板谷内科クリニックブログ

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不眠症薬の種類と効果、使い方や副作用の解説

内科に関する記事です。
この記事では、「不眠症の薬」について解説していきます。後半部分では「不眠症の薬の使い方」や「不眠症の薬の注意点」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 不眠症の種類について 不眠症の原因について 不眠症の薬の種類について 不眠症の薬の使い方と注意点について クリニックでの診察について 不眠症の治療は何科に行けばいいのか? まとめ   不眠症の種類について まずは不眠症の種類をご紹介します。不眠症には、大きく分けて以下4つのパターンがあります。 【不眠症のタイプ1】入眠困難 床についてもなかなか(30分~1時間以上)眠りにつけない。 【不眠症のタイプ2】中途覚醒 いったん眠りについても、翌朝起床するまでの間、夜中に何度も目が覚める。 【不眠症のタイプ3】早朝覚醒 希望する時刻、あるいは通常の2時間以上前に目が覚め、その後眠れない。 【不眠症のタイプ4】熟睡障害 眠りが浅く、睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られない。 これらの4つの症状は、どれか1つではなく2つ以上重複して現れる場合もあります。特に高齢者の場合は複数の症状を訴える人が多くみられます。不眠症の症状について詳しく知りたい方は「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」をご覧ください。 <慢性不眠症と短期不眠症の違い> 不眠症は慢性不眠症(慢性不眠障害)と短期不眠症(短期不眠障害)の2つに分けられます。不眠と日中の不調が週に3日以上あり、それが3カ月以上続く場合は慢性不眠症、3カ月未満の場合は短期不眠症と診断されます。   不眠症の原因について 不眠症の原因はストレス・心や身体の病気・薬の副作用など様々です。ここでは不眠症を引き起こす主な原因をご紹介します。 【不眠症の原因1】心理的原因 何らかのストレスに関連して起こる不眠です。 【不眠症の原因2】身体的原因 身体の病気や症状が原因で起こる不眠です。 【不眠症の原因3】薬理学的原因 服用している薬や、アルコール、カフェイン、ニコチンなどが原因で起こる不眠です。 【不眠症の原因4】精神医学的原因 精神や神経の病に伴って起こる不眠です。精神や神経の病には、不眠を伴うことが少なくありません。なかでも不眠になりやすいのは、不安と抑うつになります。 ※このように不眠の原因はストレス・こころやからだの病気・薬の副作用など様々です。したがって不眠症の治療では、原因に応じた対処が必要になります。   不眠症の薬の種類について 不眠症の薬にはベンゾジアゼピン系睡眠薬、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬、メラトニン受容体作動薬の3つの種類があります。 【不眠症の薬の種類1】ベンゾジアゼピン系睡眠薬 ベンゾジアゼピン系睡眠薬とは、「ベンゾジアゼピン受容体」の働きを活性化することで、GABAと呼ばれるリラックスを促す神経伝達物質の作用を強めて、入眠を促す睡眠薬のことです。ベンゾジアゼピン睡眠薬は、睡眠を促す作用のほかにも不安感の軽減などの効果があります。ベンゾジアゼピン睡眠薬の中で“代表的な薬剤”は下記の通りです。 <ハルシオン> ハルシオンは、超短時間作用型のベンゾジアゼピン系睡眠薬であり、非常に即効性に優れている睡眠薬です。個人差はあるものの、服用後10~30分後には眠気を感じられ、1~2時間で血中濃度が最大値になることから、主に入眠障害に用いられます。 <レンドルミン> レンドルミンは、短時間作用型のベンゾジアゼピン系睡眠薬であり、脳をリラックスさせる作用が強い睡眠薬です。ハルシオンに比べて、作用時間が長いため、入眠後も睡眠薬の効果が続き、中途覚醒や早朝覚醒の改善も期待できます。 <サイレース> サイレースは、中間作用型のベンゾジアゼピン系睡眠薬であり、催眠作用に非常に優れています。中間作用型であるため、睡眠時間全体に効果が認められ、入眠障害だけではなく、中途覚醒や早朝覚醒の改善も期待できます。 <ドラール> ドラールは、長時間型のベンゾジアゼピン系睡眠薬であり、催眠作用に特化した薬です。作用時間が非常に長いので、中途覚醒や早朝覚醒にも高い効果を示す上に、体内で成分が分解されるとともに、抗不安薬としての効果も発揮します。そのため、強い不安感やストレスなどによって引き起こされる睡眠障害の改善が期待できます。 【不眠症の薬の種類2】非ベンゾジアゼピン系睡眠薬 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、ベンゾジアゼピン骨格という化学構造をもたない睡眠導入剤のことです。主に催眠と鎮静作用に関わっており、抗不安作用と筋弛緩作用が少ないという特徴があります。なお、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、依存性耐性が比較的少ないので、一般的に「非ベンゾジアゼピン系睡眠薬」から治療を開始することが多いです。以下、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の中で“代表的な薬剤”です。 <マイスリー> マイスリーは非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬に分類されている睡眠薬です。催眠作用があるため、不眠症の治療薬として処方されています。なお、従来のベンゾジアゼピン系の睡眠薬とは異なり、筋弛緩作用が弱いという特徴をもっています。 <アモバン> アモバンは、非ベンゾジアゼピン系に分類される睡眠薬です。寝つきが悪い人に対して治療に用いられたり、手術前に麻酔が円滑に行われる目的のために使用されたりします。なお、アモバンの特徴は、その効果の早さです。作用時間が短く、翌日に眠気が残りにくい睡眠薬になります。 <ルネスタ> ルネスタは、非ベンゾジアゼピン系の薬剤に分類されている睡眠薬です。催眠と鎮静作用があるため、不眠症の治療薬として認可されています。なおルネスタは、依存性、持ち越し効果が少ないという特徴があります。 【不眠症の薬の種類3】メラトニン受容体作動薬 メラトニン受容体作動薬は、体内で睡眠に深く関わるホルモン(メラトニン)の受容体に作用し、自然に近い生理的睡眠を誘導し、不眠症における入眠困難などを改善する薬です。メラトニン受容体作動薬は、依存性や健忘などの副作用が少なく、高齢者にも使用しやすいことが特徴です。以下、メラトニン受容体作動薬の中で“代表的な薬剤”です。 <メラトベル> メラトベルとは、メラトニンを成分とした入眠改善薬です。メラトベルは、脳内のメラトニン受容体に作用して、睡眠を促進する作用があります。なおメラトベルは、一般的なベンゾジアゼピン系の睡眠薬と比べて、副作用のリスクが低く、依存症の発生リスクも低いとされています。 <ロゼレム> ロゼレム(一般名:ラメルテオン)は、メラトニン受容体作動薬に分類される新しい睡眠薬です。ロゼレムは、有効成分の「ラメルテオン」がメラトニン受容体に作用することで、人間の体内時計のリズムを整え、睡眠を誘発する作用があります。なお、ロゼレムは、特に睡眠の入りが遅くなる「遅延性睡眠相症候群」に対して有効性が高いことが知られています。   不眠症の薬の使い方と注意点について 以下、不眠症の薬の使い方と注意点です。 【不眠症の薬の使い方と注意点1】決められた用法・用量を守る 「睡眠薬が効かない」と感じても、一度にたくさん飲んだり、追加で飲むことはしてはいけません。翌日にはひどい眠気が残ったり、ふらつきや記憶障害などの恐れがあるため、危険です。医師が決めた用法や用量は必ず守ってください。なお、もし睡眠薬の効果を感じられない場合は、早めに医師に相談することをお勧めします。 【不眠症の薬の使い方と注意点2】アルコールと一緒に飲まない アルコールと睡眠薬を一緒に摂取すると、それぞれの作用が増強され、副作用が生じる可能性があります。一緒に飲むことで記憶障害、呼吸抑制、翌日の眠気、ふらつきなどが報告されているため、一緒に摂取することは絶対に避けてください。 【不眠症の薬の使い方と注意点3】睡眠薬を飲んだら横になる 睡眠薬の効果が現れるのは、服用後30分〜1時間程度です。服用後に多少のふらつきが生じることがあるため、車の運転や機械操作などは非常に危険です。また、服用後に活動を続けると、眠気のタイミングを逃してしまい、かえって睡眠の妨げになることがあります。ですので、睡眠薬を服用したら、すぐに横になるようにしてください。 【不眠症の薬の使い方と注意点4】他の薬を併用する場合は必ず医師に相談する 睡眠薬は、種類によって他の薬の効果を強めたり、弱めたりすることがあります。飲み合わせによっては副作用があらわれる場合もあるため、他の薬を併用する場合は、必ず医師に相談してください。事前に相談することで、薬の相互作用を避けることができます。 【不眠症の薬の使い方と注意点5】副作用が出た場合は医師に相談する 不眠症の薬には多かれ少なかれ副作用があります。副作用が出た場合は放置せず、医師に相談してください。なお、睡眠薬の主な副作用には、眠気、倦怠感、めまい、ふらつき、喉の渇き、口の渇き、便秘、下痢、頭痛、集中力の低下、不安、興奮、幻覚、記憶障害、肝機能障害などがあります。 【不眠症の薬の使い方と注意点6】他の人の睡眠薬を飲まない 睡眠薬の処方は、一人ひとりの症状に合わせて処方されています。自分の症状にあった睡眠薬を飲まないと、副作用があらわれたり、かえって症状が悪化する恐れがあります。睡眠薬はどれも一緒というわけではないので、他の人に睡眠薬をあげたり、もらったりするのは止めてください。 【不眠症の薬の使い方と注意点7】自己判断でやめない 睡眠薬を急に止めてしまうと、反動で眠れなくなったり、不安感が強く出てしまい、かえって不眠を悪化させてしまうことがあります。睡眠薬をやめる時は、医師と話し合いながら徐々に減らしていくと、スムーズにやめることができます。睡眠薬の不安や気になることがあれば、必ず医師に伝えてください。 また連用すると認知機能の低下が起こる可能性が示唆されていますので、用法・用量は決められたものを必ず服用ください。 クリニックでの診察について クリニックでの診察は、一般的に以下の流れで進みます。 まず初めに問診を行います。不眠症には、ストレスや精神的な要因、身体的な疾患、薬物の副作用などが原因として考えられます。そのため、病歴や現在の生活状況、睡眠に関する問診を詳しく行い、不眠症の原因を特定します。また、睡眠の質や時間、日中の眠気や疲れなどを評価するために、睡眠日誌の記入をお願いすることもあります。 次に、必要に応じて検査を行います。睡眠時無呼吸症候群やレストレスレッグス症候群などの睡眠障害を疑う場合には、睡眠ポリグラフ検査や筋電図検査を行います。また、身体的な疾患が疑われる場合には、血液検査やレントゲン検査、心電図検査などを行うことがあります。 診断が確定したら、次は薬の処方を行います。不眠症の治療には、睡眠導入剤や睡眠維持剤、抗うつ薬などがあります。薬の種類や量は、患者さんの症状や身体状況に応じて適切なものを選択します。また、薬剤治療だけでなく、睡眠ハイジーンの指導や、リラックス法の習得などの非薬物療法も併用することがあります。 なお、治療方針については、患者さんの症状や状態に合わせて、可能な限り個別に決定いたします。不眠症は放置すると、疲労感やイライラなどの症状を引き起こすだけでなく、生活習慣病やうつ病などの重篤な疾患を引き起こす可能性もあります。そのため、適切な治療を早期に行い、患者さんがより良い睡眠と健康な生活を送れるようにサポートします。   不眠症の治療は何科に行けばいいのか? 不眠症の症状については、一般の内科で相談が可能です。不眠に加えて気分の落ち込みや、精神的ストレスも感じている場合は精神科、体にも症状が出ているときは心療内科を受診するといいかもしれません。 何科に行くべきかわからない方や精神科の診察が不安な方は内科でも症状の相談は可能です。 また、必要に応じて他の診療科を紹介しますので、不眠症の症状にお心当たりのある方は放置せず、お近くの医療機関にご相談ください。   まとめ 不眠症は原因によって対象法が異なるため、正確な原因の診断が何より大切です。睡眠が浅い、寝付けないなど、睡眠に関して問題があることで「日常生活に支障が出ている」と感じている方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。睡眠不足は単に睡眠の問題だけでなく、体の病気、心の病気の原因となることもあります。また、睡眠障害自体が“心の病気”の前兆の可能性もあるため、睡眠に関する症状がある方は、放置せずにお近くの医療機関に足を運び、適切な診断・治療を受けてください。なお、当院では、睡眠に関する問診と検査を丁寧に行い、患者さんの症状に合わせた適切な薬を処方しています。睡眠に関する症状に悩んでいる方は、お気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2023.04.06