板谷内科クリニックブログ

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糖尿病・代謝内科の症状についての記事一覧

糖尿病・代謝内科

【医師監修】目に現れる糖尿病の症状について解説

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では「目に現れる糖尿病の症状」について解説していきます。後半部分では「糖尿病性網膜症」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 糖尿病とは 糖尿病と目の関係 糖尿病網膜症とは 糖尿病性白内障 目に関する症状は早期発見が極めて重要です 不安な方はいつでもご相談ください   糖尿病とは 糖尿病はインスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖が増えてしまう病気です。血糖の濃度が何年間も高いままで放置されると血管が傷つきます。そして将来的に心臓病や、失明、腎不全といった、より重い病気につながります。そのため糖尿病の症状が見られた際には放置せず、速やかに糖尿病専門医による診察を受けることが大切です。なお糖尿病は、症状の自覚が難しい病気です。血糖値が少し高い段階では、自覚する症状はほぼありません。しかし高血糖のままある程度の時間が経過すると、次のような症状が現れてきます。 <糖尿病の初期症状> ・立ちくらみ ・全身の倦怠感、疲労感 ・喉が渇いて沢山の水がほしくなる ・手足のしびれ、冷え、むくみ ・皮膚のかゆみ、乾燥 ・目がかすむ ・視力の低下 ・やけどの痛みを感じにくい ・食べているのに痩せる ・残尿感がある ・尿の臭いが気になる ※糖尿病の症状について詳しく知りたい方は「糖尿病情報センター」をご覧ください。   糖尿病と目の関係 糖尿病になると、高血糖の影響で網膜の毛細血管が損傷し、「末梢神経障害」や「代謝異常」が生じることがあります。これにより、様々な目の合併症が発生します。合併症の中には、初期段階では症状が現れないこともありますので、注意が必要です。なお、糖尿病網膜症は最もよく知られた合併症です。糖尿病網膜症は、高血糖が網膜血管に損傷を引き起こし、視力の喪失につながる可能性があるため、早期に眼科検査を受けることが重要です。   糖尿病網膜症とは 糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)とは、糖尿病が原因で目の中の網膜という組織が障害を受け、視力が低下する病気です。「糖尿病腎症」「糖尿病神経症」と並んで糖尿病の三大合併症と言われております。糖尿病網膜症は、他の糖尿病合併症と同様、初期段階では自覚症状がありません。しかし気づかずに放置していると症状が悪化して様々な視覚障害が起こり、最終的には失明に至ることもあります。なお、糖尿病網膜症は、進行の度合いにより大きく三段階に分類されます。 【糖尿病網膜症の病期1】単純糖尿病網膜症 単純糖尿病網膜症(たんじゅんとうにょうびょうもうまくしょう)は、初期の糖尿病網膜症です。最初に出現する異常は、細い血管の壁が盛り上がってできる血管瘤や、小さな出血です。蛋白質や脂肪が血管から漏れ出て網膜にシミ(硬性白斑)を形成することもあります。なお、これらは血糖値のコントロールが良くなれば改善することもあります。 【糖尿病網膜症の病期2】前増殖糖尿病網膜症 前増殖糖尿病網膜症(ぜんぞうしょくとうにょうびょうもうまくしょう)は、単純網膜症より一歩進行した状態です。細い網膜血管が広い範囲で閉塞すると、網膜に十分な酸素が行き渡らなくなり、足りなくなった酸素を供給するために新しい血管(新生血管)を作り出す準備を始めます。この時期になると「かすみ」などの症状を自覚することが多いのですが、全く自覚症状がないこともあります。 【糖尿病網膜症の病期3】増殖糖尿病網膜症 増殖糖尿病網膜症(ぞうしょくとうにょうびょうもうまくしょう)は、糖尿病網膜症の重篤な状態です。この疾患は、高血糖の長期間の影響により、網膜の血管に損傷が生じ、異常な新生血管の増殖が引き起こされます。これらの新生血管は脆弱で、網膜内出血や網膜浮腫を引き起こす可能性があり、視力に深刻な損傷をもたらすことがあります。また、出血量が多い場合には視力低下を引き起こすこともあります。さらに、疾患が進行し、状態が悪化すると、線維性の増殖組織が形成され、網膜剥離のリスクが高まります。 ※糖尿病網膜症について詳しく知りたい方は「糖尿病網膜症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」をご覧ください。   糖尿病性白内障 糖尿病性白内障(とうにょうびょうはくないしょう)とは、水晶体と呼ばれるレンズの部分が濁ってしまって見えにくくなる病気です。糖尿病患者さんに見られる特定の白内障の形態になります。残念ながら、糖尿病性白内障の具体的な原因は、まだはっきりとは分かっていません。主に高血糖が続くことにより、糖アルコールが蓄積して水晶体の混濁が起こると考えられています。また、糖化や酸化などの反応が関係しているとも言われています。なお、一般的に白内障は、加齢によって症状が発生しやすくなる病気です。しかし糖尿病性白内障の場合には20~30代の若年者であっても罹ることがありますので、注意が必要です。白内障の症状や白内障発症のリスクを高める危険因子については、「白内障 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」をご覧ください。   目に関する症状は早期発見が極めて重要です 「糖尿病網膜症」や「糖尿病性白内障」など、糖尿病による目の合併症は視力を脅かす重要な問題です。これらの合併症は初期段階では症状が現れにくく、進行すると視力の喪失につながります。ですから、決して放置せず、積極的に定期的な眼科検査を受けてください。特に、「糖尿病にお心当たりのある方」や「健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方」は、目の健康に対する高い意識を持つべきです。定期的な眼科検査を受け、早期発見に努めてください。これにより、合併症が進行する前に適切な治療や介入が可能となり、視力の喪失を予防できます。   不安な方はいつでもご相談ください 糖尿病による目の合併症は、自覚症状がないまま進みます。自覚症状が出たころには、症状がかなり進んでいて、失明を覚悟しなくてはなりません。ですので、糖尿病やその予備軍と診断されたら、医師の指示どおり血糖のコントロールを行い、自覚症状がなくても眼科での定期的な眼底検査を行ってください。なお、糖尿病の指標のひとつに、ヘモグロビンA1c(HbA1c…正常値4.3~5.8)というのがあり、この数値が7.5以上になると、5倍以上失明する危険が高まるといわれています。ご自身の「ヘモグロビンA1c」について気になる方、あるいは糖尿病網膜症の症状について気になる方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2023.09.28

糖尿病・代謝内科

血糖値スパイクとは?症状や原因、糖尿病との関係を解説

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、「血糖値スパイク」について解説していきます。後半部分では「血糖値スパイクを予防するための生活習慣」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 血糖値スパイクとは何か? 血糖値スパイクの原因 血糖値スパイクの症状 血糖値スパイクを起こしやすい人の特徴 血糖値スパイクの対策・予防するための生活習慣 血糖値スパイク、糖尿病についてはお早めに相談ください   血糖値スパイクとは何か? 血糖値スパイクとは、普段の血糖値は正常なのにもかかわらず、食後に限って血糖値が急上昇、急降下する現象のことです。この現象は、血糖値のグラフがまるで突出した「スパイク」のように上昇することから「血糖値スパイク」と呼ばれています。通常の場合、食後2時間経過時の血糖値は140mg/dL未満であるべきですが、血糖値スパイクの場合はこの基準値を超えて140mg/dL以上になることがあります。「糖尿病ネットワーク」でも同様の見解を述べています。   血糖値スパイクの原因 血糖値スパイクは、インスリンの分泌が正常に行なわれないことが原因です。老化や肥満などの影響でインスリンを分泌する膵臓の機能が衰えると、適切な量のインスリンを分泌できなかったり、インスリンを分泌するタイミングが遅れたりします。その結果、ブドウ糖を細胞内に取り込めず、血液中のブドウ糖の濃度が急激に上昇し、食後高血糖と呼ばれる状態になるのです。 <食後高血糖とは> 食後高血糖とは、食後2時間が過ぎても血糖値が高い状態のことを言います。食事をすると血糖値は高くなり、2~3時間以内に正常値(110mg/dl未満)に戻るのが一般的です。しかし、血糖値が低下せず長い時間140mg/dl以上の値が続く場合には「食後高血糖」と判断されます。食後血糖値が高い状態が続くと、糖尿病の発症リスクが高くなります。ですので、食後高血糖は糖尿病だけでなく糖尿病予備群においても重要な指標の一つとして注目されています。   血糖値スパイクの症状 血糖値スパイクの症状は、食後に急激な血糖値上昇が起こることから、眠気、頭痛、だるさなどを感じることがあります。血糖値スパイクの主な症状は次の通りです。 【血糖値スパイクの症状1】眠気・だるさ 急な血糖上昇に対応して過剰に分泌されたインスリンにより、「眠気」や「だるさ」を感じることがあります。食後の眠気については「食後の強い眠気は糖尿病症状の可能性があります」をご覧ください。 【血糖値スパイクの症状2】頭痛 食後血糖値と関連する頭痛には二種類あると言われています。一つ目は低血糖から引き起こされる頭痛です。二つ目は血糖値スパイクによる慢性的な動脈硬化により引き起こされる頭痛です。 【血糖値スパイクの症状3】気絶 過剰に分泌されたインスリンによって血糖値が急降下し、低血糖状態に陥ることがあります。低血糖状態では意識が朦朧とし、時には気絶することもあります。特に糖尿病患者さんにとっては、過剰なインスリンの効果による低血糖は注意が必要であり、適切な管理が求められます。 ※血糖値スパイクは、自覚症状がほぼないと言われています。その理由は、時間が経つと血糖値が下がり、正常な範囲に戻るため、その間に特別な症状を感じにくいことが挙げられます。また、定期的な健康診断の空腹時血糖値測定では、食後の高血糖を検出しにくいという要因も影響しています。血糖値スパイクの症状に気づいた場合、糖尿病の進行が考えられます。したがって、「食後に急激に眠くなる」「頭痛がする」などの自覚症状がある場合は、放置せず、速やかに医療機関に相談してください。   血糖値スパイクを起こしやすい人の特徴 血糖値スパイクを起こしやすい人の特徴は、次の通りです。 ・運動不足 ・血縁者に糖尿病の人がいる ・満腹になるまで食べる ・炭水化物中心の食事をたくさん食べる ・朝食をとる習慣がない ・食べる速度が早い   血糖値スパイクの対策・予防するための生活習慣 血糖値スパイクを避ける上で大事なのは“食事”と“運動”です。血糖値スパイクを防ぐために、次のような生活習慣を心掛けてください。 【血糖値スパイクの対策・予防するための生活習慣1】ゆっくり食べる 早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。 【血糖値スパイクの対策・予防するための生活習慣2】規則正しく3食を食べる 1日に2食や、間隔の空き過ぎた食事の取り方はよくありません。食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、規則正しく3食を食べることを心掛けてください。 【血糖値スパイクの対策・予防するための生活習慣3】間食をしない 間食をすると血糖値の高い状態が続き、インスリンを分泌するすい臓に大きな負担がかかります。また、その状態のままで次の食事をすると、食後高血糖の原因にもなります。糖尿病を予防するためにも間食はできる限り控えてください。 【血糖値スパイクの対策・予防するための生活習慣4】野菜類から食べる 野菜類から先に食べることで食後の血糖値の上昇が緩やかになります。また、野菜や豆類などで少しお腹をふくらませておくと、肉類やご飯の量を減らすこともできます。ですので、食事をする際は野菜類から食べてください。 【血糖値スパイクの対策・予防するための生活習慣5】炭水化物・糖質の摂りすぎを避ける 炭水化物や糖質の摂り過ぎは、血糖値を急激に上昇させる要因です。したがって、炭水化物や糖質の摂りすぎにはご注意ください。なお、炭水化物や糖質の摂り過ぎに加え、果汁飲料の摂取にも注意が必要です。果汁には自然の糖分が多く含まれ、飲用することで血糖値が急上昇する可能性があります。特に加工された果汁飲料は糖分が濃く、大量の糖質摂取を招く恐れがあります。血糖値のコントロールを目指す方は、果汁飲料の代わりに水や無糖の飲料を選ぶことをお勧めします。 【血糖値スパイクの対策・予防するための生活習慣6】食物繊維が含まれる食品を摂る 食物繊維には、食後の血糖値上昇を抑え、便通を改善させる効果があります。さらに、水に溶ける食物繊維(水溶性食物繊維)には、血中コレステロールの上昇を抑える効果があります。ですので、食物繊維が含まれる食品を多く摂るように心掛けてください。なお、食物繊維を多く含む食べ物には、野菜、海藻、きのこなどが挙げられます。 <野菜> 野菜は低カロリーで食物繊維が多く、糖質や脂質の代謝に必要なビタミン・ミネラルが含まれています。特にブロッコリーや小松菜などの緑黄色野菜には食物繊維以外にも、糖の代謝を促進する葉酸も多く含まれています。ですので、野菜を選ぶ際は緑黄色野菜を中心に食べてください。なお、南瓜やれんこん、芋類は糖質が多い野菜なので、食べ過ぎに注意してくださいね。 <海藻> 海藻は低カロリーで食物繊維、ビタミン、ミネラルを多く含みます。中でも「めかぶ」はおすすめです。 <きのこ> きのこは低カロリーで食物繊維が多く含まれています。食物繊維は、糖の吸収を邪魔するため、血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。さらに、きのこに含まれるβ-グルカンは胃や腸で膨らむので満腹感も得られ、お通じの調子も整います。 【血糖値スパイクの対策・予防するための生活習慣7】たんぱく質を積極的に摂る 肉や魚、卵、豆類などのたんぱく質が血糖値の急激な上昇を緩和し、食後の血糖値を安定させる助けになります。したがって、積極的にたんぱく質は摂ってください。高齢の方は、食事の量が減ってたんぱく質が不足しやすく、加齢も影響して筋肉が衰えやすいので、特に注意してくださいね。 【血糖値スパイクの対策・予防するための生活習慣8】運動をする 運動は血糖値スパイクの予防に有効です。定期的な有酸素運動や筋力トレーニングは、インスリンの効果を向上させ、血糖値の急上昇を緩和します。さらに、運動によってブドウ糖や脂肪酸の利用が促進され、細胞や筋肉が糖分を効果的に吸収することができるようになり、血糖値の低下が期待されます。したがって、血糖値スパイクを予防するためには積極的に運動を取り入れることが大切です。医師の指導を受けながら、適切な運動方法を選択してください。なお、有酸素運動については以下をご覧ください。 <有酸素運動> 有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに、酸素を使う運動のことです。ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。 【血糖値スパイクの対策・予防するための生活習慣9】ストレスを解消する ストレスを感じると、血糖値を上昇させるホルモンが分泌されたり、インスリン抵抗性が強くなったりします。したがってストレスと上手く付き合うことも、血糖値スパイクを予防するためには大切です。   血糖値スパイク、糖尿病についてはお早めに相談ください 血糖値スパイクは自覚症状がほとんどありません。また、糖尿病になっても初期段階では自覚症状がありません。そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということは多々あります。糖尿病を放置していると、神経や血管にダメージを与え、重篤な合併症に繋がる可能性がありますので、健康診断で糖尿病の可能性が指摘された方や、食後の眠気・だるさを感じている方は、早めに受診することをお勧めします。なお、当院では予約不要で診察を行っております。糖尿病にお心当たりのある方、あるいは血糖値について相談したい方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2023.08.09

糖尿病・代謝内科

不眠症と糖尿病の関係性について

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、「不眠症と糖尿病の関係性」について解説していきます。後半部分では、「不眠症と糖尿病の併発リスク」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 不眠症と糖尿病の症状 睡眠障害が糖尿病に与える影響について 不眠が糖尿病に与える影響について 糖尿病症状が不眠症に与える影響とは 糖尿病患者さんに起こり得る眠気のメカニズム 体内時計の乱れがもたらす影響 不眠症と糖尿病の併発リスク 不眠症、糖尿病についていつでもご相談ください   不眠症と糖尿病の症状 不眠症と糖尿病の症状の症状は、次の通りです。 <不眠症の症状> 不眠症とは、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害によって、その人にとって必要な睡眠時間が十分に取れないことや“睡眠の質”が低下することで、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。不眠は、眠気、倦怠感、集中力低下、抑うつや不安などの精神症状を引き起こし、その結果として生産性の低下、交通事故の増加など、様々な人的及び社会経済的損失をもたらすと考えられております。したがって、「睡眠が浅い」「寝付けない」など、睡眠に関して気になる症状がある方は、早い段階で医療機関に相談することをお勧めします。なお、日本においては約5人に1人が不眠の症状で悩んでいると言われております。詳しくは「不眠症 - e-ヘルスネット - 厚生労働省」をご覧ください。 <糖尿病の症状> 糖尿病はインスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖が増えてしまう病気です。血糖の濃度が何年間も高いままで放置されると血管が傷つきます。そして将来的に心臓病や、失明、腎不全といった、より重い病気につながります。そのため糖尿病の症状が見られた際には放置せず、速やかに糖尿病専門医による診察を受けることが大切です。なお糖尿病は、症状の自覚が難しい病気です。血糖値が少し高い段階では、自覚する症状はほぼありません。しかし高血糖のままある程度の時間が経過すると、次のような症状が現れてきます。 糖尿病の初期症状 ・立ちくらみ ・全身の倦怠感、疲労感 ・喉が渇いて沢山の水がほしくなる ・手足のしびれ、冷え、むくみ ・皮膚のかゆみ、乾燥 ・目がかすむ ・視力の低下 ・やけどの痛みを感じにくい ・食べているのに痩せる ・残尿感がある ・尿の臭いが気になる   睡眠障害が糖尿病に与える影響について 睡眠障害は、糖尿病と密接な関係があることが研究で示されています。「不眠症」や「睡眠時無呼吸症候群」などの睡眠障害は、「血糖コントロールの悪化」や「インスリン抵抗性の増加」を引き起こす可能性があります。また、睡眠障害はストレスホルモンの分泌を増加させ、炎症反応を促進することもあります。炎症反応の亢進は、インスリンの効果を妨げ、血糖値の上昇に寄与する可能性があるため、注意が必要です。なお、睡眠障害は様々な要因が組み合わさることで糖尿病の発症や進行を加速させる可能性があります。したがって、睡眠の質と量を適切に管理することは、糖尿病管理の重要な要素と言えます。   不眠が糖尿病に与える影響について 不眠は糖尿病に多様な影響を及ぼします。糖尿病のない人々においても、睡眠不足になると交感神経が刺激され、コルチゾールの分泌が増えてインスリン抵抗性が高まると報告されています。また、不眠により、食欲を抑制するホルモンであるレプチンが減少し、食欲を刺激するホルモンであるグレリンが増加するという研究結果もあります。これにより生じる食欲増進は血糖コントロールに当然不利に働きますので、これにより生じる食欲増進は血糖コントロールに当然不利に働きますので、適切な睡眠を確保することは糖尿病予防や管理において重要な要素と言えます。   糖尿病症状が不眠症に与える影響とは 糖尿病は不眠症に様々な影響を与える可能性があります。まず、高血糖状態が持続すると、夜間の頻尿や喉の渇きが生じ、眠りを妨げることがあります。また、糖尿病に伴う神経障害(神経症状)は、足のしびれや痛みを引き起こし、就寝時の快適さや眠りの質に悪影響を及ぼすことがあります。さらに、糖尿病患者さんは血糖コントロールのためにインスリンや薬物を使用することがありますが、これらの治療は低血糖(低血糖症)を引き起こす可能性があります。低血糖症は夜間に起こることがあり、悪夢や夜間覚醒を引き起こすことがありますので、注意が必要です。糖尿病が不眠症に与える影響は、生活の質を低下させるだけでなく、血糖コントロールの悪化や合併症のリスクを増加させる可能性があります。そのため、糖尿病患者さんは睡眠の問題に真剣に取り組み、適切な治療やライフスタイルの改善を検討することが重要です。   糖尿病患者さんに起こり得る眠気のメカニズム 糖尿病患者さんは、血糖値を下げる薬や「インスリン注射薬」を使って血糖値をコントロールするわけですが、インスリン注射薬や飲み薬が効きすぎてしまって、必要以上に血糖値が下がってしまうことがあります。低血糖状態になると脳に供給されるブドウ糖が不足してしまい、眠気が起こります。これが、糖尿病患者さんに起こり得る眠気のメカニズムになります。なお、日中の強い眠気は、糖尿病だけでなく、そのほかの病気や「生活習慣」によっても引き起こされます。例えば、睡眠時に無呼吸になり睡眠の質が低下する「睡眠時無呼吸症候群」や突然強い眠気に襲われてしまう「ナルコレプシー」といった病気です。また、寝る直前までパソコンやスマートフォンをいじっていたり、そもそも睡眠時間が少ないといった生活習慣なども眠気の原因になります。ですので、「糖尿病だから眠気が強いのだろう…」と考えるのではなく、眠気に強い悩みがあれば医師にしっかりと相談してください。   体内時計の乱れがもたらす影響 人間の体には、ほぼ24時間周期の体内時計があり、体温や血圧、ホルモン分泌などを調整しています。しかし、睡眠障害が起きると体内時計が乱れ、様々な機能に影響が及びます。まず、睡眠障害によって体と脳が十分に休まらず、糖分を細胞に取り込むためのインスリンへの反応が低下します。また、ホルモンバランスも変化し、交感神経に働きかけるコルチゾールやノルアドレナリンなどのホルモンが増加します。これにより、高血圧や高血糖といった症状が引き起こされます。一方で、食欲を制御するレプチンというホルモンは睡眠不足によって分泌が低下し、空腹感が増すため、食事のコントロールが難しくなります。つまり、糖尿病によって睡眠障害が起きると、血圧や血糖値が上昇し、糖尿病の症状が悪化するという悪循環に陥ってしまうのです。   不眠症と糖尿病の併発リスク 不眠症と糖尿病は密接な関係があり、互いに影響し合うことが知られています。そのため、糖尿病専門外来を受診している患者さんのうち、約40%が不眠に悩んでいると報告されています。糖尿病では、合併症による神経障害や高血糖による多飲・多尿などの身体的要素が不眠を引き起こすことがあります。一方、睡眠時間が不足している場合には、耐糖能異常が多いことも報告されております。このようなことから血糖コントロール不良の糖尿病では、睡眠障害と高血糖が負のサイクルを形成する可能性が考えられています。   不眠症、糖尿病についていつでもご相談ください 糖尿病は自覚症状のないままに進行し、将来的に心臓病や失明、腎不全など、より重篤な合併症を引き起こす可能性があります。そのため、決して放置してはなりません。糖尿病の可能性が指摘された方や、日常生活の乱れにより「糖尿病の症状かもしれない…」と感じている方は、できるだけ早く医療機関を受診してください。また、不眠症にも注意が必要です。不眠症と糖尿病は密接に関連しており、互いに影響し合うことが知られています。睡眠障害がある場合、血糖コントロールが難しくなり、糖尿病の管理に悪影響を及ぼす可能性がありますので、不眠症に悩んでいる方も積極的に医療機関を受診してください。なお、当院では「糖尿病」や「不眠症」の診療を行っております。糖尿病の症状について悩んでいる方、あるいは不眠症の症状にお心当たりのある方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2023.05.24

糖尿病・代謝内科

食後にひどい眠気がくるのはなぜ?糖尿病症状の可能性も

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、「糖尿病と眠気の関係」について解説していきます。後半部分では「食後の眠気を予防するための対策」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 食後にひどい眠気がくるのはなぜ?糖尿病の症状? 食後にひどい眠気がくるのはなぜ?糖尿病の疑いについて 糖尿病とひどい眠気の関係性 糖尿病によるその他の症状 低血糖による中枢神経症状 糖尿病による食後のひどい眠気を予防するために 糖尿病が不安な方はいつでもご相談ください   食後にひどい眠気がくるのはなぜ?糖尿病の症状? 食後に眠くなるのは体内時計の「生体リズム」が働くためとか、消化吸収を促すことから「副交感神経」が優位になり、心身がリラックスモードに切り替わるからなど、いろいろな説があります。確かに少しくらいの眠気なら健康な人にもある自然な現象と言えるため、それほど心配することはありません。しかし強い眠気が長時間続いてしまうときは注意が必要です。もしかしたら糖尿病の初期症状かもしれません。   食後にひどい眠気がくるのはなぜ?糖尿病の疑いも なぜ、食後に強い眠気を感じる方は「糖尿病の疑い」があるのでしょうか。 糖尿病を疑う理由として、血糖値が下がりにくくなっている可能性が挙げられます。 食後は誰でも血糖値が一時的に上がります(健康な人でも食後の血糖値は上昇します)。食後に上昇した血糖値は、時間の経過と共にゆっくり下降するのが一般的です。しかし糖尿病の方は、血糖値を下げるホルモン(インスリン)の働きが悪くなっているため、食後の高血糖状態が長く続きます。そのため、食後に強い眠気を感じやすいのです。なお、高血糖状態のときに眠気を感じやすいのは、覚醒を促す「オレキシン」というホルモンの分泌が止まるためです。オレキシンについては、以下をご覧ください。 <オレキシンについて> 睡眠と脳の覚醒にはオレキシンという物質が深く関わっています。脊椎動物のほとんどは、オレキシンが活発に働いているときに覚醒し、働きが鈍ると睡眠状態に入るといわれています。空腹になると血糖値が低くなるため「オレキシン作動性ニューロン」の活動が活発になり、オレキシンを刺激して活性化するため覚醒します。しかし、満腹になると血糖値が高くなり、オレキシン作動性ニューロンの活動が低下するため、オレキシンの活動が鈍くなり、眠くなってしまうと考えられています。つまり糖尿病の方は、オレキシンの分泌が長い時間抑制されるため、健康な方よりも「眠気を強く感じやすい」ということです。   糖尿病と眠気の関係性 糖尿病患者さんは、血糖値を下げる薬や「インスリン注射薬」を使って血糖値をコントロールするわけですが、インスリン注射薬や飲み薬が効きすぎてしまって、必要以上に血糖値が下がってしまうことがあります。低血糖状態になると脳に供給されるブドウ糖が不足してしまい、眠気が起こります。これが、糖尿病患者さんに起こり得る眠気のメカニズムになります。なお、日中の強い眠気は、糖尿病だけでなく、そのほかの病気や「生活習慣」によっても引き起こされます。例えば、睡眠時に無呼吸になり睡眠の質が低下する「睡眠時無呼吸症候群」や突然強い眠気に襲われてしまう「ナルコレプシー」といった病気です。また、寝る直前までパソコンやスマートフォンをいじっていたり、そもそも睡眠時間が少ないといった生活習慣なども眠気の原因になります。ですので、「糖尿病だから眠気が強いのだろう…」と考えるのではなく、眠気に強い悩みがあれば医師にしっかりと相談してください。   糖尿病によるその他の症状 糖尿病は症状の自覚が難しい病気です。血糖値が少し高い段階では、自覚する症状はほぼありません。しかし高血糖のままある程度の時間が経過すると、次のような症状が現れてきます。 <糖尿病によるその他の症状> ・立ちくらみ ・めまい ・頭痛 ・全身の倦怠感、疲労感 ・喉が渇いて沢山の水がほしくなる ・手足のしびれ、冷え、むくみ ・皮膚のかゆみ、乾燥 ・目がかすむ ・視力の低下 ・やけどの痛みを感じにくい ・食べているのに痩せる ・残尿感がある ・尿の臭いが気になる   低血糖による中枢神経症状 血糖値が50mg/dl程度の状態が続くと「中枢神経症状」が現れます。具体的には、頭痛、眠気、めまい、目のかすみ、ろれつが回らない、ぎこちない動作、強い疲労感などです。さらに血糖値が50mg/dlを下回ってくると「異常行動」や「痙攣」、「意識が朦朧とする」、さらに昏睡状態に陥るケースも考えられるため早期の対処が不可欠です。普段から血糖値が低い場合は、無意識のうちに低血糖状態となっている可能性も考えられます。中枢神経症状が突然発症する恐れもありますので、十分に注意してください。   糖尿病による食後の眠気を予防するために 普段の血糖値は正常でも、食後に血糖値が異常に高くなる症状を食後高血糖といいます。食後に血糖値が急激に上がり過ぎると、糖をエネルギーに変えるインスリンが大量に分泌され、反動で血糖値が急降下します。そして今度は低血糖状態になり、食後に強い眠気や倦怠感を感じたり、イライラしやすくなったりします。そのため食事をする際は、血糖値の急上昇を起こさないように気を配る必要があります。以下、血糖値の急上昇を起こさないための対策です(血糖値が急上昇したのち急降下する現象は「血糖値スパイク」と呼ばれています)。 【糖尿病による食後の眠気を予防するために1】ゆっくり時間をかけて食べる 早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。食べるスピードは非常に重要なのです。食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。 【糖尿病による食後の眠気を予防するために2】野菜類から食べること 野菜類から先に食べることで食後の血糖値の上昇が緩やかになります。また、野菜や豆類などで少しお腹をふくらませておくと、肉類やご飯の量を減らすこともできます。ですので、食事をする際は野菜類から食べてください。 【糖尿病による食後の眠気を予防するために3】脂質を味方につける 脂質はカロリーが高いので敬遠されがちですが、実は消化吸収に時間がかかるため、最も血糖値を上昇させにくい栄養素です。パスタなどの洋食と相性のいい”オリーブオイル”をふりかけて食べれば、炭水化物単体で食べるより血糖値の上昇を抑えることができます。 【糖尿病による食後の眠気を予防するために4】規則正しく3食を食べる 1日3食を規則正しく食べているときには「血糖値スパイク」が生じなかった人でも、朝食を抜くと昼食のあとに「血糖値スパイク」が発生するという研究結果が出ています。ですので、食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、規則正しく3食を食べることを心掛けてください。 ※「日中の居眠り」や「食後の眠気」を予防するためには、睡眠の質を上げることも大切です。睡眠の質を上げる方法については「糖尿病ネットワーク」をご覧ください。   糖尿病が不安な方はいつでもご相談ください 糖尿病になっても初期段階では自覚症状がありません。そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病かもしれない…」と感じている方は、早めに受診することをお勧めします。糖尿病にお心当たりのある方、あるいは健康的な食事について相談したい方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2023.03.18

糖尿病・代謝内科

糖尿病による皮膚の症状について

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、「糖尿病による皮膚の症状」について解説していきます。後半部分では「糖尿病が引き起こす皮膚の病気」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 糖尿病による皮膚への影響 なぜ糖尿病にかかると皮膚に症状が出るのか 糖尿病が引き起こす皮膚の病気 糖尿病による皮膚病の予防策 糖尿病による皮膚の痒みを防ぐために まとめ   糖尿病による皮膚への影響 糖尿病はインスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖が増えてしまう病気です。血糖の濃度が何年間も高いままで放置されると血管が傷つき、将来的に心臓病や、失明、腎不全といった、より重い病気につながります。また、糖尿病は皮膚症状との関連性が高い病気の一つです。多くの糖尿病患者さんが、乾燥や痒み、痛みなどの肌のトラブルに悩まされています。糖尿病患者さんに現れる症状のうち、皮膚や肌に関係するものは以下の通りです。 ・痒い ・乾燥する ・ちくちくと指すような痛みがある ・手足の感覚がない ・切り傷が治りにくい   なぜ糖尿病にかかると皮膚に症状が出るのか 多くの糖尿病患者さんが、乾燥や痒み、痛みなどの肌のトラブルに悩まされています。なぜ糖尿病にかかると皮膚症状が出るのでしょうか。 <高血糖による脱水症状> 血糖値が上がると、皮膚の水分が失われ乾燥肌になりやすくなります。乾燥した皮膚は傷つきやすいので、痒みが生じたり、痛みが走ったりします。 <多尿により体内が脱水傾向になる> 血糖値が高い状態が続くと、血液中のブドウ糖の多くが尿に排出されます。その際に体の中の水分も一緒に尿に排出されるため脱水気味となり、皮膚が乾燥しやすくなると考えられています。 <自律神経障害によって発汗作用が低下するため> 糖尿病で高血糖の状態が長く持続すると、自律神経に障害が及びます。自律神経の働きが障害されると汗をかきにくくなり、皮膚の水分量が低下するため、「乾燥」や「痒み」が生じやすいと考えれられています。   糖尿病が引き起こす皮膚の病気 糖尿病による「血管障害」や「神経障害」あるいは「脂質代謝異常増悪」により、下記のような皮膚病変が出現します。 【糖尿病が引き起こす皮膚の病気1】糖尿病性水疱 糖尿病性水疱とは、糖尿病による血管障害の影響で、突然手や脚の皮膚に水疱ができる病気です。高血糖状態が続くと細菌や真菌に対する抵抗力が低下し、血流が悪くなるため感染症を引き起こしやすくなることが原因と考えられています。なお、糖尿病性水疱はカビの一種である真菌に感染することで発症します。 【糖尿病が引き起こす皮膚の病気2】成年性浮腫性硬化症 成年性浮腫性硬化症とは、糖尿病や感染症などをきっかけとして引き起こされる皮膚変化のことを指します。顔や首、肩、上半身などを含めた全身各所の皮膚がむくみ、硬くなります。成年性浮腫性硬化症では、原因となっている疾患に対する治療が行われるほか、皮膚病変に対して光線療法や免疫抑制剤の使用などが検討されます。 【糖尿病が引き起こす皮膚の病気3】糖尿病性黄色腫 糖尿病性黄色腫は、重症糖尿病あるいは充分コントロールされない糖尿病にみられる稀な皮膚合併症です(糖尿病の家族歴を持つ20~30歳代に起こりやすい)。好発部位は四肢伸側で、特に肘頭、膝蓋、臀部で、米粒大から小豆大の黄色ないし赤褐色の丘疹または小結節が多発し、時に掻痒を伴います。 【糖尿病が引き起こす皮膚の病気4】リポイド類壊死症 リポイド類壊死症とは、肉芽腫性反応、血管壁の肥厚と脂肪沈殿とコラーゲンの変性疾患のことを言います。糖尿病性細小血管症に焦点を当てた原因説があげられています。なお、糖尿病患者さんにおいては、早期に発生すると言われています。 【糖尿病が引き起こす皮膚の病気5】糖尿病性皮膚潰瘍 糖尿病性潰瘍とは、糖尿病が進行すると起こる皮膚潰瘍のことです。症状としては足の指などに皮膚潰瘍ができるのですが、糖尿病による神経障害を併発していることが多く、無痛のため気付かないこともあります。なお、皮膚潰瘍を放置しますと“潰瘍部分”が壊死してしまいますので、注意が必要です。   糖尿病による皮膚病の予防策 糖尿病による皮膚病変は予防が重要です。糖尿病皮膚病変を予防するには以下のポイントを押さえて行うことが大切です。 ・毎日皮膚をチェックする ・保湿して乾燥対策を行う ・低温やけどに注意する 糖尿病があるため、皮膚科的に特別な治療が必要になることはあまりないですが、一般的に病気が広がりやすく治りにくい傾向があるので、皮膚の小さな変化に気付いたらそのままにせず、早めに診察を受けてください。もちろん、血糖値をよく管理することも大切になります。   糖尿病による皮膚の痒みを防ぐために 皮膚の痒みを予防する上で大切なのは、肌のバリア機能を低下させないことです。こまめに保湿剤を使用し、スキンケアを行ってください。以下、痒さへの対策になりますので、ぜひ参考にしてくださいね。 【糖尿病による皮膚の痒みを防ぐために1】紫外線を防ぐ 紫外線は必要以上に浴びると皮膚の乾燥を起こしたり、皮膚の老化を早めたり、眼の病気や皮膚がんのリスクを高める可能性があります。また、長時間日光を浴びると皮膚が炎症を起こし(日焼け)、皮膚のバリア機能が低下します。ですので、紫外線が強い時期や時間帯に外出するときは、日焼け止めを塗ったり、腕や首などを覆う服を着たり、日傘をさしたりして肌を守ってください。 【糖尿病による皮膚の痒みを防ぐために2】肌の乾燥を防ぐ バリア機能が低下して乾燥した肌は、痒みが発生しやすくなります。保湿剤を塗り、肌を乾燥から守るケアを心がけてください。保湿剤によるスキンケアは1年をとおして毎日続けるものなので、季節や時間帯、塗る場所に応じて、使いやすい剤形を選んでください。 【糖尿病による皮膚の痒みを防ぐために3】清潔の保持 この場合の清潔とは、皮膚の汚れや汗、アレルギーの原因物質、細菌(黄色ブドウ球菌)やウイルスなどを洗い落とすことをいいます。「汗をかいたら早めにシャワーで流す」「外出先では、こまめに汗を拭き取る」など、常に清潔さをキープしてください。 【糖尿病による皮膚の痒みを防ぐために4】バランスのとれた食事をする たんぱく質、ビタミン・ミネラル、食物繊維などをバランスよくとってください。乾燥肌にはサバやイワシなどの青魚や、かぼちゃ、にんじんなどの緑黄色野菜がおすすめです。   まとめ 糖尿病になっても初期段階では自覚症状がありません。そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病かもしれない…」と感じている方は、早めに受診することをお勧めします。糖尿病にお心当たりのある方、あるいは健康的な食事について相談したい方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2023.03.17

糖尿病・代謝内科

糖尿病による目の症状

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、「糖尿病が目に及ぼす影響」について解説していきます。後半部分では「糖尿病網膜症の治療法」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 糖尿病が目に及ぼす影響 糖尿病で視力が低下する仕組み 糖尿病網膜症とは 糖尿病網膜症の病期 糖尿病網膜症の特徴と原因 糖尿病網膜症の治療法について 糖尿病網膜症の予防策 糖尿病網膜症は早期発見が非常に重要です   糖尿病が目に及ぼす影響 糖尿病になると、目の網膜の毛細血管が詰まったり、高血糖による“末梢神経障害”や“代謝異常”などが発生したりするため、様々な目の合併症が起こります。 合併症の中には、初期段階では自覚症状がないものもあり、また末梢神経障害を起こした糖尿病患者さんでは、痛みを感じない場合があるため注意が必要です。 糖尿病になったら目が悪くなる可能性があることを知っておいてください。   糖尿病で視力が低下する仕組み 糖尿病で視力が低下する仕組みは「眼球の透明な組織が混濁してしまうこと」と「網膜という光を感じる神経が破壊されること」の二つです。 “眼球の透明性が低下する原因”としては、水晶体が混濁する白内障、角膜が白濁する水泡性角膜症があります(さらに硝子体に出血が生じて血液がたまると、硝子体が混濁して見えにくくなります)。 一方、光を感じる神経である“網膜の機能が失われる原因”としては、網膜剥離や血管新生緑内障などがあります(糖尿病による直接的な 2 大失明原因です)。 なお、どちらも糖尿病によって網膜の血管が損傷される、「糖尿病網膜症糖」によって引き起こされます。   糖尿病網膜症とは 糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)とは、糖尿病が原因で目の中の網膜という組織が障害を受け、視力が低下する病気です。 「糖尿病腎症」「糖尿病神経症」と並んで糖尿病の三大合併症といわれてます。 糖尿病網膜症は、他の糖尿病合併症と同様、初期段階では自覚症状がありません。 しかし気づかずに放置していると症状が悪化して様々な視覚障害が起こり、最終的には失明に至ることもあります。   <網膜とは> 網膜は、瞳から入った光の明暗や色を感知する役割をもっていて、物を見るために大変重要な器官です。 網膜症とは、なんらかの理由でこの網膜が傷められ、カメラでいうと、フィルムの感度が低くなったり、フィルム自体が破損してしまった状態になる病気のことです。 程度の差はありますが、糖尿病の患者さんの約3分の1に、網膜症が起きているといわれます。   糖尿病網膜症の病期 糖尿病網膜症は、進行の度合いにより大きく三段階に分類されます。 【糖尿病網膜症の病期1】単純糖尿病網膜症(たんじゅんとうにょうびょうもうまくしょう) 初期の糖尿病網膜症です。最初に出現する異常は、細い血管の壁が盛り上がってできる血管瘤や、小さな出血です。 蛋白質や脂肪が血管から漏れ出て網膜にシミ(硬性白斑)を形成することもあります。 なお、これらは血糖値のコントロールが良くなれば改善することもあります。   【糖尿病網膜症の病期2】前増殖糖尿病網膜症(ぜんぞうしょくとうにょうびょうもうまくしょう) 前増殖糖尿病網膜症は、単純網膜症より一歩進行した状態です。 細い網膜血管が広い範囲で閉塞すると、網膜に十分な酸素が行き渡らなくなり、足りなくなった酸素を供給するために新しい血管(新生血管)を作り出す準備を始めます。 この時期になると“かすみ”などの症状を自覚することが多いのですが、全く自覚症状がないこともあります。   【糖尿病網膜症の病期3】増殖糖尿病網膜症(ぞうしょくとうにょうびょうもうまくしょう) 増殖糖尿病網膜症は、糖尿病網膜症の重症な状態です。 新生血管が網膜や硝子体に向かって伸びてきます。 新生血管は破れやすく、網膜や硝子体に出血することがあります。 硝子体に出血すると、少量なら視野に黒い影やゴミの様なものが見える飛蚊症がおこります。 また出血量が多いと視力低下をおこします。硝子体中に出血すると、よく墨を流したようなものが見えるといわれます。 何度も出血や状態の悪い期間が続くと増殖組織といわれる線維性の膜が出現し、網膜剥離を起こすことがあります。   糖尿病網膜症の特徴と原因 糖尿病にかかると、血液中の糖分を細胞がうまく吸収できなくなります。 血液中の糖分が多い状態が続くと、やがて糖が血管に障害を与えるようになります。 目の網膜にある血管は細いので特に障害を受けやすく、血管がつまったり、出血したりするようになります。 もともとある血管が障害を受けて機能しなくなってくると、栄養分などを届けられなくなるため、新しい血管(新生血管)が作られます。この血管はとてももろく、出血や成分の漏れをたびたび起こします。 この状態が、視界がかすむ、視力の低下などの症状の原因になります。 そして、さらに病気が進行すると「網膜剥離」や「緑内障」といった病気を併発し、失明に至ることもあります。   糖尿病網膜症の治療法について 糖尿病網膜症の治療法には、「薬物による治療法」と「外科的な治療法」があります。 進行の度合いによって治療法は異なり、早期に治療を始めるほど負担の小さな方法で視力障害や失明を防ぐことができます。 なお、糖尿病網膜症は完全に治すことのできない病気です。 そのため治療は、症状の悪化を防ぐために行われます。具体的な治療法については以下をご覧ください。   【糖尿病網膜症の治療法1】初期 初期の場合は血糖コントロールや、高血圧の治療など内科的治療を行います。   【糖尿病網膜症の治療法2】中期 新生血管の発生を防ぐために、レーザーで眼底を焼く「レーザー光凝固術」が行われます。   <レーザー光凝固術> レーザー光凝固術とは、網膜をはじめとする眼底(眼球の奥)の病変部にレーザー光線を照射して焼き固めることによって、病気の進行を阻止するために行われる治療法です。 この治療法で視力を改善することはできませんが、今現在の視力をほぼ維持しながら病気がそれ以上悪化することを予防するという意味では、特に網膜に発生するさまざまな病気に対して非常に有効とされています。   【糖尿病網膜症の治療法3】末期 糖尿病網膜症が進行して「網膜剥離」や「硝子体出血」が起きている場合は、硝子体手術が行われます。 <硝子体手術> 硝子体手術とは眼の硝子体と呼ばれる組織を除去し、網膜硝子体の病気を治す手術です。 とても繊細で難しい手術に分類されます。   糖尿病網膜症の予防策 糖尿病網膜症を予防するための基本は、定期検診です。 一度検査を受け、異常がないとわかると安心してしまう人が多いのですが、それではいけません。 糖尿病に関係する目の病気は網膜症だけでなく、白内障や緑内障など沢山あります。 ですので毎年、眼底検査を受けてください。 なお、糖尿病網膜症を予防するためには「血糖」「血圧」「コレステロール」に注意を払うことも大切です。   <血糖> 1~2ヵ月の血糖の平均を反映し、血糖コントロールの指標となっているHbA1cを、7.0%未満に維持してください(可能であれば6.0%未満を目指してください)。   <血圧> 糖尿病患者さんの降圧目標は、診察室血圧が130/80mmHgで、家庭血圧が125/75mmHgとなっております。 糖尿病の人は高血圧を併発していることが多いです。 両方を併発すると、心臓病や脳卒中、腎臓病などのリスクがさらに高まりますので、積極的な血圧コントロールが大切です。   <コレステロール> 現在ガイドラインで推奨されている糖尿病の患者さんにおける血液中の脂質の管理目標値は、LDLコレステロール120mg/dl未満(冠動脈疾患がある場合は100mg/dl未満)、HDLコレステロール40mg/dl以上、中性脂肪150mg/dl未満です。   糖尿病網膜症は早期発見が非常に重要です 糖尿病網膜症は、自覚症状がないまま進みます。 自覚症状が出たころには、症状がかなり進んでいて、失明を覚悟しなくてはなりません。 ですので、糖尿病やその予備軍と診断されたら、医師の指示どおり血糖のコントロールを行い、自覚症状がなくても眼科での定期的な眼底検査を行ってください。 なお、糖尿病の指標のひとつに、ヘモグロビンA1c(HbA1c…正常値4.3~5.8)というのがあり、この数値が7.5以上になると、5倍以上失明する危険が高まるといわれています。 ご自身の「ヘモグロビンA1c」について気になる方、あるいは糖尿病網膜症の症状について気になる方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。   当日の順番予約はこちらから

2023.01.26

糖尿病・代謝内科

糖尿病ケトアシドーシスの症状や原因、治療法について

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、糖尿病ケトアシドーシスの「症状」や「原因」について解説していきます。後半部分では「糖尿病ケトアシドーシスの治療法」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 糖尿病ケトアシドーシスの特徴・初期症状 糖尿病ケトアシドーシスの原因 糖尿病ケトアシドーシスの主な症状 糖尿病ケトアシドーシスは糖尿病妊婦さんに起きる最も重篤な合併症 糖尿病ケトアシドーシスの治療法 糖尿病ケトアシドーシスの予防策 まとめ   糖尿病ケトアシドーシスの特徴・初期症状 糖尿病ケトアシドーシスとは、糖尿病急性合併症である「糖尿病昏睡」の一つです。 血糖値を下げる働きをするインスリンが不足し、十分に血糖値が下がらないことで起こります。 糖尿病ケトアシドーシスの初期症状は、強い喉の渇きと頻尿、体重減少、吐き気、嘔吐、疲労などが起こり、小児の場合は腹痛がみられることもあります。 なお、糖尿病ケトアシドーシスは主に“1型糖尿病の方”に起こります(2型糖尿病の場合であっても引き起こされることはあります)。1型糖尿病と2型糖尿病については以下をご覧ください。   <1型糖尿病> 1型糖尿病とは、インスリンを分泌する膵臓の「β細胞:べーたさいぼう」が壊れ、高血糖状態になる病気です。 世界的には糖尿病全体の約5%が1型糖尿病と言われています。 糖尿病には大きく分けて1型と2型がありますが、1型はβ細胞の破壊によって生じるもので、運動不足や過食などの生活習慣によって起こる「2型糖尿病」とは性質が異なります。   <2型糖尿病> 2型糖尿病は、遺伝的素因によるインスリン分泌能の低下に、環境的素因としての生活習慣の悪化に伴うインスリン抵抗性が加わり、インスリンの相対的不足に陥った場合に発症する糖尿病です。 一般的に生活習慣病と称されるタイプの糖尿病が2型糖尿病ですが、インスリン分泌能の低下が不可欠です。 生活習慣の乱れだけではなく、2型糖尿病患者さんは大なり小なり糖尿病になりやすい体質を持っているとも言えます。 なお、一般的に"糖尿病"と表現した場合は「2型糖尿病」を示すことが多いです。   糖尿病ケトアシドーシスの原因 糖尿病ケトアシドーシスの主な原因は、1型糖尿病の発症時やインスリン注射を中断したとき、あるいは感染症や外傷などによって、極端にインスリンの必要性が増加したときに起こります。 2型糖尿病でも同じように感染症や外傷などの強いストレスがあったとき、また清涼飲料水を多量に飲んだとき等で糖尿病ケトアシドーシスを起こすことがあります。 なお、2型糖尿病では、ある程度インスリンが分泌されている時期から病期が進み、インスリンの分泌量がさらに減少、あるいはインスリンへの抵抗性が高くなることで血糖が異常に高くなってしまうことがあります。 インスリンの相対的不足状態に加えて、風邪などの感染症や暴飲暴食、さらにはストレスなどが重なり、血糖が著しく高くなると(500mg/dl以上)意識障害をきたします。 なお、意識障害に至る前駆症状として高血糖による著しい口渇、多尿がみられます。   糖尿病ケトアシドーシスの主な症状 糖尿病ケトアシドーシスでは、口渇、多飲、多尿、体重減少、全身倦怠感などの糖尿病に典型的な症状が急激に起こります。 さらに悪化すると、呼吸困難、速くて深い呼吸(クスマウル大呼吸と呼びます)、あるいは悪心、嘔吐、腹痛、意識障害などが起こります。   糖尿病ケトアシドーシスは糖尿病妊婦さんに起きる最も重篤な合併症 糖尿病ケトアシドーシスは、糖尿病の妊婦さんに起きる“最も重篤な合併症”だと言われております。 妊娠中、母親のからだは血糖を胎児に優先的に送ろうとするので、自分自身のエネルギーを補うため、脂肪を分解して“遊離脂肪酸”を作る働きが普段よりも活発になり、ケトン体が増えます(ケトン体は、からだの中で脂肪が変化して作られる物質でエネルギー源として利用されています)。 このケトン体が多く作られてしまった場合、「糖尿病ケトアシドーシス」の誘因となるため、妊娠中は糖尿病ケトアシドーシスのリスクが高くなります。   <妊娠糖尿病> 妊娠糖尿病とは、妊娠中にはじめて発見された糖代謝異常です(糖代謝異常とは、血液に含まれる糖の量を示す“血糖値”が上がった状態です)。 今まで糖尿病と言われた事がないにもかかわらず、妊娠中に始めて指摘された糖代謝異常で、糖尿病の診断基準をみたさない人を妊娠糖尿病といいます。 具体的には、糖負荷試験をした際に、空腹時血糖92mg/dL以上、1時間値180mg/dL以上、2時間値153mg/dL以上のいずれか1点以上を満たした場合に「妊娠糖尿病」と診断されます。   糖尿病ケトアシドーシスの治療法 糖尿病ケトアシドーシスの治療は、一刻も早く生理食塩水を中心とした“輸液”によって、水分とナトリウムを補充する必要があります。 そのほかには電解質の補正、適切なインスリンの投与によって高血糖とアシドーシスを是正することが重要です。 糖尿病ケトアシドーシスは、適切な処置が遅れると死に至ることもあります。 ですので、気になる症状があったときには、早めにかかりつけ医に相談してください。   糖尿病ケトアシドーシスの予防策 糖尿病ケトアシドーシスは、口渇、多飲、多尿、全身倦怠感、体重減少といった典型的な症状に続いて起こります。 そのため、これらの症状をよく覚えておき、症状があったときには血糖自己測定、尿ケトン体の測定をおこない、予防・早期発見することが重要です。   まとめ 糖尿病ケトアシドーシスは生命の危険を伴う合併症です。 そのため早く気づき、速やかに治療を受けることが大切です。 糖尿病ケトアシドーシスの症状にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。   当日の順番予約はこちらから

2023.01.25

糖尿病・代謝内科

糖尿病かもしれないと感じた方は、まずは糖尿病内科のある病院にご相談を

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
糖尿病は自覚症状のないままに進行し、重篤な合併症を引き起こします。そのため、絶対に放置してはいけません。糖尿病にお心当たりのある方は、速やかに「糖尿病内科のある病院」を受診してください。 この記事では、糖尿病にお心当たりのある方に向けて「糖尿病の初期症状」や「糖尿病になりやすい人の特徴」をご紹介します。後半部分では「糖尿病の治療法」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 【目次】 糖尿病の初期症状 糖尿病になりやすい食事 早食いの方は糖尿病になりやすい 間食の習慣がある方は糖尿病になりやすい 糖尿病の診断基準 食後高血糖とは 糖尿病の症状を放置するリスク 2型糖尿病の治療法について 糖尿病の薬物療法について 経口血糖降下薬について 自分が糖尿病かもしれないと思った方へ   糖尿病の初期症状 糖尿病は症状の自覚が難しい疾患です。 血糖値が少し高い段階では、自覚する症状はほぼありません。 しかし、高血糖のままある程度の時間が経過すると、次のような症状が現れてきます。 <糖尿病の初期症状> ・立ちくらみ ・全身の倦怠感、疲労感 ・喉が渇いて沢山の水がほしくなる ・手足のしびれ、冷え、むくみ ・皮膚のかゆみ、乾燥 ・目がかすむ ・視力の低下 ・やけどの痛みを感じにくい ・食べているのに痩せる ・残尿感がある ・尿の臭いが気になる   糖尿病になりやすい食事 糖質の多い食品を多く摂取すると、血糖は上がりやすくなります。 特に甘いものなど単純糖質を含む食品は急激な血糖上昇の原因になりますので、注意が必要です。 以下、糖尿病の原因となりやすい食品です。 ・白米 ・食パン、菓子パン ・うどん、焼きそば、スパゲティなどの麺類 ・かぼちゃ、じゃがいも、さつまいも、とうもろこし ・ホットケーキ、ケーキ ・饅頭 ・スナック菓子、クッキー、せんべい ・ようかん、饅頭 ・ジュース   早食いの方は糖尿病になりやすい 早食いは血糖値を急激に上昇させるため、血糖値を調整するホルモンの「インスリン」を分泌する膵臓の機能が低下してしまい、糖尿病を発症しやすくなります。 早食いの方は、「一口食べるごとにお箸を置く」「野菜から食べる」など、血糖値の上昇を緩やかにする食事習慣を身につけることが大切です。 早食いは糖尿病のリスクを高めますので、十分に注意してください。   間食の習慣がある方は糖尿病になりやすい 間食をすると血糖値の高い状態が続き、インスリンを分泌する膵臓に大きな負担がかかります。 また、その状態のままで次の食事をすると、食後高血糖の原因にもなります。 ですので、間食はできる限り控えてください。   糖尿病の診断基準 糖尿病は簡単に述べると、HbA1cが6.5%を超えると診断に至ります。 基準となる正常値は4%~5.5%です。 しかし血糖値やHbA1cといった検査数値は、貧血など合併する疾患で値が変わることが知られています。 一般内科の先生方でも診断を誤らないように、複雑な診断チャートが容易されています。 HbA1c、空腹時血糖値、随時血糖値、75gOGTT値のいずれかが基準値を超えている場合を「糖尿病型」といいます。 空腹時血糖値、随時血糖値、75gOGTT値のいずれかとHbA1c値の両方が糖尿病型である場合、もしくは口渇、多飲、多尿、体重減少などの典型的な糖尿病の症状が出たり、糖尿病網膜症がある場合は、1回の検査で「糖尿病」と診断されます。   食後高血糖とは 食後高血糖とは、食後2時間が過ぎても血糖値が高い状態のことを言います。 食事をすると血糖値は高くなり、2~3時間以内に正常値(110mg/dl未満)に戻るのが一般的です。 しかし、血糖値が低下せず長い時間140mg/dl以上の値が続く場合には「食後高血糖」と判断されます。 食後血糖値が高い状態が続くと、糖尿病の発症リスクが高くなります。 ですので、食後高血糖は糖尿病だけでなく糖尿病予備群においても重要な指標の一つとして注目されています。 なお、食後高血糖の多くは、時間がたつと次第に下がり、正常な数値に戻ります。 そのため、通常の健診で行われる空腹時血糖値では異常なしと判断され、食後高血糖を見逃してしまうことがあります。 このようなことから食後高血糖は「隠れ糖尿病」と呼ばれています。   糖尿病の症状を放置するリスク 血糖値が高い状態が続くと、全身で様々な合併症が起こります。 糖尿病の恐さは、自覚症状のないままに進行し、重篤な合併症を引き起こすことです。血糖値が高い状態が持続すると、神経や目や腎臓などに様々な障害を起こすことが知られています。 ここでは、糖尿病が引き起こす3大合併症をご紹介します。   【糖尿病の症状を放置するリスク|合併症の種類1】糖尿病網膜症 糖尿病網膜症とは、糖尿病が原因で目の中の網膜という組織が障害を受け、視力が低下する合併症です。 糖尿病網膜症は、他の糖尿病合併症と同様、初期には自覚症状はありません。 しかし気づかずに放置していると疾患の進行に伴って、様々な視覚障害が起こり、最終的には失明に至ることもあります。 【糖尿病の症状を放置するリスク|合併症の種類2】糖尿病腎症 糖尿病腎症は、高血糖により、腎臓にある非常に細い血管がむしばまれていく合併症です。 進行すると、老廃物を尿として排泄する腎臓の機能が失われてしまうため、最終的に透析治療を要することになります。 この合併症も自覚症状がないまま進行していきますので、早期発見のためには、定期的に腎臓の機能を検査する必要があります。 【糖尿病の症状を放置するリスク|合併症の種類3】糖尿病神経障害 糖尿病神経障害は、高血糖により手足の神経に異常をきたし、足の先や裏、手の指に痛みやしびれなどの感覚異常があらわれる合併症です。 糖尿病神経障害は、手袋や靴下で覆われる部分に「左右対称」にあらわれる特徴があります。 糖尿病神経障害の患者さんのなかには、痛みが慢性化したり、進行して知覚が低下した結果、足潰瘍や足壊疽となったりする場合もあります。   2型糖尿病の治療法について 2型糖尿病の治療の基本は食事療法と運動療法により、適正に体重をコントロールし、インスリンの効きをよくすることです。 【糖尿病の治療法1】食事療法 食事療法とは、医師や管理栄養士の指示に基づいて献立を組み立て、食事の量や成分を増減させることで疾患の改善を目指すものです。 食事療法では、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考えてさまざまな食品をまんべんなくとることが大切です。 食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、朝食、昼食、夕食の3回ゆっくりよく噛んで、腹八分目で食べるよう心掛けてください。 バランスのとれた栄養を1日の必要量のカロリーでとることで、膵臓の負担は軽くなり、膵臓の能力は回復されます。   【糖尿病の治療法2】運動療法 運動療法とは、運動を行うことで障害や疾患の治療を行う療法です。運動により血糖コントロール・インスリン抵抗性・脂質代謝の改善が得られ、糖尿病は改善します。 また長期的には、インスリン抵抗性を改善させ、血中のブドウ糖の量を良好にコントロールできるようにすることが期待されます。 ですので、糖尿病にお心当たりのある方は、できれば毎日、少なくとも週に3~5回は体を動かしてください。   糖尿病の薬物療法について 食事療法や運動療法を行っていても血糖値の改善がされない場合は「薬物療法」を行います。 薬物療法で使用される薬剤には、大きく分けて「経口血糖降下薬」と「インスリン注射薬」があります。 どの薬剤を使用するかは、年齢や肥満の程度、合併症の程度などを含め、医師と相談の上で決めます。   経口血糖降下薬について 経口血糖降下薬は、その作用から大きく分けて3つに分類することができます。以下をご覧ください。 【経口血糖降下薬1】インスリン分泌促進系 インスリン分泌促進系は、膵臓のβ細胞に作用してインスリンの分泌を促進し、血糖値を下げる薬です。平たく言うと「インスリンを出しやすくする薬」になります。 以下、インスリン分泌促進系の薬で代表的なものです。   <GLP-1(ジーエルピーワン)受容体作動薬> GLP-1受容体作動薬は、インスリン分泌を促して血糖値を下げる薬です。 膵臓のβ細胞(べーたさいぼう)のGLP-1受容体に結合し、血糖値が高いときにインスリンの分泌を促します。 そして、血糖値を上げるホルモンのひとつであるグルカゴン分泌を抑制し、血糖を下げます。   <速効型インスリン分泌促進薬> 速効型インスリン分泌促進薬は、スルホニル尿素薬と同じように、膵臓のβ細胞に働きかけ、インスリン分泌を促します。 速効型インスリン分泌促進薬は、食事をする直前に内服していただくことで、インスリンが短時間だけ出るので食後の血糖のみを下げてくれます。   【経口血糖降下薬2】インスリン抵抗性改善系 インスリン抵抗性改善系は、インスリンの働きが悪くなっているのを改善し、効きめを良くする薬です。平たく言うと「インスリンを効きやすくする薬」になります。 以下、インスリン抵抗性改善系の薬で代表的なものです。   <チアゾリジン薬> チアゾリジン薬は、肝臓や筋肉に作用し、インスリンの効きを良くする薬です。 インスリンに対するからだの感受性を高めることで血糖値を下げます。   <グリミン薬> グリミン薬は、血糖値に応じて膵臓からインスリンを分泌させ血糖値を下げます。 また、肝臓で糖が作られるのを抑えたり、筋肉で糖が取り込まれるのを改善してインスリンの効果を高めたりします。   【経口血糖降下薬3】糖吸収・排泄調節系 糖吸収・排泄調節系は、糖の腸管からの吸収、腎臓からの排泄を調節する薬です。 平たく言うと「糖の吸収をゆっくりにして血糖の急な上昇を抑える薬」になります。 なお、糖吸収・排泄調節系のお薬には、からだに取り込んだ糖を尿中に出させる効果もあります。   <α-グルコシダーゼ阻害薬> α-グルコシダーゼ阻害薬は、小腸でのブドウ糖の分解・吸収を遅らせて、食後の急激な血糖値の上昇を抑える薬です。 食前の血糖値はそれほど高くないけれども、食後の血糖値があがりやすい患者さんに適しています。   <SGLT2(エスジーエルティーツー)阻害薬> SGLT2阻害薬は、腎臓の近位尿細管でのブドウ糖再吸収を抑制し、尿からの糖分の排泄を促進するユニークなお薬です(尿から糖が出るので体重も減少します)。 SGLT2阻害薬は、血糖を下げるだけではなく、心臓や腎臓にも良い効果が得られることが分かってきております。 そのため近年は、SGLT2阻害薬の一部の薬が「心不全」や「慢性腎臓病」の治療薬としても使用することが認められております。   自分が糖尿病かもしれないと思った方へ 糖尿病は自覚症状のないままに進行し、神経や目や腎臓などに様々な障害を引き起こします。 そのため絶対に放置してはいけません。 速やかに「糖尿病内科のある病院」を受診してください。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、できるだけ早く受診することをお勧めします。 糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。

2023.01.22

糖尿病・代謝内科

糖尿病予備群(境界型糖尿病)の症状や対策について解説

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
厚生労働省が発表した平成28年「国民健康・栄養調査」の結果では、糖尿病が強く疑われる者(糖尿病有病者)、糖尿病の可能性を否定できない者(糖尿病予備群)はいずれも約1,000万人(合わせて約2,000万人)と推計されています。 この記事では、糖尿病の可能性を否定できない者「糖尿病予備群」について解説していきます。 後半部分では「糖尿病予備群にならないための予防法」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは 糖尿病予備群の主な症状 糖尿病予備群と診断された方へ 糖尿病予備群にならないための予防法 【糖尿病予備群にならないための予防法1】運動 【糖尿病予備群にならないための予防法2】食生活の見直し 【糖尿病予備群にならないための予防法3】禁煙 糖尿病予備群の疑いがある方、医師の診断を受けたい方へ   糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは 糖尿病予備群(境界型糖尿病)とは、糖尿病と診断されるほどの高血糖ではないものの、血糖値が正常より高い状態にあることを指します。 「HbA1c 6.5%未満」「空腹時血糖が110 mg/dl以上126 mg/dl未満」「75g経口ブドウ糖負荷試験2時間の血糖値が140 mg/dl以上200 mg/dl未満」のいずれかを満たす人が該当します。   糖尿病予備群の主な症状 糖尿病予備群(境界型糖尿病)では、自覚症状がありません。 しかし体内では、既に血糖値を下げるホルモンである「インスリン」が出にくくなったり、効きづらくなったりする変化が起きています。 また糖尿病に特有の合併症である、網膜症、神経障害、腎機能障害も少しずつ進行するとも言われています。 さらに高血圧や脂質異常症なども併発しやすくなり、全体として、血糖値が正常な状態に比べ、動脈硬化の進行は加速されます。 なお、動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な疾患が引き起こされる危険性が高くなります。   糖尿病予備群と診断された方へ 糖尿病予備群の方は、食事、運動、喫煙、飲酒などの生活習慣を見直し、肥満や高血圧、ストレスなどに対する健康管理に取り組むことで、糖尿病へ進行するリスクを減らすことができます。 ですので、糖尿病予備群と診断された方は、まずは生活習慣の見直しから始めてください。 なお上述した通り、糖尿病予備群でも、既に血糖値を下げるホルモンであるインスリンが出にくくなったり、効きづらくなったりする変化が起きています。 また糖尿病に特有の合併症である、網膜症、神経障害、腎機能障害も少しずつ進行するとも言われています。 ですので、糖尿病予備群と診断された方は、絶対に放置してないでください。   糖尿病予備群にならないための予防法 糖尿病予備群では、生活習慣の改善により「糖尿病の発症のリスク」を減らすことができます。 では、具体的には何をすればいいのでしょうか。順番にご紹介していきます。   【糖尿病予備群にならないための予防法1】運動 糖尿病を予防するためには「運動」が効果的です。運動をすることで、ブドウ糖や脂肪酸の利用が促進。インスリンに頼らずに糖分が細胞や筋肉の中に吸収されるようになり、血糖値の低下が期待できます。 また長期的には、インスリン抵抗性を改善させ、血中のブドウ糖の量を良好にコントロールできるようにすることが期待されます。 ですので、糖尿病予備群と診断された方は、できれば毎日、少なくとも週に3~5回は体を動かしてください。 なお、糖尿病を予防するための運動としては「有酸素運動」と「レジスタンス運動」が推奨されております。   <有酸素運動> 有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに、酸素を使う運動のことです。 ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリングといった少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。 有酸素運動は時間をかけて体を動かすため「心肺機能の向上」や「体脂肪の減少」などの効果が期待できます。   <レジスタンス運動> レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動です。 スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操など、標的とする筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います(レジスタンス(Resistance)は和訳で「抵抗」を意味します)。 レジスタンス運動は、筋肉量増加・筋力向上・筋持久力向上を促す筋力トレーニングとして高齢者からアスリートまで広く行われています。   【糖尿病予備群にならないための予防法2】食生活の見直し 糖尿病予防の基本は「食生活を見直すこと」です。 食事は、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考えてさまざまな食品をまんべんなくとることが大切です。 食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、朝食、昼食、夕食の3回ゆっくりよく噛んで、腹八分目で食べるよう心掛けてください。 バランスのとれた栄養を1日の必要量のカロリーでとることで、膵臓の負担は軽くなり、膵臓の能力は回復されます。 なお、食事のポイントについては以下をご覧ください。   <ゆっくり食べる> 早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。 食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。   <野菜類から食べる> 早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。 食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。   <アルコールは適量にする> アルコールには一時的にはインスリンの働きを改善する効果があります。 しかし長期間飲んでいると逆にインスリンの分泌量が低下することがわかっていますので、アルコールは、ほどほどにしてください。   <腹八分目でストップ> 慢性的な食べすぎは、余分なブドウ糖をつくり、糖尿病を発症させる最大の原因となります。 いつもお腹いっぱいに食べないと満足できない人は、注意が必要です。 とくに脂肪分の多い肉類の食べすぎは、カロリーの取りすぎにつながりやすいので、量を控えてください。   <間食をしない> 間食をすると血糖値の高い状態が続き、インスリンを分泌する膵臓に大きな負担がかかります。 また、その状態のままで次の食事をすると、食後高血糖の原因にもなります。糖尿病を予防するためにも間食はできる限り控えてください。   【糖尿病予備群にならないための予防法3】禁煙 喫煙は交感神経を刺激して血糖を上昇させるだけでなく、体内のインスリンの働きを妨げる作用があります。 そのため、たばこを吸うと「糖尿病にかかりやすくなる」といえます。 日本人を対象とした研究データによると、喫煙者は非喫煙者と比べ糖尿病を発症するリスクが38%高くなると言われています。 ですので、糖尿病予備群の方は喫煙を控えてください。   糖尿病予備群の疑いがある方、医師の診断を受けたい方へ 糖尿病予備群の方は、自覚症状がありません。 そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。 健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。 糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 また糖尿病予備群の方の“適切な対策”を知りたい方も、いつでもご相談ください。   当日の順番予約はこちらから

2023.01.21

糖尿病・代謝内科

糖尿病が高める骨粗鬆症のリスクについて

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
骨粗鬆症とは、骨に含まれるカルシウムなどが減り、骨がもろくなる病気です。骨粗鬆症は、がんや脳卒中のように「直接的に生命をおびやかす病気」ではありません。しかし骨粗鬆症による骨折から介護が必要になったり、寝たきりになったりしますので、注意が必要です。 この記事では、「糖尿病と骨粗鬆症の関係」について解説していきます。後半部分では「骨粗鬆症の予防」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 骨粗鬆症とは 骨粗鬆症の症状 糖尿病の方は骨折しやすい なぜ糖尿病が骨粗鬆症リスクを高めるのか 糖尿病患者が骨粗鬆症を予防するために 糖尿病や骨粗鬆症についてご相談したい方はいつでもご相談下さい   骨粗鬆症とは 骨粗鬆症とは、骨に含まれるカルシウムなどが減り、骨がもろくなる病気です。 骨粗しょう症になると、それだけでは痛みなどの症状はないものの、転んだり、尻もちをつくなど、ちょっとしたはずみで骨折を起こしやすくなります。 なお、日本には約1000万人以上の骨粗鬆症患者さんがいると言われており、高齢化に伴ってその数は増加傾向にあります。   骨粗鬆症の症状 骨粗鬆症になっても、基本的に「痛み」は発生しません。 骨粗鬆症は自覚症状が乏しく、「背中が丸くなる」「身長が縮む」といった症状が徐々に起こるため「病気」と気付かないことが多いのです。そして、気付いた時には病状がかなり進行していたということも少なくありません。 なお、骨粗鬆症になると、「軽く転んでしまった」「尻もちをついてしまった」「重い物を持ち上げた」程度で圧迫骨折が起こります。圧迫骨折を起こすと激しい痛みを感じます。 しかし場合によっては、痛みを伴わないこともあり、特に高齢者は痛みに気付きにくいこともあるため注意が必要です。   糖尿病の方は骨折しやすい 骨は毎日新しく作り替えられていますが、糖尿病になると新しい骨を作るのが下手になり、古い骨は「サビつき」が増えます。 そのため、糖尿病患者さんの骨は、「質」が悪くなって折れやすくなるのです(骨質の低下)。 また、糖尿病による神経障害で足底の感覚が鈍かったり、網膜症で視力が低下していたりすると転びやすくなりますので、これも骨折しやすい原因とされています。 糖尿病の方は非糖尿病者と比べて、同じ骨密度であっても骨折する危険性がより一層高くなりますので、十分にご注意ください。   なぜ糖尿病が骨粗鬆症リスクを高めるのか 糖尿病とは、インスリンの作用不足によって慢性高血糖をきたす病気です。 インスリンの役目はブドウ糖の利用を高め、血糖値を下げるだけではありません。 インスリンの作用が低下すると、骨代謝にさまざまな影響を与え、骨量減少が進行します。   【インスリン作用不足の骨代謝への影響1】骨芽細胞の減少 新しい骨を作り出す骨芽細胞にはインスリンを受けとる受容体があり、インスリンには骨芽細胞を増殖させる作用があります。 インスリンが足りないと骨芽細胞は増えず、骨形成が低下します。 実際に糖尿病の方では、検査で骨代謝マーカーである「オステオカルシンの低下」が確認され、低代謝回転の骨量減少が起きています。   【インスリン作用不足の骨代謝への影響2】活性型ビタミンDの不足 カルシウムは単独で食べても体内に取り入れられず、腸から吸収する際には「活性型ビタミンD」が必要です。 活性型ビタミンDは、ビタミンDを材料としてインスリンの働きにより、腎臓で作られています。 インスリンの作用が不足している糖尿病の方では、活性型ビタミンDが足りずに、せっかく食べたカルシウムが腸から吸収されにくくなっています。 また、活性型ビタミンDには、骨芽細胞の働きを高める作用もありますが、高血糖状態ではその作用が低下します。   【インスリン作用不足の骨代謝への影響3】尿中カルシウムやマグネシウムが増加 インスリンの作用不足により高血糖になると、それにつれて尿が多くなります。 結果的に尿とともに排泄されるカルシウムが増え、体内はカルシウム不足になります。 同じ理由でマグネシウムが不足すると、副甲状腺ホルモンの分泌が減って腎臓からカルシウムが排泄されやすくなり、また、骨代謝はさらに低代謝回転になります。   【インスリン作用不足の骨代謝への影響4】コラーゲンの減少 コラーゲンは骨の中にある蛋白成分で、骨の柔軟さを保つ役目を果たしています。 高血糖状態では蛋白質の糖化という現象が起きますが、それによって正常なコラーゲンが減り、骨がもろくなります。   糖尿病患者が骨粗鬆症を予防するために 骨粗鬆症を予防する方法には、カルシウムを多く含んだ食事を摂ることや、適度な運動、日光浴などがあります。 【糖尿病患者が骨粗鬆症を予防するために1】食事 骨に欠かせない栄養といえば、やはりカルシウムです。 しかし、カルシウムだけを摂取していれば骨粗鬆症を予防できるわけではありません。 骨粗鬆症を予防するためには、カルシウムの吸収を助けてくれる「ビタミンD」や、骨を丈夫に保つ働きがある「ビタミンK」なども取り入れたバランス良い食事を心がけることが大切です。 なお、カルシウムは乳製品、大豆製品、緑黄色野菜、海藻、魚、ナッツ類などに多く含まれております。   【糖尿病患者が骨粗鬆症を予防するために2】運動 骨粗鬆症を予防するためには、骨に重力負荷が加わる適度な運動をすることが良いといわれています。 なぜなら運動で骨に力がかかると、骨に弱いマイナスの電気が発生し、カルシウムを呼び寄せるからです。 また運動は骨の血液の流れをよくし、骨をつくる細胞の働きを活発にします。 適度な運動はエネルギーを消費するだけでなく、生活習慣病の改善につながりますので、積極的に行ってください。 ただし、突然激しい運動をするのはかえって危険です。まずは毎日30分程度の散歩や、それに相当する家事や庭仕事をお勧めします。   【糖尿病患者が骨粗鬆症を予防するために3】日光浴 ビタミンDは食事から摂る以外に、太陽光に当たることにより「皮膚」で作られます。 日焼けしない程度に戸外を歩き、適度な日光浴をすると効果的です。   糖尿病や骨粗鬆症についてご相談したい方はいつでもご相談下さい 骨粗鬆症とは、骨の量が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。 ほとんどの場合、自覚症状がないため、進行してから気づくことも珍しくありません。 骨の状態は検査で確認することが可能で、早期に病気を発見できれば、食事、運動などで骨に含まれるカルシウムなどの量を増やしていくことができます。 ですので、骨粗鬆症の症状にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。   当日の順番予約はこちらから

2022.12.15

糖尿病・代謝内科

糖尿病が高める心筋梗塞のリスクとは

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
心筋梗塞は突然起こり、命を奪うこともある恐ろしい病気です。糖尿病の方は、非糖尿病者に比べ、心筋梗塞を発症するリスクが高いと言われています。 この記事では、「心筋梗塞」について解説していきます。後半部分では「心筋梗塞を予防するために必要なこと」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 心筋梗塞とは 心筋梗塞の症状 心筋梗塞の原因 なぜ糖尿病が心筋梗塞のリスクを高めるのか 無痛性心筋梗塞とは 心筋梗塞は再発します 糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと 入浴時の注意 糖尿病や心筋梗塞についてご相談したい方はいつでもご相談下さい   心筋梗塞とは 心筋梗塞とは、心臓に酸素と栄養分を運ぶ冠動脈が詰まって血液が流れなくなり、心筋が死んでしまう病気です。突然死を起こしたり、心臓の機能を著しく落としたりします。心筋梗塞を発症する前には胸痛や圧迫感、背中の痛み、歯の痛みなどの前兆が起こる場合があります。しかし全ての患者さんに前兆が生じるわけではなく、半数程度の方は前兆なしに突然、心筋梗塞に至ると考えられています。   心筋梗塞の症状 心筋梗塞の主な症状は、突然の強い胸痛です。「押しつぶされる」「締め付けられる」「焼けるような」といった強い痛みを生じて、冷や汗、吐き気や嘔吐などを伴うこともあります。そして、その症状が20分から数時間続きます。心筋梗塞は、ニトログリセリンなどの薬は効果が乏しいことが多く、使用しても症状が続きます。ですので、痛みの長さに関わらず、締めつけられるような胸痛が突然起こり、冷や汗や吐き気がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。   心筋梗塞の原因 心筋梗塞の主な原因は動脈硬化です。動脈硬化とは、血管が硬くなって柔軟性が失われている状態です。冠動脈の壁にコレステロールなどが沈着すると、こぶのように盛り上がった「プラーク:粥腫(じゅくしゅ)」ができます。薄い膜で覆われている粥腫は破れやすく、傷付くとその回りに血栓ができ、さらに血栓が大きくなると冠動脈を塞いでしまい血液を堰き止めてしまいます。そのため酸素不足となった心筋細胞が壊死を起こすのです。なお、動脈硬化は、中高年の人に生じる病態と思われがちですが、実は小児期から徐々に進行し、様々な病気の原因となります。そのため、若い頃から動脈硬化の進行を予防することが大切です。   なぜ糖尿病が心筋梗塞のリスクを高めるのか 糖尿病は血糖値が高くなりすぎる病気です。高血糖状態が続くと血液が糖でドロドロになって、血流が悪くなり血管が傷つきやすくなります。この状態が続くと動脈硬化を促し、心筋梗塞の原因となるのです。そのため、糖尿病が心筋梗塞のリスクを高めると言われております。なお、国内外の研究では、糖尿病は動脈硬化性疾患の発症・死亡リスクを2~3倍上げると言われております。「糖尿病ネットワーク」でも同様のことを伝えています。   無痛性心筋梗塞とは 心筋梗塞には、痛みの症状がない無痛性心筋梗塞があります。これは心電図や核医学検査などで心筋梗塞の存在が認められているにもかかわらず、胸痛などの症状が無いものを指します。無痛性心筋梗塞は、糖尿病の方に起こりやすいとされています。なぜなら糖尿病では、合併症の神経障害により痛みを感じないことがあるからです。無痛性心筋虚血は、前兆なく心臓発作を起こして突然死したり、心筋の大部分を壊死させる心筋梗塞を起こしたりしますので、十分にご注意ください。   心筋梗塞は再発します 心筋梗塞を起こしたことがある人は、起こしたことがない人よりも、心筋梗塞を繰り返したり、心臓がだんだん悪くなり命を縮める「心不全」などを起こしたりするリスクが高いことがわかっています。そのため、一度心筋梗塞を起こした人は、さらに注意して再発を予防することが大切です。   糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと 心筋梗塞を繰り返さないためには、心筋梗塞で死亡するリスクを高める「糖尿病」「高血圧」「肥満」などをしっかりとコントロールし、運動、食事、喫煙などの生活習慣を改善する必要があります。心筋梗塞を予防するためにも、まずは生活習慣の改善から行ってください。 【糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと1】禁煙 心筋梗塞の要因となる生活習慣のなかで、極めてリスクが大きいのが喫煙です。喫煙をすると血管に傷ができたり、炎症が促進されるため動脈硬化が進行します。動脈硬化が進むと心筋梗塞は再発しやすくなりますので、ご注意ください。「厚生労働省」も同様のことを伝えています。 【糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと2】お酒はほどほどに 過度な飲酒は動脈硬化に繋がると言われています。また飲酒の際には塩分の高い食事をとりがちです。適量のアルコール摂取に努めてください。 【糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと3】ストレスを溜めない 過度のストレスや緊張状態は血圧を上昇させ、心筋梗塞を引き起こす原因となります。ストレスの上手な解消法を身につけ、リラックスする時間を持つようにしてください。 【糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと4】塩分を控える 食塩は1日8g未満が目標です。高血圧のある方は6g未満と言われています。漬物や梅干し、ラーメンの汁など塩分の高い食品を避けたり、量を少なくするなど工夫してください。 【糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと5】適度な運動 適度な運動はエネルギーを消費するだけでなく、生活習慣病の改善につながります。ウォーキングなどの軽い運動でも十分な効果が得られますので、まずは散歩から始めてください。 【糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと6】水分補給 体内の水分が不足して脱水症状になると血液が凝縮されて血栓ができやすくなり、血管が詰まる可能性が高まります。特に高齢の方は、体に蓄えられる水分量が減っているため普段から不足しがちです。1日に必要な水分量は1.5~2リットルになりますので、意識的に水分を摂取してください。   入浴時の注意 入浴は心筋梗塞の引き金になることがあるため注意が必要です。主な原因としては、入浴にともなう「急激な血圧の変化」や「脱水」などが挙げられます。血圧の変動により血管に負担がかかり、心筋梗塞を引き起こす可能性がありますので、注意してください。なお、入浴の時間は10分を目安とし、湯と温室の温度差を少なくしてください。また冬場は脱衣場にヒーターを置くようにする等の工夫も積極的に行ってください。   糖尿病や心筋梗塞についてご相談したい方はいつでもご相談下さい 糖尿病患者さんが心筋梗塞を繰り返さないためには、「血糖コントロール」が大切です。糖尿病の方は非糖尿病者に比べ、心筋梗塞を起こした後の1年以内の死亡率が高くなっています。また、血糖値がそれほど高くない糖尿病予備軍の人であっても、心筋梗塞を起こすリスクが高まることが知られています。そのため、心筋梗塞の再発を予防するにあたっては、糖尿病の方は「早期から血糖コントロールを行うこと」、糖尿病にかかっていない方では、「予備軍になっていないか検査でチェックしておくこと」が勧められています。「心筋梗塞の症状」や「糖尿病の症状」にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2022.12.15

糖尿病・代謝内科

糖尿病が高める脳梗塞のリスクとは

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
脳梗塞は脳の血管が詰まって、その先に栄養が届かなくなり、脳細胞が死んでしまう病気です。糖尿病の方は、非糖尿病者に比べると「脳梗塞発症リスク」が2〜4倍高いと言われています。 この記事では、「脳梗塞」について解説していきます。後半部分では「脳梗塞の再発率」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 脳梗塞とは 脳梗塞の症状 なぜ糖尿病が脳梗塞リスクを高めるのか 脳梗塞の再発率 糖尿病患者が脳梗塞を予防するために必要なこと 入浴時の注意 糖尿病や脳梗塞についてご相談したい方はいつでもご相談下さい   脳梗塞とは 脳梗塞とは、脳動脈が狭くなったり、塞がってしまったりして、必要な血液を得られない「脳組織細胞」が死んでしまう病気です。呂律が回らない、言葉が出てこない、視野が欠ける、など様々な症状が突然出現し、多くの方が後遺症を残します。そのため、脳梗塞後の後遺症を最小限に食い止めるためにも、少しでも早く体が出すサインを見つけて、早く治療を開始することが大切です。なお、厚生労働省発表の「人口動態統計の概況」では、平成29年「1年間」の死因別死亡総数のうち、脳血管疾患は10万9,880人で全体の8.2%を占めており、内訳をみると、「脳梗塞」が最も多く6万2,122人となっております。   脳梗塞の症状 脳梗塞の主な症状は「言語障害」「感覚障害」「視覚障害」「運動障害」です(これらの症状は複合して現れるケースもあります。もちろん1つだけ発症することもあります)。 【脳梗塞の症状1】言語障害 ・言葉が出てこない ・言葉の意味が分からない ・話し方がぎこちない ・呂律が回らない 【脳梗塞の症状2】感覚障害 ・片側の手足が突然しびれる ・片側の手などの感覚が鈍くなる 【脳梗塞の症状3】視覚障害 ・一瞬ものが見えなくなる ・ものが二重に見える ・視野が狭くなる ・視野が半分欠ける 【脳梗塞の症状4】運動障害 ・食事中に箸や茶碗を落とす ・身体の片側に力が入らない ・傾いてまっすぐ歩けない ・急に片側の手足が動かなくなる ・同じ側の顔に麻痺がある   なぜ糖尿病が脳梗塞リスクを高めるのか 糖尿病は血糖値が高くなりすぎる病気です。血糖値が上がりすぎると、血液がドロドロになるため血管が詰まりやすくなり、「脳梗塞のリスク」が高まることがわかっています。また血糖値が高い状態が続くと、細い動脈だけでなく太い動脈にもダメージを与えます。動脈は心臓から全身に酸素と栄養素を送り込む血管で、動脈硬化が進行すると内壁の弾力性がなくなったり詰まったりして脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こすことがあります。国内外の研究で、糖尿病は動脈硬化性疾患の発症・死亡リスクを2~3倍上げることが知られています。 <動脈硬化とは> 動脈硬化とは、文字どおり動脈が硬くなる状態のことです。動脈硬化は、中高年の人に生じる病態と思われがちですが、実は小児期から徐々に進行し、様々な病気の原因となります。そのため、若い頃から動脈硬化の進行を予防することが大切です。動脈硬化は、糖尿病、高血圧、脂質異常などの生活習慣病によって進みますので、十分にご注意ください。   脳梗塞の再発率 一度脳梗塞を起こした患者さんは再発しやすく、発症後1年で10%、5年で35%、10年で50%の人が再発すると言われています。また糖尿病があると、血管を傷めるため、さらに脳梗塞の再発率が高くなると言われています。脳梗塞の再発を予防するには、まず生活改善を行うことが大切です。医師や栄養士などの指導の下、規則正しい生活を送ってください。なお、合併症予防のためにはヘモグロビンA1c値7.0%未満、空腹時血糖値130m/dL未満、随時血糖値180mg/dL未満にするのが良いとされています。   糖尿病患者が脳梗塞を予防するために必要なこと 脳梗塞を引き起こす主な原因は動脈硬化です。その動脈硬化を招く要因としては、高血圧症、高脂血症、糖尿病、喫煙などが挙げられます。つまり、脳梗塞は生活習慣病が要因となっているのです。脳梗塞を予防するためにも、まずは生活習慣の改善から行ってください。 【糖尿病患者が脳梗塞を予防するために必要なこと1】塩分を控える 食塩は1日8g未満が目標です。高血圧のある方は6g未満と言われています。漬物や梅干し、ラーメンの汁など塩分の高い食品を避けたり、量を少なくするなど工夫してください。 【糖尿病患者が脳梗塞を予防するために必要なこと2】禁煙 脳梗塞の要因となる生活習慣のなかで、極めてリスクが大きいのが喫煙です。喫煙をすると血管に傷ができたり、炎症が促進されるため動脈硬化が進行します。動脈硬化が進むと脳梗塞は再発しやすくなりますので、ご注意ください。 【糖尿病患者が脳梗塞を予防するために必要なこと3】お酒はほどほどに 過度な飲酒は動脈硬化に繋がると言われています。また飲酒の際には塩分の高い食事をとりがちです。適量のアルコール摂取に努めてください。 【糖尿病患者が脳梗塞を予防するために必要なこと4】適度な運動 適度な運動はエネルギーを消費するだけでなく、生活習慣病の改善につながります。ウォーキングなどの軽い運動でも十分な効果が得られますので、まずは散歩から始めてください。 【糖尿病患者が脳梗塞を予防するために必要なこと5】水分補給 体内の水分が不足して脱水症状になると血液が凝縮されて血栓ができやすくなり、血管が詰まる可能性が高まります。特に高齢の方は、体に蓄えられる水分量が減っているため普段から不足しがちです。1日に必要な水分量は1.5~2リットルになりますので、意識的に水分を摂取してください。   入浴時の注意 入浴は脳梗塞の引き金になることがあるため注意が必要です。主な原因としては、入浴にともなう「急激な血圧の変化」や「脱水」などが挙げられます。血圧の変動により血管に負担がかかり、脳梗塞を引き起こす可能性がありますので、注意してください。なお、入浴の時間は10分を目安とし、湯と温室の温度差を少なくしてください。また冬場は脱衣場にヒーターを置くようにする等の工夫も積極的に行ってください。   糖尿病や脳梗塞についてご相談したい方はいつでもご相談下さい 脳梗塞は治療が早いほど、脳を救える可能性が高くなります。血栓を効果的に溶かす薬が登場してから、特に早期治療の重要性が高まっています。ですので、深刻な後遺症を残さないためにも、「おかしい」と思ったらすぐに受診してください。「脳梗塞の症状」や「糖尿病の症状」にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2022.12.14

糖尿病・代謝内科

1型糖尿病の原因や治療法について解説します

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
1型糖尿病はインスリンを作る膵臓に異常が起こることで発症する糖尿病で、「インスリン依存型」と呼ばれています。 この記事では、「1型糖尿病」について解説していきます。後半部分では「1型糖尿病の原因」や「治療法」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 1型糖尿病とは 1型糖尿病の症状 1型糖尿病の種類 1型糖尿病の原因 1型糖尿病の主な治療法 1型糖尿病のその他の治療法 1型糖尿病についてご相談したい方はいつでもご相談下さい   1型糖尿病とは 1型糖尿病とは、インスリンを分泌する膵臓の「β細胞:べーたさいぼう」が壊れ、高血糖状態になる病気です。世界的には糖尿病全体の約5%が1型糖尿病と言われています。糖尿病には大きく分けて1型と2型がありますが、1型はβ細胞の破壊によって生じるもので、運動不足や過食などの生活習慣によって起こる「2型糖尿病」とは性質が異なります。2型糖尿病について「糖尿病の方へ」でご説明していますので、ご興味のある方はご覧ください。   1型糖尿病の症状 1型糖尿病の典型的な症状は、口渇、多飲、多尿、体重減少です。インスリンが分泌されないと、血糖の上昇に伴い尿糖が排出され、浸透圧利尿が増えるため、脱水になります。またインスリンの不足はエネルギーの同化(蓄積)が出来なくなり痩せていきます。さらに、インスリンが全くなくなった状態ではケトン体が産生され、ケトーシスやケトアシドーシスという危機的状態となり、昏睡や死に至るケースもあります。ケトーシスやケトアシドーシスについては「日本糖尿病学会のホームページ」をご覧ください。   1型糖尿病の種類 1型糖尿病は、その破壊の進行のスピードによって以下の3タイプに分類されます。 【1型糖尿病の種類】劇症1型糖尿病 劇症1型糖尿病は、1型糖尿病の中で最も急激に発症し、数日間でβ細胞が破壊されてインスリン依存状態になるタイプです。1週間前後以内に糖尿病の急性合併症である「糖尿病ケトアシドーシス」になり危機的な状態に陥ることもあるため、速やかなインスリン投与が必要になります。 【1型糖尿病の種類】急性発症1型糖尿病 急性発症1型糖尿病は、1型糖尿病の中で最も頻度が高いタイプです。β細胞の破壊から数週間、数か月で症状が現れ、インスリン依存状態となります。 【1型糖尿病の種類】緩徐進行1型糖尿病 緩徐進行1型糖尿病は、発症から半年か数年をかけてインスリンの分泌が低下していき、最終的にインスリン依存状態に陥るタイプです。このタイプでは、すぐにインスリン依存状態になりませんが、早期に膵臓を保護する治療を行うことで進行を遅らせることができる場合があるため、早期治療が望まれます。   1型糖尿病の原因 1型糖尿病の原因はまだ不明な点もありますが、主に「自己免疫異常」と「ウイルス感染」が関わっていると考えられています。自己免疫とは、細菌やウイルスなどの外敵から体を守るための防御システムで、何らかの原因によって免疫に異常が生じると、正常な細胞を攻撃してしまいます。β細胞も例外ではなく、免疫異常がβ細胞を破壊することでインスリンの分泌が低下します。ウイルス感染においては、「レトロウイルス」「サイトメガロウイルス」「麻疹ウイルス」などが関連していると言われています。「日本内分泌学会」でも同様のことを伝えています。   1型糖尿病の主な治療法 1型糖尿病の治療はインスリン療法が基本です。 【1型糖尿病の主な治療法】インスリン療法 インスリン療法とは、患者さん自身がインスリン製剤を継続的に投与して血糖をコントロールする治療法のことです。インスリン製剤を投与する方法として、「頻回ひんかいインスリン注射療法」と「持続皮下インスリン注入療法」があります。頻回インスリン注射療法は、一般的にペン型の注射器を用いて1日に数回インスリン注射を行う方法です。お腹、太もも、上腕、お尻に注射することが推奨されています(これらの部位を少しずつ、ずらしながら注射します)。一方、持続皮下インスリン注入療法は、携帯型のインスリンポンプを使用して皮下に留置した挿入した「カニューレ」からインスリンを持続的に注入する方法です。インスリンの注入量や注入速度を細かく調整できるため、頻回インスリン注射療法で血糖コントロールが困難な人や低血糖を頻発する人、食事や勤務時間が不規則な人、妊娠中あるいは妊娠の予定がある人などに向いています。   1型糖尿病のその他の治療法 1型糖尿病の治療には、インスリン療法以外に「経口血糖降下薬による治療」や「移植手術」があります。また1型糖尿病は、生活習慣の乱れを原因としたものではありませんが、2型糖尿病と同様、食事・運動習慣に良くない点があれば、その改善が必要です。 ※経口血糖降下薬とは、血糖値を下げる飲み薬のことです。 【1型糖尿病の治療法】経口血糖降下薬による治療 1型糖尿病に対する主な経口血糖降下薬に「α(アルファ)グルコシダーゼ阻害薬」があります。この薬には食べ物に含まれる糖質の消化・吸収を遅らせ、食後の血糖値の上昇を緩やかにする作用があるため、食後過血糖がある場合に使用されます。 【1型糖尿病の治療法】移植手術 1型糖尿病が重症の場合には、「膵臓移植」や「膵島移植」が適応となる場合があります。ただし、根治を目指せる治療法であるものの、ドナー不足などの問題から日本ではまだあまり行われていません。しかし近年では、IPS細胞などからβ細胞をつくる研究が行われているため、今後はドナーの有無にかかわらず移植できることが期待されています。 【1型糖尿病の治療法】食事療法 食事療法とは、医師や管理栄養士の指示に基づいて献立を組み立て、食事の量や成分を増減させることで病気の改善を目指すものです。「食事療法=カロリー制限」の印象があるかもしれませんが、単に摂取カロリーを制限すればよいというものではなく、必要な栄養素を過不足なく摂取することが原則です。そのため、食品に含まれる栄養素やエネルギー量を知っておくことも大切です。なお、1型糖尿病の方が、血糖値の高くなりやすい食事を摂っていると、インスリンをたくさん打っても「血糖値の下がりが悪くなること」があります。ですので、インスリン療法と食事療法は同時に行ってください。 【1型糖尿病の治療法】運動療法 運動療法とは、運動を行うことで障害や疾患の治療を行う療法です。糖尿病の方に対しては、薬物療法・食事療法と並び、重要性の高い治療方法であると言われています。なお、運動の方法としては有酸素運動が効果的で、ウォーキングや水泳、自転車やラジオ体操などを無理なく続けることが大切です。近年は、短時間高負荷の無酸素運動による筋肉トレーニングの効果も注目されています。   1型糖尿病についてご相談したい方はいつでもご相談下さい 糖尿病になっても、初期段階では自覚症状がありません。そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。1型糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2022.12.13

糖尿病・代謝内科

糖尿病が引き起こす敗血症のリスク

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
敗血症は、あらゆる感染症に続いて起こりうる病態です。敗血症をより早期に察知するためにも、敗血症に関する基本的な知識をもっておく必要があります。 この記事では「敗血症」について解説していきます。後半部分では「敗血症予防のために気をつけること」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 敗血症とは 敗血症の症状 敗血症性ショックとは 敗血症と敗血症性ショックの違い 糖尿病の人はなぜ敗血症にかかりやすいのか 敗血症予防のために気をつけること 敗血症や糖尿病について不安な方はお気軽にご相談ください   敗血症とは 敗血症とは、何らかの細菌やウイルスに感染することによって全身に様々な影響が及び、心臓、肺など体の重要な臓器の機能が障害(臓器不全)される病気のことです。全身性炎症反応症候群(ぜんしんせいえんしょうはんのうしょうこうぐん)とも言います。 敗血症は組織障害や臓器障害をきたすため、敗血症と診断されたら、ただちに治療を開始することが重要です。治療が遅れると、全身のバランスが崩れ、低血圧による意識障害などを引き起こしてショック状態となります。 その結果、多数の臓器に障害が及ぶ「多臓器不全」となります(多臓器不全になると、数時間で死亡してしまう可能性が高くなります)。 敗血症は軽度な感染症から進行することもあるため、特に乳幼児や高齢の方、持病のある方などで発熱などの症状が長引く場合は、できるだけ早く医療機関を受診してください。 「敗血症について解説しているサイト」でも同様のことを伝えています。   敗血症の症状 敗血症では、何か1つの症状が出るというようなことは基本的にありません。 障害が起きている臓器によって、様々な症状が現れるのが特徴です。 初期の主な症状としては、悪寒を感じたり、全身のふるえや発熱、発汗などが見られたりすることが多く、症状が進行してくると、心拍数や呼吸数の増加、血圧低下、排尿困難、意識障害などが生じてきます。 なお、重症化してしまうと、腎不全や肝不全といった臓器不全、敗血性ショックを招き、命を落とす危険が高まります。   敗血症性ショックとは 敗血症性ショックとは、日本救急医学会の定義では「臓器障害または臓器灌流異常をともなう敗血症のうち、適切な輸液負荷を行っても低血圧が持続する状態」とされています。 臓器障害を伴う敗血症は一般に重症敗血症と言われますので、平たく言えば「血圧が下がった重症敗血症」となります。 敗血症性ショックでは、炎症性サイトカインと呼ばれる物質が放出され、人の血管の中の血管内皮細胞と呼ばれる細胞を傷つけます。 その結果、血管内に微小血栓を作り、DIC(播種性血管内凝固症候群)と呼ばれる状態などに落ち入り多臓器障害や多臓器不全を起こすことになります。 敗血症性ショックについて詳しく知りたい方は「敗血症および敗血症性ショックについて解説しているサイト」をご覧ください。   敗血症と敗血症性ショックの違い 敗血症は、 菌血症やほかの感染症に対する重篤な全身性の反応に加え、体の重要な器官の機能不全が起こる病態です。 一方、敗血症性ショックは、敗血症によって生命を脅かす低血圧(ショック)および臓器不全が引き起こされている病態です。 つまり、重症敗血症の病態のなかでショックを呈したものが「敗血症性ショック」になります。 敗血症性ショックは、放置することで命にかかわります。 そのため積極的な治療が必要になります。   糖尿病の人はなぜ敗血症にかかりやすいのか 糖尿病の方は感染症にかかりやすい状態です。 そのため、糖尿病をお持ちの方は敗血症を引き起こしやすいと言われています。 では、なぜ糖尿病をお持ちの方は感染症にかかりやすいのでしょうか。 主な理由は以下の5つです。 【糖尿病の人が感染症にかかりやすい理由1】血流が悪くなる 高血糖では、細い血管の血液の流れが悪くなります。 血液の流れが悪くなると、細胞の働きが低下し、白血球が感染部位に到達しにくくなり、感染しやすくなります。 また感染で受けたダメージの回復にも時間がかかります。   【糖尿病の人が感染症にかかりやすい理由2】免疫機能の低下 白血球の一種である好中球は、体内に入り込んだウイルスや細菌を食べる働きがあります。しかし、高血糖時はこの機能が低下してしまいます。   【糖尿病の人が感染症にかかりやすい理由3】免疫反応の低下 一度感染したことのある病原体には「抗体」が作られるため、次に体内に侵入しても感染しづらくなります。これを「免疫反応」といいます。 高血糖時の時は、この免疫反応が弱くなることがわかっています。   【糖尿病の人が感染症にかかりやすい理由4】神経障害 糖尿病に特有な合併症の一つに神経障害があります。 神経障害があると、内臓の活動が乱れやすく、膀胱炎や胆嚢炎の原因になります。 また、痛みを感じる神経も障害されるので、症状が現れにくく感染症に気づくのが遅れ、その間に病気が進行してしまいます。 糖尿病の神経障害については「糖尿病情報センターのホームページ」をご覧ください。 【糖尿病の人が感染症にかかりやすい理由5】血糖値がいつもより上昇する 細菌類に感染すると、インスリンを効きにくくする物質が多くなり、血糖値はいつもより上昇します。 このことが、糖尿病の状態をより悪くし、感染症をさらに進行させてしまうという悪循環が生まれます。   敗血症予防のために気をつけること 敗血症を予防するには感染症を予防することが大切であり、万が一感染症にかかったとしても悪化させないよう注意することで発症のリスクを下げることができます。そのためにも、日頃から手洗いや手指消毒、マスク着用などの基本的な感染対策をしっかり行い、規則正しい生活を心がけることが最も重要です。また、感染症が悪化して敗血症に進行するのを防ぐには、感染症が疑われる症状がある場合、できるだけ早く医療機関を受診して、適切な治療を受けることが大切です。   敗血症や糖尿病について不安な方はお気軽にご相談ください 上述した通り、敗血症は軽度な感染症から進行することもあるため、できるだけ早く治療することが大切です。持病がある人(糖尿病、呼吸器疾患、心疾患、透析を受けている人など)や免疫抑制剤などを内服している人は、体調が悪い際は我慢せず、早めに受診することをお勧めします。敗血症の症状にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2022.12.11

糖尿病・代謝内科

都賀で妊娠糖尿病にお悩みの方へ

糖尿病・代謝内科に関する記事です。
妊娠糖尿病とは、妊娠中に血糖値のコントロールが上手くできなくなってしまう“糖代謝異常”を引き起こす病気のことです。 妊娠糖尿病になると血糖値が高くなり過ぎることで、様々な病気を引き起こします。 そのため、妊婦定期健診を指示された予定通りに受け、早期発見することが非常に重要です。 この記事では、「妊娠糖尿病」について解説していきます。 後半部分では「妊娠糖尿病の治療方法」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 妊娠糖尿病とは 妊婦の糖尿病は3種類に分類されます 妊娠糖尿病の症状 妊娠糖尿病の治療方法 妊娠中の運動について 糖尿病ケトアシドーシスについて 妊娠糖尿病になりやすい人の特徴 妊娠糖尿病が不安な方はいつでもご相談ください   妊娠糖尿病とは 妊娠糖尿病とは、妊娠中にはじめて発見された糖代謝異常です(糖代謝異常とは、血液に含まれる糖の量を示す“血糖値”が上がった状態です)。 今まで糖尿病と言われた事がないにもかかわらず、妊娠中に始めて指摘された糖代謝異常で、糖尿病の診断基準をみたさない人を妊娠糖尿病といいます。 具体的には、糖負荷試験をした際に、空腹時血糖92mg/dL以上、1時間値180mg/dL以上、2時間値153mg/dL以上のいずれか1点以上を満たした場合に「妊娠糖尿病」と診断されます。   妊婦の糖尿病は3種類に分類されます 糖代謝異常には、大きく分けて「妊娠糖尿病」「妊娠中の明らかな糖尿病」「糖尿病合併妊娠」の3種類があります。 「妊娠糖尿病」は前述した通り、妊娠中にはじめて発見された糖代謝異常です。 一方、「糖尿病合併妊娠」とは、糖尿病といわれていた方が妊娠した状態です。 そして最後の「妊娠中の明らかな糖尿病」は、妊娠前から“診断されていない糖尿病があったかもしれない”という糖代謝異常などが含まれます。 なお、妊娠前から既に糖尿病と診断されている場合や、妊娠中に「明らかな糖尿病」と診断された場合は、妊娠糖尿病より重度の状態ですので、血糖をより厳密に管理する必要があります。 「日本産婦人科学会」でも同様の見解を述べています。   妊娠糖尿病の症状 妊娠糖尿病の症状はほとんどありません。 気づかずうちに血糖値が高くなっていることがあります。 ですので、妊婦定期健診を指示された予定通りに受け、早期発見することが非常に重要です。 なお、お母さんが高血糖であると、おなかの中の赤ちゃんも高血糖になり、様々な合併症が起こり得ます。 合併症については以下をご覧ください。 <妊娠糖尿病が引き起こす“お母さん”に起こる病気> ・妊娠高血圧症候群 ・流産 ・早産 ・羊水過多 ・膀胱炎、腎盂炎などの感染症 ・血管障害 ・網膜症 ・脱水 ・意識障害 <妊娠糖尿病が引き起こす“赤ちゃん”に起こる病気> ・子宮内胎児脂肪 ・新生児ピルピリン血症 ・新生児低血糖 ・低カルシウム血症 ・呼吸窮迫症候群 ・先天奇形 ・発育遅延 ・心臓の肥大 ・多血症 ・電解質異常 ・黄疸   妊娠糖尿病の治療方法 糖尿病の治療には「食事療法」「運動療法」「薬物治療」の3つの柱があります。 しかし、妊娠中は積極的な運動療法はあまりできないため、まず食事療法を行います。 そして、それでもうまくいかない場合には、インスリン療法に移行します。 【妊娠糖尿病の治療方法1】食事療法 食事療法では、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考えて様々な食品をまんべんなくとることが大切です。 お母さんと赤ちゃんがともに健全に妊娠を継続でき、食後の高血糖を起こさず空腹時のケトン体産生を亢進させないよう配慮してください。 なお、1日3食、規則正しく適正量を食べても食後の血糖値が高い場合は、1日の食事を6回に分けて食べてください(この食事方法を分割食と言います。1回の食事量を減らすことで食後の血糖上昇を抑えます)。 <通常の糖尿病と妊娠糖尿病の食事療法の違いとは?> 通常の糖尿病と妊娠糖尿病の食事療法の違いは目標とする血糖値の範囲になります。妊娠糖尿病の場合、血糖値の目標値が食前100㎎/dl、食後2時間120㎎/dl未満となります。妊娠中は赤ちゃんのために必要なエネルギー、必要な栄養素を摂る必要がありますので、単に食事制限するのではなく、適切な栄養素を含み適切な量をバランスよく摂取しなければなりません。そのため、妊娠糖尿病食は通常の糖尿病食よりも食事量は多くなります。ただし妊娠糖尿病の状態や妊娠の時期によって目標摂取量は変わりますので、十分に注意してください。 【妊娠糖尿病の治療方法2】インスリン療法 食事療法のみでは健康な妊婦さんの“血糖値目標”に達成できないとき、インスリン療法が加わります。経口血糖降下薬は妊婦に使用できないため、強化インスリン療法による厳格な血糖管理が必要です。インスリンの中には妊娠時に使用可能なカテゴリーBとそうでないものがあるので注意してください。インスリンについては「糖尿病情報センターのホームページ」に記載しています。ご興味のある方はご覧ください。   妊娠中の運動について 妊娠中の運動は「血糖コントロールの改善」につながる効果がありますが、妊娠の状況によっては運動をできない場合があります。また不適切な運動は逆効果です。したがって妊娠中の運動は、必ず医師の許可を得て行ってください。   糖尿病ケトアシドーシスについて 妊娠中、母親のからだは血糖を胎児に優先的に送ろうとするので、自分自身のエネルギーを補うため、脂肪を分解して“遊離脂肪酸”を作る働きが普段よりも活発になります。その結果、ケトン体が増えます(ケトン体は、からだの中で脂肪が変化して作られる物質でエネルギー源として利用されています)。このケトン体が多く作られてしまった場合、「糖尿病ケトアシドーシス」という病気の誘因となり、妊娠中はその病気のリスクが高くなります。糖尿病ケトアシドーシス」は糖尿病昏睡の一種であり、糖尿病妊婦さんに起きる最も重篤な合併症です。糖尿病合併妊娠の1.2%に発症すると報告されています。糖尿病ケトアシドーシスについては「糖尿病ネットワーク」に詳しく記載していますので、気になる方はご覧ください。   妊娠糖尿病になりやすい人の特徴 下記の項目に一つでも当てはまる方は「妊娠糖尿病」になりやすいといえます。 ・家族に糖尿病の人がいる ・肥満(BMI 25kg/m2 以上) ・35歳以上の高齢出産である ・巨大児分娩歴がある ・妊娠高血圧症群、既往にある ・羊水過多 ・原因不明の習慣流早産歴がある ・先天奇形児の分娩歴がある ・強度の尿糖陽性もしくは2回以上反復する尿糖陽性   妊娠糖尿病が不安な方はいつでもご相談ください 妊娠糖尿病になっても、症状はほとんどありません。そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。妊娠糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2022.11.27