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糖尿病・代謝内科の原因についての記事一覧
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目が霞む原因は糖尿病かも?放置すると失明リスクも高まる症状と原因・対策
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では「糖尿病で目が霞むメカニズムと危険性」について解説します。後半部分では「目の健康を守る日常ケアと予防法」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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当日の順番予約はこちらから
【目次】
糖尿病で目が霞むメカニズムとその危険性
糖尿病網膜症の進行段階と目の霞みの関係
初期段階の糖尿病網膜症と目の霞み
進行した糖尿病網膜症の危険な症状
糖尿病による目の霞みの検査と診断方法
目の霞みを改善する最新の治療法と対策
糖尿病患者の目の健康を守る日常ケアと予防法
糖尿病と目の霞み - 早期発見と専門医の診察が視力を守る鍵
糖尿病で目が霞むメカニズムとその危険性
糖尿病患者が経験する「目の霞み」は一時的な不快感にとどまらず、重篤な視力障害や失明のサインかもしれません。まずは、高血糖が引き起こす目の病態メカニズムとその進行過程、さらに早期発見・治療の重要性について解説します。
高血糖が網膜の血管に与える影響により目が霞む科学的な仕組み
糖尿病による目の霞みの主な原因は、高血糖状態が持続することで起こる眼内の微小環境変化にあります。血液中のブドウ糖濃度が高まると、眼球内の水晶体でソルビトールという物質が蓄積され、水分を引き寄せて水晶体が膨張します。これにより屈折異常が生じ、視界がぼやけたり霞んだりします。さらに、高血糖は眼内の血管内皮細胞を障害し、血液網膜関門の機能を低下させます。その結果、血管から液体成分が漏出し、網膜浮腫が生じて視力低下を招きます。また、慢性的な高血糖は網膜の毛細血管を閉塞させ、周囲の組織に酸素や栄養が行き渡らなくなる「網膜虚血」状態を引き起こします。これが糖尿病網膜症の始まりとなり、進行性の視力障害へとつながるのです。
一時的な霞みと慢性的な霞みの違いと注意すべきポイント
糖尿病による目の霞みには、一時的なものと慢性的なものがあります。一時的な霞みは血糖値の急激な変動で起こることが多く、特に血糖値が急激に下がったときや、逆に非常に高くなったときに発生します。これは水晶体の膨張や収縮によるもので、血糖コントロールが安定すれば数時間から数日で改善するケースがほとんどです。一方、慢性的な霞みは網膜の血管障害が進行している証拠であり、糖尿病網膜症が発症・進行している可能性を示します。なお、注意すべきは、慢性的な霞みが必ずしも痛みを伴わないことです。無症状または軽度の症状のまま病態が進行し、気づいたときには治療が困難な段階まで進んでいることがあります。そのため、糖尿病と診断されたら、症状の有無にかかわらず定期的な眼科検診が不可欠です。
放置すると失明につながる可能性とその進行過程
糖尿病網膜症を放置すると、段階的に視力障害が進行し、最終的には失明に至る可能性があります。初期段階の単純網膜症では、網膜に微小動脈瘤や点状出血が生じますが、視力への影響は少なく自覚症状もほとんどありません。しかし病態が進行すると、網膜の血管がダメージを受けた部位で新生血管が形成される増殖網膜症へと移行します。これらの新生血管は脆弱で容易に破れ、硝子体出血を引き起こします。さらに、新生血管と共に増殖する線維組織が収縮すると、網膜剥離を招くことがあります。また、重症例では血管新生緑内障を併発し、眼圧上昇による激しい痛みと急速な視力低下が起こります。こうした一連の変化は、早期発見されずに適切な治療が行われなければ、不可逆的な視力障害や失明に直結するのです。
糖尿病網膜症の進行段階と目の霞みの関係
糖尿病患者にとって特に注意すべき合併症の一つが「糖尿病網膜症」です。この疾患は段階的に進行し、各段階で異なる症状が現れます。ここでは、初期には気づきにくい視覚の変化から、最終的に失明に至る可能性のある重篤な状態まで、糖尿病網膜症の進行と目の霞みとの関係について解説します。
糖尿病網膜症の3段階(単純網膜症・前増殖網膜症・増殖網膜症)と各段階での症状
糖尿病網膜症には、次の3つの段階があります。
<単純網膜症>
単純網膜症は、糖尿病網膜症の初期段階です。この段階では、網膜の毛細血管に微小動脈瘤が形成され、点状出血や硬性白斑が現れます。また、血管壁の透過性が亢進することで、網膜に浮腫が生じることもあります。なお、特徴的なのは、多くの患者が無症状である点です。視力への影響はほとんどなく、自覚症状に乏しいため、定期的な眼底検査で偶然に発見されることが多くなります。
<前増殖網膜症>
前増殖網膜症では、病態が進行して網膜の虚血状態が進みます。綿花状白斑(網膜神経線維層の虚血による浮腫)、網膜内細小血管異常(IRMA)、静脈の数珠状変化などが、特徴的な所見として現れます。この段階になると、一部の患者では「霧がかかったような」あるいは「モヤモヤとした」視界の霞みを自覚し始めます。特に黄斑部(視力を司る中心部)に浮腫が及ぶと、視力低下や物がゆがんで見えるといった症状を伴うことがあります。
<増殖網膜症>
増殖網膜症は、糖尿病網膜症の中でも最も進行した危険な状態です。網膜の虚血に対する反応として新生血管が形成されますが、これらの血管は非常に脆弱で破れやすいため、硝子体出血や網膜前出血を引き起こします。その結果、突然の視界の暗転や多数の浮遊物(飛蚊症)の出現、著しい視力低下を招くことがあります。また、新生血管とともに増殖する線維組織が収縮すると、網膜剥離が生じ、視野欠損や視力喪失につながることもあります。この段階では、「目の霞み」を超える重篤な視力障害が明らかとなり、早急な治療が必要です。
糖尿病網膜症の進行は連続的であり、各段階の境界は必ずしも明確ではありません。初期段階では自覚症状がほとんど見られず、中期になって初めて視界の霞みなどを感じ始め、末期には重度の視力障害へと進行します。そのため、この進行過程を正しく理解することが重要です。病態の進行を的確に把握することで、症状の早期発見と適切な治療介入の重要性が一層明確になります。
初期症状では自覚しにくい理由と定期検査の重要性
糖尿病網膜症の初期症状が自覚されにくい理由は、病変が網膜の周辺部から始まることにあります。人間の視力は中心部(黄斑部)が担っているため、周辺部の変化は日常生活での視機能に大きな影響を与えません。また、両眼が同時に影響を受けても進行度に差があるため、健康な方の眼が視機能を補うことで異常に気づきにくくなります。さらに、糖尿病による神経障害が視覚神経にも及んでいる場合、異常を感知する能力そのものが低下している可能性があります。このような理由から、自覚症状が現れるころには既に中等度以上に病態が進行していることが少なくありません。そのため、糖尿病と診断されたら症状の有無にかかわらず、最低でも年に1回、できれば半年に1回の定期的な眼科検診が推奨されます。早期発見によって適切な血糖コントロールや必要に応じた治療を開始することで、視力障害のリスクを大幅に減らすことができるのです。
「目の霞み」以外に現れる糖尿病関連の目の症状とその意味
糖尿病は網膜症以外にも様々な眼合併症を引き起こします。白内障は一般人口と比較して早期に発症し、進行も速い傾向があります。これにより光がまぶしく感じる羞明や、夜間の視界が悪くなる夜盲などの症状が現れます。また、眼圧上昇を特徴とする緑内障のリスクも高まり、進行すると周辺視野から徐々に欠けていく視野狭窄が生じます。なお、糖尿病性黄斑浮腫では、視力を司る中心部に水分が溜まることで、中心視力の低下や物がゆがんで見える変視症を引き起こします。突然の片眼性の激しい痛みと視力低下は血管新生緑内障の可能性があり、緊急の処置が必要です。さらに、糖尿病による自律神経障害は瞬きの減少や涙液分泌の低下を招き、ドライアイの症状(目の乾燥感、異物感、充血)につながります。これらの症状は単独または複合して現れることがあり、それぞれが糖尿病の管理状態や合併症の進行を反映する重要なサインなのです。
糖尿病網膜症は単純網膜症、前増殖網膜症、増殖網膜症の3段階で進行し、自覚症状は後期になるほど顕著になります。初期段階での無症状性が早期発見を困難にするため、定期的な眼科検診が不可欠です。目の霞みだけでなく、まぶしさ、視野狭窄、変視症、眼の乾燥感なども糖尿病関連の眼合併症のサインとして注意が必要です。これらの症状に気づいたら速やかに眼科医の診察を受けることが重要です。
初期段階の糖尿病網膜症と目の霞み
糖尿病患者にとって、目の健康は特に注意を払うべき重要な課題です。特に初期段階の網膜症は自覚症状に乏しく見過ごされがちですが、早期発見が視力保護の鍵となります。ここでは、初期の糖尿病網膜症における網膜の変化と目の霞みの関係、そして早期発見の重要性について解説します。
単純網膜症の特徴と初期に現れる微細な変化
単純網膜症は糖尿病網膜症の最初の段階であり、高血糖状態が持続することで網膜の毛細血管に微細な変化が生じ始めます。最も早期に見られる変化は、毛細血管壁の一部が膨らむ「微小動脈瘤」の形成です。これらは眼底検査で小さな赤い点として観察されます。続いて、微小動脈瘤から少量の出血が生じる「点状出血」や、脂質が沈着した「硬性白斑」が網膜上に散在するようになります。なお、これらの初期変化が生じても、ほとんどの患者は視力低下や目の霞みを自覚しません。なぜなら、これらの病変は主に網膜の周辺部に生じ、視力を司る中心窩(黄斑部中心)には影響が少ないためです。しかし、この段階で血糖コントロールを徹底することで、病変の進行を抑制できる可能性が最も高いのです。
眼底検査でのみ発見できる初期病変とその重要性
単純網膜症の初期病変は、患者自身が気づくことがほぼ不可能です。これらの微細な変化は眼底検査を通じてのみ発見可能であり、特に散瞳(瞳孔を広げる)検査では網膜周辺部まで詳細に観察できます。最近では、広角眼底カメラやOCT(光干渉断層計)などの先進機器により、より早期の変化も検出できるようになりました。なぜ無症状の段階での発見が重要かというと、糖尿病網膜症は進行性疾患であり、病変が黄斑部に及ぶと視力低下や目の霞みなど自覚症状が現れますが、その時点では既に回復困難な変化が生じていることが少なくないからです。また、初期段階で発見されれば、血糖コントロールの強化や生活習慣の改善など非侵襲的な対応で進行を抑制できる可能性が高く、レーザー治療などの侵襲的治療を回避できる可能性も高まります。
初期段階の糖尿病網膜症は、微小動脈瘤や点状出血、硬性白斑などの微細な変化から始まりますが、視力に直接影響する黄斑部が保たれているため目の霞みなどの自覚症状はほとんど現れません。この「無症状の危険期間」があることが、糖尿病網膜症の早期発見を難しくしている最大の要因です。しかし、定期的な眼底検査を受けることで、これらの初期変化を発見し、適切な介入を早期に開始することが可能となります。糖尿病と診断されたら、視力に問題を感じなくても、少なくとも年に1回は眼科を受診し詳細な眼底検査を受けることをお勧めします。
進行した糖尿病網膜症の危険な症状
糖尿病網膜症が進行すると、単なる「目の霞み」を超えた深刻な視覚障害が発生するリスクが急激に高まります。初期段階ではほとんど自覚症状がないため見過ごされがちなこの疾患が、中期から末期にかけてどのような危険な症状を引き起こすのか、そのメカニズムと警戒すべき兆候について詳細に解説します。
前増殖網膜症・増殖網膜症で発生する視力低下や視野欠損のメカニズム
前増殖網膜症から増殖網膜症へと進行すると、網膜の虚血状態が深刻化します。網膜への血流が不足した部位では、酸素や栄養の供給が滞り、網膜組織が機能不全に陥ります。この虚血状態に対する生体防御反応として、血管内皮増殖因子(VEGF)が過剰分泌され、新生血管が形成されます。しかし、これらの新生血管は正常な血管構造を持たず、壁が脆弱で透過性が高いという特徴があります。そのため容易に破綻して出血を起こし、硝子体出血や網膜前出血として現れます。この出血により光が網膜に到達できなくなり、突然の視力低下や視野欠損が生じます。さらに、新生血管に伴って発生する線維組織が収縮すると、網膜を牽引して網膜剥離を引き起こします。これにより剥離部位に対応する視野が失われ、特に黄斑部が巻き込まれると中心視力が著しく低下します。
緊急受診が必要な危険信号と見逃してはいけない症状
進行した糖尿病網膜症では、いくつかの警告症状が現れた場合、即座に眼科医の診察を受けるべきです。最も警戒すべきは「突然の視力低下」です。特に一晩で視界が暗くなったり、視野の一部が見えなくなったりした場合は、硝子体出血や網膜剥離を示唆しています。また、「飛蚊症の急激な増加」も重要な警告信号です。少量の飛蚊症は正常でも、多数の黒い点や糸状物、「煤が降るような」感覚が突然現れた場合は出血を示す可能性が高いです。なお、「視界の中に閃光やひらめきを感じる」症状(光視症)は、網膜が牽引されて剥離しつつある危険な前兆です。さらに、「視野の一部が欠ける」「カーテンのようなものが視界を覆う」感覚も網膜剥離を示唆します。これらの症状が現れたら数時間以内の緊急受診が必要です。早期治療により視力が救われる可能性が高まります。
網膜出血や黄斑浮腫が視力に与える重大な影響
進行した糖尿病網膜症の二大合併症である網膜出血と黄斑浮腫は、視力に重大な影響を及ぼします。網膜出血が硝子体腔内に広がる硝子体出血では、血液が光の透過を妨げるため、霧の中にいるような視界の混濁や大幅な視力低下が生じます。小さな出血は自然吸収されることもありますが、大量出血の場合は視力回復に時間を要し、硝子体手術が必要になることも少なくありません。一方、糖尿病黄斑浮腫は血管透過性亢進により黄斑部に液体が貯留した状態で、中心視力を司る最も重要な部位の機能障害を引き起こします。その結果、文字が読みづらくなる、顔の認識が困難になる、直線が波打って見える(変視症)などの症状が現れます。黄斑浮腫が長期間持続すると、光受容細胞が不可逆的にダメージを受け、恒久的な視力低下につながるリスクが高まりますので、ご注意ください。
糖尿病による目の霞みの検査と診断方法
ここでは、眼科で行われる精密検査の種類とその目的、血糖コントロールと眼症状の関係、そして定期検診の重要性について解説します。
眼科医が行う精密検査(眼底検査・OCT・蛍光眼底造影)の内容と目的
糖尿病による目の霞みを評価する際、眼科医は複数の精密検査を組み合わせて行います。最も基本的なのが散瞳眼底検査です。瞳孔を拡張させる点眼薬を使用し、網膜全体を詳細に観察します。これにより、微小動脈瘤、出血、白斑などの初期変化を検出することが可能です。さらに詳細な評価には、光干渉断層計(OCT)が用いられます。OCTは非侵襲的に網膜の断層画像を取得し、網膜の厚みや層構造を精密に測定できるため、黄斑浮腫の検出や定量化に特に有用です。なお、進行例や治療方針の決定には、蛍光眼底造影検査が行われます。静脈内に蛍光色素を注入し、網膜血管の漏出、閉塞部位、無灌流領域、新生血管の有無を評価します。近年では、広角眼底カメラやOCT血管造影といった、より詳細かつ低侵襲な検査法も普及しつつあり、早期診断の精度は飛躍的に向上しています。
血糖値コントロールと目の状態の密接な関係性
糖尿病による目の霞みと血糖値のコントロールには、密接な関連があります。特に急激な血糖値の変動、なかでも大幅な上昇や下降は、水晶体や硝子体の浸透圧変化を引き起こし、一時的な屈折異常として「目の霞み」を生じさせます。長期的には、持続する高血糖状態が網膜の血管内皮細胞を障害し、血管透過性の亢進や微小循環障害を引き起こします。なお、HbA1c(ヘモグロビンA1c)値を7%未満に維持している患者では、網膜症の発症および進行リスクが有意に低いことが、複数の大規模臨床研究により示されています。一方で、急激な血糖値の改善(インテンシブ・コントロール)は、一時的に網膜症を悪化させることがあるため、血糖値は段階的かつ緩やかに正常化することが推奨されます。加えて、血圧や脂質異常症の管理も、網膜症の進行抑制において重要な要素です。このように、目の健康は全身の代謝状態を反映しており、眼科と内科が連携した総合的な管理が不可欠です。
糖尿病患者が定期的に受けるべき眼科検診の頻度と重要性
糖尿病患者における適切な眼科検診の頻度は、網膜症の有無やその重症度によって異なります。まず、2型糖尿病と診断されたすべての患者は、診断時点で眼科検診を受けることが推奨されます。一方、1型糖尿病患者については、発症から5年以内に初回の眼科検診を受けることが望ましいとされています。さらに、網膜症が認められない場合であっても、少なくとも年1回の定期検診が必要です。これは、無症状であっても網膜症が進行している可能性があるためです。一方、網膜症の所見が確認された場合には、その進行度に応じて検診の頻度を高める必要があります。例えば、単純網膜症では6〜12カ月ごと、前増殖網膜症では3〜6カ月ごと、そして増殖網膜症や黄斑浮腫を伴う場合には1〜3カ月ごとの経過観察が推奨されます。なお、妊娠を計画している糖尿病患者は妊娠前に、妊娠中の患者は各トリメスターごとに眼科検診を受けることが望まれます。これは、妊娠に伴って糖尿病網膜症が悪化するリスクがあるためです。このように、定期的な眼科検診は、たとえ視力に異常を感じていなくても極めて重要です。なぜなら、糖尿病網膜症は初期には自覚症状が現れにくく、症状を自覚した時点ですでに病状が進行していることが少なくないからです。
糖尿病による目の霞みを適切に評価し管理するためには、眼底検査、OCT、蛍光眼底造影などの精密検査を組み合わせた総合的なアプローチが必要です。これらの検査により、自覚症状がない初期段階から網膜の微細な変化を検出することが可能となります。
目の霞みを改善する最新の治療法と対策
近年、糖尿病網膜症の治療は飛躍的に進歩し、従来は不可避と考えられていた視力低下を防ぐ効果的な選択肢が増えています。ここでは、基本となる血糖コントロールから最新の医療技術まで、症状の進行度に応じた治療法と対策について解説します。
血糖値コントロールの基本と目の症状改善への効果
糖尿病による目の霞みを改善する最も基本的かつ重要な対策は、適切な血糖コントロールです。大規模臨床試験「DCCT試験」や「UKPDS試験」では、厳格な血糖コントロール(HbA1c値を7%未満に維持)により、網膜症の発症リスクが約60%、進行リスクが約50%減少することが実証されています。特に初期段階の単純網膜症では、血糖値の正常化により微小動脈瘤や小出血などの病変が自然消退することも少なくありません。ただし、急激な血糖値の改善は一時的に網膜症を悪化させる「早期悪化現象」を招くことがあるため、HbA1c値を3ヶ月で1%程度ずつ緩やかに低下させる方法が望ましいとされています。また、血糖コントロールに加えて、高血圧や脂質異常症の管理も網膜症の進行抑制に重要です。食事療法、運動療法、禁煙も眼合併症の予防に寄与します。これらの基本的対策は、あらゆる段階の網膜症患者に共通する基盤治療となります。
レーザー光凝固術や抗VEGF薬注射など最新の治療法とその効果
糖尿病網膜症が進行した段階では、積極的な医学的介入が必要となります。なかでも、レーザー光凝固術は50年以上の歴史を持つ確立された治療法であり、虚血部位の酸素消費量を減少させることで新生血管の発生を抑制します。増殖網膜症に対しては、汎網膜光凝固術が標準治療として実施されており、失明リスクを50%以上低減できることが示されています。一方、黄斑浮腫に対しては、より限局的な格子状光凝固が用いられます。さらに近年では、抗VEGF薬の硝子体内注射療法が、黄斑浮腫に対する第一選択治療として広く用いられるようになっています。ラニビズマブ、アフリベルセプト、ベバシズマブなどの薬剤は、血管新生を促すVEGF(血管内皮増殖因子)を阻害し、浮腫の軽減および視力の改善をもたらします。加えて、ステロイド薬の硝子体内注射や徐放性インプラントも、炎症抑制作用によって浮腫の改善に有効です。さらに、硝子体出血や牽引性網膜剥離が生じた場合には、硝子体手術が行われます。なお、近年では、小切開システムの導入により、手術の安全性が向上し、術後の回復も早期に得られるようになっています。
症状の進行度別に考える適切な治療選択肢と回復の可能性
糖尿病による目の霞みは、その原因や進行度に応じて治療アプローチが大きく異なります。例えば、初期に見られる一時的な霞み(水晶体の膨化による屈折異常)は、血糖コントロールの改善によって、通常は数週間以内に自然に回復することが多いとされています。単純網膜症の段階では、定期的な経過観察と厳格な血糖管理が基本となり、この段階での積極的な眼科的介入は、通常は必要とされません。一方、前増殖網膜症になると、病変の位置や進行の程度に応じて、選択的なレーザー治療や抗VEGF薬の投与が検討されます。さらに、病態が増殖網膜症に進行した場合には、汎網膜光凝固術と抗VEGF薬治療の併用が標準治療とされています。なお、視力への影響が大きい黄斑浮腫に対しては、抗VEGF薬が第一選択となり、効果が不十分な場合には、ステロイド治療や硝子体手術の導入が考慮されます。また、硝子体出血や網膜剥離といった重篤な合併症に対しては、硝子体手術が必須となります。視力回復の可能性は、黄斑部の状態に大きく左右されるため、黄斑の不可逆的な障害が生じる前に治療介入することが、良好な視力予後を得るうえで極めて重要です。
糖尿病患者の目の健康を守る日常ケアと予防法
ここでは、糖尿病患者が目の健康を守るために日常生活で実践できる具体的な方法と、効果的な予防戦略について解説します。
血糖値の適切な管理方法と目の健康を守るための具体的な数値目標
糖尿病網膜症の発症および進行を防ぐ最も効果的な方法は、血糖値の適切な管理です。目の健康を守るためには、HbA1c値を7.0%未満に維持することが推奨されています。大規模臨床研究によれば、この血糖コントロールにより、網膜症の発症リスクを35〜40%低減できることが示されています。具体的な管理目標としては、食前血糖値を80〜130mg/dL、食後2時間血糖値を180mg/dL未満に保つことが推奨されます。ただし、高齢者や低血糖リスクが高い患者に対しては、やや緩やかな目標設定(例:HbA1c 8.0%未満)が安全である場合もあります。また、血糖値の急激な変動も網膜に悪影響を与えるため、日内の血糖変動幅を小さく抑えることが重要です。そのためには、炭水化物の摂取量を一定に保ち、規則正しい食事時間を心がけ、医師の指導に従った適切な薬物療法を継続することが基本となります。
目の疲労を軽減する生活習慣の改善ポイントと実践方法
糖尿病患者にとって、目の疲労は網膜への負担を増加させるリスク要因となります。特にデジタルデバイスの長時間使用は注意が必要です。これに対して、20-20-20ルール(20分ごとに20フィート[約6メートル]先を20秒間見る)を実践し、目の筋肉の緊張を定期的に解放することが推奨されます。また、適切な照明環境を整え、画面と目の距離を40〜50cm程度に保つことも重要です。糖尿病患者では、ドライアイがよく見られる症状です。これには、人工涙液の適切な使用や、室内湿度の管理(50〜60%程度)が有効です。栄養面では、抗酸化物質を含む食品(緑黄色野菜、ベリー類、ナッツ類など)を積極的に摂取し、網膜の酸化ストレスから保護することが推奨されます。なお、十分な睡眠(7〜8時間)を確保し、目を休ませることも重要です。さらに、喫煙は網膜の血流を悪化させるため、禁煙が強く推奨されます。適度な有酸素運動は、網膜の血流を改善し、血糖コントロールにも効果的です。
高血圧など他のリスク要因の管理も重要である理由と対策
糖尿病網膜症の進行には、高血糖以外にも複数のリスク要因が関与しています。特に高血圧は網膜血管に直接的な負担をかけ、糖尿病網膜症を加速させる重要な因子です。血圧管理の目標値は130/80mmHg未満とされ、この管理によって網膜症の進行リスクが約30%低減することが報告されています。また、脂質異常症も網膜血管の健康に悪影響を与えるため、LDLコレステロールは100mg/dL未満、トリグリセリドは150mg/dL未満に維持することが望ましいとされています。さらに、腎機能障害は網膜症と密接に関連しているため、塩分摂取の制限(6g/日未満)と適切な水分摂取を心がけるとともに、尿検査による定期的な評価が重要です。なお、肥満(特に内臓脂肪型肥満)は全身の炎症状態を悪化させ、網膜にも悪影響を与えるため、BMI 25未満を目指した体重管理も有効です。これらの多角的なリスク管理には、糖尿病専門医、眼科医、栄養士などの多職種連携によるアプローチが理想的です。
糖尿病患者の目の健康を守るには、血糖値の適切な管理(HbA1c 7.0%未満)を基本としながら、日常生活の様々な側面に注意を払うことが重要です。デジタル機器使用時の目の休息、適切な栄養摂取、十分な睡眠確保などによって目の疲労を軽減し、網膜への負担を減らすことができます。また、高血圧(130/80mmHg未満)や脂質異常症(LDLコレステロール100mg/dL未満)など、他の全身的リスク要因の管理も網膜症予防に不可欠です。これらの予防策を総合的に実践することで、網膜症のリスクを大幅に減らし、視力を長期的に保護することが可能となります。
糖尿病と目の霞み - 早期発見と専門医の診察が視力を守る鍵
高血糖状態が続くと網膜の血管が傷つき、やがて視力低下や最悪の場合は失明に至る危険性があります。しかし、これらの合併症は早期発見・早期治療によって進行を遅らせることが可能です。年に一度の定期的な眼科検診は、症状が自覚される前に異常を発見できる重要な機会となります。また、日常生活での血糖値コントロールも極めて重要です。適切な食事管理、運動、服薬を継続することで合併症リスクを大きく低減できます。したがって、目の霞みや視力の変化、飛蚊症などの症状に気づいたら医療機関への受診を強くお勧めします。糖尿病専門医と眼科専門医による連携した治療が、あなたの大切な視力を守るための最良の選択です。なお、当院では、患者一人ひとりの状態に合わせた総合的な治療を提供しています。糖尿病の初期段階から進行した症例まで幅広く対応しておりますので、糖尿病の症状に心当たりのある方、もしくは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
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2025.06.10
糖尿病の原因|糖尿病に関わるホルモンについて解説
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
この記事では、「糖尿病に関わるホルモン」について解説していきます。後半部分では「ホルモンに関する病気」について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
ホルモンの働きについて
糖尿病との関係
血糖値に関わるホルモンの種類
ホルモンに関する病気
まとめ
ホルモンの働きについて
ホルモンとは、体のさまざまな働きを調節する化学物質です。ホルモンは、体の外側、内側で環境の変化が起きても、体の働きが常に同じになるように保つ働きをしています。現在、ホルモンとして確かめられているものは100種類ほどあり、さらに発見され続けています。したがってホルモンの種類は、まだ増えると考えられております。
糖尿病との関係
血糖値を上げる働きのあるホルモンが何らかの病気によって正常よりも大量に分泌されるとインスリンとのバランスが取れなくなり、血糖値が必要以上に上がってしまいます。その結果、糖尿病やその一歩手前の“耐糖能異常”を引き起こしてしまう可能性があります。なお、血糖は人間が生きていくために必要不可欠なものです。そのため体の中では、血糖値を下げる働きのあるホルモンよりも上昇させる働きのあるホルモンの方が多く存在します。
血糖値に関わるホルモンの種類
血糖値を低下させるホルモンは“インスリン”だけです。一方、血糖値を上昇させるホルモンは“インスリン”と拮抗するグルカゴンだけでなく、成長ホルモン、コルチゾール、アドレナリン、甲状腺ホルモンなど多数あります。血糖調節に関与するホルモンについては、以下をご覧ください。
【血糖調節に関与するホルモン1】インスリン
インスリンとは、膵臓から分泌されるホルモンの一種です。糖の代謝を調節し、血糖値を一定に保つ働きを持っております。なお、インスリンの働きが悪くなったり分泌される量が少なくなったりすることで、血糖値が高い状態が続いてしまうのが「糖尿病」です。
【血糖調節に関与するホルモン2】グルカゴン
グルカゴンは、血糖値を上昇させる作用を持つホルモンの一つです。膵臓のα(アルファ)細胞で作られます。グルカゴンは肝臓で貯蔵してあるブドウ糖のもとを分解したり、アミノ酸からブドウ糖を合成したりして、血糖値を上げる効果があります。また、同じ膵臓のβ(ベータ)細胞から作られるインスリンの分泌を促進したり、成長ホルモンの分泌を促進する効果もあります。
【血糖調節に関与するホルモン3】成長ホルモン
成長ホルモンとは、下垂体前葉から分泌されるホルモンです。成長という名前がついていますが、成長ホルモンは“成長”のためだけに働くものではありません。人間の一生にわたって、代謝調節に関与し、現在では免疫機能、認知機能などにも作用を持つことがわかってきております。なお、成長ホルモンには脂肪を分解する作用があるため、蓄えられた脂肪が遊離脂肪酸に分解されて、その遊離脂肪酸はインスリン作用をブロックします。つまり、成長ホルモンが多く出ると、インスリン作用が低下して血糖値が上がる仕組みになっているのです。
【血糖調節に関与するホルモン4】コルチゾール
コルチゾールは、副腎皮質から分泌される、生命を維持するために欠かせないホルモンです。コルチゾールは,グルカゴンやアドレナリンの作用を高め、肝臓における糖新生を促進する一方、筋や脂肪組織における“インスリン抵抗性”を助長するため、高血糖となります。したがってのコルチゾールが必要以上にたくさん分泌されると血糖値が上昇します。なお、コルチゾールの主な働きは、肝臓での糖の新生、筋肉でのたんぱく質代謝、脂肪組織での脂肪の分解などの代謝の促進、抗炎症および免疫抑制などです。
【血糖調節に関与するホルモン5】アドレナリン(エピネフリン、エピペン)
アドレナリンとは、腎臓の上にある副腎というところの中の髄質から分泌されるホルモンです。アドレナリンは、すい臓のβ細胞に作用してインスリンの分泌を抑制し、血糖値を上げる働きを持っています。またグルカゴンの分泌を促進したり、肝臓でグリコゲンからブドウ糖を作る事を促進したりすることによっても血糖値を上昇させます。
【血糖調節に関与するホルモン6】甲状腺ホルモン
甲状腺ホルモンとは、甲状腺で作られるホルモンです。甲状腺ホルモンは、血液の流れに乗って全身の細胞に働きかけ、新陳代謝を活発にする働きをしています。また骨や神経、精神状態にも関わり、子どもの成長や発育を促進するなど、人間が生きていくうえで必要なホルモンです。なお、甲状腺ホルモンの上昇により肝臓における糖新生が亢進するため、血糖値は増加するとされています。
ホルモンに関する病気
ホルモンが過剰に分泌してしまう病気には以下のようなものがあります。
【ホルモンに関する病気1】グルカゴノーマ
グルカゴノーマは、グルカゴンというホルモンを分泌する膵臓の腫瘍です。グルカゴンの作用により血液中のグルコース濃度(血糖値)が上昇することで、非常に特徴的な発疹が現れます。なお、グルカゴノーマのおよそ80%は悪性腫瘍です。しかし腫瘍の増殖が遅いため、多くの人が診断後15年以上生存します。
【ホルモンに関する病気2】下垂体性巨人症(かすいたいせいきょじんしょう)
下垂体性巨人症とは、脳の下垂体という小さな臓器から成長ホルモンがたくさん分泌される病気です。お子さんの場合は、骨が伸びる最中に成長ホルモンがたくさん分泌されるため、身長がとても高くなる特徴があります。なお、大人になってから発症した場合は、身長は伸びずに、手足が大きくなる、口唇・鼻が大きくなる、おでこや顎が出っ張ってくるなどの特徴を持ち、先端巨大症(せんたんきょだいしょう)と呼ばれます。
【ホルモンに関する病気3】クッシング症候群
クッシング症候群とは、副腎から分泌されるコルチゾールの作用が過剰になることにより、特徴的な身体徴候を呈する病気です。主な症状として、赤ら顔になる、顔が丸くなる満月様顔貌(まんげつようがんぼう)や、体幹に脂肪の付きやすくなる中心性肥満など、見た目から分かる症状のほか、階段の上り下りが難しくなる筋力低下や高血圧、糖尿病や骨粗しょう症、月経の異常、気分の落ち込みなどが挙げられます。
【ホルモンに関する病気4】甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)
甲状腺機能亢進症とは、甲状腺が活発に活動し、血中に甲状腺ホルモンが多く分泌される病気です。原因としては、健常な人には認められない甲状腺を刺激する異常な物質が「血中および組織の中に存在するため」と考えられております。なお、甲状腺機能亢進症の代表的なものについては「バセドウ病」が挙げられます。バセドウ病については「こちらのページ」で詳しくご説明しておりますので、ぜひご覧ください。
まとめ
糖尿病になっても、初期段階では自覚症状がありません。そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と感じている方は、早めに受診することをお勧めします。糖尿病にお心当たりのある方、あるいはホルモンバランスの乱れによって心身の不調を感じている方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2023.02.27
糖尿病が高める心筋梗塞のリスクとは
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
心筋梗塞は突然起こり、命を奪うこともある恐ろしい病気です。糖尿病の方は、非糖尿病者に比べ、心筋梗塞を発症するリスクが高いと言われています。
この記事では、「心筋梗塞」について解説していきます。後半部分では「心筋梗塞を予防するために必要なこと」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
心筋梗塞とは
心筋梗塞の症状
心筋梗塞の原因
なぜ糖尿病が心筋梗塞のリスクを高めるのか
無痛性心筋梗塞とは
心筋梗塞は再発します
糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと
入浴時の注意
糖尿病や心筋梗塞についてご相談したい方はいつでもご相談下さい
心筋梗塞とは
心筋梗塞とは、心臓に酸素と栄養分を運ぶ冠動脈が詰まって血液が流れなくなり、心筋が死んでしまう病気です。突然死を起こしたり、心臓の機能を著しく落としたりします。心筋梗塞を発症する前には胸痛や圧迫感、背中の痛み、歯の痛みなどの前兆が起こる場合があります。しかし全ての患者さんに前兆が生じるわけではなく、半数程度の方は前兆なしに突然、心筋梗塞に至ると考えられています。
心筋梗塞の症状
心筋梗塞の主な症状は、突然の強い胸痛です。「押しつぶされる」「締め付けられる」「焼けるような」といった強い痛みを生じて、冷や汗、吐き気や嘔吐などを伴うこともあります。そして、その症状が20分から数時間続きます。心筋梗塞は、ニトログリセリンなどの薬は効果が乏しいことが多く、使用しても症状が続きます。ですので、痛みの長さに関わらず、締めつけられるような胸痛が突然起こり、冷や汗や吐き気がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。
心筋梗塞の原因
心筋梗塞の主な原因は動脈硬化です。動脈硬化とは、血管が硬くなって柔軟性が失われている状態です。冠動脈の壁にコレステロールなどが沈着すると、こぶのように盛り上がった「プラーク:粥腫(じゅくしゅ)」ができます。薄い膜で覆われている粥腫は破れやすく、傷付くとその回りに血栓ができ、さらに血栓が大きくなると冠動脈を塞いでしまい血液を堰き止めてしまいます。そのため酸素不足となった心筋細胞が壊死を起こすのです。なお、動脈硬化は、中高年の人に生じる病態と思われがちですが、実は小児期から徐々に進行し、様々な病気の原因となります。そのため、若い頃から動脈硬化の進行を予防することが大切です。
なぜ糖尿病が心筋梗塞のリスクを高めるのか
糖尿病は血糖値が高くなりすぎる病気です。高血糖状態が続くと血液が糖でドロドロになって、血流が悪くなり血管が傷つきやすくなります。この状態が続くと動脈硬化を促し、心筋梗塞の原因となるのです。そのため、糖尿病が心筋梗塞のリスクを高めると言われております。なお、国内外の研究では、糖尿病は動脈硬化性疾患の発症・死亡リスクを2~3倍上げると言われております。「糖尿病ネットワーク」でも同様のことを伝えています。
無痛性心筋梗塞とは
心筋梗塞には、痛みの症状がない無痛性心筋梗塞があります。これは心電図や核医学検査などで心筋梗塞の存在が認められているにもかかわらず、胸痛などの症状が無いものを指します。無痛性心筋梗塞は、糖尿病の方に起こりやすいとされています。なぜなら糖尿病では、合併症の神経障害により痛みを感じないことがあるからです。無痛性心筋虚血は、前兆なく心臓発作を起こして突然死したり、心筋の大部分を壊死させる心筋梗塞を起こしたりしますので、十分にご注意ください。
心筋梗塞は再発します
心筋梗塞を起こしたことがある人は、起こしたことがない人よりも、心筋梗塞を繰り返したり、心臓がだんだん悪くなり命を縮める「心不全」などを起こしたりするリスクが高いことがわかっています。そのため、一度心筋梗塞を起こした人は、さらに注意して再発を予防することが大切です。
糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと
心筋梗塞を繰り返さないためには、心筋梗塞で死亡するリスクを高める「糖尿病」「高血圧」「肥満」などをしっかりとコントロールし、運動、食事、喫煙などの生活習慣を改善する必要があります。心筋梗塞を予防するためにも、まずは生活習慣の改善から行ってください。
【糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと1】禁煙
心筋梗塞の要因となる生活習慣のなかで、極めてリスクが大きいのが喫煙です。喫煙をすると血管に傷ができたり、炎症が促進されるため動脈硬化が進行します。動脈硬化が進むと心筋梗塞は再発しやすくなりますので、ご注意ください。「厚生労働省」も同様のことを伝えています。
【糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと2】お酒はほどほどに
過度な飲酒は動脈硬化に繋がると言われています。また飲酒の際には塩分の高い食事をとりがちです。適量のアルコール摂取に努めてください。
【糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと3】ストレスを溜めない
過度のストレスや緊張状態は血圧を上昇させ、心筋梗塞を引き起こす原因となります。ストレスの上手な解消法を身につけ、リラックスする時間を持つようにしてください。
【糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと4】塩分を控える
食塩は1日8g未満が目標です。高血圧のある方は6g未満と言われています。漬物や梅干し、ラーメンの汁など塩分の高い食品を避けたり、量を少なくするなど工夫してください。
【糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと5】適度な運動
適度な運動はエネルギーを消費するだけでなく、生活習慣病の改善につながります。ウォーキングなどの軽い運動でも十分な効果が得られますので、まずは散歩から始めてください。
【糖尿病患者が心筋梗塞を予防するために必要なこと6】水分補給
体内の水分が不足して脱水症状になると血液が凝縮されて血栓ができやすくなり、血管が詰まる可能性が高まります。特に高齢の方は、体に蓄えられる水分量が減っているため普段から不足しがちです。1日に必要な水分量は1.5~2リットルになりますので、意識的に水分を摂取してください。
入浴時の注意
入浴は心筋梗塞の引き金になることがあるため注意が必要です。主な原因としては、入浴にともなう「急激な血圧の変化」や「脱水」などが挙げられます。血圧の変動により血管に負担がかかり、心筋梗塞を引き起こす可能性がありますので、注意してください。なお、入浴の時間は10分を目安とし、湯と温室の温度差を少なくしてください。また冬場は脱衣場にヒーターを置くようにする等の工夫も積極的に行ってください。
糖尿病や心筋梗塞についてご相談したい方はいつでもご相談下さい
糖尿病患者さんが心筋梗塞を繰り返さないためには、「血糖コントロール」が大切です。糖尿病の方は非糖尿病者に比べ、心筋梗塞を起こした後の1年以内の死亡率が高くなっています。また、血糖値がそれほど高くない糖尿病予備軍の人であっても、心筋梗塞を起こすリスクが高まることが知られています。そのため、心筋梗塞の再発を予防するにあたっては、糖尿病の方は「早期から血糖コントロールを行うこと」、糖尿病にかかっていない方では、「予備軍になっていないか検査でチェックしておくこと」が勧められています。「心筋梗塞の症状」や「糖尿病の症状」にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2022.12.15
1型糖尿病の原因や治療法について解説します
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
1型糖尿病はインスリンを作る膵臓に異常が起こることで発症する糖尿病で、「インスリン依存型」と呼ばれています。
この記事では、「1型糖尿病」について解説していきます。後半部分では「1型糖尿病の原因」や「治療法」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
1型糖尿病とは
1型糖尿病の症状
1型糖尿病の種類
1型糖尿病の原因
1型糖尿病の主な治療法
1型糖尿病のその他の治療法
1型糖尿病についてご相談したい方はいつでもご相談下さい
1型糖尿病とは
1型糖尿病とは、インスリンを分泌する膵臓の「β細胞:べーたさいぼう」が壊れ、高血糖状態になる病気です。世界的には糖尿病全体の約5%が1型糖尿病と言われています。糖尿病には大きく分けて1型と2型がありますが、1型はβ細胞の破壊によって生じるもので、運動不足や過食などの生活習慣によって起こる「2型糖尿病」とは性質が異なります。2型糖尿病について「糖尿病の方へ」でご説明していますので、ご興味のある方はご覧ください。
1型糖尿病の症状
1型糖尿病の典型的な症状は、口渇、多飲、多尿、体重減少です。インスリンが分泌されないと、血糖の上昇に伴い尿糖が排出され、浸透圧利尿が増えるため、脱水になります。またインスリンの不足はエネルギーの同化(蓄積)が出来なくなり痩せていきます。さらに、インスリンが全くなくなった状態ではケトン体が産生され、ケトーシスやケトアシドーシスという危機的状態となり、昏睡や死に至るケースもあります。ケトーシスやケトアシドーシスについては「日本糖尿病学会のホームページ」をご覧ください。
1型糖尿病の種類
1型糖尿病は、その破壊の進行のスピードによって以下の3タイプに分類されます。
【1型糖尿病の種類】劇症1型糖尿病
劇症1型糖尿病は、1型糖尿病の中で最も急激に発症し、数日間でβ細胞が破壊されてインスリン依存状態になるタイプです。1週間前後以内に糖尿病の急性合併症である「糖尿病ケトアシドーシス」になり危機的な状態に陥ることもあるため、速やかなインスリン投与が必要になります。
【1型糖尿病の種類】急性発症1型糖尿病
急性発症1型糖尿病は、1型糖尿病の中で最も頻度が高いタイプです。β細胞の破壊から数週間、数か月で症状が現れ、インスリン依存状態となります。
【1型糖尿病の種類】緩徐進行1型糖尿病
緩徐進行1型糖尿病は、発症から半年か数年をかけてインスリンの分泌が低下していき、最終的にインスリン依存状態に陥るタイプです。このタイプでは、すぐにインスリン依存状態になりませんが、早期に膵臓を保護する治療を行うことで進行を遅らせることができる場合があるため、早期治療が望まれます。
1型糖尿病の原因
1型糖尿病の原因はまだ不明な点もありますが、主に「自己免疫異常」と「ウイルス感染」が関わっていると考えられています。自己免疫とは、細菌やウイルスなどの外敵から体を守るための防御システムで、何らかの原因によって免疫に異常が生じると、正常な細胞を攻撃してしまいます。β細胞も例外ではなく、免疫異常がβ細胞を破壊することでインスリンの分泌が低下します。ウイルス感染においては、「レトロウイルス」「サイトメガロウイルス」「麻疹ウイルス」などが関連していると言われています。「日本内分泌学会」でも同様のことを伝えています。
1型糖尿病の主な治療法
1型糖尿病の治療はインスリン療法が基本です。
【1型糖尿病の主な治療法】インスリン療法
インスリン療法とは、患者さん自身がインスリン製剤を継続的に投与して血糖をコントロールする治療法のことです。インスリン製剤を投与する方法として、「頻回ひんかいインスリン注射療法」と「持続皮下インスリン注入療法」があります。頻回インスリン注射療法は、一般的にペン型の注射器を用いて1日に数回インスリン注射を行う方法です。お腹、太もも、上腕、お尻に注射することが推奨されています(これらの部位を少しずつ、ずらしながら注射します)。一方、持続皮下インスリン注入療法は、携帯型のインスリンポンプを使用して皮下に留置した挿入した「カニューレ」からインスリンを持続的に注入する方法です。インスリンの注入量や注入速度を細かく調整できるため、頻回インスリン注射療法で血糖コントロールが困難な人や低血糖を頻発する人、食事や勤務時間が不規則な人、妊娠中あるいは妊娠の予定がある人などに向いています。
1型糖尿病のその他の治療法
1型糖尿病の治療には、インスリン療法以外に「経口血糖降下薬による治療」や「移植手術」があります。また1型糖尿病は、生活習慣の乱れを原因としたものではありませんが、2型糖尿病と同様、食事・運動習慣に良くない点があれば、その改善が必要です。
※経口血糖降下薬とは、血糖値を下げる飲み薬のことです。
【1型糖尿病の治療法】経口血糖降下薬による治療
1型糖尿病に対する主な経口血糖降下薬に「α(アルファ)グルコシダーゼ阻害薬」があります。この薬には食べ物に含まれる糖質の消化・吸収を遅らせ、食後の血糖値の上昇を緩やかにする作用があるため、食後過血糖がある場合に使用されます。
【1型糖尿病の治療法】移植手術
1型糖尿病が重症の場合には、「膵臓移植」や「膵島移植」が適応となる場合があります。ただし、根治を目指せる治療法であるものの、ドナー不足などの問題から日本ではまだあまり行われていません。しかし近年では、IPS細胞などからβ細胞をつくる研究が行われているため、今後はドナーの有無にかかわらず移植できることが期待されています。
【1型糖尿病の治療法】食事療法
食事療法とは、医師や管理栄養士の指示に基づいて献立を組み立て、食事の量や成分を増減させることで病気の改善を目指すものです。「食事療法=カロリー制限」の印象があるかもしれませんが、単に摂取カロリーを制限すればよいというものではなく、必要な栄養素を過不足なく摂取することが原則です。そのため、食品に含まれる栄養素やエネルギー量を知っておくことも大切です。なお、1型糖尿病の方が、血糖値の高くなりやすい食事を摂っていると、インスリンをたくさん打っても「血糖値の下がりが悪くなること」があります。ですので、インスリン療法と食事療法は同時に行ってください。
【1型糖尿病の治療法】運動療法
運動療法とは、運動を行うことで障害や疾患の治療を行う療法です。糖尿病の方に対しては、薬物療法・食事療法と並び、重要性の高い治療方法であると言われています。なお、運動の方法としては有酸素運動が効果的で、ウォーキングや水泳、自転車やラジオ体操などを無理なく続けることが大切です。近年は、短時間高負荷の無酸素運動による筋肉トレーニングの効果も注目されています。
1型糖尿病についてご相談したい方はいつでもご相談下さい
糖尿病になっても、初期段階では自覚症状がありません。そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。1型糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2022.12.13
糖尿病の原因となる食べ物について
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
糖尿病はインスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖が増えてしまう病気です。血糖の濃度が何年間も高いままで放置されると血管が傷つきます。そして将来的に心臓病や、失明、腎不全といった、より重い病気につながります。そのため糖尿病の症状が見られた際には放置せず、速やかに糖尿病専門医による診察を受けることが大切です。
この記事では、「糖尿病の原因となる食べ物」について解説していきます。後半部分では「糖尿病予防につながる食事のポイント」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 .cv_box {
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【目次】
糖尿病の原因となる食生活の特徴
日本人の糖尿病患者さんの約95%が2型糖尿病
糖尿病の原因となる食べ物について
積極的に取り入れたい食べ物
食物繊維を多く含む食べ物
極端な糖質制限はかえって悪影響です
糖尿病予防につながる食事のポイント
食生活の見直し、糖尿病予防についてご相談ください
糖尿病の原因となる食生活の特徴
糖尿病になってしまった一番大きな原因は、「糖質・炭水化物」の摂り過ぎです。糖質の多い食品を多く摂取すると、血糖は上がりやすくなります。また、糖質が多い食品を摂取すると、血液中のブドウ糖の量が急激に上昇します。通常であれば、すい臓からインスリンが分泌され、2~3時間もすれば食事前の血糖値に戻りますが、糖質を摂りすぎたり、血糖値を急上昇させるような食べ方をしたりすると、血糖値がうまく下がらず、糖尿病をはじめとした様々な健康トラブルの原因になるのです。
日本人の糖尿病患者さんの約95%が2型糖尿病
日本人の糖尿病患者さんの約95%が「2型糖尿病」と言われています。2型糖尿病の原因には色々とありますが、主に「太り過ぎ」「運動不足」「ストレス」などの生活習慣によって引き起こされやすくなることが知られています。そのため、生活習慣を改善していくことが糖尿病予防の大きな一歩となります。糖尿病にお心当たりのある方は、食事の取り方に気を付け、運動を習慣化することから始めてください。
糖尿病の原因となる食べ物について
上述した通り、糖質の多い食品を多く摂取すると、血糖は上がりやすくなります。特に甘いものなど単純糖質を含む食品は、急激な血糖上昇の原因になりますので、注意が必要です。以下、糖尿病の原因となりやすい食べ物です。
・白米
・食パン、菓子パン
・うどん、焼きそば、スパゲティなどの麺類
・かぼちゃ、じゃが芋、さつまいも、とうもろこし
・ホットケーキ、ケーキ
・饅頭
・スナック菓子、クッキー、せんべい
・ようかん、饅頭
・ジュース
積極的に取り入れたい食べ物
糖尿病改善のためには、食物繊維が含まれる食品を多く摂るように心掛けてください。食物繊維には、食後の血糖値上昇を抑え、便通を改善させる効果があります。さらに、水に溶ける食物繊維(水溶性食物繊維)には、血中コレステロールの上昇を抑える効果があります。なお、食物繊維の目標は、18~64歳においては、男性は1日21g以上、女性は1日18g以上と言われています(参照:日本人の食事摂取基準2020年版)。
食物繊維を多く含む食べ物
食物繊維を多く含む食べ物には、野菜、海藻、きのこなどが挙げられます。
【食物繊維を多く含む食べ物1】野菜
野菜は低カロリーで食物繊維が多く、糖質や脂質の代謝に必要な「ビタミン・ミネラル」が含まれています。特にブロッコリーや小松菜などの緑黄色野菜には食物繊維以外にも、糖の代謝を促進する葉酸も多く含まれています。ですので、野菜を選ぶ際は緑黄色野菜を中心に食べてください。なお、南瓜やれんこん、芋類は糖質が多い野菜なので、食べ過ぎに注意してくださいね。
【食物繊維を多く含む食べ物2】海藻
海藻は低カロリーで食物繊維、ビタミン、ミネラルを多く含みます。中でも「めかぶ」はおすすめです。
【食物繊維を多く含む食べ物3】きのこ
きのこは低カロリーで食物繊維が多く含まれています。食物繊維は、糖の吸収を邪魔するため、血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。さらに、きのこに含まれるβ-グルカンは胃や腸で膨らむので満腹感も得られ、お通じの調子も整います。
極端な糖質制限はかえって悪影響です
食事療法の基本的な考え方は、必要以上のカロリーを摂らないようにして、すい臓の負担を軽くして働きを回復させたり、インスリンの補給による血糖コントロールを行いやすくすることです。そのため、適切なカロリーの範囲内で、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素をバランスよくとることが大切です。極端な糖質制限は“腎症”や“動脈硬化”に繋がる恐れがあり、逆効果となってしまう可能性がありますので、注意してください。
糖尿病予防につながる食事のポイント
糖尿病の予防には、食べすぎないことはもちろん、血糖値を上げない「食事の方法」も大切です。以下、糖尿病予防につながる食事のポイントです。
【糖尿病予防につながる食事のポイント1】野菜類から食べる
野菜類から先に食べることで食後の血糖値の上昇が緩やかになります。また、野菜や豆類などで少しお腹をふくらませておくと、肉類やご飯の量を減らすこともできます。ですので、食事をする際は野菜類から食べてください。
【糖尿病予防につながる食事のポイント2】ゆっくり食べる
早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇を招きます。食事をする際はひと口入れたら箸を置くクセをつけ、ゆっくり食べることを心掛けてください。
【糖尿病予防につながる食事のポイント3】規則正しく3食を食べる
1日に2食や、間隔の空き過ぎた食事の取り方はよくありません。食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、規則正しく3食を食べることを心掛けてください。
【糖尿病予防につながる食事のポイント4】間食をしない
間食をすると血糖値の高い状態が続き、インスリンを分泌するすい臓に大きな負担がかかります。また、その状態のままで次の食事をすると、食後高血糖の原因にもなります。糖尿病を予防するためにも間食はできる限り控えてください。
【糖尿病予防につながる食事のポイント5】腹八分目でストップ
慢性的な食べすぎは、余分なブドウ糖をつくり、糖尿病を発症させる最大の原因となります。いつもお腹いっぱいに食べないと満足できない人は、注意が必要です。とくに脂肪分の多い肉類の食べすぎは、カロリーの取りすぎにつながりやすいので、量を控えてください。
食生活の見直し、糖尿病予防についてご相談ください
糖尿病になっても初期段階では自覚症状がありません。そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。食生活が不規則な方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
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2022.11.30
お酒が糖尿病に与える影響について
糖尿病・代謝内科に関する記事です。
糖尿病と診断された方は、一般的に“飲酒を控えなければいけない”と言われています。適量以上の飲酒を続けて糖尿病が進行した場合、様々な合併症の危険性が出てくるからです。
この記事では、「お酒が糖尿病に与える影響」について解説していきます。後半部分では「糖尿病の方の適切な飲酒量」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 【目次】
お酒(アルコール)が糖尿病に与える影響
お酒によって糖尿病が悪化する危険性
糖尿病の方の適切な飲酒量
糖尿病の方がお酒を飲む際に気をつけるポイント3つ
糖尿病が不安な方はいつでもご相談ください
お酒(アルコール)が糖尿病に与える影響
お酒(アルコール)はアルコールそのものの作用やアルコールの代謝に伴って、血糖値に影響を与えます。長年の多量飲酒により肝臓や膵臓に障害が加わると、コントロールが難しい糖尿病となるため、糖尿病患者さんは習慣的な多量飲酒は控えるべきです。また、「インスリン注射」や「経口血糖降下薬」で糖尿病治療をうけている方は、低血糖が起こりやすくなるので、食事を摂らずに飲酒をすることは避けてください。「厚生労働省」でも同様の見解を述べています。
お酒によって糖尿病が悪化する危険性
お酒には「百薬の長」ということわざがある通り、適量のアルコール摂取は“身体”や“健康”に良いと言われています。しかしながら、適量を超えて多量のお酒を飲むと話は違います。なぜなら、度を越した過剰なアルコール摂取は高血糖を来たし、糖尿病を発症する危険性が一気に高まってしまうからです。また、糖尿病を発症しているにも関わらず、適量以上の飲酒を続けると、恐ろしい合併症を併発するリスクが高くなります。代表的な合併症は以下の3つです。
<糖尿病腎症>
腎臓に傷みが生じて腎臓の機能が低下することを腎機能低下、腎症などと呼びますが、特に糖尿病が原因で腎臓の機能が低下した場合を、「糖尿病腎症」と呼びます。糖尿病性腎症の初期には、検尿で微量アルブミンが検出され、進行すると持続性の蛋白尿となります。腎機能が低下すると、全身の浮腫や尿毒症などを来たし、透析療法が必要になります。
<糖尿病網膜症>
糖尿病網膜症とは、糖尿病が原因で目の中の網膜という組織が障害を受け、視力が低下する病気です。網膜とは、目の中に入ってきた光を刺激として受け取り、脳への視神経に伝達する組織で、カメラでいうとフィルムの働きをしています。網膜症は、網膜内の血管に障害が起こり、視力の低下や失明を招く危険な病気です。
<糖尿病神経障害>
神経障害は、糖尿病の三大合併症のひとつです。 症状は、手足のしびれや 痛み、感覚の鈍麻、下痢や便秘を繰り返す、立ちくらみ、味覚が鈍くなる、発汗異常、排尿障害、勃起障害など、様々な形で全身にあらわれます。進行すると無自覚性低血糖や無痛性心筋虚血、壊疽、突然死のような深刻な状態に陥る危険性があります。
糖尿病の方の適切な飲酒量
厚生労働省の指針では、節度ある適切な飲酒を「1日平均・純アルコールで約20g程度」としています。これをアルコール飲料に換算すると、ビールは中瓶1本(500ml)、日本酒は1合(180ml)、焼酎は0.6合(100ml)、ワインはグラス2杯(180ml)、缶チューハイは1.5缶(520ml)となります。健康にお酒を楽しむには、摂取量を適量に抑えることが大切になりますので、くれぐれも飲みすぎには注意してください。なお、厚生労働省の「飲酒のガイドライン」では、週2日お酒を飲まず、肝臓を休める「休肝日」を推奨しています。休肝日を設けると、アルコール依存症の予防に繋がる他、アルコールによる死亡リスクの低下に繋がります。ですので、なるべく休肝日を設けるようにしてください。
糖尿病の方がお酒を飲む際に気をつけるポイント3つ
ここでは、糖尿病患者さんが「お酒を飲む際に気をつけるポイント」を3つご紹介します。
【糖尿病の方がお酒を飲む際に気をつけるポイント1】お酒と同量以上のお水を飲む
アルコールの分解にはお水が必要なため、最低でもお酒と同量以上のお水を飲んでください。ひと口飲んだら「お水を飲む」と決めておけば、必然的に飲むスピードも緩やかになり、ゆっくりとお酒を楽しむことにも繋がります。また、お水を飲むことによって、「食べ過ぎ」や「飲み過ぎ」を防ぐ効果が期待できます。
【糖尿病の方がお酒を飲む際に気をつけるポイント2】なるべく食事と一緒にお酒を飲む
アルコールは胃を通じて95%が小腸で吸収されます。小腸には絨毛という突起のようなものがあるため、表面積が非常に大きく、「食べたもの」や「飲んだもの」を吸収しやすいのです。そのため、アルコールが胃にとどまる時間を少しでも長くし、小腸に送る時間を遅らせることで、小腸でのアルコールの吸収を和らげることができます。アルコールの血中濃度の急激な上昇を抑えるためにも、食事と一緒にお酒を飲むのが効果的です。
【糖尿病の方がお酒を飲む際に気をつけるポイント3】糖質ゼロに注意
近年、「糖質ゼロ」や「カロリーオフ」を謳った商品が数多く出ています。このような表示のあるお酒は非常に魅力的ですが、残念ながら、「糖質ゼロ」と表示してあっても、「カロリーゼロ」ではありません。なぜなら、健康増進法に基づく栄養表示基準では、「飲料では100mL当りで糖質0.5g未満であれば“糖質ゼロ”と表示でき、熱量(カロリー)が20kcal以下であれば“カロリーオフ”と表示できる」としているからです。詳しくは「消費者庁のホームページ」に記載していますので、ご興味のある方はご覧ください。
糖尿病が不安な方はいつでもご相談ください
糖尿病になっても、初期段階では自覚症状がありません。そのため健康診断や、ほかの病気の検査をしている時に偶然見つかるということも多々あります。健康診断で糖尿病の可能性を指摘された方はもちろん、日常生活の乱れを自覚していて、「糖尿病の症状かもしれない…」と気づかれた方は、早めに受診することをお勧めします。糖尿病にお心当たりのある方、あるいは検診などで血糖値に異常を指摘された方などいらっしゃいましたら、まずお気軽にご相談ください。
2022.11.29
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