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尿が泡立つ原因は糖尿病?初期症状や他の病気との違い、受診タイミングを解説
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では「糖尿病患者の尿に泡立ちが生じる原因」について解説します。後半部分では「セルフチェック方法と受診のタイミング」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
糖尿病と尿の泡立ち - その関係性について
糖尿病患者の尿に見られる特徴的な変化
尿の泡立ち以外に見られる糖尿病の初期症状
セルフチェック方法と受診のタイミング
糖尿病以外で尿が泡立つ疾患との違い
まとめ:尿の泡立ちに気づいたら早期の専門医受診を
糖尿病と尿の泡立ち - その関係性について
糖尿病患者にとって、尿の状態は重要な健康指標の一つです。特に「尿の泡立ち」は、糖尿病の進行や腎機能の状態を反映する重要なサインとなることがあります。まずは、「糖尿病と尿の泡立ちの関連性」について解説します。
尿の泡立ちが糖尿病の初期症状として現れるメカニズム
糖尿病患者の尿に泡立ちが生じる主な原因は、タンパク尿(アルブミン尿)の存在です。健康な腎臓は、血液中のタンパク質を濾過して体内に保持する働きがありますが、糖尿病が進行すると高血糖の影響で腎臓の毛細血管(糸球体)が損傷し、本来濾過されるべきではないタンパク質が尿中に漏れ出てしまいます。このタンパク質が尿の表面張力を低下させ、排尿時に泡が形成されやすくなるのです。また、高血糖状態が続くと尿中のブドウ糖濃度も高まり、これも尿の性質を変化させて泡立ちやすくする一因となります。糖尿病性腎症が進行するほど、この現象は顕著になります。
健康な人の尿と糖尿病患者の尿の違い
健康な人の尿は通常、透明からわずかに黄色味を帯びた色で、排尿時に若干の泡が生じても速やかに消えます。一方、糖尿病患者、特に腎機能に影響が出始めている患者の尿では、泡の特徴が異なります。糖尿病性腎症を伴う尿の泡は、より細かく、クリーミーな質感を持ち、トイレの水面に長時間(数分から数十分)残存する傾向があります。また、健康な人の尿比重は通常1.005〜1.030の範囲内にありますが、糖尿病患者では高血糖の影響により尿比重が高くなる傾向があり、これが尿の泡立ちに影響を与えることがあります。さらに、糖尿病患者の尿はブドウ糖を含むため、やや甘い臭いがすることもあります。
尿の泡立ちが生じる血糖値の目安
尿中のタンパク質排泄が増加し、明らかな泡立ちが観察され始めるのは、一般的に血糖コントロールが長期間不良であった場合です。具体的な数値としては、空腹時血糖値が継続的に126mg/dL以上、HbA1c値が7.0%以上の状態が続くと、腎臓への負担が徐々に蓄積し、微量アルブミン尿(30-300mg/日)の段階に進行する可能性が高まります。ただし、尿の泡立ちと血糖値には個人差があり、必ずしも直線的な相関関係があるわけではありません。重要なのは、尿の泡立ちを単独で評価するのではなく、尿検査でのタンパク定量、eGFR(推算糸球体濾過量)などの腎機能指標と合わせて総合的に判断することです。
尿の泡立ちは、糖尿病患者にとって重要な自己観察ポイントの一つです。特に泡が細かく、長時間消えない場合は、腎機能への影響を示唆している可能性があります。ただし、尿の泡立ちは糖尿病以外の腎疾患や、一時的な脱水状態でも生じることがあるため、単独での判断は避け、定期的な医療機関での検査を受けることが重要です。
糖尿病患者の尿に見られる特徴的な変化
糖尿病は全身の代謝に影響を及ぼす疾患であり、その症状の一つとして尿の性状に様々な変化が現れます。尿は私たちの健康状態を映し出す「生体の窓」とも言われ、特に糖尿病患者の方にとっては重要な自己観察のポイントとなります。ここでは、糖尿病によって引き起こされる「尿の特徴的な変化」と「メカニズム」について詳しく解説します。
糖尿病による尿の色・量・臭いの変化と泡立ちの関連性
糖尿病患者の尿には複数の特徴的変化が現れます。まず顕著なのは尿量の増加(多尿)で、血糖値が上昇すると腎臓の糸球体で濾過されるブドウ糖量も増加します。この余分な糖が尿細管で再吸収しきれなくなると、浸透圧利尿を引き起こし、結果的に水分排泄量が増加します。また尿の色は通常より薄く、透明に近くなることが多いですが、脱水状態では逆に濃くなることもあります。さらに、尿中のタンパク質(特にアルブミン)の増加によって泡立ちが生じやすくなり、これは糖尿病性腎症の初期サインとなることもあります。なお、臭いについては、ケトン体の排泄によって独特の甘酸っぱい香りを帯びることがあります。これらの変化は互いに関連しており、糖尿病の進行度や血糖コントロールの状態を反映しています。
糖尿病によって尿が透明~濃い黄色に変化する理由と進行度合いの目安
糖尿病患者の尿の色は、疾患の状態によって変動します。高血糖状態の初期では、多飲多尿によって尿は通常より薄く、透明に近くなります。これは過剰な水分摂取と、前述した浸透圧利尿の結果です。血糖値の目安としては、空腹時血糖180mg/dL以上、随時血糖200mg/dL以上で顕著な多尿症状が現れ始めるとされています。一方、糖尿病のコントロールが不良で脱水状態になると、尿は濃い黄色から琥珀色へと変化します。これは水分再吸収が促進され、尿中の色素成分であるウロビリノーゲンが濃縮されるためです。特に、HbA1c値が9%を超えるような持続的な高血糖状態や、高度な脱水を伴う高血糖緊急症(高浸透圧高血糖状態や糖尿病性ケトアシドーシス)の場合には、尿の色調変化が顕著になります。尿の色調は簡便な自己観察指標として役立ちますが、必ず医師による総合的な評価が必要です。
糖尿病特有の「甘い・果実のような」尿の臭いが発生するメカニズム
糖尿病患者の尿に特徴的な甘い香りや果実に似た臭いが生じる主な原因は、ケトン体の存在です。インスリン作用が不足すると、体はエネルギー源としてブドウ糖を効率的に利用できなくなり、代わりに脂肪を分解してエネルギーを得るようになります。この過程でケトン体(アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸、アセトン)が生成され、過剰なケトン体は尿中に排泄されます。特にアセトンは揮発性が高く、リンゴや果実に似た甘酸っぱい芳香を持ち、これが尿の特徴的な臭いの正体です。この現象は主に1型糖尿病患者や、インスリン分泌が著しく低下した2型糖尿病患者、また厳格な低炭水化物食を実践している患者に見られます。なお、血中ケトン体濃度が1.0mmol/L以上になると、尿の臭いとして感知できるようになることが多いです。この香りを感じたら、血糖コントロールが悪化している可能性があるため、速やかに医療機関を受診することが重要です。
糖尿病患者の尿沈渣検査で見られる特徴的な所見
糖尿病患者における尿沈渣検査では、疾患の進行に応じていくつかの特徴的な所見が観察されます。初期段階では、尿中に脂肪顆粒が出現することがあり、これは尿中脂質の排泄増加を示唆します。糖尿病性腎症が進行すると、顆粒円柱や脂肪円柱などの円柱が認められ、尿細管障害の進行を反映します。また、糖尿病患者は尿路感染症のリスクが高いため、白血球や細菌が検出されることも少なくありません。さらに腎症が進行した段階では、赤血球が観察されることもあります。特に注目されるのが、「Armanni-Ebstein細胞」と呼ばれる特殊な上皮細胞であり、細胞質内にグリコーゲンが異常に蓄積していることが特徴です。これは重度の高血糖状態を反映する所見とされています。なお、尿沈渣検査は非侵襲的かつ簡便に腎臓の状態や代謝異常を評価できる重要な検査であり、糖尿病患者の定期的な経過観察において欠かせない検査の一つとなっています。
糖尿病患者の尿には、多尿、透明から濃黄色への色調変化、特徴的な甘い臭い、泡立ちの増加、そして尿沈渣における特異的所見など、多岐にわたる変化が認められます。これらの変化は血糖コントロールの状態や糖尿病の進行度、合併症の発症状況を反映しており、患者自身による自己観察や医療者による診療において重要な手がかりとなります。尿の変化に気づいたら、単に「糖尿病だから」と看過せず、適切な検査や治療介入のきっかけにすることが大切です。特に急激な変化や持続する異常は、糖尿病の悪化や合併症の進行を示唆している可能性があるため、医療機関への相談を推奨します。
尿の泡立ち以外に見られる糖尿病の初期症状
糖尿病は早期発見が重要な生活習慣病です。尿の異常は糖尿病の重要なサインの一つですが、それ以外にも体は様々な形で警告サインを発しています。これらの初期症状を正しく理解することで、早期診断・早期治療につなげることができます。ここでは、糖尿病の初期段階で現れやすい症状について詳しく解説します。
のどの渇き、多飲多尿、疲労感など糖尿病初期に現れる主な症状
糖尿病の初期症状として最も特徴的なのが、「三多一少」と呼ばれる症状群です。「多飲(異常な喉の渇き)」、「多尿(頻繁な排尿)」、「多食(過度の空腹感)」、そして「体重減少」がこれに含まれ、いずれも高血糖状態に起因します。血液中のブドウ糖濃度が上昇すると、腎臓は余分な糖を尿中に排出しようとします。このとき、糖が尿に漏れ出ることで浸透圧が高まり、水分も一緒に尿中へ引き出されるため、尿量が増加し、結果として脱水が生じます。その脱水により喉の渇きを感じ、水分摂取量が増えるという悪循環が形成されるのです。また、疲労感や倦怠感も初期症状としてしばしば見られます。これは、細胞がブドウ糖をエネルギー源として効率的に利用できなくなっているためです。さらに、高血糖状態が持続することで、視力の一時的な変化、皮膚の乾燥やかゆみ、創傷の治癒遅延といった症状が出現することもあります。これらの症状が複合的に現れることが、糖尿病の初期段階における特徴です。
初期症状の組み合わせパターンと糖尿病リスクの関連性
糖尿病の初期症状は単独で現れることもありますが、複数の症状が組み合わさって発現することが多く、その組み合わせパターンは糖尿病のリスクレベルを示唆します。多飲・多尿・体重減少の三つが同時に現れる場合、特に短期間での急激な体重減少を伴う場合は、1型糖尿病の発症を強く疑う必要があります。一方、肥満傾向にある中高年で、多飲・多尿に加えて足のしびれや視覚障害、疲労感が徐々に進行する場合は、2型糖尿病の可能性が高まります。また、多食にもかかわらず体重減少が見られる組み合わせは、インスリン作用不足が顕著であることを示唆し、早急な医療介入が必要です。さらに、繰り返す皮膚感染症や女性の性器カンジダ症に多尿・疲労感が加わるパターンも、高血糖状態を強く示唆する重要な組み合わせです。
糖尿病の初期症状は、尿の泡立ち以外にも多岐にわたります。多飲、多尿、多食、体重減少といった「三多一少」の症状をはじめ、疲労感、視力変化、皮膚症状など様々なサインが現れます。これらの症状は単独でも、また特定の組み合わせパターンでも出現し、その組み合わせによって糖尿病のタイプやリスクレベルを推測することも可能です。重要なのは、これらの症状を軽視せず、特に複数の症状が同時に現れている場合は、迅速に医療機関を受診することです。糖尿病は早期発見・早期治療によって合併症リスクを大幅に軽減できる疾患です。自分の体の変化に敏感になり、少しでも気になる症状があれば、血糖値の検査を受けることをお勧めします。
セルフチェック方法と受診のタイミング
ここでは、自宅で簡単にできる「尿の泡立ちのセルフチェック方法」と「医療機関を受診すべきタイミング」について解説します。
自宅でできる尿の泡立ちセルフチェック方法と判断基準
尿の泡立ちを正確に評価するには、一定の条件下で観察することが重要です。まず清潔なトイレボウルを用意し、強い洗剤などの使用を避けてください。排尿時は通常の勢いで行い、水面に直接当たるようにします。泡の特徴を観察する際のポイントは、「量」「持続時間」「質感」の3つです。健康な尿の場合、泡は少量で大きめの気泡が形成され、通常30秒以内に消失します。一方、タンパク尿を伴う場合は、泡が細かく密集し、クリーミーな質感で、数分から数十分持続します。なお、判断基準としては、泡が5分以上持続し、シェービングクリームのような細かい泡の場合は注意が必要です。このチェックは朝一番の尿や、長時間水分摂取していない状態での尿で行うのが理想的です。ただし、1回のチェックだけでなく、複数日にわたって観察することで、より信頼性の高い判断ができます。
尿の泡立ちと他の症状の組み合わせによる受診の目安
尿の泡立ちに加えて他の症状が現れる場合、その組み合わせによって受診の緊急度が変わります。尿の泡立ちが継続的(3日以上)に観察され、同時に喉の渇き、頻尿、疲労感といった糖尿病の典型的な症状を伴う場合は、できるだけ早く医療機関を受診すべきです。特に過去に糖尿病と診断されたことがある方や、家族歴のある方は優先的に受診を検討してください。また、尿の泡立ちに加えて、顔や足のむくみ、目の周りの腫れ、背部痛、血尿などの症状がある場合は、腎臓の問題を示唆している可能性があり、早急な受診が必要です。一方、尿の泡立ちのみで他の症状がない場合でも、2週間以上持続するようであれば、定期検診を待たずに医療機関を受診することをお勧めします。特に40歳以上の方や、肥満、高血圧、脂質異常症などのリスク因子を持つ方は注意が必要です。
糖尿病以外で尿が泡立つ疾患との違い
尿の泡立ちは必ずしも糖尿病だけに見られる症状ではなく、他の様々な疾患や一時的な生理的要因によっても引き起こされることがあります。適切な診断と治療のためには、糖尿病による尿の泡立ちと他の原因による泡立ちを鑑別することが重要です。ここでは、糖尿病以外で「尿の泡立ちを引き起こす主な疾患」や原因、その特徴的な違いについて解説します。
腎臓病・ネフローゼ症候群など他疾患による尿の泡立ちの特徴と鑑別ポイント
尿の泡立ちを引き起こす代表的な疾患には、糖尿病性腎症以外にも原発性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、高血圧性腎症などがあります。これらの疾患の鑑別ポイントとして、まず発症の経過が挙げられます。糖尿病性腎症は通常、糖尿病診断から数年経過後に徐々に現れるのに対し、急性糸球体腎炎では感染症後1~2週間で突然発症することが多いです。ネフローゼ症候群では尿の泡立ちが糖尿病よりも顕著で、同時に著明な浮腫が見られることが特徴的です。また随伴症状も重要で、糖尿病では多飲多尿や体重減少、視力低下などを伴うことが多いのに対し、腎炎では血尿や背部痛、高血圧を伴うことがあります。さらに、糖尿病では尿糖が陽性になることが多いですが、他の腎疾患では必ずしも尿糖は陽性にならず、この点も重要な鑑別点となります。
一時的な原因(食事内容・運動・薬剤)による尿の泡立ちと疾患との見分け方
尿の泡立ちは、病的な原因だけでなく、一時的あるいは生理的な要因によっても生じることがあります。食事に関連するものとしては、高タンパク食(肉類や乳製品を多く摂取した場合)や脱水状態(尿が濃縮される状態)により、一時的に尿が泡立つことがあります。また、激しい運動の後にも、筋肉からのタンパク質の漏出や脱水によって泡立ちが増加することがあります。さらに、利尿剤や一部の抗生物質、造影剤などの薬剤も尿の性状を変化させ、泡立ちを促進することがあります。こうした一時的な要因による泡立ちと、病的な原因によるものとの最大の違いは「持続性」にあります。一時的な要因による泡立ちは、通常24〜48時間以内に自然に消失しますが、病的原因によるものは持続的に観察されるのが特徴です。また、一時的な泡立ちは、食事内容の見直しや水分摂取の増加、運動強度の調整、薬剤の中止などによって改善されることが多く、随伴症状が少ない点も特徴的です。
尿検査で何がわかるか - 糖尿病と他疾患の検査結果の違い
尿検査は、糖尿病と他の疾患を鑑別する上で非常に有用な検査です。糖尿病患者の尿検査では、尿糖陽性が特徴的に認められます。これは、血糖値が腎臓の再吸収閾値(おおよそ180 mg/dL)を超えると、ブドウ糖が尿中に排泄されるためです。一方、糸球体腎炎やネフローゼ症候群では、通常、尿糖は陰性です。タンパク尿に関しては、糖尿病性腎症では初期にアルブミンのみが排泄される微量アルブミン尿として出現し、疾患の進行に伴ってその量が増加します。対照的に、急性糸球体腎炎では、初期から顕著なタンパク尿と血尿を同時に認めることが一般的です。また、尿沈渣検査においても両者には所見の違いがあります。糖尿病では脂肪顆粒や顆粒円柱が見られるのに対し、腎炎では赤血球円柱や白血球が多く出現します。さらに、特殊検査として、尿中NAG(N-アセチル-β-D-グルコサミニダーゼ)やL-FABP(肝臓型脂肪酸結合タンパク)といった尿細管マーカーの上昇パターンも疾患ごとに異なり、鑑別診断の一助となります。
尿の泡立ちは糖尿病性腎症、原発性腎疾患、一時的な生理的要因など、様々な原因で生じる重要な臨床所見です。鑑別のポイントとして、発症の経過(糖尿病は緩徐、腎炎は急性)、随伴症状(糖尿病は多飲多尿や視力低下、腎疾患は浮腫や血尿)、尿検査結果(尿糖の有無、タンパク尿のパターン、尿沈渣所見)などが重要です。また、一時的要因による泡立ちは持続時間が短く、原因除去により改善するのが特徴です。尿の泡立ちを認めた場合は、自己判断せず専門医による適切な検査を受けることが大切です。糖尿病や腎疾患は早期発見・早期治療が予後を大きく左右するため、尿の異常に気づいたら迅速に医療機関を受診してください。
まとめ:尿の泡立ちに気づいたら早期の専門医受診を
尿の泡立ちは体からのサインであり、糖尿病をはじめとする様々な疾患の早期発見につながる重要な手がかりとなります。適切なタイミングでの専門医受診は合併症の予防や進行抑制に直結します。ここでは、「尿の泡立ちに気づいた際の対応」と医療機関での検査から治療までの流れについて解説します。
尿の泡立ちを含む初期症状の段階での糖尿病発見の重要性と治療予後の関係
糖尿病は早期に発見されるほど、治療の選択肢が広がり、合併症リスクを大幅に低減できることが知られています。尿の泡立ちは、糖尿病性腎症の初期段階である微量アルブミン尿の存在を示唆する可能性があり、この段階で発見されれば、腎機能の悪化を効果的に抑制できます。実際のデータでは、微量アルブミン尿の段階で適切な治療介入を行うことで、約80%の患者で腎症の進行を抑制できるとされています。また、糖尿病は単に血糖値の問題だけではなく、心血管疾患リスクを高める「全身性疾患」であり、初期症状の段階での発見は心筋梗塞や脳卒中などの致命的合併症の予防にも寄与します。さらに、初期段階であれば生活習慣の改善と適切な薬物療法の組み合わせにより、血糖コントロールの目標達成率が高く、将来的なインスリン治療への移行リスクも低減できるのです。
板谷内科クリニックでの糖尿病検査・診断・治療の流れと特徴
糖尿病の検査・診断・治療の流れについては、以下の通りです。
<検査>
まず問診により、尿の泡立ちをはじめとする症状の持続期間や、口渇、多飲多尿などの他の症状の有無を確認します。続いて尿検査が行われ、尿糖、尿タンパク、尿中アルブミンなどをチェックします。血液検査では、空腹時血糖値、HbA1c(過去1-2か月の平均血糖値を反映)、腎機能(eGFR、クレアチニン)、脂質プロファイルなどを測定します。場合によっては、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を実施し、75gのブドウ糖摂取後の血糖値変動を評価します。これらの検査に加えて、体組成分析や眼底検査なども行われ、全身的な評価が行われます。なお、検査結果は通常1週間程度で出揃い、総合的な診断へとつながります。
<診断>
糖尿病の診断は国際的な基準に基づいて行われます。空腹時血糖値が126mg/dL以上、随時血糖値が200mg/dL以上、HbA1cが6.5%以上、または75g経口ブドウ糖負荷試験で2時間値が200mg/dL以上のいずれかを満たすと糖尿病と診断されます。これらの値が基準値を超えていても糖尿病の範囲には達していない場合は、「耐糖能障害」や「空腹時血糖異常」と診断され、糖尿病予備群として管理されます。なお、診断時には、1型・2型の鑑別や、二次性糖尿病の可能性についても評価します。さらに、細小血管合併症(網膜症、腎症、神経障害)や大血管合併症(冠動脈疾患、脳血管疾患、末梢動脈疾患)の有無も確認され、これに基づいて治療目標(HbA1c値など)が個別に設定されます。
<治療>
糖尿病治療は、「生活習慣の改善」と「薬物療法」の二本柱で進められます。生活習慣の改善では、栄養療法(適正カロリーの摂取と栄養バランスの見直し)、運動療法(有酸素運動と筋力トレーニングの組み合わせ)、禁煙の指導などが行われます。薬物療法については、患者の年齢、病態、合併症の有無、生活様式などを総合的に考慮して薬剤が選択されます。一般的に、2型糖尿病における第一選択薬はメトホルミンであることが多いですが、SGLT2阻害薬、DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬など、様々な選択肢があります。なお、治療開始後は、通常1~3か月ごとの定期通院により血糖コントロールの状態を評価し、必要に応じて治療内容を見直します。また、合併症の予防のために、眼底検査、尿中アルブミン測定、神経機能検査などの年1回の精密検査も推奨されます。
糖尿病は完治が難しい疾患ですが、適切な管理によって健康寿命を延ばし、質の高い生活を維持することは十分に可能です。重要なのは、「様子を見よう」と放置せず、気になる症状がある場合には迷わず受診することです。早期に適切な治療を開始することで、多くの合併症は予防可能です。自分自身の健康に関心を持ち、体からのサインを見逃さない姿勢が、糖尿病と上手に付き合うための第一歩となります。なお、当院では、患者一人ひとりの状態に合わせた総合的な治療を提供しています。糖尿病の初期段階から進行した症例まで幅広く対応しておりますので、糖尿病の症状に心当たりのある方、もしくは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
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2025.06.10
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