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糖尿病・代謝内科の糖尿病網膜症についての記事一覧
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糖尿病による目の症状
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、「糖尿病が目に及ぼす影響」について解説していきます。後半部分では「糖尿病網膜症の治療法」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
糖尿病が目に及ぼす影響
糖尿病で視力が低下する仕組み
糖尿病網膜症とは
糖尿病網膜症の病期
糖尿病網膜症の特徴と原因
糖尿病網膜症の治療法について
糖尿病網膜症の予防策
糖尿病網膜症は早期発見が非常に重要です
糖尿病が目に及ぼす影響
糖尿病になると、目の網膜の毛細血管が詰まったり、高血糖による“末梢神経障害”や“代謝異常”などが発生したりするため、様々な目の合併症が起こります。
合併症の中には、初期段階では自覚症状がないものもあり、また末梢神経障害を起こした糖尿病患者さんでは、痛みを感じない場合があるため注意が必要です。
糖尿病になったら目が悪くなる可能性があることを知っておいてください。
糖尿病で視力が低下する仕組み
糖尿病で視力が低下する仕組みは「眼球の透明な組織が混濁してしまうこと」と「網膜という光を感じる神経が破壊されること」の二つです。
“眼球の透明性が低下する原因”としては、水晶体が混濁する白内障、角膜が白濁する水泡性角膜症があります(さらに硝子体に出血が生じて血液がたまると、硝子体が混濁して見えにくくなります)。
一方、光を感じる神経である“網膜の機能が失われる原因”としては、網膜剥離や血管新生緑内障などがあります(糖尿病による直接的な 2 大失明原因です)。
なお、どちらも糖尿病によって網膜の血管が損傷される、「糖尿病網膜症糖」によって引き起こされます。
糖尿病網膜症とは
糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)とは、糖尿病が原因で目の中の網膜という組織が障害を受け、視力が低下する病気です。
「糖尿病腎症」「糖尿病神経症」と並んで糖尿病の三大合併症といわれてます。
糖尿病網膜症は、他の糖尿病合併症と同様、初期段階では自覚症状がありません。
しかし気づかずに放置していると症状が悪化して様々な視覚障害が起こり、最終的には失明に至ることもあります。
<網膜とは>
網膜は、瞳から入った光の明暗や色を感知する役割をもっていて、物を見るために大変重要な器官です。
網膜症とは、なんらかの理由でこの網膜が傷められ、カメラでいうと、フィルムの感度が低くなったり、フィルム自体が破損してしまった状態になる病気のことです。
程度の差はありますが、糖尿病の患者さんの約3分の1に、網膜症が起きているといわれます。
糖尿病網膜症の病期
糖尿病網膜症は、進行の度合いにより大きく三段階に分類されます。
【糖尿病網膜症の病期1】単純糖尿病網膜症(たんじゅんとうにょうびょうもうまくしょう)
初期の糖尿病網膜症です。最初に出現する異常は、細い血管の壁が盛り上がってできる血管瘤や、小さな出血です。
蛋白質や脂肪が血管から漏れ出て網膜にシミ(硬性白斑)を形成することもあります。
なお、これらは血糖値のコントロールが良くなれば改善することもあります。
【糖尿病網膜症の病期2】前増殖糖尿病網膜症(ぜんぞうしょくとうにょうびょうもうまくしょう)
前増殖糖尿病網膜症は、単純網膜症より一歩進行した状態です。
細い網膜血管が広い範囲で閉塞すると、網膜に十分な酸素が行き渡らなくなり、足りなくなった酸素を供給するために新しい血管(新生血管)を作り出す準備を始めます。
この時期になると“かすみ”などの症状を自覚することが多いのですが、全く自覚症状がないこともあります。
【糖尿病網膜症の病期3】増殖糖尿病網膜症(ぞうしょくとうにょうびょうもうまくしょう)
増殖糖尿病網膜症は、糖尿病網膜症の重症な状態です。
新生血管が網膜や硝子体に向かって伸びてきます。
新生血管は破れやすく、網膜や硝子体に出血することがあります。
硝子体に出血すると、少量なら視野に黒い影やゴミの様なものが見える飛蚊症がおこります。
また出血量が多いと視力低下をおこします。硝子体中に出血すると、よく墨を流したようなものが見えるといわれます。
何度も出血や状態の悪い期間が続くと増殖組織といわれる線維性の膜が出現し、網膜剥離を起こすことがあります。
糖尿病網膜症の特徴と原因
糖尿病にかかると、血液中の糖分を細胞がうまく吸収できなくなります。
血液中の糖分が多い状態が続くと、やがて糖が血管に障害を与えるようになります。
目の網膜にある血管は細いので特に障害を受けやすく、血管がつまったり、出血したりするようになります。
もともとある血管が障害を受けて機能しなくなってくると、栄養分などを届けられなくなるため、新しい血管(新生血管)が作られます。この血管はとてももろく、出血や成分の漏れをたびたび起こします。
この状態が、視界がかすむ、視力の低下などの症状の原因になります。
そして、さらに病気が進行すると「網膜剥離」や「緑内障」といった病気を併発し、失明に至ることもあります。
糖尿病網膜症の治療法について
糖尿病網膜症の治療法には、「薬物による治療法」と「外科的な治療法」があります。
進行の度合いによって治療法は異なり、早期に治療を始めるほど負担の小さな方法で視力障害や失明を防ぐことができます。
なお、糖尿病網膜症は完全に治すことのできない病気です。
そのため治療は、症状の悪化を防ぐために行われます。具体的な治療法については以下をご覧ください。
【糖尿病網膜症の治療法1】初期
初期の場合は血糖コントロールや、高血圧の治療など内科的治療を行います。
【糖尿病網膜症の治療法2】中期
新生血管の発生を防ぐために、レーザーで眼底を焼く「レーザー光凝固術」が行われます。
<レーザー光凝固術>
レーザー光凝固術とは、網膜をはじめとする眼底(眼球の奥)の病変部にレーザー光線を照射して焼き固めることによって、病気の進行を阻止するために行われる治療法です。
この治療法で視力を改善することはできませんが、今現在の視力をほぼ維持しながら病気がそれ以上悪化することを予防するという意味では、特に網膜に発生するさまざまな病気に対して非常に有効とされています。
【糖尿病網膜症の治療法3】末期
糖尿病網膜症が進行して「網膜剥離」や「硝子体出血」が起きている場合は、硝子体手術が行われます。
<硝子体手術>
硝子体手術とは眼の硝子体と呼ばれる組織を除去し、網膜硝子体の病気を治す手術です。
とても繊細で難しい手術に分類されます。
糖尿病網膜症の予防策
糖尿病網膜症を予防するための基本は、定期検診です。
一度検査を受け、異常がないとわかると安心してしまう人が多いのですが、それではいけません。
糖尿病に関係する目の病気は網膜症だけでなく、白内障や緑内障など沢山あります。
ですので毎年、眼底検査を受けてください。
なお、糖尿病網膜症を予防するためには「血糖」「血圧」「コレステロール」に注意を払うことも大切です。
<血糖>
1~2ヵ月の血糖の平均を反映し、血糖コントロールの指標となっているHbA1cを、7.0%未満に維持してください(可能であれば6.0%未満を目指してください)。
<血圧>
糖尿病患者さんの降圧目標は、診察室血圧が130/80mmHgで、家庭血圧が125/75mmHgとなっております。
糖尿病の人は高血圧を併発していることが多いです。
両方を併発すると、心臓病や脳卒中、腎臓病などのリスクがさらに高まりますので、積極的な血圧コントロールが大切です。
<コレステロール>
現在ガイドラインで推奨されている糖尿病の患者さんにおける血液中の脂質の管理目標値は、LDLコレステロール120mg/dl未満(冠動脈疾患がある場合は100mg/dl未満)、HDLコレステロール40mg/dl以上、中性脂肪150mg/dl未満です。
糖尿病網膜症は早期発見が非常に重要です
糖尿病網膜症は、自覚症状がないまま進みます。
自覚症状が出たころには、症状がかなり進んでいて、失明を覚悟しなくてはなりません。
ですので、糖尿病やその予備軍と診断されたら、医師の指示どおり血糖のコントロールを行い、自覚症状がなくても眼科での定期的な眼底検査を行ってください。
なお、糖尿病の指標のひとつに、ヘモグロビンA1c(HbA1c…正常値4.3~5.8)というのがあり、この数値が7.5以上になると、5倍以上失明する危険が高まるといわれています。
ご自身の「ヘモグロビンA1c」について気になる方、あるいは糖尿病網膜症の症状について気になる方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2023.01.26
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