板谷内科クリニックブログ

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内科のインフルエンザ脳症とはについての記事一覧

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インフルエンザ脳症とは:症状や予防、治療法も解説

内科に関する記事です。
この記事では、「インフルエンザ脳症の症状」について解説していきます。後半部分では「インフルエンザ脳症の診断方法」や「インフルエンザ脳症の予防策」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box { text-align: center; } .cv_box a{ text-decoration: none !important; color: #fff !important; width: 100%; max-width: 400px; padding: 10px 30px; border-radius: 35px; border: 2px solid #fff; background-color: #ffb800; box-shadow: 0 0 10pxrgb(0 0 0 / 10%); position: relative; text-align: center; font-size: 18px; letter-spacing: 0.05em; line-height: 1.3; margin: 0 auto 40px; text-decoration: none; } .cv_box a:after { content: ""; position: absolute; top: 52%; -webkit-transform: translateY(-50%); transform: translateY(-50%); right: 10px; background-image: url("https://itaya-naika.co.jp/static/user/images/common/icon_link_w.svg"); width: 15px; height: 15px; background-size: contain; display: inline-block; } 【目次】 インフルエンザ脳症とは インフルエンザ脳症の主な症状 インフルエンザ脳症の年齢別症状 インフルエンザ脳症の原因と発症メカニズム インフルエンザ脳症の診断方法 インフルエンザ脳症の治療方法 インフルエンザ脳症の予防策 インフルエンザ脳症についての相談は板谷内科クリニックへ   インフルエンザ脳症とは インフルエンザ脳症とは、インフルエンザウイルスの感染後に「痙攣」や「意識障害」、「異常行動」や「異常言動」などの症状を引き起こす重篤な脳の疾患です。インフルエンザウイルス感染によって引き起こされる深刻な合併症の一つになります。インフルエンザ脳症は、主に5歳以下の幼児に発症する場合が多く、発症してから急速に意識障害などが進行するのが特徴です。また、予後が良好な軽症例もありますが、時には「後遺症が残ること」や「死に至ること」もあります。したがって、インフルエンザ脳症は極めて深刻な合併症とされています。なお、インフルエンザ脳症は、正式には一つの疾患ではなく、意識障害などを起こす複数の疾患を含む「症候群」のことを指します。具体的には次のようなものが挙げられます。 <ライ症候群> ライ症候群は、インフルエンザなどのウイルスに感染後、激しい吐き気や嘔吐、痙攣や錯乱、さらには昏睡などの症状と共に脳の炎症や腫れ、肝機能の低下が見られる極めて稀な病気です。ライ症候群は、感染症に罹患中、アスピリンを使用した18歳以下の子供に見られることが多いのが特徴です。なお、急性期を乗り越えた患者さんの多くは回復しますが、症状が重かった場合には「障害」や「痙攣性」の疾患などが残ることもあります。 <急性壊死性脳症(ANE)> 急性壊死性脳症(ANE)は、瀰漫性脳浮腫に両側対称性の視床病変を伴うウイルス性の急性脳症です。急性壊死性脳症は、ウイルス感染後に急激な意識障害や痙攣などの症状が現れます。また、大脳側脳室周囲白質や上皮脳幹被蓋、小脳髄質、内包、被殻にも病変が見られることがあります。なお、急性壊死性脳症は、特に東アジアの幼児に多く見られます。   インフルエンザ脳症の主な症状 インフルエンザ脳症は、高熱など通常のインフルエンザの症状が出たのち、数時間から24時間以内で急激に症状が現れるケースが多いです。代表的な初期症状としては、痙攣、意識障害、異常言動や異常行動などが挙げられます。インフルエンザ脳症は進行のスピードが早いため、早期治療が何よりも大切です。早期治療により軽症化の可能性が高まります。したがって、痙攣、意識障害、異常言動や異常行動などの初期症状が現れた際は、速やかに医療機関を受診してください。   インフルエンザ脳症の年齢別症状 インフルエンザ脳症の症状は、年齢によって異なる傾向があります。0~4歳、5~19歳、20~59歳、60歳以上の4つの年齢群に分け、国立感染症研究所が調査した結果、発熱に関しては各年齢群で88.9~95.5%と高い割合で認められております。一方、痙攣に関しては、熱性痙攣を起こしやすい0~4歳で高い割合です。また、5~19歳、20~59歳では頭痛や嘔吐が比較的多く見られています。そして、20~59歳、60歳以上では小児と比較して、項部硬直、髄液細胞数の増加のみられる割合が多いです。なお、国立感染症研究所の発表では、届出時に死亡と届け出られていた症例に関しては、0~4歳では6.9%、5~19歳では4.9%、20~59歳では9.7%、60歳以上では15.2%であったと伝えています。このような結果から成人例は、小児例よりも少ないものの、症状ごとには小児例との差異もあり、重症度においては決して軽視はできないと考えられています。   インフルエンザ脳症の原因と発症メカニズム インフルエンザ脳症の原因は、インフルエンザウイルス感染によるサイトカインストーム、高炎症性サイトカイン血症と考えられています。インフルエンザウイルスが体内に侵入すると、免疫系はそれに反応して「サイトカイン」と呼ばれる炎症性分子を放出します。通常、サイトカインはインフルエンザウイルスとの戦いに役立ちますが、時には免疫応答が過剰になり、身体全体に炎症を引き起こすことがあります。この状態をサイトカインストームと呼びます。なお、高炎症性サイトカイン血症の状態では、血液中のサイトカインのレベルが異常に上昇し、血管の通透性が増し、神経系にも影響を及ぼす可能性があります。これにより、脳組織が直接損傷を受け、炎症反応が起こり、さらに神経細胞の機能が影響を受けることで、インフルエンザ脳症が発症します。   インフルエンザ脳症の診断方法 インフルエンザ脳症が疑われる場合、通常は次の手順で診断が行われます。まず、問診と診察が行われ、その後に「インフルエンザ迅速検査キット」を使用して感染を確認します。そして症状や意識障害などの有無からインフルエンザ脳症が疑われるときには、血液検査で全身の状態、脳や腎臓、肝臓などの臓器の状態を調べ、さらに脳波検査により脳の機能、意識障害や痙攣の原因などを調べ、頭部MRI検査で脳の炎症の有無や炎症の広がりなどを確認します。また、熱性痙攣や脳腫瘍、脳出血といった他の疾患との鑑別を目的として、頭部CT検査も実施されます。さらに、免疫細胞の数や種類を調べるために脳脊髄液検査も行われることがあります。インフルエンザ脳症の診断方法について詳しく知りたい方は「インフルエンザ脳症ガイドライン」をご覧ください。   インフルエンザ脳症の治療方法 インフルエンザ脳症の治療法は、基本的には呼吸器や循環器などを管理して全身状態を保つ支持療法に加え、抗ウイルス薬の投与や、ガンマグロブリン大量療法などの特異的治療が行われます。そして、それでも期待された効果が得られない場合などには、脳低温療法や、血漿交換療法などの特殊治療が行われます。ただし、この治療法は実施例が限られており、費用や副作用の問題も考慮する必要があります。そのため、専門医との細かな相談が重要です。なお、上述した治療法は、特別な合併症(細菌性肺炎、呼吸不全、DIC、多臓器不全等)を伴わない場合の治療法になります。特別な合併症を伴った場合は、臨床症状、検査データ、重症度に応じて迅速に、できる限りの集中治療を施行する必要があります。インフルエンザ脳症の治療方法について詳しく知りたい方は「国立感染症研究所のホームページ」をご覧ください。   インフルエンザ脳症の予防策 インフルエンザ脳症の予防策としては、インフルエンザ予防接種が有効です。インフルエンザ予防接種は、インフルエンザに罹りにくくするとともに、感染した場合には「症状の重篤化」を防ぐとされています。したがって、インフルエンザ予防接種は「インフルエンザ脳症の発症リスク」を軽減する効果が期待されます。インフルエンザは悪化すると、気管支炎や肺炎、脳症などの重篤な合併症を引き起こす恐れがありますので、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします(インフルエンザ予防接種をしてもインフルエンザにかかる場合があります)。なお、インフルエンザウイルスへの感染を予防するためには、手洗い・消毒などの基本的な感染対策も重要です。以下、基本的な感染対策です。 <人混みに出ない> インフルエンザが流行している時期は、不要な外出は避けたほうが安心です。「ショッピングセンター」や「繁華街」などの人混みでインフルエンザに感染することも多いため、インフルエンザが流行している時期は、ご注意ください。なお、やむを得ず外出する場合は、なるべく短時間で済ませることをお勧めします。 <適度な湿度を保つ> 空気が乾燥すると、のどの粘膜の“防御機能”が低下します。したがって、乾燥しやすい室内では加湿器の使用をお勧めします。免疫効果を正常に作用させるためには50~60%程度の湿度が必要になりますので、加湿器などで“室内の湿度”を適切に維持するよう心掛けてください。 <マスクを着用する> マスクによるインフルエンザ予防は、効果が薄いことが示されています。ただし、全く効果がないわけではありません。近くにいる誰かが「くしゃみ」や「咳」をしたときには、マスクによって飛沫感染を防ぐことができます。また、「くしゃみ」や「咳」が出る人が周囲にウイルスを拡散しないためにもマスクは有効です。したがって、人混みに出る場合などにはマスクの着用をお勧めします。 <毎日の食事で免疫力を高める> インフルエンザウイルスの感染を防ぐためには、毎日の食事で免疫力を高めて、「インフルエンザにかからない体づくり」をすることも大切です。具体的には、免疫システムに欠かせない「ビタミンC」と体のエネルギー産生に必要な「ビタミンB1群」、鼻やのどの粘膜を強化する働きのある「ビタミンB2」「ビタミンB6」を多くとることがポイントになります。なお、免疫力を高めるためには1日3食、規則正しく食べることも大切です。免疫力を高めるためにも、栄養バランスのとれた食事と良好な生活習慣を心掛けてください。 <手洗い・手の消毒> 手についたウイルスが口や鼻に入るというのが、インフルエンザウイルスの感染経路としてとても多いケースです。したがって、インフルエンザの予防として最もお勧めなのは、手洗い・手の消毒になります。手洗い・手の消毒をこまめに行えばウイルスを撃退し、インフルエンザウイルスの感染を防ぐことができますので、小まめに手洗い・手の消毒を行ってください。 <うがい> うがいは、のどに付着したウイルスの数を減らしたり、洗い流したりするために有効と言われています。口の中をきれいに保てば、口からうつる「インフルエンザ」や「風邪」などの感染症を防ぐことができますので、外出先から戻ったら「うがい」を行ってください。   インフルエンザ脳症についての相談は板谷内科クリニックへ インフルエンザウイルスに感染すると、約1週間で回復する場合が多いです。しかし、「インフルエンザ脳炎」や「ウイルス性肺炎」といった重大な合併症が現れて重症化する場合もあります。したがって、重症化のリスクを下げるためにもインフルエンザ予防接種を推奨いたします。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、インフルエンザ予防接種を強く推奨いたします。なお、当院では、予約なしでインフルエンザ予防接種を実施しております。現在、診察時間内であれば当日の接種も可能ですので、突然の接種希望にも柔軟に対応できます。インフルエンザ予防接種をご希望の方は、お気軽にご連絡ください。また、インフルエンザ脳症についてご相談したい方、あるいは自分がインフルエンザ脳症なのか気になる方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。 当日の順番予約はこちらから

2024.04.08