板谷内科クリニックブログ

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内分泌内科の甲状腺ホルモンについての記事一覧

内分泌内科

【甲状腺の病気】都賀で甲状腺機能低下症にお困りの方へ

内分泌内科に関する記事です。
甲状腺は、喉仏の下にある蝶のような形をした臓器。人が生きていくために欠かせないホルモンを作り、分泌しております。そのため、甲状腺の働きに異常をきたすと「手足がふるえる」「疲れやすい」「体がだるい」など、様々な辛い症状が現れます。ですから、甲状腺に異常が認められた際には早期治療が必要です。 この記事では、甲状腺疾患の中から「甲状腺機能低下症」に焦点を当ててご紹介していきます。甲状腺疾患についてお心当たりのある方、あるいは体調不調が続いている方はぜひ最後までご覧ください。 【目次】 甲状腺機能低下症の症状につきまして <甲状腺とは?> <甲状腺機能低下症に深く関わる甲状腺ホルモンとは?> <甲状腺機能低下症の症状が強くなると中枢神経系の機能障害をきたします> <甲状腺機能低下症の代表的なものとして「橋本病」が挙げられます> 甲状腺機能低下症の原因 甲状腺機能異常は甲状腺ホルモンの過不足に応じて分類されます <「潜在性甲状腺機能異常」と「顕性甲状腺機能異常」につきまして> 甲状腺機能低下症への治療につきまして 都賀で甲状腺機能低下症にお困りの方は当院へご相談下さい       甲状腺機能低下症の症状につきまして 甲状腺機能低下症とは、血中の甲状腺ホルモン作用が必要よりも低下した状態。甲状腺機能低下症による症状には、一般的に「記憶力の低下」「むくみ」「寒がり」「肌がかさつく」「疲労感」「無気力」「便秘」「体重増加」などがございます。甲状腺機能低下症は高齢者によく見られる病気。なかでも女性によくみられ、高齢女性の約10%に発生すると言われております。   <甲状腺とは?> 甲状腺とは、喉仏の下にある蝶のような形をした臓器で、甲状腺ホルモンを分泌しています。(大きさは縦が4㎝ほど、重さが15ℊ前後になります)甲状腺ホルモンは、カラダ全体の新陳代謝を促進する働きがあります。通常、甲状腺ホルモンは、多すぎたり少なすぎたりしないようにバランスが保たれていますが、甲状腺の働きに異常があらわれると、そのバランスが崩れて様々な症状を引き起こすのです。なお、正常の甲状腺は柔らかいため外から手で触ってもわかりません。しかし甲状腺が腫れてくると手で触ることができ、ある程度大きくなると首を見ただけでも腫れがわかるようになります。     <甲状腺機能低下症に深く関わる甲状腺ホルモンとは?> 甲状腺ホルモンとは、甲状腺で作られるホルモン。サイロキシン(T4)とトリヨードサイロニン(T3)の2種類が存在します。甲状腺ホルモンは、脳にある下垂体という臓器から分泌される「甲状腺刺激ホルモン(TSH)」によって調節されており、甲状腺ホルモンが不足してくるとTSHが増加して甲状腺を刺激。逆に、甲状腺ホルモンが何らかの理由で増えすぎるとTSHの分泌は抑えられるのです。甲状腺ホルモンは代謝の調節以外にも、妊娠の成立や維持、子供の成長や発達に欠かせないホルモンとなっております。なお、甲状腺機能低下症においては、月経異常や不妊、流早産や妊娠高血圧症候群などと関連し、胎児や乳児あるいは「小児期の成長」や「発達の遅れ」とも関連しております。甲状腺ホルモンについては「日本内分泌学会のホームページ」に詳しく記載しておりますので、ご興味にある方はご覧ください。     <甲状腺機能低下症の症状が強くなると中枢神経系の機能障害をきたします> 甲状腺機能低下症は、軽度の時期には明らかな自覚症状は現れません。そのため、患者様の中には病状が進行してから受診される方もいます。甲状腺機能低下症の症状が強くなると、動脈硬化の危険因子になります。また、中枢神経系の機能障害をきたす「粘液水腫性昏睡(ねんえきすいしゅせいこんすい)」という重篤な合併症に陥る可能性もございます。ですから、6か月~1年に1回は甲状腺機能のチェックを受けることをお勧めします。   <甲状腺機能低下症の代表的なものとして「橋本病」が挙げられます> 甲状腺機能低下症の代表的なものとして「橋本病(慢性甲状腺炎)」が挙げられます。橋本病とは、甲状腺に慢性的な炎症が起こることで「甲状腺機能の低下」などを引き起こす病気。30代以降にかかる方が多く、症状としては甲状腺の腫れや硬化(触るとゴツゴツした感じがする)、声のかすれ(嗄声)、易疲労感が挙げられます。橋本病を患うと、無気力で頭の働きが鈍くなるため「うつ病なのでは?」と間違えられることも多々あります。橋本病については「こちらのページ」で詳しくご説明しておりますので、ご興味のある方はご覧ください。     甲状腺機能低下症の原因 甲状腺機能低下症の原因は主に二つ。一つは甲状腺ホルモンの合成と分泌が低下したケース。もう一つは、甲状腺ホルモンは十分に供給されているのに標的組織の作用に異常があり、ホルモン作用が発揮されないケースです。前者には、甲状腺自体に原因がある場合(原発性甲状腺機能低下症)と、甲状腺自体に異常はないのですが「下垂体」や「視床下部の機能低下」が原因の場合(中枢性甲状腺機能低下症)があります。一方、後者は「甲状腺ホルモン不応症」と呼ばれ、甲状腺ホルモン受容体の先天異常が原因であることが多いです。     甲状腺機能異常は甲状腺ホルモンの過不足に応じて分類されます 甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの過不足に応じて「潜在性甲状腺機能異常」と「顕性甲状腺機能異常」に分類されます。   <「潜在性甲状腺機能異常」と「顕性甲状腺機能異常」につきまして> 潜在性甲状腺機能異常とは、症状や所見には表れない程度の軽い甲状腺ホルモンの過不足状態。血中の遊離甲状腺ホルモン(FT4)は基準範囲内なのに、同時に測定したTSHのみが正常値よりも高い場合を「潜在性甲状腺機能低下症」、低い場合を「潜在性甲状腺中毒症」といい、合わせて「潜在性甲状腺機能異常」と呼びます。一方、血中の遊離甲状腺ホルモン(FT4)が低く、同時に測定したTSHが正常値よりも高い場合を「顕性甲状腺機能低下症」。血中の遊離甲状腺ホルモン(FT4)が低く、同時に測定したTSHが正常値よりも高い場合を「顕性甲状腺機能低下症」といい、合わせて「顕性甲状腺機能異常」と呼びます。両者の違いついては「ドクターズ・ファイル」でも詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。   甲状腺機能低下症への治療につきまして 当院における甲状腺機能低下症の治療には、甲状腺ホルモンである「合成T4製剤」(チラーヂン®S)の服用による治療を行います。成人の場合「合成T4製剤」の内服維持量は50〜150µg/日が基本。内服治療は通常少量から開始し、維持量にまで徐々に増やします。(維持量に達するのには数か月かかります)なお、妊娠中の患者様に関しては、甲状腺機能低下症を急速に改善する必要があるので、診断後は100〜150µg/日で開始しております。甲状腺機能低下症の治療について、より詳しく知りたい方は「日本内分泌学会のホームページ」または「MSDマニュアル家庭版」をご覧ください。     都賀で甲状腺機能低下症にお困りの方は当院へご相談下さい これまでにご紹介した通り、甲状腺は生きていくために必要不可欠な臓器。私たちが快適に生活する上で欠かせないホルモンを分泌しております。ですので、甲状腺に異常がなくても、定期的に健康診断を受け、早期発見・早期治療に繋げることが大切です。当院の内分泌科では甲状腺全般の不調に対する相談や治療を行っております。ですから、一つでも甲状腺機能低下症の症状に当てはまる方、あるいは体調不調が続いている方は遠慮なくお問い合わせ・ご来院ください。(内分泌内科の詳細は「こちらのページ」からご確認いただけます)なお、当院では甲状腺疾患以外にも様々な診療・検査を行なっております。甲状腺疾患以外で「お悩み」や「ご相談」がある方は、こちらからお問い合わせください。    

2022.02.11