-
- 板谷内科クリニックブログ
- 糖尿病の子供にみられる症状と治療法について
糖尿病の子供にみられる症状と治療法について
2022.05.24
この記事では、お子様が糖尿病かをどうかチェックする際のポイントを紹介していきます。 記事の後半では「合併症のリスク」や「糖尿病の治療方法」についても解説します。
【目次】
子供が発症しやすい1型糖尿病について
1型糖尿病の2型糖尿病との違いについて
糖尿病の子供にみられる症状とは?
糖尿病性ケトアシドーシスとは?
合併症のリスク・症状について
子供の糖尿病治療方法について
糖尿病の治療方法①インスリン療法
糖尿病の治療方法②食事療法
糖尿病の治療方法③運動療法
子供が発症しやすい1型糖尿病について
そもそも糖尿病とは、すい臓で作られるインスリンの分泌不全またはインスリンが作用する臓器が十分にインスリンの効果を受けられない状態(インスリン抵抗性)、もしくは両方がきっかけで血糖値が慢性的に高くなってしまった代謝異常の状態を指します。
そのうち1型糖尿病とは前者のインスリン分泌不全に該当します。
すい臓にはランゲルハンス島という細胞の集合体があり、その中にあるβ(ベータ)細胞がインスリンを分泌しています。
1型糖尿病とはそのβ細胞が壊れてしまうことで生じるインスリンが原因で引き起こされる症状なのです。
なぜβ細胞が破壊されてしまうのか、その原因についてはウイルス感染の関与も疑われておりますが、詳しい原因は完全に解明されていません。
1型糖尿病は小児期に発症することが多く、小児1型糖尿病と呼ばれるのはそのためです。
日本内分泌学会の公式HPでも小児1型糖尿病について紹介されています。
1型糖尿病の2型糖尿病との違いについて
インスリンは骨格筋や肝臓などの(標的)臓器に作用し、糖の吸収を促します。
肥満などでインスリンの効果を調整する物質(アディポサイトカインと呼ばれます)の分泌異常が起こると、インスリンが標的臓器に対して効果を十分に発揮できなくなります。
つまり2型糖尿病とは、標的臓器のインスリンに対する感受性が下がり、(分泌量は十分でも)インスリンの作用が十分になされないことが原因で起こる症状です。
前段の通り、1型糖尿病との違いとしては血糖値が高まる原因が異なります。
糖尿病の子供の大半は1型糖尿病ですが、近年2型糖尿病の子供も増加傾向にあります。
糖尿病の子供にみられる症状とは?
子供が糖尿病を発症した場合、どのような症状があらわれるのでしょうか?
以下の症状が見られた場合は、糖尿病の疑いがあります。
お子様に当てはまる症状があれば、速やかに診察を受けてください。
<糖尿病の子供によくみられる症状>
1. 何度もトイレにいく
2. 喉が渇いて沢山の水がほしくなる
3. 食べているのに痩せる
4. お腹が痛くなる
5. だるい、疲れやすい
6. 意識を失う
糖尿病ケトアシドーシスについて
インスリン不足がさらに進むと「糖尿病ケトアシドーシス」という合併症を引き起こす恐れがあります。
糖尿病性ケトアシドーシスになるとだるさ、頭痛や痙攣といった症状になり、最後には昏睡状態になってしまう状態で、最悪の場合死に至ることもあります。
糖尿病性ケトアシドーシスは1型糖尿病がきっかけで起こることがほとんどで、インスリンが不足することで脂肪がエネルギーとして使われるような状態です。
糖尿病合併症のリスク・症状について
糖尿病の恐さは、自覚症状のないままに重篤な合併症が進展することです。血糖値が高い状態が持続すると「数年~十数年」の経過で合併症が生じます。
小児1型糖尿病では、失明したり、腎不全となり透析をしなければならなくなったり、痛みを感じにくくなったりします。
また大人になると、脳梗塞、心筋梗塞、狭心症、歯周病、感染症などになりやすくなることもあります。
ですので、お子様に糖尿病の症状が見られた際には絶対に放置してはいけません。
糖尿病の合併症のリスク・症状については「MSDマニュアル」に記載しておりますので、より詳しく知りたい方はご覧ください。
子供の糖尿病の治療方法について
子供の糖尿病の治療は、健康な子供と同じ発育と生活の質(クオリティ・オブ・ライフ:QOL)の確保が前提となります。
本人や家族はもちろん、学校の先生やまわりの友達にも、糖尿病の病気への理解と、きちんとした治療が必要であるという意識をもってもらうことが大切です。
以下、糖尿病の治療方法になります。
糖尿病の治療方法①インスリン療法
インスリンが不足した状態になっているときに、インスリン注射等で外部からインスリンを補うことによって血糖を下げます。
これにより健常な子供と同等の血糖値変動パターンに近づけることが可能となり、日常生活における支障を和らげることができます。
糖尿病の治療方法②食事療法
食事療法は糖尿病治療の基本です。
1. 食べすぎず、腹八分目に抑える
2. 朝昼晩、規則正しく食べる
3. バランスよく食べ、食事中はゆっくりよく噛んで食べる
4. 寝る間際に食べすぎない
これらのことをきちんと守り、3大栄養素(脂質、糖質、タンパク質)をバランスよく摂取してください。
千葉県の公式HPでも「子供の糖尿病治療と管理について」にて糖尿病の子供に関する治療法を紹介しています。
糖尿病の治療方法③運動療法
運動療法の基本は、運動によるエネルギー消費・肥満の解消や抑制です。
運動療法により血糖コントロール・インスリン抵抗性・脂質代謝の改善が得られ、糖尿病の症状が改善に近づきます。
子供にとってはストレス解消や筋力の増加にも役立つので、積極的に取り入れてほしいです。
運動療法については「糖尿病を改善するための運動」にも記載があります。
同じカテゴリのブログ記事
糖尿病患者の足にみられる症状について
糖尿病はインスリンの分泌不全もしくは、インスリンが作用する臓器が十分にインスリンの効果を受けられない状態(インスリン抵抗性)、あるいはその両方がきっかけで血糖値が慢性的に高くなってしまった代謝異常の状態を指します。 血糖値が何年間も高いままでいると、将来的に心臓病や、失明、腎不全といったより重い病気につながります。 そのため、糖尿病の症状が見られた際には放置せず、速やかに糖尿病専門医による診察を受けることが大切です。 この記事では、糖尿病患者の足にみられる症状について解説していきます。 後半では「足の症状のチェックポイント」を説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。
2022.05.25
BLOG CATEGORY
-
神経内科
神経内科についての記事はこちらをクリック
-
アレルギー科
アレルギー科についての記事はこちらをクリック
-
リウマチ科
リウマチ科についての記事はこちらをクリック
-
糖尿病・代謝内科
糖尿病・代謝内科についての記事はこちらをクリック
-
美容注射
美容注射についての記事はこちらをクリック
-
各種検診
各種検診についての記事はこちらをクリック
-
内分泌内科
内分泌内科についての記事はこちらをクリック
-
腎臓内科
腎臓内科についての記事はこちらをクリック
-
循環器内科
循環器内科についての記事はこちらをクリック
-
消化器内科
消化器内科についての記事はこちらをクリック
-
呼吸器内科
呼吸器内科についての記事はこちらをクリック
-
内科
内科についての記事はこちらをクリック
BLOG TAG
- 糖尿病足病変
- 血糖
- 糖尿病チェック
- 足
- 1型糖尿病
- 2型糖尿病
- 合併症
- インスリン
- 運動療法
- 子供
- くしゃみ
- 新型コロナウイルス感染症
- 点眼薬
- 点鼻薬
- 内服薬
- 有効
- 薬
- 対策
- 飛散
- 舌下免疫療法
- アナフィラキシーショック
- アレルギー
- 治療法
- 花粉症
- 無症状
- 待機期間
- 濃厚接触
- 期間
- 甲状腺ホルモン
- 甲状腺機能低下症
- 風邪
- 初期
- 感染対策
- オミクロン株
- 接種券
- 対象
- 新型コロナワクチン
- 3回目
- 甲状腺
- 栄養素
- 糖尿病
- 血圧
- 減塩
- 動脈硬化
- 食事療法
- 生活習慣病
- DASH食
- 高血圧
- 若葉区
- 脂質異常症
- 都賀
- 高脂血症
- 感染
- 運動
- 飲酒
- 接種後
- 接種率
- 千葉市
- 副反応
- 種類
- 接種
- 予約
- コロナワクチン
- コロナ
- 診断
- 予防
- 治療
- 改善
- 原因
- 検査
- 症状