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食後の血糖値のピークと血糖値上昇を抑える方法
内科に関する記事です。
この記事では「食後の血糖値」について解説していきます。後半部分では「血糖値をコントロールする方法」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
食後に血糖値が上昇する理由
食事と血糖値の関係
食後の血糖値がピークとなるタイミング
食後の血糖値をコントロールする方法
糖尿病と高血糖との関連
食後高血糖とは
セカンドミール効果について
高血糖が不安な方はいつでもご相談ください
食後に血糖値が上昇する理由
食後に血糖値が上昇する主な理由は、摂取した食べ物からのブドウ糖の吸収です。血糖値は、血液中のブドウ糖(血糖)の量を示します。血糖値は1日の中でも時間と共に変化し、食事の内容や量、運動やストレスなど様々な要因で変動します。そのうち、特に血糖値に影響するのが食事です。食べ物が消化されて作られるブドウ糖は、主に腸管から吸収されて血液中に入るため、食後には血液中のブドウ糖が増えて血糖値が上がります。
食事と血糖値の関係
食事と血糖値は密接な関係にあります。例えば、炭水化物や糖分を多く含む食事は、血糖値の急激な上昇を引き起こすことがあります。逆に、食物繊維やタンパク質を豊富に含む食事は、血糖値の上昇を緩やかにする助けとなります。摂取した食べ物の種類や量によって、血糖値は大きく影響を受けますので、バランスの取れた食事と適切な食材選びは重要です。
食後の血糖値がピークとなるタイミング
食後の血糖値がピークになるのは、一般的に食後1時間程度(人によっては45~90分)です。食事を摂ると、体は消化・吸収プロセスに取り組み、血中にブドウ糖が放出されます。このブドウ糖の急激な増加が、食後の1時間程度で血糖値がピークに達する要因となります。
食後の血糖値をコントロールする方法
食後の血糖値をコントロールするには、いくつかの方法があります。詳しくは、以下をご覧ください。
【食後の血糖値をコントロールする方法1】野菜類から食べる
野菜類から先に食べることで食後の血糖値の上昇が緩やかになります。また、野菜や豆類などで少しお腹をふくらませておくと、肉類やご飯の量を減らすこともできます。ですので、食事をする際は野菜類から食べてください。
【食後の血糖値をコントロールする方法2】炭水化物・糖質の摂りすぎを避ける
炭水化物や糖質の摂り過ぎは、血糖値を急激に上昇させる要因です。したがって、炭水化物や糖質の摂りすぎにはご注意ください。なお、炭水化物や糖質の摂り過ぎに加え、果汁飲料の摂取にも注意が必要です。果汁には自然の糖分が多く含まれ、飲用することで血糖値が急上昇する可能性があります。特に加工された果汁飲料は糖分が濃く、大量の糖質摂取を招く恐れがあります。血糖値のコントロールを目指す方は、果汁飲料の代わりに水や無糖の飲料を選ぶことをお勧めします。
【食後の血糖値をコントロールする方法3】食物繊維が含まれる食品を摂る
食物繊維には、食後の血糖値上昇を抑え、便通を改善させる効果があります。さらに、水に溶ける食物繊維(水溶性食物繊維)には、血中コレステロールの上昇を抑える効果があります。ですので、食物繊維が含まれる食品を多く摂るように心掛けてください。なお、食物繊維を多く含む食べ物には、野菜、海藻、きのこなどが挙げられます。
<野菜>
野菜は低カロリーで食物繊維が多く、糖質や脂質の代謝に必要なビタミン・ミネラルが含まれています。特にブロッコリーや小松菜などの緑黄色野菜には食物繊維以外にも、糖の代謝を促進する葉酸も多く含まれています。ですので、野菜を選ぶ際は緑黄色野菜を中心に食べてください。なお、南瓜やれんこん、芋類は糖質が多い野菜なので、食べ過ぎに注意してくださいね。
<海藻>
海藻は低カロリーで食物繊維、ビタミン、ミネラルを多く含みます。中でも「めかぶ」はおすすめです。
<きのこ>
きのこは低カロリーで食物繊維が多く含まれています。食物繊維は、糖の吸収を邪魔するため、血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。さらに、きのこに含まれるβ-グルカンは胃や腸で膨らむので満腹感も得られ、お通じの調子も整います。
【食後の血糖値をコントロールする方法4】たんぱく質を積極的に摂る
肉や魚、卵、豆類などのたんぱく質が血糖値の急激な上昇を緩和し、食後の血糖値を安定させる助けになります。したがって、積極的にたんぱく質は摂ってください。高齢の方は、食事の量が減ってたんぱく質が不足しやすく、加齢も影響して筋肉が衰えやすいので、特に注意してくださいね。
【食後の血糖値をコントロールする方法5】ゆっくり食べる
早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。
【食後の血糖値をコントロールする方法6】間食をしない
間食をすると血糖値の高い状態が続き、インスリンを分泌するすい臓に大きな負担がかかります。また、その状態のままで次の食事をすると、食後高血糖の原因にもなります。糖尿病を予防するためにも間食はできる限り控えてください。
【食後の血糖値をコントロールする方法7】運動をする
定期的な有酸素運動や筋力トレーニングは、インスリンの効果を向上させ、血糖値の急上昇を緩和します。さらに、運動によってブドウ糖や脂肪酸の利用が促進され、細胞や筋肉が糖分を効果的に吸収することができるようになり、血糖値の低下が期待されます。したがって、血糖値の急上昇を予防するためには積極的に運動を取り入れることが大切です。医師の指導を受けながら、適切な運動方法を選択してくださいね。
糖尿病と高血糖との関連
糖尿病と高血糖は密接な関連があります。まず食べ物から吸収されたブドウ糖をエネルギーに変えるため、膵臓からインスリンが分泌されます。インスリンの不足などで血液中にブドウ糖が増えた状態を高血糖といい、高血糖が続くとインスリンの作用が低下して分泌量も低下します。そして、この状態が続くと「糖尿病」を発症します。糖尿病は、症状の自覚が難しい病気です。血糖値が少し高い段階では、自覚する症状はほぼありません。しかし高血糖のままある程度の時間が経過すると、次のような症状が現れてきます。
・立ちくらみ
・全身の倦怠感、疲労感
・喉が渇いて沢山の水がほしくなる
・手足のしびれ、冷え、むくみ
・皮膚のかゆみ、乾燥
・目がかすむ
・視力の低下
・やけどの痛みを感じにくい
・食べているのに痩せる
・残尿感がある
・尿の臭いが気になる
※糖尿病の方は、血糖値のピークが健康な方よりも高い水準になる傾向があります。また、血糖値のピークに至るタイミングも遅れやすいのが特徴です。
糖尿病について詳しく知りたい方は「糖尿病情報センターのホームページ」をご覧ください。
食後高血糖とは
食後高血糖とは、食後2時間が過ぎても血糖値が高い状態のことを言います。食事をすると血糖値は高くなり、2~3時間以内に正常値(110mg/dl未満)に戻るのが一般的です。しかし、血糖値が低下せず長い時間140mg/dl以上の値が続く場合には「食後高血糖」と判断されます。食後の血糖値が高い状態が続くと、糖尿病の発症リスクが高くなります。ですので、食後高血糖は糖尿病だけでなく糖尿病予備群においても重要な指標の一つとして注目されています。詳しくは「血糖値スパイクとは?症状や原因、糖尿病との関係を解説」をご覧ください。
セカンドミール効果について
セカンドミール効果とは、最初に食べる食事(ファーストミール)が、次の食事(セカンドミール)の血糖値に影響を及ぼす現象です。GI(Glycemic Index)の提唱者であるジェンキンス博士が1982年に発表した概念になります。セカンドミール効果では、最初に食べる食事(ファーストミール)の食事内容が、血糖値の急上昇を招かなければ、セカンドミール後の血糖値上昇を抑えるとされています。つまり、一食ごとの食事内容を見直すことで、それまで不安定になっていた血糖値を安定させる変化が期待できるのです(セカンドミール効果に関しては、まだ明らかになっていないことも多いのですが、最初の食事で血糖値やインスリン濃度の上昇を抑制すると、2回目の食事で摂取した後の反応も改善することが、世界中で数多く報告されています)。
高血糖が不安な方はいつでもご相談ください
血糖値が高いままの生活を続けると、「血管がもろく、ボロボロになってしまう」いわゆる血管病になります。そして、全身にネットワークを結んでいる血管と神経が、血糖値の高い状態が続くことで侵され、適正な栄養の供給が途絶えて「全身の臓器」に様々な障害が起こってきます。したがって、血糖値が高い状態を放置してはいけません。高血糖にお心当たりのある方は早期の対策が重要です。高血糖にお心当たりのある方、あるいは日常生活の乱れにより「高血糖かもしれない…」と感じている方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2023.11.13
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