインが含まれており、これは食物繊維と似た働きをします。レジスタントプロテインは糖質の吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を防ぎます。したがって、高野豆腐を積極的に食事に取り入れてください。 <玄米や胚芽米> 玄米や胚芽米にはクロムというミネラルが含まれています。クロムはインスリンが糖を細胞に取り込む際に助けとなり、インスリンの働きをスムーズにします。そのため、白米の代わりに玄米や胚芽米を選ぶことで、血糖値の管理がしやすくなります。 <魚> アジ、さば、さんまなどの青魚には、インスリン分泌を改善する脂肪が豊富に含まれています。特に、これらの魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)は、抗炎症作用があり、インスリンの感受性を高める効果があります。これにより血糖値の管理が容易になり、糖尿病予防に役立ちます。また、EPAとDHAは心血管の健康にも寄与するため、全身の健康維持にも効果的です。青魚を定期的に摂取することで、これらの健康効果を得ることができます。 食事療法では、食べ方も重要です。適切な摂取方法を心がけることで、血糖値のコントロールや体重の管理が促進されます。以下、食事の摂り方のポイントです。 <ゆっくり食べる> 急いで食事をすると、食べすぎの原因となるだけでなく、血糖値の急激な上昇をもたらす可能性があります。食事をゆっくりと楽しむことで、適切な量を摂取しやすくなります。 <野菜類から食べる> 食事を始める際は、野菜類から摂ることが重要です。野菜や豆類を最初に摂ることで、食後の血糖値の上昇を緩やかにし、食事全体のカロリー摂取量を調整することができます。 <規則正しい食事を心がける> 日々の食事を3食、規則正しく摂ることが重要です。不規則な食事や食事を抜くことは血糖値の乱れを招きやすく、糖尿病のリスクを高めますので、ご注意ください。 <よく噛んで食べる> 食事をゆっくり噛むことで、満腹感を早く感じることができます。十分に噛んで食べる習慣を身につけてください。 <腹八分目> 食べ過ぎは血糖値の乱れや肥満の原因となります。食事を摂る際は腹八分目に留め、適度な量を摂取してください。 【食事療法と運動療法で実践する血糖コントロール2】運動療法 運動療法とは、運動を治療手段とした医療技術です。運動療法は、体内のインスリンの効率的な利用を促進し、筋肉が血糖を取り込むのを助けます。また、運動によって体重が減少し、肥満や過体重のリスクが低下します。そのため、インスリン抵抗性が改善され、糖尿病の発症リスクが軽減されます。さらに、運動は心血管の健康にも寄与します。血圧やコレステロール値の改善が期待できるため、糖尿病に関連する心血管疾患のリスクを低減します。また、運動はストレスの軽減にも効果があります。ストレスは血糖値の上昇に繋がるため、精神的な健康を保つことも糖尿病予防に重要です。このように、運動は血糖値管理、心血管の健康向上、ストレス軽減など、さまざまな面から糖尿病予防に役立ちます。なお、血糖コントロールに効果的な運動には、「有酸素運動」と「レジスタンス運動」があります。 <有酸素運動> 有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに酸素を使う運動のことです。ウォーキング、ジョギング、サイクリングなどが一般的な有酸素運動の例になります。有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。なお、一般的に「週150分以上」の有酸素運動が推奨されています。この目標に向かって努力することで、健康的な生活習慣を築くことができます。 <レジスタンス運動> レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動のことです。ウエイトトレーニング、体幹トレーニング、ゴムチューブを使ったエクササイズなどがレジスタンス運動の例になります。レジスタンス運動は、筋肉量を増やし、血糖値の管理をサポートするのに役立ちます。また、筋力トレーニングは骨密度を向上させ、骨粗鬆症のリスクを減らすのにも効果的です。そのため、糖尿病予防に極めて効果的な運動だと考えられています。なお、レジスタンス運動は、筋肉量の増加、筋力の向上、筋持久力の向上を促す筋力トレーニングとして、高齢者からアスリートまで広く行われています。   インスリンと経口薬による薬物療法の基礎知識 「食事療法」や「運動療法」は糖尿病管理の基本ですが、これらだけでは十分な血糖コントロールが困難な場合があります。そのようなケースでは、医師の判断のもと薬物療法を導入します。薬物療法は主に「経口血糖降下薬」と「インスリン注射」の2種類に大別されます。経口血糖降下薬は、通常、2型糖尿病の患者さんに対して使用されます。一方、インスリン注射は1型糖尿病の患者さんにとっては必須の治療法です。また、2型糖尿病の患者さんでも、経口血糖降下薬で十分な効果が得られない場合や、特定の状況(例:重症感染症、手術前後、妊娠中など)では使用されます。以下で、経口血糖降下薬とインスリン注射の詳細を解説します。 経口血糖降下薬 血糖値を下げる飲み薬のことを「経口血糖降下薬(けいこうけっとうこうかやく)」と呼びます。経口血糖降下薬は、その作用から大きく分けて3種類に分類されます。以下をご覧ください。 【経口血糖降下薬の種類1】インスリン抵抗性改善系 インスリン抵抗性改善系は、主に脂肪組織に働きかけ、脂肪細胞から分泌されるインスリン抵抗性を引き起こす物質を減少させます。その名の通り「インスリン抵抗性」を改善することで血糖を下げる薬です。以下、インスリン抵抗性改善系の薬です。 <ビグアナイド薬> ビグアナイド薬(例:メトホルミン)は、肝臓での糖新生を抑制し、筋肉での糖取り込みを促進します。低血糖を起こしにくい、体重増加が少ないといった特徴があり、欧米では第一選択薬として利用されています。 <グリミン薬> グリミン薬は、血糖値に応じて膵臓からインスリンを分泌させ血糖値を下げます。また、肝臓で糖が作られるのを抑えたり、筋肉で糖が取り込まれるのを改善してインスリンの効果を高めたりします。 <チアゾリジン薬> チアゾリジン薬は、肝臓や筋肉に作用し、インスリンの効きを良くする薬です。インスリンに対する体の感受性を高めることで血糖値を下げます。 【経口血糖降下薬の種類2】インスリン分泌促進系 インスリン分泌促進系は、膵臓の「β細胞(べーたさいぼう)」に作用してインスリンの分泌を促進し、血糖値を下げる薬です。簡単にご説明すると「インスリンを出しやすくする薬」になります。以下、インスリン分泌促進系の薬です。 <GLP-1(ジーエルピーワン)受容体作動薬> GLP-1受容体作動薬は、インスリン分泌を促し血糖値を下げる薬です。膵臓のβ細胞のGLP-1受容体に結合し、血糖値が高いときにインスリンの分泌を促します。そして血糖値を上げるホルモンのひとつであるグルカゴン分泌を抑制し、血糖を下げます。 <スルホニル尿素薬> スルホニル尿素薬は、膵臓からのインスリンの分泌を増やし血糖を下げる飲み薬です。膵臓のインスリンを作る働きがある程度、残っている患者さんで効果があります。 <速効型インスリン分泌促進薬> 速効型インスリン分泌促進薬は、インスリン分泌のスピードを早めて、食後の血糖の上昇を抑える働きがあります。そのためインスリンをすばやく分泌させることで食後高血糖を改善することから、インスリン分泌パターンの改善薬ともいえます。なお、食後のインスリン分泌量を増加させる作用は「スルホニル尿素薬」に比べて弱くなっています。 【経口血糖降下薬の種類3】糖吸収・排泄調節系 糖吸収・排泄調節系は、糖の腸管からの吸収、腎臓からの排泄を調節する薬です。簡単にご説明すると「糖の吸収をゆっくりにして、血糖の急な上昇を抑える薬」になります。なお、糖吸収・排泄調節系の薬には、体に取り込んだ糖を尿中に出させる効果もあります。以下、糖吸収・排泄調節系の薬です。 <α-グルコシダーゼ阻害薬> α-グルコシダーゼ阻害薬は、小腸でのブドウ糖の分解・吸収を遅らせて、食後の急激な血糖値の上昇を抑える薬です。食前の血糖値はそれほど高くないけれども、食後の血糖値があがりやすい患者さんに適しています。 <SGLT2(エスジーエルティーツー)阻害薬> SGLT2阻害薬は、尿から余分な糖を出すことで血糖値を下げる薬です。単独で使用する場合には低血糖のリスクも低く、国内では2014年に糖尿病の新薬として使用が開始されました。なお、SGLT2阻害薬は副次的な効果として、体重の減少が認められています(尿から糖が出るので体重が減少します)。 経口血糖降下薬はインスリン非依存状態にあり、食事療法・運動療法を十分に行っていても血糖コントロールがうまくいかない患者さんに使われます。つまり、経口血糖降下薬で治療効果を望むことができるのは、自分の膵臓からインスリンを出す力が残っている、「インスリン非依存状態」にある患者さんです(多くは2型糖尿病患者さんです)。   インスリン注射 インスリン注射は、効果があらわれるまでのタイミングと、持続時間によって、超速効型、速効型、中間型、混合型、配合溶解、持効型溶解の6つに分類されます。注射の回数も1日1~4回以上のもの以外にも、最近では1日1回の注射で効果が24時間持続するタイプもあります。 <超速効型インスリン製剤> 超速効型インスリン製剤は、健康な人の食後のインスリン追加分泌パターンの再現を目的につくられたインスリン製剤で、生理的なインスリン追加分泌パターンにかなり近づけることができます。食事直前の自己注射で、食後の血糖値の上昇を抑えて食後高血糖を改善します。超速効型インスリン製剤は、注射してから効果が出るまでの時間は10~20分と早いので、食事の直前に注射でき、仕事などで食事時間が不規則になった場合への対応が可能ですので、生活の質を高めることができます。 <速効型インスリン製剤> 速効型インスリン製剤は、健康な人の食後のインスリン追加分泌パターンの再現を目的につくられたインスリン製剤で、生理的なインスリン追加分泌パターンに近づけます。食事の約30分前に自己注射して、食後の血糖値の上昇を抑制して食後高血糖を改善します。速効型インスリン製剤は、注射してから効果が出るまでの時間は30分~1時間で、インスリンの作用が持続する時間は5~8時間です。レギュラーインスリンとも呼ばれ、筋肉注射や静脈注射が唯一可能なインスリン製剤です。 <中間型インスリン製剤> 中間型インスリン製剤は、健康な人の生理的インスリン基礎分泌パターンに近づけるために、基礎分泌を補うことを目的として、インスリンの効果が持続的に作用するようにつくられたインスリン製剤です。不足しているインスリンの基礎分泌を補い、空腹時血糖の上昇を抑制します。注射してから効果が出るまでの時間は1~3時間で、インスリンの作用が持続する時間は18~24時間です。 <混合型インスリン製剤> 混合型インスリン製剤は、超速効型や速効型インスリンと中間型インスリンを、いろいろな割合であらかじめ混合したインスリン製剤です。インスリンの基礎分泌、追加分泌の補填を同時に行えるようにつくられた製剤です。混合型インスリン製剤の効果の発現は、「超速効型」または「速効型インスリン製剤」「中間型インスリン製剤」のそれぞれの作用時間にみられますが、作用の持続時間は「中間型インスリン製剤」とほぼ同じになります。 <配合溶解インスリン製剤> 配合溶解インスリン製剤は、超速効型インスリン製剤と持効型溶解インスリン製剤を混ぜてある製剤です。超速効型インスリンと持効型溶解インスリンのそれぞれの作用発現時間に効果が発現します。なお、混合型インスリン製剤の作用時間は「持効型溶解インスリン」とほぼ同じになります。 <持効型溶解インスリン製剤> 持効型溶解インスリン製剤は、健康な人の生理的インスリン基礎分泌パターンに近づけるために、基礎分泌を補うことを目的につくられたインスリン製剤です。不足しているインスリンの基礎分泌を補い、空腹時血糖の上昇を抑制して、1日中の血糖値を全体的に下げる働きがあります。注射してから効果が出るまでの時間は1~2時間で、インスリンの作用が持続する時間はほぼ1日にわたります。 <世界初の週1回投与のインスリン製剤> 週1回投与のインスリン製剤として、「インスリン イコデク」(商品名:アウィクリ®注)が2024年6月24日に日本で製造販売承認を取得しました。これは世界初の週1回投与の基礎インスリン製剤です。 主な特徴として、週1回の皮下注射で7日間にわたる血糖降下作用が期待でき、患者の負担を大幅に軽減できます。 一方で、注意点としては、投与後2〜4日に低血糖のリスクが高まる傾向があり、慎重な経過観察が必要です。また、1目盛りが10単位刻みのため、インスリン感受性が高い患者には不向きです。日々の活動量の変動が大きい患者や、認知症などで毎日注射してしまう可能性がある患者には適していません。   血糖自己測定と定期検査で血糖を上手にコントロールしましょう 適切な血糖コントロールを行うためには、日々の「自己血糖測定」と「定期的な医療機関での検査」が欠かせません。自己血糖測定は、簡易血糖測定器を用いて、自分で血糖値を測定することです。通常、指先から少量の血液を採取し、専用の測定器を使用して血糖値を測定します。測定の頻度は個々の状況に応じて異なりますが、一般的には朝食前の空腹時や、食後2時間、就寝前などに測定することが推奨されます。そして測定結果は必ず記録し、医療機関での診察時に提示することが重要です。これにより、日々の生活や食事との関連を把握し、より適切な治療方針を立てることができます。 一方、適切な血糖コントロールを行うためには、定期的な医療機関での検査も重要です。通常、1~3ヶ月に一度の頻度で受診し、HbA1c(ヘモグロビンA1c)などの検査を受けます。HbA1cは過去1~2ヶ月の平均的な血糖コントロール状態を反映する指標で、自己血糖測定では得られない長期的な血糖管理の状況を把握することができます。また、定期検査では血糖値以外にも、血圧、体重、腎機能、脂質プロファイルなど、糖尿病に関連する様々な項目をチェックします。これにより、合併症の早期発見や予防にもつながりますので、積極的に医療機関を受診してください。 なお、糖尿病は初期段階では自覚症状がないことが多いため、健康診断や他の病気の検査をしている際に偶然見つかることもあります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、糖尿病の症状の可能性を感じた方は、早めに受診することをお勧めします。 糖尿病の症状に心当たりのある方、もしくは検診などで血糖値に異常を指摘された方は、まずお気軽に医療機関にご相談ください。早期発見・早期治療が、合併症の予防と良好な血糖コントロールの維持には重要です。 当日の順番予約はこちらから

2025.02.05